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特許7523822吊荷制御システム、サスペンションケーブル上の荷を制御するための装置、サスペンションケーブル上の吊荷制御システムの位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるための方法、及びコンピュータ可読媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】吊荷制御システム、サスペンションケーブル上の荷を制御するための装置、サスペンションケーブル上の吊荷制御システムの位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるための方法、及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/12 20060101AFI20240722BHJP
   B64B 1/26 20060101ALI20240722BHJP
   B64C 29/00 20060101ALI20240722BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240722BHJP
   F04D 27/00 20060101ALI20240722BHJP
   F04D 29/051 20060101ALI20240722BHJP
   F16H 31/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
F04D13/12 Z
B64B1/26
B64C29/00 A
B64D27/24
F04D27/00 P
F04D27/00 101Y
F04D29/051
F16H31/00 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022530316
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020062425
(87)【国際公開番号】W WO2021108714
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】62/940,550
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523245229
【氏名又は名称】ビタ インクリナータ アイピー ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Vita Inclinata IP Holdings LLC
【住所又は居所原語表記】295 Interlocken Blvd, Suite 100, Broomfield, CO 80021 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】シコラ デリック
(72)【発明者】
【氏名】グッドリッチ ローガン
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-023143(JP,A)
【文献】特開平04-175500(JP,A)
【文献】米国特許第08938325(US,B1)
【文献】登録実用新案第3166802(JP,U)
【文献】特開平10-032961(JP,A)
【文献】特開平11-037093(JP,A)
【文献】特開平08-312588(JP,A)
【文献】特開平05-280489(JP,A)
【文献】特開2018-070376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16、
17/00-19/02、
21/00-25/16、
29/00-35/00
F04D 27/00-27/02
B66C 13/18-13/38、
13/46-13/50、
15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモータと、第1の両端ドライブシャフトと、第1のファンと、第2のファンからなる第1の双方向スラストアセンブリであって、
前記第1のモータは前記モータから前記第1のファン又は前記第2のファンのいずれかにトルクを伝達し、前記第1のファン及び前記第2のファンはいずれも一方向ファンであり、前記第1のファン及び前記第2のファンはスラスト流体を推進して反対方向に推力を発現するように構成され、前記一方向ファンは非対称プロファイルを有するブレードを備え、前記第1のモータは前記第1のモータから前記第1のファン又は前記第2のファンのいずれかにトルクを伝達し、前記第1のモータは熱伝達構造を備え、前記熱伝達構造は、前記第1のファン及び前記第2のファンによって生成されたスラスト流体の流れの中で前記第1のモータの周りに放射状に配列され、
少なくとも前記第1のモータは第1の回転方向及び第2の回転方向に動作可能であり、前記第1の回転方向において、前記第1のモータは、前記第1のモータから前記第1のファンへトルクを伝達させ、前記第2の回転方向において、前記第1のモータは、前記第1のモータから前記第2のファンへトルクを伝達させる
第1の双方向スラストアセンブリと、
第2のモータと、第2の両端ドライブシャフトと、第3のファンと、第4のファンからなる第2の双方向スラストアセンブリであって、前記第3のファン及び前記第4のファンは一方向ファンであり、前記第3のファン及び前記第4のファンはスラスト流体を推進して反対方向に推力を発現するように構成され、前記一方向ファンは非対称プロファイルを有するブレードを備え、前記第2のモータは前記第2のモータから前記第3のファン又は前記第4のファンのいずれかにトルクを伝達する、第2の双方向スラストアセンブリと、
少なくとも前記第1の双方向スラストアセンブリを取り囲むケースであって、前記第1のファン及び前記第2のファンによって推力が生成されるスラスト流体の流れを収容し、前記第1のファンと前記第2のファンとの間の中央に配置されたスラスト流体入口を含むケースと、
を備え、
さらに、センサ群と、コンピュータプロセッサと、メモリと、を備える吊荷制御システムであって、前記メモリは推力制御モジュールを備え、前記推力制御モジュールは、前記コンピュータプロセッサによって実行されると、現在の状態を決定するために、非線形フィルタを通して前記センサ群からのセンサデータを組み合わせることによって、前記センサ群からの前記センサデータに基づいて前記吊荷制御システムの位置、向き、又は運動を決定し、前記第1のモータを制御して前記第1のファン及び前記第2のファンにより生成されたスラスト流体の流れによって推力を選択的に出力し、前記第2のモータを制御して前記第3のファン及び前記第4のファンから推力を選択的に出力し、それにより前記吊荷制御システム上に水平推力ベクトル及びトルクを付与し、それにより前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与える、吊荷制御システム。
【請求項2】
第1のフリーホイールアセンブリが前記第1の両端ドライブシャフトと前記第1のファンとの間にトルクを伝達し、第2のフリーホイールアセンブリが前記第1の両端ドライブシャフトと前記第2のファンとの間にトルクを伝達する、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項3】
前記第1のフリーホイールアセンブリ及び前記第2のフリーホイールアセンブリは、前記第1のモータの回転方向に基づいて、前記第1のモータと係合又は係合解除して前記第1のモータに前記第1のモータから前記第1のファン又は前記第2のファンのいずれかにトルクを伝達させる、請求項に記載の吊荷制御システム。
【請求項4】
前記第1のフリーホイールアセンブリは、爪とラチェット歯とを備え、前記爪は、前記第1のモータの第1の方向への回転に応答して、前記ラチェット歯と選択的に係合し、前記爪は、前記モータの第2の方向への回転に応答して、前記ラチェット歯と選択的に係合解除する、請求項2に記載の吊荷制御システム。
【請求項5】
前記第1の両端ドライブシャフトは前記第1のモータの中心を通過し、前記第1の両端ドライブシャフトの第1の端部は、第1のクラッチ又は差動トランスミッションと係合し、前記第1のクラッチ又は差動トランスミッションは次に前記第1のファンと係合し、前記両端ドライブシャフトの第2の端部は、第2のクラッチ又は差動トランスミッションと係合し、前記第2のクラッチ又は差動トランスミッションは前記第2のファンと係合する、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項6】
前記非対称プロファイルは、一方向に回転したときに、より大きな推力を生成し、前記第1の双方向スラストアセンブリ及び前記第2の双方向スラストアセンブリは互いに平行であり、通常の重力場へ水平であり、前記吊荷制御システムの両端部にある、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項7】
前記推力制御モジュールは、さらに、機能モード又はコマンド状態、推力及び方向マッピング、又はファンマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックで、現在の状態に基づいて近未来運動を予測する、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項8】
前記第1のモータは前記第1の両端ドライブシャフトに近接する磁石と、前記第1の両端ドライブシャフトに遠位する巻線とを備え、前記巻線において生成された熱が、前記熱伝達構造及び前記第1のモータを囲むスラスト流体の流れに伝達する、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項9】
ブレーキをさらに備え、前記ブレーキは前記第1のファン又は前記第2のファンのうちの少なくとも1つの動きに抵抗するものであり、第1の選択的動力伝達機構が前記第1のモータから前記第1のファン又は前記第2のファンのうちの第1のものへトルクを伝達し、前記ブレーキは前記第1のファン又は前記第2のファンのうちの第2のものの動きを阻止する、請求項1に記載の吊荷制御システム。
【請求項10】
キャリアの下のサスペンションケーブル上の吊荷制御システムの位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるための方法であって、
センサ群からセンサデータを取得することと、
前記センサ群からの前記センサデータを非線形フィルタに組み合わせて前記吊荷制御システムの位置、向き、又は運動からなる現在の状態を決定することと、
前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動からなる前記決定された現在の状態に応答して、第1のモータを第1の回転方向に選択的に動作させて前記第1のモータから第1の両端ドライブシャフトを介して第1の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第1のモータを第2の回転方向に選択的に動作させて前記第1のモータから前記第1の両端ドライブシャフトを介して第2の一方向ファンへトルクを伝達し、第2のモータを前記第1の回転方向に選択的に動作させて前記第2のモータから第2の両端ドライブシャフトを介して第3の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第2のモータを前記第2の回転方向に選択的に動作させて前記第2のモータから前記第2の両端ドライブシャフトを介して第4の一方向ファンへトルクを伝達して、
少なくとも前記第1のモータは熱伝達構造を備え、前記熱伝達構造は、前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンによって生成されたスラスト流体の流れの中で前記モータの周りに放射状に配列され、
少なくとも前記第1のモータ、前記第1の一方向ファン、及び前記第2の一方向ファンはいずれもケースによって取り囲まれており、前記ケースは前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンによって推力が生成されるスラスト流体の流れを収容し、前記第1の一方向ファンと前記第2の一方向ファンとの間の中央に配置されたスラスト流体入口を備え、
それにより前記吊荷制御システム上に水平推力ベクトル及びトルクを付与して前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えることとを含む方法。
【請求項11】
前記第1のモータから前記第1の両端ドライブシャフトを介してトルクを伝達することは、前記第1のモータを前記第1の回転方向に動作させて第1のフリーホイールアセンブリを前記第1の両端ドライブシャフトに係合させて前記第1のモータから前記第1の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第1のモータを前記第2の回転方向に動作させて第2のフリーホイールアセンブリを前記第1の両端ドライブシャフトに係合させて前記第1のモータから前記第2の一方向ファンへトルクを伝達することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記吊荷制御システムは前記キャリアの下の前記サスペンションケーブル上に吊られている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
キャリアの下のサスペンションケーブル上の荷を制御するための装置であって、
センサ群からセンサデータを取得する手段と、
前記センサ群からの前記センサデータを非線形フィルタに組み合わせて吊荷制御システムの位置、向き、及び運動からなる現在の状態を決定する手段と、
前記吊荷制御システムの前記位置、向き、及び運動からなる前記決定された現在の状態に応答して、前記吊荷制御システム上に水平推力ベクトル及びトルクを付与して前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与える手段であって、前記吊荷制御システム上に前記水平推力ベクトル及び前記トルクを付与して前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与える段は、さらに、第1のモータを第1の回転方向に動作させて前記第1のモータから第1の両端ドライブシャフトを介して第1の一方向ファンへトルクを伝達する手段、及び前記第1のモータを第2の回転方向に動作させて前記第1のモータから前記第1の両端ドライブシャフトを介して第2の一方向ファンへトルクを伝達する手段を備える、手段と、
第2のモータを前記第1の回転方向に動作させて前記第2のモータから第2の両端ドライブシャフトを介して第3の一方向ファンへトルクを伝達する手段と、前記第2のモータを前記第2の回転方向に動作させて前記第2のモータから前記第2の両端ドライブシャフトを介して第4の一方向ファンへトルクを伝達する手段とを備え、それにより前記第1の一方向ファン、前記第2の一方向ファン、前記第3の一方向ファン及び前記第4の一方向ファンから、スラスト流体の流れによって、推力を選択的に出力する手段と、を備え
少なくとも前記第1のモータは熱伝達構造を備え、前記熱伝達構造は、前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンによって生成されたスラスト流体の流れの中で前記第1のモータの周りに放射状に配列され、
少なくとも前記第1のモータ、前記第1の一方向ファン、及び前記第2の一方向ファンはいずれもケースによって取り囲まれており、前記ケースは前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンに対するスラスト流体の流れを収容し、前記第1の一方向ファンと記第2の一方向ファンとの間の中央に配置されたスラスト流体入口を備える、装置。
【請求項14】
前記第1の両端ドライブシャフトと前記第1の一方向ファンとの間の第1のフリーホイールアセンブリ及び前記第1の両端ドライブシャフトと前記第2の一方向ファンとの間の第2のフリーホイールアセンブリのための手段をさらに備え、前記第1のフリーホイールアセンブリのための段は、前記第1のモータが前記第1の回転方向に動作すると前記第1の両端ドライブシャフトと係合して前記第1のモータから前記第1の一方向ファンへトルクを伝達するための手段を備え、前記第2のフリーホイールアセンブリは、前記第1のモータが前記第2の回転方向に動作すると前記第1の両端ドライブシャフトと係合して前記第1のモータから前記第2の一方向ファンへトルクを伝達する手段を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
キャリアの下のサスペンションケーブル上に前記装置を吊る手段をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
ブレーキで前記第1の一方向ファン又は前記第2の一方向ファンのうちの少なくとも1つの動きに抵抗する手段をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
吊荷制御システムコンピュータデバイスのプロセッサによる命令の実行に応答して、前記吊荷制御システムコンピュータデバイスに、
センサ群からセンサデータを取得することと、
前記センサ群からの前記センサデータを非線形フィルタに組み合わせて荷制御システムの位置、向き、及び運動からなる現在の状態を決定することと、
前記吊荷制御システムの前記決定された位置、向き、及び運動に応答して、前記吊荷制御システム上に水平推力ベクトル及びトルクを付与してそれにより前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えることとを行わせる命令を含む1つ又は複数のコンピュータ可読媒体であって、前記吊荷制御システム上に前記水平推力ベクトル及び前記トルクを付与してそれにより前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるために、前記命令は、前記吊荷制御システムコンピュータデバイスの前記プロセッサによる前記命令の実行に応答して、前記吊荷制御システムコンピュータデバイスにさらに、
第1のモータを第1の回転方向に動作させて前記第1のモータから第1の両端ドライブシャフトを介して第1の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第1のモータを第2の回転方向に動作させて前記第1のモータから前記第1の両端ドライブシャフトを介して第2の一方向ファンへトルクを伝達してそれにより前記第1の一方向ファンと前記第2の一方向ファンとの間で前記第1のモータからトルクを選択的に伝達させることと、
第2のモータを前記第1の回転方向に動作させて前記第2のモータから第2の両端ドライブシャフトを介して第3の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第2のモータを前記第2の回転方向に動作させて前記第2のモータから前記第2の両端ドライブシャフトを介して第4の一方向ファンへトルクを伝達させ、それにより前記第3の一方向ファンと前記第4の一方向ファンとの間で前記第2のモータからトルクを選択的に伝達させ、スラスト流体の流れによって前記吊荷制御システム上に前記水平推力ベクトル及び前記トルクを付与して前記吊荷制御システムの前記位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えることとを行わせるものであり、
少なくとも前記第1のモータは熱伝達構造を備え、前記熱伝達構造は、前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンによって生成されたスラスト流体の流れの中で前記第1のモータの周りに放射状に配列され、
少なくとも前記第1のモータ、前記第1の一方向ファン、及び前記第2の一方向ファンはいずれもケースによって取り囲まれており、前記ケースは前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンに対するスラスト流体の流れを収容し、前記第1の一方向ファンと記第2の一方向ファンとの間の中央に配置されたスラスト流体入口を備える、
ことを特徴とする、
コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記第1の両端ドライブシャフトと前記第1の一方向ファンとの間の第1のフリーホイールアセンブリと、前記第1の両端ドライブシャフトと前記第2の一方向ファンとの間の第2のフリーホイールアセンブリとをさらに備え、前記命令は、前記吊荷制御システムコンピュータデバイスの前記プロセッサに、さらに、前記第1のモータを前記第1の回転方向に動作させることによって前記第1のフリーホイールアセンブリを前記第1の両端ドライブシャフトに係合させて前記第1のモータから前記第1の一方向ファンへトルクを伝達し、前記第1のモータを前記第2の回転方向に動作させることによって前記第2のフリーホイールアセンブリを前記第1の両端ドライブシャフトに係合させて前記第1のモータから前記第2の一方向ファンへトルクを伝達することを行わせる、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記吊荷制御システムは、さらに、前記ロセッサ、モリ、前記第1のモータ、前記第1の両端ドライブシャフト、前記第1の一方向ファン及び前記第2の一方向ファンのハウジングを備え、前記吊荷制御システムはキャリアの下のサスペンションケーブルに固定され、荷は前記ハウジングへ固定される、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2019年11月26日に出願され、「BIDIRECTIONAL FAN」と題する米国仮特許出願62/940,550の非仮出願であり、その一部継続であり、その利益を主張してこの参照により組み入れられる。また、本出願は、2020年8月7日に出願され「SUSPENDED LOAD STABILITY SYSTEMS AND METHODS」と題する米国特許出願16/988,373の一部継続出願であり、その利益を主張してこの参照により組み入れられる。本出願は、2019年1月15日に出願された特許協力条約特許出願番号PCT/US19/13603の継続出願であり、2018年2月8日に出願され、「SUSPENDED LOAD STABILITY SYSTEM THROUGH SELF POWERED AUTOMATED ELECTRIC DUCT FAN CONTROL」と題する米国仮特許出願62/627,920、並びに2018年11月8日に出願され、「LOAD STABILITY SYSTEM FOR SUSPENDED LOAD CHAOTIC MOTION」と題する米国仮特許出願62/757,414の利益を主張すると共に参照に組み入れられる。


【0002】
本開示は、2つのファンと1つのモータとを含むファンアセンブリのための、及びそれに関連する改良された装置(1つ又は複数)、システム(1つ又は複数)、及び方法(1つ又は複数)に向けられる;ファンは一方向であってよく、対向する方向に配置されてよく、ファンアセンブリは、例えば、キャリア下のサスペンションケーブル(吊りケーブル)に吊荷を制御するために使用されてもよい。
【発明の概要】
【0003】
翼型(エアホイル)は、例えば、翼、ブレード、フィン、又は帆の断面形状である。流体(例えば空気又は水)中を移動する翼形状の物体は、物体に対して、揚力、推力、又は抗力などの力を発生させることがある。以下では、例えばプロペラのように回転軸の周りに1つの構造で放射状に配列された翼形体を「ファン」と呼ぶことがある。
【0004】
ファンは、その回転軸を中心に2つの方向、例えば、時計回りと反時計回りに回転してもよい。ファンは、どちらの方向にも回転し、どちらの方向にも等しい推力が生じるように設計されてもよい。例えば、対称翼を有するファンは、どちらの方向に回転したときにも等しい推力を生じさせることができる。このようなファンを本明細書では「双方向ファン」と呼ぶことがある。双方向ファンと比較して、代替的に、ファンは、一方向に回転したときに大きな推力、大きな揚力、低減された抗力、又は騒音を提供するように設計されている場合がある。このようなファンを本明細書では「一方向ファン」と呼ぶ。一方向ファン(単方向ファン)は、非対称な翼を有するブレードを有することができる。
【0005】
一方向ファンは、モータからの仕事をストラスト流体(推力流体)の加速に変換する際に、双方向ファンよりも効率的であると広く理解されており、ストラスト流体の加速は、揚力又は推力を提供するか、あるいは仕事を実行するものである。揚力又は推力が方向を有する場合、それは推力ベクトルと呼ばれることがある。
【0006】
システムが異なる推力ベクトルを出力することが望ましい状況がある;望ましい推力ベクトルは、180度離れているなど、反対である場合がある。例えば、多くのボートのプロペラは、(ボートの船首に対して)前方推力ベクトルを提供するために第1の方向に、又は逆推力ベクトルを提供するために第2の方向に操作される場合がある。
【0007】
しかしながら、また、指摘したように、プロペラ/ファンが一方向である場合、プロペラの動作は、方向のうちの1つにおいて効率が悪くなる;プロペラが双方向である場合、それは両方の方向において等しく効率が良くなるが、プロペラが一方向で主に動作する場合、それは一方向のプロペラよりも全体的に効率が悪くなるであろう。
【0008】
このような状況で単一の双方向ファンを使用することの代替案は、2つの別個のモータによって駆動される2つの一方向ファンを使用することである。しかし、2つのモータは、システムの重量及び複雑さを増加させる可能性があり、そのいずれか又は両方が、システム全体の効率に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
反対の推力ベクトルを出力するシステム又は装置が望ましい状況は、人及び/又は装置(「荷」)が、ホイストシステムを使用して、ヘリコプター、飛行機、又はクレーンからケーブルで吊られた荷としてある場所に又はある場所から搬送されるときに発生する。クレーン、ヘリコプター、固定翼機、及びホイストシステムで荷を運ぶことができる他の構造物を、本明細書では「キャリア」と呼ぶことがある。このような操作の間、荷は、荷を不安定な、望ましくない、又は危険な状態で動かす原因となり得る風及び他の外部及び内部要因にさらされる。このような操作の間、荷をキャリアの下方の最低エネルギーの吊り位置以外の場所に移動させることが望ましい場合がある。そのような操作の間、1つ以上の推力ベクトル源から可変推力を出力するシステムを使用することが望ましい場合があり、ここで、推力ベクトル源は、互いに固定の幾何学的関係を有する場合がある。このような操作において、複数の推力ベクトル源は、「ベクトル推力制御」の原理で動作して、互いに対向することができる。
【0010】
ホイスト、スリング、及び他のキャリア操作において、吊られた荷の観察される運動は、以下の成分を含む:Y軸に沿った垂直(鉛直)方向の並進(上下の運動)(本明細書では「垂直方向の並進」と呼ぶ)、X軸及びZ軸のいずれか又は両方に沿った水平方向の並進、及びY軸の周りの回転すなわち「ヨー」である。ロール(X軸を中心とした回転)及びピッチ(Y軸を中心とした回転)も発生する可能性があるが、浮力がない状態でケーブルによって荷が吊り下げられている場合、典型的な運動は垂直移動、水平移動、及びヨーになる。垂直及び水平方向の移動は、キャリアの移動、サスペンション(吊り)ケーブルの引き込み・払い出し、荷の移動、荷とキャリアの運動量の違いや、風(プロップウォッシュ(propeller wash)を含む)、外力などによるサスペンション(吊り)ケーブルの移動で発生することがある。水平方向の移動は、横方向の動きとして、又はケーブルがキャリアに固定されている場所を振り子の枢軸点とする、荷の円錐形の振れ運動(「振り子運動」)として現れることがある;振り子運動は、荷が前後に加えて上下に揺れるので、一般に、垂直(鉛直)方向の移動の成分も含む。
【0011】
ヨー、横方向の動き、及び振り子運動は、リフト作業を複雑にし、遅れを生じさせ、航空機乗務員、クレーンオペレータ、及び地上の人々の死亡又は負傷につながる可能性がある。ヨーは人間にめまいや方向感覚の喪失をもたらすことがある。また、ヨーや横揺れや振り子運動は、荷の搬入や搬出にも支障をきたすことがある。例えば、船の甲板への荷の搬入は、甲板が安定しており、ヒーブ、ロール、又はピッチも受けない場合であっても、荷の振り子運動又はヨーによって著しく複雑になる可能性がある。
例えば、担架に乗せた人をヘリコプターに運び込んだり、ヘリコプターのストラットに乗せたりすることは、担架がヘリコプターに引き寄せられる際にヨーや振り子運動を受けると危険な場合がある。荷の望ましくない運動の1つ以上の成分は、荷がキャリアに引き寄せられ、サスペンションケーブルが短くなるにつれて、加速されるか、より顕著になる可能性がある。また、荷の水平運動及び振り子運動は、キャリアと相互作用して、キャリアに危険な又は望ましくない反応又は同調運動を生じさせる可能性がある。
【0012】
さらに、いくつかの吊荷作業には、地表、崖壁、建物、橋、木の枝、張り出し、狭い通路などの障害物や、キャリア、荷、及び/又はサスペンションケーブルの1つ以上と干渉する可能性のある他の障害物がある場合がある。そのような障害物に対して、又は他の理由から、荷をキャリアより下の最低エネルギー位置で吊り下げない方法で、移動させることが望ましい場合がある。
【0013】
ドローン又は海洋船舶を利用するものなどの他の操作も、動きを制御するためにファン及びモータを利用することができる。ドローンは、典型的には、揚力のためにその上方に位置するプロペラを有し、狭い空間において横方向に操縦することによっても利益を得ることができる。船舶は、船首スラスタや船尾スラスタなどの横型推進装置を用いて、船首や船尾を主推進スラスタとは異なる方向に向けることが多い。これらの装置は、しばしばトンネルスラスタと呼ばれ、小型の可逆性電気モータによって駆動される1つ又は複数のプロペラを有して、いずれかの方向に推力を提供することができる。しかし、これらの装置は、各方向のためのモータ及びファンを有するか、又は単一のモータ及び単一の双方向ファンを使用することができる。追加のモータの使用は、追加のシステム重量をもたらす可能性があり、双方向ファンの使用は、効率が悪くなる可能性がある。
【0014】
操縦が必要なシステムの性能は、システムのファンが出力できる推力ベクトルの大きさ、推力ベクトルが方向を切り替えることができる速度、及び希少で高価なバッテリー電力をそのような推力ベクトルに変換するシステムの効率によって制限される場合がある。これらの要因から、それぞれが独自のモーターを持つ一方向のファンを使用するインセンティブが生まれる。しかしながら、複数のモータは、重量及びシステムの複雑さを増加させる可能性がある。
【0015】
従って、利用可能な電力で最大の力ベクトルを依然として出力しながら、操縦装置の電力消費、サイズ、及び重量を低減する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態による双方向スラスト(推力)アセンブリを示す図である。
図2図2は、実施形態に従った、双方向スラストアセンブリ構成部品を示す。
図3図3は、実施形態による、双方向スラストアセンブリの断面を示す図である。
図4図4は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ内で使用するためのモータを示す図である。
図5図5は、実施形態による、選択的動力伝達機構内で使用するための爪車を示す図である。
図6図6は、実施形態による、選択的動力伝達機構内で使用するためのラチェットホイールを示す図である。
図7図7は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ内で使用するためのファンを示す図である。
図8図8は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ内で使用するためのステータを示す図である。
図9図9は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ内で係合解除されたソレノイドを示す図である。
図10図10は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ内で係合されたソレノイドを示す図である。
図11図11は、実施形態による、フェザリング(feathering)を示す図である。
図12A図12Aは、実施形態による、吊荷制御システムを構成する双方向スラストアセンブリと共に使用され得るリモートペンダントの背面立面図である。
図12B図12Bは、実施形態による、図12Aのリモート・ペンダントの斜視図である。
図12C図12Cは、実施形態に従った、図12Aのリモートペンダントの正面立面図である。
図13図13は、一実施形態による、双方向スラストアセンブリと共に使用するための吊荷制御システム論理構成要素及びリモートインターフェース論理構成要素を概略的に示す図である。
図14図14は、一実施形態による、複数のモード又はコマンド状態を含む、双方向スラストアセンブリと共に使用するための吊荷制御システム操作モジュールを示す図である。
図15図15は、一実施形態による、双方向スラストアセンブリと共に使用するための吊荷制御システム決定及び推力制御モジュールを示す図である。
図16図16は、一実施形態による、荷に固定された双方向スラストアセンブリを含む吊荷制御システムの第1の例の図を示す。
図17図17は、実施形態による、荷に固定された双方向スラストアセンブリを含む吊荷制御システムの第2の例の透視図である。
図18図18は、実施形態による、荷に固定された双方向スラストアセンブリを含む吊荷制御システムの第三の例の透視図を示す。
図19図19は、いくつかの実施形態による、双方向スラストアセンブリの追加例を示す。
図20図20は、実施形態による、ヒートシンク及び支持フレームを有するモータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1つの双方向ファンと1つのモータは、それぞれが独自のモータを有する2つの一方向ファンと比較すると、効率は落ちるが、対向する推力ベクトルに沿って双方向スラストを提供するために使用され得る。しかしながら、2つの一方向ファンに動力を供給するための2つのモータの使用は、単一の双方向ファン及び単一のモータと比較して、重量、システムの複雑さ、及びより多くの物理的スペースを増加させる。
【0018】
本開示は、これらの問題に対処し、各ファンのためのモータを必要とする代わりに、いずれかの回転方向で2つの一方向ファンを駆動するために単一のモータを使用してデバイス操縦の成功に必要な推力を提供し得る双方向スラストアセンブリ(双方向推力アセンブリ)に関するものである。このように、開示されたアセンブリは、よりコンパクトなソリューションを提供し、例えば、1つのモータと1つの双方向ファン又は2つのモータと2つの一方向ファンからなるシステムよりも少ない電力を消費し、従って、ここに開示された双方向スラストアセンブリを組み込む操縦システムの電池寿命を延長させることができる。
【0019】
本明細書に開示されるような双方向スラストアセンブリから利益を得ることができる状況の一例は、吊荷制御システムである。吊荷制御システム又は荷安定システム(共に「SLCS」と称す)は、荷の位置又はその付近で電気ダクトファンに見られるようなスラスタ、ファン、又はプロペラから力ベクトルを出力することによって、キャリアから独立して、荷を制御し得る。スラスタ、ファン、プロペラ、及び電動ダクト式ファンは、本明細書では「EDF」と呼ばれ、又は「ファン」と呼ばれることがある。SLCSのEFSは、対向する一対のファンで構成されてもよい。EDFによって生成される力ベクトルは、ヨー及び振り子運動を打ち消すために使用されてもよく、障害物を回避するため、又は通常の最低エネルギー吊り下げ位置に対してオフセット位置に荷を移動させるためなど、荷を水平に並進させるために使用されてもよく、それ以外に、キャリアから独立して、荷の細かい位置及びヨーを制御するために使用されてもよい。その結果、SLCSは、キャリア(運搬装置)の動きとは別に、荷の細かい位置とヨーを動的に制御するため、ミッションの安全性を高め、キャリアと荷の操作の性能を向上させることができる。
【0020】
SLCSは大量の電力を消費するため、SLCSの電力はバッテリパックによって提供されることがある。バッテリパックの電力が限られていると、SLCSの任務(ミッション)と操作の有効性が制限される可能性がある。さらに、SLCSは、力ベクトルの急激な変化から恩恵を受けるか、又は、力ベクトルの急激な変化を必要とする場合がある。また、SLCSは、力ベクトルの生成の高い効率から恩恵を受けるか、又はそれを必要とする場合がある。さらに、SLCSと荷を運搬するキャリアは、限られた吊り上げ能力を持つ可能性があるため、 SLCSは、軽量化から恩恵を受けるか、又は軽量化を必要とする場合もある。
【0021】
垂直離着陸機(VTOL)や軽量航空機(”lighterthan-air aircraft”:空気より軽い航空機)も、移動中に横方向に操縦するため、又は離着陸中に安定化するために、反対方向の推力ベクトルを出力することができるスラスタから利益を得ることができる。VTOL構成は、固定翼機、ヘリコプター、ロケット、シクロコプター、ティルトローターなど、ドローンから乗客及び貨物機までの乗り物に見られることがある。軽量航空機には、飛行船、熱気球、及び類似の乗り物が含まれることがある。これらの機体は、横方向の推力を提供するためにファン及びモータを使用することができ、また、反対方向の推力ベクトルを出力することができるスラスタシステムから利益を得ることができる。
【0022】
下向きの推力又は浮力は、VTOLや軽量航空機の機体を地面から持ち上げる揚力を提供するが、追加のスラスタは、所望のコースに沿って機体を方向付けるために、又は機体のヨーを引き起こすためのトルクを提供するために、横方向の力を提供することが必要となる場合がある。ファン及びモータの構成は、この操縦及び原動力を付与するために使用され得るが、複数の一方向モータに電力を供給する複数のモータの使用は、重量、システムの複雑さを増し、当該航空機にスペースを必要とする。そのような航空機は、本明細書に開示された軽量、小フットプリント、低電力の双方向スラスタシステムによって付与された、強化された敏捷性からの利益を得ることができる。
【0023】
開示されたシステム及び方法は、操縦される物体の少なくとも一部を必要とするあらゆる操作において使用され得る。例示的な操作は、ホイスト操作、ドローン配送システム、及び海洋船舶のトンネルスラスタを含むことができるが、これらに限定されるものではない。従って、システムが動作する媒体は、空気又は水などの任意の流体であってよいが、これに限定されるものではなく、流体は、「スラスト流体」と呼ばれてもよい。例えば、流体入口へのいかなる言及も、空気入口に置き換えてもよいし、その逆でもよい。以下の実施例におけるシステム及び方法は、当業者によって、過度の実験や負担なしに他の用途に適合させることができる。
【0024】
双方向スラストアセンブリは、モータと、選択的動力伝達機構と、複数の一方向ファンとを含んでいてもよい。
【0025】
モータは、両端ドライブシャフト(ダブルエンドドライブシャフト)を含んでいてもよく、モータは、両端ドライブシャフトを時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに回転させるように構成されていてもよい。
【0026】
選択的動力伝達機構は、例えば、複数のフリーホイールアセンブリ、複数のクラッチアセンブリ、及び又は双方向ドライブトレインを含んでいてもよい。複数のフリーホイールアセンブリは、それぞれ、爪車とラチェットホイール(ラチェット車)とを含んでいてもよい。爪車は、爪と、爪をラチェットホイールに係合させる爪係合機構と、を含んでもよい。ラチェットホイールは、ラチェットホイールのハブの内径に沿った歯を含み、歯は、爪が歯と一方向にのみ係合できるように構成されてもよい。選択的動力伝達機構は、両端ドライブシャフトの第1の端部と第1のファンとの間の第1のフリーホイールアセンブリと、両端ドライブシャフトの第2の端部と第2のファンとの間の第2のフリーホイールアセンブリとを含んでいてもよい。第1のフリーホイールアセンブリは、モータが第1の方向(例えば時計回り)に駆動されるときに、トルクなどの動力をモータから第1のファンに伝達するように構成されてもよく、第2のフリーホイールアセンブリは、モータが第2の方向(例えば反時計回り)に駆動されるときに、トルクをモータから第2のファンに伝達するように構成されてもよい。このように、選択的動力伝達機構は、モータの回転方向に基づいて、第1のファン又は第2のファンのいずれかに選択的に動力を供給してもよい。
【0027】
双方向スラストアセンブリのステータは、ファンの下流に存在してもよい。ステータは、ファンによって生成された推力を方向付けるか又は増強するように構成された複数の固定フィンを含んでいてもよい。
【0028】
双方向スラストアセンブリのケース又はそれを含むケースは、ストラスト流体入口と2つの出力ポートを含んでもよい。双方向スラストアセンブリのモータ、選択的動力伝達機構、及びファンは、ケース内にあってもよい。各ファンは、出力ポートに近接して、又は出力ポート内に配置されてもよい。
【0029】
実施形態では、各ケースは、双方向スラストアセンブリの中心部分又はその近くに配置されたメッシュ状又はスクリーン状のスラスト流体入口を含んでいてもよい。中央のメッシュ状スラスト流体入口構成が、例として図に示されているが、スラスト流体がファンに流れることを可能にする任意の開口部が使用されてもよい。
【0030】
双方向スラストアセンブリは、コントローラによって制御されてもよい。実施形態では、回路、モジュール、ソフトウェアで具現化されたアルゴリズム、又は他のシステム(「推力制御モジュール(スラスト制御モジュール)」)は、双方向スラストアセンブリを制御して、双方向スラストアセンブリが出力する推力の方向(例えば、出力推力ベクトルを制御するために)及び双方向スラストアセンブリのファンによって出力する推力ベクトルの大きさを制御してもよい。1つ以上の双方向スラストアセンブリは、推力制御モジュールによって、横方向の力又はトルクを出力し、それによって、荷を安定させる、荷の経路を制御する、航空機を操縦する、などのように、荷を制御するために使用されてもよい。SLCSに組み込まれる双方向スラストアセンブリの例は、図16図17、及び図18に関連して図示され、詳述される。推力制御モジュールに入力を提供するために使用され得るリモートペンダントの例は、図12に関連して図示され、詳述されている。推力制御モジュール及び又はリモートペンダントを実装するための論理的構成要素の例を、図13に図示して説明する。推力制御モジュールの例は、図14及び図15に関連して図示され、詳述されている。
【0031】
両端ドライブシャフトの両端にファンを有する両端ドライブシャフトを有するモータを含む実施形態では、モータは、いずれかの方向に回転させられてもよく、選択的動力伝達機構は、モータの回転方向に応じてファンが推力ベクトルを生成するようにしてもよい。
【0032】
実施形態では、双方向推力アセンブリは、第2のファンがモータから動力を受け取るときなど、第1のファンが回転するのを防止するためのブレーキを含んでいてもよい。実施形態において、ブレーキは、図9及び図10に関連して詳述されるように、磁石からなる摩擦のないブレーキであってもよい。ブレーキは、双方向スラストアセンブリが推力ベクトルをより迅速に変更することを可能にし、双方向スラストアセンブリがより効率的に動作することを可能にし、双方向スラストアセンブリを通るスラスト流体の流れを安定させてもよい。
【0033】
図1は、実施形態に従った双方向スラストアセンブリ100を図示している。双方向スラストアセンブリ100のいくつかの構成要素又はすべての構成要素は、ケース102内に収容されてもよい。ケース102は、流体入口104及び2つのインライン出力ポート106(直列出力ポート)を含むことができる。
【0034】
流体入口104は、ケース102の円周の周りに、ケース102の長さに沿って実質的に中間に位置してもよい。流体入口104は、物体がケースに入り、双方向スラストアセンブリ100の機能を損傷又は阻害することを防ぐために、メッシュ、又は他のタイプの開口部によって保護されてもよい。ケース102のプロファイルは、スラスト流体の流れを最大化しつつ、スラスト流体をファンの方に向けるように設計してもよい。
【0035】
ケース102の各端部において、ファンの回転軸によって画定される線に沿って、ケース102は出力ポート106を有してもよい。ケース102は、軸方向及び半径方向の中心位置にモータを取り付けるための構造、並びにステータ800を取り付けるための構造を有していてもよい。ステータ(複数可)800は、出力ポート(複数可)106内に配置されてもよい。
【0036】
図2は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ構成要素200の例を示している。この例では、双方向スラストアセンブリ構成要素200は、ケース102、モータ400、複数のフリーホイールアセンブリ208A及び208B、複数のファン700A及び700B(これらは「ファンブレードアセンブリ」とも呼ばれ得る)、及び複数のステータ800A及び800Bを含んでいてもよい。ケース102内では、モータ400は、モータ400の回転軸が、図2に破線で示されるように、ケースの長い(長手方向の)中心軸に沿うように、中心位置(軸方向及び径方向の両方)に取り付けられてもよい。モータ400内には、軸402A及び402Bがあり、これらは両端ドライブシャフト(ダブルエンドシャフト)の2つの端部(エンド)であってもよい(「軸」、「ドライブ-シャフト」、及び「ドライブシャフト」は、本明細書では、同義語であってよい)。
【0037】
各フリーホイールアセンブリ208A及び208Bは、モータ400の各端部から突出した軸402A及び402Bに固定されてもよい。各フリーホイールアセンブリ208は、図5及び図6に関連して図示され、さらに詳述される、爪車500及びラチェットホイール600を含んでいてもよい。爪車500は、モータ400に固定されてもよく、本明細書でさらに論じるように、モータ400の回転方向に応じて、駆動力又はトルクをモータ400からラチェットホイール600、次いでファン700に選択的に伝達するように構成されてもよい。
【0038】
実施形態において、フリーホイールアセンブリ208は、例えば、軸402を介してモータ400からトルクなどの動力を伝達するか又は伝達しないように係合又は解除され得るクラッチであってもよく、又はそれらを含んでいてもよい。
フリーホイールアセンブリ208がクラッチである又はクラッチを含む実施形態では、クラッチは、ソレノイドなどによるクラッチ作動機構によって能動的に係合または解除されてもよい。このような能動的係合機構は、例えば、軸402上のスリップリングなどを介した電気的接続から電力を得てもよい。
フリーホイールアセンブリ208がクラッチである又はクラッチを含む実施形態では、クラッチは、クラッチ作動機構によって、、例えば回転方向及び慣性(例えば、遠心クラッチのように)などにより、油圧クラッチ作動機構などを介した、爪係合機構506、ポケット510、および爪車500と同様の方法で、、受動的に係合又は解除されてもよい。
【0039】
フリーホイールアセンブリ208がクラッチである又はクラッチからなる実施形態では、フリーホイールアセンブリ208は、例えば、爪車500及びラチェットホイール600を有しなくてもよく、代わりに、例えば、駆動列(ドライブトレイン)の二つの面、クラッチパッドとクラッチ面とを、一緒にロックするために係合するソレノイドを有し、クラッチパッドとクラッチ面間との間に摩擦を生じさせ、それによってクラッチパッドの第1の面からクラッチ面を有する第2の面へトルクを伝達するために、アクチュエータを備えていても良い。
【0040】
ファン700は、図示されている以外の向きの個々の翼型を有していてもよい。図示された翼は非対称であり、これは、ファン700が一方向ファンである例を説明することを意図しており、双方向ファンの対称翼よりも大きな推力を提供し得る。実施形態において、ファン700の翼形は、ファン700A及び700Bの各個体が双方向性である場合のように、対称的であってもよい。
ファン700に図示された翼形は、本明細書の図面上、誤った方向に向いているかもしれない;翼形は、より適切には、スラスト流体がモータ400及びファン700によってケース102から推進されるように、翼形のより厚い端がファンの先端となるように、流体入口104に近接して方向付けられてもよい。
【0041】
モータ400からのトルクが爪車500によってラチェットホイール600に伝達され、ファン700の回転と、ケース102及び出力ポート106からのスラスト流体の加速とが引き起こされるように、ファン700はラチェットホイール600に固定されてもよい。
【0042】
実施形態では、ラチェットホイール600又は双方向スラストアセンブリ100の他の部分は、1つ又は複数の制動手段で構成されてもよい。制動手段は、摩擦ベースの制動装置又は無摩擦の制動装置を含んでいてもよい。摩擦ベースの制動手段は、例えば、ディスクブレーキ又はドラムブレーキを含んでいてもよい。摩擦なしブレーキ装置の一例が、図9及び図10に関連して図示され、説明される。概要において、ハブ磁石212は、例えば、ファン700、ラチェットホイール600などに取り付けられてもよい。ソレノイド210は、モータ400、ケース102、又は双方向スラストアセンブリ100の他の非回転部分に取り付けられてもよい。ソレノイド210は、磁石又は強磁性材料から構成されてもよい。ソレノイド210は、ソレノイド210の磁石又は強磁性材料がハブ磁石212に近接するように、電流などによって係合又は伸長(延展)されてもよい。そのように係合又は伸長されると、ソレノイド210の磁石は、ハブ磁石212に引力を加え、それによってフリーホイールアセンブリ208及びファン700の回転を減速又は防止し、それによって対応するファン700の摩擦のない制動を提供することができる。ファン700の制動は、無摩擦であろうとなかろうと、例えば、ファン700からの推力ベクトルを急速に減少又は除去するため、ストラスト流体の流れを滑らかにするため、音を低減するため、無線障害の生成を低減するため、等に実行されてもよい。これは一例であり、ファン700の摩擦ベース又は摩擦なしの制動を提供するために、他の手段を提供してもよい。
【0043】
ファン700は、ステータ(固定子)800の、又はステータ800の方へ延びる、固定シャフトなどのシャフトに結合されてもよい。ベアリング214は、ステータ800のシャフトの周りでファン700を半径方向に支持し、それによって、モータ400によって駆動されるときにファン700が回転するときの摩擦を低減することができる。
【0044】
ステータ800は、回転するファン700によって推進される空気流又は移動するスラスト流体の空気力学的制御を提供し得る。ファン700によって推進されるスラスト流体が回転成分を有する場合、固定子800は、かかる回転成分の一部又は全部を除去してもよく、これは、乱流を低減してもよく、騒音を低減してもよく、かかる回転エネルギーの成分を追加のスラストとして回復してもよく、又はそれ以外に、双方向スラストアセンブリ100の効率的又は望ましい動作特性を向上させてもよい。
【0045】
図3は、実施形態による、双方向スラストアセンブリ100の断面300を示す。この実施形態では、(図3の見る人の視点から)モータ400の左側にあるアセンブリは、モータ400が反時計回り方向302(固定子800Aを見て、双方向ファンアセンブリ100を覗く人に対して時計回り及び反時計回り)に回転するとき、モータ400から離れる方向に推力及び推力ベクトルを提供するように構成される。モータ400の右側にあるアセンブリは、モータ400が時計回り方向304に回転するとき、モータ400から離れる反対方向の推力及び推力ベクトルを提供するように構成される。
【0046】
モーター400が、推力制御モジュール(その例は、吊荷制御システム操作モジュール1400及び又は吊荷制御システム決定及び推力制御モジュール1500に関連して図示及び詳述される)などにより、反時計回り方向302に回転するとき、フリーホイール208Aは、ファン700Aへトルクを伝達し、それによってファン700Aを回転させるために噛み合う(係合する)ことができる。ソレノイド210は、ファン700Aに対してブレーキ効果を有しないように、作動しないようにされてもよい。ソレノイドの解除及び係合は、図9及び図10により詳細に図示されている。前述のように、ファン700Aの回転は、流体入口104から出口ポート106Aの外にスラスト流体の流れを発生させ、その方向にモータ400から離れる推力ベクトルを形成することができる。そのような状況下で、フリーホイールアセンブリ208Bは、モータ400からのトルクがファン700Bに伝達されないように、ファン700Bから離脱(解除)することができる。本明細書で論じるように、フリーホイールアセンブリ208Bは、独立して動力を与えられるアクチュエータを用いずに、モータ400の回転方向のみに基づいて、受動的に解除してもよい。そのような状況下で、ファン700Bが回転するのを防止するために、代わりにソレノイド210Bが、推力制御モジュールなどにより係合されてもよい。ソレノイド210の係合された構成は、図10に関連して図示され、詳述される。
【0047】
モータ400が、推力制御モジュール(その例は、吊荷制御システム操作モジュール1400及び又は吊荷制御システム決定及び推力制御モジュール1500に関連して図示され詳述される)などにより、時計回り方向304に回転するように切り替えられると、フリーホイールアセンブリ208Aが離脱(解除)し、従ってファン700Aへのトルク伝達を停止させてもよい。ソレノイド210Aは、推力制御モジュールなどにより係合されて摩擦のない制動力でファン700Aの運動を減速又は停止させてもよい。モータ400が、推力制御モジュールなどにより時計回り方向304に回転するように切り替えられると、フリーホイールアセンブリ208Aは、もはやファン700Aにトルクを伝達しないように係合を解除してもよく、フリーホイールアセンブリ208Bは、係合してトルクをファン700Bに伝達してもよい。本明細書で詳述したように、フリーホイールアセンブリ208A又は208Bのいずれかに作用する独立に動力を与えられたアクチュエータなしに、モータ400の回転方向のみに基づいて、フリーホイールアセンブリ208Aは受動的に離脱(解除)し、フリーホイールアセンブリ208Bは受動的に係合することができる。そのような状況下で、ソレノイド210Bは、ソレノイド210Bがファン700Bに制動力を及ぼさないように、推力制御モジュールなどにより、係合を解除されてもよい。そのような状況下で、モータ400からのトルクによるファン700Bの回転は、流体入口104から出口ポート106Bの外にスラスト流体の流れを発生させ、その方向にモータ400から離れる推力ベクトルを形成し得る。
【0048】
モータ400がオフのときはソレノイド210A及び210Bの一方又は両方が作動してもよい。
【0049】
本明細書で詳述したように、ファン700A及び700Bによって生成される2つの推力ベクトル(の向き)は、反対であってもよい。2つの推力ベクトルの間の交替、又は推力ベクトルの停止は、モータ400の回転方向を変更することによって、又はモータ400をオフにすることによって、達成されてもよい。双方向推力アセンブリ100のファン700A及びファン700Bによって生成される推力ベクトルは、単一の双方向ファンによって生成される推力ベクトルよりも効率的であり得る。1つのモータだけで、双方向推力アセンブリ100は、それぞれが別々のモータによって駆動される2つの一方向ファンを有するアセンブリよりも少ない部品を有し、より単純であり、より軽量であり得る。
【0050】
図4は、実施形態に従ったモータ400を示す。モータ400は、いくつかの実施形態においてモータ400を貫通する連続した軸又は両端ドライブシャフト404の両端である軸402A及び402Bを有してもよい。このように、モータ400は、双方向回転408の2つのモード(軸402Aに近接し、軸402Bに向かって見ている者に対して、時計回り及び反時計回り)のうちの1つで、単一の回転軸406の周りに両端ドライブシャフト404を駆動してもよい。
【0051】
ドライブシャフトの各端部が別個のファンを駆動するように、両端ドライブシャフトが使用されてもよい。モータ400は、いずれの方向にも回転することができるようにしてもよい。実施形態におけるモータ400は、ブラシ付き電気モータであっても、ブラシレス電気モータであってもよい。モータ400の回転方向は、例えば、電子速度制御器、整流子、及び制御システムの他の論理構成要素と相互作用してモータ400の回転方向を制御することができる推力制御モジュールによって制御されてもよい。
【0052】
図3に示されるように、モータ400は、アセンブリの軸方向長さとアセンブリの半径方向幅の両方に関して、双方向スラストアセンブリ100のケース102内の中心に配置されてもよい。支持フレームワーク又は複数の支持構造体が、モータ400をこの場所に保持し、又は安定させてもよい。このような支持体は、モータ400、ソレノイド、又はケース102内の他の電気部品のための電力又は制御信号を伝送するケーブルのための取り付け又は導管(コンジット)を提供することもできる。
【0053】
モータ400は、ヒートシンク、熱伝達構造、ラジエーターなどを含んでいてもよい。実施形態では、1つ以上のラジエータフィン410が、モータ400から、ケース102内に引き込まれるスラスト流体の流れに突出してもよい。モータ400の巻線は、ラジエータフィン410に近接してもよく、モータ400の永久磁石は、軸402に近接してもよく、ラジエータフィン410に近接した巻線において発生した熱は、ラジエータフィン410からスラスト流体などの周囲の流体に放射又は他の方法で伝導されてもよい。
【0054】
モータに関連するヒートシンクと支持フレームワークの追加実施形態が、図20に関連して図示され、詳述されている。
【0055】
図5は、実施形態による爪車500を示す。爪車500は、フリーホイールアセンブリ208の一部であってもよい。ファン700A及び700Bにトルクを伝達するためのフリーホイール208A及び208Bの係合又は離脱(解除)は、モータ400の回転方向に依存し得る。フリーホイール208は、それぞれが独立して一度に(同時に)1つずつ係合するように構成されてもよく、モータ400の回転方向に基づいてファンが係合又は解除されることを可能にし、それによって、荷を安定化又は制御するために使用され得る双方向推力ベクトルを生成することができる。爪車500は、フリーホイール208の駆動部分であってよく、そのようなものとして、軸402に直接固定されてもよい。
【0056】
図5に示される例では、爪車500は、ベースホイール502、複数の爪504、及び複数の爪係合機構506を含む。いくつかの実施形態において、複数の爪504の各々は、ヒンジ508を有してもよく;ヒンジ508は、ヒンジ肩部503に固定してもよい。実施形態において、複数の爪係合機構506は、ボール又はロッドであってもよく、これらの各々は、爪504が引っ込められたときにベースホイール502のポケット510内に位置する。
実施形態において、ポケット510は、爪車500が(図5を見ている者に対して)時計回り方向に回転するとき、慣性力が爪係合機構506をポケット510の隅に押し下げ、爪車500が(図5を見ている者に対して)反時計回り方向に回転するとき、慣性力は、爪係合機構506を爪504に向かって駆動し、爪504をヒンジ508の周りで回転させ、外側512に移動させ、(図6に例示される)ラチェットホイール600の歯602と係合させる。実施形態において、ばね荷重又は別の力は、複数の爪係合機構506を、関連する爪の下側に対して、ポケット510から外側に押圧させ、爪504を、ヒンジ508の周りで回転させ、外側512に移動させ、(図6に例示される)ラチェットホイール600の歯602と係合させ得るか又はさらに起こし得る。
【0057】
図6は、実施形態に従ったラチェットホイール600を示す。ラチェットホイール600は、フリーホイール208の駆動部分であってよく、そのようなものとして、ファン700に直接取り付けられてもよい。ラチェットホイール600は、ラチェットホイール600内の内径又は開口部に切り込まれた、又はその周りに配置された1つ以上の歯602を含んでよく、歯602は、モータのトルク方向などに応じて、爪車500の爪504に、又はそれに対して、係合、又は解除されてもよい。
【0058】
歯602の各々は、長歯面604及び短歯面606を有してもよく、爪係合機構506によって駆動される爪504は、短歯面606に接触し、ベースホイール502からヒンジ肩503、歯602を経由して、ラチェットホイール600へ、そしてファン700へと、トルクを伝達してもよい。このようにして、爪車500は、モータ400が一方向に回転するときにのみ、ラチェットホイール600内で回転することができる。図6に示される例では、ラチェットホイール600の底部歯を見ると、長歯面604は、右から左へ緩やかな角度で傾斜している。
【0059】
爪車500がラチェットホイール内で反時計回りに回転すると、長歯面604の緩やかな傾斜は、爪504を押し下げ、爪係合機構506をポケット510内に維持するように作用し得る。これは、爪車500が、短歯面60と係合することなく、ラチェットホイール600内で回転することを可能にし、従って、ラチェットホイール600及び関連するファンには、トルク又は回転力を全く伝達しないか、又は最小限しか伝達されない。
【0060】
この動作モードでは、ラチェットホイール600は、磁石スロット608内に位置することができるハブ磁石又は強磁性材料に、磁気的引力を及ぼすように係合される1つ又は複数のソレノイド磁石などの制動手段によって、所定の位置に保持されることができる。
【0061】
モータ400の方向が逆になって、爪車500が時計回りに回転し始めると、短歯面606の急角度が爪504の先端を捉えるように作用して、爪車500をラチェットホイール600の歯602に結合させることができる。モータ400によって駆動される爪車500の回転及びトルクは、ラチェットホイール600、従って関連するファン700に伝達され、ファン700を回転させ、スラスト流体を加速させ、ケース102及びケース102に固定されたより大きな構造体に力ベクトルを付与する。
【0062】
図7は、実施形態によるファン700の一例を示す。ファン700は、ブレード704によって囲まれ、中央に位置する軸方向開口部706を備えるファンハブ702を含んでいてもよい。
【0063】
ファン700のブレード704は、スラスト流体へのエネルギーの伝達及びそれによって推力ベクトルの出力を最適化するように設計されてもよい。各ブレード又は翼の断面プロファイル、各ブレードの長さに沿った曲率、及び各ブレードがファンハブ702に接する角度は、変化させてもよい。変化は、一方向ファンのように一方向に回転させたときの推力を改善してもよいし、いずれの回転方向でもファン700の動作を可能にしてもよい。一方向ファンは、非対称の断面を有していてもよく、一方、双方向ファンは、対称の断面を有していてもよい。いくつかの実施形態では、ファンブレード704は、所望の推力性能に基づいて自動的にフェザリングする(すなわち、曲率及び角度を調整する)ように構成されてもよい。
本明細書で指摘したように、ファン700に図示された翼は、誤った方向に向いている場合があり、翼は、モータ400及びファン700によってケース102から推進されるときに、翼のより厚い端部がファンの先端であるように、流体入口104に近接してより適切に方向づけられてもよい。
【0064】
軸方向開口部706は、図2に関連して図示され詳述されるように、ファン700が、例えば、ケース102及び又はステータ800のシャフトに固定された構造体に、ベアリングによって結合されることを可能にし得る。軸方向開口部706内に位置するベアリングは、ファン700を出口フィンシャフト806及び又はステータ800上で安定させ支持し、ファン700が回転する際の摩擦を低減させることができる。
【0065】
ラチェットホイール600は、ファンハブ702に固定されてもよい。この態様において、モータ400からのトルクは、フリーホイールアセンブリ208を駆動し、ファン700を回転させ、スラスト流体を加速させ、ケース102、及びSLCS又は他の操縦物体又はクラフト(船舶、航空機などの乗り物の意)などのケース102に固定された物体に力ベクトルを付与し得る。
【0066】
図8は、実施形態に従ったステータ800を示す。各出力ポート106は、その内部に、ステータ800を含んでいてもよい。ステータ800は、複数のステータフィン802と、フェアリング804と、出口フィンシャフト806とを含んでいてもよい。
【0067】
ファンとは異なり、ステータ800のフィンは、固定され剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、ステータフィン802の外縁は、ケース102に固定されてもよい。ファンブレードは、スラスト流体の加速を通じてスラスト(推力)を生成するのに不可欠であり得るが、スラスト(推力)は、ステータフィン802によって達成され得るように、出口を通る乱流が最小化されると、より効率的かつ有効であり得る。代替実施形態又は理論において、ファン700からのスラスト流体の回転コンポーネント(回転成分)はステータフィン802に力を伝え得る。代替実施形態又は理論において、ステータフィン802は、空力フェアリング804に沿うなどの、所望の方向にファンからのスラスト流体を集中するように設計されても良い。
【0068】
固定子800は、従って、所望の方向における力ベクトルの双方向推力アセンブリによる生成を強化し得る。
【0069】
固定子800がケース102内に剛性的に固定されている状態で、出口フィンシャフト806は、図2及び図7に関連して図示及び説明したように、ファン700に対して安定的かつ静止したマウントを提供することができる。
【0070】
図9は、実施形態による、係合解除されたソレノイド900を示す。摩擦ベースのブレーキ又は摩擦なしのブレーキなどのブレーキは、一方又は両方のファンに対して実施されてもよく、他方が回転している間に一方に対して作動されてもよく、又は非作動にされてもよい。ファンにブレーキをかけると、そのようなファンによる推力ベクトルを停止させることができ、気流をスムーズ(流線形)にし、騒音を低減するなどができる。ブレーキ手段の一例を図9及び図10に示す。図示の例では、例えばフリーホイールアセンブリ208及び又はファン700によって形成されたハブ902の外周に1つ又は複数のハブ磁石212が装着されてもよい。例えば、磁石又は強磁性体は、図6に図示されているように、ラチェットホイール600上のスロット又は同等物に嵌め込まれてもよい。
【0071】
ファンがモータ400からトルクを受け、回転し、推力制御モジュールの動作中など、図3に関連して詳述したように推力ベクトルを生成することが望まれる場合、図9に図示したように、ソレノイド210を切り離す(解除する)ことができる。この非係合(解除)状態において、ソレノイド210に結合されたソレノイド磁石904は、ハブ磁石212とソレノイド磁石904との間の磁気引力がハブ902の回転に干渉しないように、ハブ磁石212から離れた距離で静止してもよい。
【0072】
実施形態において、ソレノイド210は、ハブ磁石212又はハブ902を囲む(複数の)ハブ磁石212のセットによって提供され得るような移動磁場が、ソレノイド210のコイル又は同様の磁気的及び又は電気的活性部品の反対磁場を生成し、それによって、ハブ902の回転によって電力が供給されて磁気ブレーキを作り出すように、コイル又は同様の磁気及び又は電気的活性部品を備えてもよい。1つ以上のソレノイド210が、磁気ブレーキをハブ磁石212との係合に移動させたり、係合から外したりしてもよい。
【0073】
ソレノイド210は、図示されているように、いくつかの実施形態においてモータ400に取り付けられてもよく、あるいは、ハブ902の回転に対して静止し、図10に関して説明したように係合できる近接内にあるように、その他の方法で取り付けられてもよい。
【0074】
図10は、実施形態による、係合されたソレノイド1000を示す。推力制御モジュールの動作中に起こり得るように、また図3に関連して説明したように、ファンが係合解除されること、もはや推力を生成しないこと、又はファンによる推力生成が停止されることが望まれる場合、モータ400の方向が反転され、フリーホイールアセンブリ208が係合解除されることがある。これは、ファンアセンブリ700がハブ902の周りを回転したままになることがあり、残留推力、ストラスト流体の乱流、騒音、又は双方向推力アセンブリ100の性能に悪影響を与える他の特性のためなど、望ましくない場合がある。そのような状況下では、摩擦ベースのブレーキ或いは図示されているようなソレノイド210を係合させた摩擦なしのブレーキが採用され得る。
【0075】
ソレノイド210を係合させるために、電気信号がソレノイド210に送られ、ソレノイド210がアームを伸ばすか、さもなければ、ハブ902に貼り付けられたハブ磁石212に整合し近接するようにソレノイド磁石904の位置を変更させることができる。別の実施形態において、ソレノイド210は、係合したときにアームを所定の位置にピボット(軸上に位置)させるか、さもなければ、ハブ磁石212に近づけるように移動させることができる。ソレノイド210の磁石(又は強誘電体材料)がハブ磁石212に近接するようになると、ファン700の回転が減速又は停止され得る。
【0076】
図11は、実施形態に従ったブレードフェザリング1100を図示している。図7に関して詳述したように、ファンのブレードは、例えば単方向のファン又はブレードとなるように、単一方向に推力を生成する能力を最適化する、ハブに適合したプロファイル、曲率、又は角度に設計され得る。いくつかの実施形態では、双方向スラストアセンブリに使用されるファンは、所望の推力の方向に基づいて、自動的に又は受動的にフェザリング、すなわち、ハブ又はストラスト流体に対してその曲率及び/又は迎え角を変更し得るように構成され得る。この能力により、モータ400は、同時に回転する両方のファンを使用して、対向する推力ベクトルで推力を生成し得る。このような構成は、より小さなプロファイル(外形)及びより低い電力消費を維持しながら、推力をさらに改善し得る。
【0077】
そのような実施形態では、両方のファンが、例えば、時計回りに回転してもよい。ブレード形状、曲率、及び/又は迎え角は、空気を押し、従って、第1の方向(例えば、図11に図示されるように、紙面の内側へ)に推力ベクトルを生成するように最適化されてもよい。これは、第1の方向1102に物体を操縦するための図示された構成に見ることができる。
【0078】
制御信号に応答して、ファンブレードがフェザリングする実施形態では、モータ400は方向1104を反転させてもよい。ブレード704は、同じ信号に応答して、及び/又は回転方向に応答して、形状、湾曲、及び/又は迎え角を変化させてもよい。
【0079】
その結果、ブレード704は、第2の方向1106に物体を操縦するための構成にフェザリングすることができる。すなわち、ブレード形状、曲率、及び/又は迎え角は、反時計回り方向に回転しながら、スラスト流体を推進するファンの能力を最適化するように反転するか、さもなければ変更され、それによって第2の方向(例えば、図11に示されるように、紙面の外側へ)に発生するスラストを改善することができる。
【0080】
双方向スラストアセンブリ100は、例えば、船舶(ウォータークラフト)、航空機(エアークラフト)、又はVTOLクラフト(垂直離着陸機)などのクラフト、及び独立飛行が可能ではない別の吊荷制御システム又は荷安定システム(これらすべてをまとめて「SLCS」と呼ぶことがある)の推力制御モジュールに見られ、それによって使用されてもよい。本明細書で説明するように、SLCSは、荷の位置又はその近傍のファンから力ベクトルを出力することによって、キャリアから独立して荷を制御することができる。
【0081】
SLCSの推力制御モジュールの例が本明細書に図示され詳述されているが、同様の推力制御モジュールが、船舶、航空機、又は VTOL機などの他のクラフト(船舶、航空機)で見られ、又は使用され得ることを理解されたい。
【0082】
図12Aは、例えば、起動コントローラ(アクティベーションコントローラ)1240を含むリモートペンダント1235の一実施形態を示す図である。図12Bは、リモートペンダント1235の一実施形態の別の図を図示する。図12Cは、例えば、オン/オフスイッチ1245、状態セレクタ1250、及び手動/回転制御1251を備えるリモートペンダント1235の一実施形態の別の図を示す。オン/オフスイッチ1245は、リモートペンダント1235をオンにするために使用されてもよい。状態セレクタ1250は、図14に関連して詳述され得るように、コマンド状態操作モジュール1400を選択するために使用されてもよい。起動コントローラ1240は、選択されたコマンド状態において又はそれに関連してSLCSを起動又は非活性化(停止)するために使用されてもよい。手動/回転制御1251は、荷を回転又は並進させるためにファンを手動で作動させるために使用されてもよい。
【0083】
図12Aは、例えば、起動コントローラ1240を含むリモートペンダント1235の一実施形態を示す図である。図12Bは、リモートペンダント1235の一実施形態の別の図を図示する。図12Cは、例えば、オン/オフスイッチ1245、状態セレクタ1250、及び手動/回転制御1251を備えるリモートペンダント1235の一実施形態の別の図を示す。オン/オフスイッチ1245は、リモートペンダント1235をオン又はオフにするために使用されてもよい。状態セレクタ1250は、図14に関連して詳述され得るように、操作モジュール1400のコマンド状態を選択するために使用されてもよい。起動コントローラ1240は、状態セレクタ1250によって選択又は指示されたコマンド状態において又はそれに関連して、操作モジュール1400を作動又は非作動化するために用いられてもよい。手動/回転制御1251は、状態セレクタ1250が、例えば、直接制御モード1427を選択するために使用されたとき、荷を回転又は並進させるためにファンを手動で作動させるために使用されてもよい。
【0084】
図13は、一実施形態による、吊荷制御システム論理構成要素1301及びリモートインターフェース論理構成要素1350を模式的に示している。吊荷制御システム論理構成要素1301内には、位置センサ1306、方位センサ1307、慣性センサ1308、近接センサ1309、基準位置センサ1310、推力センサ1311、及びカメラを含んでもよいセンサスイート(センサ群)1305がある。SLCS処理能力1320は、コンピュータプロセッサ及びマイクロコントローラを含んでいてもよい。SLCSメモリ1325は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み取り専用メモリ(「ROM」)、或いはソリッドステートドライブなどの永久非一時的大容量記憶装置から構成されてよく、ナビゲーションシステム1326、ターゲットデータ1327、モード又はコマンド状態情報1328、及び操作モジュール1400及び吊荷制御決定及び推力制御モジュール1500の1以上のためのソフトウェア又はファームウェアコード、命令、又は論理を含んでいてもよい。通信システム1330は、無線トランシーバなどの無線システム1331、及び有線システム1332を含んでいてもよい。SLCS出力1315は、電力コントローラ又はESCを介して推力制御1316を含んでいてもよい。電力管理システム1340は、例えばバッテリからの電力供給を調整し分配する。データバスは、吊荷制御システム論理構成要素1301の様々な内部システム及び論理構成要素を結合する。
【0085】
対話型ディスプレイ、リモートインターフェース、リモート位置決めユニット、又はターゲットノードは、リモートインターフェース論理構成要素1350の1つ又は複数からなる計算ユニットであってもよく、そのようなユニットは、自己発電型であっても、機体にハードワイヤで接続(組み込み)されていてもよい。リモートインターフェース論理構成要素1350は、例えば無線で、SLCSからデータを受信し、及び/又はSLCSにデータを送信する。SLCSからのデータは、リモートインターフェース論理構成要素1350のディスプレイ1361に表示されてもよく、計算データは解析され、視覚的な合図に変換される。リモートインターフェース論理構成要素1350は、後述するように、SLCSオペレータの所望のコマンド状態及び操作指示を伝達することもできる。
【0086】
リモートインターフェース論理構成要素1350は、無線1371又は有線1372であり得る通信システム1370を介して、吊荷制御システム論理構成要素1301と通信してよい。リモートインターフェース論理構成要素1350からの出力1360は、スクリーン又はディスプレイ1361上に表示される情報、及び音声出力1362を介した聴覚的合図又はリモート音声(荷内のセンサによって検出された音声など)へのアクセスを含んでいてもよい。SLCSを制御するためのリモートインターフェース論理構成要素1350への入力1365は、タッチスクリーン1366又はジョイスティック1367又は他の入力インターフェースを介したコマンドで構成されてもよい。様々な実施形態において、リモートインターフェース論理構成要素1350は、本明細書に記載される機能性を集合的に提供する1つ以上の物理的及び/又は論理的デバイスを含んでいてもよい。
【0087】
本システムの態様は、適切なメモリと組み合わせて、本明細書で詳細に説明する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を実行するように特にプログラムされ、構成され、又は構築された特殊(専用)又は特別な目的のコンピューティング装置又はデータプロセッサにおいて具現化されてもよい。本システムの態様は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はインターネットなどの通信ネットワークを介してリンクされるリモート処理デバイス及びメモリによってタスク又はモジュールが実行される分散コンピューティング環境でも実施され得る。分散コンピューティング環境では、モジュールは、ローカル及びリモートの両方のメモリ記憶装置に配置されてもよい。図13に模式的に示すように、吊荷制御システム論理構成要素1301及びリモートインターフェース論理構成要素1350は、有線又は無線ネットワークによって結合される。
【0088】
吊荷制御システム論理構成要素1301は、一実施形態に従って、1つ以上のリモート(遠隔)インターフェース論理構成要素1350を含むリモート(遠隔)位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードと協働することができる。リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードは、位置基準として吊荷制御システム論理構成要素1301と無線などで通信するように構成された、センサー1368などの内部又は外部センサー群(センサスイート)を含んでいてもよい。センサ1368は、センサ1305と同様であってよい。センサ1305が一次センサスイートとみなされる場合、二次センサスイート位置は、吊りケーブルが吊り下げられているプラットフォーム又はキャリア、リモートインターフェース論理構成要素1350の又はそれと通信するセンサ1368、及び三次センサスイート位置は、荷に対する関心位置(例えば、荷を取得又は配送するための位置決め)であってもよい。リモートインターフェース論理構成要素1350は、プロセッサ1320及びメモリ1325と同様であってもよい、プロセッサ1369及びメモリ1373をさらに備えてもよい。メモリ1373は、リモートインターフェースモジュール1374などの、リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードによって使用される1つ又は複数のモジュールのソフトウェア又はファームウェアコード、命令、又はロジックを含んでいてもよい。例えば、リモートインターフェースモジュール1374は、リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードに対して、オン/オフを可能にする、SLCSとペアリングする、命令を入力する、などの制御及びインターフェースを提供してもよい。
【0089】
リモート位置決めユニットは、無線トランシーバを介して吊荷制御システム論理構成要素1301と通信し、位置基準を提供するように構成されたトランシーバを含んでいてもよい。例えば、リモート位置決めユニットは、下方に荷が吊り下げられ得るヘリコプターの自機又はクレーンに固定されてもよく、リモート位置決めユニットが荷に固定されてもよく、又はリモート位置決めユニットが目標位置に配置されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、リモート位置決めユニット、リモートインタフェース、又はターゲットノードは、手に収まる大きさの耐久性のあるポリマー又はプラスチックで作られてもよい。リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードは、外部アンテナを有していてもよい。リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードは、磁石、ボルト、又は他の任意の固定機構によって、例えば、ヘリコプター、固定翼キャリア、運搬される対象物に固定されてもよい。リモート位置決めユニット、リモートインターフェース、又はターゲットノードは、地上の場所に投下されてもよいし、例えば、救命具又は他の浮遊装置、救助者、ピックアップされるべき荷、配送されるべき荷の場所、又は操作上の特定の場所に固定されてもよい。
【0091】
吊荷制御システム論理構成要素1301及び/又はリモートインターフェース論理構成要素1350の態様は、本明細書で詳細に説明する1つ又は複数のコンピュータ実行可能命令を実行するように特にプログラムされ、構成され、又は構築された特殊(専用)又は特別目的の演算装置又はデータプロセッサにおいて具現化されてもよい。吊荷制御システム論理構成要素1301及び/又はリモートインターフェース論理構成要素1350の態様は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はインターネットなどの通信ネットワークを介してリンクされるリモート処理デバイスによってタスク又はモジュールが実行される分散コンピューティング環境でも実施され得る。分散コンピューティング環境では、モジュールは、ローカル及びリモートの両方のメモリ記憶装置に配置されてもよい。図13に模式的に示されるように、吊荷制御システム論理構成要素1301及びリモートインターフェース論理構成要素1350は、有線又は無線ネットワークによって結合されてもよい。
【0092】
図14は、一実施形態による複数のモード又はコマンド状態モジュールを含む吊荷制御システム(「SLCS」)の操作モジュール1400の一例を示す図である。決定及び操作モジュール1400の、又はそれを具体化する命令は、例えばメモリ1325に格納されてもよく、例えばプロセッサ1320、ならびに操作モジュール1400が相互作用し得るSLCSの電気回路、ファームウェア、及び他のコンピュータ及び論理ハードウェアによって実行又は実行され得る。実施形態では、操作モジュール1400の一部又は全部を実行するためのコンピュータプロセッサ及びメモリは、例えばキャリア内の補助コンピュータのように、SLCSから遠隔であってもよい。
【0093】
ブロック1405において、吊荷制御システム装置は、荷及び/又は荷が吊り下げられるケーブルに設置されてもよい。吊荷制御システム装置は、設置のために電源が投入される必要はない。
【0094】
ブロック1410において、装置内の吊荷制御システム(「SLCS」)は、起動され、操作モジュール1400が起動されてもよい。いくつかの実施形態では、操作モジュール1400は、SLCSの制御モジュールの面上に配置されたボタンの押下によって初期化されてもよい。操作モジュール1400を初期化し得るアクセス可能な外部ボタンの近くに、押されたときに即時シャットダウンを可能にする別のボタンが存在してもよい。センター又は制御モジュール上の初期化インターフェースに加えて、操作モジュール1400は、システムに直接隣接していないオペレータによって初期化されてもよい。ケーブルの端にいる救助者を含むがこれに限定されない1人以上の外部オペレータは、操作モジュール1400に無線でリンクされた1つ以上のリモートインターフェースのボタンを押すことによって、操作モジュール1400を初期化してもよい。物理的に分離された制御ユニット、ファンユニットなどの完全なSLCSの1つ以上のモジュール(例えば、図27に示されるように)は、ブロック1410において起動されてもよく、一緒に機能するようにペアリングされてもよい。ブロック1410の間、操作モジュール1400は、操作モジュール1400が制御することになるファンユニットの相対的な向きを決定してもよい。この決定は、各ファンユニットからサンプリングされたコンパスの方位など、ファンユニットからのセンサ情報に基づいてもよい。この決定は、モジュラーSLCSがロープ又はウェビングで囲まれた荷などの不規則な荷に展開され、ファンユニットが平行でない場合のように、互いに平行でないファンユニットを調整するために実行されてもよい。この決定は、ファンマッピングに関して、ブロック1530で使用されてもよい。SLCSが剛体フレーム内にあり、ファンユニットが互いに平行であると推定され得る場合、この判定は必要でない場合がある。この判定は、ファンユニットが許容可能な方向範囲内にない場合、エラー状態を生成する可能性がある。
【0095】
ブロック1415において、操作モジュール1400は、オペレータによって選択された機能モード又はコマンド状態において起動され、及び/又は受信される。ブロック1420において、操作モジュール1400は、機能モード又はコマンド状態を実施するために、サブルーチン又はサブモジュールとして、吊荷制御決定及び推力制御モジュール1500を実行又は呼び出すことができる。システムの機能モード又はコマンド状態は、以下のように構成されてもよい。
【0096】
アイドルモード1421:SLCSの内部システムは動作しているが(例えば、操作モジュール1400はSLCSの動きを観察し、是正措置を計算する)、スラスタは停止しているかアイドル速度のみを維持し、荷の動きに影響を与える作用はない。
【0097】
対自機相対位置維持モード1422:吊り下げられた原点に対してSLCSを安定させる。例えば、SLCSがヘリコプターの下方に荷を吊り下げている場合、SLCSはヘリコプターの真下に留まる。対自機相対位置維持モード(自機に対する相対的位置を維持するモード)1422は、自機の動きを定位し、他の吊荷の動きを決定的に減衰させるために必要な修正アクションを実行する。自機が低速で移動している場合、対自機相対位置維持モード1422は、2つのエンティティが一体となって移動するように、速度をカップリングさせる。荷に外乱が発生すると、対自機相対位置維持モード1422は、外乱を打ち消すように外乱の方向に推力を与え、揺れをなくす。
【0098】
位置移動/停止モード1423:SLCSを固定位置に安定させ、天候の影響やヘリや他の吊り下げプラットフォームの小さな動きを打ち消すことになる。このモードは、すべての動きを停止させる効果がある。オペレーターは、リモートインターフェイスを介してSLCSに希望する目標位置を送信することができる。これは、少なくとも2つの方法で達成することができる。
【0099】
ターゲットノード位置1424:オペレータは、基準位置センサ1368を所望の位置又はターゲットに配置してもよい。基準位置センサ1368は、ターゲットノード位置1424モジュールとワイヤレスで通信して所望の位置を示してもよく、ターゲットノード位置1424モジュールは、SLCSを所望の位置に操縦することによって応答する。リモートインターフェースディスプレイ1361は、両エンティティ(物体)の位置情報を受信し、表示してもよい。
【0100】
ユーザ指定位置/方位1425:オペレータは、リモートインターフェースディスプレイ1361を使用して、ユーザ指定位置/方位1425モジュールに指令された位置として指定位置(例えば、緯度と経度の座標)又は方位を送信してもよい。その後、システムは、吊られた荷を所望の位置又は所望の方位に着実に向ける。システムは、同時に、位置、距離、及び方位情報に関して、リモートインターフェース論理構成要素1350にフィードバックを送ることになる。
【0101】
ホールドポジションモード1426:SLCSのすべての動きに抵抗(対抗)し、自機の動きとは無関係に現在の位置及び/又は向きを維持する。このモジュールは、すべての動きを殺す効果を有する。このモジュールは、自機の速度、安全係数、及び物理的制約に対してそれぞれ条件付き応答を有する。
【0102】
直接制御モード1427:3自由度でのSLCSのジョイスティック操作。操作モジュール1400は完全に閉ループであり、動作中に外部制御を必要としないが、ユーザ制御のためのオプションが存在する。オペレータは、位置決め、回転、スラスタ出力レベルを直接制御するために、直接制御モード1427モジュールに入力を提供することが可能である。
【0103】
障害物回避モジュール3800モジュール:i)ファンユニットなどのセンサー位置と、環境中で感知された障害物などの物体との距離を等しくする、又はii)荷の形状を測定又は受信し、環境中で感知された障害物の形状を測定し、荷の位置、向き、動きを決定又は受信し、障害物に対して荷を切り抜けるなどのためのセンサー情報を受信及び処理する。例えば、図3800及び障害物回避モジュール3800の詳述を参照されたい。
【0104】
ブロック1430において、オペレータは、操作を完了し、SLCSを回収する。
【0105】
ブロック1435において、対話型ディスプレイのボタンを押すことによって、又はSLCS装置の中心(センター)モジュールのボタンを押すことによって、操作モジュール1400が停止され得る。SLCS装置が折り畳み可能なフレーム、推進アーム又はファンユニットを含む場合、それらは折り畳まれてもよい。SLCS装置が、ファンユニット、ハウジング、電源ハウジングなどの取り外し可能なモジュールを含む場合、モジュールは、分解されて、荷から取り外されてもよい。荷を荷掛けフック等から取り外し、荷及び/又は SLCSの上部にある吊り輪から吊りケーブルを取り外してもよい。SLCSは、その後、充電器及び/又は任意の適切な場所に収納され、又は電気的に結合されるかもしれません。
【0106】
図15は、一実施形態による吊荷制御システムの決定及び推力制御モジュール1500を示す図である。決定及び推力制御モジュール1500の、又はそれを具体化する命令は、例えばメモリ1325に格納されてもよく、例えばプロセッサ1320、ならびに決定及び推力制御モジュール1500が相互作用し得るSLCSの電気回路、ファームウェア、及び他のコンピュータ及び論理ハードウェアによって実行又は実行され得る。実施形態では、決定及び推力制御モジュール1500の一部又は全部を実行するためのコンピュータプロセッサ及びメモリは、例えば、キャリア内の補助コンピュータのように、SLCSから遠隔であってもよい。
【0107】
決定及び推力制御モジュール1500は、閉ループで動作して、ほぼリアルタイムでその位置及び動きを理解し、最も望ましいシステム応答を決定し、望ましい応答(複数可)を空気推進システムスラスタアレイに送信してケーブルの揺れを緩和し、又は他の方法で動作中に荷を制御してもよい。
【0108】
ブロック1505において、決定及び推力制御モジュール1500は、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、GPS、ライダー/レーダー、マシンビジョン、及び/又は距離計などのセンサー1305などのセンサーからデータを取得してもよい。
【0109】
ブロック1510において、決定及び推力制御モジュール1500は、センサーからのデータを結合して、SLCS装置の位置、向き、動き、及び環境を記述するデータ融合(データフュージョン)を得る。
【0110】
センサーデータは、システムの状態の正確な表現を得るために、カルマンフィルターの非線形フレーバーを通してSLCSによって融合され、フィルタリングされる。ファジー調整された比例、積分、及び微分フィードバックコントローラを含む閉ループ制御方法は、深層学習ニューラルネット及び未来伝播カルマンフィルタを含む高度制御方法と双方向通信し、さらなるリアルタイムシステム識別を可能にする。
【0111】
ブロック1515において、決定及び推力制御モジュール1500は、データ融合に基づいて、及び決定及び制御エンジンから状態推定器へのフィードバックに基づいて、近未来運動(近い将来の運動)を予測するために非線形状態推定器を使用して状態推定を実行する。
【0112】
ブロック1517において、決定・推力制御モジュール1500は、ユーザ入力に従うなどして、機能モード選択を受信する。
【0113】
ブロック1520において、決定及び推力制御モジュール1500は、ユーザが選択した機能モード又はコマンド状態1517によって知らされた状態推定1515、並びに推力及び方向マッピング1525及び出力制御1535からの追加のフィードバックを受け、SLCSの所望の運動又は回転の方向が決定される。
【0114】
アルゴリズム出力は、ESCなどの運動又は電力コントローラに送られ、ESCは、例えばパルス変調電力信号の位相制御を介して、EDFに所望の推力応答を送ることになる。正味の推力出力は、エンコーダ及びロードセルを介してリアルタイムでマッピングされ、その後、閉ループ制御のために決定及び制御ブロック1520に送り返され、その後進む。
【0115】
ブロック1525において、決定及び推力制御モジュール1500は、EDFからの推力ベクトルで所望の向き(方向付け)をマッピングし、SLCS装置の決定された推力及び向きを達成するために推力及び向きマッピングを生成する。
【0116】
ブロック1530において、決定及び推力制御モジュール1500は、推力及び方向マッピングをファン推力ベクトルにマッピングし、SLCSの所望の推力及び向き(方向付け)を達成するためにEDFを制御するファンマッピングを発生させる。
【0117】
ファンマッピングは、回転しないファンを構成してもよい。回転させないファンは、ソレノイド210の係合などを通じて制動されてもよい。
【0118】
EDFを制御し、ファンマッピングを生成する際に、決定及び推力制御モジュール1500は、EDFから出力されることが望まれる推力ベクトルをマッピングしてもよい。
【0119】
ブロック1535において、決定及び推力制御モジュール1500は、ファンマッピングを適用して、SLCS装置の決定された推力及び向きを達成するためにファン又はスラスタ(又はこれらを制御する電子構成要素)に電力制御信号を出力し、命令された制御出力を発揮し、ファンからの推力の形態で動的応答を実施する。ファンが双方向スラストアセンブリの一部である場合、モータ400などのモータへの出力電力制御信号は、ブロック1530でマッピングされたファンに選択的にトルクを伝達するために、モータの回転方向を含んでもよい。
【0120】
完了ブロック1599で、決定及び推力制御モジュール1500は、それを呼び出したモジュールに戻るか、又は終了することができる。
【0121】
決定及び推力制御モジュール1500は、高レベルのオペレータが選択した機能制御モードを除けば、無人であり、自動化されてもよい。正味出力は、吊り下げられた荷を移動又は安定させるための制御力(コントロール力)であり、力は、1つ又は複数の双方向スラストアセンブリの活性化を通じて達成されてもよい。
【0122】
双方向スラストアセンブリの使用を示す例は、図16図17、及び図18に見出すことができるが、これらの例は網羅的なものではない。追加の実施形態は、ウォータークラフト(船舶)、軽量飛行機、及び同様のものにおける双方向スラストアセンブリを有する。
【0123】
図16に示される例では、SLCS1605は、双方向スラストアセンブリ1601A及び双方向スラストアセンブリ1601Bを有し、例えばクレーンであってよいキャリア1615の下のサスペンションケーブル1610にぶら下がっている。1つ以上の双方向スラストアセンブリからなるSLCS1605は、スラスト制御モジュールの使用を通じてなど、荷1620を制御するために使用されてもよい。
【0124】
図17に示される例では、SLCS1705は、双方向スラストアセンブリ1701A及び双方向スラストアセンブリ1701Bからなり、例えばヘリコプターであってもよいキャリア1715の下のサスペンションケーブル1710にぶらさがっている。1つ以上の双方向スラストアセンブリからなるSLCS1705は、推力制御モジュールの使用を通じてなど、荷1720を制御するために使用されてもよい。
【0125】
図18に示される例では、SLCS1805は、双方向スラストアセンブリ1801A及び双方向スラストアセンブリ1801Bを有し、キャリア1815の下のサスペンションケーブル1810に掛かり、このキャリアは、例えば、垂直離着陸機、空中ドローン等であってもよい。キャリア1815は、双方向スラストアセンブリ1802A及び双方向スラストアセンブリ1802Bを含んでいてもよい。
【0126】
1つ以上の双方向スラストアセンブリを有するSLCS1805は、荷1820を制御するために使用されてもよく、一方、キャリア1815などの乗り物は、推力制御モジュールの使用を通じてなど、操縦及び又は推力目的のために1つ以上の双方向スラストアセンブリを含んでいてもよい。
【0127】
図19は、いくつかの実施形態による双方向スラストアセンブリ1900の追加の例を示しており、これは差動トランスミッション(差動変速機)として理解され得る。
【0128】
図19において、モータ1910は、ある方向へのシャフト1915の回転を介して出力され得る、トルクのような動力を生成する。ドライブピニオン1920は、ケースリングギア1921に動力を伝達する。ケースリングギア1921は、ギアケース1935と連続しているか、又はギアケース1935と一体の部分である。ケースリングギア1921の回転は、ケース1935を回転させる。内部ピニオン1930A及び1930Bは、ケース1935に固定するベアリングの周りに自由に動くことができる。
【0129】
出力シャフト(出力軸)1940A及び1940Bは、ベアリング上でケース1935を貫通して出ており、ケース1935とは別に回転することができる。出力シャフト1940A及び1940Bは、クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bに固定されている。クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bは、ファン700A及び700Bのような一方向ファンなどのファン1945A及び1945Bに固定されている。
【0130】
モータ1910からのトルクなどによるケース1935の回転は、内部ピニオン1930A及び1930Bを、出力シャフト1940A及び1940の中心軸を中心に回転させる。仮に出力シャフト1940Aと1940Bの負荷が等しいとすると、内部ピニオン1930Aと1930Bは、ケース1935に固定しているベアリングを中心に回転せず、出力シャフト1940Aと1940の中心軸を中心に回転し、出力シャフト1940Aと1940Bを同じ方向に回転させることになる。出力シャフト1940A及び1940Bの両方が回転することは望ましくない場合があるので、例えば、両方のファン1945A及び1945Bが同時に回転して推力を発現することが望ましくない場合、クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bは、一方又は両方のファン1945A及び1945Bへの動力伝達を選択的に防止又は許容する。
【0131】
実施形態において、クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bは、例えば、フリーホイールアセンブリ208のような、反対方向に自由に回転することができるフリーホイールアセンブリであってもよく;例えば、クラッチ又はフリーホイール1905Aは時計回り方向への回転を可能にし、一方クラッチ又はフリーホイール1905Bは反時計回り方向(出力シャフト1940を下に一方から見た場合)への回転を可能にしてもよい。この実施形態では、モータ1910の第1の方向への回転は、差動トランスミッションを介してトルクを第1のファンに受動的に伝達し、第1のファンを回転させて推力を発現させ、第2のファンへの動力伝達はバイパス(回避)させる;この実施形態では、モータ1910の第2の方向への回転は、差動トランスミッションを介してトルクを第2のファンへ受動的に伝達し、第2のファンを回転させると共に推力を発現させて、第1のファンに動力伝達はバイパス(回避)させる。
【0132】
実施形態において、クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bは、例えば、出力シャフト1940A又は1940Bの一方、ファン1945A又は1945Bの一方に、モータ1910からの、トルクなどの、動力を伝達するか、又は伝達しないように、係合又は非係合(解除)されるクラッチであってもよい。クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bがクラッチである実施形態では、クラッチは、ソレノイドなどによるクラッチ作動機構によって能動的に係合又は非係合(解除)されてもよい。このような能動的係合機構は、例えば、出力軸1940A及び又は1940B上のスリップリングなどを介した電気的接続から電力を得てもよい。クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bがクラッチである実施形態では、クラッチは、油圧クラッチ作動機構などを介した爪係合機構506、ポケット510、及び爪車500と同様に、回転方向及び慣性によって、クラッチ作動機構によって受動的に係合又は解除することができる。
【0133】
実施形態では、モータ1910は、回転方向を変更することなく、一方向に回転してもよい。そのような実施形態では、クラッチ又はフリーホイール1905A及び1905Bは、ファン1945A及び1945Bの一方又は両方への、一部又は全ての動力伝達を防止するために、能動的に係合することができる。
【0134】
ファン1945A及び又は1945Bは、例えば、反対方向に推力ベクトルを出力するように構成された一方向ファンであってもよい。ファン1945A及び又は1945Bは、同じ方向又は反対方向に回転したときに、反対方向の推力ベクトルを出力するように構成されてもよい。
【0135】
図20は、本明細書に開示されるような双方向推力(スラスト)装置、システム、及び方法の一部であり得る、出口ポート2020内のファンに固定されたモータ2005の一例を示す図である。出口ポート2020内のファンは、例えば、一方向ファンであってもよい。ヒートシンクは、出口ポート2020内のファンに引き込まれるスラスト流体などの流体中に、モータから突出するベーン2010を含んでいてもよい。フレーム1015A及び1015Bは、流体入口104と同様の流体入口を含んでもよい。フレーム1015A及び1015Bは、出口ポート2020の間、及び/又は、流体入り口104と同様の流体入り口を含み得るケース102と同様のケース内で、モータ2005を支持してもよい。フレーム1015A及び1015Bは、ベーン2010と連続していてもよく、又はベーン2010に固定されていてもよい。ケース102と同様のケースは、ベーン2010の外部縁に固定されてもよい。ベーン2010は、ラジエータフィン410に類似していてもよい。モータ2005は、モータ400と同様であってもよい。モータ2005の巻線は、ベーン2010に近接してもよく、モータ2005の永久磁石は、出口ポート2020内のファンにつながる軸に近接してもよく、ベーン2010に近接する巻線で発生した熱は、モータ2005からスラスト流体などの周囲の流体に、放射又はその他の方法で伝導されてもよい。出口ポート2020内のファンに固定されたモータ2005が、本明細書で論じるように、双方向スラストアセンブリとして動作するように、フリーホイールアセンブリ208と同様のフリーホイールアセンブリが存在してもよい。。ベーン2010は、水、プロピレングリコールを含む水などの液体を含む内部チャネル又は導管(コンジット)を有してもよく、液体は、ケースの外側のラジエーターに受動的又は能動的に流れ、モータ2005から離れるように熱を輸送することができる。
【0136】
このように、ヒートシンクは、モータから熱を排出することができ、特に、本書では、モータは、1つではなく2つのファンを駆動しているため、高いデューティサイクルで動作する可能性がある。
【0137】
本開示における装置及び方法は、いくつかの好ましい実施形態に基づいて前述されている。異なる変形例の異なる側面は、本書に基づいて当該分野の当業者が読んだときに、本開示の概念内で読まれるとみなされ得るすべての組み合わせが、互いに組み合わせて説明されると考えられる。好ましい実施形態は、本書の保護の範囲を限定するものではない。
【0138】
本明細書に記載された動作の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、その方法を実行する命令をその上に格納したコンピュータ可読記憶装置において実施されてもよい。プロセッサは、例えば、処理装置及び/又はプログラマブル回路を含んでもよい。記憶装置は、任意のタイプの有形の非一過性の記憶装置を含む機械読み取り可能な記憶装置を含んでもよい。例えば、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク書き換え可能(CD-RW)、及び光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスクや、半導体デバイス:ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリや、磁気カード、光カード、又は電子命令格納に適したあらゆるタイプのストレージデバイス。
USB(ユニバーサルシリアルバス)は、ユニバーサルシリアルバス組織(Universal Serial Bus organization)によって2000年4月27日に発行されたユニバーサルシリアルバス仕様、リビジョン2.0、及び/又はこの仕様のより後のバージョン、例えば、ユニバーサルシリアルバス仕様、リビジョン3.1、2013年7月26日発行に準拠又は互換性があってもよい。PCIeは、Peripheral Component Interconnect Special Interest Group(PCI-SIG)により2010年11月に発行されたPCI Express 3.0 Base仕様、リビジョン3.0、及び/又はこの仕様のより後又は関連バージョンに準拠又は互換性があってもよい。
【0139】
本明細書の任意の実施形態で使用されるように、「ロジック」という用語は、前述の操作のいずれかを実行するためのアプリ、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの命令のロジック、及び/又は構成ビットストリームによってプログラマブル回路に具現化されるロジックを指す場合がある。ソフトウェアは、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイスにハードコード(例えば、不揮発性)されたコード、命令又は命令セット及び/又はデータとして具現化されてもよい。
【0140】
本明細書の任意の実施形態で使用される「回路」は、例えば、単独で又は任意の組み合わせで、ハードワイヤード回路、FPGAなどのプログラマブル回路を含んでいてもよい。ロジックは、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなど、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化されてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、ハードウェア記述言語(HDL)を使用して、本明細書に記載される様々な論理及び/又は回路のための回路及び/又は論理実装(複数可)を指定することができる。例えば、一実施形態では、ハードウェア記述言語は、本明細書に記載される1つ以上の回路及び/又は論理の半導体製造を可能にし得る超高速集積回路(VHSIC)ハードウェア記述言語(VHDL)に準拠するか又は互換性を有することができる。VHDLは、IEEE標準1076-1987、IEEE標準1076.2、IEEE1076.1、IEEE Draft 3.0 of VHDL-2006、IEEE Draft 4.0 of VHDL-2008及び/又はIEEE VHDL標準の他のバージョン及び/又は他のハードウェア記述標準に準拠してもよいし互換性を有していてもよい。
【0142】
本明細書で使用する場合、用語「モジュール」(又は「ロジック」)は、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、電子回路、プログラマブル回路(FPGAなど)、プロセッサ(共有、専用、グループ)、メモリ(共有、専用、グループ)を指す、一部である、又は含み得る。又は他のコンピュータハードウェア構成要素又は装置において、実行可能な機械命令(アセンブラ及び/又はコンパイラから生成)又はその組み合わせを有する1つ又は複数のソフトウェア又はファームウェアプログラム、組合せ論理回路、及び/又は説明した機能を提供する論理を有する他の適切な構成要素が実行される。モジュールは、データの共有又は受け渡しによって統合された別個の独立した構成要素であってもよいし、モジュールは、単一のモジュールのサブ構成要素であってもよいし、複数のモジュールに分割されてもよい。構成要素は、図中のフロー図と関連してより完全に説明されるように、単一の計算ノード上で実行されるプロセスであってもよく、又は単一の計算ノード上で実装されてもよく、又は並行して、同時に、順次、又はその組み合わせで実行される複数の計算ノード間に分散されてもよい。
【0143】
本明細書で使用する場合、プロセスは、プロセッサ上で実行されるプログラム(例えば、アプリケーション・プログラム)のインスタンスに対応し、スレッドは、プロセスの一部に対応する。プロセッサは、1つ以上の実行コア(複数可)を含んでもよい。プロセッサは、それぞれが1つ又は複数の実行コアを含むことができる1つ又は複数のソケット(複数可)として構成されてもよい。
【0144】
本明細書で使用される「解放可能」、「接続」、「接続可能」、「切断」、及び「切断可能」は、一般に、工具(ドライバー、ペンチ、ドリル、のこぎり、溶接機、トーチ、アイロン、及び他の熱源などの工具の例)を使用せずに、又は工具を使用するが繰り返し可能な方法で(ナット及びボルト又はねじの使用など)接続又は切断され得る2以上の構造物をいう。 本明細書で使用される場合、「取り付ける」、「取り付けられた」、又は「取り付け可能な」は、工具の使用又は化学的もしくは物理的結合によって取り付けられるが、構造又は構成要素が一般に繰り返し可能な方法で解放又は再接続されない2つ以上の構造又は構成要素をいう。本明細書で使用される場合、「固定された」、「確保された」、又は「確保可能な」は、接続又は取り付けられる2つ以上の構造又は構成要素を指す。
【0145】
このようにして、本願の開示の実施形態を詳細に、かつその例示的な実施形態を参照して説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、修正及び変形が可能であることは明らかであろう。
【0146】
以下は、非限定的な例である。
【0147】
例1.モータと、ドライブシャフトと、第1のファン及び第2のファンと、選択的動力伝達機構と、を備え、選択的動力伝達機構は、モータから第1のファン又は第2のファンのいずれかにトルクを伝達することである、双方向スラストアセンブリ。
【0148】
例2.モータは、第1の回転方向及び第2の回転方向に動作可能であり、第1の回転方向は、選択的動力伝達機構にモータから第1のファンへトルクを伝達させ、第2の回転方向は、選択的動力伝達機構にモータから第2のファンへトルクを伝達させる、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0149】
例3.第1の回転方向と第2の回転方向との間のモータの回転方向の変更は、選択的動力伝達機構に第1のファンと第2のファンとの間のトルク伝達を変更させることを受動的に引き起こすことである、例2に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0150】
例4.第1のファン及び第2のファンは、スラスト流体を推進し、反対方向にスラスト(推力)を発現するように構成された一方向ファンである、例2に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0151】
例5.選択的動力伝達機構に第1のファンと第2のファンとの間のトルク伝達を変更させることを受動的に引き起こすことは、独立的に動力を与えられたアクチュエータなしで選択的動力伝達機構に第1のファンと第2のファンとの間のトルク伝達を変更させることである、例3に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0152】
例6.選択的動力伝達機構のための動力は、モータによって排他的に提供される、例2に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0153】
例7.動力伝達機構が、ドライブシャフトと第1のファンとの間の第1のフリーホイールアセンブリと、ドライブシャフトと第2のファンとの間の第2のフリーホイールアセンブリとを備える、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0154】
例8.第1のフリーホイールアセンブリ及び第2のフリーホイールアセンブリは、モータの回転方向に基づいて、モータと係合又は解除して、選択的動力伝達機構にモータから第1のファン又は第2のファンのいずれかにトルクを伝達させる、例7に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0155】
例9.第1のフリーホイールアセンブリは、爪とラチェット歯とを備える、例7に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0156】
例10.前記爪は、前記モータの第1の方向への回転に応答して、前記ラチェット歯と選択的に係合するようになっている、例9に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0157】
例11.前記爪は、前記モータの第2の方向への回転に応答して、前記ラチェット歯と選択的に係合解除するようになっている、例10に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0158】
例12.第1のフリーホイールアセンブリは、爪係合機構を備える、例9に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0159】
例13.爪係合機構は、ばねを備え、ばねは、モータの回転方向の回転に応答して爪をラッチ歯に駆動し、ラッチ歯は、爪からドライブシャフトにトルクを伝達する、例12に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0160】
例14.爪係合機構の慣性及び第1のフリーホイールアセンブリ内の爪係合機構のための経路が、爪係合機構を爪と係合又は解除させ、それによって爪をラッチ歯と係合又は解除させる、例12に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0161】
例15.モータの回転方向が、爪係合機構の慣性及び第1のフリーホイールアセンブリ内の爪係合機構のための経路と相互作用して、爪係合機構を爪と係合又は解除させ、それによって爪をラチェット歯と係合又は解除する、例14に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0162】
例16.ドライブシャフトは、両端ドライブシャフトであり、両端ドライブシャフトは、モータの中心を通過する、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0163】
例17.例16による双方向スラストアセンブリであって、両端ドライブシャフトの第1の端部は、選択的動力伝達機構の第1の端部と係合するようになっており、選択的動力伝達機構の第1の端部は、第1のファンと係合するようになっており、両端ドライブシャフトの第2の端部は、選択的動力伝達機構の第2の端部と係合するようになっており、選択的動力伝達機構の第2の端部は、第2のファンと係合するようになっている、双方向スラストアセンブリ。
【0164】
例18.モータの回転方向の変化が、選択的動力伝達機構内の遠心力の変化を引き起こし、選択的動力伝達機構内の遠心力の変化が、選択的動力伝達機構に第1のファンと第2のファンとの間のトルク伝達を変更させる、例1による双方向スラストアセンブリ。
【0165】
例19.第1のファン及び第2のファンは、共通の回転軸を中心に回転することになる、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0166】
例20.第1のファン及び第2のファンは、反対方向にスラスト流体を推進するようになっている、例1による双方向スラストアセンブリ。
【0167】
例21.例1による双方向スラストアセンブリであって、第1のファン及び第2のファンは、一方向ファンであり、一方向ファンは、非対称プロファイルを有するブレードを含み、非対称プロファイルは、一方向に回転したときに大きなスラストを生成する、双方向スラストアセンブリ。
【0168】
例22.ケースをさらに備え、ケースは、第1のファン、第2のファン、ドライブシャフト、及び選択的動力伝達機構を囲む、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0169】
例23.ケースは、スラスト流体入口を備える、例22に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0170】
例24.コンピュータプロセッサとメモリとをさらに備え、メモリは、コンピュータプロセッサによって実行されると、モータを制御して、第1のファン及び第2のファンを介して推力を選択的に出力して、双方向スラストアセンブリの運動に作用するようにする推力制御モジュールを備える、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0171】
例25.センサ群をさらに備え、推力制御モジュールは、コンピュータプロセッサによって実行されるとき、センサ群からのセンサデータに基づいて、双方向推力アセンブリの位置、向き、又は運動を決定し、双方向スラストアセンブリの位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるために、位置、向き、又は運動に従って第1のファン及び第2のファンを介して推力を選択的に出力するようにモータを制御する、例24による双方向スラストアセンブリ。
【0172】
例26.例24による双方向スラストアセンブリであって、双方向スラストアセンブリは第1の双方向スラストアセンブリであり、モータは第1のモータであり、第2の双方向スラストアセンブリをさらに備え、第2の双方向スラストアセンブリは第2のモータを備え、スラスト制御モジュールは、コンピュータプロセッサによって実行されると、第1のモータ及び第2のモータを制御して第1の双方向スラストアセンブリ及び第2の双方向スラストアセンブリ上に水平推力ベクトル又はトルクのうちの少なくとも1つを付与する、双方向スラストアセンブリ。
【0173】
例27.推力制御モジュールは、現在の状態を決定するために、非線形フィルタを通してセンサ群からのセンサデータを組み合わせることによって、位置、向き、又は動きを決定する、例25に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0174】
例28.推力制御モジュールは、さらに、動作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方向マッピング、又はファンマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックで、現在の状態に基づいて近未来運動を予測する、例27による双方向スラストアセンブリ。
【0175】
例29.非線形フィルタはカルマンフィルタである、例27に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0176】
例30.機能モード又はコマンド状態が、アイドル、キャリアに対する相対位置又は場所の維持、位置の移動、位置の保持、障害物回避、又は直接制御のうちの少なくとも1つを含む、例28による双方向スラストアセンブリ。
【0177】
例31.モータは、熱伝達構造を含む、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0178】
例32.熱伝達構造は、スラスト流体の流れの中でモータの周りに半径方向に配列される、例31に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0179】
例33.モータが、ドライブシャフトに近接する磁石と、ドライブシャフトに遠位する巻線と、を備え、巻線において生成された熱が、熱伝達構造及びモータを囲むスラスト流体に伝達する、例31に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0180】
例34.例1に記載の双方向スラストアセンブリであって、ブレーキをさらに備え、ブレーキは、第1のファン又は第2のファンのうちの少なくとも1つの動きに抵抗するものである、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0181】
例35.選択的動力伝達機構が、モータから第1のファン又は第2のファンのうちの第1のもの(一方)にトルクを伝達し、ブレーキが、第1のファン又は第2のファンのうちの第2のもの(他方)の動きを阻止する、例34に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0182】
例36.ブレーキは、磁気ブレーキ又は摩擦ブレーキの少なくとも1つにより、第1のファン又は第2のファンの第2の動きを阻止する、例35に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0183】
例37.選択的動力伝達機構は、クラッチをさらに備え、クラッチは、選択的動力伝達機構が、モータから第1ファン又は第2ファンの第1のもの(一方)にトルクを伝達させ、第1ファン又は第2ファンの第2のもの(他方)へのトルクの伝達を防止する、例1による双方向性スラストアセンブリ。
【0184】
例38.選択的動力伝達機構は、差動トランスミッションをさらに備える、例1に記載の双方向スラストアセンブリ。
【0185】
例39.モータから第1の一方向ファン又は第2の一方向ファンのいずれかに選択的にトルクを伝達する方法であって、モータを第1の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第1の一方向ファンにトルクを伝達し、モータを第2の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第2の一方向ファンにトルクを伝達することを含む、方法。
【0186】
例40.モータを第1の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第1の一方向ファンにトルクを受動的に伝達し、モータを第2の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第2の一方向ファンにトルクを受動的に伝達することを更に含む、例39に記載の方法。
【0187】
例41.モータからトルクを受動的に伝達することは、選択的動力伝達機構において独立して動力を与えられるアクチュエータを用いずに、第1の回転方向及び第2の回転方向のみに基づいて第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間のトルク伝達を変更することを含む、例40に記載の方法。
【0188】
例42.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、スラスト流体を推進し、反対方向に推力を発現するように構成される、例39に記載の方法。
【0189】
例43.選択的動力伝達機構は、ドライブシャフトと第1の一方向ファンの間の第1のフリーホイールアセンブリと、ドライブシャフトと第2の一方向ファンの間の第2のフリーホイールアセンブリとを備える、例39に記載の方法。
【0190】
例44.モータが第1の回転方向に動作し、第1のフリーホイールアセンブリ(組立体)がドライブシャフトと係合してモータから第1の一方向ファンにトルクを伝達し、モータが第2の回転方向に動作し、第2のフリーホイールアセンブリ(組立体)がドライブシャフトと係合してモータから第2の一方向ファンにトルクを伝達する、例43に係る方法。
【0191】
例45.第1のフリーホイールアセンブリは、爪とラチェット歯とを備える、例43に記載の方法。
【0192】
例46.モータを第1の方向に回転させることによって、爪をラチェット歯に係合させることをさらに含む、例45に記載の方法。
【0193】
例47.モータを第2の方向に回転させることによって、ラチェット歯と爪を係合解除することをさらに含む、例45による方法。
【0194】
例48.ドライブシャフトが両端ドライブシャフトであり、両端ドライブシャフトがモータの中心を通過している、例39による方法。
【0195】
例49.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、共通の回転軸を中心に回転する、例39に記載の方法。
【0196】
例50.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンでスラスト流体を反対方向に推進することを更に含む、例39による方法。
【0197】
例51.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、非対称プロファイルを有するブレードからなる、例39による方法。
【0198】
例52.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケースに引き込むことをさらに含み、ケースが、第1の一方向ファン、第2の一方向ファン、ドライブシャフト、及び選択的動力伝達機構を囲む、例39に従う方法。
【0199】
例53.第1の一方向ファンと第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケースのスラスト流体入口に引き込むことをさらに含み、スラスト流体入口は、第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間に中心に位置する半径方向の入口である、例52に記載の方法。
【0200】
例54.例39による方法であって、コンピュータプロセッサによりモータを制御することをさらに含み、コンピュータプロセッサは、メモリから命令を取得し、命令及びコンピュータプロセッサにより、モータを制御して、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンを介して推力を選択的に出力して、ハウジングに固定された荷の運動に影響を与え、ハウジングは、コンピュータプロセッサ、メモリ、モータ、ドライブシャフト、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンに固定されている、例39による方法。
【0201】
例55.命令とコンピュータプロセッサとで、センサスイートからのセンサデータで荷の位置、向き、又は動きを決定することと、位置、向き、又は動きに応じて第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンを介して推力を選択的に出力して荷の位置、向き、又は運動のうちの少なくとも1つに影響を与えるようにモータを制御することとを更に含む、例54に記載の方法。
【0202】
例56.命令とコンピュータプロセッサとで、現在の状態を決定するために、非線形フィルタを通してセンサスイートからのセンサデータを組み合わせることによって、荷の位置、向き、又は動きを決定することをさらに含む、例55に記載の方法。
【0203】
例57.非線形フィルタは、カルマンフィルタである、例56に記載の方法。
【0204】
例58.命令及びコンピュータプロセッサを用いて、操作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方向マッピング、又はファンマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックで、現在の状態に基づいて近未来運動を予測することをさらに含む、例56に従う方法。
【0205】
例59.機能モード又はコマンド状態が、アイドル、キャリアに対する相対位置又は場所の維持、位置の移動、位置の保持、障害物回避、又は直接制御の少なくとも1つを備える、例58に記載の方法。
【0206】
例60.モータが第1のモータであり、第3の一方向ファンと第4の一方向ファンの間に第2のモータをさらに備え、命令及びコンピュータプロセッサにより、第1のモータ及び第2のモータを制御して、荷に水平推力ベクトル又はトルクの少なくとも一方を付与することをさらに備える、例54に記載の方法。
【0207】
例61.熱伝達構造でモータから熱を排出することをさらに含み、熱伝達構造は、スラスト流体の流れの中でモータの周りに放射状に配列されたベーンを含む、例39に記載の方法。
【0208】
例62.モータが、ドライブシャフトに近接する磁石と、ドライブシャフトに遠位する巻線と、を備え、巻線において熱を生成し、巻線の熱を熱伝達構造体に伝達することをさらに含む、例61に記載の方法。
【0209】
例63.第1ファン又は第2ファンの少なくとも1つの動きにブレーキで抵抗することを更に含む、例39に記載の方法。
【0210】
例64.第1の一方向ファン又は第2の一方向ファンの第1のもの(一方)との間でトルクを選択的に伝達し、ブレーキで第1のファン又は第2のファンの第2のもの(他方)の移動(運動)を阻止することをさらに含む、例63に記載の方法。
【0211】
例65.ブレーキは、磁気ブレーキ又は摩擦ブレーキのうちの少なくとも1つを備える、例64に記載の方法。
【0212】
例66.選択的動力伝達機構がクラッチを含み、モータから第1ファン又は第2ファンのうちの第1のもの(一方)にトルクを伝達し、クラッチで第1ファン又は第2ファンのうちの第2のもの(他方)へのトルクの伝達を防止することを更に含む、例39に記載の方法。
【0213】
例67.選択的動力伝達機構が差動トランスミッションからなり、モータから第1ファン又は第2ファンのうちの第1のもの(一方)にトルクを伝達し、差動トランスミッションで第1ファン又は第2ファンのうちの第2のもの(他方)へのトルクの伝達を防止することを更に含む、例39に記載の方法。
【0214】
例68.モータから第1の一方向ファン又は第2の一方向ファンのいずれかに選択的にトルクを伝達する装置であって、モータを第1の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第1の一方向ファンにトルクを伝達する手段と、モータを第2の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第2の一方向ファンにトルクを伝達する手段とを備える装置。
【0215】
例69.モータを第1の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第1の一方向ファンにトルクを受動的に伝達する手段と、モータを第2の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第2の一方向ファンにトルクを受動的に伝達する手段を更に備える、例68に記載の装置。
【0216】
例70.モータからトルクを受動的に伝達する手段が、選択的動力伝達機構において独立して動力を与えられるアクチュエータを用いずに、第1の回転方向及び第2の回転方向のみに基づいて第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間のトルク伝達を変更する手段からなる、例69に記載の装置。
【0217】
例71.第1の一方向ファンと第2の一方向ファンがスラスト流体を推進し、反対方向に推力を発現するための手段をさらに備える、例68に記載の装置。
【0218】
例72.選択的動力伝達機構が、ドライブシャフトと第1の一方向ファンの間の第1のフリーホイールアセンブリと、ドライブシャフトと第2の一方向ファンの間の第2のフリーホイールアセンブリのための手段を含む、例68に記載の装置。
【0219】
例73.第1のフリーホイールアセンブリは、モータが第1の回転方向に動作するときにモータから第1の一方向ファンにトルクを伝達するためにドライブシャフトと係合する手段を備え、第2のフリーホイールアセンブリは、モータが第2の回転方向に動作するときにモータから第2の一方向ファンにトルクを伝達するためにドライブシャフトと係合する手段を備える、例72に記載の装置。
【0220】
例74.第1のフリーホイールアセンブリが、爪とラチェット歯のための手段を備える、例72に記載の装置。
【0221】
例75.モータを第1の方向に回転させることによって、爪をラチェット歯に係合させる手段をさらに備える、例74による装置。
【0222】
例76.モータを第2の方向に回転させることによって、ラチェット歯と爪を係合解除する手段をさらに備える、例74による装置。
【0223】
例77.ドライブシャフトが両端ドライブシャフトであり、両端ドライブシャフトがモータの中心を通過している、例68による装置。
【0224】
例78.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンが共通の回転軸を中心に回転するための手段をさらに備える、例68による装置。
【0225】
例79.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンでスラスト流体を反対方向に推進する手段を更に備える、例68による装置。
【0226】
例80.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、非対称のプロファイルを有するブレードからなる、例68による装置。
【0227】
例81.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケースに引き込む手段をさらに備え、ケースは、第1の一方向ファン、第2の一方向ファン、ドライブシャフト、及び選択的動力伝達機構を囲む、例68に記載の装置。
【0228】
例82.第1の一方向ファンと第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケース内のスラスト流体入口に引き込む手段をさらに備え、スラスト流体入口は第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間に中心に位置する半径方向の入口である、例81に記載の装置。
【0229】
例83.コンピュータプロセッサによりモータを制御する手段をさらに備え、コンピュータプロセッサは、メモリから命令を取得する手段を備え、命令は、コンピュータプロセッサに、ハウジングに固定された荷の運動に影響を与えるために第1の一方向ファンと第2の一方向ファンを介して選択的に推力を出力するようにモータを制御させる手段を備え、ハウジングは、コンピュータプロセッサ、メモリ、モータ、ドライブシャフト、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンに固定される例68に係る装置。
【0230】
例84.荷の位置、向き、又は運動をセンサスイートからのセンサデータで決定する手段と、荷の位置、向き、又は運動の少なくとも1つに影響を与えるために、位置、向き、又は運動に従って第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンを介して推力を選択的に出力するようにモータを制御する手段とを更に備える、例83に記載の装置。
【0231】
例85.現在の状態を決定するために、センサ群からのセンサデータを非線形フィルタで組み合わせることによって、荷の位置、向き、又は動きを決定する手段をさらに備える、例84に記載の装置。
【0232】
例86.非線形フィルタは、カルマンフィルタである、例85に記載の装置。
【0233】
例87.操作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方向マッピング、又はファンマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックで、現在の状態に基づいて近未来運動を予測する手段をさらに備える、例85に従う装置。
【0234】
例88.機能モード又はコマンド状態が、アイドル、キャリアに対する相対位置又は場所の維持、位置の移動、位置の保持、障害物回避、又は人間からの直接制御の取得、の少なくとも1つを行う手段を備える、例87に記載の装置。
【0235】
例89.モータが第1のモータであり、第3の一方向ファンと第4の一方向ファンの間に第2のモータをさらに備え、第1のモータと第2のモータを制御して荷に水平推力ベクトル又はトルクの少なくとも一方を付与する手段をさらに備える、例83に記載の装置。
【0236】
例90.熱伝達構造を有するモータから熱を排出する手段をさらに備え、熱伝達構造は、スラスト流体の流れの中でモータの周りに放射状に配列されたベーンを含む、例68に記載の装置。
【0237】
例91.モータが、ドライブシャフトに近接する磁石と、ドライブシャフトから遠位にある巻線と、を備え、巻線の熱を生成する手段と、巻線の熱を熱伝達構造体に伝達する手段と、を更に備える、例90に記載の装置。
【0238】
例92.第1ファン又は第2ファンの少なくとも一方の動きにブレーキで抵抗する手段を更に備える、例68に記載の装置。
【0239】
例93.第1の一方向ファン又は第2の一方向ファンの第1もの(一方)との間で選択的にトルクを伝達する手段と、ブレーキで第1のファン又は第2のファンの第2のもの(他方)の動きを阻止する手段とを更に備える、例92による装置。
【0240】
例94.ブレーキが、磁気ブレーキ又は摩擦ブレーキの少なくとも1つのための手段を備える、例93に記載の装置。
【0241】
例95.選択的動力伝達機構がクラッチからなり、モータから第1のファン又は第2のファンのうちの第1のもの(一方)にトルクを伝達する手段と、クラッチで第1のファン又は第2のファンのうちの第2のもの(他方)にトルクを伝達することを防止する手段とをさらに備える、例68に記載の装置。
【0242】
例96.選択的動力伝達機構が差動トランスミッションからなり、差動トランスミッションで、モータから第1ファン又は第2ファンの第1のもの(一方)にトルクを伝達する手段と、第1ファン又は第2ファンの第2のもの(他方)へのトルクの伝達を防止する手段とをさらに備える、例68に記載の装置。
【0243】
例97.コンピュータデバイスのプロセッサによる命令の実行に応答して、コンピュータデバイスに以下を行わせる命令を含む1つ又は複数のコンピュータ可読媒体。モータを第1の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第1の一方向ファンにトルクを伝達し、モータを第2の回転方向に動作させて、モータからドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介して第2の一方向ファンにトルクを伝達し、それによってモータから第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間で選択的にトルクを伝達する、ステップ。
【0244】
例98.命令は、さらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、第1の回転方向でモータを動作させて、ドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介してモータから第1の一方向ファンにトルクを受動的に伝達し、第2の回転方向でモータを動作させて、ドライブシャフト及び選択的動力伝達機構を介してモータから第2の一方向ファンにトルクを受動的に伝達させる、例97に従うコンピュータ可読媒体。
【0245】
例99.モータからトルクを受動的に伝達することは、選択的動力伝達機構において独立して動力を与えられるアクチュエータを用いずに第1の回転方向及び第2の回転方向のみに基づいて第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間のトルク伝達を変更することを含む、例98によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0246】
例100.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、スラスト流体を推進し、反対方向に推力を発現するように構成される、例97に記載のコンピュータ可読媒体。
【0247】
例101.選択的動力伝達機構は、ドライブシャフトと第1の一方向ファンの間の第1のフリーホイールアセンブリと、ドライブシャフトと第2の一方向ファンの間の第2のフリーホイールアセンブリとを備える、例97によるコンピュータ読取可能媒体。
【0248】
例102.前記命令は、前記コンピュータデバイスのプロセッサに、前記第1のフリーホイールアセンブリを前記ドライブシャフトと係合させて、前記モータを第1の回転方向に動作させることによって前記モータから前記第1の一方向ファンにトルクを伝達し、前記第2のフリーホイールアセンブリを前記ドライブシャフトと係合させて、前記モータを前記第2の回転方向に動作させることによって前記モータから前記第2の一方向ファンにトルクを伝達することをさらに行わせる、例101によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0249】
例103.第1のフリーホイールアセンブリは、爪とラチェット歯とを備える、例101に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【0250】
例104.前記命令は、前記コンピュータデバイスのプロセッサに、前記モータを第1の方向に回転させることによって前記爪を前記ラチェット歯と係合させることをさらに行わせる、例103に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0251】
例105.前記命令は、前記コンピュータデバイスのプロセッサに、前記モータを第2の方向に回転させることによって前記爪を前記ラチェット歯から解除させることをさらに引き起こす、例103に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【0252】
例106.ドライブシャフトは、両端ドライブシャフトであり、両端ドライブシャフトは、モータの中心を通過する、例97に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【0253】
例107.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、共通の回転軸を中心に回転する、例97に記載のコンピュータ読取可能な媒体。
【0254】
例108.命令は、さらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンでスラスト流体を反対方向に推進させる、例97に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0255】
例109.第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンは、非対称のプロファイルを有するブレードを備える、例97に記載のコンピュータ可読媒体。
【0256】
例110.命令がさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケースに引き込ませ、ケースが、第1の一方向ファン、第2の一方向ファン、ドライブシャフト、及び選択的動力伝達機構を囲む、例97に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0257】
例111.命令がさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンのためのスラスト流体をケースのスラスト流体入口に引き込ませ、スラスト流体入口が、第1の一方向ファンと第2の一方向ファンの間に中心に位置する半径方向の入口である、例110によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0258】
例112.命令がさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、コンピュータプロセッサによりモータを制御させ、コンピュータプロセッサがメモリから命令を取得し、命令で、モータを制御して、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンを介して推力を選択的に出力して、ハウジングに固定された荷の運動に影響を与え、ハウジングが、コンピュータプロセッサ、メモリ、モータ、ドライブシャフト、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンに固定されている、例97によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0259】
例113.命令は、さらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、センサスイートからのセンサデータで、荷の位置、向き、又は動きを決定し、位置、向き、又は動きに応じて、第1の一方向ファン及び第2の一方向ファンを介して推力を選択的に出力して、荷の位置、向き、又は動きのうちの少なくとも1つに影響を与えるようにモータを制御させる、例112によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0260】
例114.命令は、さらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、センサスイートからのセンサデータを非線形フィルタで結合して現在の状態を決定することによって、荷の位置、向き、又は運動を決定させる、例113に記載のコンピュータ可読媒体。
【0261】
例115.非線形フィルタは、カルマンフィルタである、例114に記載のコンピュータ可読媒体。
【0262】
例116.命令は、さらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、操作モジュールの機能モード又はコマンド状態、推力及び方向マッピング、又はファンマッピングのうちの少なくとも1つからのフィードバックで、現在の状態に基づいて近未来の運動を予測させる、例115に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0263】
例117.機能モード又はコマンド状態は、アイドル、キャリアに対する相対位置又は場所の維持、位置の移動、位置の保持、障害物回避、又は直接制御のうちの少なくとも1つを備える、例116に記載のコンピュータ可読媒体。
【0264】
例118.モータは第1のモータであり、第3の一方向ファンと第4の一方向ファンの間に第2のモータをさらに備え、命令はさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、第1のモータと第2のモータを制御して荷に水平推力ベクトル又はトルクの少なくとも一方を付与させる、例112によるコンピュータ読取可能な媒体。
【0265】
例119.モータは、熱伝達構造を備え、熱伝達構造は、スラスト流体の流れの中でモータの周りに放射状に配列されたベーンを備える、例97に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【0266】
例120.モータが、ドライブシャフトに近接する磁石と、ドライブシャフトに遠位する巻線と、を備え、熱伝達構造が、巻線において生成される熱をスラスト流体の流れに伝達する、例119に記載のコンピュータ可読媒体。
【0267】
例121.前記命令は、前記コンピュータデバイスのプロセッサに、前記第1のファン又は前記第2のファンの少なくとも1つの動きにブレーキで抵抗することをさらに行わせる、例97に記載のコンピュータ可読媒体。
【0268】
例122.前記命令は、前記コンピュータデバイスのプロセッサに、前記第1の一方向ファン又は前記第2の一方向ファンの第1のもの(一方)との間のトルクを選択的に転送し、前記第1のファン又は前記第2のファンの第2のもの(他方)の移動をブレーキで阻止することをさらに行わせる、例121に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0269】
例123.ブレーキは、磁気ブレーキ又は摩擦ブレーキのうちの少なくとも1つを備える、例122に記載のコンピュータ可読媒体。
【0270】
例124.選択的動力伝達機構はクラッチを備え、命令はさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、モータから第1のファン又は第2のファンのうちの第1のファンへのトルクを伝達し、クラッチを用いて第1のファン又は第2のファンのうちの第2のファンへのトルクの伝達を防止させる、例97に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0271】
例125.選択的動力伝達機構が差動トランスミッションを含み、命令がさらに、コンピュータデバイスのプロセッサに、モータから第1のファン又は第2のファンのうちの第1のもの(一方)にトルクを伝達し、差動トランスミッションを用いて第1のファン又は第2のファンのうちの第2のもの(他方)にトルクを伝達することを防止させる、例97によるコンピュータ読取可能な媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20