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特許7523676ハードウェアバージョン情報の確認を通じたソフトウェア更新方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ハードウェアバージョン情報の確認を通じたソフトウェア更新方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20240719BHJP
   G06F 8/71 20180101ALI20240719BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F8/71
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023515020
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2022008244
(87)【国際公開番号】W WO2023277386
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0084131
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・キュ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・オク・イ
【審査官】渡辺 一帆
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0045508(KR,A)
【文献】特開2008-055980(JP,A)
【文献】特開2003-122574(JP,A)
【文献】特開2014-108657(JP,A)
【文献】特開2007-257417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0297211(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0090939(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0109979(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65-8/658
G06F 8/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー管理装置であって、
バッテリー管理システム(BMS)のハードウェアバージョン情報を含み、前記ハードウェアバージョン情報を出力するハードウェアバージョン識別部と、
複数の入出力チャンネルを備え、前記複数の入出力チャンネルのうちの少なくとも一つの指定チャンネルを介して前記ハードウェアバージョン識別部のハードウェアバージョン情報を受信するマイクロコントローラーと、
を備え、
前記マイクロコントローラーは、
互換ハードウェアバージョンリストを含んでいる更新されたソフトウェアを受信し、
前記互換ハードウェアバージョンリストと前記ハードウェアバージョン識別部から受信した前記BMSのハードウェアバージョン情報とを比較して、前記BMSのソフトウェア更新を進めるか否かを決め
前記指定チャンネルは、
一方の端が所定のアプリケーション起動部に接続された第1のスイッチ及び一方の端が前記ハードウェアバージョン識別部に接続された第2のスイッチに同時に接続され、
前記第1のスイッチ及び第2のスイッチのそれぞれは、前記マイクロコントローラーの制御に従ってそれぞれオン/オフの状態が異なるように設定されることを特徴とするバッテリー管理装置。
【請求項2】
前記マイクロコントローラーは、
ソフトウェア更新命令がある場合、
前記第2のスイッチをオン制御し、前記第1のスイッチをオフ制御して、前記指定チャンネルにて前記ハードウェアバージョン識別部から入力される前記ハードウェアバージョン情報を受信することを特徴とする請求項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項3】
前記マイクロコントローラーは、前記第1及び第2のスイッチにオン/オフ制御コマンドを出力する制御端子を備え、
前記制御端子は、
常時モードまたはアプリケーション動作モードにおいて、前記第1のスイッチをオン制御し、前記第2のスイッチをオフ制御する制御信号を出力することを特徴とする請求項またはに記載のバッテリー管理装置。
【請求項4】
前記マイクロコントローラーは、
更新ソフトウェアを受信した場合、
更新ソフトウェアに含まれている互換ハードウェアバージョンリストと前記ハードウェアバージョン識別部から受信したハードウェアバージョン情報とを比較し、
その比較結果に基づいて、前記第1及び第2のスイッチのオン/オフを制御することを特徴とする請求項に記載のバッテリー管理装置。
【請求項5】
バッテリー管理装置の制御方法であって、
バッテリー管理システム(BMS)のソフトウェアを更新するための更新ソフトウェアを受信する更新ソフトウェア受信ステップと、
前記BMSのハードウェアバージョン識別部に格納されたBMSのハードウェアバージョン情報を取得するハードウェアバージョン情報取得ステップであって、
ハードウェアバージョン識別部とマイクロコントローラーの指定チャンネルとをつなぐ第2のスイッチをオン制御し、
前記指定チャンネルと所定のアプリケーションとをつなぐ第1のスイッチをオフ制御することにより、
ハードウェアバージョン識別部に格納された前記ハードウェアバージョン情報を取得するステップを含む、ハードウェアバージョン情報取得ステップと、
前記取得したハードウェアバージョン情報を前記更新ソフトウェアに含まれている互換ハードウェアバージョンリストと比較し、ソフトウェア更新を進めるか否かを判断するハードウェアバージョンリスト確認ステップと、
前記BMSのハードウェアバージョン情報が前記互換ハードウェアバージョンリストに含まれている場合、ソフトウェアを更新するブートモードを開始するブートモード開始ステップと、
ソフトウェア更新が終了される場合、ブートモードを終了するブートモード終了ステップと、
を含むことを特徴とするバッテリー管理装置の制御方法。
【請求項6】
前記ハードウェアバージョンリスト確認ステップにおける確認の結果、前記BMSのハードウェアバージョン情報が前記互換ハードウェアバージョンリストに含まれていない場合、
前記第1のスイッチをオン制御し、前記第2のスイッチをオフ制御してアプリケーションモードを進行させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のバッテリー管理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー管理システム(BMS)のソフトウェア更新が実行される際に、ソフトウェア更新のためのハードウェアバージョンを確認する方法に関する。ハードウェアバージョンを正確に識別しながらも、マイクロコントローラーのチャンネルの活用性を高める装置及びその方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)を構成するアプリケーション素子及び回路に応じて、ハードウェアバージョンが異なる。以前のバージョンにおいて生じていた不都合またはロスを補うために、BMSのプリント回路基板(PCB)の作製、アプリケーション素子などを補った上で新たなBMSの作製を行うことにより、ハードウェアバージョンが更新される。これをハードウェア更新とも呼ぶことができる。
【0003】
BMSの各アプリケーションの制御及び保護回路の動作のためのデジタル制御機器の設計などの更新に伴い、ソフトウェアバージョンの更新が進められる。これをソフトウェア更新とも呼ぶことができる。
【0004】
ソフトウェアバージョンが適用可能なハードウェアバージョンがあり、ソフトウェア更新の際にも適用可能なハードウェアバージョンがある。この理由から、ソフトウェア更新に際して、ハードウェアバージョンを確認しなければならない。
【0005】
先行文献の大韓民国登録特許第10-0624723号公報(2006年09月08日)は、本発明の従来の技術であって、ハードウェアバージョンをブートロードコードに格納し、ハードウェアバージョンの確認に際しては、ブートロードコードを用いて確認していた。
【0006】
このため、ソフトウェア更新に際して、ハードウェアバージョンを確認したい場合には、ブートロードコードにアクセスしてこれらを比較してハードウェアを確認し、以降にソフトウェア更新を進めるのである。
【0007】
このとき、ブートロードコードにハードウェアバージョンを自ら入力及び格納することにより、誤記載によるエラー及び事故が起こることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国登録特許第10-0624723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような不都合を解決するために、本発明においては、ハードウェアバージョンの識別に際してエラーが起きないように、別途のハードウェアバージョン情報識別装置に格納されたハードウェアバージョン情報を用いて、バッテリー管理システム(BMS)のソフトウェアを更新する装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明は、バッテリー管理システム(BMS)のハードウェアバージョン情報を含み、ハードウェアバージョン情報を出力するハードウェアバージョン識別部と、複数の入出力チャンネルを備え、少なくとも一つの入出力チャンネルを介して前記ハードウェアバージョン識別部のハードウェアバージョン情報を受信するマイクロコントローラーと、を備え、前記マイクロコントローラーは、互換ハードウェアバージョンリストを含んでいる更新されたソフトウェアを受信し、前記互換ハードウェアバージョンリストと前記ハードウェアバージョン識別部から受信したBMSのハードウェアバージョン情報とを比較して、BMSのソフトウェア更新を進めるか否かを決めることを特徴とするバッテリー管理装置を提供する。
【0011】
また、前記バッテリー管理装置は、前記マイクロコントローラーの少なくとも一つの入出力チャンネルは、指定チャンネルに設定され、前記指定チャンネルは、 一方の端が所定のアプリケーション起動部に接続された第1のスイッチ及び一方の端が前記ハードウェアバージョン識別部に接続された第2のスイッチに同時に接続され、前記第1のスイッチ及び第2のスイッチのそれぞれは、前記マイクロコントローラーの制御に従ってそれぞれオン/オフの状態が異なるように設定されることを特徴とする。
【0012】
さらに、前記バッテリー管理装置は、前記マイクロコントローラーは、ソフトウェア更新命令がある場合、前記第2のスイッチをオン制御し、前記第1のスイッチをオフ制御して、前記指定チャンネルにて前記ハードウェアバージョン識別部から入力されるハードウェアバージョンに関する情報を受信することを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明のバッテリー管理装置のマイクロコントローラーは、前記マイクロコントローラーは、前記第1及び第2のスイッチにオン/オフ制御コマンドを出力する制御端子を備え、前記制御端子は、常時モードまたはアプリケーション動作モードにおいて、前記第1のスイッチをオン制御し、前記第2のスイッチをオフ制御する制御信号を出力することを特徴とする。
【0014】
さらにまた、前記マイクロコントローラーは、更新ソフトウェアを受信した場合、更新ソフトウェアに含まれている互換ハードウェアバージョンリストと前記ハードウェアバージョン識別部から受信したハードウェアバージョン情報とを比較し、その比較結果に基づいて、前記第1及び第2のスイッチのオン/オフを制御することを特徴とする。
【0015】
本発明のバッテリー管理装置のソフトウェア更新方法は、BMSのソフトウェアを更新するための更新ソフトウェアを受信する更新ソフトウェア受信ステップと、BMSのハードウェアバージョン識別部に格納されたBMSのハードウェアバージョン情報を取得するハードウェアバージョン情報取得ステップと、前記取得したハードウェアバージョン情報を前記更新ソフトウェアに含まれている互換ハードウェアバージョンリストと比較し、ソフトウェア更新を進めるか否かを判断するハードウェアバージョンリスト確認ステップと、前記BMSのハードウェアバージョン情報が前記互換ハードウェアバージョンリストに含まれている場合、ソフトウェアを更新するブートモードを開始するブートモード開始ステップと、ソフトウェア更新が終了される場合、ブートモードを終了するブートモード終了ステップと、を含んでいてもよい。
【0016】
前記ハードウェアバージョン情報取得ステップは、ハードウェアバージョン識別部とマイクロコントローラーの指定チャンネルとをつなぐ第2のスイッチをオン制御し、前記指定チャンネルと所定のアプリケーションとをつなぐ第1のスイッチをオフ制御することにより、ハードウェアバージョン識別部に格納されたハードウェアバージョン識別情報を取得することを特徴とする。
【0017】
また、前記ハードウェアバージョンリスト確認ステップにおける確認の結果、前記BMSのハードウェアバージョン情報が前記互換ハードウェアバージョンリストに含まれていない場合、前記第1のスイッチをオン制御し、前記第2のスイッチをオフ制御してアプリケーションモードを進行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、ハードウェアバージョン情報を格納している別途のハードウェアバージョン情報識別装置を用いることにより、ソフトウェア更新を進めるに際して、ハードウェアバージョンの誤入力によるエラーを予防することができる。
【0019】
また、所定のアプリケーションチャンネルを指定チャンネルに設定し、一つの指定チャンネルにアプリケーション素子とハードウェアバージョン情報を有している素子を接続して、ソフトウェア更新モードとアプリケーションモードを一つのチャンネルを介して実行させながらも、ソフトウェア更新に際してブートコードを用いてバージョンを確認しなくても済み、別途のハードウェアバージョンの管理を進めなくても済む方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態のBMSボードを示す。
図2】本発明の第2の実施形態に係るBMSボードを示す。
図3】ソフトウェア更新が互換可能なハードウェアバージョンリストを示す。
図4】本発明のソフトウェア更新のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、添付図面に基づいて、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、ここで説明する実施形態に何ら限定されるものではない。なお、図中、本発明を明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の参照符号を付している。
【0022】
1.従来の技術
【0023】
ハードウェアバージョン更新については、BMSを例にとって以下において詳しく説明する。BMS内には、温度測定装置、マイクロコントローラー、保護回路、電力変換装置などをなすいくつかの素子が組み込まれており、これらの素子が回路を構成している。このとき、各素子が性能の改善または回路の構成に伴い、BMSのロスが増えたり、安定性が決められたりする。このような不都合を改善するために、システム内の一部の素子及び回路を修正すればハードウェアが変わることになり、これをハードウェアバージョン更新と呼ぶ。
【0024】
ハードウェアシステムを駆動するためのスイッチの制御及びコードの構成方法の改善を行うことをソフトウェア更新と呼ぶ。
【0025】
このため、従来には、ソフトウェア更新のために自分のハードウェアバージョンをブートコード(コードとは、マイクロコントローラーの機能を動作させるプログラム言語をまとめて称する。)に格納して、マイクロコントローラーのフラッシュメモリーに格納していた。このとき、ブートコードにハードウェアバージョンを自ら入力して管理するが故に、バージョンの誤記載によってハードウェアシステムが正確に動作しなくなる虞があり、これにより、事故が生じる虞がある。なお、マイクロコントローラーのメモリーに格納されていて、随時確認し難いという不都合もあった。
【0026】
2.本発明のハードウェアバージョンを確認する装置
【0027】
図1は、上述した不都合を改善してBMSのハードウェアバージョンに関する情報をハードウェア的に書き込んだ後、ソフトウェア更新に際してマイクロコントローラーのチャンネルを介して直接的に提供するように実現した本発明の第1の実施形態を示している。
【0028】
ハードウェアバージョン識別部130は、独立して、ソフトウェア更新に際してハードウェアバージョン識別部130からBMSのハードウェアバージョン情報を受信し、受信されたハードウェアバージョン情報を、更新用のソフトウェアに含まれている互換可能なハードウェアバージョンリストと比較してソフトウェア更新を進めるか否かを判断するように構成される。すなわち、ハードウェアバージョンリストとは、ソフトウェア更新を進めるべきハードウェアバージョンのリストのことをいう。
【0029】
ソフトウェア更新を進める手順としては、後述する第2の実施形態と同一の手順を採用する。
【0030】
一方、マイクロコントローラーは、限られた数のチャンネルを有しており、BMSのハードウェアバージョンが更新されることにより、マイクロコントローラーのさらなるチャンネルを必要とする。マイクロコントローラーを介してハードウェアバージョンを自ら書き込むアナログ方式は、ソフトウェア更新モード(または、ブートモードと称する。)時に限ってマイクロコントローラーのチャンネルを用いるが故に、チャンネルの活用度が低下するという不都合がある。
【0031】
このようなチャンネルの活用度の不都合を克服するために、本発明の第2の実施形態は、図2に示す回路構成を有する。
【0032】
図2の実施形態は、マイクロコントローラーのチャンネルを介してハードウェアバージョン情報を入力されながらも、チャンネルの活用度を上げる方法に関する。
【0033】
マイクロコントローラーの一つのチャンネルに相補動作をするスイッチ140、150を2つ取り付けて、それぞれモードに応じて動作を制御することにより、ブートモード時におけるハードウェアバージョンの識別とアプリケーションモード時におけるアプリケーション起動を両方とも可能にする発明である。
【0034】
本発明に係るバッテリー管理装置は、後述するマイクロコントローラー、アプリケーション起動部、ハードウェアバージョン識別部、アプリケーション起動部の動作に基づく情報が入出力されるようにする第1のスイッチ、ハードウェアバージョン識別部が動作するようにする第2のスイッチから構成される。
【0035】
2.1.マイクロコントローラー(MCU)110
【0036】
マイクロコントローラー(MCU)110は、超小型の演算処理装置であって、BMSからバッテリーの充電率(SOC)を確認する複数のセンサーにおいて検出されたバッテリー電流、電圧、温度などのデータを受信及び格納し、これによる保護回路の動作、バッテリースイッチのオン/オフ(ON/OFF)制御を可能にする装置である。
【0037】
このため、BMSの制御機能の向上のためにマイクロコントローラー110のソフトウェア更新を進める。
【0038】
また、マイクロコントローラー110は、BMSのソフトウェア更新のためのブートモード及びアプリケーションモードなどを制御する役割を果たす(前記アプリケーションモードは、一般に、BMSに必要なアプリケーションが動作するモードである)。
【0039】
指定されたチャンネル111を介してアプリケーション素子の動作を指示したり、制御端子170に制御信号を送ったりする装置である。
【0040】
さらに、マイクロコントローラーは、ソフトウェアバージョンの更新に際して、更新用のソフトウェアを受信する。更新用のソフトウェアには、互換可能なハードウェアバージョンリスト(これを互換ハードウェアバージョンリストと称する。)が含まれている。図3は、本発明におけるマイクロコントローラーによって受信された互換ハードウェアバージョンリスト300を示す。
【0041】
後述するハードウェアバージョン識別部130を介して入力されたハードウェアバージョン情報をマイクロコントローラーにおいて指定チャンネル111を介して受信した後、受信されたハードウェアバージョン情報は、前記ハードウェアバージョンリスト300と比較される。ハードウェアバージョン識別部130は、ソフトウェア更新を行おうとするマイクロコントローラーが組み込まれているBMSのハードウェアバージョン情報を格納しており、後述する第2のスイッチのオン動作に応じて、ハードウェアバージョン情報をマイクロコントローラーに出力する。
【0042】
このため、ハードウェアバージョン識別部130を介して入力されたハードウェアバージョンが前記ハードウェアバージョンリスト300に存在しなければ、ソフトウェア更新は進めない。
【0043】
これとは逆に、ハードウェアバージョン識別部130を介して入力されたハードウェアバージョンが前記ハードウェアバージョンリスト300に存在すれば、ソフトウェア更新は進める。
【0044】
このような過程を実行する装置は、マイクロコントローラー110である。
【0045】
2.2.アプリケーション起動部120
【0046】
アプリケーション起動部は、マイクロコントローラー(MCU)110に接続されてアプリケーション素子が動作する装置である。アプリケーション起動部120は、アプリケーションモード(または、常時モード)において動作する装置であって、ソフトウェア更新命令が入力されれば動作が中断され、ソフトウェア更新が完了すれば再び動作する装置である。アプリケーション起動部120は、第1のスイッチ140と接続されて指定チャンネル111を介してマイクロコントローラーに情報を入力したりマイクロコントローラーから動作を出力したりする。
【0047】
2.3.第1のスイッチ140
【0048】
アプリケーション起動部とマイクロコントローラーの指定チャンネルとが接続されるようにするスイッチであって、ソフトウェア更新が完了するか、あるいは、更新が実行されないアプリケーションモード(または、常時モード)においてアプリケーション起動部120とマイクロコントローラー110とが接続されるようにする装置である。
【0049】
2.4.ハードウェアバージョン識別部130
【0050】
ハードウェアバージョン識別部130は、マイクロコントローラー110にハードウェアバージョンに関するデータを提供する装置である。ハードウェアバージョン識別部130にはBMSのハードウェア情報が格納されており、後述する第2のスイッチ150と接続されてソフトウェア更新命令の入力に際して第2のスイッチ150がオンになり、マイクロコントローラー110にBMSのハードウェアバージョン情報を提供する。上述した第1の実施形態においては、ハードウェアバージョン識別部130は、図1に示すように、独立したチャンネルを介して直接的にマイクロコントローラーにハードウェアバージョン情報を出力するという点で相違点がある。
【0051】
ハードウェアバージョン識別部130は、ハードウェアバージョン情報に基づいてコードされたハイ(High)またはロー(Low)信号の組み合わせをマイクロコントローラー110に入力したり、マイクロコントローラー110に印加される電流の値を変動させたりすることで、ハードウェアバージョン情報をマイクロコントローラー110に入力することができる。
【0052】
ハードウェアバージョン識別部130は、マイクロコントローラーの一つのチャンネルに接続されてBMSのバージョンをマイクロコントローラーに出力するが、第1の実施形態においては、別途のチャンネルを占めるように構成されており、バージョンの識別はソフトウェア更新に際してしか用いられないため、第2の実施形態においては、チャンネルリソースの活用の側面から、他のアプリケーションが占めるマイクロコントローラーのチャンネルを共有する形態に回路を構成している。
【0053】
2.5.第2のスイッチ150
【0054】
BMSのソフトウェア更新命令が外部または内部から加えられるときに動作するスイッチである。マイクロコントローラーの指定チャンネル111とハードウェアバージョン識別部130とを電気的に接続し、ソフトウェア更新時に限ってハードウェアバージョン識別部130から引き渡されたハードウェアバージョン情報がマイクロコントローラー110に入力されるようにするのである。第1のスイッチ140と第2のスイッチ150は互いに相補動作をし、第2のスイッチ150がオンになると、第1のスイッチ140はオフになるようにする。
【0055】
第2のスイッチ150の一方の端はハードウェアバージョン識別部130と接続されており、他方の端は接続部160と接続されている。
【0056】
2.6.制御端子170
【0057】
第1のスイッチ140と第2のスイッチ150を制御するものであって、マイクロコントローラー110にソフトウェア更新命令が入力されれば、一つの制御端子170を介して第1のスイッチ140をオフにし、第2のスイッチ150をオンにする制御信号を出力する。
【0058】
アプリケーションモード動作に際しては、第1のスイッチ140をオンにし、第2のスイッチ150をオフにする制御信号を出力する端子である。
【0059】
2.7.第1のスイッチと第2のスイッチ接続部160
【0060】
第1のスイッチ140と第2のスイッチ150のそれぞれの一方の端はアプリケーション起動部120とハードウェアバージョン識別部130に接続され、第1のスイッチ140と第2のスイッチ150のそれぞれの他方の端は接続部160の一方の端に接続される。
【0061】
接続部160の他方の端は、マイクロコントローラー110の一つの指定チャンネル111に接続される。
【0062】
このような回路構成を通して、第1のスイッチ140と第2のスイッチ150のオン/オフに応じて、アプリケーション起動部120とハードウェアバージョン識別部のデータのうちの一つがマイクロコントローラー110の前記一つのチャンネル111に選択的に入力される。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、バッテリー管理装置の常時モードまたはアプリケーションモードにおいて前記第1のスイッチ140はオン制御されてアプリケーション起動部120に前記指定チャンネル111によって信号及び情報が入力されたり、アプリケーション起動部120から前記指定チャンネル111によって信号及び情報が出力されたりし、ブートモードにおいては、第1のスイッチ140はオフ制御され、前記第2のスイッチ150がオン制御されて、ハードウェアバージョン識別部130を介して入力されたハードウェアバージョン情報が前記指定チャンネル111を介してマイクロコントローラー110に入力されるようにスイッチが制御される。
【0064】
3.本発明のハードウェア(HW)バージョンを確認する方法
【0065】
本発明は、マイクロコントローラーのソフトウェア更新が実行される際に、ハードウェアバージョンを確認する方法に関する。図4は、本発明の方法の例を示す。
【0066】
ソフトウェア更新を実行するためのモードをブートモードと称し、それぞれのアプリケーションが必要な状況に応じて動作するモードをアプリケーションモード(または、常時モード)と称する。
【0067】
3.1.アプリケーションモード実行ステップ(S410)
【0068】
図2の第1のスイッチ140をオンにしてアプリケーション起動部によりアプリケーションを起動してアプリケーションの情報を入力または出力するステップである。
【0069】
第2のスイッチはオフ(OFF)になって、ハードウェアバージョン識別部からのハードウェアバージョン情報はマイクロコントローラーに送信されないステップである。
【0070】
3.2.ソフトウェア更新命令入力ステップ(S420)
【0071】
BMSのソフトウェア更新を進めよとの命令が外部または内部から入力されるステップであり、これにより、ブートモード動作のための用意をするステップである。このようなソフトウェア更新命令入力ステップは、BMSのソフトウェア更新のために更新ソフトウェアを受信し、これを更新ソフトウェア受信ステップとも呼ぶ。
【0072】
第1のスイッチ140をオフにし、第2のスイッチ150をオンにするステップである。上述したマイクロコントローラーの制御端子170を介して第1及び第2のスイッチのオン/オフを制御する。
【0073】
また、ソフトウェア更新命令を入力されるとともに、ソフトウェア更新を進めるべきハードウェアバージョンリスト300を命令とともに受信するステップである。このとき、ハードウェアバージョンリスト300(これを互換ハードウェアバージョンリストとも称する。)はイメージファイルとして格納してアクセス及び管理を行い易くする。
【0074】
3.3.ハードウェアバージョン入力ステップ(S430)
【0075】
第2のスイッチ150がオンになることにより、マイクロコントローラー110にハードウェアバージョン識別部130におけるハードウェアバージョンが入力されるステップである。ハードウェアバージョン識別部130に格納されているBMSのハードウェアバージョン情報が指定チャンネル111を介してマイクロコントローラー110に入力されるステップである。ハードウェアバージョン入力ステップは、BMSのハードウェアバージョン情報を取得するものであって、ハードウェアバージョン情報取得ステップとも称する。
【0076】
ハードウェアバージョンの識別方法においては、ハードウェアバージョン識別部を介してハイ(High)/ロー(Low)から構成された電流または電圧、電流の値の変動を出力してハードウェア識別信号をマイクロコントローラー110に送信する。
【0077】
第1の実施形態においては、上述したソフトウェア更新命令を受信する場合、ハードウェアバージョン識別部130に接続されたチャンネルから直接的にハードウェアバージョン情報が受信される。
【0078】
3.4.ハードウェアバージョンリスト確認ステップ(S440)
【0079】
上述したハードウェアバージョン入力ステップを通して指定チャンネル111に入力されたBMSのハードウェアバージョン情報を、受信したソフトウェア更新ファイルに含まれているハードウェアバージョンリスト300と比較し、ソフトウェア更新を進めるか否かを判断するステップである。
【0080】
ソフトウェア更新ファイルに含まれているハードウェアバージョンリスト300は、予め受信されてマイクロコントローラーの所定の領域にイメージファイルとして格納されてもよい。
【0081】
前記ハードウェアバージョン入力ステップまたはハードウェアバージョン情報取得ステップにおいて取得したハードウェアバージョン情報がハードウェアバージョンリストに存在するときにブートモードの開始を進める。
【0082】
ハードウェアバージョン情報がハードウェアバージョンリストに存在しないときには、アプリケーションモードに切り換える。
【0083】
指定チャンネル111を介して認証されたハードウェアバージョンがハードウェアバージョンリスト300に存在すれば、ソフトウェア更新が実行される。
【0084】
ソフトウェア更新を進めるために、下記のブートモード開始ステップにおいて、第1のスイッチ140はオフを保持し、第2のスイッチ150はオンの状態を保持する。
【0085】
指定チャンネル111を介して認証されたハードウェアバージョン情報がハードウェアバージョンリスト300に存在しなければ、ソフトウェア更新は実行されない。このため、第2のスイッチ150はオフに切り換えられ、第1のスイッチ140はオンに切り換えられてアプリケーションモード(または、常時モード)に移行する。ハードウェアバージョン情報は、それ以上マイクロコントローラー110に送信されない。
【0086】
3.5.ブートモードの切り換え
【0087】
ハードウェアバージョン入力ステップを通して取得したハードウェアバージョン情報がソフトウェア更新を進めるべきハードウェアバージョンリストに存在するとき、ソフトウェア更新は実行される。
【0088】
3.5.1.ブートモード開始ステップ(S450)
【0089】
BMSのソフトウェア及びハードウェアがソフトウェア更新のためのモードに切り換えられるステップであって、ソフトウェア更新に必要な装置のみが動作され、不要の装置はスリープモード(または、動作オフ)に切り換えられる。以降に、BMSのソフトウェア更新を進めるステップである。
【0090】
前記ブートモード切り換え判断ステップ(S350)において、ブートモードの開始に関する情報が入力されれば、マイクロコントローラー110においては、ブートモードに合うようにモードの切り換えを指示する。制御端子170を介して第1のスイッチ140がオンを保持するように制御し、第2のスイッチ150はオフを保持するように制御される。なお、これ以外に他のアプリケーション及びソフトウェアもまたブートモードを進行させる。
【0091】
3.5.2.ブートモード終了ステップ(S460)
【0092】
BMSのソフトウェア更新が完了したことを示す命令がマイクロコントローラー110の内部から入力されれば(図示せず)、ブートモードを中断するステップである。
【0093】
制御端子170を介して第2のスイッチ150はオフ(OFF)になり、第1のスイッチ140はオン(ON)になる。
【0094】
3.6.アプリケーションモード切り換えステップ(S470)
【0095】
ブートモードの終了後に、元のアプリケーションモード(または、常時モード)を開始する。このため、第2のスイッチ150はオフになり、マイクロコントローラーの前記指定チャンネル111はアプリケーション起動部120に接続されてアプリケーションの起動に必要な情報を入力または出力する。
【0096】
一方、本発明の技術的思想は、上記の実施形態に基づいて具体的に記述されたが、上記の実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないということに留意すべきである。なお、本発明の技術分野における当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において種々の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。
【0097】
以下は、本発明に適用された図面の各符号の名称を示す。
【符号の説明】
【0098】
100:従来のBMSボード
110:マイクロコントローラー
111:指定チャンネル
120:アプリケーション起動部
130:ハードウェアバージョン識別部
140:第1のスイッチ
150:第2のスイッチ
160:接続部
170:制御端子
200:本発明のBMSボード
300:ハードウェアバージョンリスト
図1
図2
図3
図4