(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021122487
(22)【出願日】2021-07-27
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】番沢 将久
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-094117(JP,A)
【文献】特開2021-153920(JP,A)
【文献】特開2021-087535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入球し易さが変更可能な可変入球口と、
所定条件が成立することに基づいて、当たりとなるか否かの判定処理を行う遊技制御手段と、
所定の演出を制御可能な演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特別図柄を変動表示させ、その変動表示の開始から変動時間が経過した後に、前記特別図柄を前記判定処理の結果が当たりを示す特定態様で停止表示させた場合に、特別遊技を実行可能とし、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる所定の非特定態様で停止表示させた場合に、通常遊技状態よりも前記可変入球口に遊技球が入球し易くなる特定入球容易状態に制御可能とし、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる特定の非特定態様で停止表示させた場合に、前記特定入球容易状態に制御せず、
前記特定入球容易状態に制御された場合の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間は、前記特定入球容易状態に制御される前の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間よりも短くなり易く、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄が前記所定の非特定態様で停止表示される場合には、当該特別図柄の変動表示中に、前記特定入球容易状態に制御される可能性を示唆するとともに、演出図柄と異なる制御示唆画像を表示可能とし、
前記特別図柄が前記特定の非特定態様で停止表示される場合には、当該特別図柄の変動表示中に、前記制御示唆画像を表示可能とし、
前記特別図柄が前記所定の非特定態様で停止表示される場合のほうが、前記特別図柄が前記特定の非特定態様で停止表示される場合よりも、前記制御示唆画像の表示を継続
することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の1つであるパチンコ遊技機では、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される(特許文献1参照)。
【0003】
そして特許文献1に係る遊技機では、開閉可能な可変始動口(可変入球口)に非時短遊技状態よりも遊技球が入球し易い時短遊技状態(入球容易状態)になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら近年では、上記特許文献1に記載されているような通常遊技状態よりも可変入球口に遊技球が入球し易い入球容易状態に制御可能な遊技機は多数あるため、単に入球容易状態に制御可能であるだけでは面白みに欠けることがあり、この点には改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
遊技球の入球し易さが変更可能な可変入球口と、
所定条件が成立することに基づいて、当たりとなるか否かの判定処理を行う遊技制御手段と、
所定の演出を制御可能な演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特別図柄を変動表示させ、その変動表示の開始から変動時間が経過した後に、前記特別図柄を前記判定処理の結果が当たりを示す特定態様で停止表示させた場合に、特別遊技を実行可能とし、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる所定の非特定態様で停止表示させた場合に、通常遊技状態よりも前記可変入球口に遊技球が入球し易くなる特定入球容易状態に制御可能とし、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる特定の非特定態様で停止表示させた場合に、前記特定入球容易状態に制御せず、
前記特定入球容易状態に制御された場合の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間は、前記特定入球容易状態に制御される前の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間よりも短くなり易く、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄が前記所定の非特定態様で停止表示される場合には、当該特別図柄の変動表示中に、前記特定入球容易状態に制御される可能性を示唆するとともに、演出図柄と異なる制御示唆画像を表示可能とし、
前記特別図柄が前記特定の非特定態様で停止表示される場合には、当該特別図柄の変動表示中に、前記制御示唆画像を表示可能とし、
前記特別図柄が前記所定の非特定態様で停止表示される場合のほうが、前記特別図柄が前記特定の非特定態様で停止表示される場合よりも、前記制御示唆画像の表示を継続することを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技興趣を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図2】同遊技機が備える第2大入賞装置等を示す概略正面図である。
【
図3】
図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図4】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図7】(A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄種別判定テーブルである。(D)ハズレ図柄種別判定テーブルである。(E)リーチ判定テーブルである。
【
図8】大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。
【
図9】(A)非時短状態用のハズレ図柄種別の判定テーブルである。(B)時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブルである。
【
図10】時短付与回数到達用時短設定テーブルである。
【
図11】(A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図12】第1実施形態の非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図13】(A)第1実施形態の時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)第1実施形態の時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルである。(C)第1実施形態の時短状態C用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図15】(A)第1実施形態の非時短状態用の変動演出パターン判定テーブルである。(B)第1実施形態の時短状態A用の変動演出パターン判定テーブルである。(C)第1実施形態の時短状態B用の変動演出パターン判定テーブルである。(D)第1実施形態の時短状態C用の変動演出パターン判定テーブルである。
【
図16】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図17】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図24】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図26】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図27】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図28】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図29】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図30】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図31】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図32】振分部材制御処理のフローチャートである。
【
図33】特定領域センサ検出処理のフローチャートである。
【
図34】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図35】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図36】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図37】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図38】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図39】演出モード切替処理のフローチャートである。
【
図40】変動演出パターン選択処理のフローチャートである。
【
図41】演出モード指定処理のフローチャートである。
【
図42】第1実施形態に係る遊技機の遊技フローを説明する図である。
【
図43】時短状態Bでの遊技性を説明する図である。
【
図44】(A)第1実施形態の通常演出モードの背景画像を示す図である。(B)第1実施形態のRUSH演出モードの背景画像を示す図である。(C)第1実施形態のチャンス演出モードの背景画像を示す図である。(D)第1実施形態のチャレンジ演出モードの背景画像を示す図である。
【
図45】第1実施形態の変動演出におけるバトルリーチの具体例を示す図である。
【
図46】第1実施形態の変動演出における時短突入演出の具体例を示す図である。
【
図47】第1実施形態のチャンス演出モードが設定されている場合の変動演出の具体例を示す図である。
【
図48】第1実施形態のハズレ図柄が停止表示されたことに応じて時短状態Cへと制御される場合を示すタイムチャートである。
【
図49】変更例のメイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図50】変更例の大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図51】変更例の時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルである。
【
図52】変更例の第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を説明する図である。
【
図53】変更例の時短状態Bでの遊技性を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態(以下、第1実施形態とも称する)に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(
図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0010】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0011】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの表示領域からなる。左の表示領域には左演出図柄8Lが表示され、中の表示領域には中演出図柄8Cが表示され、右の表示領域には右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0012】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0013】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0014】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
【0015】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20(「第1入球口」の一例)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0016】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口21(「第2入球口」の一例)を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞(所定条件が成立すること)は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0017】
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。なお、「第2始動口21」が、本願発明の「可変入球口」に相当する。
【0018】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0019】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(
図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0020】
より詳細には、
図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
【0021】
振分部材71は、
図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0022】
また振分部材71は、
図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0023】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。また、1種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技といい、2種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技という。また、1種大当たりを直撃大当たりともいう。
【0024】
また
図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0025】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
【0026】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0027】
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
【0028】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
【0029】
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
【0030】
また
図1および
図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(識別図柄の一例、特
図1ともいう)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(識別図柄の一例、特
図2ともいう)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aが含まれている。第1特図保留を特
図1保留とも言う。
【0031】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0032】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様(特定の停止態様)の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種別(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種別(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0033】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
【0034】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入球取得情報、判定情報)は、特図保留記憶部85(
図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図4参照)に記憶される。特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における第1特図保留記憶部85aでの上限値(上限個数、上限記憶数、上限保留数)は「4」となっている。なお、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶されても良い。この場合、第2特図保留記憶部85bに記憶可能な特図保留の数には上限があり、第2特図保留記憶部85bでの上限値(上限個数、上限記憶数、上限保留数)は「4」であっても良い。
【0035】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0036】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは4個のLEDで構成されている。特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0037】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0038】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
【0039】
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(
図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
【0040】
2.遊技機の電気的構成
次に
図4及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図4及び
図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
【0041】
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
【0042】
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
【0043】
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a)が設けられている。
【0044】
また主制御基板80には、
図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0045】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0046】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0047】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43aが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0048】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0049】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0050】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0051】
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
【0052】
RAM94には、保留抽選情報を含む始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部が設けられる。保留抽選情報には、主制御基板80の特図保留記憶部85に記憶される各乱数に基づく情報が含まれる。始動入賞コマンド保留記憶部はさらに、第1特図保留に基づく第1始動入賞コマンドを記憶する第1始動入賞コマンド保留記憶部が設けられている。この他、RAM94には、普図保留の情報を含むコマンドを記憶する記憶部が設けられても良い。
【0053】
詳細には、第1始動入賞コマンド保留記憶部は、それぞれ特図保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では、特図保留の上限数に合わせて、第1始動入賞コマンド保留記憶部には4つの記憶領域が設けられている。さらに各記憶領域には、複数の小領域が設けられている。具体的にパチンコ遊技機1では、始動口の入賞に基づいて特定される始動入賞コマンドと、保留アイコンHA(保留表示)の表示態様を示すデータと、始動入賞コマンドを受信する度にカウントアップされる受信カウンタ値と、を各小領域に記憶する。受信カウンタは、入賞順を管理するために用いられる。
【0054】
また
図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0055】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0056】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0057】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、
図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0058】
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
【0059】
なお
図4及び
図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図4及び
図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、
図4及び
図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図4及び
図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0060】
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、
図6(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。なお、「大当たり図柄、小当たり図柄」が、本願発明の「特定態様」に相当する。
【0061】
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0062】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
【0063】
また、パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づいて、
図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0064】
パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、
図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。
図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく第1特別図柄(特
図1)の抽選と、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄(特
図2)の抽選とでは、大当たりの当選確率は同じである。
図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく第1特別図柄(特
図1)の抽選では、小当たりに当選することはなく、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄(特
図2)の抽選では小当たりに当選することがある。本形態では、特
図2の抽選では、大当たりよりも小当たりに当選し易い構成となっている。
【0065】
パチンコ遊技機1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。本形態では、特
図1の抽選では、50%の割合で、「特
図1_大当たり図柄A」に決定し、50%の割合で、「特
図1_大当たり図柄B」に決定する。一方、特
図2の抽選では、100%の割合で、「特
図2_大当たり図柄C」に決定する。なお、当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターン等が異なることがある。なお、「1種大当たり遊技」が、本願発明の「特別遊技」に相当する。
【0066】
またパチンコ遊技機1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、
図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。特
図2の抽選では、50%の割合で、「特
図2_小当たり図柄a」に決定し、50%の割合で、「特
図2_小当たり図柄b」に決定する。なお、本形態では小当たり図柄の種別は2つで、2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンが同じとなっている。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、小当たり図柄の種別が複数ある場合、当選した小当たり図柄の種別が異なると、2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンが異なることとしてもよい。また、当選した小当たり図柄の種別により、小当たり遊技や、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定を異なることとしてもよい。なお、「2種大当たり遊技」が、本願発明の「特別遊技」に相当する。
【0067】
またパチンコ遊技機1は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、
図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特
図1の抽選では、99.5%の割合で、「特
図1_ハズレ図柄A」に決定し、0.5%の割合で、「特
図1_ハズレ図柄B」に決定する。一方、特
図2の抽選では、100%の割合で、「特
図2_ハズレ図柄C」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与えることがある。なお、この点については後述する。
【0068】
またパチンコ遊技機1は、ハズレ(後述の通常ハズレ)と判定した場合、リーチ乱数を、
図7(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rをリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)であるか否かによって異なっている。本形態では、時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
【0069】
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、
図8及び
図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特
図1の抽選や特
図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図2_大当たり図柄C」がある。また、「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」がある。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図1_ハズレ図柄B」、「特
図2_ハズレ図柄C」がある。
【0070】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
【0071】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0072】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0073】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では
図8に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別と、第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別とは、ともにそれぞれ1種類である。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_大当たり図柄A」に当選する可能性がある。また特
図2の抽選では、「特
図2_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。
【0074】
図8に示すように、「特
図1_大当たり図柄A」は4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「非時短状態」である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
【0075】
図8に示すように、「特
図1_大当たり図柄B」は4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「時短状態A」である。そして、「大当たり図柄B」に基づく時短状態Aでは、時短回数が10000回に設定される。時短回数とは、時短状態において実行可能な、特別図柄の変動表示および停止表示を伴う図柄変動の上限実行回数である。
【0076】
また、「特
図2_大当たり図柄C」は、10R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「時短状態A」である。そして、「大当たり図柄C」に基づく時短状態Aでは、時短回数が10000回に設定される。
【0077】
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
【0078】
本形態では
図8に示すように、特
図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は0種類であり、特
図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類である。具体的に、特
図2の抽選では、「特
図2_小当たり図柄a」、または「特
図2_小当たり図柄b」に当選する可能性がある。
【0079】
「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。
【0080】
また、「小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、後述の「非時短状態」に制御される。
【0081】
また、「小当たり図柄b」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、後述の「時短状態A」に制御される。そして、「小当たり図柄b」に基づく時短状態Aでは、時短回数が10000回に設定される。
【0082】
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。
図9に示すように、特
図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類であり、特
図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類である。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_ハズレ図柄A」、または「特
図1_ハズレ図柄B」の何れかに決定される。また特
図2の抽選では、「特
図2_ハズレ図柄C」に決定される。
【0083】
「特
図1_ハズレ図柄A」及び「特
図2_ハズレ図柄C」は、通常ハズレであり、「特
図1_ハズレ図柄B」は、特殊ハズレである。特殊ハズレは、後述の時短状態Bの制御契機となり得るハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態Bに制御することがある。このため、特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。なお、「特
図1_ハズレ図柄B」は、特別図柄の停止態様に関する非特定態様の一例である。また、「特
図1_ハズレ図柄B」は、本願発明の「所定の非特定態様」に相当する。その他、「時短状態B」は、本願発明の「特定入球容易状態」に相当する。また、「特
図1_ハズレ図柄A」及び「特
図2_ハズレ図柄C」が、本願発明の「他の非特定態様」に相当する。
【0084】
また、
図9に示すように、本形態では、遊技状態により、2つのハズレ図柄種別判定テーブルがある。
図9(A)は非時短状態用(通常遊技状態用)のハズレ図柄種別判定テーブルであり、
図9(B)は時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)用のハズレ図柄種別判定テーブルである。
【0085】
図9(A)の非時短状態用(通常遊技状態用)のハズレ図柄種別判定テーブルに示すように、非時短状態(通常遊技状態)での特
図1の抽選における「特
図1_ハズレ図柄B」に基づく時短状態Bでは、時短回数が100回に設定される。また、
図9(B)の時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブルに示すように、時短状態での特
図1の抽選における「特
図1_ハズレ図柄B」に基づく時短状態Bでは、時短回数が100回に設定される。なお、「100回」が、本願発明の「第1特定回数」に相当する。
【0086】
ここで、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、非時短状態と時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)とがある。非時短状態を通常遊技状態とも称する。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、非時短状態(通常遊技状態)である。時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー22に遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。このため、時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)は、非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態といえる。さらに、時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)について設定される時短回数が多いほど、電チュー22に遊技球が入賞し易くなる遊技状態が長く継続することとなる。このため、時短回数が多く設定される時短状態ほど、遊技者に有利な遊技状態といえる。なお、「非時短状態」が、本願発明の「通常遊技状態」に相当する。
【0087】
時短状態の種類には、時短状態A、時短状態B、時短状態Cの3つがある。時短状態Aは、大当たり遊技の終了後に移行したりする時短状態である(
図8参照)。また、時短状態Bは、上述したように、特
図1の抽選での特殊ハズレに基づく時短状態である。
【0088】
次に、時短状態Cについて説明する。本形態では、所定の停止態様で停止される特別図柄の変動表示の回数(特図の可変表示の回数)が所定の回数に到達した場合にも、時短状態Cに制御されることがある。すなわち、大当たり遊技の実行契機となるもの(すなわち、特図(特
図1、特
図2)の抽選結果が小当たり、大当たり)でない特別図柄の図柄変動(特別図柄を所定の非特定態様で停止表示する変動表示)が連続した場合、その連続する回数(以下、非特定変動回数ということがある)が、所定の時短付与回数に到達すると時短状態Cに制御される。従って、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特図の抽選結果がハズレとなる特別図柄の図柄変動が連続した場合、その連続する回数が、所定の時短付与回数に到達すると時短状態Cに制御されることになる。そして、時短付与回数に到達した場合には、
図10の時短付与回数到達用時短設定テーブルに示すように、その後の遊技状態が時短状態Cに制御される。すなわち、非特定変動回数が時短付与回数に到達した場合には、通常ハズレであっても、時短状態Cへと制御される。そして、本形態では、
図10の時短付与回数到達用時短設定テーブルに示すように、非特定変動回数が時短付与回数に到達したことに応じて時短状態Cに制御された場合、時短回数は1200回に設定される。なお、「時短状態C」が、本願発明の「他の入球容易状態」に相当する。また、時短付与回数からハズレ図柄Bが停止表示された回数を減算した回数が、本願発明の「所定回数」に相当しても良い。例えば、時短付与回数(950回)からハズレ図柄Bが停止表示された回数(例えば、2回)を減算した回数(948回)が所定回数に相当する。
【0089】
また、パチンコ遊技機1では、時短付与回数は、950回に設定されている。すなわち、パチンコ遊技機1では、非特定変動回数をカウントし、そのカウント値が950に到達したことに応じて、時短回数が1200回の時短状態Cへと制御される。また、本形態では、非特定変動回数のカウント値は、大当たり遊技が実行されたことに応じてリセットされる。また、非特定変動回数のカウント値は、時短状態における図柄変動についても、非時短状態(通常遊技状態)における図柄変動についても、カウントされる。この点、後に詳述する。なお、時短付与回数の具体的な値は適宜、変更可能である。時短付与回数は、具体的には、例えば、大当たり当選確率の逆数の2.5倍から3倍の間の値とすることが可能である。また、「1200回」が、本願発明の「第2特定回数」に相当する。
【0090】
時短状態の種類が異なると、普通図柄の変動パターンや電チュー22の開放パターン等、電チュー22への入賞し易さに関わる各種パラメータの設定が異なる。詳細には、第1実施形態では
図11(A)に示すように、時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には第1実施形態では、非時短状態、時短状態A、時短状態B、および時短状態Cのいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
【0091】
また時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)では、
図11(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には第1実施形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、時短状態A、時短状態B、時短状態Cでは1秒である。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
【0092】
また時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)では、
図11(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー22の開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、時短状態Aでは1.5秒であり、時短状態Bでは2.0秒であり、時短状態Cでは1.5秒である。すなわち時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。
【0093】
また時短状態では、
図11(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー22の開放回数は、非時短状態では1回であるが、時短状態A、時短状態B、時短状態Cでは2回である。すなわち時短状態A、時短状態B、時短状態Cでは、電チュー22の開放回数増加機能が作動する。
【0094】
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー22の開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート28を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー22への入賞はほとんど見込めない。
【0095】
これに対して時短状態Aでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は1.5秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態Aでは、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態Aは、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
【0096】
また、時短状態Bでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は2.0秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態Bでは、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態Bは、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
【0097】
また、時短状態Cでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は1.5秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態Cでは、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態Cは、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
【0098】
このように非時短状態では、右打ちを行っても電チュー22への入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、時短状態A、時短状態B、時短状態Cでは、右打ちを行うことで電チュー22への入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて遊技を進行する。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0099】
ちなみに、時短状態A、時短状態B、時短状態Cでは、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、時短状態A、時短状態B、時短状態Cを「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
【0100】
なお、時短状態は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよく、これらの全ての機能が作動するものでなくてもよい。
【0101】
また、時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)で所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されると、その後パチンコ遊技機1の遊技状態が非時短状態へと移行することになる。上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機となった特別図柄の種別、その特別図柄についての判定時における遊技状態に基づいて決定可能である(
図8、
図9参照)。
【0102】
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機1は、非時短状態と、時短状態Aと、時短状態Bと、時短状態Cとで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(
図12及び
図13参照)。時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)における特図変動パターン判定テーブル(
図13)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(
図12)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。
【0103】
また本形態では、特
図1の抽選について、非時短状態にて特殊ハズレ(時短ハズレ)である「ハズレ図柄B」を引いた場合には特図変動パターンP8が選択され(
図12参照)、時短状態Aにて「ハズレ図柄B」を引いた場合には特図変動パターンP18が選択され(
図13(A)参照)、時短状態Bにて「ハズレ図柄B」を引いた場合には特図変動パターンP48が選択され(
図13(A)参照)、時短状態Cにて「ハズレ図柄B」を引いた場合には特図変動パターンP68が選択される(
図13(A)参照)。非時短状態で「ハズレ図柄B」を引いて特図変動パターンP8が選択された場合には、バトルリーチが実行され、さらに時短突入演出が実行される。また、時短状態Aで「ハズレ図柄B」を引いて特図変動パターンP18が選択された場合、時短状態Bで「ハズレ図柄B」を引いて特図変動パターンP48が選択された場合、時短状態Cで「ハズレ図柄B」を引いて特図変動パターンP68が選択された場合、バトルリーチが実行されることがある。なお、これらの点については後述する。
【0104】
また本形態では、特
図1の抽選について、非時短状態にて通常ハズレである「ハズレ図柄A」を引いた場合には特図変動パターンP6が選択されることがある(
図12参照)。非時短状態で「ハズレ図柄A」を引いて特図変動パターンP6が選択された場合には、バトルリーチが実行され、さらに時短突入演出が実行される。なお、これらの点については後述する。
【0105】
4.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選確度(大当たり当選である可能性の高さ)を示唆する演出である。
【0106】
図14に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりであるか、小当たり(V通過可)であるか、通常ハズレであるか、時短ハズレ(特殊ハズレ)であるかの抽選結果情報が含まれている。また、本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには抽選結果情報が含まれていればよく、抽選結果情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
【0107】
5.変動演出パターンについて
本形態のパチンコ遊技機1では、特図変動パターンに基づいて、所定の演出を実行可能である。その変動演出のパターン(変動演出パターン)は、特図変動パターンがハズレ図柄に係るものである場合には、演出制御用マイコン91により、
図15に示す各変動演出パターン判定テーブルに従って決定される。具体的に、非時短状態においては、
図15(A)に示す非時短状態用の変動演出パターン判定テーブルに従ってハズレ図柄に係る変動演出パターンが決定される。時短状態Aにおいては、
図15(B)に示す時短状態A用の変動演出パターン判定テーブルに従ってハズレ図柄に係る変動演出パターンが決定される。時短状態Bにおいては、
図15(C)に示す時短状態B用の変動演出パターン判定テーブルに従ってハズレ図柄に係る変動演出パターンが決定される。時短状態Cにおいては、
図15(D)に示す時短状態C用の変動演出パターン判定テーブルに従ってハズレ図柄に係る変動演出パターンが決定される。
【0108】
また、非時短状態においては、時短突入演出が行われることがある。時短突入演出は、その後に時短状態Bへ移行されることを示唆する内容の演出である。具体的に、時短突入演出は、非時短状態において、特図の抽選で特殊ハズレ(時短ハズレ)である「特
図1_ハズレ図柄B」を引いた場合に、バトルリーチが開始された後、100%の確率で実行される。そして、非時短状態において、この特殊ハズレの場合には、時短突入演出として、成功態様のものが行われる。また、非時短状態において、特
図1の抽選で通常ハズレである「特
図1_ハズレ図柄A」を引いた場合には、バトルリーチが開始されることがあり、仮にバトルリーチが開始されると、その後100%の確率で時短突入演出が実行される。この通常ハズレの場合に、時短突入演出として、失敗態様のものが行われることがある。つまり、時短突入演出は、特殊ハズレの場合には成功態様で行われ、通常ハズレの場合には失敗態様で行われる。
【0109】
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図16~
図33に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。特段の記載がない場合、基本的には、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0110】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0111】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0112】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0113】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
【0114】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0115】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0116】
[センサ検出処理]
図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0117】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2関係乱数取得処理(S204)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S204)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得する。
【0118】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S205)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S205)では、ステップS204で取得した乱数値群に基づき、
図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、例えば、大当たり乱数が「65248」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、
図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H03H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば03H))からなっている。なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、抽選結果情報である。なお、このような始動入賞コマンドに関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0119】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS205で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S207)。
【0120】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S208)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合(S208でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S208でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
【0121】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S210)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S212)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85a(
図4)のうち現在の特
図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
【0122】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S211)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S211)では、ステップS210で格納した乱数値群に基づき、
図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、
図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、抽選結果情報が含まれている。
【0123】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS211で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S212)、処理を終える。なお本形態では、特殊ハズレであることを示す第1始動入賞コマンドがサブ制御基板90に出力された場合には、遊技制御用マイコン81は、先読み演出として、時短状態に移行することを示唆する演出(例えば、時短状態に移行することを示唆する所定の画像を表示画面7aに表示する演出)を実行する。
【0124】
[ゲート通過処理]
図19に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、
図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
【0125】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、
図20に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
【0126】
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(
図11(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(
図11(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定処理の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0127】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、
図11(B)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が2秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0128】
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0129】
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、
図11(B)参照)をセットして(S314)本処理を終える。
【0130】
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(
図11(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして、制御している時短状態(時短状態A、時短状態B、または時短状態Cのうち、いずれかの時短状態)に応じた時短状態用の開放パターン(
図11(C)の電チュー開放TBL2、
図11(C)の電チュー開放TBL3、
図11(C)の電チュー開放TBL4参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
【0131】
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
【0132】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、
図21に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0133】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21へ入賞したか否かを判定する(S1001)。そして、第2始動口21へ入賞していない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1005)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1005でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1011)、そうであれば(S1011でYES)処理を終え、そうでなければ(S1011でNO)、待機画面設定処理(S1012)を行う。待機画面設定処理(S1012)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0134】
ステップS1001において第2始動口21へ入賞した場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群がある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1002)及び特
図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1004)を実行する。特
図2変動開始処理(S1004)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1004)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0135】
また、第2始動口21へ入賞しておらず特
図1保留球数が「0」でない場合(S1001でNO且つS1005でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1006)及び特
図1変動パターン選択処理(S1007)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1008)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1009)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1010)を実行する。特
図1変動開始処理(S1010)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1010)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1006)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1007)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0136】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、取得した特
図2関係乱数がない場合(S1001でNOの場合)に限って行われる。すなわち特
図2の抽選は、特
図1の抽選に優先して実行される。
【0137】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図1大当たり判定処理(S1006)とは、処理の流れが同じであるため
図23に基づいてまとめて説明する。
図23に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1006)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1006)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0138】
次に、大当たり判定テーブル(
図7(A))をセットし(S1102)、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0139】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1109)。小当たり図柄種別を判定(S1109)した後は、小当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(C)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0140】
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1111)。ハズレ図柄種別を判定(S1111)した後、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1112)。特殊ハズレであるハズレ図柄Bであれば(S1112でYES)、ステップS1113の処理を行った後、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(D)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1114)処理を終える。
【0141】
ステップS1113では、ハズレ図柄種別判定テーブル(
図9)に基づいて遊技状態およびハズレ図柄の種別に応じた時短回数を取得するとともに、取得した時短回数を、RAM84に設けた所定の時短回数記憶領域にセットする。具体的には、非時短状態であり、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bである場合には、非時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブル(
図9(A))を参照し、時短回数「100」をRAM84にセットする。また、時短状態であり、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bである場合には、時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブル(
図9(B))を参照し、時短回数「100」をRAM84にセットする。
【0142】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]特
図2変動パターン選択処理(S1003)と特
図1変動パターン選択処理(S1007)とは、処理の流れが同じであるため
図24に基づいてまとめて説明する。
図24に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1003)又は特
図1変動パターン選択処理(S1007)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
【0143】
時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、時短状態中大当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1303)。
図13に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0144】
なお、大当たりの場合、小当たりの場合については、特図変動パターンには変動演出が関連付けられており、特図変動パターンが決定されると、その特図変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、特図変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、特図変動パターンP31に基づく変動演出ではバトルリーチが実行される(
図12、
図13に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選確度(大当たり当選である可能性の高さ)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0145】
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、時短状態中小当たり用のテーブル(
図13に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1305)。
【0146】
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bであるか否かを判定する(S1306)。「ハズレ図柄B」であれば(S1306でYES)、それぞれ時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)中ハズレ図柄B用のテーブル(
図13に示すテーブルの当該特図に該当する部分)を参照して、特図変動パターンを選択する(S1307)。
【0147】
またステップS1306において、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bでなければ(S1306でNO)、「ハズレ図柄A」、または「ハズレ図柄C」であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1308)。
図7(E)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1308でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、各時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)中リーチ有りハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1309)。
【0148】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1308でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、各時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)中リーチ無しハズレ用のテーブル(
図13に示すテーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1310)。
【0149】
特
図1変動パターン選択処理(S1007)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
【0150】
またステップS1301において、遊技状態が時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち非時短状態であると判定した場合には、
図12に示す非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1311)。
【0151】
非時短状態における特図変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを各非時短状態に応じたテーブル(
図12参照)にする事以外は時短状態と同様の流れで処理を行う。
【0152】
なお、ハズレの場合には、選択された特図変動パターンに基づいて、
図15に示す各変動演出パターン判定テーブルを参照することで変動演出パターンが決定され、変動演出パターンが決定されることで演出内容が決まる。ハズレの場合における変動演出パターンの選択は、演出制御用マイコン91により行われる。この点については後に詳述する。
【0153】
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、選択した特図変動パターンをセットして(S1312)、本処理を終える。ステップS1312でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1004又はS1010でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0154】
[特別図柄変動中処理]
図25に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1007で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図12及び
図13参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0155】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。続いて、後述の遊技状態管理処理(S1504)を行った後、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(
図7(B)~(D)参照)に応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1505)、この処理を終える。
【0156】
[遊技状態管理処理]
図26に示すように、遊技状態管理処理(S1504)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1511)、ONでなければ、ステップS1516に進むが、時短フラグがONであれば、変動を停止する特別図柄が特
図2に係るものであるか否かを判定する(S1512)。特
図2の停止でなければ、ステップS1516に進むが、特
図2の停止であれば、時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1513)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1514)。時短カウンタは、時短状態の開始時に、開始される時短状態の時短回数に応じた値にセットされ、時短状態中における特
図2の変動表示に応じて減算されるカウンタである。時短カウンタの値が「0」でなければ、ステップS1516に進むが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1514でYES)、時短状態を終了させるべく時短フラグをOFFして(S1515)、ステップS1516に進む。
【0157】
ステップS1516では、遊技制御用マイコン81は、時短付与カウンタの値を1ディクリメントする。時短付与カウンタは、大当たり遊技が行われることに応じて、時短付与回数(950回)に応じた値にセットされ、特別図柄の変動表示に応じて減算されるカウンタである。次に、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S1517)。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1522に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1518)。ハズレ図柄の種別が特殊ハズレであるハズレ図柄Bである場合(S1518でYES)、時短フラグをONにする(S1520)。これにより、時短状態に制御するか否かの判定(時短判定)が行われる。すなわち、本形態では、非時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄B)が停止表示されることに応じて、時短状態Bを設定する。また、特殊ハズレのハズレ図柄Bに応じた所定の時短回数を時短カウンタにセットし(S1521)、ステップS1522に進む。ここでセットされる時短回数は、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1006)のステップS1113にてRAM84の時短回数記憶領域に記憶した時短回数である。よって、この処理でセットされる時短回数は、当該処理が行われる時点での遊技状態(時短状態、非時短状態)ではなく、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1006)が行われる時点での遊技状態に対応したものとなる。そして、ステップS1520及びS1521が実行されることにより、遊技状態が時短状態Bに制御される。時短状態Bは、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
【0158】
一方、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレでない場合(S1518でNO)、続いて、時短付与カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1519)。時短付与カウンタの値が「0」でなければ(S1519でNO)、ステップS1522に進むが、時短付与カウンタの値が「0」である場合(S1519でYES)には、時短フラグをONにし(S1520)、時短付与回数到達用時短設定テーブル(
図10)に応じた時短回数を設定して(S1521)、ステップS1522に進む。すなわち、本形態では、大当たり遊技後の非特定変動回数のカウント値が950に到達したことに応じて、時短回数が1200回の時短状態Cへと制御される。
【0159】
このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。なお本形態では、ハズレに応じて時短状態(時短状態B、時短状態C)に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS1517でYESのとき)に限られている。
【0160】
ステップS1522では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。
図26中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「1」にセットされ、時短状態Bであれば「3」にセットされ、時短状態Cであれば「4」にセットされる。非時短状態か時短状態かは、時短フラグのON、OFFに基づいて判定できる。すなわち、時短フラグがOFFであれば、非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「1」にセットする。一方、時短フラグがONであって、特殊ハズレに基づく時短状態Bである場合には、遊技状態フラグの値を「3」にセットする。また、時短フラグがONであって、大当たり遊技後の非特定変動回数のカウント値が950に到達したことに応じた時短状態Cである場合には、遊技状態フラグの値を「4」にセットする。なお、遊技状態フラグ更新処理(S1522)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0161】
本形態では、遊技状態管理処理(S1504)において、特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御がなされる。この特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御は、時短状態における最後の特図変動にてなされる。すなわち、時短状態における最後の図柄変動では、特別図柄の変動が終了し、特別図柄が停止される際に、非時短状態へと移行している。本形態では、遊技状態管理処理(S1504)において、遊技制御用マイコン81は、時短状態Aである場合に特図変動の回数が時短回数(10000回)の上限に至ったことに基づく時短状態Aから非時短状態への制御がなされる。しかしながら、この場合、時短状態Aである場合に特図変動の回数が時短回数(10000回)の上限に至ることなく、必ず特
図2の抽選に基づいて大当たり当選、または小当たり当選することになる。また、遊技状態管理処理(S1504)において、遊技制御用マイコン81は、時短状態Bである場合に特図変動の回数が時短回数(100回)の上限に至ったことに基づく時短状態Bから非時短状態への制御がなされる。その他、遊技状態管理処理(S1504)において、遊技制御用マイコン81は、時短状態Cである場合に特図変動の回数が時短回数(1200回)の上限に至ったことに基づく時短状態Cから非時短状態への制御がなされる。上述したように、時短状態Cである場合の時短回数が時短状態Bである場合の時短回数よりも明らかに多いことから、時短状態Cである場合のほうが時短状態Bである場合よりも、特図変動の回数が時短回数の上限に到達して時短状態が非時短状態へと制御され難くなっている。
【0162】
さらに、遊技状態管理処理(S1504)では、特殊ハズレに基づく時短状態Bへの制御が行われる。特殊ハズレに基づく時短状態Bは、時短フラグがOFFのときには設定される一方、時短フラグがONのときには設定されない。つまり、すでに時短状態であるときには、特殊ハズレに基づいて時短状態Bへと制御されることはないようになっている。ただし、本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態Bへと制御するか否かを判定する時短判定の前に、特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御がなされる構成である。このため、時短状態にて開始される図柄変動のうち、最後の図柄変動においては、時短判定の前に、遊技状態が非時短状態(時短フラグがOFF)とされている。よって、時短状態における最後の図柄変動においては、非時短状態にて時短判定が行われることとなるため、特殊ハズレに基づいて時短状態Bへと制御されることがある。
【0163】
[特別図柄確定処理]
図27に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(
図12及び
図13参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
【0164】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(
図8参照)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
【0165】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1611)。小当たりフラグがONであれば(S1611でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1612)。また、時短フラグがONである場合には(S1613でYES)、時短フラグをOFFする(S1614)。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(
図8参照)をセットして(S1615)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1616)。
【0166】
ステップS1616に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットする(S1617)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1618)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
【0167】
ステップS1611において小当たりフラグがONでなければ(S1611でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1619)、本処理を終える。
【0168】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。
図28に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0169】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0170】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0171】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(
図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0172】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0173】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(
図8参照)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
【0174】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットし(S2016)、時短付与カウンタに時短付与回数(950回)に応じた値をセットして、後述の遊技状態設定処理(S2018)を行って、本処理を終える。すなわち、本形態では、大当たり遊技の実行に応じて、時短付与カウンタによりカウントされていた非特定変動回数のカウント値がリセットされる。
【0175】
[遊技状態設定処理]
図29に示すように、遊技状態設定処理(S2018)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)が、時短状態Aへの制御契機となる図柄(
図8参照)であるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであればステップS2104に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、当たり図柄の種別に応じた時短回数(
図8参照)を時短カウンタにセットし(S2103)、ステップS2105に進む。ステップS2102及びS2103が実行されることにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態A(高ベース状態)になる。時短状態Aは、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。本処理では、ステップS2102及びS2103が実行されることにより時短状態が設定される。
【0176】
ステップS2105では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、時短フラグがOFFであれば非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「1」にセットし、時短フラグがONであれば時短状態Aであるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットする(
図26中の表参照)。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0177】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。
図30及び
図31に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0178】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0179】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(
図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
【0180】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0181】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
【0182】
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、
図31に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
【0183】
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(
図33参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
【0184】
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンド(
図8参照)をセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
【0185】
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(
図17参照)。振分部材制御処理(S107)では
図32に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(
図27参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
【0186】
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
【0187】
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(
図17参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では
図33に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(
図32)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。
【0188】
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
【0189】
7.演出制御用マイコン91の動作
次に、
図34~
図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。
【0190】
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、
図34に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0191】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0192】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0193】
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0194】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
【0195】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図35に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0196】
入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66、および盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ66、および盤ランプ5などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0197】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図36に示すように、後述する受信コマンド解析処理(S4201)を行った後、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0198】
演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板106への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0199】
[受信コマンド解析処理]受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、
図37に示すように、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。
【0200】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば、変動演出終了処理(S4404)を行う。一方、受信していなければ(S4403でNO)、そのままS4405に進む。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4004)によって画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、演出図柄8L,8C,8Rを所定の停止態様で停止表示する。
【0201】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する演出モード指定処理(S4406)を行う。
【0202】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば、オープニング演出選択処理(S4408)を行う。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0203】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4410)。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS4411において、サブ時短付与カウンタに時短付与回数(950回)に応じた値をセットする。
【0204】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4412)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4413)を行う。V通過報知演出開始処理(S4413)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
【0205】
続いて、その他の処理(S4414)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0206】
[変動演出開始処理]変動演出開始処理(S4404)ではまず、
図38に示すように、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(
図24のステップS1003,S1007)でセットされた特図変動パターンの情報が含まれている。特図変動パターンの情報には、特
図1又は特
図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(
図7参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
【0207】
次に、後述する演出モード切替処理(S5002)、変動演出パターン選択処理(S5003)を行い、演出図柄変動演出において最終的に停止表示する演出図柄の選択を行い(S5004)、変動演出開始処理を終える。演出図柄の選択は、具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄抽選の結果として停止表示される特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「2・2・2」等)が決定される。
【0208】
[演出モード切替処理]演出モード切替処理(S5002)ではまず、
図39に示すように、演出制御用マイコン91は、通常演出モード移行フラグがONであるか否かを判定する(S5011)。通常演出モード移行フラグは、演出モードの1つである通常演出モードへ、他の演出モードから移行すると判定された際にONされるフラグである。通常演出モード移行フラグがOFFであれば(S5011でNO)ステップS5015に進むが、ONであれば(S5011でYES)、変動表示の開始が特
図1に係るものであるか否かを判定する(S5012)。特
図1の変動開始でなければ(S5012でNO)、ステップS5015に進むが、特
図1の変動開始であれば(S5012でYES)、通常演出モードを設定する処理を行い(S5013)、通常演出モード移行フラグをOFFした(S5014)後、ステップS5015に進む。これにより、演出モードが通常演出モードへと制御される。通常演出モードは、主に非時短状態において設定される演出モードである。また、他の演出モードから通常演出モードへの制御は、特
図1に係る図柄変動が開始されることに応じて行われる。
【0209】
ステップS5015では、RUSH演出モード移行フラグがONであるか否かを判定する。RUSH演出モード移行フラグは、演出モードの1つであるRUSH演出モードへ、他の演出モードから移行すると判定された際にONされるフラグである。RUSH演出モード移行フラグがOFFであれば(S5015でNO)、ステップS5018に進むが、ONであれば(S5015でYES)、RUSH演出モードを設定する処理を行い(S5016)、RUSH演出モード移行フラグをOFFした(S5017)後、ステップS5018に進む。これにより、演出モードがRUSH演出モードへと制御される。RUSH演出モードは、時短状態Aにおいて設定される演出モードである。
【0210】
ステップS5018では、チャンス演出モード移行フラグがONであるか否かを判定する。チャンス演出モード移行フラグは、演出モードの1つであるチャンス演出モードへ、他の演出モードから移行すると判定された際にONされるフラグである。チャンス演出モード移行フラグがOFFであれば(S5018でNO)、ステップS5021に進むが、ONであれば(S5018でYES)、チャンス演出モードを設定する処理を行い(S5019)、チャンス演出モード移行フラグをOFFした(S5020)後、ステップS5021に進む。これにより、演出モードがチャンス演出モードへと制御される。チャンス演出モードは、時短状態Bにおいて設定される演出モードである。
【0211】
ステップS5021では、チャレンジ演出モード移行フラグがONであるか否かを判定する。チャレンジ演出モード移行フラグは、演出モードの1つであるチャレンジ演出モードへ、他の演出モードから移行すると判定された際にONされるフラグである。チャレンジ演出モード移行フラグがOFFであれば(S5021でNO)、本処理を終了するが、ONであれば(S5021でYES)、チャンス演出モードを設定する処理を行い(S5022)、チャレンジ演出モード移行フラグをOFFした(S5023)後、本処理を終了する。これにより、演出モードがチャレンジ演出モードへと制御される。チャレンジ演出モードは、時短状態Cにおいて設定される演出モードである。
【0212】
[変動演出パターン選択処理]変動演出パターン選択処理(S5006)ではまず、
図40に示すように、演出制御用マイコン91は、図柄情報に基づいて大当たりであるか否かを判定する(S5031)。大当たりである場合には(S5031でYES)、特図変動パターンの情報に基づいて、大当たりに係る変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択する(S5032)。これにより、大当たりに係る変動演出の内容は、その詳細までが決定される。例えば、特図変動パターンがSPリーチである場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択する。さらに、SPリーチに属する演出を複数設けている場合には、SPリーチに属するどの演出を実行するのか等までを含めた詳細まで決定される。
【0213】
大当たりでない場合(S5031でNO)、図柄情報に基づいて小当たりであるか否かを判定する(S5033)。小当たりである場合には(S5033でYES)、特図変動パターンの情報に基づいて、小当たりに係る変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択する(S5034)。また、小当たりに係る変動演出の内容についても、変動演出の演出パターンが選択されることで、その詳細までが決定される。
【0214】
大当たりでなく(S5031でNO)、小当たりでもなければ(S5033でNO)、演出制御用マイコン91は、「ハズレ」であるのでハズレに係る変動演出パターンを、変動演出パターン判定テーブル(
図15)により選択する(S5036~S5037)。演出制御用マイコン91は、「ハズレ」である場合には、その変動演出パターンを、変動演出パターン判定テーブル(
図15)により選択する。具体的には、まず、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)であるか否かを判定する(S5035)。ステップS5035において、演出制御用マイコン91は、設定している演出モードに応じてパチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態であるか否かを判定している。パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態である場合(S5035でYES)、ハズレ図柄の図柄情報に基づいて、それぞれの時短状態(時短状態A、時短状態B、時短状態C)用の変動演出パターン判定テーブル(
図15(B)、
図15(C)、
図15(D))を参照し、変動演出パターンを選択する(S5036)。また、パチンコ遊技機1の遊技状態が非時短状態である場合には(S5035でNO)、ハズレ図柄の図柄情報に基づいて、非時短状態用の変動演出パターン判定テーブル(
図15(A))を参照し、変動演出パターンを選択する(S5037)。
【0215】
変動演出パターンを選択(S5031~S5037)した後、選択した演出図柄、変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S5038)。ステップS5038でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像を画像用のROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
【0216】
[演出モード指定処理]演出モード指定処理(S4406)ではまず、
図41に示すように、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを解析する(S5201)。次に、遊技状態コマンドの解析結果に基づいて、時短状態Aであるか否かを判定する(S5202)。時短状態Aでなければ(S5202でNO)ステップS5205ヘ進むが、時短状態Aであれば(S5202でYES)、現在設定されている演出モードがRUSH演出モード以外の演出モードであるか否かを判定する(S5203)。演出モードがRUSH演出モード以外の演出モードでなければ(S5203でNO)ステップS5205へ進むが、RUSH演出モード以外の演出モードであれば(S5203でYES)、RUSH演出モード移行フラグをONして(S5204)、ステップS5205へ進む。
【0217】
ステップS5205では、遊技状態コマンドの解析結果に基づいて、時短状態Bであるか否かを判定する。時短状態Bでなければ(S5205でNO)ステップS5208へ進むが、時短状態Bであれば(S5205でYES)、現在設定されている演出モードがチャンス演出モード以外の演出モードであるか否かを判定する(S5206)。演出モードがチャンス演出モード以外の演出モードでなければ(S5206でNO)ステップS5208へ進むが、RUSH演出モード以外の演出モードであれば(S5206でYES)、チャンス演出モード移行フラグをONして(S5207)、ステップS5208へ進む。
【0218】
ステップS5208では、遊技状態コマンドの解析結果に基づいて、時短状態Cであるか否かを判定する。時短状態Cでなければ(S5208でNO)ステップS5211へ進むが、時短状態Cであれば(S5208でYES)、現在設定されている演出モードがチャレンジ演出モード以外の演出モードであるか否かを判定する(S5209)。演出モードがチャレンジ演出モード以外の演出モードでなければ(S5208でNO)ステップS5211へ進むが、チャレンジ演出モード以外の演出モードであれば(S5208でYES)、チャレンジ演出モード移行フラグをONして(S5210)、ステップS5211へ進む。
【0219】
ステップS5211では、遊技状態コマンドの解析結果に基づいて、非時短状態であるか否かを判定する。非時短状態でなければ(S5211でNO)本処理を終えるが、非時短状態であれば(S5211でYES)、現在設定されている演出モードが時短演出モード(RUSH演出モード、チャンス演出モード、チャレンジ演出モード)であるか否かを判定する(S5212)。演出モードが時短演出モード(RUSH演出モード、チャンス演出モード、チャレンジ演出モード)でなければ(S5212でNO)、本処理を終えるが、時短演出モード(RUSH演出モード、チャンス演出モード、チャレンジ演出モード)であれば(S5212でYES)、通常演出モード移行フラグをONして(S5213)、本処理を終える。
【0220】
本処理にてRUSH演出モード移行フラグ、チャンス演出モード移行フラグ、またはチャレンジ演出モードのうち、いずれかのフラグがONとなった場合、次の図柄変動が開始される際に、演出モードがONとなったフラグに対応する演出モードへと制御される。また、通常演出モード移行フラグがONとなった場合、次の特
図1に係る図柄変動が開始される際に、演出モードが通常演出モードへと制御がされる。これにより、遊技状態に応じた適切な演出モードで図柄変動が開始されるようになっている。
【0221】
8.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、
図42に基づいて説明する。まず、非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行する。このため、非時短状態においては特
図1の抽選が行われる。非時短状態では、通常演出モードに制御される。
【0222】
例えば、非時短状態(通常遊技状態)において、特
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が10000回の時短状態Aに移行する(
図8参照)。一方、非時短状態(通常遊技状態)において、特
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄B」であれば、4Rの大当たり遊技の後、非時短状態となる(
図8参照)。なお、時短状態Aでは、RUSH演出モードに制御される。
【0223】
時短状態Aでは右打ちにて遊技を進行し、特
図2の抽選に基づく大当たり当選(主には、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり)を狙う。本形態では、特
図2の抽選における小当たり当選確率は約1/100である。これにより、時短回数が10000回に設定されていることから、実質的に必ず特
図2の抽選に基づいて大当たり当選、または小当たり当選することになる。RUSH演出モードは、時短状態Aが終了するまで続く。
【0224】
ここで、時短回数が10000回の時短状態Aは、実質的に次回の大当たりが確定している状態である。特
図2の抽選では約1/100の確率で小当たりに当選し、小当たりに当選すれば必ず特定領域39に遊技球を通過させることが可能となっているからである。よって、時短回数が10000回の時短状態Aは遊技者に有利な時短状態であると言える。
【0225】
上述したように、本形態のパチンコ遊技機1は、特
図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、正しく遊技している限り必ず大当たり遊技が実行されるよう構成されている(
図8参照)。よって、特
図2の抽選における実質的な大当たり当選確率は、約1/100であると言える。
【0226】
一方、特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、特
図1の抽選結果は、特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)であることがある。そして、特
図1の抽選結果が特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)である場合、遊技状態は、時短回数が100回の時短状態Bへと制御される。また、特
図1の抽選結果がハズレである場合、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)であることよりも、通常ハズレ(ハズレ図柄A)である可能性の方が高い。時短状態Bは、非時短状態よりも電チュー22への入賞が容易な設定ではあって、時短状態Aや時短状態Cのように右打ちにより電チュー22への入賞が頻繁に生じることになる。よって時短状態Bでは、特
図2の抽選に基づく大当たり当選を狙って遊技を行う。なお、時短状態B中は、チャンス演出モードに制御される。
【0227】
また、時短状態Bへと制御されている場合に、時短回数(100回)の特図変動が行われることで、非時短状態へと移行されることがある。時短状態Aや時短状態Cよりも時短回数が少ない時短状態B(時短回数100回)において、特
図2の抽選における小当たり当選確率は約1/100であることから、時短回数である100回に到達するまでに特
図2の抽選結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となる可能性が低いことから、時短状態Bでの第2特別図柄の図柄変動が行われた回数が時短回数である100回に到達して、時短状態Bから非時短状態へと移行されてしまう可能性が高くなっている。
【0228】
また、本形態では、非時短状態(通常遊技状態)にて非特定変動回数が天井回数(950回)に到達されると、天井到達となり、時短回数が1200回の時短状態Cに移行する。時短状態Cは、非時短状態よりも電チュー22への入賞が容易な設定ではあって、時短状態Aのように右打ちにより電チュー22への入賞が頻繁に生じることになる。よって時短状態Cでは、特
図2の抽選に基づく大当たり当選を狙って遊技を行う。本形態では、時短状態Cの時短回数は1200回となっており、一旦、時短状態Cに制御されると、基本的には次回の当たり(大当たり、小当たり)に当選するまでは時短状態Cが続くようになっている。時短状態Bよりも時短回数が多い時短状態C(時短回数1200回)において、特
図2の抽選における小当たり当選確率は約1/100であることから、時短回数である1200回に到達するまでに特
図2の抽選結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となる可能性が高いことから、時短状態Cでの第2特別図柄の図柄変動が行われた回数が時短回数である1200回に到達して、時短状態Cから非時短状態へと移行されてしまう可能性が低くなっている。
【0229】
特
図2の抽選において、小当たり当選を経て2種大当たりに当選した場合、小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄a」であれば、実質10Rの大当たり遊技の後、時短回数が10000回の時短状態Aに移行する(
図8参照)。特
図2の抽選において小当たりに当選した場合、80%の割合で小当たり図柄aに振り分けられる。なお、小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄b」であれば(振分率20%)、実質10Rの大当たり遊技の後、非時短状態に移行する。また、特
図2の抽選において、直撃大当たりに当選した場合(「特
図2_大当たり図柄C」に当選した場合)には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が10000回の時短状態Aに移行する。
【0230】
特
図2の抽選において直撃大当たりに当選し続けるか、または小当たり当選して小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄a」である限り、続いて特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態(大当たりに当選し易い状態)は継続する。しかしながら、小当たり当選して小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄b」であれば、非時短状態に移行されて、再び特
図1の抽選を主とした遊技に戻ることとなる。これにより、演出モードは通常演出モードとなる。
【0231】
9.本形態における時短状態Bでの遊技性
次に、本形態のパチンコ遊技機1における時短状態Bでの遊技性について、
図43に基づいて説明する。まず、非時短状態(通常遊技状態)においては特
図1の抽選が行われ、特
図1の抽選結果が特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)である場合、遊技状態は、時短回数が100回の時短状態Bへと制御される。そして、時短状態Bでは右打ちにて遊技を進行し、特
図2の抽選に基づく大当たり当選(主には、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり)を狙うことになる。しかしながら、本形態の特
図2の抽選における小当たり当選確率は約1/100であって、特
図2の抽選における大当たり当選確率は約1/314であり、時短状態Bである場合に付与される時短回数は100回である。これにより、時短状態Bでの特
図2の抽選に基づく当たり当選が狙い難く、時短状態Bである場合に特
図2の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高いと言える。そのため、時短状態Bで特
図2の抽選結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)とならずに、時短状態Bでの時短回数である100回に到達して、非時短状態へと移行されてしまう可能性が高くなっている。
【0232】
上述した特
図2の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高いため、時短状態Bでの特
図2の抽選にて、通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引く可能性が高い。例えば、時短状態Bでの特
図2の抽選について、通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合には、極めて短い変動時間(80ms)を含む特図変動パターンP53が選択される(
図13(B)参照)。ここで特図変動パターンP53が選択された場合の変動時間(80ms)は、
図12および
図13に示す全ての特図変動パターンに含まれる変動時間の中でも最も短い変動時間である。また、特図変動パターンP53が選択された場合の特別図柄の停止時間は500msである。なお、本形態では、
図12および
図13に示す全ての特図変動パターンに対応する特別図柄の停止時間は500msとなっている。これにより、時短状態Bに制御されている場合に1回の特
図2の抽選で通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合には、極めて短い変動時間(80ms)に従って、第2特別図柄の変動表示が行われ、第2特別図柄で「ハズレ図柄C」が停止表示される(停止時間(500ms)、
図13(B)参照)。
【0233】
図43に示すように、時短状態Bに制御されている場合に特
図2の抽選が1回行われ、通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合には、極めて短い変動時間(80ms)に従って、第2特別図柄の変動表示が行われ、第2特別図柄で「ハズレ図柄C」が停止表示される(停止時間(500ms)、
図13(B)参照)ことから、第2特別図柄の変動表示に係る時間と第2特別図柄の停止表示に係る時間の合計時間は580msである。そのため、また、時短状態Bにおける特別図柄の変動表示の上限実行回数である100回に到達するまでに特
図2の抽選結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となることなく、時短状態Bでの第2特別図柄の変動表示が行われた回数が時短回数である100回に到達された場合における第2特別図柄の変動表示に係る時間と第2特別図柄の停止表示に係る時間の合計時間は、58000msとなる。
【0234】
図43に示すように、時短状態Bで特
図2の抽選結果が通常ハズレである場合に、第2特別図柄の変動表示に係る時間を極めて短い時間にすることで、時短状態Bでの第2特別図柄の図柄変動を高速で行わせることが可能となる。本形態では、非時短状態での特図の抽選結果がハズレである場合の特
図1変動パターンに含まれる変動時間(例えば、特図変動パターンP7に含まれる変動時間(13000ms)、例えば、特図変動パターンP8に含まれる変動時間(8000ms))は、時短状態Bでの特
図2の抽選結果が「ハズレ図柄C」である場合の特
図2変動パターンに含まれる変動時間(80ms)よりも長く(
図12、
図13(B)参照)、第2始動口21よりも第1始動口20のほうが遊技球が入球し難いため、非時短状態にて非特定変動回数を増加させるために時間がかかることになる。しかしながら、特
図1の抽選結果が特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)となって時短状態Bに制御されれば、時短状態Bにて第2特別図柄の図柄変動が高速で行われるため、時短状態Bにて非特定変動回数を高速に増加させることが可能となる。すなわち、本形態では、時短状態Bにて非特定変動回数を高速で増加させるための遊技状態として機能させることが可能となっている。そして、時短状態Bで非特定変動回数を増加させて、その後非特定変動回数が時短付与回数に到達すれば、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態Cへと制御され、時短状態Cでの時短回数は1200回となっているため、時短状態Cにて第2特別図柄の図柄変動を行わせて、当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)を目指すことが可能となる。これにより、時短状態Bと時短状態Cは単に時短状態への突入契機が異なるだけで時短状態にほとんど差がない時短状態とはならずに、時短状態Bは時短付与回数への到達を短縮させるための時短状態として機能し、時短状態Cは特
図2の抽選結果が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)となることを目指すための時短状態として機能することになり、それぞれ明確に異なる機能を発揮する時短状態とすることが可能となる。
【0235】
10.本形態における演出例
10-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機1における演出例について、
図44~
図48に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0236】
本形態の演出モードには、
図44(A)に示す昼の背景画像G10が表示される通常演出モード、
図44(B)に示す通常の夜の背景画像G11が表示されるRUSH演出モード、
図44(C)に示す特殊な夜の背景画像G12(夜の背景画像と雲の画像が組み合わされた背景画像)が表示されるチャンス演出モード、
図44(D)に示す特別な夜の背景画像G13(通常の夜の背景画像と星の画像が組み合わされた背景画像)が表示されるチャレンジ演出モード、が含まれている。なお、「チャンス演出モード」が、本願発明の「第1演出モード」に相当する。また、「チャレンジ演出モード」が、本願発明の「第2演出モード」に相当する。
【0237】
図44(A)に示す通常演出モードは、非時短状態であって取得した特
図2関係乱数がない場合に設定される演出モードである。つまり、非時短状態であって特
図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
図44(A)には、表示画面7aにて昼の背景画像G10が表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されている状態を示している。また、本形態では、演出図柄8L,8C,8Rの他にも、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を表示可能である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、演出図柄8L,8C,8Rよりも小さな表示であり、演出図柄8L,8C,8Rと同様、変動表示の後、停止表示することが可能である。
【0238】
次に、
図44(B)に示すRUSH演出モードは、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態Aである場合に設定される演出モードである。つまり、特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される時短演出モードである。
図44(B)には、表示画面7aにて通常の夜の背景画像G11が表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに変動表示された状態を示している。また、
図44(B)にはRUSH演出モードにて演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに停止表示された状態を示している。
【0239】
また、RUSH演出モードでは、時短状態Aでの右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、RUSH演出モードでは、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像GAを表示画面7aの右上部に表示する。また、時短状態Aでは実質的に次回の大当たりが確定している状態であることから、RUSH演出モードでは、時短状態Aの終了時期を示唆する表示が表示画面7aに表示されない。なお、RUSH演出モード中に時短状態Aの終了時期を示唆する表示が表示画面7aに表示されても良い。
【0240】
次に、
図44(C)に示すチャンス演出モードは、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態Bである場合に設定される演出モードである。つまり、特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される時短演出モードである。
図44(C)には、表示画面7aにて特殊な夜の背景画像G12が表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに変動表示された状態を示している。また、
図44(C)には、チャンス演出モードにて演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに停止表示された状態を示している。
【0241】
また、時短状態Bでの右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、チャンス演出モードにおいて、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像GAを表示画面7aの右上部に表示する。また、
図44(C)に示すように、チャンス演出モードにおいて、演出制御用マイコン91は、時短回数の残り回数(残り100回)を示す残回数表示GBを表示画面7aの右下部に表示する。残回数表示GBを、終了時期示唆表示とも言う。残回数表示GBは、時短状態に応じて残回数表示GBの表示態様が異なっても良い。これにより、時短状態Bへと制御されている状態と、時短状態Cとを、残回数表示GBによって適切に遊技者に示すことが可能である。
【0242】
さらに、時短状態Bでの右打ちにて第2始動口21に入賞させて、時短状態Bでの第2特別図柄の図柄変動を行わせるため、チャンス演出モードにおいて、演出制御用マイコン91は、「高速で変動させろ!」と示す変動促進画像G20を表示画面7aの右下部に表示する。表示画面7aの右下部に表示した変動促進画像G20によって、時短状態Bでの右打ちにて第2始動口21に入賞させて、時短状態Bでの第2特別図柄の図柄変動を行わせることで、早期に非特定変動回数を増加させることが可能となる。
【0243】
次に、
図44(D)に示すチャレンジ演出モードは、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短状態Cである場合に設定される演出モードである。つまり、特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される時短演出モードである。
図44(D)には、表示画面7aにて特別な夜の背景画像G13が表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに変動表示された状態を示している。また、
図44(D)には、チャンス演出モードにて演出図柄8L,8C,8Rと小図柄KZ1,KZ2,KZ3とがともに停止表示された状態を示している。
【0244】
また、チャレンジ演出モードでは、時短状態Cである右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、チャレンジ演出モードでは、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像GAを表示画面7aの右上部に表示する。また、チャレンジ演出モードにおいて、演出制御用マイコン91は、
図44(D)に示すように、時短回数の残り回数(残り1200回)を示す残回数表示GBを表示画面7aの右下部に表示する。
【0245】
10-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示では、演出図柄8L,8C,8Rが変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示が行われる。そして、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
【0246】
10-2-1.演出図柄
画像表示装置7の表示画面7aの中央付近では、
図44(A)等に示すように、変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われ、その後、所定の態様で停止表示される。また、表示画面7aの上端部の左端の一区画では、
図44(A)等に示すように、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が行われ、その後、所定の態様で停止表示される。なお、演出図柄8L,8C,8Rは、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄8L,8C,8Rの役割を補う図柄として機能する。なお、演出図柄8L,8C,8R、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を表示する各表示領域は、適宜に変更可能である。
【0247】
10-2-2.通常変動
パチンコ遊技機1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、その開始に伴って演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(特
図1の抽選結果がハズレ図柄Aでリーチ無しの場合の変動)の場合には、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。
【0248】
一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(特
図1の抽選結果がハズレ図柄Aでリーチ有りの場合でさらに、ノーマルリーチによってハズレが示される変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄8L,8C,8Rの停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0249】
10-2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に対して大当たり確度を示唆することが可能な演出として機能する。
【0250】
Nリーチでは、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、その後、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。
【0251】
一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄8Cが徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0252】
また、ハズレを示唆する演出図柄8L,8C,8Rの停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン91によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン91によって選択される。
【0253】
10-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機1は、特
図1に係る変動演出において、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に対して大当たり確度を示唆することが可能な演出として機能する。
【0254】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、表示画面7aにSPリーチ専用の背景画像が表示され、表示画面7aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像が表示される。また、SPリーチ専用演出が行われる。本形態では、SPリーチ専用演出として、パチンコ遊技機1における主人公キャラクタの所定のストーリーが進行する演出が実行される。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、表示画面7aに、大当たりを示唆するハッピーエンド演出が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。
【0255】
一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、ハズレを示唆するバッドエンド演出が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。
【0256】
10-2-5.バトルリーチ
パチンコ遊技機1は、Nリーチの後にバトルリーチを行うことが可能である。バトルリーチは、大当たり遊技が行われる可能性が高い特
図2の抽選を主として遊技が進行される状態にて行われ得る演出である。よって、バトルリーチは、遊技者に大当たり遊技を期待させる演出として機能する。
【0257】
バトルリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図45(A)に示すように、表示画面7aにバトルリーチ専用の背景画像(バトルリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面7aの中央にバトルリーチが開始されたことを表す画像(バトルリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図45(B)に示すように、バトルリーチ専用演出が行われる。そして、バトルリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「バトル大当たり変動」(バトルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、
図45(C―1)に示すように、表示画面7aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。小当たり当選に基づいて大当たり遊技が行われる場合にも、この大当たり当選の場合と同様に行うことができる。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「バトルハズレ変動」(バトルリーチによってハズレが示されるハズレの変動)の場合には、
図45(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、バトルリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0258】
10-2-6.時短突入演出
次に、特図抽選の結果が、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)である場合等に実行される時短突入演出について説明する。演出制御用マイコン91は、時短突入演出を、特殊ハズレに基づいて時短状態Bへと制御される変動演出にて実行可能である。このため、時短突入演出は、時短状態Bへと制御されることを遊技者に期待させる演出として機能する。
【0259】
演出制御用マイコン91は、時短突入演出が行われる場合にも、「バトル大当たり変動」や「バトルハズレ変動」と同様、バトルリーチを伴う変動演出を開始する。ただし、時短突入演出が行われる場合には、演出制御用マイコン91は、
図46(B)に示すように、バトルリーチをその途中で終了し、時短突入演出へと移行する。すなわち、バトルリーチ用の各画像を非表示とし、その後、移行した時短突入演出では、まず、救済画像G70を表示画面7aに表示する(
図46(A)参照)。本形態の救済画像G70は、主人公キャラクタの仲間キャラクタの画像である。この救済画像G70の表示により、時短突入演出が開始される。また、救済画像G70に重なるように、救済エフェクトGEが表示される。
図46(A)に示す救済エフェクトGEは、仲間キャラクタがその救済能力を発揮しつつある様子を示す画像である。
【0260】
そして、当該図柄変動が非時短状態において、その抽選結果が例えばハズレ図柄B(特殊ハズレ)である場合(すなわち、その後、特殊ハズレに基づく時短状態へと制御される場合)には、演出制御用マイコン91は、時短突入演出を成功態様にて進行する。すなわち、変動演出パターンが「THP49」である場合には、成功態様として、救済エフェクトGEをより強調し、仲間キャラクタが救済能力を発揮できた様子を示す(
図46(B))。これにより、成功態様の時短突入演出では、時短状態へと移行することを遊技者に示すことが可能である。成功態様では、その後、
図46(C)に示すように、救済画像G70を非表示とし、中演出図柄8Cを特殊図柄TZとする特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを停止表示する。本形態では、特殊図柄TZは、移行先の時短状態に対応する演出モードの名称の文字(〇背景)を含む画像であり、例えば、特
図1の抽選結果がハズレ図柄Bであることに応じて表示される場合には「夜背景」の文字が含まれる。また、特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を、「1・3・5」の特定目で停止表示する(
図46(C)参照)。このように本形態では、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることによっても、時短状態に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることは、時短状態に移行すること(特殊ハズレを引いたこと)を遊技者に示唆する演出として機能する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
【0261】
一方、当該図柄変動が非時短状態でその抽選結果が例えばハズレ図柄A(通常ハズレ)である場合(すなわち、その後、特殊ハズレに基づく時短状態Cへと制御されない場合)には、時短突入演出を失敗態様にて進行する。すなわち、変動演出パターンが「THP46」である場合には、失敗態様として、救済エフェクトGEを弱め、その後消去することで、仲間キャラクタが救済能力を発揮できない様子を示す(
図46(D)参照)。失敗態様では、その後、
図46(E)に示すように、ハズレを示唆する態様のバラケ目で演出図柄8L,8C,8Rを停止表示する。これに合わせて、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もバラケ目で停止表示する。
【0262】
10-2-7.チャンス演出モードでの変動演出
次に
図47に基づいて、チャンス演出モードが設定されている場合での変動演出の一例について説明する。チャンス演出モードが設定されている場合、すなわち時短状態Bが設定されている場合に、特
図2の抽選結果に基づく変動演出が行われると、
図47(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も変動表示される。
図47(A)に示すように、表示画面7aにて特殊な夜の背景画像G12が表示されている。また、表示画面7aには変動促進画像G20が表示されている。また、時短回数の残り回数が「残り80回」であることを示す残回数表示GBを表示画面7aの右下部に表示される。時短回数の残り回数が「残り80回」であることを示す残回数表示GBが表示画面7aに表示されることで、時短状態Bでの残り時短回数が80回であることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0263】
例えば、今回の特
図2の抽選結果が大当たりである場合には、
図47(B)に示す演出例へと進む。
図47(B)に示すように、演出図柄8Lと演出図柄8Rとが「5」で仮停止され、リーチが成立することになる。その後、
図47(C)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)で各演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示される(「5・5・5」)。
【0264】
一方で、例えば、今回の特
図2の抽選結果が通常ハズレである場合には、
図47(D)に示す演出例へと進む。
図47(D)に示すように、リーチが成立することなく、ハズレを示唆する停止表示態様で各演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示される(「3・4・5」)。
【0265】
なお、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と言った場合には、演出図柄が完全に停止している状態を言う。これに対して、仮停止表示とは、演出図柄の変動速度は「0」であるが、演出図柄が表示されている位置で揺れたり拡大や縮小を繰り返したりといった変化をしており、完全に停止していない状態を言う。単に「停止表示」という場合は、仮停止表示を指すこともあるし、確定停止表示を指すこともある。
【0266】
次に、まず、チャレンジ演出モードが設定されるタイミングについて、
図48のタイムチャートにより説明する。
図48に示すように、非特定変動回数が時短付与回数に到達する場合においても、演出図柄8L,8C,8Rは、特別図柄の図柄変動に応じて、変動表示され、停止表示される。なお、小図柄KZ1,KZ2,KZ3についても同様に、特別図柄の図柄変動に応じて、変動表示され、停止表示される。また本形態では、演出モードは、時短状態Cへと制御された後の最初の図柄変動の開始に応じて、通常演出モードからチャレンジ演出モードへと制御される。
【0267】
11.実施形態の効果
以上詳細に説明したように本実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、非時短状態にて第1特別図柄がハズレ図柄Bで停止表示されて制御された時短状態Bでは、特
図2の抽選について、通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合に決定される第2特別図柄の変動時間(80ms)を非時短状態での第1特別図柄の変動時間よりも非常に短くなるという斬新なパチンコ遊技機1を提供することが可能となる。これにより、第1特別図柄がハズレ図柄Bで停止表示されて制御された時短状態Bに制御されて欲しいという気持ちを高めることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0268】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態Bだけでなく、非特定変動回数が時短付与回数(950回)に到達されると、非時短状態よりも第2始動口21に入賞し易くなる時短状態Cに制御されるパチンコ遊技機1を遊技者に提供することが可能となる。これにより、時短状態B、または時短状態Cでの遊技を楽しみたいという遊技者の気持ちを高めることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0269】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態Cにて特
図2の変動表示が上限実行回数(1200回)に到達されると非時短状態(通常遊技状態)に制御される。一方で、時短状態Bにて特
図2の変動表示が上限実行回数(100回)に到達されると非時短状態(通常遊技状態)に制御される。これにより、時短状態B、または時短状態Cによって上限実行回数を異ならせることで、それぞれの時短状態での特
図2の変動表示を楽しませることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0270】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態Bでの特
図2の抽選で通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合に決定される第2特別図柄の変動時間(80ms)が、時短状態Cでの特
図2の抽選で通常ハズレである「ハズレ図柄C」を引いた場合に決定される第2特別図柄の変動時間(30000ms)よりも非常に短くなるという斬新なパチンコ遊技機1を提供することが可能となる。これにより、変動時間の短さによって、時短状態Bで遊技を行っている遊技者を楽しませることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0271】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、設定されている演出モードが時短状態Cに対応するチャレンジ演出モード、または時短状態Bに対応するチャンス演出モードであるか否かを表示画面7aに表示される背景画像によって、把握させることが可能となる。これにより、現在設定されている演出モードを確認させることで、遊技者に時短状態C、または時短状態Bに制御されているかを把握させ易くすることが可能となる。
【0272】
12.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0273】
<第1実施形態の変更例>
上記第1実施形態において、特
図2の抽選は、特
図1の抽選に優先して実行される構成となっていたが、これに限定されることはない。例えば、第1実施形態の変更例のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能な構成、すなわち第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に可能な同時変動機能を有しても良い。
【0274】
図49から
図50を用いて第1実施形態の変更例の遊技制御用マイコン81が行う処理について説明していく。
【0275】
[メイン側タイマ割り込み処理]先ず、第1実施形態の変更例のメイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図49に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0276】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
【0277】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0278】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106-1)、第2特別動作処理(S106-2)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0279】
ここで第1特別動作処理(S106-1)は、特
図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技に関する処理である。また第2特別動作処理(S106-2)は、特
図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技に関する処理である。
【0280】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]次に、第1実施形態の変更例における第1特別動作処理(S106-1)の特
図1大当たり判定処理(S1006)と、第2特別動作処理(S106-2)の特
図2大当たり判定処理(S1002)について、
図50を用いて説明する。なお、特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図1大当たり判定処理(S1006)は、処理の流れが同じであるため
図50に基づいてまとめて説明する。
図50に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1006)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1006)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0281】
次に、大当たり判定テーブル(
図7(A))をセットし(S1102-1)、当たりフラグをONであるか否か判定する(S1102-2)。ここで当たりフラグには、特
図1の抽選において大当たりと判定されたことを示す第1大当たりフラグと、特
図1の抽選において小当たりと判定されたことを示す第1小当たりフラグと、特
図2の抽選において大当たりと判定されたことを示す第2大当たりフラグと、特
図2の抽選において小当たりと判定されたことを示す第2小当たりフラグとがある。
【0282】
遊技制御用マイコンは、ステップ1102-2にて当たりフラグがOFFであると判定した場合、すなわち一方の特図大当たり判定処理にて当たりフラグがONにしていない場合には(S1102-2でNO)、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0283】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1109)。小当たり図柄種別を判定(S1109)した後は、小当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(C)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。第1実施形態の変更例では、特
図1の抽選での小当たり当選確率は約1/2となっている。第1実施形態の変更例における特
図1の抽選での小当たり当選確率は約1/2だが、これに限定されることはなく、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0284】
また、ステップ1102-2にて一方の特図大当たり判定処理にて当たりフラグがONであると判定した場合(S1102-2でYES)、または大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」である場合には、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1111)。ハズレ図柄種別を判定(S1111)した後、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1112)。特殊ハズレであるハズレ図柄Bであれば(S1112でYES)、ステップS1113の処理を行った後、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図7(D)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1114)処理を終える。
【0285】
ステップS1113では、ハズレ図柄種別判定テーブル(
図9)に基づいて遊技状態およびハズレ図柄の種別に応じた時短回数を取得するとともに、取得した時短回数を、RAM84に設けた所定の時短回数記憶領域にセットする。具体的には、非時短状態であり、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bである場合には、非時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブル(
図9(A))を参照し、時短回数「100」をRAM84にセットする。また、時短状態であり、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Bである場合には、時短状態用のハズレ図柄種別判定テーブル(
図9(B))を参照し、時短回数「100」をRAM84にセットする。
【0286】
第1実施形態の変更例における遊技制御用マイコン81は、一方の特図大当たり判定処理にて当たりフラグをONにした場合には(S1102-2でYES)、他方の特図大当たり判定処理にて、大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして、本処理を終了する構成である。これにより、大当たり当選、または小当たり当選を示す特
図1の変動表示中、または特
図2の変動表示中のうち、一方の特図の変動表示中に、他方の特図大当たり判定処理が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
【0287】
また、第1実施形態の変更例の第1特別図柄確定処理、または第2特別図柄確定処理のうち、一方の特別図柄確定処理において、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを4にセットすると、他方の特別図柄が変動中である場合には、強制的に他方の特別図柄を停止表示させる処理(特図強制停止処理)を行う構成であっても良い。
【0288】
次に、
図51を用いて、第1実施形態の変更例における時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルについて説明する。なお、第1実施形態の変更例での時短状態Bでは、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンが選択されることになる。
【0289】
また第1実施形態の変更例での非時短状態にて、第1特別図柄が「ハズレ図柄B」で停止表示された場合には、時短状態Bへと移行される。その後、時短状態Bに制御されている場合に、特
図1の抽選の結果が小当たりである場合には、60000msという長い変動時間を含む特図変動パターンP83が選択されることになる(
図51参照)。また、時短状態Bに制御されている場合に、特
図2の抽選の結果が通常ハズレ(「ハズレ図柄C」)である場合には、80msという非常に短い変動時間を含む特図変動パターンP93が選択されることになる(
図51参照)。
【0290】
続いて、第1実施形態の変更例において、大当たり当選、または小当たり当選を示す特
図1の変動表示中での特
図2の変動表示について、
図52を用いて説明する。例えば、
図52に示すように、特
図1の抽選の結果が大当たり、または小当たりである場合には、長い変動時間(70000ms、30000ms、60000ms、
図51参照)を含む特図変動パターンが選択され、その特図変動パターンに基づいて第1特別図柄の変動表示(大当たり変動、小当たり変動)が行われることになる。第1実施形態の変更例では、大当たり当選、または小当たり当選を示す特
図1の変動表示(大当たり変動、小当たり変動)中に、特
図2大当たり判定処理にて大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして、ハズレを示す特
図2の変動表示が行われて、第2特別図柄でハズレ図柄Cが停止表示されることになる。なお、
図52に示すように、大当たり当選、または小当たり当選を示す特
図1の変動表示が終了するまでは、何度も特
図2大当たり判定処理にて大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして、ハズレを示す特
図2の変動表示が行われて、第2特別図柄でハズレ図柄Cが停止表示されることになる。
【0291】
次に、第1実施形態の変更例での時短状態Bでの遊技性について、
図53に基づいて説明する。まず、非時短状態(通常遊技状態)においては特
図1の抽選が行われ、特
図1の抽選結果が特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)である場合、遊技状態は、時短回数が100回の時短状態Bへと制御される。そして、時短状態Bでは右打ちにて遊技を進行し、特
図2の抽選に基づく大当たり当選(主には、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり)を狙うことになる。上述したように第1実施形態の変更例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に可能な構成であることから、時短状態Bでの第1特別図柄の保留球数が「1」以上である場合には、特
図1保留が消化されて、特
図1大当たり判定処理にて遊技制御用マイコン81は、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その後小当たり当選を示す第2特別図柄の変動表示を実行させることがある。仮に、特
図1の抽選結果が小当たり当選である場合には、60000msという長い変動時間に従って、第1特別図柄の変動表示が行われることになる(
図51参照)。なお、第1実施形態の変更例では、小当たり当選を示す第1特別図柄の変動表示に係る変動時間と停止表示に係る停止時間の合計時間は、60500msである(
図51参照)。第1実施形態の変更例では、小当たり当選を示す特
図1の変動表示中であっても、特
図2大当たり判定処理が実行され、大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データをセットして、極めて短い変動時間に従って、第2特別図柄の変動表示が行われ、その後第2特別図柄でハズレ図柄Cが停止表示されることになる(500ms、
図51参照)。
【0292】
第1実施形態の変更例での時短状態Bにて、60000msという長い変動時間が経過するまで小当たり当選を示す第1特別図柄の変動表示が行われ続けるため、特
図2の抽選結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となることはなく、時短状態Bにおける特別図柄の変動表示の上限実行回数である100回に到達するまで、ハズレを示す特
図2の変動表示と停止表示が行われ続けることになる。この場合、
図53に示すように、時短状態Bで1回の特
図2の抽選結果が「ハズレ図柄C」である場合、変動時間が80msで、停止時間が500msであることから、第2特別図柄の変動表示に係る変動時間と第2特別図柄の停止表示に係る停止時間の合計時間は580msである。これにより、時短状態Bにて第2特別図柄の変動表示が100回なされた場合における第2特別図柄の変動表示に係る変動時間の合計時間(8000ms)と第2特別図柄の停止表示に係る停止時間の合計時間(50000ms)とを合計した時間は、58000msとなる。
【0293】
図53に示すように、時短状態Bにて第2特別図柄の変動表示が100回なされた場合における第2特別図柄の変動表示に係る変動時間の合計時間(8000ms)と第2特別図柄の停止表示に係る停止時間の合計時間(50000ms)とを合計した時間(58000ms)よりも、時短状態Bにて第1特別図柄の変動表示が1回なされた場合における小当たり当選を示す第1特別図柄の変動表示に係る変動時間と第2特別図柄の停止表示に係る変動時間の合計時間(60500ms)のほうが長く設定されている(
図51、
図53参照)。
【0294】
第1実施形態の変更例は、第1実施形態と同様に、時短状態Bと時短状態Cは単に時短状態への突入契機が異なるだけで時短状態にほとんど差がない時短状態とはならずに、時短状態Bは時短付与回数への到達を短縮させるための時短状態として機能し、時短状態Cは特
図2の抽選結果が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)となることを目指すための時短状態として機能することになり、それぞれ明確に異なる機能を発揮する時短状態とすることが可能となる。また、第1実施形態では、時短状態Bでの特
図2の変動表示された回数が、上限実行回数(100回)に到達する前に、特
図2の抽選の結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となってしまうという不安があった。しかしながら、第1実施形態の変更例では、時短状態Bにて特
図1の抽選結果が小当たり当選となることで、特
図2大当たり判定処理(S1002)が実行されても、大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定が行われないため、特
図2の抽選の結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)となってしまうといった不安が解消される。これにより、時短状態Bにおける特別図柄の変動表示の上限実行回数である100回に到達するまで、ハズレを示す特
図2の図柄変動が高速で行われ続けることが可能となる。そのため、第1実施形態の変更例では、第1実施形態での特
図2の抽選結果が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)となってしまうという不安を解消しつつ、非特定変動回数を高速で増加させることが可能となる。
【0295】
<その他の変更例>
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があることが、「所定条件が成立すること」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、第1始動口20、及び第2始動口21と異なる他の始動口を備えても良い。なお、他の始動口に遊技球が入賞することで、特
図1の抽選、又は特
図2の抽選が行われるようにしても良い。この場合、第1始動口20、第2始動口21、又は他の始動口のうち、いずれかの始動口への遊技球の入賞(入球)があることが、「所定条件が成立すること」に相当しても良い。
【0296】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例における大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C、小当たり図柄a、小当たり図柄bが、「特定態様」に相当しました。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大当たり図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C)、または小当たり図柄(小当たり図柄a、小当たり図柄b)が、「特定態様」に相当しても良い。
【0297】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例における1種大当たり遊技と2種大当たり遊技が、「特別遊技」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、1種大当たり遊技、または2種大当たり遊技が、「特別遊技」に相当しても良い。
【0298】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例におけるハズレ図柄Bが、「所定の非特定態様」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、特
図2の抽選において特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄D)に当選できる構成とし、特
図2の抽選で決定されるハズレ図柄Dが、「所定の非特定態様」に相当しても良い。また、ハズレ図柄Bとハズレ図柄Dが、「所定の非特定態様」に相当しても良い。
【0299】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、時短状態Bでの特
図2の抽選結果がハズレ図柄Cである場合に選択される変動時間は、時短状態Bに制御される前における非時短状態での特
図1の抽選結果がハズレ図柄Bである場合に選択される変動時間よりも短いが(
図12、
図13(B)参照)、時短状態Bでの特
図2の抽選結果が大当たり、または小当たりである場合に選択される変動時間(30000ms、
図13(B)参照)は、時短状態Bに制御される前における非時短状態での特
図1の抽選結果がハズレであるかにかかわらず選択される変動時間(8000ms、
図12参照)よりも長いことから、時短状態Bでの第2特別図柄の変動時間が、時短状態Bに制御される前における非時短状態での第1特別図柄の変動時間よりも短いなり易い構成であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態Bでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第2特別図柄の変動時間が、時短状態Bに制御される前の非時短状態での抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第1特別図柄の変動時間よりも短くなり易い構成であっても良い。また、例えば、時短状態Bでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第2特別図柄の変動時間が、時短状態Bに制御される前の非時短状態での抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第2特別図柄の変動時間よりも短くなり易い構成であっても良い。
【0300】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、時短状態にて大当たり遊技の実行契機となるものの抽選結果が小当たり、大当たり)でない特別図柄の図柄変動が連続する回数と、非時短状態にて大当たり遊技の実行契機となるものの抽選結果が小当たり、大当たり)でない特別図柄の図柄変動が連続する回数とを合計した回数である非特定変動回数が時短付与回数に到達されると、時短状態Cに移行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、非特定変動回数のカウント値は、非時短状態(通常遊技状態)における図柄変動についてのみカウントされる構成、すなわち非時短状態における非特定変動回数が時短付与回数に到達しなければ、時短状態Cに移行去れない構成であっても良い。また、例えば、特殊ハズレが停止表示されることは非特定変動回数のカウント値としてカウントされずに、通常ハズレが停止表示されることのみが非特定変動回数のカウント値としてカウントされる構成であっても良い。
【0301】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、「特
図1_ハズレ図柄A」及び「特
図2_ハズレ図柄C」が、本願発明の「他の非特定態様」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、「特
図1_ハズレ図柄A」、または「特
図2_ハズレ図柄C」が、本願発明の「他の非特定態様」に相当しても良い。また、例えば、「特
図1_ハズレ図柄A」、及び「特
図2_ハズレ図柄C」以外の通常ハズレがあっても良い。この場合、「特
図1_ハズレ図柄A」と、「特
図2_ハズレ図柄C」と、「特
図1_ハズレ図柄A」、及び「特
図2_ハズレ図柄C」以外の通常ハズレとが、本願発明の「他の非特定態様」に相当しても良いし、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図2_ハズレ図柄C」、または「特
図1_ハズレ図柄A」、及び「特
図2_ハズレ図柄C」以外の通常ハズレのうち、いずれかが、本願発明の「他の非特定態様」に相当しても良い。
【0302】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、非時短状態での特
図1の抽選における「特
図1_ハズレ図柄B」に基づく時短状態Bに制御された場合に設定される時短回数は、100回であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、非時短状態での特
図1の抽選における「特
図1_ハズレ図柄B」に基づく時短状態Bに制御された場合に設定される時短回数の具体的な値は適宜、変更可能である。なお、非特定変動回数が時短付与回数に到達したことに応じて時短状態Bに制御された場合に設定される時短回数は、具体的には、例えば、最大でも低確率状態における大当たり当選確率の分母の3.8倍以下とすることが可能である。
【0303】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、非特定変動回数が時短付与回数に到達したことに応じて時短状態Cに制御された場合に設定される時短回数は、1200回であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、非特定変動回数が時短付与回数に到達したことに応じて時短状態Cに制御された場合に設定される時短回数の具体的な値は適宜、変更可能である。なお、非特定変動回数が時短付与回数に到達したことに応じて時短状態Cに制御された場合に設定される時短回数は、具体的には、例えば、最大でも低確率状態における大当たり当選確率の分母の3.8倍以下とすることが可能である。
【0304】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、遊技制御用マイコン81は、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)について、特
図2の変動表示だけをカウントすることとした。しかし、例えば、特
図1の変動表示だけをカウント対象とした特
図1上限実行回数や、特
図2の変動表示だけをカウント対象とした特
図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。また例えば、特
図1の変動表示および特
図2の変動表示を合算してカウントし、その合算値が合算上限実行回数に到達すると時短状態が終了するように構成してもよい。この場合、演出制御用マイコン91についても、遊技制御用マイコン81と同様にカウントするものとすればよい。
【0305】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、遊技制御用マイコン81は、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)について、特
図2の変動表示だけをカウントすることとし、特
図2の抽選結果が特殊ハズレとなることがなかった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、特
図2の抽選結果が特殊ハズレとなることがある場合には、時短状態Bの時短回数(100回)から特殊ハズレのハズレ図柄で停止表示させた回数を減算した回数が、本願発明の「第1特定回数」に相当しても良い。また、例えば、特
図2の抽選結果が特殊ハズレとなることがある場合には、時短状態Cの時短回数(1200回)から特殊ハズレのハズレ図柄で停止表示させた回数を減算した回数が、本願発明の「第2特定回数」に相当しても良い。
【0306】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、時短状態Bでの特
図2の抽選結果がハズレである場合に選択される変動時間は、時短状態Cでの特
図2の抽選結果がハズレである場合に選択される変動時間よりも短いが(
図12、
図13(B)参照)、時短状態Bでの特
図2の抽選結果が大当たり、または小当たりである場合に選択される変動時間(30000ms、
図13(B)参照)と時短状態Cでの特
図2の抽選結果が大当たり、または小当たりである場合に選択される変動時間(30000ms、
図13(B)参照)とが同じであることから、時短状態Bでの第2特別図柄の変動時間が、時短状態Cでの第2特別図柄の変動時間よりも短いなり易い構成であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態Bでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第2特別図柄の変動時間が、時短状態Cでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第2特別図柄の変動時間よりも短くなり易い構成であっても良い。また、例えば、時短状態Bでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第1特別図柄の変動時間が、時短状態Cでの抽選結果が当たり(小当たり、大当たり)、またはハズレであるかにかかわらず、選択される第1特別図柄の変動時間よりも短くなり易い構成であっても良い。
【0307】
上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、時短状態に制御された場合に設定される演出モードには、時短状態Aである場合に設定されるRUSH演出モードと、時短状態Bである場合に設定されるチャンス演出モードと、時短状態Cである場合に設定されるチャレンジ演出モードとがあった。そして、「チャンス演出モード」が、本願発明の「第1演出モード」に相当し、「チャレンジ演出モード」が、「第2演出モード」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態に制御された場合に設定される演出モードには、時短状態A、または時短状態Cである場合に設定されるRUSH演出モードと、時短状態Bである場合に設定されるチャンス演出モードとの2種類であっても良い。この場合、「チャンス演出モード」が、本願発明の「第1演出モード」に相当し、「RUSH演出モード」が、「第2演出モード」に相当しても良い。また、例えば、時短状態に制御された場合に設定される演出モードには、時短状態A、または時短状態Bである場合に設定されるRUSH演出モードと、時短状態Cである場合に設定されるチャレンジ演出モードとの2種類であっても良い。この場合、「RUSH演出モード」が、本願発明の「第1演出モード」に相当し、「チャレンジ演出モード」が、「第2演出モード」に相当しても良い。
【0308】
例えば、上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、特
図1の抽選では小当たりに当選しないこととして説明したが、特
図1の抽選でも小当たりに当選することが可能な構成であってもよい。この場合、特
図1の抽選で当選可能な小当たりとしては、特定領域39への通過(V通過)が発生しない予定のV非通過小当たり、V通過が可能なV通過小当たりの両方、あるいはどちらか一方のみでもよい。また例えば、特
図2の抽選で当選可能な小当たりとして、V非通過小当たりを設けることとしてもよい。また例えば、上記実施形態で説明した時短回数は、単なる一例であり、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また例えば、上記実施形態では、特
図1の抽選において特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)に当選できる構成として説明したが、特
図1では、このハズレ図柄Bのような特殊ハズレ(時短ハズレ)を設けず、ハズレ図柄Aのような通常ハズレのみを設けることとしてもよい。
【0309】
また例えば、上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、特
図1に係るハズレ図柄の種別として、通常ハズレのものと特殊ハズレ(時短ハズレ)のものとを1つずつ、設けた例について説明した。しかし、例えば、特
図1に係るハズレ図柄の種別および特
図2に係るハズレ図柄の種別としてそれぞれ、通常ハズレのものと特殊ハズレ(時短ハズレ)のものとを1つずつ、設けても良い。また、例えば、複数の特殊ハズレを設ける構成としても良い。この場合には、例えば、複数の特殊ハズレごとに、各特殊ハズレに基づいて設定される時短回数を異なる回数とするなど、遊技者が有利となる程度が異なる構成とすればよい。
【0310】
また例えば、上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、遊技制御用マイコン81は、時短状態(時短フラグがONの状態)では、特殊ハズレのハズレ図柄に応じて時短状態へと制御するか否かの時短判定が行われない構成として説明した。しかし、例えば、遊技制御用マイコン81は、時短状態でも特殊ハズレのハズレ図柄に応じて時短判定を行うが、非時短状態でなければ時短状態へと制御しない構成であってもよい。
【0311】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。このような1種2種混合機以外のタイプの遊技機において本発明を適用したとしても、従来にない新たなゲーム性を提供することが可能である。また、遊技状態に大当たり当選確率が高い高確率状態と、高確率状態よりも大当たり当選確率が低い低確率状態とがあるものの場合には、大当たり演出中の特典示唆演出として、高確率状態を示唆するものを行ってもよい。すなわち、遊技制御用マイコン81が、大当たり遊技の後に高確率状態、および、時短状態の少なくとも一方を伴う特典遊技状態へと制御可能なものである場合、演出制御用マイコン91を、大当たり遊技の後に特典遊技状態へと制御されるときには、大当たり演出にて、特典遊技状態へ制御されることを示唆可能な特典示唆画像を表示する特典示唆演出を実行可能としてもよい。
【0312】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、遊技制御用マイコン81は、変動特別図柄変動中処理における遊技状態管理処理にて、時短カウンタの値が「0」である場合の非時短状態への制御、特別図柄が非特定態様で停止表示されることに応じた時短状態への制御をともに行っている。しかし、例えば、特別図柄が非特定態様で停止表示されることに応じた時短状態への制御を、例えば、変動特別図柄変動中処理の後に実行される特別図柄確定処理にて行ってもよい。
【0313】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、特
図2の抽選に基づいて所謂「直撃大当たり」に当選し得る構成としたが、特
図2の抽選に基づいて「直撃大当たり」に当選し得ない構成、すなわち特
図2の抽選に基づく大当たりは2種大当たりのみの構成としてもよい。
【0314】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例は、特
図2の抽選に基づくV通過可の小当たり遊技では、必ずV通過が発生するように第2大入賞口35(開閉部材37)の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成とした。これに対して、V通過可の小当たり遊技では、V通過することもあるがV通過しないこともあるような第2大入賞口35の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成(つまり振分部材71が通過許容状態をとっているタイミングと第2大入賞口35への入賞タイミングがうまく合えば特定領域39への通過が生じるが、合わなければ特定領域39への通過が生じない構成)としてもよい。
【0315】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果がハズレ図柄Bである場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御する構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの判定(時短判定)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短判定を行う構成としてもよい。この場合でも、時短判定は、上記の実施形態と同様に、図柄変動にて、時短状態から非時短状態へと制御した後に行うこととすればよい。
【0316】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、特
図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特
図2の抽選に基づいて大当たり遊技(2種大当たり遊技を含む)が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
【0317】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0318】
また上記第1実施形態と上記第1実施形態の変更例において、遊技制御用マイコン81が電源投入からの総賞球数および総発射数をカウントし、これらの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合には、所定の発動タイミングで、遊技停止とする(第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21a等の各種の遊技球の検知センサが遊技球を検知しても無効とし、一切の抽選や賞球を行わないようにする)構成としてもよい。この場合、遊技停止の発動タイミングは、総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達した大当たり遊技の終了時とするのが好ましい。また、遊技停止とするのに代えて、発射停止とする(ハンドル60が操作されても遊技球を発射しないようにする)構成としたり、遊技停止と発射停止の両方を行う構成としたりしてもよい。なお、電源投入からの総発射数は、遊技領域3に発射されて各種の入賞口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27)やアウト口6を通過した遊技球が最終的に通過する1つの通路上に設けられたアウト口センサの検知に基づいてカウントされるものとする。なお、各種の入賞口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27)への入賞を検知するセンサ、アウト口6への通過を検知するセンサの各々の検知をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。或いは、レール部材4の端部に戻り球防止部が設けられていて、この戻り球防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントは、電源投入に基づいて(すなわち電源スイッチ155のON操作に基づいて)、クリアされるものとする。また、遊技停止や発射停止となった場合には、電源を遮断した後、RAMクリア操作(RAMクリアスイッチ152を押しながらの電源スイッチ155のON操作)がなされたことに応じて、遊技可能な状態に復帰されるものとする。このような電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合に遊技停止や発射停止とする構成を、過賞球防止手段と称する。過賞球防止手段は、パチンコ遊技機1が一日の遊技において過剰な賞球を行ってしまう不都合を防止するための機能である。なお、遊技停止や発射停止の発動条件となる総賞球数と総発射数との差玉数は、適宜変更可能である。
【0319】
ここで、遊技制御用マイコン81が過賞球防止手段を備える場合には、次のような構成を付帯させるとよい。例えば、電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉(以下「特定差玉」と言う)が一定数(例えば+12万球)に到達した場合には、そのことを示す所定の信号を外部端子板からホールコンピュータに向けて出力する構成とするとよい。外部端子板は、パチンコ遊技機1から、遊技場に設置されているホールコンピュータ等の外部に向けて種々の信号を出力するための基板であり、パチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン81がセットした信号を、外部端子板を介して、当該パチンコ遊技機1の外部に出力することが可能であるとする。このような構成とすれば、特定差玉が一定数に到達したことを、遊技場の従業員等がホールコンピュータによって確認することが可能となる。なお、このような構成に代えて、若しくは、このような構成と共に、特定差玉が一定数(例えば+12万球)よりも小さい所定数(例えば+11万球)に到達したタイミングで、そのことを示す外端信号(外部端子板から外部に出力される信号)を出力する構成としてもよい。この外端信号は、特定差玉が一定数に到達しそうであることを示す信号として機能する。
【0320】
また、過賞球防止手段によって遊技停止や発射停止が行われた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置7に表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ66や盤ランプ5を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ67から出力したりする構成とするとよい。このような報知によって、遊技場の従業員や遊技者等が状況(特定差玉が一定数に到達したこと)を把握できるからである。
【0321】
また、電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達すると遊技停止や発射停止となる旨の報知を、遊技中の演出として行ったり(例えば変動演出に伴う予告演出の1つとして行ったり)、客待ち演出において行ったりするとよい。遊技停止や発射停止になる場合があることを、遊技者に事前に知らせることができるからである。
【0322】
また、電源投入に基づいて(すなわち電源スイッチ155のON操作に基づいて)、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントがクリアされた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置7に表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ66や盤ランプ5を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ67から出力したりするとよい。特定差玉のカウントのクリアを、遊技場の従業員や遊技者等に知らせることができるからである。
【0323】
なお、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントのクリアは、単なる電源投入では行われず、電源投入に際してRAMクリアスイッチ152を操作したときに行われる構成としたり、RAMクリアスイッチ152とは異なる特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを設けて、このスイッチを電源投入に際して操作したときに行われる構成としたりしてもよい。又は、電源投入に際して主制御基板80に設けられている設定キーシリンダを操作すると、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。或いは、電源投入時に拘わらず、特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを操作するだけで、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、客待ち状態(特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)も特図変動も行われておらず特図保留が1つも無い状態)になってから所定時間(例えば15分)が経過したタイミングで行われる構成としてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、通常遊技状態以外の遊技状態から通常遊技状態に変更されたタイミングで行われる構成としてもよい。又は、通常遊技状態が所定時間(例えば1時間)継続したり、通常遊技状態にて遊技球が発射されない状態が特定時間(例えば1時間)継続することで、総賞球数と総発射数との差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。なお、RAMクリア操作以外の手法で特定差玉のカウントのクリアを行う構成の場合には、RAMクリア操作時には特定差玉のカウントのクリアは行われない構成としてもよい。この場合、特定差玉の記憶情報は、不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に記憶されるようにしたり、RAM84の記憶領域うちRAMクリア操作時に消去されない非消去記憶領域に記憶されるようにしてもよい。
【0324】
なお、過賞球防止手段を備える構成とした場合、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントの始期を、所謂初当たり(通常の遊技状態における当選に基づく大当たり)からとしてもよい。このような構成とすれば、初当たりに至るまでの特定差玉のマイナス分がカウントされないこととなり、遊技停止の契機となる特定差玉の数を、初当たり以降に増えた持ち球の数と同じにすることが可能である。
【0325】
また、過賞球防止手段を備える構成とした場合、遊技停止や発射停止の発動タイミングを、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達した連荘期間の終了時としてもよい。連荘期間とは、通常の遊技状態における当選に基づく大当たり遊技の開始から再び通常の遊技状態に戻るまで(若しくは通常の遊技状態に戻って特
図2の保留が無くなるまで)の遊技期間である。このような構成とした場合、連荘期間中に特定差玉が一定数を越えたときには、当該連荘期間が終了すると、遊技停止や発射停止となる旨の報知を、表示画面7aでの画像表示やランプ(枠ランプ66、盤ランプ5)の発光、スピーカ67からの音声出力によって行う構成とするとよい。
【0326】
なお上記では、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達したことに基づいて、遊技停止や発射停止を行ったが、その他の特定計測値に基づいて、遊技停止や発射停止を行うようにしてもよい。例えば、特定計測値は、総賞球数と総発射数との割合であるベース(例えば連荘期間中のベース)や、単に総賞球数(連荘期間中の総賞球数)としてもよく、総賞球数に基づく計測値であれば、適宜変更可能である。
【0327】
13.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0328】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
遊技球の入球し易さが変更可能な可変入球口(第2始動口21)と、
所定条件が成立すること(第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があること)に基づいて、当たりとなるか否かの判定処理を行う遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
特別図柄を変動表示させ、その変動表示の開始から変動時間が経過した後に、前記特別図柄を前記判定処理の結果が当たりを示す特定態様(大当たり図柄、小当たり図柄)で停止表示させた場合に、特別遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)を実行可能とし、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる所定の非特定態様(「特
図1_ハズレ図柄B」)で停止表示させると、通常遊技状態よりも前記可変入球口に遊技球が入球し易くなる特定入球容易状態(時短状態B)に制御可能とし、
前記特定入球容易状態に制御された場合の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間は、前記特定入球容易状態に制御される前の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間よりも短くなり易い(
図12、
図13(B)参照)、
ことを特徴とする遊技機である。
【0329】
この構成の遊技機によれば、特別図柄が所定の非特定態様で停止表示されて、制御された特定入球容易状態での特別図柄の変動表示に係る変動時間を特定入球容易状態に制御される前の特別図柄の変動表示に係る変動時間よりも短くなるという斬新な遊技機を提供することが可能となる。これにより、特別図柄が所定の非特定態様で停止表示されて特定入球容易状態に制御されて欲しいという気持ちを高めることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0330】
手段A2に係る発明は、手段A1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記特別図柄を前記特定態様と異なる他の非特定態様で停止表示させた回数(非特定変動回数から第1特別図柄でハズレ図柄Bが停止表示させた回数を減算した回数)が所定回数(時短付与回数から第1特別図柄でハズレ図柄Bが停止表示させた回数を減算した回数)に到達すると、前記通常遊技状態よりも前記可変入球口に遊技球が入球し易くなる他の入球容易状態(時短状態C)に制御する、
ことを特徴とする遊技機である。
【0331】
この構成の遊技機によれば、特定入球容易状態だけでなく、特別図柄が他の非特定態様で停止表示された回数が所定回数に到達されると、通常遊技状態よりも可変入球口に入球し易くなる他の入球容易状態に制御される斬新なパチンコ遊技機を遊技者に提供することが可能となる。これにより、特定入球容易状態、または他の入球容易状態に制御されて欲しいという気持ちを高めることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0332】
手段A3に係る発明は、手段A2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記特定入球容易状態にて前記他の非特定態様で前記特別図柄を停止表示させた回数が第1特定回数(1200回)に到達すると、前記通常遊技状態に制御し、
前記他の入球容易状態にて前記他の非特定態様で前記特別図柄を停止表示させた回数が前記第1特定回数と異なる第2特定回数(100回)に到達すると、前記通常遊技状態に制御する、
ことを特徴とする遊技機である。
【0333】
この構成の遊技機によれば、特定入球容易状態にて他の非特定態様で特別図柄を停止表示させた回数が第1特定回数に到達されると通常遊技状態に制御される。一方、他の入球容易状態にて他の非特定態様で特別図柄を停止表示させた回数が第1特定回数と異なる第2特定回数に到達されると通常遊技状態に制御される。これにより、制御される入球容易状態に応じて所定回数を異ならせることで、それぞれの入球容易状態を楽しませることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0334】
手段A4に係る発明は、手段A2または手段A3に記載の遊技機であって、
前記特定入球容易状態に制御された場合の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間は、前記他の入球容易状態に制御された場合の前記特別図柄の変動表示に係る変動時間よりも短くなり易い(
図13(B)、
図13(C)参照)、
ことを特徴とする遊技機ある。
【0335】
この構成の遊技機によれば、特定入球容易状態と他の入球容易状態と比較することで、変動時間によって、特定入球容易状態と他の入球容易状態との違いを持たせることが可能となる。これにより、特定入球容易状態に制御された場合の特別図柄の変動表示に係る変動時間が短くなり易いことで、特定入球容易状態に制御された場合の遊技者を楽しませることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0336】
手段A5に係る発明は、手段A2から手段A4のいずれかに記載の遊技機であって、
複数の演出モード(例えば、通常演出モード、RUSH演出モード、チャンス演出モード、チャレンジ演出モード)のうち、一の演出モードを設定可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)を備え、
前記複数の演出モードには、前記特定入球容易状態に対応する第1演出モード(チャンス演出モード)と、前記他の入球容易状態に対応する第2演出モード(チャレンジ演出モード)とがある、
ことを特徴とする遊技機である。
【0337】
この構成の遊技機によれば、特定入球容易状態に制御されている場合には特定入球容易状態に対応した第1演出モードが設定され、または他の入球容易状態に制御されている場合には第2演出モードが設定される。これにより、設定されている演出モードによって、制御されている入球容易状態が特定入球容易状態、または他の入球容易状態であるかを遊技者に把握させることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0338】
1…パチンコ遊技機
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口
21…第2始動口
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン