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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】紙箱の底面部締結構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/36 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B65D5/36 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021538686
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 KR2021000732
(87)【国際公開番号】W WO2022107996
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0153952
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:令和2年7月9日、公開場所:大韓民国 釜山、行為:権利者が権利者以外の者に、紙箱の底面部締結構造を有する箱を輸送した。
(73)【特許権者】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミュン・ジェ・キム
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-035515(JP,U)
【文献】実開昭58-190170(JP,U)
【文献】特開2004-231301(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03453634(EP,A1)
【文献】特開2006-069566(JP,A)
【文献】特開昭63-317448(JP,A)
【文献】米国特許第04291828(US,A)
【文献】特開2011-063276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00- 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙箱の周面を構成する周面部、及び前記周面部の下側に、折り畳み線を挟んで連結され、前記紙箱の底面を構成する底面部を含む紙箱の底面部締結構造において、
前記底面部は、
順次に配される第1底面プレート、第1底面フリッププレート、第2底面プレート及び第2底面フリッププレートを含み、
前記第1底面プレート及び前記第2底面プレートは、
底面プレートの前方部分を構成する突出ヘッド部、底面プレートの後方部分を構成するボディ部、及び前記突出ヘッド部と前記ボディ部との間に具備される締結溝を含み、
前記突出ヘッド部は、上下方向に第1幅を有し、前記ボディ部は、上下方向に第2幅を有し、前記締結溝は、上下方向に第3幅を有し、
前記第1幅、前記第2幅及び前記第3幅の大きさは、
第1幅>第2幅>第3幅であり、
前記突出ヘッド部は、
前記突出ヘッド部の下側外周縁部を構成する第1直線区間と、
前記突出ヘッド部の後側外周縁部を構成する第2直線区間と、を含み、
前記第1直線区間と前記第2直線区間との間には、
傾斜部が具備され、
前記第1直線区間と第2直線区間は、互いに直交し、
前記締結溝は、
前記締結溝の下側外周縁部を構成する第3直線区間を含み、
前記ボディ部は、
前記第2直線区間の上側端部と下側端部との間の一地点に対応する高さで前後方向に延在する第4直線区間を含み、
前記第2直線区間は、
一側端部が前記第3直線区間と連結され、
少なくとも前記第3直線区間と前記第4直線区間との間の上下方向間隔よりも大きい長さを有し、
前記底面部締結構造は、
紙箱を組立てるとき、断面が平行四辺形を有し、平らに押さえ付けられた紙箱を両側から真ん中に加圧して長方形状の断面を有するようにするが、
前記周面部に備えられる折り畳み線を折り畳んで前面プレートと後面プレートとが互いに対面すれば、前記底面部の第1底面プレートと第2底面プレートの前記第1直線区間が互いに平行に当接し、前記第1底面プレートと第2底面プレートが互いに線接触し、前記線接触によって前記第1底面プレートと前記第2底面プレートの安定したガイドが達成され、かつ、
前記突出ヘッド部の後側外周縁部が互いに当接する位置に逹すれば、落差によって瞬時に結合がなされ、前記第2直線区間が掛かり合う、
ように構成されている、紙箱の底面部締結構造。
【請求項2】
前記締結溝の下側外周縁部と、前記ボディ部の下側外周縁部との間には、
ステップ部が具備される、請求項1に記載の紙箱の底面部締結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙箱の底面部を構成する底面プレート間の結合力が向上され、底面の耐久性が向上される紙箱の底面部締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙箱は、体積を最小化させるために、開かれた形態で納品され、生産所でそれを組み立てて使用する。組み立て工程の効率のために、紙箱は、できる限り、組み立てられやすく作られる。しかし、通常、組み立てが容易であるならば、紙箱の結合力が低く、良好に分解されて組み立てが困難であれば、紙箱の結合力が高く、あまり分解されない。特に、内容物の重量が重くなるほど、そのような現象はさらに目立ち、流通時、結合崩れや底抜けなどが発生する。それを補完するために、紙箱内部に底パッドを入れたりする。しかし、コストが上昇し、組み立て工程が追加され、改善程度が制限的であるために、そのような解決策は、根本的な解決方案ではない。
【0003】
一例として、図1は、従来技術による紙箱を広げた展開図であり、周面部10の一部分と底面部20とを示した図面である。
【0004】
従来技術による紙箱の底面部20は、底面プレート30とフリッププレート40とを含み、具体的には、底面プレート30は、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとを含み、フリッププレート40は、一側フリッププレート40aと他側フリッププレート40bとを含んでもよい。このとき、前面底面プレート30a、一側フリッププレート40a、背面底面プレート30b、他側フリッププレート40bが順次に配され、前面底面プレート30a、一側フリッププレート40a、背面底面プレート30b、他側フリッププレート40bは、それぞれ前面プレート12、一側面プレート14、背面プレート16、他側面プレート18に連結される構成を有することができる。
【0005】
図2及び図3は、図1の紙箱の底面部20を組み立てる過程を示した図面である。図4は、図1の紙箱が組み立てられた状態であり、底面部20を上側から下側に見たところを示した図面である。
【0006】
底面部20を構成する底面プレート30は、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとが互いに掛かり合って締結される結合構造を有する。底面プレート30は、掛かり合いのための突出ヘッド部32を有する。同時に、突出ヘッド部32の後方外周縁部には、傾斜部52と掛かり合い端部54とが具備される。
【0007】
そのような組み立て方式を有する従来技術による紙箱の場合、図2に図示されているように、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとが一次的にに当接する部分は、傾斜部52である。そのような傾斜部52は、点接触Fがなされる。前記傾斜部52は、ガイドの役割を行い、互いに当接した前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとの動きをガイドする。それにより、前記傾斜部52は、互いに当接した部分を傾斜部52の終端部分に案内する。このとき、前記傾斜部52間には、点接触がなされることにより、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとのガイドが容易ではないという問題があった。
【0008】
同時に、図3及び図4に図示されているように、傾斜部52端に具備され、直線区間によって構成される掛かり合い端部54により、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとの締結及び固定がなされる。それにより、前面底面プレート30aと背面底面プレート30bとの掛かり合い及び締結がなされる部分の幅は、図4のW1のように、比較的その幅が狭い。
【0009】
従って、そのような従来技術による紙箱は、底面プレート30間の締結力が比較的弱く、耐久性が弱いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、組み立てが簡便でありながらも、紙箱の底面部を構成する底面プレート間の結合力が向上され、別途のさらなる底パッドなどなしにも、底面の耐久性が向上される紙箱の底面部締結構造を提供することである。
【0011】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、底面プレート間の掛かり合い幅が広い構成を有することにより、内容物の変造がなされにくい紙箱を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による紙箱の底面部締結構造は、紙箱の周面を構成する周面部、及び前記周面部の下側に具備され、前記周面部と、折り畳み線を挟んで連結され、紙箱の底面を構成する底面部を含む紙箱の底面部締結構造において、
【0013】
前記底面部は、順次に配される第1底面プレート、第1底面フリッププレート、第2底面プレート及び第2底面フリッププレートを含み、前記第1底面プレートと前記第2底面プレートは、底面プレートの前方部分を構成する突出ヘッド部、底面プレートの後方部分を構成するボディ部、及び前記突出ヘッド部と前記ボディ部との間に具備される締結溝を含み、
【0014】
前記突出ヘッド部は、上下方向に第1幅を有し、前記ボディ部は、上下方向に第2幅を有し、前記締結溝は、上下方向に第3幅を有し、前記第1幅、前記第2幅及び前記第3幅の広さは、第1幅>第2幅>第3幅である関係を有する。
【0015】
一実施形態によれば、前記突出ヘッド部は、前記突出ヘッド部の下側外周縁部を構成する第1直線区間、及び前記突出ヘッド部の後側外周縁部を構成する第2直線区間を含む。
【0016】
一実施形態によれば、前記第1直線区間と前記第2直線区間との間には、傾斜面部が具備される。
【0017】
一実施形態によれば、前記第1直線区間と第2直線区間は、互いに直交する。
【0018】
一実施形態によれば、前記締結溝は、前記締結溝の下側外周縁部を構成する第3直線区間を含む。
【0019】
一実施形態によれば、前記突出ヘッド部は、前記突出ヘッド部の後側外周縁部を構成する第2直線区間を含み、前記第2直線区間と前記第3直線区間は、互いに直交する。
【0020】
一実施形態によれば、前記締結溝の下側外周縁部と、前記ボディ部の下側外周縁部との間には、ステップ部が具備される。
【発明の効果】
【0021】
本発明による紙箱の底面部締結構造は、組み立て過程において、底面プレートが互いに線接触し、安定したガイドがなされうる。
【0022】
本発明による紙箱の底面部の底面プレートは、突出ヘッド部が互いに内側に深く突出されるので、底面部の耐久性が向上されうる。
【0023】
本発明による紙箱の底面部の底面プレートは、突出ヘッド部とボディ部との間に、締結溝が具備され、突出ヘッド部の後側外周縁部を構成する直線区間の長さが長くなり、突出ヘッド部の幅が広い構成を有する。従って、底面プレート間の結合力が増大し、耐久性が向上されうる。また、無理に内容物を取り出す場合、底面が損傷され、内容物の変造がなされにくくなる。
【0024】
本発明による紙箱の底面部締結構造は、機械を利用した紙箱の組み立て及び形態構成が可能である。従って、人力消耗が少なくなり、製造工程において有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術による紙箱を広げた状態において、周面部の一部分と、底面部とを示した展開図である。
図2図1の紙箱の底面部を組み立てる過程を示した図面である。
図3図1の紙箱の底面部を組み立てる過程を示した図面である。
図4図1の紙箱が組み立てられた状態において、底面部を上側から下側に見たところを示した図面である。
図5】本発明の実施形態による底面部締結構造を有した紙箱を広げた状態において、周面部の一部分と、底面部とを示した展開図である。
図6図5の底面プレートを拡大図示した図面である。
図7図5の紙箱の底面部を組み立てる過程を示した図面である。
図8図5の紙箱の底面部を組み立てる過程を示した図面である。
図9図5の紙箱が組み立てられた状態において、底面部を上側から下側に見たところを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態による紙箱の底面部締結構造は、紙箱の周面を構成する周面部、及び前記周面部の下側に具備され、前記周面部と、折り畳み線を挟んで連結され、紙箱の底面を構成する底面部を含む紙箱の底面部締結構造において、
【0027】
前記底面部は、順次に配される第1底面プレート、第1底面フリッププレート、第2底面プレート及び第2底面フリッププレートを含み、前記第1底面プレートと前記第2底面プレートは、底面プレートの前方部分を構成する突出ヘッド部、底面プレートの後方部分を構成するボディ部、及び前記突出ヘッド部と前記ボディ部との間に具備される締結溝を含み、
【0028】
前記突出ヘッド部は、上下方向に第1幅を有し、前記ボディ部は、上下方向に第2幅を有し、前記締結溝は、上下方向に第3幅を有し、前記第1幅、前記第2幅及び前記第3幅の広さは、第1幅>第2幅>第3幅である関係を有する。
【0029】
以下、添付された図面を参照し、本発明による望ましい実施形態について説明する。
【0030】
以下、前後左右の方向は、図5に図示された前後左右の方向を基準に説明する。
【0031】
図5は、本発明の実施形態による底面部締結構造を有した紙箱を広げた状態において、周面部100の一部分と、底面部200とを示した展開図である。
【0032】
本発明による底面締結構造を有する紙箱は、周面部100及び底面部200を含む。
【0033】
周面部100は、紙箱の周面を構成する。周面部100は、例えば、前面プレート110、一側面プレート120、背面プレート130、他側面プレート140を含んでもよい。ここで、一側面プレート120は、例えば、左側面プレートであり、他側面プレート140は、右側面プレートでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0034】
前述のような前後左右方向は、必ずしも限定されるものではなく、前後方向、側面方向をそれぞれ異にすることにより、それぞれ異なっても命名される。前記前面プレート110、一側面プレート120、背面プレート130及び他側面プレート140は、折り畳み可能な折り畳み線を挟んでも連結される。
【0035】
また、周面部100の前側端部及び後側端部のうち少なくとも一つには、周面部100の前側端部と後側端部との連結のための接着面部150が具備されうる。
【0036】
底面部200は、紙箱の底面を構成する。すなわち、底面部200は、紙箱が折り畳まれて組み立てられたとき、紙箱の底面を構成することができる。
【0037】
底面部200は、底面プレート300及び底面フリッププレート400を含む。底面プレート300と底面フリッププレート400は、それぞれ2個が具備される。それにより、底面プレート300は、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとを含み、底面フリッププレート400は、第1底面フリッププレート400aと第2底面フリッププレート400bとを含むとすることができる。前記底面プレート300と底面フリッププレート400は、互いに相互に配される。それにより、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの間に、第1底面フリッププレート400aが位置し、第1底面フリッププレート400aと第2底面フリッププレート400bとの間に、第2底面プレート300bが位置する。
【0038】
例えば、紙箱を構成する周面部100が、前面プレート110、一側面プレート120、背面プレート130、他側面プレート140によって構成されているとするとき、前記第1底面プレート300aは、前記前面プレート110下側に具備され、前記第1底面フリッププレート400aは、前記一側面プレート120下側に具備され、前記第2底面プレート300bは、前記背面プレート130下側に具備され、前記第2底面フリッププレート400bは、前記他側面プレート140下側に具備されうる。
【0039】
第1底面プレート300aと第2底面プレート300bは、互いに実質的に同一構成を有することができる。すなわち、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bは、共通要素を有することができる。また、第1底面フリッププレート400aと第2底面フリッププレート400bは、互いに実質的に同一構成を有することができる。すなわち、第1底面フリッププレート400aと第2底面フリッププレート400bは、共通要素を有することができる。便宜上、以下においては、「底面プレート300」、「底面フリッププレート400」と一貫して説明する。例えば、以下において、「底面プレート300は、突出ヘッド部310とボディ部320を含む」という説明は、「第1底面プレート300aと第2底面プレート300bは、いずれも突出ヘッド部310とボディ部320とを含む」という説明とも理解される。
【0040】
底面プレート300は、突出ヘッド部310とボディ部320とを含む。突出ヘッド部310は、底面プレート300の前方部分を構成し、ボディ部320に比べ、下方にさらに突出される。ボディ部320は、底面プレートの後方部分を構成し、突出ヘッド部310に比べ、上方に陥没される。すなわち、突出ヘッド部310の上下幅は、ボディ部320の上下幅より広い。
【0041】
併せて、突出ヘッド部310とボディ部320との間には、締結溝330が具備される。締結溝330は、突出ヘッド部310とボディ部320とに比べ、上方でさらに深く陥没される。すなわち、締結溝330が形成された部分の上下幅は、ボディ部320の上下幅より狭い。
【0042】
すなわち、周面部100と底面プレート300との境界を構成する折り畳み線160と、底面プレート300の下側外周縁部との幅は、突出ヘッド部310>ボディ部320>締結溝330の広さ順序を有する。
【0043】
言い換えて説明すれば、図6に図示されているように、前記突出ヘッド部310は、上下方向に第1幅V1を有し、前記ボディ部320は、上下方向に第2幅V2を有し、前記締結溝330は、上下方向に第3幅V3を有する。前記第1幅V1、前記第2幅V2及び前記第3幅V3の広さは、第1幅V1>第2幅V2>第3幅V3である関係を有する。
【0044】
突出ヘッド部310の下側外周縁部は、第1直線区間500を含んでもよい。このとき、前記第1直線区間500は、周面部100と底面プレート300とが連結される折り畳み線160と平行でもある。
【0045】
突出ヘッド部310の後側外周縁部は、第2直線区間510を含んでもよい。前記第2直線区間510は、周面部100と底面プレート300とが連結される折り畳み線160と直交することができる。ただし、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0046】
前記第1直線区間500と前記第2直線区間510との間には、傾斜面部520が設けられるのである。すなわち、突出ヘッド部310の後側コーナーは、面取り構造の傾斜面部520によっても構成される。ここで、傾斜面というのは、必ずしも直線傾斜面に限定されるものではなく、曲率を有する湾曲面でもある。
【0047】
前記締結溝330の下側外周縁部は、第3直線区間530を含んでもよい。前記第3直線区間530は、周面部100と底面プレート300とが連結される折り畳み線160と平行でもある。ただし、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0048】
前記第2直線区間510と前記第3直線区間530は、互いに直交するようにも連結される。すなわち、突出ヘッド部310の後側外周縁部と、締結溝330の下側外周縁部との角は直角でもある。ただし、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0049】
前記ボディ部320の下側外周縁部は、第4直線区間540を含んでもよい。前記第4直線区間540は、周面部100と底面プレート300とが連結される折り畳み線160と平行でもある。ただし、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0050】
前記第3直線区間530と前記第4直線区間540との間には、前記第3直線区間530と前記第4直線区間540との上下距離差によって生じるステップ部550が設けられうる。前記ステップ部550は、所定の傾斜角度を有する傾斜面によっても構成される。ここで、傾斜角度というのは、第3直線区間530及び/または前記第4直線区間540との関係において、第3直線区間530及び/または前記第4直線区間540を水平線にするとき、前記ステップ部550は、所定の間角(傾斜角度)を有するということを意味するとも理解される。
【0051】
底面プレート300は、サイドフリップ部340をさらに含んでもよい。サイドフリップ部340は、ボディ部320の後側に、折り畳み可能に具備される。具体的には、サイドフリップ部340は、傾いたラインによって構成される折り畳み部560を挟み、ボディ部320とも連結される。
【0052】
底面フリッププレート400は、全体的に三角形状を有するプレートとしても構成される。前述のように、底面フリッププレート400は、一側面プレート120と他側面プレート140とにそれぞれ折り畳み可能にも連結される。
【0053】
図7及び図8は、図5の紙箱の底面部200を組み立てる過程を示した図面である。図9は、図5の紙箱が組み立てられた状態において、底面部200を上側から下側に見たところを示した図面である。
【0054】
以下においては、本発明の実施形態による紙箱の組み立てについて説明する。
【0055】
図7に図示されているように、本発明の実施形態による紙箱を組み立てるとき、周面部100に具備される折り畳み線を折り畳み、前面プレート110と背面プレート130とを互いに対面させれば、まず、底面部200の第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが一次的に互いに当接する。このとき、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが互いに当接する部分は、前記第1直線区間500である。すなわち、第1底面プレート300aの第1直線区間500aと、第2底面プレート300bの第1直線区間500bとが互いに当接することにより、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが互いに少なくとも一部分線接触する。
【0056】
この状態において、図7の矢印F1,F2のように力を加える。前記力を加える方向は、周面部100の一側面プレート120と他側面プレート140とが互いに平行になるようにする方向である。このとき、前述のように、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが互いに線接触しているので、安定したガイドがなされうる。
【0057】
すなわち、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが点接触するとする場合、一点に接触力が集中されるので、破損び可能性があり、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの移動が互いにガイドされる効果も低下してしまう。一方、本発明の実施形態によれば、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが第1直線区間500によって互いに線接触するので、一点に接触力が集中されず、破損可能性が低くなり、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの移動が自然にガイドされうる。
【0058】
次に、図8のように、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの突出ヘッド部310a,310bの後側外周縁部(第2直線区間500a,500b)が互いに当接する位置(第1底面プレート300aの第1直線区間500aと、第2底面プレート300bの第1直線区間500bとの端部分)に逹すれば、落差により、瞬間的な結合がなされる。すなわち、第1底面プレート300aは、背面プレート130方向(下側)に移動し、第2底面プレート300bは、前面プレート110方向(上側)に移動する。従って、第1底面プレート300aの締結溝330aと、第2底面プレート300bの締結溝330bとが互いに当接する状態になる。
【0059】
このとき、一実施形態によれば、前記突出ヘッド部310の下側外周縁部を構成する第1直線区間500と、後側外周縁部を構成する第2直線区間510とのコーナー位置には、傾斜面部520が設けられている。従って、摩擦や引っ掛かりが発生せず、前述のような瞬間的結合が安定してなされうる。
【0060】
併せて、そのように締結がなされた状態において、前記第1底面プレート300aの前記突出ヘッド部310aは、前記第2底面プレート300bの内側(図8において、下側)に深く突出され、前記第2底面プレート300bの前記突出ヘッド部310aは、前記第1底面プレート300aの内側(図8において、上側)に深く突出される。すなわち、図8及び図9に図示されている通りである。従って、前記第1底面プレート300aと前記第2底面プレート300bは、互いに広い接触面積を有し、高い結合力を有することができる。そのような構成により、底面部200の耐久性が向上されうる。
【0061】
一実施形態によれば、突出ヘッド部310とボディ部320との間には、締結溝330が形成され、上側に陥没されることにより、前記突出ヘッド部310の後側外周縁部を構成する第2直線区間510の長さが長くなる。
【0062】
それにより、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの掛かり合い幅W2の幅がさらに長くなりうる。ここで、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの掛かり合いを解除するためには、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの掛かり合い幅W2の幅ほど変形させなければならない。従って、掛かり合い幅W2が増大するということは、まさに結合力が増大するという意味になる。従って、一実施形態によれば、掛かり合い幅W2が増大された構成を有することにより、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとの結合力がさらに増大する。
【0063】
また、本実施形態のように、突出ヘッド部310の幅V1は、締結溝330が形成された部分の幅V3に比べ、広幅を有する。従って、掛かり合い幅W2の幅が増大しながら、同時に、底面プレート300の耐久性が低下されないのである。
【0064】
また、本実施形態のように、突出ヘッド部310の幅V1は、ボディ部320の幅V2に比べ、広幅を有する。従って、掛かり合い幅W2がさらに増大しながら、同時に、底を覆う面積が増大する。従って、紙箱の耐久性が向上されうる。すなわち、別途のさらなる部材(例えば、底パッドなど)を加えることなしに、紙箱の耐久性が向上されうる。
【0065】
それにより、内容物の重量が増加しても、流通時、結合崩れや底抜けのい最小化が可能である。
【0066】
また、本発明の実施形態による紙箱の底面部締結構造を有する紙箱は、底面部の結合力が高く、底を介する内容物取り出しが困難である。また、底面プレート間の掛かり合い幅W2が広く、無理に取り出す場合、紙箱が毀損されることになる。従って、内容物の変造防止が可能であり、内容物が変造された紙箱を容易に識別することができる。
【0067】
以下表1は、従来技術による紙箱の底面部締結構造を有する紙箱の結合力と、本発明の実施形態による紙箱の底面部締結構造を有する紙箱の結合力とを比較したものである。単位は、共通してkgfである。
【0068】
【表1】
【0069】
前述の表1から分かるように、従来技術による紙箱の底面部締結構造を有する紙箱の結合力は、平均7.9kgfである一方、本発明の実施形態による紙箱の底面部締結構造を有する紙箱の結合力は、19.7kgfであることが分かった。すなわち、従来技術対比で結合力が向上されているということを確認することができる。
【0070】
また、本発明の実施形態による紙箱の底面部締結構造によれば、機械を利用した紙箱の組み立て及び形態構成がさらに簡便である。
【0071】
すなわち、本発明の場合には、図7のように、断面が平行四辺形状に平らに押されられた紙箱を、両側から真ん中に加圧し、長方形状の断面を有する紙箱を構成するのに簡便である。それは、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとがそれぞれ比較的長く前後方向に延在する第1直線区間500aと第2直線区間500bとを有し、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが互いに当接するとき、相互線接触する形態でガイドがなされるためであり、また、第1底面プレート300aと第2底面プレート300bとが結合されるときには、上下方向に延在する第2直線区間510が互いに結合されるためである。一方、そのような直線区間がないか、あるいはそれが相対的に短い従来技術の場合には、底面プレート300間の結合時、底面プレート300間のガイド効果及び結合力が相対的に不足し、組み立て工程に人力投入が必要である。従って、本発明の場合、組み立てにおいて、機械的工程も適用され、製造コストが節減される。
【0072】
以上においては、望ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は、前述の特定実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求される本発明の要旨を外れることなしに、当該発明が属する技術分野において当業者により、多様な変形実施が可能であるということは、言うまでもなく、そのような変形実施は、本発明の技 術的思想や展望から個別的に理解されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
100 周面部
110 前面プレート
120 一側面プレート
130 背面プレート
140 他側面プレート
150 接着面部
160 折り畳み線
200 底面部
300 底面プレート
300a 第1底面プレート
300b 第2底面プレート
310 突出ヘッド部
310a 突出ヘッド部
310b 突出ヘッド部
320 ボディ部
330 締結溝
330a 締結溝
330b 締結溝
340 サイドフリップ部
400 底面フリッププレート
400a 第1底面フリッププレート
400b 第2底面フリッププレート
500 第1直線区間
510 第2直線区間
520 傾斜面部
530 第3直線区間
540 第4直線区間
550 ステップ部
560 折り畳み部
V1 第1幅
V2 第2幅
V3 第3幅
W2 掛かり合い幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9