(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】改札機
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240722BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240722BHJP
【FI】
G07B15/00 C
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2020155617
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】城島 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶光
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-072780(JP,A)
【文献】特開2017-162211(JP,A)
【文献】特開2019-159915(JP,A)
【文献】特開平10-198827(JP,A)
【文献】特開2010-086479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G07C 9/00- 9/38
E05B 49/00
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IDに対応づけた利用情報を保持するサーバと通信する通信部と、
携帯端末からIDを読み取るIDリーダと、
前記通信部を介して前記IDリーダが読み取ったIDを前記サーバへ送信し、前記サーバから前記IDに対応する利用情報によって利用可能となる利用人数を示す情報を取得し、前記利用人数以下の人物が通路を通過することを許可するプロセッサと、を有
し、
前記プロセッサは、前記サーバから取得した利用人数が複数である場合、前記通路を人物が通過するごとに前記IDリーダが前記携帯端末からIDを再度読み取って当該IDを前記サーバへ送信し、前記サーバから残りの利用可能な利用人数を示す情報を取得する、
改札機。
【請求項2】
前記IDリーダは、前記携帯端末が表示するコード画像が示すIDを含むコード情報を読み取るコードリーダである、
請求項1に記載の改札機。
【請求項3】
さらに、前記サーバから利用人数を示す情報を取得するごとに前記利用人数を示す情報を報知する報知部を有する、
請求項1に記載の改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道の改札などにおいて、利用者が所持する携帯端末を用いて入出場を制御する改札機が提案されている。しかしながら、携帯端末を持たない人物は、改札機で利用可能な券を券売機で購入してから改札機による入出場を行わなければならない。例えば、家族などの複数人数のグループで鉄道を利用する場合、子供や高齢者などの携帯端末を持たない人物は、携帯端末で入出場処理を行える改札機であっても、券売機で乗車券を購入しなければならないという問題がある。このような問題は、利用者の利便性の向上を妨げ、鉄道会社などの事業者としても混雑解消や円滑な駅務などを実現するための課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の課題を解決するために、複数人からなるグループの利用者に対する改札処理を円滑に行うことができる改札機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、改札機は、通信部とIDリーダとプロセッサとを有する。通信部は、IDに対応づけた利用情報を保持するサーバと通信する。IDリーダは、携帯端末からIDを読み取る。プロセッサは、通信部を介してIDリーダが読み取ったIDをサーバへ送信し、サーバからIDに対応する利用情報によって利用可能となる利用人数を示す情報を取得し、利用人数以下の人物が通路を通過することを許可する。さらに、プロセッサは、サーバから取得した利用人数が複数である場合、通路を人物が通過するごとにIDリーダが携帯端末からIDを再度読み取って当該IDを前記サーバへ送信し、サーバから残りの利用可能な利用人数を示す情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る改札システムの構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る改札機の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る改札機における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係わる改札システムの係員端末における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る改札システムのサーバにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る改札システムのサーバがIDに対応づけて管理する情報の例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る改札機の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る改札システムにおける係員端末の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る改札機の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る改札システム1の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように、改札システム1において、各駅に設けられる改札機11および係員端末12は、通信器13を介してサーバ21に接続される。
【0008】
改札機11は、各駅の改札口などに設けられる。改札機11は、利用者に対する改札(入場又は出場)業務などの通行制御(改札処理)を行うものである。改札機11は、通信器13を介してサーバ21と通信する。改札機11は、サーバ21が管理する情報に基づいて利用者に対する改札処理を行う。
【0009】
係員端末12は、係員が操作する装置である。例えば、係員端末12は、改札口に設けられた窓口内に設けられる。また、係員端末12は、係員が携帯する端末装置であっても良い。係員端末12は、利用者の申し出に応じて係員対応となる各種の処理を行う。また、係員端末12は、通信器13を介してサーバ21と通信する。例えば、係員端末12は、利用者に関する情報をサーバ21から取得し、係員対応となる各種の処理を行う。
【0010】
サーバ21は、各種のデータを管理する。サーバ21は、利用者ごとのID、および、販売又は予約された券ごとのIDに対応づけた情報を保持する。サーバ21は、改札機11から送られてきたIDに対応する情報、または情報の一部を当該改札機11へ提供し、改札機11での処理内容に応じてIDに対応する情報を更新する。また、サーバ21は、係員端末12からの問い合わせに応じた情報を係員端末12へ提供し、係員端末12での処理内容に応じて情報を更新する機能も有する。
【0011】
改札システム1において、改札機11は、利用者が保持する携帯端末などからIDを読み取り、読み取ったIDに対応する情報をサーバ21へ要求する。サーバ21は、IDに対応づけた乗車券情報としての利用可能情報を保持する。サーバ21は、1つのIDに複数人分の利用可能情報を保持することも可能である。サーバ21は、改札機11からの要求に応じてIDに対応する利用可能情報に基づく通行可否を示す情報を改札機11へ供給する。改札機11は、サーバ21から取得する情報に基づいて利用者の通行を制御する。
【0012】
改札システム1において、改札機11は、利用者が提示するIDを取得できるものであれば良い。ただし、本実施形態においては、改札機11は、利用者が提示するコード画像からIDを含む情報(コード情報)を取得するものとする。例えば、利用者は、IDを含む情報(コード情報)をコード化した2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))などのコード画像を自身が所持する携帯端末の表示部に表示させ、改札機11の所定位置に提示する。また、利用者は、IDを含むコード情報をコード化したコード画像が印刷された記録媒体を提示するようにしても良い。
【0013】
改札機11は、利用者が提示する携帯端末の表示部又は記録媒体に表示されるコード画像からIDを含むコード情報を取得し、IDに対応する情報をサーバ21から取得し、利用者の通行を制御する。また、改札機11は、IDに対応する情報として複数人分が利用可能(通行可能)である旨の情報をサーバ21から取得した場合、当該IDによって複数人の通行を許可する通行制御処理を行う。
【0014】
次に、実施形態に係る改札機11の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る改札機11の構成例を概略的に示す側面図である。
改札機11は、例えば、2台1組で1つの改札(入場又は出場)用の通路を形成する。改札機11は、改札用の通路を1方向にのみ通過可能な入場専用あるいは出場専用の専用機として用いられる場合と、改札用の通路を両方向に通過可能な両用機として用いられる場合とがある。改札機11は、予め入場用の専用機、出場用の専用機あるいは両用機の何れかに設定される。
【0015】
図2に示す構成例において、改札機11は、入場用あるいは出場用の通路を形成する筐体30を有する。改札機11を形成する筐体30上面の一端部には、IDを読み取るためのIDリーダ32が設けられている。IDリーダ32は、利用者が提示するIDを示すコード情報を読み取る。例えば、IDリーダ32は、利用者が提示する携帯端末の表示部に表示されたコード画像を読み取るコードリーダである。また、IDリーダ32は、利用者が提示する記録媒体に印刷されたコード画像を読み取っても良い。なお、改札機11は、ICカードを含む携帯端末との無線通信を行う無線リーダライタを備えるものであっても良い。この場合、IDリーダ32は、例えば、コードリーダの機能と無線リーダライタの機能とを合わせものであっても良い。
【0016】
また、IDリーダ32は、スキャナおよび認識部などにより構成される。IDリーダ32としてのコードリーダは、筐体上面の一端部分の提示領域がコード画像の読取範囲となるように設置する。改札用の通路を通行しようとする利用者がコード画像を装置側に向けて提示領域(読取範囲)に提示すると、IDリーダ32は、利用者が提示した携帯端末の表示部に表示されたコード画像をスキャンし、スキャンしたコード画像が示す情報を認識する。改札機11は、コード画像が示すコード情報に含まれるIDに対応する情報をサーバ21から取得し、サーバ21から取得する情報に基づいて当該利用者の通行を制御する。
【0017】
改札機11を形成する筐体上面には、利用者あるいは係員などに対して案内を行うための表示器33が設けられている。表示器33は、例えば、液晶表示装置などにより構成される。表示器33は、通路を通行する利用者に対する改札処理の結果などを案内する案内画面を表示する。表示器33には、利用者が表示内容を確認できる位置に設ければ良い。表示器33は、筐体上面の退出口側の端部に設定するものに限定されず、例えば、筐体上面の中央部や筐体上面においてIDリーダ32に隣接して設けても良い。
【0018】
改札機11を形成する筐体30の通路側の側面における両端部には、それぞれ通行者の通行の許可不許可を行う開閉動作可能なドア34、35が設けられている。
図2に示す構成例では、ドア34は、通路の退出口(出場口)側の端部に設けられ、利用者が通路を通過することを阻止する。また、ドア35は、通路の進入口(入口)側の端部に設けられ、利用者が通路内へ進入してくることを阻止する。
【0019】
改札機11を形成する筐体30の上面のセンサカバー内および筐体30の側面には、複数の人間検知センサ36が設けられている。人間検知センサ36は、反射型の検知センサ、あるいは透過型の検知センサにより構成される。人間検知センサ36からの出力信号は、「明」あるいは「暗」の何れかとなる。人間検知センサ36は、所定の検知位置に人物が存在するか否かを検知するものである。改札機11は、複数の人間検知センサ36により通路内の各所における人物の有無を検知する。これにより、改札機11は、複数の人間検知センサ36の検知結果に基づいて通路を通過中の利用者の位置を判定するようになっている。例えば、ドア34は、利用者に対する通行可否の判定結果、および、人間検知センサ36などの検知結果などに基づいて開閉が制御される。
【0020】
さらに、改札機11は、IDリーダ32が設けられている側(通路の進入口側)の通路進入方向に面する側面に接近センサ37が設けられる。接近センサ37は、改札機11に接近してくる人物を検知する。改札機11は、接近センサ37により通路に接近している人物を検知し、当該人物が改札処理をスムーズに受けられるようにする。例えば、接近センサ37は、コード画像を表示した携帯端末の表示部をIDリーダ32の提示領域に提示できる位置にいる人物を検知するようにしても良い。この場合、改札機11は、接近センサ37の検知結果に応じてIDリーダ32を動作可能になるように制御しても良い。
【0021】
また、通路を両方向に通行する運用形態である場合、改札機11は、接近センサ37の検知結果に応じてドア35の開閉を制御することにより利用者の通行方向(改札方向)を制御する。また、改札機11は、接近センサ37の検知結果に応じて、表示器33の消灯などによって消費電力を低減させる省電力モードと通常動作モード(改札処理を実行する動作モード)との切り替え制御を行うようにしても良い。
【0022】
また、改札機11は、IDリーダ32が設けられている側(通路の進入口側)の通路進入方向に面する側面に、通行案内表示部を設けても良い。例えば、改札機11は、通行案内表示部に当該改札機への通路への進入可否などを表示するようにしても良い。
【0023】
次に、実施形態に係わる改札機11の制御系の構成について説明する。
図3は、上記のように構成された改札機11の制御系統の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、改札機11は、プロセッサ41、ROM(リード オンリ メモリ)42、RAM(ランダム アクセス メモリ)43、データメモリ44、通信部45、IDリーダ32、検知器(人間検知センサ36、接近センサ37)、表示制御回路46、表示器33、ドア制御回路47、および、ドア34、35を有する。
【0024】
プロセッサ41は、例えば、CPUである。プロセッサ41は、ROM42又はデータメモリ44などのメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。プロセッサ41は、プログラムを実行することにより、コード画像から読み取ったIDに対応する情報をサーバ21から取得する機能、サーバ21から取得する情報に基づいて通路内にいる人物の通行可否を判定する機能、人間検知センサ36の検知結果から当該改札機11の通路内における人物の位置および移動状況などを検知する機能、および、ドア34、35の開閉を制御する機能などを実現する。
【0025】
ROM42は、予めデータが記憶されている不揮発性のメモリで構成される。例えば、ROM42には、プロセッサ41により実行される制御プログラムや制御データなどが記憶されている。RAM43は、一時的にデータを記憶する揮発性メモリで構成される。例えば、RAM43は、プロセッサ41が実行する制御プログラムなどのバッファメモリとして機能する。データメモリ44は、書き換え可能な不揮発性メモリにより構成される。データメモリ44は、更新可能な各種のデータを記憶する。
【0026】
通信部45は、データ通信を行うためのインターフェースである。例えば、通信部45は、通信器13を介してサーバ21とのデータ通信を行う。また、通信部45は、係員端末12と通信するためのインターフェースとしても機能する。
【0027】
人間検知センサ36は、人物(物体)の有無を検知するセンサである。人間検知センサ36は、
図2に示すように、改札機11の側面において通路内の各位置が検知位置となるように設置され、各位置おける人物の有無を示す検知信号をプロセッサ41へ出力する。プロセッサ41は、人間検知センサ36の検出結果に基づいて人物による通路の通過の有無および通過人数を特定することができる。
【0028】
接近センサ37は、改札機11に接近する人物を検知する。接近センサ37は、改札機11の筐体における入口側に設けられ、改札機11の入口付近にいる人物の有無を示す検知信号をプロセッサ41へ出力する。
【0029】
IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像からコード情報を読み取るコードリーダである。IDリーダ32は、提示領域(所定の読取範囲)に提示されたコード券の券面を含む画像を読み取り、読み取った画像からコード画像を抽出し、抽出したコード画像からコード化されたコード情報を認識する。
【0030】
例えば、IDリーダ32は、利用者が提示する携帯端末の表示部に表示されているコード画像を読み取る。また、IDリーダ32は、利用者が提示する媒体に印刷されているコード画像を読み取るようにしても良い。
【0031】
なお、IDリーダ32は、利用者が所持する非接触式ICカードあるいは携帯端末などの携帯可能電子装置との非接触通信機能を有するものであっても良い。この場合、IDリーダ32は、非接触通信によって利用者が所持する携帯可能電子装置からIDなどを含む情報を取得する機能を有するものであっても良い。
【0032】
表示制御回路46は、表示器33が表示する表示内容を制御する。表示制御回路46は、プロセッサ41からの指示に応じて情報を表示する。例えば、表示制御回路46は、プロセッサ41からの指示に応じて通路内にいる人物に対して通行の可否を示す案内を表示器33に表示させる。
ドア制御回路47は、ドア34およびドア35を開閉させる機構を有する。ドア制御回路47は、プロセッサ41からの制御指示に応じてドア34およびドア35を開閉駆動する。
【0033】
次に、実施形態に係わる改札システム1における係員端末12の制御系の構成について説明する。
図4は、実施形態に係わる改札システム1における係員端末12の制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、係員端末12は、プロセッサ51、ROM(リード オンリ メモリ)52、RAM(ランダム アクセス メモリ)53、データメモリ54、通信部55、IDリーダ56、表示インターフェース(I/F)57、表示装置58、入力インターフェース(I/F)59、および、操作装置60などを有する。
【0034】
プロセッサ51は、ROM52又はデータメモリ54などのメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。プロセッサ51は、例えば、CPUである。例えば、プロセッサ51は、プログラムを実行することにより、コード画像から読み取ったIDに対応する情報をサーバ21から取得する機能、サーバ21から取得する情報の表示および修正などを行なう機能などを実現する。
【0035】
ROM52は、予めデータが記憶されている不揮発性のメモリで構成される。例えば、ROM52には、プロセッサ51により実行される制御プログラムや制御データなどが記憶されている。RAM53は、一時的にデータを記憶する揮発性メモリで構成される。例えば、RAM53は、プロセッサ51が実行する制御プログラムなどのバッファメモリとして機能する。データメモリ54は、書き換え可能な不揮発性メモリにより構成される。データメモリ54は、各種のデータを記憶する。
【0036】
通信部55は、データ通信を行うためのインターフェースである。例えば、通信部55は、通信器13を介してサーバ21とのデータ通信を行う。また、通信部55は、改札機11と通信するようにしても良い。
【0037】
IDリーダ56は、利用者が提示するIDを読み取る。本実施形態において、IDリーダ56は、IDリーダ32と同様に、利用者が提示するコード画像からコード情報を読み取るコードリーダである。IDリーダ56は、提示領域(所定の読取範囲)に提示されたコード券の券面を含む画像を読み取り、読み取った画像からコード画像を抽出し、抽出したコード画像からコード化されたコード情報を認識する。また、IDリーダ56は、非接触式ICカードあるいは携帯端末などの電子機器との非接触通信機能によってIDなどを含む情報を取得する機能を有するものであっても良い。
【0038】
表示インターフェース(I/F)57は、表示装置58が接続される。表示インターフェース57は、プロセッサ51からの表示データを表示装置58へ供給する。表示装置58は、表示インターフェース57を介してプロセッサ51から供給される表示データを表示画面に表示する。
入力インターフェース(I/F)59は、タッチパネル、キーボード、テンキーなどの操作指示を入力する操作装置60が接続される。入力インターフェース59は、操作装置60で入力された内容を示す情報をプロセッサ51へ供給する。例えば、表示装置58と操作装置60とは、タッチパネル付のディスプレイによって構成され、表示インターフェース57および入力インターフェース59として用いられるインターフェースに接続される。
【0039】
次に、実施形態に係わる改札システム1におけるサーバ21の構成について説明する。
図5は、実施形態に係わる改札システム1におけるサーバ21の制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバ21は、プロセッサ61、ROM(リード オンリ メモリ)62、RAM(ランダム アクセス メモリ)63、通信部64、および、データメモリ65などを有する。
【0040】
プロセッサ61は、ROM62又はデータメモリ65などのメモリに記憶されているプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。プロセッサ61は、例えば、CPUである。例えば、プロセッサ61は、プログラムを実行することにより、指定されたIDに対応する情報を改札機11又は係員端末12を供給する機能、改札機11又は係員端末12での処理結果に応じてIDに対応する情報を更新する機能などを実現する。
【0041】
ROM62は、予めデータが記憶されている不揮発性のメモリで構成される。例えば、ROM62には、プロセッサ61により実行される制御プログラムや制御データなどが記憶されている。RAM63は、一時的にデータを記憶する揮発性メモリで構成される。例えば、RAM63は、プロセッサ61が実行する制御プログラムなどのバッファメモリとして機能する。
【0042】
通信部64は、通信を行うためのインターフェースである。例えば、通信部64は、通信器13を介して改札機11および係員端末12とのデータ通信を行う。また、通信部64は、ユーザが操作するユーザ端末(携帯端末あるいはパーソナルコンピュータ)などと通信する機能を有する。例えば、サーバ21は、通信部64を介してインターフェースに接続し、インターネット上に公開するWebページにおいてユーザ端末からの利用登録(乗車券の発行)の申請を受け付けるようにしても良い。
【0043】
データメモリ65は、書き換え可能な不揮発性メモリにより構成される。データメモリ65は、各種のデータを記憶する。データメモリ65は、IDに対応づけた情報を保持する。例えば、データメモリ65は、IDに対応づけて改札機11で入出場を行うための乗車券情報(入出場の許諾情報)を記憶する。本実施形態において、データメモリ65には、1つのIDに対して複数人分の乗車券情報を登録できるものとする。
【0044】
次に、実施形態に係わるサーバ21が管理する情報について説明する。
利用者は、利用する内容に応じた利用情報(乗車券情報)の登録を申請する。例えば、利用者は、携帯端末又はパーソナルコンピュータなどのユーザ端末でサーバ21にアクセスして利用情報の登録を申請する。利用情報の登録申請は、改札機11で入出場を許可するための情報を登録する手続きであり、乗車券の購入手続きに相当する。サーバ21は、利用者からの申請に応じてIDを発行し、利用者が申請する利用内容に応じた利用情報とIDとを対応づけてデータメモリ65に登録する。
【0045】
本実施形態に係る改札システム1において、サーバ21は、家族などの複数人分の利用情報を一括して管理する。利用者(代表者)は、家族などの複数人分の利用情報を申請する場合、利用人数を含む利用内容を示す情報を代表者の情報とともに申請する。このような申請に対して、サーバ21は、IDを発行し、当該IDに対応づけて利用人数が複数である利用情報を登録(発行)し、当該IDを示す情報を代表者に対して提供する。本実施形態において、サーバ21は、IDを含む情報をコード化したコード画像を利用者(代表者)に提供するものとする。コード画像は、代表者が改札機に対して提示できるものであれば良い。本実施形態では、コード画像は、代表者が所持する携帯端末の表示部に表示できるものであるものとする。
【0046】
サーバ21は、IDに対応づけた利用情報を登録すると、利用情報に対応づけて登録したIDを含む情報をコード化したコード画像を生成する。サーバ21は、IDを含む情報をコード化したコード画像を利用者の携帯端末へ提供(ダウンロード)する。例えば、サーバ21は、利用者の申請に応じた利用情報の登録が完了した場合、登録完了を示す案内とともにIDを含むコード情報を示すコード画像を利用者へ提供するようにしても良い。また、サーバ21は、利用者が指定する宛先(例えば、メールアドレス)にコード画像を送信するようにしても良い。
【0047】
なお、IDに対応づけて登録する利用情報に対する料金は、事前に決済するようにしても良いし、事後に決済するようにしても良い。例えば、事前に料金を支払う運用とする場合、利用者は、利用内容を入力した後に料金の支払い手続きを行う。利用内容に応じた料金の支払いが完了すると、サーバ21は、利用者が申請する利用内容に基づく利用情報をIDに対応づけて登録することにより、当該利用情報を利用可能な状態とする。
【0048】
また、事後に料金を支払う運用とする場合、利用者は、利用内容を入力し、料金の支払いに用いる決済情報(例えば、クレジットカード情報など)を登録する。この場合、サーバ21は、決済情報の有効性を確認した後、利用者が申請する利用内容に基づく利用情報をIDに対応づけて登録することにより、当該利用情報を利用可能な状態とする。事後の決済を行う場合、サーバ21は、実際に利用情報を用いて入出場処理が行われた場合に決済情報を用いて料金の決済が行われる。
【0049】
図6は、本実施形態に係るサーバ21においてIDに対応づけて管理する情報の例を示す図である。
サーバ21は、利用者からの申請に応じてIDを発行し、IDに対して申請内容に応じて利用情報をデータメモリ65に登録する。IDに対しては、利用情報だけでなく、入場情報および出場情報が対応づけて記録される。入場情報は、当該利用情報を用いて改札機で入場処理を行った場合に記録される。また、出場情報は、当該利用情報を用いて改札機で出場処理を行った場合に記録される。
【0050】
図6に示す例では、利用情報として、利用区間、利用人数、利用期限、代表者情報、決済情報、利用者の認証情報などが登録される。
利用区間は、有効区間を示す。利用人数は、当該利用情報を利用可能な人数を示す。また、利用人数としては、利用する人数の内訳(例えば、大人の人数と子供の人数)を登録するようにしても良い。利用期限は、利用情報が有効となる期間を示す。
【0051】
代表者情報は、当該利用情報を管理する人物に関する情報を示す。例えば、代表者が個別の個人IDを持っている場合、代表者のIDを登録しても良い。決済情報は、決済に関する情報を示す。例えば、決済情報は、事後に決済する運用とする場合、決済者(例えば、代表者)が料金の決済に用いる電子マネーの決済システムを利用するための情報(例えば、クレジットカード情報)などを記録する。
【0052】
利用者の認証情報は、利用者を個別に確認するための情報である。利用人数が複数人である場合、個々の利用者(例えば家族)を確認するための認証情報を登録する。例えば、利用者の認証情報としては、各利用者の顔画像などが登録される。なお、利用者の認証情報は、個々の利用者を個別に確認する必要がある場合に登録すれば良い。利用者を個別に確認する必要がない場合には、利用者の認証情報は登録しないようにしても良い。
【0053】
図6に示す例において、入場情報は、入場時刻、入場場所、および、入場人数などを含む。入場時刻は、当該IDの利用情報を用いて入場して時刻を示す。入場場所は、当該IDの利用情報を用いて入場した場所(入場した駅、改札口又は改札機)を示す。入場人数は、実際に入場したことを確認された人数を示す。例えば、実際に入場した人数が利用人数よりも少ない場合、入場人数としては、利用人数よりも少ない実際に入場した人数が登録される。
【0054】
図6に示す例において、出場情報は、出場時刻、出場場所、および、出場人数などを含む。出場時刻は、当該IDの利用情報を用いて入場して時刻を示す。出場場所は、当該IDの利用情報を用いて出場した場所(出場した駅、改札口又は改札機)を示す。出場人数は、実際に出場した人数を示す。例えば、実際に出場した人数が利用人数よりも少ない場合、出場人数としては、利用人数よりも少ない実際に出場した人数が登録される。
【0055】
次に、実施形態に係わる改札機11の第1の動作例について説明する。
図7は、本実施形態に係る改札機11の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
改札機11を利用する利用者は、携帯端末の表示部に表示させたコード画像を改札機11のIDリーダ32の提示領域(読取範囲)に提示する。改札機11のプロセッサ41は、接近センサ37により利用者に対する改札処理が可能な状態において前記通路に接近する人物がいるか否かを検知する。人物を検知すると、プロセッサ41は、IDリーダ32によるコード画像の読み取りが可能な状態とする。
【0056】
この状態において、IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像を読み取る(ST10)。IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像を含む画像を撮像し、撮像した画像に含まれるコード画像を認識(デコード)する。IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像の認識結果としてのコード情報をプロセッサ41へ供給する。
【0057】
プロセッサ41は、IDリーダ32が読み取ったコード情報を取得すると、通信部45により通信器13を経由してサーバ21と通信し、コード情報に含まれるIDと当該改札機11が設置されている駅(又は改札口)を示す情報とをサーバ21へ送信する(ST11)。コード画像から読み取ったIDと駅を示す情報とを送信した後、プロセッサ41は、サーバ21からの応答を取得する(ST12)。
【0058】
サーバ21のプロセッサ61は、改札機11から取得したIDに対応する利用情報(乗車券情報)を特定し、当該利用情報によって当該改札機11の通過を許可するか否かを判定する。例えば、有効区間内でない場合、有効期間内でない場合、あるいは、IDに対応する情報が存在しない場合、サーバ21のプロセッサ61は、通過不可と判定する。通過を不可とする場合、サーバ21のプロセッサ61は、通信部64を介して通過不可を示す情報をIDの送信元である改札機11へ送信する。
【0059】
通過を許可する場合、サーバ21のプロセッサ61は、当該IDに対応づけて通過(入場又は出場)情報として通過時刻および通過場所をデータメモリ65に記録し、通信部64を介して通過許可を示す情報とともに利用人数を示す情報をIDの送信元である改札機11へ送信する。サーバ21のプロセッサ61は、IDに対応する利用情報における利用人数が複数人である場合に改札機11へ通行を許可する人数を示す情報を送信するようにしても良い。
【0060】
改札機11のプロセッサ41は、サーバ21からの応答によって通行を不可とする場合(ST13、NO)、通過不可である旨の案内を表示器33に表示するとともに、ドア34を閉鎖する。これにより、プロセッサ41は、当該改札機11が形成する通路を利用者が通過することを阻止し、当該利用者に対する処理を終了する。
【0061】
また、改札機11のプロセッサ41は、サーバ21からの通行を許可する旨の応答を受信した場合、当該利用者の通行を許可する。通行を許可する場合(ST13、YES)、プロセッサ41は、サーバ21からの応答に基づいて複数人の通過を許可するか否かを判定する(ST14)。プロセッサ41は、改札機11の側面に設けられた物体を検知する人間検知センサ36の検出結果に基づいて人物による通路の通過の有無および通過人数を特定することができる。
【0062】
複数人の通過を許可するものではない場合(ST14、NO)、プロセッサ41は、当該利用者本人を通過させるように通行制御を行う(ST15)。例えば、プロセッサ41は、表示器33に通行を許可する旨の案内を表示し、ドア34を開放することにより、1人の利用者を通過させる。この場合、プロセッサ41は、当該利用者が通過したことをサーバ21へ通知し(ST23)、一連の改札処理を終了する。
【0063】
複数人の通過を許可する場合(ST14、YES)、プロセッサ41は、サーバ21から取得した利用可能な人数をRAM43に設けたカウンタにセットする(ST16)。また、複数人の通過を許可する場合、プロセッサ41は、利用可能な人数を報知する(ST17)。例えば、プロセッサ41は、表示器33に通行可能な人数を表示する。また、プロセッサ41は、図示しないスピーカなどから音声で通行可能な人数を報知するようにしても良い。
【0064】
カウンタに利用可能な人数をセットした後、プロセッサ41は、ドア34を開放して利用者が通路をできる状態とし(ST18)、人間検知センサ38の検知結果に基づいて個々の利用者の通過を検出する(ST19)。1人の利用者が通過したことを検出した場合(ST19、YES)、プロセッサ41は、カウンタをデクリメント(カウンタの値を1減算)する(ST20)。
【0065】
また、カウンタをデクリメントした場合、プロセッサ41は、カウンタの値が0となったか否かを判定する(ST21)。カウンタの値が0でなければ(ST21、NO)、プロセッサ41は、ST17へ戻り、現在のカウンタの値に基づく通過人数又は残りの通過可能人数を報知する(ST17)。つまり、プロセッサ41は、カウンタの値が0でなければ、ST17へ戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0066】
また、カウンタの値が0となった場合(ST21、YES)、プロセッサ41は、利用可能人数分の利用者の通過が完了したものと判断する。カウンタの値が0となった場合(ST21、YES)、プロセッサ41は、ドア34を閉鎖して後続の人物が通過することを阻止し、複数人対応の通行制御を終了する(ST22)。例えば、プロセッサ41は、人間検知センサ36の検知結果から特定した通路を通過した人数がサーバ21から取得する利用人数を超えた場合に、改札機11のドア34を閉鎖する制御を行う。
複数人対応の通行制御を終了した後、プロセッサ41は、実際に通行人数を示す情報をサーバ21へ送信し(ST23)、当該IDに対する一連の改札処理を終了する。
【0067】
また、カウンタの値が0になるまでの間、プロセッサ41は、所定時間内に次の利用者を検出できたか否かを監視する(ST24)。所定時間内に次の利用者が通行することを検出できなければ、プロセッサ41は、タイムアウトとする。タイムアウトとした場合(ST24、YES)、プロセッサ41は、カウンタの値に基づいて実際に通過した人数又は利用人数に対する不足人数を特定する(ST25)。実際に通過した人数又は利用人数に対する不足人数を特定した後、プロセッサ41は、ドア34を閉鎖して後続の人物が通過することを阻止し、複数人対応の通行制御を終了する(ST22)。複数人対応の通行制御を終了した後、プロセッサ41は、実際の通過人数(又は利用人数に対する不足人数)を示す情報をサーバ21へ送信し(ST23)、一連の改札処理を終了する。この場合、サーバ21のプロセッサ61は、改札機11からの情報に基づいて実際の通過(入場又は出場)人数を通過(入場又は出場)情報としてデータメモリ65に記録する。
【0068】
以上のような第1の動作例によれば、改札機は、携帯端末の表示部に表示されたコード画像が提示された場合、提示されたコード画像を示すコード情報に含まるIDをサーバへ送信し、サーバからIDに対応する利用情報による通行可否の判定結果を取得する。当該IDに対応する利用情報として複数人の利用が登録されている場合、改札機は、サーバから利用人数を示す情報を取得し、コード画像を提示した代表者が通過した後に、当該代表者に続いて登録された複数人数分の利用者が通過することを許可する。
【0069】
これにより、複数人からなるグループが改札機を利用する場合、代表者が複数人からなるグループ(例えば家族)の先頭で改札機にコード画像をざして通過すれば、代表者以外の人物は、個別にコード画像などを提示することなく改札機を通過できる、この結果、代表者に続いて通過する子供や高齢者などの利用者がコード画像を表示するための携帯端末などを持たなくても改札機をスムーズに通過できる。
【0070】
次に、実施形態に係わる係員端末12の動作について説明する。
係員端末12は、利用者の申し出に応じた係員の操作によって利用者が提示するコード画像に含まれるIDに対応する情報を表示したり情報の修正を指示したりする。例えば、係員は、係員端末12は、利用者が所持する携帯端末の表示部に表示されたコード画像が示すIDに対応する利用情報をサーバ21から取得して表示装置58に表示する。これにより、係員は、表示装置58に表示された利用情報を確認し、改札機11に代わって入出場(改札)業務を行うことができる。
【0071】
また、利用人数が複数の利用情報を登録している場合、一部の人物が代表者に連なって改札機11を通過できないことが有り得る。例えば、代表者に続いて他人が改札機11の通路を通過してしまった場合、あるいは、一部の人物が急用で代表者と連なって改札機11の通路を通過できなかった場合、係員は、係員端末12を用いて正当な利用者を確認した上で入出場を許可でき、係員端末12を用いてサーバ21が管理する入場情報又は出場情報の修正を行うこともできる。
【0072】
図8は、本実施形態に係る係員端末12の動作例を説明するためのフローチャートである。
係員端末12のプロセッサ51は、操作装置60への係員による操作に応じてIDリーダ56をコード画像が読み取り可能な状態にする。この状態において、係員は、利用者が所持する携帯端末の表示部に表示したコード画像をIDリーダ56の読取範囲に提示させる。
【0073】
IDリーダ56は、読取範囲に提示された利用者が提示するコード画像を読み取る(ST30)。IDリーダ56は、利用者が提示するコード画像を含む画像を撮像し、撮像した画像に含まれるコード画像を認識する。IDリーダ56は、利用者が提示するコード画像の認識結果としてのコード情報をプロセッサ51へ供給する。
【0074】
プロセッサ51は、IDリーダ56が読み取ったコード情報を取得すると、通信部55により通信器13を経由してサーバ21と通信し、コード情報に含まれるIDとIDに対応する情報の表示要求とをサーバ21へ送信する(ST31)。
【0075】
サーバ21は、係員端末12からIDと表示要求とを受信すると、当該IDに対応する情報(例えば、利用情報、入場情報および出場情報)をデータメモリ65から読み出す。サーバ21は、データメモリ65から読み出したIDに対応する利用情報、入場情報および出場情報を係員端末12へ送信する。
【0076】
係員端末12のプロセッサ51は、通信部55によりサーバ21からのIDに対応する情報(利用情報、入場情報および出場情報)を取得する(ST32)。サーバ21からIDに対応する情報を取得すると、プロセッサ51は、サーバ21から取得したIDに対応する情報を表示装置58に表示する(ST33)。
【0077】
例えば、プロセッサ51は、IDに対応する情報として利用情報を受信した場合、入場および出場が未実施であれば、IDに対応する利用情報を表示装置58に表示する。これにより、係員は、表示装置58に表示された利用情報を確認した上で利用者に対する入場を許可するようにしても良い。
【0078】
また、プロセッサ51は、IDに対応する情報として利用情報と入場情報とを受信した場合、出場が未実施であれば、IDに対応する利用情報と入場情報とを表示装置58に表示する。これにより、係員は、表示装置58に表示された利用情報と入場情報とを確認した上で利用者に対する出場を許可するようにしても良い。
【0079】
また、プロセッサ51は、IDに対応する情報として利用情報と入場情報とを受信した場合、IDに対応する利用情報と入場情報とを表示装置58に表示する。プロセッサ51は、利用情報の利用人数によりも入場情報の入場人数(実際に入場を検知した人数)が少ない場合に不足分の人数(利用情報の利用人数-入場情報の入場人数)を表示装置58に表示するようにしても良い。これにより、係員は、表示装置58に表示された利用情報と入場人数とを確認でき、不足人数分の利用者の入場を許可できる。
【0080】
また、プロセッサ51は、IDに対応する情報として利用情報と入場情報と出場情報とを受信した場合、IDに対応する利用情報と入場情報と出場情報とを表示装置58に表示する。プロセッサ51は、入場情報の入場人数によりも出場情報の出場人数(実際に出場を検知した人数)が少ない場合に不足分の人数(入場情報の入場人数-出場情報の出場人数)を表示装置58に表示するようにしても良い。これにより、係員は、表示装置58に表示された入場人数と出場人数とを確認でき、出場処理ができていない人数を確認したり、出場ができていない利用者の出場を許可したりすることができる。
【0081】
また、プロセッサ51は、利用情報の利用人数分の入場が記録されている場合(利用情報の利用人数と入場情報の入場人数とが同数である場合)、係員端末12は、表示装置58に表示された利用情報に含まれる各利用者の認証情報を表示するようにしても良い。これにより、係員は、正当な利用者を確認することができ、他人が入場者としてカウントされていることなどを確認して正当な利用者の入場を許可できる。
【0082】
また、プロセッサ51は、入場人数分の出場が記録されている場合(入場情報の入場人数と出場情報の出場人数とが同数である場合)、係員端末12は、表示装置58に表示された利用情報に含まれる各利用者の認証情報を表示するようにしても良い。これにより、係員は、正当な利用者を確認でき、他人が出場者としてカウントされていることなどを確認して正当な利用者の出場を許可できる。
【0083】
プロセッサ51は、サーバ21から取得したIDに対応する情報を表示装置58に表示した状態において操作装置60を用いた情報の修正入力を受け付ける(ST34)。プロセッサ51は、操作装置60を用いて情報の修正が入力された場合、サーバ21へ当該IDに対応する修正情報を送信する(ST35)。サーバ21は、係員端末12からの修正情報に応じてデータメモリ65に記憶している情報を更新する。
【0084】
例えば、プロセッサ51は、IDに対応する利用情報による入出場が未実施であれば、IDに対応する利用情報を表示装置58に表示した状態において入場情報の入力を受け付ける。係員は、表示装置58に表示された利用情報を確認した上で利用者の入場を許可する場合、入場場所(駅)および入場人数などの情報を操作装置60で入力する。入場を許可した入場場所および入場人数などの情報が入力されると、プロセッサ51は、IDに対応づけて入場場所および入場人数を含む入場情報をサーバ21へ送信する。これにより、サーバ21は、係員端末12を操作する係員の判断で入場させた利用者に関する情報(入場情報)を記録する。
【0085】
また、プロセッサ51は、IDに対応する利用情報による出場が未実施であれば、IDに対応する利用情報と入場情報とを表示装置58に表示した状態において出場情報の入力を受け付ける。係員は、表示装置58に表示された利用情報と入場情報とを確認した上で利用者の出場を許可する場合、出場場所(駅)および出場人数などの出場情報を操作装置60で入力する。係員が出場を許可した出場情報が入力されると、プロセッサ51は、IDに対応づけて出場情報をサーバ21へ送信する。これにより、サーバ21は、係員端末12を操作する係員の判断で出場させた利用者に関する情報(出場情報)を記録する。
【0086】
また、プロセッサ51は、IDに対応する利用情報の利用人数によりも入場情報の入場人数が少ない場合に不足分の人数を表示装置58に表示した状態において、入場人数の修正(又は追加で入場を許可した人数を示す情報)の入力を受け付けるようにしても良い。ここで、入場情報の入場人数よりも多い人数の利用者の入場を許可する場合、係員は、操作装置60を用いて入場人数の修正情報を入力する。係員が入場を許可した入場人数の修正情報を入力すると、プロセッサ51は、IDに対応づけて入場人数の修正情報をサーバ21へ送信する。これにより、サーバ21は、入場情報における入場人数を係員端末12を操作する係員の判断で入場させた入場人数に更新(修正)する。
【0087】
また、プロセッサ51は、入場情報の入場人数によりも出場情報の出場人数が少ない場合に不足分の人数を表示装置58に表示した状態において、出場人数の修正の入力を受け付けるようにしても良い。ここで、係員が出場人数の修正情報を入力すると、プロセッサ51は、IDに対応づけて出場人数の修正情報をサーバ21へ送信する。これにより、サーバ21は、出場情報における出場人数を係員端末12を操作する係員の判断で出場させた出場人数に更新(修正)できる。
【0088】
次に、実施形態に係わる改札機11の第2の動作例について説明する。
図9は、本実施形態に係る改札機11の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
上述した第1の動作例は、1つのIDに対応するコード画像を提示する代表者が先頭となって利用可能な複数人が代表者に続いて通路を通過する運用を想定した動作例である。これに対して、第2の動作例は、代表者以外の利用者が通路を通過する間、代表者がコード画像をIDリーダ32の読取範囲に提示した状態のままとする運用を想定した動作例である。
【0089】
まず、改札機11のプロセッサ41は、接近センサ37により通路に接近する人物を検知すると、IDリーダ32をコード画像が読み取り可能な状態とする。この状態において、IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像を読み取る(ST50)。IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像を含む画像を撮像し、撮像した画像に含まれるコード画像を認識する。IDリーダ32は、利用者が提示するコード画像の認識結果としてのコード情報をプロセッサ41へ供給する。
【0090】
プロセッサ41は、IDリーダ32が読み取ったコード情報を取得すると、通信部45により通信器13を経由してサーバ21と通信し、コード情報に含まれるIDと当該改札機11の設置されている駅(又は改札口)を示す情報とをサーバ21へ送信する(ST51)。コード画像から読み取ったIDと駅を示す情報とを送信した後、プロセッサ41は、サーバ21からの応答を取得する(ST52)。
【0091】
サーバ21は、改札機11から取得したIDに対応する利用情報(乗車券情報)を特定し、当該利用情報に基づいて当該改札機11の通過の可否を判定する。サーバ21は、改札機11からのIDに対応する応答して通過の可否を示す情報を改札機11へ応答する。例えば、IDに対応する利用情報により有効区間内でない場合、有効期間内でない場合、あるいは、IDに対応する情報が存在しない場合、サーバ21は、当該IDを用いた改札機11の通過を不可と判定する。通過不可と判定した場合、サーバ21は、通過不可を示す情報をIDの送信元である改札機11へ送信する。
【0092】
通過を許可すると判定した場合、サーバ21は、当該IDに対応づけて通過(入場又は出場)情報として通過時刻および通過場所を記録し、当該IDに対応する利用情報における利用人数が複数人であるか否かを判断する。利用人数が複数人であれば、サーバ21は、利用可能な残りの人数を示すカウンタをセットする。また、既に利用可能な残りの人数を示すカウンタがセットされている場合、サーバ21は、カウンタの値が0であるか否かを判断する。
【0093】
利用人数が複数人でない場合、あるいは、利用可能な残りの人数を示すカウンタが0である場合、サーバ21は、通過許可を示す情報をIDの送信元である改札機11へ送信する。
また、利用人数が複数人で利用可能な残りの人数を示すカウンタが0でない場合、サーバ21は、通行許可を示す情報とともに、複数人(続けて通過する人物)の通行を許可することを示す情報を応答として送信する。
【0094】
サーバ21から通行を不可とする旨の応答を受けた場合(ST53、NO)、改札機11のプロセッサ41は、通過不可である旨の案内を表示器33に表示するとともに、ドア34を閉鎖する。これにより、プロセッサ41は、当該改札機11が形成する通路を利用者が通過することを阻止し、当該利用者に対する処理を終了する。
【0095】
また、サーバ21からの通行を許可する旨の応答を受信した場合(ST53、YES)、改札機11のプロセッサ41は、サーバ21からの応答に基づいて当該IDで複数人の通過を許可するか否かを判定する(ST54)。
複数人の通過を許可するものではない場合(ST54、NO)、プロセッサ41は、当該利用者本人を通過させるように通行制御を行う(ST55)。例えば、プロセッサ41は、表示器33に通行を許可する旨の案内を表示し、ドア34を開放することにより、1人の利用者を通過させる。また、プロセッサ41は、当該利用者が通過したことをサーバ21へ通知する(ST58)。
【0096】
複数人の通過を許可する場合(ST54、YES)、プロセッサ41は、利用可能な人数を報知する(ST55)。例えば、プロセッサ41は、表示器33に通行可能な人数を表示する。また、プロセッサ41は、図示しないスピーカなどから音声で通行可能な人数を報知するようにしても良い。
【0097】
利用可能な人数を報知すると、プロセッサ41は、ドア34を開放して利用者が通路をできる状態とし(ST56)、人間検知センサ38の検知結果に基づいて個々の利用者の通過を検出する(ST57)。利用者が通過したことを検出した場合(ST57、YES)、プロセッサ41は、ST50へ戻り、再度のコード画像の読取を行う。
【0098】
複数人利用の代表者が読取範囲にコード画像を提示し続けていれば、IDリーダ32は、再度同じコード画像を読み取り、コード画像の読取結果をプロセッサ41へ通知する。プロセッサ41は、IDリーダ32が読み取ったコード情報を取得すると、ST51以降の処理を再度実行する。
【0099】
また、サーバ21は、同一のIDを同一の改札機から連続して受信するごとに、当該IDに対応づけたカウンタをデクリメントすることにより残りの利用可能な人数を示すカウンタの値を更新する。これにより、サーバ21は、利用人数が複数人のIDについては改札機で利用者が通行するごとに残りの利用可能な人数を示すカウンタを更新することができ、当該IDで通行した人数を管理することができる。
【0100】
なお、改札機11のプロセッサ41は、利用者が通過した検知した場合に利用者が通過したことをサーバ21へ通知するようにしても良い。この場合、サーバ21は、改札機11からの通知に応じて当該IDに対応づけたカウンタをデクリメントするようにしても良い。
【0101】
上述の処理によって、改札機11のプロセッサ41は、サーバ21で管理する当該IDに対応するカウンタが0になるまで(IDに対応してサーバ21が管理する利用可能な残り人数がいる限り)、上述したST50-58の処理を繰り返し実行する。この結果、改札機11は、代表者がコード画像を提示している間、コード画像が示すIDに対応づけた利用人数の利用者を通過させることが可能となる。例えば、プロセッサ41は、人間検知センサ36の検知結果から特定した通路を通過した人数が利用人数を超えた場合に、改札機11のドアを閉鎖する制御を行う。
【0102】
また、プロセッサ41は、次の利用者が通行することを検出できない間(ST57、NO)、経過時間を計時する。プロセッサ41は、利用者の通行を検出できない状態での経過時間が所定期間を超えたか否かによりタイムアウトであるか否かを判断する(ST59)。タイムアウトでなければ(ST59、NO)、プロセッサ41は、利用者の通行の検出を継続して実施する。タイムアウトとした場合(ST59、YES)、プロセッサ41は、通行結果としてタイムアウトしたことを示す情報をサーバ21へ送信し(ST58)、一連の改札処理を終了する。
【0103】
サーバ21は、タイムアウトしたことを示す情報を受けた場合、当該IDに対応するカウンタの値から実際に通行した人数を特定し、実際に通行した人数を入場情報又は出場情報として記録する。これにより、サーバ21は、入場情報又は出場情報として実際に通過した人数を管理することができる。
【0104】
以上のような第2の動作例では、改札機は、提示されたコード画像を示すコード情報に含まるIDをサーバへ送信し、サーバからIDに対応する利用情報による通行可否の判定結果を取得する。サーバは、改札機から受信したIDに対応する利用情報の利用人数が複数人である場合、同一IDで連続して通行を許可した人数をカウントし、利用人数分の通行を許可する。改札機は、サーバからの通行許可に応じて利用者が通過するごとに、コード画像を再度読み取って当該IDをサーバへ送信する。これにより、改札機11は、コード画像が提示されている間、当該コード画像が示すIDに対応して登録された利用人数分の利用者の通行を許可する。
【0105】
これにより、複数人からなるグループが改札機を利用する場合、複数人からなるグループ(例えば家族)の全員が通過する間、代表者が改札機にコード画像を提示しておくことで、代表者以外の人物は、個別にコード画像などを提示することなく改札機を通過できる、この結果、代表者に続いて通過する子供や高齢者などの利用者がコード画像を表示するための携帯端末などを持たなくても改札機をスムーズに通過できる。
【0106】
また、第2の動作例では、代表者がコード画像を提示している間、利用人数分の通過が許可されるため、グループメンバを不連続で通過させることも可能となる。また、グループメンバ以外の他者が割り込んできた場合には、代表者がコード画像を読取範囲から外すことで、他者の通過を阻止することも可能となる。
【0107】
次に、第2の動作例に変形例について説明する。
上述した第2の動作例では、利用人数が複数人であっても利用情報に対応する1つのIDを含む情報をコード化した1つのコード画像を代表者が提示するものとしたが、第2の動作例の変形例(B方式)では、代表者が提示するコード画像が利用人数分発行されるようにする。
【0108】
第2の動作例の変形例では、サーバ21は、利用情報に対応する1つのIDに紐づけて利用人数分のコード画像が示す情報を管理する。例えば、サーバ21は、利用情報に対応する1つのID(例えば、代表者ID)に紐づけた利用人数分の利用IDを発行し、利用IDを含む情報をコード化した利用人数分のコード画像を生成し、利用人数分のコード画像を代表者へ提供するようにすれば良い。
【0109】
このような第2の動作例の変形例は、
図9に示す処理と同様な流れの処理で実現できる。例えば、改札機11は、ST50でコード画像から利用IDを読み取り、サーバ21へ利用IDを送信し、サーバ21は、改札機11から受信する利用IDに紐づいた利用情報に対応する1つのIDを特定するようにすれば良い。これにより、
図9と同様な処理が実現できる。
【0110】
このような第2の動作例の変形例によっても、代表者が改札機にコード画像を提示することで、個別にコード画像などを提示しなくても代表者以外の人物を通過させることができ、円滑な複数人対応の入出場処理を実現できる。また、第2の動作例の変形例では、代表者が携帯端末に表示させる利用人数分のコード画像を順次提示することで利用人数分の通過が許可されるため、グループメンバを不連続で通過させることが可能となり、グループメンバ以外の他者が割り込むことを防止することも容易となる。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載したものを明確にした内容を付記する。
[1]
IDに対応づけた利用情報を保持するサーバと通信する通信部と、
携帯端末からIDを読み取るIDリーダと、
前記通信部を介して前記IDリーダが読み取ったIDを前記サーバへ送信し、前記サーバから前記IDに対応する利用情報によって利用可能となる利用人数を示す情報を取得し、前記利用人数以下の人物が通路を通過することを許可するプロセッサと、
を有する改札機。
[2]
前記IDリーダは、前記携帯端末が表示するコード画像が示すIDを含むコード情報を読み取るコードリーダである、
[1]に記載の改札機。
[3]
前記プロセッサは、前記IDリーダが前記携帯端末からIDを読み取った後に連続して利用人数の人物が前記通路を通行することを許可する、
[1]又は[2]の何れか1つに記載の改札機。
[4]
前記サーバから取得した利用人数をセットしたカウンタを有し、
前記プロセッサは、前記IDリーダが前記携帯端末からIDを読み取った後に前記通路を人物が通過するごとに前記カウンタの値を減算し、前記カウンタの値が0になるまで前記通路を人物が通過することを許可する、
[3]に記載の改札機。
[5]
さらに、前記カウンタが示す利用可能な残りの人数を示す情報を報知する報知部を有する、
[4]に記載の改札機。
[6]
前記プロセッサは、前記サーバから取得した利用人数が複数である場合、前記通路を人物が通過するごとに前記IDリーダが前記携帯端末からIDを再度読み取って当該IDを前記サーバへ送信し、前記サーバから残りの利用可能な利用人数を示す情報を取得する、
[1]に記載の改札機。
[7]
さらに、前記サーバから利用人数を示す情報を取得するごとに前記利用人数を示す情報を報知する報知部を有する、
[6]に記載の改札機。
【符号の説明】
【0112】
1…改札システム、11…改札機、12…係員端末、21…サーバ、32…IDリーダ(コードリーダ)、33…表示器、41…プロセッサ、43…RAM(カウンタ)、45…通信部。