(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
H04M 3/22 20060101AFI20240722BHJP
H04M 3/00 20240101ALI20240722BHJP
H04M 7/06 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H04M3/22 B
H04M3/00 B
H04M7/06
(21)【出願番号】P 2020052910
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】町本 将記
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-046261(JP,A)
【文献】特開2006-197522(JP,A)
【文献】国際公開第2008/020644(WO,A1)
【文献】特開2015-201756(JP,A)
【文献】特開2016-165073(JP,A)
【文献】特開2016-220182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/22
12/50-12/66
45/00-49/9057
H04M3/00
3/08-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q1/20-1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の通信網に属する端末と、前記端末の呼制御を行う呼制御装置であって互いに冗長に構成された少なくとも第1の呼制御装置と第2の呼制御装置とを含む複数の呼制御装置との間で呼制御のための情報を中継する中継装置であって、
前記端末からの要求に基づいて、前記端末を呼制御の対象として認識させるための登録要求を前記呼制御装置に送信する要求部と、
前記登録要求に応じて前記呼制御装置から応答信号が返信された場合に、前記端末と前記呼制御装置とを関連付ける登録情報を所定の記憶手段に記憶させる登録情報登録部と、
前記呼制御装置からの前記端末に対する着信要求を受信した場合に、当該呼制御装置と当該端末とを関連付けた前記登録情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記着信要求を前記端末に中継する中継部と、を備え、
前記複数の呼制御装置の各々は番号により識別され、各呼制御装置には、各番号が識別情報として関連付けられており、
前記登録情報は、前記端末と前記呼制御装置の前記識別情報とを関連付けており、
前記着信要求は、送信元の前記呼制御装置の前記識別情報を含み、
前記中継部は、前記第2の呼制御装置からの前記端末に対する前記着信要求を受信したときに、前記着信要求に含まれる前記第2の呼制御装置の前記識別情報と当該端末とを関連付けた前記登録情報が前記記憶手段に記憶されていなかった場合において、前記着信要求に含まれる前記識別情報の番号に対して1を加算または減算した番号を前記第1の呼制御装置の識別情報として算出し、前記端末と前記第1の呼制御装置の識別情報とを関連付けた前記登録情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記着信要求を前記端末に中継する、
中継装置。
【請求項2】
前記中継部は、前記着信要求に含まれる前記識別情報が奇数である場合には、前記識別情報の番号に対して1を加算した番号を前記第1の呼制御装置の識別情報として算出し、前記着信要求に含まれる前記識別情報が偶数である場合には、前記識別情報の番号に対して1を減算した番号を前記第1の呼制御装置の識別情報として算出する、
請求項
1に記載の中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の通信網に属する端末と呼制御装置との間で呼制御のための情報を中継する中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば企業拠点内等に構築された特定の通信網に属する端末(例えば、固定電話装置)を、携帯電話網に接続することにより、固定電話装置と携帯電話とを内線電話として接続するサービスが提供されている。かかるサービスの提供において、携帯電話網と固定電話装置との間で呼制御を行う制御装置群と、固定電話装置との間に、呼制御のための種々の情報を中継する中継装置が設けられる。制御装置群は、特定の通信網内の固定電話装置及び特定の携帯電話を内線電話として接続させるためのPBX機能を有する呼制御装置を含む。各端末が呼制御装置により制御されるためには、端末の情報が呼制御装置において登録される必要がある。例えば、特許文献1には、端末に関するレジスタ登録要求に応じて、サーバが、当該端末の外線番号に対応付けてレジスタ登録要求に含まれる登録情報をテーブルに登録する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中継装置は、呼制御装置と端末との間の適切な情報の中継のために、端末からの登録要求に応じて呼制御装置から返信された応答信号に基づいて、呼制御装置と端末との対応を認識する。一方、PBX機能を有する呼制御装置には、故障等に備えて冗長構成が採用される場合がある。冗長構成とされた呼制御装置のうちの一部の呼制御装置は、端末からの登録要求に対する応答信号を返信しない場合がある。このような場合には、中継装置は、一部の呼制御装置と端末との関連付けを認識できず、適切な情報の中継を実施できない。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、冗長構成された呼制御装置のうちの一部の呼制御装置を認識していなくとも、呼制御に関する情報の適切な中継により呼制御を可能とする中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る中継装置は、特定の通信網に属する端末と、端末の呼制御を行う呼制御装置であって互いに冗長に構成された少なくとも第1の呼制御装置と第2の呼制御装置とを含む複数の呼制御装置との間で呼制御のための情報を中継する中継装置であって、端末からの要求に基づいて、端末を呼制御の対象として認識させるための登録要求を呼制御装置に送信する要求部と、登録要求に応じて呼制御装置から応答信号が返信された場合に、端末と呼制御装置とを関連付ける登録情報を所定の記憶手段に記憶させる登録情報登録部と、呼制御装置からの端末に対する着信要求を受信した場合に、当該呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されている場合に、着信要求を端末に中継する中継部と、を備え、中継部は、第2の呼制御装置からの端末に対する着信要求を受信したときに、第2の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されていなかった場合において、第1の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されている場合に、着信要求を端末に中継する。
【0007】
上記の形態によれば、端末に対する第2の呼制御装置からの着信要求を受信したときに、第2の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が予め記憶されていなかった場合であっても、第2の呼制御装置と冗長関係を有する第1の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報を検索し、第1の呼制御装置に関する登録情報が記憶されていた場合には、着信要求が端末に中継される。従って、応答信号の受信に基づく第2の呼制御装置に関する情報を予め有しておらず、第2の呼制御装置と端末との関連付けを認識していなくとも、端末に対する着信要求を適切に中継できる。また、予め第2の呼制御装置に関する情報を記憶している必要が無いため、情報の記憶のためのリソースが節約される。
【発明の効果】
【0008】
冗長構成された呼制御サーバのうちの一部の呼制御サーバを認識していなくとも、呼制御に関する情報の適切な中継により呼制御を可能とする中継装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る中継装置を含む通信システムのネットワーク構成及び装置構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の中継装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】中継装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】登録情報の記憶部に記憶された登録情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る中継装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本開示の一実施の形態に係る中継装置10を含む通信システムのネットワーク構成及び装置構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、中継装置10は、所定の拠点に構築される拠点網N1,N2と、制御サーバ群SVとの間において、通信ネットワークを介して情報を中継するように構成されている。
【0012】
拠点網N(N1,N2)は、例えば企業等の拠点において構築されている通信ネットワークである。拠点網Nは、PBX装置PX、端末Tの一例である固定電話T1、端末Tの一例である携帯端末T2を含み得る。PBX装置PXは、拠点網Nの電話回線の交換機であって、固定電話T1の呼制御等を行うことにより、固定電話T1に内線電話としての機能を提供する。携帯端末T2は、後述されるように、制御サーバ群SVに含まれるSIPサーバSP等による制御により、携帯電話網MNに属する通信端末とのいわゆる外線としての通信が可能であることと併せて、企業等の拠点内における内線端末としても機能しうる。
【0013】
制御サーバ群SVは、拠点網Nに属する端末Tの呼制御等を行うためのサーバ群であって、SIPサーバSP(呼制御装置)を含む。制御サーバ群SVは、拠点網Nと携帯電話網MNとの間に介在して、拠点網N内の固定電話T1及び携帯端末T2の着信及び発信の呼制御を行う。
【0014】
SIPサーバSPは、冗長構成を採用しており、本実施形態では、例えば2台のSIPサーバ(1)SP1(第1の呼制御装置)及びSIPサーバ(2)SP2(第2の呼制御装置)を含む。冗長構成のSIPサーバSPでは、例えば、SIPサーバ(1)SP1が現用系として運用され、SIPサーバ(1)SP1に故障等の障害が発生した場合に、予備系のSIPサーバ(2)SP2が稼働される。
【0015】
SIPサーバSPは、拠点網Nの外の拠点外において、拠点網N内の固定電話T1及び携帯端末T2の回線交換をする仮想的なPBX装置として機能する。即ち、SIPサーバSPは、固定電話T1及び携帯端末T2に内線電話としての機能を提供し得る。
【0016】
SIPサーバSPは、端末Tの呼制御のために、端末Tを認識する必要がある。端末TをSIPサーバSPに認識させるために、SIPサーバSPは、端末Tから送信された登録要求を受信し、受信した登録要求に係る端末Tを制御下の端末として登録する。登録が完了したときに、SIPサーバSPは、登録要求の送信元の端末Tに応答信号を返信する。
【0017】
図2は、本実施形態の中継装置10の機能的構成を示す機能ブロック図である。中継装置10は、SBC(Session Border Controller)と称され、端末Tと呼制御装置としてのSIPサーバSPとの間で呼制御のための情報を中継する装置である。
図2に示されるように、中継装置10は、登録要求取得部11、要求部12、応答信号取得部13、登録情報登録部14、着信要求受信部15及び中継部16を備える。また、中継装置10は、登録情報を記憶させるための登録情報記憶部18を含んでもよい。本実施形態では、登録情報記憶部18は、中継装置10に構成されているが、中継装置10と通信可能に構成された他の装置内に構成されてもよい。
【0018】
中継装置10は、呼制御のための情報の中継処理の1つとして、拠点網Nにおけるネットワークアドレスと、制御サーバ群SVにおけるネットワークアドレスとの変換処理等を行う。中継装置10は、かかる中継処理のために、SIPサーバSPと端末Tとの関連付けを認識する必要がある。
【0019】
具体的には、中継装置10は、SIPサーバSPと端末Tとを関連付けた登録情報を登録情報記憶部18に記憶させておき、SIPサーバSPと端末Tの間で情報を中継するときに、登録情報記憶部18を参照して、当該SIPサーバSPと当該端末Tとを関連付けた登録情報を検索し、当該登録情報が登録されていた場合に情報を中継する。
【0020】
中継装置10は、端末Tからの登録要求に応じてSIPサーバSPにより返信された応答信号を受信したときに、当該端末Tと当該SIPサーバSPとを関連付けた登録情報を生成し、生成した登録情報を登録情報記憶部18に記憶させる。
【0021】
なお、
図2に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0022】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0023】
例えば、本発明の一実施の形態における中継装置10は、コンピュータとして機能してもよい。
図3は、本実施形態に係る中継装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。中継装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0024】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。中継装置10のハードウェア構成は、
図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0025】
中継装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0026】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ1001は、GPU(Graphics Processing Unit)を含んで構成されてもよい。例えば、
図2に示した各機能部11~16などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0027】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、中継装置10の各機能部11~16は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0028】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る中継方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0029】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0030】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0031】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0032】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0033】
また、中継装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0034】
図2及び
図4を参照しながら、中継装置10の各機能部について説明する。
図4は、本実施形態の中継装置10の動作を示すタイミングチャートである。
図4においては、中継装置10の他に、端末A(T)、SIPサーバ(1)SP1及びSIPサーバ(2)SP2の動作が示されている。
【0035】
図4に示される端末A(T)は、識別子Aにより識別される端末Tであって、固定電話T1及び携帯端末T2のいずれであってもよい。
【0036】
SIPサーバSPは、SIPサーバ(1)SP1及びSIPサーバ(2)SP2の2台のSIPサーバにより冗長に構成されており、それぞれが識別情報としての番号(1)及び番号(2)により識別される。
図4に示される例では、SIPサーバ(1)SP1が現用系として運用される。
【0037】
ステップS1において、端末A(T)は、端末A(T)をSIPサーバ(1)SP1に認識させるための登録要求を送信する。中継装置10の登録要求取得部11は、端末A(T)から送信された登録要求を取得する。
【0038】
ステップS2において、要求部12は、端末A(T)からの登録要求に基づいて、登録要求をSIPサーバ(1)SP1に送信する。
【0039】
ステップS3において、SIPサーバ(1)SP1は、中継装置10により中継及び送信された登録要求に応じて、端末A(T)を制御対象の端末として認識及び登録し、登録が完了した旨を示す応答信号を中継装置10に返信する。
中継装置10の応答信号取得部13は、SIPサーバ(1)SP1から返信された応答信号を受信する。
【0040】
ステップS4において、登録情報登録部14は、受信した応答信号に基づいて、当該応答信号に係る登録要求の送信元の端末A(T)と、端末A(T)を制御対象として認識した当該応答信号の返信元のSIPサーバ(1)SP1とを関連付ける登録情報(端末A-SIPサーバ(1))を生成し、生成した登録情報を登録情報記憶部18に記憶させる。
【0041】
図5は、登録情報記憶部18に記憶された登録情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図5に示されるように、登録情報記憶部18は、登録情報に係る端末A(T)の識別情報である「A」と、SIPサーバの識別情報である番号「1」とを関連付けて記憶している。
【0042】
ステップS5において、応答信号取得部13は、取得した応答信号を、端末A(T)に送信する。
【0043】
ステップS6において、端末A(T)は、予備系のSIPサーバであるSIPサーバ(2)SP2に端末A(T)を認識させるための登録要求を送信する。中継装置10の登録要求取得部11は、端末A(T)から送信されたSIPサーバ(2)SP2宛ての登録要求を取得する。
【0044】
ステップS7において、要求部12は、端末A(T)からの登録要求に基づいて、登録要求をSIPサーバ(2)SP2に送信する。
【0045】
ここで、予備系のSIPサーバは、登録要求に応じて応答信号を返信しないように構成されている場合がある。本実施形態では、SIPサーバ(2)SP2は、中継装置10により中継及び送信された登録要求に応じた応答信号を返信しない。
【0046】
端末TのSIPサーバへの登録の完了後において、端末に対する着信及び発信の呼制御が実施されている状況において、現用系のSIPサーバ(1)SP1に障害が発生(AC)する場合がある。このような場合には、予備系として構成されていたSIPサーバ(2)SP2が現用系に切り替えられる。
【0047】
このようにSIPサーバ(2)SP2が現用系として運用されている場合には、携帯電話網MN等からの端末A(T)に対する着信は、SIPサーバ(2)SP2により受け付けられる(ステップS11)。
【0048】
ステップS12において、SIPサーバ(2)SP2は、端末A(T)に対する着信要求を中継装置10に送信する。中継装置10の着信要求受信部15は、SIPサーバ(2)SP2から送信された着信要求を受信する。
【0049】
中継部16は、SIPサーバSPからの端末Tに対する着信要求を受信した場合に、当該SIPサーバSPと当該端末Tとを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されている場合に、着信要求を当該端末Tに中継する。
【0050】
図4のタイミングチャートに例示されるステップS13において、中継部16は、登録情報記憶部18を参照して、ステップS12において受信した着信要求の宛先である端末Aと、着信要求の送信元のSIPサーバ(2)SP2とを関連付けた登録情報を検索する。しかしながら、
図5に示されるように、登録情報記憶部18には、端末AとSIPサーバ(2)SP2とを関連付けた登録情報が登録されていないので、この時点において、中継装置10は、SIPサーバSPからの情報を中継すべき対象として端末Aを認識できない。
【0051】
中継部16は、SIPサーバ(2)SP2からの端末A(T)に対する着信要求を受信したときに、SIPサーバ(2)SP2と当該端末A(T)とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されていなかった場合において、SIPサーバ(2)SP2と冗長関係にあるSIPサーバSPであるSIPサーバ(1)SP1と当該端末A(T)とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されている場合に、着信要求を端末A(T)に中継する。
【0052】
具体的には、ステップS14において、中継部16は、着信要求に含まれるSIPサーバ(2)の識別情報である番号に対して1を加算または減算した番号を算出し、端末A(T)の識別情報「A」と算出されたSIPサーバの識別情報である番号とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されているか否かを検索する。
【0053】
さらに具体的には、中継部16は、着信要求に含まれる識別情報の番号が奇数である場合には、識別情報の番号に対して1を加算した番号を再検索のための識別情報として算出し、着信要求に含まれる識別情報の番号が偶数である場合には、識別情報の番号に対して1を減算した番号を再検索のための識別情報として算出する。
【0054】
本実施形態のステップS14において、中継部16は、着信要求に含まれるSIPサーバ(2)の識別情報である番号「2」に対して1を減算して再検索のための識別情報である番号「1」を算出する。そして、中継部16は、端末A(T)の識別情報「A」と、算出された番号であってSIPサーバ(1)SP1を識別する識別情報である番号「1」とを関連付けた登録情報が、登録情報記憶部18に記憶されているか否かを検索する。
図5に示されるように、登録情報記憶部18には、端末AとSIPサーバ(1)SP1とを関連付けた登録情報が登録されている、中継装置10は、SIPサーバSPからの情報を中継すべき対象として端末Aを認識できる。
【0055】
ステップS15において、中継部16は、着信要求を端末A(T)に中継及び送信する。
【0056】
なお、
図4を参照して説明した例では、中継部16は、着信要求に含まれる識別情報の番号に対して1を加算または減算した番号を、登録情報記憶部18の再検索のための識別情報として算出するが、このような例には限定されない。中継部16は、互いに冗長関係にあるSIPサーバを関連付けた対応情報を参照して、登録情報記憶部18の再検索のためのSIPサーバの識別情報を取得してもよい。
【0057】
図6は、互いに冗長関係にあるSIPサーバを関連付けた対応情報の例を示す図である。対応情報は、例えば、中継装置10からアクセス可能な記憶手段に記憶されていてもよい。
【0058】
具体的には、中継部16は、SIPサーバ(2)SP2からの端末A(T)に対する着信要求を受信したときに、SIPサーバ(2)SP2と当該端末A(T)とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されていなかった場合において、
図6に示される対応情報を参照して、SIPサーバ(2)と冗長関係にあるSIPサーバとして、SIPサーバ(1)が関連付けられていることを取得し、SIPサーバ(1)SP1と端末A(T)とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されているか否かを検索する。
【0059】
そして、中継部16は、SIPサーバ(1)SP1と端末A(T)とを関連付けた登録情報が登録情報記憶部18に記憶されている場合に、SIPサーバSPからの情報を中継すべき対象として端末Aを認識できるので、着信要求を端末A(T)に中継する。
【0060】
次に、コンピュータを、本実施形態の中継装置10として機能させるための中継プログラムについて説明する。
図7は、中継プログラムP1の構成を示す図である。
【0061】
中継プログラムP1は、中継装置10における中継処理を統括的に制御するメインモジュールm10、登録要求取得モジュールm11、要求モジュールm12、応答信号取得モジュールm13、登録情報登録モジュールm14、着信要求受信モジュールm15及び中継モジュールm16を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m16により、中継装置10における登録要求取得部11、要求部12、応答信号取得部13、登録情報登録部14、着信要求受信部15及び中継部16のための各機能が実現される。なお、中継プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、
図7に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0062】
以上説明した本実施形態の中継装置10では、端末Tに対するSIPサーバ(2)SP1からの着信要求を受信したときに、SIPサーバ(2)SP2と当該端末Tとを関連付けた登録情報が予め記憶されていなかった場合であっても、SIPサーバ(2)SP2と冗長関係を有するSIPサーバ(1)と当該端末Tとを関連付けた登録情報を検索し、SIPサーバ(1)SP1に関する登録情報が記憶されていた場合には、着信要求が端末Tに中継される。従って、応答信号の受信に基づくSIPサーバ(2)SP2に関する情報を予め有しておらず、SIPサーバ(2)SP2と端末Tとの関連付けを認識していなくとも、端末Tに対する着信要求を適切に中継できる。また、予めSIPサーバ(2)SP2に関する情報を記憶している必要が無いため、情報の記憶のためのリソースが節約される。
【0063】
また、別の形態に係る中継装置10では、複数の呼制御装置の各々は番号により識別され、各呼制御装置には、各番号が識別情報として関連付けられており、登録情報は、端末と呼制御装置の識別情報とを関連付けており、着信要求は、送信元の呼制御装置の識別情報を含み、中継部は、第2の呼制御装置からの端末に対する着信要求を受信したときに、着信要求に含まれる第2の呼制御装置の識別情報と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されていなかった場合において、着信要求に含まれる識別情報の番号に対して1を加算または減算した番号を第1の呼制御装置の識別情報として算出し、端末と第1の呼制御装置の識別情報とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されている場合に、着信要求を端末に中継することとしてもよい。
【0064】
上記形態によれば、着信要求に含まれる識別情報の番号に対して1を加算または減算することにより、第1の呼制御装置の識別情報が算出される。従って、簡易な構成により、登録情報の再検索のための識別情報を得ることができる。
【0065】
また、別の形態に係る中継装置10では、中継部は、着信要求に含まれる識別情報が奇数である場合には、識別情報の番号に対して1を加算した番号を第1の呼制御装置の識別情報として算出し、着信要求に含まれる識別情報が偶数である場合には、識別情報の番号に対して1を減算した番号を第1の呼制御装置の識別情報として算出することとしてもよい。
【0066】
上記形態によれば、冗長関係にある呼制御装置の識別情報が、奇数及び偶数の番号の対を成すように構成されていれば、取得した着信要求に含まれる識別情報が奇数または偶数である場合には、識別情報の番号に対して1を加算または減算することにより登録情報の再検索のための識別情報を確実且つ容易に得ることができる。
【0067】
また、別の形態に係る中継装置10では、中継部は、第2の呼制御装置からの端末に対する着信要求を受信したときに、第2の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されていなかった場合において、互いに冗長関係にある呼制御装置を関連付けた対応情報を参照して、第2の呼制御装置と関連付けられた第1の呼制御装置に関する情報を取得し、第1の呼制御装置と当該端末とを関連付けた登録情報が記憶手段に記憶されている場合に、着信要求を端末に中継することとしてもよい。
【0068】
上記形態によれば、予め有する対応情報の参照により、第2の呼制御装置と冗長関係にある第1の呼制御装置に関する情報を取得できるので、登録情報の再検索のための識別情報を容易に得ることができる。
【0069】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0070】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0071】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0072】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0073】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0074】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0075】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0076】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0077】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0078】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0079】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0080】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0081】
なお、本開示において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0082】
本開示において使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0083】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0084】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0085】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0086】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0087】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0088】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0089】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0090】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0091】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0092】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0093】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0094】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0095】
本開示において「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0096】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0097】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0098】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【符号の説明】
【0099】
10…中継装置、11…登録要求取得部、12…要求部、13…応答信号取得部、14…登録情報登録部、15…着信要求受信部、16…中継部、18…登録情報記憶部、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…登録要求取得モジュール、m12…要求モジュール、m13…応答信号取得モジュール、m14…登録情報登録モジュール、m15…着信要求受信モジュール、m16…中継モジュール、MN…携帯電話網、N,N1,N2…拠点網、P1…中継プログラム、PX…PBX装置、SP,SP1,SP2…SIPサーバ、T…端末。