(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】床パネルおよび床
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
E04F15/02 G
(21)【出願番号】P 2022514806
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(86)【国際出願番号】 NL2019050581
(87)【国際公開番号】W WO2021045612
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ペッラ,アントニオ・ジュゼッペ
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0104515(KR,A)
【文献】国際公開第2019/138365(WO,A1)
【文献】特表2018-507968(JP,A)
【文献】特表2018-509538(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01380710(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床パネル(2)であって、
コア(4)であって、上面(6)と、下面(8)と、前記コア(4)の第1側(12)
の第1コアフランク(10)と、前記コア(4)の第2側(16)の第2コアフランク(
14)と、を有し、前記第1コアフランク(10)は、前記上面(6)に接続する第1コ
アフランク上部(18)を含む、前記コア(4)と、
前記コア(4)の前記第1側(12)および前記第2側(16)にそれぞれ設けられて
いる第1連結部(20)および第2連結部(22)と、を含み、
前記第1連結部(20)は、
第1内側フランク(26)と、第1外側フランク(28)と、前記第1内側フランク
(26)を前記第1外側フランク(28)と接続する第1上部フランク(30)と、を有
する第1舌部(24)と、
前記第1舌部(24)を前記コア(4)と接続する第1ブリッジ部(32)と、を含
み、
前記第2連結部(22)は、
第2内側フランク(36)と、第2外側フランク(38)と、前記第2内側フランク
(36)を前記第2外側フランク(38)と接続する第2上部フランク(40)と、有し
、前記第2外側フランク(38)は、前記上面(6)に接続する第2外側フランク上部(
42)を含む、第2舌部(34)と、
前記第2舌部(34)を前記コア(4)と接続する第2ブリッジ部(44)と、を含
み、
前記第1内側フランク(26)と前記第1ブリッジ部(32)と前記第1コアフランク
(10)とは、第1溝(46)を画定し、
前記第2内側フランク(36)と前記第2ブリッジ部(44)と前記第2コアフランク
(14)とは、第2溝(48)を画定し、
前記床パネル(2)は、当該床パネル(2)と同一の、隣接して配置した更なる床パネ
ルと連結するように構成されており、その態様は、前記床パネル(2)の前記第1舌部(
24)が、隣接して配置した更なる床パネルの前記第2溝(48)に受けられ、前記隣接
して配置した更なる床パネルの前記第2舌部(34)が、前記床パネル(2)の前記第1
溝(46)に受けられ、これによって、前記上面(6)とほぼ平行な第1方向(50)に
第1ロック状態を実現する態様である、前記床パネル(2)において、
前記第1コアフランク(10)の前記第1コアフランク上部(18)の少なくとも一部
と、前記第2外側フランク(38)の前記第2外側フランク上部(42)の少なくとも一
部とは、傾斜しており、前記床パネル(2)を前記隣接して配置した更なる床パネルと連
結した時に、前記上面(6)とほぼ垂直な第2方向(51)に第2ロック状態を実現する
目的で、前記各上部(18、42)は、互いに向かい合って位置し、
前記第1舌部(24)の前記第1上部フランク(30)は、90°から150°の間で
ある第1角度(α)で前記第1内側フランク(26)に接続する湾曲凹部(52)を含み
、
前記第1内側フランク(26)は、前記湾曲凹部(52)から前記第1ブリッジ部(3
2)に向かって、さらに前記コア(4)に向かって延在し、
前記第2溝(48)は、前記湾曲凹部(52)に対して実質的に相補的な形状を有する
膨らみ(54)を含み、当該膨らみ(54)は、前記床パネル(2)を前記隣接して配置
した更なる床パネルと連結する時に、前記湾曲凹部(52)に受けられるように構成され
、
前記第2外側フランク(38)の前記第2外側フランク上部(42)の傾斜部は、前記
第1方向(50)において前記コア(4)の中央部から最も遠くに位置する第1外点(5
6)を含み、
前記第1コアフランク(10)の前記第1コアフランク上部(18)の傾斜部は、内点
(62)と、前記第1方向(50)とは実質的に逆の第3方向(60)において前記コア
(4)の中央部から最も遠くに位置する第2外点(58)と、を含み、
前記床パネル(2)は、前記床パネル(2)を前記隣接して配置した更なる床パネルと
連結する前に、前記隣接して配置した更なる床パネルの前記第2舌部(34)の前記第2
上部フランク(40)を前記床パネル(2)の前記湾曲凹部(52)に配置し、前記第1
方向(50)に移動させると、前記隣接して配置した更なる床パネルの第1外点(56)
は、前記床パネル(2)の前記内点(62)に向かって、前記床パネル(2)の前記第2
外点(58)の下にスライドするように構成され、
前記隣接して配置した更なる床パネルの前記第1外点(56)が前記床パネル(2)の
前記内点(62)に向かってスライド移動する間、隣接して配置した更なる床パネルの前
記第2上部フランク(40)は、前記床パネル(2)の前記第1内側フランク(26)に
よって案内され、
前記床パネル(2)は、前記第2上部フランク(40)が前記床パネル(2)の前記第
1内側フランク(26)によって案内される直前または案内される時に、前記隣接して配
置した更なる床パネルの前記第2舌部(34)の前記第2上部フランク(40)を前記床
パネル(2)の前記湾曲凹部(52)に配置すると、前記隣接して配置した更なる床パネ
ルの前記膨らみ(54)は、前記床パネル(2)の前記湾曲凹部(52)によって案内さ
れるように構成されている、床パネル(2)。
【請求項2】
前記第1内側フランク(26)は、前記下面(8)の法線(N1)に対して0°から4
5°の間、より好ましくは10°から30°の間である
第2角度(β)で、前記湾曲凹部(52)から前記第1ブリッジ部(32)に向かって、さらに前記コア(4)に向かって延在する、請求項1に記載の床パネル(2)。
【請求項3】
前記第1外側フランク(28)は、第1ロック要素(64)を含み、
前記第2コアフランク(14)は、第2ロック要素(66)を含み、
前記第1ロック要素(64)と前記第2ロック要素(66)とは、前記床パネル(2)
が前記隣接して配置した更なる床パネルと連結すると、前記第2方向(51)に第3ロック状態を実現する目的で、前記床パネル(2)の前記第1ロック要素(64)が隣接して配置した更なる床パネルの前記第2ロック要素(66)と協働するように構成されている、請求項1または2に記載の床パネル(2)。
【請求項4】
前記第2ロック要素(66)は、第2ロック要素開始部(71)から第2ロック要素終
了部(70)まで、前記第2方向(51)に延在し、
前記第2内側フランク(36)は、第2内側フランク端部(68)を含み、前記第2内
側フランク端部(68)において、前記第2内側フランク(36)は、前記第2上部フラ
ンク(40)と連結し、
前記第2ロック要素終了部(70)と前記第2内側フランク端部(68)とは、前記上
面(6)までの距離がほぼ等しく、および/または、
前記第2コアフランク(14)は、傾斜したサブ第2コアフランク(80)をさらに含
み、前記傾斜したサブ第2コアフランク(80)は、前記下面(8)と前記第2ロック要
素開始部(71)との間に配置されており、下面(8)の法線(N1)に対して0°から
60°の間である第5角度(δ)で延在する、請求項3に記載の床パネル(2)。
【請求項5】
前記第1コアフランク上部(18)は、前記下面(8)の法線(N1)に対して第3角
度(γ1)で延在し、
前記第2外側フランク上部(42)は、前記下面(8)の法線(N1)に対して第4角
度(γ2)で延在し、
前記第3および第4角度(γ1、γ2)は、いずれも0°から30°の間である、請求
項1から4のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項6】
前記第3角度(γ1)は、前記第4角度(γ2)と少なくともほぼ等しく、好ましくは
、0°から5°の間の角度だけ、前記第4角度(γ2)より大きい、請求項5に記載の床
パネル(2)。
【請求項7】
前記第3角度(γ1)は、前記第2角度(β)と少なくともほぼ等しく、好ましくは、0°から5°の間の角度だけ、前記第2角度(β)より大きい、請求項
5または
6に記載の床パネル(2)。
【請求項8】
前記第1コアフランク上部(18)と前記第1内側フランク(26)と前記第2内側フ
ランク(36)と前記第2外側フランク上部(42)とのそれぞれの長さは、ほぼ等しい
、請求項1から7のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項9】
前記第1ブリッジ部(32)は、少なくとも第1ブリッジフランク(72)と第2ブリッジフランク(74)とを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の床パネル(2)
。
【請求項10】
前記第1ブリッジフランク(72)は、前記第1内側フランク(26)および前記第2
ブリッジフランク(74)と連結しており、
前記第2ブリッジフランク(74)は、前記第1コアフランク(10)と連結している
、請求項9に記載の床パネル(2)。
【請求項11】
前記第2上部フランク(40)は、第1フランクセグメント(76)と第2フランクセ
グメント(78)とを含み、
前記第1フランクセグメント(76)は、前記第2内側フランク(36)および前記第
2フランクセグメント(78)と連結しており、
前記第2フランクセグメント(78)は、前記第2外側フランク(38)と連結してい
る、請求項1から10のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項12】
前記第1ブリッジフランク(72)と前記第1フランクセグメント(76)とは、ほぼ
平坦であり、および/または、
前記第2ブリッジフランク(74)と前記第2フランクセグメント(78)とは、ほぼ
平坦である、請求項9
または10を直接的又は間接的に引用する請求項11
に記載の床パネル(2)。
【請求項13】
前記第1ブリッジフランク(72)と前記第1フランクセグメント(76)とは、湾曲
しており、および/または、
前記第2ブリッジフランク(74)と前記第2フランクセグメント(78)とは、湾曲
している、請求項9
または10を直接的又は間接的に引用する請求項11
に記載の床パネル(2)。
【請求項14】
前記第1ブリッジフランク(72)と前記第1フランクセグメント(76)とは、相補
的な形状を有しており、および/または、
前記第2ブリッジフランク(74)と前記第2フランクセグメント(78)とは、相補
的な形状を有している、請求項9
または10を直接的又は間接的に引用する請求項11から13のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項15】
前記湾曲凹部(52)は、前記第1舌部(24)の前記第1上部フランク(30)の全
表面の半分以下を占有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項16】
前記第1上部フランク(30)は、膨らみ、および/または、ほぼ平坦なフランクセグ
メント(108)をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の床パネル(2
)。
【請求項17】
前記第2溝(48)は、凹部、および/または、ほぼ平坦なフランクセグメント(11
8)をさらに含む、請求項16に記載の床パネル(2)。
【請求項18】
前記第1上部フランク(30)の前記膨らみおよび/またはほぼ平坦なフランクセグメ
ント(108)と、前記第2溝(48)の前記凹部および/またはほぼ平坦なフランクセ
グメント(118)とは、相補的な形状を有している、請求項17に記載の床パネル(2
)。
【請求項19】
前記第1ロック要素(64)は、第1ロック要素開始部(63)から第2ロック要素終
了部(65)まで、前記第2方向(51)に延在し、
前記第1外側フランク(28)は、傾斜したサブ第1外側フランク(82)をさらに含
み、前記傾斜したサブ第1外側フランク(82)は、前記第1ロック要素開始部(63)
と前記下面(8)との間に配置されており、前記下面(8)の法線(N1)に対して0°
から60°の間である第6角度(ε)で延在する、請求項
3または請求項3を直接的又は間接的に引用する請求項4から18のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項20】
前記第1コアフランク(10)は、第3ロック要素(124)を含み、
前記第2外側フランク(38)は、第4ロック要素(126)を含み、
前記第3ロック要素(124)と前記第4ロック要素(126)とは、床パネル(2)
が隣接して配置した更なる床パネルと連結すると、前記第2方向(51)に第4ロック状
態を実現する目的で、前記床パネル(2)の前記第3ロック要素(124)が隣接して配
置した更なる床パネルの前記第4ロック要素(126)と協働するように構成されている
、請求項1から19のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項21】
中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、およびポリ塩化ビニルのうちの少
なくとも1つからなる、請求項1から20のいずれか一項に記載の床パネル(2)。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に定義する床パネルであって、隣接して配置し、連結
した複数の床パネルを含む、床(152)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床パネルおよび床に関する。特に、本発明は、積層した床パネルに関する。本発明は、特に、床パネルであって、隣接して配置した同一の床パネルとのいわゆる「さねはぎ」連結を可能にする連結構造を含む床パネルに関する。そのような床パネルは、例えば、EP3031998B1から公知である。
【背景技術】
【0002】
前記公知の床パネルは、コアであって、上面と、下面と、コアの第1側の第1コアフランクと、コアの第2側の第2コアフランクと、を有するコアを含む。第1コアフランクは、上面に接続する第1コアフランク上部を含む。前記公知の床パネルは、コアの第1側および第2側にそれぞれ設けられている第1連結部および第2連結部をさらに含む。
【0003】
前記公知の床パネルの第1連結部は、第1内側フランクと、第1外側フランクと、第1内側フランクを第1外側フランクと接続する第1上部フランクと、を有する第1舌部を含む。第1連結部は、第1舌部をコアと接続する第1ブリッジ部をさらに含む。
【0004】
同様に、前記公知の床パネルの第2連結部は、第2内側フランクと、第2外側フランクと、第2内側フランクを第2外側フランクと接続する第2上部フランクと、を有する第2舌部を含み、第2外側フランクは、上面に接続する第2外側フランク上部を含む。第2連結部は、第2舌部をコアと接続する第2ブリッジ部をさらに含む。
【0005】
第1内側フランクと第1ブリッジ部と第1コアフランクとは、第1溝を画定する。第2内側フランクと第2ブリッジ部と第2コアフランクとは、第2溝を画定する。
【0006】
前記公知の床パネルは、当該床パネルと同一の、隣接して配置した更なる床パネルと連結するように構成されており、その態様は、前者の床パネルの第1舌部が、隣接して配置した更なる床パネルの第2溝に受けられ、隣接して配置した更なる床パネルの第2舌部が、前者の床パネルの第1溝に受けられ、これによって、上面とほぼ平行な第1方向に第1ロック状態を実現する態様である。ここで、第1方向は、典型的には、水平方向に対応する。
【0007】
上述した公知の床パネルのような従来の床パネルにも、欠点はある。例えば、使用者は、一定量の力を加えて、床パネルと隣接して配置した床パネルとの間の連結を可能にする必要がある。特に、隣接する床パネル同士の間に存在する連結力の量は、使用者がこれらの床パネル同士を連結するのに必要な力と関係する。換言すれば、床パネルを容易に連結できる場合、熱および/または湿度の影響で互いからより分離しやすくもある可能性がある。そのように分離したり緩んだりすると、例えば、床パネルが膨らみを形成する、隣接する床パネル同士の間の溝が大きくなり過ぎる等の、これらの種類の床パネルの知られている問題を引き起こす可能性がある。
【0008】
したがって、注目は、隣接する床パネル同士の間に強力な連結力を実現することにある。例えば、上述した公知の床パネルでは、第1外側フランク上の突出する膨らみとしてのロック要素が用いられ、当該ロック要素は、隣接して配置した床パネルの第2コアフランクの凹部と協働するように構成されている。
【0009】
隣接する床パネル同士を連結しようとする際のリスクとして、床パネル同士を連結するのに必要な力を加えることによって、それらの床パネルの微細な構造を破損してしまうことがある。床パネルが破損すると、他の床パネルとの連結、および/または、当該床パネルの光学的な外観が劣化してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述の問題が起こらない、または少なくともその程度が低い床パネルを提供するという目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、前記目的は、請求項1に記載の床パネルによって達成できる。当該床パネルは、以下の特徴を有する。すなわち、第1コアフランクの第1コアフランク上部の少なくとも一部と、第2外側フランクの第2外側フランク上部の少なくとも一部とは、傾斜しており、床パネルを隣接して配置した更なる床パネルと連結した時に、上面とほぼ垂直な第2方向に第2ロック状態を実現する目的で、これらの上部は、互いに向かい合って位置する。加えて、第1舌部の第1上部フランクは、90°から150°の間である第1角度で第1内側フランクに接続する湾曲凹部を含み、第1内側フランクは、湾曲凹部から第1ブリッジ部に向かって、さらにコアに向かって延在し、第2溝は、好ましくは、湾曲凹部に対して実質的に相補的な形状を有する膨らみを含み、当該膨らみは、床パネルを隣接して配置した更なる床パネルと連結する時に、湾曲凹部に受けられるように構成されている。
【0013】
EP2440724B1に記載されている床パネルなどの他の公知の床パネルと比較して、前述した第2方向のロック状態に対応する垂直方向のロック状態は、第1内側フランクと第2内側フランクとの間の協働によっては実現されない。そうではなく、第1内側フランクは、第1舌部の上部から見たときに、コアに向かって傾斜している。
【0014】
また、第1舌部の第1上部フランクには、湾曲凹部が設けている。床パネルの隣に更なる床パネルを配置する時に、使用者が床パネル同士を連結するのに必要な力を加える前に、更なる床パネルの第2舌部を湾曲凹部に支持させることが可能である。したがって、使用者は、床パネルを移動させて配列する際、更なる床パネルの第2舌部が前者の床パネルの湾曲凹部と係合する時に、更なる床パネルがわずかな段差を有していることに気づくであろう。この結果、更なる床パネルがより大きな力を必要とする位置に近いということに、使用者は注意するであろう。
【0015】
傾斜した第1内側フランクは、更なる床パネルが前者の床パネルに対する最終位置に向かって移動する際に更なる床パネルを支持する支持面を提供する。垂直方向の連結は、更なる床パネルの支持を妨げないように、別のフランクにおいて実現する。
【0016】
出願人は、湾曲凹部と、傾斜した第1内側フランクと、床パネルの第1コアフランク上部と更なる床パネルの第2外側フランク上部との間の協働を利用して実現する垂直方向のロック状態と、の組み合わせによって、隣接する床パネル同士を確実かつ便利にロックでき、床を構築する際に床パネルを破損するリスクを大幅に低減できることを発見した。特に、使用者は、床パネルの、更なる床パネルに対する確実な位置を見つける際に支援されることで、床パネルが適切に位置合わせされていない状態で力を加えて床パネルを破損してしまうリスクを避けることができる。併せて、これらの床パネル同士の間の垂直方向のロック状態を実現することができる。
【0017】
湾曲凹部における、コアに最も近い端部は、下面に対して、湾曲凹部における最も低い部分よりも上方に位置することができる。それゆえ、下面に対して、湾曲凹部は、前記端部において、第1舌部からコアの方を見たときに、上方に湾曲していてもよい。これによって、第2溝の膨らみが湾曲凹部に対して相補的な形状を有している場合、第1方向にさらなるロック状態が得られる。
【0018】
第2外側フランクの第2外側フランク上部の傾斜部は、第1方向においてコアの中央部から最も遠くに位置する第1外点を含んでいてもよい。第1コアフランクの第1コアフランク上部の傾斜部は、内点と、第1方向とは実質的に逆の第3方向においてコアの中央部から最も遠くに位置する第2外点と、を含んでいてもよい。床パネルは、床パネルを隣接して配置した更なる床パネルと連結する前に、隣接して配置した更なる床パネルの第2舌部の第2上部フランクを前者の床パネルの湾曲凹部に配置し、第1方向に移動させると、隣接して配置した更なる床パネルの第1外点は、前者の床パネルの内点に向かって、前者の床パネルの第2外点の下にスライドするように構成されていてもよい。
【0019】
典型的には、連結部の外点は、床パネルにおいて最も弱い点である。床パネルを上のように配置することによって、使用者がパネル同士を連結するのに必要な力を加える際に、更なる床パネルの第1外点が前者の床パネルの第2外点と接触しないようにすることができる。結果的に、床パネルの第1および第2外点における破損を避ける、または減らすことができる。
【0020】
隣接して配置した更なる床パネルの第1外点が前者の床パネルの内点に向かってスライド移動する間、隣接して配置した更なる床パネルの第2上部フランクは、前者の床パネルの第1内側フランクによって案内されるようにすることができ、前者の床パネルは、第2上部フランクが前者の床パネルの第1内側フランクによって案内される直前または案内される時に、隣接して配置した更なる床パネルの第2舌部の第2上部フランクを前者の床パネルの湾曲凹部に配置すると、隣接して配置した更なる床パネルの膨らみは、前者の床パネルの湾曲凹部によって案内されるように構成することができる。膨らみは、その形状から、破損してしまうリスクを伴わずに、比較的強い力に耐えることができる。第1内側フランクの案内性は、第1内側フランクが、下面の法線に対して0°から45°の間、より好ましくは、10°から30°の間である第2角度(β)で、湾曲凹部から第1ブリッジ部に向かって、さらにコアに向かって延在する場合に、さらに向上させることができる。
【0021】
第1外側フランクは、第1ロック要素を含んでいてもよく、第2コアフランクは、第2ロック要素を含んでいてもよい。第1ロック要素と第2ロック要素とは、床パネルが隣接して配置した更なる床パネルと連結すると、第2方向に第3ロック状態を実現する目的で、前者の床パネルの第1ロック要素が隣接して配置した更なる床パネルの第2ロック要素と協働するように構成されている。
【0022】
第2ロック要素は、第2ロック要素開始部から第2ロック要素終了部まで、第2方向に延在していてもよい。第2内側フランクは、第2内側フランク端部を含んでいてもよい。第2内側フランク端部において、第2内側フランクは、第2上部フランクと連結する。この場合、第2ロック要素終了部と第2内側フランク端部とは、上面までの距離がほぼ等しい。追加的または代替的に、第2コアフランクは、傾斜したサブ第2コアフランクをさらに含んでいてもよい。傾斜したサブ第2コアフランクは、下面と第2ロック要素開始部との間に配置されており、下面の法線に対して0°から60°の間である第5角度(δ)で延在する。
【0023】
第1ロック要素と第2ロック要素とは、それぞれ、膨らみと、膨らみの形状に対して相補的な形状を有する凹部と、を含んでいてもよい。膨らみと凹部とは、逆であってもよい。
【0024】
第1コアフランク上部は、下面の法線に対して第3角度(γ1)で延在していてもよく、第2外側フランク上部は、下面の法線(N1)に対して第4角度(γ2)で延在していてもよい。第3および第4角度(γ1、γ2)は、いずれも0°から30°の間である。特に、第3角度は、第4角度と少なくともほぼ等しく、好ましくは、0°から5°の間の角度だけ、第4角度より大きくすることができる。第3角度が第4角度より大きいことによって、第2舌部が第1溝に入る際に、わずかな変形が生じる。そのように変形が生じることで、床パネル同士の間の連結を強められる可能性がある。
【0025】
第1コアフランク上部と第1内側フランクと第2内側フランクと第2外側フランク上部とのそれぞれの長さは、ほぼ等しくすることができる。
【0026】
第1ブリッジ部は、少なくとも第1ブリッジフランクと第2ブリッジフランクとを含んでいてもよい。第1ブリッジフランクは、第1内側フランクおよび第2ブリッジ部と連結されていてもよく、第2ブリッジ部は、第1コアフランクと連結されていてもよい。
【0027】
第2上部フランクは、第1フランクセグメントと第2フランクセグメントとを含んでいてもよく、第1フランクセグメントは、第2内側フランクおよび第2フランクセグメントと連結していてもよく、第2フランクセグメントは、第2外側フランクと連結していてもよい。
【0028】
第1ブリッジフランクと第1フランクセグメントとは、ほぼ平坦であってもよく、および/または、第2ブリッジフランクと第2フランクセグメントとは、ほぼ平坦であってもよい。代替的に、第1ブリッジフランクと第1フランクセグメントとは、湾曲していてもよく、および/または、第2ブリッジフランクと第2フランクセグメントとは、湾曲していてもよい。追加的または代替的に、第1ブリッジフランクと第1フランクセグメントとは、相補的な形状を有していてもよく、および/または、第2ブリッジフランクと第2フランクセグメントとは、相補的な形状を有していてもよい。
【0029】
湾曲凹部は、第1舌部の第1上部フランクの全表面の半分以下を占有していてもよい。
【0030】
第1上部フランクは、膨らみ、および/または、ほぼ平坦なフランクセグメントをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1上部フランクは、膨らみと実質的なフランクセグメントとからなる。例えば、第1上部フランクの膨らみは、第1外側フランクおよび平坦なフランクセグメントと接続していてもよく、平坦なフランクセグメントは、膨らみおよび湾曲凹部と接続していてもよい。しかしながら、第1上部フランクの膨らみは、代替的に、湾曲凹部および平坦なフランクセグメントと接続していてもよく、この場合、平坦なフランクセグメントは、膨らみおよび第1外側フランクと接続している。加えて、第1上部フランクは、膨らみとほぼ平坦なフランクとのうちの一方だけを含んでいてもよい。
【0031】
追加的に、第2溝は、凹部、および/または、ほぼ平坦なフランクセグメントをさらに含んでいてもよい。さらに、第1上部フランクの膨らみおよび/またはほぼ平坦なフランクセグメントと、第2溝の凹部および/またはほぼ平坦なフランクセグメントとは、相補的な形状を有していてもよい。
【0032】
第1ロック要素は、第1ロック要素開始部から第2ロック要素終了部まで、第2方向に延在していてもよい。また、第1外側フランクは、傾斜したサブ第1外側フランクをさらに含んでいてもよく、傾斜したサブ第1外側フランクは、第1ロック要素開始部と下面との間に配置されており、下面の法線に対して0°から60°の間である第6角度(ε)で延在していてもよい。
【0033】
第1コアフランクは、第3ロック要素を含んでいてもよく、第2外側フランクは、第4ロック要素を含んでいてもよい。第3ロック要素と第4ロック要素とは、床パネルが隣接して配置した更なる床パネルと連結すると、第2方向に第4ロック状態を実現する目的で、床パネルの第3ロック要素が隣接して配置した更なる床パネルの第4ロック要素と協働するように構成されている。第1コアフランクが第4ロック要素を含み、第2外側フランクが第3ロック要素を含んでいてもよいことは、理解されるであろう。第3ロック要素は、膨らみを含んでいてもよく、第4ロック要素は、膨らみの形状に対して相補的な形状を有する凹部を含んでいてもよい。
【0034】
床パネルは、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、ポリ塩化ビニル、および他の好適な高分子材料のうちの少なくとも1つからなっていてもよいが、他の材料は除外する。
【0035】
本発明の床パネルは、典型的には、4つの辺を有し、ほぼ平坦な下面と上面とを有しており、これらの面は、平行に配置されている。さらに、第1外側フランクおよび第2コアフランクは、平坦で、それぞれ、第1および第2ロック要素から離れていてもよく、第2方向に延在していてもよい。
【0036】
第2態様によると、本発明は、上で定義するような床パネルであって、隣接して配置し、連結した複数の床パネルを含む床を提供する。
【0037】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、以下の添付図面を参照する、好ましい実施形態に基づいて明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1A】本発明に係る床パネルの第1実施形態の断面図であり、同一の床パネルの隣に非連結状態で配置されている。
【
図1B】本発明に係る床パネルを連結するプロセスを示す。
【
図1C】本発明に係る床パネルを連結するプロセスを示す。
【
図1D】本発明に係る床パネルを連結するプロセスを示す。
【
図2A】非連結状態の、本発明に係る床パネルの第2実施形態を示す。
【
図2B】連結状態の、本発明に係る床パネルの第2実施形態を示す。
【
図3A】非連結状態の、本発明に係る床パネルの第3実施形態を示す。
【
図3B】連結状態の、本発明に係る床パネルの第3実施形態を示す。
【
図4A】非連結状態の、本発明に係る床パネルの第4実施形態を示す。
【
図4B】連結状態の、本発明に係る床パネルの第4実施形態を示す。
【
図5A】非連結状態の、本発明に係る床パネルの第5実施形態を示す。
【
図5B】連結状態の、本発明に係る床パネルの第5実施形態を示す。
【
図6A】非連結状態の、本発明に係る床パネルの第6実施形態を示す。
【
図6B】連結状態の、本発明に係る床パネルの第6実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、並べて配置した2つの同一の床パネル2を示す。これによって、単一のパネルの両側を詳細に示すことができる。また、両方の床パネルを、同じ参照番号「2」を使って参照する。
【0040】
床パネル2は、コア4と、第1連結部20と、第2連結部22と、含む。第1連結部20は、コア4の第1側12に設けられており、第2連結部22は、コア4の第2側16に設けられている。
【0041】
床パネル2のコア4は、上面6と、下面8と、コア4の第1側12の第1コアフランク10と、コア4の第2側16の第2コアフランク14と、を含む。第1コアフランク10は、上面6に接続する第1コアフランク上部18を含む。また、床パネル2の第1連結部20は、第1舌部24と、第1ブリッジ部32と、を含む。第1舌部24は、第1内側フランク26と、第1外側フランク28と、第1内側フランク26を第1外側フランク28と接続する第1上部フランク30と、を有する。第1ブリッジ部32は、第1舌部24をコア4と接続する。
【0042】
床パネル2の第2連結部22は、第2舌部34と、第2ブリッジ部44と、を含む。第2舌部34は、第2内側フランク36と、第2外側フランク38と、第2内側フランク36を第2外側フランク38と接続する第2上部フランク40と、を有する。第2外側フランク38は、上面6に接続する第2外側フランク上部42を含む。また、第2ブリッジ部44は、第2舌部34をコア4と接続する。
【0043】
典型的には、下面8および上面6は、ほぼ平坦な面である。さらに、上面6は、保護層によって保護された装飾を施してもよい。床パネル2は、下地床に直接配置する代わりに、下敷に配置してもよい。そのような下敷によって、床の熱絶縁性が向上する、および/または、遮音性が向上する可能性がある。
【0044】
図示する実施形態において、第1上部フランク30は湾曲している。また、第2コアフランク14は、傾斜したサブ第2コアフランク80を含む。傾斜したサブ第2コアフランク80は、下面8の法線N1に対して第4角度δで、第2コアフランク14から下面8に向かって延在する。第4角度は、0°から60°の間である。同様に、第1外側フランク28は、傾斜したサブ第1外側フランク82を含む。傾斜したサブ第1外側フランク82は、法線N1に対して第5角度εで、第1外側フランク28から下面8に向かって延在する。第5角度は、0°から60°の間である。
【0045】
第1ブリッジ部32は、第1ブリッジフランク72と、第2ブリッジフランク74と、を含む。第2上部フランク40は、第1フランクセグメント76と、第2フランクセグメント78と、を含む。第1フランクセグメント76は、第2内側フランク36および第2フランクセグメント78と連結しており、第2フランクセグメント78は、第2外側フランク38と連結している。
【0046】
図示する実施形態において、第1内側フランク26と第1ブリッジ部32と第1コアフランク10とは、第1溝46を画定し、第2内側フランク36と第2ブリッジ部44と第2コアフランク14とは、第2溝48を画定する。床パネル2は、隣接して配置した、同一の更なる床パネルと以下のように連結するように構成されている。すなわち、前者の床パネル2の第1舌部24が、隣接して配置した更なる床パネルの第2溝48に受けられ、隣接して配置した更なる床パネルの第2舌部34が、前者の床パネル2の第1溝46に受けられ、これによって、上面6とほぼ平行な第1方向50に第1ロック状態を実現する。
【0047】
図示するように、第1コアフランク10の第1コアフランク上部18の少なくとも一部と、第2外側フランク38の第2外側フランク上部42の少なくとも一部とは、傾斜しており、床パネル2を隣接して配置した更なる床パネルと連結した時に、上面とほぼ垂直な第2方向51に第2ロック状態を実現する目的で、各上部18、42は、互いに向かい合って位置する。
【0048】
第1連結部20と第2連結部22とを連結し、ロックするために、第1上部フランク30は、90°から150°の間である第1角度αで第1内側フランク26に接続する湾曲凹部52を含む。第1内側フランク26は、湾曲凹部52から第1ブリッジ部32に向かって、さらにコア4に向かって延在する。第2溝48は、湾曲凹部52に対して実質的に相補的な形状を有する膨らみ54を含む。膨らみ54は、床パネル2を隣接して配置した更なる床パネルと連結する時に、湾曲凹部52に受けられるように構成されている。なお、膨らみ54は、省略してもよく、湾曲凹部52に対して相補的でない、または完全には相補的でない形状を有していてもよいことに留意すべきである。
【0049】
図示する床パネル2の実施形態において、第2外側フランク38の第2外側フランク上部42の傾斜部は、第1方向50においてコア4の中央部から最も遠くに位置する第1外点56を含む。第1コアフランク10の第1コアフランク上部18の傾斜部は、第1方向50とは実質的に逆の第3方向60においてコア4の中央部から最も遠くに位置する第2外点58を含む。傾斜部は、第1方向50から見たときにコア4の中央部の最も近くに位置する傾斜部の部分に概して対応する内点62をさらに含んでいてもよい。
【0050】
第1コアフランク上部18は、下面8の法線N1に対して第3角度γ1で延在する。第2外側フランク上部42は、下面8の法線N1に対して第4角度γ2で延在する。これらの角度(γ1、γ2)は、いずれも0°から30°の間である。
【0051】
しかしながら、第3角度γ1は、第4角度γ2と少なくともほぼ等しいことが好ましく、好ましくは、0°から5°の間の角度だけ、第4角度γ2より大きい。これによって、隣接して配置した更なる床パネル2を床パネル2と連結すると、クランプ作用が発生する。
【0052】
図1の床パネル2において、第1内側フランク26は、下面8の法線N1に対して0°から30°の間である第2角度βで、湾曲凹部52から第1ブリッジ部32に向かって、さらにコア4に向かって延在する。第3角度γ1は、第2角度βと少なくともほぼ等しいことが好ましく、好ましくは、0°から5°の間の角度だけ、第2角度βより大きい。
【0053】
前述のクランプ作用を容易にするために、各連結部20、22の少なくとも一部は、弾力性がある、および/または、変形可能であることが好ましい。例えば、第1ブリッジ部32は、わずかに変形することで、第1舌部30がコア4から離れて、第2舌部40を第1溝46に挿入できるように構成されていてもよい。
【0054】
第1外側フランク28は、第1ロック要素64を含む。第2コアフランク14は、第2ロック要素66を含む。各ロック要素64、66は、以下のように構成されている。すなわち、床パネル2が隣接して配置した更なる床パネル2に連結すると、第2方向51に第3ロック状態を実現する目的で、前者の床パネル2の第1ロック要素64は、隣接して配置した更なる床パネル2の第2ロック要素66と協働する。
【0055】
また、床パネル2は、以下のように構成されている。すなわち、床パネル2を隣接して配置した更なる床パネル2と連結する前に、隣接して配置した更なる床パネル2の第2舌部34の第2上部フランク40を前者の床パネル2の湾曲凹部52に配置し、第1方向50に移動させると、隣接して配置した更なる床パネル2の第1外点56は、前者の床パネル2の内点62に向かって、前者の床パネル2の第2外点58の下にスライドする。これを、
図1Bから1Dに示す。図示するように、床パネル2を更なる床パネル2と連結する最終段階において、第1外点56は、第1コアフランク上部18によって案内される。
【0056】
第1ロック要素64は、第1ロック要素開始部63から第2ロック要素終了部65まで、第2方向51に延在する。同様に、第2ロック要素66は、第2ロック要素開始部71から第2ロック要素終了部70まで、第2方向51に延在する。第2内側フランク36は、第2内側フランク端部68を含み、第2内側フランク端部68において、第2内側フランク36は、第2上部フランク40と連結する。
【0057】
第2ロック要素終了部70と第2内側フランク端部68とは、好ましくは、上面6までの距離がほぼ等しい。
【0058】
図1Cに示すように、前述のスライド移動の間、第2内側フランク36は、第1内側フランク26によって案内される。さらに、更なる床パネル2を下方に押して床パネル2と連結することを可能とする前に、第2内側フランク端部68は、湾曲凹部52上に載っている。これを、
図1Cに示す。このように載っている状態は、使用者が、床パネル2と更なる床パネル2とを位置合わせする際に、垂直方向のわずかな段差に気づくことで、確認することができる。この時、第1外点56は、第2外点58の下にある、すなわち、すでに第2外点58の下に移動している。結果的に、使用者が力を強めて、例えば、クランプ作用を可能にする際に、各点56、58の破損を避けることができる。それゆえ、本発明では、床パネル連結の最終段階において、各点56、58などの、床パネル2の微細な構造を保護することができる。
【0059】
図2Aは、本発明のさらなる実施形態である床パネル90を示す。
図2Bは、床パネル90が、同一の更なる床パネル90と連結した状態を示す。この代替的な実施形態において、第1内側フランク26は、角度ηを有しており、角度ηは、90°から120°の間である。この実施形態において、角度ηは90°であり、角度θは角度ηに対して相補的である。他の実施形態において、角度θは、0°から5°の間の角度だけ、第2角度ηより大きい。これによっても、クランプ作用を得ることができる。
【0060】
第1内側フランク26は、湾曲凹部端部92によって湾曲凹部52に接続されている。図示の実施形態は、湾曲凹部端部92をわずかに湾曲させることができることを示している。膨らみ端部94は、湾曲凹部端部92の形状に対して相補的な形状を有していてもよい。
【0061】
図3Aは、第2溝48が湾曲部110を含む床パネル106を示す。また、第1上部フランク30は、湾曲凹部52および第1外側フランク28と連結する平坦フランク108を含む。
図3Bに示す連結状態において、湾曲部110と平坦フランク108との間に、空間114を確認することができる。空間114は、例えば、床パネル2同士の連結を妨げる屑などを捕集するために使用することができる。しかしながら、さらなる実施形態である床パネル116を示す
図4Aおよび
図4Bに示すように、湾曲部110の代わりに平坦フランク118を設けて、床パネル2同士が連結したときに、各平坦フランク118、108の間の空間が確認できない、または、ほとんど確認できないようにすることができる。
【0062】
場合によっては、垂直方向のロック状態は、低減していても十分である。そのような場合、第1コアフランク上部18と第2外側フランク上部42とは、
図5Aおよび
図5Bに示す床パネル122のように、法線N1とほぼ平行に構成することができる。このような実施形態であっても、比較的強い力を加えて床パネルを連結する前に床パネル同士を位置合わせすることができるという、改善した方法による効果が得られる。
【0063】
垂直方向のロック状態を向上させるために、第1コアフランク10は、凹部124を含んでいてもよい。凹部124は、好ましくは湾曲凹部である。また、第2外側フランク38は、膨らみ126を含んでいてもよい。膨らみ126と凹部124とは、互いに対して相補的である。凹部124と膨らみ126とは、ロック要素同士の協働の例である。当業者は、他のロック要素が等しく可能であることを容易に理解するであろう。
【0064】
図6Aは、第2上部フランク40が第1フランクセグメント132と第2フランクセグメント134とを含む床パネル130を示す。第1フランクセグメント132は、上面6とほぼ平行である。第2フランクセグメント134は、ほぼ平坦であり、フランクセグメント132に対して角度を有するように構成されている。また、第1ブリッジ部32は、第1ブリッジフランク72と第2ブリッジフランク74とを含む。第1ブリッジフランク72は、下面8とほぼ平行である。第2ブリッジフランク74は、ほぼ平坦であり、第1ブリッジフランク72に対して角度を有するように構成されている。
図6Bに示す連結状態において、第1ブリッジフランク72の少なくとも一部と第2ブリッジフランク74と第2フランクセグメント134とは、例えば、床パネル2同士の連結を妨げる屑などを捕集するために使用することができる空間138を画定することが分かる。
【0065】
図7は、連結した同一の床パネル154、164、166、168、170、172、174、176を含む床152を示す。前記床パネルのそれぞれは、4つの辺を含む。各短辺156、158は、隣接するパネルの短辺と連結しており、各長辺160、162は、隣接する2つのパネルの長辺と連結している。短辺同士の連結および/または長辺同士の連結は、上述のように第1連結部と第2連結部とを用いて実現することができる。
【0066】
本発明を、詳細な実施形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明はこれらの実施形態には限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な改変が可能であることを、当業者は容易に理解するであろう。本発明は、添付の請求項およびそれらの等価物によって限定される。