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特許7523593電池モジュールおよびこれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/647 20140101AFI20240719BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240719BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240719BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20240719BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240719BHJP
【FI】
H01M10/647
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/653
H01M50/204 401H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022576863
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2021017582
(87)【国際公開番号】W WO2022124660
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0172059
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ボスン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スンタク・ファン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-513666(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0068479(KR,A)
【文献】特開2018-041585(JP,A)
【文献】特表2021-524137(JP,A)
【文献】特表2020-536988(JP,A)
【文献】特開2003-007276(JP,A)
【文献】特表2020-523749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/647
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/653
H01M 50/204
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体を囲み、下側に開放部が形成されたモジュールフレームと、
前記開放部内に形成されて前記電池セル積層体と接する熱伝導性樹脂層とを含み、
前記モジュールフレームは、前記電池セル積層体の上部を覆う上部面と、前記上部面の両側から延びて前記電池セル積層体の両側面を覆う一対の側面部とを含み、
前記開放部は、前記一対の側面部の底辺と、前記底辺の両端部から前記一対の側面部の間を横切るように形成される一対の棒部とによって囲まれている電池モジュール。
【請求項2】
前記熱伝導性樹脂層は、前記開放部を満たすように構成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記モジュールフレームは、アルミニウム材質からなる、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記上部面、前記一対の側面部、および前記一対の棒部は、一体からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の複数の電池モジュールと、
前記複数の電池モジュールを収納するパックフレームとを含む電池パック。
【請求項6】
前記開放部を介して、前記熱伝導性樹脂層は、前記パックフレームと接触する、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記複数の電池モジュールは、互いに離隔している、請求項5または6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記複数の電池モジュールに対向する前記パックフレームの面積は、前記複数の電池モジュールの面積より大きい、請求項5~7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池セル積層体から発生した熱は、前記熱伝導性樹脂層を介して前記パックフレームに直接伝達される、請求項5~8のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池モジュールと前記パックフレームとの間には、熱伝導性樹脂層以外に他の熱伝達部材が配置されない、請求項5~9のいずれか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年12月10日付の韓国特許出願第10-2020-0172059号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、冷却性能が改善された電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化されるにつれ、このようなモバイル機器に関連する分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方策で、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられていることから、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池には、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いというメリットにより注目されている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースとを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類される。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって、容量および出力が向上する。また、1つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合、爆発や発火の危険もある。特に、多数の二次電池、つまり、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で多数の電池セルから出る熱が合わされて温度がさらに速くて激しく上昇しうる。言い換えれば、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易ではない。電池セルの放熱がうまく行われない場合、電池セルの劣化が速くなるにつれて寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用バッテリパックに含まれるバッテリモジュールの場合、直射光線によくさらされ、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれる。
【0010】
したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的でありながらも効果的な冷却性能を確保することは大変重要であるといえる。
【0011】
図1は、従来の電池モジュールに対する斜視図であり、図2は、図1の切断線II-II’に沿った断面図である。特に、図2は、電池モジュールの下に位置した熱伝達部材およびパックフレームを追加的に示した。
【0012】
図1および図2を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が積層されて電池セル積層体12を形成し、電池セル積層体12は、モジュールフレーム20に収納される。
【0013】
先に説明したように、複数の電池セル11を含むため、電池モジュール10は、充放電過程で多量の熱を発生させる。冷却手段として、電池モジュール10は、電池セル積層体12とモジュールフレーム20の底部21との間に位置した熱伝導性樹脂層30を含むことができる。また、電池モジュール10がヒートシンクを含むパックフレーム50に装着されて電池パックを形成する時、電池モジュール10の下に熱伝達部材40とパックフレーム50が順次に位置することができる。熱伝達部材40は、放熱パッドであってもよい。パックフレーム50は、ヒートシンクとして作用するように内部に冷媒流路が形成される。
【0014】
電池セル11から発生した熱が、熱伝導性樹脂層30、モジュールフレーム20の底部21、熱伝達部材40およびパックフレーム50を順次に経て、電池モジュール10の外部に伝達される。
【0015】
しかし、従来の電池モジュール10の場合、前記のように熱伝達経路が複雑で、電池セル11から発生した熱が効果的に伝達されにくい。モジュールフレーム20自体が熱伝導特性を低下させることがある。また、モジュールフレーム20、熱伝達部材40およびパックフレーム50それぞれの間に形成されうるエアギャップ(Air gap)などの微細な空気層が熱伝達特性を低下させる要因になりうる。
【0016】
電池モジュールについては小型化や容量増大といった他の要求が続いているので、冷却性能は高めながらもこのような多様な要求事項を併せて満たしうる電池モジュールを開発することが実質的に必要であるといえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、熱伝達経路を単純化して、冷却性能が改善された電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0018】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体を囲み、下側に開放部が形成されたモジュールフレームと、前記開放部内に形成されて前記電池セル積層体と接する熱伝導性樹脂(Thermal resin)層とを含み、前記モジュールフレームは、前記電池セル積層体の上部を覆う上部面と、前記上部面の両側から延びて前記電池セル積層体の両側面を覆う一対の側面部とを含み、前記開放部は、前記一対の側面部の下側短辺と、前記下側短辺の両端部から前記一対の側面部の間を横切るように形成される一対の棒部とによって囲まれている。
【0020】
前記熱伝導性樹脂層は、前記開放部を満たすように構成される。
【0021】
前記モジュールフレームは、アルミニウム材質からなる。
【0022】
前記上部面、前記一対の側面部、および前記一対の棒部は、一体になる。
【0023】
本発明の他の実施例による電池パックは、複数の前述した電池モジュールと、前記複数の電池モジュールを収納するパックフレームとを含む。
【0024】
前記開放部を介して、前記熱伝導性樹脂層は、前記パックフレームと接触することができる。
【0025】
前記複数の電池モジュールは、互いに離隔している。
【0026】
前記複数の電池モジュールに対向する前記パックフレームの面積は、前記複数の電池モジュールの面積より大きい。
【0027】
前記電池セル積層体から発生した熱は、前記熱伝導性樹脂層を介して前記パックフレームに直接伝達される。
【0028】
前記電池モジュールと前記パックフレームとの間には、熱伝導性樹脂層以外に他の熱伝達部材が配置されない。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施例によれば、モジュールフレームの下側で開放部を介して電池セル積層体と直接接触する熱伝導性樹脂層を介して直接熱伝達可能にして熱伝達経路を単純化することにより、電池モジュールおよびこれを含む電池パックの冷却性能を高めることができる。また、不必要な冷却構造を除去してコスト節減が可能であり、空間活用度を高めることが可能で、電池モジュールの容量や出力を増大させることができる。
【0030】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来の電池モジュールに対する斜視図である。
図2図1の切断線II-II’に沿った断面図である。
図3】本発明の一実施例による電池モジュールに対する分解斜視図である。
図4図3の電池モジュールに含まれているモジュールフレームに対する斜視図である。
図5図3の電池モジュールの結合状態での断面を示す図である。
図6】本発明の一実施例による電池パックに対する斜視図である。
図7図6の切断線A-A’に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0033】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0034】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0035】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上に」位置することを意味するのではない。
【0036】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0037】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0038】
以下、図3図5を参照して、本発明の一実施例による電池モジュールについて説明する。
【0039】
図3は、本発明の一実施例による電池モジュールに対する分解斜視図である。図4は、図3の電池モジュールに含まれているモジュールフレームに対する斜視図である。図5は、図3の電池モジュールの結合状態での断面を示す図である。つまり、y軸に平行な方向に切断した断面を示す図である。
【0040】
図3図5を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120と、電池セル積層体120を囲み、下側に開放部200pが形成されたモジュールフレーム200と、開放部200p内に配置されて電池セル積層体120の下部と接する熱伝導性樹脂層400とを含む。
【0041】
電池セル積層体120は、一方向に積層された複数の電池セル110を含み、複数の電池セル110は、図3に示しているように、Y軸方向に積層される。電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましい。それぞれの電池セル110に含まれている電極リード111は、正極リードまたは負極リードであり、各電池セル110の電極リード111は、端部が一方向に曲がり、これによって隣接した他の電池セル110が有する電極リードの端部と当接することができる。互いに当接した2つの電極リード111は、互いに溶接などにより固定され、これによって電池セル積層体120内部の電池セル110間の電気的連結が行われる。
【0042】
モジュールフレーム200は、下側(-z軸方向)に開放部200pが形成され、これによって、電池セル積層体120が開放部200pを介して下側方向に露出する。具体的には、モジュールフレーム200は、電池セル積層体120の上面をカバーする上部面230と、上部面230の両側から延びて電池セル積層体120の両側面をそれぞれカバーする一対の側面部220とを含む。一対の側面部220は、それぞれ上部面230の両端部から下向延長(つまり、図面にて-z軸方向)されて形成される。
【0043】
一方、モジュールフレーム200は、一対の側面部220の下側短辺220aの両端部から、一対の側面部220の間を横切るように形成された一対の棒部210を含む。つまり、図3および図4にて、下側短辺220aの両端部、つまり、x軸方向の端部から、一対の側面部220の間を横切るようにy軸方向に沿って延びる一対の棒部210を含む。これによって、電池セル積層体120の下面は、モジュールフレーム200によって覆われず、一対の下側短辺220aおよび一対の棒部210によって定義される開放部200pによって露出する。
【0044】
開放部200p内には、熱伝導性樹脂層400が形成される。熱伝導性樹脂層400は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的には、シリコーン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材の少なくとも1つを含むことができる。このような前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する1つ以上の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュール100の外部に伝達して、電池モジュールの過熱を防止することができる。一方、本発明の実施例では、熱伝導性樹脂層400が電池セル積層体120の下面に均一に形成されたものとして示したが、これに限定されず、熱発生が集中する部位により厚く形成するか、複数の熱伝導性樹脂層を離隔して配置してもよい。
【0045】
本実施例において、熱伝導性樹脂層400は、開放部200p内に熱伝導性樹脂を塗布するか、または後述のように熱伝導性樹脂層400と接するパックフレーム1100に熱伝導性樹脂を塗布した後、電池モジュール100を配置し、硬化させることによって形成される。この過程で、熱伝導性樹脂層400は、開放部200p内を満たすように形成される。特に、開放部200pは、上述のように、一対の下側短辺220aおよび一対の棒部210によって定義されて区画されているため、熱伝導性樹脂が完全に硬化する前に、一緒に一対の下側短辺220aおよび一対の棒部210が熱伝導性樹脂が位置できるようにダムの役割を果たして量産性を高めることができる。
【0046】
一方、モジュールフレームを構成する上部面230、一対の側面部220、一対の棒部210は、一体になる。つまり、1つの金属部材を加工して、上部面230、一対の側面部220、一対の棒部210を含むモジュールフレーム200を製造することができる。あるいは、板状の金属部材を加工して上部面230、一対の側面部220を形成した後、一対の棒部210を溶接により付着させることによって一体型のモジュールフレームを形成することができ、特に限定されるものではない。
【0047】
一方、本実施例による電池モジュール100は、エンドプレート500を含むことができる。エンドプレート500は、電池セル積層体120の前面(x軸方向)と後面(-x軸方向)に位置して電池セル積層体120をカバーするように形成される。このようなエンドプレート500は、外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他の電装品を物理的に保護することができる。エンドプレート500には、LVコネクタやターミナルバスバーを外部に露出させる開口部が形成され、これによって、LVコネクタやターミナルバスバーの外部連結を案内して、電池モジュール100のLV(Low voltage)連結やHV(High voltage)連結を形成することができる。
【0048】
モジュールフレーム200とエンドプレート500は、外部衝撃や振動などから電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために、モジュールフレーム200とエンドプレート500は、所定の強度を有する金属材質を含むことができる。特に、モジュールフレーム200は、金属材質の中でも優れた放熱性能および軽量特性のアルミニウム材質からなる。モジュールフレーム200とエンドプレート500は、互いに対応する角が接触した状態で溶接などによって結合されて、その内部に電池セル積層体120を収納することができる。
【0049】
一方、電池セル積層体120とエンドプレート500との間には、バスバー610が装着されるバスバーフレーム600が位置することができる。電池セル積層体120の前面(y軸方向)と後面(-y軸方向)方向に電池セル110の電極リード111がそれぞれ突出し、電極リード111がバスバー610やバスバーフレーム600に形成されたスリットを通過することができる。以後、電極リード111が曲がってバスバー610と溶接などの方法で接合できる。具体的に図示しないが、バスバーフレーム600とエンドプレート500との間には、電気的絶縁のための絶縁カバーなどが位置することができる。
【0050】
このように、本発明の一実施例による電池モジュール100は、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200の下部に、開放部200pを含み、特に開放部200pが一対の側面部の下側短辺220aおよび一対の棒部210によって囲まれており、このような開放部200p内に熱伝導性樹脂層400を形成することによって、量産性を向上させることができ、電池モジュール100自体の重量を減少させることができるだけでなく、後述のように、電池パック1000で構成した時、電池モジュール100の外部への熱伝達効率を向上させることができる。
【0051】
以下、図6および図7などをさらに参照して、上述した電池モジュール100を含む電池パック1000について詳しく説明する。
【0052】
図6は、本発明の一実施例による電池パックに対する斜視図である。図7は、図6の切断線A-A’に沿った断面図である。
【0053】
図3図5図7を参照すれば、本発明の一実施例による電池パック1000は、複数の電池モジュール100と、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100とを含む。
【0054】
まず、パックフレーム1100は、図6に示しているように平板状に形成されるが、これに限定されず、電池モジュール100を囲む側壁部乃至複数の電池モジュール100の間に形成される隔壁部などをさらに含むことができる。同時に、図示しないが、パックフレーム1100の内部には、放熱機能を行えるように冷媒流路が形成される。また、パックフレーム1100の面積は、複数の電池モジュール100の下部面積より大きく形成され、これによって追加的に必要な部品などをさらに収納することができる。
【0055】
電池モジュール100は、パックフレーム1100上に収納されて固定される。複数の電池モジュール100は、互いに離隔して配置される。この時、電池セル積層体120と接触するように形成された熱伝導性樹脂層400は、モジュールフレーム200の開放部200pを介して、パックフレーム1100と直接接触することができる。
【0056】
図1および図2で説明したように、従来の電池モジュール10の場合、電池セル11から発生した熱が、熱伝導性樹脂層30、モジュールフレーム20の底部21、熱伝達部材40およびパックフレーム50に順次に伝達される。この場合、熱伝達経路が複雑で、電池セル11から発生した熱が効果的に伝達されにくく、モジュールフレーム20、熱伝達部材40およびパックフレーム50それぞれの間に形成されうるエアギャップ(Air gap)などの微細な空気層が熱伝達を妨げることができる。
【0057】
これとは異なり、本実施例による電池パック1000において、電池セル積層体120がモジュールフレーム200の開放部200pを介して熱伝導性樹脂層400と接触し、熱伝導性樹脂層400の反対面はパックフレーム1100と接触するため、電池セル110から発生した熱が熱伝導性樹脂層400およびパックフレーム1100に直接伝達される。つまり、電池モジュール100の下側方向への熱伝達経路が単純化され、エアギャップなどの空気層の発生の可能性を大きく低減することができる。したがって、電池モジュール100およびこれを含む電池パック1000の冷却性能を高めることができる。
【0058】
また、電池モジュール100とパックフレーム1100との間に、熱伝導性樹脂層400以外に他の熱伝達部材が配置されないため、不必要な冷却構造を除去してコスト節減が可能である。さらに、電池パック1000の高さ方向に対する部品の個数が少なくなるため、空間活用度を高めることが可能で、電池モジュールの容量や出力を増大させることができる。
【0059】
本実施例において、前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などに応じて異なる。
【0060】
上述した本実施例による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0061】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用可能である。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0063】
100:電池モジュール
200:モジュールフレーム
200p:開放部
210:一対の棒部
220:一対の側面部
400:熱伝導性樹脂層
1000:電池パック
1100:パックフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7