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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240722BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20240722BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240722BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240722BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20240722BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240722BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20240722BHJP
   H10B 80/00 20230101ALI20240722BHJP
【FI】
H01L21/304 622W
H01L27/00 301B
H01L29/78 371
H01L21/88 J
H01L21/02 B
H01L25/08 C
H10B41/27
H10B41/40
H10B43/27
H10B43/40
H10B80/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020125438
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021688
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】大久保 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】林 秀和
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0168017(US,A1)
【文献】特開2014-167966(JP,A)
【文献】特開2015-018967(JP,A)
【文献】特開平02-202024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0340264(US,A1)
【文献】特開平11-067701(JP,A)
【文献】特開2012-209133(JP,A)
【文献】特開2021-048303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 27/00
H10B 41/40
H10B 41/27
H10B 43/40
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 21/3205
H01L 21/02
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半導体基板と第2の半導体基板とを貼り合わせて積層体を形成し、
前記第1の半導体基板の外周部と、前記第2の半導体基板の外周部との間に設けられる間隙に、第1の粘度を有する第1のフィル材を埋め込み、
前記第1のフィル材を前記間隙に埋め込んだのち、前記第1のフィル材に隣接するように、前記第1の粘度より粘度の高い第2の粘度を有する第2のフィル材を前記間隙に埋め込み、
前記第2の半導体基板を薄層化する、
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1のフィル材は有機化合物を含み、前記第2のフィル材はガラス材料又は無機ポリマーを含む、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記間隙は、前記積層体の断面視において、
前記第1の半導体基板の表面及び前記第2の半導体基板の表面に沿って設けられ、
前記第1の半導体基板の端部及び前記第2の半導体基板の端部よりも、前記第1の半導体基板及び前記第2の半導体基板の中心側に位置する第1の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第1の半導体基板の端部及び前記第2の半導体基板の端部との間に設けられる第2の間隙部とを含む、
請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1のフィル材は前記第1の間隙部に埋め込み、前記第2のフィル材は前記第2の間隙部に埋め込む、
請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記積層体の断面視において、前記第2の間隙部の厚さは前記第1の間隙部の厚さよりも厚い、
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1のフィル材は、スポイト、ディスペンサー、又は、スピンコートを用いて、前記第1の間隙部に埋め込む、
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2のフィル材は、前記第2のフィル材を薄膜状に付着させたフィルムを、前記積層体の外周に沿って、前記積層体に擦り付けることにより、前記第2の間隙部に埋め込む、
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2のフィル材を埋め込んだのちに、前記第2の間隙部からはみ出した前記第2のフィル材を、研磨フィルムを用いて除去する、
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記積層体を形成する前に、
前記第1の半導体基板に、第1の回路部と、前記第1の回路部に電気的に接続される第1の金属パッドとを形成し、
前記第2の半導体基板に、第2の回路部と、前記第2の回路部に電気的に接続される第2の金属パッドとを形成し、
前記第1の金属パッドと、前記第2の金属パッドとを接続することで、前記第1の半導体基板と第2の半導体基板とを貼り合わせて前記積層体を形成する、
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記積層体を形成する前に、前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板との少なくとも一方に貫通電極を形成する、
請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
第1の回路部を有する第1の半導体基板と、
前記第1の半導体基板の中心部において、前記第1の回路部と貼り合わされる第2の回路部を有し、前記第1の半導体基板よりも薄層化された第2の半導体基板と、
前記貼り合わされた前記第1の回路部と前記第2の回路部との外周部に設けられ、旦つ、前記第1の半導体基板の外周部と、前記第2の半導体基板の外周部との間に設けられる間隙と、
前記間隙に設けられ、第1の粘度を有する第1のフィル材と、
前記第1のフィル材に隣接し前記間隙に設けられ、前記第1の粘度より粘度の高い第2の粘度を有する第2のフィル材と、を有する、
半導体装置。
【請求項12】
前記第1のフィル材は有機化合物を含み、前記第2のフィル材はガラス材料又は無機ポリマーを含む、
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記間隙は
記第1の半導体基板の表面及び前記第2の半導体基板の表面に沿って設けられ、
前記第1の半導体基板の端部及び前記第2の半導体基板の端部よりも、前記第1の半導体基板及び前記第2の半導体基板の中心側に位置する第1の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第1の半導体基板の端部及び前記第2の半導体基板の端部との間に設けられる第2の間隙部とを含む、
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1のフィル材は前記第1の間隙部に設けられ、前記第2のフィル材は前記第2の間隙部に設けられる、
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
記第2の間隙部の厚さは前記第1の間隙部の厚さよりも厚い、
請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
記第1の回路部は、第1の金属パッドを有し、
記第2の回路部は、第2の金属パッドを有し、
前記第1の金属パッドと、前記第2の金属パッドとは電気的に接続される、
請求項14に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板との少なくとも一方は、貫通電極を有する、
請求項14に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1のフィル材は、前記第1の回路部と、前記第2の回路部と、前記第2のフィル材とのそれぞれと接する、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1のフィル材は、前記第2の間隙部には設けられない、請求項14に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1のフィル材は、シリコン化合物と、有機溶剤とを含む、請求項11に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造方法として、例えば、CMOSを含む周辺回路を有する第1の半導体基板と、メモリセルアレイを有する第2の半導体基板とを、それぞれ形成したのち、第1の半導体基板と、第2の半導体基板とを貼り合せる貼合プロセスが知られている。貼合プロセスでは、第1の半導体基板に設けられた金属パッドと、第2の半導体基板に設けられた金属パッドとを接合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5784658号公報
【文献】特許第6212720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態に係る半導体装置及び半導体装置の製造方法を用いて、半導体記憶装置の生産性を向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体基板と第2の半導体基板とを貼り合わせて積層体を形成し、前記第1の半導体基板の外周部と、前記第2の半導体基板の外周部との間に設けられる間隙に、第1の粘度を有する第1のフィル材を埋め込み、前記第1のフィル材を前記間隙に埋め込んだのち、前記第1のフィル材に隣接するように、前記第1の粘度より粘度の高い第2の粘度を有する第2のフィル材を前記間隙に埋め込み、前記第2の半導体基板を薄層化する。
【0006】
一実施形態に係る半導体装置は、第1の半導体基板と、前記第1の半導体基板と貼り合わせて積層体を構成し、第1の半導体基板よりも薄層化された第2の半導体基板と、前記第1の半導体基板の外周部と、前記第2の半導体基板の外周部との間に設けられる間隙と、前記間隙に設けられ、第1の粘度を有する第1のフィル材と、前記第1のフィル材に隣接し前記間隙に設けられ、前記第1の粘度より粘度の高い第2の粘度を有する第2のフィル材と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図2】一実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図3】一実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図4】一実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図5】一実施形態に係る半導体装置を製造する半導体製造装置を示す図である。
図6】一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図7】一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図8】一実施形態に係る半導体装置を製造する半導体製造装置を示す図である。
図9】一実施形態に係る半導体装置の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態にかかる半導体装置及び半導体装置の製造方法を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要な場合にのみ行う。また、以下に示す各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成要素の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。実施形態の技術的思想には、特許請求の範囲に記載されたものに対して、種々の変更を加えたものが含まれる。
【0009】
<半導体装置1の全体構成>
図1は、本実施形態に係る半導体装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示す半導体装置1に含まれる領域100のA1-A2に沿った断面図である。図3は、図1に示す半導体装置1に含まれる領域100のA1-A2に沿ったより詳細な断面図である。本実施形態に係る半導体装置1の構成は、図1から図3までに示される構成に限定されない。
【0010】
図1に示すように、半導体装置1は第1の半導体基板22、及び第2の半導体基板23を有する。第1の半導体基板22は、基板11、及び基板11の上に設けられる第1の回路部12を有する。第2の半導体基板23は、基板13、及び基板13の上に設けられる第2の回路部14を有する。詳細は後述するが、第1の回路部12及び第2の回路部14は、複数のトランジスタ及び受動素子などのデバイスを有するデバイス層である。また、詳細は後述するが、第1の回路部12は第1の金属パッド5(図3)を有し、第2の回路部14は第2の金属パッド8(図3)を有し、第1の金属パッド5(図3)と第2の金属パッド8(図3)とを接続することで、第1の半導体基板22は第2の半導体基板23と貼合される。なお、図1では、第1のフィル材41(図2)、及び第2のフィル材42(図2)の図示を省略する。また、基板11、及び基板13は、例えばシリコン基板(シリコンウエハ)である。
【0011】
第1の半導体基板22、及び第2の半導体基板23を製造する過程で、それぞれの基板は、複数回の化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により加工される。その結果、第1の半導体基板22、及び第2の半導体基板23において、第1の回路部12の端部及び第2の回路部14の端部は、過剰に研磨された形状、所謂、ロールオフ(末端過研磨)な形状を有する。図1では、半導体装置1の構成を簡単に示すため、第1の回路部12の厚さ及び第2の回路部14の厚さは、一様としているが、実際は、図2以降で図示するように、第1の回路部12の厚さ及び第2の回路部14の厚さは、第1の半導体基板22の中心部、及び第2の半導体基板23の中心部から、第1の半導体基板22の端部22b、及び第2の半導体基板23の端部23bにいくほど、薄くなる。
【0012】
図2に示すように、半導体装置1は、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との間に設けられる間隙15を有する。図1と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。半導体装置1の断面視において、間隙は、第1の半導体基板22の表面22a、及び第2の半導体基板23の表面23aに沿って設けられる。間隙は、第1の間隙部15a、及び第2の間隙部15bを有する。第1の間隙部15aは、第1の半導体基板22の端部22b及び前記第2の半導体基板23の端部23bよりも、第1の半導体基板22及び前記第2の半導体基板23の中心101側に位置する。第2の間隙部15bは、第1の間隙部15aと、第1の間隙部15aと第1の半導体基板22の端部22b及び第2の半導体基板23の端部23bとの間に設けられる。また、半導体装置1は、第1のフィル材41、及び第2のフィル材42を有する。
【0013】
符号Sは第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との貼合面を示す。貼合面Sは便宜的に示す面である。半導体装置1は、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼合した積層体を有し、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とは一体化されている。例えば、貼合面Sは半導体装置1の断面を解析することにより判別可能である。
【0014】
本実施形態に係る半導体装置1において、例えば、第1の半導体基板22の表面22aは第1の半導体基板22の外周部と呼んでもよく、第2の半導体基板23の表面23aは第2の半導体基板23の外周部と呼んでもよく、間隙15は間隙部又は未貼合部と呼んでもよく、第1の間隙部15aは間隙15の薄層部又は最内周薄層部と呼んでもよく、第2の間隙部15bは間隙15の厚層部又は最外周厚層部と呼んでもよい。
【0015】
例えば、第1の間隙部15aの(断面視における)厚さLVMHは50μm以下であり、第1の間隙部15aの奥行方向の長さ(断面視における幅)LVMDは、350μm以上3500μm以下である。例えば、第2の間隙部15bの(断面視における)厚さHVMHは50μmより厚く700μm以下であり、第2の間隙部15bの奥行方向の長さ(断面視における幅)HVMDは、350μmよりも小さい。第2の間隙部15bの厚さHVMHは第1の間隙部15aの厚さLVMHよりも厚い。
【0016】
第1のフィル材41は、間隙15、特に第1の間隙部15aに設けられる。第1のフィル材41が設けられる第1の間隙部15aは薄層であるため、第1のフィル材41を構成する材料が粘度の大きい(高粘度)材料の場合は、第1のフィル材41を構成する材料が第1の間隙部15aを埋めることができない可能性がある。その結果、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせて積層体を形成したのち、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との少なくとも一方の半導体基板を薄膜化する際に、チッピング及び剥がれが生じる可能性がある。よって、第1のフィル材41を構成する材料は、第1の間隙部15aに細部まで浸透するような粘度の小さい(低粘度)材料であることが好ましい。第1のフィル材41を構成する材料は、有機化合物を含む。第1のフィル材41を構成する材料は、例えば、シリコン化合物、及び有機溶剤を含む。また、第1のフィル材41の材料の粘度μ1は、0.1mPa・s(ミリパスカル秒)以上1000mPa・s未満であり、例えば、2.2mPa・sである。
【0017】
第2のフィル材42は、間隙15、特に第2の間隙部15bに、第1のフィル材41と隣接して設けられる。第2のフィル材42が設けられる第2の間隙部15bは厚層であるため、第2のフィル材42を構成する材料が粘度の小さい(低粘度)材料の場合は、第2のフィル材42を構成する材料が第2の間隙部15bを埋めることができない可能性がある。その結果、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせて積層体を形成したのち、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との少なくとも一方の半導体基板を薄膜化する際に、チッピング及び剥がれが生じる可能性がある。よって、第2のフィル材42を構成する材料は、第1のフィル材41、第1の半導体基板22の表面22a、及び第2の半導体基板23の表面23aに密着し、第2の間隙部15bを埋めることが可能な、粘度の高い材料が好ましい。第2のフィル材42を構成する材料は、ガラス材料又は無機ポリマーを含む。第2のフィル材42を構成する材料は、例えば、アルミニウムを含む酸化物を含む。また、第2のフィル材42の材料の粘度μ2は、1000mPa・s(ミリパスカル秒)以上1000000mPa・s未満であり、例えば、50mPa・sである。第2のフィル材42を構成する材料の粘度は、第1のフィル材41を構成する材料の粘度よりも高い。
【0018】
図3により詳細に示すように、第1の半導体基板22は、基板11を覆うように絶縁膜25を有する。図1及び図2と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。第1の回路部12は、例えば、CMOSを含む複数のトランジスタと、受動素子と、第1の金属パッド5の少なくとも一部に接続された配線層とを有する周辺回路部12a、及び複数の電極層12bを有する。複数の電極層12bは、例えば、複数の配線層(図示は省略)と、複数の第1の金属パッド5と、複数のビアプラグ34と、絶縁膜44と、絶縁膜45とを有する。周辺回路部12aは、複数のビアプラグ34、及び絶縁膜44及び絶縁膜45内でビアプラグ34上に設けられた複数の第1の金属パッド5に電気的に接続される。第1の半導体基板22は、第1の半導体基板22を貫く貫通電極(図示は省略)をあらかじめ形成しておいてもよい。なお、図3では、第1のフィル材41(図2)、及び第2のフィル材42(図2)の図示を省略する。
【0019】
第2の半導体基板23は、基板13を覆うように絶縁膜25を有する。第2の回路部14は、例えば、CMOSを含む複数のトランジスタと、受動素子と、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、複数のソース線と、複数のワード線と、複数のビット線と、第2の金属パッド8の少なくとも一部に接続された配線層とを有するメモリセル部14a、及び複数の電極層14bを有する。複数の電極層14bは、例えば、複数の配線層(図示は省略)と、複数の第2の金属パッド8と、複数のビアプラグ35と、絶縁膜44と、絶縁膜45とを有する。メモリセル部14aは、複数のビアプラグ35、及び絶縁膜44及び絶縁膜45内でビアプラグ35上に設けられた複数の第2の金属パッド8に電気的に接続される。第2の半導体基板23は、第2の半導体基板23を貫く貫通電極(図示は省略)をあらかじめ形成しておいてもよい。
【0020】
絶縁膜25と、絶縁膜44と、第1の金属パッド5とが第1の半導体基板22の表面22aに露出する。絶縁膜25と、絶縁膜44と、第2の金属パッド8とが第2の半導体基板23の表面23aに露出する。絶縁膜25を構成する材料は、例えば酸化珪素を含む。絶縁膜44を構成する材料は、例えば、絶縁膜25を構成する材料とは異なる酸化物と珪素とを含む材料である。絶縁膜45を構成する材料は、例えば、窒化珪素、炭化珪素、酸窒化珪素、窒素含有炭化珪素等の無機絶縁材料を含む。第1の金属パッド5及び第2の金属パッド8を構成する材料は、例えば、銅、又は銅合金を含んでもよく、それら以外の金属等の導電性材料を含んでもよい。
【0021】
第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせたのち、第2の半導体基板23が薄膜化される。第2の半導体基板23は、例えば、バックグラインド、又は薬液を用いて薄膜化される。このとき、第2の回路部14が残存する程度に、第2の半導体基板23が薄膜化される。また、第2の半導体基板23の基板13は残存していなくてもよく、残存していてもよい。
【0022】
第1の半導体基板22及び第2の半導体基板23において、第1の回路部12の端部及び第2の回路部14の端部はロールオフな形状を有しているため、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせると間隙15が生じる。間隙15が生じたままの状態で、第2の半導体基板23を薄膜化すると、積層体においてチッピングや剥がれが生じるおそれがある。その結果、半導体装置1の品質及び製造歩留りが低下するおそれがある。例えば、半導体装置1の品質及び製造歩留りの低下を抑制するため、間隙15を1種類のフィル材で埋め込む方法がある。しかしながら、この方法では、間隙15の第1の間隙部15a(薄層部)と第2の間隙部15b(厚層部)との両方を充分に埋め込むことができないおそれがある。
【0023】
本実施形態の半導体装置1においては、第1の間隙部15a(薄層部)を第1のフィル材41で埋め込み、第2の間隙部15b(厚層部)を第1のフィル材41より高い粘度の第2のフィル材42で埋め込む。その結果、本実施形態の半導体装置1においては、間隙15を充分に埋め込むことができるため、本実施形態の半導体装置1は、チッピングや剥がれを抑制するために有効な構成を有する。また、本実施形態の半導体装置1は、半導体装置1の品質及び製造歩留りの低下を抑制するために有効な構成を有する。
【0024】
<半導体装置1の製造工程>
図4は、本実施形態に係る半導体装置1の製造工程を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置1の製造工程は、図4に示される構成に限定されない。図1から図3までと同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0025】
図4(A)に示すように、第1の半導体基板22及び第2の半導体基板23を準備する。第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼合し、積層体を形成する。このとき、図3に示されるように、第1の半導体基板22の表面22aに露出した絶縁膜44の一部の表面と、第2の半導体基板23の表面23aに露出した絶縁膜44の一部の表面とが、絶縁物間の元素拡散、ファンデルワールス力、脱水縮合やポリマー化等の化学反応等により直接接合し、第1の金属パッド5の表面と、第2の金属パッド8の表面とが、金属間の元素拡散、ファンデルワールス力、体積膨張や溶融による再結晶化等により直接接合する。貼合プロセスは、当該技術分野において公知の技術を用いることができる。例えば、第1の半導体基板22及び第2の半導体基板23を、機械的圧力を用いて貼合してもよく、アニールを用いて貼合してもよく、機械的圧力、及びアニールを用いて貼合してもよい。なお、一部の第1の金属パッド5又は一部の第2の金属パッド8は、互いに接続されていないダミー電極であってもよい。
【0026】
次に、図4(B)に示すように、間隙15にフィル材を埋め込む。具体的には、第1の間隙部15aを第1のフィル材41で埋め込む。詳細は後述するが、第1の間隙部15aを第1のフィル材41で埋め込む方法は、例えば、ディスペンスノズル、スポイト等のフィル材供給装置を用いる方法がある。
【0027】
次に、図4(C)に示すように、間隙15にフィル材を埋め込む。具体的には、第2の間隙部15bを第1のフィル材41より高い粘度の第2のフィル材42で埋め込む。詳細は後述するが、第2の間隙部15bを第2のフィル材42で埋め込む方法は、例えば、第2のフィル材42を薄膜状に付着させたフィルムを、積層体の外周に沿って擦り付ける方法がある。
【0028】
次に、図4(D)に示すように、第2の半導体基板23を薄膜化する。具体的には、第2の半導体基板23の表面23aとは反対側の面(裏面、第2の金属パッド8(図3)が形成された面とは反対側の面)をバックグラインド、又は薬液を用いて薄膜化する。これによって、第2の半導体基板23の厚さを所望の厚さまで薄膜化することができる。
【0029】
上述したとおり、本実施形態の半導体装置1においては、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とをそれぞれ製造し、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼合わせる貼合プロセスを適用する。その結果、実施形態の半導体装置1は、製造過程の熱工程を分離することができるため、製造過程の温度の影響を抑制する有効な構成を有する。また、本実施形態の半導体装置1においては、周辺回路を有する第1の半導体基板22とメモリセルアレイを有する第2の半導体基板23をそれぞれ製造し、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼合わせる貼合プロセスを適用する。その結果、実施形態の半導体装置1は、半導体装置1の面積を有効に活用可能な構成を有し、半導体装置のサイズを縮小可能な構成を有する。さらに、本実施形態の半導体装置1においては、間隙15を第1のフィル材41と、第1のフィル材41より高い粘度の第2のフィル材42との2種類のフィル材で埋め込む。その結果、本実施形態の半導体装置1においては、間隙15を充分に埋め込むことができるため、チッピングや剥がれを抑制し、半導体装置1の品質及び製造歩留りの低下を抑制するために有効な構成を有する。したがって、本実施形態の半導体装置1及び半導体装置1の製造方法を用いることで、半導体記憶装置の生産性が向上する。
【0030】
<第1のフィル材41を間隙15に埋め込む方法>
図5(A)は本実施形態に係る半導体装置1を製造する半導体製造装置200Aを第1の半導体基板22の表面22aとは反対側の面1a(裏面、第1の金属パッド5(図3)が形成された面とは反対側の面)から見た図である。図5(B)は、半導体製造装置200Aを図5(A)のAの方向から見た側面図である。図6及び図7は、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法の一例を説明するための図である。本実施形態に係る半導体装置を製造する半導体製造装置及び半導体装置の製造方法は、図5から図7までに示される構成に限定されない。図1から図4までと同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0031】
図5(A)及び図5(B)に示すように、半導体製造装置200Aは、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせた積層体を取り付ける。半導体製造装置200Aは、保持部210と、ディスペンスノズル(フィル材供給装置)31aと、光照射装置56とを有する。保持部210は、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせた積層体の面1aを真空吸着し当該積層体を保持する保持テーブル211と、保持テーブル211を支持する支持軸212と、支持軸212を回転させるためのモータ(図示は省略)とを有する。このとき、当該積層体の中心101(図1)が支持軸212の中心または略中心と重なり、且つ、当該積層体は地面に対して略直角になるように保持テーブル211の上に保持される。例えば、保持テーブル211の面が地面と略直角となるような状態を維持したまま、支持軸212を回転中心として保持テーブル211は回転する。ディスペンスノズル31aは、第1のフィル材41を第1の間隙部15aに直接移送又は滴下する。第1のフィル材41は毛細管現象によって第1の間隙部15aの奥行方向に浸透する。光照射装置56は、第1の間隙部15aに移送又は滴下された第1のフィル材41に対して光を照射して、第1のフィル材41を硬化する。
【0032】
本実施形態の半導体製造装置200Aは、第1の間隙部15aに直接移送又は滴下された直後の第1のフィル材41に光照射装置56から光を照射する。その結果、第1のフィル材41が第1の間隙部15aから垂れるまえに、第1のフィル材41を第1の間隙部15aに埋め込み、第1のフィル材41を硬化させることができる。
【0033】
図6に示すように、半導体製造装置200Bは、半導体製造装置200Aのディスペンスノズル31aをスポイト31bに置き換えた構成を有する。半導体製造装置200Bのスポイト31b以外の構成は、半導体製造装置200Aと同様であり、ここでの説明は省略される。なお、スポイトは、シリンジであってもよい。
【0034】
図7に示すように、半導体製造装置200Cは、スピンコーターである。スピンコーターは、当該技術分野において公知の装置であるから、ここでの詳細な説明は省略する。例えば、中心軸に対して回転可能なステージ(図示は省略)に、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23とを貼り合わせた積層体を載置する。当該積層体を、中心軸に対して図7に示す白い矢印の方向(時計回り)に回転させ、ディスペンスノズル31cから第1のフィル材41を滴下する。滴下された第1のフィル材41は、遠心力によって、黒い矢印に沿って、第2の半導体基板23の端部23bから表面23aに回り込む。さらに、第1のフィル材41は、毛細管現象により、第1の間隙部15a(図3)の奥行方向に埋め込まれる。第1のフィル材41が第1の間隙部15a(図3)の奥行方向に埋め込まれたのち、当該積層体をベイクし、アニールする。よって、第1のフィル材41は、第1の間隙部15a(図3)の奥行方向に埋め込まれたのち、硬化される。
【0035】
以上説明したとおり、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法によって、第1のフィル材41を、第1の間隙部15aの奥行方向に埋め込み、第1の間隙部15aから垂れることなく硬化させることができる。
【0036】
<第2のフィル材42を間隙15に埋め込む方法>
図8(A)は本実施形態に係る半導体装置1を製造する半導体製造装置300を側面から見た図である。図8(B)は、図8(A)の第1の半導体基板22及び第2の半導体基板23の端部を拡大した図である。本実施形態に係る半導体装置を製造する半導体製造装置及び半導体装置の製造方法は、図8に示される構成に限定されない。図1から図7までと同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0037】
図8(A)に示すように、半導体製造装置300は、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体を保持する保持部(回転装置)310と、第2のフィル材付着テープ54を第2の間隙部15bに擦り付けるための擦り付けヘッド320とを有する。さらに、第2のフィル材付着テープ54に所定の張力を与えつつ、第2のフィル材付着テープ54を送り出し、且つ、巻き取るために、巻き取りリール331と送り出しリール232とを有する。
【0038】
保持部310は、当該積層体を真空吸着し、当該積層体を保持する保持テーブル311と、保持テーブル311を支持する支持軸312と、支持軸312を回転させるためのモータ313とを有している。支持軸312の下端はモータ313に連結され、モータ313により支持軸312と保持テーブル311とが一体となって回転する。例えば、当該積層体が保持される保持テーブル311の面が地面と略水平となるような状態を維持したまま、保持テーブル311は、支持軸312を回転軸として回転する。
【0039】
図8(B)に示すように、擦り付けヘッド320は、2つの突出部321aと321bとを有する支持部321と、突出部321a及び突出部321bとの間に張設された弾性ゴム等からなる弾性部材322と、支持部321と接続されるエアシリンダ323とを有する。このエアシリンダ323を用いて、擦り付けヘッド320を最適な位置に移動させる。
【0040】
なお、半導体装置の製造工程における半導体基板の端部を研磨する際に使用される研磨装置の機構において、研磨テープを第2のフィル材付着テープ54に置き換えることにより、研磨装置を本実施形態に係る半導体製造装置300として用いることができる。
【0041】
図8(A)に示すように、半導体製造装置300において、保持テーブル311の上に当該積層体を保持する。この際、第1の半導体基板22の中心及び第2の半導体基板23の中心が支持軸312の中心と重なるように、当該積層体を保持テーブル311の上に配置する。第2のフィル材付着テープ54は、フィルム55側の面が弾性部材322に接するように取り付けられる。そして、エアシリンダ323を駆動させ、2つの突出部321a及び突出部321bの間に第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体が挟まれ、且つ、第1の半導体基板22及び第2の半導体基板23の外周部が第2のフィル材付着テープ54を介して弾性部材322に接するように、擦り付けヘッド320を移動させる。次に、保持部310を用いて、当該積層体を一定速度で回転させる。さらに、巻き取りリール331と送り出しリール232とを一定の速度で回転させ、第2のフィル材付着テープ54に一定の張力を与えつつ、第2のフィル材付着テープ54を送り出し、且つ、巻き取る。
【0042】
さらに詳細には、図8(B)に示すように、第2のフィル材付着テープ54は、突出部321aと321bとの間に張設された弾性部材322により、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体の外周部に押し当てられる。この際、第2のフィル材付着テープ54を介して第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体の外周部に押し当てられた弾性部材322は、引き伸ばされ、弾性部材322に張力が発生する。この弾性部材322の張力により、第2のフィル材付着テープ54を介して第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体の外周部に一定の力が印加され、第2のフィル材付着テープ54の第2のフィル材42が、第2の間隙部15bに擦り付けられる。また、巻き取りリール331と送り出しリール232とが一定の速度で回転することから、第2のフィル材付着テープ54の新しい面が常に間隙に押し当てられる。加えて、当該積層体が一定速度で回転していることから、第1の半導体基板22と第2の半導体基板23との積層体の外周部に沿って第2のフィル材42を擦り付けることができる。
【0043】
第2の間隙部15bに第2のフィル材42を埋め込んだのち、必要に応じて、乾燥処理、加熱処理、又は、光照射処理を行い、第2のフィル材42を硬化させる。第2のフィル材42を硬化させる方法は、第2のフィル材42の材料に応じて適宜選択する。
【0044】
また、第2のフィル材42の形状を成形し、余分な第2のフィル材42により当該積層体が汚染されることを抑制するために、第2のフィル材42が硬化したあとに、第2の間隙部15bからはみ出した余剰の第2のフィル材42を研磨フィルムにより研磨除去してもよい。
【0045】
<半導体装置1の構成例>
【0046】
図9は本実施形態に係る半導体装置1の構成例を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置1の構成例は、図9に示される構成に限定されない。図1から図8までと同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0047】
図9に示されるように、X方向及びY方向は基板28の表面に平行で互いに垂直であり、Z方向は、基板28の表面に垂直である。ここでは、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。例えば、第2の半導体基板23において第2の回路部14(図3)として機能するメモリセルアレイ24は基板28の上方に位置しており、基板28はメモリセルアレイ24の下方に位置している。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。基板28は、例えばシリコン基板(シリコンウエハ)である。
【0048】
第2の半導体基板23は、メモリセルアレイ24内の電極層として、複数のワード線WLと、ソース線BGと、ビット線BLと、選択ゲート(図示は省略)とを有する。図9はメモリセルアレイ24の階段構造部を示す。ワード線WLを貫通する柱状部CLは、一端がソース線BGと電気的に接続され、他端がビット線BLと電気的に接続される。メモリセルは、柱状部CLとワード線WLとの交差部に形成される。
【0049】
第1の半導体基板22は、複数のトランジスタ29を有する。複数のトランジスタ29の各々は、基板28上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極30と、基板28内に設けられたソース拡散層(図示は省略)及びドレイン拡散層(図示は省略)とを有する。また、第1の半導体基板22は、複数のプラグ31と、複数の配線を含む配線層32と、複数の配線を含む配線層33とを有する。複数のプラグ31は複数のトランジスタ29のソース拡散層又はドレイン拡散層上に設けられ、配線層32は複数のプラグ31上に設けられ、配線層33は配線層32上に設けられる。さらに、第1の半導体基板22は、複数のビアプラグ34と、複数の第1の金属パッド5とを有する。複数のビアプラグ34は配線層33上に設けられ、複数の第1の金属パッド5は絶縁膜27内でビアプラグ34上に設けられる。以上のような第1の回路部12(図3)を有する第1の半導体基板22は、第2の半導体基板23を制御する制御回路(論理回路)として機能する。本実施形態等において、制御回路は周辺回路とも呼ばれる。
【0050】
第2の半導体基板23は、複数の第2の金属パッド8と、複数のビアプラグ35と、複数の配線を含む配線層36とを有する。複数の第2の金属パッド8は、絶縁膜26内で第1の金属パッド5上に設けられ、複数のビアプラグ35は第2の金属パッド8上に設けられ、配線層36はビアプラグ35上に設けられる。各ワード線WLや各ビット線BLは、配線層36内の対応する配線と電気的に接続される。また、第2の半導体基板23は、配線層36上に設けられたビアプラグ37と、金属パッド38とを有する。ビアプラグ37は、絶縁膜26内や絶縁膜25内に設けられ、配線層36上に設けられ、金属パッド38は絶縁膜25上やビアプラグ37上に設けられる。
【0051】
金属パッド38は図9に示す半導体チップ21の外部接続パッドとして機能し、ボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプ等を介して実装基板や他の装置に接続可能である。第2の半導体基板23は、絶縁膜25および金属パッド38上に形成されたパッシベーション膜39を有する。パッシベーション膜39は、金属パッド38の上面を露出させる開口部Pを有し、開口部Pは例えば金属パッド38にボンディングワイヤを接続するために使用される。
【0052】
以上、本開示のいくつかの実施形態の構成、製造方法などを説明したが、これらの構成、製造方法などは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜組み合わせて実施してもよく、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態、実施形態の構成、製造方法など、または、その変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1:半導体装置、1a:面、5:第1の金属パッド、8:第2の金属パッド、11:基板、12:第1の回路部、12a:周辺回路部、12b:電極層、13:基板、14:第2の回路部、14a:メモリセル部、14b:電極層、15:間隙、15a:第1の間隙部、15b:第2の間隙部、21:半導体チップ、22:第1の半導体基板、22a:表面、22b:端部、23:第2の半導体基板、23a:表面、23b:端部、24:メモリセルアレイ、25:絶縁膜、26:絶縁膜、27:絶縁膜、28:基板、29:トランジスタ、30:ゲート電極、31:プラグ、31a:ディスペンスノズル(フィル材供給装置)、31b:スポイト、31c:ディスペンスノズル、32:配線層、33:配線層、34:ビアプラグ、35:ビアプラグ、36:配線層、37:ビアプラグ、38:金属パッド、39:パッシベーション膜、41:第1のフィル材、42:第2のフィル材、44:絶縁膜、45:絶縁膜、54:第2のフィル材付着テープ、55:フィルム、56:光照射装置、100:領域、101:中心、200A:半導体製造装置、200B:半導体製造装置、200C:半導体製造装置、210:保持部、211:保持テーブル、212:支持軸、232:リール、300:半導体製造装置、310:保持部(回転装置)、311:保持テーブル、312:支持軸、313:モータ、320:ヘッド、321:支持部、321a:突出部、321b:突出部、322:弾性部材、323:エアシリンダ、331:リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9