(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】レーザー墨出し器、レーザー墨出し器システム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
G01C15/00 103E
G01C15/00 103B
(21)【出願番号】P 2020114359
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴木 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】小池 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】野田 将史
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-191271(JP,A)
【文献】特開2010-197122(JP,A)
【文献】特開2017-150836(JP,A)
【文献】特開2017-037016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持本体と、
前記支持本体の上側において前記支持本体に対して回転可能に載置された回転本体と、
前記回転本体を回転させるように構成されたモータと、
前記回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成されたレーザー射出部と、
携帯端末装置及び受光装置のそれぞれと無線通信を行うように構成された機器通信部と、
前記携帯端末装置から送信された回転開始指令を前記機器通信部が受信した場合に、駆動信号に基づいて前記モータの回転方向及び停止を制御するように構成されたモータ制御部であって、前記駆動信号は、前記受光装置から送信されて前記機器通信部により受信された受信信号に基づ
いて生成され、前記受信信号は、前記受光装置により、前記受光装置における前記レーザー光の受光位置が基準位置、前記基準位置の左側、及び前記基準位置の右側のいずれであるかに応じて生成される、モータ制御部と、を備え、
前記機器通信部は、
前記受光装置と第1の無線通信を行うように構成された第1の機器通信機と、
前記携帯端末装置と前記第1の無線通信と異なる近距離無線通信を行うように構成された第2の機器通信機と、を含む、
レーザー墨出し器。
【請求項2】
前記受光装置から送信された第1の完了通知を前記機器通信部が受信した場合に、前記機器通信部から前記携帯端末装置へ前記第1の完了通知に対応する第2の完了通知を送信させるように構成された第1の通信制御部を更に備え、前記第1の完了通知は、前記受光位置が前記基準位置と一致した場合に、前記受光装置により送信される、
請求項
1に記載のレーザー墨出し器。
【請求項3】
前記第1の通信制御部は、前記機器通信部が設定期間内に前記第1の完了通知を受信しなかった場合に、前記機器通信部から前記携帯端末装置へエラー通知を送信させるように構成されている、
請求項
2に記載のレーザー墨出し器。
【請求項4】
前記モータ制御部は、前記携帯端末装置から送信された回転中止指令を前記機器通信部が受信した場合に、前記モータを停止させる、
請求項1~
3のいずれか1項に記載のレーザー墨出し器。
【請求項5】
前記機器通信部が前記回転開始指令を受信した場合に、前記機器通信部から前記携帯端末装置へ受信完了通知を送信させるように構成されている第2の通信制御部を更に備える、
請求項1~
4のいずれか1項に記載のレーザー墨出し器。
【請求項6】
レーザー墨出し器と、
受光装置と、
携帯端末装置と、を備えるレーザー墨出し器システムであって、
前記レーザー墨出し器は、
支持本体と、
前記支持本体の上側において前記支持本体に対して回転可能に載置された回転本体と、前記回転本体を回転させるように構成されたモータと、
前記回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成されたレーザー射出部と、
前記受光装置と第1の無線通信を行うように構成された第1の機器通信機と、前記携帯端末装置と前記第1の無線通信と異なる近距離無線通信を行うように構成された第2の機器通信機と、を含む、機器通信部と、
前記携帯端末装置から送信された回転開始指令を前記機器通信部が受信した場合に、受光信号に基づいて生成された駆動信号に基づいて、前記モータの回転方向及び停止を制御するように構成されたモータ制御部と、を備え、
前記受光装置は、前記受光装置における前記レーザー光の受光位置が基準位置、前記基準位置の左側、及び前記基準位置の右側のいずれであるかに応じて前記受光信号を生成するように構成され、
前記携帯端末装置は、
前記レーザー墨出し器と
前記近距離無線通信を行うように構成された端末通信機と、
前記モータの回転制御の開始を指令するユーザ回転指令を、ユーザから受け付けるように構成された回転指令受付部と、
前記回転指令受付部が前記ユーザ回転指令を受け付けた場合に、前記端末通信機から前記レーザー墨出し器へ
前記回転開始指令を送信させるように構成された指令出力部であって、前記回転開始指令は前記モータの回転制御の開始を指令
する、指令出力部と、
前記レーザー墨出し器から送信された機器情報を前記端末通信機が受信した場合に、前記機器情報に対応した表示情報を表示するように構成された表示部と、備え、
前記受光装置は、前記受光位置が前記基準位置と一致した場合に、第1の完了通知を前記レーザー墨出し器へ送信するように構成され、
前記
機器通信部は、前記第1の完了通知を受信した場合に、前記第1の完了通知に対応する第2の完了通知を前記端末通信機へ送信するように構成され、
前記機器情報は、前記第2の完了通知を含む、
レーザー墨出し器システム。
【請求項7】
前記レーザー墨出し器は、設定期間内に前記第1の完了通知を受信しなかった場合に、前記端末通信機へエラー通知を送信するように構成され、
前記機器情報は、前記エラー通知を含む、
請求項
6に記載の
レーザー墨出し器システム。
【請求項8】
レーザー墨出し器と、
受光装置と、
携帯端末装置と、を備えるレーザー墨出し器システムであって、
前記レーザー墨出し器は、
支持本体と、
前記支持本体の上側において前記支持本体に対して回転可能に載置された回転本体と、前記回転本体を回転させるように構成されたモータと、
前記回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成されたレーザー射出部と、
前記受光装置と第1の無線通信を行うように構成された第1の機器通信機と、前記携帯端末装置と前記第1の無線通信と異なる近距離無線通信を行うように構成された第2の機器通信機と、を含む、機器通信部と、
前記携帯端末装置から送信された回転開始指令を前記機器通信部が受信した場合に、受光信号に基づいて生成された駆動信号に基づいて、前記モータの回転方向及び停止を制御するように構成されたモータ制御部と、を備え、
前記受光装置は、前記受光装置における前記レーザー光の受光位置が基準位置、前記基準位置の左側、及び前記基準位置の右側のいずれであるかに応じて前記受光信号を生成するように構成され、
前記携帯端末装置は、
前記レーザー墨出し器と
前記近距離無線通信を行うように構成された端末通信機と、
前記モータの回転制御の開始を指令するユーザ回転指令を、ユーザから受け付けるように構成された回転指令受付部と、
前記回転指令受付部が前記ユーザ回転指令を受け付けた場合に、前記端末通信機から前記レーザー墨出し器へ
前記回転開始指令を送信させるように構成された指令出力部であって、前記回転開始指令は前記モータの回転制御の開始を指令
する、指令出力部と、
前記レーザー墨出し器から送信された機器情報を前記端末通信機が受信した場合に、前記機器情報に対応した表示情報を表示するように構成された表示部と、備え、
前記
機器通信部は、前記回転開始指令を受信した場合に、前記端末通信機へ受信完了通知を送信するように構成され、
前記機器情報は、前記受信完了通知を含む、
レーザー墨出し器システム。
【請求項9】
前記モータの回転制御の中止を指令するユーザ中止指令を、前記ユーザから受け付けるように構成された中止指令受付部を更に備え、
前記指令出力部は、前記中止指令受付部が前記ユーザ中止指令を受け付けた場合に、前記端末通信機から前記レーザー墨出し器へ回転中止指令を送信させるように構成され、前記回転中止指令は前記モータの回転制御の中止を指令する、
請求項
8に記載の
レーザー墨出し器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザー墨出し器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のレーザー墨出し器は、リモコンと共に使用可能に構成されている。リモコンは、レーザー墨出し器から射出されるレーザー光を受光する受光部を備え、レーザー墨出し器から離れた位置に設置される。レーザー墨出し器は、自動追尾機能を有する。自動追尾機能は、リモコンの受光部におけるレーザー光の受光位置を、自動的に受光部の中心位置に合わせる機能である。詳しくは、リモコンは、レーザー墨出し器へ、受光位置に応じた受光位置信号を送信する。レーザー墨出し器は、受信した受光位置信号に応じて回転することにより、レーザー光の位置を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自動追尾機能を作動させるスイッチは、リモコンに設けられている。そのため、ユーザは、上記自動追尾機能を作動させる場合に、リモコンの傍まで行かなければいけない。ユーザが、リモコンから離れた位置にいる場合には、リモコンの傍まで行く手間がかかる。したがって、自動追尾機能を用いた業務の効率の低下を招く可能性がある。
【0005】
本開示は、レーザー墨出し器の自動追尾機能を用いた作業の効率を向上させることが可能な、レーザー墨出し器、携帯端末装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの局面は、レーザー墨出し器であって、支持本体と、回転本体と、モータと、レーザー射出部と、機器通信部と、モータ制御部と、を備える。回転本体は、支持本体の上側において支持本体に対して回転可能に載置される。モータは、回転本体を回転させるように構成される。レーザー射出部は、回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成される。機器通信部は、携帯端末装置及び受光装置のそれぞれと無線通信を行うに構成される。モータ制御部は、携帯端末装置から送信された回転開始指令を機器通信部が受信した場合に、受光位置信号に基づいてモータの回転制御を開始するように構成される。受光位置信号は、受光装置により受光装置におけるレーザー光の受光位置に応じて生成され、受光装置から送信されて機器通信部により受信される。
【0007】
本開示の1つの局面のレーザー墨出し器は、携帯端末装置から送信された回転開始指令を受信した場合に、自動追尾を開始する。よって、ユーザは、受光装置の傍まで行くことなく、携帯端末装置を用いてレーザー墨出し器に自動追尾を開始させることができる。ひいては、レーザー墨出し器の自動追尾機能を用いた作業の効率を向上させることができる。
【0008】
機器通信部は、第1の機器通信機と、第2の機器通信機とを含んでもよい。第1の機器通信機は、受光装置と第1の無線通信を行うように構成される。第2の機器通信機は、携帯端末装置と第2の無線通信を行うように構成される。
【0009】
レーザー墨出し器は、第1の機器通信機と第2の機器通信機とを備えるため、携帯端末装置との第2の無線通信が、受光装置との第1の無線通信と干渉することを抑制することができる。
【0010】
レーザー墨出し器は、第1の通信制御部を更に備えてもよい。第1の通信制御部は、受光装置から送信された第1の完了通知を機器通信部が受信した場合に、機器通信部から携帯端末装置へ第1の完了通知に対応する第2の完了通知を送信させるように構成される。第1の完了通知は、受光位置が基準位置と一致した場合に、受光装置により送信される。
【0011】
レーザー墨出し器は、第1の完了通知を受光装置から受信した場合に、第1の完了通知に対応する第2の完了通知を携帯端末装置へ送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が完了したことを認識できる。
【0012】
第1の通信制御部は、機器通信部が設定期間内に第1の完了通知を受信しなかった場合に、機器通信部から携帯端末装置へエラー通知を送信させるように構成されていてもよい。
レーザー墨出し器は、設定期間内に第1の完了通知を受信しなかった場合に、エラー通知を携帯端末装置へ送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が完了しなかったことを認識できる。
【0013】
モータ制御部は、携帯端末装置から送信された回転中止指令を機器通信部が受信した場合に、モータを停止させてもよい。
レーザー墨出し器は、携帯端末装置から回転中止指令を受信した場合に、回転体を回転させるモータを停止させる。したがって、ユーザは、受光装置の傍まで行くことなく、携帯端末装置を用いて、自動追尾を中止させることができる。
【0014】
レーザー墨出し器は、第2の通信制御部を備えていてもよい。第2の通信制御部は、機器通信部が回転開始指令を受信した場合に、機器通信部から携帯端末装置へ受信完了通知を送信させるように構成される。
【0015】
レーザー墨出し器は、携帯端末装置から回転開始指令を受信した場合に、携帯端末装置へ受信完了通知を送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が開始されたことを認識することができる。
【0016】
本開示の別の1つの局面の携帯端末装置は、端末通信機と、回転指令受付部と、指令出力部と、を備える。端末通信機は、レーザー墨出し器と無線通信を行うように構成される。レーザー墨出し器は、支持本体と、支持本体の上側において支持本体に対して回転可能に載置された回転本体と、回転本体を回転させるように構成されたモータと、回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成されたレーザー射出部と、を備える。回転指令受付部は、モータの回転制御の開始を指令するユーザ回転指令を、ユーザから受け付けるように構成される。指令出力部は、回転指令受付部がユーザ回転指令を受け付けた場合に、端末通信機からレーザー墨出し器へ回転開始指令を送信させるように構成される。回転開始指令はモータの回転制御の開始を指令する。レーザー墨出し器は、回転開始指令を受信した場合に、受光装置から受信した受光位置信号に基づいてモータの回転制御を開始するように構成される。受光位置信号は、受光装置により受光装置におけるレーザー光の受光位置に応じて生成される。
【0017】
本開示の別の1つの局面の携帯端末装置は、レーザー墨出し器のモータの回転制御の開始を指令するユーザ回転指令を受け付けた場合に、回転開始指令をレーザー墨出し器へ送信する。レーザー墨出し器は、回転開始指令を受信した場合に、自動追尾を開始する。よって、ユーザは、受光装置の傍まで行くことなく、携帯端末装置を用いてレーザー墨出し器に自動追尾を開始させることができる。ひいては、レーザー墨出し器の自動追尾機能を用いた作業の効率を向上させることができる。
【0018】
携帯端末装置は、表示部を更に備えてもよい。表示部は、レーザー墨出し器から送信された機器情報を端末通信機が受信した場合に、機器情報に対応した表示情報を表示するように構成される。
【0019】
携帯端末装置は、レーザー墨出し器から送信された機器情報を表示する表示部を備える。これにより、ユーザは、レーザー墨出し器に関する情報を手元の携帯端末装置を用いて視認することができる。
【0020】
受光装置は、受光位置が基準位置と一致した場合に、第1の完了通知をレーザー墨出し器へ送信するように構成されてもよい。レーザー墨出し器は、第1の完了通知を受信した場合に、第1の完了通知に対応する第2の完了通知を端末通信機へ送信するように構成されてもよい。機器情報は、第2の完了通知を含んでもよい。
【0021】
機器情報が第2の完了通知を含む。第2の完了通知は、自動追尾が完了したことを示す第1の完了通知に対応する。よって、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が完了したことを視認できる。
【0022】
レーザー墨出し器は、設定期間内に第1の完了通知を受信しなかった場合に、端末通信機へエラー通知を送信するように構成されてもよい。機器情報は、エラー通知を含んでもよい。
【0023】
機器情報は、エラー通知を含む。エラー通知は、設定期間内に自動追尾が完了していないことを示す。よって、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が完了しなかったことを視認できる。
【0024】
レーザー墨出し器は、回転開始指令を受信した場合に、端末通信機へ受信完了通知を送信するように構成される。機器情報は、受信完了通知を含む。
機器情報は、受信完了通知を含む。受信完了通知は、自動追尾が開始されたことを示す。よって、ユーザは、携帯端末装置を用いて、自動追尾が開始されたことを視認できる。
【0025】
携帯端末装置は、中止指令受付部を更に備えてもよい。中止指令受付部は、モータの回転制御の中止を指令するユーザ中止指令を、ユーザから受け付けるように構成される。指令出力部は、中止指令受付部がユーザ中止指令を受け付けた場合に、端末通信機からレーザー墨出し器へ回転中止指令を送信させるように構成される。回転中止指令はモータの回転制御の中止を指令する。
【0026】
携帯端末装置は、レーザー墨出し器のモータ回転制御の中止を指令するユーザ中止指令を受け付けた場合に、回転中止指令をレーザー墨出し器へ送信する。レーザー墨出し器は、回転中止指令を受信した場合に、自動追尾を中止する。よって、ユーザは、受光装置の傍まで行くことなく、携帯端末装置を用いて、自動追尾を中止させることができる。
【0027】
本開示の更に別の1つの局面のプログラムは、携帯端末装置が備える処理回路に、ユーザにより入力されたユーザ回転指令を取得することであって、ユーザ回転指令は、レーザー墨出し器が備えるモータの回転制御の開始を指令し、レーザー墨出し器は、支持本体と、支持本体の上側において支持本体に対して回転可能に載置された回転本体と、回転本体に設けられ、レーザー光を射出するように構成されたレーザー射出部と、を更に備え、モータは、回転本体を回転させるように構成される、取得することと、ユーザ回転指令を受け付けた場合に、レーザー墨出し器へ回転開始指令を送信することであって、回転開始指令はモータの回転制御の開始を指令し、レーザー墨出し器は、回転開始指令を受信した場合に、受光装置から受信した受光位置信号に基づいてモータの回転制御を開始するように構成され、受光位置信号は、受光装置により受光装置におけるレーザー光の受光位置に応じて生成される、送信することと、を実行させる。
【0028】
本開示の更に別の1つの局面のプログラムを処理回路が実行することにより、携帯端末装置は、上述の携帯端末装置と同様の効果を奏する。
プログラムは、処理回路に、更に、レーザー墨出し器から送信された機器情報を取得することと、取得した機器情報に対応した表示情報を、携帯端末装置の表示部に表示させることと、を実行させてもよい。
【0029】
このプログラムを処理回路が実行することにより、携帯端末装置は、レーザー墨出し器に関する情報を表示部に表示させることができる。ひいては、ユーザは、レーザー墨出し器に関する情報を手元の携帯端末装置を用いて視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態に係るレーザー墨出し器システムの概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るレーザー墨出し器システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るレーザー墨出し器のユーザインターフェース部の外観を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る携帯端末装置の画面の遷移を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る携帯端末装置のI0画面であるメイン画面を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る携帯端末装置のI1画面を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る携帯端末装置のI2画面を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る携帯端末装置のI3画面を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る携帯端末装置のI4画面を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る携帯端末装置のI5画面を示す図である。
【
図11A】本実施形態に係る自動追尾処理の一部を示すフローチャートである。
【
図11B】本実施形態に係る自動追尾処理の残りの部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0032】
<1.全体構成>
<1-1.システム>
図1に示すように、本実施形態に係るレーザー墨出し器システム1は、レーザー墨出し器10と、携帯端末装置51と、受光装置60と、を備える。
【0033】
レーザー墨出し器10は、対象物に対してレーザー光による基準線を投射する。レーザー墨出し器システム1は、携帯端末装置51または受光装置60を用いることで、離れた位置からレーザー墨出し器10の回転、すなわちレーザー光の位置を制御できるように構成されている。
【0034】
<1-2.レーザー墨出し器>
レーザー墨出し器10は、支持本体11と、回転本体12と、を備える。支持本体11は、複数の脚部14を備える。レーザー墨出し器10は、例えば3つの脚部14を備えている。支持本体11は、3つの脚部14によって、床101で支持される。なお、床101を含む、レーザー墨出し器10が設置される面を、以下、設置面ともいう。
【0035】
回転本体12は、支持本体11に対して中心軸L1を中心として回転するように構成されている。
図1では、レーザー墨出し器10が、設置面に対して中心軸L1が垂直な状態で設置された状態を示している。
【0036】
回転本体12は、中心軸L1を中心として軸線方向に延びる略円柱形状に形成されている。回転本体12は、外部へレーザー光を射出する4つの射出部、即ち、第1射出部5、第2射出部6、第3射出部7、及び第4射出部8を備える。回転本体12の上面には、ユーザインターフェース部30が設けられている。
【0037】
第1,第2,第3,第4射出部5,6,7,8は、中心軸L1を中心とする周方向に沿って所定の間隔(例えば90度間隔)で設けられている。第1,第2,第3,第4射出部5,6,7,8は、それぞれ、レーザー発光部34(
図2参照)を備える。レーザー発光部34は、レーザー光を生成する。レーザー発光部34は、種々の種類の発光素子を適用できる。例えば、レーザー発光部34は、半導体レーザーであってもよいし、ガスレーザー、固体レーザーであってもよい。その他の方式でレーザー光を生成する構成であってもよい。レーザー発光部34は、レーザー光を垂直方向に偏光させることにより、垂直方向基準線を示す垂直レーザー光120を外部へ射出するように構成されている。すなわち、第1,第2,第3,第4射出部5,6,7,8は、垂直方向射出部に相当する。
【0038】
なお、回転本体12は、垂直方向射出部のみならず、水平方向射出部を備えてもよい。水平方向射出部は、水平方向基準線を示す水平レーザー光を外部へ射出する。回転本体12は、水平レーザー光を射出する角度範囲に応じて、1個の水平方向射出部を備えてもよいし、複数の水平方向射出部を備えてもよい。例えば、1個の水平方向射出部を備える回転本体12は、所定角度範囲(例えば、約110°の角度領域)に対して水平レーザー光を射出し得る。また、複数(例えば、4個)の水平方向射出部を備える回転本体12は、複数の水平レーザー光がオーバーラップしつつ、360°の角度範囲(全周)にレーザー光を射出し得る。
【0039】
図1は、垂直レーザー光120が床101から壁面102に亘って照射されている状態を示している。この垂直レーザー光120は、床101に設置されたレーザー墨出し器10の第1射出部5から射出されている。また、
図1は、垂直レーザー光120が地墨線130に沿うように照射されている状態を示している。レーザー墨出し器10は、中心軸L1と同軸且つ下方(すなわち設置面方向)に向けて下方レーザー光140を射出できる。地墨線130は、床101に描かれている。
【0040】
レーザー墨出し器10は、動作モードとして、リモコンモードと自動追尾モードとを有する。リモコンモードは、ユーザが、携帯端末装置51又は受光装置60をリモートコントローラとして用いて、垂直レーザー光120の位置を移動させたり、垂直レーザー光120の本数や輝度を変化させたりするモードである。リモコンモードでは、ユーザの操作に応じて携帯端末装置51又は受光装置60からレーザー墨出し器10へリモコン信号が送信される。回転本体12は、リモコン信号に基づいて回転する。
【0041】
一方、自動追尾モードは、垂直レーザー光120の位置を自動的に変化させて、レーザー光の位置を基準位置に合わせるモードである。基準位置は、後述する受光装置60のレーザー受光部65において決められた位置である。自動追尾モードでは、受光装置60からレーザー墨出し器10へ、垂直レーザー光120の受光位置に応じた受光位置信号が自動的に送信される。回転本体12は、受光位置信号に基づいて回転する。受光位置信号は、基準位置、基準位置よりも左位置、基準位置よりも右位置の何れかに応じて、レーザー墨出し器10の回転本体12に対して、停止、右回り回転、左回り転のいずれかを指示する信号に相当する。
【0042】
レーザー墨出し器10には、機器通信部21が設けられている。
図2に示すように、機器通信部21は、第1の機器通信機21aと第2の機器通信機21bとを備える。第1の機器通信機21aは、第1の通信方式に基づいた無線通信(以下、第1の無線通信と称する)を行う。第2の機器通信機21bは、第2の通信方式に基づいた無線通信(以下、第2の無線通信)を行う。第2の通信方式は、第1の通信方式と異なる。
【0043】
第2の機器通信機21bは、携帯端末装置51との間で各種情報を送受信する。第1の機器通信機21aは、受光装置60から送信される信号を受信する。第2の通信方式は、近距離無線通信方式を含む。近距離無線通信方式は、例えば、Bluetooth規格に準拠した方式が挙げられる。Bluetoothは登録商標である。また、第1の通信方式は、例えば、赤外線通信規格に準拠した方式が挙げられる。本実施形態では、第2の通信方式として、Bluetooth方式を用い、第1の通信方式として、赤外線通信方式を用いている。
【0044】
第1の機器通信機21aは、受光装置60から送信された赤外線を受信して光電変換することにより、赤外線からリモコン信号又は受光位置信号を抽出する。第1の機器通信機21aは、抽出したリモコン信号又は受光位置信号を支持本体11の内部へ伝送する。
【0045】
なお、機器通信部21は、第2の機器通信機21bのみを備えていてもよい。この場合、第1の通信方式は、第2の通信方式と同じ通信規格に準拠し、第2の通信方式と異なる変調が適用される。
【0046】
<1-3.携帯端末装置>
携帯端末装置51は、レーザー墨出し器10を無線通信により遠隔操作する機能を備える。例えば、携帯端末装置51は、遠隔回転機能と、遠隔レーザー制御機能と、を備える。また、携帯端末装置51は、自動追尾開始機能を備える。
【0047】
携帯端末装置51は、端末通信機59(
図2参照)を備える。端末通信機59は、第2の無線通信をレーザー墨出し器10の第2の機器通信機21bと行い、各種情報を送受信する。端末通信機59は、例えば、機器操作信号を送信する。機器操作信号は、リモコン信号、及び自動追尾開始指令を含む。自動追尾開始指令は、自動追尾の開始を指令する信号である。また、端末通信機59は、例えば、機器情報信号を受信する。機器情報信号は、自動追尾中、自動追尾完了、自動追尾エラーなどを示す情報を含む。
【0048】
<1-4.受光装置>
受光装置60は、レーザー墨出し器10を無線により遠隔操作する機能を備える。例えば、受光装置60は、遠隔回転機能と、遠隔レーザー制御機能と、を備える。
【0049】
受光装置60は、送信機67と、レーザー受光窓80と、を備える。送信機67は、第1の無線通信を、レーザー墨出し器10の第1の機器通信機21aと行い、リモコン信号又は受光位置信号を送信する。
【0050】
レーザー受光窓80は、矩形状を有し、レーザー墨出し器10からの垂直レーザー光120を受光装置60の内部に入射させるように構成されている。レーザー受光窓80に垂直レーザー光120が入射されると、受光装置60の内部に備えられるレーザー受光部65(
図2参照)で垂直レーザー光120が受光される。
【0051】
レーザー受光部65は、矩形状に構成されており、右受光素子65aと左受光素子65bの2つの受光素子を備える。右受光素子65a及び左受光素子65bは、同種の受光素子であり、例えば、受光ダイオードなどである。右受光素子65aは、センターラインCLの右側に配置されている。左受光素子65bは、センターラインCLの左側に配置されている。センターラインCLは、レーザー受光窓80及びレーザー受光部65の水平方向の中央のラインに相当し、基準位置に相当する。右受光素子65aと左受光素子65bは、センターラインCL上で互いに接している。
【0052】
受光装置60は、センターラインCLが地墨線130に合うように設置面に設置される。右受光量が左受光量よりも多い場合は、垂直レーザー光120が、中央よりも右側に寄っている。右受光量は、右受光素子65aにより受光された光量に相当する。左受光量は、左受光素子65bにより受光された光量に相当する。右受光量が左受光量と等しい場合は、垂直レーザー光120が、中央に位置している、すなわち、垂直レーザー光120が地墨線130と合っている。右受光量が左受光量よりも少ない場合は、垂直レーザー光120が、中央よりも左側に寄っている。
【0053】
受光位置信号は、垂直レーザー光120が中央位置よりも右側に位置している場合、回転本体12を左に回転させる信号に相当する。また、受光位置信号は、垂直レーザー光120が中央位置よりも左側に位置している場合、回転本体12を右に回転させる信号に相当する。また、受光位置信号は、垂直レーザー光120が中央位置に位置している場合、回転本体12を停止させる信号に相当する。
【0054】
<2.電気的構成>
<2-1.レーザー墨出し器>
レーザー墨出し器システム1の電気的構成について、
図2を用いて説明する。
【0055】
レーザー墨出し器10は、機器制御部31と、機器操作部32と、レーザー駆動回路33と、レーザー発光部34と、モータ駆動回路35と、モータ36と、機器表示部37と、機器通信部21と、バッテリ41と、を備える。
図3に示すように、機器操作部32及び機器表示部37は、ユーザインターフェース部30に設けられている。
【0056】
機器制御部31は、CPU31a、メモリ31b及びI/O等を備える。機器制御部31は、例えば、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)を用いて構成されている。機器制御部31は、CPU31aがメモリ31bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、各機能を実現する。本実施形態では、機器制御部31は、本開示のモータ制御部、第1の通信制御部、第2の通信制御部の一例に相当する。
【0057】
機器操作部32は、ライン切替操作部32a、輝度切替操作部32b、無線通信操作部32cを備える。
ライン切替操作部32aは、レーザー墨出し器10の点灯モードを切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、点灯モードとして、点灯させる射出部の数が異なる複数種類の点灯モードが用意されている。例えば、ある点灯モードにおいては第1射出部5のみが点灯してもよいし、別のある点灯モードにおいては第2射出部6及び第4射出部8の2つが点灯してもよい。第1,第2,第3,第4射出部5,6,7,8が全て点灯する点灯モードがあってもよいし、点灯モードの数やその内容については適宜決めてもよい。レーザー墨出し器10は、ライン切替操作部32aが操作される度に、複数種類の点灯モードを予め決められた順に切り替える。
【0058】
輝度切替操作部32bは、レーザー墨出し器10から射出されるレーザー光の明るさを切り替えるためのスイッチである。レーザー墨出し器10は、レーザー光の明るさを、例えば、エコモード、通常モード、高輝度モード、及び超高輝度モード、の4種類のモードの何れかに設定できるように構成されている。
【0059】
無線通信操作部32cは、第2の無線通信による携帯端末装置51との接続を行うためのスイッチである。第2の機器通信機21bは、無線通信操作部32cが操作されると、無線領域内に存在する携帯端末装置51との間で、第2の無線通信による通信経路が確立されるように構成されている。無線領域は、第2の機器通信機21bが無線通信可能な領域に相当する。
【0060】
レーザー駆動回路33は、パルス駆動によりレーザー発光部34を発光させる。パルス駆動とは、レーザー光を連続的に発光させるのではなく間欠的に発光させる駆動方法である。レーザー駆動回路33は、レーザー発光部34を、一定周期で所定のデューティ比にて発光させる。パルス駆動の周期は適宜決めることができる。本実施形態では、残像効果によって間欠的に発光していることがユーザに視覚的に認識されない範囲(例えば0.2ミリ秒以下)の周期に設定されている。
【0061】
モータ駆動回路35は、モータ36を駆動する回路である。モータ駆動回路35は、機器制御部31から出力された駆動信号に基づいて、モータ36に流れる駆動電流を制御する。機器制御部31は、携帯端末装置51又は受光装置60から送信された遠隔操作信号、又は、受光装置60から送信された差分信号に基づいて、駆動信号を生成する。モータ駆動回路35は、一例として、Hブリッジ回路でもよい。
【0062】
モータ36は、例えば、DCブラシつきモータである。モータ36は、レーザー墨出し器10の回転本体12を回転するための駆動力を発生する。レーザー墨出し器10は、回転本体12の回転動作に加えて、それ以外の駆動力を発生するために、複数のモータを備えてもよい。なお、モータ36は、3相のブラシレスモータやステッピングモータでもよい。
【0063】
機器表示部37は、レーザー墨出し器10の状態を表示するための表示部である。機器表示部37は、
図3に示すように、輝度表示部37a、無線通信表示部37b、バッテリ状態表示部37cを備える。
【0064】
輝度表示部37aは、レーザー墨出し器10がエコモードの場合に緑色点灯し、通常モードの場合に消灯し、高輝度モードの場合に橙色点灯し、超高輝度モードの場合に赤色点灯する。無線通信表示部37bは、無線通信操作部32cがON状態で且つレーザー墨出し器10が携帯端末装置51と無線接続された場合に点灯する。また、無線通信表示部37bは、無線通信操作部32cがON状態で且つレーザー墨出し器10が携帯端末装置51と無線接続されていない場合に点滅する。また、無線通信表示部37bは、無線通信操作部32cがOFF状態である場合に消灯する。バッテリ状態表示部37cは、バッテリ41の残容量が所定値を下回る場合に点灯し、バッテリ41の残容量が所定値以上の場合に消灯する。
【0065】
バッテリ41は、レーザー墨出し器10に電力供給する電力源である。バッテリ41は、レーザー墨出し器10に離脱可能に装着されている。バッテリ41は、二次電池を備える。レーザー墨出し器10は、バッテリ41の残容量が低下した場合には、他のバッテリ41に交換することで、使用を継続できる。バッテリ41は、二次電池を備える構成に限られることはなく、一次電池を備えてもよい。
【0066】
<2-2.携帯端末装置>
携帯端末装置51は、端末制御部53と、端末操作部54と、端末表示部57と、振動部56と、スピーカー58と、端末通信機59と、を備える。
【0067】
端末制御部53は、CPU53a、メモリ53b及びI/O等を備える。端末制御部53は、例えば、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)を用いて構成されている。端末制御部53は、CPU53aがメモリ53bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、各機能を実現する。本実施形態では、端末制御部53が、本開示の処理回路、指令出力部の一例に相当する。
【0068】
CPU53aを、有形のコンピュータ可読媒体内にエンコードされたプログラムコードを実行するように構成してもよい。コンピュータ可読媒体は、携帯端末装置51を特定の方法で動作させるデータを与えることができる任意の媒体を指す。種々のコンピュータ可読媒体を用いて命令をCPU53aに与えて実行させてもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形式としては、例えば、磁気媒体、光媒体、物理媒体、メモリチップまたはカートリッジ、搬送波、またはコンピュータが読むことができる任意の他の媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体例としては、限定することなく、揮発性媒体、不揮発性媒体及び伝送媒体を挙げてもよい。揮発性及び不揮発性媒体を、情報(例えば、コンピュータ可読な命令、データ構造、プログラムモジュール、または以下で詳細に説明する他のデータ及び一般的な形式)を記憶するための任意の方法または技術で実施してもよい。伝送媒体としては、同軸ケーブル、銅ワイヤ及び/または光ファイバケーブル、並びに音波または光波(例えば電波及び赤外線データ通信の間に生じるもの)を挙げてもよい。有形のコンピュータ可読な記録媒体としては、例えば、以下が挙げられる。すなわち、集積回路(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは特定用途向けIC)、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、ホログラフィック記憶媒体、ソリッドステートデバイス、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶装置、である。
【0069】
端末操作部54は、タッチパネルを備える。タッチパネルは、ユーザが指などで直接触れることで、入力操作できるように構成されている。タッチパネルは、ユーザの入力操作に応じた信号を端末制御部53に送信する。
【0070】
端末表示部57は、表示パネルを備える。表示パネルは、端末制御部53からの表示指令に応じた画像を表示する。表示パネルは、例えば、液晶パネル、有機ELパネルなどである。
【0071】
端末操作部54及び端末表示部57は、タッチパネル付き液晶表示装置又はタッチパネル付き有機EL表示装置を用いて構成してもよい。
振動部56は、バイブレーターを備え、端末制御部53からの振動出力指令に応じて、振動を出力する。スピーカー58は、端末制御部53からの音出力指令に応じてブザー音や音声、音楽を出力する。
【0072】
端末制御部53は、ユーザが振動部56及び/又はスピーカー58の出力制限を選択した場合に、振動部56及び/又はスピーカー58の出力制限を設定する。出力制限は、例えば、ユーザがマナーモードやサイレントモードなどを選択することにより設定される。端末制御部53が出力制限を設定すると、スピーカー58及び/又は振動部56からの出力停止が設定される。
【0073】
<2-3.受光装置>
受光装置60は、受光制御部61と、受光操作部64と、レーザー受光部65と、送信機67と、リモコン/追尾切替スイッチ66と、受光位置表示部71と、を備える。
【0074】
受光制御部61は、CPU61a、メモリ61b及びI/O等を備える。受光制御部61は、例えば、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)を用いて構成されている。受光制御部61は、CPU61aがメモリ61bに記憶されている各種プログラムを実行することにより、各機能を実現する。
【0075】
リモコン/追尾切替スイッチ66は、リモコンモードと自動追尾モードを切り替えるためのスイッチである。受光制御部61は、リモコン/追尾切替スイッチ66が押される度に、リモコンモードと自動追尾モードとを交互に切り替える。
【0076】
受光操作部64は、左回転スイッチ64aと、右回転スイッチ64bと、を備える。左回転スイッチ64aは、リモコンモードにおいて、レーザー墨出し器10の回転本体12を左回転させるための操作スイッチである。右回転スイッチ64bは、リモコンモードにおいて、レーザー墨出し器10の回転本体12を右回転させるための操作スイッチである。
【0077】
レーザー受光部65は、レーザー光を受光すると、受光信号を受光制御部61に送信する。詳細には、レーザー受光部65は、レーザー受光窓80に垂直レーザー光120が入射されると、受光信号を受光制御部61に送信する。
【0078】
受光位置表示部71は、第1LED71a、第2LED71b、及び第3LED71cを備え、レーザー光の受光位置を報知する。第1LED71a、第2LED71b及び第3LED71cは、レーザー墨出し器10から見て右側からこの順で水平方向に並んでいる。第1LED71aは、レーザー光の受光位置が右位置である場合に、橙色に点灯する。第2LED71bは、レーザー光の受光位置が中央位置である場合に、緑色に点灯する。第3LED71cは、レーザー光の受光位置が左位置である場合に、赤色に点灯する。
【0079】
<3.自動追尾処理>
次に、レーザー墨出し器システム1が実行する自動追尾処理について、
図11A及び
図11Bを参照して説明する。ここでの自動追尾処理は、レーザー墨出し器10からレーザー光を照射させた状態で、ユーザが、携帯端末装置51を用いて開始する。
【0080】
図4に示すように、ユーザは、端末表示部57にI0画面を表示させる。I0画面は、メイン画面である。
図5に示すように、メイン画面は、ライン/輝度アイコン70a、回転/追尾アイコン70b、タイマーロックアイコン70c、受光確認アイコン70d、情報アイコン70e、及び取扱い説明書アイコン70fを含む。ユーザは、I0画面において回転/追尾アイコン70bを選択する(すなわち、タップする)。
【0081】
回転/追尾アイコン70bが選択されると、「回転/追尾」信号が端末制御部53へ送信される。
図11Aに戻り、S10において、端末制御部53が、「回転/追尾」信号を受信する。
【0082】
図4に示すように、端末制御部53は、「回転/追尾」信号を受信すると、端末表示部57にI1画面を表示させる。I1画面は、回転/追尾画面である。
図6に示すように、回転/追尾画面は、自動追尾モード選択部74aと、リモコンモード選択部74bと、右回転選択部75aと、左回転選択部75bと、加速選択部76aと、減速選択部76bと、右自動追尾開始選択部77aと、左自動追尾開始選択部77bと、受光位置表示部73と、を含む。I1画面では、右自動追尾開始選択部77aと左自動追尾開始選択部77bは、ユーザが選択不可能な状態になっている。
【0083】
加速選択部76a及び減速選択部76bは、リモコンモード時に使用される。ユーザは、加速選択部76a及び減速選択部76bにより5段階の速度のいずれかを選択可能である。具体的には、選択可能な5段階の速度は、連続回転用の4段階の速度と、一定角度回転用の1つの速度とを含む。I1画面において、連続回転用の4段階の速度は、加速選択部76aの近くに4つの四角で表示され、一定角度回転用の1つの速度は、減速選択部76bの近くに1つの四角で表示される。
【0084】
ユーザが、連続回転用の4段階の速度のいずれかを選択した後、右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bを選択した場合、端末制御部53は、選択された速度で回転するようレーザー墨出し器10に回転指令を送信する。そして、ユーザが、選択していた右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bの選択を解除する、つまり画面から指を離すと、端末制御部53は、レーザー墨出し器10に停止指令を送信する。また、ユーザが右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bを選択している間中、端末制御部53はレーザー墨出し器10に回転指令を送信し続け、ユーザが選択していた右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bの選択を解除した際に、端末制御部53はレーザー墨出し器10への回転指令の送信を停止してもよい。
【0085】
ユーザが、一定角度回転用の1つの速度を選択した後、右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bを選択した場合、端末制御部53は一定の微小角度だけ回転するようレーザー墨出し器10に回転指令を送信する。この際、ユーザが右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bを選択したままでも、レーザー墨出し器10は一定の微小角度以上は回転しない。ユーザが、右回転選択部75aもしくは左回転選択部75bの選択を一旦解除して再度選択しなおすことで、端末制御部53は、レーザー墨出し器10をさらに一定の微小角度分回転させる。
【0086】
受光位置表示部73は、第1位置表示部73aと、第2位置表示部73bと、第3位置表示部73cとを含む。第1位置表示部73a、第2位置表示部73b、第3位置表示部73cは、受光確認画面の右側からこの順で水平方向に並んでいる。第1位置表示部73a、第2位置表示部73b、第3位置表示部73cは、それぞれ、橙色の枠、緑色の枠、赤色の枠を有する。
図5~
図10では、橙色を点線、緑色を破線、赤色を鎖線で示している。第1位置表示部73a、第2位置表示部73b、第3位置表示部73cは、それぞれ、受光装置60の第1LED71a、第2LED71b、第3LED71cに対応する。
【0087】
ユーザは、I1画面において、自動追尾モード選択部74aを選択する。自動追尾モード選択部74aが選択されると、自動追尾モード信号が端末制御部53へ送信される。
図11Aに戻り、S20では、端末制御部53が、自動追尾モード選択部74aが選択されたか否か判定する。すなわち、端末制御部53が、自動追尾モード信号を受信したか否か判定する。S20において、自動追尾モード選択部74aが選択されたと判定した場合は、S30の処理へ進み、自動追尾モード選択部74aが選択されていないと判定した場合は、本処理を終了する。
【0088】
図4に示すように、端末制御部53は、自動追尾モード信号を受信すると、端末表示部57にI2画面を表示させる。I2画面、回転/追尾画面である。
図7に示すように、I2画面では、自動追尾モード選択部74aと、リモコンモード選択部74bと、右回転選択部75aと、左回転選択部75bと、加速選択部76aと、減速選択部76bは、ユーザが選択不可能な状態になっている。一方、右自動追尾開始選択部77aと左自動追尾開始選択部77bは、ユーザが選択可能な状態になっている。
【0089】
ユーザは、右自動追尾開始選択部77a又は左自動追尾開始選択部77bを選択する。垂直レーザー光120がセンターラインCLよりも左側にずれている場合は、右自動追尾開始選択部77aを選択すればよい。また、垂直レーザー光120がセンターラインCLよりも右側にずれている場合は、左自動追尾開始選択部77bを選択すればよい。
【0090】
左/右自動追尾開始選択部77b,77aが選択されると、追尾開始信号が端末制御部53へ送信される。本実施形態では、左/右自動追尾開始選択部77b,77aが、本開示の回転指令受付部の一例に相当する。
【0091】
図11Aに戻り、S30において、端末制御部53が、左/右自動追尾開始選択部77b,77aが選択されたか否か判定する。すなわち、端末制御部53が、追尾開始信号を受信したか否か判定する。S30において、左/右自動追尾開始選択部77b,77aが選択されたと判定した場合は、S40の処理へ進み、左/右自動追尾開始選択部77b,77aが選択されていないと判定した場合は、S30の処理を繰り返し実行する。
【0092】
S40では、端末制御部53が、端末通信機59から第2の機器通信機21bへ、左/右回転指令を送信する。その後、端末制御部53は、S50の処理へ進む。左自動追尾開始選択部77bが選択されている場合は、左回転指令が送信され、右自動追尾開始選択部77aが選択されている場合は、右回転指令が送信される。
【0093】
S50では、端末制御部53が、左/右回転指令を送信した時点からのカウントを開始する。
続いて、S60では、端末制御部53が、左/右回転指令を送信してから第1時間が経過したか否か判定する。第1時間は予め設定された時間である。すなわち、カウントした時間が第1時間を超えたか否か判定する。
【0094】
S60において、第1時間が経過していないと判定した場合は、S70の処理へ進む。
S70では、端末制御部53が、端末通信機59が第2の機器通信機21bから指令受信完了通知を受信したか否か判定する。指令受信完了通知は、左/右回転指令を受信したことに応じて、レーザー墨出し器10から送信される。端末制御部53は、指令受信完了通知を受信することにより、レーザー墨出し器10が自動追尾を開始したことを判定する。S70において、指令受信完了通知を受信したと判定した場合は、S90の処理へ進み、指令受信完了通知を受信していないと判定した場合は、S60の処理へ戻る。
【0095】
S90では、
図4に示すように、端末制御部53が、端末表示部57にI3画面を表示させる。その後、端末制御部53は、S100の処理へ進む。
I3画面は、回転/追尾画面とポップアップ表示とを含む。
図8に示すように、I3画面では、回転/追尾画面の上に、「自動追尾中」がポップアップ表示される。「自動追尾中」のポップアップ表示は、中止選択部82を含む。中止選択部82は、ユーザが自動追尾を中止するための選択部である。ユーザが中止選択部82を選択すると、自動追尾中止信号が端末制御部53へ送信される。本実施形態では、中止選択部82が本開示の中止指令受付部の一例に相当する。
【0096】
I3画面では、自動追尾モード選択部74aと、リモコンモード選択部74bと、右回転選択部75aと、左回転選択部75bと、加速選択部76aと、減速選択部76bと、右自動追尾開始選択部77aと、左自動追尾開始選択部77bは、ユーザが選択不可能な状態になっている。
【0097】
一方、S60において、第1時間が経過したと判定した場合は、S80の処理へ進む。S80では、端末制御部53は、自動追尾が開始されていないと判定して、
図4に示すように、端末表示部57にI5画面を表示させる。その後、端末制御部53は、本処理を終了する。
【0098】
I5画面は、回転/追尾画面とポップアップ表示とを含む。
図10に示すように、I5画面では、回転/追尾画面の上に、「追尾エラー」がポップアップ表示される。「追尾エラー」のポップアップ表示は、終了選択部81を含む。終了選択部81は、ユーザがレーザー墨出し器10の操作アプリケーションを終了するための選択部である。
【0099】
I5画面では、自動追尾モード選択部74aと、リモコンモード選択部74bと、右回転選択部75aと、左回転選択部75bと、加速選択部76aと、減速選択部76bと、右自動追尾開始選択部77aと、左自動追尾開始選択部77bは、ユーザが選択不可能な状態になっている。
【0100】
S100では、端末制御部53は、中止選択部82が選択されたか否か判定する。すなわち、端末制御部53は、自動追尾中止信号を受信したか否か判定する。S100において、中止選択部82が選択されたと判定した場合は、S110の処理へ進む。
【0101】
S110では、端末制御部53が、端末通信機59から第2の機器通信機21bへ、回転中止指令を送信する。
続いて、S120では、端末制御部53が、端末表示部57に表示させる画面を、I1画面に戻す。その後、端末制御部53は、本処理を終了する。
【0102】
一方、S100において、中止選択部82が選択されていないと判定した場合は、S130の処理へ進む。
S130では、端末制御部53が、端末通信機59が第2の機器通信機21bから第2の追尾完了通知を受信したか否か判定する。第2の追尾完了通知は、後述する第1の追尾完了通知に対応する。第1の追尾完了通知は、レーザー光の受光位置がセンターラインCLと一致し、自動追尾が完了したことに応じて、受光装置60から、レーザー墨出し器10へ送信される。
【0103】
S130において、第2の追尾完了通知を受信したと判定した場合は、S140の処理へ進む。
S140では,
図4に示すように、端末制御部53が、端末表示部57にI4画面を表示させる。その後、端末制御部53は、本処理を終了する。
【0104】
I4画面は、回転/追尾画面とポップアップ表示とを含む。
図9に示すように、I4画面では、回転/追尾画面の上に、「追尾完了」がポップアップ表示される。「追尾完了」のポップアップ表示は、終了選択部81を含む。
【0105】
一方、S130において、第2の追尾完了通知を受信していないと判定した場合は、S150の処理へ進む。
S150では、端末制御部53が、端末通信機59が第2の機器通信機21bから追尾エラー通知を受信したか否か判定する。追尾エラー通知は、第2時間以内に自動追尾が完了しない場合に、レーザー墨出し器10から携帯端末装置51へ送信される。
【0106】
S150において、追尾エラー通知を受信したと判定した場合は、S160の処理へ進み、追尾エラー通知を受信していないと判定した場合は、S100の処理へ戻る。
S160では、
図4に示すように、端末制御部53が、端末表示部57にI5画面を表示させる。その後、端末制御部53は、本処理を終了する。
【0107】
また、S200では、機器制御部31が、第2の機器通信機21bを介して、左/右回転指令を受信する。
続いて、S210では、機器制御部31が、第2の機器通信機21bから端末通信機59へ、指令受信完了通知を送信する。
【0108】
続いて、S220では、機器制御部31が、自動追尾を開始する。具体的には、機器制御部31は、送信機67から第1の機器通信機21aへ送信された受光位置信号に基づいて、モータ36の駆動信号を生成する。そして、機器制御部31は、生成した駆動信号をモータ駆動回路35へ出力する。その後、機器制御部31は、S230の処理へ進む。
【0109】
受光装置60は、リモコン/追尾切替スイッチ66によりリモコンモードが設定されていない場合には、レーザー光の入射に伴い、常に受光位置信号を送信機67から送信する。すなわち、受光装置60は、携帯端末装置51においてリモコンモード選択部74bが選択されている場合でも、レーザー光の入射に伴い受光位置信号を送信機67から送信する。機器制御部31は、携帯端末装置51においてリモコンモード選択部74bが選択されている場合には、受信した受光位置信号を用いずに、端末通信機59から送信されたリモコン信号に基づいて駆動信号を生成する。また、機器制御部31は、携帯端末装置51において自動追尾モード選択部74aが選択されている場合には、送信機67から送信された受光位置信号に基づいて駆動信号を生成する。
【0110】
S400では、受光制御部61が追尾の完了を判定する。すなわち、受光制御部61は、レーザー光の受光位置がセンターラインCLと一致したことを判定する。
続いて、S410では、受光制御部61は、送信機67から第1の機器通信機21aへ、第1の追尾完了通知を送信する。その後、受光制御部61は、本処理を終了する。
【0111】
一方、S230では、機器制御部31は、自動追尾を開始した時点からのカウントを開始する。
続いて、S240では、機器制御部31は、自動追尾を開始してから第2時間が経過したか否か判定する。第2時間は予め設定された時間である。すなわち、カウントした時間が第2時間を超えたか否か判定する。S240において、第2時間が経過していないと判定した場合は、S250の処理へ進む。
【0112】
S250では、機器制御部31は、第2の機器通信機21bが端末通信機59から回転中止指令を受信したか否か判定する。S250において、回転中止指令を受信したと判定した場合は、S260の処理へ進む。
【0113】
S260では、機器制御部31は、モータ駆動回路35へ停止信号を出力して、モータ36の回転を中止させる。これにより、回転本体12の回転が中止する。その後、機器制御部31は、本処理を終了する。
【0114】
一方、S250において、回転中止指令を受信していないと判定した場合は、S270の処理へ進む。
S270では、機器制御部31は、第1の機器通信機21aが送信機67から第1の追尾完了通知を受信したか否か判定する。S270において、第1の追尾完了通知を受信したと判定した場合は、S280の処理へ進み、第1の追尾完了通知を受信していないと判定した場合は、S240の処理へ戻る。
【0115】
S280では、機器制御部31は、モータ駆動回路35へ停止信号を出力して、モータ36を停止させる。これにより、回転本体12の回転が停止する。
続いて、S290では、機器制御部31は、第2の機器通信機21bから端末通信機59へ第2の追尾完了通知を送信する。第2の追尾完了通知は、第1の通信方式に基づいた第1の追尾完了通知を、第2の通信方式に基づいて変換している。その後、機器制御部31は、本処理を終了する。
【0116】
一方、S240において、第2時間が経過したと判定した場合は、S300の処理へ進む。
S300では、機器制御部31は、モータ駆動回路35へ停止信号を出力して、モータ36を停止させる。これにより、回転本体12の回転が停止する。
【0117】
続いて、S310では、第2の機器通信機21bから端末通信機59へ追尾エラー通知を送信する。その後、機器制御部31は、本処理を終了する。
<4.効果>
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0118】
(1)レーザー墨出し器10は、携帯端末装置51から送信された回転開始指令を受信した場合に、自動追尾を開始する。よって、ユーザは、受光装置60の傍まで行くことなく、携帯端末装置51を用いてレーザー墨出し器10に自動追尾を開始させることができる。ひいては、レーザー墨出し器10の自動追尾機能を用いた作業の効率を向上させることができる。
【0119】
(2)レーザー墨出し器10は、第1の無線通信を行う第1の機器通信機21aと、第2の無線通信を行う第2の機器通信機21bとを備える。そのため、携帯端末装置51との第2の無線通信が、受光装置60との第1の無線通信と干渉することを抑制することができる。
【0120】
(3)レーザー墨出し器10は、第1の完了通知を受光装置60から受信した場合に、第1の完了通知に対応する第2の完了通知を携帯端末装置51へ送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置51を用いて、自動追尾が完了したことを認識できる。
【0121】
(4)レーザー墨出し器10は、第2時間内に第1の完了通知を受信しなかった場合に、エラー通知を携帯端末装置51へ送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置51を用いて、自動追尾が完了しなかったことを認識できる。
【0122】
(5)レーザー墨出し器10は、携帯端末装置51から回転中止指令を受信した場合に、回転本体12を回転させるモータ36を停止させる。したがって、ユーザは、受光装置60の傍まで行くことなく、携帯端末装置51を用いて、自動追尾を中止させることができる。
【0123】
(6)レーザー墨出し器10は、携帯端末装置51から回転開始指令を受信した場合に、携帯端末装置51へ受信完了通知を送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置51を用いて、自動追尾が開始されたことを認識することができる。
【0124】
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0125】
(a)上記実施形態では、携帯端末装置51の端末表示部57に、自動追尾中、追尾エラー、及び追尾完了を表示したが、これらの情報の報知は表示に限定されるものではない。例えば、携帯端末装置51の振動部56及び/又はスピーカー58からの振動出力及び/又は音出力によって、自動追尾中、追尾エラー、及び追尾完了を報知してもよい。自動追尾中、追尾エラー、及び追尾完了は、表示、振動出力、及び音出力の少なくとも一つによって報知されればよい。
【0126】
(b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0127】
(c)
図6のI1画面から自動追尾モード選択部74a、リモコンモード選択部74bを削除し、I1画面において右自動追尾開始選択部77a及び左自動追尾開始選択部77bを選択可能にしてもよい。そして、I1画面において、ユーザにより右自動追尾開始選択部77a又は左自動追尾開始選択部77bが選択された場合に、端末制御部53は、に自動追尾モードに切り替わるような指令を回転指令とともにレーザー墨出し器10に送信してもよい。すなわち、
図4において、I1画面からI2画面への遷移を飛ばして、I1画面からI3画面へ遷移するようにしてもよい。
【0128】
さらに、その場合、ユーザがI1画面において右自動追尾開始選択部77a及び左自動追尾開始選択部77bのいずれも選択しないとき、自動追尾完了時、及び自動追尾エラー時には、常にリモコンモードになるようレーザー墨出し器10を設定しておいてもよい。もしくは、ユーザがI1画面において右回転選択部75aと左回転選択部75bを選択した場合に、端末制御部53は、リモコンモードに切り替わるような指令を回転指令とともにレーザー墨出し器10に送信してもよい。
【符号の説明】
【0129】
1…レーザー墨出し器システム、5…第1射出部、6…第2射出部、7…第3射出部、8…第4射出部、10…レーザー墨出し器、11…支持本体、12…回転本体、14…脚部、21…機器通信部、21a…第1の機器通信機、21b…第2の機器通信機、31…機器制御部、32…機器操作部、33…レーザー駆動回路、34…レーザー発光部、35…モータ駆動回路、36…モータ、37…機器表示部、41…バッテリ、51…携帯端末装置、53…端末制御部、54…端末操作部、56…振動部、57…端末表示部、58…スピーカー、59…端末通信機、60…受光装置、61…受光制御部、64…受光操作部、64a…左回転スイッチ、64b…右回転スイッチ、65…レーザー受光部、65a…右受光素子、65b…左受光素子、66…リモコン/追尾切替スイッチ、67…送信機。