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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240722BHJP
   H01G 4/232 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/232 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020219239
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022104192
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】柚賀 春希
(72)【発明者】
【氏名】亀橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】小林 央始
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-048208(JP,A)
【文献】特開2019-083253(JP,A)
【文献】特開2011-014698(JP,A)
【文献】特開2014-011210(JP,A)
【文献】特開2019-091800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 4/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状を呈しており、第一方向で互いに対向している一対の端面と、第二方向で互いに対向している一対の第一側面と、第三方向で互いに対向している一対の第二側面と、を有する素体と、
前記第一方向での前記素体の両端部上にそれぞれ配置されている複数の外部電極と、
前記素体内に配置されていると共に、前記複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されている複数の内部電極と、を備え、
各前記外部電極は、
前記第二側面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる第一電極部と、
前記一対の第一側面上にそれぞれ配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる一対の第二電極部と、を有しており、
前記第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない前記内部電極とを前記第三方向から見たとき、前記第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない前記内部電極とは、互いに重なっておらず、
同じ前記第一側面上に位置している二つの前記導電性樹脂層において、一方の前記導電性樹脂層は、他方の前記導電性樹脂層に対向している端縁を有し、
前記複数の内部電極は、前記第二方向で互いに対向するように前記素体内で並んでおり、
前記複数の内部電極のうち、前記第二方向で最も外側に位置している最外内部電極は、当該最外内部電極が電気的に接続されている前記第二電極部と前記第二方向で隣り合っており、
前記最外内部電極が露出している前記端面を含む面を基準面として、前記最外内部電極の、前記基準面からの前記第一方向での長さは、前記基準面から、前記最外内部電極が電気的に接続されていると共に前記第二電極部が含んでいる前記導電性樹脂層の前記端縁までの前記第一方向での長さより大きく、かつ、前記基準面から、前記最外内部電極が電気的に接続されていないと共に前記第二電極部が含んでいる前記導電性樹脂層の前記端縁までの長さより小さく、
前記第二電極部と、前記複数の内部電極のうち、前記最外内部電極を除く内部電極であって、前記第二電極部と電気的に接続されていない内部電極と、を前記第二方向から見たとき、前記第二電極部と、前記第二電極部と電気的に接続されていない、前記最外内部電極を除く前記内部電極とは、互いに重なっている、電子部品。
【請求項2】
前記最外内部電極と同じ層に位置していると共に前記最外内部電極から離間しているダミー導体を更に備え、
前記ダミー導体は、当該ダミー導体と同じ層に位置している前記最外内部電極が電気的に接続されていない前記外部電極と電気的に接続されている、請求項に記載の電子部品。
【請求項3】
直方体形状を呈しており、第一方向で互いに対向している一対の端面と、第二方向で互いに対向している一対の第一側面と、第三方向で互いに対向している一対の第二側面と、を有する素体と、
前記第一方向での前記素体の両端部上にそれぞれ配置されている複数の外部電極と、
前記素体内に配置されていると共に、前記複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されている複数の内部電極と、
それぞれが前記一対の第一側面のうち対応する第一側面と前記第二方向で隣り合う一対のダミー導体と、備え、
各前記外部電極は、
前記第二側面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる第一電極部と、
前記一対の第一側面上にそれぞれ配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる一対の第二電極部と、を有しており、
前記第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない前記内部電極とを前記第三方向から見たとき、前記第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない前記内部電極とは、互いに重なっておらず、
前記複数の内部電極は、前記第二方向で互いに対向するように前記素体内で並んでおり、
各前記ダミー導体は、当該ダミー導体と前記第二方向で隣り合う前記内部電極が電気的に接続されていないと共に前記第二電極部が含んでいる前記導電性樹脂層に前記第二方向で対向しており、
前記第二電極部と、前記複数の内部電極のうち、前記第二電極部と電気的に接続されていない内部電極とを前記第二方向から見たとき、前記第二電極部と、前記第二電極部と電気的に接続されていない前記内部電極とは、互いに重なっている、電子部品。
【請求項4】
前記第一電極部の端縁は、前記第三方向から見て、湾曲している、請求項1~のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第一方向での前記第一電極部の幅は、前記第二方向での中央から前記第二方向での端に向けて、徐々に大きくなっている、請求項に記載の電子部品。
【請求項6】
各前記外部電極は、前記端面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる電極部を更に有している、請求項1~のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記導電性樹脂層は、複数の銀粒子を含んでいる、請求項1~のいずれか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品は、直方体形状を呈している素体と、複数の外部電極と、複数の内部電極と、を備えている(たとえば、特許文献1参照)。素体は、第一方向で互いに対向している一対の端面と、第二方向で互いに対向している一対の第一側面と、第三方向で互いに対向している一対の第二側面と、を有している。複数の外部電極は、第一方向での素体の両端部上にそれぞれ配置されている。複数の内部電極は、素体内に配置されていると共に、複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されている。外部電極は、第二側面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる電極部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-006501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性樹脂層は、一般に、複数の金属粒子と、樹脂とを含んでいる。この場合、外部電極にマイグレ-ションが生じるおそれがある。マイグレーションは、たとえば、以下の事象により生じると考えられる。
内部電極と、当該内部電極が電気的に接続されていない電極部(導電性樹脂層)との間に生じる電界が、金属粒子に作用し、金属粒子の原子がイオン化する。発生した金属イオンは、外部電極間に生じる電界に引かれ、導電性樹脂層から移動する。導電性樹脂層から移動する金属イオンは、たとえば、素体から供給される電子と反応し、素体の表面上に金属として析出する。
【0005】
本発明の一つの態様は、外部電極が導電性樹脂層を含んでいる場合でも、マイグレーションの発生を抑制する電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、直方体形状を呈している素体と、複数の外部電極と、複数の内部電極と、を備えている。素体は、第一方向で互いに対向している一対の端面と、第二方向で互いに対向している一対の第一側面と、第三方向で互いに対向している一対の第二側面と、を有している。複数の外部電極は、第一方向での素体の両端部上にそれぞれ配置されている。複数の内部電極は、素体内に配置されていると共に、複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されている。各外部電極は、第二側面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる第一電極部を有している。第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない内部電極とを第三方向から見たとき、第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない内部電極とは、互いに重なっていない。
【0007】
上記一つの態様では、第一電極部と、当該第一電極部と電気的に接続されていない内部電極とが、第三方向で互いに対向することはない。したがって、第一電極部に含まれている導電性樹脂層と、当該導電性樹脂層と電気的に接続されていない内部電極との間に電界が生じがたい。この結果、上記一つの態様は、マイグレーションの発生を抑制する。
【0008】
上記一つの態様では、各外部電極は、一対の第一側面上にそれぞれ配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる一対の第二電極部を有していてもよい。同じ第一側面上に位置している二つの導電性樹脂層において、一方の導電性樹脂層は、他方の導電性樹脂層に対向している端縁を有していてもよい。複数の内部電極は、第二方向で互いに対向するように素体内で並んでいてもよい。複数の内部電極のうち、第二方向で最も外側に位置している最外内部電極は、当該最外内部電極が電気的に接続されている第二電極部と第二方向で隣り合っていてもよい。最外内部電極が露出している端面を含む面を基準面として、最外内部電極の、基準面からの第一方向での長さは、基準面から、最外内部電極が電気的に接続されていると共に第二電極部が含んでいる導電性樹脂層の端縁までの第一方向での長さより大きく、かつ、基準面から、最外内部電極が電気的に接続されていないと共に第二電極部が含んでいる導電性樹脂層の端縁までの長さより小さくてもよい。
第一長さが第二長さより大きい構成では、最外内部電極と第二方向で隣り合う内部電極と、同じ最外内部電極と第二方向で隣り合う第二電極部が含んでいる導電性樹脂層とは、互いに電気的に接続されていないものの、第二方向で互いに対向しがたい。互いに電気的に接続されていない導電性樹脂層と内部電極との間に電界が生じがたい。
第一長さが第三長さより小さい構成では、最外内部電極は、当該最外内部電極が電気的に接続されていない第二電極部が含んでいる導電性樹脂層と、第二方向で対向しがたい。互いに電気的に接続されていない導電性樹脂層と最外内部電極との間に電界が生じがたい。
これらの結果、第一長さが、第二長さより大きく、かつ、第三長さより小さい構成は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0009】
上記一つの態様は、最外内部電極と同じ層に位置していると共に最外内部電極から離間しているダミー導体を備えていてもよい。ダミー導体は、当該ダミー導体と同じ層に位置している最外内部電極が電気的に接続されていない外部電極と電気的に接続されていてもよい。
ダミー導体が最外内部電極と同じ層に位置している構成では、構造欠陥が素体に生じがたい。
【0010】
上記一つの態様は、それぞれが一対の第一側面のうち対応する第一側面と第二方向で隣り合う一対のダミー導体を備えていてもよい。各外部電極は、一対の第一側面上にそれぞれ配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる一対の第二電極部を有していてもよい。複数の内部電極は、第二方向で互いに対向するように素体内で並んでいてもよい。各ダミー導体は、当該ダミー導体と第二方向で隣り合う内部電極が電気的に接続されていないと共に第二電極部が含んでいる導電性樹脂層に第二方向で対向していてもよい。
ダミー導体が備えられている構成では、ダミー導体が、第二電極部が含んでいる導電性樹脂層と、第二電極部の導電性樹脂層と電気的に接続されていない内部電極との間に位置する。ダミー導体により、第二電極部の導電性樹脂層と、第二電極部の導電性樹脂層と電気的に接続されていない内部電極とが離間する。したがって、第二電極部の導電性樹脂層と、第二電極部の導電性樹脂層と電気的に接続されていない内部電極との間に電界が生じがたい。第二電極部の導電性樹脂層と、第二電極部の導電性樹脂層と電気的に接続されていない内部電極との間に電界が生じる場合でも、当該電界の強度は小さい。この結果、ダミー導体が備えられている構成は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、第一電極部の端縁は、第三方向から見て、湾曲していてもよい。
電子部品が電子機器にはんだ実装されている場合、電子機器から電子部品に作用する外力が第一電極部の端縁を通して素体に作用するおそれがある。外力は、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレットから第一電極部の端縁に伝わる。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。
第一電極部の端縁が、第三方向から見て、湾曲している構成は、外力が第一電極部の端縁に伝わる場合でも、第一電極部の端縁から素体に作用する応力を軽減する。したがって、本構成は、クラックが素体に発生するのを抑制する。
【0012】
上記一つの態様では、第一方向での第一電極部の幅は、第二方向での中央から第二方向での端に向けて、徐々に大きくなっていてもよい。
第一方向での第一電極部の幅が、第二方向での中央から第二方向での端に向けて、徐々に大きくなる構成では、電子部品が電子機器にはんだ実装される際に、はんだフィレットが形成され得る領域が拡大する。したがって、本構成は、電子部品の実装強度を向上する。
【0013】
上記一つの態様では、各外部電極は、端面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる電極部を有していてもよい。
外部電極が端面上に配置されていると共に導電性樹脂層を含んでいる電極部を有している構成は、当該電極部に形成されるはんだフィレットに作用する応力を緩和し、はんだクラックの発生を抑制する。
【0014】
上記一つの態様では、導電性樹脂層は、複数の銀粒子を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一つの態様は、外部電極が導電性樹脂層を含んでいる場合でも、マイグレーションの発生を抑制する電子部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図6図6は、電極部の構成を示す図である。
図7図7は、電極部の構成を示す図である。
図8図8は、電極部の構成を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を示す図である。
図11図11は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図12図12は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図13図13は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図14図14は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図15図15は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図16図16は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図17図17は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0018】
図1図5を参照して、本実施形態に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2図3図4、及び図5は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。本実施形態では、電子部品は、たとえば、積層コンデンサC1である。
【0019】
積層コンデンサC1は、図1に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、複数の外部電極5と、を備えている。本実施形態では、積層コンデンサC1は、一対の外部電極5を備えている。一対の外部電極5は、素体3の外表面に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
【0020】
素体3は、互いに対向している一対の側面3aと、互いに対向している一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有している。一対の側面3a、一対の側面3c、及一対の端面3eは、長方形状を呈している。一対の側面3aが対向している方向が、第二方向D2である。一対の側面3cが対向している方向が、第三方向D3である。一対の端面3eが対向している方向が、第一方向D1である。積層コンデンサC1は、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。積層コンデンサC1では、一方の側面3aが、電子機器と対向する。一方の側面3aは、実装面を構成するように配置される。一方の側面3aは、実装面である。たとえば、側面3aが、第一側面を構成する場合、側面3cは、第二側面を構成する。
【0021】
第二方向D2は、各側面3aに直交する方向であり、第三方向D3と直交している。第一方向D1は、各側面3aと各側面3cとに平行な方向であり、第二方向D2と第三方向D3とに直交している。第三方向D3は、各側面3cに直交する方向であり、第一方向D1は、各端面3eに直交する方向である。本実施形態では、素体3の第一方向D1での長さは、素体3の第二方向D2での長さより大きく、かつ、素体3の第三方向D3での長さより大きい。第一方向D1が、素体3の長手方向である。素体3の第二方向D2での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに同等であってもよい。素体3の第二方向D2での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに異なっていてもよい。
【0022】
素体3の第二方向D2での長さは、素体3の高さである。素体3の第三方向D3での長さは、素体3の幅である。素体3の第一方向D1での長さは、素体3の長さである。本実施形態では、素体3の高さは、0.1~2.5mmであり、素体3の幅は、0.1~5.0mmであり、素体3の長さは、0.2~5.7mmである。たとえば、素体3の高さは、2.5mmであり、素体3の幅は、2.5mmであり、素体3の長さは、3.2mmである。
【0023】
一対の側面3cは、一対の側面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の側面3cは、第一方向D1にも延在している。一対の端面3eは、一対の側面3aを連結するように第二方向D2に延在している。一対の端面3eは、第三方向D3にも延在している。
【0024】
素体3は、四つの稜線部3gと、四つの稜線部3iと、四つの稜線部3jと、を有している。稜線部3gは、端面3eと側面3aとの間に位置している。稜線部3iは、端面3eと側面3cとの間に位置している。稜線部3jは、側面3aと側面3cとの間に位置している。本実施形態では、各稜線部3g,3i,3jは、湾曲するように丸められている。素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。端面3eと側面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。側面3aと側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。
【0025】
素体3は、第二方向D2に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3は、積層されている複数の誘電体層を有している。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2と一致する。各誘電体層は、たとえば、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。誘電体材料は、たとえば、BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミックを含む。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0026】
積層コンデンサC1は、図2図5に示されるように、複数の内部電極7と複数の内部電極9とを備えている。各内部電極7,9は、素体3内に配置されている内部導体である。各内部電極7,9は、積層型電子部品の内部導体として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料は、たとえば、卑金属を含む。導電性材料は、たとえば、Ni又はCuを含む。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、内部電極7,9は、Niからなる。
【0027】
内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第二方向D2に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。内部電極7,9の一端は、対応する端面3eに露出している。内部電極7,9は、対応する端面3eに露出している一端を有している。
複数の内部電極7と複数の内部電極9とは、第二方向D2で交互に並んでいる。複数の内部電極7,9は、第二方向D2に並ぶように素体3内に配置されている。各内部電極7,9は、側面3aと略平行な面内に位置している。内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とが対向している方向(第二方向D2)は、側面3aと平行な方向(第三方向D3及び第一方向D1)と直交している。
【0028】
本実施形態では、複数の内部電極7は、第二方向D2で最も外側に位置している一つの内部電極7Aを含んでいる。内部電極7Aは、最外内部電極である。内部電極7Aは、第一方向D1で互いに対向している一対の端7Ae,7Aeを有している。端7Aeは、端面3eに露出している。端7Aeは、素体3内に位置している。
本実施形態では、複数の内部電極9は、第二方向D2で最も外側に位置している一つの内部電極9Aを含んでいる。内部電極9Aは、最外内部電極である。内部電極9Aは、第一方向D1で互いに対向している一対の端9Ae,9Aeを有している。端9Aeは、端面3eに露出している。端9Aeは、素体3内に位置している。
たとえば、各端7Ae,9Aeが、第一端を構成する場合、端7Ae,9Aeは、第二端を構成する。
【0029】
外部電極5は、図1に示されるように、素体3の第一方向D1での両端部にそれぞれ配置されている。各外部電極5は、素体3における、対応する端面3e側に配置されている。本実施形態では、各外部電極5は、一対の側面3a、一対の側面3c、及び一つの端面3eに配置されている。外部電極5は、図2図5に示されるように、複数の電極部5a,5c,5eを有している。電極部5aは、側面3a上及び稜線部3g上に配置されている。各電極部5cは、側面3c上及び稜線部3i上に配置されている。電極部5eは、端面3e上に配置されている。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有している。
【0030】
外部電極5は、一対の側面3a、一つの端面3e、及び一対の側面3cの五つの面、並びに、稜線部3g,3i,3jに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5c,5eは、接続されており、電気的に接続されている。電極部5eは、対応する内部電極7,9の一端をすべて覆っている。電極部5eは、対応する内部電極7,9と直接的に接続されている。外部電極5は、対応する内部電極7,9と電気的に接続されている。外部電極5は、図2図5にも示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を有している。第三電極層E3は、外部電極5の最外層を構成している。電極部5eは、第一電極層E1及び第三電極層E3を有している。各電極部5a,5cは、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を有している。
【0031】
電極部5aの第一電極層E1は、側面3a上及び稜線部3g上に配置されている。電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの一部と稜線部3gの全体とを覆うように形成されている。電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの上記一部と稜線部3gの全体とに接している。すなわち、電極部5aでは、第一電極層E1は、素体3と直接接している。側面3aは、上記一部において第一電極層E1に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。側面3aの上記一部は、側面3aにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5aの第一電極層E1は、側面3a上に位置している。第一電極層E1は、側面3aに形成されていなくてもよい。すなわち、第一電極層E1は、側面3a上に配置されていなくてもよい。
電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3a上に配置されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3aの一部とを覆うように形成されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3aとに直接接している。電極部5aの第二電極層E2は、電極部5aの第一電極層E1を覆うように形成されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3aとの間に位置するように、側面3aを間接的に覆っている。電極部5aの第二電極層E2は、側面3a上に位置している。同じ側面3a上に位置している各第二電極層E2は、端縁E2aeを有している。同じ側面3a上において、一方の第二電極層E2の端縁E2aeは、他方の第二電極層E2の端縁E2aeと対向している。
電極部5aの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2を覆っている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と接している。すなわち、電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5aでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。電極部5aの第三電極層E3は、側面3a上に位置している。
【0032】
電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上及び稜線部3i上に配置されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの一部と稜線部3iの全体とを覆うように形成されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの上記一部と稜線部3iの全体とに接している。すなわち、電極部5cでは、第一電極層E1は、素体3と直接接している。側面3cは、上記一部において第一電極層E1に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。側面3cの上記一部は、側面3cにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上に位置している。第一電極層E1は、側面3cに形成されていなくてもよい。すなわち、第一電極層E1は、側面3c上に配置されていなくてもよい。
電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆うように形成されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cとに直接接している。電極部5cの第二電極層E2は、電極部5cの第一電極層E1の全体を覆うように形成されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3cとの間に位置するように、側面3cを間接的に覆っている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3c上に位置している。同じ側面3c上に位置している各第二電極層E2は、端縁E2cを有している。同じ側面3c上において、一方の第二電極層E2の端縁E2cは、他方の第二電極層E2の端縁E2cと対向している。
電極部5cの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。すなわち、電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5cでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。電極部5cの第三電極層E3は、側面3c上に位置している。
【0033】
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体を覆うように形成されている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体と接している。すなわち、電極部5eでは、第一電極層E1は、端面3eと直接接している。
電極部5eの第三電極層E3は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1の全体を覆っている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1の全体と接している。すなわち、電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接している。電極部5eの第三電極層E3は、端面3e上に位置している。
【0034】
第一電極層E1は、素体3の表面に付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、側面3aの上記一部、側面3cの上記一部、一つの端面3e、及び稜線部3g,3i,3jを覆うように形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粒子)が焼結することにより形成されている。第一電極層E1は、焼結金属層である。第一電極層E1は、素体3に形成された焼結金属層である。本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層である。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層であってもよい。第一電極層E1は、卑金属を含んでいる。導電性ペーストは、たとえば、Cu又はNiからなる粒子、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含んでいる。各電極部5a,5c,5eが有している第一電極層E1は、一体的に形成されている。
【0035】
第二電極層E2は、第一電極層E1上に付与された導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。第一電極層E1は、第二電極層E2を形成するための下地金属層である。第二電極層E2は、第一電極層E1を覆う導電性樹脂層である。導電性樹脂は、たとえば、樹脂、導電性材料、及び有機溶媒を含んでいる。樹脂は、たとえば、熱硬化性樹脂である。導電性材料は、たとえば、金属粒子である。金属粒子は、たとえば、銀粒子又は銅粒子である。本実施形態では、第二電極層E2は、複数の銀粒子を含んでいる。熱硬化性樹脂は、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂である。第二電極層E2は、稜線部3jの一部と接している。
【0036】
第三電極層E3は、第二電極層E2上と、第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。第三電極層E3は、複数層構造を有していてもよい。この場合、第三電極層E3は、たとえば、Niめっき層とはんだめっき層とを有している。Niめっき層は、第二電極層E2上と第一電極層E1上とに形成される。はんだめっき層は、Niめっき層上に形成される。はんだめっき層は、Niめっき層を覆っている。Niめっき層は、第二電極層E2に含まれる金属よりも耐はんだ喰われ性に優れている。第三電極層E3は、Niめっき層の代わりに、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層を有していてもよい。はんだめっき層は、たとえば、Snめっき層、Sn-Ag合金めっき層、Sn-Bi合金めっき層、又はSn-Cu合金めっき層を含んでいる。各電極部5a,5c,5eが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。
【0037】
たとえば、電極部5cが第一電極部を構成する場合、電極部5aが第二電極部を構成する。本実施形態では、電極部5eは、第二電極層E2を含んでいない。
【0038】
内部電極7Aは、内部電極7Aと電気的に接続されている電極部5aと第二方向D2で隣り合っている。内部電極7Aは、内部電極7Aと第二方向D2で隣り合っている側面3a上に位置している電極部5aと隣り合っている。
内部電極9Aは、内部電極9Aと電気的に接続されている電極部5aと第二方向D2で隣り合っている。内部電極9Aは、内部電極9Aと第二方向D2で隣り合っている側面3a上に位置している電極部5aと隣り合っている。
【0039】
積層コンデンサC1は、図2図5に示されるように、複数の導体11,13を備えている。本実施形態では、積層コンデンサC1は、二つの導体11,13を備えている。図3及び図4では、説明のため、各内部電極7,9(内部電極7A,9A)及び各導体11,13は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
導体11は、内部電極7Aと同じ層に位置していると共に内部電極7Aから離間している。導体11は、対応する端面3eに露出している一端を有している。導体11の一端は、内部電極9の一端が露出している端面3eに露出している。導体11の一端は、対応する電極部5eによりすべて覆われている。導体11は、対応する電極部5eと直接的に接続されている。導体11は、対応する外部電極5と電気的に接続されている。本実施形態では、導体11は、内部電極9が電気的に接続されている外部電極5(電極部5e)と電気的に接続されている。すなわち、導体11は、内部電極7が電気的に接続されていない外部電極5と電気的に接続されている。
導体13は、内部電極9Aと同じ層に位置していると共に内部電極9Aから離間している。導体13は、対応する端面3eに露出している一端を有している。導体13の一端は、内部電極7の一端が露出している端面3eに露出している。導体13の一端は、対応する電極部5eによりすべて覆われている。導体13は、対応する電極部5eと直接的に接続されている。導体13は、対応する外部電極5と電気的に接続されている。本実施形態では、導体13は、内部電極7が電気的に接続されている外部電極5(電極部5e)と電気的に接続されている。すなわち、導体13は、内部電極9が電気的に接続されていない外部電極5と電気的に接続されている。
導体11,13は、静電容量の形成に寄与しがたいダミー導体を構成する。
【0040】
図2に示されるように、内部電極7Aの、基準面PL1からの第一方向D1での長さL1は、基準面PL1から、内部電極7Aと電気的に接続されている第二電極層E2の端縁E2aまでの第一方向D1での長さL2より大きい。したがって、内部電極7Aと、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、端7Aeは、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2から露出している。
長さL1は、基準面PL1から、内部電極7Aが電気的に接続されていない第二電極層E2の端縁E2aまでの第一方向D1での長さL3より小さい。したがって、内部電極7Aと、内部電極7Aが電気的に接続されていない第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極7Aと、内部電極7Aが電気的に接続されていない第二電極層E2とは、互いに重なっていない。
基準面PL1は、内部電極7Aの端7Aeが露出している端面3eを含んでいる。たとえば、長さL1が第一長さを構成する場合、長さL2が第二長さを構成し、長さL3が第三長さを構成する。
【0041】
内部電極9Aの、基準面PL2からの第一方向D1での長さL1は、基準面PL2から、内部電極9Aと電気的に接続されている第二電極層E2の端縁E2aまでの第一方向D1での長さL2より大きい。したがって、内部電極9Aと、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、端9Aeは、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2から露出している。
長さL1は、基準面PL2から、内部電極9Aが電気的に接続されていない第二電極層E2の端縁E2aまでの第一方向D1での長さL3より小さい。したがって、内部電極9Aと、内部電極9Aが電気的に接続されていない第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極9Aと、内部電極9Aが電気的に接続されていない第二電極層E2とは、互いに重なっていない。
基準面PL2は、内部電極9Aの端9Aeが露出している端面3eを含んでいる。たとえば、長さL1が第一長さを構成する場合、長さL2が第二長さを構成し、長さL3が第三長さを構成する。
【0042】
基準面PL1から内部電極9の他端までの第一方向D1での長さL4は、長さL2より小さい。したがって、内部電極7Aと電気的に接続されていない内部電極9と、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極9と、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2とは、互いに重なっている。
基準面PL2から内部電極7の他端までの第一方向D1での長さL4は、長さL2より小さい。したがって、内部電極9Aと電気的に接続されていない内部電極7と、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極7と、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2とは、互いに重なっている。
【0043】
長さL1と長さL1とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。長さL2と長さL2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。長さL3と長さL3とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。長さL4と長さL4とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0044】
図6に示されるように、電極部5cと、電極部5cと電気的に接続されていない内部電極7,9とを第三方向D3から見たとき、電極部5cと、電極部5cと電気的に接続されていない内部電極7,9とは、互いに重なっていない。したがって、電極部5cに含まれている第二電極層E2と、電極部5cに含まれている第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7,9とを第三方向D3から見たとき、電極部5cに含まれている第二電極層E2と、電極部5cに含まれている第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7,9とは、互いに重ならない。図6は、電極部の構成を示す図である。
電極部5cの端縁5cは、第三方向D3から見て、湾曲している。本実施形態では、電極部5cに含まれている第二電極層E2の端縁E2cも、第三方向D3から見て、湾曲している。
第一方向D1での電極部5cの幅は、第二方向D2での中央より、第二方向D2での端で大きい。第一方向D1での電極部5cの幅は、第二方向D2での中央から第二方向での端に向けて、徐々に大きくなっている。本実施形態では、電極部5cに含まれている第二電極層E2の、第一方向D1での幅も、第二方向D2での中央より、第二方向D2での端で大きい。電極部5cに含まれている第二電極層E2の、第一方向D1での幅も、第二方向D2での中央から第二方向D2での端に向けて、徐々に大きくなっている。
【0045】
図7に示されるように、電極部5cの端縁5cは、第三方向D3から見て、複数の直線を含んでいてもよい。この場合、電極部5cに含まれている第二電極層E2の端縁E2cも、第三方向D3から見て、複数の直線を含んでいてもよい。図7は、電極部の構成を示す図である。
図7に示される構成では、電極部5cの端縁5c(第二電極層E2の端縁E2c)は、三つの直線を含んでいる。この場合、電極部5c(第二電極層E2)は、第二方向D2での中央に位置する部分と、第二方向での端にそれぞれ位置する部分とを有している。第二方向D2での中央に位置する部分の、第一方向D1での幅は、略一定である。第二方向での端に位置する各部分の、第一方向D1での幅は、第二方向D2での中央に位置する部分から離れるにつれて、増加している。
電極部5cの端縁5c(第二電極層E2の端縁E2c)は、二つの直線を含んでいてもよく、四つ以上の直線を含んでいてもよい。
【0046】
図8に示されるように、電極部5aと、電極部5aと電気的に接続されていない内部電極7,9とを第二方向D2から見たとき、電極部5aと、電極部5aと電気的に接続されていない内部電極7,9とは、互いに重なっている。本実施形態では、電極部5aに含まれている第二電極層E2と、電極部5aに含まれている第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7,9とを第二方向D2から見たとき、電極部5aに含まれている第二電極層E2と、電極部5aに含まれている第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7,9とは、互いに重なっている。図8は、電極部の構成を示す図である。図8では、内部電極7A,9A及び導体11,13の図示が省略されている。
電極部5aの端縁5aは、第二方向D2から見て、略直線状に第三方向D3に延在している。本実施形態では、電極部5aに含まれている第二電極層E2の端縁E2aも、第二方向D2から見て、略直線状に第三方向D3に延在している。
第一方向D1での電極部5aの幅は、略一定である。本実施形態では、電極部5aに含まれている第二電極層E2の、第一方向D1での幅も、略一定である。第一方向D1での電極部5aの幅は、第一方向D1での電極部5cの幅の最大値と同等である。電極部5aに含まれている第二電極層E2の、第一方向D1での幅は、電極部5cに含まれている第二電極層E2の、第一方向D1での幅の最大値と同等である。
【0047】
積層コンデンサC1が電子機器にはんだ実装されている場合、電子機器から積層コンデンサC1に作用する外力が電極部5cを通して素体3に作用するおそれがある。外力は、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレットから電極部5cに伝わる。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。
積層コンデンサC1では、電極部5cが第二電極層E2を有している。したがって、外力が、電極部5cから素体3に作用しがたい。この結果、積層コンデンサC1は、クラックが素体3に発生するのを抑制する。
【0048】
電子機器から積層コンデンサC1に作用する外力が電極部5aを通して素体3に作用するおそれもある。
積層コンデンサC1では、電極部5aが第二電極層E2を有している。したがって、外力が、電極部5aから素体3に作用しがたい。この結果、積層コンデンサC1は、クラックが素体3に発生するのをより一層抑制する。
【0049】
積層コンデンサC1では、電極部5cと、電極部5cと電気的に接続されていない内部電極7,9とが、第三方向D3で互いに対向することはない。したがって、電極部5cに含まれている第二電極層E2と、電極部5cに含まれている第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7,9との間に電界が生じがたい。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を抑制する。
【0050】
積層コンデンサC1では、電極部5cの端縁5cは、第三方向D3から見て、湾曲している。
電子機器から積層コンデンサC1に作用する外力は、電極部5cの端縁5cを通して素体3に作用するおそれがある。
端縁5cが、第三方向D3から見て、湾曲している構成は、端縁5cが、第三方向D3から見て、直線状に延在している構成に比して、外力が端縁5cに伝わる場合でも、外力が分散される傾向にある。したがって、端縁5cから素体3に作用する応力が軽減する。この結果、積層コンデンサC1は、クラックが素体3に発生するのをより一層抑制する。
【0051】
積層コンデンサC1では、第一方向D1での電極部5cの幅は、第二方向D2での中央から第二方向D2での端に向けて、徐々に大きくなっている。したがって、積層コンデンサC1が電子機器にはんだ実装される際に、はんだフィレットが形成され得る領域が拡大する。この結果、積層コンデンサC1は、実装強度を向上する。
【0052】
積層コンデンサC1では、長さL1,L1が長さL2,L2より大きい。したがって、内部電極7A,9Aと第二方向D2で隣り合う内部電極7,9と、内部電極7A,9Aと第二方向D2で隣り合う電極部5aが含んでいる第二電極層E2とは、互いに電気的に接続されていないものの、第二方向D2で互いに対向しがたい。互いに電気的に接続されていない第二電極層E2と内部電極7,9との間に電界が生じがたい。
長さL1,L1が長さL3,L3より小さい。したがって、内部電極7A,9Aは、内部電極7A,9Aが電気的に接続されていない電極部5aが含んでいる第二電極層E2と、第二方向D2で対向しがたい。互いに電気的に接続されていない第二電極層E2と内部電極7A,9Aとの間に電界が生じがたい。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0053】
積層コンデンサC1は、導体11,13を備えている。導体11は、内部電極7Aが電気的に接続されていない外部電極5と電気的に接続されている。導体13は、内部電極9Aが電気的に接続されていない外部電極5と電気的に接続されている。
導体11,13が内部電極7A,9Aと同じ層に位置している構成では、構造欠陥が素体3に生じがたい。
【0054】
積層コンデンサC1では、内部電極9と、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極9と、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2とは、互いに重なっている。内部電極7と、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2とを第二方向D2から見たとき、内部電極7と、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2とは、互いに重なっている。
この場合、第一方向D1での内部電極7,9の長さが大きくなり、積層コンデンサC1の静電容量の増大が可能となる。
【0055】
第二電極層E2は、複数の銀粒子を含んでいる。銀粒子は、たとえば、銅粒子に比して、マイグレーションを生じさせやすい。
積層コンデンサC1は、第二電極層E2が複数の銀粒子を含んでいる場合でも、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0056】
次に、図9及び図10を参照して、積層コンデンサC1の実装構造を説明する。図9及び図10は、本実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を示す図である。
【0057】
図9及び図10に示されるように、電子部品装置は、積層コンデンサC1と、電子機器EDと、を備えている。電子機器EDは、たとえば、回路基板又は電子部品である。積層コンデンサC1は、電子機器EDにはんだ実装されている。電子機器EDは、主面EDaと、二つのパッド電極PEとを有している。各パッド電極PEは、主面EDaに配置されている。二つのパッド電極PEは、互いに離間している。積層コンデンサC1は、実装面である側面3aと主面EDaとが対向するように、電子機器EDに配置されている。各内部電極7,9は、主面EDaと略直交する面内に位置している。
【0058】
積層コンデンサC1がはんだ実装される場合、溶融したはんだが外部電極5(第三電極層E3)を濡れ上がる。濡れ上がったはんだが固化することにより、はんだフィレットSFが外部電極5に形成される。互いに対応する外部電極5とパッド電極PEとは、はんだフィレットSFを介して連結されている。
【0059】
次に、図11を参照して、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図11は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。本変形例に係る積層コンデンサC1は、概ね、上述した積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、電極部5eの構成に関して、上述した実施形態と相違する。以下、積層コンデンサC1と本変形例との相違点を主として説明する。
【0060】
各電極部5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を有している。
電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の全体を覆うように形成されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1に直接接している。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と端面3eとの間に位置するように、端面3eを間接的に覆っている。電極部5eの第二電極層E2は、端面3e上に位置している。
電極部5eの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。すなわち、電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。各電極部5c,5eが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。
【0061】
電極部5eが第二電極層E2を有している構成は、電極部5eに形成されるはんだフィレットに作用する応力を緩和する。したがって、本変形例に係る積層コンデンサは、はんだクラックの発生を抑制する。
【0062】
次に、図12図14を参照して、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図12図13、及び図14は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。本変形例に係る積層コンデンサC1は、概ね、上述した積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、各導体11,13の構成に関して、積層コンデンサC1と相違する。以下、積層コンデンサC1と本変形例との相違点を主として説明する。
【0063】
積層コンデンサC1は、一対の導体11,13を備えている。図13及び図14では、説明のため、各内部電極7A,9A及び各導体11,13は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。積層コンデンサC1でも、導体11,13は、静電容量の形成に寄与しがたいダミー導体を構成する。
【0064】
導体11は、他方の側面3aと第二方向D2で隣り合っている。導体11は、内部電極9Aと第二方向D2で隣り合っている。導体11は、他方の側面3aと内部電極9Aとの間に位置している。導体11は、部分11aと部分11bとを含んでいる。
部分11aは、内部電極9Aが電気的に接続されていないと共に他方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に、第二方向D2で対向している。したがって、導体11は、内部電極9Aが電気的に接続されていない第二電極層E2に第二方向D2で対向している。
部分11bは、内部電極9Aが電気的に接続されていると共に他方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に、第二方向D2で対向している。
たとえば、部分11aが、第一部分を構成する場合、部分11bは、第二部分を構成する。
【0065】
部分11aは、第一方向D1で部分11bから離間していると共に、いずれの第二電極層E2とも電気的に接続されていない。部分11aは、素体3の表面に露出する端を有していない。
部分11bは、部分11bに第二方向D2で対向している第二電極層E2と電気的に接続されている。部分11bは、内部電極9Aが露出している端面3eに露出している端を有している。部分11bは、端面3eに露出している端で、内部電極9Aが電気的に接続されている外部電極5(電極部5e)と直接的に接続されている。部分11bは、内部電極9Aが電気的に接続されている外部電極5と電気的に接続されている。
【0066】
導体13は、一方の側面3aと第二方向D2で隣り合っている。導体13は、内部電極7Aと第二方向D2で隣り合っている。導体13は、一方の側面3aと内部電極7Aとの間に位置している。導体13は、部分13aと部分13bとを含んでいる。
部分13aは、内部電極7Aが電気的に接続されていないと共に一方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に、第二方向D2で対向している。したがって、導体13は、内部電極7Aが電気的に接続されていない第二電極層E2に第二方向D2で対向している。
部分13bは、内部電極7Aが電気的に接続されていると共に一方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に、第二方向D2で対向している。
【0067】
部分13aは、第一方向D1で部分13bから離間していると共に、いずれの第二電極層E2とも電気的に接続されていない。部分13aは、素体3の表面に露出する端を有していない。
部分13bは、部分13bに第二方向D2で対向している第二電極層E2と電気的に接続されている。部分13bは、内部電極7Aが露出している端面3eに露出している端を有している。部分13bは、端面3eに露出している端で、内部電極7Aが電気的に接続されている外部電極5(電極部5e)と直接的に接続されている。部分13bは、内部電極7Aが電気的に接続されている外部電極5と電気的に接続されている。
たとえば、部分13aが、第一部分を構成する場合、部分13bは、第二部分を構成する。
【0068】
端7Aeは、第二方向D2から見て、導体13(部分13a)と重なっている。内部電極7Aと、内部電極7Aが電気的に接続されていないと共に一方の側面3a上に配置されている第二電極層E2と、導体13(部分13a)との位置関係において、導体13(部分13a)は、内部電極7Aと第二電極層E2との間に位置している。したがって、上記位置関係において、内部電極7Aと、内部電極7Aが電気的に接続されていないと共に一方の側面3a上に配置されている第二電極層E2とは、第二方向D2で対向しない。
【0069】
端9Aeは、第二方向D2から見て、導体11(部分11a)と重なっている。内部電極9Aと、内部電極9Aが電気的に接続されていないと共に他方の側面3a上に配置されている第二電極層E2と、導体11(部分11a)との位置関係において、導体11(部分11a)は、内部電極9Aと第二電極層E2との間に位置している。したがって、上記位置関係において、内部電極9Aと、内部電極9Aが電気的に接続されていないと共に他方の側面3a上に配置されている第二電極層E2とは、第二方向D2で対向しない。
【0070】
積層コンデンサC1では、導体11が、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極9Aとの間に位置する。導体11により、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極9Aとが離間する。したがって、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極9Aとの間に電界が生じがたい。第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極9Aとの間に電界が生じる場合でも、当該電界の強度は小さい。
導体13が、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7Aとの間に位置する。導体13により、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7Aとが離間する。したがって、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7Aとの間に電界が生じがたい。第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7Aとの間に電界が生じる場合でも、当該電界の強度は小さい。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0071】
積層コンデンサC1では、導体11は、部分11aと部分11bとを含み、導体13は、部分13aと、部分13bとを含んでいる。
部分11aは、導体11と第二方向D2で隣り合う内部電極9Aが電気的に接続されていない第二電極層E2に第二方向D2で対向している。部分11bは、内部電極9Aが電気的に接続されている第二電極層E2に第二方向D2で対向している。
部分13aは、導体13と第二方向D2で隣り合う内部電極7Aが電気的に接続されていない第二電極層E2に第二方向D2で対向している。部分13bは、内部電極7Aが電気的に接続されている第二電極層E2に第二方向D2で対向している。
積層コンデンサC1では、第一方向D1での中央より一方の端面3e側での構成と、第一方向D1での中央より他方の端面3e側での構成が相違しがたい。したがって、構造欠陥が素体3に生じがたい。
【0072】
積層コンデンサC1では、端7Aeは、第二方向D2から見て、導体13(部分13a)と重なっている。したがって、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極7Aとの間に電界がより一層生じがたい。端9Aeは、第二方向D2から見て、導体11(部分11a)と重なっている。したがって、第二電極層E2と、第二電極層E2と電気的に接続されていない内部電極9Aとの間に電界がより一層生じがたい。これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0073】
次に、図15図17を参照して、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図15図16、及び図17は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。本変形例に係る積層コンデンサC1は、概ね、図12図14に示されている積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、各導体11,13の構成に関して、積層コンデンサC1と相違する。以下、積層コンデンサC1と本変形例との相違点を主として説明する。
【0074】
積層コンデンサC1では、部分11aと部分11bとは、一体である。導体11は、素体3の表面に露出する端を有していない。導体11は、いずれの外部電極5にも接続されていない。すなわち、導体11は、第二電極層E2とも電気的に接続されていない。
部分13aと部分13bとは、一体である。導体13は、素体3の表面に露出する端を有していない。導体13は、いずれの外部電極5にも接続されていない。すなわち、導体13は、第二電極層E2とも電気的に接続されていない。
【0075】
端7Aeは、内部電極7Aが電気的に接続されていないと共に一方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に第二方向D2で対向している。すなわち、端7Aeは、第二方向D2から見て、導体13(部分13a)から露出している。
端9Aeは、内部電極9Aが電気的に接続されていないと共に他方の側面3a上に配置されている第二電極層E2に第二方向D2で対向している。すなわち、端9Aeは、第二方向D2から見て、導体11(部分11a)から露出している。
積層コンデンサC1では、第二方向D2での内部電極7,9の長さが大きくなり、積層コンデンサの静電容量の増大が可能となる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0077】
図12図17に示されている各変形例では、図11に示されている各変形例と同様に、電極部5eが第二電極層E2を有していてもよい。
積層コンデンサC1は、導体11,13を備えていなくてもよい。積層コンデンサC1が導体11,13を備えている場合、上述したように、構造欠陥が素体3に生じがたい。
電極部5aは、第二電極層E2を有していなくてもよい。この場合、積層コンデンサC1では、内部電極7A,9Aの第一方向D1での長さは、内部電極7A,9A以外の内部電極7,9の第一方向D1での長さと同等であってもよい。積層コンデンサC1,C1は、導体11,13を備えていなくてもよい。
【0078】
本実施形態及び変形例では、電子部品として積層コンデンサC1,C1~C1を例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
【符号の説明】
【0079】
3…素体、3a,3c…側面、3e…端面、5…外部電極、5a,5c,5e…電極部、5a,5c…電極部の端縁、7,7A,9,9A…内部電極、11,13…導体、C1,C1~C1…積層コンデンサ、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E2a,E2c…第二電極層の端縁、E3…第三電極層、PL1,PL2…基準面。
図1
図2
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