(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】防災システム及び防災システムの試験方法
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240719BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G08B17/00 K
G08B25/10 E
(21)【出願番号】P 2023120569
(22)【出願日】2023-07-25
(62)【分割の表示】P 2019032281の分割
【原出願日】2019-02-26
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-282367(JP,A)
【文献】特開平08-087691(JP,A)
【文献】特開2015-222592(JP,A)
【文献】特開平04-215329(JP,A)
【文献】特開平02-260838(JP,A)
【文献】中国実用新案第207249861(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
G08B 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視区域に複数の系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を前記系統中継器から受信機に送信する防災システムに於いて、
前記系統中継器は、接続された試験装置から試験信号を受信した場合に、同じ系統に属する感知器に前記試験信号を送信して試験を行わせると共に、他の系統に属する系統中継器に前記試験信号を送信することで、前記他の系統に属する系統中継器の各々から前記試験信号を同じ系統に属する感知器に送信させて試験を行わせることを特徴とする防災システム。
【請求項2】
請求項1記載の防災システムに於いて、
前記試験装置から前記試験信号を受信した系統中継器は、前記受信機を経由して前記他の系統に属する系統中継器に前記試験信号を送信することを特徴とする防災システム。
【請求項3】
請求項1記載の防災システムに於いて、
各系統の系統中継器は、信号線により相互に接続され、
前記試験装置から前記試験信号を受信した系統中継器は、前記信号線を介して前記他の系統に属する系統中継器に前記試験信号を送信することを特徴とする防災システム。
【請求項4】
監視区域に複数の系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を前記系統中継器から受信機に送信する防災システムの試験方法に於いて、
前記系統中継器の何れかに試験装置を接続して、前記試験装置から試験信号を接続した系統中継器に送信し、
前記試験装置が接続された系統中継器から同じ系統に属する感知器に前記試験信号を送信して試験を行わせると共に、前記試験装置が接続された系統中継器から他の系統に属する系統中継器に前記試験信号を送信し、
前記他の系統に属する系統中継器の各々から前記試験信号を同じ系統に属する感知器に送信して試験を行わせることを特徴とする防災システムの試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視区域に系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を系統中継器から受信機に送信する防災システム及び防災システムの試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災を監視する無線式の防災監視システムにあっては、ビルの各フロアや共同住宅の専有部といった監視区域に複数の無線式感知器を例えばフロア単位といった系統別に設置し、無線式感知器で火災を検出した場合に、火災を示す電文を系統別に設置した系統中継器に無線送信する。また、伝搬距離が長くなる場合は、必要に応じて電波中継器を設置し、無線式感知器からの電文を電波中継器により中継して系統中継器に送信している。
【0003】
系統中継器は受信機からの感知器回線に接続されており、無線式感知器から火災を示す電文を受信すると、リレー接点やスイッチング素子のオンにより感知器回線に発報電流を流して火災発報信号を受信機に送信する。受信機は、この火災発報信号を受信すると、音響及び表示等の手段により火災警報を出す。
【0004】
このような無線防災システムによれば、一般的に天井裏等に敷設される感知器回線の一部を不要にでき、配線工事が簡単になり、感知器の設置場所も配線等の制約を受けずに決めることができる。また、感知器増設等のシステム変更にも容易に対応できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-114632号公報
【文献】特開2016-110410号公報
【文献】特開2015-102969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような無線防災システムにあっては、定期点検の際に、無線式感知器が設置された宅内等の専有部に入り、試験器を使用して無線式感知器のセンサ部に加熱や加煙を行って発報試験を行う必要があるが、施設によっては、利用者の了解や立ち合いがなければ無線式感知器が設置された専有部に入ることができない場合がある。
【0007】
この問題を解決するため、無線式の試験装置を準備し、専有部に設置されている系統中継器に試験信号を無線送信し、系統中継器から専有部に設置されている無線式感知器に試験信号を無線送信して遠隔試験を行うことが考えられる。
【0008】
しかしながら、系統中継器も例えば外壁等で仕切られた専有部に設置されている場合が少なくない。そのため定期点検の際に共用部に入って試験装置から試験信号を無線送信しても、外壁等で仕切られた専有部に設置された系統中継器に試験信号の電波が届きにくい場合があり、試験信号の電波が確実に届くようにするためには、例えば試験装置の送信電力を高くする必要がある。しかし、一般的に無線防災システムは、無線局の認可を必要としない特定小電力無線局を使用していることから、送信電力(空中線電力)は10mW以下に制限され、試験信号の電波が確実に届くことを保証できない可能性が残る。
【0009】
更に、系統中継器及び無線式感知器は、例えばフロア単位といった系統別に設置されており、フロアを移動しながら無線式の試験装置を用いて系統別に設けられた無線式感知器の試験を行う必要があり、無線防災システムの点検に手間と時間がかかる問題もある。
【0010】
本発明は、施設の専有部に系統毎に分けて設置された感知器の試験を、試験作業者(点検員)が出入り自在な共用部での操作により系統を超えて簡単に行うことを可能とする防災システム及びその試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(防災システム)
本発明は、監視区域に複数の系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を系統中継器から受信機に送信する防災システムに於いて、
系統中継器は、接続された試験装置から試験信号を受信した場合に、同じ系統に属する感知器に試験信号を送信して試験を行わせると共に、他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信することで、他の系統に属する系統中継器の各々から試験信号を同じ系統に属する感知器に送信させて試験を行わせることを特徴とする。
【0012】
(受信機を経由した他系統の試験)
試験装置から試験信号を受信した系統中継器は、受信機を経由して他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信する。
【0013】
(系統中継器間を経由した他系統の試験)
各系統の系統中継器は、信号線により相互に接続され、
試験装置から試験信号を受信した系統中継器は、信号線を介して他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信する。
【0014】
(防災システムの試験方法)
本発明は、監視区域に複数の系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を系統中継器から受信機に送信する防災システムの試験方法に於いて、
系統中継器の何れかに試験装置を接続して、試験装置から試験信号を接続した系統中継器に送信し、
試験装置が接続された系統中継器から同じ系統に属する感知器に試験信号を送信して試験を行わせると共に、試験装置が接続された系統中継器から他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信し、
他の系統に属する系統中継器の各々から試験信号を同じ系統に属する感知器に送信して試験を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
(防災システムの効果)
本発明は、監視区域に複数の系統毎に分けて感知器と系統中継器を設置し、感知器から送信された電文を同じ系統に属する系統中継器で受信して処理し、処理結果を系統中継器から受信機に送信する防災システムに於いて、系統中継器は、接続された試験装置から試験信号を受信した場合に、同じ系統に属する感知器に試験信号を送信して試験を行わせると共に、他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信することで、他の系統に属する系統中継器の各々から試験信号を同じ系統に属する感知器に送信させて試験を行わせるようにしたため、試験装置から試験装置が接続された系統中継器を経由して他に属する系統の系統中継器に試験信号を送信して他系統の感知器の遠隔試験を行うこともでき、系統中継器と感知器が例えばフロア別に設置されていても、フロアを移動することなく、1個所から全ての系統の試験を行うことが可能となり、防災システムの定期点検を効率良く進めることができる。
【0016】
(受信機を経由した他系統の試験の効果)
また、試験装置から試験信号を受信した系統中継器は、受信機を経由して他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信するようにしたため、受信機と各系統の系統中継器の通信経路を利用して、試験装置により1個所から全ての系統の試験を行うことができる。
【0017】
(系統中継器間を経由した他系統の試験の効果)
また、各系統の系統中継器は、信号線により相互に接続され、試験装置から試験信号を受信した系統中継器は、信号線を介して他の系統に属する系統中継器に試験信号を送信するようにしたため、各系統の系統中継器を信号線で相互に接続することで、試験装置により1個所から全ての系統の試験を行うことができる。
【0018】
また、本発明の防災システムの試験方法による効果は、前述した防災システムの場合と同じになることから、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による無線防災システムの概要を示した説明図
【
図6】試験用配線端子を一ヶ所にまとめて設置した無線防災システムの概要を示した説明図
【
図7】受信機を経由せず他系統の試験を行う無線防災システムの概要を示した説明図
【
図8】系統中継器の試験用配線端子に試験装置を無線回線によりリンクする実施形態を示した説明図
【
図9】系統中継器の試験用配線端子に試験装置を無線回線によりリンクする他の実施形態を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態の基本的な概念]
図1は本発明による無線防災システムの概要を示した説明図である。本発明の無線防災システムの実施形態による基本概念は、監視区域となる例えば建物11に例えば階別となる所定の系統毎に分けて設置された1又は複数の無線式感知器14から無線送信された電文信号(以下、単に「電文」という)を系統毎に設けられた系統中継器12-1~12-3で受信して処理し、系統中継器12-1~12-3の処理結果を、系統伝送線16を介して受信機10に送信して報知する無線防災システムであって、系統中継器12~12-3から試験装置接続手段として機能する試験用配線端子15-1~15-3が有線で引き出されて建物11の共用部11b-1~11b-3に設置され、試験用配線端子15-1~15-3の何れか、例えば試験用配線端子15-1に試験装置20を接続した状態で試験装置20から試験信号を系統中継器12-1に送信し、系統中継器12-1から系統中継器12-1が属する系統(その管轄する系統)となる1Fの専有部11a-1に設置された無線式感知器14に試験信号を送信して試験を行わせる、というものである。
【0021】
このように、試験装置20を系統中継器12-1~12-3から引き出された試験用配線端子15-1~15-3に接続することで、系統中継器12-1~12-3が外壁等で仕切られた専有部11a-1~11a-3に設置されていても、試験装置20から系統中継器12-1~12-3に試験信号を送信し、系統毎に無線式感知器の遠隔試験を確実に行うことができる。
【0022】
更に、試験装置20は、系統中継器12-1から受信機10を介して試験信号を他の系統となる例えば2Fの系統中継器12-2に送信して、他の系統となる2Fの専有部11a-2に設置された無線式感知器14の試験を行わせる、というものである。
【0023】
このため系統中継器12-1~12-3と無線式感知器14が階別の系統に分かれて設置されていても、試験用配線端子15-1~15-3の何れかに試験装置20を接続することで、点検員はフロアを移動することなく、1個所から全ての系統の試験を行うことが可能となり、無線防災システムの定期点検を効率良く進めることができる。以下詳細に説明する。
【0024】
[無線防災システムの概要]
図1に示すように、監視対象となる建物11の1F~3Fの各階は、入居者等の所定の利用者が出入りする(無線防災システムの点検員が許可なく出入りできない)、外壁等で囲まれた専有部11a-1~11a-3と、所定の利用者以外の出入りも可能とする(無線防災システムの点検員が必要に応じ任意に出入りできる)外壁外側の廊下等の共用部11b-1~11b-3に分けられており、専有部11a-1~11a-3には階別の系統に分けて系統中継器12-1~12-3が設置され、受信機10から引き出された系統伝送線16及び共通の電源線18に接続されている。
【0025】
また、1F~3Fの各階の専有部11a-1~11a-3には、系統毎の系統中継器12-1~12-3に対応して無線式感知器14が設置されている。
【0026】
以下の説明で系統中継器12-1~12-3を区別する必要がない場合は、系統中継器12という場合がある。なお、系統中継器12に対し、距離が離れている無線式感知器14からの電波の減衰による信号の不到達を防ぐために電波中継器(リピータ中継器)を設置する場合がある。
【0027】
系統中継器12-1~12-3及び無線式感知器14のそれぞれには、自機の機器IDを予め登録(記憶)している。無線式感知器14は火災による煙濃度または温度が所定の閾値を超えた場合に火災イベントの発生と判断し、所定の火災情報信号として例えば火災を示す火災発報電文を間欠的に無線送信する。
【0028】
系統中継器12-1~12-3には、電文を受信して処理すべき同系統の無線式感知器14の機器IDを例えばメモリにテーブル情報として予め登録している。
【0029】
このような系統中継器12-1~12-3に対する機器IDの登録により、系統中継器12は無線式感知器14からの電文を受信した際には、電文に含まれる送信元ID(電文送信元の無線式感知器14の機器ID)と予め登録した機器IDとを比較し、当該系統中継器12に登録されているIDであれば有効な電文として処理することになる。
【0030】
また、無線式感知器14と系統中継器12との間の無線通信は、日本国内の場合には例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に従った無線通信を行っており、426.2500MHz~426.8375MHzの12.5KHzの帯域を持つ48チャンネルの何れかの使用を可能とする。
【0031】
そこで、系統中継器12と無線式感知器14には、400MHz帯の特定小電力無線局標準規格で使用可能な48チャンネルの何れか1つを選択して使用するチャンネル周波数を設定する。この場合、チャンネル周波数は各階で同じにしても良いし、混信を避けるために例えば隣接する階では異なるチャンネル周波数を使用しても良い。
【0032】
[無線式感知器]
図2は無線式感知器の機能構成を示したブロック図である。
図2に示すように、無線式感知器14は、感知器制御部22、アンテナ26を接続した無線通信部24、センサ部28、表示部30、操作部32及び電池電源34を備える。
【0033】
感知器制御部22は、例えばCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等とする。無線通信部24は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠して電文を間欠的に送信する。
【0034】
無線通信部24で送信する電文の形式は、例えばプリアンブル(位相修正データ)、送信元ID、電文種別、煙濃度や温度などのデータ及びエラーチェックコードで構成する。この内、電文種別は、例えばセンサ状態を示す電文、定期通報を示す電文、試験結果を示す電文などを表す。
【0035】
また、無線通信部24は、系統中継器12から送信した電文を受信する。無線通信部24で受信する電文は、送信電文と同じ形式であり、電文種別には、試験信号として機能する試験電文が含まれる。
【0036】
センサ部28は、例えば散乱光式の煙検出機構によって煙を検出して煙濃度に応じた煙検出信号を出力する。感知器制御部22はこれに基づき火災を検出して火災発報制御をする。なお、センサ部28にサーミスタ等の温度検出素子を設け、温度検出信号を感知器制御部22へ出力して、これに基づき火災を検出するようにしても良い。表示部30は火災を検出した場合に点灯する発報表示灯等を備える。操作部32は登録スイッチ等を備える。
【0037】
感知器制御部22は、プログラムの実行により実現される機能であり、次の制御を行う。感知器制御部22は、センサ部28から出力される例えば煙濃度検出信号が所定の火災閾値を超えた場合に火災を検出し、火災を示す火災発報電文を生成し、無線通信部24に指示して系統中継器12に送信させる制御を行う(火災発報制御)。
【0038】
また、感知器制御部22は、無線通信部24を介して自己ID(自己の機器ID)を指定した試験コマンドを含む試験電文を受信した場合、例えば火災検出状態を模擬する試験動作を行って試験発報し、試験発報に基づき火災を示す火災発報電文を生成し、無線通信部24に指示して系統中継器12に送信させる制御を行う。
【0039】
また、感知器制御部22は、火災復旧、障害といったイベントを検出した場合にも、検出したイベント内容を示す電文を生成し、無線通信部24に指示して系統中継器12に送信させる制御を行う。
【0040】
[系統中継器]
図3は系統中継器の機能構成を示したブロック図である。
図3に示すように、系統中継器12は、中継制御部36、アンテナ40を接続した無線通信部38、操作部42、表示部44、試験伝送部46、系統伝送部48及び電源部50を備える。
【0041】
中継制御部36は、例えばCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等とする。無線通信部38は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠して無線式感知器14からの電文を受信すると共に試験装置20との間で所定の通信規格に準じて電文を送受信する。無線通信部38で無線式感知器14から受信する電文の形式は、前述したように、例えばプリアンブル、送信元ID、通信種別、データ及びエラーチェックコードで構成する。
【0042】
試験伝送部46には共用部に設置された試験用配線端子15(試験装置接続手段)が有線接続され、試験用配線端子15に接続された試験装置20との間で電文を送受信する。試験伝送部46が試験装置20との間で送受信する電文の形式は、例えばプリアンブル、送信元ID、送信先ID、コマンド、データ及びエラーチェックコードで構成し、試験装置20からの受信電文には試験する系統(系統番号等)と感知器ID(無線式感知器14の機器ID)を指定した試験電文があり、これが試験信号(試験コマンド)として機能する。一方、試験装置20に対する送信電文には、無線式感知器14に対する試験電文の送信に対応して受信された試験応答電文がある。
【0043】
操作部42は、自機IDや自機が管轄すべき無線式感知器ID等を登録する登録スイッチ等を備え、中継制御に必要な各種の設定を行う。表示部44には、電源灯、発報表示灯、障害灯等の各種の表示灯を設けている。なお、各IDの登録は、登録スイッチを使用する場合も使用しない場合も含め、任意の方法を採用できる。
【0044】
系統伝送部48は、例えばシリアル伝送機能を備え、無線式感知器14から所定の火災情報信号、例えば火災発報電文を受信した場合は、中継制御部36の指示に基づき、系統伝送線16により火災発報電文を受信機10に中継送信して火災警報を出力させ、また、中継制御部36で無線式感知器14から故障等による所定の障害情報信号、例えば障害電文を受信した場合、又は無線式感知器14との通信不良等の障害を検出した場合に、障害電文を受信機10に送信することで障害警報を出力させる。
【0045】
また、系統伝送部48は、試験伝送部46を介して試験用配線端子15に接続した試験装置20から他系統及び他系統の無線式感知器14を指定した試験電文の受信を中継制御部36で検出した場合、他系統及び他系統の無線式感知器14を指定した試験電文を受信機10に送信する。
【0046】
中継制御部36は、プログラムの実行により実現される機能であり、次の制御を行う。中継制御部36は、無線通信部38を介して自己系統の無線式感知器14から火災発報電文を受信した場合、系統伝送部48に指示して系統伝送線16に火災発報電文を中継送信する制御を行い、受信機10から火災警報を出力させる。なお、ここでの中継送信は、中継前後の電文が全く同一であることに限定されるものではない。
【0047】
また、中継制御部36は、無線式感知器14から火災発報電文を受信した後に火災復旧電文を受信した場合、系統伝送部48に指示して系統伝送線16に火災復旧電文を中継送信する制御を行い、受信機10の火災警報動作を復旧させる。
【0048】
また、中継制御部36は、無線通信部38を介して無線式感知器14から故障等に伴う障害電文を受信した場合、系統伝送部48に指示して系統伝送線16に障害電文を中継送信する制御を行い、受信機10から障害警報を出力させる。
【0049】
また、中継制御部36は、試験伝送部46を介して試験用配線端子15に接続した試験装置20から自己系統の感知器IDを指定した試験電文を受信した場合、無線通信部38に指示し、試験電文を自己系統の無線式感知器14に送信する制御を行う。
【0050】
また、中継制御部36は、自己系統の感知器IDを指定した試験電文を無線式感知器14に送信した後に、無線通信部38を介して試験正常を示す試験応答電文を受信した場合、系統伝送線16を介して当該試験応答電文を受信機10に中継送信する制御を行う。
【0051】
また、中継制御部36は、試験伝送部46を介して試験用配線端子15に接続した試験装置20から他系統の感知器IDを指定した試験電文を受信した場合、系統伝送部48に指示し、他系統の感知器IDを指定した試験電文を、受信機10を経由して他系統の系統中継器12に送信する制御を行う。
【0052】
また、中継制御部36は、自己系統の感知器IDを指定した試験電文を送信した後、所定時間以内に試験正常を示す試験応答電文を受信した場合、試験伝送部46に指示して当該試験応答電文を試験装置20に中継送信する制御を行う。
【0053】
また、中継制御部36は、受信機10を経由した他系統の系統中継器が送信した自己系統の感知器IDを指定した試験電文を受信して無線通信部38から送信した後、所定時間以内に試験正常を示す試験応答電文を受信した場合、系統伝送部48に指示して当該試験応答電文を、受信機10を経由して試験装置20を接続している他系統の系統中継器12に中継送信する制御を行う。
【0054】
また、中継制御部36は、自己系統の感知器IDを指定した試験電文を送信した後、所定時間以内に試験正常を示す試験応答電文が受信されなかった場合、試験異常と判断し、試験伝送部46に指示して試験異常を示す試験応答電文を試験装置20に送信する制御を行う。
【0055】
また、中継制御部36は、受信機10を経由して他系統の系統中継器が送信した自己系統の感知器IDを指定した試験電文を受信して無線通信部38から自己系統の無線式感知器14へ試験電文を送信した後、所定時間以内に試験正常を示す試験応答電文が受信されなかった場合、試験異常と判断し、系統伝送部48に指示して試験異常を示す試験応答電文を受信機10を経由して試験装置20を接続している他系統(試験指示元の系統)の系統中継器に中継送信する制御を行う。
【0056】
なお、中継制御部36は、自己系統の感知器IDを指定した試験電文を無線式感知器14に送信した後、所定時間内に受信した火災発報電文を、試験正常を示す試験応答電文として処理しても良い。また、系統伝送線16は、火災、復旧、障害、試験、試験応答等で、伝送電文(情報)に応じて適宜別線に分けても良い。また、電源線18は伝送線と共用しても良い。
【0057】
[受信機]
図4は受信機の機能構成を示したブロック図である。受信機10はいわゆるR型(Record-type)を例にとっており、
図4に示すように、受信制御部52、系統伝送部54、表示部62、操作部64、音響警報部66及び移報部68を備える。
【0058】
受信制御部52は例えばCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等とする。
【0059】
系統伝送部54は系統伝送線16と電源線18により系統中継器12-1~12-3を接続しており、系統中継器12-1~12-3からの火災発報電文や障害電文を受信して受信制御部52に出力し、また、系統中継器12-1~12-3からの他系統の感知器IDを指定した試験電文の受信と送信(経由送信)、試験応答電文の受信と送信(経由送信)等を行う。
【0060】
表示部62は火災表示灯、ガス漏れ表示等が設けられる。操作部64には火災監視に必要な火災断定スイッチ、音響停止スイッチ等の各種スイッチが設けられる。音響警報部66にはスピーカが設けられ、火災発生時に音響警報を出力する。移報部68は火災発生時に外部の機器に移報信号を出力して所定の動作等をさせる。
【0061】
受信制御部52は、系統伝送部54を介して系統中継器12から火災発報電文を受信した場合、表示部62の火災代表灯を点灯し、音響警報部66のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、また、表示部62に例えば「○○階○○号室」といった火災発生系統と火災発生区画を示す火災地区表示を行い、更に、移報部68により火災移報信号を外部に出力して所定の移報制御等を行わせる。
【0062】
また、受信制御部52は、系統伝送部54を介して他系統とその感知器IDを指定した試験電文を例えば系統中継器12-1から受信した場合、系統伝送部54に指示して他系統となる例えば系統中継器12-2に試験電文を送信する制御を行う。
【0063】
また、受信制御部52は、系統伝送部54を介して他系統とその感知器IDを指定した試験電文を例えば系統中継器12-2に送信した後に、系統中継器12-2から試験応答電文を受信した場合、系統伝送部54に指示して試験元となる系統中継器12-1に試験応答電文を送信する制御を行う。
【0064】
なお、系統中継器12と受信機10との間で送受信される試験電文と試験応答電文は、系統伝送線16とは別に設けた伝送線を使用して伝送しても良い。また、受信機10はいわゆるP型(Proprietary-type)としても良く、この場合には、前述したように、系統伝送線16は、例えばR型の場合における伝送電文(情報)に応じて、火災、復旧、障害、試験、試験応答等の信号線に適宜分けられ、系統伝送部54は信号線単位に火災、復旧、障害、試験、試験応答等の信号を伝送することになる。また、各情報のうち任意の複数の情報を共通の信号線で伝送することも妨げない。
【0065】
[試験装置]
図5は試験装置の機能構成を示したブロック図である。
図5に示すように、試験装置20は、試験制御部70、接続プラグ74を接続した試験伝送部72、操作部76、表示部78、記憶部80、コネクタポート84を介して外部装置を通信接続するI/F回路部82、及び電源部86を備える。
【0066】
試験制御部70は例えばCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等とする。試験伝送部72は接続プラグ74により試験用配線端子15を介して接続された系統中継器12との間で無線式感知器14の試験に必要な電文を例えばシリアル伝送により送受信する。
【0067】
操作部76には、試験開始スイッチ、系統指定スイッチ、ID指定スイッチ等の無線式感知器14の試験に必要な各種のスイッチや操作釦等が設けられる。
【0068】
表示部78には例えばディスプレイが設けられ、操作部76により設定される系統番号、感知器ID、試験結果等の無線式感知器14の試験に必要な各種の情報が表示される。なお、表示部78のディスプレイをタッチパネル付きとすることで、操作部76の機能をもたせることができる。
【0069】
記憶部80は試験制御部70により行われた無線感知器14の試験結果として試験正常、試験異常に加え、例えば試験時に受信した電文の受信強度等を、試験履歴情報として記憶する。
【0070】
I/F回路部82は、コネクタポート84を介して無線防災システムの製造元の管理サーバ等に接続し、試験装置20の記憶部80から読み出した無線式感知器14の試験履歴情報を読み出して管理サーバ等に保存して利用するためのデータ伝送を行う。
【0071】
電源部86は電池電源を備えており、例えば携帯して使用する場合は電池電源により動作し、管理サーバ等に通信接続してデータ伝送する場合は、ACアダプタ88を接続して使用する。
【0072】
試験制御部70は、プログラムの実行により実現される機能であり、操作部76により試験系統(系統番号等)とその感知器IDを指定して試験スイッチを操作(試験開始操作)すると、試験伝送部72に指示し、試験系統とその感知器IDを指定した試験電文を接続プラグ74により接続している試験用配線端子15を介して系統中継器12に送信する制御を行う。
【0073】
また、試験制御部70は、試験電文を送信した後に、接続プラグ74により接続している試験用配線端子15を介して系統中継器12から試験応答電文を受信した場合、試験応答電文に含まれた試験結果である試験正常又は試験異常を表示部78に表示すると共に試験履情報として記憶部80に記憶する制御を行う。
【0074】
[無線防災システムの試験]
点検時における
図1の無線防災システムの試験を説明すると次のようになる。点検員は試験装置20を携帯しており、例えば1Fの専有部11a-1に設置された無線式感知器14の試験を行う場合には、1Fの共用部11b-1に出向き、そこに設置されている試験用配線端子15-1に試験装置20をプラグ差し込みにより接続する。なお、無線防災システムの点検時に受信機10は保守点検モードに切り替えており、火災発生を判断しても、主音響警報、地区音響警報、移報制御等は停止されている。これら受信機10に対する保守点検モードへの切替も、試験装置20から行うようにしても良い。
【0075】
試験装置20を試験用配線端子15-1に接続した点検員は、例えば、1Fの専有部11a-1に設置された無線式感知器14を試験する場合には、試験装置20で1Fの系統番号と最初に試験する無線式感知器14の感知器IDを設定し、試験スイッチを操作すると、試験系統と感知器IDを指定した試験電文が信号線17を介して系統中継器12-1に送信される。
【0076】
系統中継器12-1は受信した試験電文の試験系統から自己系統であることを検出し、試験する感知器IDを指定した試験電文を無線送信する。系統中継器12-1から送信された試験電文はID一致となった無線式感知器14で受信されることで例えば火災検出状態を模擬する試験動作により試験発報が行われ、試験正常を示す試験応答電文が送信される。
【0077】
系統中継器12-1は試験電文の送信から所定時間以内に試験発報した無線式感知器14からの試験応答電文を受信すると、受信機10に当該試験応答電文を中継送信して試験発報表示を行わせ、受信機10についている点検員は、無線式感知器14が正常に試験発報したことを確認する。
【0078】
また、系統中継器12-1は、試験電文の送信から所定時間内に試験発報による試験応答電文を受信すると、当該試験応答電文を試験用配線端子15-1に接続している試験装置20に中継送信し、試験装置20に試験正常を示す試験結果が表示され、点検員は、指定した系統と感知器IDの無線式感知器14の試験が正常に行われ、結果正常であることを確認でき、次の無線式感知器14の試験を行う。
【0079】
なお、系統中継器12-1は、試験電文の送信から所定時間内に試験応答電文を受信できないときは試験異常と判断し、試験異常を示す試験応答電文を試験用配線端子15-1に接続している試験装置20に中継送信して表示させる。
【0080】
また点検員は、1Fの共用部11b-1の試験用配線端子15-1に試験装置20を接続した状態で、2F及び3Fの専有部11a-2,11a-3に設置されている無線式感知器14の試験を行うことができる。
【0081】
試験装置20を試験用配線端子15-1に接続している点検員が、例えば、2Fの専有部11a-2に設置された無線式感知器14を試験する場合には、試験装置20で2Fの系統番号と最初に試験する無線式感知器14の感知器IDを設定し、試験スイッチを操作すると、試験する他系統と感知器IDを指定した試験電文が信号線17を介して系統中継器12-1に送信される。
【0082】
系統中継器12-1は受信した試験電文から試験系統が2Fとなる他系統であることを検出し、試験系統と感知器IDを指定した試験電文を受信機10に中継送信する。この試験電文を受信した受信機10は、試験系統となる2Fに設置された系統中継器12-2に試験系統と感知器IDを指定した試験電文を送信し、系統中継器12-2から感知器IDを指定した試験電文を送信し、ID一致となった無線式感知器14で試験発報が行われ、火災発報電文が送信される。
【0083】
系統中継器12-2は試験電文の送信から所定時間以内に試験発報した無線式感知器14からの試験正常を示す試験応答電文を受信すると、当該試験応答電文を受信機10に中継送信して火災発報表示を行わせ、併せて、試験正常を示す当該試験応答電文を試験元となる系統中継器12-1に送信し、系統中継器12-1は試験正常を示す試験応答電文を試験用配線端子15-1に接続している試験装置20に送信し、試験装置20に試験正常を示す試験結果が表示され、点検員は、指定した2Fとなる他系統と感知器IDの無線式感知器14の試験が正常に行われたことを確認できる。
【0084】
[試験用配線端子を一ケ所にまとめた実施形態]
図6は試験用配線端子を一ヶ所にまとめて設置した無線防災システムの概要を示した説明図である。
【0085】
図6に示すように、本実施形態にあっては、系統毎に設けられた系統中継器12-1~12-3から引き出された信号線17を1Fの共用部11b-1に設置された試験用配線端子15に引き込んでおり、試験用配線端子15には系統中継器12-1~12-3に対応して3個の配線端子が設けられ、試験装置20のプラグ差し込みの選択により、系統中継器12-1~12-3の内の一つに試験装置20を接続して系統別に無線式感知器14の試験を行うことができる。それ以外の構成及び機能は、
図1乃至
図5に示した実施形態と同様である。
【0086】
本実施形態によれば、点検員は系統中継器12-1~12-3の試験用配線端子14がまとめて設置された1Fの共用部11b-1において、他の階へ移動することなく全ての系統につき無線式感知器14の試験ができ、試験の作業効率を更に高めることができる。
【0087】
なお、試験用配線端子15に端子を一つ設け、端子に対する系統中継器12-1~12-3からの信号線をロータリースイッチ等により選択的に切替え接続するようにしても良い。
【0088】
[系統中継器を経由した他系統の試験]
図7は受信機を経由せず他系統の試験を行う無線防災システムの概要を示した説明図である。
【0089】
図7に示すように、本実施形態にあっては、1F~3Fの系統に分けて設置した系統中継器12-1~12-3をシリアル伝送用の系統伝送線90を介して相互に接続しており、例えば、系統中継器12-1から引き出された試験用配線端子15-1に試験装置20を接続した場合、他系統と感知器IDを指定した試験電文を、受信機10は経由せず、系統伝送線90を介して試験先となる系統の系統中継器、例えば系統中継器12-2に送信し、他系統の無線式感知器14の試験を行うようにしている。それ以外の構成及び機能は、
図1乃至
図5に示した実施形態と同様になる。
【0090】
[試験装置の無線リンク]
図8は系統中継器の試験用配線端子に試験装置を無線回線によりリンクする実施形態を示した説明図である。
図8に示すように、本実施形態は、系統中継器12に信号線17を介して接続した試験用配線端子15に無線アダプタ92を信号線94により接続しており、試験装置20は無線通信機能を備え、無線アダプタ92との間で試験に必要な電文を無線により送受信する。ここで、試験用配線端子15と無線アダプタ92とが試験装置接続手段を構成することになる。
【0091】
無線アダプタ92は、試験装置20からの無線による試験電文を受信し、信号線94、試験用配線端子15及び信号線17を介して系統中継器12に送信する。また、系統中継器12からの試験結果を示す試験応答電文が信号線17、試験用配線端子15及び信号線94を介して無線アダプタ92で受信され、これを試験装置20に送信して試験結果を表示させる。
【0092】
このように試験装置20と系統中継器12の間が無線アダプタ92による無線回線でリンクされることで、試験装置20の試験用配線端子15に対する着脱が不要となり、無線アダプタ92との通信可能エリアであれば、離れた場所からの試験装置20の操作で無線感知器の遠隔試験を容易に行うことができる。
【0093】
図9は系統中継器の試験用配線端子に試験装置を無線回線によりリンクする他の実施形態を示した説明図であり、
図8に示した試験用配線端子15を取り除き、系統中継器12に信号線17を介して無線アダプタ92を接続している。このため試験用配線端子15を必要としない分、構成が簡単となる。
図9の場合には、無線アダプタ92が試験装置接続手段となる。
【0094】
[本発明の変形例]
(試験装置のアンテナ分離設置)
上記の実施形態は、系統中継器12から引き出された試験用配線端子15を共用部に設置して試験装置20を接続するようにしているが、試験装置20に無線通信部を設け、無線通信部のアンテナは、分離した状態で専有部に設置し、専有部に設置したアンテナから引き出された試験用アンテナ配線端子を共用部に設置し、試験時には、試験装置の無線通信部を共用部に設置された試験用アンテナ配線端子に接続し、専有部に設置している系統中継器12との間で試験に必要な電文を無線により送受信して無線式感知器14の試験を行うようにしても良い。
【0095】
(試験装置)
上記の実施形態は、専用の試験装置を使用して系統中継器にアクセスして無線式感知器を試験する場合を例にとっているが、系統中継器との通信機能を備えたタブレット端末等の適宜の携帯端末機器を利用するようにしても良い。
【0096】
また、試験装置は、試験する系統の無線式感知器を一斉に又は順次試験する一括指定ができるようにしても良いし、全系統の全感知器を一括に又は順次試験する一括試験できるようにしても良い。
【0097】
(無線式感知器)
また無線式感知器は、煙、熱を検知するもの以外に例えば炎やガスを検知するもの、又はこれらを組み合わせたものであっても良い。
【0098】
(その他)
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0099】
10:受信機
11:建物
11a-1~11a-3:専有部
11b-1~11b-3:共用部
12,12-1~12-3:系統中継器
14:無線式感知器
15,15-1~15-3:試験用配線端子
16,90:系統伝送線
18:電源線
20:試験装置
22:感知器制御部
24,38:無線通信部
26,40:アンテナ
28:センサ部
30,44,62,78:表示部
32,42,64,76:操作部
34:電池電源
36:中継制御部
46:試験伝送部
48,54:系統伝送部
52:受信制御部
70:試験制御部
72:試験伝送部
74:接続プラグ
92:無線アダプタ