(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】山積みシート材支持組立体および山積みシート材支持組立体を作動させる方法
(51)【国際特許分類】
B65H 31/08 20060101AFI20240719BHJP
B65H 31/32 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B65H31/08
B65H31/32
(21)【出願番号】P 2022555674
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2021054905
(87)【国際公開番号】W WO2021185558
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】シャトリー パトリス
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー マウデ
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0140763(US,A1)
【文献】特表2015-516319(JP,A)
【文献】特開平06-138728(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0050113(US,A1)
【文献】特開2002-011597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0053393(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材加工機械、特に厚紙または紙加工機械(10)用の山積みシート材支持組立体(24)であって、
実質的に平行に延びかつ引っ込み位置と伸長位置との間で動くことができる複数の山積みシート材支持バー(28)を含み、前記山積みシート材支持バー(28)は、前記伸長位置にある間に山積みシート材を支持するようになっており、
前記山積みシート材支持バー(28)のうちの1本以上を前記引っ込み位置から前記伸長位置に選択的に動かす可動案内手段(48)を有し、
前記伸長位置に動かされるべき前記山積みシート材支持バー(28)を自動的に選択するとともに、前記選択した山積みシート材支持バー(28)を前記可動案内手段(48)に結合する自動選択ユニット(30)を有する、山積みシート材支持組立体(24)において、
前記選択ユニット(30)は、前記山積みシート材支持バー(28)と関連した延長空間内の幾何学的障害物を検出するようになったスキャナユニット(32)を有する、山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項2】
前記スキャナユニット(32)は、光学スキャナユニットである、請求項1記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項3】
前記スキャナユニット(32)は、前記山積みシート材支持組立体(24)の幅方向に沿って動くことができ、特に、前記スキャナユニット(32)は、前記幅方向に延びるレール(36)に可動的に結合されている、請求項1記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項4】
前記スキャナユニット(32)は、光源(34)、特にレーザ、レフレクタユニット(38)、および光センサ(40)を有し、前記障害物は、前記光源(34)によって放出され、そして前記レフレクタユニット(38)によって反射された前記光を分析することによって検出される、請求項1~3のうちいずれか一に記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項5】
第1のロックユニット(64)が選択された山積みシート材支持バー(28)を前記可動案内手段(48)上にロックするために設けられ、その結果、前記選択された山積みシート材支持バー(28)を前記可動案内手段(48)によって前記伸長位置に動かすことができるようになっている、請求項1~4のうちいずれか一に記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項6】
静止案内手段(46)が選択されなかった山積みシート材支持バー(28)を前記静止案内手段(46)上にロックするための第2のロックユニット(74)を有する状態で設けられ、その結果、前記選択されなかった山積みシート材支持バー(28)は、前記静止案内手段(46)によって前記引っ込み位置に保持されるようになっている、請求項1~5のうちいずれか一に記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項7】
前記第1のロックユニット(64)は、前記可動案内手段(48)の幅方向にわたって実質的に延びるロックバー(66)を有
する、請求項
5記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項8】
前記第2のロックユニット(74)は、前記静止案内手段(46)の幅方向にわたって実質的に延びるロックバー(66)を有する、請求項6記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項9】
前記自動選択ユニット(30)は、各山積みシート材支持バー(28)を前記静止案内手段(46)上の係合位置または前記可動案内手段(48)上の係合位置に選択的に動かすための係合ユニット(44)を有し、特に前記山積みシート材支持バー(28)は、これらのそれぞれの長手方向の延長方向に沿って動かされる、請求項
6または8記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項10】
前記係合ユニット(44)は、前記山積みシート材支持組立体(24)の幅方向に沿って動くことができる係合フィンガ(50)を有し、該係合フィンガ(50)は、前記山積みシート材支持バー(28)を前記係合位置のうちの1つに個別に動かすよう構成されている、請求項
9記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項11】
前記可動案内手段(48)は、前記山積みシート材支持バー(28)の全てを共通の係合位置に設定するオーバーライド位置に向かって動くのに適している、請求項
9または
10記載の山積みシート材支持組立体(24)。
【請求項12】
シート材加工機械、特に厚紙または紙加工機械(10)用の山積みシート材支持組立体(24)を作動させる方法であって、
前記山積みシート材支持組立体(24)は、引っ込み位置と伸長位置との間で動くことができる複数の山積みシート材支持バー(28)を含み、前記山積みシート材支持バー(28)は、前記伸長位置にある間のみ山積みシート材を支持するようになっており、
前記山積みシート材を支持するために前記伸長位置に動かされるべき一群の山積みシート材支持バー(28)が自動的に選択される、方法において、
前記自動選択は、1本以上の山積みシート材支持バー(28)を該支持バーのそれぞれの伸長位置に動かされるときに妨害する幾何学的障害物の検出を含む、方法。
【請求項13】
幾何学的障害物の前記検出は、前記山積みシート材支持バー(28)と関連した延長空間を走査することによって実施される、請求項
12記載の方法。
【請求項14】
センサユニット(41)が前記障害物を検出するために、前記山積みシート材支持バー(28)の延長方向に実質的に直交している走査方向に沿って動かされる、請求項
12記載の方法。
【請求項15】
障害物が検出されなかった山積みシート材支持バー(28)は、前記伸長位置に動かされるものとして選択される、請求項
12、
13または
14記載の方法。
【請求項16】
前記選択された山積みシート材支持バー(28)は、可動案内手段(48)に結合され、特に、前記選択された山積みシート材支持バー(28)は、前記可動案内手段(48)によって合同状態で前記伸長位置に動かされる、請求項
12~
15のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項17】
選択されなかった山積みシート材支持バー(28)は、静止案内手段(46)に結合され、特に、前記選択されなかった山積みシート材支持バー(28)は、前記静止案内手段(46)によって前記引っ込み位置に保持される、請求項
12~
16のうちいずれか一に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材加工機械、特に厚紙または紙加工機械用の山積みシート材支持組立体に関する。山積みシート材支持組立体は、実質的に平行に延びかつ引っ込み位置と伸長位置との間で動くことができる複数の山積みシート材支持バーを含み、山積みシート材支持バーは、伸長位置にあるときにのみ山積みシート材を支持するようになっている。
【0002】
さらに、本発明は、かかる山積みシート材支持組立体を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の山積みシート材支持組立体およびかかる山積みシート材支持組立体を作動させる対応の方法が当該技術分野において知られている。これらは、シート材切断機械またはシート材ブランキング(blanking)機械、特に紙切断機械または紙ブランキング機械と組み合わせて使用される場合がある。
【0004】
既知の山積みシート材支持組立体は、互いに上下に積み重ねられた複数のシート材から成る山積みシート材(またはスタック状態のシート材)を一時的に支持するようになっている。これらシート材は、シート材加工機械によって製作された製品または中間製品であるのが良い。山積みシート材支持組立体の使用は、通常、パレットの変更の際に、または分離用のシート材が機械の出力部のところで山積み中に配置される必要があるときに必要である。この目的のため、山積みシート材支持バーは、これらのそれぞれの引っ込み位置からこれらのそれぞれの伸長位置に動かされる。
【0005】
山積みシート材支持バーは、「刀(sword)」とも呼ばれる場合があり、山積みシート材支持組立体は、「ノンストップラック」または単に「ノンストップ」とも呼ばれる場合がある。
【0006】
既知の山積みシート材支持組立体は、これらが用いられるシート材加工機械に合わせて構成される必要がある。さらに、これら山積みシート材支持組立体は、この機械で実施される特定のジョブに合わせて構成される必要がある。これは、通常、特別なジョブがシート材加工機械内に取り付けられるべき特定のツールを必要とすることに起因している。
【0007】
山積みシート材支持組立体の設定にあたり、山積みシート材支持組立体が山積みシート材を支持するために用いられるべきであるときに、それぞれの伸長位置に動かされるべき一群の山積みシート材支持バーの選択が行われる。残りの山積みシート材支持バーは、それぞれの引っ込み位置にロックされ、そして山積みシート材支持ユニットの使用の際には動かない。その理由は、後者の山積みシート材支持バーがそれぞれの伸長位置に動かされるとき、山積みシート材加工機械の複数の部分および/またはこの加工機械で用いられる特定のツールの複数の部分を幾何学的に妨害するからである。かかる妨害は、回避される必要がある。換言すると、山積みシート材支持バーと、山積みシート材加工機械およびツールとの衝突は、回避されなければならない。
【0008】
通常、山積みシート材支持組立体の設定は、熟練オペレータによって手動で行われる。これらオペレータは、バーをこれらがそれぞれの伸長位置に動かされるときに、横方向に変位させて上述の妨害を回避する。他のシステムでは、バーは、横方向には動かない。伸長位置に動くバーは、これらバーを「選択」状態に手動で動かすことによって選択される。米国特許出願公開第2013/0140763号明細書は、かかるシステムを開示しており、このシステムでは、ユーザは、物理的にか機械コンピュータ上でかのいずれかでバーを手動選択する。このシステムには、この機械で実行される特定のジョブに合った山積みシート材支持組立体の設定を自動的に選択する機能がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2013/0140763号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によって解決されるべき課題は、山積みシート材支持組立体の設定をさらに改良することにある。これを行う際、山積みシート材支持組立体を設定する時間を短縮すべきである。加うるに、設定の信頼性は、山積みシート材支持バーと山積みシート材加工機械またはこの中に設けられたツールの他の部分との衝突が厳密に回避されるべきであるという点で高められるべきである。
【0011】
この課題は、上述の形式の山積みシート材支持組立体であって、山積みシート材支持バーのうちの1本以上を引っ込み位置から伸長位置に選択的に動かす可動案内手段と、伸長位置に動かされるべき山積みシート材支持バーを自動的に選択するとともに、選択した山積みシート材支持バーを可動案内手段に結合する自動選択ユニットを有する形式の山積みシート材支持組立体によって解決される。自動選択ユニットは、伸長位置に動かされているときに、シート材加工機械を妨害せず、特に、この加工機械内に設けられたツールを妨害しないような山積みシート材支持バーだけを選択する。選択された山積みシート材支持バーだけが可動案内手段に結合される。このプロセスは、対応の手動プロセスよりも実質的に短い時間で実施できる。したがって、シート材加工機械で実施されるべき互いに異なるジョブ相互間の切り替え時間を著しく短縮することができる。さらに、自動選択により、山積みシート材支持ユニットの安全な作動が可能である。山積みシート材支持バーとシート材加工機械の残りの部分および/またはツールとの衝突が厳密に回避される。自動選択という用語は、機械内に山積みシート材支持バーを選択することができる装置が加工機械内に設けられていることを意味しているが、どのバーが選択されるかを決定するプロセスが必ずしも完全に自動化されることを示唆しているわけではない。
【0012】
山積みシート材支持組立体は、主として、加工機械によって加工されたシート材が送り出される加工機械の出力部のところで使用されることを意味している。
【0013】
一実施形態によれば、選択ユニットは、山積みシート材支持バーと関連した延長空間内の幾何学的障害物を検出するようになったスキャナユニット、例えば光学スキャナユニットを有する。換言すると、スキャナユニットは、シート材加工機械の他の部分を妨害しないでそれぞれの伸長位置に動くことができるかどうかを山積みシート材支持バーの一つひとつについて検出することができる。幾何学的障害物は、シート材料加工機械で用いられるツールの複数の部分、特に、例えば単一の厚紙シート材上に存在する多くのレイアウトを分離するためのブランキングツールでありまたは一般にシート材料加工機械の複数の部分であると言える。かかる幾何学的障害が検出された山積みシート材支持バーは、山積みシート材を支持するために選択されない。その結果、山積みシート材支持組立体の確実な作動が保証される。
【0014】
スキャナユニットは、山積みシート材支持組立体の幅方向に沿って動くことができ、特に、スキャナユニットは、幅方向に延びるレールに可動的に結合される。これを行う際、スキャナユニットは、山積みシート材支持バーのための延長空間全体を走査することができる。その結果、幾何学的障害物を確実に検出することができる。さらに、比較的小型のスキャナユニットを用いることができる。
【0015】
有利には、スキャナユニットは、光源、特にレーザ、レフレクタユニット、および光センサを有し、障害物は、光源によって放出され、そしてレフレクタユニットによって反射された光を分析することによって検出される。これに関連して、光源および光センサは、延長空間の一方の側に配置されるのが良く、これは、有利には、山積みシート材支持組立体が配置されている側に一致する。レフレクタユニットは、好ましくは、延長空間の反対側に配置される。この形態では、光ビームが光源によってレフレクタユニットの方向に放出されるのが良い。光センサは、反射光を分析し、そして反射光がレフレクタユニットまたは他の場所での反射に起因して生じているかどうかを評価するようになっている。その結果、延長空間内の障害物を確実かつ迅速な仕方で検出することができる。
【0016】
一変形例では、第1のロックユニットが選択された山積みシート材支持バーを可動案内手段上にロックするために設けられ、その結果、選択された山積みシート材支持バーを可動案内手段によって伸長位置に動かすことができるようになっている。かくして、かかる山積みシート材支持バーだけが可動案内手段に連結されることになり、かかる山積みシート材支持バーは、対応の伸長位置に動かされるときにシート材加工機械を妨害しない。かくして、山積みシート材支持組立体の確実な作動が保証される。
【0017】
一形態によれば、静止案内手段が選択されなかった山積みシート材支持バーを静止案内手段上にロックするための第2のロックユニットを有する状態で設けられ、その結果、選択されなかった山積みシート材支持バーは、静止案内手段によって引っ込み位置に保持されるようになっている。その結果、作動中にシート材加工機械および/またはツールとの妨害の恐れがある全ての山積みシート材支持バーは、静止案内手段上にロックされる。かくして、これら山積みシート材支持バーの意図しない動きが確実に回避される。
【0018】
第1のロックユニットは、可動案内手段の幅方向にわたって実質的に延びるロックバーを有しかつ/あるいは第2ロックユニットは、静止案内手段の幅方向にわたって実質的に延びるロックバーを有するのが良い。この形態では、両方のロックバーは、考えられるあらゆる小さな群をなす山積みシート材支持バーをそれぞれの案内手段に、すなわち、可動案内手段または静止案内手段に確実にロックするようになっている。その結果、全ての山積みシート材支持バーは、既定の位置に保持される。
【0019】
好ましくは、自動選択ユニットは、各山積みシート材支持バーを静止案内手段上の係合位置または可動案内手段上の係合位置に選択的に動かすための係合ユニットを有し、特に山積みシート材支持バーは、これらのそれぞれの長手方向の延長方向に沿って動かされる。好ましくは、山積みシート材支持組立体を、山積みシート材支持バーがそれぞれの係合位置にあるとき、可動案内手段または静止案内手段上にのみロックすることができるよう構成されている。
【0020】
別の好ましい形態では、可動案内手段上の係合位置は、各山積みシート材支持バーの定位置(ホームポジション)と伸長位置との間に配置される。
【0021】
静止案内手段上の係合位置は、好ましくは、可動案内手段上の係合位置とは反対側の定位置の側に配置される。
【0022】
この形態では、山積みシート材支持バーは、静止案内手段または可動案内手段上の係合位置に配置されるようにするために、わずかな増分だけ動かされる必要があるに過ぎない。かかるプロセスは、短時間で実施できる。
【0023】
係合ユニットは、山積みシート材支持組立体の幅方向に沿って動くことができる係合フィンガを有し、この係合フィンガは、山積みシート材支持バーを係合位置のうちの1つに個別に動かすよう構成されている。かくして、係合フィンガは、個々の山積みシート材支持バーをそれぞれの伸長位置に向かって、またはそれぞれの伸長位置から遠ざかってわずかな増分だけ選択的に動かすようになっているのが良い。これを行う際、係合フィンガは、各山積みシート材支持バーを正確な係合位置に動かすことができるようにするために、山積みシート材支持ユニットの幅方向に沿って動かされるのが良い。
【0024】
さらに、本課題は、シート材加工機械用の山積みシート材支持組立体を作動させる上述形式の方法であって、山積みシート材を支持するために伸長位置に動かされるべき一群の山積みシート材支持バーが自動的に選択される形式の方法によって解決される。これを行う際、山積みシート材支持組立体は、対応のシート材料加工機械上で実行されるべき新たなジョブに迅速かつ確実に適合されかつ構成されるのが良い。加うるに、シート材料加工機械および/またはこのシート材加工機械に取り付けられたツールに対する山積みシート材支持バーの意図しない妨害が回避される。
【0025】
自動選択は、1本以上の山積みシート材支持バーをかかる支持バーのそれぞれの伸長位置に動かされるときに妨害する幾何学的障害物の検出を含むのが良く、その手段として、山積みシート材支持バーと関連した延長空間を走査する。幾何学的障害物は、シート材加工機械内に配置されたツールに起因して、またはシート材加工機械それ自体の複数の部分に起因して生じる場合がある。走査プロセスは、かかる障害物を迅速かつ確実に検出することができる。
【0026】
有利には、センサユニットが障害物を検出するために、山積みシート材支持バーの延長方向に実質的に直交している走査方向に沿って動かされる。かくして、山積みシート材支持バーの延長空間は、比較的短時間で完全に走査できる。さらに、比較的単純なセンサがこの仕事に対しては十分である。特に、一次元または二次元センサが、それぞれ二次元または三次元で延長空間を走査するのに十分である。
【0027】
障害物が検出されなかった山積みシート材支持バーは、伸長位置に動かされるものとして選択される。これら山積みシート材支持バーは、シート材加工機械の他の部分を妨害する恐れがない。
【0028】
変形例として、センサユニットを用いた自動選択は、伸長位置に動かされるべき1組の山積みシート材支持バーを是正するために、マシンユーザインタフェースを介してオペレータにより手動で調整することができる。また、オペレータは、山積みシート材支持バーのどれがマシンユーザインタフェース上の選択肢の一部であるかを最初から判定することができる(山積みシート材支持バーを自動的に選択するということは、バー自体に対するオペレータの物理的な介入がないことを意味しており、すなわち、機械内の装置によって物理的に選択されるということを意味している)。
【0029】
一実施形態では、選択された山積みシート材支持バーは、可動案内手段に結合され、特に、選択された山積みシート材支持バーは、可動案内手段によって合同状態で伸長位置に動かされる。換言すると、全ての選択された山積みシート材支持バーは、可動案内手段によって一緒に動かされる。
【0030】
好ましくは、選択されなかった山積みシート材支持バーは、静止案内手段に結合され、特に、選択されなかった山積みシート材支持バーは、静止案内手段によって引っ込み位置に保持される。その結果、選択されなかった支持バーもまた、明確に規定された位置にある。
【0031】
次に、添付の図面を参照して本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係る山積みシート材支持組立体を有する紙加工機械の略図である。
【
図2】山積みシート材支持バーおよびツールの概略図であり、本発明に係る山積みシート材支持組立体の作動原理を示す図である。
【
図3】本発明に係る山積みシート材支持組立体およびツールの斜視図であり、全ての山積みシート材支持バーがこれらのそれぞれの引き込み位置にある状態を示す図である。
【
図4】
図3の山積みシート材支持組立体および
図3のツールの別の斜視図であり、山積みシート材支持バーのうちの幾つかがこれらのそれぞれの伸長位置にある状態を示す図である。
【
図5】
図3の山積みシート材支持組立体および
図3のツールの詳細斜視図である。
【
図6】
図5の山積みシート材支持組立体および
図5のツールの斜視図であり、
図5と比較して異なる視点が取られている図である。
【
図7】
図5および
図6の山積みシート材支持組立体ならびに
図5および
図6のツールの斜視図であり、
図5および
図6と比較して異なる視点が取られている図である。
【
図8】
図3~
図7の山積みシート材支持組立体の斜視図であり、係合ユニットを示す図である。
【
図9】
図3~
図8の山積みシート材支持組立体の詳細図であり、特にその係合ユニットを示す図である。
【
図10】
図9の山積みシート材支持組立体のX‐X線矢視断面図であり、係合フィンガが定位置にある状態を示す図である。
【
図11】
図10に対応した図であり、係合フィンガが伸長位置にある状態を示す図である。
【
図12】
図10および
図11に対応した図であり、係合フィンガが引っ込み位置にある状態を示す図である。
【
図13】
図3~
図8の山積みシート材支持組立体の別の詳細図であり、ロックバーおよび対応のアクチュエータを示す図である。
【
図14】
図3~
図8の山積みシート材支持組立体の追加の詳細図であり、特に選択された山積みシート材支持バーのロック状態を示す図である。
【
図15】
図14に対応した詳細図であり、特に選択されなかった山積みシート材支持バーのロック状態を示す図である。
【
図16】
図14および
図15に対応した詳細図であり、特にリセット手順中における第1の作動状態を示す図である。
【
図17】
図14~
図16に対応した詳細図であり、特にリセット手順中における第2の作動状態を示す図である。
【
図18】
図14~
図17に対応した詳細図であり、特にリセット手順中における第3の作動状態を示す図である。
【
図19】
図14~
図18に対応した詳細図であり、特にリセット手順中における第4の作動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、紙加工機械10を図示の実施例では紙ブランキング(blanking)機械として示している。
【0034】
紙加工機械10は、紙シート材(枚葉紙ともいう)Sを紙加工機械10中に給紙するフィーダモジュール12を有している。これらシート材Sは、コンベヤモジュール16によってブランキングモジュール14に搬送する。走行方向は、矢印Tによって示されている。
【0035】
ブランキングモジュール14内では、レイアウトLを紙シート材Sから切断形成する。
【0036】
この関連で、レイアウトLは、シート材の使用可能な部分として定められ、シート材は、一般に、1枚または複数のブランクで構成される場合がある。
【0037】
次に、切断形成されたレイアウトLの付いた紙シート材Sをくず(カス)取りモジュール17に搬送し、ここで、レイアウトLは、くずのうちの何割かの中から分離される。
【0038】
次に、切断形成されたレイアウトLの付いた紙シート材Sをブランキングモジュール18に搬送し、ここで、レイアウトLは、互いにかつ残りのくずから分離される。
【0039】
レイアウトLをパレット20上に載せ、そしてくずをくず排出モジュール22に差し向ける。
【0040】
各レイアウトLがパレット20に到達すると、パレット20の位置をレイアウトLの厚さに実質的に対応した増分だけ加工させる。
【0041】
紙加工機械10は、山積みシート材支持組立体24をさらに有する。山積みシート材支持組立体の全体的な構造および機能については
図2と関連して説明するが、
図2は、レイアウトLをシート材Sから分離するために用いられるくず取りツール26もまた示している。
【0042】
山積みシート材支持組立体24は、単一の山積みシート材支持バー28によって表され、この単一の山積みシート材支持バーは、中間位置で、すなわち、完全引っ込み位置でもなく完全伸長位置でもない状態で示されている。山積みシート材支持バー28の完全伸長位置は、一点鎖線で示され、山積みシート材支持バー28の完全引っ込み位置は、破線で示されている。
【0043】
山積みシート材支持バー28は、パレット20の交換中、山積みのシート材、この文脈では、より正確に言えば、山積みレイアウトを支持するために用いられる。
【0044】
このことは、パレット20が交換されるべき直前に、あるいは、インサートシート材が山積みシート材上に挿入状態で載せられる直前に、山積みシート材支持バー28は、引っ込み位置から伸長位置に動かされることを意味している。
【0045】
また、インサートシート材が山積みシート材上に挿入状態で載せられる直前に、山積みシート材支持バー28は、引っ込み位置から伸長位置に動かされる。インサートシート材は、支持バーの下に位置決めされた装置(図示せず)によって挿入される。インサートシート材は、山積みシート材を山積みシート材の各層のところに幾つかの分離されたレイアウトを有しているにもかかわらず単一の層としてまたは機械から出力された山積みシート材上のブランクの数をカウントするための手段として保つために用いられる。
【0046】
山積みシート材支持バー28は、山積みシート材を伸長位置にあるときだけ支持するようになっている。
【0047】
その結果、互いにかつブランキングモジュール18内のくずから分離されているレイアウトLは、パレット20によって支持されている山積みシート材の頂部上にはもはや置かれず、山積みシート材支持バー28上または山積みシート材支持バー28上に支持されている山積みシート材上に置かれることになる。
【0048】
後で説明するように、山積みシート材支持組立体24は、複数の山積みシート材支持バー28を含み、これら山積みシート材支持バーは、これらの伸長位置において、これらが山積みシート材を支持するための平面を構成するよう配置されている。その結果、シート材は、複数の山積みシート材支持バー28によって支持されることになる。
【0049】
次に、パレット20を紙加工機械10から引き出すのが良く、そして新たなパレット20を山積みシート材支持バー28の下に配置するのが良い。
【0050】
次に、山積みシート材支持バー28を引っ込み位置に動かすのが良く、それにより山積みシート材支持バー上に支持されている山積みシート材を新たに取り付けられたパレット20上に載せる。
【0051】
山積みシート材支持組立体24のより詳細な図が
図3~
図8に見える。
【0052】
山積みシート材支持組立体は、実質的に平行に延び、かつ引っ込み位置(
図3を参照されたい)と伸長位置との間で動くことができる複数の山積みシート材支持バー28を含む。
【0053】
図3では、全ての山積みシート材支持バー28は、それぞれの引っ込み位置にある。しかしながら、
図4では、山積みシート材支持バー28のうちの幾つかは、それぞれの伸長位置にある。この位置では、山積みシート材支持バーは、ツール26の下側のところに、すなわち、ツールの頂部の下であるが依然としてツール内にまたは部分的にツール内に配置される。
【0054】
注目されるように、良好な視認性が得られるという純粋な目的で、
図3および
図4の山積みシート材支持バー28のうちの幾つかだけは、基準となる記号を備えている。これは、残りの図についても当てはまる。
【0055】
図2~
図7から理解できるように、山積みシート材支持バー28がこれらのそれぞれの伸長位置を取るときに入る延長空間には例えばツール26の部品の形態をした障害物が存在する。この関係で、延長空間は、山積みシート材支持バー28の全てが伸長位置にあるときにこれら山積みシート材支持バー28によって占められている空間として定められる。
【0056】
これにより、山積みシート材支持バー28のうちの何割かがこれらのそれぞれの伸長位置に動かされてはならないことになり、その目的は、ツール26との干渉または衝突を避けることにある。換言すると、山積みシート材支持組立体24の使用中にそれぞれの伸長位置に動かされる山積みシート材支持バー28は、注意深く選択されなければならない。
【0057】
この目的で、伸長位置に動かされるべき山積みシート材支持バー28を自動的に選択する自動選択ユニット30が提供されている。
【0058】
自動選択ユニット30は、山積みシート材支持バー28のための延長空間内の幾何学的障害物の検出を行うようになったスキャナユニット32を含む。
【0059】
スキャナユニット32は、光源34を有し、この光源は、図示の実施例ではレーザ源である。
【0060】
光源34は、幅方向全体にわたって山積みシート材支持組立体24まで実質的に延びるレール36に取り付けられている。その結果、光源34は、この幅方向に沿って動くことができる。
【0061】
光源34は、光源34と比較して、ツール26の反対側に配置されているレフレクタユニット38と相互作用するようになっている。
【0062】
スキャナユニット32は、光センサ40をさらに有する。
【0063】
図示の実施例では、光源34と光センサ40は、可動センサユニット41を形成している。
【0064】
その結果、スキャナユニット32は、光源34がレフレクタユニット38の方向に光ビーム42を放出するので、延長空間内の障害物を検出するようになっている。
【0065】
2つの場合は、レール36上の光源の各位置について区別されなければならない。
【0066】
ある場合、光ビーム42は、レフレクタユニット38によってのみ反射される。反射後の光ビームは、次に、光センサ40によって検出される。
【0067】
別の場合、光ビーム42は、レフクタユニット38によって部分的にしか反射されずあるいは任意他の物体によって反射される。また、この場合、反射後の光ビームは、光センサ40によって検出される。
【0068】
レフレクタユニット38は、光ビーム42の反射中、僅かな光損失しか生じないよう構成されていることにより、光センサ40は、光ビーム42がレフレクタユニット38によってのみ反射されたときに比較的高い強度の光を検出する。
【0069】
光ビームがレフレクタユニット38によって全く反射されない場合、僅かな強度の光しか光センサ40によって検出されない。
【0070】
その結果、スキャナユニット32は、光源34によって放出され、そしてレフレクタユニット38によって反射された光を分析することによって、延長空間内の障害物を検出するようになっている。
【0071】
変形例として、スキャナ32に代えて、山積みシート材支持バー28のための延長空間内の幾何学的障害物を検出するようになった光バリヤを用いることができる。この光バリヤは、例えば、バー28の真上または真下に位置決めされるのが良い。
【0072】
変形例としては、スキャナ32に代えて、山積みシート材支持バー28のための延長空間内の幾何学的障害物を検出するようになったセンサが各バー28の頂部のところに配置されても良い。
【0073】
かくして、ツール26および/または紙加工機械10の一部を邪魔しないで伸長位置に動かすことができる山積みシート材支持バー28に関する情報が作成される。
【0074】
これら山積みシート材支持バー28は、山積みシート材支持組立体24の作動のために選択される。
【0075】
自動選択ユニット30はまた、選択した山積みシート材支持バー28を可動案内手段48に結合するようになっている。これについては
図9~
図15と関連して説明する。
【0076】
自動選択ユニット30は、各山積みシート材支持バー28を静止案内手段46上の係合位置または可動案内手段48上の係合位置に選択的に動かすようになった係合ユニット44を有する。
【0077】
それにより、全ての選択された山積みシート材支持バー28は、可動案内手段48上の係合位置に動かされ、選択されなかった全ての山積みシート材支持バー28は、静止案内手段46上の係合位置に動かされることになる。
【0078】
係合ユニット44は、係合フィンガ50を有し、係合フィンガ50は、これが山積みシート材支持バー28の実質的に長手方向の延長方向に沿って動くことができるようアクチュエータ52に結合されている。
【0079】
加うるに、係合フィンガ50およびアクチュエータ52は、これらを山積みシート材支持組立体24の幅方向においてレール54に沿って動かすことができるようレール54に取り付けられている。
【0080】
図10に示された係合フィンガ50の定位置(ホームポジション)から始まる機能について説明する。
【0081】
係合フィンガ50は、レール54に沿う位置を取っており、この位置は、
図9に強調表示された山積みシート材支持バー28と関連している。
【0082】
走査ユニット32によって作成される情報に基づいて、この山積みシート材支持バー28が選択された場合、これが可動案内手段48上の係合位置に動かされまたはこの係合位置に保たれることが必要である。山積みシート材支持バー28を動かすため、係合フィンガ50を可動案内手段48の方へ動かし、それにより山積みシート材支持バー28をこの可動案内手段の第1のカム56に係合させ、そして第1のカム56を可動案内手段48上の対応のカム受け入れ空間58中に動かす(図11を参照されたい)。かくして、山積みシート材支持バー28は、可動案内手段48上の係合位置にある。
【0083】
走査ユニット32によって作成された情報に基づいて、この山積みシート材支持バー28が選択されない場合、これは、静止案内手段46上の係合位置に動かされまたはこの位置に保たれる必要がある。山積みシート材支持バー28を動かすため、係合フィンガ50を静止案内手段46の方へ動かし、それにより山積みシート材支持バー28をこの静止案内手段の第2のカム60に係合させ、それにより第2のカム60を静止案内手段46上の対応のカム受け入れ空間62中に動かす(
図12を参照されたい)。かくして、山積みシート材支持バー28は、静止案内手段46上の係合位置にある。
【0084】
このプロセスを山積みシート材支持組立体24の全ての山積みシート材支持バー28について繰り返し、かくして、各山積みシート材支持バー28を個別的に係合位置のうちの1つに動かす。山積みシート材支持バー28は、特に、これらのそれぞれの長手方向の延長方向に沿って動かされる。
【0085】
次に、選択された山積みシート材支持バー28および選択されなかった山積みシート材支持バー28をそれぞれの静止案内手段46または可動案内手段48にロックする。
【0086】
この目的のため、選択された山積みシート材支持バー28を対応の係合位置にある可動案内手段48上にロックするために第1のロックユニット64が可動案内手段48に設けられている。
【0087】
第1のロックユニット64は、ロックバー66を有し、このロックバーは、対応のアクチュエータ68に結合されている。さらに、ロックバー66は、ロックバー66に設けられていて可動案内手段48に固定されているボルト72と協働する傾斜スロット70により可動案内手段48に結合されている(
図13を参照されたい)。
【0088】
ロックバー66は、実質的に可動案内手段48の幅方向全体にわたって延びている。
【0089】
ロックバー66は、これが山積みシート材支持バー28を妨害することがないロック解除下方位置およびこれが可動案内手段48に設けられたカム受け入れ空間58を閉鎖するロック上方位置を取ることができる。その結果、全ての選択された山積みシート材支持バー28は、可動案内手段48上にロックされる。
【0090】
その結果、これら山積みシート材支持バー28を山積みシート材支持組立体24の作動中、可動案内手段48によって伸長位置に動かすことができる。当然のことながら、選択された山積みシート材支持バー28もまた、可動案内手段48によってそれぞれの引っ込み位置に戻すことができる。
【0091】
静止案内手段46は、第2のロックユニット74を備え、この第2のロックユニットもまた、
図13に示された形式のロックバー66を有している。その結果、第2のロックユニット74のロックバー66は、ロックバー66に設けられていて静止案内手段46に固定されているボルト72と協働する傾斜スロット70により静止案内手段46に結合されている。
【0092】
第2のロックユニット74のロックバー66もまた、これが山積みシート材支持バー28を妨害しないロック解除下方位置を取ることができる。加うるに、ロックバー66は、これが静止案内手段46に設けられたカム受け入れ空間62を閉鎖するロック上方位置を取ることができる。その結果、選択されなかった全ての山積みシート材支持バー28は、静止案内手段46上にロックされる。かくして、これら山積みシート材支持バー28は、規定された位置に保持され、これら山積みシート材支持バー28と紙加工機械10またはツール26の複数の部分の意図しない干渉が回避される。
【0093】
その結果、上述の山積みシート材支持組立体24を次のように作動させることができる。
【0094】
第1のステップでは、延長空間内の幾何学的障害物は、走査によって検出される。この目的のため、センサユニット41を山積みシート材支持バー28の延長方向と実質的に直交した方向に動かす。
【0095】
延長空間内で検出された障害物に基づいて、障害物が検出されなかった山積みシート材支持バー28が山積みシート材支持組立体24の使用中に伸長位置に動かされるために選択される。これら山積みシート材支持バー28は、上述したように可動案内手段48に結合されている。
【0096】
残りの山積みシート材支持バー28は、上述したように静止案内手段46に結合されている。
【0097】
以上要約すると、山積みシート材を支持するために伸長位置に動かされるべき一群の山積みシート材支持バー28は、自動的に選択される。
【0098】
紙加工機械10に対して実施されるべきジョブを変更する場合、山積みシート材支持組立体24の構成もまた変更される必要がある。
【0099】
そのようにするため、リセット手順が実施され、これについては
図16~
図19と関連して説明する。リセット手順は、全ての山積みシート材支持バー28を静止案内手段46上の係合位置に至らせる。
【0100】
この手順の間、第1のロックユニット64のロックバー66と第2のロックユニット74のロックバー66の両方をこれらのそれぞれのロック解除下方位置に動かす。可動案内手段48をオーバーライド位置に動かす。オーバーライド位置は、可動案内手段48によってカム受け入れ空間62に動かされる山積みシート材支持バー28の第2のカム60によって定められる。このことは、それと同時に、第1のカム56がカム受け入れ空間58内に位置決めされることを意味する。換言すると、山積みシート材支持バーは、同時に、可動案内手段48および静止案内手段46上の係合位置にある(
図16を参照されたい)。換言すると、可動案内手段48をオーバーライド位置に向かって動かすと、可動案内手段(48)上の係合位置にあった全てのバーを静止案内手段46上の係合位置に向かって押す。かくして、1回の動作で、全てのバーが同一の位置に設定される。
【0101】
その後、第2のロックユニット74のロックバー66をロック位置に動かし、それにより全ての山積みシート材支持バー28を静止案内手段46上にロックする。これは、以前選択された山積みシート材支持バー28および以前選択されなかった山積みシート材支持バー28を含む(
図17を参照されたい)。
【0102】
次に、可動案内手段48をその中立位置に動かし、この中立位置は、静止案内手段46からオーバーライド位置よりも遠くの距離の範囲内に位置する(
図18を参照されたい)。
【0103】
リセット静止手順の最終ステップとして、第2のロックユニット74のロックバー66をロック解除位置に動かす(
図19を参照されたい)。
【0104】
今や、山積みシート材支持バー28は、静止案内手段46に対してロックされておらず、可動案内手段48に対してもロックされていない。
【0105】
その結果、新たに選択された山積みシート材支持バー28を常に上記において説明したように係合フィンガ50によって可動案内手段48上のそれぞれの係合位置に至らせることができる。
【0106】
これとは逆に、リセット可動手順を同様に実施すると、全ての山積みシート材支持バー28を可動案内手段48の方へ至らせて係合フィンガ50を用いて選択済みの山積みシート材支持バー28をバーのロックに先立って静止案内手段46の方へ至らせることができる。
【0107】
リセット静止手順とリセット可動手順の使用選択は、係合フィンガ50によって個々に動かされる必要のある山積みファイル支持バー28の本数によって定められるのが良い。バーの移動回数を最小にすることを必要とする形態が好ましく、その理由は、これを時間をかけないで実施できるからである(リセット手順のうちの任意のものに必要な時間は、動かされるバーの本数とは無関係である)。