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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】表示装置の特性補償方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240722BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240722BHJP
   G09G 3/30 20060101ALI20240722BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240722BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611H
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
G09G3/20 670J
G09G3/30 K
H05B33/14 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020129271
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2021033281
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】62/887,463
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/657,680
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】アミール アミカーニー
(72)【発明者】
【氏名】アヌープ ピー ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ガウラフ マルホトラ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】アルゼフタウィ ムハンマド
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0149493(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0201554(US,A1)
【文献】特開平10-153759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09G 3/20
G09G 3/30
H10K 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの画素を含む有機発光表示装置、及び、画素駆動および感知回路を含むシステムで実行される表示装置の特性補償方法であって、
前記特性補償方法は、
第1時間区間の間、
有機発光表示装置の一つの画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成すること、及び、
前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する一つ以上の補償係数を更新すること
を含み、
第2時間区間の間、
前記一つの画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成すること、及び、
前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新すること
を含み、
前記第1時間区間の間、前記第1画素電流誤差信号及び第1受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第1制御電圧を印加すること、
前記第2時間区間の間、前記第2画素電流誤差信号及び第2受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第2制御電圧を印加すること、及び、
前記画素駆動および感知回路に含まれる一つ以上の補償係数を更新する回路が、前記画素駆動および感知回路に含まれる一つの画素に流れる電流を生成するガンマ回路から、前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第1受信コードワード及び前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第2受信コードワードを受信すること
をさらに含む、
表示装置の特性補償方法。
【請求項2】
前記第1時間区間の間、前記第1受信コードワードに基づいて前記第1基準電流を生成すること、及び、
前記第2時間区間の間、前記第2受信コードワードに基づいて前記第2基準電流を生成すること
をさらに含む、請求項1に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項3】
前記一つ以上の補償係数は、
第1補償係数、及び、
第2補償係数
を含み、
前記第1補償係数は、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差に基づいて算出され、
前記第2補償係数は、前記第2画素電流誤差信号に基づいて算出され、
前記一つの画素に第1制御電圧を印加することは、
前記第1補償係数に前記第1受信コードワードを掛けて第1補償コードワードを生成すること、及び、
前記第1補償コードワードに前記第2補償係数を加えて第2補償コードワードを生成すること
を含む、
請求項2に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項4】
前記一つ以上の補償係数は、第3補償係数をさらに含み、
前記一つの画素に第1制御電圧を印加することは、第1電圧の第1部分、第2電圧の第2部分を有する波形を前記一つの画素に印加することをさらに含み、
前記第2電圧は、前記第2補償コードワードに比例し、
前記第2電圧に対する前記第1電圧の比が前記第3補償係数である、
請求項3に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項5】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新することは、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードとの差に基づいて行われる、請求項4に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項6】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新することは、
前記第2画素電流誤差信号と、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差と、第1定数とを掛けた値を前記第1補償係数に加える段階を含む、
請求項5に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項7】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新することは、
前記第2画素電流誤差信号と、第2定数とを掛けた値を前記第2補償係数に加えることをさらに含む、
請求項6に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項8】
前記第1時間区間より短く、前記第2時間区間より短い第3時間区間の間、
前記一つの画素に対する第3画素電流を第3基準電流と比較して、前記第3画素電流と前記第3基準電流の差を示す第3画素電流誤差信号を生成すること、及び、
前記第3画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新すること
をさらに含み、
前記第1時間区間より短く、前記第2時間区間より短い第4時間区間の間、
前記一つの画素に対する第4画素電流を第4基準電流と比較して、前記第4画素電流と前記第4基準電流の差を示す第4画素電流誤差信号を生成すること、及び、
前記第4画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新すること
をさらに含む、
請求項7に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項9】
前記表示装置の特性補償方法は、
前記第3時間区間の間、第3受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第3制御電圧を印加すること、及び、
前記第4時間区間の間、第4受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第4制御電圧を印加すること
をさらに含み、
前記第4時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新することは、
前記第4画素電流誤差信号、
前記第4受信コードワードと前記第3受信コードワードの差、及び、
第3定数の掛けを前記第3補償係数に加えることをさらに含む、
請求項8に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項10】
第5時間区間の間、
前記一つの画素に対する第5画素電流を第5基準電流と比較して、前記第5画素電流と前記第5基準電流の差を示す電流差信号を生成すること、
前記電流差信号の絶対値がしきい値を越えれば前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新すること、及び、
前記電流差信号の絶対値がしきい値を越えなければ前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を変えずにそのまま置くこと
をさらに含む、
請求項9に記載の表示装置の特性補償方法。
【請求項11】
一つの画素を含む有機発光表示装置、及び、
画素駆動および感知回路
を含むシステムであって、
前記システムは、
第1時間区間の間、
前記一つの画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成し、
前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する一つ以上の補償係数を更新し、
第2時間区間の間、
前記一つの画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成し、
前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新し、
さらに、前記第1時間区間の間、前記第1画素電流誤差信号及び第1受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第1制御電圧を印加し、
前記第2時間区間の間、前記第2画素電流誤差信号及び第2受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第2制御電圧を印加し、
前記画素駆動および感知回路は、前記一つ以上の補償係数を更新する回路、及び、前記一つの画素に流れる電流を生成するガンマ回路を含み、
前記一つ以上の補償係数を更新する回路が、前記ガンマ回路から、前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第1受信コードワード及び前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第2受信コードワードを受信する
システム。
【請求項12】
前記システムは、
前記第1時間区間の間、前記第1受信コードワードに基づいて前記第1基準電流を生成し、
前記第2時間区間の間、前記第2受信コードワードに基づいて前記第2基準電流を生成する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記一つ以上の補償係数は、
第1補償係数、及び、
第2補償係数
を含み、
前記第1補償係数は、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差に基づいて算出され、
前記第2補償係数は、前記第2画素電流誤差信号に基づいて算出され、
前記一つの画素に第1制御電圧を印加する動作は、
前記第1補償係数に前記第1受信コードワードを掛けて第1補償コードワードを生成し、前記第1補償コードワードに前記第2補償係数を加えて第2補償コードワードを生成する動作を含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記一つ以上の補償係数は、第3補償係数をさらに含み、
前記一つの画素に第1制御電圧を印加する動作は、第1電圧の第1部分、第2電圧の第2部分を有する波形を前記一つの画素に印加する動作をさらに含み、
前記第2電圧は、前記第2補償コードワードに比例し、
前記第2電圧に対する前記第1電圧の比が前記第3補償係数である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードとの差に基づいて行われる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、
前記第2画素電流誤差信号と、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差と、第1定数とを掛けた値を前記第1補償係数に加える動作を含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、
前記第2画素電流誤差信号と、第2定数とを掛けた値を前記第2補償係数に加える動作をさらに含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
一つの画素を含む有機発光表示装置、及び、
前記一つの画素を駆動し、前記一つの画素に生成される電流を感知する手段
を含むシステムであって、
前記システムは、
第1時間区間の間、
前記一つの画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成し、
前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する一つ以上の補償係数を更新し、
第2時間区間の間、
前記一つの画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成し、
前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記一つの画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新し、
さらに、前記第1時間区間の間、前記第1画素電流誤差信号及び第1受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第1制御電圧を印加し、
前記第2時間区間の間、前記第2画素電流誤差信号及び第2受信コードワードに基づいて前記一つの画素に第2制御電圧を印加し、
前記手段は、前記一つ以上の補償係数を更新する回路、及び、前記一つの画素に流れる電流を生成するガンマ回路を含み、
前記一つ以上の補償係数を更新する回路が、前記ガンマ回路から、前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第1受信コードワード及び前記一つの画素に流れる電流に該当する前記第2受信コードワードを受信する
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置の特性補償方法およびシステムに関し、特に画素特性を補償する方法およびシステムに関する。
【0002】
本出願は、2019年8月15日に米国特許庁に出願した米国特許出願番号第62/887,463号の優先権を主張し、米国特許出願番号第62/887,463号の全体内容は本出願に参照として引用される。
【背景技術】
【0003】
電子装置の表示装置、例えばコンピュータモニター、TV、モバイル機器などの表示装置は、複数の画素を含み、各画素は画素出力を制御するトランジスターを含む。例えば、有機発光表示装置(organic LED display)において、各画素は発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含む。発光ダイオードを通じて流れる電流の大きさは駆動トランジスターで制御され得、駆動トランジスターの特性は製造過程での不均一性により画素に応じて変わり得、エイジング(aging)により時間に応じても変わり得る。このような変化を補償する尺度が設けられなければ、表示映像または画像の画質が悪くなり得る。このような変化を補償する回路は一つ以上の調整可能な補償係数を含むことができ、補償係数は各画素に対して適切に選択または評価され得る。
【0004】
したがって、画素補償係数を評価するシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、画素補償係数を評価するシステムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、第1時間区間の間、表示装置の画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成する段階、及び、前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する一つ以上の補償係数を更新する段階を含み、第2時間区間の間、前記画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成する段階、及び、前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する段階を含む。
【0007】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、前記第1時間区間の間、第1受信コードワードに基づいて前記画素に第1制御電圧を印加する段階、そして前記第2時間区間の間、第2受信コードワードに基づいて前記画素に第2制御電圧を印加する段階をさらに含んでもよい。
【0008】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、前記第1時間区間の間、前記第1受信コードワードに基づいて前記第1基準電流を生成する段階、そして前記第2時間区間の間、前記第2受信コードワードに基づいて前記第2基準電流を生成する段階をさらに含んでもよい。
【0009】
本発明の一実施例によると、前記一つ以上の補償係数は、第1補償係数、そして第2補償係数を含み、前記画素に第1制御電圧を印加する段階は、前記第1補償係数に前記第1受信コードワードを掛けて第1補償コードワードを生成する段階、そして前記第1補償コードワードに前記第2補償係数を加えて第2補償コードワードを生成する段階を含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記一つ以上の補償係数は、第3補償係数をさらに含み、前記画素に第1制御電圧を印加する段階は、第1電圧の第1部分、第2電圧の第2部分を有する波形を前記画素に延長されている導体に印加する段階をさらに含み、前記第2電圧は、前記第2補償コードワードに比例し、前記第2電圧に対する前記第1電圧の比が前記第3補償係数であってもよい。
【0011】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する段階は、前記第2受信コードワードおよび前記第1受信コードワードにも基づいて行われてもよい。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する段階は、前記第2画素電流誤差信号、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差、そして第1定数の掛けを前記第1補償係数に加える段階を含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する段階は、前記第2画素電流誤差信号、そして第2定数の掛けを前記第2補償係数に加える段階をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、前記第1時間区間より短く、前記第2時間区間より短い第3時間区間の間、前記画素に対する第3画素電流を第3基準電流と比較して、前記第3画素電流と前記第3基準電流の差を示す第3画素電流誤差信号を生成する段階、及び、前記第3画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する段階をさらに含み、前記第1時間区間より短く、前記第2時間区間より短い第4時間区間の間、前記画素に対する第4画素電流を第4基準電流と比較して、前記第4画素電流と前記第4基準電流の差を示す第4画素電流誤差信号を生成する段階、及び、前記第4画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する段階をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、前記第3時間区間の間、第3受信コードワードに基づいて前記画素に第3制御電圧を印加する段階、及び、前記第4時間区間の間、第4受信コードワードに基づいて前記画素に第4制御電圧を印加する段階をさらに含み、前記第4時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する段階は、前記第4画素電流誤差信号、前記第4受信コードワードと前記第3受信コードワードの差、及び、第3定数の掛けを前記第3補償係数に加える段階をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法は、第5時間区間の間、前記画素に対する第5画素電流を第5基準電流と比較して、前記第5画素電流と前記第5基準電流の差を示す電流差信号を生成する段階、前記電流差信号の絶対値がしきい値を越えれば前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する段階、及び、前記電流差信号の絶対値がしきい値を越えなければ前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を変えずにそのまま置く段階をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施例によるシステムは、画素を含む表示装置、画素駆動および感知回路を含み、前記システムは、第1時間区間の間、前記画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成し、前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する一つ以上の補償係数を更新し、第2時間区間の間、前記画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成し、前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する。
【0018】
本発明の一実施例によるシステムは、前記第1時間区間の間、第1受信コードワードに基づいて前記画素に第1制御電圧を印加し、前記第2時間区間の間、第2受信コードワードに基づいて前記画素に第2制御電圧を印加してもよい。
【0019】
本発明の一実施例によるシステムは、前記第1時間区間の間、前記第1受信コードワードに基づいて前記第1基準電流を生成し、前記第2時間区間の間、前記第2受信コードワードに基づいて前記第2基準電流を生成してもよい。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記一つ以上の補償係数は、第1補償係数、そして第2補償係数を含み、前記画素に第1制御電圧を印加する動作は、前記第1補償係数に前記第1受信コードワードを掛けて第1補償コードワードを生成し、前記第1補償コードワードに前記第2補償係数を加えて第2補償コードワードを生成する動作を含んでもよい。
【0021】
本発明の一実施例によると、前記一つ以上の補償係数は、第3補償係数をさらに含み、前記画素に第1制御電圧を印加する動作は、第1電圧の第1部分、第2電圧の第2部分を有する波形を前記画素に延長されている導体に印加する動作をさらに含み、前記第2電圧は、前記第2補償コードワードに比例し、前記第2電圧に対する前記第1電圧の比が前記第3補償係数であってもよい。
【0022】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、前記第2受信コードワードおよび前記第1受信コードワードにも基づいて行われてもよい。
【0023】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、前記第2画素電流誤差信号、前記第2受信コードワードと前記第1受信コードワードの差、そして第1定数の掛けを前記第1補償係数に加える動作を含んでもよい。
【0024】
本発明の一実施例によると、前記第2時間区間の間に前記一つ以上の補償係数を更新する動作は、前記第2画素電流誤差信号、そして第2定数の掛けを前記第2補償係数に加える動作をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の一実施例によるシステムは、画素を含む表示装置、及び前記画素を駆動し、前記画素に生成される電流を感知する手段を含み、前記システムは、第1時間区間の間、前記画素に対する第1画素電流を第1基準電流と比較して、前記第1画素電流と前記第1基準電流の差を示す第1画素電流誤差信号を生成し、前記第1画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する一つ以上の補償係数を更新し、第2時間区間の間、前記画素に対する第2画素電流を第2基準電流と比較して、前記第2画素電流と前記第2基準電流の差を示す第2画素電流誤差信号を生成し、前記第2画素電流誤差信号に基づいて前記画素に対する前記一つ以上の補償係数を更新する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施例による表示装置の特性補償方法及びシステムは、このようにすることによって、画素補償係数を評価および補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例による概念図である。
図2】本発明の一実施例による複合構造ブロック図である。
図3a】本発明の一実施例によるシミュレーション結果を示すグラフである。
図3b】本発明の一実施例によるシミュレーション結果を示すグラフである。
図3c】本発明の一実施例によるシミュレーション結果を示すグラフである。
図3d】本発明の一実施例によるシミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付した図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。後述する詳細な説明は、画素補償係数を評価および使用するシステムおよび方法の実施例に関し、本発明により実現または利用される形態を全て表現したものではない。しかし、互いに異なる実施例で実現されるものと同一または均等の機能と構造は本発明の範囲内に含まれる。明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同一の符号を付した。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一実施例による表示装置(例:モバイル表示装置)105は、行列に配列された複数の画素を含むことができる。各画素は、駆動回路を含むことができ、駆動回路の例として、図1の左側に示した7T1C(7-transistor 1-capacitor)駆動回路または図1の下側に示した4T1C(4-transistor 1-capacitor)駆動回路がある。4T1C駆動回路では、画素が発光する時、[キャパシタ(capacitor)115によりゲート-ソース電圧が制御される]駆動トランジスター(drive transistor)110が発光ダイオード(light emitting diode)120に流れる電流を制御する。上部パス-ゲートトランジスター(pass-gate transistor)125を使用して駆動トランジスター110のゲート[およびキャパシタ115の一端子]を電源電圧(power supply voltage)に選択的に接続することができ、下部パス-ゲートトランジスター130を使用して駆動感知導体(drive sense conductor)135をソースノード(source node)140に選択的に接続することができるが、ソースノード140は、駆動トランジスター110のソース、発光ダイオード120のアノードおよびキャパシタ115の他の端子と接続されている。
【0030】
画素駆動および感知回路(pixel drive and sense circuit)145(詳細は後述)は駆動感知導体135と接続され得る。画素駆動および感知回路145は、駆動感知導体135に一回に一つずつ選択的に接続される駆動増幅器(drive amplifier)と感知回路(sensing circuit)を含むことができる。駆動トランジスター110に電流が流れ、下部パス-ゲートトランジスター130がオフされて駆動感知導体135がソースノード140から分離されると、発光ダイオード120に電流が流れて発光するようになる。下部パス-ゲートトランジスター130がオンされ、駆動感知導体135が発光ダイオード120のカソードより低い電圧で駆動されると、発光ダイオード120は逆バイアスされ、駆動感知導体135に流れる電流が画素駆動および感知回路145に流れて感知され得る。
【0031】
前述したように、ゲート-ソース電圧を調節して、例えば駆動トランジスター110の移動度(mobility)またはしきい電圧(threshold voltage)の偏差[例:表示装置105の他の駆動トランジスターとの差、または時間に応じた変化]を補償することが好ましい。図2は、画素駆動および感知回路145の出力200および入力202が表示装置105内にある比較的長い導体[以下、“列導体(column conductor)”といい、図2では抵抗(R)とキャパシタ(C)で示す]を通じて画素の駆動感知導体135と選択的に接続されることを示す。特定の時刻に(列導体が駆動されている時は)出力200と(詳細に後述するが、画素電流が感知されている時は)入力202のうちの一つが列導体に接続され得る(図2に示した点線がこのような接続を示す)。
【0032】
以下において、動作を簡単に説明する。ガンマ回路(gamma circuit)205が一群のコードワード(code word)を生成し、各コードワードは駆動トランジスター110が発光ダイオード120に駆動する電流に該当する。三つの補償係数を使用してコードワードを調節することができる。第1補償係数(図2の“A”)に第1受信コードワードを掛けると第1補償コードワードになり、第2補償係数(図2の“C”)を第1補償コードワードに加えると第2補償コードワードになる。この二つの補償段階を使用して(i)駆動トランジスター110の移動度と名目的な(nominal)または理想的な(ideal)トランジスターの移動度との差、そして(ii)駆動トランジスター110のしきい電圧と名目的なまたは理想的なトランジスターのしきい電圧との差を概ね補償することができる。
【0033】
波形生成回路210は、第2補償コードワードから第3補償コードワード(図2の“α”)を使用して次の電圧を有する波形を生成することができる:V(n)+α(V(n)-V(n-1))p(t)。言い換えると、この波形は第1電圧で第1部分、第2電圧で第2部分を有する。この波形の一例が図3dの“チャンネルRC入力(Channel RC input)”曲線である。第2電圧は、第2補償コードワードに比例することができ、トランジスターに印加される電圧であってもよい。第1電圧はより大きく、プレエンファシス(pre-emphasis)を提供して表示装置105内の列導体の低域フィルタリング(low-pass filtering)効果に部分的に対応することができる。第3補償係数は、第2電圧に対する第1電圧の比であってもよい。この波形が第1デジタル-アナログ変換器215によりアナログ波形に変換され、(その時刻に表示装置の列導体と接続されている)駆動増幅器220により増幅され、表示装置の列導体に供給されると、第1部分[この間に駆動増幅器220の出力がα因子だけ大きくなる]は駆動感知導体135の電圧がより速く希望値に収束するようにできるが、希望値はこの波形の第2部分の間の駆動増幅器220の出力電圧である。
【0034】
入力202が列導体と接続され、(例えば発光ダイオード120が逆バイアスされて)発光ダイオード120に電流が駆動されない時、画素駆動および感知回路145は駆動トランジスター110が駆動する電流を感知することができる。電流感知モードで、発光ダイオード120は、前述したように逆バイアスされ、駆動トランジスター110に流れる電流(以下、“画素電流(pixel current)”という)が画素駆動および感知回路145の入力202に流れる。画素駆動および感知回路145では、画素電流で[第2デジタル-アナログ変換器225が制御する]基準電流を引く。その差を積分器227および比較器(または“スライサ(slicer)”)228が処理して画素電流と基準電流の差を示す信号[“画素電流誤差信号(pixel current error signal)”という]を生成する。
【0035】
画素電流誤差信号に基づいて補償係数を調整することによって、如何なるコードワードが与えられても駆動トランジスター110の特性(例:移動度およびしきい電圧)が理想的なトランジスターの特性であるように補償係数調整後の駆動電流が元来値とより同じになるようにできる。このような更新が複数の駆動および感知区間[または“時間区間(time interval)”]の間に繰り返され得るが、それぞれの駆動および感知区間は新しい(そして潜在的に異なる)コードワードを処理し、別個の画素電流、別個の基準電流および別個の画素電流誤差信号を有することができる。例えば、(第1受信コードワードを受信して処理する)第1時間区間が(第2受信コードワードを受信して処理する)第2時間区間より先んじると、(i)第2画素電流誤差信号[sign(e)]、(ii)第2受信コードワードと第1受信コードワードの差[sign(code-coden-1]、(iii)第1定数、この三つの掛けを第1補償係数に加えることによって第1補償係数を調整することができる。これを次の通り示すことができる。
【0036】
n+1=A+stepxsign(e)xsign(code-coden-1)・・・(式1)
【0037】
式1で、Aは調整前の第1補償係数、An+1は調整後の第1補償係数、第1係数“step”は調整速度定数(adjustment rate constant)として収束速度と安定性のバランスをとるために調整され得る(値が大きいほど収束速度を速め、安定性を低める)。
【0038】
これと類似して、(i)第2画素電流誤差信号[sign(e)]と(ii)第2定数の掛けを第2補償係数に加えることによって第2補償係数を調整することができる。これを次の通り示すことができる。
【0039】
n+1=C+stepxsign(e)・・・(式2)
【0040】
式2で、Cは調整前の第2補償係数、Cn+1は調整後の第2補償係数、第2係数“step”も調整速度定数として収束速度と安定性のバランスをとるために調整され得る。
【0041】
第1および第2補償係数を調整すると、駆動信号が画素に印加される時間区間の長さが通常の動作時より長くなり、そのために、第3補償係数(より詳細に後述する)の値が正確でなくても、駆動感知導体135の電圧が画素駆動および感知回路145の出力200電圧に到達できる時間を有することができる。このように長くなった時間区間を使用すると、第1および第2補償係数の評価値から第3補償係数の評価値を分離することができる。
【0042】
第3補償係数も類似する方式で調整することができる。第3補償係数を調整する時には、前述よりは短い時間区間を使用することができるが、正常動作時(映像またはビデオを表示する時)、表示装置を駆動するのに使用される時間区間と同一の長さの時間区間を使用することができる。例えば、(第3受信コードワードを受信して処理する)第3時間区間を使用することができ、第3時間区間は(第4受信コードワードを受信して処理する)第4時間区間に先んじる。
【0043】
(i)(第4時間区間の間に求めた)第4画素電流誤差信号[sign(e)]、(ii)第4受信コードワードと第3受信コードワードの差[sign(code-coden-1)]、(iii)第3定数、この3つを掛けた値を第3補償係数に加えることによって第3補償係数を調整することができる。これを次の通り示すことができる。
【0044】
αn+1=α+stepxsign(e)xsign(code-coden-1)・・・(式3)
【0045】
式3で、αは調整前の第3補償係数、αn+1は調整後の第3補償係数、第3係数“step”も調整速度定数として収束速度と安定性のバランスをとるために調整され得る。第1、第2および第3定数(step、step、and step)は全て同一の値を有することもでき、互いに異なる値を有することもでき、二つは同一の値を、残りの一つは異なる値を有することもできる。
【0046】
基準電流は、数値ドレイン-ソース電流モデル(numerical drain-source current model)230で生成することができるが、数値ドレイン-ソース電流モデル230は理想的なトランジスターが駆動する電流(Ids)の近似値を計算する回路として、電流(Ids)を次のような方式(式4)で計算する。
【0047】
ds=K(V-Vth・・・(式4)
【0048】
ここでKは移動度であり、Vは駆動電圧であり、Vthはしきい電圧である。図示したように、数値ドレイン-ソース電流モデル230の出力は、第2デジタル-アナログ変換器225に供給されて基準電流を生成する。基準電流の符号を画素電流と反対に作り、基準電流源と(今回は画素電流が流れる列導体と接続されている)画素駆動および感知回路145の入力を同一のノード、つまり、積分器227の入力に接続して、積分器227に流れて入る電流が(i)列導体からノードに流れて入る電流および(ii)ノードから基準電流源に流れて出る電流の差になるようにすることによって画素電流から基準電流を引いた値を求めることができる。本発明の一実施例によれば、制御器235は図2に示した回路の状態変化を制御する。つまり、毎時間区間が始まる時を決定し、画素駆動および感知回路145の入力202と出力200を選択的に列導体に接続するのに使用する(点線で示した)スイッチを制御し、上部パス-ゲートトランジスター125および下部パス-ゲートトランジスター130に制御信号を送る。
【0049】
本発明の一実施例によれば、常時第1デジタル-アナログ変換器215と第2デジタル-アナログ変換器225のうちの一つのみを動作する。[第1デジタル-アナログ変換器215は、画素駆動および感知回路145の出力200が列導体と接続され、画素が駆動される時に動作し、第2デジタル-アナログ変換器225は、画素駆動および感知回路145の入力202が列導体と接続され、画素電流が感知される時に動作する。]このような実施例で、二つのデジタル-アナログ変換器を使用する必要はない。その代わりに、図2で第1デジタル-アナログ変換器215および第2デジタル-アナログ変換器225がそれぞれ駆動する二つのノードにそれぞれのスイッチ(例:トランジスタースイッチ)により接続された一つのデジタル-アナログ変換器を使用して二つの機能を遂行することができる。本発明の一実施例によると、基準電流源はキャパシタを電圧ランプ(voltage ramp)で駆動する一つのデジタル-アナログ変換器を使用して実現され得るが、これは生成される電流量が小さい時、非常に正確な結果をもたらす。
【0050】
図3aおよび図3bは、本発明の実施例により駆動トランジスター110が駆動する電流を示すシミュレーショングラフであって、図3aおよび図3bは、それぞれここで説明したように、第1および第2補償係数を適正に補償する前と後のグラフである。Irefの上昇時間(rise time)が有限であることは、デジタル-アナログ変換器の上昇時間が有限であるためである。図3cおよび図3dは、画素駆動および感知回路145の出力200電圧(“Channel RC input”)、駆動感知導体135の電圧(“Channel RC output”、曲線310)および駆動トランジスター110のゲート-ソース電圧(“VGS”、曲線315)を示すシミュレーショングラフであって、図3cは第3補償係数が0である場合であり、図3dは第3補償係数が調整されて駆動感知導体135電圧の安定化時間(settling time)を減らす場合である。(例えば、図3cも示したように)駆動感知導体135の電圧が継続して変化しても、1マイクロ秒後にVGSが一定になるため、列導体も1マイクロ秒後に駆動トランジスター110と分離される。プレエンファシス(pre-emphasis)を使用しなければ、安定化時間が約1.5マイクロ秒であり、適切に調整された第3補償係数と共にプレエンファシスを使用すれば、安定化時間が0.6マイクロ秒未満であることをみることができる。
【0051】
本発明の一実施例によれば、期待電流(desired current)と感知電流の差が十分に小さくなれば補償係数の調整を終わらせることができる。例えば、時間区間のうちの一つにおいて、画素電流を対応する基準電流と比較して電流差信号を求めることができ、電流差信号は画素電流とこれに対応する基準電流との差である。そうすると、(i)電流差信号の絶対値がしきい値を越えれば、例えば前述したように一つ以上の補償係数を更新することができ、(ii)電流差信号の絶対値がしきい値を越えなければ、一つ以上の補償係数を変えずにそのまま置くことができる。
【0052】
本発明の一実施例によれば、補償係数の修正は、画素電流値の知られた部分集合で行われ得るが、これは画素が感知過程の始まりで(所定値の知られた集合から選択した)電圧でプログラムされ得ることを意味する。これとは異なり、補償係数の修正が画素にプログラムされる実際映像データで行われることもできる。感知過程は、表示装置105が映像を表示する間に行われることもでき、休止期間(blanking period)の間に行われることもできる。補償係数の初期修正は工場で行われることもでき、当該値を非揮発性メモリに保存することもできる。表示装置105を一部として含む装置(例:フォン)がオンされる時毎に、保存された補償係数値[例:保存された工場値(factory values)または装置を最後にオフする前に保存された値]を初期値として使用して修正を行うことができる。駆動IC(図1の“DIC”)は、表示装置の一対の列(column)毎に図2に示す回路の複製本を一つずつ含むことができ、列の画素毎に三つの補償係数がある表を含むことができる。本発明の一実施例によると、補償係数の一部は共有され得る。つまり、駆動ICが表示装置の一列全体に対して一つのα値のみを維持することができる。
【0053】
ここで、第1成分が第2成分に“選択的に接続(selectively connected)”されることは、第1成分がスイッチ(例:トランジスタースイッチ)を通じて接続されて、スイッチの状態により第1成分が第2成分と接続または分離され得ることを意味する。
【0054】
本発明の一実施例によれば、数値またはデータ処理動作[例えば、図2で第1デジタル-アナログ変換器215および第2デジタル-アナログ変換器225の左側に対する動作]は、一つ以上の処理回路により行われることができ、この処理回路は制御器235を含むことができる。“処理回路”はハードウェア、ファームウエア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを使用して実現することができる。処理回路は例えば、応用注文型集積回路(ASIC)、汎用または専用中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理機(DSP)、グラフィック処理装置(GPU)、FPGAなどのプログラム可能な論理装置を含むことができる。処理回路でそれぞれの関数はその機能を遂行する有線ハードウェアまたは非一時的な(non-transitory)記憶媒体に記憶された命令を遂行するCPUなどの汎用ハードウェアで行われ得る。処理回路は、一つの印刷回路基板(PCB)に作製されてよく、互いに接続されたPCBに分散配置され得る。処理回路は、他の処理回路を含んでもよく、例えばPCB上で互いに接続されたFPGAとCPUを含むことができる。
【0055】
“第1”、“第2”、“第3”などの用語を、元素、成分、領域、層、部分などに使用するが、“第1”、“第2”、“第3”などの用語は元素、成分、領域、層、部分などを限定するものではない。元素、成分、領域、層、部分などはある元素、成分、領域、層、部分を他の元素、成分、領域、層、部分と区別するために使用するものであり、本発明の趣旨と範囲を外れない。
【0056】
説明の便宜のために、図面に示したある部分または特性に対する他の部分または特性の関係を示すために“下”、“下側”、“上”など空間関係の用語を使用することができる。このような空間関係用語は、図面に示した使用または動作する装置の互いに異なる位置および/または方向を示すためのものである。例えば、図面において、装置の“下”または“下側”にあると示した部分は、装置が上下反転すると、“上”にあるものになる。したがって、例えば“下”および“下側”は、上と下を全て示すことができる。装置は、例えば、90度回転してもよく、他の方向に向いてもよく、この場合、空間関係用語はこれに合うように解釈されなければならない。また、ある層が他の二層の“間”にあると表現した時、二層の間に当該層のみがあることもできるが、一つ以上の他の層がさらにあることもできる。
【0057】
ここで使用された用語は、特定の実施例を説明する目的で使用するに過ぎず、本発明を制限しようとするものではない。ここで“実質的に”、“約”、“概して”およびこれと類似する表現は、近似を示す表現に過ぎず、“程度”を示すものではなく、当業者が知ることができる測定値または計算値の固有誤差を示すのに使用する。ここで複数の品目に対して使用する“主部分(major portion)”という用語は、品目の半分以上を意味する。
【0058】
ここで数を特に言及しなければ単数または複数の場合を全て含む。ある特徴、段階、動作、部分、成分などを“含む”という表現は、当該部分以外に他の特徴、段階、動作、部分、成分なども含むことができることを意味する。“および/または”という表現は、羅列されたもののうちの一つまたは二つ以上の全ての組み合わせを含む。羅列目録の前に記載した“少なくとも一つ”などの表現は、目録全体を修飾するものであり、目録内のそれぞれのものを修飾するものではない。また、本発明の実施例を説明する時に使用する“することができる”という表現は、“本発明の一つ以上の実施例”に適用可能であることを意味する。“例示的な”という用語は、例または図面を示す。“使用”、 “利用”などはこれと類似する他の表現と共に類似する意味で使用され得る。
【0059】
部分、層、領域、成分などが他の部分、層、領域、成分の“上に”あるか、“接続されて”いると記載する場合、“直”上にあるか、または“直接”接続されている場合だけでなく、中間に他の部分、層、領域、成分などがさらに挟んでいる場合も含む。しかし“直上に”あるか、“直接接続”されていると記載すれば中間に他の部分がないことを意味する。
【0060】
ここに記載した数値範囲は、当該範囲内に含まれる同一の正確度の全ての部分範囲(sub-range)を含む。例えば、“1.0ないし10.0”の範囲は最小値1.0と最大値10.0およびその間にある全ての部分範囲、つまり、1.0以上の最小値と10.0以下の最大値を有する部分範囲、例えば2.4ないし7.6を含む。ここで言及した最大値はその中に含まれ、それより小さい全ての数値限界を含み、本明細書に記載した最小値はその中に含まれ、それより大きい全ての数値限界を含む。
【0061】
以上、画素補償係数を評価および使用するシステムおよび方法の実施例について説明および図示したが、当業者であればこのような実施例を変更および修正することもできる。したがって、ここで提示した原理により構成された他の画素補償係数を評価および使用するシステムおよび方法も本発明に含まれる。本発明は以下の特許請求の範囲およびその等価物により定義される。
【符号の説明】
【0062】
105:表示装置
110:駆動トランジスター
115:キャパシタ
120:発光ダイオード
125:上部パス-ゲートトランジスター
130:下部パス-ゲートトランジスター
135:駆動感知導体
140:ソースノード
145:画素駆動および感知回路
200:画素駆動および感知回路の出力
202:画素駆動および感知回路の入力
210:波形生成回路
215、225:デジタル-アナログ変換器
220:駆動増幅器
227:積分器
228:比較器
230:数値ドレイン-ソース電流モデル
235:制御器
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d