(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】映像処理装置、映像処理方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/66 20060101AFI20240719BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/18 20060101ALI20240719BHJP
H04N 7/01 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H04N5/66 D
G09G5/00 520W
G09G5/00 510X
G09G5/377 100
G09G5/00 510S
G09G5/14 A
G09G5/18
G09G5/00 555D
H04N7/01 270
(21)【出願番号】P 2023075152
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2018076372の分割
【原出願日】2018-04-11
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠一
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-111936(JP,A)
【文献】特開2003-099173(JP,A)
【文献】特開2012-118563(JP,A)
【文献】特開2006-203334(JP,A)
【文献】特開2015-195572(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2002-0078338(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/66
H04N 7/01
H04N 9/12
H04N 5/04
H04N 5/232
H04N 5/262
H04N 7/18
G09G 3/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部と、フレームレート設定部とを備えた映像処理装置であって、
上記取得部は、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号を取得し、
上記フレームレート設定部は、上記複数の映像信号の示す映像を同一の画面に表示させる場合において、
上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記第1の映像信号及び上記第2の映像信号の共通フレームレートを、上記第1の映像信号のフレームレートに設定し、
上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記共通フレームレートを、上記第2の映像信号のフレームレートに設定する
ことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
装置によって実行され、取得ステップと、フレームレート設定ステップとを含む映像処理方法であって、
上記取得ステップでは、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号が取得され、
上記フレームレート設定ステップでは、上記複数の映像信号の示す映像を同一の画面に表示させる場合において、
上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記第1の映像信号及び上記第2の映像信号の共通フレームレートは、上記第1の映像信号のフレームレートに設定され、
上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記共通フレームレートは、上記第2の映像信号のフレームレートに設定される
ことを特徴とする映像処理方法。
【請求項3】
請求項
1に記載の映像処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記取得部及び上記フレームレート設定部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一様態は、映像処理装置、映像処理方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置の表示画面の一部又は全部に、上記表示装置自体、又は上記表示装置に接続された外部機器の設定メニュー等を適宜重畳して表示するOSD(On Screen Display)という機能が従来技術として知られている。また、フレーム間隔が変動し得る、可変フレームレートの映像信号を入出力可能な機器が従来技術として知られている。
【0003】
以下の特許文献1では、フレームレートの異なる動画等を合成表示することのできる映像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許3961693号公報(2000年4月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、例えばディスプレイの表示画面に、当該ディスプレイ自体の設定画面を重畳して表示させた場合に、ユーザが注視する当該設定画面の映像フレームの一部が欠落し、映像品位が低下する場合がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザがより注視する画面の映像品位の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る映像処理装置は、取得部と、フレームレート設定部とを備えた映像処理装置であって、上記取得部は、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号を取得し、上記フレームレート設定部は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合において、上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記第1の映像信号及び上記第2の映像信号の共通フレームレートを、上記第1の映像信号のフレームレートに設定し、上記第2の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比が、上記第1の映像信号が示す映像の上記画面に占める面積比よりも大きいときは、上記共通フレームレートを、上記第2の映像信号のフレームレートに設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ユーザがより注視する画面の映像品位の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係るテレビジョン受像機の機能ブロック図である。
【
図2】可変フレームレートの第1の映像信号と、固定フレームレートの第2の映像信号とが示す映像を、同一画面に表示させた場合の各フレームの表示例を示す図である。
【
図3】実施形態1の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】可変フレームレートの第1の映像信号と、固定フレームレートの第2の映像信号及び第3の映像信号とが示す映像を、同一画面に表示させた場合の各フレームの表示例を示す図である。
【
図5】フレームレートの設定例3及び4における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】フレームレートの設定例5における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】実施形態2における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施形態2に係る画面の表示例を示す図である。
【
図9】実施形態3に係る画面の表示例を示す図である。
【
図10】表示されている何れかの画面がユーザの操作対象である場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について
図1~
図10を参照して説明すれば以下の通りである。
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図3を参照して説明する。本実施形態においては、複数の映像信号が示す各映像を、同一の画面に表示させる場合におけるフレームレートの設定例について説明する。なお、本明細書においては、上述した場合におけるフレームレートを、共通フレームレートと適宜呼称する。
【0012】
(テレビジョン受像機1の構成)
図1は、本実施形態に係るテレビジョン受像機1の機能ブロック図である。
図1に示す通り、テレビジョン受像機1は、映像処理装置10、テレビ制御部2、OSD生成部4、及び表示部5を備える。
【0013】
映像処理装置10は、入力された複数の映像信号を同一画面に表示させる場合の映像信号を供給する装置であって、装置制御部11を備える。
【0014】
装置制御部11は、映像処理装置10全体を統括する制御装置であって、取得部12及びフレームレート設定部13としても機能する。また、装置制御部11は、入力される映像信号が示す映像を重畳、又は一画面の映像に統合する機能を有し、且つ、入力される映像信号のフレームレートを計測する機能を有していてもよい。或いは複数の映像信号を重畳、又は一画面の映像に統合する処理は、テレビ制御部2が行う構成でもよい。
【0015】
取得部12は、映像信号の取得を行う。本実施形態において、取得部12は、フレーム間隔が変動し得る、つまり可変フレームレートの第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない、つまり固定フレームレートの第2の映像信号とを取得する。フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号が示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを設定する。
【0016】
なお、入力される映像信号が単数である場合、映像処理装置10は、フレームレートに関する新たな設定を別途行わず当該映像信号をそのまま出力してもよい。
【0017】
テレビ制御部2は、テレビジョン受像機1全体を統括する制御装置であって、表示制御部3としても機能する。表示制御部3は、表示部5による表示処理に係る処理を行う。
【0018】
OSD生成部4は、OSD画面の生成を行う。OSD画面の一例としては、テレビジョン受像機1の明るさ等を設定する設定画面であって、表示部5の一部に表示される設定画面等が挙げられる。
【0019】
なお、上述の記載は、当該設定画面が表示部5の全部に表示されることを妨げない。また、当該設定画面を示す映像信号は、上述した第2の映像信号に相当する。また、ユーザは、
図1には図示しない、テレビジョン受像機1のボタン、又はリモコン等を操作して、当該設定画面の操作を行う。表示部5は、動画像を表示する表示パネルである。なお、本明細書において画面とは、表示部5の一部の表示領域を意味する場合もあるし、表示部5の画面全体を意味する場合もあるものとする。
【0020】
映像出力装置100は、映像信号を出力するゲーム機等の装置である。なお、映像出力装置100が出力する映像信号は、フレーム間隔が、例えば内蔵するGPU処理の負荷等の要因によって変動し得る。また、当該映像信号は、映像出力装置100が生成してもよい。
【0021】
なお、テレビジョン受像機1が備える各部材は、単数であることに限定されず、複数の当該部材を備える構成でもよい。
【0022】
(フレームレートの設定例1)
以下、本実施形態の基本となる共通フレームレートの設定例であって、複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合における共通フレームレートの設定例について、
図2を参照して説明する。
【0023】
図2の各図は、可変フレームレートの第1の映像信号と、固定フレームレートの第2の映像信号とが示す映像を、同一画面に表示させた場合の各フレームの表示例を示す図である。
図2の各図において、Video1 inは第1の映像信号に対応し、Video2 inは第2の映像信号に対応する。また、Displayは、表示部5に対応する。また、横軸は時間を表し、点線は、ディスプレイが固定リフレッシュレートで画面を表示させた場合のリフレッシュ間隔を表す。
図2(a)は、入力される映像信号の各フレーム間隔が、ディスプレイのリフレッシュ間隔よりも小さい場合における各フレームの表示例を示す図である。
図2(a)は、映像を表示させた場合に、各フレームに欠落が無く、遅延も生じていない理想的な状態を示している。
【0024】
図2(b)は、入力される第1の映像信号のフレーム間隔の一部が、ディスプレイのリフレッシュ間隔よりも大きくなった場合であって、第1の映像信号のフレームレートを、共通フレームレートに設定した場合における各フレームの表示例を示す図である。なお、可変フレームレートの映像信号のフレームレートを共通フレームレートにする場合、ディスプレイは可変的なタイミングで走査を行う機能を有するものとし、以下同様とする。
【0025】
図2(b)に示す例においては、第1の映像信号のフレーム5の読み込みが終了した時点で第2の映像信号のフレームFの読み込みが終了しており、フレーム5とフレームFが同時に表示されることによりフレームEが欠落する。
【0026】
図2(c)は、入力される第1の映像信号のフレーム間隔の一部が、ディスプレイのリフレッシュ間隔よりも大きくなった場合であって、第2の映像信号のフレームレートを共通フレームレートに設定した場合における各フレームの表示例を示す図である。
【0027】
図2(c)に示す例においては、第1の映像信号に由来するフレームにはラグ、つまり遅延が生じているが、第2の映像信号に由来するフレームには、ラグも欠落も生じていない。例えば、第2の映像信号が示す映像が、ディスプレイの設定画面である場合、当該設定画面はユーザの所定の操作に起因して表示され、ユーザは、当該設定画面を他の表示領域よりも注視するものと推定される。
図2(c)に示す構成によって、ユーザが注視すると推定される映像であって第2の映像信号が示す映像の映像品位の低下を抑制できる。
【0028】
(処理の流れ)
図1の構成を用いた本実施形態における処理の流れについて、
図1~
図3を参照してステップごとに説明する。
図3は、本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
(S101)
ステップS101において、取得部12は、各映像信号を取得する。具体的には、取得部12は、映像出力装置100から、映像出力装置100が出力する第1の映像信号であって、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号を取得し、OSD生成部4が生成した、OSD画面を示す第2の映像信号であって、固定フレームレートの第2の映像信号を取得する。
【0030】
(S102)
続いて、ステップS102において、フレームレート設定部13は、ステップS101において取得部12が取得した各映像信号の共通フレームレートを、
図2(c)に示すように、第2の映像信号のフレームレートに設定する。
【0031】
(S103)
続いて、ステップS103において、装置制御部11は、各映像信号が示す映像を同一画面に表示させた映像を示す映像信号をテレビ制御部2に供給する。
【0032】
(S104)
続いて、ステップS104において、表示制御部3は、ステップS103において装置制御部11から供給された映像信号が示す映像を表示部5に表示させる。
【0033】
以上が、
図3のフローチャートに基づく処理の流れである。上記の構成によれば、ユーザがより注視する画面の映像品位の低下を抑制することができる。
【0034】
以上が、
図3のフローチャートに基づく処理の流れである。
【0035】
このように、映像処理装置10は、取得部12と、フレームレート設定部13とを備えた映像処理装置10であって、取得部12は、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号を取得し、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記複数の映像信号が示す何れかのフレーム間隔に対応するフレームレートに設定する。また、後述するように、映像処理装置10は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、当該フレームレートを定数倍して得られるフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、ユーザがより注視する画面の映像品位の低下を抑制することができる。
【0036】
(フレームレートの設定例2)
以下、共通フレームレートの第2の設定例であって、映像処理装置10に、複数の固定フレームレートの映像信号が入力される場合の共通フレームレートの設定例について説明する。なお、本例及び以降のフレームレートの設定例において説明する、上記共通フレームレートを設定する処理は、上述のステップS102の処理に相当する。また、本例に係る取得部12は、第1の映像信号及び第2の映像信号に加え、固定フレームレートの第3の映像信号を取得する。なお、第3の映像信号の取得元は、テレビジョン受像機1の内部と外部とのどちらでもよい。
【0037】
図4の各図は、可変フレームレートの第1の映像信号と、固定フレームレートの第2の映像信号及び第3の映像信号とが示す映像を、同一画面に表示させた場合の各フレームの表示例を示す図である。
図4の各図において、Video3 inは、第3の映像信号に対応する。
【0038】
図4(a)は、各映像信号の共通フレームレートを、第1の映像信号のフレームレートに設定した場合における各フレームの表示例を示す図である。
図4(a)に示す例においては、第3の映像信号のフレームeが欠落している。
図4(b)は、共通フレームレートを、第2の映像信号のフレームレートに設定した場合における各フレームの表示例を示す図である。
図4(b)に示す例においては、第1の映像信号のフレーム2及び3、並びに第3の映像信号のフレームa、c及びeが欠落している。
【0039】
図4(c)は、共通フレームレートを、第3の映像信号のフレームレート、換言すると、固定フレームレートの映像信号のうち、最も高いフレームレートを有する映像信号のフレームレートに設定した場合における各フレームの表示例を示す図である。
図4(c)に示す例においては、第1の映像信号にラグが生じているものの、固定フレームレートの第2の映像信号及び第3の映像信号は、安定した表示が行われる。ここで、第2の映像信号においては、映像処理装置10に入力されるフレーム間隔通りの表示が行われ、ラグは生じていない。
【0040】
ユーザが固定フレームレートの映像信号が示す映像を注視すると推定される場合、
図4(c)のように、固定フレームレートの映像信号のうち、最も高いフレームレートを有する映像信号のフレームレートに設定してもよい。
【0041】
換言すると、フレームレート設定部13は、複数の映像信号にフレーム間隔が変動しない映像信号が複数含まれる場合に、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記フレーム間隔が変動しない映像信号のうち、最も高いフレームレートを有する映像信号のフレームレートに設定してもよい。
【0042】
上記の構成によれば、フレーム間隔が変動しない映像信号が示す映像の映像品位の低下を抑制できる。
【0043】
(フレームレートの設定例3)
以下、共通フレームレートの第3の設定例について、
図1及び
図5を参照して説明する。本例においては、共通フレームレートを所定の閾値以上に設定する構成について説明する。
【0044】
本例における処理の流れについて、
図1及び
図5を参照してステップごとに説明する。
図5(a)は、本例における処理の流れを示すフローチャートである。以下、可変フレームレートの第1の映像信号が示す映像の表示中に、固定フレームレートの第2の映像信号が示すOSD画面を表示する場合を想定して説明を行う。
【0045】
(S101)
ステップS101において、取得部12は、各映像信号を取得する。具体的には、取得部12は、映像出力装置100から、映像出力装置100が出力する第1の映像信号であって、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号を取得し、OSD生成部4が生成した、OSD画面を示す第2の映像信号であって、固定フレームレートの第2の映像信号を取得する。本ステップの処理が実行されたのち、続いて、ステップS202の処理が実行される。
【0046】
(S202)
続いて、ステップS202においては、装置制御部11が、第2の映像信号のフレームレートの周波数の値であるnが所定の閾値N以上であるか否かを判定する。ここで、n及びNは1以上の整数である。第2の映像信号のフレームレートnが閾値N以上である場合、続いてステップS203の処理が実行され、閾値Nに満たない場合、続いてステップS204の処理が実行される。
【0047】
(S203)
ステップS203においては、フレームレート設定部13が、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、第2の映像信号のフレームレートに設定する。本ステップの処理が実行されたのち、続いてステップS103の処理が実行される。
【0048】
(S204)
ステップS204においては、フレームレート設定部13が、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、引き続き第1の映像信号のフレームレートに設定する。本ステップの処理が実行されたのち、続いてステップS103の処理が実行される。
【0049】
(S103)
続いて、ステップS103において、装置制御部11は、各映像信号が示す映像を同一画面に表示させた映像を示す映像信号をテレビ制御部2に供給する。
【0050】
(S104)
続いて、ステップS104において、表示制御部3は、ステップS103において装置制御部11から供給された映像信号が示す映像を表示部5に表示させる。
【0051】
(フレームレートの設定例4)
フレームレートの設定例3において上述した処理の流れにおいて、
図5(b)に示すように、ステップS204に代わり、以下のステップS205が実行される構成でもよい。
【0052】
(S205)
ステップS205においては、フレームレート設定部13が、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、事前に設定された所定の固定フレームレートに設定する。そして装置制御部11は、第1の映像信号及び第2の映像信号が示す映像を同一画面に表示させる場合の映像を示す映像信号をテレビ制御部2に供給する。本ステップの処理が実行されたのち、続いてステップS103の処理が実行される。
【0053】
フレームレートの設定例3及び4において上述したように、フレームレート設定部13は、第2の映像信号のフレームレートが所定の閾値に満たない場合、複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、第1の映像信号のフレームレート、又は予め設定された所定のフレームレートに設定してもよい。
【0054】
上記の構成によれば、上記閾値以上のフレームレートによって映像が表示されるので、過剰なフレームレートの低下による映像品位の低下を抑制できる。
【0055】
(フレームレートの設定例5)
フレームレートの設定例3において上述した処理の流れにおいて、
図6に示すように、ステップS204に代わり、以下のステップS206及びステップS207が実行される構成でもよい。
【0056】
図6は、本例における処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
(S206)
ステップS206において、フレームレート設定部13は、第2の映像信号のフレームレートn及び所定の閾値Nに関して、k・n>=Nを満たす最小のkの値を算出する。なおkは2以上の整数である。
【0058】
(S207)
続いてステップS207において、フレームレート設定部13は、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、ステップS206におけるk・nの値に設定する。本ステップの処理が実行されたのち、続いてステップS103の処理が実行される。
【0059】
このように、フレームレート設定部13は、第2の映像信号のフレームレートが所定の閾値に満たない場合、複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、当該フレームレートを定数倍して得られるフレームレートであって、上記閾値以上となるフレームレートに設定してもよい。
【0060】
上記の構成によれば、上記閾値以上のフレームレートによって映像が表示されるので、過剰なフレームレートの低下による映像品位の低下を抑制できる。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、
図1、
図7及び
図8を参照して説明する。本実施形態においては、共通フレームレートを、各映像信号が示す映像の面積比に応じて設定する構成について説明する。なお便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0062】
(テレビジョン受像機1の構成)
本実施形態においても
図1に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る装置制御部11は、入力される複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合における、各映像が画面に占める面積比を算出する機能を有する。
【0063】
(処理の流れ)
本実施形態における処理の流れについて、
図1、
図7及び
図8を参照してステップごとに説明する。
図7は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
(S101)
ステップS101においては、実施形態1と同様の処理が実行される。本ステップの処理が実行されたのち、続いて、ステップS302の処理が実行される。
【0065】
(S302)
続いて、ステップS302において、装置制御部11は、ステップS101において取得部12が取得した第1の映像信号及び第2の映像信号が示す映像を同一画面に表示させる場合における、各映像が画面に占める面積比を算出する。なお、装置制御部11が当該面積比を算出する方法は、特定の方法に限定されない。例えば、装置制御部11は、各映像信号に含まれるメタデータ、又は、各映像信号に付随して取得する映像信号を参照し、当該面積比を算出してもよい。
【0066】
(S303)
続いて、ステップS303において、装置制御部11は、ステップS302において算出した、各映像が画面に占める面積比を比較し、何れの映像の面積比が大きいかを判定する。
図8の各図は、本実施形態に係る画面の表示例を示す図である。
図8の各図において、Video1は、第1の映像信号が示す映像を対応し、Video2は、第2の映像信号が示す映像に対応する。
図8の各図に示すように、各映像の画面の形状は必ずしも矩形でなくともよい。
【0067】
第1の映像信号が示す映像の面積比が、第2の映像信号が示す映像の面積比よりも大きい場合は、続いてステップS304の処理が実行され、第2の映像信号が示す映像の面積比の方が大きい場合は、続いてステップS305の処理が実行される。
なお、各映像の面積比が等しい場合には、続いてステップS304とステップS305との何れのステップの処理が実行されてもよい。
【0068】
(S304)
ステップS304において、フレームレート設定部13は、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、第1の映像信号のフレームレートに設定する。そして装置制御部11は、第1の映像信号及び第2の映像信号が示す映像を同一画面に表示させる場合の映像を示す映像信号をテレビ制御部2に供給する。
【0069】
(S305)
ステップS305において、フレームレート設定部13は、第1の映像信号及び第2の映像信号の共通フレームレートを、第2の映像信号のフレームレートに設定する。
【0070】
(S103及びS104)
ステップS103及びステップS104においては、実施形態1と同様の処理が実行される。
【0071】
このように、フレームレート設定部13は、複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させた場合の、各映像が画面に占める面積比に応じて、設定するフレームレートを決定してもよい。
【0072】
上記の構成によれば、面積比が大きい、メインとなる画面の映像品位の低下を抑制できる。
【0073】
〔実施形態3〕
本実施形態においては、共通フレームレートを、複数の画面あるいは映像からなる結合映像に対応する映像信号のフレームレートに設定する構成について説明する。なお便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0074】
本実施形態においても
図1に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る取得部12は、第1~第5の映像信号を取得する。ここで、第2~第5の映像信号のフレームレートは同一であるものとする。また、第1~第5の映像信号の取得元はテレビジョン受像機1の内部と外部とのどちらでもよい。
【0075】
図9は、本実施形態に係る画面の表示例を示す図である。映像51~55は、それぞれ第1~第5の映像信号に対応する。また、映像52~55は、1つの結合映像を構成する。換言すると、上述した結合映像を分割した左上、右上、左下及び右下の部分の映像が、それぞれ第2、第3、第4及び第5の映像信号に対応する。
【0076】
上記の場合において、フレームレート設定部13は、第1~第5の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合の共通フレームレートを、当該結合映像に対応する映像信号のフレームレートに設定してもよい。
【0077】
このように、フレームレート設定部13は、複数の映像信号の一部又は全部が示す映像が、複数の映像信号に対応する結合映像を構成する場合に、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記結合映像に対応する何れかの映像信号のフレームレートに設定してもよい。
また、表示画面内に上述した結合映像が複数存在する場合、フレームレート設定部13は、共通フレームレートを、最も多くの映像信号に対応する結合映像のフレームレートに設定してもよい。上記の構成によれば、上記結合映像の映像品位の低下を抑制できる。
【0078】
〔実施形態4〕
本実施形態においては、共通フレームレートを、ユーザの操作対象である画面あるいは映像に対応する映像信号のフレームレートに設定する構成について説明する。便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
【0079】
本実施形態においても
図1に示す構成を用いる。ただし、本実施形態に係る取得部12は、後述する
図10の各図に示される画面数に等しい数の映像信号を取得する。また、当該映像信号の取得元はテレビジョン受像機1の内部と外部とのどちらでもよい。
【0080】
図10の各図は、表示されている何れかの画面がユーザの操作対象である場合の例を示す図である。ここで、ユーザの操作対象である画面とは、当該画面に表示されたテキストあるいはオブジェクト等を、例えばリモコン操作等によって操作可能な画面を意味する。
【0081】
ユーザの操作対象となる画面は、特定の画面に限定されず、例えば
図10(a)においては、画面61が操作対象、
図10(b)においては、画面62が操作対象、
図10(c)においては、画面63が操作対象となる画面である。
【0082】
上記の場合において、フレームレート設定部13は、共通フレームレートを、ユーザの操作対象である画面に対応する映像信号のフレームレートに設定してもよい。
【0083】
換言すると、フレームレート設定部13は、複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、現時点においてユーザの操作対象である画面に対応する映像信号のフレームレートに設定してもよい。上記の構成によれば、ユーザの操作対象である画面の映像品位の低下を抑制できる。
【0084】
なお、上述した各実施形態は、他の実施形態と組み合わせて実施されてもよい。
【0085】
〔ソフトウェアによる実現例〕
映像処理装置10の制御ブロック(特に取得部12およびフレームレート設定部13)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0086】
後者の場合、映像処理装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0087】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る映像処理装置10は、取得部12と、フレームレート設定部13とを備えた映像処理装置10であって、取得部12は、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号を取得し、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記複数の映像信号が示す何れかのフレーム間隔に対応するフレームレート、又は、当該フレームレートを定数倍して得られるフレームレートに設定する構成である。上記の構成によれば、ユーザがより注視する画面の映像品位の低下を抑制することができる。
【0088】
本発明の態様2に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記第2の映像信号のフレームレートが所定の閾値に満たない場合、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記第1の映像信号のフレームレート、又は予め設定された所定のフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、上記閾値以上のフレームレートによって映像が表示されるので、過剰なフレームレートの低下による映像品位の低下を抑制できる。
【0089】
本発明の態様3に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記第2の映像信号のフレームレートが所定の閾値に満たない場合、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、当該フレームレートを定数倍して得られるフレームレートであって、上記閾値以上となるフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、態様2と同様な効果を奏する。
【0090】
本発明の態様4に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させた場合の、各映像が画面に占める面積比に応じて、設定するフレームレートを決定する構成としてもよい。上記の構成によれば、面積比が大きい、メインとなる画面の映像品位の低下を抑制できる。
【0091】
本発明の態様5に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、現時点においてユーザの操作対象である画面に対応する映像信号のフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、ユーザの操作対象である画面の映像品位の低下を抑制できる。
【0092】
本発明の態様6に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号にフレーム間隔が変動しない映像信号が複数含まれる場合に、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記フレーム間隔が変動しない映像信号のうち、最も高いフレームレートを有する映像信号のフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、フレーム間隔が変動しない映像信号が示す映像の映像品位の低下を抑制できる。
【0093】
本発明の態様7に係る映像処理装置10は、上記の態様1において、フレームレート設定部13は、上記複数の映像信号の一部又は全部が示す映像が、複数の映像信号に対応する結合映像を構成する場合に、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記結合映像に対応する何れかの映像信号のフレームレートに設定する構成としてもよい。上記の構成によれば、上記結合映像の映像品位の低下を抑制できる。
【0094】
本発明の態様8に係る映像処理方法は、装置によって実行される映像処理方法であって、フレーム間隔が変動し得る第1の映像信号と、フレーム間隔が変動しない第2の映像信号とを含む複数の映像信号を取得する取得ステップと、上記複数の映像信号の示す映像を同一画面に表示させる場合のフレームレートを、上記複数の映像信号が示す何れかのフレーム間隔に対応するフレームレート、又は、当該フレームレートを定数倍して得られるフレームレートに設定するフレームレート設定ステップと、を含む方法である。上記の方法によれば、ユーザがより注視すると推定される表示領域の映像品位の低下を抑制することができる。
【0095】
本発明の態様9に係る映像処理装置10を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機1は、上記の態様1から7までの何れかに記載の映像処理装置10を備えている構成としてもよい。上記の構成によれば、映像処理装置10と同様な効果を奏するテレビジョン受像機1を実現できる。
【0096】
本発明の態様10に係る制御プログラムは、上記の態様1から7までの何れかに記載の映像処理装置10としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記コンピュータを取得部12及びフレームレート設定部13として機能させる構成としてもよい。
【0097】
本発明の態様11に係る記録媒体は、態様10に係る制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【0098】
本発明の各態様に係る映像処理装置10は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを映像処理装置10が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより映像処理装置10をコンピュータにて実現させる映像処理装置10の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 テレビジョン受像機
2 テレビ制御部
3 表示制御部
4 OSD生成部
5 表示部
10 映像処理装置
11 装置制御部
12 取得部
13 フレームレート設定部
100 映像出力装置