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特許7523847ムービングプレートを含むバッテリー分離ユニット
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  • 特許-ムービングプレートを含むバッテリー分離ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ムービングプレートを含むバッテリー分離ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20240722BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240722BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240722BHJP
   B60L 3/04 20060101ALI20240722BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240722BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240722BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02H7/18
B60L3/04 D
B60L50/60
B60L58/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022570195
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2021007596
(87)【国際公開番号】W WO2022014879
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0087783
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン・タク・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・テ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒュク・チャ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1743701(KR,B1)
【文献】特表2012-524965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/48
H02J 7/00
H02H 7/18
B60L 3/04
B60L 50/60
B60L 58/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパックの異常発生の際に負荷を保護するために、前記バッテリーパックを前記負荷から電気的に分離させるバッテリー分離ユニットであって、
前記バッテリーパックに連結されて前記バッテリーパックの過電流を遮断するヒューズと、
前記バッテリーパックの電圧または電流を測定する一つ以上のセンサーと、
前記センサーで測定された電圧または電流値によって前記バッテリーパックと前記負荷とを連結または分離する一つ以上のリレー(300)と、
前記ヒューズ、前記センサー、及び前記リレー(300)が実装されるハウジング(100)と、
前記リレー(300)及び前記センサーを前記ハウジング(100)に固定するためのムービングプレート(200)であって、前記リレー(300)及び前記センサーの大きさによって位置変更が可能なムービングプレート(200)と、
を含み、
前記ハウジング(100)は、前記ムービングプレート(200)を前記ハウジング(100)に締結するための第1締結部(120)を含む、バッテリー分離ユニット。
【請求項2】
前記ハウジング(100)は、前記ムービングプレート(200)が挿入される挿入部(110)をさらに含む、請求項1に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項3】
第1締結部(120)は、前記挿入部(110)を間に挟んで互いに対向する複数対の締結ホールが一定の間隔で形成されている、請求項2に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項4】
前記ハウジング(100)は、前記バッテリー分離ユニットが搭載される装置に固定するための固定部(130)をさらに含む、請求項3に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項5】
前記ムービングプレート(200)は、前記リレー(300)及び前記センサーを固定するインサートボルト(210)を含む、請求項3に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項6】
前記ムービングプレート(200)は、前記第1締結部(120)と結合され、前記ハウジング(100)と前記ムービングプレート(200)とを機械的に締結するための第2締結部(220)を含む、請求項3に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項7】
前記リレー(300)は二つ以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリー分離ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリー分離ユニットを含む、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)。
【請求項9】
請求項8に記載のバッテリー管理システムを含む、デバイス。
【請求項10】
前記デバイスは、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及びプラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)のうちのいずれか一つである、請求項9に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年07月15日付の韓国特許出願第2020-0087783号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はムービングプレートを備えることで、電装部品の大きさが異なる場合にも同じハウジングに電装部品を実装することができるバッテリー分離ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、ノートブック型PC、デジタルカメラなどのモバイル機器に対する技術開発及び需要が増加するのに伴い、充放電の可能な二次電池に関する技術が活発に開発されている。また、二次電池は大気汚染物質を発生させる化石燃料の代替エネルギー源であり、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)、エネルギー貯蔵デバイス(ESS)などに適用されている。
【0004】
現在広く使われる二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち単位バッテリーセルの作動電圧は約2.0V~5.0Vである。よって、これより高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に連結してセルモジュールアセンブリーを構成するか、またはセルモジュールアセンブリーを所要の出力電圧または充放電容量によって直列または並列に連結してバッテリーモジュールを構成することもできる。このように、少なくとも一つのバッテリーモジュールを用い、追加的な構成要素を付け加えてバッテリーパックを製作することが一般的である。
【0005】
このように、モジュールやパックの形態として使われる場合、過電流が流れるなどの異常が発生する場合、過熱によってバッテリーセルが破損されるなどの問題が発生することがあるので、バッテリーセルの電圧、電流などの状態値を測定してモニタリングすることにより、過充電または過放電が発生することを防止することが必要である。
【0006】
このために、バッテリー分離ユニット(BDU:Battery Disconnect Unit)がバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)内に備えられる。一般的に、バッテリー分離ユニットは、ヒューズ、リレー、センサーなどの電装部品がハウジングに実装された形態に構成されている。
【0007】
図1は従来技術のバッテリー分離ユニットにおいてインサートボルトのみが結合されているハウジングの平面図である。
【0008】
図1を参照して従来技術のハウジングを説明すると、ハウジングには、実装されるリレー、センサーなどを固定するインサートボルト3が備えられ、インサートボルト3を使ってハウジング2にリレー、センサーなどを締結することになる。
【0009】
しかし、従来のバッテリー分離ユニットは、ハウジング2に対してインサートボルト3の位置が固定されているので、バッテリーパックの構成、容量などによって電装部品の大きさが変わる場合、ハウジング2もこれに対応して新しいものを開発しなければならない問題がある。
【0010】
これにより、開発コストが増加し、収益性が落ちる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記のような問題点を解決するために、電装部品の大きさによってハウジングでの位置変更が可能なムービングプレートを備えることで、電装部品の大きさが異なっても同じハウジングに電装部品を実装することができるバッテリー分離ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するための本発明によるバッテリー分離ユニットは、バッテリーパックの異常発生の際に負荷を保護するために、バッテリーパックを前記負荷から電気的に分離させるバッテリー分離ユニットであって、前記バッテリーパックに連結されてバッテリーパックの過電流を遮断するヒューズと、前記バッテリーパックの電圧または電流を測定する一つ以上のセンサーと、前記センサーで測定された電圧または電流値によって前記バッテリーパックと前記負荷とを連結または分離する一つ以上のリレーと、前記ヒューズ、前記センサー、及び前記リレーが実装されるハウジングと、前記リレー及び前記センサーを前記ハウジングに固定するためのムービングプレートであって、前記リレー及び前記センサーの大きさによって位置変更が可能なムービングプレートとを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、前記ハウジングは、前記ムービングプレートが挿入される挿入部、及び前記ムービングプレートを前記ハウジングに締結するための第1締結部を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、第1締結部は、前記挿入部を間に挟んで互いに対向する複数対の締結ホールが一定の間隔で形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、前記ハウジングは、前記バッテリー分離ユニットが搭載される装置に固定するための固定部をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、前記ムービングプレートは、前記リレー及び前記センサーを固定するインサートボルトを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、前記ムービングプレートは、前記第1締結部と結合され、前記ハウジングと前記ムービングプレートとを機械的に締結するための第2締結部を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるバッテリー分離ユニットにおいて、前記リレーは二つ以上であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)は、本発明によるバッテリー分離ユニットのいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるデバイスは、本発明によるバッテリー管理システムを含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明によるデバイスは、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及びプラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)のうちのいずれか一つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のバッテリー分離ユニットは、ムービングプレートを備えることで、ハウジングに実装される電装部品の大きさが変わっても、ハウジングの新規開発または交替なしに既存のハウジングを共用して使うことができる利点がある。
【0023】
また、本発明のバッテリー分離ユニットは、ムービングプレートを備えることで、ハウジングを共用して使うことにより、ハウジングを新規に開発するコストを減らすことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来技術のバッテリー分離ユニットにおいてインサートボルトのみが結合されているハウジングの平面図である。
図2】本発明の一実施例によるムービングプレートのみが締結されたハウジングの平面図である。
図3】本発明の一実施例によるムービングプレートの斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるリレーが実装された状態のハウジングの一部を示す平面図である。
図5】本発明の他の実施例によるリレーが実装された状態のハウジングの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願で、「含む」、「有する」または「備える」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0026】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を間に挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0027】
以下、本発明によるバッテリー分離ユニットについて添付図面を参照して説明する。
【0028】
まず、図2は本発明の一実施例によるムービングプレートのみが締結されたハウジングの平面図であり、図3は本発明の一実施例によるムービングプレートの斜視図である。
【0029】
図2及び図3を参照して本発明のハウジング100及びムービングプレート200を説明すると、ハウジング100は、ムービングプレート200が挿入される挿入部110、ムービングプレート200をハウジング100に締結するための第1締結部120、及び電装部品が実装されたハウジング100をバッテリー分離ユニットが搭載される装置に固定することができる固定部130を含む。
【0030】
ここで、第1締結部120は挿入部110を間に挟んで対向する複数対の締結ホールが一定の間隔で形成されているので、ハウジング100に実装される電装部品の大きさによってムービングプレート200を移動させて締結することができる。
【0031】
一方、バッテリー分離ユニットに使われる電装部品としては、リレー、センサー、ヒューズなどがあり、これらはバッテリー分離ユニットの構成によって一つまたは二つ以上がハウジング100に実装されることができる。
【0032】
また、ムービングプレート200は、電装部品と結合されて電装部品をハウジング100に固定するためのインサートボルト210、及びハウジング100の第1締結部120と重畳してボルトなどで締結されることで、ムービングプレート200をハウジング100に機械的に締結する第2締結部220を含む。
【0033】
このようなムービングプレート200は単一のハウジング100内に一つ以上が備えられることができる。
【0034】
すなわち、ハウジング100内に実装される電装部品の個数に対応してムービングプレート200の個数も可変的に決定されることができる。
【0035】
このように、第1締結部120と第2締結部220とがボルトなどの機械的締結方法で締結されることにより、結合及び分離が容易であり、複数対の第1締結部120が一定の間隔で形成されているので、実装される電装部品の大きさに対応してムービングプレート200を適切な位置に固定させることにより、バッテリーパックの構成によって新しいハウジングを別に備えずに同じハウジング100で多様な構成のバッテリー分離ユニットを製造することができる。
【0036】
図4は本発明の一実施例によるリレーが実装された状態のハウジングの一部を示す平面図であり、図5は本発明の他の実施例によるリレーが実装された状態のハウジングの一部を示す平面図である。
【0037】
すなわち、図4及び図5図2に点線で表示された部分に相異なる大きさのリレー300が実装される場合を示す図である。
【0038】
図4及び図5を参照して、電装部品の大きさが異なる場合にもハウジング100の変更なしにムービングプレート200を適用したハウジング100を使って電装部品を実装する方法について説明する。
【0039】
一方、図4及び図5は電装部品のうちのリレー300の大きさが異なる場合を示しているが、リレー300だけでなく、他の電装部品の大きさが異なる場合にも同様に適用することができる。
【0040】
まず、リレー300を実装するためには、リレー300の大きさに合わせてムービングプレート200をハウジング100の挿入部110に位置させ、次いで第1締結部120及び第2締結部220をボルトなどで締結してムービングプレート200をハウジング100に固定させる。
【0041】
すなわち、図4のように相対的に小さなリレー300を実装する場合には、リレー300の両側に位置する二つのムービングプレート200をハウジング100の第1締結部120のうちの直線距離が一番短い位置に固定させ、図5のように図4のリレー300よりも相対的に大きいリレー300を実装する場合には、二つのムービングプレート200を図4に比べて相対的に直線距離が長い位置に固定させることにより、実装されるリレー300の大きさに柔軟に対応することができる。
【0042】
ついで、固定されたムービングプレート200のインサートボルト210にリレー300を結合することにより、リレー300をハウジング100に固定させることができる。
【0043】
また、図面には示されていないが、同様な過程で大きさの相異なるセンサーなどの多くの電装部品を同じハウジング100にムービングプレート200の適用のみで実装することができる。
【0044】
このように、ムービングプレート200を適用することにより、バッテリーパックの構成及び容量などによって異なる大きさの電装部品を実装する場合にも同じハウジング100を使うことができるので、バッテリーパックに応じて新規にハウジングを開発しなければならない負担を減らすことができる。
【0045】
このような本発明によるバッテリー分離ユニットをバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)に適用することで、多様な構成のバッテリーとともに各種デバイスに装着することができる。
【0046】
ここで、BMSは、残存容量(State Of Charging:SOC)、残存寿命(State Of Health:SOH)、最大入出力電力許容量、出力電圧などのバッテリーの状態を推定し、推定した状態情報を用いてバッテリーを管理する。
【0047】
そして、このような状態情報を用いてバッテリーの充電または放電を制御し、バッテリーの交替時期も推定することができる。
【0048】
BMSは、特に電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などのデバイスに適用してバッテリーを安定的に駆動することができるようにする。
【0049】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
2、100 ハウジング
3、210 インサートボルト
110 挿入部
120 第1締結部
130 固定部
200 ムービングプレート
220 第2締結部
300 リレー
図1
図2
図3
図4
図5