(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】カーリングワンド
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20240719BHJP
A45D 2/20 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A45D1/00 501B
A45D2/20
(21)【出願番号】P 2024058943
(22)【出願日】2024-04-01
【審査請求日】2024-04-01
(31)【優先権主張番号】202311358334.1
(32)【優先日】2023-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520117710
【氏名又は名称】深▲せん▼市予一電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 瑩
(72)【発明者】
【氏名】黄 文兵
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-521216(JP,A)
【文献】特開2015-100601(JP,A)
【文献】中国実用新案第219679980(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00
A45D 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱素子が設けられる複数の熱伝導部材と、調節棒と、第1弾性ホルダと、第2弾性ホルダとを含むカーリングワンドであって、
前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダには、それぞれ第1弾性部材及び第2弾性部材が設けられ、前記熱伝導部材の両端は、それぞれ前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端に接続され、前記第1弾性ホルダ又は第2弾性ホルダは、前記調節棒に対して軸方向に沿って移動することで前記第1弾性ホルダと第2弾性ホルダとの間の軸方向距離を変化させ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材を弾性変形させることができ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端は、前記調節棒に対して径方向に沿って移動可能であることを特徴とする、カーリングワンド。
【請求項2】
前記調節棒の両端には、第1調節部材及び第2調節部材が設けられ、前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダは、前記第1調節部材と第2調節部材との間に設けられ、前記第1調節部材及び第2調節部材のうちの1つの調節部材は、前記調節棒に固定接続され、もう1つの調節部材は、前記調節棒と軸方向に沿って相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のカーリングワンド。
【請求項3】
前記第1調節部材は、前記調節棒の上端に固定して設けられ、前記第2調節部材は、前記調節棒の下端に設けられるとともに螺合により軸方向に沿って相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載のカーリングワンド。
【請求項4】
前記第2調節部材は、前記調節棒の下端に固定して設けられ、前記第1調節部材は、前記調節棒の上端に設けられるとともに螺合により軸方向に沿って相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載のカーリングワンド。
【請求項5】
前記第2調節部材には、前記第2調節部材の回転を駆動可能な調節操作構造が設けられることを特徴とする、請求項3又は4に記載のカーリングワンド。
【請求項6】
前記第1弾性ホルダは、第1ホルダ本体と、前記第1弾性部材とを含み、前記第1弾性部材の一端が前記第1ホルダ本体の上端に設けられ、他端が遊離端であり、
第2弾性ホルダは、第2ホルダ本体と、前記第2弾性部材とを含み、前記第2弾性部材の一端が前記第2ホルダ本体の下端に設けられ、他端が遊離端であることを特徴とする、請求項1に記載のカーリングワンド。
【請求項7】
前記調節棒には、第1位置規制構造が設けられ、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体には、第2位置規制構造が設けられ、前記第1位置規制構造と第2位置規制構造が合わせて前記調節棒及び前記第1弾性ホルダと第2弾性ホルダが相対的に回転できないようにすることを特徴とする、請求項6に記載のカーリングワンド。
【請求項8】
ガイドスリーブをさらに含み、前記ガイドスリーブは、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体と、前記熱伝導部材との間に設けられ、前記ガイドスリーブ内には、第1ガイド構造が設けられ、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体には、前記第1ガイド構造に合わせる第2ガイド構造が設けられることを特徴とする、請求項6に記載のカーリングワンド。
【請求項9】
第1保護スリーブと、第2保護スリーブとをさらに含み、前記第1保護スリーブは、前記熱伝導部材と前記第1弾性ホルダとの接続箇所に外嵌され、前記第2保護スリーブは、前記熱伝導部材と前記第2弾性ホルダとの接続箇所に外嵌されることを特徴とする、請求項1に記載のカーリングワンド。
【請求項10】
前記熱伝導部材は、円弧状板状であり、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端が前記調節棒に最も近いときに、隣接する2つの熱伝導部材は部分的に重なり、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端と、前記調節棒との間の径方向距離が徐々に増大するときに、隣接する2つの熱伝導部材間の重なり部分は徐々に減少することを特徴とする、請求項1に記載のカーリングワンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、理美容器具の分野に属し、特に、カーリングワンドに関する。
【背景技術】
【0002】
現代人の生活水準の向上に伴い、個人のイメージやヘアスタイルへの関心がますます高まっており、近年、カーリングワンドの開発が加速している。カールアイロンは、ヘアスタイリング用のケア器具であり、スタイリングとヘアケアの役割を果たす。カールアイロンのうち、最も一般的なものは、熱を利用して髪をカールしてスタイリングすることができるカーリングワンドである。カーリングワンド内に電気発熱部品が設けられ、髪の毛をカーリングワンドに巻き付け、発熱素子により髪の毛を加熱してスタイリングした後、髪の毛をカーリングワンドから外せば、巻き髪が形成される。使用者は、カーリングワンドを用いて様々な巻き髪を作ることができる。ヘアサロンや美容師は、カーリングワンドのセットを使用してウェーブ巻き、ナチュラル巻き髪、肩までの長さの巻き髪、ブロークン巻き髪、麦の穂巻き髪、フォワード巻き髪、リバース巻き髪などの様々な巻き髪を作っている。そのため、カーリングワンドは、美容愛好家に好まれる。
【0003】
従来では、直径が一定のカーリングワンドを用いてパーマをかけている。カーリングワンドの直径が変化できないため、1つのカーリングワンドは、同じサイズのウェーブしか作れない。しかし、日常的にカーリングワンドを使用する場合、巻き髪の曲率が一定ではなく、髪の長さや人々のスタイリングに対するニーズに応じて、様々なカールレベルを満たすために、様々な直径のカーリングワンドが必要になる。そうすると、直径が異なる複数のカーリングワンドを購入する必要があり、使用の便利さに不利であり、使用者の消費が増加する。ヘアスタイルによっては異なるウェーブが必要な場合、複数のカーリングワンドを同時に使用する必要があり、非常に面倒である。
【0004】
様々なヘアスタイルのニーズを満たすために、市販されているカールアイロンには付属品として様々な直径のカーリングワンド/チューブが付いている。このようにして製造コストと消費使用コストがある程度増加し、機器の収納と清掃の便利性が低下する。また、使用者が使用する際にウェーブのサイズを変更するために異なる付属品を交換する必要があるため、使用時の便利な体験が低下する。また、付いているカーリングワンドのサイズが一定である(例えば、直径19mm/22mm/25mm/28mm/32mmなど)ため、消費者が所望のサイズを調整することができず、消費者の選択性と適用性が低下する。
【0005】
そのため、構造が簡単で、操作が容易で、大きさが調整可能なカーリングワンドが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、大きさが調整可能なカーリングワンドを提供することである。
【0007】
本発明の目的を達成するために、以下の技術的手段を提供する。
本発明の一態様によれば、発熱素子が設けられる複数の熱伝導部材と、調節棒と、第1弾性ホルダと、第2弾性ホルダとを含むカーリングワンドであって、
前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダには、それぞれ第1弾性部材及び第2弾性部材が設けられ、前記熱伝導部材の両端は、それぞれ前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端に接続され、前記第1弾性ホルダ又は第2弾性ホルダは、前記調節棒に対して軸方向に沿って移動することで前記第1弾性ホルダと第2弾性ホルダとの間の軸方向距離を変化させ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材を弾性変形させることができ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端は、前記調節棒に対して径方向に沿って移動可能であるカーリングワンドが提供される。
【0008】
前記調節棒が前記第1弾性ホルダ又は第2弾性ホルダに対して軸方向に沿って相対的に変位し、前記熱伝導部材の両端がそれぞれ前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端に接続され、前記熱伝導部材の縦長さが変化せず、つまり、第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端間の距離が前記熱伝導部材の支持によって制限されることで変化しないため、軸方向に沿って前記調節棒を移動させるときに、前記第1弾性ホルダと第2弾性ホルダの間の軸方向距離を変化させると、前記第1弾性部材及び第2弾性部材はそれに伴って弾性変形し、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端と、前記調節棒との間の径方向距離は増大又は減少し、つまり、前記熱伝導部材と前記調節棒との間の径方向距離は増大又は減少する。これによって、周方向に設けられる複数の前記熱伝導部材によって定義される外周面積は増大又は減少し、前記カーリングワンドの直径の増大又は減少が達成される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記発熱素子として、発熱シート、発熱線を使用することができる。前記発熱素子は、前記熱伝導部材の内壁に取り付けられ、電源回路に電気的に接続される。前記熱伝導部材は、円弧状伝熱板であってよい。具体的には、複数の円弧状伝熱板は、前記調節棒を中心として設けられる。前記発熱素子は、カーリングワンド伝熱板に直接張り合わせてもよい。これによって、エネルギー消費がより小さい。電力の大きさに応じて電池又は有線電源の設計を選択することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記調節棒の両端には、第1調節部材及び第2調節部材が設けられ、前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダは、前記第1調節部材と第2調節部材との間に設けられ、前記第1調節部材及び第2調節部材のうちの1つの調節部材は、前記調節棒に固定接続され、もう1つの調節部材は、前記調節棒と軸方向に沿って相対的に移動可能である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1調節部材は、前記調節棒の上端に固定して設けられ、前記第2調節部材は、前記調節棒の下端に設けられるとともに螺合により軸方向に沿って相対的に移動可能である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第2調節部材は、前記調節棒の下端に固定して設けられ、前記第1調節部材は、前記調節棒の上端に設けられるとともに螺合により軸方向に沿って相対的に移動可能である。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第2調節部材には、調節操作構造が設けられる。具体的には、前記第2調節部材の回転を駆動する外部で操作可能なノブ/パドル/スライダである。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第1弾性ホルダは、第1ホルダ本体と、前記第1弾性部材とを含み、前記第1弾性部材の一端が前記第1ホルダ本体の上端に設けられ、他端が遊離端であり、第2弾性ホルダは、第2ホルダ本体と、前記第2弾性部材とを含み、前記第2弾性部材の一端が前記第2ホルダ本体の下端に設けられ、他端が遊離端である。
【0015】
いくつかの実施例において、前記調節棒には、第1位置規制構造が設けられ、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体には、第2位置規制構造が設けられ、前記第1位置規制構造と第2位置規制構造が合わせて前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダとの間で前記調節棒が相対的に回転できないようにさせる。
【0016】
いくつかの実施例において、ガイドスリーブをさらに含み、前記ガイドスリーブは、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体と、前記熱伝導部材との間に設けられ、前記ガイドスリーブ内には、第1ガイド構造が設けられ、前記第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体には、前記第1ガイド構造に合わせる第2ガイド構造が設けられる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記カーリングワンドは、第1保護スリーブをさらに含み、前記第1保護スリーブは、前記熱伝導部材と前記第1弾性ホルダとの接続箇所に外嵌される。いくつかの実施例において、前記第1保護スリーブは、前記第1弾性ホルダの上方に外嵌され、前記熱伝導部材と前記第1弾性ホルダとの接続箇所を被覆し、第1弾性ホルダを遮蔽し、内部構造の露出及び内部構造への髪の毛の進入を回避する。具体的には、前記第1保護スリーブは、軟質保護スリーブである。
【0018】
いくつかの実施例において、前記カーリングワンドは、第2保護スリーブをさらに含む。前記第2保護スリーブは、前記熱伝導部材と前記第2弾性ホルダとの接続箇所に外嵌され、第2弾性ホルダを遮蔽し、内部構造の露出及び内部構造への髪の毛の進入を回避する。具体的には、前記第2保護スリーブは、軟質保護スリーブである。
【0019】
いくつかの実施例において、前記熱伝導部材は、円弧状板状であり、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端が前記調節棒に最も近いときに、隣接する2つの熱伝導部材は部分的に重なり、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端と、前記調節棒との間の径方向距離が徐々に増大するときに、隣接する2つの熱伝導部材間の重なり部分は徐々に減少する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記カーリングワンドは、ハンドル及び電源アセンブリをさらに含む。前記ハンドルは、ハウジングを含む。前記電源アセンブリは、前記ハウジング内に設けられる。いくつかの実施例において、前記電源アセンブリは、回路基板と、それに電気的に接続される給電用電池とを含む。前記発熱素子は、前記電源アセンブリに電気的に接続される。前記電池は、一次電池又は充電池であってもよい。いくつかの別の実施例において、前記電源アセンブリは、電池による給電の代わりに、プラグイン式を使用することができる。
【0021】
従来技術と比較して、本発明は、以下の利点を有する。
本発明のカーリングワンドでは、直径を所定のサイズ範囲内で自由に調整可能であるため、使用者はウェーブの大きさを任意に変更でき、使用に便利である。また、付属品を交換する必要がないため、機器の収納と清掃により便利である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの分解図の一例である。
【
図2】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの縦断面図の一例である。
【
図3】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの斜視図の一例である。
【
図4】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの別の斜視図の例である。
【
図5】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの第1弾性ホルダの組立斜視図の一例である。
【
図6】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの変形原理の模式図の一例である。
【
図7】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの調節前後の変形構造の縦方向比較図の一例である。
【
図8】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの調節前後の変形構造の上面比較図の一例である。
【
図9】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの局所断面図の一例である。
【
図10】本発明の実施例1に係るカーリングワンドの発熱素子及び熱伝導部材の模式図の一例である。
【
図11】本発明の実施例2に係るカーリングワンドの変形原理の模式図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明における「第1」、「第2」、「第3」、「上方」、「下方」などの用語は、本発明の技術的手段を限定するものではなく、各部品を区別して説明するためのものに過ぎない。
【0024】
図1~8に示すように、本発明のカーリングワンドは、発熱素子110が設けられる複数の熱伝導部材100と、調節棒200と、第1弾性ホルダ300と、第2弾性ホルダ400とを含む。前記第1弾性ホルダ300及び第2弾性ホルダ400には、それぞれ第1弾性部材320及び第2弾性部材420が設けられる。前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420の数は、前記熱伝導部材100の数と一致する。各前記熱伝導部材100の両端は、それぞれ前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420の遊離端に接続される。前記第1弾性ホルダ300又は第2弾性ホルダ400は、前記調節棒200に対して軸方向に移動可能であり、これによって、前記第1弾性ホルダ300と第2弾性ホルダ400との間の軸方向距離が変化し、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420が弾性変形する。前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420の遊離端は、前記調節棒200に対して径方向に沿って移動可能である。
【0025】
前記調節棒200が前記第1弾性ホルダ300又は第2弾性ホルダ400に対して軸方向に沿って相対的に変位(上昇/下降)し、前記熱伝導部材100の両端がそれぞれ前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420の遊離端に接続され、前記熱伝導部材100の縦長さが変化せず、つまり、第1弾性部材320及び第2弾性部材420の遊離端間の距離が前記熱伝導部材100の支持によって制限されることで変化しないため、軸方向に沿って前記調節棒200を移動させるときに、前記第1弾性ホルダ300と第2弾性ホルダ400の間の軸方向距離を変化させると、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420はそれに伴って弾性変形して外へ広がるか又は寄り合い、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420の遊離端と、前記調節棒200との間の径方向距離は増大又は減少し、つまり、前記熱伝導部材100と前記調節棒200との間の径方向距離は増大又は減少する。これによって、周方向に設けられる複数の前記熱伝導部材100によって定義される外周面積は増大又は減少し、前記カーリングワンドの直径の増大又は減少が達成される。
【0026】
前記熱伝導部材100として、円弧状伝熱板が使用される。具体的には、複数の円弧状伝熱板は、前記調節棒200を取り囲んでカーリングワンドの丸棒状発熱本体を形成するように設けられる。発熱棒が寄り合って直径が減少した場合、隣接する2つの熱伝導部材100は部分的に重なっている。発熱棒が外へ広がって直径が大きくなった場合、隣接する2つの熱伝導部材100の重なり部分が減少する。
図5及び
図8に示すように、具体的な実施例において、隣接する2つの熱伝導部材100が軸心回りの円周に対してやや傾斜するように設けられてもよい。閉じる際に、隣接する2つの熱伝導部材100を互いに挿し合わせて重なり部分が形成され、これによって、発熱棒が閉じるときに、隣接する2つの熱伝導部材は互いに干渉することがない。別の実施例において、隣接する2つの熱伝導部材100の径方向における位置が異なってもよい。具体的には、熱伝導部材100の両端を固定するための前記第1弾性部材320、第2弾性部材420において、隣接する2つの第1弾性部材320の遊離端が遊離状態下で中心軸との径方向距離が異なり、隣接する2つの第2弾性部材420の遊離端が遊離状態下で中心軸との径方向距離も異なる。具体的には、間隔を空けて設けられるとともに中心軸との径方向距離が異なる2組の第1弾性部材320及び第2弾性部材420に分けることによって、両端が第1弾性部材320、第2弾性部材420に固定される熱伝導部材100も間隔を空けて設けられるとともに中心軸との径方向距離が異なる2組に分けられる。これによって、発熱棒が閉じるときに、隣接する2つの熱伝導部材は互いに干渉しないとともに部分的に重なり得る。
【0027】
図1、2及び6に示すように、具体的には、前記第1弾性ホルダ300は、第1ホルダ本体310と、前記第1弾性部材320とを含む。前記第1弾性部材320は、一端が前記第1ホルダ本体310の上端に固定され、他端が遊離端である。第2弾性ホルダ400は、第2ホルダ本体410と、前記第2弾性部材420とを含む。前記第2弾性部材420は、一端が前記第2ホルダ本体410の下端に固定され、他端が遊離端である。
【0028】
前記第1弾性部材320、第2弾性部材420の遊離端には、前記熱伝導部材100を取り付けて固定するための位置決め係止溝321が設けられる。前記位置決め係止溝321は、径方向に沿って間隔を空けて設けられる内壁と外壁(図示せず)を含み、これによって、前記位置決め係止溝321に挿入される前記熱伝導部材100は軸方向と径方向の両方において固定される。或いは、前記第1弾性部材320、第2弾性部材420の遊離端に開孔又は溝を設け、前記熱伝導部材100の両端に対応する突起を設けることにより前記固定を実現する。前記第1弾性部材320、第2弾性部材420が径方向に沿って移動する際に、前記熱伝導部材100を径方向に沿って移動させる。前記第1弾性部材320、第2弾性部材420の遊離端が前記調節棒200に最も近いときに、隣接する2つの熱伝導部材100間の重なり部分が最大になる。前記第1弾性部材320、第2弾性部材420の遊離端と前記調節棒200との間の径方向距離が徐々に増大するときに、隣接する2つの熱伝導部材100の間の重なり部分が徐々に減少する。
【0029】
図1及び
図9に示すように、前記調節棒200には、第1位置規制構造220が設けられ、前記第1ホルダ本体310及び/又は第2ホルダ本体410には、第2位置規制構造(図示せず)が設けられる。具体的には、前記第1位置規制構造220は、軸方向に沿って設けられるリブであり、前記第2位置規制構造は、それに合わせる凹溝である。前記第1位置規制構造220と第2位置規制構造とが係合することにより、前記調節棒200と前記第1弾性ホルダ300及び第2弾性ホルダ400とは相対的に回転することができない。
【0030】
前記調節棒200の両端には、第1調節部材510及び第2調節部材520が設けられる。前記第1弾性ホルダ300、第2弾性ホルダ400は、前記第1調節部材510と第2調節部材520の間に設けられる。前記第1調節部材510及び第2調節部材520のうちの1つは、前記調節棒200に固定接続され、もう1つは、前記調節棒200に対して軸方向に沿って移動することができる。
図1、2及び6~8に示すように、実施例1において、前記第1調節部材510は、前記調節棒200の上端に固定して設けられ、前記第2調節部材520は、前記調節棒200の下端に設けられる。前記調節棒200の下端の一部の外面には、雄ねじ210が設けられ、前記第2調節部材520には、調節棒200が挿入可能な挿入孔(図示せず)が設けられる。前記挿入孔には、合わせる雌ねじが設けられる。螺合により、前記第2調節部材520は、前記調節棒200に対して軸方向において相対的に移動することができ、これによって、前記第1調節部材510と前記第2調節部材520との間の距離は、ねじ調節により変化することができる。前記第1調節部材510は、前記第1弾性ホルダ300に当接し、前記第2調節部材520は、前記第2弾性ホルダ400に当接すること、及び熱伝導部材100の支持作用により、前記第1弾性ホルダ300と前記第1調節部材510の相対位置は、軸方向において固定され、前記第2弾性ホルダ400と前記第2調節部材520の相対位置は、軸方向において固定され、前記第1弾性ホルダ300の第1ホルダ本体310と、前記第2弾性ホルダ400の第2ホルダ本体410との間には、軸方向において距離が残っている。前記第1調節部材510と前記第2調節部材520との距離がねじ調節により変化すると同時に、前記第1弾性ホルダ300と前記第2弾性ホルダ400は、軸方向に沿って相対的に移動するように駆動されることで、両者の軸方向距離が変化し、前記第1弾性ホルダ300と前記第2弾性ホルダ400は軸方向に沿って互いに接近又は離間する。
【0031】
図6~8に示すように、前記第1弾性ホルダ300と前記第2弾性ホルダ400が軸方向に沿って相対的に移動して両者の軸方向における相対的な距離が変化するときに、前記伝熱板100の制限及び支持作用により、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420が弾性変形又は弾性回復する。前記第2調節部材520を回転させ、螺合作用により記調節棒を上昇又は下降させて前記第1弾性ホルダと前記第2弾性ホルダ400の間の距離を調節する。前記第1弾性ホルダの第1ホルダ本体310と前記第2弾性ホルダ400の第2ホルダ本体410とが互いに接近するときに、
図7bに示すように、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420が弾性変形して外へ広がり、
図7bにおけるC及びDの部分に示すように、前記伝熱板100の径方向位置がそれに伴って外へ移動し、
図7bに示すように、伝熱板100と中心軸の距離B、隣接する2つの伝熱板100の重なり部分が減少し、
図8bに示すように、前記カーリングワンドの発熱部分の直径が大きくなる。前記第1弾性ホルダの第1ホルダ本体310と前記第2弾性ホルダ400の第2ホルダ本体410とが互いに離間するときに、
図7aに示すように、前記第1弾性部材320及び第2弾性部材420は弾性回復力により内へ閉じ、
図7aにおけるC及びDの部分に示すように、前記伝熱板100の径方向位置がそれに伴って内へ移動し、
図7aに示すように、伝熱板100と中心軸の距離A、隣接する2つの伝熱板100の重なり部分が増大し、
図8aに示すように、前記カーリングワンドの発熱部分の直径が減少する。
【0032】
図1~3に示すように、前記第2調節部材520には、調節操作構造が設けられる。具体的には、外部で操作可能なスライダ521又はノブ/パドルなどにより前記第2調節部材520を回転させることで、調節棒200を上昇/下降させて弾性ホルダを変形させ、これによって、伝熱板と中心軸との間の距離を変化させ、カーリングワンドの直径を変化させる目的が達成される。
【0033】
図1、2及び9に示すように、前記第1ホルダ本体310及び第2ホルダ本体410に隣接する部分において、前記第1ホルダ本体310及び第2ホルダ本体410と前記熱伝導部材100との間には、ガイドスリーブ700が設けられる。前記ガイドスリーブ700内には、第1ガイド構造710が設けられる。前記第1ガイド構造710は、具体的に、縦方向に設けられる複数のスライド溝である。前記第1ホルダ本体310及び第2ホルダ本体410には、スライド溝に合わせる第2ガイド構造330、430が設けられる。前記第2ガイド構造330、430は、それぞれ前記第1ホルダ本体310及び第2ホルダ本体410における、前記第1ガイド構造710に合わせる縦方向に設けられるスライドレールに設けられる。この設置により、前記第1ホルダ本体310及び第2ホルダ本体410は、軸方向に沿ってよりスムーズに移動することができる。
【0034】
図1~7に示すように、前記カーリングワンドは、ハンドルと、電源アセンブリとをさらに含む。前記ハンドルは、ハウジングを含む。前記ハウジングは、第1外殻810と第2外殻820とを組み合わせてなり、内部に収容キャビティがある。前記電源アセンブリは、前記ハウジングのキャビティ内に設けられる。前記電源アセンブリは、回路基板830と、それに電気的に接続される給電用電池840とを含む。前記発熱素子110は、前記電源アセンブリに電気的に接続される。前記電池は、一次電池又は充電池であってもよい。いくつかの別の実施例において、前記電源アセンブリは、電池による給電の代わりに、プラグイン式を使用することができる。
【0035】
図1~7に示すように、前記カーリングワンドは、第1保護スリーブ610をさらに含む。前記第1保護スリーブ610は、前記熱伝導部材100と前記第1弾性ホルダ300との接続箇所に外嵌されるとともに、前記第1弾性ホルダ300の上方に外嵌され、前記熱伝導部材100と前記第1弾性ホルダ300との接続箇所を被覆することによって、第1弾性ホルダ300を遮蔽し、内部構造の露出及び内部構造への髪の毛の進入を回避する。具体的には、前記第1保護スリーブ610は、軟質保護スリーブである。前記カーリングワンドは、第2保護スリーブ620をさらに含む。前記第2保護スリーブ620は、前記熱伝導部材100と前記第2弾性ホルダ400との接続箇所に外嵌され、前記第2弾性ホルダ400と前記ハウジングとの間の隙間を被覆するとともに、前記第2弾性部材420の遊離端に接続又は当接する。前記第2保護スリーブ620の作用は、第2弾性ホルダ400を遮蔽し、内部構造の露出及び内部構造への髪の毛の進入を回避することである。具体的には、前記第2保護スリーブ620は軟質保護スリーブであり、その上面がオルガン構造であり、前記第2弾性部材420の遊離端の運動に伴って径方向に沿って伸ばしたり折ったりすることができる。
【0036】
具体的には、
図9及び
図10に示すように、前記発熱素子110として、発熱シート、発熱線を使用することができる。前記発熱素子110は、前記熱伝導部材100の内壁に取り付けられ、電源回路に電気的に接続される。前記発熱素子110は、カーリングワンド伝熱板に直接張り合わせてもよい。これによって、エネルギー消費がより小さい。電力の大きさに応じて電池又は有線電源の設計を選択することができる。
【0037】
図11に示すように、実施例2において、前記第2調節部材540が前記調節棒200の下端に固定して設けられ、前記第1調節部材530が前記調節棒200の上端に設けられるとともに螺合により軸方向に沿って相対的に移動可能である点で、実施例1と相違する。具体的には、前記調節棒200の上端部分の外面に雄ねじ210が設けられ、前記第1調節部材530に前記調節棒200に嵌合される溝(図示せず)が設けられ、かつ溝内に雄ねじに合わせる雌ねじが設けられる。これによって、前記第1調節部材530と前記第2調節部材540との間の距離は、ねじ調節により変化することができる。前記第1弾性ホルダ300と前記第2弾性ホルダ400を軸方向に沿って相対的に移動させ、両者の軸方向における距離を変化させることで、前記第1弾性ホルダ300と前記第2弾性ホルダ400は軸方向に沿って互いに接近又は離間する。
【0038】
本発明では、調節部材の螺合調節により、調節棒200を上昇/下降させて弾性ホルダを変形させることで伝熱板と中心軸の距離を変化させ、これによってカーリングワンドの直径を変化させる目的が達成される。カーリングワンドの直径は、所定のサイズ範囲内で自由に調整可能であるため、使用者は、ウェーブの大きさを任意に変更でき、使用に便利である。また、付属品を交換する必要がないため、機器の収納と清掃により便利である。
【0039】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されない。本発明の技術的手段に基づく同等置換は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【要約】 (修正有)
【課題】直径を所定のサイズ範囲内で自由に調整可能であり、調節構造が簡単で、操作が簡単なカーリングワンドを提供する。
【解決手段】発熱素子が設けられる複数の熱伝導部材と、調節棒と、第1弾性ホルダと、第2弾性ホルダと、を含むカーリングワンドであって、前記第1弾性ホルダ及び第2弾性ホルダには、それぞれ第1弾性部材及び第2弾性部材が設けられ、前記熱伝導部材の両端は、それぞれ前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端に接続され、前記第1弾性ホルダ又は第2弾性ホルダは、前記調節棒に対して軸方向に沿って移動することで前記第1弾性ホルダと第2弾性ホルダとの間の軸方向距離を変化させ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材を弾性変形させることができ、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の遊離端は、前記調節棒に対して径方向に沿って移動可能であるカーリングワンドが提供される。
【選択図】
図7