(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】塗装作業用用具
(51)【国際特許分類】
B62B 1/12 20060101AFI20240722BHJP
A47C 7/00 20060101ALI20240722BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20240722BHJP
E04D 15/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B62B1/12
A47C7/00 A
A47C9/00 Z
E04D15/00 V
(21)【出願番号】P 2023223841
(22)【出願日】2023-12-31
【審査請求日】2024-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524006391
【氏名又は名称】芳賀 博康
(73)【特許権者】
【識別番号】524006405
【氏名又は名称】芳賀 光昭
(74)【代理人】
【識別番号】100194342
【氏名又は名称】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 博康
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 光昭
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-249133(JP,A)
【文献】特開平09-156509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0168933(US,A1)
【文献】特開2006-027332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/12
A47C 9/00
A47C 7/00
E04D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下方に第1可動脚部および第2可動脚部が、前記天板が移動する方向に直交する方向に所定間隔をおいて配置され
屋根の波板塗装作業に使用するための塗装作業用用具であって、
前記第1可動脚部と前記第2可動脚部は、
塗装対象である屋根の波板の少なくとも凸部一つ分の間隔に応じて、前記第1可動脚部および前記第2可動脚部の間隔を前記直交する方向にスライド自在にするスライド機構を有し、
前記第1可動脚部は、第1脚部、当該第1脚部と所定間隔をおいて配置された第2脚部を備え、
前記第2可動脚部は、第3脚部、当該第3脚部と所定間隔をおいて配置された第4脚部を備え、
前記スライド機構は、
前記第1脚部および前記第3脚部
に、かつ、前記天板
の側端部および前記天板の一部に取り付け固定され長手方向に凹部が形成された第1スライドフレームと、
前記第2脚部および前記第4脚部
に、かつ、前記天板
の側端部および前記天板の一部に取り付け固定され長手方向に凹部が形成された第2スライドフレームとを有し、
前記第1脚部には、前記第1脚部を前記凹部に固定するための第1固定部が設けられ、前記第3脚部には、前記第3脚部を前記凹部に固定するための第3固定部が設けられ、
前記第2脚部には、前記第2脚部を前記凹部に固定するための第2固定部が設けられ、前記第4脚部には、前記第4脚部を前記凹部に固定するための第4固定部が設けられ、
前記第1固定部および前記第3固定部は、前記第1スライドフレームに沿ってスライドし、前記第2固定部および前記第4固定部は、前記第2スライドフレームに沿ってスライドし、
前記第1固定部および前記第3固定部のそれぞれは、前記第1可動脚部を前記凹部に対して固定したり緩めたりする締め緩め機構を有し、
前記第2固定部および第4固定部のそれぞれは、第2可動脚部を第2のスライドフレームの凹部に対して固定したり緩めたりするネジ部を有し、
前記ネジ部によって前記第1可動脚部および前記第2可動脚部を移動したり、固定したりすることを可能にし、
前記第1可動脚部は、前記第1脚部および前記第2脚部を接続する第1連結部を有し、
前記第2可動脚部は、前記第3脚部および前記第4脚部を接続する第2連結部を有し、
前記第1連結部の両端近傍にそれぞれ第1キャスターおよび第2キャスターが取り付けられ、前記第2連結部の両端近傍にそれぞれ第3キャスターおよび第4キャスターが取り付けられ、前記第1キャスターおよび前記第3キャスターは前記天板の前側下方に配置され、前記第2キャスターおよび前記第4キャスターは前記天板の後ろ側下方に配置され、前記第1キャスターと前記第2キャスターは前記第1連結部の長手方向長さだけ離れており、前記第3キャスターと前記第4キャスターは前記第2連結部の長手方向長さだけ離れている、
ことを特徴とする塗装作業用用具。
【請求項2】
ナットと協働する前記ネジ部を用い、前記ネジ部を前記凹部の外側から前記凹部の内側に設けられたナットに螺号することによって前記第1脚部、前記第2脚部、前記第3脚部および前記第4脚部を前記凹部に固定し、前記ネジ部の前記ナットへの螺号を解除することによって前記第1脚部、前記第2脚部、前記第3脚部および前記第4脚部を前記凹部の長手方向に沿った可動を可能にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の塗装作業用用具。
【請求項3】
天板の下方に第1可動脚部および第2可動脚部が、前記天板が移動する方向に直交する方向に所定間隔をおいて配置され、
屋根の波板塗装作業に使用するための塗装作業用用具であって、
前記第1可動脚部と前記第2可動脚部は、
塗装対象である屋根の波板の少なくとも凸部一つ分の間隔に応じて、前記第1可動脚部および前記第2可動脚部の間隔を前記直交する方向にスライド自在にするスライド機構を有し、
前方に位置する前枠部材、後方に位置する後枠部材、右側に位置する右枠部材および左側に位置する左枠部材で構成され、前記天板を載置するための天板載置枠を備え、
前記第1可動脚部は、前記天板載置枠の下方に位置し、第1脚部、当該第1脚部と所定間隔をおいて配置された第2脚部を備え、
前記第2可動脚部は、前記天板載置枠の下方に位置し、第3脚部、当該第3脚部と所定間隔をおいて配置された第4脚部を備え、
前記スライド機構は、
前記天板載置枠の
前記前枠部材に取り付け固定された第1スライドバーと、
前記天板載置枠の
前記後枠部材に、かつ、
前記右枠部材および前記左枠部材の長手方向長さだけ第1スライドバーと距離をおいて取り付け固定された第2スライドバーとを備え、
前記第1脚部には、前記第1スライドバーが挿嵌された状態において前記第1スライドバーに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第1中空スライドパイプが固定され、
前記第3脚部には、前記第1スライドバーが挿嵌された状態において前記第1スライドバーに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第2中空スライドパイプが固定され、
前記第2脚部には、前記第2スライドバーが挿嵌された状態において前記第2スライドバーに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第3中空スライドパイプが固定され、
前記第4脚部には、前記第2スライドバーが挿嵌された状態において前記第2スライドバーに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第4中空スライドパイプが固定され、
前記第1中空スライドパイプおよび前記第2中空スライドパイプは、前記第1スライドバーに沿ってスライドし、前記第3中空スライドパイプおよび前記第4中空スライドパイプは、前記第2スライドバーに沿ってスライドし、
前記第1中空スライドパイプ、前記第2中空スライドパイプ、前記第3中空スライドパイプおよび前記第4中空スライドパイプには、それぞれ前記第1中空スライドパイプ、前記第2中空スライドパイプ、前記第3中空スライドパイプおよび前記第4中空スライドパイプを固定したり緩めたりするためのネジ部が取り付けられ、
前記ネジ部によって前記第1可動脚部および前記第2可動脚部を移動したり、固定したりすることを可能にし、
前記第1可動脚部は、前記第1脚部および前記第2脚部を接続する第1連結部を有し、
前記第2可動脚部は、前記第3脚部および前記第4脚部を接続する第2連結部を有し、
前記第1連結部の両端近傍にそれぞれ第1キャスターおよび第2キャスターが取り付けられ、前記第2連結部の両端近傍にそれぞれ第3キャスターおよび第4キャスターが取り付けられている、前記第1キャスターおよび前記第3キャスターは前記前枠部材の下方に配置され、前記第2キャスターおよび前記第4キャスターは前記後枠部材の下方に配置され、前記第1キャスターと前記第2キャスターは前記第1連結部の長手方向長さだけ離れており、前記第3キャスターと前記第4キャスターは前記第2連結部の長手方向長さだけ離れている、
ことを特徴とする塗装作業用用具。
【請求項4】
ナットと協働する前記ネジ部を用い、前記ネジ部を前記第1中空スライドパイプ、前記第2中空スライドパイプ、前記第3中空スライドパイプおよび前記第4中空スライドパイプの中空部に設けられた前記ナットに螺号することによって前記第1脚部、前記第2脚部、前記第3脚部および前記第4脚部を固定し、前記ネジ部の前記ナットへの螺号を解除することによって前記第1脚部、前記第2脚部、前記第3脚部および前記第4脚部を可動可能にする、
ことを特徴とする請求項3に記載の塗装作業用用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装作業用用具に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に凹凸がある波板屋根を塗装(塗り替え)する場合、ペンキ容器とローラー(刷毛)を携えて、しゃがんだ格好で塗れる範囲を塗り、塗り終えたら少し移動して次の領域を塗るといった動作を何百回も繰り返して行う。塗装中のしゃがみ動作、塗装終了後に立ち上がる動作、次の塗装エリアまで移動する動作の繰り返しは、体力的に非常にもきつく、真夏の炎天下などの厳しい環境下ではより一層厳しいものとなる。そこで、例えば特許文献1に示すような腰掛け椅子(スツール)を用いれば、椅子の脚部先端にキャスター(車輪)が付いており、持ち運ぶことなく移動が楽になり、膝や腰への負担は軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に開示されているような構造の腰掛け椅子(スツール)では、塗装対象である屋根の波板の間隔は様々であるので、脚部の間隔と波板のピッチが異なると安定して腰掛けられないという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることができる塗装作業用用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る塗装作業用用具の一側面は、天板(2)の下方に第1可動脚部(25a)および第2可動脚部(25b)が天板が移動する方向に直交する方向に所定間隔をおいて配置される塗装作業用用具(1)であって、第1可動脚部(25a)と第2可動脚部(25b)は、第1可動脚部(25a)および第2可動脚部(25b)の間隔を直交する方向にスライド(可動)自在にするスライド機構を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、第1可動脚部(25a)は、第1脚部(3)、当該第1脚部(3)と所定間隔をおいて配置された第2脚部(5)を備え、
前記第2可動脚部(25b)は、第3脚部(9)、当該第3脚部(9)と所定間隔をおいて配置された第4脚部(11)を備え、スライド機構は、第1脚部(3)および第3脚部(9)の天板側端部および天板の一部に取り付け固定され長手方向に凹部(31:溝)が形成された第1スライドフレーム(4a)と、第2脚部および第4脚部の天板側端部および天板の一部に取り付け固定され長手方向に凹部(31)が形成された第2スライドフレーム(4b)とを有し、第1脚部(3)には、第1脚部(3)を凹部(31)に固定するための第1固定部(18a,18b)が設けられ、第3脚部(9)には、第3脚部(9)を凹部(31)に固定するための第3固定部(18c,18d)が設けられ、第2脚部(5)には、第2脚部(5)を凹部(31)に固定するための第2固定部(18e,18f)が設けられ、第4脚部(11)には、第4脚部(11)を凹部(31)に固定するための第4固定部(18g,18h)が設けられ、第1固定部(18a,18b)および第3固定部(18c,18d)は、第1スライドフレーム(4a)に沿ってスライドし、第2固定部(18e,18f)および第4固定部(18g,18h)は、第2スライドフレーム(4b)に沿ってスライドすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、第1固定部(18a)および第3固定部(18c)のそれぞれは、第1可動脚部(25a)を凹部(31)に対して固定したり緩めたりする締め緩め機構(10:ネジ部)を有し、第2固定部(18b)および第4固定部(18d)のそれぞれは、第2可動脚部(25b)を第2のスライドフレーム(4b)の凹部(31)に対して固定したり緩めたりするネジ部(10)を有し、ネジ部(10)によって第1可動脚部(25a)および第2可動脚部(25b)を移動したり、固定したりすることを可能にすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、ナット(12)と協働するネジ部(10)を用い、ネジ部(10)を凹部(31)の外側から凹部(31)の内側に設けられたナット(12)に螺号することによって第1脚部(3)、第2脚部(5)、第3脚部(9)および第4脚部(11)を凹部(31)に固定し、ネジ部(10)のナット(12)への螺号を解除することによって第1脚部(3)、第2脚部(5)、第3脚部(9)および第4脚部(11)を凹部(31)の長手方向に沿った可動を可能にすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、天板(202)を載置する天板載置枠(201)を備え、第1可動脚部(225a)は、天板載置枠(201)の下方に位置し、第1脚部(203)、当該第1脚部(203)と所定間隔をおいて配置された第2脚部(205)を備え、第2可動脚部(225b)は、天板載置枠の下方に位置し、第3脚部(209)、当該第3脚部(209)と所定間隔をおいて配置された第4脚部(211)を備え、スライド機構は、天板載置枠の一部に取り付け固定された第1スライドバー(204a)と、天板載置枠の一部に、かつ、第1スライドバー(204a)と所定の間隔をおいて取り付け固定された第2スライドバー(204b)とを備え、第1脚部(203)には、第1スライドバー204aが挿嵌された状態において第1スライドバー(204a)に沿ってスライドさせるための断面四角形状の第1中空スライドパイプ(208a)が固定され、第3脚部(209)には、第1スライドバー(204a)が挿嵌された状態において第1スライドバー(204a)に沿ってスライドさせるための断面四角形状の第2中空スライドパイプ(208b)が固定され、第2脚部(205)には、第2スライドバー(204b)が挿嵌された状態において第2スライドバー(204b)に沿ってスライドさせるための断面四角形状の第3中空スライドパイプ(208c)が固定され、第4脚部(211)には、第2スライドバー(204b)が挿嵌された状態において第2スライドバー(204b)に沿ってスライドさせるための断面四角形状の第4中空スライドパイプ(208d)が固定され、第1中空スライドパイプ(208a)および第2中空スライドパイプ(208b)は、第1スライドバー(204a)に沿ってスライドし、第3中空スライドパイプ(208c)および第4中空スライドパイプ(208d)は、第2スライドバー(204b)に沿ってスライド(摺動)することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、第1中空スライドパイプ(208a)、第2中空スライドパイプ(208b)、第3中空スライドパイプ(208c)および第4中空スライドパイプ(208d)には、それぞれ第1中空スライドパイプ(208a)、第2中空スライドパイプ(208b)、第3中空スライドパイプ(208c)および第4中空スライドパイプ(208d)を固定したり緩めたりするためのネジ部(210)が取り付けられ、ネジ部によって第1可動脚部(225a)および第2可動脚部(225b)を移動したり、固定したりすることを可能にすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、ナット(212)と協働するネジ部(210)を用い、ネジ部(210)を第1中空スライドパイプ(208a)、第2中空スライドパイプ(208b)、第3中空スライドパイプ(208c)および第4中空スライドパイプ(208d)の中空部に設けられたナット(12)に螺号することによって第1脚部(203)、第2脚部(205)、第3脚部(209)および第4脚部(211)を固定し、ネジ部(210)のナット(212)への螺号を解除することによって第1脚部(203)、第2脚部(205)、第3脚部(209)および第4脚部(211)を可動可能にすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る塗装作業用用具の他の側面は、第1可動脚部(25a,225a)は、第1脚部(3,203)および第2脚部(5,205)を接続する第1連結部(7,207)を有し、第2可動脚部(25b,225b)は、第3脚部(9,209)および第4脚部(11,211)を接続する第2連結部(13,213)を有し、第1連結部(7,207)と第2連結部(13,213)の両端近傍にはキャスター(15,215)が取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることができる塗装作業用用具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係る塗装作業用用具の外観斜視図である。
【
図2】実施形態1における可動脚部のスライド(可動)機構を説明するための図である。
【
図3】実施形態1における可動脚部の締め緩め(固定(ロック)および緩め(ロック解除))の機構を説明するための図である。
【
図4】実施形態1における可動脚部の構造を説明するための図である。
【
図5】(a)は第1可動脚部と第2可動脚部の間隔を所定間隔で固定したときの図であり、(b)は第1可動脚部と第2可動脚部の間隔を(a)に示す間隔とは異なる間隔で固定したときの図である。
【
図6】(a)は塗装屋根の波板への用具の使用例1を示した図であり、(b)は塗装屋根の波板への用具の使用例2を示した図であり、(c)は塗装屋根の波板への用具の使用例3を示した図である。
【
図7】実施形態2に係る塗装作業用用具の外観斜視図である。
【
図8】実施形態3に係る塗装作業用用具の外観斜視図である。
【
図9】実施形態3に係る塗装作業用用具の天板を外した状態の外観斜視図である。
【
図10】実施形態3における可動脚部のスライド(可動)機構を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明に係る塗装作業用用具の実施形態1について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0017】
ここで、
図1は本発明に係る塗装作業用用具の全体斜視図であ可動脚部の固定(ロック)および緩め(ロック解除)の機構を説明するための図である。
【0018】
塗装作業用用具1は、天板(腰掛部)2と、天板2の下方に移動自在の第1可動脚部25aおよび第2可動脚部25bを備える。第1可動脚部25aおよび第2可動脚部25bは所定間隔をおいて配置されている。第1可動脚部25aは、第1脚部3、当該第1脚部3と所定間隔をおいて配置された第2脚部5並びに第1脚部3および第2脚部5を接続(連結)する第1連結部7を備える。第2可動脚部25bは、第3脚部9、当該第3脚部9と所定間隔をおいて配置された第4脚部11並びに第3脚部9および第4脚部11を接続する第2連結部13を備える。
【0019】
天板2の下面に、かつ、前方向(
図1参照)端部側に、長手方向に凹部(溝)31(
図2参照)が形成された断面四角形状の第1スライドフレーム(スライドバー)4aが固定されている。第1脚部3および第3脚部9の上端は第1スライドフレーム4aの下面に接触している。天板2の下面に、かつ、後方向(
図1参照)端部側に、長手方向に凹部(溝)31(
図2参照)が形成された断面四角形状の第2スライドフレーム(スライドバー)4bが固定されている。第2脚部5および第4脚部11の上端は第2スライドフレーム4bの下面に接触している。なお、この凹部31はフレームの4面(上面、下面、右側面、左側面)に形成されているがスライドに利用する凹部は後述するように一面のみであるので他の凹部は形成しなくてもよい。また、上記した固定は溶着固定を意味するがこれに限定されない。第1連結部7と第2連結部13の両端下側近傍にはそれぞれキャスター15が取り付けられている。第1スライドフレーム4aの一端部と第2スライドフレーム4bの一端部を接続する第1接続フレーム6aが設けられ、第1スライドフレーム4aの他端部と第2スライドフレーム4bの他端部を接続する第2接続フレーム6bが設けられている。
【0020】
<第1可動脚部25aのスライド機構>
第1脚部3には、第1脚部3を凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)するための一対の第1固定部18a,18bが設けられている。第1固定部18aは、ブラケット8aと、ブラケット8aを第1スライドフレーム4aに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第1固定部18bは、ブラケット8bと、ブラケット8bを第1スライドフレーム4aに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第2脚部5には、第2脚部5を凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)するための一対の第2固定部18e,18fが設けられている。第2固定部18eは、ブラケット8eと、ブラケット8eを第2スライドフレーム4bに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第2固定部18fは、ブラケット8fと、ブラケット8fを第2スライドフレーム4bに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。
【0021】
蝶ネジ10は
図2および
図3に示すようにネジ頭部10aとネジ山(符号省略)を有するロッド(雄ねじ部)10bからなる。ボルト部10bを貫通孔32に挿入してネジ頭部10aを回転(例えば時計回りに回転)させると、ブラケット8a,8b,8e,8fのそれぞれに形成された凹部31内に配置(載置)されたネジ溝(符号省略)を有するナット12(雌ネジ部)にボルト部10bのネジ山を螺合される。ボルト部10bの先端が凹部31の底面にまで到達しない程度までボルト部10bを凹部31の底面に向かって回動させる。この時はまだ第1固定部18a,18bおよび第2固定部18e,18fはスライド可能な状態である。
【0022】
次に第1固定部18a,18bおよび第2固定部18e,18fをそれぞれ第1スライドフレーム4aおよび第2スライドフレーム4bの長手方向に沿って所望の位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジ10のネジ頭部10aを順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてボルト部10bを貫通孔32を介してナット12に螺号させてボルト部10bの先端が凹部31の底面に到達するまでボルト部10bを回動させる。ボルト部10bの先端が底面に到達すると第1固定部18a,18bが第1スライドフレーム4aの所望の位置で固定されるとともに第2固定部18e,18fが第2スライドフレーム4bの所望の位置で固定される。ここで、第1固定部18a,18bおよび第2固定部18e,18fは移動方向に沿って同時にスライドされ、両者の移動方向に沿ったスライド距離はスライド前の位置を基準とするとその基準位置から概ね同一距離となる。
【0023】
なお、第1固定部18a,18bおよび第2固定部18e,18fをスライド移動して固定(例えば
図5(a)の状態で固定)した後にさらに別の所望位置にスライドさせたい場合には、一旦蝶ネジを10を逆回転(例えば反時計回りに回転)させてナット12に対する螺号を解除し、その後別の所望位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジを10を順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてナット12に螺号させて第1固定部18a,18bを第1スライドフレーム4aの別の所望位置で固定させるとともに第2固定部18e,18fを第2スライドフレーム4bの別の所望位置で固定(例えば
図5(b)の状態で固定)させる。
【0024】
なお、上記した螺合機構以外にも、たとえば貫通孔32に雌ねじを形成して螺合させるようにしてもよい。この場合にはナットは不要となる。
【0025】
<第2可動脚部25bのスライド機構>
第3脚部9には、第3脚部9を凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)するための一対の第3固定部18c,18dが設けられている。第3固定部18cは、ブラケット8cと、ブラケット8cを第1スライドフレーム4aに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第3固定部18dは、ブラケット8dと、ブラケット8dを第1スライドフレーム4aに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第4脚部11には、第4脚部11を凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)するための一対の第4固定部18g,18hが設けられている。第4固定部18gは、ブラケット8gと、ブラケット8gを第2スライドフレーム4bに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。第4固定部18hは、ブラケット8hと、ブラケット8hを第2スライドフレーム4bに固定したり緩めたりするための蝶ネジ10を有する。
【0026】
蝶ネジ10は、
図3に示すようにネジ頭部10aとネジ頭部10aから延設されネジ先端側にネジ山33が形成されたボルト部(雄ねじ部)10bからなる。なお、
図3では先端にネジ山33が形成されたボルト部10bとネジ頭部10aとが一体成型されたネジ部10として図示しているが、これ以外にもボルト部全てにネジ山が形成され、そのボルト部とネジ頭部10aとが一体成型されたネジ部であってもよい。ボルト部10bを貫通孔32に挿入してネジ頭部10aを回転(例えば時計回りに回転)させると、ブラケット8c,8d,8g,8hのそれぞれに形成された凹部31内に配置(載置)されたネジ溝(符号省略)を有するナット12(雌ネジ部)にボルト部10bのネジ山を螺合される。ボルト部10bの先端が凹部31の底面にまで到達しない程度までボルト部10bを凹部31の底面に向かって回動させる。この時はまだ第3固定部18c,18dおよび第4固定部18g,18hはスライド可能な状態である。
【0027】
次に第3固定部18c,18dおよび第4固定部18g,18hをそれぞれ第1スライドフレーム4aおよび第2スライドフレーム4bの長手方向に沿って所望の位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジ10のネジ頭部10aを順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてボルト部10bを貫通孔32を介してナット12に螺号させてボルト部10bの先端が凹部31の底面に到達するまでボルト部10bを回動させる。ボルト部10bの先端が底面に到達すると第3固定部18c,18dが第1スライドフレーム4aの所望の位置で固定されるとともに第4固定部18g,18hが第2スライドフレーム4bの所望の位置で固定される。ここで、第3固定部18c,18dおよび第4固定部18g,18hは移動方向に沿って同時にスライドされ、両者の移動方向に沿ったスライド距離はスライド前の位置を基準とするとその基準位置から概ね同一距離となる。
【0028】
なお、第3固定部18c,18dおよび第4固定部18g,18hをスライド移動して固定した後にさらに別の所望位置にスライドさせたい場合には、一旦蝶ネジを10を逆回転(例えば反時計回りに回転)させてナット12に対する螺号を解除し、その後別の所望位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジを10を順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてナット12に螺号させて第3固定部18c,18dを第1スライドフレーム4aの別の所望位置で固定させるとともに第4固定部18g,18hを第2スライドフレーム4bの別の所望位置で固定させる。
【0029】
なお、上記した螺合機構以外にも、たとえば貫通孔32に雌ねじを形成して螺合させるようにしてもよい。この場合にはナットは不要となる。
【0030】
<塗装屋根の波板への用具の使用例1>
図6(a)に示すように、長手方向に沿って並行に配置された波板50同志の間隔がL1であった場合にその間隔L1に合わせて第1可動脚部25aと第2可動脚部25bをスライドさせ、第1可動脚部25aと第2可動脚部25bの間隔をL1にしたところで固定(ロック)する。
【0031】
<塗装屋根の波板への用具の使用例2>
図6(b)に示すように、波板50の2つ分の間隔がL2であった場合にその間隔L1に合わせて第1可動脚部25aと第2可動脚部25bをスライドさせ、第1可動脚部25aと第2可動脚部25bの間隔をL2にしたところで固定(ロック)する。
【0032】
<塗装屋根の波板への用具の使用例3>
図6(c)に示すように、大型の波板60の谷部分の底面の幅がL3であった場合にその底面幅L3に合わせて第1可動脚部25aと第2可動脚部25bをスライドさせ、第1可動脚部25aと第2可動脚部25bの間隔をL3にしたところで固定(ロック)する。
【0033】
<効果>
したがって、上記構成によれば塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることができる。
【0034】
<実施形態2>
以下、図面を用いて、本発明に係る塗装作業用用具の実施形態2について説明する。なお、実施形態2は、実施形態1とスライド機構が異なる以外は同じであるので、異なる部分についてのみ説明し、同様の部分の説明は省略する。また同様の部分の符号は区別する必要がない場合には同じ符号を使う場合がある。
【0035】
塗装作業用用具150は、天板(腰掛部)2と、天板2の下方に移動自在の第1可動脚部125aおよび第2可動脚部125bを備える。第1可動脚部125aおよび第2可動脚部125bは所定間隔をおいて配置されている。第1可動脚部125aは、第1脚部3、当該第1脚部3と所定間隔をおいて配置された第2脚部5並びに第1脚部3および第2脚部5を接続(連結)する第1連結部7を備える。第2可動脚部25bは、第3脚部9、当該第3脚部9と所定間隔をおいて配置された第4脚部11並びに第3脚部9および第4脚部11を接続する第2連結部13を備える。
【0036】
天板2の下面に、かつ、前方向(
図7参照)端部側に、長手方向に凹部(溝)31(
図7参照)が形成された断面四角形状の第1スライドフレーム(スライドバー)4aが固定されている。第1脚部3および第3脚部9の側面の一部は第1スライドフレーム4aの側面に接触している。天板2の下面に、かつ、後方向(
図7参照)端部側に、長手方向に凹部(溝)31(
図7参照)が形成された断面四角形状の第2スライドフレーム(スライドバー)4bが固定されている。第2脚部5および第4脚部11の側面の一部は第2スライドフレーム4bの側面に接触している。なお、この溝31はフレームの4面(上面、下面、右側面、左側面)に形成されているがスライドに利用する凹部は後述するように一面のみであるので他の凹部は形成しなくてもよい。また、上記した固定は溶着固定を意味するがこれに限定されない。第1連結部7と第2連結部13の両端下側近傍にはそれぞれキャスター15が取り付けられている。
【0037】
第1実施形態と異なるのは、第1固定部18a,18bが第1スライドフレーム4aの前方側側面の凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)され、第2固定部18e,18fが第2スライドフレーム4bの後方側側面の凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)され、第3固定部18c,18dが第1スライドフレーム4aの前方側側面の凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)され、第4固定部18g,18hが第2スライドフレーム4bの後方側側面の凹部31に固定(又は凹部に沿ってスライド)されている点であり、それ以外は同じである。したがって、第1可動脚部25aの可動機構、第2可動脚部25bの可動機構の構成は同じであるのでそれらの説明は省略する。また、塗装屋根の波板への上記した実施形態2に係る用具の使用例については、上記した段落(0031)~(0033)の記載内容と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0038】
<効果>
したがって、上記第2実施形態の構成によれば、塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることができるシンプルな構成の塗装作業用用具を提供することができる。
<実施形態3>
以下、
図8~
図10を用いて、本発明に係る塗装作業用用具の実施形態3について説明する。なお、実施形態3は、実施形態1とスライド機構が異なる以外は同じであるので、異なる部分についてのみ説明し、同様の部分の説明は省略する。また同様の部分の符号は区別する必要がない場合には同じ符号を使う場合がある。
【0039】
塗装作業用用具200は、天板(腰掛部)202(
図9参照)と、天板(腰掛部)202を載置する天板載置枠201と、天板202の下方(下側)かつ前方向(
図8参照)端部側に配置され左右方向(
図8参照)に移動自在の第1可動脚部225aおよび天板202の下方(下側)かつ後方向(
図8参照)端部側に配置され左右方向(
図8参照)に移動自在の第2可動脚部225bを備える。天板載置枠201は、
図9に示すように第1枠部材(以下、「前枠部材」と呼ぶ。)2011、第2枠部材(以下、「後枠部材」と呼ぶ。)2012、第3枠部材(以下、「右枠部材」と呼ぶ。)2013および第4枠部材(以下、「左枠部材」と呼ぶ。)2014が一体に成形されたものである。前枠部材2011、後枠部材2012、右枠部材2013および左枠部材2014のそれぞれは、側板201aと、側板201aの板面に対して垂直に、かつ、内側に延在する底板201bとで構成されている。すなわち前枠部材2011、後枠部材2012、右枠部材2013および左枠部材2014のそれぞれの底板201bの上面に天板202が載置される。
【0040】
第1可動脚部225aおよび第2可動脚部225bは左右方向に互いに所定間隔をおいて配置されている。第1可動脚部225aは、第1脚部203、当該第1脚部203と前後方向(
図8参照)に所定間隔をおいて配置された第2脚部205、並びに、第1脚部203および第2脚部205を接続(連結)する第1連結部207を備える。第2可動脚部225bは、第3脚部209、当該第3脚部209と前後方向に所定間隔をおいて配置された第4脚部211、並びに、第3脚部209および第4脚部211を接続する第2連結部213を備える。
【0041】
<第1可動脚部225aおよび第2可動脚部225bのスライド機構>
天板載置枠201における前枠部材2011の底板201bの下面に、長手方向に沿って延在する断面四角形状の第1スライドバー204aが溶着固定されている。天板載置枠201における後枠部材2012の底板201bの下面に、長手方向に沿って延在する断面四角形状の第2スライドバー204bが溶着固定されている。なお、実施形態3では第1スライドバー204aおよび第2スライドバー204bは中空のいわゆる角パイプを例に挙げているが中実の角棒であってもよい。
【0042】
第1脚部203には、第1スライドバー204aに取り付けられ第1スライドバー204aに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第1中空スライドパイプ(角パイプ)208aが固定されている。つまり第1中空スライドパイプ208aの中空に第1スライドバー204aが挿入されて嵌め込まれた状態(挿嵌状態)とする。第3脚部209には、第1スライドバー204aに取り付けられ第1スライドバー204aに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第2中空スライドパイプ(角パイプ)208bが固定されている。つまり第2中空スライドパイプ208bの中空に第1スライドバー204aが挿入されて嵌め込まれた状態(挿嵌状態)とする。なお、上記した固定は溶着固定を意味するがこれに限定されずに第1脚部203や第3脚部209に一体成型させたものでもよい。
【0043】
第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bはそれぞれ、第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bを第1スライドバー204aに固定したり緩めたりするための蝶ネジ210を有する。蝶ネジ210は
図10に示すようにネジ頭部210aとネジ頭部210aから延設されネジ先端側にネジ山232が形成されたボルト部(雄ねじ部)210bからなる。なお、
図10では先端にネジ山232が形成されたボルト部210bとネジ頭部210aとが一体成型されたネジ部210として図示しているが、これ以外にもボルト部全てにネジ山が形成され、そのボルト部とネジ頭部210aとが一体成型されたネジ部であってもよい。
【0044】
ボルト部210bを第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bに形成された貫通孔(符号省略)に挿入してネジ頭部210aを回転(例えば時計回りに回転)させると、第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bの中空内に配置(載置)されたネジ溝(符号省略)を有するナット212(雌ネジ部)にボルト部210bのネジ山232が螺合する。ボルト部210bの先端が第1スライドバー204aの外周表面にまで到達しない程度までボルト部210bを第1スライドバー204aの外周表面に向かって回動させる。この時はまだ第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bはスライド可能な状態である。
【0045】
次に第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bのそれぞれを第1スライドバー204aの長手方向に沿って所望の位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジ210のネジ頭部210aを順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてボルト部210bを上記した貫通孔(符号省略)を介してナット212に螺号させてボルト部210bの先端が第1スライドバー204aの外周表面に到達するまでボルト部210bを回動させる。ボルト部210bの先端が第1スライドバー204aの外周表面に到達すると第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bが第1スライドバー204aの所望の位置で固定される。ここで、第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bは移動方向に沿って同時にスライドされ、両者の移動方向に沿ったスライド距離はスライド前の位置を基準とするとその基準位置から概ね同一距離となる。
【0046】
なお、第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bをスライド移動して固定した後にさらに別の所望位置にスライドさせたい場合には、一旦蝶ネジを210を逆回転(例えば反時計回りに回転)させてナット212に対する螺号を解除し、その後別の所望位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジを210を順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてナット212に螺号させて第1中空スライドパイプ208aおよび第2中空スライドパイプ208bを第1スライドバー204aの別の所望位置で固定させる。
【0047】
第2脚部205には、第2スライドバー204bに取り付けられ第2スライドバー204bに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第3中空スライドパイプ(角パイプ)208cが固定されている。つまり第3中空スライドパイプ208cの中空に第2スライドバー204bが挿入されて嵌め込まれた状態(挿嵌状態)とする。第4脚部211には、第2スライドバー204bに取り付けられ第2スライドバー204bに沿ってスライドさせるための断面四角形状の第4中空スライドパイプ(角パイプ)208dが固定されている。つまり第4中空スライドパイプ208dの中空に第2スライドバー204bが挿入されて嵌め込まれた状態(挿嵌状態)とする。なお、上記した固定は溶着固定を意味するがこれに限定されずに第2脚部205、第4脚部211一体成型させたものでもよい。
【0048】
第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dはそれぞれ、第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dを第2スライドバー204bに固定したり緩めたりするための蝶ネジ210を有する。蝶ネジ210の構成は上記と同様であるので説明は省略する。
【0049】
ボルト部210bを第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dに形成された貫通孔(符号省略)に挿入してネジ頭部210aを回転(例えば時計回りに回転)させると、第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dの中空内に配置(載置)されたネジ溝(符号省略)を有するナット212(雌ネジ部)にボルト部210bのネジ山232が螺合する。ボルト部210bの先端が第2スライドバー204bの外周表面にまで到達しない程度までボルト部210bを第2スライドバー204bの外周表面に向かって回動させる。この時はまだ第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dはスライド可能な状態である。
【0050】
次に第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dのそれぞれを第2スライドバー204bの長手方向に沿って所望の位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジ210のネジ頭部210aを順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてボルト部210bを上記した貫通孔(符号省略)を介してナット212に螺号させてボルト部210bの先端が第2スライドバー204bの外周表面に到達するまでボルト部210bを回動させる。ボルト部210bの先端が第2スライドバー204bの外周表面に到達すると第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dが第2スライドバー204bの所望の位置で固定される。ここで、第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dは移動方向に沿って同時にスライドされ、両者の移動方向に沿ったスライド距離はスライド前の位置を基準とするとその基準位置から概ね同一距離となる。
【0051】
なお、第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dをスライド移動して固定した後にさらに別の所望位置にスライドさせたい場合には、一旦蝶ネジを210を逆回転(例えば反時計回りに回転)させてナット212に対する螺号を解除し、その後別の所望位置にまでスライドさせた後に、蝶ネジを210を順方向に回転(例えば時計回りに回転)させてナット212に螺号させて第3中空スライドパイプ208cおよび第4中空スライドパイプ208dを第2スライドバー204bの別の所望位置で固定させる。なお、上記した螺合機構以外にも、たとえば上記した貫通孔(符号省略)に雌ねじを形成して螺合させるようにしてもよい。この場合にはナットは不要となる。また、塗装屋根の波板への上記した実施形態3に係る用具の使用例については、上記した段落(0031)~(0033)の記載内容と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0052】
<効果>
したがって、上記実施形態3における用具の構成によれば、簡易な構造で塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることができる。また、天板の取り外しができるのでフラットな木製天板だけでなく好みの天板、例えば重量の軽い素材でできた天板、クッション付き天板等も使用でき、好みに応じて様々な天板を選択して付け替えたりできる。
【0053】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…塗装作業用用具
2,202…天板
3,203…第1脚部
4a…第1スライドフレーム
4b…第2スライドフレーム
5,205…第2脚部
7,207…第1連結部
9,209……第3脚部
10,210…ネジ部
11,211…第4脚部
12,212…ナット
13,213…第2連結部
15,215…キャスター
18a,18b…第1固定部
18c,18d…第3固定部
18g,18h…第4固定部
18e,18f…第2固定部
25a,225a…第1可動脚部
25b,225b…第2可動脚部
31…凹部(溝)
201…天板載置枠(天板載置枠フレーム)
204a…第1スライドバー
204b…第2スライドバー
【要約】
【課題】塗装屋根の波板の間隔に応じて脚部位置を変えることによって持ち運ぶことなく楽に移動できるとともに安定して腰掛けられ、もって作業効率の向上を図ることである。
【解決手段】天板(2)の下方に第1の可動脚部(23)および第2の可動脚部(25)が天板(2)が移動する方向に直交する方向に所定間隔をおいて配置される塗装作業用用具(1)であって、第1可動脚部(25a)と第2可動脚部(25b)は、第1可動脚部(25a)および第2可動脚部(25b)の間隔を直交する方向にスライド(可動)自在にするスライド機構を有する。
【選択図】
図1