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特許7524102認識制御装置、認識制御方法およびプログラム
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  • 特許-認識制御装置、認識制御方法およびプログラム 図1
  • 特許-認識制御装置、認識制御方法およびプログラム 図2
  • 特許-認識制御装置、認識制御方法およびプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】認識制御装置、認識制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/412 20220101AFI20240722BHJP
   G06V 30/12 20220101ALI20240722BHJP
【FI】
G06V30/412
G06V30/12 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021025676
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127492
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】柿本 涼
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智也
(72)【発明者】
【氏名】関 建二郎
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】坂根 俊司
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-058892(JP,A)
【文献】特開2012-203573(JP,A)
【文献】特開2013-171475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 30/00-30/12
G06V 30/14-30/168
G06V 30/40-30/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置であって、
前記認識制御装置は、
帳票の記入情報を逐次記録し、
前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示する
ことを特徴とする認識制御装置。
【請求項2】
リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置が実行する認識制御方法であって、
帳票の記入情報を逐次記録し、前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示する
ことを特徴とする認識制御方法。
【請求項3】
リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置が実行するプログラムであって、
帳票の記入情報を逐次記録し、前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認識制御装置、認識制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の営業店において、帳票の記入者はロビーにて取引内容に応じた帳票に取引情報を記入する。その記入内容のガイダンスは、帳票自体および帳票の別紙説明資料に記載されている記入ガイドもしくは、行員による顧客への説明によって実施される。
【0003】
しかしながら、不慣れな顧客の場合、帳票の記入欄が分かりにくく、記入漏れが発生する場合がある。また取引の際に、行員はスキャナ操作によるOCR(Optical Character Reader)などの文字認識装置により、帳票などに書かれている文字を自動的に読み取って、文字を自動入力し、帳票読み取り情報の正誤確認を行っている。
【0004】
但し、記入漏れは見つけにくいため、帳票イメージの口座情報の表示部分を囲われた部分としてハイライト表示することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-119767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、記入漏れを見つけることはできるものの記入ミスが生じた場合には、帳票の記入者は新しい帳票に一から記入しなおさなければならず、大変な負担を生じていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、帳票に記入ミスが発生した場合であっても、記入者の負担を軽減することができる認識制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置であって、前記認識制御装置は、帳票の記入情報を逐次記録し、前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示することを特徴とする。
【0009】
本発明は、リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置が実行する認識制御方法であって、帳票の記入情報を逐次記録し、前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示することを特徴とする。
【0010】
本発明は、リアルタイムでスキャンするスキャナ装置を制御する認識制御装置が実行するプログラムであって、帳票の記入情報を逐次記録し、前記帳票の記入ミスが発生したか否かを判定し、前記記入ミスが発生したと判定した場合には、前記記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、帳票記入の復帰を行い、入れ替え前の帳票の記入情報を、逐次記録していた前記帳票の記入情報のうち入れ替え後の帳票の記入情報と合わせて認識し、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、帳票に記入ミスが発生した場合であっても、記入者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態における認識制御装置を備える帳票処理システムのシステム構成図である。
図2】本実施の形態における認識制御装置のハードウェア構成図である。
図3】本実施の形態における認識制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施の形態における認識制御装置を備える帳票処理システムのシステム構成図である。
【0014】
図1に示すように、帳票処理システム1は、画像読取装置2、画像読取装置2と接続された認識制御装置3を備える。ここで、本実施の形態の帳票処理システム1は、例えば金融機関や公共機関等に設置されている。また、本実施の形態の帳票処理システム1は、携帯通信端末に内蔵された機能としての画像読取装置2および認識制御装置3で構成されることも可能である。
【0015】
画像読取装置2は、例えば、スタンド型スキャナであり、帳票を光学的に読み取り、認識制御装置3に送出する。読み取りの対象となる帳票は、例えば、振込依頼書、入出金伝票など、各種手書き入力する書類である。
【0016】
認識制御装置3は、例えば、ワークステーション、サーバ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータの機能を備えており、認識制御方法に基づく後述する認識制御処理を実行する。
【0017】
図2は、本実施の形態における認識制御装置のハードウェア構成図である。
【0018】
図2に示すように、認識制御装置3は、制御部101、入力装置102、出力装置103、記憶部104、インターフェース(I/F)105がバス106に接続されて構成されている。また、認識制御装置3は、図2に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0019】
制御部101は、認識制御装置3全体を統括的に制御するもので、プログラムを読み込んで認識制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を有する。
【0020】
入力装置102は、例えば、キーボード、ジョイスティック、ライトペン、マウス、タッチパッド、タッチパネル、トラックボール等、各種のデータや信号等を入力する。
【0021】
出力装置103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の各種ディスプレイ、プリンタ等、画像やその他の情報を出力する。
【0022】
記憶部104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を有する。記憶部104は、認識制御装置3が認識制御処理を実行するプログラムの他、認識制御装置3の各機能を制御し実行するための制御プログラム、画面データなどを記憶する。記憶部104は、認識制御装置3がプログラムを実行する際の作業領域を提供する。また、記憶部104は、後述の各種データベース(DB)や、他のデータを記憶してもよい。
【0023】
インターフェース105は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェースやイーサネット(登録商標)等のパラレルインターフェース等、画像読取装置2や図示しない外部機器と接続するためのユニットである。
【0024】
本実施の形態における認識制御処理は、前述した認識制御装置3によって実行される。
【0025】
認識制御装置3は、帳票の記入情報を逐次記録する。そして、認識制御装置3は、新しい帳票に入れ替えた場合には、入れ替え前の帳票の情報を、入れ替え後の帳票の情報と合わせて認識する。
【0026】
図3は、本実施の形態における認識制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施の形態における認識制御処理は、図1図2を用いて説明した認識制御装置3が認識制御処理プログラムにしたがって実行する。
【0027】
認識制御処理プログラムは、図3に示した認識制御処理のフローのようにして実行される。認識制御処理の対象となる帳票は、上述したように、振込依頼書、入出金伝票など、各種手書き入力する書類である。
【0028】
はじめに、認識制御装置3は、帳票から帳票のIDを判定し、定義体情報を取得する(ステップS11)。認識制御装置3は、連続読み取り中の画像から1枚の画像を抜き出す(ステップS12)。なお、動画撮影での1フレームを抜き出した画像としてもよい。認識制御装置3は、帳票の記入欄を文字認識し、認識結果を画面表示する。
【0029】
認識制御装置3は、記入結果の項目の全てが埋まっているか、または、記入完了ボタンが押下されているかを判定する(ステップS14)。記入結果の項目の全てが埋まっておらず、かつ、記入完了ボタンが押下されていない場合(ステップS14:NO)には、帳票の記入ミスが発生したか否かを判定する(ステップS15)。この処理では、例えば、認識制御装置3は、修正ボタンが押下されたか否かに基づいて、記入ミスが発生したか否かを判定することができる。
【0030】
帳票の記入ミスが発生していない場合(ステップS15:NO)には、認識制御装置3は、文字の記入を受け付けて(ステップS16)、処理はステップS12に戻る。帳票の記入ミスが発生した場合(ステップS15:YES)には、認識制御装置3は、帳票記入の復帰を行い(ステップS17)、処理はステップS12に戻る。
【0031】
記入結果の項目の全てが埋まっているか、または、記入完了ボタンが押下された場合(ステップS14:YES)には、認識制御装置3は、確認画面を表示する(ステップS18)。そして、認識制御装置3は、確認画面に表示されている確認ボタンの押下を受け付けると(ステップS19)、銀行保管用イメージデータを撮影して記憶する(ステップS20)。この処理が終了すると、認識制御処理は終了となる。
【0032】
以上の実施形態により、認識制御装置3は、記入ミスにより新しい帳票に入れ替えた場合には、入れ替え前の帳票の情報を、入れ替え後の帳票の情報と合わせて認識する。これにより、記入ミスが発生した場合であっても、帳票の記入者は新しい帳票に一から記入しなおす必要がない。このため、帳票に記入ミスが発生した場合であっても、記入者の負担を軽減することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【0034】
例えば、認識制御装置3は、文字認識の結果、帳票の未記入欄については、表示機器にて表示される帳票イメージにてハイライト表示してもよい。これにより未記入欄があることを帳票の記入者にいち早く知らせることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 :帳票処理システム
2 :画像読取装置
3 :認識制御装置
101 :制御部
102 :入力装置
103 :出力装置
104 :記憶部
105 :インターフェース
106 :バス
図1
図2
図3