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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】サーフボード
(51)【国際特許分類】
   B63B 32/40 20200101AFI20240722BHJP
   B63B 32/62 20200101ALI20240722BHJP
【FI】
B63B32/40
B63B32/62
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023215832
(22)【出願日】2023-12-21
【審査請求日】2023-12-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年1月17日,株式会社PR TIMESがウェブサイトで公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年1月17日,株式会社ラフティがウェブサイトで公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年2月18日,Valiant CEOがウェブサイトで公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523017958
【氏名又は名称】株式会社ラフティ
(74)【代理人】
【識別番号】100221291
【弁理士】
【氏名又は名称】青井 隆徳
(72)【発明者】
【氏名】奥村 哲次
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0033272(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0065465(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174299(US,A1)
【文献】実開昭61-200086(JP,U)
【文献】特開昭53-131694(JP,A)
【文献】実開昭49-133997(JP,U)
【文献】奥村哲次,“第5章 透明なサーフボードを発明した「アイデア術」”,乗り越え力 僕ががんから生還して年商1億円フリーランスになった理由,初版,日本,株式会社日本ビジネス出版,2022年12月16日,pp.139-164
【文献】Juan Hernandez,“The Jesus Board is Your Chance to Walk on Water for $750”,[online],米国,The Inertia,2016年11月23日,[令和6年1月4日検索],インターネット<URL:http://www.theinertia.com/surf/the-jesus-board-is-your-chance-too-walk-on-water-for-750>
【文献】“海をそのまま感じられる透明サーフボード誕生。廃棄ペットボトルを素材として使用”,[online],日本,IGNITE,2023年08月30日,[令和6年1月4日検索],インターネット<URL:https://ignite.jp/2023/08/589585>
【文献】“Save The Surf Project”,[online],日本,株式会社ラフティ,2023年01月17日,[令和6年1月4日検索],インターネット<URL:http://www.laughtey.com/savethesurf>
【文献】“サーフィンが環境を救う?PETボトルから創る透明なサーフボード、世界的な注目を浴びる!”,[online],日本,PR TIMES,2023年08月28日,[令和6年1月4日検索],インターネット<URL:http://www.prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000108569.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 32/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、
前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、
前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部とを備え、
前記サーフボード枠部が、繊維素材で補強された硬質のプラスチック複合素材で形成され、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面には、前記中抜け部の周囲に沿って、前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を嵌合するための溝部がそれぞれ形成され、
前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部が、使用済みペットボトルから再生された再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形され、前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部の縁部には、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面の前記中抜け部の周囲に沿って形成された前記溝部に嵌合させるための爪部がそれぞれ形成されており、
前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面の前記溝部と前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部の前記爪部は、防水機能を有する接着剤によって前記中抜け部を気密封止して嵌合接着する
ことを特徴とするサーフボード。
【請求項2】
前記透明デッキ部の透明樹脂の厚みが3ミリメートル以下であり、
前記透明ボトム部の透明樹脂の厚みが前記透明デッキ部の厚みよりも薄い
ことを特徴とする請求項に記載のサーフボード。
【請求項3】
前記透明ボトム部の透明樹脂の厚みが2ミリメートル以上であり、
前記透明デッキ部の透明樹脂の厚みが前記透明ボトム部の厚みよりも厚い
ことを特徴とする請求項に記載のサーフボード。
【請求項4】
プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、
前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、
前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部とを備え、
前記補強部を構成する前記熱可塑性樹脂板には、前記サーフボード本体の長手方向に複数のくり抜き部が連続して形成されており、前記サーフボード本体のデッキ面からの略垂直方向の荷重を前記熱可塑性樹脂板がたわむことで該荷重を許容する
ことを特徴するサーフボード。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂板は、略台形状の前記複数のくり抜き部が連続して一列に形成されることで、熱可塑性樹脂による略ラーメン構造体が連続して一列に形成された構造を有することを特徴する請求項に記載のサーフボード。
【請求項6】
プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、
前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、
前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部と、
前記サーフボード枠部の前記気密キャビン内部の形状と略同一形状の発泡ウレタン部を備え、
前記サーフボード枠部は、前記サーフボード本体のデッキ面側の第1のサーフボード枠部及びボトム面側の第2のサーフボード枠部が前記発泡ウレタン部を挟み込んで貼り合わされた構成である
ことを特徴とするサーフボード。
【請求項7】
前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部は、再生ポリエステル樹脂を50%以上含む透明樹脂であることを特徴とする請求項1、4又は6に記載のサーフボード。
【請求項8】
前記サーフボード本体のノーズ部分及びテール部分には前記中抜け部は形成されていないことを特徴とする請求項1、4又は6に記載のサーフボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明部位を有するサーフボードに関する。
【背景技術】
【0002】
サーフボードの多くは、ポリウレタンに発泡剤を加えた発泡ウレタンフォーム基材の表面をガラス繊維で被覆した補強した構造をしている。
【0003】
ここで、合成樹脂発泡体のサーフボードに中空室を形成して透明板を嵌装し、サーフボード上から海中の様子を見ることができるサーフボードの考案がある(特許文献1)。
また、サーフボードの90パーセント以上をポリカーボネート(PC)を使用して透明な構造にし、その周囲をビーズ法発泡スチロール(EPS)によって構成された透明サーフボードが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭61-200086号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Juan Hernandez,” The Jesus Board is Your Chance to Walk on Water for $750”,[online],2016年11月23日,[2023年11月24日検索],インターネット<URL:https://www.theinertia.com/surf/the-jesus-board-is-your-chance-to-walk-on-water-for-750/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のサーフボードの透明窓は、合成樹脂発泡体製のサーフボード全体の強度に大きな影響を与えない程度の比較的小さなサイズのアクリル板やガラス板等を使用して構成された透明窓であるため、同様の方法でサーフボードの大部分を透明にすることは強度等の構造面から難しい。
【0007】
また、非特許文献1に記載のサーフボードは、透明構造体の材質としてPCを使用しているため、傷がつきやすく、ブラシで擦るだけで簡単に傷が付いてしまい透明感が失われたり、有機溶剤・界面活性剤に弱いために薬品により割れてしまうケミカルクラックが発生してしまうといった問題がある。さらに、非特許文献1に記載のサーフボードは、大きさがあまり大きくないいわゆるショートボードに属するものであり、同様の材質でロングボードが実現することは難しい。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、再生素材を用いて環境負荷を軽減しつつ、ボディの軽量化及び耐衝撃性の向上を図るとともに、大きな透明ボディを有する美観に優れたサーフボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るサーフボードは、プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部とを備え、前記サーフボード枠部が、繊維素材で補強された硬質のプラスチック複合素材で形成され、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面には、前記中抜け部の周囲に沿って、前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を嵌合するための溝部がそれぞれ形成され、前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部が、使用済みペットボトルから再生された再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形され、前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部の縁部には、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面の前記中抜け部の周囲に沿って形成された前記溝部に嵌合させるための爪部がそれぞれ形成されており、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面の前記溝部と前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部の前記爪部は、防水機能を有する接着剤によって前記中抜け部を気密封止して嵌合接着することを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るサーフボードは、プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部と、前記サーフボード枠部の前記気密キャビン内部の形状と略同一形状の発泡ウレタン部を備え、前記サーフボード枠部は、前記サーフボード本体のデッキ面側の第1のサーフボード枠部及びボトム面側の第2のサーフボード枠部が前記発泡ウレタン部を挟み込んで貼り合わされた構成であることを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係るサーフボードは、プラスチック複合素材で成形されたサーフボード本体の略中央大部分に、該サーフボード本体の長手方向に長軸を有する略楕円状又は略多角形状の中抜け部が配置された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部と、前記サーフボード枠部のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように前記中抜け部を気密封止する、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部及び透明ボトム部と、前記中抜け部内で前記サーフボード本体の長手方向に亘って前記透明デッキ部及び前記透明ボトム部を支える熱可塑性樹脂板で構成される補強部と、前記サーフボード枠部の前記気密キャビン内部の形状と略同一形状の発泡ウレタン部を備え、前記サーフボード枠部は、前記サーフボード本体のデッキ面側の第1のサーフボード枠部及びボトム面側の第2のサーフボード枠部が前記発泡ウレタン部を挟み込んで貼り合わされた構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、再生素材を用いて環境負荷を軽減しつつ、ボディの軽量化及び耐衝撃性の向上を図るとともに、大きな透明ボディを有する美観に優れたサーフボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の上方斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の下方斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の底面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の正面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の背面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の右側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の左側面図である。
図9】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の上方斜視分解図である。
図10】本発明の一実施形態に係るサーフボード1の下方斜視分解図である。
図11】本発明の一実施形態に係るサーフボード本体部100のA-A断面斜視図の部分拡大図である。
図12】本発明の一実施形態に係るサーフボード1のリサイクル方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るサーフボード1について説明する。なお、各図の物品の表面部全面に表された濃淡は、いずれも立体表面の形状を特定するための濃淡である。
【0014】
図1及び図2は、それぞれ本発明の一実施形態に係るサーフボード1の上方斜視図及び下方斜視図である。また、図3図8は、本発明の一実施形態に係るサーフボード1の六面図である。具体的には、図3はサーフボード1の平面図、図4は底面図、図5は正面図、図6は背面図、図7は右側面図、及び図8は左側面図である。図1図8に示すように、サーフボード1はサーフボード本体部100と、サーフボード1のコントロール及び旋回を補助するためのフィン部200を備えている。
【0015】
ここで、サーフボード本体部100において、波乗り状態での進行方向の端部がノーズ101であり、他方の端部がテール102である。また、波乗りの際に、サーファー(乗り手)が乗るサーフボード本体部100の上側がデッキ面であり、海面に押し付けられるサーフボード本体部100の下側がボトム面である。
【0016】
サーフボード本体部100のボトム面のテール102には、サーフボード1において舵の作用を担うフィン部200が着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、フィン部200は3枚のフィン201-203から構成されているが、フィンの数は3枚に限られず、1枚でもそれ以外の複数枚であってもよい。
【0017】
本実施形態に係るサーフボード本体部100の概ね中央の大部分には、サーフボード1の長手方向に略長穴形状になっている略六角形の中抜け部103が形成されている。そして、この中抜け部103の空間を、デッキ面とボトム面において、それぞれ無色の透明樹脂の透明デッキ部104及び透明ボトム部105によって、空気や海水が中抜け部103に入り込まないように気密封止されている。すなわち、サーフボード本体部100は、ドーナツ形状のように中抜け部103を有する環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部106と、透明デッキ部104と、透明ボトム部105とを備えている。
【0018】
なお、本実施形態において、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、無色の透明樹脂で形成された透明部位であり、図1及び図2並びに図3以降の各図面においては、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は便宜上着色表示されているが、実際は透明無色である。このように、サーフボード1にはサーフボード本体部100の中央付近に大きな透明部位が備わっており、サーファーはパドリングや波乗りをする際やサーフポイントでの波待ち時間などに海の中を覗くことができるという楽しみができる。
【0019】
本実施形態において、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、例えば、使用済みペットボトル(廃棄ペットボトル、廃PET)を分解又は解体したプラスチック部材を溶融して再生、或いはケミカルリサイクルによって再生した再生ポリエステル素材を含む透明樹脂で成形されている。このような廃棄ペットボトルを再利用する本実施形態に係るサーフボード1に乗ることで、サーファーたちは、例えば、自分たちもエコロジカルな活動に参加して海洋保護への貢献を実感でき、美しい海の生命力と脆さを肌で感じることができるようになる。
【0020】
図9及び図10は、本発明の一実施形態に係るサーフボード1の上方斜視分解図及び下方斜視分解図である。図9及び図10には、それぞれサーフボード本体部100に透明デッキ部104及び透明ボトム部105が嵌合接着される前の状態であって、透明デッキ部104及び透明ボトム部105が取り外されて、中抜け部103の空間が剥き出しになっている状態のサーフボード1が参考図として描かれている。
【0021】
図9及び図10において、サーフボード本体部100の中抜け部103には、透明デッキ部104と透明ボトム部105をサーフボード本体部100の長手方向に亘って支えるために、熱可塑性樹脂(ABS樹脂)で成形された補強部107が設けられている。本実施形態では、補強部107はABS樹脂で成形された2枚の補強板107A、107Bから構成されている。なお、本実施形態において、補強部107(補強板107A、107B)は、例えば透明のABS樹脂で形成された透明部位であり、透明デッキ部104及び透明ボトム部105と同様に無色透明であってもよい。また、補強部107は、透明になっている中抜け部103の空間にインパクトを設けるために、例えば、有色かつ透明の部材にしてもよいし、半透明・不透明の部材にすることも可能である。
【0022】
本実施形態では、中抜け部103をサーフボード1の略中央大部分において長手方向に略長穴形状になっている略六角形状とした長穴としているが、それ以外に、例えば、サーフボード1の略中央大部分に長手方向に長軸を有する略楕円状や略六角形以外の略多角形状の長穴にしてもよい。なお、本実施形態に係るサーフボード1では、サーフボード本体部100のノーズ101の部分及びテール102の部分には中抜け部103は形成せず、後述するように発泡ウレタンフォーム基材を繊維強化プラスチック(FRP)などのプラスチック複合素材で挟み込んでサーフボード本体部100の強度を高めるようにしている。
【0023】
本実施形態では、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形されている。再生ポリエステル系樹脂は、例えば、使用済みペットボトルをもとに生産されたポリエステル繊維であり、石油由来資源で生産されたポリエステル繊維と同程度の品質が担保されている。このように再生ポリエステル樹脂は、回収されたペットボトルを処理・再生して繊維にしているので石油成分から生産する必要がなく、環境にやさしい素材である。
【0024】
また、透明デッキ部104及び透明ボトム部105を、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形することにより、熱や紫外線に強く耐衝撃性も高いポリカーボネート(PC)の欠点であった、傷が付きやすく、ブラシで擦るだけで簡単に傷が付いて透明感が失われてしまうことや、有機溶剤・界面活性剤に弱く洗えないとった点を克服し、透明度が高く、リサイクル素材であることによる脱炭素を促進して環境に優しい製品にすることが可能となる。
【0025】
なお、本実施形態では、透明デッキ部104及び透明ボトム部105を、例えば、上記のような再生ポリエステル樹脂を50パーセント程度以上使用した透明樹脂で形成するようにして環境負荷の低減に貢献していることをアピールしているが、再生ポリエステル樹脂の含有率を特に制限する必要はない。たとえ、数パーセント程度の含有率であったとしてもその分だけ環境負荷の低減に貢献することができる。また、再生素材をより多く用いることで、環境負荷をより軽減したサーフボードを提供できる。究極的には、この効果をより高めるために、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、バージンプラスチックを混合していない再生素材で成形された部材で構成するようにしてもよい。
【0026】
また、サーフボード枠部106は、繊維素材で補強された硬質のプラスチック複合素材(例えば、FRPなど)で成形されている。プラスチック複合素材は、繊維素材に樹脂を含浸した強化材であって、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastic)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)、およびガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastic)などの素材が用いられる。本実施形態では、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)をサーフボード枠部106の素材として用いている。
【0027】
また、サーフボード枠部106の気密キャビン内部には、当該気密キャビン内部の形状と略同一形状の発泡ウレタンフォーム基材が充填されている。例えば、サーフボード枠部106は、サーフボード本体部100のデッキ面側の第1のサーフボード枠部106aと、ボトム面側の第2のサーフボード枠部106bが発泡ウレタン部(不図示)を挟み込んで貼り合わされて、貼り合わされた接合部分を滑らかにするような処理(例えば、サンドペーパーによるやすりがけ等)がなされている。
【0028】
図11は、本発明の一実施形態に係るサーフボード本体部100のA-A断面(図3参照)の斜視図の部分拡大図である。図11に示すように、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、サーフボード枠部106のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように中抜け部103を気密封止するように接着されている。
【0029】
具体的には、図11に示すように、サーフボード枠部106のデッキ面及びボトム面には、それぞれ中抜け部103の周囲に沿って透明デッキ部104及び透明ボトム部105を嵌合するための溝部106A、106Bが形成されている。溝部106A、106Bは、幅が数ミリメートル、深さが数ミリメートルから10ミリメートル程度にサーフボード枠部106のデッキ面及びボトム面の中抜け部103の周囲全体に沿って形成されている。
【0030】
なお、溝部106Aの中抜け部103側の端部106a1は、他方の外側の端部106a2よりも、透明デッキ部104の厚みの分だけ(約2-3ミリメートル)低くなっている。同様に、溝部106Bの中抜け部103側の端部106b1は、他方の端部106b2よりも、透明ボトム部105の厚みの分だけ(約2-3ミリメートル)低くなっている。これによって、透明デッキ部104及び透明ボトム部105は、サーフボード枠部106のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように中抜け部103を気密封止して、サーフボード本体部100のデッキ面及びボトム面を段差のない連続した滑らかな曲面又は平面として形成することができる。
【0031】
本実施形態では、例えば、透明デッキ部104の透明再生樹脂の厚みを3ミリメートル以下とし、透明ボトム部105の透明再生樹脂の厚みを透明デッキ部104の厚みよりも薄くするようにしている。これに対し、透明ボトム部105の透明再生樹脂の厚みは2ミリメートル以上とし、透明デッキ部104の透明再生樹脂の厚みを透明ボトム部105の厚みよりも厚くするようにしている。
【0032】
このようにデッキ面の透明再生樹脂の厚みをボトム面の透明再生樹脂の厚みよりも厚くしたのは、デッキ面はサーフボード1の乗り手が膝などをデッキ面にぶつけてしまい、デッキ面が割れてしまう可能性があるため、デッキ面の厚みを厚くして強度を高めているためである。一方で、透明デッキ部104及び透明ボトム部105の透明樹脂の厚みを厚くすると、サーフボード1の重量が増加してしまうことに繋がり、乗り手がサーフボード1を扱いにくくなってしまうため、サーフボード1の重量・強度・操作性等のバランスを考慮して上記のような構造にしている。
【0033】
ここで、透明デッキ部104の縁部には、サーフボード本体部100のデッキ面の中抜け部103の周囲に沿って形成されたサーフボード枠部106の溝部106Aに嵌合させるための爪部104aが形成されている。爪部104aの幅は数ミリメートル、長さは数ミリメートルから10ミリメートル程度であって、それぞれ溝部106Aの幅・深さと略同一である。そして、サーフボード本体部100のデッキ面の溝部106Aと透明デッキ部の爪部104aは、防水機能を有する接着剤によって気密封止して嵌合接着される。
【0034】
また、透明ボトム部105の縁部には、サーフボード本体部100のボトム面の中抜け部103の周囲に沿って形成されたサーフボード枠部106の溝部106Bに嵌合させるための爪部105aが形成されている。爪部105aの幅は数ミリメートル、長さは数ミリメートルから10ミリメートル程度であって、それぞれ溝部106Bの幅・深さと略同一である。そして、サーフボード本体部100のデッキ面の溝部106Bと透明デッキ部の爪部105aは、防水機能を有する接着剤によって気密封止して嵌合接着される。
【0035】
ここで、透明デッキ部104又は透明ボトム部105の少なくともいずれか一方に空気又は水を抜くための開閉可能な穴部(不図示)を設けるようにしてもよい。サーフボード枠部106と透明デッキ部104及び透明ボドム部105は嵌合後に防水性の接着剤を用いて気密封止されているが、万が一、中抜け部103内に水が入ったとしてもその水を抜く穴を設けることでサーフボード1を適切に機能するようにすることができる。なお、これらの穴部は、穴自体を簡易なネジを緩めたり締めたりすることができるような構造にして、中抜け部103に入った水分や膨張した空気などをそのネジを調節してサーフボート本体部100の外部に放出できるようにしてもよい。
【0036】
同様に、サーフボード枠部106に空気又は水を抜くための開閉可能な穴部(不図示)を設けるようにしてもよい。本実施形態に係るサーフボード枠部106は、発泡ウレタン部(不図示)に、FRPなどの繊維素材で補強された硬質のプラスチック複合素材で成形されたデッキ面側の第1のサーフボード枠部(不図示)とボトム面側の第2のサーフボード枠部(不図示)の2枚のサーフボード枠が防水性の接着剤等で貼り合わされて成形されており枠内の気密性は保たれている。ここでサーフボード枠部の穴部は、万が一、サーフボード枠部106の枠内に水が入ったとしてもその水を抜く穴を設けることでサーフボード1を適切に機能するようにすることができる。なお、穴部には、穴自体を簡易なネジを緩めたり締めたりすることができるような構造にして、サーフボード枠部106の枠内に入った水分や膨張した空気などをそのネジを調節してサーフボート枠部106の外部に放出できるようにしてもよい。
【0037】
本実施形態において、補強部107は透明なABS樹脂等の熱可塑性樹脂で成形された2枚の補強板107A、107Bで構成されており、中抜け部103内において透明デッキ部104と透明ボトム部105をサーフボード本体部100の長手方向に亘って支えている。図9図10及び図11に示すように、補強板107A、107Bにはサーフボード本体部1の長手方向に複数のくり抜き部が連続して形成されている。そして、この2枚の補強板107A、107Bで、サーフボード1に乗り手が乗ること等によるサーフボード本体部100のデッキ面からボトム面への略垂直方向のたわみを許容するように透明デッキ部104及び透明ボトム部105を支持している。また、補強部107自体を透明のABS樹脂で成形することで、透明デッキ部104及び透明ボトム部105で気密封止されている中抜け部103の透明性を保っており、美観にも優れている。
【0038】
より具体的には、本実施形態では、図9図10及び図11に示すように、補強部107を形成する熱可塑性樹脂板には、それぞれ形状が同一又は異なる略台形状のくり抜き部が形成されている。そして、これらのくり抜き部が連続して一列に形成されることで、熱可塑性樹脂による略ラーメン構造体が連続して一列に形成された構造を有するようになっている。補強部107を構成する熱可塑性樹脂板の内部を上記のように略台形状にくり抜いた形状にすることで、乗り手がサーフボード1に乗った際にデッキ面にたわむ余裕をもたせることができる。これにより、透明デッキ部104の凹状のたわみをある程度許容することができ、サーフボード本体部100の強度を高めている。
【0039】
なお、本実施形態では、補強部107を構成する熱可塑性樹脂板(補強板107A、107B)は重量と強度等のバランスを考慮して2枚にしているが、2枚に限る必要はない。サーフボード1のデッキ面に乗る乗り手の重さを透明デッキ部104でうまく分散しつつ、デッキ面のたわみを許容できれば、1枚や3枚以上であってもよい。また、熱可塑性樹脂板に形成されるくり抜きも略台形状に限定されるわけではなく、サーフボード1のデッキ面に乗るサーファーの重さを、くり抜かれた状態の熱可塑性樹脂板自体の強度や樹脂板のたわみ等で適切に支えられるものであれば、直方体・立方体等の四角形状や三角形状やそれ以外の形状であってもよい。
【0040】
上述のように、本実施形態に係るサーフボード本体部100は、再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂素材を用いることで環境負荷を軽減している。また、サーフボード枠部106、透明デッキ部104及び透明ボトム部105、並びに補強部107の素材や形状・サイズを上記のようにすることで、サーフボード本体部100の軽量化及び耐衝撃性の向上を図っている。さらに、サーフボード本体部100が大きな透明ボディを備えることができるようにしたことで、美観にも優れたサーフボードを提供できる。
【0041】
上述した実施形態に係るサーフボード本体部100では、透明デッキ部104及び透明ボトム部105を無色透明の透明樹脂で構成されるようにしたが、補強部107と同様に、一種類又は複数種類の有色透明の部材にすることで、サーフボード本体部100のデザイン性にバリエーションを持たせることも可能である。
【0042】
上述したようなサーフボード1は、インスタ映えするような大きな透明ボディを備えて美観に優れ、サーファー自身が波乗り(パドリングやライディングを含むサーフィン)をしている最中でも海の中が丸見えになっており、サーファーはこれまでにない感動的な体験を味わうことができる。また、サーフボード1は、リサイクル処理された再生ポリエステル樹脂が使用された環境に優しい「エコ製品」であり、このようなエコ製品を購入することでサーファー自身がサーフボードの購入を通じてエコ活動を体験できる。また、エコ活動の体験を通じて、例えば、自らが波乗りをする海辺等で使用済みペットボトルを拾い集めて収集するようなリサイクル活動に積極的に参加するようになる。このような使用済みペットボトルはリサイクル処理されることにより、上述したようなサーフボード1の製造に使われるようになる。
【0043】
図12は、本発明の一実施形態に係るサーフボード1のリサイクル方法を説明するための図である。本実施形態のリサイクル方法は、サーフボード1の利用者であるサーファーの波乗り体験やリサイクル活動体験による感動を生かしたポリエステル樹脂の再利用が組み込まれた循環システム10において実現できる。
【0044】
まず、循環システム10の管理者は、使用済みペットボトルのリサイクルを通してサーフボード1の設計や製造指示などのスキーム構築を企画し実行する。管理者が企画したリサイクル方法は、例えば、管理者コンピュータ20と、インターネットなどのネットワーク30を介して、サーフボード1の製造業者の製造者コンピュータ21、サーフボード1のレンタルを行うレンタル業者又は販売を行う販売業者の貸出販売者コンピュータ22、サーフボード1の利用者であるユーザ(サーファーなど)のユーザコンピュータ23a、23b、・・・、リサイクル業者のリサイクル側コンピュータ24との間で各種の情報の送受信を通じて実現される。
【0045】
以下は、循環システム10における使用済みペットボトルのリサイクルとサーフボード1の製造を含むリサイクル方法の一例である。
【0046】
まず、サーフボードの製造業者は、管理者の管理者コンピュータ20から送信された、管理者の企画に基づく製造指示(サーフボード1の構造や設計などを含む)を製造者コンピュータ21で受信し、その内容に基づいて、リサイクル業者が回収した使用済みペットボトルからリサイクル処理された再生ポリエステル樹脂を含む透明樹脂で成形された透明部位を備えるサーフボード1を製造する(STEP1)。ここで製造されるサーフボード1の構造・素材等は上述した図1から図11までの図面を用いて説明したものである。
【0047】
次に、製造されたサーフボード1は、管理者の企画内容に基づいて、サーフボードをレンタルするレンタル業者または販売する販売業者に納品される。例えば、管理者は、管理者コンピュータ20からレンタル業者又は販売者の貸出販売者コンピュータ22を介して、納品されるサーフボード1の価格や数量を調整したり注文を受けたりする。そして、サーフボード1をレンタル又は販売する店舗の利用者(サーファーなどの顧客)に当該サーフボード1をレンタル又は販売する(STEP2)。
【0048】
そして、利用者が上記店舗からサーフボード1を購入又はレンタルをして波乗り体験を楽しむ(STEP3)。ここでサーフボード1はリサイクル素材を使用したいわゆる「エコ製品」であり、利用者はこのようなエコ製品を購入又はレンタルすることでエコ活動を実際に自ら体験することになる。
【0049】
エコ活動を体験したサーファー等の上記利用者は、サーフボード1を使用した波乗りを通じたエコ活動体験の感動をユーザコンピュータ23a、23b等を用いて、SNSで情報発信する(STEP4)。例えば、利用者は、インスタ映えする大きな透明部位を有するサーフボード1の所有や環境に優しいエコ製品の所有をアピールしたり、環境保護に寄与している満足感を伝えたり、波乗りをしながら見ることができる海中の美しさを発信したりすることが考えられる。また、利用者は、ユーザコンピュータ23a、23b等を用いて、SNSで使用済みペットボトルの回収などの社会貢献をアピールしたり、他のサーファーなどに、例えば地域交流活動の一つとして実施される海辺等でのリサイクル活動イベントの開催や参加を呼びかけたりすることもできる。
【0050】
そして、エコ活動に対する意識が向上した上記利用者は、海辺等で使用済みペットボトルの収集などのエコ活動を自ら行う(STEP5)。なお、上記利用者らが当該エコ活動を行う際には、SNSでの発信情報が拡散されていくことで当該活動への他のサーファーや地域住民らの賛同者が得られる。そこで、当該エコ活動を単なる個人イベントとしてではなく、地域住民との交流の手段としてのイベントにすることもできる。また、サーファーが地域住民との交流を深めることでサーフィンに対する地域住民の理解を深め、様々なイベントを行う際に協力を期待できるようになる。
【0051】
このようにして上記利用者らが集めた使用済みペットボトルは管理者が企画に基づいて契約等で定められたリサイクル業者が回収する(STEP6)。リサイクル業者は回収した使用済みペットボトルをリサイクル処理して再生ポリエステル樹脂を生成し、管理者の企画内容に基づいて製造業者に納品し、上述したSTEP1におけるサーフボード1が製造される。リサイクル業者はリサイクル側コンピュータ24を用いて管理者の管理者コンピュータ20や製造業者の製造者コンピュータ21とデータ送受信を実施する。
【0052】
ここで、リサイクル業者が利用者から使用済みペットボトルを回収する際に、使用済みペットボトルの回収量に応じたリサイクルポイントを利用者に付与し、利用者はそれぞれが保有するリサイクルポイントにリサイクル業者から付与されたリサイクルポイントを加算していく。このようにして得られる利用者それぞれのリサイクルポイントによって、利用者が上記店舗においてサーフボード1のレンタル又は購入をする際にポイント数に応じた割引を受けることができる。すなわち、上記利用者は、自身のリサイクルポイントの保有数に応じた割引を受けて、サーフボート1をレンタルしたり、購入したりすることができる。
【0053】
なお、本実施形態で説明した循環システム10の構成、管理者コンピュータ20、製造者コンピュータ21、貸出販売者コンピュータ22、ユーザコンピュータ23a、23b、リサイクル側コンピュータ24の構成・数量は一例であり、本発明の範囲を超えない範囲において変更してもよい。また、循環システム10におけるプロセスも一例であり、本発明の範囲を超えない範囲において各ステップの削除や新規ステップの追加入れ替えは可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 サーフボード
10 循環システム
20 管理者コンピュータ
21 製造者コンピュータ
22 貸出販売者コンピュータ
23a、23b ユーザコンピュータ
24 リサイクル側コンピュータ
30 ネットワーク
100 サーフボード本体部
101 ノーズ
102 テール
103 中抜け部
104 透明デッキ部
104A、105A 爪部
105 透明ボトム部
106 サーフボード枠部
106A、106B 溝部
106a1、106a2、106b1、106b2 端部
107 補強部
107A、107B 補強板
200 フィン部
201、202、203 フィン

【要約】
【課題】 再生素材を用いて環境負荷を軽減しつつ、ボディの軽量化及び耐衝撃性の向上を図るとともに、大きな透明ボディを有する美観に優れたサーフボード及びそのリサイクル方法を提供する。
【解決手段】 サーフボード本体部100には、略多角形状の中抜け部103が設けられている。その中抜け部103を囲むように、プラスチック複合素材で成形された環状構造の気密キャビンで成形されたサーフボード枠部106があり、再生ポリエステル系樹脂を含む透明樹脂で成形された透明デッキ部104及び透明ボトム部105でサーフボード枠部106のデッキ面及びボトム面と段差なく連続するように中抜け部103を気密封止する。中抜け部103内ではサーフボード本体部100の長手方向に亘って透明デッキ部104及び透明ボトム部105を支える熱可塑性樹脂で成形された補強部107が設けられている。
【選択図】 図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12