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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】足場装置及び足場装置の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/00 20060101AFI20240722BHJP
   E04G 5/04 20060101ALI20240722BHJP
   E04G 5/06 20060101ALI20240722BHJP
   E04G 5/14 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
E04G3/00 K
E04G5/04 F
E04G5/06 B
E04G5/14 301C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020152298
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046320
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】横井 勝己
(72)【発明者】
【氏名】羽根田 健
(72)【発明者】
【氏名】市川 達也
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-014326(JP,U)
【文献】特開平03-197734(JP,A)
【文献】特開平11-229615(JP,A)
【文献】実開平07-040896(JP,U)
【文献】実開昭58-138764(JP,U)
【文献】特開2006-342556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0118361(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/00
E04G 3/20
E04G 5/04
E04G 5/06
E04G 5/14
E04G 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体を構成する横架材に前記横架材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具と、
前記取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材と、
各前記支持部材を前記横架材に対して垂直に振り出した状態で各前記支持部材間に架け渡される足場板とを備え
前記横架材は、上下のフランジと、上側の前記フランジと下側の前記フランジとを連結するウェブと、上下の前記フランジ間と前記ウェブとに架け渡されるとともに上下に配置された複数の孔を含む複数のリブプレートとを有し、
前記取付金具は、前記支持部材が回転自在に連結される金具本体と、前記金具本体に取り付けられて前記リブプレートに平行するとともに前記リブプレートの孔に対向する位置に設けられた孔を含む取付片とを有し、
前記金具本体は、前記取付片の上方の孔と前記リブプレートの上方の孔とにボルトを挿通した状態で下側の前記フランジに当接する
ことを特徴とする足場装置。
【請求項2】
躯体を構成する横架材に前記横架材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具と、
前記取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材と、
各前記支持部材を前記横架材に対して垂直に振り出した状態で各前記支持部材間に架け渡される足場板とを備え、
前記横架材は、上下のフランジと、上側の前記フランジと下側の前記フランジとを連結するウェブとを有し、
前記取付金具は、前記支持部材が回転自在に連結される金具本体と、前記金具本体に取り付けられて下側の前記フランジの下方に取付けられる孔を含む取付片とを有する
ことを特徴とする足場装置。
【請求項3】
躯体を構成する横架材に前記横架材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具と、
前記取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材と、
各前記支持部材を前記横架材に対して垂直に振り出した状態で各前記支持部材間に架け渡される足場板とを備え、
前記支持部材は、それぞれ、隣り合う前記支持部材同士に架け渡される連結棒の水平方向へ回転を許容しつつ連結を可能とする連結金具を有する
ことを特徴とする足場装置。
【請求項4】
躯体を構成する横架材に前記横架材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具と、
前記取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材と、
各前記支持部材を前記横架材に対して垂直に振り出した状態で各前記支持部材間に架け渡される足場板とを備え、
前記支持部材は、先端に手摺支柱を着脱可能に保持する保持金具を有し、
前記保持金具は、円筒状の外パイプと、前記外パイプ内に挿入されるとともに上端が前記外パイプの上端から上方へ突出するとともに突出する上端部分にL字状の第1切欠を有する内パイプと、前記内パイプ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに前記第1切欠の先端に符合する位置に第2切欠を有するロックパイプと、前記ロックパイプを上方側へ付勢するコイルばねとを有する
ことを特徴とする足場装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記取付金具を介して建方前の前記横架材に取付けられる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の足場装置。
【請求項6】
前記支持部材が前記横架材に対して垂直に配置された状態で前記取付金具と前記支持部材との回転を阻止するストッパを備えた
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の足場装置。
【請求項7】
前記支持部材は、先端に手摺支柱を着脱可能に保持する保持金具を有する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項又は請求項1から3のいずれか一項に従属する請求項5又は6に記載の足場装置。
【請求項8】
請求項1から7に記載の足場装置の設置方法であって、
建方前の躯体を構成する前記横架材に前記横架材の長手方向に間隔を開けて複数の前記取付金具を取り付ける工程と、
前記取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に複数のアーム状の前記支持部材を連結して建方前の前記横架材に前記支持部材を取り付ける工程と、
前記取付金具と前記支持部材とが取り付けられた前記横架材を躯体に設置する工程と、
前記横架材の建方後に前記支持部材を前記横架材に対して垂直に振り出す工程と、
前記支持部材間に前記足場板を設置する工程とを備えた
ことを特徴とする足場装置の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、躯体に直接設置される足場装置及び足場装置の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物を建設する際に、建築物の外壁工事や屋根工事といった高所での作業員の作業を可能とするため建築物の外側を取り囲む外部足場が設置されるが、躯体工事の進捗により、降雨対策の為に屋根工事やパラペット(胸壁)等の工事を外部足場の設置に先行して行いたい場合がある。
【0003】
一般的な外部足場は、多層の足場を備えた構造を採用しており、設置が完了した下層の足場上の作業員が上層の足場を組むという工程を繰り返すことで、順次上方へ足場の層を積み上げて設置される。よって、このような外部足場では、工事を行いたい位置まで足場が組み上げられるまで、要望される工事を行うことはできない。
【0004】
よって、外部足場の完成を待たずに屋根工事等を先行して行いたい場合、躯体の横架材にクランプなどの仮設材を利用して足場を設けて対応することになる。高所でのこのような足場の組立作業は危険な作業となるとともに、仮設材が邪魔となって梁下の耐火被覆や鉄骨間仕切り下地の施工ができないため足場の撤去部分の仕上げ作業が多くなってしまう。
【0005】
このような作業者の負担を軽減するため、建築物の桁を構成するH形鋼のウェブに長手方向に間隔を開けて鉛直方向へ揺動可能に設置される複数の支持アームと、支持アーム間に架け渡された足場板とで構成された桁用足場装置の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-48506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記提案の桁用足場装置では、足場板が桁に鉛直方向へ揺動可能に取り付けられているため、足場板の設置と収納とを簡単に行えるのであるが、足場板を跳ね上げた際に桁の上下のフランジ間に収容するため、足場板の幅をウェブの丈よりも短くしなければならず、作業員が工事を行うための作業スペースを十分に確保できない。
【0008】
このように、従来の桁用足場装置では、外部足場の完成を待たず、比較的安全に足場板を設置できるが、作業員の作業スペースを十分に確保できず、作業性に難がある。そうかと言って、横架材を把持するクランプなどの仮設材を利用して足場を設ける場合、足場の設置と撤収に作業員は危険な作業を強いられるとともに、足場を撤去した後に仕上げ作業が多くなるという問題が解決されない。
【0009】
よって、本発明は、このような問題を解決するために創案されたものであって、外部足場の完了を待たずに躯体の高所に設置可能であって、作業員が安全に設置及び撤去作業を行えるとともに仕上げ作業を軽減可能な足場装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の足場装置は、躯体を構成する横架材に横架材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具と、取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材と、各支持部材を横架材に対して垂直に振り出した状態で各支持部材間に架け渡される足場板とを備えたことを特徴とする。このように構成された足場装置によれば、支持部材が横架材に対して水平方向に回転可能であるので、支持部材の長さが横架材の構造による制限を受けづらく支持部材の長さを長くでき、足場板の設置幅を広くして作業員が工事を行うための作業スペースを十分に確保できる。また、このように構成された足場装置によれば、取付金具と取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数の支持部材とを建方前の横架材に予め取付けておくことで、外部足場の完成を待たずに足場板を設置できる。さらに、このように構成された足場装置によれば、作業員が足場装置を安全に撤去することができる。また、このように構成された足場装置によれば、足場装置の横架材からの撤去後の作業員による仕上げ作業の負担を軽減できる。
【0011】
また、足場装置における支持部材は、取付金具を介して建方前の横架材に取付けられるようにすれば、横架材とともに取付金具と支持部材を躯体に取り付けることができ、高所での足場装置の設置作業がより一層安全かつ容易となる。
【0012】
さらに、足場装置において、横架材が、上下のフランジと、上側のフランジと下側のフランジとを連結するウェブと、上下のフランジ間とウェブと架け渡されるとともに上下に配置された複数の孔を含む複数のリブプレートとを有し、取付金具が、支持部材が回転自在に連結される金具本体と、金具本体に取り付けられてリブプレートに平行するとともにリブプレートの孔に対向する位置に設けられた孔を含む取付片とを有し、金具本体が取付片の上方の孔とリブプレートの上方の孔とにボルトを挿通した状態で下側のフランジに当接するように構成されてもよい。このように構成された足場装置によれば、作業員の取付金具を横架材への取り付け作業の負担が軽減される。
【0013】
また、足場装置において、横架材が、上下のフランジと、上側のフランジと下側のフランジとを連結するウェブとを有し、取付金具が、支持部材が回転自在に連結される金具本体と、金具本体に取り付けられて下側のフランジの下方に取付けられる孔を含む取付片とを有してもよい。このように構成された足場装置によれば、取付金具の横架材からの取り外し作業を躯体から外側へ乗り出さずに躯体内で行えるようになるので、足場装置の撤去作業において作業員はより安全に足場装置を撤去できる。
【0014】
さらに、足場装置において、支持部材がそれぞれ隣り合う支持部材同士に架け渡される連結棒の水平方向へ回転を許容しつつ連結を可能とする連結金具を有してもよい。このように構成された足場装置によれば、隣り合う支持部材同士を連結棒で連結して、横架材に取り付けられている複数の支持部材のうち任意の1つを横架材に対して水平方向へ回転させることで全部の支持部材を横架材に対して垂直に展開させることができるので、作業員の支持部材の展開作業の作業負担をより一層軽減できる。
【0015】
そして、支持部材が横架材に対して垂直に配置された状態で取付金具と支持部材との回転を阻止するストッパを足場装置が備えていてもよい。このように構成された足場装置によれば、作業員が足場装置の組立作業をより一層安全に行うことができるとともに作業員の組立作業の負担をより一層軽減できる。
【0016】
また、足場装置において、支持部材が先端に手摺支柱を着脱可能に保持する保持金具を有してもよい。このように構成された足場装置によれば、手摺枠や上部手摺といった手摺の設置が容易となる。また、保持金具は、円筒状の外パイプと、外パイプ内に挿入されるとともに上端が外パイプの上端から上方へ突出するとともに突出する上端部分にL字状の第1切欠を有する内パイプと、内パイプ内に軸方向へ移動可能に挿入されるとともに第1切欠の先端に符合する位置に第2切欠を有するロックパイプと、ロックパイプを上方側へ付勢するコイルばねとを有してもよい。このように保持金具が構成されると、下端部を貫通するボルトを有する手摺支柱内に内パイプを差し込んだのちに水平方向へ回転させるだけで手摺支柱をロックして連結できる。よって、作業員の手摺支柱の足場装置への設置作業が容易となるので、作業員は、安全かつ簡単に手摺支柱の設置を行える。
【0017】
さらに、本発明の足場装置の設置方法は、建方前の躯体を構成する横架材に横架材の長手方向に間隔を開けて複数の取付金具を取り付ける工程と、取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に複数のアーム状の支持部材を連結して建方前の横架材に支持部材を取り付ける工程と、取付金具と支持部材とが取り付けられた横架材を躯体に設置する工程と、横架材の建方後に支持部材を横架材に対して垂直に振り出す工程と、各支持部材間に足場板を設置する工程とを備えている。このように構成された足場装置の設置方法によれば、取付金具と取付金具のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数の支持部材とを建方前の横架材に予め取付けておくことで、外部足場の完成を待たずに横架材を利用して躯体の高所に足場板を安全に設置できる。また、足場装置の設置方法によれば、支持部材が横架材に対して水平方向に回転可能となっており、支持部材を横架材に平行な状態にできるので、横架材を躯体の最上方への搬送と、柱材間に架け渡す作業の際に支持部材が邪魔になることもなく、横架材の設置作業性も阻害しない。さらに、足場装置の設置方法によれば、支持部材が横架材に対して水平方向に回転可能となっているので、支持部材の長さが横架材の構造による制限を受けづらく支持部材の長さを長くすることできるため、足場板の設置幅を従来の足場装置に比較して広くして作業員の作業スペースを十分に確保できる。よって、足場装置の設置方法によれば、外部足場の完了を待たずに躯体の高所に設置可能であって、作業員が安全に設置を行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の足場装置及び足場装置の設置方法によれば、外部足場の完了を待たずに躯体の高所に設置可能であって、作業員が安全に設置及び撤去作業を行えるとともに仕上げ作業を軽減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る足場装置の斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る足場装置における取付金具と支持部材とを桁材に取り付けた状態における側面図である。
図3】(a)取付金具の正面図である。(b)取付金具の側面図である。
図4】桁材に仮固定した状態の取付金具の斜視図である。
図5】(a)支持部材の平面図である。(b)支持部材の側面図である。
図6】(a)保持金具における内パイプの側面図である。(b)保持金具におけるロックパイプの側面図である。
図7】(a)ストッパの正面図である。(b)ストッパの側面図である。
図8】桁材に取付金具を介して取り付けられた支持部材を桁材に対して平行に配置した状態を示す図である。
図9】桁材に取付金具を介して取り付けられた支持部材を桁材に対して垂直に展開した状態を示す図である。
図10】桁材に対して展開された支持部材に足場板を設置する手順を示した図である。
図11】桁材に対して展開された支持部材に手摺支柱を設置する手順を示した図である。
図12】(a)本発明の一実施の形態の第1変形例に係る足場装置の取付金具と支持部材を桁材に取り付けた状態を示した図である。(b)本発明の一実施の形態の第2変形例に係る足場装置の取付金具と支持部材を桁材に取り付けた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の足場装置1を図に基づいて説明する。本書では、図1に示すように、足場装置1を建築物の躯体Sの最上方の横架材としての桁材2および図外の梁材に取付けれて作業員が建築物の屋根工事やパラペットの工事を行う際の足場として利用されるものとして説明しているが、足場装置1は、建築物における躯体Sの最上方の桁材および梁材を横架材として取り付けられているが、最上方以外の桁材或いは梁材を横架材として取り付けられてもよい。また、足場装置1は、たとえば、建築物に凹凸があって外部足場の設置に不向きな箇所の横架材に取り付けられてもよい。
【0021】
建築物における躯体Sは、図1に示すように、図外の地盤対して鉛直方向に立設される複数の柱材3と、柱材3,3間に架け渡される桁材2とを備えている。なお、説明の都合上、図1では、躯体Sの一部のみを示しており、躯体Sは、実際には、間口方向と奥行き方向とにそれぞれ行列を作って配置される多数の柱材3と、間口方向或いは奥行方向のうち一方の柱材3,3間に架け渡される多数の桁材2と、間口方向或いは奥行方向のうち他方の柱材3,3間に架け渡される多数の梁材とを備えて、ラーメン構造を構成している。足場装置1は、図1に示したところでは、躯体Sの最上方の桁材2に取付けられているが、躯体Sの最外周に配置される桁材2および梁材にそれぞれ設置される。
【0022】
横架材として桁材2は、図1および図2に示すように、H形鋼とされており、上下のフランジ2a,2bと、上側のフランジ2aと下側のフランジ2bとを連結するウェブ2cと、フランジ2a,2b間およびウェブ2cに架け渡されてこれらに直交する複数のリブプレート2dとを備え、左右の柱材3,3に連結されて架け渡されている。なお、足場装置1が取り付けられる梁材も桁材と同様の構成を備えているので、梁材については詳細な説明を省略する。また、桁材2のリブプレート2dは、図2に示すように、桁材2に長手方向に所定の間隔を開けて設けられており、それぞれ、下方側に鉛直方向となる上下に沿って並べて形成される二つの孔2e,2fを備えている。また、桁材2を軸方向から見てリブプレート2dが上下のフランジ2a,2bの側面から外側へ張り出さないように、リブプレート2dの幅は、ウェブ2cからフランジ2a,2bの側面までの幅よりも短く設定されている。
【0023】
そして、本実施の形態の足場装置1において、足場装置1を構成する取付金具4は、リブプレート2dに取付けられることで横架材である桁材2或いは梁材に取付けられる。なお、リブプレート2dは、桁材2或いは梁材の座屈を防止するスチフナーであってもよい。よって、スチフナーに前記取付金具4を取り付けてもよい。なお、取付金具4は、リブプレート2dに取付けられる以外にも、直接、フランジ2a,2b或いはウェブ2cに取り付けられてもよい。また、横架材は、H形鋼以外の鋼材で構成されてもよい。なお、取付金具4が取り付けられるリブプレート2dは、図2中では桁材2の長手方向に等間隔に設けられているが後述する足場板6の長さに応じて不等間隔に設置されてもよい。
【0024】
つづいて、足場装置1は、躯体Sを構成する横架材としての桁材2或いは梁材の各リブプレート2dに取付けられることで桁材2或いは梁材の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具4と、取付金具4のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材5と、各支持部材5を桁材2或いは梁材に対して垂直に振り出した状態で各支持部材5,5間に架け渡される足場板6と、支持部材5に装着される手摺装置7とを備えて構成されている。
【0025】
支持部材5は、前述したように桁材2の各リブプレート2dに取付けられる取付金具4にそれぞれ1つずつ連結されている。支持部材5を取付金具4に対して水平方向へ回転させて桁材2のウェブ2cに平行にすると、支持部材5を上下のフランジ2a,2b間に収容できる。そして、本実施の形態の足場装置1では、支持部材5を取付金具4に対して水平方向へ回転させて桁材2に対して垂直となる姿勢に展開し、隣り合う支持部材5,5間に足場板6を架け渡すことで、桁材2の側方に足場を設置することができる。また、支持部材5の先端に手摺装置7を取り付けることで足場の外周を手摺で取り囲むことができ、作業員は、手摺で囲われた足場で安全に工事作業を行える。
【0026】
取付金具4は、支持部材5が回転自在に連結される金具本体41と、金具本体41に取り付けられてリブプレート2dに金具本体41を連結する取付片42とを備えている。金具本体41は、図3に示すように、縦板43と、縦板43の上端に取付けられた上側支持片44と、縦板43の正面側に取付けられて上側支持片44の下方に配置されて上側支持片44に対向する下側支持片45と、接続ピン46とを備えている。
【0027】
縦板43は、板材を母材として図3中で背面側へL字状に折り曲げ成型された正面側を向く一辺で形成されている。また、前記板材における折り曲げられて桁材2のリブプレート2dに平行な他片で取付片42が形成されている。つまり、本実施の形態の足場装置1では、金具本体41の縦板43と取付片42とは一枚の折り曲げ成型された板材によって形成されている。なお、取付片42と縦板43の上端は面一となっているが、取付片42の鉛直方向の長さは、縦板43の鉛直方向長さよりも下方側が短くなっていて、取付片42より下方に縦板43が突出している。
【0028】
取付片42は、上下に沿って並べて形成される二つの孔42a,42bを備えている。そして、取付片42をリブプレート2dに沿って当接させると、孔42aと孔2eとが、孔42bと孔2fとがそれぞれ正対するようになっている。
【0029】
なお、縦板43と取付片42とは、一つの板材を母材として折り曲げ成型されることで、強度の向上とコスト低減が図られているが、縦板43と取付片42とを別の板材として両者を溶接等によって接続するようにしてもよい。
【0030】
上側支持片44は、図3に示すように、一つの角部を切り落とした切欠44aを有する矩形のプレート状の板材で形成されており、縦板43と取付片42のL字状の上端面に溶接されて縦板43および取付片42に固定されている。上側支持片44は、切欠44a側を縦板43の背面側にして縦板43と取付片42のL字状の上端面に溶接されるとともに、縦板43の正面側へ向けて突出する部分を備えている。そして、上側支持片44の縦板43の正面側へ突出する部分には、接続ピン46が鉛直方向に沿って挿通される孔44bを備えている。
【0031】
下側支持片45は、図3に示すように、矩形であって縦板43の正面の下方側に取り付けられて上側支持片44の縦板43の正面側へ突出する部分の下方に配置されるプレート45aと、縦板43の正面のプレート45aよりも下方に取り付けられてプレート45aを下支えする一対の支持プレート45b,45bとを備えている。下側支持片45のプレート45aは、上側支持片44の孔44bに対して下方の正対する位置に孔45cを備えている。
【0032】
接続ピン46は、上側支持片44の孔44bおよび下側支持片45の孔45cに挿入可能な軸部46aと、軸部46aの上端に連結された円環状の持手46bとを備えている。よって、足場装置1の作業者は、持手46bを持って接続ピン46の軸部46aを上側支持片44の上方から孔44b,45cに抜き差しできる。持手46bは、孔44b,45cを通過できないため、上側支持片44の上方から軸部46aを孔44b,45cに挿通すると、接続ピン46は持手46bが上側支持片44に支持された状態で金具本体41に組み付けられる。
【0033】
このように構成された取付金具4を横架材としての桁材2に取付けるには以下のようにする。まず、桁材2の上側のフランジ2aを上にするとともに下側のフランジ2bを下にして、図示しない複数の鋼材等を枕にして、桁材2を当該鋼材上に地面から浮かせた状態で載置する。そして、取付片42を桁材2のリブプレート2dに平行に突き合わせて当接させつつ、取付片42上方の孔42aとリブプレート2dの上方の孔2eとを正対させる。そして、図4に示すように、取付片42の孔42aとリブプレート2dの孔2eとにボルトBを挿通すると、重力によってボルトBを支点として金具本体41の下方側が桁材2に接近する方向に回転する力を受けて、縦板43の背面が桁材2の下側のフランジ2bの側面に押し付けられる。取付片42の孔42a,42bの中心を通る仮想線から縦板43の背面までの距離と、リブプレート2dの孔2e,2fの中心を通る仮想線から下側のフランジ2bの側面までの距離とを略一致させてあり、また、縦板43の下端から取付片42の下側の孔42aまでの鉛直方向距離は、下側のフランジ2bの下端からリブプレート2dの下側の孔2fまでの鉛直方向距離よりも長くなっている。
【0034】
よって、前述したように、ボルトBを孔42aと孔2eとに挿通すると、作業者が取付金具4を保持しなくとも、ボルトBによる取付金具4の支持と、金具本体41における縦板43のフランジ2bへの当接とによって、取付金具4が取付片42の下方の孔42bとリブプレート2dの下側の孔2fとを正対させた姿勢で仮止めされる。
【0035】
その後、ボルトBに図外のナットを螺着して取付片42とリブプレート2dとをボルトBとナットとで締め付けて、両者を固定するとともに、取付片42の下側の孔42bとリブプレート2dの下側の孔2fにも図外のボルトを挿通してナットとボルトで取付片42とリブプレート2dとを挟みつけて固定する。すると、金具本体41が取付片42を介してリブプレート2dに固定され、取付金具4を桁材2に取付けることができる。
【0036】
つづいて、支持部材5は、図5に示すように、取付金具4における金具本体41に対して桁材2の水平方向へ回転可能に連結される接続金具51と、手摺装置7を保持する保持金具52と、接続金具51と保持金具52との間に水平に配置されて両者を連結する支持梁53と、ストッパ63とを備えている。
【0037】
接続金具51は、図5に示すように、角パイプ51aと、角パイプ51aの上下の開口端をそれぞれ閉塞するプレート51b,51cとを備えて構成されている。上方のプレート51bは、L字状であって、角パイプ51aの上端と上部側面に溶接されて固定されており、角パイプ51a内に通じるとともに接続ピン46の軸部46aの挿入を許容する孔51dを備えている。下方のプレート51cは、平面視で矩形であって角パイプ51aの下端に溶接されて固定されており、角パイプ51a内に通じるとともに上方のプレート51bの孔51dに対向して接続ピン46の軸部46aの挿入を許容する孔51eを備えている。
【0038】
保持金具52は、図5および図6に示すように、円筒状の外パイプ52aと、外パイプ52a内に挿入されるとともに上端が外パイプ52aの上端から上方へ突出する内パイプ52bと、内パイプ52b内に軸方向となる上下方向へ移動可能に挿入されるロックパイプ52cとを備えている。
【0039】
外パイプ52aは、円筒状であって、上方側の側部に周方向で180度位相差を以って互いに対向する図外の一対の固定用孔と、一方の固定用孔の下方に上下方向に沿って設けられる長孔で形成されるのぞき孔52a1とを備えており、上下端とも閉塞されず開放されている。
【0040】
内パイプ52bは、有底筒状であって、上端から開口するL字状の一対の第1切欠52b1と、下方側の側部に周方向で180度位相差を以って互いに対向する一対の固定用孔52b2と、一方の固定用孔52b2の下方に上下方向に沿って設けられる長孔で形成されるのぞき孔52b3とを備えており、下端が孔52b5を有する底部52b4によって閉塞されている。各第1切欠52b1は、同一形状の切欠であって、互いが内パイプ52bに対して内パイプ52bの軸線を中心にして点対称となるように設けられている。また、内パイプ52bは、のぞき孔52b3を外パイプ52aののぞき孔52a1に正対させるとともに、固定用孔52b2を外パイプ52aの図示しない固定用孔に正対させた状態で外パイプ52a内に挿入されるとともに、固定用孔52b2と外パイプ52aの固定用孔とに挿通されるボルト52dとボルト52dの先端に螺着されるナット52eによって外パイプ52aに固定されている。このように、外パイプ52aに内パイプ52bを取り付けると、内パイプ52bは、第1切欠52b1が設けられた上部を外パイプ52aの上端から上方へ突出させた状態で外パイプ52aに固定される。なお、外パイプの固定用孔は、外パイプ52aの横断面にて、ボルト52dが支持梁53の延長方向に対して斜めに交差して配置されるように設けられており、外パイプ52aを支持梁53の延長方向から見てボルト52dとナット52eが外パイプ52aの幅に収まるようになっている。よって、角パイプ51a、支持梁53および外パイプ52aの側面を地面に平行にして支持部材5を寝かせる姿勢で積み重ねる際に、ボルト52dおよびナット52eが隣の支持部材5と干渉しない。よって、支持部材5の運搬や保管の際に、ボルト52dおよびナット52eを保護できる。
【0041】
ロックパイプ52cは、有底筒状であって内パイプ52b内に軸方向となる上下方向へ移動可能に挿入されている。ロックパイプ52cは、上端に内パイプ52bの第1切欠52b1の周方向に向けて延長される先端に対向する位置にそれぞれ設けられた一対の円弧状の第2切欠52c1と、下方側の側部に周方向で180度位相差を以って互いに対向するとともに上下方向に沿って設けられる長孔で形成されるガイド孔52c2と、一方のガイド孔52c2の下方に設けられた差込孔52c3とを備えている。
【0042】
また、ロックパイプ52cは、底部52c4に取り付けられて下方へ向けて延びるロッド52c5を備えている。ロッド52c5の下端には、環状の持手52c6が取り付けられている。そして、このように構成されたロックパイプ52cは、図2に示すように、内パイプ52bの内周側に上方からコイルばね52fとともに挿入される。
【0043】
ロックパイプ52cに装着されたロッド52c5は、内パイプ52bの底部52b4の孔52b5を通して内パイプ52bの下方へ突出される。なお、持手52c6は、ロックパイプ52cを内パイプ52b内に挿入した後にロッド52c5の下端に取付ければよい。また、コイルばね52fは、ロックパイプ52cを内パイプ52b内に挿入する際に、予めロッド52c5の外周に組み付けてあり、ロックパイプ52cが内パイプ52b内に挿入されると、ロックパイプ52cの底部52c4と内パイプ52bの底部52b4との間に配置される。
【0044】
そして、ロックパイプ52cのガイド孔52c2内には、内パイプ52bを外パイプ52aに固定するボルト52dが挿通されており、ロックパイプ52cは、ガイド孔52c2内でボルト52dが移動できる距離分だけ、内パイプ52bに対して上下動できる。また、ガイド孔52c2内にボルト52dが挿通されることでロックパイプ52cは、内パイプ52bに対して上下方向へは移動できるものの周方向への移動については規制される。そして、ロックパイプ52cがボルト52dのガイド孔52c2内への挿通によって、ロックパイプ52cは、外パイプ52aおよび内パイプ52bに対して、軸方向へ移動可能ではあるが必ず差込孔52c3がのぞき孔52a1,52b3に対向する位置に位置決められている。
【0045】
このようにロックパイプ52cが外パイプ52aおよび内パイプ52bに装着されると、コイルばね52fは、ロックパイプ52cの底部52c4と内パイプ52bの底部52b4との間で圧縮状態で挟持されてロックパイプ52cを内パイプ52bに対して上方へ押し上げる方向へ付勢する。よって、ロックパイプ52cは、コイルばね52fによってボルト52dをガイド孔52c2の下端に配置する状態に維持されており、上方側からコイルばね52fを押し縮める力を受けると下方へ移動して内パイプ52b内へ後退するようになっている。
【0046】
また、前述したように、ロックパイプ52cを外パイプ52aおよび内パイプ52bに装着すると、コイルばね52fでロックパイプ52cが最大限に内パイプ52bに対して押し上げられた状態において、ロックパイプ52cの各第2切欠52c1は、内パイプ52bの各第1切欠52b1の先端部分に対向する。
【0047】
支持梁53は、接続金具51の上方側のプレート51bと保持金具52の外パイプ52aの上端とに架け渡される上パイプ53aと、上パイプ53aの下方に上パイプ53aと平行に配置されて接続金具51の角パイプ51aの下端と保持金具52の外パイプ52aの下端とに架け渡される下パイプ53bと、上パイプ53aと下パイプ53bとに架け渡される複数の斜材53cとを備えている。また、上パイプ53a、下パイプ53bおよび斜材53cは、ともに円筒状のパイプ材で構成されている。
【0048】
支持梁53は、接続金具51と保持金具52とを連結するともに、上パイプ53aに架け渡される足場板6を下支えする役割を担う。斜材53cは、上パイプ53aと下パイプ53bとの間に斜めに架け渡されており、上パイプ53aと下パイプ53bとともにトラス構造を構成して、支持梁53の強度を向上させている。
【0049】
このように構成された支持部材5を取付金具4に連結するには、以下のようにすればよい。まず、支持部材5における接続金具51を取付金具4における上側支持片44と下側支持片45との間に入れ込んで、上側支持片44の孔44bとプレート51bの孔51dと、下側支持片45の孔45cとプレート51cの孔51eとを正対させる。その状態から、接続ピン46を上側支持片44の上方から、孔44b,45c,51c,51d内に差し込む。すると、接続ピン46によって支持部材5の接続金具51が取付金具4にヒンジ結合され、支持部材5は、取付金具4に対して接続ピン46の軸部46aを回転軸にして桁材2に対して水方向へ回転可能に取り付けられる。また、支持部材5の接続金具51が取付金具4における上側支持片44と下側支持片45との間で挟まれる格好となって、取付金具4によって支持されるため、支持部材5が取付金具4に対してガタつくことなく、水平回転可能に取り付けられる。
【0050】
さらに、下パイプ53bの基端側となる取付金具側には、ストッパ63がヒンジ結合によって回転可能に取り付けられている。ストッパ63は、図5および図7に示すように、下パイプ53bを挟んで互いに対向する一対の脚63a,63bと、脚63a,63bの上端同士を接続する背63cと、下パイプ53bの長手方向に直交して脚63a,63bをヒンジ結合させるピン63dとを備えていて、ピン63dを軸に回転可能に下パイプ53bに連結されている。なお、図7では、ピン63dの図示を省略している。
【0051】
脚63a,63bがピン63dから接続金具51側へ偏って張り出していて、ストッパ63の重心位置がピン63dよりも接続金具51側に配置される関係で、常にストッパ63が図5中で時計回りに回転しようとし、脚63a,63bの下端を支持しない状態では背63cが接続金具51の角パイプ51aに当接することで静止する。脚63a,63bの間の幅は、接続金具51における下側のプレート51cおよび金具本体41の下側支持片45におけるプレート45aの幅よりも若干広くなっている。
【0052】
支持部材5が取付金具4に取付けられており、桁材2に平行に配置された状態では、脚63a,63bのいずれか一方が取付金具4における下側支持片45のプレート45a上に乗り上げて下支えされる格好となり、ストッパ63は、背63cが下パイプ53bに接近する傾斜姿勢に維持される。支持部材5を桁材2に対して水平方向へ回転させて桁材2から遠ざかるように振り出していき、支持部材5が桁材2に対して垂直になると、ストッパ63の正面にプレート45aが配置される。すると、下側支持片45のプレート45aに乗り上げていた脚63a,63bがプレート45aから外れ、ストッパ63は、傾斜姿勢から回転して脚63a,63b間にプレート45aが入り込んで前記した背63cが角パイプ51aに当接した状態で静止する静止姿勢を採る。このような状態になると、ストッパ63の脚63a,63bは、下側支持片45のプレート45aを挟むようにしてプレート45aの側面にそれぞれ対向するので、支持部材5を桁材2に対して垂直な状態から水平方向の何れに回転させようとしてもプレート45aの側面に干渉して支持部材5の回転を規制する。このように、支持部材5を取付金具4を介して桁材2に取付けると、ストッパ63は、支持部材5が桁材2に対して垂直な位置にまで回転させられると重力で自動的に回転して脚63a,63bをプレート45aの側面に対向させて支持部材5の回転を規制する。ストッパ63の背63cを押して下パイプ53b側へ向けて回転させて脚63a,63bを持ち上げてプレート45aと関わり合いを解き、支持部材5を水平方向のいずれかに回転させると、脚63a,63bのいずれか一方がプレート45aの上方に乗り上げてストッパ63が傾斜姿勢を採って、支持部材5の水平方向の回転を許容する。このようにストッパ63は、支持部材5を桁材2に対して垂直となる展開位置に位置決めすると支持部材5の回転を規制し、支持部材5が前記展開位置以外の位置にある場合には支持部材5の回転を許容する。
【0053】
戻って、下パイプ53bの先端側となる保持金具側には、連結金具60が設けられている。連結金具60は、下パイプ53bから垂直に立ち上がるとともに先端となる上端に割を備えた軸61と、軸61にヒンジ結合によって回転可能に取り付けられて割内に出入りする止め金62とを備えている。止め金62は、重心位置の関係で軸61が鉛直姿勢を採る状態では一部を割から突出させており、外方から押されると割内に完全に収容される。
【0054】
このように構成された連結金具60には、図9に示すように、両端に接続環67aを備えた連結棒67が装着される。連結棒67の接続環67a内に軸61を挿入していき、接続環67aが止め金62を割内に押し込みつつ止め金62を越えて軸61の基端側へ進むと、止め金62が割から外方へ突出して接続環67aに軸61からの抜けを防止する。連結棒67を連結金具60からとり外すには、止め金62を割内に押し込んで、軸61を接続環67a内から引き抜けばよい。連結棒67は、隣り合う支持部材5の連結金具60に連結されて隣り合う支持部材5の下パイプ53b間に架け渡される。このように連結棒67で複数の支持部材5を連結すると、任意の支持部材5を桁材2に対して回転させると、他の支持部材5に連結棒67および連結金具60によって支持部材5の回転が伝達されるので、支持部材5の桁材2に対して展開させる作業および桁材2に平行にして収容する作業が容易となる。
【0055】
このようにして、展開された支持部材5,5間には、足場板6が架け渡される。足場板6は、矩形の足場本体6aと、足場本体6aの長手方向の両端に設けられて支持梁53の上パイプ53aに引掛かるフック6b,6cとを備えている。本実施の形態では、支持部材5間に2枚の足場板6が平行に架け渡されている。なお、支持部材5の支持梁53の長さの設定により、支持部材5,5間への足場板6の設置枚数を変更できる。また、本実施の形態の足場装置1では、足場板6のフック6b、6cは、複数の爪(符示せず)を備えていて入れ子式に相手方の爪間に入り込んで両者の間に大きな隙間を生じさせないようになっており、足場板6上からの工具や建築部品の落下が防止されている。なお、足場板6の構造は、隣り合う支持部材5,5に架け渡されて足場を形成できればよいので、前述した構造に限定されない。
【0056】
つづいて、手摺装置7は、図1図2および図11に示すように、支持部材5の保持金具52に装着される手摺支柱71と、手摺支柱71,71間に架け渡される手摺枠72および上部手摺73とを備えている。手摺支柱71は、パイプ材71aと、パイプ材71aの下端部に直径方向に貫通するように装着されたボルト71bと、手摺枠72および上部手摺73とパイプ材71aとを連結する複数の金具71c,71dとを備えている。
【0057】
ボルト71bを内パイプ52bの第1切欠52b1に位置合わせしつつ、パイプ材71a内に保持金具52の内パイプ52bの上端を差し込むと(図2参照)、ボルト71bが第1切欠52b1内に侵入してロックパイプ52cを押し下げる。ボルト71bをL字状の第1切欠52b1の踵部分まで侵入させてから、手摺支柱71を水平に回転させると、ボルト71bが第1切欠52b1の先端へ移動する。すると、ボルト71bがロックパイプ52cの第2切欠52c1に対向するので、ロックパイプ52cがコイルばね52fの付勢によって上方へスライドして第2切欠52c1内にボルト71bが挿入される。ロックパイプ52cは、ボルト52dによって水平方向の回転が規制されており、手摺支柱71のボルト71bは内パイプ52bの第1切欠52b1の先端に配置されているため上下方向へは移動できない。よって、このように手摺支柱71を保持金具52に連結すると、ボルト71bがロックパイプ52cの第2切欠52c1に入り込んで手摺支柱71が保持金具52に対する水平回転が不能となるロック状態となり、手摺支柱71は、保持金具52に連結状態に維持される。手摺支柱71がロックされているか否かは、保持金具52の外方からのぞき孔52a1,52b3を通して視認できるロックパイプ52cの差込孔52c3の位置によって確認できる。のぞき孔52a1,52b3に対向する位置に位置決められている。差込孔52c3がのぞき孔52a1,52b3の上方に位置していれば、ロックパイプ52cが内パイプ52bに対して最上方に配置されていることを示しており、手摺支柱71がロックされていることが分かる。ボルト71bがロックパイプ52cの第2切欠52c1に入っておらず、手摺支柱71の保持金具52に対する水平回転が可能である場合、ロックパイプ52cはボルト71bによって内パイプ52bに対して押し下げられているため、差込孔52c3がのぞき孔52a1,52b3の下方に位置している。
【0058】
手摺支柱71を保持金具52から取り外すには、持手52c6を利用してロッド52c5を内パイプ52bに対して下方に引けば、ボルト71bがロックパイプ52cから外れて、手摺支柱71の内パイプ52bに対する水平回転が許容される状態となる。このように、ロックパイプ52cをボルト71bから外した状態で、手摺支柱71を水平回転させて上方へ引き抜けば、保持金具52から手摺支柱71を取り外せる。なお、のぞき孔52a1,52b3を通してドライバー等の細長い工具をロックパイプ52cの差込孔52c3に差し込んで、ロックパイプ52cを下方へ押し下げることで、持手52c6を利用せずに手摺支柱71のロックを解除することもできる。なお、隣り合う手摺支柱71,71間に架け渡される手摺については、本実施の形態では手摺枠72と上部手摺73とで構成されているが、これに限られず、単なるパイプ材で手摺を構成してもよいし、ワイヤロープによって手摺を構成してもよい。
【0059】
このように構成された足場装置1は、以下のようにして、建築物の躯体Sの最上方の桁材2に設置される。まず、図8に示すように、躯体Sに取付ける前、つまり、建方前の横架材としての桁材2の各リブプレート2dにそれぞれ前述した手順で取付金具4をボルトBとナットとを利用して取り付ける。なお、取付金具4の桁材2への取り付けに際し、接続ピン46を金具本体41から取り外した状態で取り付けるのが好ましいが、接続ピン46を金具本体41に取り付けた状態で桁材2への取り付けを行ってもよい。
【0060】
つづいて、桁材2の各リブプレート2dに取り付けられた取付金具4に支持部材5を接続ピン46を利用して連結するとともに支持部材5を桁材2に平行配置してフランジ2a,2b間に収容した状態とする。また、支持部材5の取付金具4への連結を済ませた後、必要に応じて、各支持部材5の連結金具60に連結棒67を装着しておく。地上で取付金具4および支持部材5を桁材2に装着する作業が終了した後、桁材2を吊り上げて躯体Sの上方に設置済みの柱材3,3間へ配置し、桁材2の両端を柱材3,3に取り付ける。この桁材2を躯体Sの上方へ運搬にあたり、支持部材5を桁材2のフランジ2a,2b間に収容できるので、支持部材5が邪魔になることもなく、支持部材5の躯体Sへの干渉も防止される。
【0061】
このように、建方前の桁材2に対して予め取付金具4と支持部材5とを装着しているので、躯体工事における桁材2への柱材3,3間への取り付けが済むと、躯体Sに取付金具4と支持部材5とが設置される。
【0062】
つづいて、図9に示すように、躯体Sの最上方の桁材2に設置された支持部材5を桁材2に対して水平方向に回転させて振り出す。連結棒67によって各支持部材5が連結されている場合、支持部材5のうち任意の一つを回転させることで他の支持部材5を同時に桁材2に対して水平方向に回転させ得る。そして、支持部材5を桁材2に対して垂直な姿勢にすると、ストッパ63は、下側支持片45のプレート45aから外れて、支持部材5の回転を規制して支持部材5を桁材2に対して展開した状態に固定する。なお、連結棒67で支持部材5同士を連結しない場合、各支持部材5を一つずつ桁材2に対して水平回転させて展開すればよい。
【0063】
このように各支持部材5が桁材2に対して垂直な姿勢に展開された後、図10に示すように、支持部材5,5間に足場板6を架け渡す。支持部材5,5間の全てに足場板6の設置が完了した後、図11に示すように、手摺支柱71を各支持部材5の保持金具52に前述の要領で取り付ける。なお、図10および図11では、図が煩雑となるのを避けるため、連結棒67の図示を省略している。手摺支柱71の設置が完了した後、隣り合う手摺支柱71,71間に手摺枠72と上部手摺73とを架け渡すと、図1に示した足場装置1の桁材2への設置が完了する。
【0064】
足場装置1の撤去は、まず、手摺装置7を支持部材5から取り外した後、足場板6を支持部材5から撤去する。その後、躯体Sの桁材2の下の階層に設置された作業台上で作業員が接続ピン46を金具本体41から引き抜いて支持部材5を取り外し、ボルトBから図外のナットを取り外して取付金具4を桁材2から取り除けばよい。このように、作業員は、足場装置1を安全に撤去することができる。
【0065】
以上、本実施の形態の足場装置1は、躯体Sを構成する桁材(横架材)2に桁材(横架材)2の長手方向に間隔を開けて取付けられる複数の取付金具4と、取付金具4のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数のアーム状の支持部材5と、各支持部材5を桁材(横架材)2に対して垂直に振り出した状態で各支持部材5,5間に架け渡される足場板6とを備えている。
【0066】
このように構成された足場装置1によれば、支持部材5が横架材としての桁材2に対して水平方向に回転可能となっているので、支持部材5の長さが桁材2の構造による制限を受けづらく支持部材5の長さを長くすることできるため、足場板6の設置幅を従来の足場装置に比較して広くして作業員の作業スペースを十分に確保できる。
【0067】
また、取付金具4と取付金具4のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数の支持部材5とを建方前の横架材としての桁材2に予め取付けておくことで、外部足場の完成を待たずに足場板6を設置できる。足場板6の設置は、支持部材5を桁材2に対して垂直な姿勢に展開させた後に、足場板6を支持部材5,5間に架け渡していけばよいので、作業員は、安全に足場板6を設置できる。さらに、支持部材5が桁材2に対して水平方向に回転可能となっているので、支持部材5を桁材2に平行な状態としておけば、桁材2を躯体Sの最上方への搬送と、柱材3,3間に架け渡す作業の際に支持部材5が邪魔になることもなく、桁材2の設置作業性も阻害しない。
【0068】
また、足場装置1の撤去は、足場板6を支持部材5から取り外した後、躯体Sの桁材2の下の階層に設置された作業台上で作業員が接続ピン46を金具本体41から引き抜いて支持部材5を取り外し、ボルトBから図外のナットを取り外して取付金具4を桁材2から取り除けばよいので、作業員は、足場装置1を安全に撤去することができる。
【0069】
なお、支持部材5が取付金具4によって横架材として桁材2に取付けられているので、クランプ等の仮設材を利用して足場を設置する場合に比較して、足場装置1を桁材2に取付けた状態でも取付金具4と支持部材5とが桁材2への耐火被覆や軽量鉄骨間仕切り下地の施工の邪魔になりにくい。よって、足場装置1の横架材としての桁材2からの撤去後の作業員による仕上げ作業の負担を軽減できる。
【0070】
よって、本実施の形態の足場装置1によれば、外部足場の完了を待たずに躯体Sの高所に設置可能であって、作業員が安全に設置及び撤去作業を行えるとともに、作業員の仕上げ作業の軽減が可能となる。
【0071】
また、本実施の形態の足場装置1における支持部材5は、取付金具4を介して建方前の桁材(横架材)2に取付けられるので、取付金具4と支持部材5とを桁材2とともに躯体Sに設置できる。よって、本実施の形態の足場装置1によれば、安全な地上で取付金具4と支持部材5とを桁材2に設置でき、高所での足場装置1の設置作業がより一層安全かつ容易となる。
【0072】
また、本実施の形態の足場装置1では、桁材(横架材)2は、上下のフランジ2a,2bと、上側のフランジ2aと下側のフランジ2bとを連結するウェブ2cと、上下のフランジ2a,2b間とウェブ2cと架け渡されるとともに上下に配置された複数の孔2e,2fを含む複数のリブプレート2dとを有し、取付金具4は、支持部材5が回転自在に連結される金具本体41と、金具本体41に取り付けられてリブプレート2dに平行するとともにリブプレート2dの孔2e,2fに対向する位置に設けられた孔42a,42bを含む取付片42とを有し、金具本体41は、取付片42の上方の孔42aとリブプレート2dの上方の孔2eとにボルトBを挿通した状態で下側のフランジ2bに当接する。このように構成された足場装置1では、ボルトBを取付片42の上方の孔42aとリブプレート2dの上方の孔2eとに挿通すると、作業者が取付金具4を保持しなくとも、ボルトBによる取付金具4の支持と、金具本体41のフランジ2bへの当接とによって、取付金具4を取付片42の下方の孔42bとリブプレート2dの下側の孔2fとを正対させた姿勢で仮止めできる。よって、このように構成された足場装置1によれば、作業員の取付金具4を桁材(横架材)2への取り付け作業の負担が軽減される。
【0073】
さらに、本実施の形態の足場装置1では、支持部材5は、それぞれ、隣り合う支持部材5,5同士に架け渡される連結棒67の水平方向へ回転を許容しつつ連結を可能とする連結金具60を有している。このように構成された足場装置1によれば、隣り合う支持部材5,5同士を連結棒67で連結して、桁材(横架材)2に取り付けられている複数の支持部材5のうち任意の一つを桁材(横架材)2に対して水平方向へ回転させることで全部の支持部材5を桁材(横架材)2に対して垂直に展開させることができる。よって、このように構成された足場装置1によれば、作業員の足場装置1における支持部材5の展開作業の作業負担をより一層軽減できる。
【0074】
そして、本実施の形態の足場装置1では、支持部材5が桁材(横架材)2に対して垂直に配置された状態で取付金具4と支持部材5との回転を阻止するストッパ63を備えている。このように構成された足場装置1では、支持部材5,5間への足場板6の架け渡し作業時に作業員が支持部材5の姿勢が変化しないように抑える必要がなく、また、支持部材5への足場板6の設置後に支持部材5を別途の部品で展開位置に保持させる必要もない。よって、このように構成された足場装置1によれば、作業員が足場装置1の組立作業をより一層安全に行うことができるとともに作業員の組立作業の負担をより一層軽減できる。
【0075】
また、本実施の形態の足場装置1では、支持部材5は、先端に手摺支柱71を着脱可能に保持する保持金具52を有しているので、手摺枠72や上部手摺73といった手摺の設置が容易となる。本実施の形態の足場装置1では、保持金具52は、円筒状の外パイプ52aと、外パイプ52a内に挿入されるとともに上端が外パイプ52aの上端から上方へ突出するとともに突出する上端部分にL字状の第1切欠52b1を有する内パイプ52bと、内パイプ52b内に軸方向となる上下方向へ移動可能に挿入されるとともに上端の第1切欠52b1の先端に符合する位置に第2切欠52c1を有するロックパイプ52cと、ロックパイプ52cを上方側へ付勢するコイルばね52fとを備えている。このように保持金具52が構成されると、下端部を貫通するボルト71bを有する手摺支柱71内に内パイプ52bを差し込んだのちに水平方向へ回転させるだけで手摺支柱71をロックして連結できる。よって、作業員の手摺支柱71の足場装置1への設置作業が容易となるので、作業員は、安全かつ簡単に手摺支柱71の設置を行える。
【0076】
そして、本実施の形態の足場装置1の設置方法は、建方前の躯体Sを構成する桁材(横架材)2に桁材(横架材)2の長手方向に間隔を開けて複数の取付金具4を取り付ける工程と、取付金具4のそれぞれに水平方向に回転自在に複数のアーム状の支持部材5を連結して建方前の桁材(横架材)2に支持部材5を取り付ける工程と、取付金具4と支持部材5とが取り付けられた桁材(横架材)2を躯体Sに設置する工程と、各支持部材間に足場板6を設置する工程とを備えている。このように構成された足場装置1の設置方法によれば、取付金具4と取付金具4のそれぞれに水平方向に回転自在に連結される複数の支持部材5とを建方前の桁材(横架材)2に予め取付けておくことで、外部足場の完成を待たずに桁材2を利用して躯体Sの高所に足場板6を安全に設置できる。
【0077】
また、足場装置1の設置方法によれば、支持部材5が桁材(横架材)2に対して水平方向に回転可能となっており、支持部材5を桁材(横架材)2に平行な状態にできるので、桁材(横架材)2を躯体Sの最上方への搬送と、柱材3,3間に架け渡す作業の際に支持部材5が邪魔になることもなく、桁材(横架材)2の設置作業性も阻害しない。
【0078】
さらに、足場装置1の設置方法によれば、支持部材5が横架材としての桁材(横架材)2に対して水平方向に回転可能となっているので、支持部材5の長さが桁材(横架材)2の構造による制限を受けづらく支持部材5の長さを長くすることできるため、足場板6の設置幅を従来の足場装置に比較して広くして作業員の作業スペースを十分に確保できる。よって、本実施の形態の足場装置1の設置方法によれば、外部足場の完了を待たずに躯体Sの高所に設置可能であって、作業員が安全に設置を行える。
【0079】
なお、前述したところでは、桁材(横架材)2のフランジ2a,2b間に取り付けたリブプレート2dに取付金具4を取り付けるようにしているが、図12(a)に示すように、下方のフランジ2bの下面に取り付けたリブプレート2gに取付金具4を取り付けてもよい。リブプレート2gは、上下に並べて設けられた2つの孔2h,2iを備えており、前述した取付金具4の取付片42における孔42a,42bと孔2h,2iとにボルトBを挿通してボルトBと図外のナットとで取付金具4が桁材2に取付けられる。また、桁材(横架材)2の下方のフランジ2bの下面に取り付けたリブプレート2jが水平方向に並べた孔2k,2mを有している場合、たとえば、図12(b)に示したように、上側支持片44と取付片42の上部とを図12(b)中で右方向へ延長した形状として、取付片42の孔2k,2mに対向可能な位置に2つの孔を設ければよい。この場合も、孔2k,2mと取付片42の2つの孔を対向させるようにして、孔2kとこれに対向する孔、或いは孔2mとこれに対向する孔のいずれかにボルトBを挿通すると、上側支持片44がフランジ2bの下面に当接して取付金具4のボルトBを軸とした回転が阻止されるので、ボルトBの孔2k或いは孔2mへの挿通によって取付金具4を桁材2に仮固定できる。
【0080】
このように桁材2の下端にリブプレート2g,2jを設けて取付金具4を桁材2に取付ける場合、取付金具4の桁材2から取り外し作業を躯体Sから外側へ乗り出さずに躯体S内で行えるようになるので、足場装置1の撤去作業において作業員はより安全に足場装置1を撤去できる。
【0081】
なお、本実施の形態の足場装置1は、横架材としてH形鋼でなる桁材2に設置されているが、躯体SがRC造やPCa造である場合では、予め、躯体S側に取付金具4を取り付け可能なプレートを先行して設置しておけばよい。よって、躯体Sにおける横架材は、H形鋼等の鋼材に限られない。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1・・・足場装置、2・・・桁材(横架材)、2a・・・上側のフランジ、2b・・・下側のフランジ、2c・・・ウェブ、2d,2g,2j・・・リブプレート、2e,2f,2h,2i,2m,2k,42a,42b・・・孔、4・・・取付金具、5・・・支持部材、6・・・足場板、41・・・金具本体、42・・・取付片、52・・・保持金具、60・・・連結金具、63・・・ストッパ、67・・・連結棒、71・・・手摺支柱、S・・・躯体
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