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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】安静時代謝亢進剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/205 20060101AFI20240722BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20240722BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 31/221 20060101ALI20240722BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
A61K31/205
A23L33/175
A61K9/48
A61K31/221
A61P3/00 171
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020037459
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2020147565
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2019039623
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515044263
【氏名又は名称】株式会社古川リサーチオフィス
(73)【特許権者】
【識別番号】514299192
【氏名又は名称】王堂 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100113860
【弁理士】
【氏名又は名称】松橋 泰典
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【氏名又は名称】富田 博行
(72)【発明者】
【氏名】古川 令
(72)【発明者】
【氏名】王堂 哲
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/207929(WO,A1)
【文献】特開2008-253228(JP,A)
【文献】特開2005-263706(JP,A)
【文献】特開2009-079060(JP,A)
【文献】実践女子大学 生活科学部紀要,2017年,Vol.54,pp.1-5
【文献】日本栄養・食糧学会誌,2006年,Vol.59, No.2,pp.107-113
【文献】Journal of the International Society of Sports Nutrition,2013年,Vol.10,Article No.25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
A23L 33/175
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルニチンを有効成分として含有し、特別な運動することなく即効的に安静時代謝量を亢進することができる、口腔粘膜吸収用である安静時代謝亢進剤。
【請求項2】
カルニチンが、L-カルニチンである請求項1に記載の安静時代謝亢進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルニチンを有効成分とする口腔粘膜吸収用の安静時代謝亢進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
L-カルニチンは、B群ビタミン類縁のビタミン用栄養素であり、エネルギー産生及び脂質代謝に不可欠な生体分子である。L-カルニチンは必須アミノ酸成分のリジン、メチオニンを出発物質として生合成される超水溶性の常在成分である。体内では、肝臓や腎臓を中心につくられるが、それが高濃度に貯蔵されて働く主な臓器は、骨格筋や心臓である。L-カルニチンは、小腸からレセプターを介して、能動輸送的に吸収され、腎再吸収を経て筋肉を中心としたほぼ全身の細胞に配備される。
L-カルニチンの各細胞での主要な機能は、脂肪酸をβ-酸化の場であるミトコンドリアマトリクス内に運搬することである。長鎖脂肪酸はそれ自身では燃焼の場であるミトコンドリアマトリクスに自由に侵入することができず、必ずL-カルニチン分子に結合している必要がある。
【0003】
L-カルニチンを摂取することにより、特別な運動をしない安静時でも、摂取後数時間以内で脂肪燃焼率が促進されることがヒトの研究で確認されている(非特許文献1)。
【0004】
また、750mgのL-カルニチンを運動の1時間前に摂取し、自転車漕ぎ運動を30分行った後1~4時間後に呼気分析を行った結果、L-カルニチンを摂取して運動した場合、運動後少なくとも4時間までは呼吸商値(炭酸ガス排出量/酸素消費量、以下「RQ」という。)が低下(すなわち脂質代謝が亢進)し、それと相関して安静時代謝率が高まることが知られている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Wutzke KD., et al., Metabolism, 53, 1002-1006(2004)
【文献】王堂 哲, Food Style 21, 2013年10月号, ”L-カルニチンとスポーツニュートリション”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カルニチンは脂質代謝に必須であることから、脂肪燃焼を目的としたサプリメントとして広く流通している。これはカルニチンを摂取することで細胞内のカルニチン濃度が増加し、それに伴って脂質代謝が亢進することを想定している。しかし、これまでカルニチン摂取の効果について多くの研究がなされたものの、健常者が単純にカルニチンを摂取しただけでは体重や脂肪が減少しないことが分かっている。なぜなら、カルニチンの生体膜輸送はトランスポーターOCTN2(carnitine/organic cation transporter)によって厳格に調節され、過剰なカルニチンは尿中に排泄されているためである。したがって、非特許文献1において、L-カルニチンを摂取した場合に安静時でも脂肪燃焼率が促進されることが報告されているとしても、安静時代謝量が増加することにはつながらない。
また、非特許文献2において、L-カルニチンを摂取後、運動した場合に安静時代謝率が高まることが報告されているが、摂取後運動を行うことが必須であり、摂取後2時間以降にならないと安静時代謝率の亢進が見られない等、まだ効力として不十分な点があった。
本発明は、特別な運動をすることなく、安静時代謝量を即効的に増加させることのできる安静時代謝亢進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カルニチンを口腔粘膜吸収で摂取した後、運動することなく一定時間後に酸素消費量、炭酸ガス発生量を測定して安静時代謝量を求めたところ、カルニチンを摂取しない場合に比して安静時代謝量の値が有意に増加することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の事項により特定される次のとおりのものである。
(1)カルニチンを有効成分として含有し、口腔粘膜吸収用である安静時代謝亢進剤。
(2)カルニチンを有効成分として含有し、口腔粘膜吸収用であり、冷え性の改善、ダイエット、又はトレーニングの効果の改善に使用するための安静時代謝亢進剤。
(3)カルニチンが、L-カルニチンである(1)又は(2)に記載の安静時代謝亢進剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明の安静時代謝亢進剤を口腔粘膜から吸収すれば、特別な運動することなく即効的に安静時代謝量を亢進することができ、さらに冷え性が改善し、ダイエットになり、さらに酸素消費量が増えるため、トレーニング時に摂取すれば、トレーニング時により負荷がかかりトレーニングによる効果を一層高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の安静時代謝亢進剤に用いられるカルニチンとは、動物の肉等の食品から抽出されたもの、又は化学的に合成されたものであってもよく、生体の脂質代謝に関与するL-カルニチンであるのが好ましい。動物肉からカルニチンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば水性の液体や有機溶媒を用いて抽出する方法、超臨界二酸化炭素などの超臨界流体を用いて抽出する方法などが挙げられる。
【0011】
本発明に用いられるカルニチンには、アルカノイル基置換のカルニチンも包含され、中でもアルカノイル-L-カルニチンが好ましい。アルカノイル-L-カルニチンにおけるアルカノイル基は、通常2~8個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルカノイル基である。特に好ましくは、アセチル-L-カルニチン、プロピオニル-L-カルニチン、ブチリル-L-カルニチン、バレリル-L-カルニチン及びイソバレリル-L-カルニチンである。本発明に用いられるカルニチン又はアルカノイル基置換カルニチンには、その塩も包含される。塩としては例えば、コハク酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸及び酒石酸などの有機酸との塩、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸などの鉱酸との塩などが挙げられる。
【0012】
本発明の安静時代謝亢進剤における「安静時代謝亢進」とは、人が安静にしている際に費やす1日あたりのエネルギー量が増えることをいう。そのようなエネルギー量(安静時代謝エネルギー量、以下「REE」という。)は、生体の放熱量を水の温度上昇として測定する直接熱量測定法と、呼気ガス分析により消費熱量を算出する間接熱量測定法があり、簡易的に測定が可能な間接熱量測定法が多く用いられている。
間接熱量測定法は、酸素消費量(VO)と二酸化炭素発生量(VCO)を測定し、その値からエネルギー消費量を算出する。この算出には、Weirの公式が用いられている。
【0013】
[式1]
REE(kcal/day)=3.941×VO(L/day)+1.106VCO(L/day)-2.17×UN
UN=尿中尿素窒素排泄量
【0014】
実際には、UNを用いずに、タンパク質の占める割合を12.5%と仮定した下記のWeirの変式を用いる。
【0015】
[式2]
REE(kcal/day)=3.94×VO(L/day)+1.11VCO(L/day)
又は
REE(kcal/day)=[3.94×VO(ml/day)+1.11VCO(L/day)]
×1.44
【0016】
間接熱量測定を行う場合には、測定条件の設定が重要であり、患者側の条件として、REEを測定するには、8時間以上絶食の後に測定することが条件である。これは、食事誘導性代謝(diet induced thermogenesis:DIT)が6~8時間程度持続することから、食事による影響を除くためである。被検者は仰臥位あるいは半起座位とし、測定中はテレビを観ることや、読書をすることも避けねばならない。
【0017】
本発明の安静時代謝亢進剤の形状としては、ヒトが口腔粘膜吸収できる形状であれば、特定の形状に限定されない。本発明の安静時代謝亢進剤は、固形状、液状、半液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状等の形状を挙げることができる。
【0018】
カルニチンをそのまま本発明の口腔粘膜吸収用の安静時代謝亢進剤とすることができるが、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を本発明の安静時代謝亢進剤に適宜配合することができる。
【0019】
本発明の安静時代謝亢進剤は、口腔粘膜吸収用としてカルニチンが頬、舌下、又は歯肉粘膜等の口腔粘膜から体内へ吸収されるようにするのが好ましく、頬、舌下、又は歯肉粘膜透過性に影響を及ぼす透過促進剤を組み合わせて用いるのが好ましい。そのような透過促進剤として、中でも発泡剤が好ましい。
【0020】
発泡剤としては、水及び/又は口内の唾液に晒された時に、化学反応により気体を発生するのが好ましく、具体的には、可溶性の酸と炭酸塩との組合せを例示することができる。可溶性の酸としては、人が食しても安全であるものであれば特に制限されず、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム等を例示することができる。発生する気体は、炭酸ガスに限らず、酸素その他人に安全な気体であれば、特に制限はされない。
【0021】
本発明の安静時代謝亢進剤には、口腔粘膜との接触面積及び口腔内での滞留時間を改善させるために、さらにバイオ接着剤ポリマーを含ませることができる。発泡剤は、粘膜除去特性があるため、バイオ接着剤により滞留時間を長くできれば、より摂取成分の吸収を高めることができる。
本発明において使用されるバイオ接着剤として、例えば、カーボポール934P、Naカルボキシメチルセルロース、メトセル、ポリカーボフィルム(ノベオンAA-1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Naアルギン酸塩、Naハイアルロネート等の天然又は合成のバイオ接着剤を挙げることができる。
【0022】
本発明の安静時代謝亢進剤に配合されるカルニチン以外の成分として、具体的には、上記の発泡剤やバイオ接着剤ポリマーの他、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等を、挙げることができる。かかる配合成分として、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリン等を例示できる。
【0023】
本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤の形態又は剤型としては、カルニチン又はその塩が、口腔粘膜から体内に吸収され得るものであればよく、具体的な形態又は剤型や、口腔内での滞留方式は特に制限されない。本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤は、カルニチン又はその塩の放出を遅くするため、唾液により、本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤の表面が徐々に溶解、消失し、摂取後のカルニチン又はその塩が長時間口腔内に滞留させる作用を有するもの(口腔粘膜に適用する徐放性剤)が好ましい。また、本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤は、速やかに飲み込まれないように、好ましくは、その大きさ、形態等が調整される。
【0024】
本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤の形態又は剤型としては、具体的に、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、オブラート(可食性デンプンフィルム)等の可食性フィルムに包んだ顆粒剤、ゼリー錠、チュアブル錠(咀嚼錠)等の、カルニチン又はその塩が口腔粘膜から吸収されることが可能な錠剤を挙げられる。また、スプレー缶に充填した液体を口腔内に噴霧する形態でもよい。
【0025】
上記「口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤」において、摂取後のカルニチン又はその塩を含む固体成分が口腔内に滞留する時間は、カルニチン又はその塩の摂取量や、摂取対象者の年齢、体重、性別、症状、カルニチン又はその塩への感受性等に応じて適宜選択することができ、例えば、少なくとも10秒間であり、好ましくは少なくとも15秒間、より好ましくは少なくとも20秒間、更に好ましくは少なくとも25秒間、最も好ましくは少なくとも30秒間である。より具体的には、カルニチン200mgを含有する錠剤の場合、5分程度で錠剤が全部溶解することが好ましい。
【0026】
本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤の有効成分であるカルニチン又はその塩は、カルニチンが生体内で合成されることから、安全な成分ということができ、また、安価であるため、日常的に簡便に継続して摂取できる。したがって、好ましい本発明の口腔粘膜吸収用安静時代謝亢進剤の摂取方法としては、用法、用量が定められた薬剤として投与することもできるが、サプリメントや食品として摂取する方法でもよい。かかる食品は、特定の食品に制限されず、例えば、具体的には、(のど)飴、チューインガム、グミ、ゼリー、チューイングキャンディー、ゼリービーンズ等である。
【0027】
本発明の安静時代謝亢進剤を口腔粘膜から摂取することで、人が安静にしている際に費やす1日あたりのエネルギー量が増えることになるが、このことは、酸素消費量が増えることにつながる。したがって、本発明の安静時代謝亢進剤を口腔粘膜から摂取した後に、トレーニング(軽い運動を含む)することで、より体に負荷がかかり、心肺機能等の運動機能を効率よく向上させることができる。
【0028】
例えば、マラソン選手が、本発明の安静時代謝亢進剤を口腔粘膜から摂取してある一定期間トレーニングを行って、マラソンレース本番に臨むことにより、マラソンレースにおいてより良い結果を残すことができる。
また、マラソンレース当日においては、本発明の安静時代謝亢進剤は摂取せずに、心拍数を低下させる等のエネルギー消費を抑える効果のある成分、例えばオロト酸を摂取してマラソンレース本番に臨むことで、体への負担か少なくなり、より好結果を生むことができる。
【0029】
マラソン選手を例に挙げて本発明の安静時代謝亢進剤を摂取する効用を説明したが、マラソン選手に限らず、他の競技の競技者、体力増進や趣味で行う一般の運動愛好家、体力の維持、回復が必要な高齢者、リハビリが必要な障害者等(以下、「他の運動者等」という。)が、本発明の安静時代謝亢進剤を摂取してトレーニング(軽い運動を含む)又はリハビリを行うことで、トレーニング(軽い運動を含む)又はリハビリの効果を高めることができる。また、マラソン選手と同様に、他の運動者等においても、適宜、本発明の安静時代謝亢進剤を摂取せずに、オロト酸等の心拍数を低下させる等のエネルギー消費を抑える効果のある成分を摂取することで、トレーニング(軽い運動を含む)又はリハビリによる体の負担を軽減することができるので、トレーニング(軽い運動を含む)又はリハビリの効果がより体感でき、より楽に継続することができる。
【実施例
【0030】
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
被験者は、50才代の男性であった。被験者は、前日から8時間以上絶食し、45分間安静状態で呼気測定後,カルニチン250mg含有のソフトカプセル(ロンザジャパン製Licaps(登録商標))2錠を口内で噛み、できるだけ口内に留めて摂取した。その後75分間のVO、VCOを測定した。摂取後は23分以降の分析値を摂取後のデータとして摂取前と比較した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1より、本発明の安静時代謝亢進剤を口腔粘膜吸収用として摂取した場合に、VO、VCO及びREEは有意に増加することがわかった。また、RQも有意に低下した。REE及びRQの変化から、増加した安静時代謝エネルギー量を補うために脂質代謝が亢進していることが推察された。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の安静時代謝亢進剤を用いることにより、安静時代謝エネルギーを運動することなく即効的に亢進することができ、冷え性の改善、ダイエットの促進、及びトレーニング時の負荷を高める事でトレーニング(軽い運動を含む)の効果をより高めることができ、ヒトの健康を増進することができる。