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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/24 20060101AFI20240722BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240722BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240722BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G08B21/24
G08B21/00 U
G08G1/09 F
G08G1/16 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019146977
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021026734
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】593026627
【氏名又は名称】セルスター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】小箱 智
(72)【発明者】
【氏名】小林 恭二
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸範
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0249354(US,A1)
【文献】米国特許第05239296(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-0986561(KR,B1)
【文献】特表2003-508859(JP,A)
【文献】特開2002-022827(JP,A)
【文献】特開平03-182185(JP,A)
【文献】特開平06-324144(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0397874(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S7/00-7/51
13/00-13/95
17/00-17/95
G08B19/00-31/00
G08G1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を検知する第1の光センサと、
前記第1の光センサを支持する支持部と、
を有するレーザ受光装置と、
光を検知する第2の光センサと、
前記第1の光センサ及び前記第2の光センサの少なくとも一方から出力された信号に基づいて、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したと判定された場合に、所定の情報の報知を行う報知部と、
前記レーザ受光装置とは別体であり、前記第2の光センサ及び前記報知部を支持する本体と、
を有する報知装置と、
を有し、
前記判定部は、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサの少なくとも一方から出力された信号に基づいて、前記レーザ式速度計測装置からのレーザ光以外のノイズとなる光を受光したか否かを判定することにより、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定することを特徴とする報知システム。
【請求項2】
光を検知する第1の光センサと、
前記第1の光センサを支持する支持部と、
を有するレーザ受光装置と、
光を検知する第2の光センサと、
前記第1の光センサ及び前記第2の光センサの少なくとも一方から出力された信号に基づいて、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したと判定された場合に、所定の情報の報知を行う報知部と、
前記レーザ受光装置とは別体であり、前記第2の光センサ及び前記報知部を支持する本体と、
を有する報知装置と、
を有し、
前記報知装置は、前記レーザ式速度計測装置からのレーザ光以外のノイズとなる光を選択的に透過するフィルタを有し、
前記判定部は、前記第2の光センサから信号が出力された場合には、前記レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光していないと判定することを特徴とする報知システム。
【請求項3】
前記第1の光センサは、前記支持部に対して角度変更可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両に搭載され、各種の情報を報知する報知装置が普及している。例えば、報知装置がレーダー探知機の場合、速度計測装置に車両が近づくと、ディスプレイに警告画面を表示することにより、速度計測装置に接近したことを報知して、速度の抑制を促し、安全を図っている。速度計測装置から車両が離れると、レーダー探知機のディスプレイの表示は待受画面に変わる。待受画面には、現在時刻や車両の走行速度、気圧、現在位置周辺の地図等の中から、あらかじめ選択された情報が表示される。
【0003】
レーダー探知機による速度計測装置の検知は、速度計測装置から発信されるレーダー波を、アンテナにより受信することにより行う。また、レーダー探知機は、GPSにより特定される自車位置が、あらかじめ登録済みの速度計測装置の位置から、所定の距離まで接近したことを検知して、警告となる情報を報知する機能も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6161429号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の速度計測装置は、ループコイル式や光電管式など、非レーダー化が進んでいる。このような非レーダー化の流れの中で、レーザ式の速度計測装置が開発されている。レーザ式の速度計測装置は、レーザ光を所定の範囲で走査することにより、走行中の車両にレーザ光を照射して、反射したレーザ光を検知することにより、速度を検出している。旧来のレーダー探知機では、レーザ光を検知する機能がないため、レーザ式の速度計測装置については検知することができなかった。
【0006】
これに対処するため、レーダー探知機等の報知装置に、レーザ光を受光する受光部を設けることにより、レーザ式の速度計測装置からのレーザ光を検知する機能を付加することも考えられる。ここで、レーザ光は、レーダー波と比較して指向性が非常に強く、ほとんど拡散することなく直進する。このため、レーザ光を検知するための報知装置は、受光部がレーザ光を受光できる位置と方向で設置する必要がある。一方、レーダー探知機等の報知装置は、ディスプレイを車両の運転者等が視認可能な位置と方向で設置する必要がある。しかし、この位置と方向は、必ずしも受光部がレーザ光を受光できる位置及び方向にならない。
【0007】
また、レーダー探知機等の報知装置は、ランプ等の発光の確認、音声の確認等のためにも、比較的運転者の近くに設置することが好まれる場合が多い。さらに、多機能化した報知装置の本体は比較的大きくなる傾向にあるため、フロントガラスの近傍等に設置することを、ユーザが好まない場合もある。このため、報知装置は、種々の理由から、レーザ光が受光できる位置に設置することが難しくなる場合が生じる。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を検知して、所定の情報を報知できる報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の報知システムは、光を検知する第1の光センサと、前記第1の光センサを支持する支持部と、を有するレーザ受光装置と、光を検知する第2の光センサと、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサの少なくとも一方から出力された信号に基づいて、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定する判定部と、前記判定部により、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したと判定された場合に、所定の情報の報知を行う報知部と、前記レーザ受光装置とは別体であり、前記第2の光センサ及び前記報知部を支持する本体と、を有する報知装置と、を有する。
【0010】
前記判定部は、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサの少なくとも一方から出力された信号に基づいて、前記レーザ式速度計測装置からのレーザ光以外のノイズとなる光を受光したか否かを判定することにより、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定してもよい。
【0011】
前記報知装置は、前記レーザ式速度計測装置からのレーザ光以外のノイズとなる光を選択的に透過するフィルタを有し、前記判定部は、前記第2の光センサから信号が出力された場合には、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光していないと判定してもよい。
【0012】
前記第1の光センサは、前記支持部に対して角度変更可能に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を検知して、所定の情報を報知できる報知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の報知システムの設置例を示す斜視図である。
図2】実施形態の報知システムを示すブロック図である。
図3】速度計測装置と道路及び車両との位置関係を示す平面図である。
図4】実施形態のレーザ受光装置を示す正面側斜視図である。
図5】実施形態の報知装置を示す背面側斜視図である。
図6】実施形態の報知装置を示す正面側斜視図である。
図7】レーザ受光装置と報知装置の設置位置及び角度とレーザ光の照射角度との関係を示す説明図である。
図8】レーザ光の検知処理と報知処理の手順を示すフローチャートである。
図9】実施形態の変形例を示す簡略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、報知システムSYは、レーザ受光装置1、報知装置100を有する。レーザ受光装置1は、光を検知する第1の光センサ32を有する装置である。一方、報知装置100は、光を検知する第2の光センサ192を有する装置である。そして、報知装置100は、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の少なくとも一方から出力された信号に基づいて、レーザ式速度計測装置からのレーザ光を受光したか否かを判定し、受光したと判定した場合に、所定の情報の報知を行う装置である。所定の情報は、レーザ式速度計測装置が存在することを報知する情報を含む。所定の情報は、レーザ式速度計測装置を検知した位置、検知した時刻等を含んでいてもよい。さらに、所定の情報は、速度制限を促す警告等も含む。これらの所定の情報は、レーザ式速度計測装置に関する情報として捉えることができる。
【0016】
レーザ受光装置1と報知装置100とは別体である。このため、レーザ受光装置1は、報知装置100の設置位置及び設置角度にかかわらず、所望の位置及び角度で設置できる。レーザ受光装置1と報知装置100とは、接続コード20を介して電気的に接続される。つまり、レーザ受光装置1と報知装置100とは有線で情報の送受信が可能となるように接続される。
【0017】
[レーザ式速度計測装置]
まず、本実施形態によって検知するレーザ式速度計測装置(以下、速度計測装置とする)を説明する。以下の説明では、進行する車両Cが向かう側を正面側、その反対側を背面側とする。図3に示すように、速度計測装置ОBは、主として可搬型が用いられる。つまり、速度計測装置ОBは、持ち運び可能で所望の時間、所望の位置に適宜設置される。可搬型の速度計測装置ОBとしては、車両に設置されたものもある。また、固定的に設置される速度計測装置ОBもある。
【0018】
速度計測装置OBの設置位置は、例えば、車道Rの外の路肩RSとなる。この設置位置から、速度計測装置OBは、路面S、中央分離帯M、車両C等の所定の照射範囲に、レーザ光LOを走査しながら照射して、照射範囲内の各部から反射してきたレーザ光を受光することにより、照射対象との距離を求める。このような速度計測装置OBの方式は、レーザ光LOを走査して照射することから、レーザスキャン式とも呼ばれる。また、速度計測装置OBに使用されるレーザ光LOは、赤外線におけるいずれかの周波数の電磁波である。
【0019】
所定の時間内において、速度計測装置OBと、移動していない中央分離帯M、路面S等との距離は変化しないが、走行している車両Cとの距離は変化する。つまり、同じ車両Cから得られた距離分布が所定の時間内に変化するため、速度計測装置OBは、変化した距離分布と時間に基づいて、車両Cの走行速度を算出する。
【0020】
速度計測装置OBは、走行している車両Cの正面側に向けてレーザ光LOを照射する場合、車両Cの進行方向から見て左側の路肩RSから照射することになる。このため、指向性が強いレーザ光LOの進路は、車道Rの長手方向に対して傾斜した方向となる。なお、上記のように、固定的に設置される速度計測装置ОBもあり、その設置場所は路肩RSには限られない。また、車両Cの進行方向から見て右側からレーザ光LOが照射される場合もある。
【0021】
[レーザ受光装置]
(外観構成)
本実施形態のレーザ受光装置1の外観構成を、図4の正面側斜視図を参照して説明する。レーザ受光装置1は、上記の第1の光センサ32を支持する支持部10を有する。支持部10は、ケース11、マウントベース12を有する。ケース11は、第1の光センサ32を収容する筐体である。本実施形態のケース11は、直方体形状である。ケース11は、その正面に窓部11aを有する。窓部11aは、光が入射する構成部である。窓部11aは、ケース11の正面に形成された開口に、光を透過する材質の部材が嵌め込まれることにより構成されている。
【0022】
本実施形態では、窓部11aに用いられる光を透過する部材は、後述する第1の検知部30が有する第1のフィルタ31である。第1のフィルタ31は、速度計測装置ОBからのレーザ光LOを透過させる。但し、第1のフィルタ31は、速度計測装置ОBからのレーザ光LOを含むように、赤外線を透過させればよい。つまり、赤外線以外を排除できればよく、速度計測装置OB以外のノイズとなる光を含めて透過させてもよい。ノイズとなる光としては、VICS(登録商標)、赤外線リモコン、衝突防止システム、測量機器などからの光を含む。
【0023】
マウントベース12は、ケース11を角度変更可能に支持する。マウントベース12は、台座部12a、連結部12bを有する。台座部12aは板状体であり、一方の面が設置面に設置される。設置面は、第1の光センサ32がレーザ光LOを受光可能な車内の位置とすることができる。例えば、台座部12aは、両面テープ等の固定部材によって、ダッシュボードDB上に固定される(図1参照)。
【0024】
連結部12bは、台座部12aとケース11とを連結する部材である。本実施形態の連結部12bは円柱形状であり、その一端が、台座部12aに対して直立した軸を中心に回動可能に接続されている。また、連結部12bは、その軸に沿って台座部12aに伸縮可能な構造を有している。この伸縮方向は、台座部12を水平に設置した場合に、高さ方向となる。さらに、連結部12bの他端は、ケース11に対して、台座部12aに平行な軸を中心に回動可能に接続されている。
【0025】
なお、図1に示すように、レーザ受光装置1と報知装置100は、接続コード20を介して接続される。接続コード20は、ケース11の内部から外部に延びて、報知装置100との電気的な接続を行う接続部である。接続コード20の端部には、報知装置100のソケットに接続されるプラグが設けられている。接続コード20は、レーザ受光装置1と報知装置100との間の情報の送受信と、電力の供給を行うことができる。なお、レーザ受光装置1と報知装置100との接続は、中継ユニット等を介在させてもよい。つまり、車両Cのシガーライターソケットに接続された中継ユニットに、レーザ受光装置1及び報知装置100からの接続コード20を接続することにより、レーザ受光装置1及び報知装置100との間の情報の送受信と電力の供給を行うようにしてもよい。
【0026】
(内部構成)
以上のようなレーザ受光装置1の内部構成を、図2のブロック図を参照して説明する。レーザ受光装置1は、ケース11に収容された第1の検知部30、GPS受信部40、レーダー受信部50、出力部60を有する。
【0027】
第1の検知部30は、上記の第1のフィルタ31を含み、さらに第1の光センサ32、変換部33を有する。第1の光センサ32は、受光すると信号、例えば電流を出力するセンサである。第1の光センサ32としては、受光した光の強度に応じた電流を流すセンサ、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いる。第1の光センサ32は、窓部11aから入射した光を受光可能な位置に配置されている。第1の光センサ32の受光面と窓部11aとの位置及び角度は一定となるように設けられている。例えば、窓部11aの平面に対して、その受光面が平行となるように配置されている。つまり、窓部11aが正面を向くと、第1の光センサ32の受光面も正面を向く。変換部33は、第1の光センサ32からの出力電流を電圧信号に変換して出力する回路である。なお、第1の光センサ32及び窓部11aの位置及び角度は、窓部11aから入射した光を第1の光センサ32が受光可能であればよく、上記の態様には限定されない。
【0028】
GPS受信部40は、アンテナ、復調器及び演算部を含むモジュールである。GPS受信部40はアンテナによりGPS衛星の電波信号を受信して、受信した電波信号から復調器により測位信号を復調し、演算部によって緯度及び経度を計算して出力する。これにより、車両Cの現在位置を検出することができる。レーダー受信部50は、アンテナと検波部を含む。アンテナにより速度計測装置から発射されたレーダー波を受信して、検波部によって受信したレーダー波の検波を行う。出力部60は、第1の検知部30、GPS受信部40、レーダー受信部50から出力された信号を、報知装置100で識別可能となるように、接続コード20を介して出力する。
【0029】
[報知装置]
報知装置100は、レーザ受光装置1からの信号に基づいて、各種の情報の報知を行う車載装置である。報知装置100は、速度計測装置ОBからのレーザ光LOを検知した場合、所定の情報を報知する報知画面を、ディスプレイ102に表示する。報知画面を表示する状況にない場合、現在位置を示す地図等の待受画面をディスプレイ102に表示する。
【0030】
(外観構成)
報知装置100の外観構成を、図5の背面側斜視図及び図6の正面側斜視図を参照して説明する。報知装置100は、本体101、ディスプレイ102、取付部103、ランプ104、音声出力口105、メモリカード収容部106を有する。
【0031】
本体101は、略直方体形状の筐体である。ディスプレイ102は、本体101の背面に設けられ、各種の情報を、搭乗者に視認可能となるように表示する液晶、有機EL等の表示画面を有する装置である。
【0032】
取付部103は、本体101を車両Cに取り付ける部材である。取付部103は、本体101の下部に取り付けられ、車両CのダッシュボードDBの上の所望の位置に、ディスプレイ102の表示画面が搭乗者に向くように、両面テープ等の固定部材を介して貼り付けられる(図1参照)。ランプ104は、各種の情報を発光により表示する発光LED等の発光部材である。
【0033】
図6に示すように、音声出力口105は、本体101の正面に設けられ、後述するスピーカ160の音声を出力するための開口である。メモリカード収容部106は、本体101の側面に設けられたスリット状のスロットであり、スロット内にメモリカードが挿脱される記録媒体収容部である。メモリカードは、リムーバブルな記録媒体であればよく、SDカード、マイクロSDカード等、種々の媒体を利用可能である。
【0034】
また、図1に示すように、報知装置100には、レーザ受光装置1から延びた接続コード20が接続される。さらに、報知装置100には、電源ケーブルLを介して、車両Cのシガーライターソケットに接続されることにより、電源が供給される。なお、図示はしないが、報知装置100には、赤外線を介して報知装置100を遠隔操作するためのリモコンのための赤外線のセンサが設けられている。
【0035】
本体101は、窓部107を有する。窓部107は、光が入射する構成部である。窓部107は、本体101の正面に設けられている。つまり、窓部107は、本体101のディスプレイ102と反対側の正面に形成された開口に、光を透過する材質の部材が嵌め込まれることにより構成されている。
【0036】
本実施形態では、窓部107に用いられる光を透過する部材は、後述する第2の検知部190が有する第2のフィルタ191である。第2のフィルタ191は、第1のフィルタ31と同様に、速度計測装置ОBからのレーザ光LOを含むように、赤外線を透過させればよい。つまり、赤外線以外を排除できればよく、速度計測装置OB以外のノイズとなる光を含めて透過させる。
【0037】
(内部構成)
次に、報知装置100の内部のハードウェア構成を、図2のブロック図を参照して説明する。報知装置100は、上記のディスプレイ102、ランプ104、メモリカード収容部106に加えて、時計110、加速度センサ120、気圧センサ130、ジャイロセンサ140、信号ポート150、スピーカ160、メモリカードインタフェース170、通信部180、第2の検知部190、制御部200を有する。
【0038】
時計110は、年月日及び時刻を計測して出力する装置である。加速度センサ120は、加速度を検出して変位情報を出力するセンサである。加速度センサ120によって検出される加速度によって、報知装置100を搭載した車両Cに加わった衝撃、車両の急加速、急減速などの動き、アイドリング時の振動などを判定できる。
【0039】
気圧センサ130は、報知装置100の周囲の気圧を検出するセンサである。気圧センサ130により検出される気圧によって、下り坂であることを判定でき、警告対象手前の道が下り坂であることを警告できる。ジャイロセンサ140は、角速度を検出して変位情報を出力するセンサである。ジャイロセンサ140によって検出される角速度によって、報知装置100を搭載した車両Cの姿勢、回転等を検知できる。
【0040】
信号ポート150は、車両CのECUの自己診断機能のための各種の情報を取得する車両情報取得部である。信号ポート150は、例えば、車両CのOBD-IIコネクタに、アダプタケーブルを介して接続される。車両情報には、車速、アクセル開度、ブレーキ開度、ウィンカー動作、ハンドルの操舵角が含まれる。
【0041】
スピーカ160は、車両Cの搭乗者に、音声により特定の情報を知らせる出力装置である。ディスプレイ102、ランプ104、スピーカ160の少なくとも一つは、後述するように、所定の情報を報知する報知部である。これらの報知部及び第2の光センサ192は、本体101に支持されている。
【0042】
メモリカードインタフェース170は、メモリカード収容部106に収容されたメモリカードへのデータの書き込み及びメモリカードからのデータの読み出し、メモリカードのフォーマット等を行うインタフェースである。
【0043】
通信部180は、外部との間で情報の送受信を行う処理部である。通信部180は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末を介して、Wi-Fi(登録商標)、Bluetооth(登録商標)、USBなどを利用したテザリングによりネットワークに接続され、速度計測装置ОBの位置情報などを送受信する通信モジュールである。
【0044】
なお、通信部180としては、例えば、3G、4G、5G等の通信規格による基地局との接続機能を有することにより、情報通信端末を介さずに、ネットワークに接続可能な通信モジュールを用いることもできる。ネットワークは、インターネット、専用通信網等、現在又は将来において利用可能な種々の通信網を適用できる。また、通信部180は、他の報知装置100との間で通信することもできる。つまり、インフラとしての通信網を介さずに、周辺に存在する別々の報知装置100の間で、それぞれが発信した各種の報知情報を通信でリアルタイムに共有することができる。そして、各報知装置100は、他の報知装置100から通信によって伝播された報知情報についても、自車の状況との関連性に基づいて、報知することができる。これにより、レーザ光LOが受光できないほど速度計測装置OBから離れた位置であったり、道路形状や先行車などの遮蔽物によってレーザ光LOが受光できない状況の報知装置100であっても、報知情報を報知することができる。例えば、自車位置が、通信によって取得した速度計測装置OBの位置から、所定の距離まで接近したことを検知して、警告となる情報を報知して、速度の抑制を促し、安全を図ることもできる。
【0045】
制御部200は、報知装置100の各部の動作を制御する。制御部200は、中央処理装置であるプロセッサを主体に構成され、各種のメモリ、入出力インタフェース等を備えた所謂コンピュータである。プロセッサは、メインプログラムに従って、情報の入力、記憶、出力等のための演算処理及び周辺機器の制御処理を行う。
【0046】
メモリは、FlashROM、RAMを含む。FlashROMは、プロセッサが各部の制御を行うための各種の処理をおこなうためのプログラム、データ、設定が格納された書き込み可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリは、地図データ、所定の情報の報知のための画像データ、音声データ等を記憶している。RAMは、プロセッサが処理を行う際の作業領域等として機能するメモリである。メモリカードも、これらのメモリの機能を担うことができる。入出力インタフェースは、プロセッサが信号線で接続された各部との間で入出力する情報の変換を行う。
【0047】
第2の検知部190は、上記の第2のフィルタ191を含み、さらに第2の光センサ192、変換部193を有する。第2の光センサ192は、受光すると信号、例えば電流を出力するセンサである。第2の光センサ192としては、第1の光センサ32と同様に、受光した光の強度に応じた電流を流すセンサ、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いる。第2の光センサ192は、窓部107から入射した光を受光可能な位置に配置されている。第2の光センサ192の受光面と窓部107との位置及び角度は一定となるように設けられている。例えば、窓部107の平面に対して、その受光面が平行となるように配置されている。つまり、窓部107が正面を向くと、第2の光センサ192の受光面も正面を向く。変換部193は、第2の光センサ192からの出力電流を電圧信号に変換して出力する回路である。なお、第2の光センサ192及び窓部107の位置及び角度は、窓部107から入射した光を第2の光センサ192が受光可能であればよく、上記の態様には限定されない。
【0048】
制御部200には、接続コード20を介して、第1の光センサ32が受光することにより、第1の検知部30から出力された信号が入力される。また、第2の光センサ192が受光することにより、第2の検知部190から出力された信号が入力される。制御部200は、入力された信号に基づいて、所定の情報を、ディスプレイ102、ランプ104、スピーカ160に報知させる報知処理を行う。
【0049】
このような報知処理を行うための機能ブロックを、図2に示す。すなわち、制御部200は、判定部201、報知処理部202を有する。判定部201は、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の少なくとも一方から出力された信号に基づいて、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光したか否かを判定する。本実施形態の判定部201は、速度計測装置OBからのレーザ光LO以外のノイズとなる光であるか否かを判定することにより、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光したか否かを判定する。この判定は、例えば、ノイズとなる光の特徴量又はノイズとなる光の照射の態様の特徴量を表す信号が、第1の検知部30、第2の検知部190からの信号に含まれている場合に、レーザ光LOであると判定することにより行う。なお、判定部201によるノイズとなる光か否かの判定処理の手法は、上記で例示した態様には限定されない。
【0050】
判定部201は、第1の光センサ32からの信号が入力されるとともに、第2の光センサ192からの信号が入力され、ノイズとなる光でないと判定した場合には、速度計測装置OBのレーザ光LOであると判定する。また、判定部201は、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の一方から信号が入力され、判定部201がノイズとなる光でないと判定した場合には、速度計測装置OBのレーザ光LOであると判定する。
【0051】
一方、判定部201は、第1の光センサ32からの信号が入力されるとともに、第2の光センサ192からの信号が入力され、ノイズとなる光であると判定した場合には、速度計測装置OBのレーザ光LOでないと判定する。また、判定部201は、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の一方からの信号が入力され、ノイズとなる光であると判定した場合には、速度計測装置OBのレーザ光LOでないと判定する。
【0052】
報知処理部202は、判定部201が、速度計測装置OBのレーザ光LOであると判定した場合に、これを報知部に報知させる。つまり、ディスプレイ102に待受画面から報知画面に切り替えて表示させ、ランプ104を点滅させ、スピーカ160に報知の音声を出力させる。
【0053】
なお、制御部200は、GPS受信部40からの現在位置の緯度及び経度に基づいて、メモリ内にあらかじめ記憶された速度遵守地点情報が示す地点と現在位置との距離を測り、当該距離を評価し、評価結果に応じて報知部に警告を報知させる。速度順守地点情報には、レーザ式の速度計測装置OBの情報の他、レーダー式等、他の方式の速度計測装置の情報も含まれる。また、制御部200は、レーダー受信部50からのレーダー波の検波信号が入力された場合に、レーダー式の速度計測装置に接近していることを報知部に報知させる。
【0054】
[設置位置]
以上のようなレーザ受光装置1及び報知装置100の設置位置について説明する。まず、レーザ受光装置1は、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光可能な位置及び角度となるように設置する。なお、このとき、窓部11aの位置や角度を目安とすることができる。例えば、図1図7に示すように、ダッシュボードDB上の中央のフロントガラスFGの近傍に、ケース11の窓部11aが車両Cの正面、つまり進行方向に向くように設置する。設置は、マウントベース12の台座部12aを、両面テープ等の固定部材によって、ダッシュボードDBに固定することにより行う。これにより、第1の光センサ32の受光面は、車両Cの正面を向く。つまり、支持部10の設置によって、第1の光センサ32の角度を、ディスプレイ102とは独立して設定する。また、ダッシュボードDBの傾斜によっては、第1の光センサ32の受光面が正面を向かない場合には、ケース11の角度を変えて、窓部11aが車両Cの正面を向くようにする。
【0055】
一方、報知装置100は、運転席に近いダッシュボードDB上に、ディスプレイ102を運転席から視認しやすい角度で設置する。図7に、運転席から見て左に設置した場合の報知装置100A、右に設置した場合の報知装置100Bを示す。これらの報知装置100A、100Bは、ディスプレイ102の表示画面が運転席を向くように、進行方向に対して傾斜した方向に設置することになる。設置は、取付部103の底面を、両面テープ等の固定部材によって、ダッシュボードDBに固定することにより行う。これにより、車両Cの運転者は、運転中に視線を前方から大きく外すことなく、ディスプレイ102に表示された情報を確認できる。これにより、第1の光センサ32の受光面が、ディスプレイ102の表示面とは非平行となるように、第1の光センサ32が支持部10によって支持される。また、支持部10は、ディスプレイ102の表示面とは非平行となる窓部11aを有することになる。
【0056】
[レーザ光の検知]
次に、レーザ光LOの検知処理を説明する。図3に示すように、速度計測装置OBからのレーザ光LOは、路肩RSから車道Rの長手方向に対して傾斜した方向で照射される。このため、図1及び図7に示すように、レーザ受光装置1の第1の光センサ32の受光面が正面を向いている場合、レーザ光LOを受光できる可能性が高まる。
【0057】
また、第1の光センサ32は、一旦設置した支持部10に対して角度変更可能に設けられている。例えば、車道Rから比較的遠い位置に速度計測装置ОBが設置されていたり、車道Rの車線が多く、路肩RSから遠い車線を走行する場合など、進行方向に対するレーザ光LОの傾斜角度が大きくなるような場合が発生する。このような場合には、ユーザは、第1の光センサ32の受光面が、車両Cの進行方向から見て左に傾斜して向かうようにケース11の角度を変えることにより、レーザ光LOを受光できる可能性を高めてもよい。さらに、第1の光センサ32は、高さ方向の位置も変更できるように支持部10に支持されている。このため、例えば、ダッシュボードDBの傾斜やワイパーブレード等によるレーザ光LOの遮蔽を回避するように、高さを変更することができる。
【0058】
以上のようなレーザ受光装置1及び報知装置100によるレーザ光LOの検知処理を、図8のフローチャートに沿って説明する。まず、車両Cが車道Rを走行中に、速度計測装置OBからのレーザ光LOが照射される。このレーザ光LOが、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の少なくとも一方に入射する(ステップS101のYES)。第1の光センサ32にレーザ光LOが入射した場合、第1の検知部30の変換部33により変換された信号が出力部60から出力され、接続コード20を介して、報知装置100の制御部200に入力される(ステップS102)。また、第2の光センサ192にレーザ光LOが入射した場合、第2の検知部190の変換部193により変換された信号が制御部200に入力される(ステップS102)。
【0059】
制御部200の判定部201は、ノイズとなる光であるか否かを判定する(ステップS103)。ノイズとなる光でないと判定された場合(ステップS104のNO)、報知処理部202は、報知部に報知させる(ステップS105)。つまり、ディスプレイ102に待受画面から報知画面に切り替えて表示させ、ランプ104を点滅させ、スピーカ160に報知の音声を出力させる。ノイズとなる光であると判定された場合(ステップS104のYES)、このため、報知処理は行われず、ディスプレイ102には、待受画面が表示されたままとなる。
【0060】
[作用効果]
以上のような本実施形態の報知システムSYは、光を検知する第1の光センサ32と、第1の光センサ32を支持する支持部10と、を有するレーザ受光装置1と、光を検知する第2の光センサ192と、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の少なくとも一方から出力された信号に基づいて、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光したか否かを判定する判定部201と、判定部201により、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光したと判定された場合に、所定の情報の報知を行う報知部と、レーザ受光装置1とは別体であり、第2の光センサ192及び報知部を支持する本体101と、を有する。
【0061】
このため、報知装置100とは別体のレーザ受光装置1を、第1の光センサ32によって、レーザ光LOを検知しやすい位置に設置できるので、レーザ光LOを検知できる可能性を、高めることができる。これにより、速度計測装置OBからの距離が比較的遠い位置からでも、レーザ光LOを検知できる。しかも、レーザ受光装置1に第1の光センサ32を設けるのみならず、これとは別体の報知装置100に第2の光センサ192を設けて冗長化している。このため、少なくとも一方がレーザ光LOを受光すれば、レーザ光LOを検知できるので、レーザ光LOを検知できる可能性をより一層高めることができる。
【0062】
さらに、報知装置100が有する判定部201は、第1の光センサ32及び第2の光センサ192の少なくとも一方から出力された信号に基づいて、速度計測装置OBからのレーザ光LO以外のノイズとなる光を受光したか否かを判定することにより、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光したか否かを判定する。これにより、第1の光センサ32、第2の光センサ192のいずれかが、ノイズとなる光を受光した場合には、判定部201が、速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光していないと判定するため、ノイズとなる光による誤報を防止できる。
【0063】
ここで、本実施形態のように、レーザ光LOを検知できるようにするために、単純に、報知装置100の本体101にレーザ光を検知できる光センサを設けるよりも、本実施形態のように、報知装置100とは別体のレーザ受光装置1に、第1の光センサ32を設けることが好ましい理由を以下に述べる。まず、レーダー波とは異なり、レーザ光LOは強い指向性を有するため、報知装置100の設置位置によっては、レーザ光LOの検知が非常に難しい。
【0064】
このような報知装置100として、図7に示した報知装置100A、100Bに光センサを設けた場合の例を比較例として説明する。なお、例示は、単に報知装置100に光センサを設けた場合であって、本実施形態の判定部201を前提とした第2の光センサ192とは異なる。上記のように、報知装置100のディスプレイ102は、運転者が視認可能となるように、車内に向かう必要がある。一方、外部からのレーザ光LOを検知するためには、光センサの受光面は、車外に向かう必要がある。このため、報知装置100に第1の光センサ32を設ける場合には、ディスプレイ102と第1の光センサ32とは、相反する面に設ける必要がある。
【0065】
すると、報知装置100を、運転席から見てダッシュボードDBの中央のフロントガラスFGの近傍に設置した場合、ディスプレイ102が運転者から遠い位置になり、視認し難くなる。これに対処するため、図7の報知装置100Aに示すように、ダッシュボードDBの中央であっても、運転席側に近づけた場合には、フロントガラスFGから遠ざかるため、レーザ光LOを受光し難くなる。
【0066】
また、図7の報知装置100Bに示すように、運転者から見て右側のダッシュボードDB上に設置した場合にも、フロントガラスFGから遠い位置となるため、レーザ光LOを受光し難くなる。さらに、この場合、ディスプレイ102を運転者に向ける必要があるため、ディスプレイ102と反対側に設けられた第1の光センサ32は、車両Cの進行方向に対して、右に傾斜した方向に向かうことになるとともに、ピラー等の遮蔽物の近くになる。このため、レーザ光LOを受光できる可能性がより一層低くなる。
【0067】
本実施形態においては、レーザ受光装置1は、支持部10によって、第1の光センサ32を、報知装置100が有するディスプレイ102とは独立して角度設定可能に支持することができるので、報知装置100の角度にかかわらず、レーザ光LOを受光しやすい。
【0068】
さらに、単に報知装置100に光センサを設けるだけでは、速度計測装置OB以外のノイズとなる光も検知してしまう可能性が高い。本実施形態では、報知装置100に設けた第2の光センサ192によってノイズとなる光を検知することにより、ノイズとなる光による誤報を防止することができる。なお、ノイズとなる光については、入射する方向が種々想定されるため、第2の光センサ192が報知装置100に設けられていても、検知できる可能性は高い。
【0069】
第1の光センサ32は、支持部10に対して角度変更可能に設けられている。このため、設置後も、第1の光センサ32を、レーザ光LOを受光しやすい角度にすることにより、レーザ光LOを受光できる可能性を高めることができる。つまり、設置面の角度にかかわらず、また、遮蔽物を回避するために、第1の光センサ32の角度をレーザ光LОを受光しやすい角度に調整できる。
【0070】
支持部10は、レーザ光LOが入射する窓部11aを有する。このため、窓部11aを目安にして、支持部10をレーザ光LOの受光し易い位置や角度に設置することができる。例えば、第1の光センサ32が外部から視認できないような場合であっても、レーザ受光装置1を容易に設置できる。支持部10の角度の調整も、窓部11aを目安にして行うことができる。
【0071】
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、上記の実施形態及び下記の他の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
【0072】
第2のフィルタ191を、速度計測装置OBからのレーザ光LO以外のノイズとなる光を選択的に透過させる部材としてもよい。この場合、判定部201は、第2の光センサ192から信号が出力された場合には、レーザ式の速度計測装置OBからのレーザ光LOを受光していないと判定する。これにより、ノイズとなる光による誤報を排除することができる。つまり、第1の光センサ32が受光しても、第2の光センサ192が受光している場合には、ノイズとなる光を受光しているため、報知処理部202は報知部による報知を行わせない。
【0073】
レーザ受光装置1は、少なくともレーザ光LОを検知する第1の光センサ32と、これを支持する支持部10を有していればよい。例えば、第1のフィルタ31、第1の光センサ32を含む第1の検知部30を収容し、GPS受信部40、レーダー受信部50を有していない筐体である支持部10によって、レーザ受光装置1を構成することもできる。この場合にも、支持部10は、第1の光センサ32がレーザ光LОを受光可能な位置と角度で、両面テープ等の固定部材によって車内に固定される。そして、図9(A)に示すように、レーザ受光装置1と報知装置100とは、接続コード20を介して接続され、第1の光センサ32からの信号が報知装置100に入力されて、報知装置100の報知部による報知が行われる。
【0074】
レーザ受光装置1は、少なくとも1つの第1の光センサ32を有し、報知装置100は、少なくとも1つの第2の光センサ192を有していればよい。但し、上記の第1の光センサ32と同様の機能を有する光センサ、第2の光センサ192と同様の機能を有する光センサを複数設けてもよい。このため、例えば、レーザ受光装置1に、一対の第1の光センサ32及び第2の光センサ192を設けるとともに、報知装置100にも、一対の第1の光センサ32及び第2の光センサ192を設けてもよい。より具体的には、レーザ受光装置1に、第1の検知部30、第2の検知部190を設け、報知装置100にも、第1の検知部30、第2の検知部190を設け、各検知部からの信号の処理は、上記の制御部200と同様に行う。これにより、速度計測装置OBからのレーザ光LOを含めて、種々の方向からの光の受光可能性を高めることができるとともに、ノイズとなる光も排除できる。
【0075】
また、図9(B)に示すように、上記のいずれの態様の報知装置100であっても、バックミラー型であってもよい。支持部10は、ディスプレイ102とは独立して第1の光センサ32の角度設定ができればよいため、第1の光センサ32が支持部10に角度変更可能に設けられていなくてもよい。つまり、支持部10がケース11のみであって、両面テープ等の固定具によって設置される態様であってもよい。
【0076】
レーザ受光装置1は、無線により外部と通信する通信部を有していてもよい。通信部としては、上記の通信部180と同様の通信モジュールを用いることができる。このような通信部は、接続コード20を介さずに、報知装置100との間で情報を送受信することができるので、接続コード20を取り廻すスペースや作業が不要となる。また、通信部は、報知装置100、スマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末、外部のネットワークとの間で情報を送受信する。これにより、速度計測装置OBを検知した位置情報などの各種の報知情報を、外部のサーバに送信して、他の報知装置100にて共有することができる。なお、通信部は、上記の報知装置100の通信部180と同様に、周辺に存在する別々の報知装置100に対して、各種報知情報を通信でリアルタイムに共有することもできる。これにより、上記の報知装置100と同様に、速度計測装置ОBから離れた位置であったり、道路形状や先行車などの遮蔽物によってレーザ光LOが受信出来ない状況であっても、報知情報の報知が可能となる。
【0077】
また、報知装置100としては、自動車、自動二輪車その他の車両に取り付けられ、ディスプレイ102、制御部200を備えていればよい。報知装置100は、車両に半永続的に取り付けられ続ける装置であっても、普段は搭乗者が携帯し、車両の搭乗の際に一時的に車両に取り付けられる装置であってもよい。
【0078】
このような報知装置100としては、レーダー探知機の他、ドライブレコーダー、カーナビゲーションシステム、カーオーディオシステム、車載テレビ、レーザ光LOの検知を報知するプログラムがインストールされた情報通信端末が挙げられる。
【符号の説明】
【0079】
1 レーザ受光装置
10 支持部
11 ケース
11a 窓部
12 マウントベース
12a 台座部
12b 連結部
20 接続コード
30 第1の検知部
31 第1のフィルタ
32 第1の光センサ
33 変換部
40 GPS受信部
50 レーダー受信部
60 出力部
100、100A、100B 報知装置
101 本体
102 ディスプレイ
103 取付部
104 ランプ
105 音声出力口
106 メモリカード収容部
107 窓部
110 時計
120 加速度センサ
130 気圧センサ
140 ジャイロセンサ
150 信号ポート
160 スピーカ
170 メモリカードインタフェース
180 通信部
190 第2の検知部
191 第2のフィルタ
192 第2の光センサ
193 変換部
200 制御部
201 判定部
202 報知処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9