(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/519 20210101AFI20240722BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240722BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240722BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240722BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240722BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240722BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/569
H01M50/507
H01M50/505
H01M50/284
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2022571851
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2021015003
(87)【国際公開番号】W WO2022092730
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0139426
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】イン・ソク・チャ
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-514976(JP,A)
【文献】特開2013-225457(JP,A)
【文献】特表2020-518988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング部材(120)、
前記センシング部材(120)を含む軟性回路基板(FPCB(100))、
前記FPCB(100)と連結されるバスバーフレーム(300)、及び
前記バスバーフレーム(300)と結合されるバスバー(200)
を含み、
前記FPCB(100)と前記バスバー(200)は重畳しながら直接結合され
、
前記バスバーフレーム(300)と前記バスバー(200)との間に前記FPCB(100)が介在している、バッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項2】
重畳する前記FPCB(100)と前記バスバー(200)との間には、前記センシング部材(120)が介在する、請求項1に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項3】
前記バスバー(200)は、前記センシング部材(120)と直接密着しながら連結される、請求項1又は2に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項4】
前記センシング部材(120)には突出部(122)が形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項5】
前記バスバー(200)は前記突出部(122)と密着する、請求項4に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項6】
前記バスバーフレーム(300)には、前記FPCB(100)を装着できる収容部(310)が形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項7】
前記収容部(310)は、前記FPCB(100)が載置されながら内部に挿入できるように湾入した構造で形成される、請求項6に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項8】
前記FPCB(100)と前記収容部(310)とが対面する面は粘着剤によって付着する、請求項6又は7に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項9】
前記バスバーフレーム(300)にはフック(320)が位置し、前記フック(320)が前記バスバー(200)を固定する、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールセンシングユニット。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項によるバッテリーモジュールセンシングユニットを備える、バッテリーモジュール。
【請求項11】
請求項10によるバッテリーモジュールを備えるバッテリーパック。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項によるバッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法であって、
(a)バスバーフレーム(300)に収容部(310)を形成する段階、
(b)センシング部材(120)を含むFPCB(100)を前記収容部に配置する段階、及び
(c)バスバー(200)を前記バスバーフレーム(300)に結合する段階、
を含む、バッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法。
【請求項13】
前記(a)段階と前記(b)段階との間に、前記収容部(310)の表面に粘着剤を位置させる段階をさらに含む、請求項12に記載のバッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月26日付け韓国特許出願第2020-0139426号に基づいた優先権の利益を主張し、該当の韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法に関し、より詳細には、バスバーとFPCBとが直接連結される簡単な構造を有するバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車(Electric Vehicle:EV)又はハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle:HEV)などの環境にやさしい自動車には、電動モーターの駆動に必要な電源が充電されるバッテリーモジュールが搭載される。このようなバッテリーモジュールとしては、バッテリーモジュールのスリム化及び原価節減を達成するために部品共用化を目的として規格化された標準バッテリーモジュールが多く使用されている。
【0004】
標準バッテリーモジュールにおいては、バッテリーモジュールを構成する各バッテリーセルを管理するために各バッテリーセルの電圧などを測定しなければならない。例えば、各バッテリーセルに機械式又は電子式センサーを溶接したりクリップ方式で締結したりし、各バッテリーセルと電圧を測定するセンサーとを連結するための部材などを装着し、各バッテリーセルの電圧を測定し、個別バッテリーセルを制御する。各バッテリーセルの電圧を測定できない場合、該当のバッテリーセルに対する制御が不可能であり、充電と放電を行えないので、バッテリーセルとしての機能をすることができない。
【0005】
このように、環境にやさしい自動車では、バッテリーセル単位の電圧をセンシングし、過充電防止及び電圧バランシングなどの機能を行う必要がある。
【0006】
バッテリーセル単位の電圧をセンシングするセンシングユニットは、センシングバスバー及び軟性回路基板(Flexible Printed Circuits Board;以下、「FPCB」と言う)で構成され、これらを連結するワイヤー及びコネクターなどが必要である。すなわち、センシングバスバーとFPCBとの間の連結には、コネクティング、溶接、端子圧着などの複雑な工程が必要であり、別途の付随する部品が使用されて製作されている。このような方式によると、センシングユニットを構成する部品の個数が多く、製作費用が多くかかるだけでなく、センシングモジュールの体積が大きくなり得る。
【0007】
これと関連して、
図1は、従来技術に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの正面図であり、
図2は、従来技術に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの側面図である。
【0008】
図1及び
図2を参照すると、センシングユニットは、FPCB 10、バスバー20、バスバーフレーム30及びセンシングプレート40を含む。
【0009】
ここで、FPCB 10は、センシングプレート40とエポキシ塗布などの方式で結合され、センシングプレート40とバスバー20は溶接によって連結される。
【0010】
また、FPCB 10とセンシングプレート40は、一側面に延長されながらエポキシ塗布で結合され、全体の長さが増加することによってセンシングユニットの構造が複雑になり、体積が増加するという問題を有する。
【0011】
一方、下記特許文献1では、FPCB、バスバー収容室を含む測定部本体、バスバー、及び前記バスバーと測定部本体を固定するナットを含むセンシングユニットが開示されている。
【0012】
また、下記特許文献2には、バッテリーセルのそれぞれに連結されたセルバスバーを備えるバッテリーセル組立体に結合されるセンシングハウジング、センシングバスバー、印刷回路基板(Printed Circuits Board;以下、「PCB」という)、及びPCBと連結された屈曲した形状の変形部を形成し、各バスバーの間の接続力を向上させる構成を備えたセンシングユニットが開示されている。
【0013】
これらの特許文献1及び特許文献2は、いずれもセンシングユニットの結合構造を簡素化しようとする構成を備えているが、センシングユニットの体積を減少させ、製造工程を単純化できるセンシングユニットについては開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開2003-045409号公報
【文献】韓国公開特許公報第2018-0091325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであって、組み立て構造が単純で、製造工程が簡単であり、費用を節減できるバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明では、体積を減少させ、周囲空間活用効率を向上できるバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットは、センシング部材120、前記センシング部材120を含むFPCB 100、前記FPCB 100と連結されるバスバーフレーム300、及び前記バスバーフレーム300と結合されるバスバー200を含み、前記FPCB 100と前記バスバー200は重畳しながら直接結合されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、重畳する前記FPCB 100と前記バスバー200との間にはセンシング部材120が介在し得る。
【0019】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記バスバー200は、センシング部材120と直接密着しながら連結され得る。
【0020】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記センシング部材120には突出部122が形成され得る。
【0021】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記バスバー200は前記突出部122と密着し得る。
【0022】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記バスバーフレーム300には、FPCB 100を装着できる収容部310が形成され得る。
【0023】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記収容部310は、前記FPCB 100が載置されながら内部に挿入できるように湾入した構造で形成され得る。
【0024】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記FPCB 100と前記収容部310とが対面する面は粘着剤によって付着し得る。
【0025】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットにおいて、前記バスバーフレーム300にはフック320が位置し、前記フック320が前記バスバー200を固定することができる。
【0026】
また、本発明は、前記バッテリーモジュールセンシングユニットを備えるバッテリーモジュールであることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、前記バッテリーモジュールを備えるバッテリーパックであることを特徴とする。
【0028】
本発明では、(a)バスバーフレーム300に収容部310を形成する段階、(b)センシング部材120を含むFPCB 100を前記収容部に配置する段階、及び(c)バスバー200を前記バスバーフレーム300に結合する段階を含むことを特徴とするバッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法を提供することができる。
【0029】
また、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法では、前記(a)段階と前記(b)段階との間に、前記収容部310の表面に粘着剤を位置させる段階をさらに含むことができる。
【0030】
また、本発明は、上記のような各構成のうち相反しない構成を一つ又は二つ以上選んで組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法によると、バッテリーモジュールセンシングユニットを構成するFPCBとバスバーとが単純組み立てによって連結されることによって製造工程が単純になり、製造時間を減少できるという利点がある。
【0032】
また、本発明のバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法によると、FPCBとバスバーとが重畳して連結されるので、バッテリーモジュールセンシングユニットの体積増加を最小化することができ、空間活用効率を高めることができるという長所がある。
【0033】
さらに、本発明のバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法によると、既存のセンシングプレートを使用しなくてもよいので、製造工程での部品が減少し、製造原価を節減することができ、経済性を向上させることができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】従来技術に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの正面図である。
【
図2】従来技術に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの側面図である。
【
図3】本発明の第1実施例に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの正面図である。
【
図4】
図3に示したバッテリーモジュールセンシングユニットの側面図である。
【
図5】本発明の第1実施例に係るセンシング部材の正面図である。
【
図6】本発明の第1実施例に係るバスバーフレームの斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施例に係るセンシング部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願において、「含む」、「有する」又は「備える」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらのを組み合わせなどの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0036】
また、図面全体にわたって類似する機能及び作用をする部分に対しては、同一の図面符号を使用する。明細書全体において、一つの部分が他の部分と連結されているとしたとき、これは、直接連結されている場合のみならず、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、一つの構成要素を含むことは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0037】
以下、本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットに関して添付の図面を参照して説明する。
【0038】
図3は、本発明の第1実施例に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの正面図であり、
図4は、
図3に示したバッテリーモジュールセンシングユニットの側面図であり、
図5は、本発明の第1実施例に係るセンシング部材の正面図であり、
図6は、本発明の第1実施例に係るバスバーフレームの斜視図である。
【0039】
図3乃至
図6を参照すると、本発明の第1実施例に係るバッテリーモジュールセンシングユニットは、バスバーフレーム300、バスバーフレーム300に位置するFPCB 100、FPCB 100に位置するセンシング部材120、及びバスバーフレーム300と結合されるバスバー200を含んで構成される。
【0040】
まず、バスバーフレーム300について具体的に説明すると、バスバーフレーム300には、FPCB 100が載置される収容部310が備えられ得る。具体的には、収容部310には、FPCB 100がバスバーフレーム300の一側に収容されて搭載できるように収容空間が形成され得る。
【0041】
前記収容部は、底面が平らな形式で形成されることが好ましい。図面には示していないが、収容部310にはFPCB 100が載置され、収容部310の底面とFPCB 100の接触面との間には粘着剤、両面テープなどの粘着手段が介在し、FPCB 100が収容部310でねじれたり離脱したりするなどの現象を防止することができ、収容部310の底面が水平面である場合、FPCB 100の付着力を向上させるのに有利になる。
【0042】
ここで、前記粘着手段は、前記収容部310の底面とFPCB 100とが対面する全体或いは一部に付加され得る。前記粘着手段は、伝導性粘着剤(electroconductive adhesive)であってもよく、前記伝導性粘着剤は、回路配線の接合のために従来の半田付けの代わりに使用される伝導性及び粘着性を有する粘着剤であって、構成物質又は性質によって常温乾燥型粘着剤、常温硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤、高温焼成型粘着剤、UV硬化型粘着剤などに分類され得る。
【0043】
また、収容部310の底面までの深さは、FPCB 100の後述する突出部122から後述する基板フィルム110までの厚さ以下であり得る。前記収容部310にFPCB 100を搭載したバスバーフレーム300はバスバー200と結合され、バスバー200は、FPCB 100の突出部122と密着しながら電気的に連結される。したがって、FPCB 100の最も厚い部分である突出部122から基板フィルム110までの厚さが前記収容部310の深さより大きい場合、前記突出部122が上部に位置するバスバー200に密着するのに有利になる。
【0044】
収容部310のエッジには、後述するバスバー200を固定・結合するための各結合構造が形成されていてもよい。前記結合構造は、多様な大きさのフック(hook)式結合構造であってもよく、嵌合方式で結合される溝と突起を有する構造であってもよく、前記溝と突起は、スライディングダブテール(dovetail)型方式であってもよい。バスバー200とバスバーフレーム300とを容易に結合できる方式であれば、これに限定されないことは自明である。
【0045】
次に、FPCB 100及びセンシング部材120について説明する。
【0046】
バスバーフレーム300の収容部310に位置するFPCB 100は、
図5に示したように、基板フィルム110及びセンシング部材120を含んで構成される。
【0047】
本発明において、FPCB 100は、基板フィルム110上にセンシングシート121で回路を構成するようになっている。ここで、基板フィルム110は、基板フィルム110上に回路配線(図示せず)を形成するために、伝導性印刷インクが密度を有して印刷できたり、伝導性フィルムを配置できたりする材料で構成され得る。基板フィルム110は、透明、半透明又は不透明であり得る。前記基板フィルムは、透明で且つ柔軟性を有するプラスチック系列の材料で構成されてもよく、高温に耐えられるPET(polyethylene terephthalate)、PI(polyimide)、PU(polyurethane)系列の合成樹脂などで構成されてもよい。
【0048】
センシングシート121は、銅箔で構成されてもよく、前記銅箔からプレッシングを通じて一つ以上の球状の突出部122が形成されることによってセンシング部材120が形成される。上述したように、前記突出部122はバスバー200と電気的に連結される。
【0049】
ここで、前記突出部122の高さは、収容部310の深さより大きいことが好ましい。このように前記突出部122の高さが収容部の深さより大きく構成されることによって、前記収容部と重畳しながら位置するバスバー200との接触面が形成されながら電気的結合をなすのに有利になる。
【0050】
前記突出部122の内部、すなわち、バスバーフレーム300の収容部310と対面して形成される空間には、補強部材(図示せず)が備えられ得る。前記補強部材は、前記空間内に位置し、前記突出部122がバスバー200と密着するとき、瞬間的な密着圧力などによって突出反対方向に変形することを防止し、FPCB 100とバスバー200との円滑な電気的連結を確保することができる。前記補強部材としては、UV粘着剤、シリコーン粘着剤などが使用されてもよく、ゴム系列、合成樹脂系列の溶剤が用いられてもよい。
【0051】
続いて、バスバー200について詳細に説明する。
【0052】
本発明でのバスバー200は、上方から見たとき、ほぼ長方形をなしている。バスバー200は、金属板材を所定の形状にプレス加工して成形される。バスバー200は、非鉄金属で構成されてもよく、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)などの金属で構成されてもよく、バスバー200の表面には、スズ、ニッケルなどのめっき層が形成されていてもよい。
【0053】
上記のような構成を有する本発明の第1実施例に係るバッテリーモジュールセンシングユニットの製造方法は、(a)バスバーフレーム300に収容部310を形成する段階、(b)センシング部材120を含むFPCB 100を前記収容部に配置する段階、及び(c)バスバー200を前記バスバーフレーム300に結合する段階を含むことができる。
【0054】
また、前記(b)段階において、センシング部材120のセンシングシート121が前記収容部310の底面に密着し、突出部122は、前記底面と所定距離だけ離隔しながら前記バスバー200と対面して密着できるように配置される。
【0055】
もちろん、FPCB 100をバスバーフレーム300の収容部310に配置する前に、粘着剤を配置する段階を先行することも可能である。
【0056】
図7は、本発明の第2実施例に係るセンシング部材120の正面図である。
【0057】
突出部の形態が異なることを除いて、残りは
図3乃至
図6を参照しながら説明した第1実施例と同一である。
【0058】
本発明の第2実施例において、センシングシート121をプレッシングして形成された突出部122は、長いトンネル状になり得る。前記トンネル状の突出部122には、バスバー200と半球状の突出部の一つのポイントではない一つの直線で複数個の連結点或いは線状の連結部が形成され得る。したがって、センシング部材120とバスバー200との電気的連結がより効果的に行われる。
【0059】
以上のような本発明に係るバッテリーモジュールセンシングユニットは、バッテリーモジュールに位置し得る。
【0060】
ここで、バッテリーモジュールは、複数個のバッテリーセルを含むことができ、少なくとも一方向に積層されるように配列され得る。
【0061】
また、バッテリーセルはパウチ型バッテリーセルであり得る。特に、このようなパウチ型バッテリーセルは、電極組立体、電解液及びパウチを備えることができる。
【0062】
ここで、パウチは、少なくとも一つの収納部に電極組立体が収納された後、枠が融着されることによって収納部が密閉され、電極組立体の両側又は一側に連結された状態の一対の電極リードがパウチの外側に突出する。もちろん、電極組立体の正極タブと負極タブとがそれぞれ電気的に連結された後でセルパウチの外部に露出したり、タブを省略してセル組立体と電極リードとが直接連結されたりしても構わない。
【0063】
一方、電極組立体は、長いシート状の正極と負極との間に分離膜が介在した後、これらの正極と負極が巻き取られる構造からなるゼリーロール型組立体、長方形の正極と負極が分離膜を介在した状態で積層される構造のスタック型組立体、各単位セルが長い分離フィルムによって巻き取られるスタックフォールディング型組立体、又は各電池セルが分離膜を介在した状態で積層されながら相互間に付着するラミネーションスタック型組立体などからなり得るが、これに制限しない。
【0064】
また、電解質は、一般に通用する液体電解質の他にも、固体電解質や、固体電解質に添加剤を付加することによって液体と固体の中間形態を帯びるゲル形態の準固体電解質に置換されても構わないことは当然である。
【0065】
上記のような電極組立体は、パウチの収納部に収納され、パウチは、通常、内部層/金属層/外部層のラミネートシート構造からなっている。内部層は、電極組立体と直接接触するので、絶縁性及び耐電解液性を有さなければならなく、また、外部との密閉のために、シーリング性、すなわち、内部層同士が熱粘着したシーリング部位は、優れた熱粘着強度を有さなければならない。このような内部層の材料は、耐化学性に優れながらもシーリング性が良いポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンアクリル酸、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれ得るが、これに限定しなく、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性及び耐化学性に優れたポリプロピレンであることが最も好ましい。
【0066】
内部層と接している金属層は、外部から水分や各種ガスが電池の内部に浸透することを防止するバリアー層に該当し、このような金属層の好ましい材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使用することができる。
【0067】
そして、金属層の他側面には外部層が備えられ、このような外部層としては、電極組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保できるように引張強度、透湿防止性及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使用することができ、例えば、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートを使用できるが、これに限定されない。
【0068】
本発明に係るバッテリーモジュールにおいて、バッテリーセルは、パウチ型バッテリーセルにのみ限定されなく、本発明の出願時点に公知となった多様なバッテリーセルが利用可能である。
【0069】
また、前記バッテリーモジュールセンシングユニットを備えたバッテリーモジュールは、単独で使用されてもよく、又は複数個が一つの集合体を構成するバッテリーパックになってもよい。このようなバッテリーモジュールやバッテリーパックは、各種デバイス、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車に適用され得る。
【0070】
以上では、本発明の内容の特定の部分を詳細に記述したが、当業界で知識を有する者であれば、このような具体的な記述は、好ましい実施様態に過ぎなく、これによって本発明の範囲が制限されることはない。また、本発明の範疇及び技術思想範囲内で多様な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明白であり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法によると、バッテリーモジュールセンシングユニットを構成するFPCBとバスバーとが単純組み立てで連結されることによって製造工程が単純になり、製造時間を減少できるという利点がある。
【0072】
また、本発明のバッテリーモジュールセンシングユニット及びその製造方法によると、FPCBとバスバーとが重畳して連結されるので、バッテリーモジュールセンシングユニットの体積増加を最小化することができ、空間活用効率を高めることができるという長所がある。
【0073】
さらに、既存のセンシングプレートを使用しなくてもよいので、製造工程での部品が減少し、製造原価を節減することができ、経済性を向上できるという長所がある。
【符号の説明】
【0074】
10、100:FPCB
20、200:バスバー
30、300:バスバーフレーム
40:センシングプレート
110:基板フィルム
120:センシング部材
121:センシングシート
122:突出部
310:収容部
320:フック