(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】可変解像度スクリーンのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240719BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20240719BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240719BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G02B26/08 D
G02B26/08 E
G02B27/02 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
H04N5/74 A
H04N5/74 D
(21)【出願番号】P 2021560376
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2020023695
(87)【国際公開番号】W WO2020205269
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521440921
【氏名又は名称】ガザリアン ラズミク
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ガザリアン ラズミク
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/220608(WO,A1)
【文献】特開2010-097056(JP,A)
【文献】国際公開第2017/168229(WO,A1)
【文献】特開2018-109746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0073386(US,A1)
【文献】国際公開第2018/183405(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/112418(WO,A1)
【文献】特表2017-515214(JP,A)
【文献】特開2018-69069(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107209390(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0206583(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/14
G02B 26/08
G02B 27/02
G09G 5/00
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド装着式ディスプレイであって、
第1の画像成分と第2の画像成分と
の両方を出力するように構成された
1つの画像ソースと、
前記第1の画像成分を小画像光学要素に向け、前記第2の画像成分を大画像光学要素に向ける画像ステアリング要素と、
投影スクリーンと、
前記第1の画像成分を受け入れて
、前記投影スクリーンの上にフォーカスされた高解像度小画像を出力
するように構成された、前記小画像光学要素と、
前記第2の画像成分を受け入れて
、前記
投影スクリーンの上にフォーカスされた低解像度大画像を出力する
ように構成された、前記大画像光学要素と、
を含み、
前記高解像度小画像及び前記低解像度大画像は、前記
投影スクリーン上で可変解像度画像として現れる、
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項2】
前記画像ソースは、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項3】
前記小画像光学要素及び前記大画像光学要素は、それらの構成要素のうちの1又は2以上を共有する、請求項
1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項4】
前記小画像光学要素は、複製要素と光学遮蔽要素とを含む、請求項
1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項5】
前記光学遮蔽要素は、該光学遮蔽要素からのスクリーンドア効果を低減するために中間画像平面から僅かにオフセットされる、請求項
4に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項6】
前記光学遮蔽要素は、更に、前記高解像度小画像のコピーを表示し、
前記高解像度小画像の単一複製物が、該高解像度小画像の前記コピーと融合して該高解像度小画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する、
請求項
4に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項7】
前記複製要素は、前記高解像度小画像を受け入れて該高解像度小画像の複数の複製物を出力し、
前記光学遮蔽要素は、前記高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が残るように該高解像度小画像の該複数の複製物の1又は2以上を覆い隠し、該高解像度小画像の該1又は2以上の複製物の該部分は、前記
投影スクリーン上のターゲット位置の上にフォーカスされる該高解像度小画像の完全な単一複製物を共に形成する、
請求項
4に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項8】
前記高解像度小画像の前記1又は2以上の複製物の前記部分は、該高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分を含み、
前記光学遮蔽要素は、前記高解像度小画像の前記少なくとも4つの複製物の前記デジタル的に再配置された部分から該高解像度小画像の前記完全な単一複製物を再構成するように構成される、
請求項
7に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項9】
遮蔽要素を
更に含み、
前記遮蔽要素は、前記低解像度大画像のコピーを表示し、
前記低解像度大画像は、該低解像度大画像の前記コピーと融合して該低解像度大画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項10】
前記第1の画像成分及び前記第2の画像成分は、画像ストリームの個別のフレームであり、
前記画像ソースは、前記個別のフレーム内の前記第1の画像成分及び前記第2の画像成分を時間多重化方式で出力するように構成される、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項11】
前記画像ソースは、前記第1の画像成分と前記第2の画像成分とを含む初期画像を出力するように構成され、
前記第1の画像成分は、前記初期画像の第1の複数のピクセルを含み、前記第2の画像成分は、該初期画像の第2の複数のピクセルを含む、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項12】
1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを
更に含み、
前記電気的に調整可能なレンズ又はミラーは、前記
投影スクリーン上の前記高解像度小画像又は前記低解像度大画像のうちの少なくとも一方のサイズを制御するためのズームレンズ又はミラーとして機能する、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項13】
1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを
更に含み、
前記1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーは、前記
投影スクリーン上の前記高解像度小画像又は前記低解像度大画像のうちの少なくとも一方のフォーカスを制御するためのフォーカスレンズ又はミラーとして機能する、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項14】
前記小画像光学要素から出力された前記高解像度小画像を含む画像ストリームをステアリングする回転光学スラブを更に含む、請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項15】
前記画像ソースは、レーザビームステアリング(LBS)プロジェクタを含み、
前記第1の画像成分は、前記LBSプロジェクタによって生成された幅狭ビームであり、
前記第2の画像成分は、前記LBSプロジェクタによって生成された幅広ビームである、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項16】
前記
投影スクリーン上の前記高解像度小画像の位置が、前記LBSプロジェクタに関連付けられた角度によって決定される、請求項
15に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項17】
視認者の中心窩視野を検出する視線追跡要素、
を更に含み、
前記高解像度小画像又は該高解像度小画像の単一複製物の位置が、前記視認者の前記中心窩視野に対応する、
請求項1に記載の
ヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項18】
前記画像ソースが、複数の色チャネルの各色チャネルに対して個別のディスプレイパネル又はマイクロディスプレイパネルを含み、
前記ヘッド装着式ディスプレイは、前記複数の色チャネルを光学的に結合するために三色プリズム、Xキューブプリズム、又は二色フィルタのうちの少なくとも1つを更に含む、
請求項1に記載のヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項19】
前記投影スクリーン上への出力のために前記高解像度小画像と前記低解像度大画像とを結合して前記可変解像度画像を生成するためのビーム結合器を更に含む、
請求項1に記載のヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項20】
前記投影スクリーンは、平坦又は湾曲拡散投影スクリーンである、
請求項1に記載のヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項21】
前記ヘッド装着式ディスプレイは、ヘッド装着式投影ディスプレイ(HMPD)を含む、
請求項1に記載のヘッド装着式ディスプレイ。
【請求項22】
前記ヘッド装着式ディスプレイは、仮想現実ヘッドセットである、
請求項1に記載のヘッド装着式ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明するシステム、装置、及び方法は、一般的にビデオ投影システムに関し、特に仮想現実ヘッドセットのような近眼ディスプレイのためのビデオ投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ及びテレビジョンの初期から、表示システムは、スクリーンにわたる視覚情報の表示に頼っている。年月を経て、処理パワー及び小型化によってスクリーン解像度を劇的に高めることが可能になったが、スクリーンにわたってピクセルを均一に表示するという基本手法が優勢である。しかし、この手法は、解像度が高まる時にピクセルの全てを送出するための通信及び計算性能の有意な増大を要求する。これらの問題は、限定ではないがアイピース又は導波管を通して視認した時の画像が従来のディスプレイと比較して有意な量の視認者の視野を覆い、かつそれらのピクセルの一部が通常は又は常に視認者の周辺視野に又はその近くにあることをもたらす仮想現実ヘッドセットの出現と共に特に深刻になっている。
【0003】
従来のディスプレイは、平坦又は僅かに湾曲したクリーン上に典型的には規則的グリッド又は類似の均一に分散したピクセル又は走査線パターンで固定のサイズ及び互いからの距離を有するピクセル又は走査線を有する。LCD(液晶ディスプレイ)又はOLED(有機発光ダイオード)コンピュータディスプレイ又はテレビジョンディスプレイのような表示デバイスへの単一ピクセル手法101を示す
図1Aを参照されたい。
図1Bは、CRT(ブラウン管)コンピュータディスプレイ又はテレビジョンディスプレイ及びCRT又はLBS(レーザビームステアリング)ビデオ投影機のような他の表示デバイスに使用される走査線手法102を示している。しかし、眼は、
図1Cに見られるように、中心104では高解像度で、周辺105では低い視力で、視野103を解釈する。人間の視覚は、単一ピクセル101又は走査線102設計とはかなり異なっており、中心視覚104に遥かに多い視細胞及び高い視力を有するが、この種の固定及び一様分布のピクセル又は走査線は、スクリーンのどの部分をも多くの距離及び角度から見る時に類似の品質の画像を保証する。
【0004】
ピクセル又は走査線のこの均一分布が適用されない今日の例は、例えば3d面がビデオ投影機のスクリーンとして頻繁に使用される投影マッピング業界では、非常に限られており、ほとんど意図的なものではない。
【0005】
最近では、高解像度のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、及びプロジェクタの益々高まる製造コスト、及び従来スクリーンに対して生成された表示コンテンツに関する特に仮想現実ヘッドセット、拡張現実ヘッドセット、及び混合現実ヘッドセット(以後「XRヘッドセット」と呼ぶ)でのそれらの益々増大する解像度及び視野に起因する遙かに厳しい計算、帯域幅、及びストレージ要件の理由から可変解像度スクリーン103に対する必要性が出現している。
【0006】
現在のXRヘッドセットは、眼球の回転を考慮して平均で水平に270度掛ける垂直に135度である人間の視野に近い視野を提供することを目標としており、かつ通常はそれよりも小さく、例えば、仮想現実ヘッドセットに対して水平に90度掛ける垂直に100度であり、拡張現実ヘッドセットに対して水平に50度未満掛ける垂直に50度であるが、これは、依然としてモニタ、TV、及び投影スクリーンのような通常の視認距離での多くのスクリーンよりも大きい。
【0007】
他の例は、非常に広く投影し、かつ通常視認距離でのCRT、LCD、OLED、又はマイクロLEDモニタ、及びTV及び投影スクリーンのような表示技術を使用するよりも視認者の視野のより多くを網羅するように設定することができるビデオ投影機である。
【0008】
HMPD(ヘッド装着式投影ディスプレイ)によって明らかにされたような上記2つの混成もこの方法及び表示装置に対する潜在的な使用事例であり、これらの両方は、ヘッド装着式デバイスであるが、他のXRヘッドセットと同様にアイピースレンズ又は他の光学系を用いて視認される導波管又は投影スクリーンに使用される以外にビデオ投影機に使用されるもののような再帰反射投影スクリーンの上に投影する。
【0009】
そのような大きい視野では、同じ量のピクセル又は走査線は、視認者の視野の角度当たりより少ないピクセル又は走査線を与え、かつ詳細の顕著な欠如、ピクセル化及びスクリーンドア効果、又は走査線間のギャップを受ける可能性がある。
【0010】
周辺に少ないピクセルを表示する現在の方法は、ディスプレイ上のどの場所でも非常に高いピクセル密度を有し、かつ視認者の周辺視野の近くに又は周辺視野に表示されたピクセル上にそもそもそこに少ないピクセル又は走査線を有するのではなく低い解像度で表示することによって行われる。これは、Sony PlayStation VR(登録商標)及びOculus Go(登録商標)ヘッド装着式ディスプレイが用いる技術である(103と類似)。
【0011】
ディスプレイ上のピクセル又は走査線カウントを均一に増大するこの手法は、特に、正常視力に必要とされる角度解像度当たり60個のピクセルに対して片眼毎に水平に約11,700個のピクセル及び垂直に8100個のピクセルを必要とすると考えられる水平に270度(片眼毎に195度)掛ける垂直に135度の平均人間視野に関して、大きい視野を網羅するのに遥かに多くのピクセル又は走査線を必要とするのでコストと計算の両方に課題を課すものである。
【0012】
視認者の中心窩視野が到達することができるより多くのピクセルを有するカスタムスクリーンを製造することは、非常に高価であり、かつカスタム表示コントローラを必要とすることになる。
【0013】
それが仮に可能であり、かつ経済的に実現可能であったとしても、そのようなスクリーンに関して上述した実時間中心窩コンテンツを生成するのに必要な計算パワーは、より詳細な仮想現実画像を実時間でレンダリングして表示するような他のタスクに使用することができると考えられる。
【0014】
ビーム分割器を用いるなどで可変解像度スクリーンを達成するために2つのプロジェクタ又はディスプレイを光学的に組み合わせる方法をここまで提案した。この手法には、より高いコスト、重量、サイズ、異なるディスプレイ又はプロジェクタ間の色補正及び同期に関する要件のような欠点があり、かつ2つのディスプレイ又はプロジェクタを用いて画像上に1つの高解像度部分と1つの低解像度部分とを有することできるのみである(以下の特許:US20160240013A1、US9711072B1、US9983413B1、US9989774B1、US9711114B1、US9905143B1での教示を参照されたい)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
同じく、高解像度区域を再配置するためにビーム分割器を傾斜させること又はミラー又はプリズムを用いて画像をステアリングすることも困難であり、本明細書に説明する方法の一部が解消する遠近歪み及び一部の光学収差をもたらす。これに加えて、傾斜又は回転する機械部品は、本明細書に説明する方法の一部が解消する機械的移動部品に関連付けられた欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
ビデオソースに接続されたプロジェクタからなる可変解像度画像ストリームをスクリーン上に生成するための光学装置を本明細書に説明し、プロジェクタは、光画像ストリームを高解像度小画像成分と低解像度大画像成分との形態で伝送する。可変解像度画像ストリームの各フレームは、a)低解像度大画像、b)高解像度小画像、又は高解像度小画像と低解像度大画像との重ね合わせのうちの1つである又はそれを含むことができる。この光画像ストリームは、高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを小画像光学要素と大画像光学要素とに向ける画像ステアリング要素に送られる。これに加えて、画像ステアリング要素は、実施形態では、画像分離要素として機能することができ、かつ第1の画像成分を第2の画像成分から分離することができる。光学装置はまた、高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを高解像度小画像ストリームと低解像度大画像ストリームとに分離する画像分離要素を含むことができ、小画像光学要素と大画像光学要素は、低解像度大画像ストリームと高解像度小画像ストリームとがスクリーン上で可変解像度画像ストリームとして現れるように、低解像度大画像ストリームと高解像度小画像ストリームとをスクリーンの上にフォーカスさせる。
【0017】
一部の実施形態では、プロジェクタからの光画像ストリームは、第1のフレーム(フレームn)内の高解像度小画像成分と次のフレーム(フレームn+1)内の低解像度大画像成分との間で時間多重化される。画像分離要素は、時間多重化を管理する光学シャッターとすることができるであろう。これに代えて、プロジェクタからの光画像ストリームは、各画像の1つの部分上に高解像度小画像成分と画像の別の部分上に低解像度大画像成分とを有することができると考えられる。画像分離要素は、この実施形態をサポートする光学マスク(ステンシル)とすることができるであろう。
【0018】
一部の実施形態では、スクリーンは、仮想現実ヘッドセットに埋め込まれる。小画像光学要素は、レンズアレイを含むことができると考えられる。画像ステアリング要素は、回転光学スラブ、ミラー、ビーム分割器(例えば、偏光子ビーム分割器又は反射偏光子ビーム分割器)、楔(Risley)プリズム、液晶切換可能ミラー、光学シャッター、又は光学遮蔽要素とすることができるであろう。大画像光学要素は、低解像度大画像ストリームをスクリーン又は視認者の視野の外側部分にフォーカスするレンズ又は他の光学系とすることができるであろう。小画像光学要素は、高解像度小画像ストリームをスクリーン又は視認者の視野の中心部分にフォーカスするレンズ又は他の光学系とすることができると考えられる。
【0019】
可変解像度画像ストリームをスクリーン上に生成する光学方法を本明細書に説明し、本方法は、ビデオソースに接続されたプロジェクタを用いて高解像度小画像成分及び低解像度大画像成分の形態にある光画像ストリームを生成する段階と、画像又はビームステアリング要素を用いて高解像度小画像成分及び低解像度大画像成分を小画像光学要素に及び大画像光学要素に向ける段階と、画像分離要素を用いて高解像度小画像成分及び低解像度大画像成分を高解像度小画像ストリーム及び低解像度大画像ストリームに分離する段階と、小画像光学要素及び大画像光学要素により、低解像度大画像ストリーム及び高解像度小画像ストリームをフォーカスさせてスクリーン上に可変解像度画像ストリームを形成する段階とを含む。
【0020】
光学方法の一部の実施形態では、プロジェクタからの光画像ストリームは、第1のフレーム(フレームn)内の高解像度小画像成分と第2のフレーム(フレームn+1)内の低解像度大画像成分との間で時間多重化される。これらの成分の分離は、画像分離要素のための光学シャッターを使用することによって達成することができると考えられる。光学方法の別の実施形態では、プロジェクタからの光画像ストリームは、各画像の1つの部分上に高解像度小画像成分と画像の別の部分上に低解像度大画像成分とを有することができると考えられ、画像分離要素は、光学マスク(ステンシル)とすることができると考えられる。
【0021】
光学方法の一部の実施形態では、スクリーンは、仮想現実ヘッドセットに埋め込まれる。小画像光学要素は、レンズアレイを含むことができると考えられる。画像ステアリング要素は、回転光学スラブ、ミラー、ビーム分割器、楔(Risley)プリズム、光学シャッター、液晶切換可能ミラー、又は光学遮蔽要素とすることができるであろう。大画像光学要素は、低解像度大画像ストリームをスクリーン又は視認者の視野の外側部分にフォーカスするレンズ又は他の光学系とすることができると考えられる。小画像光学要素は、高解像度小画像ストリームをスクリーン又は視認者の視野の中心部分にフォーカスするレンズ又は他の光学系とすることができるであろう。スクリーンは、平坦又は湾曲拡散投影スクリーン、平坦又は湾曲再帰反射投影スクリーン、平坦又は湾曲ホログラフィック拡散器投影スクリーン、第1の面又は投影スクリーンに結合された平坦又は湾曲光ファイバ先細部、又は視認者の網膜の上に投影をフォーカスする平坦又は湾曲ミラー又はフレネルミラー(平行化ディスプレイシステムに使用されるものような)とすることができると考えられる。スクリーンはまた、視認者の網膜とすることができるであろう。プロジェクタは、マイクロディスプレイ又はディスプレイとすることができると考えられる。
【0022】
本発明の開示の実施形態の様々な異なる例示的実施を以下に列挙する。
【0023】
1.第1の画像成分と第2の画像成分とを出力するように構成された画像ソースと、第1の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた高解像度小画像を出力し、第2の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた低解像度大画像を出力するように構成された1又は2以上の光学要素とを含み、高解像度小画像と低解像度大画像とがスクリーン上で可変解像度画像として現れる光学装置。
【0024】
2.画像ソースが、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例1の光学装置。
【0025】
3.1又は2以上の光学要素が、第1の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた高解像度小画像を出力するように構成された小画像光学要素と、第2の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた低解像度大画像を出力するように構成された大画像光学要素とを含む実施例1の光学装置。
【0026】
4.第1の画像成分を小画像光学要素に向け、第2の画像成分を大画像光学要素に向ける画像ステアリング要素を更に含む実施例3の光学装置。
【0027】
5.小画像光学要素と大画像光学要素がそれらの構成要素のうちの1又は2以上を共有する実施例3の光学装置。
【0028】
6.小画像光学要素が複製要素と光学遮蔽要素とを含む実施例3の光学装置。
【0029】
7.光学遮蔽要素が、光学遮蔽要素からのスクリーンドア効果を低減するために中間画像平面から僅かにオフセットされる実施例6の光学装置。
【0030】
8.光学遮蔽要素が、更に高解像度小画像のコピーを表示し、高解像度小画像の単一複製物が高解像度小画像のコピーと融合して高解像度小画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例6の光学装置。
【0031】
9.複製要素が、高解像度小画像を受け入れて、高解像度小画像の複数の複製物を出力し、光学遮蔽要素が、スクリーン上のターゲット位置の上にフォーカスされる高解像度小画像の完全な単一複製物を共に形成する高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すことになる実施例6の光学装置。
【0032】
10.高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分を含み、光学遮蔽要素が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分から高解像度小画像の完全な単一複製物を再構成するように構成される実施例9の光学装置。
【0033】
11.1又は2以上の光学要素が、遮蔽要素を含み、遮蔽要素が、低解像度大画像のコピーを表示し、低解像度大画像が、低解像度大画像のコピーと融合して低解像度大画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例1の光学装置。
【0034】
12.第1の画像成分と第2の画像成分が、画像ストリームの個別のフレームであり、画像ソースが、第1の画像成分と第2の画像成分とを個別のフレーム内において時間多重化方式により出力するように構成される実施例1の光学装置。
【0035】
13.画像ソースが、第1の画像成分と第2の画像成分とを含む初期画像を出力するように構成され、第1の画像成分が、初期画像の第1の複数のピクセルを含み、第2の画像成分が、初期画像の第2の複数のピクセルを含む実施例1の光学装置。
【0036】
14.1又は2以上の光学要素が、1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを含み、電気的に調整可能なレンズ又はミラーが、スクリーン上の高解像度小画像又は低解像度大画像のうちの少なくとも一方のサイズを制御するためのズームレンズ又はミラーとして機能する実施例1の光学装置。
【0037】
15.1又は2以上の光学要素が、1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを含み、1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーが、スクリーン上の高解像度小画像又は低解像度大画像のうちの少なくとも一方のフォーカスを制御するためのフォーカスレンズ又はミラーとして機能する実施例1の光学装置。
【0038】
16.小画像光学要素から出力された高解像度小画像を含む画像ストリームをステアリングするための回転光学スラブを更に含む実施例1の光学装置。
【0039】
17.スクリーンが視認者の網膜を含む実施例1の光学装置。
【0040】
18.画像ソースが、レーザビームステアリング(LBS)プロジェクタを含み、第1の画像成分が、LBSプロジェクタによって生成された幅狭ビームであり、第2の画像成分が、LBSプロジェクタによって生成された幅広ビームである実施例1の光学装置。
【0041】
19.スクリーン上の高解像度小画像の位置が、LBSプロジェクタに関連付けられた角度によって決定される実施例18の光学装置。
【0042】
20.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像又は高解像度小画像の単一複製物の位置が視認者の中心窩視野に対応する実施例1の光学装置。
【0043】
21.低解像度大画像を出力するように構成された第1の画像ソースと、高解像度小画像を出力するように構成された第2の画像ソースと、高解像度小画像を受け入れて高解像度小画像の複数の複製物を出力するための画像複製要素と、スクリーン上のターゲット位置の上にフォーカスされる高解像度小画像の完全な単一複製物を共に形成する高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すための光学遮蔽要素とを含み、高解像度小画像の単一複製物と低解像度大画像とがスクリーン上で可変解像度画像として現れる光学装置。
【0044】
22.第1の画像ソース又は第2の画像ソースの少なくとも一方が、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例21の光学装置。
【0045】
23.スクリーン上の高解像度小画像、高解像度小画像の単一複製物、又は低解像度大画像のうちの少なくとも1つのサイズを制御するためのズームレンズ又はミラーとして機能する1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを更に含む実施例21の光学装置。
【0046】
24.スクリーン上の高解像度小画像、高解像度小画像の単一複製物、又は低解像度大画像のうちの少なくとも1つのフォーカスを制御するためのフォーカスレンズ又はミラーとして機能する1又は2以上の電気的に調整可能なレンズ又はミラーを更に含む実施例21の光学装置。
【0047】
25.光学遮蔽要素が、光学遮蔽要素からのスクリーンドア効果を低減するために中間画像平面から僅かにオフセットされる実施例21の光学装置。
【0048】
26.光学遮蔽要素が、更に高解像度小画像のコピーを表示し、高解像度小画像の単一複製物が高解像度小画像のコピーと融合して高解像度小画像の単一複製物に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例21の光学装置。
【0049】
27.光学遮蔽要素が、更に低解像度大画像のコピーを表示し、低解像度大画像が、低解像度大画像のコピーと融合して低解像度大画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例21の光学装置。
【0050】
28.スクリーンが視認者の網膜を含む実施例21の光学装置。
【0051】
29.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像の単一複製物の一部分が、視認者の中心窩視野に対応する実施例21の光学装置。
【0052】
30.高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分を含み、光学遮蔽要素が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分から高解像度小画像の完全な単一複製物を再構成するように構成される実施例21の光学装置。
【0053】
31.第1の画像成分と第2の画像成分とを出力するように構成された画像ソースと、小画像光学要素が、第1の画像成分を受け入れて、中間画像平面上にフォーカスされる高解像度小画像の複数の複製物を出力するように構成され、大画像光学要素が、第2の画像成分を受け入れて低解像度大画像を出力するように構成される第1の画像成分を小画像光学要素に向けて第2の画像成分を大画像光学要素に向けるように構成された画像ステアリング要素と、高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すための光学遮蔽要素とを含み、高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上と低解像度大画像との重ね合わせが結合画像を形成する光学装置。
【0054】
32.高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上と低解像度大画像とを結合して結合画像を生成するためのビーム結合器を更に含む実施例31の光学装置。
【0055】
33,光学遮蔽要素が、小画像光学要素とビーム結合器の間にあり、結合画像が、高解像度小画像の単一複製物を含む実施例32の光学装置。
【0056】
34.結合画像が、低解像度大画像と高解像度小画像の複数の複製物とを含み、光学装置が、結合画像を高解像度小画像の複数の複製物と低解像度大画像とに分割し、高解像度小画像の複数の複製物を第1のスクリーンの上に向け、低解像度大画像を第2のスクリーンの上に向けるための第2の画像ステアリング要素を更に含み、光学遮蔽要素が、第1のスクリーンとビーム分割器の間にあり、高解像度小画像の単一複製物が第1のスクリーンに到達するように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すことになり、高解像度小画像の単一複製物と低解像度大画像とが再結合して可変解像度画像を生成することになる実施例31の光学装置。
【0057】
35.第2の画像ステアリング要素がビーム分割器を含む実施例34の光学装置。
【0058】
36.ビーム分割器が、更に高解像度小画像の単一複製物を低解像度大画像と再結合させて可変解像度画像を生成することになる実施例35の光学装置。
【0059】
37.第1のスクリーン及び第2のスクリーンが、仮想現実ヘッドセットに含められる実施例34の光学装置。
【0060】
38.小画像光学要素又は大画像光学要素の少なくとも一方が、ユーザ制御ズームレンズを含む実施例31の光学装置。
【0061】
39.結合画像が、視認者の眼の上にフォーカスする可変解像度画像である実施例31の光学装置。
【0062】
40.アイピース又は導波管を更に含み、結合画像が、アイピース又は導波管に向けられる可変解像度画像である実施例31の光学装置。
【0063】
41.画像ソースが、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例31の光学装置。
【0064】
42.画像ソースが、複数の色チャネルの各色チャネルに対して個別のディスプレイパネル又はマイクロディスプレイパネルを含み、光学装置が、複数の色チャネルを光学的に結合するために三色プリズム、Xキューブプリズム、又は二色フィルタのうちの少なくとも1つを更に含む実施例41の光学装置。
【0065】
43.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像の単一複製物が、低解像度大画像上で視認者の中心窩視野に対応する位置に配置されることになる実施例31の光学装置。
【0066】
44.小画像光学要素がレンズアレイを含む実施例31の光学装置。
【0067】
45.光学遮蔽要素が、更に高解像度小画像のコピーを表示し、高解像度小画像の単一複製物が高解像度小画像のコピーと融合して高解像度小画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例31の光学装置。
【0068】
46.光学遮蔽要素が、高解像度小画像の単一複製物が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すことになる実施例31の光学装置。
【0069】
47.高解像度小画像を出力するように構成された第1の画像ソースと、高解像度小画像を受け入れて高解像度小画像の複数の複製物を出力するように構成された小画像光学要素と、高解像度小画像の複数の複製物をスクリーンの上に向けるための画像ステアリング要素と、高解像度小画像の単一複製物が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すための光学遮蔽要素と、低解像度大画像を出力するように構成された第2の画像ソースとを含み、高解像度小画像の単一複製物が、低解像度大画像と結合して可変解像度画像を生成する光学装置。
【0070】
48.画像ステアリング要素が、ビーム分割器を含み、光学遮蔽要素が、スクリーンとビーム分割器の間にあり、高解像度小画像の単一複製物が、ビーム分割器に向けられ、ビーム分割器が、高解像度小画像の単一複製物を低解像度大画像と結合して可変解像度画像を生成する実施例47の光学装置。
【0071】
49.可変解像度画像が視認者の眼の上にフォーカスされる実施例47の光学装置。
【0072】
50.第1の画像ソースが、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例47の光学装置。
【0073】
51.画像ソースが、複数の色チャネルの各色チャネルに対して個別のディスプレイパネル又はマイクロディスプレイパネルを含み、光学装置が、複数の色チャネルを光学的に結合するために三色プリズム、Xキューブプリズム、又は二色フィルタのうちの少なくとも1つを更に含む実施例50の光学装置。
【0074】
52.小画像光学要素が、ユーザ制御ズームレンズを含む実施例47の光学装置。
【0075】
53.第2の画像ソースが、ディスプレイを含む実施例47の光学装置。
【0076】
54.ディスプレイが、液晶ディスプレイ又は発光ダイオードディスプレイである実施例53の光学装置。
【0077】
55.スクリーン及び第2の画像ソースが、仮想現実ヘッドセットに含められる実施例47の光学装置。
【0078】
56.小画像光学要素がレンズアレイを含む実施例47の光学装置。
【0079】
57.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像の単一複製物が、低解像度大画像上で視認者の中心窩視野に対応する位置に配置される実施例47の光学装置。
【0080】
58.小画像光学要素によって出力された高解像度小画像の複数の複製物が、中間画像平面上にフォーカスされ、光学遮蔽要素が、ピクセル又はサブピクセルのうちの少なくとも一方とピクセル又はサブピクセルのうちの少なくとも一方の間のギャップとを含むディスプレイ又はマイクロディスプレイであり、ディスプレイ又はマイクロディスプレイが、中間画像平面からオフセットされる実施例47の光学装置。
【0081】
59.光学遮蔽要素が、更に高解像度小画像のコピーを表示し、高解像度小画像の単一複製物が、高解像度小画像のコピーと融合して高解像度小画像に増大したコントラスト又は増大した色深度のうちの少なくとも一方を提供する実施例47の光学装置。
【0082】
60.アイピース又は導波管を更に含み、可変解像度画像が、アイピース又は導波管に向けられる実施例47の光学装置。
【0083】
61.第1の画像成分と第2の画像成分とを出力するように構成された画像ソースと、小画像光学要素が、第1の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた高解像度小画像を出力するように構成され、大画像光学要素が、第2の画像成分を受け入れて、スクリーンの上にフォーカスされた低解像度大画像を出力するように構成される第1の画像成分を小画像光学要素に向けて第2の画像成分を大画像光学要素に向けるように構成された画像ステアリング要素とを含み、高解像度小画像と低解像度大画像が、スクリーン上で可変解像度画像として現れる光学装置。
【0084】
62.画像ソースが、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例61の光学装置。
【0085】
63.第1の画像成分と第2の画像成分が、画像ストリームの個別のフレームであり、画像ソースが、第1の画像成分と第2の画像成分とを個別のフレーム内において時間多重化方式により出力するように構成される実施例61の光学装置。
【0086】
64.画像ソースが、第1の画像成分と第2の画像成分とを含む初期画像を出力するように構成され、第1の画像成分が、初期画像の第1の複数のピクセルを含み、第2の画像成分が、初期画像の第2の複数のピクセルを含む実施例61の光学装置。
【0087】
65.第1の画像成分を第2の画像成分から分離する画像分離要素を更に含み、画像分離要素が光学マスクを含む実施例61の光学装置。
【0088】
66.スクリーンが仮想現実ヘッドセットに含められる実施例61の光学装置。
【0089】
67.小画像光学要素が、高解像度小画像の複数の複製物を出力するように構成されたレンズアレイを含む実施例61の光学装置。
【0090】
68.高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上の少なくとも一部分を覆い隠すための光学遮蔽要素を更に含む実施例67の光学装置。
【0091】
69.光学遮蔽要素が、ディスプレイを含み、レンズアレイが、高解像度小画像の複数の複製物をディスプレイのピクセルの上にフォーカスさせるように構成され、光学装置が、高解像度小画像の単一複製物をスクリーンの上にフォーカスさせるための第2のレンズアレイ又はレンズを含む実施例68の光学装置。
【0092】
70.光学遮蔽要素が、マイクロディスプレイを含み、レンズアレイが、高解像度小画像の複数の複製物をマイクロディスプレイのピクセルの上にフォーカスさせるように構成され、光学装置が、高解像度小画像の単一複製物をスクリーンの上にフォーカスさせるための第2のレンズアレイ又はレンズを含む実施例68の光学装置。
【0093】
71.光学遮蔽要素が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分から高解像度小画像の単一複製物を再構成するように構成される実施例68の光学装置。
【0094】
72.スクリーン上の高解像度小画像の配置を制御するための第2の画像ステアリング要素を更に含む実施例61の光学装置。
【0095】
73.大画像光学要素が、低解像度大画像を視認者の視野上にフォーカスさせるように構成された少なくとも1つのレンズを含み、小画像光学要素が、高解像度小画像を視認者の視野の内側部分の上にフォーカスさせるように構成された少なくとも1つのレンズを含む実施例61の光学装置。
【0096】
74.画像ステアリング要素が、第1の画像成分を第2の画像成分から分離するように更に構成される実施例61の光学装置。
【0097】
75.第1の画像成分を第2の画像成分から分離して光学シャッターを含む画像分離要素を更に含む実施例61の光学装置。
【0098】
76.画像ステアリング要素が、切換可能液晶偏光回転子及び偏光ビーム分割器を含む実施例61の光学装置。
【0099】
77.高解像度小画像と重なる低解像度大画像の部分を覆い隠すためのマスクを更に含む実施例61の光学装置。
【0100】
78.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像が、低解像度大画像上で視認者の中心窩視野に対応する位置に配置される実施例61の光学装置。
【0101】
79.スクリーン上への出力のために高解像度小画像と低解像度大画像とを結合して可変解像度画像を生成するためのビーム結合器を更に含む実施例61の光学装置。
【0102】
80.スクリーンが視認者の網膜を含む実施例61の光学装置。
【0103】
81.スクリーンの上にフォーカスされた低解像度大画像を出力するように構成された第1の画像ソースと、高解像度小画像を出力するように構成された第2の画像ソースと、高解像度小画像を受け入れて高解像度小画像の複数の複製物を出力するための画像複製要素と、スクリーン上のターゲット位置の上にフォーカスされる高解像度小画像の完全な単一複製物を共に形成する高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すための光学遮蔽要素とを含み、高解像度小画像と低解像度大画像が、スクリーン上で可変解像度画像として現れる光学装置。
【0104】
82.第1の画像ソース又は第2の画像ソースの少なくとも一方が、プロジェクタ、ディスプレイ、又はマイクロディスプレイのうちの少なくとも1つを含む実施例81の光学装置。
【0105】
83.スクリーンが仮想現実ヘッドセットに含められる実施例81の光学装置。
【0106】
84.画像複製要素がレンズアレイを含む実施例81の光学装置。
【0107】
85.光学遮蔽要素が、ディスプレイを含み、レンズアレイが、高解像度小画像の複数の複製物をディスプレイのピクセルの上にフォーカスさせるように構成され、光学装置が、高解像度小画像の単一複製物をスクリーンの上にフォーカスさせるための第2のレンズアレイ又はレンズを含む実施例84の光学装置。
【0108】
86.光学遮蔽要素が、マイクロディスプレイを含み、レンズアレイが、高解像度小画像の複数の複製物をマイクロディスプレイのピクセルの上にフォーカスさせるように構成され、光学装置が、高解像度小画像の単一複製物をスクリーンの上にフォーカスさせるための第2のレンズアレイ又はレンズを含む実施例84の光学装置。
【0109】
87.スクリーンが視認者の網膜を含む実施例81の光学装置。
【0110】
88.視認者の中心窩視野を検出するための視線追跡要素を更に含み、高解像度小画像の単一複製物が、低解像度大画像上で視認者の中心窩視野に対応する位置に配置される実施例81の光学装置。
【0111】
89.高解像度小画像の1又は2以上の複製物の部分が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分を含み、遮蔽要素が、高解像度小画像の少なくとも4つの複製物のデジタル的に再配置された部分から高解像度小画像の完全な単一複製物を再構成するように構成される実施例81の光学装置。
【0112】
90.スクリーン上への出力のために高解像度小画像を低解像度大画像と結合して可変解像度画像を生成するためのビーム結合器を更に含む実施例81の光学装置。
【0113】
91.ビデオソースに接続され、高解像度小画像成分と低解像度大画像成分との形態にある光画像ストリームを伝送するプロジェクタと、高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを小画像光学要素と大画像光学要素とに向ける画像ステアリング要素と、高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを高解像度小画像ストリームと低解像度大画像ストリームとに分離する画像分離要素とを含み、小画像光学要素と大画像光学要素が、スクリーン上で低解像度大画像ストリームと高解像度小画像ストリームとが可変解像度画像ストリームとして現れるように、低解像度大画像ストリームと高解像度小画像ストリームとをスクリーン上にフォーカスさせるスクリーン上に可変解像度画像ストリームを生成するための光学装置。
【0114】
92.プロジェクタからの光画像ストリームが、第1のフレーム内の高解像度小画像成分と次のフレーム内の低解像度大画像成分との間で時間多重化される実施例91の装置。
【0115】
93.画像分離要素が光学シャッターである実施例92の装置。
【0116】
94.プロジェクタからの光画像ストリームが、各画像の1つの部分上に高解像度小画像成分を有し、各画像の別の部分上に低解像度大画像成分を有する実施例91の装置。
【0117】
95.画像分離要素が光学マスクである実施例94の装置。
【0118】
96.スクリーンが仮想現実ヘッドセットに埋め込まれる実施例91の装置。
【0119】
97.小画像光学要素がレンズアレイを含む実施例91の装置。
【0120】
98.レンズアレイからの高解像度小画像ストリームの不使用部分を覆い隠すための遮蔽ディスプレイを更に含む実施例97の装置。
【0121】
99.レンズアレイからの高解像度小画像ストリームの不使用部分を覆い隠すための遮蔽マイクロディスプレイを更に含む実施例97の装置。
【0122】
100.小画像光学要素からの高解像度小画像ストリームをステアリングするための回転光学スラブを更に含む実施例91の装置。
【0123】
101.大画像光学要素が、低解像度大画像ストリームを視認者の視野の外側部分にフォーカスさせるレンズである実施例91の装置。
【0124】
102.小画像光学要素が、高解像度小画像ストリームを視認者の視野の中心部分にフォーカスさせるレンズである実施例91の装置。
【0125】
103.スクリーンが視認者の網膜である実施例91の装置。
【0126】
104.プロジェクタがマイクロディスプレイである実施例91の装置。
【0127】
105.プロジェクタがディスプレイである実施例91の装置。
【0128】
106.ビデオソースに接続されたプロジェクタを用いて高解像度小画像成分と低解像度大画像成分との形態にある光画像ストリームを生成する段階と、画像ステアリング要素を用いて高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを小画像光学系要素と大画像光学系要素とに向ける段階と、画像分離要素を用いて高解像度小画像成分と低解像度大画像成分とを高解像度小画像ストリームと低解像度大画像ストリームとに分離する段階と、小画像光学要素と大画像光学要素とによって低解像度大画像ストリームと高解像度小画像ストリームとをフォーカスさせてスクリーン上に可変解像度画像ストリームを形成する段階とを含むスクリーン上に可変解像度画像ストリームを生成するための光学方法。
【0129】
107.プロジェクタからの光画像ストリームが、第1のフレーム内の高解像度小画像成分と次のフレーム内の低解像度大画像成分との間で時間多重化される実施例106の方法。
【0130】
108.画像分離要素が光学シャッターである実施例107の方法。
【0131】
109.プロジェクタからの光画像ストリームが、各画像の1つの部分上に高解像度小画像成分を有し、各画像の別の部分上に低解像度大画像成分を有する実施例106の方法。
【0132】
110.画像分離要素が光学マスクである実施例109の方法。
【0133】
111.スクリーンが仮想現実ヘッドセットに埋め込まれる実施例106の方法。
【0134】
112.小画像光学要素がレンズアレイを含む実施例106の方法。
【0135】
113.レンズアレイからの高解像度小画像ストリームの不使用部分を遮蔽ディスプレイを用いて覆い隠す段階を更に含む実施例112の方法。
【0136】
114.レンズアレイからの高解像度小画像ストリームの不使用部分を遮蔽マイクロディスプレイを用いて覆い隠す段階を更に含む実施例112の方法。
【0137】
115.小画像光学要素からの高解像度小画像ストリームを回転光学スラブを用いてステアリングする段階を更に含む実施例106の方法。
【0138】
116.大画像光学要素が、低解像度大画像ストリームを視認者の視野の外側部分にフォーカスさせるレンズである実施例106の方法。
【0139】
117.小画像光学要素が、高解像度大画像ストリームを視認者の視野の中心部分にフォーカスさせるレンズである実施例106の方法。
【0140】
118.スクリーンが視認者の網膜である実施例106の方法。
【0141】
119.プロジェクタがマイクロディスプレイである実施例106の方法。
【0142】
120.プロジェクタがディスプレイである実施例106の方法。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【
図1A】表示デバイスに対する単一ピクセル手法を示す図である。
【
図1B】表示デバイスに対する走査線手法を示す図である。
【
図1C】ディスプレイに対する多重フォーカス手法を示す図である。
【
図2】2つの連続フレームからの画像を1つの最終画像に配合するのに視覚の存続を用いることを示す図である。
【
図3】マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタの画像を結合される2つの部分に分割することを示す図である。
【
図4A】最も簡単な実施形態での光学機能を通る光の機能的流れの図である。
【
図4B】最も簡単な実施形態での光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5A】僅かにより複雑な実施形態での光学機能を通る光の機能的流れの図である。
【
図5B】僅かにより複雑な実施形態での光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5C】光学マスク(ステンシル)を有する直前の図面と類似の光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5D】ヘッド装着式ディスプレイ内の各眼に対して
図5Bと類似の光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5E】光学スラブ要素を使用する実施形態を例示する図である。
【
図5F】スクリーンを使用する僅かにより複雑な実施形態での光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5G】光学マスクを有してスクリーンを使用する直前の図面と類似の光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図5H】ヘッド装着式ディスプレイ内の各スクリーンに対して
図5Fと類似の光学要素を通る光のハードウエア流れの図である。
【
図6A】個々のピクセルを表す四角形を有する図である。
【
図6B】実際の画像を表示する個々のピクセルを有する図である。
【
図8A】歪み又は歪み不整合が補正されていない画像を示す図である。
【
図9B】ある角度で光学スラブを通過する光を示す図である。
【
図9C】異なる角度で光学スラブを通過する光を示す図である。
【
図9D】同じ光学スラブを2つの反対の最大角度で通過する光の重ね合わせを示す図である。
【
図10A】45度だけ傾斜された2つのミラーを用いて画像又はビームをオフセットすることを例示する図である。
【
図10B】40度だけ傾斜された2つのミラーを用いて画像又はビームをオフセットすることを例示する図である。
【
図11】4つのミラーのセットを用いて画像又はビームをオフセットすることを例示する図である。
【
図12】ダブプリズム及び4つのミラーのセットを用いて画像又はビームをオフセットすることを例示する図である。
【
図13】レンズアレイ実施形態内の光学機能を通る光の機能的流れの図である。
【
図14】第2のレンズアレイ実施形態内の光学機能を通る光の機能的流れの図である。
【
図15】1レンズアレイ実施形態の要素を通る光の流れを示す図である。
【
図16B】レンズアレイを用いた後にスクリーン又は視認者の網膜上で見られる
図16Aの画像を例示する図である。
【
図17A】レンズアレイの適合セットと光学遮蔽要素とを使用する実施形態を示す図である。
【
図17B】光学遮蔽要素に対して使用される反射マイクロディスプレイを明らかにする図である。
【
図17C】光学遮蔽要素として反射層及びバックライト層が取り外されたLCDディスプレイのようなディスプレイの使用を示す図である。
【
図17D】予め光学的に結合された大部分と小部分とを有する画像を発生させるために小部分の複製画像を隠し、それらのうちの1つを示す機能を有する要素を例示する図である。
【
図17E】予め光学的に結合された大部分と小部分とを有する画像を発生させるために小部分の複製画像を隠し、それらのうちの1つを示す機能を有する要素を示す図である。
【
図17F】予め光学的に結合された大部分と小部分とを有する画像を発生させるために小部分の複製画像を隠し、それらのうちの1つを示す機能を有する別の実施形態のための要素を明らかにする図である。
【
図17G】予め光学的に結合された大部分と小部分とを有する画像を発生させるために小部分の複製画像を隠し、それらのうちの1つを示す機能を有する要素の別の実施形態を提示する図である。
【
図18】画像の各部分をデジタル的及び光学的に再配置することを例示する図である。
【
図19】光学的及びデジタル的に再配置される画像の各部分を画像の中央から仕切らなくてもよいことを示す図である。
【
図20】物理的サイズが低減されたヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着の実施形態を示す図である。
【
図21】ユニットの物理的サイズを低減するためにミラーを使用するヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着の実施形態を示す図である。
【
図22】ユニットの物理的サイズを低減するためにミラー及びビーム分割器を使用するヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着の実施形態を示す図である。
【
図23】可変解像度画像の第1の部分を示すために画像をスクリーンの上に出力する第1の光ソースと可変解像度画像の第2の部分を示すための第2の光ソースとの組合せを使用する実施形態の例示する図である。
【
図24A】実施形態によるソース画像を例示する図である。
【
図24B】実施形態による中間画像平面上である光学遮蔽要素上での
図24Aのソース画像を例示する図である。
【
図24C】実施形態による中間画像平面から僅かにオフセットされた光学遮蔽要素上での
図24Aのソース画像を例示する図である。
【
図25】左から右に画像を2度変調すること又は原画像の異なるビット深度(色深度)情報を格納する2つの画像を空間的に変調することが右側のより増大したコントラスト及び/又はより高いビット深度(色深度)画像を生成する方法を示す図である。
【
図26】左から右に高解像度小画像を再度空間的に変調すること又は光学遮蔽要素上の高解像度小画像の異なるビット深度(色深度)情報をそれがより低い解像度で表示される場合に空間的に変調することが右側により増大したコントラスト及び/又はより高いビット深度(色深度)画像を生成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0144】
本発明は、視認者の視野の前にあって中心視覚が最も高い解像度を予想する区域が、周辺視野がより低い解像度及び鮮明度を予想する周囲上のスクリーンの区域よりも高い解像度にある可変解像度スクリーンを実施するためのシステム及び方法を説明する。この出願では、4つの主要な(及び多くの副次的な)実施形態を説明する。
【0145】
以下の発明は、直接視認した時又はアイピース(視認者の眼に最も近いレンズ)又は導波管であるがこれらに限定されないものによって視認した時に、画像がそれ自体にわたって均一ではなく、視認者の視野の中心のような画像上で必要とされる場所で多めのピクセル又は走査線及び画像の1又は複数の他の部分で少なめのピクセル又は走査線が視認者に対して可視である解像度を与えることを可能にするスクリーンとして定めることができる可変解像度スクリーンを達成する方法及び表示装置を説明する。
【0146】
そのようなスクリーンは、そのような可変解像度コンテンツ表示方法が、コンテンツの高解像度部分をスクリーンの当該部分を用いて可能な装置固有の解像度に制限するので、事前レンダリング又は実時間レンダリング中心窩コンテンツを表示する既存スクリーンとは異なる。「スクリーン」という用語は、視認者の網膜を表すのに使用する場合もある。
【0147】
中心窩コンテンツは、例えば、視認者が見ている、見ることができる、又は見ようとする場所により高い解像度を示すために各画像上で解像度が画像にわたって変化する画像、ビデオ、又は実時間生成画像である。
【0148】
本明細書に説明する可変解像度スクリーン方法及び装置は、本明細書に説明する方法によらずに使用された時のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタによって可能なものよりも高い画像の1又は2以上の部分で可視である解像度を獲得することを可能にする。
【0149】
説明する方法は、それに向けて事前レンダリング又は実時間レンダリングのコンテンツを供給するPC、携帯電話、又はタブレットのような既存コンピュータハードウエアを用いて実施することができる。
【0150】
本方法は、1つの可変解像度スクリーンに対して僅か1つのDLP(デジタル光処理)、LCoS(シリコン上液晶)、LCD(液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)、マイクロLED又は類似のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、LBS(レーザビームステアリング)、又は類似のプロジェクタ401、411、501、511、521、551、2301、5111、5121、5151、1401のみを用いて、又は例えばヘッド装着式ディスプレイに向けて片眼毎に1つの可変解像度スクリーンに対してこれらのもののうちの僅か1つのみを用いて実施することができる。マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを僅か1つしか用いないこと、又は片眼毎に僅か1つしか用いないことにより、そのような可変解像度スクリーン装置を生産するコストを最小にし、装置の重量及びサイズを低減することを可能にする。各色チャネルに対して個別のディスプレイパネル又はマイクロディスプレイパネルが使用され、これらの色チャネルが三色プリズム、Xキューブプリズム、又は二色フィルタなどを用いて光学的に結合される場合に、単一マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタは、複数のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを意味する場合もある。この光学結合は、色分離(「レインボーアーチファクト」として公知)を排除すること及びリフレッシュ速度を増大させることのような異なる理由から有利とすることができる。
【0151】
そのような可変解像度スクリーンの用途は、仮想現実ヘッドセット、拡張現実ヘッドセット、及び複合現実ヘッドセット(「XRヘッドセット」)、並びにビデオ投影機であるがこれらに限定されない。
【0152】
ミラー又は楔プリズムを用いた低解像度大画像の上への高解像度小画像の位置決め
一実施形態では、可変解像度スクリーンは、ミラー又は楔(Risley)プリズムを用いて高解像度小画像を低解像度大画像の上に配置することによって達成することができる。
【0153】
可変解像度スクリーンを達成するために、マイクロディスプレイ又はディスプレイ401、411、501、511、521、551のような単一表示技術が、高いリフレッシュ速度で作動される。各連続フレーム(フレームn+1)では、マイクロディスプレイ又はディスプレイを用いてフレーム201、202及び最終画像205のリフレッシュ速度を最終画像205の2又は3以上の部分203、204の間で共有することにより、小さい高解像度部分204又は最終画像の一部205、又は大きい低解像度部分203又は最終画像の一部205のいずれかが表示される。視覚の存続が2つの部分203、204を1つの最終画像205に配合する。
図2を参照されたい。
【0154】
図2では、これらのフレームは交替し、低解像度フレームn 201が表示され、それに高解像度フレームn+1 202が続く。十分なリフレッシュ速度を有することにより、眼は、これら2つを単一画像205として解釈する。結合スクリーンの低解像度部分203は、高解像度区域204内では無彩色(黒色)を有することができる。更に、結合スクリーンの高解像度部分204は、低解像度区域203内では無彩色(黒色)を有することができる。これらの領域203、204が重なる混合領域を有することにより、2つの領域203、204間の僅かな重なりが有意な継ぎ目又はギャップを防止することになる。別の実施形態では、高解像度が存在する区域内では低解像度セクション203は覆い隠されず、高解像度部分204と配合する。
【0155】
これに代えて、可変解像度スクリーンを達成するために、マイクロディスプレイ又はディスプレイのような単一表示技術が、2又は3以上の部分301、302に光学的に分割される。この方法は、1又は複数の部分301が最終画像上で多めのピクセルを使用することを最終画像上の別の1又は複数の部分302の解像度を犠牲にすることによって可能にする。
図3を参照されたい。
【0156】
例えば、単一マイクロディスプレイ又はディスプレイを用いてヘッド装着式ディスプレイ内で両眼に対する最終画像を生成するために、上記2つの方法を組み合わせて最終画像上により多くの部分を生成すること又は2又は3以上の最終画像を生成することをこれらの部分の間でマイクロディスプレイ又はディスプレイの解像度とリフレッシュ速度との両方を共有することによって可能にすることができる。
【0157】
図3には、2つの部分301、302に分割されたアスペクト比16:9のマイクロディスプレイ又はディスプレイが示されており、例えば、1920x1080ピクセルのマイクロディスプレイ又はディスプレイが、小さい1080x1080ピクセル高解像度部分301と大きい840x1080ピクセル低解像度部分302とに分割される(低解像度部分302は、その後に、より良いアスペクト比を達成するために光学的に90度反転させることができる)。
【0158】
光学的又は光学機械的な及び同じく任意的にデジタルの方法を用いて、部分301と302をサイズ変更し、互いに重ねることができる305。小さい高解像度部分が304であり、かつ大きい低解像度部分と小さい高解像度部分が重なる場所では、大きい低解像度部分303を覆い隠すことができる。
【0159】
更に、高解像度小画像内でデジタル解像度低下によって遷移をそれ程急激ではなくすること又は両方の画像上での低下によってピクセルを調光することによってエッジを光学的又はデジタル的に配合することでこの遮蔽をより継ぎ目のないものにすることができる。
【0160】
2つの部分の間の輝度レベルを中立密度フィルタなどを用いて光学的に又はデジタル的に均衡させることができる。
【0161】
図4A及び
図4Bを参照されたい。
図2に記載の第1の方法を用いて最終画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じマイクロディスプレイ又はディスプレイ401、411を使用することができるように、マイクロディスプレイ又はディスプレイの画像が、回転ミラー又はビーム分割器402、412及び任意的なミラー413等であるがこれらに限定されないステアリング要素によって各フレームに関して2つの光学要素403、404、414、415の一方に光学機械的又は光学的にステアリングされる。画像ステアリング要素の他の例は、液晶切換可能ミラー、光学シャッター、楔プリズム、回転光学スラブ、及び光学遮蔽要素である。画像ステアリング要素は、画像分離要素として機能することができる。これに代えて、画像ステアリング要素に加えて、個別の画像分離要素を使用することができる。画像分離要素の例は、光学遮蔽要素、ビーム分割器、光学シャッター、及び液晶切換可能ミラー等々を含む。ステアリング要素として回転ミラーの代わりにビーム分割器を使用する場合に、光学要素403、414と404、415が、異なる連続フレームの異なる画像の代わりに全てのフレームの同じ画像を受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各画像の各フレームを403、404、414、415の前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器又は反射偏光子ビーム分割器が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いて画像の偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。反射偏光子ビーム分割器の使用は、半透鏡ビーム分割器又は吸収型偏光子ビーム分割器又は吸収型偏光子ビーム分割器と比較して改善された画像コントラスト及び/又は光スループットを与えることができる。
【0162】
図3に記載の第2の方法を用いて最終画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じマイクロディスプレイ又はディスプレイ401、411を使用することができるように、マイクロディスプレイ又はディスプレイ401、411の画像は、画像平面上のビーム分割器、ミラー、又は他の上述の光学ステアリング要素402、412のうちのいずれかの要素等であるがこれらに限定されないステアリング要素を用いて2つの光学要素403、404、414、415までステアリングされる。画像平面上でミラーではなくビーム分割器を使用する場合に、各画像は、光学要素403、404、414、415の前、内側、又は後ろでステンシルのような光学遮蔽要素を用いて覆い隠される。鮮明なカットを生成するために、ミラー又はステンシルは画像平面上に存在することが可能である。
【0163】
ステアリング要素402、412は、1又は複数のミラー、ビーム分割器、及びこれらのうちの1つと組み合わされた1又は複数の光学シャッター又は機械シャッター(例えば、液晶切換可能ミラー)とすることができるがこれらに限定されない。ステアリング要素402、412は、第1の画像成分を小画像光学要素に向け、第2の画像成分を大画像光学要素に向けるように構成することができる。一部の実施形態では、大画像光学要素と小画像光学要素は完全に個別のものである。他の実施形態では、小画像光学要素と大画像光学要素は、それらの構成要素のうちの1又は2以上を共有することができる。例えば、小画像光学要素と大画像光学要素は、そのレンズのうちの殆どを共有することができ、大画像光学要素は、ビームを反射偏光子ビーム分割器に起因して幅狭ビームに到達不能な幅広のものにするための追加のレンズを有することができる。一部の実施形態では、単一光学要素が、大画像光学要素(又は大画像光学要素の構成要素)及び小画像光学要素(又は小画像光学要素の構成要素)として機能する。例えば、この単一光学要素は、1又は2以上の電気的フォーカス可変レンズ(例えば、液体レンズ及び/又は液晶レンズ)を含むことができる。電気的フォーカス可変レンズは、その焦点距離を電気的に変化させることができ、これは、時系列実施形態のために他のレンズと適正に統合された場合に、単一光学要素が、1つのフレームでは大画像光学要素として機能し、次いで、次のフレームでは小画像光学要素として機能することができることを意味する。従って、この単一光学要素が、第1の時間において大画像光学要素の少なくとも一部分になることができ、第2の時間において小画像光学要素の少なくとも一部分になることができる。更に、ステアリング要素402、412は、画像分離要素として機能することができ、第1の画像成分を第2の画像成分から分離することができる。
【0164】
光学要素403、404、414、415は、レンズ、ミラー、プリズム、自由形状ミラーのうちの1つ又はその組合せとすることができるがこれらに限定されない。
【0165】
光学要素のうちの一方404、415は、小画像417を生成することができ、他方の光学要素403、414は、比較的大きい画像416を生成することができる。
【0166】
図4Aでは、マイクロディスプレイ又はディスプレイ401は画像を生成し、それを画像又はビームステアリング要素402に光学的に送ることができる。画像ステアリング要素402は、画像を2つ(又はそれよりも多く)の画像に分割し、これらの画像を低解像度大画像を生成する光学系403と、高解像度小画像を生成する光学系404とに送る。光学系403、404の光学出力は、スクリーン418に送られるか、又は最終画像405が生成される視認者の網膜上に送られる。
【0167】
図4Bを参照すると、マイクロディスプレイ又はディスプレイ411は画像を生成し、この画像は、ビーム分割器(半透鏡又は偏光子ビーム分割器のような)412により、異なる方向に進行する2つの同じ画像に分割される。一方は、大画像を生成する光学系414に向けられ、それに対して他方は、ミラー413を通して、小画像を生成する別の光学系415に進行する。大画像光学系414は、より低い解像度の画像416を生成する。小画像光学系415は、より高い解像度の画像417を生成する。低め416と高め417の両方の解像度の画像が、スクリーン418上又は
図5Bに見られる視認者の網膜上に投影される。
【0168】
小画像417が存在する大画像416の区域の遮蔽は、ここでもまたその場所に黒色ピクセルを表示させることによってデジタル的に又は例えば光学系の内側、前、又は後ろのいずれかの場所にある画像平面上のステンシルに投影ビームの当該部分を遮蔽によって物理的(光学的)に遮断させることによって光学的に達成することができる。
【0169】
次いで、任意的に、
図5Aに見られるように、ミラーを有するアクチュエータ、ガルバノメータスキャナ、楔(Risley)プリズムを有するアクチュエータ、傾斜レンズ又はシフトレンズを有するアクチュエータのうちの1又は2以上であるがこれらに限定されないものを用いて小画像の位置決めを達成することができる。
【0170】
図5Aは、画像又はビームステアリング要素502(ビーム分割器とすることができる)に送られる画像を生成するマイクロディスプレイ又はディスプレイ501を示している。2つの同じ画像の一方は、大画像光学要素第503に送られ、他方の画像は、小画像光学要素504に送られる。一部の実施形態では、大画像光学要素第503と小画像光学要素504とは完全に個別のものである。他の実施形態では、小画像光学要素504と大画像光学要素503は、それらの構成要素のうちの1又は2以上を共有することができる。例えば、小画像光学要素504と大画像光学要素503は、そのレンズのうちの殆どを共有することができ、大画像光学要素503は、ビームを反射偏光子ビーム分割器に起因して幅狭ビームに到達不能である幅広のものにするための追加のレンズを有することができる。小画像光学要素504は、画像を画像又はビームステアリング要素506(ミラーとすることができる)に送る。次いで、これらの画像は、最終画像505に(例えば、2つの画像の重ね合わせに)結合される。
【0171】
一実施形態では、単一光学要素が、大画像光学要素503(又は大画像光学要素503の構成要素)及び小画像光学要素504(又は小画像光学要素504の構成要素)として機能する。例えば、この単一光学要素は、1又は2以上の電気的フォーカス可変レンズ(例えば、液体レンズ及び/又は液晶レンズ)を含むことができる。電気的フォーカス可変レンズは、その焦点距離を電気的に変化させることができ、これは、時系列実施形態のために他のレンズと適正に統合された場合に、単一光学要素が、1つのフレームでは大画像光学要素として機能し、次いで、次のフレームでは小画像光学要素として機能することができることを意味する。
【0172】
2つの画像は、ビーム分割器などを用いて光学的に結合され、直接に又はアイピース又は導波管であるがこれらに限定されないものを通して視認される。光学結合画像は、2つの画像の重ね合わせとすることができる。
【0173】
図5Bを参照すると、光学要素が示されている。マイクロディスプレイ又はディスプレイ511は、画像をビーム分割器又は回転ミラー512に送り、ビーム分割器又は回転ミラー512は、画像を大画像光学系514とミラー513に送り、ミラー513は、画像を小画像光学系515に送る。小画像光学系515から、画像はミラー519に、次いで、ビーム結合器518(例えば、ビーム分割器)に送られて大画像光学系514の出力と結合する。ビーム結合器518から、大画像516と小画像517は、結合画像(2つの画像の重ね合わせ)として視認者の網膜510に送られる。ステアリング要素として回転ミラーの代わりにビーム分割器を使用する場合に、光学要素514と515は、異なる連続フレームの異なる画像の代わりに全てのフレームの同じ画像を受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各画像の各フレームを514、515の前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器(例えば、反射偏光子ビーム分割器)が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いて画像の偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。
【0174】
図5Bと
図5Cの間の1つの相違点は、光学遮蔽要素に到達する手前で画像が1つの線ではなく2つの線として例示されている点である。この例示は、画像が光学遮蔽要素530、531によってどのように遮蔽/切り取られるかを示すために行ったものである。
【0175】
図5Cを参照すると、
図3に記載の画像構造を処理するための光学要素が示されている。マイクロディスプレイ又はディスプレイ521は、画像をビーム分割器522に送り、ビーム分割器522は、2つの同じ画像を一方を最初にミラー523に送ることで光学遮蔽要素(画像の一部を隠すためのステンシル、物理的遮断壁)530、531に送る。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面上に存在することができ、従って、光学系(524及び525)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0176】
画像は、ステンシル530、531から射出し、大画像光学系524と小画像光学系525に至る。小画像光学系525から、画像はミラー529に、次いで、ビーム結合器528(例えば、ビーム分割器)に送られて大画像光学系524の出力と結合する。ビーム結合器528から、大画像526と小画像527が結合画像として視認者の網膜520に送られる。
【0177】
図5Dを参照すると、両方の眼に対して個々のマイクロディスプレイ又はディスプレイ551を使用するヘッド装着式ディスプレイ実施形態が見られる。最初に、マイクロディスプレイ又はディスプレイの解像度が眼と眼の間で分割され、次いで、各フレームを1つの投影(大画像又は小画像)に対して使用することができる。例えば、240HzDLPマイクロディスプレイを使用する場合に、このマイクロディスプレイは、画像毎、片眼毎に120Hzのリフレッシュ速度を与える。
【0178】
マイクロディスプレイ又はディスプレイ551は、画像をビーム分割器560に送り、ビーム分割器560は、2つの同じ画像を一方を最初にミラー580に送ることでステンシル561、571に送り、ステンシル561、571は、特定の眼のためのものではない方の画像の一部分を覆い隠す。一実施形態では、
図2に見られる事例でのように、ステンシル561、571は、LCDシャッター又はLCDpiセルのようなシャッターとすることができ、従って、各フレームを1つの光学系に送り、光学系554、555、574、575のうちの残りのものに対して遮断することができる。別の実施形態では、
図2に見られる事例でのように、ステンシル561、571は取り外すことができ、従って、各フレームの全体画像は、光学系554、555、574、575のうちの残りのものに対して遮断することができる。例えば、240HzDLPマイクロディスプレイを使用する場合に、このマイクロディスプレイは、画像毎、片眼毎に60Hzのリフレッシュ速度を与える。
【0179】
左のステンシル(図の上部)561は、
図2の実施形態のために画像を第2のビーム分割器552に送り、第2のビーム分割器552は、2つの同じ画像を一方を最初にミラー553に送ることで2つのLCDシャッター562、563に送る。シャッター562、563は、
図3の実施形態のためにステンシル(画像の一部を隠すための物理的遮断壁)で置換することができる。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面上に存在しなければならず、従って、光学系(554及び555)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0180】
画像は、シャッター(又はステンシル)562、563から射出し、大画像光学系554と小画像光学系555に至る。小画像光学系555から、画像はミラー559に、次いで、ビーム結合器558(例えば、ビーム分割器)に送られて大画像光学系554の出力と結合する。ビーム結合器558から、大画像556と小画像557が結合画像として視認者の網膜550に送られる。
【0181】
右のステンシル(図の下部)571は、
図2の実施形態のために画像を第2のビーム分割器572に送り、第2のビーム分割器572は、2つの同じ画像を一方を最初にミラー573に送ることで2つのLCDシャッター580、581に送る。シャッター580、581は、
図3の実施形態のためにステンシルで置換することができる。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面上に存在することができ、従って、光学系(574及び575)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0182】
画像は、シャッター(又はステンシル)580、581から射出し、大画像光学系574と小画像光学系575に至る。小画像光学系575から、画像はミラー579に、次いで、ビーム結合器578(例えば、ビーム分割器)に送られて大画像光学系574の出力と結合する。ビーム結合器578から、大画像576と小画像577が結合画像として視認者の網膜570に送られる。
【0183】
視覚の存続に起因して、
図2に記載の方法を用いて
図3に記載の方法による遮蔽を使用することにより、これら2つの部分は、
図6Bに記載の1つの均一な画像604として現れる。
【0184】
図6Aでは、この図は、個々のピクセル601を表す四角形を示している。
図6Bは、実際の画像604を表示する個々のピクセルを有する図を示している。
【0185】
最終画像601、604内の小さい高解像度部分603、606は、上述の方法を用いない場合に可能なものよりも小さくすることができるので、本明細書に説明する可変解像度スクリーン方法及び装置は、本明細書に説明する方法と併用されない時に表示技術を用いて可能なものよりも高い、画像の1又は2以上の部分内で可視である解像度を達成することを可能にする。
【0186】
これは、視認者の視野の中心に高いピクセル密度又は走査線密度を有し、周辺に低い密度を有する可変解像度スクリーン、例えば、片眼毎に1つのマイクロディスプレイ又はディスプレイを使用するヘッド装着式ディスプレイスクリーンを達成することを可能にする。
【0187】
任意的に、視線追跡カメラ又は電極であるがこれらに限定されないものによる視標追跡を追加することにより、小さい高解像度部分603、606は、最終画像601、604上の大きい低解像度部分602、605上でいずれか所与の時点で視認者の中心窩視野が存在する場所に配置することができる。これは、いずれか所与の時点でより多くのピクセル又は走査線を視認者の中心窩視野内に及び任意的に近周囲視野内にも常に集中させることを可能にする。
【0188】
任意的に、例えば、眼球回転を考慮した視認者の全視野ではなく視認者の眼の視野内だけにピクセルを有するように、大きい低解像度部分602、605の位置決めは、小さい高解像度部分603、606の配置と同じ方法で達成することができる。
【0189】
中心窩視野、近周囲、及び遠周囲に対して1つずつ3つの部分のような2よりも多い部分が存在することも可能であり、これらの部分は、上述したものと同じ方法で結合し、任意的に配置することができる。
【0190】
当業者は、大画像と小画像が光学的に結合された後にこれらの画像を共にステアリングすること又は最終画像上により多くの小部分又は大部分を生成するためにより多くの要素を追加することのようないくつかの要素の順序を変更することができ、より多くの要素を追加することができることを理解するであろう。
【0191】
ミラー又は楔プリズムを用いた低解像度幅広投影ビームの上への高解像度幅狭投影ビームの位置決め
別の実施形態では、可変解像度スクリーンは、ミラー又は楔(Risley)プリズムを用いて高解像度幅狭ビデオ投影を低解像度幅広ビデオ投影の上に配置することによって達成される。
【0192】
可変解像度スクリーンを達成するために、単一照明マイクロディスプレイ、ディスプレイ、LBS(レーザビームステアリング)プロジェクタ、又は他のタイプのビデオ投影機(以下では「プロジェクタ」と呼ぶ)401、411、501、511、521、551、5111、5121、5151のような単一ビデオ投影機が高いリフレッシュ速度で作動される。各連続フレーム(フレームn+1)では、プロジェクタを用いてフレーム201、202及び最終画像205のリフレッシュ速度を最終画像205の2又は3以上の部分203、204の間で共有することによって小さい高解像度部分204又は最終画像の一部205、又は大きい低解像度部分203又は最終画像の一部205のいずれかが表示される。視覚の存続が、2つの部分203、204を1つの最終投影画像205に配合する。
【0193】
これに代えて、
図3では、可変解像度スクリーン305をもたらすために、マイクロディスプレイ又はディスプレイのような単一表示技術又は単一照明マイクロディスプレイ、ディスプレイ、LBS(レーザビームステアリング)プロジェクタ、又は他のタイプのビデオ投影機(以下では「プロジェクタ」と呼ぶ)が2又は3以上の部分301、302に光学的に分割される。この方法は、1又は複数の部分301、304が最終投影画像305上でより多くのピクセルを使用することを別の1又は複数の部分302、303の解像度を犠牲にすることによって可能にする。
【0194】
例えば、単一プロジェクタを用いてヘッド装着式ディスプレイ内で両眼に対する最終投影画像を生成するために、上記2つの方法を組み合わせて最終投影画像上により多くの部分を生成すること又は2又は3以上の最終投影画像を生成することをこれらの部分の間でプロジェクタの解像度とリフレッシュ速度の両方を共有することによって可能にすることができる。
【0195】
直接に又はレンズ又は他の光学系を通して視認される時にマイクロディスプレイ及びディスプレイではなくプロジェクタを使用することに以下のいくつかの利点がある。
【0196】
第1に、マイクロディスプレイを使用する時にマイクロディスプレイよりも大きいスクリーン上に投影し、このスクリーンをレンズ又はその代わりに他の光学系を通して視認するのにかなりより小さい投影レンズを使用することに対して拡大レンズ又は他の光学系を小さく軽量に保つことを試みながら幅広視野ヘッド装着式ディスプレイを設計するのは非常に困難である。
【0197】
第2に、ビデオ投影を使用することは、ステアリング要素を含む光学要素を光学設計において投影スクリーン上に大きい最終画像を生成する投影光学系の前又はこれらの光学系の間のいずれかの場所に配置することができるので、これらの光学要素の全てをかなり小さくすることを可能にするという利点を有する。
【0198】
第3に、LCoS、DLPのような反射マイクロディスプレイ及びLCDのような透過マイクロディスプレイの外部照明性に起因して、各ピクセルに対するビーム角をOLED又はマイクロLEDのような発光マイクロディスプレイを使用する場合よりも狭くすることができ、それによって視認者に同じか又はより高い輝度を与えながら少ない迷光しか伴わずにより効率的な光学系を提供することを可能にすることができる
【0199】
第4に、反射マイクロディスプレイ及び透過マイクロディスプレイの外部照明性に起因して、OLED及びマイクロLEDのように物理的なピクセル自体に光を放出させる発光マイクロディスプレイを使用する場合に、又は特にディスプレイの視野が拡大し、倍率が増大する時に十分な輝度を与えることを困難にするLCDディスプレイを使用する場合に、又は光学系内に大量の光損失がある場合がある拡張現実ヘッド装着式ディスプレイに関するものよりも遥かに高い輝度を獲得可能である。
【0200】
図3では、アスペクト比16:9の単一マイクロディスプレイ又はディスプレイが2つの部分に分割され、例えば、1920x1080ピクセルのマイクロディスプレイ又はディスプレイが、小さい1080x1080ピクセル高解像度部分301と大きい840x1080ピクセル低解像度部分302とに分割される(低解像度部分302は、その後に、より良いアスペクト比を達成するために光学的に90度反転させることができる)。
【0201】
光学的又は光学機械的で任意的にデジタルでもある方法を用いて、部分301と302をサイズ変更し、互いに重なることができ305、小さい高解像度部分304が存在し、かつ大きい低解像度部分303と小さい高解像度部分304とが重なる場所で大きい低解像度部分303を覆い隠すことができる。
【0202】
更に、高解像度小画像内でデジタル解像度低下によって遷移をそれ程急激ではなくすること又は両方の画像上での低下によってピクセルを調光することによってエッジを光学的又はデジタル的に配合することでこの遮蔽をより継ぎ目のないものにすることができる。
【0203】
2つの部分の間の輝度レベルを中立密度フィルタなどを用いて光学的に又はデジタル的に均衡させることができる。
【0204】
図4A及び
図4Bを参照されたい。
図2に記載の第1の方法を用いて最終投影画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じプロジェクタ401、411を使用することができるように、プロジェクタのビームが、回転ミラー又はビーム分割器402、412及び任意的なミラー413等であるがこれらに限定されないステアリング要素によって各フレームに関して2つの光学要素403、404、414、415の一方に光学機械的又は光学的にステアリングされる。ステアリング要素として回転ミラーの代わりにビーム分割器を使用する場合に、光学要素403、414と404、415が、異なる連続フレームの異なるビームの代わりに全てのフレームの同じビームを受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各ビームの各フレームを403、404、414、415の前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器(例えば、反射偏光子ビーム分割器)が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いてビームの偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。
【0205】
図3に記載の第2の方法を用いてスクリーン418上の最終画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じプロジェクタ401、411を使用することができるように、プロジェクタ401、411のビームが、画像平面上のビーム分割器又はミラー402、412及び任意的なミラー413等であるがこれらに限定されないステアリング要素によって2つの光学要素403、404、414、415までステアリングされる。画像平面上でミラーではなくビーム分割器を使用する場合に、各ビームが、光学要素403、404、414、415の前、内側、又は後ろでステンシルのような光学遮蔽要素を用いて覆い隠される。鮮明なカットを生成するために、ミラー又はステンシルは画像平面上に存在することが可能である。
【0206】
ステアリング要素402、412は、1又は複数のミラー、ビーム分割器、及びこれらのうちの1つと組み合わされた1又は複数の光学シャッター又は機械シャッターとすることができるがこれらに限定されない。
【0207】
光学要素403、404、414、415は、レンズ、ミラー、プリズム、自由形状ミラーのうちの1つ又はその組合せとすることができるがこれらに限定されない。
【0208】
光学要素のうちの一方404、415は、幅狭ビーム417を生成することができ、他方の光学要素403、414は、比較的幅広のビーム416を生成することができる。
【0209】
図4Bを参照すると、プロジェクタ411は投影ビームを生成し、この投影ビームは、ビーム分割器(半透鏡又は偏光子ビーム分割器のような)412により、異なる方向に進行する2つの同じ投影ビームに分割される。一方は、幅広ビームを生成する光学系414に向けられ、それに対して他方は、ミラー413を通して、幅狭ビームを生成する別の光学系415に進行する。幅広ビーム光学系414は、より低い解像度の画像ビーム416を生成する。幅狭ビーム光学系415は、より高い解像度の画像ビーム417を生成する。低め416と高め417の両方の解像度のビームが、視認者の網膜又はスクリーン418上に投影される。
【0210】
幅狭ビーム417が存在する幅広ビーム416の区域の遮蔽は、ここでもまたその場所に黒色ピクセルを表示させることによってデジタル的に又は例えば光学系の内側、前、又は後ろのいずれかの場所にある画像平面上のステンシルに投影ビームの当該部分を遮蔽によって物理的(光学的)に遮断させることによって光学的に達成することができる。
【0211】
次いで、任意的に、
図5Aに見られるように、ミラーを有するアクチュエータ、ガルバノメータスキャナ、楔(Risley)プリズムを有するアクチュエータ、傾斜レンズ又はシフトレンズを有するアクチュエータのうちの1又は2以上であるがこれらに限定されないものを用いて幅狭ビームの小画像の位置決めを達成することができる。
【0212】
2つのビームは、
図4Bで見られるように同じスクリーン上に投影され、又はビーム分割器などを用いて最初に光学的に結合されてからスクリーン上に投影され、直接に又はアイピース又は導波管であるがこれらに限定されないものを通して視認される。これは、
図5Bに記載のビームステアリング要素519及び518に見られる。
【0213】
図5Fを参照すると、光学要素が示されている。プロジェクタ5111は、投影ビームをビーム分割器又は回転ミラー5112に送り、ビーム分割器又は回転ミラー5112は、投影ビームを幅広ビーム光学系5114とミラー5113とに送り、ミラー5113は、投影ビームを幅狭ビーム光学系5115に経路変更する。幅狭ビーム光学系5115から、ビームはミラー5119に、次いで、ビーム結合器5118(例えば、ビーム分割器)に送られて幅広ビーム光学系5114の出力と結合する。ビーム結合器5118から、幅広ビーム5116と幅狭ビーム5117とが結合投影ビームとして視認者の網膜又はスクリーン5110に送られる。ステアリング要素として回転ミラーの代わりにビーム分割器を使用する場合に、光学要素5114と5115が、異なる連続フレームの異なるビームの代わりに全てのフレームの同じビームを受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各ビームの各フレームを5114、5115の前、内側、又は後ろでの前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いて画像の偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。
【0214】
図5Fと
図5Gの間の1つの相違点は、光学遮蔽要素に到達する手前で投影ビームが1つの線ではなく2つの線として例示されている点である。この例示は、投影ビームが光学遮蔽要素5130、5131によってどのように遮蔽/切り取られるかを示すために行ったものである。
【0215】
図5Gを参照すると、
図3に記載の画像構造を処理するための光学要素が示されている。プロジェクタ5121は、投影ビームをビーム分割器5122に送り、ビーム分割器5122は、2つの同じ投影ビームを一方を最初にミラー5123に送ることでステンシル(画像の一部を隠すための物理的遮断壁)5130、5131に送る。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面上に存在することができ、従って、光学系(5124及び5125)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0216】
ビームは、ステンシル5130、5131から射出し、幅広ビーム光学系5124と幅狭ビーム光学系5125に至る。幅狭ビーム光学系5125から、ビームはミラー5129に、次いで、ビーム結合器5128(例えば、ビーム分割器)に送られて幅広ビーム光学系5124の出力と結合する。ビーム結合器5128から、幅広ビーム5126と幅狭ビーム5127とが結合投影ビームとして視認者の網膜又はスクリーン5120に送られる。
【0217】
図5Hを参照すると、両方のスクリーン(両方の眼)に対して個々のプロジェクタ5151を使用するヘッド装着式ディスプレイ実施形態が見られる。最初に、マイクロディスプレイ又はディスプレイの解像度が眼と眼との間で分割され、次いで、各フレームが1つの投影(大画像又は小画像)に対して使用される。例えば、240HzDLPプロジェクタを使用する場合に、このプロジェクタは、画像毎、スクリーン毎に120Hzのリフレッシュ速度を与える。
【0218】
プロジェクタ5151は、ビームをビーム分割器5160に送り、ビーム分割器5160は、2つの同じビームを一方を最初にミラー5182から反射させることでステンシル5161、5171に送り、ステンシル5161、5171は、特定の眼のためのものではない画像の一部分を覆い隠す。一実施形態では、
図2に見られる事例でのように、ステンシル5161、5171をLCDシャッター又はLCDpiセルのようなシャッターとすることができ、従って、各フレームが1つの光学系に送られ、光学系5154、5155、5174、5175のうちの残りのものに対して遮断されることになる。別の実施形態では、
図2に見られる事例でのように、ステンシル5161、5171を取り外すことができ、従って、各フレームの全体画像が光学系5154、5155、5174、5175のうちの残りのものに対して遮断されることになる。例えば、240HzDLPプロジェクタを使用する場合に、このプロジェクタは、画像毎、片眼毎に60Hzのリフレッシュ速度を与える。
【0219】
左のステンシル(図の上部)5161は、
図2の実施形態のためにビームを第2のビーム分割器5152に送り、第2のビーム分割器5152は、2つの同じビームを一方を最初にミラー5153に送ることで2つのLCDシャッター5162、5163に送る。LCDシャッター5162、5163は、
図3の実施形態のためにステンシル(投影ビームの一部を隠すための物理的遮断壁)で置換することができる。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面上に存在することができ、従って、光学系(5154及び5155)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0220】
ビームは、シャッター(又はステンシル)5162、5163から射出し、幅広ビーム光学系5154と幅狭ビーム光学系5155に至る。幅狭ビーム光学系5155から、ビームはミラー5159に、次いで、ビーム結合器5158(例えば、ビーム分割器)に送られて幅広ビーム光学系5154の出力と結合する。ビーム結合器5158から、幅広ビーム5156と幅狭ビーム5157とが結合ビームとしてスクリーン5150又は視認者の網膜に送られる。
【0221】
右のステンシル(図の下部)5171は、
図2の実施形態のためにビームを第2のビーム分割器5172に送り、第2のビーム分割器5172は、2つの同じビームを一方を最初にミラー5173に送ることで2つのLCDシャッター5180、5181に送る。LCDシャッター5180、5181は、
図3の実施形態のためにステンシル(画像の一部を隠すための物理的遮断壁)で置換することができる。鮮明なカットを生成するために、ステンシルは画像平面に存在しなければならず、従って、光学系(5174及び5175)の内側又は後ろに存在することも可能である。
【0222】
ビームは、LCDシャッター(又はステンシル)5180、5181から射出し、幅広ビーム光学系5174と幅狭ビーム光学系5175に至る。幅狭ビーム光学系5175から、ビームはミラー5179に、次いで、ビーム結合器5178(例えば、ビーム分割器)に送られて幅広ビーム光学系5174の出力と結合する。ビーム結合器5178から、幅広ビーム5176と幅狭ビーム5177とが結合投影ビームとしてスクリーン5170又は視認者の網膜に送られる。
【0223】
視覚の存続に起因して、
図2に記載の方法を用いて
図3に記載の方法による遮蔽を使用することにより、これら2つの部分は、
図6Bに記載の1つの均一な投影画像604として現れる。
【0224】
図6Aでは、この図は、個々のピクセル601を表す四角形を示している。
図6Bは、実際の画像604を表示する個々のピクセルを有する図を示している。
【0225】
最終投影画像601、604内の小さい高解像度部分603、606は、上述の方法を用いない場合に可能なものよりも小さくすることができるので、本明細書に説明する可変解像度スクリーン方法及び装置は、本明細書に説明する方法と併用されない時にプロジェクタを用いて可能なものよりも高い、画像の1又は2以上の部分内で可視である解像度を達成することを可能にする。
【0226】
これは、視認者の視野の中心に高いピクセル密度又は走査線密度を有し、周辺に低い密度を有する可変解像度スクリーン、例えば、片眼毎に1つのプロジェクタを使用するヘッド装着式ディスプレイスクリーンを達成することを可能にする。
【0227】
任意的に、視線追跡カメラ又は電極であるがこれらに限定されないものによる視標追跡を追加することにより、小さい高解像度部分603、606を最終投影画像601、604上の大きい低解像度部分602、605上でいずれか所与の時点で視認者の中心窩視野が存在する場所に配置することができる。これは、いずれか所与の時点でより多くのピクセル又は走査線を視認者の中心窩視野内に及び任意的に近周囲視野内にも常に集中させることを可能にする。
【0228】
任意的に、例えば、眼球回転を考慮した視認者の全視野ではなく視認者の眼の視野内だけにピクセルを有するために、大きい低解像度部分602、605の位置決めを小さい高解像度部分603、606の配置と同じ方法で達成することができる。
【0229】
中心窩視野、近周囲、及び遠周囲に対して1つずつ3つの部分のような2よりも多い部分が存在することも可能であり、これらの部分を上述したものと同じ方法で結合し、任意的に配置することができる。
【0230】
当業者は、大画像と小画像が光学的に結合された後にこれらの画像を共にステアリングすること、又は最終投影画像上により多くの小部分又は大部分を生成するためにより多くの要素を追加することのように、いくつかの要素の順序を変更することができ、より多くの要素を追加することができることを理解するであろう。
【0231】
光学スラブ又はミラーを用いた低解像度大画像又は幅広投影ビームの上での高解像度小画像又は幅狭投影ビームのシフト
別の実施形態では、可変解像度スクリーンは、高解像度の小さい画像又は投影ビームを低解像度の大きい画像又は投影ビーム上で光学スラブ又はミラーを用いてシフト/オフセットすることによって達成される。
【0232】
可変解像度スクリーンを達成するために、マイクロディスプレイ又はディスプレイのような単一表示技術又は単一照明マイクロディスプレイ、ディスプレイ、LBS(レーザビームステアリング)プロジェクタ、又は他のタイプのビデオ投影機(以下では「プロジェクタ」と呼ぶ)401、411、501、511、521、551、2301、5111、5121、5151のような単一ビデオ投影機は、高いリフレッシュ速度で作動される。
図2では、各連続フレーム(フレームn+1)では、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを用いてフレーム201、202及び最終画像205のリフレッシュ速度を最終画像205の2又は3以上の部分203、204の間で共有することによって小さい高解像度部分204又は最終画像の一部205、又は大きい低解像度部分203又は最終画像の一部205のいずれかが表示又は投影される。視覚の存続は、2つの部分203、204を1つの最終画像205に配合する。
【0233】
図3は、可変解像度スクリーンを達成するために、マイクロディスプレイ又はディスプレイのような単一表示技術、又は単一照明マイクロディスプレイ、ディスプレイ、LBS(レーザビームステアリング)プロジェクタ、又は他のタイプのビデオ投影機(以下では「プロジェクタ」と呼ぶ)のような単一ビデオ投影機が、2又は3以上の部分301、302に光学的に分割される代替実施形態を示している。この方法は、1又は複数の小さい高解像度部分304が最終画像305上でより多くのピクセルを使用することを1又は複数の大きい低解像度部分303の解像度を犠牲にすることによって可能にする。
【0234】
例えば、単一マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを用いてヘッド装着式ディスプレイ内で両眼に対する最終画像を生成するために、上記2つの方法を組み合わせて最終画像上により多くの部分を生成すること又は2又は3以上の最終画像を生成することをこれらの部分の間でマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタの解像度とリフレッシュ速度の両方を共有することによって可能にすることができる。
【0235】
図3では、アスペクト比16:9の単一マイクロディスプレイ又はディスプレイが2つの部分に分割され、例えば、1920x1080ピクセルのマイクロディスプレイ又はディスプレイが、小さい1080x1080ピクセル高解像度部分301と大きい840x1080ピクセル低解像度部分302とに分割される(低解像度部分302は、その後に、より良いアスペクト比を達成するために光学的に90度反転させることができる)。
【0236】
光学的又は光学機械的及び任意的にデジタルでもある方法を用いて、部分301と302をサイズ変更し、互いに重なることができ、小さい高解像度部分304が存在し、かつ大きい低解像度部分303と小さい高解像度部分304とが重なる場所で大きい低解像度部分303を覆い隠すことができる。
【0237】
更に、高解像度小画像304内でデジタル解像度低下によって遷移をそれ程急激ではなくすること又は両方の画像又はビーム上での低下によってピクセルを調光することによってエッジを光学的又はデジタル的に配合することでこの遮蔽をより継ぎ目のないものにすることができる。
【0238】
2つの部分の間の輝度レベルを中立密度フィルタなどを用いて光学的に又はデジタル的に均衡させることができる。
【0239】
図4A及び
図4Bを参照されたい。
図2に記載の第1の方法を用いて最終画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ401、411を使用することができるように、マイクロディスプレイ又はディスプレイの画像又はプロジェクタのビームは、回転ミラー又はビーム分割器402、412及び任意的なミラー413等であるがこれらに限定されないステアリング要素によって各フレームに関して2つの光学要素403、404、414、415の一方に光学機械的又は光学的にステアリングされる。ステアリング要素として回転ミラーの代わりにビーム分割器を使用する場合に、光学要素403、414と404、415は、異なる連続フレームの異なる画像又はビームの代わりに全てのフレームの同じ画像又はビームを受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各画像又は各ビームの各フレームを403、404、414、415の前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いてビームの偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。
【0240】
図3に記載の第2の方法を用いて最終画像405上で異なるサイズ及び位置を有する各部分に対して同じマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ401、411を使用することができるように、マイクロディスプレイ又はディスプレイの画像又はプロジェクタ401、411のビームは、画像平面上のビーム分割器又はミラー402、412及び任意的なミラー413等であるがこれらに限定されないステアリング要素によって2つの光学要素403、404、414、415までステアリングされる。画像平面上でミラーではなくビーム分割器を使用する場合に、各画像又は各ビームは、光学要素403、404、414、415の前、内側、又は後ろでステンシルのような光学遮蔽要素を用いて覆い隠される。鮮明なカットを生成するために、ミラー又はステンシルは画像平面上に存在することが可能である。
【0241】
ステアリング要素402、412は、1又は複数のミラー、ビーム分割器、及びこれらのうちの1つと組み合わされた1又は複数の光学シャッター又は機械シャッターとすることができるがこれらに限定されない。
【0242】
光学要素403、404、414、415は、レンズ、ミラー、プリズム、自由形状ミラーのうちの1つ又はその組合せとすることができるがこれらに限定されない。
【0243】
光学要素のうちの一方404、415は、小画像又は幅狭ビーム417を生成することができ、他方の光学要素403、414は、比較的大きい画像又は比較的幅広のビーム416を生成することができる。
【0244】
図5A及び
図5Bに記載の実施形態では、小画像又は幅狭ビームの位置決めは、光学スラブ又はミラー506、519、529、559、579、2310、2311、5119、5129、5159、5179のうちの1又は2以上であるがこれらに限定されないものを用いて達成することができる。
【0245】
2つの画像又はビームは、ビーム分割器などを用いて光学的に結合され、直接に又はアイピース又は導波管であるがこれらに限定されないものを通して視認される。
【0246】
視覚の存続に起因して、
図2に記載の方法を用いて
図3に記載の方法による遮蔽を使用することにより、これら2つの部分は、
図6Bに記載の1つの均一な画像604として現れる。
【0247】
図5Eを参照すると、2つの傾斜光学スラブ2310及び2311を使用する
図5B又は
図5Fの変形が見られる。マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ2301が、画像又はビームを生成し、この画像又はビームをビーム分割器又は回転ミラー2302を通して送る。ビーム分割器2302から、2つの同じ画像又はビームが送られる。一方の画像又はビームは、
図3に記載の方法を使用する場合は高解像度部分を覆い隠す低解像度の大画像光学系又は幅広ビーム光学系2304を経由し、次いで、この場合はビーム結合器として使用されるビーム分割器2308に送られる。他方の画像又はビームは、ビーム分割器2302からミラー2303に、更に高解像度の小画像光学系又は幅狭ビーム光学系2305に送られて、
図3に記載の方法を使用する場合はそこで低解像度画像が覆い隠される。小画像光学系又は幅狭ビーム光学系2305から、画像又はビームは、大画像又は幅広ビームの軸に小画像又は幅狭ビームをオフセットするために2つのビームステアリング要素2310、2311にミラー2309から反射される(その後に、ビーム結合器2308を用いて結合されることになる)。この図では、ビームステアリング要素は、X軸及びY軸それぞれで回転してこれら2つのそれぞれの軸に画像又はビームをオフセットする2つの厚肉光学スラブ2310、2311である。光学スラブ2310、2311各々に対して、少数の可能な代替実施形態を挙げると、両方の軸で回転する単一ミラー又は2つの回転/傾斜ミラーを代用することができる。第2の光学スラブ2311から、シフトした画像又はビームが、この場合はビーム結合器として使用されるビーム分割器2308に進行する。ビーム分割器2308から、低解像度の大画像又は幅広ビーム2306と高解像度の小画像又は幅狭ビーム2307が、スクリーン2300又は視認者の網膜に進行する。
【0248】
ステアリング要素2302として回転ミラーの代わりにビーム分割器を用いて
図2に記載の方法を使用する場合に、光学要素2304と2305が、異なる連続フレームの異なる画像の代わりに全てのフレームの同じ画像を受け入れることを防止するために、LCDシャッターのような光学シャッター又は機械シャッターを用いて各画像の各フレームを2304、2305の前、内側、又は後ろで相応に遮断するか又は通過させることができる。当然ながら、この遮断又は通過は、偏光子ビーム分割器が使用され、各フレームがビーム分割器に到達する前に切換可能液晶偏光回転子などを用いて画像の偏光を各フレームで制御することができる場合は必要ではない。
【0249】
図6Aでは、この図は、個々のピクセル601を表す四角形を示している。
図6Bは、実際の画像604を表示する個々のピクセルを有する図を示している。
【0250】
傾斜/回転ミラー及び回転楔(Risley)プリズムを用いて投影ビーム又は画像は、ステアリングされ、
図7Bで見られる遠近歪みと、画像又はビームが中心から遠ざかるようにステアリングされる時に漸進的に悪化するいくつかの光学収差とを受ける。遠近歪みを解決するために、画像702を事前にデジタル的に歪ませることができ、それによって高解像度小画像の可能なサイズ及び利用ピクセル数が有意に低減する。
【0251】
同じく、位置決め中にいずれかの不正確性又は精度問題がある場合に、これらは非常に明白な歪みと、デジタル歪みとしての継ぎ目として可視であり、画像又は投影ビームは、
図8Aに見られるミラー、プリズム、又は他の傾斜要素による現在の位置決めに適合しない。
【0252】
図7Aは原画像701であり、
図7Bは遠近歪み画像702である。
【0253】
図8Aでは、正しい画像801が見られる。右の画像802(
図8B)には、デジタル画像生成及び画像位置決めと、これら2つの部分画像の間に歪み及び継ぎ目を引き起こす歪み不整合とが見られる。
【0254】
これに代えて、画像又はビームをシフト/オフセットすることにより、これらの問題は発生しない。
【0255】
ビーム又は画像は、各軸に対して1つずつ2つの傾斜/回転光学スラブ、Optotune(登録商標)MR-15-30-PS-25x25Dのような2つの二軸傾斜/回転ミラー、又は4つの傾斜/回転ミラー(軸毎に2つ)であるがこれらに限定されないものによってシフトさせることができる。
【0256】
図9A~
図9Dでは、光学スラブ902は、画像又は投影ビーム903をシフト/オフセットすることを可能にする可視スペクトル内で無色のガラススラブ又はプラスチックポリマースラブである。
【0257】
画像と投影ビームの両方903をこの方法でシフトさせることができる。この方法は、ヘッド装着式ディスプレイデバイス内のアイピースレンズ、導波管、又は類似の光学系によるそれ程大きい倍率を必要とせずに大きい投影画像を生成することができる投影光学系に投影ビームを向けることができるスラブ902を比較的小さくすることを可能にする。
【0258】
しかし、画像は、アイピース光学系が拡大を実施することができる時にもこの方法によってシフトさせることができ、限られた量のシフトしか必要とされないか、又はアイピースレンズ、導波管、又は類似の光学系による限られた量の倍率しか必要とされない。
【0259】
図9Bでは、平行な5mm幅の638nm波長ビーム903が通してシフトした20x20x20mmPMMA(ポリ(メチルメタクリレート))ポリマー光学スラブ902が見られる。この例では、スラブは、ビームを+34度(範囲は±34度である)だけ傾斜させ、最大で8.04mmだけオフセットすることができる。そのようなビームが後に投影レンズを通過し、アイピース又は導波管を通して見た時に5mmビームが20度の視野を網羅することが意図される状況を考えると、ビームが含む高解像度画像を平均的な人間が自分の眼球を快適に回転させることができる度数よりも大きい64度又はそれよりも多くだけ移動することを16.08mmのシフトが可能にすると考えられる。
【0260】
図9Bでは、ビーム903を8.04mmだけ下向きにオフセットするために光学スラブ904が-34度だけ傾斜される。
【0261】
異なる軸で回転してビーム903を両方の軸にシフトさせることを可能にするか又は2つのスラブ902、904の間にこれらのスラブが同じ軸で回転することを可能にするダブプリズム又は同じミラーアセンブリのような光学構成要素を有するそのようなスラブ902、904が、
図5Eに見られるように2つ必要とされることになる。
【0262】
この図は、例示目的なものに過ぎず、スラブ902、904に対する異なる材料及びサイズ、ビーム903に対する異なる寸法、及び異なる回転範囲が可能である。
【0263】
光学スラブ902、904によって引き起こされるRGB画像又は投影ビーム903の何らかの分散は、各色チャネルを数ピクセルだけ相応にデジタル的にオフセットすることによって補償することができる。オフセットは、より高い屈折率を有する1つ又は2つの色チャネルに対してしか行うことが必要とされない可能性があるので、1つ又は2つの色チャネルが画像又は投影ビーム903のエッジ上で同じオフセットに到達することができなくなり、これは、画像又は投影ビーム903をエッジ上で僅かにデジタル又は光学的に切り取ることによって解決することができ、こうして各色チャネル内のピクセルは、分散によって引き起こされる色チャネルの分離を元に戻すのに必要とされる量だけオフセットすることができる。エッジ上でのこのピクセル損失は、上述の実施形態による遠近歪みの補正に起因するピクセル/詳細の損失と比較して依然として無視することができる。
【0264】
±34度の極値のスラブ傾斜の上述の例を使用すると、屈折角は、445nm波長で±21.9度であり、638nm波長で±22.1度である。その結果、画像又は投影ビーム903の赤色チャネルと青色チャネルの間に0.06mmの分散がもたらされる。この5mm幅の画像又は投影ビーム903の解像度が1080ピクセル×1080ピクセルであると仮定すると、これは、0.06×1080/5=12.96ピクセルになる。ビーム903の各エッジ上で13ピクセルを犠牲にすることにより、色チャネルをデジタル的にオフセットしていずれの角度の分散の効果も元に戻すことが可能になる。
【0265】
特に
図9Aを参照すると、空気901を通ってスラブ902に移動するビーム903が見られる。スラブ902がビーム903に対して垂直であるので、ビーム903はスラブ902を真っ直ぐに通過する。
【0266】
図9Bでは、スラブ904は、-34度だけ傾斜されてビーム903を8.04mmだけ下向きにオフセットしている。
【0267】
図9Cでは、スラブ902は、+34度だけ傾斜されてビーム903を8.04mmだけ上方にオフセットしている。
【0268】
図9Dでは、ビームが一方の角度から他方の角度までどの程度オフセットするかを例示するために単一スラブ902、904の2つの図が互いに重ね合わされている。スラブ
図904は、-34度だけ傾斜されてビーム903を8.04mmだけ下向きにオフセットしており、それに対してスラブ
図902は、+34度だけ傾斜されてビーム903を8.04mmだけ上方にオフセットしている。従って、ビーム903を上下にオフセットして最大で16.08mm離間した画像又はビームを生成することができる。
【0269】
図10A及び
図10Bに見られるように、スラブ902、904は、2dミラー(Optotune(登録商標)MR-15-30-PS-25x25Dのような二軸傾斜/回転ミラー)又は2つのミラー1001、1002又は1003、1004と入れ替えることができる。この入れ替えは、より大きい空間要件を妥協した上でのコスト節減である。その一方、ミラーを使用する場合に、分散は問題ではない。
【0270】
図10Aでは、ミラー1001、1002が45度だけ傾斜されており、
図10Bでは、ミラー1003、1004が40度だけ傾斜されている。
【0271】
図11に見られるように、2つの軸で回転する2つの2Dミラー又は4つのミラー1101、1102、1103、1104を用いてビーム又は画像を2つの軸にシフトさせることができる。
【0272】
図11では、両方のミラー1101、1102は、単なる例示目的でトップダウン視野を有し、第2のミラーセット1103、1104は別の軸にある。
【0273】
図12は、別の実施形態を示している。第2のミラーセット1204、1205を別の軸で反転及び回転させるか、又は1つの軸で空間を節約するためにダブプリズム1203又は同等のミラーアセンブリを2つの2dミラー又はミラー対1201、1202と1204、1205の間に位置決めして直前のセットによって実施されたオフセットの軸を反転させてビーム又は画像を同じ軸にシフト/オフセットするミラー及び構成要素を有するかのいずれかを行うことができる。
【0274】
図12では、ダブプリズム1203を使用する場合に光線が進行する経路が見られる(ダブプリズムの寸法比率及び角度は、この図面では正確ではなく、ダブプリズム自体内で光線が進行する経路も正確ではない)。
【0275】
最終画像内の高解像度のより小さい部分は、上述の方法を用いない場合に可能なものよりも小さくすることができるので、本明細書に説明する可変解像度スクリーン方法及び装置は、本明細書に説明する方法と併用されない時にディスプレイ、マイクロディスプレイ、又はプロジェクタを用いて可能なものよりも高い、最終画像の1又は2以上の部分内で可視である解像度を達成することを可能にする。
【0276】
これは、視認者の視野の中心に高いピクセル密度又は走査線密度を有し、周辺に低い密度を有する可変解像度スクリーン、例えば、片眼毎に僅か1つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタしか用いないヘッド装着式ディスプレイスクリーンを達成することを可能にする。
【0277】
視線追跡カメラ又は電極であるがこれらに限定されないものによる視標追跡を追加することにより、高解像度のより小さい部分は、最終画像又はスクリーン上の低解像度のより大きい部分の上でいずれか所与の時点で視認者の中心窩視野が存在する場所に配置することができる。これは、いずれか所与の時点でより多くのピクセル又は走査線を視認者の中心窩視野内に及び任意的に近周囲視野内にも常に集中させることを可能にする。
【0278】
任意的に、例えば、眼球回転を考慮した視認者の全視野ではなく視認者の眼の視野内だけにピクセルを有するために、低解像度のより大きい部分の位置決めを高解像度のより小さい部分の配置と同じ方法で達成することができる。
【0279】
2よりも多い部分が存在すること、例えば、中心窩視野、近周囲、及び遠周囲に対して1つずつの3つが存在することも可能であり、これらの部分を上述したものと同じ方法で結合することができる。
【0280】
当業者は、大画像と小画像が光学的に結合された後にこれら両方の画像を共にシフトさせること又は最終画像上により多くのより小さい部分又はより大きい部分を生成するためにより多くの要素を追加することのような図内のいくつかの要素の順序を変更することができ、より多くの要素を追加することができることを理解するであろう。
【0281】
移動部品を用いない可変解像度スクリーン
更に別の実施形態では、可変解像度スクリーンは、高解像度のより小さい画像又は投影を低解像度の大きい画像又は投影の上に生成し、機械的移動部品を用いずに光学的に位置決めすることによって達成される。
【0282】
少なくとも1つの大きい低解像度部分201に対する画像ソースと少なくとも1つの小さい高解像度部分202に対する画像ソースは、同じマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタとすることができ、連続フレーム(フレームnとフレームn+1)は、最終の画像又はビームの2又は3以上の部分203、204の間で分散される(
図2を参照されたい)。これに代えて、
図3に記載のように、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタの画像の一部を2つ301、302又は3以上に光学的に分割し、少なくとも1つの大きい低解像度部分303と少なくとも1つの小さい高解像度部分304との間で割り当てることができる。これに代えて、
図13に記載のように、少なくとも1つの大きい低解像度部分と少なくとも1つの小さい高解像度部分は、画像ソースとして異なるマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを有することができる。
【0283】
アスペクト比16:9の単一マイクロディスプレイ又はディスプレイが2つの部分に分割され、例えば、1920x1080ピクセルのマイクロディスプレイ又はディスプレイが、小さい1080x1080ピクセル高解像度部分301と大きい840x1080ピクセル低解像度部分302とに分割される
図3を参照されたい(低解像度部分302は、その後に、より良いアスペクト比を達成するために光学的に90度反転させることができる)。
【0284】
機械的移動部品の欠如は、以下のいくつかの利点をもたらす。
【0285】
第1に、移動部品を排除することにより、振動に対する感受性、不整合、機械的故障、可聴ノイズ、又は機械的移動部品に関連付けられたいずれの他の問題も排除される。
【0286】
第2に、下記で説明するように使用される光学遮蔽要素の速度に基づくと、小さい高解像度部分の再配置が、数マイクロ秒から数ミリ秒程度の短い時間しか要さないことが可能である。それとは対照的に、モータをウェアラブルデバイスに向けて可能な限り小さく保ちながら、そのようなアクチュエータにミラー、プリズム、又はスラブを人間の眼球の断続性運動と同程度に高速に回転させることは困難である。
【0287】
第3に、位置決めは、小さい高解像度部分を位置決めしなければならない新しい位置に関係なく等しい時間量しか要さない。
【0288】
最初に、画像又は投影ビームは、スクリーン又は視認者の網膜の全体又は大部分又は人間の眼球が回転してフォーカスさせることができるスクリーンの一部にわたって光学的に複製される。
【0289】
この複製は、例えば、レンズアレイの使用によって達成することができる。例示及び実施例を示す目的で、片面又は両面のレンズアレイが使用されるが、複製画像又はビデオ投影内の光学収差を低減するために多要素レンズ及び/又はレンズアレイ構成を使用することができる。
【0290】
図13は、レンズアレイを使用する2つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1301、1302の実施形態を示している。大画像又は幅広ビームが第1のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1301によって生成されて最終画像1305に直接(又は大画像光学系又は幅広ビーム光学系を通して)送られる。第2のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1302は、小画像又は幅狭ビームを生成し、それをレンズアレイ(又は他の複製要素)1303に送り、次いで、示されることになる1つの複製画像の外側の区域内で複製物を覆い隠す(隠す)ために光学遮蔽要素1304に送られる。次いで、画像又はビームは、最終画像1305に進行し、そこで第1のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1301からの大画像又は幅広ビームと結合される。
【0291】
図14は、単一マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1401を使用する類似の実施形態を示している。画像又はビームは、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ1401から画像又はビームステアリング要素1402に進行する。ステアリング要素1402は、画像又はビームを分割し、最終の画像又はビームの大部分画像が最終画像1405に直接(又は大画像光学系又は幅広ビーム光学系を通して)送られる(
図3に記載のような一部の実施形態では、最初に画像は、大小の部分画像を抽出するために覆い隠される)。最終の画像又はビームの小部分画像は、レンズアレイ(又は他の複製要素)1403に送られ、次いで、示されることになる1つの複製画像の外側の区域内で複製物を覆い隠す(隠す)ために光学遮蔽要素1404に送られる。次いで、この小画像又は幅狭ビームは、ステアリング要素1402からの大画像又は幅広ビームと結合されて最終画像1405が形成される。
【0292】
図15は、ディスプレイ、マイクロディスプレイ、又は投影ビームをこの方法でどのように複製することができるかの最も簡単な構成を示しており、
図16A及び
図16Bは、シミュレーション結果を示している。
【0293】
図15では、画像ソース(ディスプレイ、マイクロディスプレイ、又はプロジェクタ)1501が、画像をレンズ1502に送り、レンズ1502は、それを開口絞り1504に送る。次いで、画像又はビームは、レンズアレイ1503に、更にスクリーン1505又は視認者の網膜に進行することができる。
【0294】
図16A及び
図16Bは、シミュレーション結果を示している。
図16Aは、ディスプレイ、マイクロディスプレイ、又はプロジェクタ1601からの原画像であり、
図16Bは、スクリーン又は視認者の網膜1602上に得られる画像である。
【0295】
図17Aは、光学遮蔽要素の1つの可能な位置を有する簡単な構成を示している。1701は、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタであり、1702は、1701からの単一ピクセルの光円錐(ビーム)である。1703は、多要素レンズの概略図である。1704は、ピクセル光円錐(ビーム)を中間画像平面上のLCDマイクロディスプレイ光学遮蔽要素1705上のピクセルにフォーカスさせる第1のレンズアレイであり、1706は、ピクセル光円錐を投影スクリーン1707又は視認者の網膜上の最終画像平面上に再度フォーカスさせる第2のレンズアレイである。第2のレンズアレイ1706は、通常の投影レンズ又はアイピースレンズのような他の光学系で置換することができる。
【0296】
図17Bは、光学遮蔽要素に対して使用されるLCoS又はDLPのような反射マイクロディスプレイを示している。1711は、画像又はビームを発生させるマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタであり、1712は、1711からの単一ピクセルの光円錐(ビーム)であり、1713は、多要素レンズの概略図であり、1714は、ピクセル光円錐(ビーム)を中間画像平面上のLCoSマイクロディスプレイ光学遮蔽要素1715上のピクセルにフォーカスさせる第1のレンズアレイであり、1717は、ピクセル光円錐(ビーム)を投影スクリーン1718又は視認者の網膜上の最終画像平面上に再度フォーカスさせる第2のレンズアレイである。LCoSマイクロディスプレイ光学遮蔽要素1715から反射された画像又はビームを第1のレンズアレイに戻すのではなく側方に90度だけ経路変更するために偏光子ビーム分割器又はPBS(偏光子ビーム分割器)キューブ1716が使用される。第2のレンズアレイ1717は、通常の投影レンズ又はアイピースレンズのような他の光学系で置換することができる。DLPマイクロディスプレイを使用する場合に、偏光子ビーム分割器又はPBS(偏光子ビーム分割器)キューブ1716の代わりにTIR又はRTIR(内部全反射)プリズムを使用することができる。
【0297】
図17Cは、マイクロディスプレイではなく反射層及びバックライト層が取り外されたLCDディスプレイのようなディスプレイを光学遮蔽要素として使用することができることを示している。1721は、画像又はビームを発生させるマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタであり、1722は、1721からの単一ピクセルの光円錐(ビーム)であり、1723は、多要素レンズの概略図であり、1724は、ビーム分割器1725を用いてビームを反射させることによってピクセル光円錐(ビーム)をLCDディスプレイ光学遮蔽要素1726の背後の画像平面上のスクリーン1727上のピクセルにフォーカスさせるレンズアレイである。第2のディスプレイ1728からの画像もビーム分割器から反射し、従って、第2のディスプレイとスクリーンの両方が眼1720によって直接に又はアイピース又は導波管1729を通して見られる。ここで、スクリーン1727は、ビーム分割器1725によって結合された最終結合画像の高解像度小画像を表示するのに使用され、ディスプレイ1728は、最終結合画像の低解像度大画像を表示するのに使用される。
【0298】
これに代えて、反射層及びバックライト層が取り外されたLCDディスプレイを光学遮蔽要素として使用することができ、単一(又は
図13に見られるように2つ)のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタが、
図17Dに示すように第2のディスプレイ1728を用いずに画像又はビームを発生させる。
図2で説明した時間多重化方式の場合に、ビーム分割器1725も、
図20及び
図21に示すように不要である。
【0299】
一実施形態では、ビーム分割器1725は反射偏光子ビーム分割器である。一実施形態では、ビーム分割器1725とスクリーン1728の間に第1の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができ、ビーム分割器1725とスクリーン1727の間に第2の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができる。4分の1波長板は、スクリーン1728及びスクリーン1727それぞれから反射された光の偏光を回転させることができる。
【0300】
図17Dの図では、複製画像又は複製ビームを発生させるための要素は例示されておらず、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、又は2つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを表す1731に存在し、幅広ビームと複製ビームは、
図13及び
図14で上述したように予め光学的に結合されている。幅広ビーム1732の単一ピクセルの光円錐(ビーム)と複製ビーム1733の単一ピクセルの光円錐(ビーム)とは両方共に、ビーム分割器1734から反射されることによってLCDディスプレイ光学遮蔽要素1735の背後の画像平面上のスクリーン1736上のピクセルにフォーカスする。スクリーン1736は、眼1738によって直接に又はアイピース又は導波管1737を通して見られる。
【0301】
一実施形態では、ビーム分割器1734は反射偏光子ビーム分割器である。ビーム分割器1734とスクリーン1736の間には、第1の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができる。4分の1波長板は、スクリーン1736から反射された光の偏光を回転させることができる。
【0302】
図3に示すようにマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを2又は3以上の部分に分割する場合に、
図17Eに示すようにビーム分割器を使用することができ、更に第2のスクリーンを使用することができる。
【0303】
次の図である
図17Eでは、複製画像又は複製ビームを発生させるための要素は例示されておらず、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、2つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、画像ステアリング要素、小画像光学要素及び/又は大画像光学要素、画像分離要素、及び/又はビーム結合器のうちの1又は2以上を表す光学系1741に存在する。一実施形態では、光学系1741は、1又は2以上の画像ソースと、画像ステアリング要素と、小画像光学要素と、大画像光学要素と、ビーム結合器とを含む。画像ステアリング要素は、画像を第1の画像成分と第2の画像成分に分離し、更に、第1の画像成分を第1の移動先に向け、第2の画像成分を第2の移動先に向けるように構成することができる。幅広ビーム(例えば、低解像度大画像を表す)と複製ビーム(例えば、高解像度小画像の複数の複製物を表す)は、光学系1741の出力において
図13及び
図14で上述したように光学的に既に結合されているとすることができる。幅広ビームは、低解像度大画像とするか又はそれを表すことができ、複製ビームは、高解像度小画像の複数の複製物とするか又はそれを表すことができる。低解像度大画像と高解像度小画像の複数の複製物は、
図13及び
図14で上述したように結合画像に光学的に既に結合されているとすることができる。
【0304】
幅広ビーム1742の単一ピクセルの光円錐(ビーム)と複製ビーム1743の単一ピクセルの光円錐(ビーム)とは、第2のスクリーン1747上のピクセルと、ビーム分割器1744から反射されることによって光学遮蔽要素1745(例えば、LCDディスプレイ光学遮蔽要素又は別のタイプの光学遮蔽要素とすることができる)の背後の画像平面上のスクリーン1746上のピクセルとにそれぞれフォーカスすることができる。幅広ビーム1742はビーム分割器1744を通過し、それとは逆に複製ビームは、異なる偏光を有する(又はビーム分割器が帯ゾーン通過フィルタ又は二色フィルタである場合は異なる光波長を有する)ことに起因してビーム分割器1744から反射される。実施例では、低解像度大画像は、ビーム分割器1744をスクリーン1747上に通過することができ、高解像度小画像の複数の複製物は、ビーム分割器1744からスクリーン1746上に反射させることができる。光学遮蔽要素1745は、スクリーン1746とビーム分割器1744の間に位置決めすることができ、上述のように高解像度小画像の単一複製物が残るように高解像度小画像の複数の複製物を覆い隠すことができる。スクリーン1746と1747は、ビーム分割器1744によって光学的に結合され、直接に又はアイピース又は導波管1748を通して眼1749によって見られる。従って、ビーム分割器1744は、高解像度小画像の単一複製物と低解像度大画像とを再結合し、アイピース又は導波管1748に向けることができるか又は視認者の眼1749の上に直接フォーカスされる可変解像度画像を生成することができる。
【0305】
一実施形態では、ビーム分割器1744は反射偏光子ビーム分割器である。一実施形態では、ビーム分割器1744とスクリーン1747の間に第1の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができ、ビーム分割器1744とスクリーン1746の間に第2の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができる。4分の1波長板は、スクリーン1747及びスクリーン1746それぞれから反射された光の偏光を回転させてスクリーン1747から反射された光がビーム分割器1744(反射偏光子ビーム分割器)から反射することを可能にし、スクリーン1746から反射された光がビーム分割器1744(反射偏光子ビーム分割器)を通して眼1749及び/又はアイピース又は導波管1748に到着することを可能にする。
【0306】
これに代えて、
図3に示すようにマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを2又は3以上の部分に分割する場合に、
図2に示す時間多重化の場合と同じく
図17F及び
図17Gに示すようにビーム分割器、並びに第2のスクリーンの両方が必要とされない。
【0307】
図17Fでは、複製画像又は複製ビームを発生させるための要素は例示されておらず、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、又は2つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを表す1751に存在し、幅広ビームと複製ビームは、
図13及び
図14で上述したように光学的に既に結合されている。
【0308】
幅広ビーム1752の単一ピクセルの光円錐(ビーム)と複製ビーム1753の単一ピクセルの光円錐(ビーム)は、両方共にビーム分割器1754から反射されることによってLCDディスプレイ光学遮蔽要素1755の背後の画像平面上のスクリーン1756上のピクセルにフォーカスする。スクリーン1756は、直接に又はアイピース又は導波管1757を通して眼1759によって見られる。
【0309】
幅広ビームと複製ビームの両方を同じLCDディスプレイ光学遮蔽要素に通すが、従来のLCDディスプレイ光学遮蔽要素とは逆に複製ビームを遮断するために光学遮蔽要素を使用することができるように、偏光子を持たないLCDディスプレイ光学遮蔽要素である切換可能液晶偏光回転子が使用される。LCDディスプレイ光学遮蔽要素及びLCDディスプレイ上の場合のように2つではなく単一偏光子1758が、視認者の眼1759の前かつアイピース又は導波管1757の前方、又はその前又はLCDディスプレイ光学遮蔽要素1755の左のいずれかの場所に配置される。
【0310】
この実施例の幅広ビームは偏光状態にないか、又は偏光状態では偏光子1758は、幅広ビームが切換可能液晶偏光回転子/LCDディスプレイ光学遮蔽要素1755を通した後にフィルタ除去を行うことにはならない。複製ビームは、LCDディスプレイ光学遮蔽要素1755及び偏光子1758の予想通りに遮蔽を受け、一方、幅広ビームは覆い隠されないか、又は複製ビームが覆い隠されない場合に遮蔽を受ける。
【0311】
一実施形態では、ビーム分割器1754は反射偏光子ビーム分割器である。一実施形態では、ビーム分割器1754とスクリーン1756の間に第1の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができる。4分の1波長板は、スクリーン1756から反射された光の偏光を回転させることができる。
【0312】
上述のように、ビーム分割器1754は必要ではなく、装置の物理的寸法を縮小することのような理由から使用されない。
図17Gは、ビーム分割器1754のない
図17Fと同じシステムを示している。
【0313】
図17Gでは、複製画像又は複製ビームを発生させるための要素は例示されておらず、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ、又は2つのマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを表す1761に存在し、幅広ビームと複製ビームは、
図13及び
図14で上述したように光学的に既に結合されている。
【0314】
幅広ビーム1762の単一ピクセルの光円錐(ビーム)と複製ビーム1763の単一ピクセルの光円錐(ビーム)とは、両方共にLCDディスプレイ光学遮蔽要素1764の背後の画像平面上のスクリーン1765上のピクセルにフォーカスする。スクリーン1765は、直接に又はアイピース又は導波管1766を通して眼1768によって見られる。
【0315】
幅広ビームと複製ビームを同じLCDディスプレイ光学遮蔽要素に通すが、従来のLCDディスプレイ光学遮蔽要素とは逆に複製ビームを遮断するために光学遮蔽要素を使用することができるように、偏光子を持たないLCDディスプレイ光学遮蔽要素である切換可能液晶偏光回転子が使用される。LCDディスプレイ光学遮蔽要素及びLCDディスプレイ上でのように2つではなく単一の偏光子1767が、視認者の眼1768の前かつアイピース又は導波管1766の前方、又はその前又はLCDディスプレイ光学遮蔽要素1764の左のいずれかの場所に配置される。
【0316】
この実施例の幅広ビームは偏光状態にないか、又は偏光状態では偏光子1767は、幅広ビームが切換可能液晶偏光回転子/偏光子を持たないLCDディスプレイ光学遮蔽要素1764を通した後にフィルタ除去を行うことにはならない。複製ビームは、偏光子を持たないLCDディスプレイ光学遮蔽要素1764及び偏光子1767の予想通りに遮蔽を受け、一方、幅広ビームは覆い隠されないか、又は複製ビームが覆い隠されない場合に遮蔽を受ける。
【0317】
光学遮蔽要素を使用する場合に、1度に複製画像のうちの1つを示すことができるが、ソースフレームのデジタル操作を使用すると、複製画像アレイ区域上のいずれかの場所で原画像のデジタル再構成物及び光学的再構成物を可視にすることは、全ての他を隠しながら光学遮蔽要素のピクセル解像度まで細かい位置精度及び光学遮蔽要素の数マイクロ秒からミリ秒までに等しい位置決め速度で可能である。
【0318】
例として、
図18の項目1801に示すように、各複製画像が4つの部分1、2、3、及び4から構成される場合を考察する。
図18では、左の列にある項目は、これらの部分を数字を有する正方形として例示しており、それに対して右の列は、実際の部分画像を用いている。
【0319】
図18では、4つのそのような複製画像が積み重ねられている1802。1つの複製物をこのアレイ1802の中心に表示したくても、項目1803に示すように無理であると考えられる。
【0320】
しかし、原画像1801を取得し、それを4つの画像片にデジタル的に分割し、これらの画像片を1804に記載のようにデジタル的に再位置決めした場合に、4つの複製物の各部分を1度に表示していたとしても望む結果を達成することになる。
【0321】
次いで、複製物は覆い隠され、原画像1801が1805で見られるように光学的及びデジタルな方法によって正しく再構成される。
【0322】
DLPマイクロディスプレイ、LCoSマイクロディスプレイ、又はLCDマイクロディスプレイ、又はLCDディスプレイのような議論した光学遮蔽要素は通常はレンズアレイの解像度を2倍ではなくそれよりも遥かに高くするので、
図19に記載の1901、1902、1903、1904に見られるように画像を4つの四角形に分割し、画像の中央だけではなく画像上のいずれかの望ましい場所にもデジタル的に再配置することができ、考えられる制限は、ソース画像のディスプレイ、マイクロディスプレイ、又はプロジェクタの解像度及び光学遮蔽要素の解像度である。当然ながら、光学遮蔽要素からの可視部分は、アレイからの単一複製画像のサイズよりも大きくすることができない。
【0323】
ヘッド装着式ディスプレイ実施形態
上述の光学設計は、多くの異なるタイプの画像ディスプレイ及びビデオディスプレイに対して機能することができる。ヘッド装着式ディスプレイでは、小空間要件が追加の困難を呈する。
【0324】
図20は、ヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着の直接実施形態を示している。
図4A、
図4B、
図5、
図13、
図14、
図17に示すものと同様に、可変光学系2003は、スクリーン2004に直接送られる高解像度小画像2005と低解像度大画像2006とを生成する。人間の眼2001は、スクリーン2004上の画像からの光2007を集光するレンズ2002又は他の光学系を通して見る。
【0325】
図21は、ヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着の間接実施形態を示している。
図4A、
図4B、
図5、
図13、
図14、
図17に示すものと同様に、可変光学系2103は画像を生成し、この画像は、ミラー2108から反射される。高解像度小画像2105と低解像度大画像2106は、ミラー2108からスクリーン2104に送られる。人間の眼2101は、スクリーン2104上の画像からの光2107を集光するレンズ2102又は他の光学系を通して見る。
【0326】
図22は、ヘッド装着式ディスプレイ内への本発明の装着のビーム分割器を用いた間接実施形態を示している。
図4A、
図4B、
図5、
図13、
図14、
図17に示すものと同様に、可変解像度光学系2203は画像を生成し、この画像は、ミラー2208から反射される。ミラー2208は、光をビーム分割器2209に反射し、ビーム分割器2209は、高解像度小画像2205と低解像度大画像2206とをスクリーン2204上に反射する。人間の眼2201は、スクリーン2204上の画像からの光2207を見るためにレンズ2202又は他の光学系を通して、更にビーム分割器2209を通して見る。
【0327】
一実施形態では、ビーム分割器2209は反射偏光子ビーム分割器である。一実施形態では、ビーム分割器2209とスクリーン2204の間に第1の4分の1波長板(図示せず)を位置決めすることができる。4分の1波長板は、スクリーン2204から反射された光の偏光を回転させてスクリーン2204から反射された光がビーム分割器2209(反射偏光子ビーム分割器)を通して眼2201及び/又はアイピース又は導波管2202に到着することを可能にする。
【0328】
図23は、可変解像度画像の第1の部分を示すために画像をスクリーンの上に出力する第1の光ソースと可変解像度画像の第2の部分を示すための第2の光ソースとの組合せを使用する実施形態の例示している。一実施形態では、第1の光ソースは、投影スクリーン上に画像を投影するプロジェクタであり、第2の光ソースはディスプレイ又はマイクロディスプレイである。
【0329】
光学システム2341は、上記で議論したように複製画像又は複製ビームを発生させるための要素を含むことができる。この光学システムは、例えば、マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタのような画像ソースを含むことができ、複製ビーム(例えば、高解像度小画像の複製物)を生成するレンズアレイを更に含むことができる。
【0330】
複製ビーム2343の単一ピクセルの光円錐(ビーム)は、スクリーン2346上のピクセルにフォーカスすることができる。スクリーン2346は、ビーム分割器2344から反射されることによって光学遮蔽要素2345(例えば、LCDディスプレイ光学遮蔽要素又は別のタイプの光学遮蔽要素とすることができる)の背後にある画像平面上に存在することができる。従って、高解像度小画像の複数の複製物をビーム分割器2344からスクリーン2346上に反射させることができる。光学遮蔽要素2345は、スクリーン2346とビーム分割器2344の間に位置決めすることができ、上述のように高解像度小画像の単一複製物が残るように高解像度小画像の複数の複製物のうちの1又は2以上を覆い隠すことができる。
【0331】
第2の画像ソース2347は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、又は他のスクリーンディスプレイのようなディスプレイ又はマイクロディスプレイとすることができる。
【0332】
第2の画像ソース2347は、低解像度大画像(単一ビーム2342で表す)を出力することができ、この画像は、ビーム分割器2344から眼2349、アイピース、及び/又は導波管2348に向けて反射することができる。高解像度小画像の単一の残りの複製物(単一ビーム2370で表す)は、この2349、アイピース、及び/又は導波管2348に向けてビーム分割器2344を通過することができる。高解像度小画像の単一の残りの複製物は、低解像度大画像と融合(例えば、その上に重ね合わせ)して可変解像度画像を形成することができ、この可変解像度画像は、アイピース又は導波管2348に向けるか又は視認者の眼2349の上に直接フォーカスさせることができる。
【0333】
DLP、LCoS、及びLCDのような反射性及び透過性マイクロディスプレイ又はディスプレイは、各個々のピクセル又はサブピクセルの間に不透明又は非反射性ギャップを有する。そのようなマイクロディスプレイ又はディスプレイが光学遮蔽要素として使用され、正確に中間画像平面上に配置され、かつその上に投影される画像のピクセルサイズがピクセルギャップのサイズよりも小さいか又はそれに近い場合に、一部のピクセルは、これらの不透明又は非反射性ギャップ上に完全又は部分的に投影されることに起因して解像度が失われることになる。この損失は、水平及び垂直の黒色の線のグリッドがピクセル間に出現する可能性がある「スクリーンドア効果」を引き起こす場合がある。更に、解像度が追加される場合に、光学遮蔽要素のマイクロディスプレイ又はディスプレイからのいずれかのスクリーンドア効果が残留することになる。この問題に対して可能な1つのソリューションは、光学遮蔽要素を中間画像平面に対して僅かにオフセットさせることである。例えば、光学遮蔽要素は、小画像光学要素の焦点面から、大画像光学要素の焦点面から、又は本明細書に説明する光学系の焦点面からオフセットさせることができる。このオフセットは、マスク及びマスクエッジのフォーカスをぼかすという副次効果を確かに有する。しかし、一部の実施形態では、上述のように、マスク及び/又はマスクエッジのデフォーカスは、実際には望ましい効果とすることができる。
【0334】
図24Aは、実施形態によるソース画像を例示している。
図24Bは、実施形態による中間画像平面上の光学遮蔽要素上での
図24Aに記載のソース画像を例示している。図示のように、水平及び垂直の黒色の線のグリッドとして現れたピクセルギャップが存在する。
図24Cは、実施形態による中間画像平面(焦点面)から僅かにオフセットされた光学遮蔽要素上での
図24Aに記載のソース画像を例示している。図示のように、スクリーンドア効果は最小にされる。
【0335】
光学遮蔽要素上の高解像度小画像の複数の複製物を1つの複製物のみを反射又は透過するように単純に覆い隠す代わりに、反射及び透過されることになる1又は複数の複製物は、低解像度であるにも関わらず同じ画像を同じく表示している光学遮蔽要素上の対応するピクセルを有することができる。同様に、光学遮蔽要素(又は異なる光学遮蔽要素)は、低解像度大画像を単純に完全透過又は完全反射することができるのではなく、同じ低解像度大画像を表示することができる。これは、2つの目的に寄与することができる:
1.潜在的により低い解像度での光学遮蔽要素のマイクロディスプレイ又はディスプレイ上にも関わらず、同じ画像を2度空間的に変調することにより、最終画像のコントラストを改善することができる。光学遮蔽要素が中間画像平面に対して僅かにオフセットされた場合に、光学遮蔽要素によって表示される画像の低解像度バージョンがぼけることになるが、そのピクセル上に鮮明なコーナを持たないことで利益も受ける。得られる効果は、LCD TV及びLCDモニタでの「フルアレイローカル調光」と呼ばれる技術によって得られるものと非常に類似している。この効果は、高解像度小画像と低解像度大画像との両方に対して使用することができる。
2.光学遮蔽要素の解像度は、フルアレイローカル調光のLCD TV及びLCDモニタ内のLEDアレイよりも有意に高くすることができるので、同じく低解像度大画像の解像度と光学遮蔽要素の解像度とを同じにすることができるので、同じく人間の視覚は、ルミナンス(輝度)に対してよりもクロマ(色)に対して低い鋭敏性を有するので、光学遮蔽要素は、更に、最終画像のコントラストを改善するためだけではなく、色深度(ビット深度)を改善するために使用することもできる。得られる効果は、「クロマサブサンプリング」と呼ばれるルミナンス(輝度)よりもクロマ(色)に対して低い解像度を有するビデオ符号化及び復号技術によって得られるものと非常に類似している。
これは、高解像度小画像と低解像度大画像との両方に対して使用することができる。
【0336】
図25は、左から右に画像を2度空間的に変調すること、又は原画像の異なるビット深度(色深度)情報を格納する2つの画像を空間的に変調することが、右にあるより増大したコントラスト及び/又はより高いビット深度(色深度)の画像を生成する方法を示している。
図25では、原画像2505が光学マスクに通される。光学マスクは、画像のコピー2510を表示するディスプレイ又はマイクロディスプレイとすることができる。原画像2505と画像のコピー2510とを結合し、原画像2505と比較して改善されたコントラスト及び/又は改善された色深度(ビット深度)を有することができる融合画像2515を形成することができる。
図26は、左から右に高解像度小画像を再度空間的に変調すること、又は光学遮蔽要素上のより低い解像度で表示されている高解像度小画像の異なるビット深度(色深度)情報を空間的に変調することが、右にあるより増大したコントラスト及び/又はより高いビット深度(色深度)の画像を生成する方法を示している。図示のように、高解像度小画像の単一複製物2605をレンズアレイが出力することができる。光学遮蔽要素は、高解像度小画像の他の複製物を覆い隠すことができ、かつ高解像度小画像のコピー2610を表示することができる。高解像度小画像のコピー2610は、高解像度小画像の複製物2605よりも低い解像度を有することができる。高解像度小画像の単一複製物2605を高解像度小画像のコピー2610と結合し、高解像度小画像の単一複製物2605と比較して改善されたコントラスト及び/又は改善された色深度(ビット深度)を有することができる融合高解像度小画像2615を形成することができる。
【0337】
マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタがサブピクセルを有する場合に、それは、最終画像のビット深度(色深度)の第1のセットを格納することができ、光学遮蔽要素のマイクロディスプレイ又はディスプレイは、残余を表示することができる。例えば、OLEDマイクロディスプレイは、8ビットピクセルを表示することができ、次いで、光学遮蔽要素のLCoS、LCD、又はDLPのマイクロディスプレイを用いて、最終画像上で10ビット又はそれよりも多いビット深度(色深度)に到達するようにピクセルを再度変調することができる。
【0338】
マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタが色を順次演算する場合に、それは、最終画像のビット深度(色深度)の第1のセットを格納することができ、光学遮蔽要素のマイクロディスプレイ又はディスプレイは、ここでもまた残余を表示することができる。例えば、LCoSマイクロディスプレイは、8ビットピクセルを表示することができ、次いで、光学遮蔽要素のLCoS、LCD、又はDLPのマイクロディスプレイを用いて、最終画像上で10ビット又はそれよりも多いビット深度(色深度)に到達するようにピクセルを再度変調することができる。
【0339】
更に、上述のように、各色チャネルに対して個別のディスプレイパネル又はマイクロディスプレイパネルが使用され、これらの色チャネルが三色プリズム、Xキューブプリズム、又は二色フィルタなどを用いて光学的に結合される場合に、単一マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタは、複数のマイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタを意味する場合もある。この事例では、例えば、3つのLCoSマイクロディスプレイは、各々8ビットピクセルを表示することができ、次いで、光学遮蔽要素のLCoS、LCD、又はDLPのマイクロディスプレイを用いて、最終画像上で30ビット又はそれよりも多いビット深度(色深度)に到達するように光学的に結合された24(8×3)ビットピクセルを再度変調することができる。
【0340】
少なくとも1つの高解像度小光学要素と少なくとも1つの低解像度大光学要素とを有することは、ユーザがスクリーンの視野を制御するためにこれらの光学要素の間で切り換えを行うことを可能にするためにも可変解像度スクリーンを有利とすることができるので、最終可変解像度画像を生成することに加えてより多くの目的に寄与することができる。例えば、可変解像度スクリーン装置がウェアラブルディスプレイとして使用されることになる場合に、仮想ディスプレイのサイズを光学的に調節するために異なる小さい又は大きい光学系をその間で切り換えることができる。代わりにデジタル手段によってこの切り換えを行うと、解像度を劣化させる。更に、光学要素のうちの1つは、仮想ディスプレイのサイズを範囲内でいずれかの望ましいサイズに調節するためにユーザ制御式ズームレンズを含む場合がある。
【0341】
その実施を含む以上のデバイス及び作動は、当業者には馴染み深く、理解されるであろう。本明細書に用いた全てのサイズ及び寸法比率は、これらの発明の範囲に影響を及ぼすことなく拡大又は縮小又は変更することができると考えられる。
【0342】
実施形態、代替実施形態、及び特定の実施例の以上の説明は、例示として与えたものであり、限定して捉えるべきではない。更に、本発明の精神から逸脱することなく本発明の実施形態の範囲内で多くの変更及び修正を加えることができ、本発明は、そのような変更及び修正を含む。
【符号の説明】
【0343】
401 マイクロディスプレイ、ディスプレイ、又はプロジェクタ
402 画像又はビームステアリング要素
403 光学要素1
404 光学要素2
405 最終画像又はビーム