(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】フローティング映像ディスプレイ装置及びこれを含む車両用ディスプレイモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 30/56 20200101AFI20240722BHJP
B60K 35/21 20240101ALI20240722BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G02B30/56
B60K35/21
G09F9/00 358
(21)【出願番号】P 2020158955
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0060044
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】512139102
【氏名又は名称】ユニバーシティ-インダストリー コーオペレイション グループ オブ キョンヒ ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY-INDUSTRY COOPERATION GROUP OF KYUNG HEE UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジャイ、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ミン、スン、ウク
(72)【発明者】
【氏名】チェ、スン、ウォン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-105966(JP,A)
【文献】特開2014-145936(JP,A)
【文献】特開2011-081296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0293368(US,A1)
【文献】特開2011-242729(JP,A)
【文献】特表2002-517779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00 - 30/60
B60K 35/00 - 35/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面方向に延び、映像を具現する光を発生させる光源と、
光源に平行な方向に延びるように配置され、光源から発生した光を屈折させる集光レンズと、
集光レンズと向き合う方向に配置され、集光レンズで屈折されて入射した光を反射させる反射板と、
互いに交差する方向に延びるミラーを含むとともに平面方向に延び、一面が反射板と向き合う方向に配置され、反射板で反射された光が一面に入射し、入射光がミラーで反射されて他面を通して放出されることにより、他面から離隔した位置にフローティング映像を具現する2面反射体と、を含
み、
集光レンズは、光源に平行な平面方向に延び、焦点軸が最外側端部より外側に位置する軸外(Off-axis)レンズであることを特徴とする、フローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項2】
光源は、2面反射体から離隔した位置にフローティング映像を具現する光を発生させるディスプレイパネルであることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項3】
集光レンズは、入射光を屈折させる複数のプリズムが同心状に配置されたフレネルレンズ(Fresnel Lens)の一部であることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項4】
集光レンズは反射板から離隔して向き合う方向に配置され、一側端部から他側端部に行くほど反射板に近くなる方向に傾くように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項5】
集光レンズの一側端部は集光レンズの焦点軸に最も近接した最外側端部であり、他側端部は集光レンズの焦点軸から最も離隔した最外側端部であることを特徴とする、請求項
4に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項6】
集光レンズは、集光レンズの他側端部が反射板から離隔するとともに集光レンズの他側端部で屈折された光が反射板で反射されて集光レンズの一側端部の外側に進行する条件を満たす角度で傾くことを特徴とする、請求項
4に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項7】
反射板は、互いに
傾斜し且つ離隔するように配置された集光レンズ及び2面反射体側に同時に向かうように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項8】
反射板は、2面反射体に入射した光が反射されることによってゴースト像が発生するゴースト像
視認領域に基づいて
ゴースト像が視認されないような角度で2面反射体に対して傾くように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項9】
2面反射体は、延びる平面方向に沿ってミラーが配列された上板及び下板から構成され、上板のミラーと下板のミラーは互いに交差する方向に延びることを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項10】
2面反射体は、ミラーが互いに直角に交差する方向に延び、反射板で反射された光が互いに交差するように延びるそれぞれのミラーに斜めに入射することを特徴とする、請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のフローティング映像ディスプレイ装置を含む車両用ディスプレイモジュールであって、
2面反射体が延びる平面上に延びる室内構造物をさらに含み、
室内構造物は、車両ダッシュボード又は操作パネルであり、
フローティング映像は室内構造物の上方に又は搭乗者側に形成されることを特徴とする車両用ディスプレイモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティング映像ディスプレイ装置及びこれを含む車両用ディスプレイモジュールに関するもので、厚さが縮小するとともにディスプレイ品質が向上したフローティング映像(FLOATING IMAGE)を表示する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のマルチメディアコンテンツ(multimedia contents)は先端テクノロジーと結合して多様な方式で表現され、新しいシステムが構成されている。第4次産業革命時代と呼ばれる、バーチャルリアリティ(Virtual Reality;VR)、拡張現実(Augmented Reality;AR)に引き続く混合現実(Mixed Reality;MR)の登場による実感型コンテンツがより注目されている。
【0003】
このために、ディスプレイパネルで表示される映像を空中に浮揚させる方法としては、2面反射体(Dihedral Reflector Array)を用いた透過型方式と、再帰反射体(Retro Reflector)を用いた反射型方式とが用いられている。
【0004】
再帰反射体方式の場合、映像の浮揚高の限界及びビームスプリッターの使用による明るさ低下の問題などの限界があり、システムの構成が単純な2面反射体方式がより高い関心を引いている。
【0005】
ただ、2面反射体を用いた透過型方式による場合、映像の浮揚高を調節するためには、システムの体積が増大しなければならなく、不必要なゴースト像(Ghost Image)が発生する問題を解決しなければならない。
【0006】
前記背景技術として説明した前記事項は本発明の背景に対する理解増進のためのものであるだけで、当該技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に相当するものと認めることとして受け入れてはいけないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許登録第10-1532327B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたもので、レンズ及びミラーをさらに含んでディスプレイ装置の厚さを縮小した状態で浮揚高を増加させ、ゴースト像を除去したフローティング映像ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための本発明によるフローティング映像ディスプレイ装置は、平面方向に延び、映像を具現する光を発生させる光源と、光源に平行な方向に延びるように配置され、光源から発生した光を屈折させる集光レンズと、集光レンズと向き合う方向に配置され、集光レンズで屈折されて入射した光を反射させる反射板と、互いに交差する方向に延びるミラーを含むとともに平面方向に延び、一面が反射板と向き合う方向に配置され、反射板で反射された光が一面に入射し、入射光がミラーで反射されて他面を通して放出されることにより、他面から離隔した位置にフローティング映像を具現する2面反射体と、を含む。
【0010】
光源は、2面反射体から離隔した位置にフローティング映像を具現する光を発生させるディスプレイパネルであってもよい。
【0011】
集光レンズは、光源に平行な平面方向に延び、焦点軸が最外側端部より外側に位置する軸外(Off-axis)レンズであってもよい。
【0012】
集光レンズは、入射光を屈折させる複数のプリズムが同心状に配置されたフレネルレンズ(Fresnel Lens)の一部であってもよい。
【0013】
集光レンズは反射板から離隔して向き合う方向に配置され、一側端部から他側端部に行くほど反射板に近くなる方向に傾くように配置されることができる。
【0014】
集光レンズの一側端部は集光レンズの焦点軸に最も近接した最外側端部であってもよく、他側端部は集光レンズの焦点軸から最も離隔した最外側端部であってもよい。
【0015】
集光レンズは、集光レンズの他側端部が反射板から離隔するとともに集光レンズの他側端部で屈折された光が反射板で反射されて集光レンズの一側端部の外側に進行する条件を満たす角度で傾くことができる。
【0016】
反射板は、互いに平面方向に離隔するように配置された集光レンズ及び2面反射体側に同時に向かうように配置されることができる。
【0017】
反射板は、2面反射体に入射した光が反射されることによってゴースト像が発生するゴースト像視聴領域に基づいて既設定の角度で2面反射体に対して傾くように配置されることができる。
【0018】
反射板は、延びる平面の法線がゴースト像視聴領域の境界と並んで傾くように配置されることができる。
【0019】
2面反射体は、延びる平面方向に沿ってミラーが配列された上板及び下板から構成され、上板のミラーと下板のミラーは互いに交差する方向に延びることができる。
【0020】
2面反射体は、ミラーが互いに直角に交差する方向に延び、反射板で反射された光が互いに交差するように延びるそれぞれのミラーに斜めに入射することができる。
【0021】
前記目的を達成するための本発明によるフローティング映像ディスプレイ装置を含む車両用ディスプレイモジュールは、2面反射体が延びる平面上に延びる室内構造物をさらに含み、室内構造物は、車両ダッシュボード又は操作パネルであり、フローティング映像は室内構造物の上方に又は搭乗者側に形成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のフローティング映像ディスプレイ装置及びこれを含む車両用ディスプレイモジュールによれば、集光レンズ及び反射板を用いて光源の光を2面反射体に入射させることにより、従来技術に比べ、フローティング映像の浮揚高に対称になる装置の体積を縮小させることができる効果を有する。
【0023】
また、2面反射体の内部で奇数回反射されることによって発生するゴースト像(Ghost Image)を除去することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置の構成図である。
【
図2】本発明の一実施例による光源と集光レンズとの間の関係を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例による集光レンズを示す図である。
【
図4】本発明の一実施例による光源及び集光レンズが反射板に対して傾くように配置された関係を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例及び他の実施例による反射板と2面反射体の配置を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例による2面反射体の構造を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置を含む車両用ディスプレイモジュールを示す図である。
【
図8】本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置を含む車両用ディスプレイモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施例についての特定の構造的又は機能的説明は単に本発明による実施例を説明するための目的で例示したもので、本発明による実施例は多様な形態に実施されることができ、本明細書又は出願で説明した実施例に限定されるものと解釈されてはいけない。
【0026】
本発明による実施例は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、本明細書又は出願に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されなければならない。
【0027】
第1及び/又は第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使われることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで、例えば本発明の概念による権利範囲から逸脱しない範囲内で第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも名付けることができる。
【0028】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されている”とか“接続されている”とかと言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかあるいは接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”とか“直接接続されている”とかと言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならないであろう。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち“~の間に”と“すぐ~の間に”又は“~に隣り合う”と“~に直接隣り合う”なども同様に解釈されなければならない。
【0029】
本明細書で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用したもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”又は“有する”などの用語は開示した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指示しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0030】
他に定義しない限り、技術的な又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味である。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味と解釈されなければならなく、本明細書で明白に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0031】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明することによって本発明を詳細に説明する。各図に提示した同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0032】
図1は本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置の構成図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置は、平面方向に延び、映像を具現する光を発生させる光源10、光源10に平行な方向に延びるように配置され、光源10から発生した光を屈折させる集光レンズ20、集光レンズ20と向き合う方向に配置され、集光レンズ20で屈折されて入射した光を反射させる反射板30、及び互いに交差する方向に延びるミラーを含み、平面方向に延び、一面が反射板30と向き合う方向に配置され、反射板30で反射された光が一面に入射し、入射光がミラーで反射されて他面を通して放出されることにより、他面から離隔した位置にフローティング映像を具現する2面反射体40を含む。
【0034】
光源10は電力を受け、映像を具現する光を発生させる装置であり、一実施例として、ディスプレイパネルであり得る。光源10はフローティング映像が平面方向に延びるように平面方向に延びる形状であり得る。
【0035】
集光レンズ20は光源10に平行な方向に延びるように配置され、光源10から一定距離だけ離隔することができる。集光レンズ20は、光源10から発生した光を集中させる方向に屈折させることができる。
【0036】
後述するように、集光レンズ20は光を焦点に集中させる凸レンズ、又はフレネルレンズ(Fresnel Lens)であり得る。
【0037】
反射板30は光を反射させるミラー(Mirror)であり得、反射面が集光レンズ20に向かうように配置され、反射面に入射した光を2面反射体40側に反射させることができる。
【0038】
2面反射体40は集光レンズ20とともに反射板30に向かうように配置されることができる。
【0039】
2面反射体40は光が透過する素材(例えば、ガラスなど)から形成され、内部に互いに交差する方向に延びるミラーを含むことができる。2面反射体40の一面に入射した光は2面反射体40の他面を通して放出されることができる。
【0040】
2面反射体40は互いに交差する方向に延びるミラーによって分割され、DCRA(Dihedral Corner Reflector Array)構造を有するように形成されることができる。
【0041】
2面反射体40に入射する光は2面反射体40の互いに交差する方向に延びるミラーに入射角による反射角で反射され、一点から多様な角度で進行した光が2面反射体40を通過しながら対称位置の一点に集まって像を形成することができる。
【0042】
特に、2面反射体40に入射する光は互いに交差する方向に延びるミラーでそれぞれ反射され、偶数回反射されて通過する場合は像を形成することができ、奇数回反射される場合は不必要なゴースト像(Ghost Image)を形成することができる。
【0043】
本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置は、集光レンズ20及び反射板30を用いて光源10の光を2面反射体40に入射させることにより、従来技術に比べてフローティング映像の浮揚高に対称となる装置の体積を縮小させることができる効果を有する。
【0044】
光源10は、2面反射体40から離隔した位置にフローティング映像を具現する光を発生させるディスプレイパネルであり得る。
【0045】
ここで、ディスプレイパネルとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、VDT(Video Display Terminal)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)など、映像を具現する多様なパネルを用いることができる。
【0046】
図2は本発明の一実施例による光源10と集光レンズ20との間の関係を示す図、
図3は本発明の一実施例による集光レンズ20を示す図、
図4は本発明の一実施例による光源10及び集光レンズ20が反射板30に対して傾くように配置された関係を示す図である。
【0047】
図2~
図4をさらに参照すると、本発明の一実施例による集光レンズ20は、光源10に平行な平面方向に延び、焦点軸が最外側端部より外側に位置する軸外(Off-axis)レンズであり得る。
【0048】
図2に示すように、集光レンズ20は平行に入射した光を屈折させて焦点に集めるレンズであり得る。具体的に、集光レンズ20は、光源10の大きさに対応する凸レンズ又は後述するフレネルレンズの一部であり得る。一実施例として、集光レンズ20は光源10と同じ大きさを有し得る。
【0049】
また、集光レンズ20は凸レンズ又はフレネルレンズの最外殻(レンズ直径に相当する端部)から離隔した一部であり得る。これにより、映像の品質及びサイズを確保することができる。一実施例として、集光レンズ20は、最外側端部が凸レンズ又はフレネルレンズの最外殻からL=0.05Rだけ離隔した一部であり得る。
【0050】
特に、集光レンズ20は長方形又は正方形を有することができ、平行に入射した光の焦点に対する入射光に平行に延びる焦点軸が集光レンズ20の最外側端部より外側に位置することができる。
【0051】
具体的に、軸外角度は最小軸外角度と最大軸外角度との間に形成されることができる。最小軸外角度(θL)及び最大軸外角度(θU)は下記のとおりに決定することができる。
【0052】
【0053】
ここで、Rは凸レンズ又はフレネルレンズの半径、Fは集光レンズの焦点距離、Wは光源10の大きさ、Lは光源10の最外殻と凸レンズ又はフレネルレンズの最外側端部との間の距離であり得る。
【0054】
最小軸外角度(θL)が0より大きく形成されるように、集光レンズ20の焦点軸は集光レンズ20の最外側端部より外側に位置することができる(R-L>W)。
【0055】
また、2面反射体40と反射板30との間の離隔距離(T)は最大軸外角度(θU)によって下記の数式を満たすように設定することができる。
【0056】
【0057】
ここで、WUは最大軸外角度で屈折された光が集光レンズ20を外れるための距離である。
【0058】
集光レンズ20は、入射光を屈折させる複数のプリズムが同心状に配置されたフレネルレンズ(Fresnel Lens)の一部であり得る。
【0059】
一般的な凸レンズは体積が増大するとともに装着が困るという問題がある。このような問題を解決するために、複数のプリズムが同心状に配置されて薄板状に形成されたフレネルレンズを用いることができる。
【0060】
フレネルレンズは、レンズの中心に対して同心円である多数の帯を平面状に加工又は成形して製造することができる。
【0061】
集光レンズ20は反射板30から離隔して向き合う方向に配置され、一側端部から他側端部に行くほど反射板30に近くなる方向に傾くように配置されることができる。光源10は集光レンズ20に平行に配置され、集光レンズ20とともに傾くことができる。
【0062】
特に、集光レンズ20の一側端部は集光レンズ20の焦点軸に最も近接した最外側端部であり得、他側端部は集光レンズ20の焦点軸から最も離隔した最外側端部であり得る。
【0063】
すなわち、集光レンズ20は焦点軸に最も近接した一側端部から最も離隔した他側端部に行くほど反射板30に近くなるように傾くように配置されることができる。
【0064】
具体的に、集光レンズ20は、集光レンズ20の他側端部が反射板30から離隔する(1)とともに、集光レンズ20の他側端部で屈折された光が反射板30で反射されて集光レンズ20の一側端部の外側に進行する(2)条件を満たす角度で傾くことができる。
【0065】
集光レンズ20が反射板30に対して傾くことによる集光レンズ20と反射板30との間の角度(θtilt)は下記の条件を満たすように設定することができる。
【0066】
【0067】
具体的に、集光レンズ20が反射板30に対してθtiltだけ傾くことにより、最大軸外角度で屈折された光が集光レンズ20を外れるための距離(WU)、高さ(Ttilt)及び幅(Wtilt)は下記の通りである。
【0068】
【0069】
これにより、θtiltが約32度の状態で2面反射体40と反射板30との間の離隔距離(T)は最小になることができ、特に集光レンズ20を傾ける前に比べて半分水準に縮小することができる。
【0070】
ここで、反射板30の幅(M)は下記のように算出することができる。これはディスプレイの幅(W)の約1.24倍に設定することができる。
【0071】
【0072】
図5は本発明の一実施例及び他の実施例による反射板30と2面反射体40の配置を示す図である。
【0073】
一実施例として、反射板30は、互いに平面方向に離隔して配置された集光レンズ20及び2面反射体40側に同時に向かうように配置されることができる。
【0074】
すなわち、集光レンズ20と2面反射体40は同じ方向に位置し、反射板30は反射面が集光レンズ20及び2面反射体40に向かうように配置されることができる。
【0075】
特に、反射板30は2面反射体40が延びる方向に平行な方向に延びることができる。
【0076】
他の実施例として、反射板30は、2面反射体40に入射した光が反射されることによってゴースト像が発生するゴースト像視聴領域を考慮して決定された既設定の角度で2面反射体40に対して傾くように配置されることができる。
【0077】
2面反射体40を使う場合、視聴角度及び反射体とディスプレイの間の距離によって望まないゴースト像(Ghost Image)が発生する。ゴースト像の除去のために、2面反射体40でゴースト像が観察されるゴースト像視聴領域を確認し、これを避けてディスプレイを位置させればゴースト像を除去することができる。
【0078】
特に、後述する2面反射体40のミラーで奇数回反射される光によって発生するゴースト像を視聴することができるゴースト像視聴領域が発生し得る。正常のフローティング映像はゴースト像視聴領域に比べて広く形成されるから、ゴースト像視聴領域を避ければ、ゴースト像を除去することができる。
【0079】
一実施例として、光源10を2面反射体40のゴースト像視聴領域の外部に位置させることができる。
【0080】
他の実施例として、反射板30を2面反射体40に平行に配置せず、ゴースト像視聴領域を考慮して決定された既設定の角度(θG)で2面反射体40に対して傾くように配置されることができる。
【0081】
具体的に、反射板30は、延びる平面の法線がゴースト像視聴領域の境界と並んで傾くように配置されることができる。
【0082】
ゴースト像視聴領域は、境界が2面反射体40に垂直な方向に対して外側に既設定の角度(θG)だけ拡張することができる。反射板30は既設定の角度(θG)で2面反射体40に対して傾くように配置されるか、反射板30の法線がゴースト像視聴領域の境界と並んで傾くように配置されることができる。ここで、既設定の角度(θG)は約12度であり得る。
【0083】
これにより、反射板30の反射によって光源10又は集光レンズ20を観察することができないので、ゴースト像を除去する効果を有する。
【0084】
図6は本発明の一実施例による2面反射体40の構造を示す図である。
【0085】
図6をさらに参照すると、2面反射体40は、平面方向に沿ってミラーが配列された上板41及び下板42から構成され、上板41のミラーと下板42のミラーは互いに交差する方向に延びることができる。
【0086】
2面反射体40の上板41及び下板42はそれぞれ入射した光を透過させる透過性物質(Glass)とその間に延びる平面方向に配列されたミラーとを含むことができる。ミラーは、例えば1mmの間隔で離隔して配列されることができる。
【0087】
また、上板41のミラーと下板42のミラーは2面反射体40が延びる平面上で互いに交差する方向に延び、互いに交差する方向に配列されることができる。特に、上板41のミラーと下板42のミラーは互いに直角(90度)で交差することができる。
【0088】
他の実施例として、2面反射体40は単一のパネルに互いに交差する方向に延びるミラーが同時に形成されることもできる。
【0089】
2面反射体40は、ミラーが互いに直角で交差する方向に延び、反射板30で反射された光が互いに交差するように延びるそれぞれのミラーに斜めに入射することができる。
【0090】
すなわち、2面反射体40の一面に入射した光が互いに直角で交差する方向にそれぞれ延びるミラーで反射されて他面に放出されるために、2面反射体40に入射する光はそれぞれのミラーに斜めに入射することができる。
【0091】
また
図1を参照すると、本発明の一実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置において、反射板30は2面反射体40から離隔する(Gap G)とともに2面反射体40に平行な平面方向に対してθ
Mだけ傾くことができる。
【0092】
また、集光レンズ20及び光源10は反射板30に対してθDだけ傾くことができる。これにより、集光レンズ20及び光源10は2面反射体40に平行な平面方向に対してθD-θMだけ傾くことができる。
【0093】
これにより、反射板30と2面反射体40との間の最大離隔距離(Gap G)はフローティング映像の離隔距離(F)より約44%以上縮小することができる効果を有する。
【0094】
図7及び
図8は本発明の一実施例及び他の実施例によるフローティング映像ディスプレイ装置を含む車両用ディスプレイモジュールを示す図である。
【0095】
図7及び
図8をさらに参照すると、本発明の一実施例及び他の実施例による車両用ディスプレイモジュールは、2面反射体40が平面上に延びる室内構造物Sをさらに含む。室内構造物Sは、車両ダッシュボード又は操作パネルであり、フローティング映像は室内構造物Sの上方に又は搭乗者側に形成されることができる。
【0096】
ここで、室内構造物Sは車両のダッシュボード又はAVN(Audio Vedio Navigation)などを含む操作パネルであり得る。
【0097】
2面反射体40は室内構造物Sと並んで配置され、2面反射体40から室内構造物Sの上方に又は搭乗者側に離隔した状態でフローティング映像を形成することができる。
【0098】
一実施例として、2面反射体40を車両のダッシュボードに取り付けた場合、フローティング映像はダッシュボードの上方に位置して車両用秘書又はウエルカム映像などを表示することができる。
【0099】
他の実施例として、2面反射体40を搭乗者の前方に位置する操作パネルに位置させた場合、フローティング映像を搭乗者の前方に形成することができる。このような場合、車両情報を表示することができ、搭乗者のジェスチャー(Gesture)を認識することにより、AVN又は空調装置などを操作することができる。
【0100】
本発明を特定の実施例に基づいて図示して説明したが、以下の特許請求の範囲によって決定される本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で本発明が多様に改良及び変化されることができるというのは当該分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0101】
10 光源
20 集光レンズ
30 反射板
40 2面反射体