(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】プラグインコネクタとプラグインコネクタ構成
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20240719BHJP
H01R 24/64 20110101ALN20240719BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R24/64
(21)【出願番号】P 2022560110
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2021058579
(87)【国際公開番号】W WO2021198405
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-24
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ドルーズ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・クロメ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・カプス
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-171127(JP,A)
【文献】実開平07-005275(JP,U)
【文献】特開2014-123512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 24/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手方プラグインコネクタ(200)に接続するためのプラグインコネクタ(100)であって、
前記相手方プラグインコネクタ(200)の相手方接触素子に接続するための少なくとも1つの接触素子が収容されるコンタクト収容体(110)と、
前記コンタクト収容体(110)に接続される
、前記コンタクト収容体とは別個に製造されたケーブル収容体(111)であって、前記コンタクト収容体(110)の前記少なくとも1つの接触素子に接続するためのケーブル(400)を収容することができるケーブル収容体(111)と、
少なくとも一部分にバネ弾性を有するラッチ装置(115)であって、前記ラッチ装置(115)によって、前記プラグインコネクタ(100)が前記相手方プラグインコネクタ(200)に対してラッチすることができる、ラッチ装置(115)と、
を有し、
前記ラッチ装置(115)は、第1の端部(116)を有し、前記第1の端部(116)によって、前記ラッチ装置(115)は、前記コンタクト収容体(110)の差込面(117)に接続され、
前記ラッチ装置(115)は、前記第1の端部(116)の反対側の第2の端部(118)を有し、
前記ラッチ装置(115)の接続部分(119)が、前記ラッチ装置(115)の前記第1および第2の端部(116、118)の間に形成され、
第1のラッチアーム(120)および第2のラッチアーム(121)が前記第2の端部(118)に形成され、前記2つのラッチアーム(120,121)は、ラッチ位置において、前記ケーブル収容体(111)にラッチされ、
前記ラッチ装置(115)が締め付けバネ(115)を操作するための把持領域(128)を有し、
前記把持領域(128)は、前記第2の端部(118)の前記第1のラッチアーム(120)および前記第2のラッチアーム(121)の間に配置される、プラグインコネクタ(100)において、
前記把持領域(128)が前記接続部分(119)と共にT字形を形成し、前記把持領域(128)が前記接続部分(119)と同一平面内にあり、前記第1および第2のラッチアーム(120、121)がそれぞれ、前記接続部分(119)と前記把持領域(128)とによって画定される平面を横断して形成される平面内に延在することを特徴とする、プラグインコネクタ(100)。
【請求項2】
第1のアンダーカット(122)が前記ケーブル収容体(111)に形成され、前記第1のラッチアーム(120)は、前記ラッチ位置において前記第1のアンダーカットにラッチされ、第2のアンダーカット(123)が前記ケーブル収容体(111)に形成され、前記第2のラッチアーム(121)は、前記ラッチ位置において前記第2のアンダーカットにラッチされることを特徴とする、請求項1に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項3】
前記2つのアンダーカット(122,123)は、前記ケーブル収容体(111)の2つの対向する側面(126,127)に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項4】
前記ラッチアーム(120,121)のそれぞれは、第1のアーム部(124)および自由端部を形成する第2のアーム部(125)を有し、前記第2のアーム部によって、前記ラッチアーム(120,121)は、前記ラッチ位置において前記ケーブル収容体(111)にラッチし、前記第2のアーム部(125)は、前記第1のアーム部(124)に対して斜めに形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項5】
前記把持領域(128)は、前記2つのラッチアーム(120,121)に対して横方向に延在することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項6】
前記把持領域(128)が円弧形状を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項7】
前記ケーブル収容体(111)は、第1の端部(112)を有し、前記ケーブル収容体(111)は、前記第1の端部(112)によって前記コンタクト収容体(110)に接続され、前記ケーブル収容体(111)は、第2の端部(113)を有し、前記ケーブル(400)を挿入するための開口部(114)が前記第2の端部(113)に形成され、前記第2の端部(113)は、前記第1の端部(112)に対して斜めになっていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラグインコネクタ(100)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載に従って形成されたプラグインコネクタ(100)と、相手方プラグインコネクタ(200)とを有するプラグインコネクタ構成(300)であって、前記相手方プラグインコネクタ(200)は、コンタクト収容体(111)を有する前記プラグインコネクタ(100)を差込方向(S)に挿入することができる受容開口部(210)を有し、挿入状態において、前記プラグインコネクタ(100)の前記ラッチ装置(115)にラッチされる少なくとも1つの相手方ラッチ素子(200)が前記受容開口部(210)に形成されている、プラグインコネクタ構成(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手方プラグインコネクタに接続するためのプラグインコネクタに関し、プラグインコネクタは、相手方プラグインコネクタの相手方接触素子に接続するための少なくとも1つの接触素子を受け入れるコンタクト収容体と、コンタクト収容体に接続されるケーブル収容体であって、コンタクト収容体の少なくとも1つの接触素子に接続するためのケーブルを収容することができるケーブル収容体と、少なくともある領域においてバネ弾性を有するラッチ装置であって、ラッチ装置によってプラグインコネクタを相手方プラグインコネクタに対してラッチすることができる、ラッチ装置と、を有し、ラッチ装置は、第1の端部を有し、第1の端部を介してラッチ装置がコンタクト収容体の差込面に接続され、ラッチ装置は、第1の端部の反対側にある第2の端部を有する。本発明はさらに、プラグインコネクタと相手方プラグインコネクタとを有するプラグインコネクタ構成に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなプラグコネクタは、いわゆるRJ-45コネクタであり、特にデータコネクタとして、例えば電気通信で使用することができる。ラッチ装置によって、コンタクト収容体を有するプラグインコネクタは、ソケットとして設計された相手方プラグインコネクタに接続された状態で保持される。同時に、少なくとも1つの接触素子が、ラッチ装置のバネ作用により、相手方プラグインコネクタの少なくとも1つの弾性的に取り付けられた相手方接触素子に対して押し付けられ、それによって、プラグインコネクタと相手方プラグインとの間の接触を一種のフローティング取り付けコネクタとして形成することができる。
【0003】
このようなプラグインコネクタは、例えば特許文献1から知られている。ここでは、ラッチ装置は細長い設計であり、ラッチ装置は、第1の端部でコンタクト収容体に固定的に接続され、第1の端部の反対側の第2の端部でケーブル収容体に固定的に接続され、第2の端部は、ケーブル収容体に射出成形されている。バネ効果を出すため、ラッチ装置は、両端の間で円弧状になっている。プラグインコネクタの製造において、この実施形態は、射出成形プロセスにおいて、より多くの工具およびセットアップ作業を必要とする。特にケーブル出口が斜めになっている場合は手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許発明第10 2012 111 125号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の目的は、簡単な製造努力によって特徴づけられるプラグインコネクタおよびプラグインコネクタ装置を提供することである。
【0006】
この目的は、独立請求項の特徴を有する本発明に従って達成される。本発明の適切な実施形態および有利な展開は、従属請求項に明記されている。
【0007】
本発明によるプラグインコネクタは、第1のラッチアームおよび第2のラッチアームがラッチ装置の第2の端部に形成されていることを特徴とし、ラッチ位置では、2つのラッチアームがケーブル収容体に対してラッチされる。
【0008】
したがって、本発明によれば、ラッチ装置はもはやケーブル収容体に一体的に形成されるのではなく、製造時に、ケーブル収容体およびラッチ装置は独立して、したがって互いに別個に作られる。射出成形プロセスの費用は、別の製造、特にケーブル収容体とラッチ装置の射出成形プロセスを別々に提供することによって削減することができる。ケーブル収容体の場合、分割をしなくても1つの金型構造で異なるケーブル取出し方向を実現することができる。プラグインコネクタのすべての部品が取り付けられ、プラグインコネクタが相手方プラグインコネクタに挿入されて接続された後でのみ、ラッチ装置は、2つのラッチアームを介してケーブル収容体にラッチされ、固定される。ラッチ位置において、ラッチ装置がケーブル収容体から不必要に外れることなく、ラッチ装置がバネ効果を適用し続けることができるように、ラッチアームがケーブル収容体にラッチされることが好ましい。2本のラッチアームにより、ケーブル収容体へのラッチ装置の対称的なラッチングを形成することができる。一方、ラッチ装置は、コンタクト収容体と一体に形成することがすることができる。ラッチ装置は、例えば、コンタクト収容体に射出成形することがすることができる。コンタクト収容体とラッチ装置は両方ともプラスチック材料から、特に同じプラスチック材料から形成することができる。
【0009】
ラッチを形成するために、好ましくは、第1のラッチアームがラッチ位置でラッチされる第1のアンダーカットがケーブル収容体に形成され、ケーブル収容体に第2のアンダーカットが形成され、このアンダーカットに対して、第2のラッチアームがラッチ位置でラッチされる。ラッチ位置では、ラッチアームは、アンダーカットの後ろに引っ掛かることができ、各ラッチアームに1つのアンダーカットが割り当てられる。アンダーカットの後ろに引っ掛かるラッチアームによって、ラッチアームとアンダーカットとの間、ひいてはケーブル収容体とラッチ装置との間の形状適合接続を形成することができ、それによってラッチ装置およびケーブル収容体間の特に確実で安定した接続が実現される。形状適合接続を確立するために、ラッチアームは、好ましくはアンダーカットの輪郭に一致する形状を有する。
【0010】
したがって、2つのアンダーカットは、ケーブル収容体の2つの対向する側面に形成される。このように、ラッチアームは、ケーブル収容体に対して横方向にラッチすることができる。したがって、ラッチアームは、好ましくはラッチ装置の主延長面に対して横方向に、またはラッチ装置の第1の端部と第2の端部との間に形成される接続部分の長手方向の向きに対して横方向に、ケーブル収容体にラッチされる。ラッチングを形成するために、ラッチ位置に到達する前に、2つのラッチアームがケーブル収容体に沿って横方向に最初に案内されることが好ましい。2つのアンダーカットは、2つの側面において互いに対称に形成されることが好ましい。側面は、ケーブル収容体の横面を形成することが好ましい。2つのラッチアームは、好ましくは互いに平行に延び、2つのラッチアームが互いに離間するようになっている。ラッチ位置では、ケーブル収容体は、少なくとも部分的に2つのラッチアームの間に配置される。
【0011】
ラッチアームはそれぞれ、第1のアーム部および自由端を形成する第2のアーム部を有することができ、第2のアーム部により、ラッチアームは、ラッチ位置でケーブル収容体にラッチすることができ、第2のアーム部は、第1のアーム部に対して角度を成して形成される。ラッチアームは、L字型とすることができる。第1のアーム部は、ラッチアームがコンタクト収容体にラッチする第2のアーム部よりも長く設計することが好ましい。ラッチアームの第2のアーム部は、相手方プラグインコネクタと接続する際、プラグインコネクタの差込方向と平行に延在することが好ましい。しかし、ラッチアームの第1のアーム部は、差込方向に対して横方向に延びることが好ましい。
【0012】
相手方プラグインコネクタとの接続からプラグインコネクタを解放するために、ユーザーは、ラッチ装置を操作して、プラグインコネクタのラッチ装置のラッチを相手方プラグインコネクタの相手方ラッチ要素からに解放することができる。ユーザーがこの操作を容易にするために、ラッチ装置は、ラッチ装置を操作するための把持領域を有することができる。
【0013】
把持領域は、第1のラッチアームと第2のラッチアームとの間のラッチ装置の第2の端部に配置することができる。したがって、使用者によるラッチ装置の操作の効果は、ラッチアームに直接影響を与えることができるので、使用者にとって可能な限り単純な操作が可能であり、大きな力を消費することはない。2本のラッチアームは、好ましくは把持領域に直接接続される。ラッチアームは、好ましくは互いに正確に向かい合っており、これにより、ラッチアームを把持領域に対称的に接続することができる。
【0014】
把持領域は、好ましくは、把持領域が2つのラッチアームに対して横方向に延びることができるように設計される。把持領域は、2本のラッチアームとともにU字型を形成することができる。ラッチ装置をケーブル収容体に接続した状態で、このU字型はケーブル収容体の一部を包み込むことができる。把持領域は、相手方プラグインコネクタへの接続のために、プラグインコネクタの差込方向に対して横方向に拡張することができる。把持領域は、好ましくは、ラッチ装置の2つの端部の間に延在する接続部分と同一平面上に位置する。ラッチアームは、好ましくは、それぞれ、把持領域と接続部分とによって広がる平面に対して横方向に延びる平面内に延在する。
【0015】
ユーザーが把持領域を操作しやすくするために、把持領域は、円弧の形状を有することができる。円弧形状のため、把持領域をできる限り広くすることができ、ラッチ操作時にユーザーの指が滑り落ちにくくなっている。円弧形状の弓形部分は、好ましくは、ラッチ装置の第1の端部から離れるように向けられる。円弧形状は、例えば半円形状でもよい。
【0016】
ケーブル収容体とラッチ装置との別個の製造が可能になった結果、ケーブル収容体の設計のバリエーションを、追加の出費なしに増やすことができる。好ましくは、ケーブルの取出し方向が異なる様々なケーブル収容体を製造して使用することができる。ケーブル収容体は、好ましくは、ケーブル収容体がコンタクト収容体に接続される第1の端部を有する。また、ケーブル収容体は、ケーブル挿入用の開口部が形成された第2の端部を有することが好ましい。ケーブル収容体の両端は、180°の角度で成形できるので、両端が一直線上に並ぶように成形することができる。但し、ケーブル収容体の第2の端部をケーブル収容体の第1の端部に対して斜めに形成することも可能である。曲げは、90°が望ましい。その他の角度、特に、第1の端部と第2の端部の間の角度が40°~160°の場合も考えられる。
【0017】
本発明による目的は、上述のように具現化および開発されたプラグインコネクタと、相手方プラグインコネクタとを有するプラグインコネクタ装置によってさらに達成され、相手方プラグインコネクタは、コンタクト収容体を有するプラグインコネクタを差込方向に挿入することができる受容開口部を有し、受容開口部には、少なくとも1つの相手方ラッチ要素が形成され、差込状態で、プラグインコネクタのラッチ装置にラッチされる。
【0018】
以下、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ラッチ装置がケーブル収容体から取り外された状態の本発明によるプラグインコネクタの概略図である。
【
図2】ケーブル収容体を有するラッチ装置がラッチ位置にある、
図1に示すプラグインコネクタの概略図である。
【
図3】ケーブル収容体のないラッチ装置を有するコンタクト収容体の概略図である。
【
図4】ケーブルを有する
図1に示すプラグインコネクタの概略図である。
【
図5】角度の付いたケーブル出口を有する本発明によるプラグインコネクタの概略図である。
【
図6】角度の付いたケーブルアウトレットを有する、本発明によるさらなるプラグインコネクタの概略図である。
【
図7】角度の付いたケーブル出口を有する、本発明によるさらなるプラグインコネクタの概略図である。
【
図8】角度のついたケーブル出口を有する、本発明によるさらなるプラグインコネクタの概略図であり、
【
図9】本発明によるプラグインコネクタと相手方プラグインコネクタとを有するプラグインコネクタ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および
図2は、本発明によるプラグインコネクタ100を2つの異なる位置で示している。プラグインコネクタ100は、特にデータ伝送に使用できるRJ45コネクタを形成する。
【0021】
プラグインコネクタ100は、1つまたは複数の接触素子が収容されるコンタクト収容体110を有する。通常、プラグインコネクタ100は、多極のプラグインコネクタ100を形成しており、例えば8個の接触素子をコンタクト収容体110に収容・配置することができる。プラグインコネクタ100と相手方プラグインコネクタ200との接続状態において、接触素子は、
図9に概略的に示すように、相手方プラグインコネクタ200の相手方接触素子と電気的に接触することができる。
【0022】
ケーブル400は、接触素子に接続され、ケーブル400は、この目的のために、プラグインコネクタ100のケーブル収容体111に挿入される。ケーブル収容体111は、ケーブル収容体111がコンタクト収容体110に接続される第1の端部112を有する。さらに、ケーブル収容体111は、
図4から
図8に示すように、ケーブル400をケーブル収容体111に挿入することができる開口部114が形成される第2の端部113を有する。
【0023】
プラグインコネクタ100はさらにラッチ装置115を有し、これを介してプラグインコネクタ100を相手方プラグインコネクタ200にラッチすることができる。ラッチ装置115は、少なくとも部分的にバネ弾性を有するように設計されている。
【0024】
ラッチ装置115は、第1の端部116を有し、それを介して、ラッチ装置115は、コンタクト収容体110の差込面117に接続される。さらに、ラッチ装置115は、第1の端部116の反対側に第2の端部118を有する。ラッチ装置115の接続部分119は、ラッチ装置115の2つの端部116、118の間に形成される。接続部分119は、ウエブ形状である。接続部分119は、プラグインコネクタ100を移動させて相手方プラグインコネクタ200に接続することができる差込方向Sと平行に延びている。
【0025】
ラッチ装置115の第1の端部116は、コンタクト収容体110に固定的に、特に取り外し不能に取り付けられる。ここに示した実施形態では、ラッチ装置115は、コンタクト収容体110と一体的に形成されている。このように、ラッチ装置115とコンタクト収容体110とを同一材料で形成することができる。例えば、ラッチ装置115およびコンタクト収容体110は、プラスチック材料から、特に同じプラスチック材料から形成することができる。
【0026】
ラッチ装置115は、第2の端部118を介してケーブル収容体111に固定することができる。
図1に示す位置では、ラッチ装置115は、ケーブル収容体111からまだ取り外されており、ラッチ装置115はケーブル収容体111にまだ固定されていない。但し、
図2は、ラッチ装置115がケーブル収容体111に保持されて固定されているラッチ位置を示している。
【0027】
ラッチ装置115をケーブル収容体111に固定するために、第1のラッチアーム120および第2のラッチアーム121がラッチ装置115の第2の端部118に形成される。ラッチ位置では、これら2つのラッチアーム120、121は、
図2に示すように、ケーブル収容体111にラッチすることができる。この目的のために、ケーブル収容体111は、2つのアンダーカット122、123を有し、第1のラッチアーム120が第1のアンダーカット122の後ろに引っ掛かり、第2のラッチアーム121が第2のアンダーカット123の後ろに引っ掛かることができるようにする。
【0028】
ラッチ位置では、ラッチ装置115は、バネ効果を有し、ラッチ装置115がケーブル収容体111とのラッチから外れる危険はない。
【0029】
2つのラッチアーム120、121は、互いに略平行に延びる。ラッチアーム120、121は、互いに離間して形成されている。
【0030】
ラッチアーム120、121はそれぞれ、第1のアーム部124と、第1のアーム部124に隣接する第2のアーム部125とを有する。第2のアーム部125は、それぞれのラッチアーム120、121の自由端を形成する。第2のアーム部125により、ラッチアーム120、121は、ケーブル収容体111のアンダーカット122、123とラッチする、またはアンダーカット122、123でそれぞれラッチする。第2のアーム部125は、第1のアーム部124よりも長さが短い。好ましくは、第2のアーム部125は、第1のアーム部124の長さの半分未満の長さを有する。
【0031】
第2のアーム部125は、第1のアーム部124に対してある角度で2つのラッチアーム120、121に形成される。したがって、ラッチアーム120、121はそれぞれL字形を有する。ここに示した実施形態では、第2のアーム部125は、第1のアーム部124に対してα=90°の角度で形成されている。
【0032】
アンダーカット122、123の輪郭は、ラッチアーム120、121の形状、またはラッチアーム120、121の第2のアーム部125の形状に適合され、第2のアーム部125を有するラッチアーム120、121は、アンダーカット122、123と形状適合様式で係合することができる。2つのアンダーカット122、123の輪郭は、いずれの場合も、アンダーカット122、123の領域で射出成形ツールから簡単に脱型できるように設計されている。
【0033】
2つのアンダーカット122、123は、ケーブル収容体111の第1の端部112上に形成され、その端部で、ケーブル収容体111は、コンタクト収容体110上に配置される。
【0034】
2つのアンダーカット122、123は、ケーブル収容体111の2つの対向する側面126、127に形成され、これらの2つの側面126、127は、差込方向Sに対して横方向に延びる。従って、ラッチ装置115は、ケーブル収容体111の上部に保持されるのではなく、ケーブル収容体111の側面に保持される。ラッチ位置では、ラッチ装置115は、
図2に示すように、その第2の端部118がケーブル収容体111と重なり合う。
【0035】
ラッチ位置に移動するために、ラッチアーム120、121がアンダーカット122、123に引っかかるまで、ラッチアーム120、121は、ケーブル収容体111の2つの側面126、127に沿って側方に案内される。ラッチアーム120、121は、側面126、127に沿って案内されるとバネで開くか、またはラッチアーム120、121がケーブル収容体111によって押し離される。アンダーカット122、123にラッチするとき、ラッチアーム120、121はこのたわんだ位置からバネで戻されるため、ケーブル収容体111はその第1の端部112において2つのラッチアーム120、121の間にしっかりとクランプされる。
【0036】
ラッチ装置115の第2の端部118はまた、把持領域128を有し、それを介してユーザーはラッチ装置115を操作することができる。把持領域128は、2本のラッチアーム120、121の間に延在する。2本のラッチアーム120、121は、それぞれ、第1のアーム部124で把持領域128に直接接続されている。把持領域128は、把持領域128が2つのラッチアーム120、121と共にU字形を形成するように、2つのラッチアーム120、121に対して位置決めされる。したがって、ラッチ装置の第2の端部118は、一種の弓形形状を有する。
【0037】
接続部分119と共に、把持領域128はT字形を形成する。把持領域128は、接続部分119と同一平面内にある。2本のラッチアーム120、121はそれぞれ、接続部分119および把持領域128によって画定される平面を横断して形成される平面内に延在する。
【0038】
把持領域128は、円弧形状、ここでは半円形状を有する。把持領域128の半円形状の弓形部分は、ラッチ装置115の第1の端部116から離れるように向けられている。
【0039】
図3は、ケーブル収容体111がない、ラッチ装置115を有するコンタクト収容体110を示す。ラッチ装置115の特別な設計により、ケーブル収容体111は、ラッチ装置115およびコンタクト収容体111とは別に製造することができ、その設計に関して、ケーブル収容体111は、
図4から
図8の例に見られるように、大きな追加費用なしでより様々なバリエーションを実現することができる。
【0040】
図4から
図8に示した実施形態では、コンタクト収容体110とラッチ装置115は、常に同一の設計である。但し、ケーブル収容体111は、ケーブル400のケーブル取り出し方向が異なる設計になっている。
【0041】
図4に示される実施形態では、ケーブル収容体111の2つの端部112、113は、互いに一直線上に配置され、したがって、互いに180°の角度で配置される。
【0042】
しかし、
図5から
図8に示される実施形態では、第2の端部113は、ケーブル収容体111の第1の端部112に対して角度を成して形成され、2つの端部112、113は、すべての実施形態において互いに90°の角度で延在する。
【0043】
図9は、
図1および
図2に示されるようなプラグインコネクタ100と、相手方プラグインコネクタ200とを有するプラグインコネクタ構成300を概略的に示す。相手方プラグインコネクタ200は、プラグインコネクタ100がそのコンタクト収容体110と共に、そして少なくともいくつかの領域において、ラッチ装置115と共に挿入され得る受容開口部210を有する。受容開口部210には、プラグインコネクタ100を相手方プラグインコネクタ200に保持するために、挿入位置でプラグインコネクタ100のラッチ装置115と相互作用する相手方ラッチ素子211が形成される。
【0044】
100 プラグインコネクタ
110 コンタクト収容体
111 ケーブル収容体
112 第1の端部
113 第2の端部
114 開口部
115 ラッチ装置
116 第1の端部
117 差込面
118 第2の端部
119 接続部分
120 ラッチアーム
121 ラッチアーム
122 アンダーカット
123 アンダーカット
124 第1のアーム部
125 第2のアーム部
126 側面
127 側面
128 把持領域
200 相手方プラグインコネクタ
210 受容開口部
211 相手方ラッチ素子
300 プラグインコネクタ構成
400 ケーブル
S 差込方向
α 角度