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特許7524104店員評価装置、店員評価システム、店員評価方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】店員評価装置、店員評価システム、店員評価方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20240722BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240722BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q30/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021027870
(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公開番号】P2022129241
(43)【公開日】2022-09-05
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】今村 一晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 実
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-197779(JP,A)
【文献】国際公開第2002/027582(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得部と、
電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価部と、
前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価部と、
前記総合評価が高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に優先して表示させる仮想店員表示制御部と、
を備える店員評価装置。
【請求項2】
前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の客に対する総合評価スコアを含む、
請求項に記載の店員評価装置。
【請求項3】
前記仮想店員表示制御部は、前記ウェブ店舗にアクセスする特定の客に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を当該特定の客に接客する画面に優先して表示させる、
請求項に記載の店員評価装置。
【請求項4】
前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の商品種類に対する総合評価スコアを含む、
請求項からのいずれか1項に記載の店員評価装置。
【請求項5】
前記仮想店員表示制御部は、特定の商品種類に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を当該特定の商品種類に対応付けて画面に優先して表示させる、
請求項に記載の店員評価装置。
【請求項6】
現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得部と、
電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価部と、
前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価部と、を備える店員評価装置と、
ウェブ店舗の画面において実店員に基づいた仮想店員から当該実店員の接客画像に表示を切り替える実店員表示切替部と、
前記ウェブ店舗における前記実店員の接客画像での接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗実店員評価結果を生成するウェブ店舗実店員評価部と、を備え、
前記店員評価装置は、前記実店員の実店舗評価結果、ウェブ店舗評価結果及びウェブ店舗実店員評価結果に基づいて、前記実店員の総合評価を実行する、
店員評価システム。
【請求項7】
前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の客に対する総合評価スコアを含み、
前記実店員表示切替部は、前記ウェブ店舗にアクセスする特定の客に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員の接客画像を当該特定の客に接客する画面に優先して表示させる、
請求項に記載の店員評価システム。
【請求項8】
前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の商品種類に対する総合評価スコアを含み、
前記実店員表示切替部は、特定の商品種類に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員の接客画像を当該特定の商品種類に対応付けて画面に優先して表示させる、
請求項又はのいずれか1項に記載の店員評価システム。
【請求項9】
前記実店員表示切替部は、前記ウェブ店舗における客による仮想店員に対する評価結果に応じて、仮想店員から実店員の接客画像への表示の切り替えを実行する、
請求項からのいずれか1項に記載の店員評価システム。
【請求項10】
前記ウェブ店舗実店員評価部は、前記ウェブ店舗の画面に表示される接客画像によって前記ウェブ店舗で接客する実店員に対して、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とのうち少なくとも前記実店舗評価結果を高評価に更新させる、
請求項からのいずれか1項に記載の店員評価システム。
【請求項11】
前記実店員に基づいた仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に表示する仮想店員表示動作部をさらに備え、
前記仮想店員表示動作部は、前記実店員に基づいた仮想店員の表示及び動作を制御するための仮想店員表示動作制御データを保持し、
前記仮想店員表示動作制御データは、前記実店員の接客を学習した結果である、
請求項から10のいずれか1項に記載の店員評価システム。
【請求項12】
店員評価装置が実行する店員評価方法であって、
前記店員評価装置が、現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得ステップと、
前記店員評価装置が、電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価ステップと、
前記店員評価装置が、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価ステップと、
前記総合評価が高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に優先して表示させる仮想店員表示制御ステップと、
を含む店員評価方法。
【請求項13】
コンピュータに、
現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得ステップと、
電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価ステップと、
前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価ステップと、
前記総合評価が高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に優先して表示させる仮想店員表示制御ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店員評価装置、店員評価システム、店員評価方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗で接客する店員を評価する技術として例えば特許文献1が知られている。特許文献1に記載された従来技術では、客が購入金額に応じた持ち点を限度に店員に対する投票を行い、当該投票による得票数や得票率に基づいて店員の給与を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-301718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子商取引(electronic commerce)により商品を販売するウェブ(Web)サイト上の店舗であるWeb店舗が普及してきている。Web店舗は、オンラインストア、オンラインショップ、Webストアなどとも称される。そのWeb店舗において、実際の店員がWeb店舗上で商品を紹介したり、商品を試用したりすることで売り上げを伸ばすことが注目されている。しかしながら、上述した従来技術では、Web店舗での店員による貢献までは評価することができない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、現実の店舗での店員による貢献に加えてWeb店舗での店員による貢献も含めて店員の評価を行うことを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得部と、電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価部と、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価部と、を備える店員評価装置である。
(2)本発明の一態様は、前記実店員の接客に関する所定評価項目は、商品の購入、紹介及び試用、並びに接客の機会を含む、上記(1)の店員評価装置である。
(3)本発明の一態様は、前記仮想店員の接客に関する所定評価項目は、接客時間、インタラクション数、商品の購入及び紹介、客からの好感度及び評価、並びに実店舗への来店の誘導を含む、上記(1)又は(2)のいずれかの店員評価装置である。
(4)本発明の一態様は、前記実店舗評価結果取得部は、前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果である実店舗評価結果を生成する、上記(1)から(3)のいずれかの店員評価装置である。
(5)本発明の一態様は、前記総合評価が高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に優先して表示させる仮想店員表示制御部をさらに備える、上記(1)から(4)のいずれかの店員評価装置である。
(6)本発明の一態様は、前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の客に対する総合評価スコアを含む、上記(5)の店員評価装置である。
(7)本発明の一態様は、前記仮想店員表示制御部は、前記ウェブ店舗にアクセスする特定の客に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を当該特定の客に接客する画面に優先して表示させる、上記(6)の店員評価装置である。
(8)本発明の一態様は、前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の商品種類に対する総合評価スコアを含む、上記(5)から(7)のいずれかの店員評価装置である。
(9)本発明の一態様は、前記仮想店員表示制御部は、特定の商品種類に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員に基づいた前記仮想店員を当該特定の商品種類に対応付けて画面に優先して表示させる、上記(8)の店員評価装置である。
【0007】
(10)本発明の一態様は、上記(1)から(9)のいずれかの店員評価装置と、ウェブ店舗の画面において実店員に基づいた仮想店員から当該実店員の接客画像に表示を切り替える実店員表示切替部と、前記ウェブ店舗における前記実店員の接客画像での接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗実店員評価結果を生成するウェブ店舗実店員評価部と、を備え、前記店員評価装置は、前記実店員の実店舗評価結果、ウェブ店舗評価結果及びウェブ店舗実店員評価結果に基づいて、前記実店員の総合評価を実行する、店員評価システムである。
(11)本発明の一態様は、前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の客に対する総合評価スコアを含み、前記実店員表示切替部は、前記ウェブ店舗にアクセスする特定の客に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員の接客画像を当該特定の客に接客する画面に優先して表示させる、上記(10)の店員評価システムである。
(12)本発明の一態様は、前記総合評価の結果は、前記実店員毎に、特定の商品種類に対する総合評価スコアを含み、前記実店員表示切替部は、特定の商品種類に対する総合評価スコアが高い前記実店員ほど、当該実店員の接客画像を当該特定の商品種類に対応付けて画面に優先して表示させる、上記(10)又は(11)のいずれかの店員評価システムである。
(13)本発明の一態様は、前記実店員表示切替部は、前記ウェブ店舗における客による仮想店員に対する評価結果に応じて、仮想店員から実店員の接客画像への表示の切り替えを実行する、上記(10)から(12)のいずれかの店員評価システムである。
(14)本発明の一態様は、前記ウェブ店舗実店員評価部は、前記ウェブ店舗の画面に表示される接客画像によって前記ウェブ店舗で接客する実店員に対して、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とのうち少なくとも前記実店舗評価結果を高評価に更新させる、上記(10)から(13)のいずれかの店員評価システムである。
(15)本発明の一態様は、前記実店員に基づいた仮想店員を前記ウェブ店舗の画面に表示する仮想店員表示動作部をさらに備え、前記仮想店員表示動作部は、前記実店員に基づいた仮想店員の表示及び動作を制御するための仮想店員表示動作制御データを保持し、前記仮想店員表示動作制御データは、前記実店員の接客を学習した結果である、上記(10)から(14)のいずれかの店員評価システムである。
【0008】
(16)本発明の一態様は、店員評価装置が実行する店員評価方法であって、前記店員評価装置が、現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得ステップと、前記店員評価装置が、電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価ステップと、前記店員評価装置が、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価ステップと、を含む店員評価方法である。
【0009】
(17)本発明の一態様は、コンピュータに、現実の店員である実店員が接客する店舗である実店舗における前記実店員の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する実店舗評価結果取得ステップと、電子商取引により商品を販売するウェブサイト上の店舗であって前記実店員に基づいた仮想店員が接客するウェブ店舗における前記仮想店員の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるウェブ店舗評価結果を生成するウェブ店舗評価ステップと、前記実店舗評価結果と前記ウェブ店舗評価結果とに基づいて、前記実店員の総合評価を実行する総合評価ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現実の店舗での店員による貢献に加えてWeb店舗での店員による貢献も含めて店員の評価を行うことを図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る店員評価システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る店員評価方法の全体手順を示すフローチャートである。
図3】一実施形態に係る総合評価スコアの例を示す図表である。
図4】一実施形態に係る総合評価スコアの例を示す図表である。
図5】一実施形態に係る実店員評価項目の一覧の例を示す図表である。
図6】一実施形態に係る仮想店員評価項目の一覧の例を示す図表である。
図7】一実施形態に係るWeb店舗実店員評価項目の一覧の例を示す図表である。
図8】一実施形態に係る仮想店員表示方法を説明するための画面例を示す図である。
図9】一実施形態に係る仮想店員表示方法を説明するための画面例を示す図である。
図10】一実施形態に係る仮想店員表示方法を説明するための画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る店員評価システムの構成例を示すブロック図である。図1において、実店舗50及びWeb店舗30は、店員評価システム1が店員を評価する対象の店舗である。実店舗50は、現実の店舗であって、現実の店員である実店員210が現実に来店する客220に接客する店舗である。実店舗50には、実店員210が使用する店舗端末51が設けられる。
【0013】
Web店舗30は、電子商取引により商品を販売するWebサイト上の店舗である。Web店舗30は、当該Webサイトを開設するサーバによって実現される。客230は、ユーザ端末70を使用して通信回線を介して当該Webサイトにアクセスすることにより、Web店舗30にオンラインで来店(オンライン来店)する。Web店舗30では、実店員210に基づいた仮想店員avatが、オンライン来店する客230に接客する。仮想店員avatは、Web店舗30上の仮想的な空間において、実店員210の分身として表示されるコンピュータグラフィックス画像である。仮想店員avatはアバターとも称される。
【0014】
共有サーバ60は、各種のデータを共有するために格納する。店舗端末51、Web店舗30(サーバ)及び店員評価装置10は、通信回線を介して共有サーバ60にアクセスし、共有サーバ60にデータをアップロードしたり、共有サーバ60からデータをダウンロードしたりする。
【0015】
店舗端末51と店員評価装置10とは通信回線を介してデータを送受する。Web店舗30(サーバ)と店員評価装置10とは通信回線を介してデータを送受する。
【0016】
店員評価システム1において、店員評価装置10は、実店員210に対する評価結果を示す評価スコアデータを生成する。店員評価装置10は、一の実店員210に対して、実店舗50での貢献に加えて、Web店舗30での当該実店員210に基づいた仮想店員avatによる貢献も含めて評価を行う。実店員210と当該実店員210に基づいた仮想店員avatとの対応付けを示すデータは、共有サーバ60に格納されている。
【0017】
[店員評価装置]
店員評価装置10は、実店舗評価結果取得部11と、Web店舗評価部12と、総合評価部13と、仮想店員表示制御部14とを備える。
【0018】
店員評価装置10の各機能は、店員評価装置10がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、店員評価装置10として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、店員評価装置10は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、店員評価装置10の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、店員評価装置10は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は店員評価装置10の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、店員評価装置10として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0019】
実店舗評価結果取得部11は、実店舗50における実店員210の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する。実店舗評価結果は、実店舗50のマネージャ等が作成した評価スコアデータであってもよい。実店舗評価結果取得部11は、実店舗50のマネージャ等が作成した評価スコアデータが実店舗50の店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされたものを共有サーバ60からダウンロードする。
【0020】
実店舗評価結果取得部11は、実店員210の接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果である実店舗評価結果を生成してもよい。実店舗評価結果取得部11は、店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされた各評価項目のデータを使用して各評価項目の評価スコアを算出し、当該算出結果から実店舗評価結果(評価スコアデータ)を生成する。実店舗評価結果の評価スコアデータは、共有サーバ60にアップロードされる。
【0021】
Web店舗評価部12は、Web店舗30における仮想店員avatの接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるWeb店舗評価結果を生成する。Web店舗評価部12は、Web店舗30から共有サーバ60にアップロードされた各評価項目のデータを使用して各評価項目の評価スコアを算出し、当該算出結果からWeb店舗評価結果(評価スコアデータ)を生成する。Web店舗評価結果の評価スコアデータは、共有サーバ60にアップロードされる。
【0022】
総合評価部13は、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とに基づいて実店員210の総合評価を実行する。総合評価部13は、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とに対してそれぞれ所定の重み付けを行って実店員210の総合評価スコアを算出してもよい。総合評価部13は、総合評価の結果である総合評価スコアデータを生成する。総合評価スコアデータは、共有サーバ60にアップロードされる。総合評価スコアデータは、例えば実店員210の給与等の査定に利用されてもよい。
【0023】
仮想店員表示制御部14は、Web店舗30の画面における仮想店員avatの表示を制御する。仮想店員表示制御部14は、例えば、総合評価が高い実店員210ほど、当該実店員210に基づいた仮想店員avatを優先してWeb店舗30の画面に表示させる。
【0024】
[Web店舗]
Web店舗30(サーバ)は、実店員表示切替部31と、Web店舗実店員評価部32と、仮想店員表示動作部33と、Web店舗来店客動作検出部34とを備える。
【0025】
Web店舗30の各機能は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。また、Web店舗30の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、Web店舗30は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又はWeb店舗30の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。
【0026】
実店員表示切替部31は、Web店舗30の画面において実店員210に基づいた仮想店員avatから当該実店員210の接客画像に表示を切り替える。この表示の切り替えは、例えば、オンライン来店する客230からの要求に応じて実行される。実店員210の接客画像は、実店舗50に設けられたカメラ(例えば、店舗端末51に備わるカメラ)が実店員210を撮像する撮像画像が通信回線を介してWeb店舗30(サーバ)に送信される。当該接客画像は、Web店舗30の画面に表示されることにより、Web店舗30にオンライン来店中の客230から認識される。これにより、実店員210は、実店舗50に居ながら、Web店舗30にオンライン来店中の客230に対して、当該接客画像によりオンラインで接客することができる。仮想店員avatから実店員210の接客画像への切替時には、その時、オンライン来店中の客230が見ていた商品等のデータを、即時に、実店員210が把握することができるようになっている。
【0027】
Web店舗実店員評価部32は、Web店舗30における実店員210の接客画像での接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるWeb店舗実店員評価結果を生成する。Web店舗実店員評価部32は、Web店舗30における実店員210の接客画像での接客に関する各評価項目のデータを取得し、当該取得した各評価項目のデータを使用して各評価項目の評価スコアを算出し、当該算出結果からWeb店舗実店員評価結果(評価スコアデータ)を生成する。
【0028】
Web店舗実店員評価部32は、Web店舗実店員評価結果を共有サーバ60にアップロードする。店員評価装置10の総合評価部13は、共有サーバ60にアップロードされたWeb店舗実店員評価結果を取得して実店員210の総合評価に反映してもよい。この場合、店員評価装置10の総合評価部13は、実店員210の実店舗評価結果、Web店舗評価結果及びWeb店舗実店員評価結果に基づいて、当該実店員210の総合評価を実行する。総合評価部13は、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とWeb店舗実店員評価結果とに対してそれぞれ所定の重み付けを行って実店員210の総合評価スコアを算出してもよい。
【0029】
Web店舗実店員評価部32は、Web店舗30の画面に表示される接客画像によってWeb店舗30で接客する実店員210に対して、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とのうち少なくとも実店舗評価結果を高評価に更新させる。例えば、Web店舗実店員評価部32は、店員評価装置10の総合評価部13に対して、Web店舗30で接客画像により接客する実店員210の評価を上げるように指示する。総合評価部13は、当該指示に応じて、当該実店員210のWeb店舗実店員評価結果の評価スコアを、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とのうち少なくとも実店舗評価結果の評価スコアに追加する。なお、Web店舗実店員評価結果の評価スコアは、実店舗評価結果のみに追加されてもよく、Web店舗評価結果のみに追加されてもよく、又は実店舗評価結果とWeb店舗評価結果の両方に追加されてもよい。これにより、Web店舗30で接客画像により接客する実店員210の貢献をよりよく評価する。これは、実店員210が接客画像によりWeb店舗30の接客を行っている間は実店舗50での接客の機会が失われるので、この点を補償するためである。
【0030】
なお、本実施形態では、Web店舗実店員評価部32はWeb店舗30(サーバ)に備わるが、Web店舗実店員評価部32を店員評価装置10に備えてもよい。
【0031】
仮想店員表示動作部33は、実店員210に基づいた仮想店員avatをWeb店舗30の画面に表示する。仮想店員表示動作部33は、実店員210毎に、各実店員210に対応する仮想店員avatの表示及び動作を制御するための仮想店員表示動作制御データを保持する。仮想店員表示動作部33は、各実店員210の仮想店員表示動作制御データに基づいて、各実店員210に対応する仮想店員avatの表示及び動作を制御する。ある実店員210の仮想店員表示動作制御データは、当該実店員210の接客を学習した結果である。具体的には、実店員210の振る舞いや発声や言葉使い等が機械学習された結果から、当該実店員210の仮想店員表示動作制御データが生成される。これにより、実店員210のノウハウや信頼を投影した仮想店員avatによって、オンライン来店する客230に対する接客を行うことができる。Web店舗30は、仮想店員avat、対話システム及び音声合成システムを用いて、オンライン来店する客230に対する接客を行う。
【0032】
また仮想店員表示動作部33は、店員評価装置10の仮想店員表示制御部14による制御に従って、仮想店員avatの表示を行う。
【0033】
Web店舗来店客動作検出部34は、オンライン来店中の客230の動作を検出する。具体的には、Web店舗来店客動作検出部34は、ユーザ端末70が撮像した客230の画像や収音した客230の音声を通信回線を介して取得し、当該画像の画像認識結果や当該音声の音声認識結果に基づいて客230の表情や気分等の情報を取得する。Web店舗来店客動作検出部34は、オンライン来店中の客230の表情や気分等の情報に基づいて、仮想店員avatによる接客や紹介した商品に対する当該客230の心証がポジティブであるか又はネガティブであるかを判断する。Web店舗来店客動作検出部34は、仮想店員avat毎に、オンライン来店中の客230の接客や商品に対する心証の判断結果等を共有サーバ60にアップロードする。
【0034】
[店員評価方法]
図2は、本実施形態に係る店員評価方法の全体手順を示すフローチャートである。図2を参照して、本実施形態に係る店員評価方法の全体手順を説明する。
【0035】
(ステップS1) 店員評価装置10の実店舗評価結果取得部11は、実店舗50における実店員210の接客に関する所定評価項目の評価結果である実店舗評価結果を取得する。実店舗評価結果は、実店舗50のマネージャ等が作成した評価スコアデータであってもよく、又は実店舗評価結果取得部11が、店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされた各評価項目のデータを使用して各評価項目の評価スコアを算出した結果の評価スコアデータであってもよい。
【0036】
(ステップS2) 店員評価装置10のWeb店舗評価部12は、Web店舗30における仮想店員avatの接客に関する所定評価項目の評価を実行し、当該評価の結果であるWeb店舗評価結果を生成する。具体的には、Web店舗評価部12は、Web店舗30から共有サーバ60にアップロードされた各評価項目のデータを使用して各評価項目の評価スコアを算出する。次いで、Web店舗評価部12は、当該算出結果から評価スコアデータを生成する。
【0037】
(ステップS3) 店員評価装置10の総合評価部13は、実店舗評価結果とWeb店舗評価結果とに基づいて実店員210の総合評価を実行する。具体的には、総合評価部13は、実店舗評価結果の評価スコアデータとWeb店舗評価結果の評価スコアデータとを使用して実店員210の総合評価スコアデータを生成する。実店員210と仮想店員avatとの対応付けを示すデータは、共有サーバ60に格納されている。また、総合評価部13は、実店舗評価結果の評価スコアデータの評価スコアとWeb店舗評価結果の評価スコアデータの評価スコアとに対してそれぞれ所定の重み付けを行って実店員210の総合評価スコアを算出してもよい。総合評価部13は、総合評価の結果である総合評価スコアデータを生成する。総合評価部13は、総合評価スコアデータを共有サーバ60にアップロードする。
【0038】
[総合評価スコアの例]
図3図4は、本実施形態に係る総合評価スコアの例を示す図表である。
【0039】
図3の例では、総合評価スコアとして、実店員210毎に、特定の客に対する総合評価スコアが算出される。例えば、特定の客P1,P2,P3毎に、各実店員210(実店員A、実店員B、実店員C)の総合評価スコアが算出される。図3中には、各客P1,P2,P3について、最大(最良)の総合評価スコアが下線で示されている。図3に例示される総合評価スコアによれば、各実店員210がいずれの客に対して上手く接客しているのか等を分析することができる。
【0040】
図4の例では、総合評価スコアとして、実店員210毎に、特定の商品種類に対する総合評価スコアが算出される。例えば、特定の商品種類として靴の種類(スニーカ、ブーツ、革靴、サンダル、ハイヒール)毎に、各実店員210(実店員A、実店員B、実店員C、実店員D、実店員E)の総合評価スコアが算出される。図4中には、各靴の種類(スニーカ、ブーツ、革靴、サンダル、ハイヒール)について、最大(最良)の総合評価スコアが下線で示されている。図4に例示される総合評価スコアによれば、各実店員210がいずれの商品種類について上手く接客しているのか等を分析することができる。
【0041】
[実店舗評価方法]
実店舗50における実店員210の接客に関する評価方法(実店舗評価方法)について説明する。本実施形態では、実店舗評価結果取得部11が実店舗評価方法によって実店舗50における実店員210の接客に関する所定評価項目(実店員評価項目)の評価を実行し、当該評価の結果である実店舗評価結果を生成する。
【0042】
図5は、本実施形態に係る実店員評価項目の一覧の例を示す図表である。図5の例では、実店員評価項目として、実店舗50での購入金額、購入頻度、試着(試用)の頻度、商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間及び接客頻度を含むものになっている。実店舗50での購入金額、購入頻度、試着の頻度は、実店員210が実店舗50で接客した客220が商品を購入した金額、購入した頻度、試着した頻度である。実店舗50での商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間、接客頻度は、実店員210が実店舗50で接客した客220に対して、商品を紹介した時間、商品を紹介した頻度、接客した時間、接客した頻度である。接客時間及び接客頻度は、接客の機会に関する項目である。図5の実店員評価項目によれば、実店舗50における客220に対する実店員210の接客の実績を評価することができる。なお、図5の例は、衣服や靴等の商品を販売する場合の例であるために、試用の代わりに試着としている。
【0043】
図5の例では、期間毎に、各実店員評価項目の評価スコアを算出する際の倍率や単位ポイントが設定されている。例えば、購入金額「10000円」の評価スコアを算出する場合、単位ポイントは「y円ごとに10ポイント」であり、購入金額の計上月が直近1カ月以内であれば「評価スコア=(10000÷y円)×10ポイント×3倍」であり、購入金額の計上月が直近1カ月から3カ月までであれば「評価スコア=(10000÷y円)×10ポイント×2倍」であり、購入金額の計上月が直近3カ月から6カ月までであれば「評価スコア=(10000÷y円)×10ポイント×1.5倍」であり、購入金額の計上月が直近6カ月から1年までであれば「評価スコア=(10000÷y円)×10ポイント×1倍」である。また、購入金額の計上月が1年以上過去である場合、当該購入金額は無効であり評価スコアに反映されない。なお、倍率や単位ポイントは、実店舗50の実情に応じて予め決定される。例えば、同じブランドの複数の実店舗50において、各実店舗50の実情に合わせて各実店舗50に適用される倍率や単位ポイントが決定される。また、より直近の倍率を高くすることによって、より直近の実績をより高く評価することができる。
【0044】
実店舗50での各実店員210に関する購入データ(実店舗50での購入金額、購入頻度)は、実店舗50の会計システムが集計した購入データが共有サーバ60にアップロードされる。実店舗50での各実店員210に関する接客データ(実店舗50での試着の頻度、商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間、接客頻度)は、実店舗50のモニタシステムが実店舗50に設けられたカメラの撮像画像の画像認識結果から取得した接客データが共有サーバ60にアップロードされる。又は、当該接客データは、各実店員210が自己申告した値が店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされてもよい。
【0045】
[Web店舗評価方法]
Web店舗30における仮想店員avatの接客に関する評価方法(Web店舗評価方法)について説明する。本実施形態では、Web店舗評価部12がWeb店舗評価方法によってWeb店舗30における仮想店員avatの接客に関する所定評価項目(仮想店員評価項目)の評価を実行し、当該評価の結果であるWeb店舗評価結果を生成する。
【0046】
図6は、本実施形態に係る仮想店員評価項目の一覧の例を示す図表である。図6の例では、仮想店員評価項目として、Web店舗30での購入金額、購入頻度、商品のポジティブ評価、商品の閲覧時間(接客時間)、商品の選択頻度(商品の紹介頻度)、仮想店員の選択(客からの好感度)、実店舗50の来店予約及び来店、並びにインタラクション数を含むものになっている。Web店舗30での購入金額、購入頻度、商品の閲覧時間、商品の選択頻度は、仮想店員avatがWeb店舗30で接客した客230が商品を購入した金額、購入した頻度、商品を閲覧した時間、商品を選択した頻度である。Web店舗30での商品のポジティブ評価は、Web店舗30のWeb店舗来店客動作検出部34によるオンライン来店中の客230の心証の判断結果「ポジティブ」である。Web店舗30での仮想店員の選択は、オンライン来店する客230が仮想店員avatを選択(指定)することである。Web店舗30での実店舗50の来店予約及び来店は、仮想店員avatがWeb店舗30で接客した客230が実店舗50への来店を予約し且つ実際に当該客230が当該実店舗50へ来店することである。Web店舗30でのインタラクション数は、仮想店員avatと当該仮想店員avatがWeb店舗30で接客した客230との間のWeb店舗30上でのやり取りの回数である。
【0047】
商品の閲覧時間は、接客時間に関する項目である。商品の選択頻度は、商品の紹介に関する項目である。仮想店員の選択は、客からの好感度に関する項目である。図6の仮想店員評価項目によれば、Web店舗30における客230に対する仮想店員avatの接客の実績を評価することができる。
【0048】
図6の例では、期間毎に、各仮想店員評価項目の評価スコアを算出する際の倍率や単位ポイントが設定されている。例えば、商品のポジティブ評価「3つの商品でポジティブ」の評価スコアを算出する場合、単位ポイントは「1商品ごとに5ポイント」であり、商品のポジティブ評価の計上月が直近1カ月以内であれば「評価スコア=3商品×5ポイント×3倍」であり、商品のポジティブ評価の計上月が直近1カ月から3カ月までであれば「評価スコア=3商品×5ポイント×2倍」であり、商品のポジティブ評価の計上月が直近3カ月から6カ月までであれば「評価スコア=3商品×5ポイント×1.5倍」であり、商品のポジティブ評価の計上月が直近6カ月から1年までであれば「評価スコア=3商品×5ポイント×1倍」である。また、商品のポジティブ評価の計上月が1年以上過去である場合、当該商品のポジティブ評価は無効であり評価スコアに反映されない。また、より直近の倍率を高くすることによって、より直近の実績をより高く評価することができる。
【0049】
Web店舗30での各仮想店員avatに関する購入データ(Web店舗30での購入金額、購入頻度)や接客データ(Web店舗30での商品のポジティブ評価、商品の閲覧時間、商品の選択頻度、仮想店員の選択、実店舗50の来店予約、インタラクション数)は、オンライン来店する客230が仮想店員avatを選択(指定)した場合にのみ、当該選択された仮想店員avatに関する購入データ及び接客データとして共有サーバ60にアップロードされる。これにより、Web店舗評価方法では、オンライン来店する客230から選択(指定)された仮想店員avatのみが、評価スコアの算出対象になる。そして、オンライン来店する客230から選択(指定)された後の当該仮想店員avatの接客に関する評価スコアが算出されて当該仮想店員avatに付与される。一方、オンライン来店する客230から選択(指定)されなかった仮想店員avatは、たとえWeb店舗30でオンライン来店する客230に接客しても、当該接客に関する評価スコアは算出されず、したがって当該接客に関する評価スコアは当該仮想店員avatに付与されない。
【0050】
なお、実店舗50の来店予約ありの来店実績のデータは、実店舗50の店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされる。例えば、仮想店員avatがオンライン来店中の客230に対して実店舗50で開催されるイベントを紹介したことにより、当該客230が当該仮想店員avat付きの実店舗50の来店予約を行い、実際に当該実店舗50のイベントに参加したことを示すデータが、実店舗50の店舗端末51から共有サーバ60にアップロードされる。
【0051】
[Web店舗実店員評価方法]
Web店舗30における実店員210の接客画像での接客に関する評価方法(Web店舗実店員評価方法)について説明する。本実施形態では、Web店舗実店員評価部32がWeb店舗実店員評価方法によってWeb店舗30における実店員210の接客画像での接客に関する所定評価項目(Web店舗実店員評価項目)の評価を実行し、当該評価の結果であるWeb店舗実店員評価結果を生成する。
【0052】
図7は、本実施形態に係るWeb店舗実店員評価項目の一覧の例を示す図表である。図7の例では、Web店舗実店員評価項目として、Web店舗30での購入金額、購入頻度、試着(試用)の頻度、商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間及び接客頻度を含むものになっている。Web店舗30での購入金額、購入頻度、試着の頻度は、実店員210がWeb店舗30で接客画像により接客した客230が商品を購入した金額、購入した頻度、試着した頻度である。Web店舗30での試着は、着せ替えアプリケーションを使用して行われる。Web店舗30での商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間、接客頻度は、実店員210がWeb店舗30で接客画像により接客した客230に対して、商品を紹介した時間、商品を紹介した頻度、接客した時間、接客した頻度である。接客時間及び接客頻度は、接客の機会に関する項目である。図7のWeb店舗実店員評価項目によれば、Web店舗30における客230に対する実店員210の接客画像による接客の実績を評価することができる。なお、図7の例は、衣服や靴等の商品を販売する場合の例であるために、試用の代わりに試着としている。
【0053】
図7の例では、期間毎に、各Web店舗実店員評価項目の評価スコアを算出する際の倍率や単位ポイントが設定されている。例えば、接客時間「60分」の評価スコアを算出する場合、単位ポイントは「1分ごとに1ポイント」であり、接客時間の計上月が直近1カ月以内であれば「評価スコア=60分×1ポイント×3倍」であり、接客時間の計上月が直近1カ月から3カ月までであれば「評価スコア=60分×1ポイント×2倍」であり、接客時間の計上月が直近3カ月から6カ月までであれば「評価スコア=60分×1ポイント×1.5倍」であり、接客時間の計上月が直近6カ月から1年までであれば「評価スコア=60分×1ポイント×1倍」である。また、接客時間の計上月が1年以上過去である場合、当該接客時間は無効であり評価スコアに反映されない。また、より直近の倍率を高くすることによって、より直近の実績をより高く評価することができる。
【0054】
実店員210が接客画像により接客したときのWeb店舗30での各実店員210に関する購入データ(Web店舗30での購入金額、購入頻度)は、Web店舗30の会計システムが集計した購入データが共有サーバ60にアップロードされる。実店員210が接客画像により接客したときのWeb店舗30での各実店員210に関する接客データ(Web店舗30での試着の頻度、商品の紹介時間、商品の紹介頻度、接客時間、接客頻度)は、Web店舗30のモニタシステムがWeb店舗30におけるオンライン来店中の客230とのやり取りを記録した接客データが共有サーバ60にアップロードされる。
【0055】
[仮想店員表示方法]
Web店舗30の画面に仮想店員avatを表示する方法(仮想店員表示方法)について説明する。本実施形態では、仮想店員表示制御部14が仮想店員表示方法によって仮想店員avatの画面表示を制御する。Web店舗30の仮想店員表示動作部33は、店員評価装置10の仮想店員表示制御部14による制御に従って、仮想店員avatの表示を行う。
【0056】
図8図10は、本実施形態に係る仮想店員表示方法を説明するための画面例を示す図である。図8には、Web店舗30のトップページの画面(トップページ画面)100が示される。図8の例では、トップページ画面100には3つの仮想店員avat_A,avat_B,avat_Cが表示されている。仮想店員avat_Aは、実店員210「実店員A」に対応する仮想店員avatである。仮想店員avat_Bは、実店員210「実店員B」に対応する仮想店員avatである。仮想店員avat_Cは、実店員210「実店員C」に対応する仮想店員avatである。
【0057】
トップページ画面100には、総合評価が高い順に優先して仮想店員avat(アバター)が表示される。図8の例では、実店員210「実店員A」が最も総合評価が高く、実店員210「実店員B」が2番目に総合評価が高く、実店員210「実店員C」が3番目に総合評価が高い。したがって、実店員210「実店員A」の仮想店員avat_Aが最優先でトップページ画面100に表示され、次いで実店員210「実店員B」の仮想店員avat_Bが優先してトップページ画面100に表示され、次いで実店員210「実店員C」の仮想店員avat_Cが優先してトップページ画面100に表示される。総合評価が4番目以下の実店員210の仮想店員avatはトップページ画面100には表示されていない。
【0058】
図8の例では、仮想店員優先表示方法として、優先度が高いほど、ページの先頭に表示され且つ仮想店員avatの画像サイズが大きくなる。なお、仮想店員優先表示方法として、仮想店員avatが画面に表示される表示時間を、優先度が高いほど長くしてもよい。また、仮想店員優先表示方法として、「ページの先頭に表示する」と、「仮想店員avatの画像サイズを大きくする」と、「表示時間を長くする」とのうち、いずれかを単独で用いてもよく又は複数を組み合わせてもよい。
【0059】
図8の例では、Web店舗30にオンライン来店する客230は、トップページ画面100に表示された仮想店員avat_A,avat_B,avat_Cから、接客してもらう仮想店員avatを選択することができる。このため、実店員210は、自己の仮想店員avatがトップページ画面100に優先して表示されるほど、自己の仮想店員avatによるWeb店舗30での接客の機会を得やすくなる。
【0060】
図9には、特定の客「お客様ID=P3」がオンライン来店時のWeb店舗30のトップページ画面110が示される。図9の例では、当該客「お客様ID=P3」に対する評価スコアが高い実店員210ほど当該実店員210に対応する仮想店員avatが当該客「お客様ID=P3」に接客する画面に優先して表示される。図9の例では、仮想店員優先表示方法として、優先度が高いほど仮想店員avatの画像サイズが大きくなる。
【0061】
図9の例では、図3に例示されるように、実店員210「実店員A」が客「お客様ID=P3」に対する評価スコアが最大である。したがって、実店員210「実店員A」の仮想店員avat_Aが最優先でトップページ画面110に表示されている。また、実店員210「実店員B」が客「お客様ID=P3」に対する評価スコアが2番目に大きい。したがって、実店員210「実店員B」の仮想店員avat_Bが2番目に優先でトップページ画面110に表示されている。また、実店員210「実店員C」が客「お客様ID=P3」に対する評価スコアが3番目に大きい。したがって、実店員210「実店員C」の仮想店員avat_Bが3番目に優先でトップページ画面110に表示されている。
【0062】
また、図9の例では、特定の商品種類として商品種類「サンダル」に対する評価スコアが高い実店員210ほど当該実店員210に対応する仮想店員avatが当該商品種類「サンダル」に対応付けてトップページ画面110に優先して表示される。図9の例では、図4に例示されるように、実店員210「実店員C」が商品種類「サンダル」に対する評価スコアが最大である。したがって、実店員210「実店員C」の仮想店員avat_Cが最優先で商品種類「サンダル」に対応付けてトップページ画面110に表示されている。
【0063】
図9の例では、客「お客様ID=P3」は、トップページ画面110に表示された仮想店員avat_A,avat_B,avat_Cから、接客してもらう仮想店員avatを選択することができる。このため、客「お客様ID=P3」に対して最も評価スコアが高い実店員210「実店員A」は、自己の仮想店員avat_Aが当該客「お客様ID=P3」のトップページ画面110に最優先で表示されるので、自己の仮想店員avat_AによるWeb店舗30での接客の機会を特に得やすくなる。また、客「お客様ID=P3」にとっては馴染みの実店員210「実店員A」に基づいた仮想店員avat_Aの接客を受けることで気持ちよくお買い物をすることができるようになる。
【0064】
また、商品種類「サンダル」に対する評価スコアが最大である実店員210「実店員C」の仮想店員avat_Cが最優先で商品種類「サンダル」に対応付けてトップページ画面110に表示されることにより、商品種類「サンダル」が得意な実店員210「実店員C」に基づいた仮想店員avat_Aの接客を、客「お客様ID=P3」に対して提供しやすくなる。
【0065】
図10には、特定の商品種類として商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120が示される。図10の例では、商品種類「ハイヒール」に対する評価スコアが高い実店員210ほど当該実店員210に対応する仮想店員avatが当該商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120に優先して表示される。図10の例では、仮想店員優先表示方法として、優先度が高いほど仮想店員avatの画像サイズが大きくなる。
【0066】
図10の例では、図4に例示されるように、実店員210「実店員D」が商品種類「ハイヒール」に対する評価スコアが最大である。したがって、実店員210「実店員D」の仮想店員avat_Dが最優先で商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120に表示されている。また、実店員210「実店員E」が商品種類「ハイヒール」に対する評価スコアが2番目に高い。したがって、実店員210「実店員E」の仮想店員avat_Eが2番目に優先で商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120に表示されている。
【0067】
図10の例では、Web店舗30にオンライン来店する客230は、商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120に表示された仮想店員avat_D,avat_Eから、接客してもらう仮想店員avatを選択することができる。このため、実店員210は、自己の仮想店員avatが商品種類「ハイヒール」の商品紹介画面120に優先して表示されるほど、自己の仮想店員avatによるWeb店舗30での商品種類「ハイヒール」の接客の機会を得やすくなる。これにより、商品種類「ハイヒール」が得意な実店員210「実店員D」や「実店員E」に基づいた仮想店員avat_D,avat_Eの接客を、客230に対して提供しやすくなる。
【0068】
[実店員表示切替方法]
Web店舗30の画面において実店員210に基づいた仮想店員avatから当該実店員210の接客画像に表示を切り替える方法(実店員表示切替方法)について説明する。本実施形態では、実店員表示切替部31が、実店員表示切替方法によって、Web店舗30の画面において実店員210に基づいた仮想店員avatから当該実店員210の接客画像に表示を切り替える。以下、実店員表示切替方法のいくつかの例を挙げて説明する。
【0069】
(実店員表示切替方法の例1)
実店員表示切替方法の例1では、実店員表示切替部31は、Web店舗30にアクセスする特定の客に対する評価スコアが高い実店員210ほど、当該実店員210の接客画像を当該特定の客に接客する画面に優先して表示させる。例えば、図3の例において、客P3がWeb店舗30で実店員210による接客を要求した場合、図3に示される客P3に対する評価スコアがより高い実店員210が優先してWeb店舗30で接客画像により客P3の接客を行う。図3の例では、客P3に対する評価スコアが最大である実店員210「実店員A」が最優先でWeb店舗30での接客画像による客P3の接客を行う。これにより、客P3との相性がよい実店員210「実店員A」が客P3の接客を行うことにより、客P3に好印象の接客を提供することが可能になる。
【0070】
(実店員表示切替方法の例2)
実店員表示切替方法の例2では、実店員表示切替部31は、特定の商品種類に対する評価スコアが高い実店員210ほど、当該実店員210の接客画像を当該特定の商品種類に対応付けて画面に優先して表示させる。例えば、図4の例において、Web店舗30にオンライン来店中の客230が商品種類「サンダル」の商品紹介ページにアクセスした場合、図4に示される商品種類「サンダル」に対する評価スコアがより高い実店員210が優先してWeb店舗30で接客画像により当該客230に商品種類「サンダル」の接客を行う。図4の例では、商品種類「サンダル」に対する評価スコアが最大である実店員210「実店員C」が最優先でWeb店舗30での接客画像による客230への商品種類「サンダル」の接客を行う。これにより、商品種類「サンダル」が得意な実店員210「実店員C」が客230に商品種類「サンダル」の接客を行うことにより、当該客230に満足度の高い接客を提供することが可能になる。
【0071】
(実店員表示切替方法の例3)
実店員表示切替方法の例3では、実店員表示切替部31は、Web店舗30におけるオンライン来店中の客230による仮想店員avatに対する評価結果に応じて、仮想店員avatから実店員210の接客画像への表示の切り替えを実行する。例えば、Web店舗30にオンライン来店中の客230に対して仮想店員avatが接客していたが、仮想店員avatによる接客が当該客230に不評である場合に、仮想店員avatから実店員210の接客画像への表示の切り替えが実行される。例えば、客230がクレームコメントをWeb店舗30に送信したり、仮想店員avatに対する客230の反応が思わしくないと判断される場合に、仮想店員avatから実店員210の接客画像への表示の切り替えが実行される。これにより、Web店舗30にオンライン来店中の客230に対する配慮を実店員210の接客画像により適切に行って当該客230の心証を害することを防止することができる。
【0072】
上述したように本実施形態によれば、実店舗50での実店員210による貢献に加えてWeb店舗30での当該実店員210に基づいた仮想店員avatによる貢献も含めて当該実店員210の評価を行うことができる。これにより、Web店舗30での仮想店員avatによる売り上げ実績が当該仮想店員avatに対応する実店員210の評価に反映されるので、仮想店員avatを含めた実店員210の貢献が的確に当該実店員210の評価に反映される。このことは、実店員210のモチベーションを向上させる等の格別の効果を奏する。
【0073】
なお、これにより、例えば百貨店等の店舗における総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する」に貢献することが可能となる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0075】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0076】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…店員評価システム、10…店員評価装置、11…実店舗評価結果取得部、12…Web店舗評価部、13…総合評価部、14…仮想店員表示制御部、30…Web店舗、31…実店員表示切替部、32…Web店舗実店員評価部、33…仮想店員表示動作部、34…Web店舗来店客動作検出部、50…実店舗、51…店舗端末、60…共有サーバ、70…ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10