(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】氷押出器および製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/147 20180101AFI20240722BHJP
【FI】
F25C1/147 G
F25C1/147 F
F25C1/147 D
(21)【出願番号】P 2021005999
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 幸範
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-038663(JP,U)
【文献】特開2003-090656(JP,A)
【文献】特開2007-155184(JP,A)
【文献】特開2017-161095(JP,A)
【文献】特開平04-278161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/147
F25C 5/04
F25C 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃先線から延在する押出曲面を有した押出器本体と、
軸の方向で前記押出器本体の先端に設けた円盤状の蓋体を備え、
前記押出曲面は、前記軸まわりの内側から外方にむけた刃先線から、前記蓋体の円周を一端とする円柱面で略軸方向に延在する押出端線に連続した曲面であることを特徴とする氷押出器。
【請求項2】
前記押出器本体は、前記押出曲面の前記軸の側に円柱状の押出円柱を有することを特徴とする請求項1に記載された氷押出器。
【請求項3】
前記押出器本体は、前記押出曲面の裏側に凹部を有し、前記押出端線の前記軸の側に前記凹部が開口する氷出口を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載された氷押出器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された氷押出器と、前記氷押出器を覆う氷搬送路とを備え、
前記氷搬送路は、前記氷押出器を囲う円筒体と、前記円筒体の側方に接続した搬送路本体を有し、
前記搬送路本体の送入端は、前記円筒体の開口端に接続し、
前記開口端の内面と前記送入端の内面は接続角度が90°以下のエッジを形成していることを特徴とする製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製氷部で製造した氷を側方の貯氷室等に送出する氷押出器および製氷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーガ式製氷機等の製氷機は、製氷部で氷を製造して搬送路を介して側方に送り、貯氷室等に貯蔵する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すオーガ式製氷機では、シリンダ(製氷筒)の内面に凍結した氷を回転するオーガの螺旋刃により削り取り、上方に持ち上げる。そして、シリンダの上部で一度圧縮して棒状にした氷をカッタで切断し、チップ状の氷片として側方のスパウト(氷搬送路)内部に押し出し、スパウトとシュートを介して、貯氷タンクに貯蔵する。この製氷機では、カッタで切断した後の氷片は、後から生成される氷片によりスパウトに押し出されて移動する。しかし、カッタの上部に氷片が溜まってスパウトの内面を押し上げたり、カッタ周辺に氷だまりが生じ、氷の移動を妨げたりする可能性があった。オーガ式製氷機には、製氷筒の上部にアジテータ(攪拌器)を設けて、アジテータの回転により氷をかき回して押し出すものもある。このような製氷機でも、同様に氷搬送路の内面を押し上げる等の可能性がある。本発明は、氷搬送路を押し上げること無く、製造した氷を氷搬送路へ押し出すことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の氷押出器は、刃先線から延在する押出曲面を有した押出器本体と、軸の方向で押出器本体の先端に設けた円盤状の蓋体を備え、押出曲面は、軸まわりの内側から外方にむけた刃先線から、蓋体の円周を一端とする円柱面で略軸方向に延在する押出端線に連続した曲面であることを特徴とする氷を側方に押し出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
製造後の氷が搬送する方向である側方に押し出されるため、氷搬送路を押し上げて壊すことがない。また、製造後の氷は全て製氷筒の延長上から排出されるため、氷だまりとなった古い氷はほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の実施形態に係る氷製氷機における製氷部の上部近傍の図。
【
図4】本発明の実施形態に係る氷押出器の水平断面図。
【
図5】本発明の実施形態に係る押出器本体の垂直断面図。
【
図6】本発明の実施形態に係る氷搬送路の形状を説明するための水平断面図。
【
図7】氷搬送路の形状を説明するための水平断面図。
【
図8】氷押出器の押出端線を説明するための斜視図。
【
図9】本発明の変形例2、3に係る氷押出器の水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0009】
図1に本発明の実施形態の製氷機を断面で示す。左方の製氷部1で製造された氷は、氷搬送路2の中を側方(Yの向き)に移動して貯氷室3に送られ、貯蔵される。オーガ式の製氷部1は、製氷筒11の中にオーガ12が設けられている。製氷筒11は、筒の内側に冷却パイプ(図示せず)を設け、その外側を断熱材(図示せず)で覆っており、筒内面を冷却する。オーガ12は、回転可能なオーガ軸121の周囲に螺旋刃122が設けられている。また、オーガ軸121の上部には、氷押出器13が取り付けられている。
図1においては、氷押出器13を側面図で示す。氷押出器13の上部は、氷搬送路2の送出ヘッド21で覆われている。
【0010】
氷搬送路2は、送出ヘッド21の側方に繋がる筒状の搬送路本体22と、搬送路本体22の外側に拡がるフランジ23を備えている。氷搬送路2の氷送出口2aの下部内面は送出ヘッド21側の下部内面よりも下にあり、搬送路本体22の下部内面は氷送出口2aに向けて下方に傾いている。貯氷室3は断熱材で囲われた箱であり、入口に樹脂製の入口カバー31が嵌め込まれている。氷搬送路2の下方には、製氷筒11の上部から氷搬送路2の下方まで延在して結露水を受ける受皿41が設けられている。受皿41は水が漏れないように周囲に壁が立ち上がり、下部には水を排出する孔が設けられ、ホース42に繋がっている。
【0011】
氷は次のように製造されて貯蔵される。
図1において、製氷筒11の下部に水が流入し、流入した水は冷却された製氷筒11の内面で凍結する。凍結した氷は、オーガ12が回転することにより螺旋刃122で削り取られ、製氷筒11とオーガ12の隙間が形成する筒状の空間の中を、回転するオーガ12の螺旋刃122により上方へ搬送される。製氷部1の上部では、オーガ軸121に接続した氷押出器13が回転し、上方へ搬送された氷を筒状の搬送路本体22の内部へ押し出す。そして、氷は搬送路本体22の中を通り、氷送出口2aから貯氷室3の中へ落ちて貯蔵される。
【0012】
図1における製氷部1の上部を拡大して
図2に示す。
図2(a)は垂直断面図であり、A-A面(XY面)で切断した上面図を
図2(b)に示す。
図2(b)をB-B面(YZ面)で切断した側面図が
図2(a)である。
図2(b)の点線は、蓋体132の下方に隠れた押出器本体131の上端面と、下端面にある刃先線131bを示す。また、氷押出器13の斜視図を
図3に示す。氷押出器13は、軸13aの周囲を矢印の方向に回転する。軸13aは氷押出器13の軸であるが、製氷筒11、オーガ12の中心軸でもある。
【0013】
本実施形態の氷押出器13は、先端に円盤状の蓋体132を設けている。蓋体132は、中心である軸13aの部分に中心孔132aが設けられており、押出器本体131の上端に重ねられる。そして、蓋固定ネジ133が孔を通り押出器本体131に固定されている。押出器本体131の上面は、円柱状の押出円柱131eの周囲で押出曲面131aとなっている。押出曲面131aは、軸13aまわりの内側から外方にむけた刃先線131bより、蓋体132の外端から軸13aの方向に延在する押出端線131cに連続した曲面である。押出曲面131aは押出端線131cを除き、押出円柱131eから外方に向けて下方に傾斜する。また、押出器本体131は、押出曲面131aの裏側に凹部131fを有し、押出端線131cの軸13aの側に凹部131fが開口して氷出口131dとなっている。
【0014】
図4は氷押出器13の水平断面であり、
図2(a)の氷押出器13に、Z方向における場所を示す。
図4(A1)は、蓋体132を取り外して押出器本体131を上から見た図であり、
図2(a)のA1の位置の水平断面である。
図4(A2)~(A4)は、それぞれ
図2(a)のA2~A4の位置の水平断面を上からみた図である。
図4(A3)、(A4)に示すように、凹部131fは水平方向に氷出口131dが開口している。氷出口131dは、押出端線131cの軸13aの側に位置する。また、氷出口131dの下端と刃先線131bの間も開口しており、下開口131hとなっている。
【0015】
図5に押出器本体131の垂直断面図を示す。
図5(a)は押出器本体131の上面図であり、垂直断面箇所をC1~C3で示す。矢印は回転方向を示す。
図5(C1)~(C3)はC1~C3での垂直断面図である。C1~C3は、軸13aを中心として角度位置を60°ずつずらしたものとなっている。そして、C1は押出端線131cを通過する垂直断面の位置である。押出器本体131は、軸13aの近くに、蓋体132の蓋固定ネジ133に対する蓋用雌ネジと、オーガ軸121が差し込まれて固定されるオーガ軸用雌ネジを備えている。
【0016】
図5(C1)の左側、(C2)、(C3)に示されるように、凹部131fの垂直断面は、軸13aの側で下側の角が略直角の略直角三角形をしている。凹部131fの略直角三角形は、垂直断面箇所の角度位置が回転して断面積が大きくなるに従い、
図5(C3)から(C2)の如く高さが徐々に高くなるが、底辺の長さは一定である。そして、(C2)の右側に示す如く高さが押出器本体131の中程になると、
図5(C1)の右側に示すように高さが変わらなくなり、
図5(C1)の如く略直角台形となる。略直角台形は、軸13aの側の2つの角が略直角である。凹部131fの上面の凹部上面131nは、軸13aを通る垂直断面における略直角台形の上辺に相当する。凹部上面131nは水平面であり、垂直切断面の角度位置にかかわらず中程の高さで一定である。
【0017】
凹部131fは氷出口131dに近いほど、上部(Zの向きの奥)まで達し、
図5(C2)の如く押出器本体131の中程になると垂直方向(Zの向きの奥)へは拡がらず、
図5(C1)の凹部上面131nの如く水平方向(XY面方向)にのみ拡がる。凹部131fの外側の凹部外面131kは、凹部131fの垂直断面が大きくなるにしたがい
図5(C3)の左側の水平に近い凹部外面131kから徐々に立ち上がり、
図5(C1)に示す氷出口131dでは、軸13aに近くなるまで立ち上がる。一方、凹部131fの内側の凹部内面131mは、軸13aに近い位置で凹部下開口131pの面から略垂直に立ち上がったまま一定である。
【0018】
押出器本体131における凹部外面131kの表側は押出曲面131aとなっている。押出曲面131aと凹部外面131kの間の押出器本体131の厚さは、垂直切断面の角度位置にかかわらず、一定である。軸13aを通る垂直断面において、押出曲面131aは外端の位置が変わらずに回転に従い徐々に立ち上がる。そして、最後は
図5(C1)の如く軸13aと平行な押出端線131cとなる。押出曲面131aの内端は、押出円柱131eに位置し、押出曲面131aが押出端線131cに近づくと、押出器本体131の上面に位置する。
【0019】
製氷の際には、
図1に示すオーガ12の回転により、製氷筒11とオーガ12の間を氷が上昇する。そして、凹部下開口131pから氷が氷押出器13の凹部131fに入る。そして、オーガ12とともに氷押出器13が回転することにより、押し上げられた氷は凹部131fの中を氷出口131dに向けて移動する。さらに、氷は氷出口131dを通り押出円柱131eの外方に至り、下開口131hから上昇した氷に押し上げられながら押出曲面131aの上に至る。また、下開口131hから上昇した氷も押出円柱131eの外方へ至り、刃先線131bで下方の氷から分離されて押出曲面131aの上に乗る。押出曲面131aは、外端の位置が変わらずに軸13aのまわりで徐々に立ち上がる曲面である。氷押出器13の回転により、氷は氷搬送路2の円筒体211と氷押出器13の押出円柱131eに挟まれて、押出曲面131aにより押し上げられながら円周外方へ押される。また、氷押出器13の押出曲面131aにより上昇した氷は、氷押出器13の上部で蓋体132により押さえられる。そして、搬送路本体22の中へ押し出され、貯氷室3へ送られる。
【0020】
図5(C1)~(C3)に示されるように、凹部外面131kは、氷出口131dに近いほど立ち上がり、断面の略直角三角形は高くなる。そのため、凹部131fに押し上げられた氷は、軸13aのまわりにおける凹部外面131kの傾きにより、氷出口131dへ押し出される。また、凹部131fは、軸13aのまわりにおいて、奥から氷出口131dに向けて、同じ幅か広くなっている。そのため、凹部131fの内面は、氷出口131dへ押し出される氷に当接して障害となることがない。
【0021】
次に氷押出器13から搬送路本体22の中への押し出しについて説明する。
図6は、
図2に示した送出ヘッド21近傍の水平断面である。
図6(a)は、
図2(a)におけるA1面での断面を示す。押出器本体131は、曲線矢印の方向に回転する。
図6(b)は、説明のため氷搬送路2のみを示したものである。送出ヘッド21は、開口211aを有した円筒体211を備えている。そして、開口211aは搬送路本体22の中へ通じている。本実施形態において、円筒体211内面の開口211aにおける開口端211bの内面と、搬送路本体22内面の開口211aに繋がる送入端22aの内面により形成されるエッジ2bは、90°の接続角度2b1となっている。押出器本体131の曲線矢印の方向への回転により氷は押出曲面131aによって開口211aから押し出される。直線矢印で示したエッジ2bの部分では、氷はエッジ2bに押し当てられて押出器本体131から離れ、搬送路本体22の中に入る。
【0022】
図7は氷搬送路2の比較例である。押出器本体131は、
図6と同様に曲線矢印の方向に回転する。氷搬送路5は、送出ヘッド51から搬送路本体52へ直線的に繋がっており、エッジが設けられていない。このような構成では、直線矢印の部分で氷の挟み込みが生じ、氷搬送路5と氷押出器13に負荷がかかる。本実施形態では、
図6のような氷搬送路2の形状とすることにより、エッジ2bで氷を確実に送出するようにしている。
【0023】
本実施形態では、
図6のようにエッジ2bの接続角度2b1は90°であるが、この角度でなくてもよく、45~100°の範囲であればよい。しかし氷の挟み込みが起こりにくいように、接続角度2b1は90°以下である方がよい。接続角度2b1の範囲としては60~90°であることが好ましい。また、
図6では円筒体211はX方向に対称であり、エッジ2bに対向する位置に同様のエッジが設けられている。しかし、氷押出器13は一方向に回転して
図6(a)に矢印で示すエッジ2bに氷が押しあてられることから、氷があたる一方のみにエッジ2bを設け、他方にはエッジを設けない形状としてもよい。
【0024】
<変形例>
本実施形態では、押出端線131cは、蓋体132の外端から軸13aの方向(Z方向)に延在するが、傾いていてもよい。
図8は、押出端線131c等の位置を示す図である。図中の円筒は蓋体132の外端円を一端とする仮想的な円柱面131gを示す。氷押出器13は図中の矢印の向きに回転する。
図8(a)は、本実施形態の押出端線131cの位置を示し、押出端線131cは円柱面131gの軸13aの方向に延在する。
【0025】
しかし、押出端線は軸13aのから傾いてもよい。
図8(b)は変形例1での押出端線131jを示す。押出端線131jは仮想的な円柱面131g上にあるが、上方よりも下方が回転方向に位置した曲線となっている。送出ヘッド21の開口端211bは軸13aの方向(Z方向)に延在しているため、押出器本体131の回転により開口端211bの下方から上方に向けて順次に押出端線131jが重なることになる。この変形例1では、氷の押し出しは上端で終了する。
図8(b)の押出端線131jとは逆に傾けることもできる。この場合は氷の押し出しは下端で終了する。押出端線は、蓋体132の円周を一端とする円柱面131gで略軸方向に延在すればよい。
【0026】
本実施形態は、製氷筒11とオーガ12とも共通する氷押出器13の軸13aが垂直方向であるが、斜め等の垂直方向でない方向でもよい。また、押出器本体131と蓋体132が一体に形成された氷押出器13としてもよい。凹部131fは上方が水平な凹部上面131nとなっているが、凹部上面131nがなく、下方から続いて凹部外面131kと凹部内面131mが延在してもよい。この場合には、氷出口131dは略直角三角形となる。
【0027】
図9に押出器の他の変形例を示す。
図9(a)は変形例2である氷押出器14の押出器本体141を上から見た図であり、実施形態における
図4(A1)、
図5(a)に相当する。また、
図9(b)は変形例3である氷押出器15の押出器本体151を上から見た図であり、同様に
図4(A1)、
図5(a)に相当する。氷押出器14、15は氷押出器13の蓋体132、蓋固定ネジ133と同様の構成を有する。
【0028】
実施形態では
図4に示すように、押出器本体131のほぼ全周にわたって押出曲面131aが設けられている。しかし、変形例2では、
図9(a)に示すように押出曲面141aは押出器本体141の周方向の半分にだけ設けられる。そして、残りの半分は下開口141hとなっている。変形例2では、
図9(a)の刃先線141bから押出端線141cまでの線は、氷押出器14の軸14aを通過する略半円弧となっている。また、押出曲面141aは実施形態の押出曲面131aよりも早く立ち上がる形状となっている。変形例2では、押出曲面141aの下部は実施形態のように凹部を有し、氷が通過して氷出口から出る。そして、主に下開口141hから押し上げられた氷と一体的に押し上げられる。氷は刃先線141bで切り取られて押出曲面141aの上を滑り、最終的に押出端線141cから側方へ押し出される。変形例2では凹部を設けているが、下開口141hが広いため凹部を設けなくてもよい。
【0029】
また、変形例3では、
図9(b)に示すように押出曲面151aが周方向に2つ設けられる。刃先線151b、押出端線151c、下開口151hも2つずつとなる。変形例2では、2つの刃先線151bを結ぶ線は、氷押出器15の軸15aを通過する略半円弧となっている。2つの押出端線151cを結ぶ線も同様である。また、変形例3では、押出曲面151aの下部は実施形態と同様に凹部となっており、氷が通過する。そして、実施形態と同様に氷が移動するが、押出曲面151aの上の氷は氷押出器15が半周まわる間に押出端線151cから押し出される。押出曲面151aは実施形態の押出曲面131aや変形例2の押出曲面141aよりも早く立ち上がる形状となっている。
【0030】
変形例2、3では、押出端線141c、151cは実施形態の押出端線131cと同様に、蓋体132の外端から軸13aの方向(Z方向)に延在する。しかし、変形例1の押出端線131jのように傾いたものとしてもよい。変形例3では、押出曲面151aを2つ設けているが、3つ以上の複数としてもよい。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 製氷部
11 製氷筒
12 オーガ
121 オーガ軸
122 螺旋刃
13 氷押出器
13a 軸
131 押出器本体
131a 押出曲面
131b 刃先線
131c 押出端線
131d 氷出口
131e 押出円柱
131f 凹部
131g 円柱面
131h 下開口
131j 押出端線
131k 凹部外面
131m 凹部内面
131n 凹部上面
131p 凹部下開口
132 蓋体
132a 中心孔
133 蓋固定ネジ
14 氷押出器
14a 軸
141 押出器本体
141a 押出曲面
141b 刃先線
141c 押出端線
141h 下開口
15 氷押出器
15a 軸
151 押出器本体
151a 押出曲面
151b 刃先線
151c 押出端線
151h 下開口
2 氷搬送路
2a 氷送出口
2b エッジ
2b1 接続角度
21 送出ヘッド
211 円筒体
211a 開口
211b 開口端
22 搬送路本体
22a 送入端
23 フランジ
24 ガイドリブ
3 貯氷室
31 入口カバー
32 発泡シール
41 受皿
42 ホース
5 氷搬送路
51 送出ヘッド
52 搬送路本体