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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】取付コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/717 20060101AFI20240722BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20240722BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01R13/717
G02B6/00 331
H01R13/46 301B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020187060
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2021077642
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】A50959/2019
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】501016102
【氏名又は名称】ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ドプラー オリバー
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-067604(JP,A)
【文献】特開2018-041691(JP,A)
【文献】特開2010-267453(JP,A)
【文献】特開2007-080813(JP,A)
【文献】特開2000-058178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
H01R13/56-13/72
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相補的ケーブルコネクタ用の挿入口(2)を備えたハウジング(1)と、
ハウジング(1)に挿入された又はその中に形成されたコンタクト支持体(3)と、
コンタクト支持体(3)内に固定された電気的又は光学的コンタクト(4)と、
ハウジング(1)の前側に配置されたフロントパネル(9)と、を有する取付コネクタであって、
前記フロントパネル(9)は、
光散乱材料又は導光材料からなり、
外部光源(22)からの光に対する少なくとも1つの入射面(14)を有し、かつ、
周方向に延びる前方に隆起したウェブ(10)を有し、
前記ウェブ(10)は、挿入口(2)の外周の少なくとも一部に沿って延びて挿入口(2)の前端部と外側境界を形成し、
前記ハウジング(1)と前記フロントパネル(9)は、対応する組付けセクション(15、17)を有し、
前記組付けセクション(15、17)は、
挿入口(2)の軸心に対して半径方向に突出し、
少なくとも1つの組付け孔(16、18)を備える、
ことを特徴とする取付コネクタ。
【請求項2】
相補的ケーブルコネクタ用の円形の挿入口(2)を備えたハウジング(1)と、
ハウジング(1)に挿入された又はその中に形成されたコンタクト支持体(3)と、
コンタクト支持体(3)内に固定された電気的又は光学的コンタクト(4)と、
ハウジング(1)の前側に配置されたフロントパネル(9)と、を有する取付コネクタであって、
前記フロントパネル(9)は、
光散乱材料又は導光材料からなり、
プリント基板(13)に組み付けられた外部光源(22)からの光に対する少なくとも1つの入射面(14)を有し、かつ、
周方向に延びる前方に隆起したウェブ(10)を有し、
前記ウェブ(10)は、挿入口(2)の外周の少なくとも一部に沿って延びて挿入口(2)の前端部と外側境界を形成し、
前記入射面(14)の面法線は、前記挿入口(2)接線方向と平行であり
前記入射面(14)は、前記フロントパネル(9)の前面の近傍に配置され、
前記前面は、前記プリント基板(13)上に配置され、
前記ウェブ(10)の近傍と前記入射面(14)との間にセクション(20)が設けられ、
前記セクション(20)の断面は、前記ウェブ(10)の近傍から前記入射面(14)に向かって拡大している、
ことを特徴とする取付コネクタ。
【請求項3】
前記フロントパネル(9)は、無色の材料からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取付コネクタ。
【請求項4】
ケーブルプラグ用のロック機構のための切欠き部(19)が、前記ハウジング(1)内に形成され、
前記ロック機構は、ハウジング(1)から前方に突出するロック解除部材(11)を有し、
前記フロントパネル(9)は、ロック解除部材(11)が貫通するための切開部(12)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付コネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載の取付コネクタと、これと接続するプリント基板(13)とを含む取付コネクタ装置において、
光源(22)、その制御素子(23)及び電源が、前記プリント基板(13)上に設けられ、
少なくとも光源(22)は、入射面(14)に直接隣接して配置されていることを特徴とする取付コネクタ装置。
【請求項6】
前記光源(22)は、少なくとも2種類の色の光を放射するように構成されている、及び/又は、少なくとも2種類の色の光を制御可能であることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記光源の制御素子(23)は、前記装置の種々の状態を判定するための回路(28)と結合され、
前記制御素子(23)は、異なる色の光を放射することによって種々の状態が識別されるように設計されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光源(22)は、発光手段としてLED又はOLEDを有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相補的ケーブルコネクタ用の挿入口を備えたハウジングと、ハウジングに挿入された又はその中に形成されたコンタクト支持体と、コンタクト支持体内に固定された電気的又は光学的コンタクトと、ハウジングの前側に配置されたフロントパネルとを有する取付コネクタ、及びそのような取付コネクタと、それに接続されたプリント基板とを有する取付コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような取付コネクタは、取付ソケット又はシャーシソケットとも呼ばれ、コントロールパネル、スイッチキャビネット、又は機器ハウジングの壁にも組み込むために設けられており、家電業界で使用される標準プリント配線板若しくはプリント基板と接続するように設計されている。それらは極めて多種多様な仕様形態で、即ちコンタクトの種々異なる数と仕様、接地と接続の様々なバリエーションで、オスプラグ及びメスプラグとして利用できる。それらは電気エネルギー又はアナログデータ若しくはデジタルデータを送るための電気コネクタとして、及び光ファイバーや光ケーブル用の光コネクタとして使用される。
【0003】
ユーティリティラインから供給される光源を有するケーブルプラグが知られており、この光源はそれぞれ120度ずらした3つの窓を有する発光リングを照明する。さらに米国特許出願US6690804B2号では、個々の機器を異なる色によって素早く視覚的に区別するために、マイクとそのケーブルに制御可能なLEDが装備されているシステムが開示されている。エネルギー供給は、音声ミキシングシステムのファンタム電源を介して行われる。さらに、接続状態を表示するために、取付ソケット自体に組み込まれた複数のLED若しくは取り付けたLEDによって照明される単一の細いリングからなり挿入口を包囲するリムを備えたシャーシソケットも知られている。したがってここでも電源は、信号伝送の妨害のリスクを伴ってソケット自体に統合されている。
【0004】
中国特許出願CN208849186U号、オランダ特許出願NL1032887A1号、欧州特許出願EP2904982A1号、及び独国特許出願102010021587A1号は、光源と導光要素を含む様々な取付ソケット又は装着ソケットを示している。例えば中国特許出願CN208849186U号は、車両に取り付けるための充電プラグを開示している。このプラグは、組付け穴を付けたフランジと、このフランジを覆う環状の透明な領域を備えたカバープレートを有する。フランジには、透明なカバープレートの下に完全に包囲された導光要素が埋め込まれている。導光要素は、プリント基板に取り付けられた2つのLEDによって照明される。このために光は2つの互いに反対側の前面側若しくは端面側を介して入射される。車両の充電状態は色の変化によって表示できる。
【0005】
オランダ特許出願NL1032887A1号は、自動車トレーラー用の装着ソケットを開示している。ソケットは2つの組付け孔を有する。ディスク状のコンタクト支持体から細長いコンタクトが互いに平行に突出しており、導光材料からなるガイドシリンダーがコンタクトに押し被されている。さらに、同様に導光材料から作られた中空円筒形ソケットがあり、シリンダをコンタクトと共に環状に包囲して環状空隙を形成する。ガイドシリンダーとソケットは、それぞれ少なくとも1つのLEDによって別々に照明される。包囲するハウジングは、閉じた状態で挿入口全体を覆うばね仕掛けのキャップを有しており、挿入されたプラグを固定/ロックできるフォーク状の切欠き部を有しているが、この場合も挿入口の大部分は覆われている。
【0006】
欧州特許出願EP2904982A1号には、電気外科機器のためのソケットインサートが記載されている。本来のプラグソケット若しくはその挿入口の周りには透光性フレームが設けられており、これは例えば動作状態インジケータとして使用することができる。その場合、光は光源から光ガイドとして形成されたプラグインハウジングを通して透光性フレームに入射される。光源は、好ましくは発光ダイオードによるバックライト用基板によって機器ハウジング内に形成される。ケーブルプラグ用の解除可能なロック手段が存在している。
【0007】
最後に、独国特許出願DE102010021587A1号は、フランジ状のリムを備えたロック機能を備えたハウジングを有する電気自動車用の多極充電ソケットを開示している。ハウジングの部分は、透光性の、場合によっては有色の材料からなることもでき、光源はハウジング内に配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、先行技術の問題点を克服し、取付コネクタ若しくはそのようなコネクタを有する装置を提供することであり、これらは特に暗い周囲環境において、容易に、常時、可能な限り妨げられずに認識可能な状態表示を有しており、有効信号の妨害又は影響のリスクがなく、単純な構造のために大きな労力をかけずに製造でき、好ましくは同様の構造を有する既存の取付コネクタに後付けすることも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、特許請求の範囲に係る装置によって解決される。
【0010】
本発明による装置は、フロントパネルが光散乱材料又は導光材料からなり、外部光源からの光に対する少なくとも1つの入射面を有し、周方向に延びる前方に隆起したウェブを有しており、ウェブは挿入口外周の少なくとも一部に沿って延びて挿入口の前端部と外側境界を形成する。これにより入射した光の最適な供給と分配が確保され、フロントパネルの可視部の最適な視認性が常時保証されているが、光源、その電源及び制御素子は、取付コネクタ自体及びその有効なコンタクトから分離されているため、照明装置によって有効信号が影響を受けるリスクは最小化されている。
【0011】
好ましくは、フロントパネルは、無色の材料からなる。これにより、1つのフロントパネルだけで、異なる色の光源を使用することによって、異なる色や変化する色も表示することができる。
【0012】
本発明のシャーシコネクタの好適な実施形態は、機器、コントロールパネル又は同種のものの壁の後ろに取り付けることを可能にするために、ハウジングとフロントパネルは、挿入口の軸心に対して半径方向に突出して、少なくとも1つの組付け孔を備えた、対応する組付けセクションを有するようにされている。
【0013】
この種類の取付コネクタにおいて、好ましくは、入射面はフロントパネルの少なくとも1つの組付けセクションに配置されている。これにより、その都度使用される光源の入射に対して、入射面を非常に自由で最適に形成することが可能である。
【0014】
さらに、好適な変形例は、入射面が半径方向に向けられており、好ましくは断面組付けセクションの断面が入射面に向かって拡大するように設けられている。これにより、フロントパネルに隣接して配置された光源の簡単な入射と、入射した光をフロントパネルの必ず照明される部分の断面に集中させる最適な導光が可能になる。
【0015】
本発明の別の任意選択の実施形態は、ハウジング内にケーブルプラグ用のロック機構のための切欠き部が形成されており、ロック機構はハウジングから前方に突出するロック解除部材を有しており、フロントパネルはロック解除部材が貫通するための切開部を有するようになっている。
【0016】
最初に述べた課題の解決は、先行段落のいずれか1つによる取付コネクタと、それに接続されたプリント基板とを含む取付コネクタ配置によっても可能である。この配置はさらに、プリント基板上に光源と、その制御素子と、電源とが設けられており、少なくとも光源は入射面に直接隣接して配置されている。これにより光源は有効なコンタクトから電位的に分離されたままであり、信号伝送に影響を与えることができない。
【0017】
個々のソケットを区別し及び/又はそれぞれの接続状態を表示するために、光源が少なくとも2種類の色の光を放射するように設計されているか若しくは制御可能であることが好ましい。
【0018】
本発明の代替実施形態は、光源の制御素子が、上記装置の種々の状態を確認するための回路と結合されており、制御素子は、種々の状態が異なる色を放射することによって識別されるように設計されている。
【0019】
光源が発光手段としてLED又はOLEDを有することが好ましい。
【0020】
本発明を理解しやすくするために以下の図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図は、それぞれ著しく簡略化された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】RJ45ソケットシャーシの形態の取付コネクタ装置の前面から見た斜視図である。
図2】コンタクトを挿入した図1の装置の取付コネクタのハウジングを前面から見た斜視図である。
図3図1の装置の取付コネクタの、本発明にしたがって設計されたフロントパネルを前面から見た斜視図である。
図4図1の装置の取付コネクタの、本発明にしたがって設計されたフロントパネルを背面から見た斜視図である。
図5】機器又は同種のものの壁内に挿入された図1の取付コネクタ装置の縦断面図である。
図6図1の取付コネクタ装置のためのプリント基板の上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初に確認しておくと、記載された種々の実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に準用され得る。説明において選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明及び表示された図を基準としており、位置が変化した場合には新しい位置に準用されるものとする。
【0024】
以下に本発明を、データ伝送用のRJ45ソケットの形態で設計された、図1にその全体が示されている電気的取付コネクタに基づいて説明する。しかしすべてのタイプの電源プラグ及びデータプラグを本発明による特徴に従って、例えばXLR規格に従いオス仕様又はメス仕様などで設計することができる。本発明によれば、光学的取付コネクタも実質的に同様に構成することができる。
【0025】
相補的ケーブルコネクタに対する挿入口2を備えたハウジング1に、コンタクト支持体3が挿入されている。コンタクト支持体3内に固定されたコンタクト4は、ハウジング1の背面から突出している。ハウジング1は、図2によりはっきり見られるように、2つの同心円状に配置されたハウジング部分、即ち外側ハウジング部分5と内側ハウジング部分6とから構成されていて、これらは環状ギャップ7によって隔てられており、この環状ギャップ7は、相補的ケーブルコネクタのソケット状プラグ延長部に対する環状挿入口を形成する。環状底部8は、挿入口2とは反対側のハウジング1の端部で両ハウジング部分5、6を互いに接続している。コンタクト支持体3は、好ましくはハウジング1の同体部分又はセクションであり得るが、別個の部品として設計されてハウジング1の対応する受容部に挿入されてもよい。本実施形態では、この受容部はコンタクト支持体3が挿入されている内側ハウジング部分6である。この種類の構造ではハウジング1は通常金属で作られており、コンタクト支持体3は絶縁材料、好ましくはプラスチックから作られている。プラスチックハウジングの場合、コンタクト支持体3は、好ましくはハウジング1と一体的にその中央部分として設けられている。
【0026】
ハウジング1の前側にはフロントパネル9が配置され、コンタクト支持体3の前部を取り囲んでいる。好ましくはハウジング1の前側に載り、及び/又はカバーの少なくとも実質的な部分を覆うフロントパネル9は、周方向に延びる前方に隆起したウェブ10を有しており、ウェブ10は挿入口2の外周の少なくとも一部、好ましくは大部分に沿って延び、その際に、挿入口2の前端部と外側境界を形成する。
【0027】
図1に示された取付コネクタ装置は、さらになお挿入された相補的プラグコネクタのロック機構を有し、プラグコネクタが意図せず抜き取られ、それによってプラグ接続が解消されるのを防止する。この機構は接続の意図されたロック解除のためにロック解除部材11を有しており、これはハウジング1内の切欠き部19又はフロントパネル9の切欠き部、特に挿入口2の外側でウェブ10の切開部12を通って前方に突出している。しかしロック解除部材11は挿入口の環状ギャップ7、及びそれに包囲された挿入口とコンタクト支持体3の領域を覆っていないので、フロントパネル9又は少なくともそのウェブ10は常時見えるようになっている。
【0028】
最後に、図1にここでは水平に配置されプリント配線板若しくはプリント基板13が示されており、ハウジング1及びコンタクト4は角度の付いたエンドピースを備えている。
【0029】
図3図4に個別に示されたフロントパネルは、光散乱材料又は導光材料から作られている。フロントパネルは外部光源22からの光に対する少なくとも一つの入射面14を有する。プリント基板を水平に取り付ける場合は、好ましくはハウジング1の両側に2つの入射面14がプリント基板13に直接隣接して存在している。本発明の場合は、これらの入射面14は接線方向に向けられており、入射面14の面法線は挿入口2に対して接線方向に延びている。入射面14を半径方向に配置することも、光をフロントパネル9に入射させるには非常に実用的であり、フロントパネル9自体は好ましくは任意の色の光源22で使用するために無色の材料から作られている。入射面14の向きの他の変形例も可能である。したがって例えばハウジング1の背面に垂直に取り付けたプリント基板13の光源22から光を供給するために、入射面14は後方に向けられて、好ましくは取付コネクタの長手方向軸心に対して垂直な平面上にあることができる。
【0030】
本発明の取付コネクタは、機器又はスイッチキャビネット、コントロールパネル又は同種のものに取り付けるために設けられているので、少なくともハウジング1は外周に沿って組付けセクション15を有しており、それらの中には組付け孔16が形成されていて、装置を機器又はコントロールパネル又は同種のものの壁21に固定できるようになっている(これは図5の縦断面図に例示されている)。
【0031】
図5には、コントロールパネルル、スイッチキャビネットの壁の後ろ、又は機器ハウジングの壁の背面にも取り付けるように設計された、取付コネクタの好適な実施形態が示されている。この場合、フロントパネル9はそれぞれの壁の背面に当接しており、ウェブ10の高さは、好ましくは少なくともコントロールパネル、スイッチキャビネット又は装置ハウジングの壁の外側の高さで終端するか、又はさらに壁の外側をわずかに超えることが好ましい。前部カバープレート若しくはフランジが存在する場合は、ウェブ10の高さは少なくともカバープレート若しくはフランジの外側の高さで終端するか、又はさらにそれらの前面をわずかに超えることが好ましい。カバープレート若しくはフランジは、好ましくは切欠き部19と同一面上の切欠き部を有し、これらの切欠き部をロック解除部材11が貫通していることが好適である。
【0032】
本発明の取付コネクタは、前方から取り付けるように設計することも可能であるが、その場合は好ましくは同様に前部カバープレート若しくはフランジが設けられている。フロントパネル9、ウェブ10及び他の構成要素を構成するために、先行段落で説明したのと同じ特徴が想定されている。
【0033】
好ましくはフロントパネル9にも対応する箇所に、組付け孔18を備えた組付けセクション17が存在する。ここでは特に入射面14をフロントパネル9の組付けセクション17の少なくとも1つに配置することが好ましい。特に図5に明確に見られるように、好ましくはフロントパネル9、即ち照明されて表示される領域と、入射面14との間に、入射面14の断面を拡大するセクション20が設けられている。セクション20は、くさび形、ピラミッド形、円錐形、又は同様の方法で形成することができる。
【0034】
ハウジング1に面するフロントパネル9の裏側には、好ましくはピン26が配置され、ハウジング1の長手方向軸心に対して平行にハウジング1に向かって垂直に突出している。フロントパネル9をハウジング1に当接するように被せたときに、ピンはハウジング1、好ましくは外側ハウジング部分5の外側の孔27に突入係合して、ハウジング1とフロントパネル9が互いに対して正しく位置決めされるようにする。さらにこれらの両構成部材は、取扱いのために、特に機器、コントロールパネル、コントロールキャビネット又は同種のものに取り付けるために結合されており、共通部分として取り扱うことができ、これが取付を大幅に簡素化する。
【0035】
入射面14を通してフロントパネル9に入射される光の光源22は、好ましくはプリント配線板若しくはプリント基板13に組み付けられている。この場合、本来の発光手段、好ましくはLED又はOLEDは、入射面14に直接隣接していることが好ましい。光源の制御素子23と電源も、いずれもケーブル又はプリント配線24を介してプリント基板13上にあり、そのためコンタクトから電位的に分離されたままである。プリント基板13がない取付コネクタに対しては、別の種類の光源22の配置、例えば有線光源22、好ましくはLED又はOLEDの「フライング」配置も可能である。
【0036】
光源22は、好ましくは少なくとも2種類の色の光を放射するように構成されている又は制御可能であり、このために例えば異なる色の複数の発行手段を使用することができる。光源22の制御素子23は、場合によっては取付コネクタ装置の種々の状態を確認するための回路28と結合されており、種々の状態が異なる色によって表示されるように設計されている。コンタクト4のプリント基板13上の組付け箇所25も示されている。
【0037】
フロントパネル9は、寸法と形状の点で-互換性に不可欠ではない入射面14と断面が変化するセクション20を除いて-通常使用されるフロントパネルと同様に設計できるため、光源22とそれらの制御素子23を既存のプリント基板13に取り付けることと併せて、既存の取付コネクタに後付けすることも可能である。
【0038】
このようにして、既存の、変更された取付コネクタ配置に対しても、接続状態の視覚的識別又は光学的表示という本発明のすべての装置に共通している利点を達成することができる。さらに多くの色を使用して種々の診断メッセージを視覚化する可能性もある。
【0039】
以上の実施形態は可能な変形例を示すものであり、この箇所で注記すると、本発明は特別に記述された本発明の実施態様に制限されておらず、個々の実施態様を互いに種々組み合わせることが可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
本発明の態様の一部を以下記載する。
〔態様1〕
相補的ケーブルコネクタ用の挿入口(2)を備えたハウジング(1)と、
ハウジング(1)に挿入された又はその中に形成されたコンタクト支持体(3)と、
コンタクト支持体(3)内に固定された電気的又は光学的コンタクト(4)と、
ハウジング(1)の前側に配置されたフロントパネル(9)と、を有し、
前記フロントパネル(9)は、
光散乱材料又は導光材料からなり、
外部光源(22)からの光に対する少なくとも1つの入射面(14)を有し、かつ、
周方向に延びる前方に隆起したウェブ(10)を有し、
前記ウェブ(10)は、挿入口(2)の外周の少なくとも一部に沿って延びて挿入口(2)の前端部と外側境界を形成する、
ことを特徴とする取付コネクタ。
〔態様2〕
前記フロントパネル(9)は、無色の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の取付コネクタ。
〔態様3〕
前記ハウジング(1)と前記フロントパネル(9)は、対応する組付けセクション(15、17)を有し、
前記組付けセクション(15、17)は、
挿入口(2)の軸心に対して半径方向に突出し、
少なくとも1つの組付け孔(16、18)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取付コネクタ。
〔態様4〕
前記入射面(14)は、フロントパネル(9)の少なくとも1つの組付けセクション(17)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の取付コネクタ。
〔態様5〕
前記入射面(14)は、半径方向又は接線方向に向けられており、
好ましくは、断面組付けセクション(20)の断面は、入射面(14)に向かって拡大するように設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の取付コネクタ。
〔態様6〕
ケーブルプラグ用のロック機構のための切欠き部(19)が、前記ハウジング(1)内に形成され、
前記ロック機構は、ハウジング(1)から前方に突出するロック解除部材(11)を有し、
前記フロントパネル(9)は、ロック解除部材(11)が貫通するための切開部(12)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の取付コネクタ。
〔態様7〕
請求項1から6のいずれか一項に記載の取付コネクタと、これと接続するプリント基板(13)とを含む取付コネクタ装置において、
光源(22)、その制御素子(23)及び電源が、前記プリント基板(13)上に設けられ、
少なくとも光源(22)は、入射面(14)に直接隣接して配置されていることを特徴とする取付コネクタ装置。
〔態様8〕
前記光源(22)は、少なくとも2種類の色の光を放射するように構成されている、及び/又は、少なくとも2種類の色の光を制御可能であることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
〔態様9〕
前記光源の制御素子(23)は、前記装置の種々の状態を判定するための回路(28)と結合され、
前記制御素子(23)は、異なる色を放射することによって種々の状態が識別されるように設計されていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
〔態様10〕
前記光源(22)は、発光手段としてLED又はOLEDを有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の装置。
【符号の説明】
【0040】
1 ハウジング
2 挿入口
3 コンタクト支持体
4 コンタクト
5 外側ハウジング部分
6 内側ハウジング部分
7 環状ギャップ
8 底部
9 フロントパネル
10 ウェブ
11 ロック解除部材
12 切開部
13 プリント基板
14 入射面
15 組付けセクション
16 組付け孔
17 組付けセクション
18 組付け孔
19 切欠き部
20 断面が拡大するセクション
21 壁
22 光源
23 制御素子
24 プリント配線
25 コンタクト組付け箇所
26 ピン
27 孔
28 回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6