(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240722BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20240722BHJP
【FI】
A47J27/00 109A
F24C7/04 301Z
A47J27/00 103Z
(21)【出願番号】P 2021012938
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 智志
(72)【発明者】
【氏名】田中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋一
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一也
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-178945(JP,A)
【文献】特開2003-294242(JP,A)
【文献】特開2003-148741(JP,A)
【文献】特開2010-246997(JP,A)
【文献】実開平02-116211(JP,U)
【文献】特開2018-084401(JP,A)
【文献】特開2018-038909(JP,A)
【文献】特開2008-175422(JP,A)
【文献】特開2014-152966(JP,A)
【文献】特開平02-223732(JP,A)
【文献】特開昭54-095034(JP,A)
【文献】特開2019-037591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
F24C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する容器
であって前記被調理物の蒸気を放出する蒸気孔を有する前記容器を内部に収容する調理室と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記容器の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段と、
前記調理室の天井壁に設けられ、前記調理室の温度を検出する蒸気検知センサと、を備え、
前記容器温度検出手段は、前記容器の前記被調理物と接触している部分の外面の表面温度を検出し、
前記蒸気検知センサによる前記被調理物の沸騰
の検知後に前記容器温度検出手段が所定の温度上昇を検出したとき、前記制御手段は、前記容器への加熱の量を減少させる、または前記容器への加熱を停止するように前記加熱手段を制御する構成とし
、
前記容器が前記調理室に収容されたときに、前記蒸気孔が前記容器温度検出手段よりも高い場所に位置するように前記容器温度検出手段が設けられることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
水分を含む被調理物を収容した容器
であって前記被調理物の蒸気を放出する蒸気孔を有する前記容器を内部に収容する調理室と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記容器の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段と、
前記調理室の天井壁に設けられ、前記調理室の温度を検出する蒸気検知センサと、を備え、
前記容器温度検出手段は、前記被調理物の水面よりも低い位置に設けられ、
前記蒸気検知センサによる前記被調理物の沸騰
の検知後に前記容器温度検出手段が所定の温度上昇を検出したとき、前記制御手段は、前記容器への加熱の量を減少させる、または前記容器への加熱を停止するように前記加熱手段を制御する構成とし
、
前記容器が前記調理室に収容されたときに、前記蒸気孔が前記容器温度検出手段よりも高い場所に位置するように前記容器温度検出手段が設けられることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
前記容器の種類、カテゴリを選択入力する容器選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記容器選択手段で選択入力された情報に基づいて前記容器温度検出手段の検出信号から前記被調理物の温度を算出するように構成されることを特徴とする請求項
1または2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理物としての米と水とを加熱調理してご飯を炊飯する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
被調理物としての米と水とを加熱調理してご飯を炊飯する装置としては炊飯器が周知であり、例えば特許文献1,2のように、マイクロ波を加熱源としたものが開示されている。このような炊飯器は、被調理物への加熱速度が速い一方で、大型のマグネトロンを内蔵するため、本体が大型化してしまうために設置場所を選ぶ必要があり、本体の重量が重くなってしまうために可搬性に難があり、被調理物への加熱ムラが大きいために食味に難がある、という課題がある。また、例えばこのような炊飯器を有していない、お茶碗1杯分など少量を、保温や冷凍保存をすることなく毎回炊飯したい、炊飯器が故障などで使用できない、などの理由により、例えば電子レンジなどの加熱調理器によりご飯を炊飯したいというユーザの要望も高まっており、このような加熱調理器用の炊飯容器、すなわち炊飯専用容器も販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-177137号公報
【文献】特開平3-237920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2のような、主にご飯の炊飯を行なう炊飯器では、専用の容器となる鍋の温度を監視し、また加熱時間を管理することにより炊飯を行なうことができ、鍋の温度を精度よく検出することで被調理物の温度を検出して、この被調理物への加熱量を制御している。しかしながら、主にご飯の炊飯以外を行なう電子レンジなどの加熱調理器では、容器を収容する調理室内に蒸気が発生するために、ご飯の炊飯のときに容器の温度を精度よく検出できず、そのため被調理物となる米と水の温度を精度よく算出できなかった。
【0005】
具体的には、加熱調理器では容器の温度検出に赤外線センサを利用しており、この赤外線センサは調理室の置台中央に載置された被調理物である食材の表面温度を精度よく検知するために調理室の上部に設けられて、調理室の置台中央付近にあるものの表面温度を主に検出している。しかしながら、例えば被調理物となる水から蒸気が発生すると、この蒸気が調理室に放出されて赤外線が乱反射してしまい、赤外線センサが容器の温度を精度よく検知できず、当該容器内の被調理物の温度変化を精度よく把握できないために過加熱や加熱不足になる虞があった。特にご飯の炊飯の場合、容器内の水が無くなり被調理物の温度が急激に上昇するドライアップ現象を検出する必要があるが、従来の加熱調理器ではこのドライアップ現象を精度よく検出できなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、調理室に収容された容器内の被調理物の温度変化を精度よく把握可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加熱調理器は、被調理物を収容する容器であって前記被調理物の蒸気を放出する蒸気孔を有する前記容器を内部に収容する調理室と、前記容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記容器の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段と、前記調理室の天井壁に設けられ、前記調理室の温度を検出する蒸気検知センサと、を備え、前記容器温度検出手段は、前記容器の前記被調理物と接触している部分の外面の表面温度を検出し、前記蒸気検知センサによる前記被調理物の沸騰の検知後に前記容器温度検出手段が所定の温度上昇を検出したとき、前記制御手段は、前記容器への加熱の量を減少させる、または前記容器への加熱を停止するように前記加熱手段を制御する構成とし、前記容器が前記調理室に収容されたときに、前記蒸気孔が前記容器温度検出手段よりも高い場所に位置するように前記容器温度検出手段が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、容器温度検出手段により被調理物の温度変化を精度よく把握することができる。また容器内の被調理物から蒸発した蒸気は、被調理物の水面から上昇するため、容器温度検出手段への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度を向上させて確保し、加熱不足や過加熱を防止して、炊飯だけでなく調理も安定して行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す電子レンジの外観斜視図である。
【
図3】同上、容器底温度センサ周辺の要部を示す概略図である。
【
図4】同上、主な電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】同上、炊飯調理における、容器底温度センサの検知温度と、蒸気検知センサの検知温度と、の経時的な変化を示すグラフである。
【
図6】本発明の第2の実施形態を示すオーブンレンジの、前面から見た縦断面概略図である。
【
図7】同上、主な電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態の変形例を示すオーブンレンジの、容器底温度センサ周辺の要部を示す概略図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態のさらなる変形例を示すオーブンレンジの、前面から見た縦断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明における好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【実施例1】
【0011】
図1~
図5は、本発明の第1の実施形態の加熱調理器を電子レンジに適用した構成を示している。先ず
図1~
図3に基いて、電子レンジの全体構成を説明すると、1は略矩形箱状に構成される本体で、この本体1は、製品となる電子レンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット2を備えている。また3は、本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。
【0012】
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉3の側部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする、例えば操作パネル部5に設けられるキーや表示手段6の表面に設けられるタッチパネルなどの操作手段7が配設される。扉3の内部で操作パネル部5の後側には、図示しないが、表示手段6や操作手段7などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。また8は、家庭用のコンセントに挿抜が可能な電源プラグが設けられた電源コードである。
【0013】
本体1の左右側面と上面を形成するキャビネット2は金属製のオーブン11を覆うように設けられ、このオーブン11が加熱調理すべき被調理物Sを収容した容器13を内部に収容する調理室12を形成する。オーブン11は金属製のため、後述する容器置台24を除く調理室12の内面は全てマイクロ波が透過不能な材料で形成されている。
【0014】
また調理室12の内面を形成する周壁は、天井壁12aと、底壁12bと、左側壁12cと、右側壁12dと、奥壁12eとからなり、天井壁12aに調理室12の温度を検出する温度検出手段としての、サーミスタで構成される蒸気検知センサ14が設けられ、左側壁12cの上部外側に調理室12内の温度分布を検出する温度分布検出手段としての、赤外線センサで構成される食品温度センサ15が設けられる。ここでの食品温度センサ15は、窓16を通して調理室12内全体の温度分布を検出することで、そこに収容された被調理物が放射する赤外線の量から被調理物の表面温度を短時間で検出するものである。また調理室12の前面はオーブン11の前面を形成するオーブン前板(図示せず)に達していて、被調理物Sを出し入れするために開口しており、この開口を扉3で開閉する構成となっている。
【0015】
調理室12の側部に位置し、調理室12の右側壁12dとキャビネット2との間に形成される本体1の側部空間18には、調理室12内に電波であるマイクロ波を供給するために、マイクロ波発生手段となるマグネトロン19が設けられ、調理室12の天井壁12aとキャビネット2との間に形成される本体1の上部空間20から、前述の側部空間18にかけて、筒状の導波管21が設けられる。導波管21の基部は、調理室12の右側壁12dよりも側方に延出し、マグネトロン21の先端に設けたマイクロ波を放射させる放射部としてのアンテナ22と接続される。また導波管21の先端部は、調理室12の天井となる天井壁12aに開口形成された窓23に連通する。このように構成されることで、マグネトロン駆動装置33(
図4参照)への通電動作により、マグネトロン21からマイクロ波を放射して導波管21に伝送され、調理室12の天井側に設けた窓23より調理室12の内部空間に向けてマイクロ波を放射するようになっている。
【0016】
容器13は、電波としてのマイクロ波を透過するガラスやセラミック、プラスチックなどを材料として作成され、容器本体13aと蓋13bとからなる。容器本体13aは上面が開口された有底筒状に形成され、内部に被調理物Sとして米や水を収納する。また容器本体13aの底面は、中央が上方に凸を成し、周囲部がリング状に載置する箇所と接触する略お椀型に形成されており、容器本体13aの底部と載置する箇所との間に形成される隙間空間Cに、例えば調理中に発生する蒸気などが侵入しないようにしている。蓋13bは容器本体13aの上面開口部を開閉自在に覆っており、蓋13bの天井部分には、容器13内で発生した蒸気を容器13の外の調理室12に放出する蒸気孔13cが形成される。
【0017】
調理室12の底壁12bには容器13を載置する容器置台24が設けられる。容器置台24は、マイクロ波を透過するガラスやセラミックなどからなり、容器13を載置する容器載置部24aに対向する部分に、透明または半透明に形成された赤外線透過窓24bが形成される。そしてこの赤外線透過窓24bに対向して、底壁12bと容器置台24との間に赤外線センサで構成される容器底温度センサ25が設けられる。
【0018】
容器13の中に被調理物Sとして水分を含む調理物を収容したとき、この被調理物Sがマイクロ波で加熱されると被調理物Sの温度が上昇する。このとき被調理物Sに水分が存在する場合、容器13の被調理物Sと接触している部分の内面温度は沸騰温度である100℃を超えることがなく、すなわち被調理物Sの沸騰後は、容器13の内容物である被調理物Sにより、この部分が被調理物Sの沸騰温度である100℃に冷却された状態となる。その一方で、容器13の被調理物Sと接触していない部分の内面温度は被調理物Sの影響をあまり受けないため、この部分の温度を検出しても容器13内に水分が存在するかどうかを安定的に把握することができず、また被調理物Sの温度も算出することが困難である。
【0019】
そこで本実施形態の容器底温度センサ25は、容器13における被調理物Sとの接触する部分である容器本体13aの底部に対向する容器外面の表面温度を検出するため、被調理物Sの温度変化を速やかに検知することができる。また被調理物Sの水面や蒸気の発生源となる蒸気孔13cより下方の位置である容器載置部24aに容器底温度センサ25を設けており、容器13の被調理物Sから蒸発した蒸気は被調理物Sの水面から上昇して蒸気孔13cから上方へと放出されるため、容器底温度センサ25に蒸気が向かうことがなく、蒸気の影響を最小限にすることができる。したがって容器底温度センサ25は、容器13の温度を非接触に検出する容器温度検出手段として作用している。
【0020】
なお赤外線センサはマイクロ波の影響を受けるため、容器底温度センサ25はマイクロ波が届きにくい場所に設置されることが好ましく、例えば容器13を載置したときにマイクロ波が直接放射されない容器載置部24aの中央付近に設置されることが好ましい。
【0021】
図3は、本実施形態における加熱調理器本体1の、容器底温度センサ25周辺の要部を示す概略図である。
図3を参照して説明すると、容器本体13aの底面は、中央が上方に0.5mm以上凸を成し、周囲部がリング状に容器置台24の容器載置部24aに接触する略お椀型に形成されており、容器本体13aの底部と載置する箇所との間に形成される隙間空間Cに、例えば調理中に発生する蒸気などが侵入しないようにしている。そのため容器底温度センサ25が検出する赤外線が、例えば蒸気により乱反射することを防止することができ、容器底温度センサ25の視野V1が赤外線透過窓24bを通して容器本体13aの底部に確実に達して、容器13の底部の温度を確実に検出できるようにしている。また容器本体13aを容器載置部24aにガタつくことなく安定的に載置することができ、そして容器本体13aの底面中央の凸部が梁の役目を果たし、また容器本体13aの底面がお椀型に形成されるので容器本体13aの底部の強度を向上させることができる。なお本実施形態では、容器本体13aの底面が略お椀型に形成されるが、底面を平坦に形成して外周に脚部を設けるように構成してもよい。
【0022】
なお容器本体13aの底部に水滴が付着していた場合、調理中に容器本体13aの温度が上昇してこの水滴が沸騰して蒸気になり、隙間空間Cにこの蒸気が充満して、容器底温度センサ25が検知する赤外線が乱反射する要因となる虞がある。また、この蒸気が冷却されて再度水滴になったときに、隙間空間Cの圧力が低下して、容器本体13aの底面と容器置台24の容器載置部24aとが接着状態となる虞がある。このため本実施形態の加熱調理器では、容器置台24の容器載置部24aにおいて容器本体13aの底面との接触箇所に凹凸を設けて、容器本体13aを載置したときに通気路26が形成されるように構成してもよい。このように構成することで、容器本体13aの底部に水滴が付着していた場合でも、この通気路26から蒸気を調理室12へ放出して隙間空間Cにこの蒸気が充満することを抑制することができ、また調理室12の空気が隙間空間C内に流入することができるために、隙間空間Cの圧力が低下することを抑制することができる。
【0023】
図4は、本実施形態の電子レンジの主な電気的構成を図示したものである。同図において、31はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段31は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0024】
制御手段31の入力ポートには、前述した操作手段7や、蒸気検知センサ14や、食品温度センサ15や、容器底温度センサ25の他に、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段32が電気的に接続される。また制御手段31の出力ポートには、前述した表示手段6の他に、マグネトロン19を駆動させる駆動手段としてのマグネトロン駆動装置33が電気的に接続される。したがって本実施形態では、マグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33が加熱手段として作用している。
【0025】
制御手段31は、操作手段7からの操作信号と、蒸気検知センサ14や、食品温度センサ15や、容器底温度センサ25や、扉開閉検出手段82からの各検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、マグネトロン駆動装置33に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段31が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段31を加熱調理制御部34と、表示制御部35として機能させるプログラムを備えている。
【0026】
加熱調理制御部34は、主に被調理物Sの加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、操作手段7の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段82からの検出信号により、扉3が閉じていると判断した場合に、その操作信号に応じて、マグネトロン駆動装置33に制御信号を送出して、被調理物Sに対する種々の加熱調理を制御する。
【0027】
本実施形態では、マイクロ波加熱を実行するための被加熱物Sの材料および加熱条件を含む調理情報として、予め複数のメニューが前記メモリに記憶保持されており、加熱調理制御部34はその中から選択された一つのメニューについて、操作手段7から実行する操作が行われると、その選択されたメニューに従う所定の手順で、被調理物Sを自動的に加熱する自動調理機能を備えている。
【0028】
こうした自動調理機能の中で、本実施形態では、例えば被調理物Sとしての米および水を炊飯する自動炊飯のメニューを選択した場合に、マグネトロン19からのマイクロ波を調理室12の内部に放射しながら、調理時間やレンジ出力などを操作手段7からの操作入力無しに自動的に設定して、容器13に投入した米の吸水を促進させるひたし行程と、被炊飯物Sの温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱行程と、被炊飯物Sの沸騰状態を継続させる沸騰継続行程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらし行程の各行程を順に実行して、容器13内部の被炊飯物Sに対してレンジ加熱する自動炊飯制御部36を、加熱調理制御部34の中の一機能として備えている。
【0029】
表示制御部35は、加熱調理制御部34と連携して、表示手段6の表示に係る動作を制御するものである。表示制御部88の制御対象となる表示手段6は、液晶パネルや照明灯により構成されるが、それ以外の表示器を用いてもよい。
【0030】
次に
図5を参照しつつ、第1の実施形態において上記構成の電子レンジについて、その作用を詳しく説明する。
図5は、本実施形態の加熱調理器の炊飯調理における、容器底温度センサ25の検知温度t
1と、蒸気検知センサ14の検知温度t
2と、の経時的な変化をグラフで示している。
【0031】
まず容器本体13a内に水分を含む被調理物Sとして米および水を入れ、蓋13bを閉じる。それと前後して、電源コード8の電源プラグをコンセントに差し込んで本体1を通電させ、ハンドル4を手で握りながら扉3を開けて、容器13を容器置台24の容器載置部24aに載置する。その後、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、操作手段7により調理メニューを選択操作した後に、被調理物Sの加熱調理開始を指示すると、制御手段31のメモリに組み込まれた制御プログラムに従って、選択した調理メニューに対応して生成された制御信号が、制御手段31の出力ポートから所定のタイミングで出力され、被調理物Sが加熱調理される。
【0032】
ここで例えば自動炊飯のメニューを選択した場合、表示制御部35は、容器13の材料や形状や厚さや色など、容器13の種類、カテゴリを選択入力する容器選択画面を表示させるように表示手段6を制御する。このように本実施形態では、容器13の種類やカテゴリを入力可能にしており、その選択された容器13の種類やカテゴリの情報に基いて容器底温度センサ25からの検出信号から容器13内の被調理物Sの温度を算出して、マイクロ波によるレンジ加熱を実施できるように構成される。
【0033】
そして操作手段7により容器13の種類、カテゴリを選択入力して、炊飯調理を開始すると、その操作信号が制御手段31に受け入れられ、制御手段31の自動炊飯制御部36は、蒸気検知センサ14や容器底温度センサ25からの各検出信号を受けて、自動炊飯のメニューの加熱パターンに沿って被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、マグネトロン駆動装置33に制御信号を送出する。これにより、マグネトロン19が駆動してマイクロ波が供給放射され、調理室12内にマイクロ波が放射されて、容器置台24に載置された容器13に収納された被加熱物Sがレンジ加熱される。
【0034】
具体的には炊飯調理を開始すると、制御手段31の自動炊飯制御部36は、所定の時間、例えば15分間、被調理物Sの米に水を吸水させるひたし行程を行なう。このとき、容器13内の水温を所定の温度、例えば35~55℃、最高でも60℃にまで昇温させて米の吸水を促進させてもよい。ここで、食品の温度を非接触で検出する食品温度センサ15では、被調理物Sを収容している容器本体13aに蓋13bをされ、蓋13bには被調理物Sが接触していないため正確な水温検出が困難であり、蒸気検知センサ14では蒸気が発生するまでは正確な被調理物Sの温度検出が困難である。そのため本実施形態において、被調理物Sが接触している容器13の底部の温度を容器底温度センサ25により検出し、選択入力された容器13の種類やカテゴリに基いて容器13内の水温を算出する構成としている。
【0035】
その後、所定の時間のひたし行程が終了し、次の沸騰加熱行程に移行すると、被調理物Sの沸騰検知を行なうまでの加熱で、自動炊飯制御部36は、マグネトロン19を連続して駆動する制御を行なうことにより、容器本体内の被調理物Sをひたし行程よりも強く加熱し、被調理物Sを、例えば10分程度の短時間で沸騰の温度まで上昇させる。ここで、ひたし行程で被調理物Sの水温を、例えば60℃まで昇温した場合は、自動炊飯制御部36は、被調理物Sの水温を60℃から沸騰の温度の100℃まで5分程度で上昇させる加熱量に調整するようにマグネトロン駆動装置33を制御する。
【0036】
被調理物Sの水温が70℃付近になると被調理物Sから蒸気が発生し始め、蒸気検知センサ14が被調理物Sからの蒸気の発生を検出して当該蒸気の温度を検知する。その後、自動炊飯制御部36は、容器13の底部の温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを容器底温度センサ25からの検知信号により検出し、それに加えて被調理物Sから蒸気の温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを蒸気検知センサ14からの検知信号により検出すると、被調理物Sの沸騰を検知する沸騰検知を開始する。具体的には、自動炊飯制御部36は、引き続きマグネトロン19を連続して駆動する制御を行なって容器13内部で被調理物Sを強く加熱する一方で、蒸気検知センサ14の検知温度が所定の時間にどの程度上昇するのかという検知温度の傾きを算出する。そして自動炊飯制御部36は、この蒸気検知センサ14の検知温度の傾きが一定値以下になって安定したら、容器13内部の被調理物Sが沸騰したと判断する沸騰検知を行ない、次の沸騰継続行程に移行する。
【0037】
蒸気検知センサ14で沸騰の検知を行ない沸騰継続行程に移行すると、水の比熱が小さくなるため、自動炊飯制御部36は、加熱量を少なくするようにマグネトロン駆動装置33を制御し、容器13内部の被調理物Sの沸騰を継続させて米の糊化を促進させる。具体的には、自動炊飯制御部36は、被調理物Sの蒸気の温度が所定の温度、例えば100℃になるように、蒸気検知センサ14の検知温度によりマグネトロン19からマイクロ波による加熱量が管理されている。そして自動炊飯制御部36は、沸騰継続行程で容器13内部の水が無くなり、容器底温度センサ25からの容器13の底部の温度検知信号により所定の温度上昇を生じたことを検出することで、容器底温度センサ25の検知温度に基づき被調理物Sのドライアップ現象を検出する。ここでは、容器底温度センサ25の検知温度が所定のドライアップ温度、例えば120℃に達すると、容器13内部の被調理物Sのドライアップ現象を検出して沸騰継続行程が終了し、沸騰加熱行程から次のむらし行程に移行する。
【0038】
むらし行程では、自動炊飯制御部36は、加熱量を少なくするようにマグネトロン駆動装置33を制御し、またはマグネトロン駆動装置33を停止するように制御して、容器13内部を高温に保持して被調理物Sの米に吸収されていない水を米に吸収させて米の糊化をさらに促進させ、または余分な水として蒸発させて、蓋13bの蒸気孔13cから容器13の外に放出する。本実施形態のむらし行程は所定時間、例えば10~15分間続けられる一方で、蒸気検知センサ14による沸騰検知を行なってから20分以上と設定しており、20分に満たない場合は沸騰検知を行なってから20分経過するまでむらし行程を延長する構成にしている。このように被調理物Sが沸騰したと判断してから20分の高温保持時間、例えば98℃以上で20分間の保持時間を確保することにより、被調理物Sの米を十分に糊化することができ、十分に糊化したご飯を炊飯することができる。むらし行程が終了したら、自動炊飯が完了する。
【0039】
なお本実施形態では、水分を含む被調理物Sとして米と水を採用して説明したが、本発明はこれに限定されず、水分を含む被調理物Sとして、例えば煮物や煮込み料理を採用してもよく、容器13として皿などの蓋のない容器を採用してもよい。この場合、マイクロ波によるレンジ加熱を行なうときに、ドライアップ現象を検知することにより過加熱を防止するように構成される。具体的には、マイクロ波によるレンジ加熱を行なっているとき、被調理物Sの温度検出に蒸気検知センサ14および食品温度センサ15を利用しているが、被調理物Sが沸騰して水分がすべて蒸発すると、被調理物Sの温度が沸騰温度である100℃を超えて上昇する。ここで容器底温度センサ25の検知温度が、所定のドライアップ温度、例えば120℃に達すると、自動炊飯制御部36は容器13内部の被調理物Sのドライアップ現象を検出し、容器13への加熱の量を減少させる、または容器13への加熱を停止するようにマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御するように構成される。このため、レンジ加熱で過加熱になったときや、容器13が異常加熱したときに、容器13への加熱の量を減少させる、または加熱を停止させることができ、被調理物Sが炭化、発火することを防止することができ、安全性が向上する。
【0040】
以上のように、本実施形態の加熱調理器としての電子レンジは、被調理物Sとして米と水を収容した容器13を内部に収容する調理室12と、容器13を加熱する加熱手段としてのマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33と、マグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御する制御手段としての自動炊飯制御部36と、容器13の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段としての容器底温度センサ25と、を備え、容器底温度センサ25は、容器13の被調理物Sと接触している部分としての容器本体13aの底部の外面の表面温度を検出し、被調理物Sの沸騰後に容器底温度センサ25が所定の温度上昇を検出して、被調理物Sのドライアップ現象を検出したとき、自動炊飯制御部36は、容器13への加熱の量を減少させる、または容器13への加熱を停止するようにマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御する構成としている。
【0041】
このように構成することにより、容器底温度センサ25が、容器13の被調理物Sと接触している部分である容器本体13aの底部の外面の表面温度を精度よく検出するため、被調理物Sの温度変化を速やかに算出して精度よく把握することができる。また容器13内の被調理物Sから蒸発した蒸気は、被調理物Sの水面から上昇するため、容器底温度センサ25への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度を向上させて確保し、加熱不足や過加熱を防止して、炊飯だけでなく調理も安定して行なうことができる。
【0042】
また本実施形態の電子レンジは、容器底温度センサ25が、容器13に収容された、水分を含む被調理物Sとしての米および水の水面よりも低い位置である容器載置部24aに設けられ、被調理物Sの沸騰後に容器底温度センサ25が所定の温度上昇を検出して、被調理物Sのドライアップ現象を検出したとき、自動炊飯制御部36は、容器13への加熱の量を減少させる、または容器13への加熱を停止するようにマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御する構成としている。
【0043】
このように構成することでも、容器底温度センサ25への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度を向上させて確保し、加熱不足や過加熱を防止して、炊飯だけでなく調理も安定して行なうことができる。
【0044】
また本実施形態の電子レンジは、被調理物Sの蒸気を調理室12に放出する蒸気孔13cを有する容器13をさらに備え、容器13が調理室12に収容されたときに、蒸気孔13cが容器底温度センサ25よりも高い場所に位置する構成であるため、容器13の被調理物Sから蒸発した蒸気が蒸気孔13cから上方へと放出されて、容器底温度センサ25への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度をさらに向上させて確保することができる。
【0045】
また本実施形態の電子レンジは、容器13の種類、カテゴリを選択入力する容器選択手段としての容器選択画面をさらに備え、自動炊飯制御部36は、容器選択画面で選択入力された情報に基づいて容器底温度センサ25の検出信号から被調理物Sの温度を算出するように構成される。そのため、マイクロ波によるレンジ加熱をさらに的確に実施することができる。
【0046】
また本実施形態の電子レンジは、被調理物Sを収容した容器13を内部に収容する調理室12と、調理室12の温度を検出する温度検出手段としての蒸気検知センサ14と、調理室12内の温度分布を検出する温度分布検出手段としての食品温度センサ15と、容器13の容器本体13aの底面の表面温度を検出する容器温度検出手段としての容器底温度センサ25と、を備えて構成される。
【0047】
このように構成することで、加熱を行なっているときは、被調理物Sの温度検出に蒸気検知センサ14および食品温度センサ15を利用でき、被調理物Sの所定のドライアップ温度を検出するときは容器底温度センサ25を利用できるので、加熱時に被調理物Sが過加熱になったときや、容器13が異常加熱したときに、容器13への加熱の量を減少させる、または加熱を停止させることができ、被調理物Sが炭化、発火することを防止することができ、安全性が向上する。
【実施例2】
【0048】
図6および
図7は、本発明の第2の実施形態の加熱調理器をオーブンレンジに適用した構成を示している。本実施形態では、レンジ加熱に加えてオーブン加熱も行なえる構成となっており、容器側面下部温度センサもさらに備えて構成されている。
【0049】
図6に基いて本実施形態のオーブンレンジの構成を説明すると、41は、本体1’の内部において、調理室12の室外側方に具備されるオーブン加熱用の熱風ヒータユニットである。この熱風ヒータユニット41は、被調理物Sを収容した容器13の加熱手段として本体1の側部空間18に設けられており、右側壁12dに取付けられる凸状のケーシング42と、空気を加熱する熱風ヒータ43と、調理室12内に加熱した空気を送り込んで循環させる熱風ファン44と、熱風ファン44を所定方向に回転させる電動の熱風モータ45と、により概ね構成される。右側壁12dとケーシング42との間の内部空間として、調理室12の室外側方に形成された加熱室46には、熱風ヒータ43と熱風ファン44がそれぞれ配設される。
【0050】
熱風ファン44は、軸方向に取り入れた空気を、回転時の遠心力によって、軸方向と直角な放射方向に吐き出すいわゆる遠心ファンとして設けられており、管状の熱風ヒータ43は熱風ファン44の放射方向を取り囲んで配置される。発熱部でもある熱風ヒータ43は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。右側壁12dは、その中央に吸込み口47を備えており、吸込み口47の周囲には複数の熱風吹出し口48を備えている。これらの吸込み口47や熱風吹出し口48は、調理室12と加熱室46との間を連通する通風部として機能するものである。
【0051】
そして本実施形態では、熱風モータ45への通電に伴い熱風ファン44が回転駆動すると、調理室12の内部から吸込み口47を通して吸引された空気が、熱風ファン44の放射方向に吹出して、通電した熱風ヒータ43により加熱され、熱風が熱風吹出し口48を通過して、調理室12内に供給される。これにより、調理室12の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室12内の被調理物Sや容器13を熱風コンベクション加熱する構成となっている。
【0052】
本実施形態のマイクロ波加熱手段と、その周辺の細部構造について説明する。本実施形態のマイクロ波加熱手段は調理室12の容器置台24の下方から調理室12の内部空間に向けてマイクロ波を放射する構成を採用しており、本体1の側部空間18の下部にマグネトロン19が設けられ、調理室12の底壁12bと容器置台24との間に形成される空間51に導波管21が設けられる。マイクロ波発生装置は、前述したマグネトロン19やマグネトロン駆動装置33、導波管21の他に、容器載置部24aの下方に設けられる回転アンテナ52と、この回転アンテナを回転させるアンテナ回転モータ53と、により主に構成される。
【0053】
回転アンテナ52は、マグネトロン19で発振されて導波管21により回転アンテナ52の直下に導かれたマイクロ波を撹拌して、このマイクロ波を容器置台24に載置された容器13に万遍なく照射するものであり、容器置台24に対向して、回転アンテナ52の全体が容器置台24と平行に配置される。
【0054】
本実施形態の容器底温度センサ25は、回転アンテナ52からのマイクロ波の影響を避けるため、空間51の下方の底壁12bに設けられ、容器載置部24aにおける容器本体13aの底面周囲部との接触箇所の下方に配置される。また容器底温度センサ25上方の容器載置部24aに対向する部分に、赤外線透過窓24bが形成される。
【0055】
55は、左側壁12cの下部外側に、容器13を載置する容器置台24から所定の高さで設けられ、容器本体13aの側面下部の表面温度を検知する容器側面下部温度センサである。この容器側面下部温度センサ55は赤外線センサで構成され、容器13の蒸気の発生源となる蒸気孔13cより低い位置に設けられており、蒸気の影響を最小限にしている。また本実施形態の容器側面下部温度センサ55は、容器置台24が配設される位置の少し上の高さに設けられており、容器本体13aの底部から側面に移行する立ち上がり部13dの表面温度を検知するように構成される。そのため、容器側面下部温度センサ55が容器13に収容された被調理物Sの水面よりも低い位置に設けることができるので、この被調理物Sから蒸発した蒸気が容器側面下部温度センサ55に向かうことがなく、蒸気孔13cから上方へと放出されるため、容器13から発生する蒸気の影響を最小限にできる。また容器側面下部温度センサ55と容器本体13aの温度検知位置である立ち上がり部13dとの距離、すなわち容器側面下部温度センサ55の視野V2の距離を最短にすることができ、そして被調理物Sの量が少ない場合でも、容器13の被調理物Sと接触している部分の外面である立ち上がり部13dの表面温度を検知できるため、被調理物Sの温度変化を速やか、かつ精度よく把握することができる。
【0056】
図7は、本実施形態の電子レンジの主な電気的構成を図示したものである。制御手段31の入力ポートには、第1の実施形態で説明した操作手段7や、蒸気検知センサ14や、食品温度センサ15や、容器底温度センサ25や、扉開閉検出手段32、および前述した容器側面下部温度センサ55の他に、熱風ファン44の回転速度を検出する熱風モータ回転検出手段61と、マイクロ波発生装置を構成する回転アンテナ52の原点位置を検出する回転アンテナ位置検出手段62とが、それぞれ電気的に接続される。また制御手段31の出力ポートには、前述した表示手段6やマグネトロン駆動装置33の他に、調理室12内にマイクロ波を放射する回転アンテナ52を回転駆動させるアンテナ回転モータ53を動作させるための回転アンテナ駆動手段63と、オーブン加熱用の熱風ヒータ27をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ駆動手段64と、熱風モータ45を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段65と、が、それぞれ電気的に接続される。
【0057】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、例えば被調理物Sとしての米および水をレンジ加熱で炊飯する自動炊飯のメニューを選択した場合に、マグネトロン19からのマイクロ波を調理室12の内部に放射しながら、調理時間やレンジ出力などを操作手段7からの操作入力無しに自動的に設定して、ひたし行程、沸騰加熱行程、沸騰継続行程、むらし行程の各行程を順に実行して、容器13内部の被炊飯物Sに対してレンジ加熱する自動炊飯制御部36を、加熱調理制御部34の中の一機能として備えている。
【0058】
また本実施形態の加熱調理制御部34は、被調理物Sとしての、例えばブロック肉や骨付き肉などの肉を加熱する自動オーブン調理のメニューを選択し、その後で肉の種類を選択した場合に、熱風ヒータ27で加熱された空気が熱風ファン28により調理室12の内部に供給されながら、調理時間や加熱温度などを操作手段7からの操作入力無しに自動的に設定して、熱風ヒータ27および熱風ファン28を設定時間に達するまで設定温度で駆動制御し、調理室12に入れられた被調理物Sとしての肉を熱風コンベクション加熱する機能を備えている。
【0059】
次に、第2の実施形態において上記構成のオーブンレンジについて、その作用を詳しく説明する。操作手段7により容器13の種類、カテゴリを選択入力して、炊飯調理を開始するまでは第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
炊飯調理を開始すると、その操作信号が制御手段31に受け入れられ、制御手段31の自動炊飯制御部36は、蒸気検知センサ14、容器底温度センサ25、容器側面下部温度センサ55および回転アンテナ位置検出手段からの各検出信号を受けて、被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、マグネトロン駆動装置33と、回転アンテナ駆動手段63とに各々制御信号を送出する。これにより、マグネトロン19が駆動してマイクロ波が供給放射され、アンテナ回転モータ53に発生した回転力が回転アンテナ52に伝達されて回転駆動させ、調理室12内にマイクロ波が放射されて、容器置台24に載置された容器13に収納された被加熱物Sがレンジ加熱される。具体的な温度制御に関しては、第1の実施形態の電子レンジと同様である。ここで、容器底温度センサ25の検知温度の代わりに容器側面下部温度センサ55の検知温度を使用して被加熱物Sをレンジ加熱してもよく、容器底温度センサ25および容器側面下部温度センサ55の両方の検知温度を併用して被加熱物Sをレンジ加熱してもよい。
【0061】
なお、被調理物Sとして米と水を容器13に収容して炊飯する炊飯調理をオーブン加熱で行なってもよい。この場合、熱風ヒータ27で加熱された空気が熱風ファン28により調理室12の内部に供給されるため、この空気が容器13と接触するとその部分が加熱されてしまい、容器側面下部温度センサ55の検知温度では被加熱物Sの温度を精度よく把握できない。そのため第1の実施形態と同様に、容器底温度センサ25および蒸気検知センサ14の検知温度を使用して被加熱物Sの炊飯調理をオーブン加熱で行なってもよい。具体的な温度制御に関しては、第1の実施形態の電子レンジと同様であるので説明を省略する。
【0062】
以上のように、本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジは、被調理物Sとして米と水を収容した容器13を内部に収容する調理室12と、容器13を加熱する加熱手段としてのマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33や、ヒータ駆動手段64および熱風モータ駆動手段65と、マグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33や、ヒータ駆動手段64および熱風モータ駆動手段65を制御する制御手段としての加熱調理制御部34と、容器13の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段としての容器底温度センサ25および容器側面下部温度センサ55と、を備え、容器底温度センサ25は、容器13の被調理物Sと接触している部分としての容器本体13aの底部の外面の表面温度を検出し、容器側面下部温度センサ55は、容器13の被調理物Sと接触している部分としての容器本体13aの側面下部の外面の表面温度を検出し、被調理物Sの沸騰後に容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55が所定の温度上昇を検出して、被調理物Sのドライアップ現象を検出したとき、自動炊飯制御部36は、容器13への加熱の量を減少させる、または容器13への加熱を停止するようにマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御する構成としている。
【0063】
このように構成することにより、容器底温度センサ25が容器本体13aの底部の外面の表面温度を精度よく検出し、容器側面下部温度センサ55が容器本体13aの側面下部の表面温度を精度よく検出するため、被調理物Sの温度変化を速やかに算出して精度よく把握することができる。また容器13の被調理物Sから蒸発した蒸気は、被調理物Sの水面から上昇して蒸気孔13cから上方へと放出されるため、容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度を向上させて確保し、加熱不足や過加熱を防止して、炊飯だけでなく調理も安定して行なうことができる。
【0064】
また本実施形態のオーブンレンジは、容器底温度センサ25が容器13に収容された被調理物Sの水面よりも低い位置である底壁12bに設けられ、また容器側面下部温度センサ55が容器13に収容された被調理物Sの水面よりも低い位置である左側壁12cの下部外側に設けられ、被調理物Sの沸騰後に容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55が所定の温度上昇を検出して、被調理物Sのドライアップ現象を検出したとき、自動炊飯制御部36は、容器13への加熱の量を減少させる、または容器13への加熱を停止するようにマグネトロン19およびマグネトロン駆動装置33を制御する構成としている。
【0065】
このように構成することでも、容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度を向上させて確保し、加熱不足や過加熱を防止して、炊飯だけでなく調理も安定して行なうことができる。
【0066】
また本実施形態のオーブンレンジは、被調理物Sの蒸気を調理室12に放出する蒸気孔13cを有する容器13をさらに備え、容器13が調理室12に収容されたときに、蒸気孔13cが容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55よりも高い場所に位置する構成であるため、容器13の被調理物Sから蒸発した蒸気が蒸気孔13cから上方へと放出されるため、容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55への蒸気の影響を最小限にすることができ、被調理物Sの水が無くなったときに発生するドライアップ現象の検知精度をさらに向上させて確保することができる。
【0067】
また本実施形態のオーブンレンジは、被調理物Sを収容した容器13を内部に収容する調理室12と、調理室12の温度を検出する温度検出手段としての蒸気検知センサ14と、調理室12内の温度分布を検出する温度分布検出手段としての食品温度センサ15と、容器13の容器本体13aの底面または側面下部の表面温度を検出する容器温度検出手段としての容器底温度センサ25または容器側面下部温度センサ55と、を備えて構成される。
【0068】
このように構成することで、加熱を行なっているときは、被調理物Sの温度検出に蒸気検知センサ14および食品温度センサ15を利用でき、被調理物Sの所定のドライアップ温度を検出するときは容器底温度センサ25または容器側面下部温度センサ55を利用できるので、加熱時に被調理物Sが過加熱になったときや、容器13が異常加熱したときに、容器13への加熱の量を減少させる、または加熱を停止させることができ、被調理物Sが炭化、発火することを防止することができ、安全性が向上する。
【0069】
図8は、第2の実施形態の変形例を示している。本変形例では、反射鏡67を備え、この反射鏡67に容器底温度センサ25の赤外線を反射させて容器13の温度を検知している。
【0070】
図8は、本変形例における加熱調理器の、容器底温度センサ25周辺の要部を示す概略図である。
図8を参照して説明すると、67は、空間51に設けられ、赤外線透過窓24bの下方に配置された反射鏡である。また容器底温度センサ25は、左側壁12cの最下部に設けられ、視野V1が空間51の反射鏡67に向かうように配置される。ここで反射鏡67は、赤外線透過窓24bを通して放射された容器13の底部からの赤外線が、容器底温度センサ25に向かって放射され、容器底温度センサ25がこの赤外線を検知できるように、容器置台24に対して角度をつけて配設される。このようにして本変形例の容器底温度センサ25も、容器本体13aの底部の外面の表面温度を非接触に検出する容器温度検出手段として作用している。
【0071】
このように構成することにより、容器底温度センサ25を回転アンテナ52や導波管21から離れた場所に設けることができ、したがってマイクロ波の影響を受けない場所に設けることができる。また容器底温度センサ25は容器置台24よりも下方に設けられるので、蒸気の影響を最小限にすることができる。そして容器底温度センサ25が底壁12bではなく左側壁12cに設けられるため、底壁12bとキャビネット2との間の空間を有効活用できる。
【0072】
図9は、第2の実施形態のさらなる変形例を示している。本変形例の加熱調理機としての電子レンジでは、第2の実施形態の構成を、例えば市販のレトルト食品や無菌パックの包装米飯、いわゆるパックご飯と称されるもののレンジ加熱に応用している。
【0073】
これらの包装米飯をレンジ加熱するとき、製造業者により、例えば500Wまたは600Wで2分程度、または1000Wで1分30秒程度レンジ加熱するように指定されている。しかしながら、ユーザが誤って、例えば900Wや1000Wで指定された時間である1分30秒を超えてレンジ加熱を行なう虞があり、または500Wまたは600Wで指定された時間である2分を超えてレンジ加熱を行なう虞がある。このとき従来の加熱調理機では、過加熱により包装米飯の被調理物Sであるご飯の水分がすべて蒸発してしまい、被調理物Sが炭化する虞や、包装米飯の容器13’が変形または溶解する虞があった。
【0074】
通常、包装米飯の容器本体13a’は、例えばPP/EVOH/PP(ポリプロピレン/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン)などの耐熱性を考慮した材質で作成され、容器13’内の被調理物Sであるご飯を少ない加熱量で速やかにレンジ加熱するため、また保存時に場所を可能な限り取らないようにするために、容器本体13a’は
図9に示されるように板状であり、高さが低く構成されている。そして通常、容器13’の蓋13b’は、例えばシリカ(アルミナ)蒸着PET/NY/シーラントなどの酸やレンジ加熱に強い材質で構成されている。しかしながら蓋13b’は被調理物Sと接触していないために、食品温度センサ15では蓋13b’の温度は検知できる一方で、被調理物Sの温度を算出できず、また把握できなかった。また通常、蓋13b’を容器本体13a’から所定の部分だけ剥離して蒸気孔13c’を作成してから包装米飯をレンジ加熱するため、被調理物Sであるご飯からの蒸気が蒸気孔13c’から放出され、この蒸気の温度を蒸気検知センサ14が検出することでご飯の温度を検知しているが、過加熱は被調理物Sであるご飯の水分がすべて蒸発した後に発生するため、蒸気検知センサ14がご飯のドライアップ現象や過加熱を検出することが困難であった。
【0075】
また包装米飯は常温で保存可能であるという利点がある一方で、常温で保存したときの被調理物Sとしてのご飯の初期温度は、冬場は例えば0~10℃程度と低温であり、夏場は例えば25~30℃程度と高温である。このような包装米飯を一律の時間でレンジ加熱すると、冬場は加熱不足になり、夏場は加熱過多になってしまっていた。そこで本変形例では、容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55により容器13’の被調理物Sと接触している部分の外面の表面温度を検出することで、包装米飯のご飯のドライアップ現象を検出する構成としている。
【0076】
図9を参照して説明すると、包装米飯の容器13’は、第2の実施形態の容器13に対応し、容器本体13a’および蓋13bは、第2の実施形態の容器本体13aおよび蓋13bに対応する。また本変形例の自動炊飯制御部36は、例えば被調理物Sとしての包装米飯のご飯をレンジ加熱する「パックご飯」のメニューを選択した場合に、マグネトロン19からのマイクロ波を調理室12の内部に放射しながら、調理時間やレンジ出力などを操作手段7からの操作入力無しに自動的に設定して、容器13内部の被炊飯物Sに対してレンジ加熱する機能を備えている。その他の構成は第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0077】
次に上記構成の電子レンジについて、その作用を詳しく説明する。まず包装米飯の容器13’の蓋13b’を容器本体13a’から所定の部分だけ剥離して蒸気孔13c’を作成する。それと前後して、電源コード8の電源プラグをコンセントに差し込んで本体1を通電させ、ハンドル4を手で握りながら扉3を開けて、容器13’を容器置台24の容器載置部24aに載置する。その後、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、操作手段7により、例えば「パックご飯」のメニューを選択操作した後に、被調理物Sの加熱調理開始を指示すると、その操作信号が制御手段31に受け入れられ、制御手段31の自動炊飯制御部36は、蒸気検知センサ14、容器底温度センサ25、容器側面下部温度センサ55および回転アンテナ位置検出手段からの各検出信号を受けて、被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、マグネトロン駆動装置33と、回転アンテナ駆動手段63とに各々制御信号を送出する。これにより、マグネトロン19が駆動してマイクロ波が供給放射され、アンテナ回転モータ53に発生した回転力が回転アンテナ52に伝達されて回転駆動させ、調理室12内にマイクロ波が放射されて、容器置台24に載置された容器13に収納された被加熱物Sがレンジ加熱される。そのため、例えば500Wや600Wなどのレンジ加熱の出力を選択することなく、またレンジ加熱の時間を選択することなく包装米飯のレンジ加熱を行なうことができる。
【0078】
具体的にはレンジ加熱を開始すると、自動炊飯制御部36は、所定の出力、例えば500Wまたは600Wの出力で容器13’、すなわち被調理物Sとしてのご飯がレンジ加熱されるように、マグネトロン駆動装置33と、回転アンテナ駆動手段63と各々制御する。
本変形例では、第2の実施形態で前述したように、被調理物Sとしてのご飯が接触している容器13’の底部の温度を容器底温度センサ25により検出し、またご飯が接触している容器13’の底部から側面に移行する立ち上がり部13d’の表面温度を容器側面下部温度センサ55が検知するように構成される。そして「パックご飯」のメニューを選択操作したときに自動的に選択される容器13’の種類やカテゴリに基いて容器13’内のご飯の温度を算出する構成としている。第2の実施形態で前述したように、容器底温度センサ25や容器側面下部温度センサ55は、蒸気の影響を最小限にでき、また容器側面下部温度センサ55の視野V2の距離を最短にすることができ、そして容器13’内のご飯の温度変化を速やか、かつ精度よく把握することができる。
【0079】
その後、自動炊飯制御部36は、容器13’内部の水が無くなり、容器底温度センサ25の検知温度や容器側面下部温度センサ55の検知温度が所定のドライアップ温度、例えば120℃に達すると、容器13’内のご飯のドライアップ現象を検出して、レンジ加熱を停止するように、マグネトロン駆動装置33と、回転アンテナ駆動手段63と各々制御して、レンジ加熱を終了する。そのため、自動的にレンジ加熱の温度制御を行なうことができ、レンジ加熱の設定の誤りにより被調理物Sの加熱不足や加熱過多を防止することができ、被調理物Sとしてのご飯が炭化することや、包装米飯の容器13’が変形または溶解することを防止することができる。また包装米飯のご飯の初期温度に関係なく、自動的にレンジ加熱の温度制御を行なうことができる。
【0080】
なお「パックご飯」のメニューを選択操作するときに、例えば「パックご飯温め温度調整スイッチ」など、被調理物Sのレンジ加熱後の温度の調節手段を設けてもよい。この場合、被調理物Sのレンジ加熱後の温度を高めに設定すると、所定のドライアップ温度が高め、例えば130℃に設定され、温度を高めに設定すると、所定のドライアップ温度が低め、例えば110℃に設定されるように構成される。したがって、被調理物Sのレンジ加熱後の温度を好みに応じて変更することができ、包装米飯のご飯のレンジ加熱を安定的に行うことができる。
【0081】
また包装米飯は、電子レンジを使用して短時間でレンジ加熱してご飯に仕上げるという利便性がある一方で、例えば時間にゆとりがある場合や、多少時間をかけてもいつもとは異なった食感のご飯を楽しみたい場合などは、途中でレンジ加熱しているご飯に別のご飯を混ぜたり、複数回レンジ加熱を行なったり、加熱調理機を使用せずに鍋などに熱湯を沸かしてその中に包装米飯を入れて所定時間、例えば15分以上湯煎することによりじっくり加熱してご飯に仕上げることがある。そこで本変形例では、「パックご飯」のメニューを選択操作するときに、例えば「パックご飯出力調整スイッチ」など、被調理物Sのレンジ加熱の出力の調節手段を設けてもよい。このように構成することで、例えば500Wの出力のような急速加熱の場合や、100Wの出力のような低出力による緩慢加熱の場合でも、包装米飯のご飯のレンジ加熱を安定的に行うことができ、通常の急速加熱とは別に、お好みに応じて低出力で緩慢加熱を選択することができ、包装米飯のご飯を食感の異なるようにレンジ加熱することができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、第1の実施形態の電子レンジと第2の実施形態のオーブンレンジとを個別に説明しているが、第1の実施形態と第2の実施形態の両方の構成を備えてもよい。また本実施形態の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
12 調理室
12a 天井壁
13 容器
13c 蒸気孔
14 蒸気検知センサ
19 マグネトロン(加熱手段)
25 容器底温度センサ(容器温度検出手段)
33 マグネトロン駆動装置(加熱手段)
34 加熱調理制御部(制御手段)
36 自動炊飯制御部(制御手段)
55 容器側面下部温度センサ(容器温度検出手段)
64 ヒータ駆動手段(加熱手段)
65 熱風モータ駆動手段(加熱手段)