(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】視聴者の行動に基づいて表示制御を行う動画配信
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240719BHJP
H04N 21/83 20110101ALI20240719BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/83
(21)【出願番号】P 2024519558
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021502
(87)【国際公開番号】W WO2023228341
(87)【国際公開日】2023-11-30
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 航
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-074789(JP,A)
【文献】特開2016-197411(JP,A)
【文献】国際公開第2013/114683(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0276802(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプロセッサ
を備え、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
処理を実行する動画配信システム。
【請求項2】
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末に、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタの態様を前記送信された表示制御情報に基づいて変化させて表示させる
処理を実行する請求項1に記載の動画配信システム。
【請求項3】
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記収集された行動が顕著条件を満たせば、
前記顕著条件を満たす行動をした視聴者が被参照者として割り当てられていない視聴者のそれぞれに、前記顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる
処理を実行する請求項1
又は2に記載の動画配信システム。
【請求項4】
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が閾値に達していれば、前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者からいずれかを削除してから、前記顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる
処理を実行する請求項3に記載の動画配信システム。
【請求項5】
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が前記閾値に達していれば、前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者について収集された行動の度合いが最も低い被参照者を削除する
処理を実行する請求項4に記載の動画配信システム。
【請求項6】
前記動画は、アイテムの紹介を行うものであり、
前記収集された行動には、前記動画において紹介された前記アイテムの購入に関する行動が含まれ、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記ライブ配信される動画を視聴している間に、前記収集された購入に関する行動に基づいて、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタを強調表示する表示制御情報を生成する
処理を実行する請求項2に記載の動画配信システム。
【請求項7】
前記動画は、アイテムの紹介を行うものであり、
前記収集された行動には、前記動画において紹介された前記アイテムの購入に関する行動が含まれ、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記ライブ配信される動画を視聴している間に、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタに、前記購入に関する行動を示すオブジェクトを持たせる表示制御情報を生成する
処理を実行する請求項2に記載の動画配信システム。
【請求項8】
コンピュータが、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
処理を実行させるためのプログラ
ム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、視聴者の行動に基づいて表示制御を行う動画配信に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ライブ配信される動画を、視聴中の複数の視聴者に関する情報を含めて、視聴者の端末に表示させる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、動画コンテンツと視聴者のアバタとを視聴者端末に表示し、視聴者が、動画コンテンツの視聴中にアバタを介して他の視聴者とコミュニケーションをとることができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたようなシステムでは、視聴者数が増加すると表示されるアバタが増加し、システムにおいて表示処理にかかる負荷が大きくなってしまうという問題がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示処理の負荷を低減することが可能な動画配信システム、表示制御方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点に係る動画配信システムは、
1以上のプロセッサ
を備え、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する。
【0008】
本開示の第2の観点に係る表示制御方法は、
コンピュータが、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する。
【0009】
本開示の第3の観点に係る記録媒体は、
コンピュータに、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
処理を実行させるためのプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、表示処理の負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る動画配信システムの全体構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る配信サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る配信サーバの機能構成を示す図である。
【
図4】実施形態に係る視聴者端末の画面にアバタが表示された様子を示す図である。
【
図5】実施形態に係る行動履歴情報を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る被参照者情報を説明するための図である。
【
図7】実施形態に係る被参照者情報を説明するための図である。
【
図8】実施形態に係る視聴者端末の画面にアバタが表示された様子を示す図である。
【
図9】実施形態に係る視聴者端末の画面に強調表示されたアバタが表示された様子を示す図である。
【
図10】実施形態に係る視聴者端末の画面にオブジェクトを持つアバタが表示された様子を示す図である。
【
図11】実施形態に係る収集処理を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態に係る割当処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1.全体構成)
本開示の実施形態に係る動画配信システム1は、動画配信サービスを提供するものである。動画配信システム1は、
図1に示すように、配信サーバ100と、配信者端末200と、複数の視聴者端末300と、を含み、それぞれがインターネット等のコンピュータ通信網400を介して通信可能に接続される。
【0013】
配信サーバ100は、動画配信システム1が提供する動画配信サービスを管理する装置である。具体的には、配信サーバ100は、配信者端末200から配信された動画を管理し、視聴者端末300からの要求に応じて動画を配信する。
【0014】
配信者端末200は、動画を配信する配信者が使用する端末である。配信者は、例えば、配信者端末200を用いて、撮影している動画を配信サーバ100に送信し、配信サーバ100を介して視聴者端末300にライブ配信する。
【0015】
視聴者端末300は、配信された動画を視聴する視聴者が使用する端末である。視聴者は、例えば、配信サーバ100が管理する動画配信サービスに視聴者端末300からログインし、配信サーバ100を介して配信者端末200からライブ配信される動画を視聴する。
【0016】
(2.配信サーバのハードウェア構成)
図2は、配信サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
配信サーバ100は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記録媒体14と、出力デバイス15と、通信デバイス16と、入力デバイス17と、を備える。各構成要素は、バス18により接続されている。
【0018】
CPU11は、配信サーバ100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0019】
ROM12には、配信サーバ100全体の動作制御に必要なオペレーティングの記録媒体や各種のデータが記録される。
【0020】
RAM13は、データや記録媒体を一時的に記録するためのもので、記録媒体14から読み出した記録媒体やデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0021】
記録媒体14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、配信サーバ100で処理するデータを記録する。
【0022】
出力デバイス15は、LCD(Liquid Crystal Display)及びバックライト等の表示装置や、スピーカ等の音声出力装置を備える。出力デバイス15は、CPU11による制御の下、例えば、CPU11から出力されたデータを出力する。
【0023】
通信デバイス16は、配信サーバ100をインターネット等のコンピュータ通信網400に接続するための通信インタフェースを含み、通信デバイス16を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0024】
入力デバイス17は、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイク、カメラ、光学スキャナ等の入力装置を備える。入力デバイス17は、配信サーバ100の使用者から操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号をCPU11に出力する。
【0025】
(3.実施形態の配信サーバの機能構成)
配信サーバ100の機能構成について、
図3を用いて説明する。
【0026】
配信サーバ100は、機能的には、収集部101と、記憶部102と、割当部103と、生成部104と、送信部105と、を備える。本実施形態において、CPU11及び通信デバイス16が協働して収集部101及び送信部105として機能し、記録媒体14が記憶部102として機能し、CPU11が割当部103及び生成部104として機能する。
【0027】
以下では、動画配信サービスにおいて配信される動画は、ライブコマースに関するものもとして、配信サーバ100の機能について説明する。ここで、ライブコマースとは、電子商取引の一つの形態であり、ライブコマースでは、配信者がアイテムに関するライブ動画を配信し、そのライブ動画を視聴している視聴者がアイテムを購入することができる。したがって、動画は、配信者がアイテムを紹介し、アイテムの販売促進を行うものとする。
【0028】
配信サーバ100が視聴者端末300に配信する動画には、配信者が撮影した動画と、配信者が紹介しているアイテムについての情報と、視聴者端末300を使用する視聴者の分身としてのキャラクタであるアバタと、が含まれる。
【0029】
図4に、動画“X10”のライブ配信開始直後に、動画“X10”を視聴する視聴者“V1”の視聴者端末300の画面500の様子を示す。画面500には、配信者501が、アイテム“X10-1”502を所持してアイテム“X10-1”を紹介している様子の動画が表示されている。また、画面500には、配信中のアイテム“X10-1”に関する情報が表示されるパネル503が表示される。パネル503には、アイテム“X10-1”の画像504と、アイテム“X10-1”の販売価格の情報505と、アイテム“X10-1”を販売する販売ページへ遷移するためのボタン506と、視聴者によるコメントを入力するための入力欄507と、評価アイコン508と、視聴者により入力されたコメントの表示欄509と、が含まれる。評価アイコン508には、高評価アイコンと低評価アイコンが含まれ、視聴者が高評価アイコン又は低評価アイコンをクリック等により選択すると、選択された評価アイコンに隣接して表示される数字が増加する。評価アイコンに隣接して表示される数字は、動画“X10”を視聴する複数の視聴者により選択された回数の累計である。また、表示欄509には動画“X10”を視聴する複数の視聴者により入力されたコメントが表示される。
【0030】
さらに、画面500には、ライブ配信中の動画を視聴する視聴者のアバタ510~512が表示される。アバタ510,511,512はそれぞれ、視聴者“V1”,視聴者“V2”,視聴者“V10”のアバタであるとする。なお、説明の簡略化のため、図面の画面500には3体のアバタが表示されているが、実際は、後述する被参照者の数に応じて多数のアバタが表示されるものとする。
【0031】
図3の収集部101は、ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末300から収集する。
【0032】
視聴者の行動とは、動画がライブ配信されている間に視聴者が視聴者端末300において行った行動である。例えば、収集部101は、ライブコマースに関する動画のライブ配信が開始されると、視聴者による動画の視聴の開始及び視聴の終了の行動を収集する。ここで、収集部101により収集された行動には、動画において紹介されたアイテムの購入に関する行動が含まれる。アイテムとは、例えば、商品、サービス等、ライブコマースの動画において紹介あるいは販売促進されるあらゆるものを示す。アイテムの購入に関する行動とは、例えば、視聴者によるアイテムの販売ページの閲覧、販売ページにおける電子カートへのアイテムの投入、販売ページにおける購入決済の完了、である。収集された行動の情報は、記憶部102に行動の履歴として格納される。
【0033】
図5に、記憶部102に行動の履歴として格納される行動履歴情報の例を示す。行動履歴情報には、視聴者を特定するための視聴者IDと、視聴者が視聴した動画を特定するための動画IDと、動画内で紹介されたアイテムを特定するためのアイテムIDと、視聴者が行った行動の内容を示す行動ステイタスと、視聴者が行動を行った行動日時と、が対応付けて含まれる。
【0034】
図3の割当部103は、複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、収集された行動に基づいて複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当てる。
【0035】
被参照者とは、視聴者と同じ動画を視聴する他の視聴者であり、視聴者が動画を視聴している間にその者の行動を参照する他の視聴者である。
【0036】
例えば、割当部103は、まず、動画“X10”がライブ配信される前に、ライブ配信される動画“X10”の視聴予約を行っている視聴者のそれぞれについて、被参照者を割り当てる。具体的には、割当部103は、視聴予約を行っている複数の視聴者の過去の行動履歴情報に基づいて、視聴予約を行っている視聴者のそれぞれについて、視聴予約を行っている複数の視聴者から特定される他の視聴者を被参照者として割り当てる。
【0037】
例えば、割当部103は、動画“X10”について視聴予約を行っている視聴者“V1”~視聴者“VL”(Lは2以上の自然数)のそれぞれについて、被参照者を割り当てる。割当部103は、まず、視聴者“V1”及び視聴予約を行っている他の視聴者“V2”~視聴者“VL”について、行動履歴情報の動画IDから視聴された動画を特定する。そして、割当部103は、視聴者“V1”が視聴した動画の配信者と同じ配信者の動画を視聴した他の視聴者を、視聴者“V1”の被参照者として割り当てる。或いは、割当部103は、行動履歴情報の動画IDから視聴された動画のジャンルを特定し、視聴者“V1”と同じジャンルの動画を視聴した他の視聴者を、視聴者“V1”の被参照者として割り当てる。或いは、行動履歴情報のアイテムID及び行動ステイタスから購入されたアイテムのジャンルを特定し、視聴者“V1”と同じジャンルのアイテムを購入した他の視聴者を、視聴者“V1”の被参照者として割り当てる。視聴者“V2”~視聴者“VL”のそれぞれについても、視聴者“V1”と同様に、視聴した動画の配信者、視聴した動画のジャンル、又は、購入したアイテムのジャンルに基づいて、被参照者を割り当てる。
【0038】
ここで、割当部103がそれぞれの視聴者に割り当てる被参照者の数の上限値は予め定められているとする。上限値は、配信サーバの管理者により任意に設定される。そして、動画のライブ配信前に視聴者に割り当てる被参照者の数は、予め定められた上限値よりさらに少ない数を上限値として設定する。これにより、動画のライブ配信が開始された後に参加する視聴者、又は、動画のライブ配信中に後述する顕著条件を満たす視聴者を、被参照者として割り当てるための余地を残しておく。例えば、上限値をNとすると、割当部103は、それぞれに視聴者について、動画のライブ配信前に、上限値M(MはNより小さい1以上の自然数。例えば、0.6×N(小数点以下を切り捨て))として被参照者を割り当てる。それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の情報は、記憶部102に格納される。
【0039】
図6に、記憶部102に格納される被参照者の被参照者情報の例を示す。被参照者情報には、被参照者が割り当てられた視聴者を特定するための視聴者IDと、被参照者を特定するための被参照者IDが含まれる。被参照者IDは、視聴者IDが示す視聴者と同じ動画を視聴する他の視聴者を示すものである。
図6の被参照者情報は、動画“X10”のライブ配信開始前の状態を示すものとする。例えば、
図6の1行目のレコードは、動画“X10”の視聴予約をしている視聴者“V1”に、視聴予約をしている他の視聴者“V2”~視聴者“V10”が被参照者として割り当てられていることを示す。なお、複数の視聴者のそれぞれに割り当てられる被参照者は、一部が重複してもよいし、全てが重複してもよいし、或いは、全く重複しなくてもよい。
【0040】
図3の生成部104は、それぞれの視聴者について、収集された行動のうちそれぞれの視聴者の行動及びそれぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成する。
【0041】
表示制御情報とは、視聴者端末300に表示されるアバタの態様を制御する情報である。配信サーバ100は、それぞれの視聴者が使用する視聴者端末300に表示制御情報を送信し、視聴者端末300に、それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタの態様を送信された表示制御情報に基づいて変化させて表示させる。
【0042】
例えば、生成部104は、動画“X10”のライブ配信開始前に、視聴者“V1”及び被参照者として割り当てられた視聴者“V2”~視聴者“V10”の行動履歴情報を参照して、アイテムの購入回数が多い視聴者のアバタほど、画面に大きく表示される表示制御情報を生成する。生成部104は、視聴予約をしている視聴者“V2”~視聴者“VL”のそれぞれについても、同様に、表示制御情報を生成する。また、生成部104は、動画“X10”のライブ配信開始後は、ライブ配信中に収集部101により収集され、記憶部102に格納された行動履歴情報を参照して、それぞれの視聴者及び被参照者のアバタの表示制御情報を生成する。
【0043】
図3の送信部105は、生成された表示制御情報をそれぞれの視聴者が使用する視聴者端末300へ送信する。
【0044】
例えば、送信部105は、生成された表示制御情報を、視聴者“V1”~視聴者“VL”の視聴者端末300に送信する。
【0045】
例えば、送信部105が、視聴者“V1”の視聴者端末300に、視聴者“V10”、視聴者“V1”、視聴者“V2”の順にアバタが大きくなるように表示させる表示制御情報を送信したとすると、視聴者“V1”の視聴者端末300には、
図4のように、アバタ512、アバタ510,アバタ511の順に大きく表示される。
【0046】
また、割当部103は、収集された行動が顕著条件を満たせば、顕著条件を満たす行動をした視聴者が被参照者として割り当てられていない視聴者のそれぞれに、顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる。
【0047】
顕著条件とは、他の視聴者の行動に比べて目立つ行動をしたことであり、例えば、アイテムの購入の関連する行動をしたことである。具体例として、顕著条件は、アイテムの販売ページの閲覧、アイテムの電子カートへの投入、アイテムの購入決済の完了である。
【0048】
例えば、ライブ配信開始後に、視聴者“V1”に被参照者として割り当てられていない視聴者“V19”について収集された行動が、アイテム“X10-1”の購入決済の完了であったとする。また、視聴者“V1”に被参照者として割り当てられていない視聴者“V20”についてライブ配信開始後に収集された行動が、アイテム“X10-1”の電子カートへの投入であったとする。この場合、割当部103は、視聴者“V19”及び視聴者“V20”の行動は顕著条件を満たし、視聴者“V19”及び視聴者“V20”は視聴者“V1”に被参照者として割り当てられていないと判断し、視聴者“V19”及び視聴者“V20”を、視聴者“V1”の新たな被参照者として割り当てる。新たな被参照者が割り当てられると、被参照者情報は、
図7に示すように、視聴者“V19”及び視聴者“V20”のIDを視聴者“V1”の被参照者IDに追加して更新される。
【0049】
ここで、割当部103は、それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が閾値に達していれば、それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者からいずれかを削除してから、顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる。
【0050】
閾値とは、視聴者に割り当てる被参照者の数の上限値である。
【0051】
例えば、割当部103は、視聴者“V1”に上限値Nの被参照者が既に割り当てられており、視聴者“V19”及び視聴者“V20”を、視聴者“V1”の新たな被参照者として割り当てようとすると、既に被参照者として割り当てられているN人の視聴者のうち2人を視聴者“V1”の被参照者情報から削除する。
【0052】
具体的には、割当部103は、それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が閾値に達していれば、それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者について収集された行動の度合いが最も低い被参照者を削除する。
【0053】
行動の度合いとは、例えば、視聴者が動画のライブ配信中に行った行動の頻度、又は、アイテムの購入手続の段階により示されるものとする。例えば、評価アイコン508の選択、コメントの入力、販売ページの閲覧、電子カートへのアイテムの投入、購入決済の完了等、ライブ配信されている動画に関する行動を行った頻度が高いほど、行動の度合いが高いと見なす。或いは、ライブ配信されている動画に関する行動について、アイテムの購入手続の段階が、購入決済完了に近い程、行動の度合いが高いと見なす。例えば、販売ページの閲覧、電子カートへのアイテムの投入、購入決済の完了、の順に行動の度合いが高いと見なす。
【0054】
例えば、割当部103は、視聴者“V1”に割り当てられた被参照者の数がN人に達していれば、N人の被参照者のうち、行動の度合いが最も低い被参照者1名を削除し、視聴者“V19”を新たな被参照者とする。視聴者“V19”を新たな被参照者に割り当てると、視聴者“V1”に割り当てられた被参照者の数がN人に達するので、割当部103は、さらに、視聴者“V19”を含めたN人の被参照者のうち行動の度合いが最も低い被参照者1名を削除し、視聴者“V20”を新たな被参照者とする。
【0055】
図8に、新たな被参照者が割り当てられた後の視聴者端末300の画面500の様子を示す。画面500には、視聴者“V19”のアバタ513と、視聴者“V20”のアバタ514とが表示される。
【0056】
また、生成部104は、ライブ配信される動画を視聴している間に、収集された購入に関する行動に基づいて、それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタを強調表示する表示制御情報を生成する。
【0057】
例えば、生成部104は、アイテムの購入決済完了に近い段階の行動を行った視聴者及び被参照者ほど、その行動を行った視聴者のアバタが画面500において目立つように強調表示する表示制御情報を生成する。例えば、生成部104は、アイテムの購入決済完了に近い段階の行動を行った視聴者及び被参照者のアバタほど、アバタの周辺に濃い色を付す表示制御情報を生成する。或いは、生成部104は、アイテムの購入決済完了に近い段階の行動を行った視聴者及び被参照者のアバタほど、アバタの周辺が強い強度で光る表示制御情報を生成する。
【0058】
図9に、色の濃度により強調表示されたアバタが画面500に表示された様子を示す。例えば、視聴者“V1”がアイテム“X10-1”の販売ページを閲覧し、視聴者“V1”の被参照者である視聴者“V19”がアイテム“X1-1”の購入決済を完了し、視聴者“V1”の被参照者である視聴者“V20”がアイテム“X10-1”を電子カートへ投入したとする。この場合、生成部104は、視聴者“V1”のアバタ510、視聴者“V20”のアバタ514、視聴者“V19”のアバタ513の順に濃度が濃くなるように、アバタの周辺に色を付す表示制御情報を生成する。送信部105は、生成された表示制御情報を視聴者“V1”の視聴者端末300に送信し、視聴者“V1”の視聴者端末300において、
図9の画面が表示される。
【0059】
或いは、生成部104は、ライブ配信される動画を視聴している間に、それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタに、購入に関する行動を示すオブジェクトを持たせる表示制御情報を生成する。
【0060】
購入に関する行動とは、例えば、アイテムの販売ページを閲覧する、アイテムを電子カートに投入する、アイテムの購入決済を完了する、等である。また、例えば、アイテムの販売ページの閲覧を示すオブジェクトは、スマートフォンのオブジェクトであり、アイテムの電子カートへの投入を示すオブジェクトは、買い物かごのオブジェクトであり、アイテムの購入決済の完了を示すオブジェクトは、ショッピングバッグのオブジェクトである。
【0061】
図10に、購入に関する行動を示すオブジェクトを持たせたアバタが画面500に表示された様子を示す。生成部104は、視聴者“V1”のアバタ510のアバタにスマートフォンのオブジェクト515を持たし、視聴者“V19”のアバタ513にショッピングバッグのオブジェクト517を持たし、視聴者“V20”のアバタ514に買い物かごのオブジェクト516を持たす表示制御情報を生成する。送信部105は、生成された表示制御情報を視聴者“V1”の視聴者端末300に送信し、視聴者“V1”の視聴者端末300において、
図10の画面が表示される。
【0062】
(4.実施形態の配信サーバの動作)
本実施形態の配信サーバ100の動作について、
図11~
図13を用いて説明する。
【0063】
まず、
図11の処理について説明する。
図11の収集処理は、配信サーバ100において動画がライブ配信されると、開始される。
【0064】
収集部101は、ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末300から収集する(ステップS101)。
【0065】
例えば、収集部101は、動画“X10”がライブ配信されると、動画“X10”を視聴する複数の視聴者の視聴者端末300から、それぞれの視聴者の行動を収集する。
【0066】
収集部101は、収集した行動を行動履歴情報として記憶部102に格納する(ステップS102)。
【0067】
例えば、収集部101は、それぞれの視聴者について、視聴者IDと、動画IDと、アイテムIDと、行動ステイタスと、行動日時と、を対応付けて行動履歴情報として記憶部102に格納する。
【0068】
収集部101は、動画のライブ配信が終了したか否かを判断する(ステップS103)。収集部101は、動画のライブ配信が終了したと判断すると(ステップS103;YES)、収集処理を終了する。一方、収集部101は、動画のライブ配信が終了していないと判断すると(ステップS103;NO)、ステップS101に戻る。
【0069】
例えば、収集部101は、動画“X10”のライブ配信が終了すると、視聴者端末300からの行動の収集を終了する。一方、収集部101は、動画“X10”のライブ配信が終了していないと判断すると、引き続き、複数の視聴者端末300から視聴者の行動を収集する。
【0070】
次に、
図12の処理について説明する。
図12の表示制御処理は、動画のライブ配信が開始される前の配信サーバ100の管理者により指定された時点、及び、動画のライブ配信中に周期的に実行される処理である。
【0071】
割当部103は、複数の視聴者のそれぞれについて被参照者を割り当てる割当処理を実行する(ステップS201)。
【0072】
割当部103が実行する割当処理を、
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0073】
割当部103は、動画がライブ配信前か否かを判断する(ステップS301)。割当部103は、動画がライブ配信前と判断すると(ステップS301;YES)、記憶部102に格納された行動履歴情報を参照して、動画を視聴予約している視聴者のそれぞれの視聴者について、視聴予約している複数の視聴者から他の視聴者を被参照者として特定する(ステップS302)。そして、特定した被参照者を視聴者に割り当てる(ステップS303)。
【0074】
例えば、割当部103は、動画“X10”について視聴予約を行っている視聴者“V1”~視聴者“VL”の過去の行動履歴情報から視聴した動画のジャンルを特定し、同じジャンルの動画を視聴している他の視聴者を、視聴者“V1”~視聴者“VL”のそれぞれに対し、被参照者として特定する。そして、割当部103は、視聴者IDと特定した被参照者の視聴者IDとを、被参照者情報として格納する。
【0075】
ステップS301において、割当部103は、動画がライブ配信前でない、すなわち、ライブ配信が開始されていると判断すると(ステップS301;NO)、収集部101が収集した行動が顕著条件を満たすか否かを判断する(ステップS304)。割当部103は、収集部101が収集した視聴者の行動が顕著条件を満たすと判断すると(ステップS304;YES)、顕著条件を満たす視聴者が被参照者として割り当てられていない視聴者のそれぞれについて、顕著条件を満たす視聴者を新たな被参照者として特定する(ステップS305)。一方、割当部103は、収集部101が収集した行動が顕著条件を満たさないと判断すると(ステップS304;NO)、割当処理を終了する。
【0076】
例えば、割当部103は、動画“X10”のライブ配信開始後に、視聴者“V19”について収集された行動が顕著条件を満たすと判断すると、視聴者“V19”が被参照者として割り当てられていない視聴者を、
図6の被参照者情報を参照して検索する。そして、割当部103は、検索の結果、視聴者“V1”には視聴者“V19”が被参照者として割り当てられていないと判断すると、視聴者“V1”について視聴者“V19”を被参照者として特定する。また、割当部103は、視聴者“V19”が被参照者として割り当てられていない視聴者が視聴者“V1”以外にも存在すれば、その視聴者についても視聴者“V19”を被参照者として特定する。顕著条件を満たす行動をした視聴者が複数いる場合、顕著条件を満たす行動をした複数の視聴者(例えば、視聴者“V19”、視聴者“V20”)のそれぞれについて、被参照者として割り当てられていない視聴者を検索し、検索された視聴者について、顕著条件を満たす行動をした複数の視聴者を被参照者として特定する。一方、割当部103は、動画“X10”のライブ配信開始後に収集された視聴者の行動が顕著条件を満たさないと判断すると、割当処理を終了する。
【0077】
割当部103は、被参照者が特定されたそれぞれの視聴者について、ステップS307~S309の処理を開始する(ステップS306)。割当部103は、被参照者が特定された視聴者に割り当てられた被参照者の数が閾値に達しているか否かを判断する(ステップS307)。割当部103は、割り当てられた被参照者の数が閾値に達していると判断すると(ステップS307;YES)、被参照者のうち、行動の度合いが最も低い被参照者を削除する(ステップS308)。そして、割当部103は、視聴者についてステップ305において特定された被参照者を、当該視聴者の新たな被参照者に割り当てる(ステップS309)。一方、割当部103は、割り当てられた被参照者の数が閾値に達していないと判断すると(ステップS307;NO)、視聴者についてステップ305において特定された被参照者を、当該視聴者の新たな被参照者として割り当てる(ステップS309)。ステップS307~ステップS309の処理は、被参照者が特定されたそれぞれの視聴者について繰り返される。なお、視聴者について複数の被参照者が特定された場合は、視聴者について、特定された被参照者の数だけさらにステップS307~ステップS309の処理が繰り返される。そして、被参照者が特定されたそれぞれの視聴者について、ステップS307~ステップS309の処理が終了すると(ステップS310)、割当処理を終了する。
【0078】
例えば、割当部103は、視聴者“V19”及び視聴者“V20”が被参照者として特定された視聴者“V1”に上限値Nの被参照者が既に割り当てられていると判断すると、既に被参照者として割り当てられているN人の視聴者のうち、行動の度合いが最も低い被参照者1名を削除し、視聴者“V19”を新たな被参照者とする。さらに、割当部103は、視聴者“V19”を含めたN人の被参照者のうち行動の度合いが最も低い被参照者1名を削除し、視聴者“V20”を新たな被参照者とする。一方、割当部103は、視聴者“V19”が被参照者として特定された視聴者“V2”に上限値Nよりも少ない被参照者しか割り当てられていないと判断すると、視聴者“V2”に視聴者“V19”を新たな被参照者として割り当てる。
【0079】
図13の割当処理が終了すると、
図12に戻り、生成部104は、それぞれの視聴者について、収集された行動のうちそれぞれの視聴者の行動及びそれぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成する(ステップS202)。そして、送信部105は、生成された表示制御情報をそれぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する(ステップS203)。
【0080】
例えば、生成部104は、動画“X10”のライブ配信中に、アイテムの購入決済完了に近い段階の行動を行った視聴者及び被参照者ほど、その行動を行った視聴者のアバタが画面500において目立つように強調表示する表示制御情報を生成する。そして、送信部105は、ライブ配信中の動画“X10”を視聴している視聴者の視聴者端末300に生成された表示制御情報を送信する。例えば、視聴者“V1”の視聴者端末300に、視聴者“V1”のアバタ510、視聴者“V20”のアバタ514、視聴者“V19”のアバタ513の順に、アバタの周辺に濃い色を付す表示制御情報が送信されたとすると、視聴者“V1”の視聴者端末300において、
図9の画面が表示される。
【0081】
本実施形態によれば、ライブ配信される動画の視聴中に、複数の視聴者の行動を収集し、視聴者に他の視聴者を被参照者として割り当て、視聴者及び被参照者の行動に基づいて、視聴者の視聴者端末において表示される情報の表示制御情報を生成し、送信する。これにより、スター型の通信ネットワークで複数の視聴者の視聴者端末から行動情報を収集し、複数の視聴者端末に表示制御情報を提供するので、通信トラフィックを抑制することができる。また、ライブ配信される動画の他の視聴者の行動を反映した表示制御情報を生成して、視聴者端末に提供するので、視聴者は、他の視聴者の行動を確認しながらライブ配信される動画を視聴することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、収集した行動に基づいて態様が変化する視聴者及び被参照者のアバタを視聴者端末に表示させることができる。これにより、他の視聴者の行動をより分かりやすく確認することができる。また、視聴者端末に表示されるアバタは、ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の全てではなく、視聴者端末の視聴者及び当該視聴者に割り当てられた被参照者のアバタのみであるので、視聴者端末の負荷を抑えることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、動画のライブ配信中に他の視聴者と比べて目立つ行動を行った者が被参照者として割り当てられる。これにより、目立つ行動をとった他の視聴者の行動を、視聴者に提示することができる。例えば、ライブコマースに関する動画がライブ配信されている間に、アイテムの購入等を行った視聴者を被参照者とし、この被参照者の行動を、視聴者端末を介して視聴者に提示する。これにより、視聴者の購買意欲を高めることができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、視聴者に割り当てる被参照者の数に上限を設けるので、視聴者端末の負荷を抑えることがでる。例えば、視聴者端末の画面に表示されるアバタの数に上限が設けられるので、視聴者端末の負荷を抑えることができ、また、上限値の調整により視聴者端末の負荷を調節することができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、視聴者に割り当てる被参照者の数が上限に達している場合、行動の度合いが低い被参照者を削除して、新たな被参照者を割り当てる。これにより、活動の程度が低い被参照者から顕著な行動をする被参照者に切り替えることができ、視聴者が行動を参照する機会を増やすことができる。例えば、視聴者端末においては、あまり行動しないアバタが画面から退場し、顕著な行動をするアバタが画面に登場するようにアバタが交替していくので、顕著な行動によって、視聴者の購買意欲が高めることができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、視聴者及び被参照者の購入行動に基づいて、アバタが強調表示される。これにより、より目立ちたい視聴者及び被参照者である他の視聴者の購買行動を高めることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、視聴者及び被参照者の購入行動を示すオブジェクトを持ったアバタが表示される。これにより、他の視聴者の購入行動がわかりやすく視覚化され、現実の店舗で買い物をしているかのような感覚を視聴者に与えることができる。例えば、現実では、アイテムの周りに人が多かったり、アイテムを買い物かごに入れているのを見ることで、アイテムの人気を感じることができるが、アバタに購入行動を示すオブジェクトを持たせることにより、視聴者にアイテムの人気の程度を感じさせることができる。
【0088】
(5.変形例)
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0089】
上記実施形態において、動画配信システム1には1つの配信サーバ100が含まれているが、これに限らない。配信サーバ100の機能は、複数のサーバにより実現されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態において、表示制御情報に基づいてアバタの態様が変化するとしたが、これに限らず、表示制御情報により画面に表示される他の情報の態様が変化してもよい。例えば、表示制御情報によって、視聴者コメントの表示欄509の視聴者名の表示形態が変化してもよい。
【0091】
また、上記実施形態において、同一の上限値N,Mを複数の視聴者に設定しているが、これに限らず、視聴者毎に異なる上限値を設定してもよい。或いは、上限値は、視聴者端末300の視聴者が自身で設定できるようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態において、
図12の表示制御処理が動画のライブ配信中に周期的に実行されるとしたが、これに限らない。例えば、
図12の表示制御処理は、収集部101により収集された行動が顕著条件を満たす場合に実行されるようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態に係る配信サーバ100の動作を規定するプログラムを、既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ又は情報端末装置を、実施形態に係る配信サーバ100として機能させることも可能である。
【0094】
また、上記プログラムは、非一時的な(non-transitory)記録媒体に記録されてもよい。非一時的な記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データや記録媒体を一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM等の揮発性メモリである。
【0095】
(付記)
[1]
1以上のプロセッサ
を備え、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
処理を実行する動画配信システム。
【0096】
[2]
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末に、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタの態様を前記送信された表示制御情報に基づいて変化させて表示させる
処理を実行する[1]に記載の動画配信システム。
【0097】
[3]
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記収集された行動が顕著条件を満たせば、
前記顕著条件を満たす行動をした視聴者が被参照者として割り当てられていない視聴者のそれぞれに、前記顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる
処理を実行する[1]又は[2]に記載の動画配信システム。
【0098】
[4]
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が閾値に達していれば、前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者からいずれかを削除してから、前記顕著条件を満たす行動をした視聴者を新たに被参照者として割り当てる
処理を実行する[3]に記載の動画配信システム。
【0099】
[5]
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の数が前記閾値に達していれば、前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者について収集された行動の度合いが最も低い被参照者を削除する
処理を実行する[4]に記載の動画配信システム。
【0100】
[6]
前記動画は、アイテムの紹介を行うものであり、
前記収集された行動には、前記動画において紹介された前記アイテムの購入に関する行動が含まれ、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記ライブ配信される動画を視聴している間に、前記収集された購入に関する行動に基づいて、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタを強調表示する表示制御情報を生成する
処理を実行する[2]から[5]のいずれか1項に記載の動画配信システム。
【0101】
[7]
前記動画は、アイテムの紹介を行うものであり、
前記収集された行動には、前記動画において紹介された前記アイテムの購入に関する行動が含まれ、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つは、
前記ライブ配信される動画を視聴している間に、前記それぞれの視聴者及び当該それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者のアバタに、前記購入に関する行動を示すオブジェクトを持たせる表示制御情報を生成する
処理を実行する[2]から[6]のいずれか1項に記載の動画配信システム。
【0102】
[8]
コンピュータが、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
表示制御方法。
【0103】
[9]
コンピュータに、
ライブ配信される動画を視聴する複数の視聴者の行動を、前記複数の視聴者のそれぞれが使用する複数の視聴者端末から収集し、
前記複数の視聴者のそれぞれの視聴者に、前記収集された行動に基づいて前記複数の視聴者のうちから特定される他の視聴者を被参照者として割り当て、
前記それぞれの視聴者について、
前記収集された行動のうち前記それぞれの視聴者の行動及び前記それぞれの視聴者に割り当てられた被参照者の行動に基づいて、表示制御情報を生成し、
前記生成された表示制御情報を前記それぞれの視聴者が使用する視聴者端末へ送信する
処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0104】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示によれば、表示処理の負荷を低減することが可能な動画配信システム、表示制御方法及び記録媒体を提供することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 動画配信システム、11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 記録媒体、15 出力デバイス、16 通信デバイス、17 入力デバイス、18 バス、100 配信サーバ、101 収集部、102 記憶部、103 割当部、104 生成部、105 送信部、200 配信者端末、300 視聴者端末、400 コンピュータ通信網、500 画面、501 配信者、502 アイテム“X10-1”、503 パネル、504 画像、505 情報、506 ボタン、507 入力欄、508 評価アイコン、509 表示欄、510~514 アバタ、515~517 オブジェクト