(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】イヤリング
(51)【国際特許分類】
A44C 7/00 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
A44C7/00 A
(21)【出願番号】P 2019219222
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-07-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開日 2018年12月20日(2)ウェブサイトのアドレス https://duedonne.shop/(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 ホームページへの掲載。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2018年12月20日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社東急百貨店 本店 住所 東京都渋谷区道玄坂2-24-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)東急百貨店本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年1月23日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 玉川高島屋店 住所 東京都世田谷区玉川3-17-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋玉川店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年2月27日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 横浜高島屋店 住所 神奈川県横浜市西区南幸1-6-31(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋横浜店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年4月10日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 日本橋高島屋本店 住所 東京都中央区日本橋2-4-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋日本橋本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年5月15日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社阪急阪神百貨店 阪急うめだ本店 住所 大阪府大阪市北区角田町8-7(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)阪急阪神百貨店うめだ本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年7月24日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 横浜高島屋店 住所 神奈川県横浜市西区南幸1-6-31(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋横浜店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年9月11日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 日本橋高島屋本店 住所 東京都中央区日本橋2-4-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋日本橋本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年10月2日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 伊勢丹新宿本店 住所 東京都新宿区新宿3-14-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)三越伊勢丹ホールディングス 伊勢丹新宿本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年10月24日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社東急百貨店 本店 住所 東京都渋谷区道玄坂2-24-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)東急百貨店本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年11月13日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 横浜高島屋店 住所 神奈川県横浜市西区南幸1-6-31(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋横浜店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 2019年12月4日(2)百貨店(デパート)の名称、住所 名称 株式会社高島屋 日本橋高島屋本店 住所 東京都中央区日本橋2-4-1(3)公開者 株式会社ツノタ(4)公開内容 株式会社ツノタが、(株)高島屋日本橋本店で、角田知佐子、藤田茂幸、道崎奈穗が発明したイヤリングを展示・販売した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509001342
【氏名又は名称】株式会社ツノタ
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】角田 知佐子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 茂幸
(72)【発明者】
【氏名】道崎 奈穗
【合議体】
【審判長】北村 英隆
【審判官】伊藤 秀行
【審判官】柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5845518(US,A)
【文献】登録実用新案第3139659(JP,U)
【文献】特開平10-276810(JP,A)
【文献】登録実用新案第3097078(JP,U)
【文献】米国特許第4840045(US,A)
【文献】特開2000-279220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C1/00-3/00
A44C7/00-27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装飾部材と副装飾部材のいずれかの部材の一端に回動脚部、他の部材の一端に回動基部を形成するとともに、前記回動基部の一端に形成された嵌入凸部を前記回動脚部の一端に形成された嵌入凹部に嵌入させるとともに、軸部で加締めてなるイヤリングであって、
前記主装飾部材は
屈曲部で弧状に曲がった略釣り針形状であり、他端に耳の対珠及び/又は輪珠結節から吊り下げられるように弧状に屈曲した吊下げ部と、略直線部に表側耳たぶに面的に押圧する押圧部1とを備え、
前記副装飾部材は略「つ」の字形状であり、裏側耳たぶに面的に押圧する押圧部2と、他端にイヤリングを外す際に指を掛ける指掛け部とを備え、
前記耳の対珠及び/又は輪珠結節から吊り下げられ、前記軸部が耳たぶの近傍に位置し、前記押圧部1と前記押圧部2との離隔が離隔Wの状態から、前記副装飾部材を前記軸部を中心として反時計回り方向に回動させ、前記離隔Wが5mm以下になった際に、前記副装飾部材の上部又は前記副装飾部材の屈曲部の近傍が、前記押圧部2よりも先に前記耳たぶを押圧しないように、前記押圧部1と前記押圧部2とが略並行状態における離隔を10mm以下としたことを特徴とするイヤリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤーカフ、イヤーチャーム等のいわゆるイヤリング(耳飾り)、特に留め具の不要のイヤリングに関し、イヤリングの装着時の圧迫感や重さを感じることなく、爽快な挟着力により、大型のイヤリングであっても違和感なく、長期間の使用に耐えられるイヤリング及びイヤリングの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イヤリングを耳に装着する手段としては、(1)クリップで留める、(2)ネジで留める、(3)耳たぶに穴をあけて軸を通して止める、といったものがあげられる。これらの装着手段は、いずれの場合も留め具による圧迫感や重さを感じる。
【0003】
下記特許文献1に記載のイヤリングは、イヤリング金具1に飾体4を連結してなるイヤリング5において、イヤリング金具1の先端部が耳の穴に届くまで伸ばすとともに、その先端部は耳の穴入口に引掛かる様なT字状に形成してなるイヤリング5が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載のイヤリングは、耳介の穴入り口にT字形状の掛部を設けることで、イヤリングが外耳道入口から抜けないようにするとともに、バネ6とスクリュー7により耳垂れを挟むというものである。しかし、特許文献1に記載の技術では、耳の穴入り口にT字形状の掛部があるため、イヤリングの揺れで耳障りな音が聞こえる、という問題がある。またバネとスクリューで耳垂れの部位をポイントで押圧するため圧迫感を感じる、という問題がある。
【0005】
特許文献2には、耳介の前面側に装飾部材を装着するようにしたクリップ式イヤリングであって、耳介の前面側の適所に当接する押圧部を備えたフック状部材を前記装飾部材背面の適宜位置に配設するとともに、前記耳介の裏面側を押圧して前記押圧部を備えたフック状部材との間で耳介の耳たぶ以外の部位を厚さ方向かつ斜め方向で挟み付ける挟着部材を、前記装飾部材の基端部に開閉自在かつ装飾部材側に付勢するよう取り付けることにより、装飾性を損なうことなく耳介からの脱落を防止できるようにしたことを特徴とするクリップ式イヤリングが開示されている。
【0006】
特許文献2が開示する技術は、装飾部材背面に設けたフック状部材と装飾部材の基端部に開閉自在かつ装飾部材側に付勢するよう取り付けられた挟着部材とにより、イヤリングの耳介からの脱落を防止するものである。
【0007】
しかし、特許文献2が開示する技術は、特許文献1の技術と同様にフック状部材と挟着部材とにより、耳垂れ以外の耳の部位(一点)を押圧・挟着するものであるため、イヤリング装着者は少なからず圧迫感を感じる、という問題がある。また、フック状部材と挟着部材とによる挟着と、クリップのバネ力によりイヤリングの脱落を防止しているため、重量のある大型のイヤリングでは、大きなバネ力と挟着力が必要になる、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】実開平5-48709号公報
【文献】特許第6198359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明の課題は、きわめて自然の形で圧迫感を感じることなく耳に装着でき、しかも外れ難いイヤリングを提供することにある。また、十分な挟着力が長期間にわたり得られるイヤリングであって、同時に装飾品としての美観を有するイヤリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの着想に基づく本発明のイヤリングは、主装飾部材と副装飾部材のいずれかの部材の一端に回動脚部、他の部材の一端に回動基部を形成するとともに、前記回動基部の一端に形成された嵌入凸部を前記回動脚部の一端に形成された嵌入凹部に嵌入させるとともに、軸部で加締めてなるイヤリングであって、
前記主装飾部材は略釣り針形状であり、他端に耳の対珠及び/又は輪珠結節に吊り下げられるように弧状に屈曲した吊下げ部と、略直線部に表側耳たぶに面的に押圧する押圧部1とを備え、前記副装飾部材は略「つ」字状であり、裏側耳たぶに面的に押圧する押圧部2と、他端にイヤリングの脱着時に指を掛ける指掛け部とを備えたことを特徴とするイヤリングである。
【0011】
耳の対珠及び/又は輪珠結節に弧状に屈曲した空間部を引っ掛けてイヤリングを吊り下げることでイヤリングの重さを感じ難くし、落下を防止することができる。また、押圧部1と押圧部2との面的な挟着により、横揺れによるイヤリングの脱落が防止することができる。さらに、押圧部1は表側耳垂れの形状、押圧部2は裏側耳垂れの形状に形成することで、耳垂れをより面的に挟着することができる。これにより、大型のイヤリングであっても、圧迫感も感じることなくイヤリングを装着することができる。
【0012】
また、押圧部1と押圧部2とが略並行状態における離隔を、耳垂れの厚みの3倍以下とすることで、耳垂れをより効果的、かつ面的に押圧することができる。
【0013】
さらに、イヤリングを吊り下げた際に、耳垂れが後方に押されるように全体の重心を主装飾部の下部に設けることで、イヤリングが耳垂れを後方に押すように装着され、より爽快な装着感を得ることができる。
【0014】
嵌入凹部に弾性体を挿入する孔を縦方向(垂直方向)に設け、係る孔に弾性体を埋め込み、その一部を突出させ、突出部が回動基部と回動脚部とが相対的に回動する際に嵌入凸部に当接するように構成する。嵌入凹部と嵌入凸部との摩擦力だけの場合は、回動により嵌合部が摩耗し摩擦力が弱くなるが、このように構成することで主装飾部材と副装飾部材との回動時の摩擦を長期間にわたり維持することができる。また、縦方向の孔に弾性体を埋め込む構成とすることで、凸部の左右に突起を設ける従来技術に比較し、組み立て作業の効率化を格段に図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、きわめて自然の形で圧迫感を感じることなく耳に装着でき、しかも外れ難いイヤリングを提供することができる。また、十分な挟着力が長期間にわたり得られるイヤリングであって、同時に装飾品としての美観を有するイヤリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態であるイヤリングを装着した状態を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態であるイヤリング1の分解斜視図である。
【
図3】副装飾部材11を時計回り方向に回動させて、イヤリング1の開いた状態を示した図である。
【
図4】イヤリング1の主装飾部材10の押圧部101と、副装飾部材11の押圧部111とが略並行状態にあるときの図である。
【
図5】副装飾部材11を反時計回りに回動させてイヤリング1の閉じたときの状態を示した図である。
【
図6】イヤリング1の重心位置の一実施例を示した図である。
【
図7】本発明の第2の実施例を示すイヤリングの分解斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施例を示すイヤリングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態であるイヤリングを耳垂れに装着した状態を示した図である。本発明のイヤリングは、
図1(c)に示す耳の対珠及び/又は輪珠結節に主装飾部材10の端部が弧状に屈曲する吊下げ部100(
図2参照)を引っ掛けてイヤリングを吊り、主装飾部材10の押圧部101と副装飾部材11の押圧部111とで耳垂れを挟着して装着する(
図2参照)。
【0018】
図2は本発明の一実施形態であるイヤリング1の分解斜視図である。イヤリング1は主装飾部材10と副装飾部材11とから構成される。主装飾部材10にはダイヤ、真珠等の装飾物(図示していない)を適宜配置してもよい。
【0019】
主装飾部材10は
図2に示すように略釣り針形状であり、
屈曲部104で弧状に曲がり、その一端に副装飾部材11と回動可能に嵌合する回動脚部30が形成されている。また他の一端は、屈曲部103で端部(
端丸102)が下方を向くように曲がり、その下部空間が耳の対珠・輪珠結節部に掛る掛部
105となる。
【0020】
主装飾部材10の略直線部には、耳垂れに当接し面的に押圧する押圧部101が形成されている。主装飾部材10の略直線部の耳垂れに当接する面は、当接する耳垂れに沿うような形状となっている。
【0021】
回動脚部30を構成する嵌入凹部106には、回動基部40を構成する嵌入凸部112が嵌入され、嵌入凹部106と嵌入凸部112の軸穴21には軸部20が貫通する。主装飾部材10は、軸部20を中心として副装飾部材11と相対的に回動する。
【0022】
副装飾部材11の略直線部には、耳垂れに当接し面的に押圧する押圧部111が形成されている。副装飾部材10の略直線部の耳垂れに当接する面の形状は、当接する耳垂れに沿うような形状となっている。また、副装飾部材の他端(端丸114)は屈曲部113で折れ曲がり、指掛け部110を形成している。
【0023】
図3は副装飾部材11を時計回り方向に回動し、イヤリング1の開いた状態を示した図である。
図4はイヤリング1の主装飾部材10の押圧部101と、副装飾部材11の押圧部111とが略並行状態にあるときの図である。
図5は副装飾部材11を反時計回りに回動させてイヤリング1の閉じたときの状態を示した図であり、これは押圧部101と押圧部111とで耳垂れを挟着した際の状態となる。
【0024】
発明者はイヤリングの試作を重ねるなかで、耳垂れを面的に押圧し挟着するには、押圧部101と押圧部111の形状と、略並行状態にあるときの両者の離隔が極めて重要であるとの知見を得た。
【0025】
耳垂れを面的に押圧するには、耳垂れに当接する押圧部の形状が、当接する耳垂れの形状に沿ったものであることが好ましい。耳垂れの厚さには個人差があるものの、耳垂れの厚さは一般的には3mmから5ミリの範囲にあると考えられる。発明者は
図4に示すように押圧部101と押圧部111とが略並行状態にあるときの両者の離隔Yが、10mmを越えると面的に耳垂れを挟着できないとの知見を得ている。
【0026】
すなわち、
図4に点線で示すように主装飾部材10と副装飾部材11との離隔が10mm(離隔:W)を超えるようになると、副装飾部材11を反時計回り方向に回動させ耳垂れを挟着しようとしても、副装飾部材の上部か屈曲部113近傍で耳垂れをポイント(部位)で押圧することになり、面的な押圧ができなくなるためである。
【0027】
図6は本発明の特徴の一つである、イヤリング1の重心を主装飾部材10下部の前側(顔側)に設けたイヤリング1の図である。
図6(a)に示すようにイヤリング1の重心は主装飾部材10の下部の
図6における左側にある。かかる位置に重心があると、主装飾部材10の吊下げ部100を耳の対珠及び/又はリン珠結節に引っ掛けるようにしてイヤリング1を吊り下げると、イヤリングは支点102の真下に重心が来るように動く。即ち、イヤリング1は耳垂れを、後ろ側(後頭部の方向)に押すように動いて安定する。
【0028】
このようにイヤリングを装着した際に、耳垂れが後方に若干押されるように全体の重心を主装飾部10の下部に設けることにより、ユーザは心地よい装着感を感じることができる。
これは、イヤリングを吊り下げたときに、耳垂れを後方に押すように動くことで、装着者は面的な押圧感と、耳垂れの後方への動きに心地良さを感じるためであると思われる。
【0029】
図7は本発明の第2の実施例を示すイヤリングの分解斜視図である。
図8はその断面図である。本発明の第2の実施例では、嵌入凹部105に、例えばシリコーンエラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、天然ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ウレアゴム、フッ素ゴムなどの弾性体31を埋め込む孔を設け、埋め込んだ弾性体31の一部が上部に突出するように埋め込まれている。
【0030】
嵌入凹部105に設けられた孔に挿入された弾性体31の上部が、回動脚部30と回動基部40とが相対的に回動する際に嵌入凸部112の端部と当接することで、所望の挟着力を長期間にわたり生じさせることができる。
【0031】
本発明によれば、十分な挟着力が長期間にわたり得られるとともに、不要な重さが軽減された装着感の良いイヤリングを製造できる。
【符号の説明】
【0032】
1 耳飾り
10 主装飾部材
11 副装飾部材
20 軸部
21 軸穴
30 回動脚部
40 回動基部
50 突起部
100 吊下げ部
101 111 押圧部
103 104 113 屈曲部
102 114 端丸
105 掛部
106 嵌入凹部
110 指掛け部
112 嵌入凸部