(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】配線器具
(51)【国際特許分類】
H01H 9/02 20060101AFI20240722BHJP
H01H 21/00 20060101ALI20240722BHJP
H02G 3/02 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01H9/02 F
H01H21/00 330B
H02G3/02
(21)【出願番号】P 2021029237
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】多田 英人
(72)【発明者】
【氏名】川本 隆司
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-187491(JP,A)
【文献】特開2001-218331(JP,A)
【文献】特開2010-055844(JP,A)
【文献】特開2000-076953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 - 9/28
H01H 13/00 - 13/88
H01H 19/00 - 23/30
H01H 89/00 - 89/10
H02G 3/00 - 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な矩形状のハンドルと、
前記ハンドルが直接的又は間接的に連結されるカバー部材と、
前記ハンドルの長手方向において、前記ハンドル及び前記カバー部材よりも短いスイッチ本体と、
造営材に取付けられる取付枠とを備え、
前記長手方向に沿って延びる前記カバー部材の一方側の端縁部には、前記取付枠に係止される被係止部が形成され、
前記被係止部は、
前記スイッチ本体と前記カバー部材とを重ねて見た場合に、前記ハンドルの長手方向と直交する方向において、前記スイッチ本体の端部を超えた外側の領域に配置され
、
前記ハンドルの長手方向に沿って複数配置され、
前記カバー部材には、前記ハンドルの長手方向に沿って並んだ複数の突状体が形成され、
前記取付枠には、前記ハンドルの長手方向に沿って並んだ複数の突起部が形成され、
前記複数の突状体と前記複数の突起部とは、係合して前記カバー部材が前記取付枠に固定される
配線器具。
【請求項2】
前記取付枠は、前記被係止部を係止する係止部を有し、
前記係止部は、前記長手方向に沿って延びている
請求項1に記載の配線器具。
【請求項3】
前記取付枠は、一方側に配置され、前記長手方向に沿って延びる第1側部を有し、
前記係止部は、前記第1側部に固定された金属バネである
請求項2に記載の配線器具。
【請求項4】
前記被係止部は、前記カバー部材の一方側の端縁部において、前記長手方向に沿って複数配置されている
請求項1~3のいずれか1項に記載の配線器具。
【請求項5】
前記取付枠は、他方側に配置され、前記長手方向に沿って延びる第2側部を有し、
前記複数の突起部は、前記第1側部側に向かって突出し、前記カバー部材の他方側の端縁部と係合する
ように前記第2側部に形成されている
請求項3に記載の配線器具。
【請求項6】
前記取付枠は、前記カバー部材を取付けるための開口部を有し、
前記
複数の突起部は、前記開口部に設けられている
請求項5に記載の配線器具。
【請求項7】
前記カバー部材には、前記
複数の突起部と係合する係合凹部が形成されている
請求項5又は6に記載の配線器具。
【請求項8】
前記係止部は、前記取付枠と互いに噛み合うような凹凸状に形成されている
請求項3に記載の配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の配線器具として用いられる電子情報表示装置が開示されている。電子情報表示装置は、配線器具を保持する取付枠と、取付枠に取付けられた化粧プレートと、化粧プレートの開口を通じて外部に露出するように設けられた操作用ハンドルと、取付枠に取付けられるスイッチ本体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子情報表示装置では、操作用ハンドルの操作時において、取付枠に対するスイッチ本体のガタツキが生じやすいという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、カバー部材のガタツキを抑制することができる配線器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る配線器具は、長尺な矩形状のハンドルと、前記ハンドルが直接的又は間接的に連結されるカバー部材と、前記ハンドルの長手方向において、前記ハンドル及び前記カバー部材よりも短いスイッチ本体と、造営材に取付けられる取付枠とを備え、前記長手方向に沿って延びる前記カバー部材の一方側の端縁部には、前記取付枠に係止される被係止部が形成され、前記被係止部は、前記スイッチ本体と前記カバー部材とを重ねて見た場合に、前記ハンドルの長手方向と直交する方向において、前記スイッチ本体の端部を超えた外側の領域に配置され、前記ハンドルの長手方向に沿って複数配置され、前記カバー部材には、前記ハンドルの長手方向に沿って並んだ複数の突状体が形成され、前記取付枠には、前記ハンドルの長手方向に沿って並んだ複数の突起部が形成され、前記複数の突状体と前記複数の突起部とは、係合して前記カバー部材が前記取付枠に固定される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の配線器具によれば、カバー部材のガタツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る配線器具の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る配線器具を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、スイッチ本体とカバー部材とを重ねて見た場合の配線器具を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図1のIV-IV線における配線器具を示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図1のV-V線における配線器具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0011】
また、以下の実施の形態では、ハンドル及びカバー部材の重なる方向をZ軸方向と規定し、配線器具の長手方向をY軸方向とし、Z軸向及びY軸方向と垂直な方向をX軸方向とする。また、X軸方向において第2側部に対する第1側部をプラス側の方向とし、Y軸方向において第4側部に対する第3側部をプラス側の方向とし、Z軸方向においてハンドルに対してカバー部材側の方向をプラス側の方向とする。
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
(実施の形態)
<構成:配線器具1>
図1は、実施の形態に係る配線器具1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る配線器具1を示す分解斜視図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、配線器具1は、例えば、施設に設置される照明装置、送風装置等の設備システムに電力を供給したり、供給する電力を遮断したりする接続機器である。配線器具1は、天井、壁等の造営材に埋め込み設置される。配線器具1は、例えば、コンセント又はスイッチである。配線器具1は、Z軸マイナス方向に沿って正面視した場合に、縦長の直方体状に形成されている。
【0015】
配線器具1は、スイッチ本体10と、カバー部材20と、ハンドル50と、取付枠30とを備えている。
【0016】
スイッチ本体10は、電気的に接続される電線に対して電気的に接続する、又は、遮断するスイッチ装置である。
【0017】
例えば、スイッチ本体10は、筐体、一対の端子、鎖錠ばね等で構成されている。筐体は、X軸方向に沿って長尺な直方体状をなし、一対の端子、鎖錠ばね等を収容している。一対の端子のそれぞれは、導電性に優れた金属材料で形成された速結端子である。鎖錠ばねは、電線を端子に押し付けることで、端子と電線とを電気的に接続させる接続状態に変位したり、電線を端子に押し付けることが解除されると、電線を端子から引き抜けるような解除状態に変位したりする。
【0018】
スイッチ本体10のZ軸マイナス方向側の面には、操作部12が取付けられている。また、操作部12のZ軸マイナス方向側の面には、ハンドル50が回動自在に配置されている。スイッチ本体10は、例えば、操作部12がハンドル50によって押操作されると、一対の端子のうちの一方の端子の可動接点と一対の端子のうちの他方の端子の固定接点とが接触することで、電気的に接続することができる。また、スイッチ本体10は、その後もう一度、操作部12がハンドル50によって押操作されると、端子の可動接点と別の端子の固定接点とが離れることで遮断することができる。つまり、ハンドル50の押操作に応じて、スイッチ本体10に内蔵される上述の接点のオン状態及びオフ状態が切り替わることで、照明装置等の機器と商用交流電源等の電源とのオン状態及びオフ状態が切り替えられる。つまり、スイッチ本体10は、ハンドル50の切り替え操作に応じて接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉装置である。
【0019】
スイッチ本体10は、X軸方向に沿って長尺な直方体状をなしている。スイッチ本体10は、ハンドル50の長手方向(Y軸方向)において、ハンドル50及びカバー部材20よりも短い。つまり、スイッチ本体10は、Y軸方向における長さは、ハンドル50及びカバー部材20よりも短い。また、スイッチ本体10は、X軸方向における長さも、ハンドル50及びカバー部材20よりも短い。
【0020】
カバー部材20は、樹脂製であり、Y軸方向に沿って長尺な略矩形状の板状をなしている。カバー部材20は、X-Y平面に対して略平行である。
【0021】
カバー部材20の中央部には、矩形状の第1開口部23が形成されている。第1開口部23は、カバー部材20の長手方向(Y軸方向)に沿って延びている、カバー部材20の一方側(X軸プラス方向側)の端縁部20aと、カバー部材20の長手方向に沿って延びている、カバー部材20の他方側(X軸マイナス方向側)の端縁部20bとの間に形成された貫通孔である。
【0022】
カバー部材20には、第1開口部23から露出するようにスイッチ本体10が取付けられている。具体的には、カバー部材20には、Z軸プラス方向側に延びる一対の取付部21が形成されている。一対の取付部21は、板状をなし、Y軸方向に沿って並べられ、スイッチ本体10を挟むように配置されている。一対の取付部21には、スイッチ本体10に形成された爪部と係合するための取付孔21aが形成されている。これにより、一対の取付部21がスイッチ本体10を両側から挟んだ状態で、一対の取付部21の取付孔21aがスイッチ本体10の爪部と係合することで、カバー部材20はスイッチ本体10を固定することができる。
【0023】
また、カバー部材20には、取付枠30に係止する被係止部22が形成されている。被係止部22は、カバー部材20の一方側(X軸プラス方向側)の端縁部20aにおいて、長手方向に沿って複数配置されている。具体的には、被係止部22は、取付枠30の係止部40と対向するカバー部材20のX軸プラス方向側に位置し、一方側の端縁部20aに形成されている。本実施の形態では、被係止部22は、一方側の端縁部20aの側面に形成されている。被係止部22は、一方側の端縁部20aの側面からX軸プラス方向に突出する突状片である。被係止部22は、一方側の端縁部20aに複数形成され、Y軸方向に沿って並んでいる。本実施の形態では、6つの被係止部22が形成されている。被係止部22の数は、一例であり6つに限定されない。
【0024】
なお、被係止部22は、他方側(X軸マイナス方向側)の端縁部20bの側面に形成されていてもよい。
【0025】
被係止部22とスイッチ本体10とカバー部材20との関係について
図3を用いて説明する。
図3は、スイッチ本体10とカバー部材20とを重ねて見た場合の配線器具1を示す平面図である。
図3では、取付枠30は省略している。
【0026】
被係止部22は、スイッチ本体10とカバー部材20とを重ねて見た場合に、ハンドル50の長手方向と直交する方向において、スイッチ本体10の端部を超えた外側の領域に配置されている。つまり、
図3に示すように、被係止部22は、スイッチ本体10のX軸プラス方向側の端面よりも外側(X軸プラス方向側)に配置されている。
【0027】
被係止部22は、取付枠30の係止部40と対向する位置に形成され、X軸プラス方向側の側面に形成されている。カバー部材20が取付枠30に取付けられた際に、被係止部22が取付枠30に係止されることで、取付枠30に対するカバー部材20のZ軸方向の移動が抑制される。つまり、被係止部22は、取付枠30に係止されることで、取付枠30に嵌合された嵌合部として機能する。
【0028】
被係止部22は、一方側の端縁部20aの側面に形成されているが、一方側の端縁部20aのY軸方向における両端側にそれぞれ形成されていることが好ましい。この場合、カバー部材20が取付枠30に強固に係合することができるため、取付枠30に対するカバー部材20のガタツキを抑制することができるようになる。
【0029】
また、カバー部材20のZ軸マイナス方向側の面には、ハンドル50を支持するための一対の軸支部24が形成されている。一対の軸支部24は、カバー部材20のY軸方向の両端側に形成されている。具体的には、一対の軸支部24のうちの一方の軸支部24は第1開口部23よりもY軸プラス方向側の端部に配置され、一対の軸支部24のうちの他方の軸支部24は第1開口部23よりもY軸プラス方向側の端部に配置されている。
【0030】
一対の軸支部24には、ハンドル50を回動可能に支持するための軸孔部24aが形成されている。一対の軸支部24にはハンドル50の一対の回動軸部が一対一で挿入されることで、一対の軸支部24は、ハンドル50を回動可能に支持している。
【0031】
また、カバー部材20のZ軸マイナス方向側の面には、Z軸マイナス方向に突出する複数の第1突状体25及び複数の第2突状体26が形成されている。複数の第1突状体25は、カバー部材20の一方側の端縁部20aに形成され、複数の第2突状体26は他方側の端縁部20bに形成されている。複数の第1突状体25も複数の第2突状体26も、Y軸方向に沿って長尺な板状をなし、Y軸方向に沿って並んで配置され、取付枠30の第2開口部30aに挿入されている。
【0032】
第2突状体26と取付枠30の第1突起部32aとの関係について
図4を用いて説明する。
図4は、
図1のIV-IV線における配線器具1を示す断面図である。
【0033】
図4に示すように、他方側の端縁部20bに形成されている複数の第2突状体26のそれぞれには、取付枠30の第1突起部32aと対応することで、取付枠30の第1突起部32aと係合する係合凹部26aが形成されている。係合凹部26aは、取付枠30の第1突起部32aと係合する窪みである。係合凹部26aは、他方側の端縁部20bに形成されている複数の第2突状体26のそれぞれにおいて、取付枠30の第1突起部32aと対向する位置であり、X軸マイナス方向側の面に形成されている。カバー部材20が取付枠30に取付けられた際に、第1突起部32aと係合凹部26aとが係合することで、少なくとも取付枠30に対するカバー部材20のZ軸方向の移動が抑制される。
【0034】
図2及び
図4に示すように、カバー部材20には、Z軸マイナス方向側の面において、ハンドル50が直接的又は間接的に連結されている。本実施の形態では、カバー部材20には、一対の軸支部24にハンドル50の回動軸部が回動可能に接続されることで、ハンドル50が直接的に連結されている。なお、カバー部材20には、ハンドル50がスイッチ本体10又は他の部材を介して間接的に連結されていてもよい。
【0035】
取付枠30は、造営材に取付けられる、矩形状の枠体である。取付枠30には、中央部にカバー部材20を取付けるための第2開口部30aが形成されている。第2開口部30aには、カバー部材20の複数の第1突状体25及び複数の第2突状体26、及び、一対の軸支部24等が挿入されている。第2開口部30aは、開口部の一例である。
【0036】
また、取付枠30は、X軸方向に沿って延び、X軸プラス方向側に位置する第1側部31と、X軸方向に沿って延び、X軸マイナス方向側に位置する第2側部32と、Y軸方向に沿って延び、Y軸プラス方向側に位置する第3側部33と、Y軸方向に沿って延び、Y軸マイナス方向側に位置する第4側部34とを有している。第1側部31、第2側部32、第3側部33及び第4側部34によって第2開口部30aが形成されている。
【0037】
第1側部31は、取付枠30の一方側に配置され、Z軸方向に沿って見た場合に、カバー部材20の一方側の端縁部20aを覆うように、一方側の端縁部20aと係合している。具体的には、第1側部31は、X-Y平面と略平行な板状の第1板部31aと、第1板部31aに対してZ軸プラス方向に向かって屈曲し、Y-Z平面と略平行な第2板部31bとを有している。第1板部31aが一方側の端縁部20aのZ軸マイナス方向側の面と当接し、第2板部31bが一方側の端縁部20aの側面と当接している。
【0038】
また、第1板部31aの第2開口部30aには、第2側部32に向かって突出する第3突起部31eが形成されている。第3突起部31eは、第2突起部32bと同様の構成である。第3突起部31eは、隣り合う2つの第1突状体25の間に配置されることで、カバー部材20に取付けられる。このように、第1側部31の第2開口部30a側において、カバー部材20の一方側の端縁部20aに形成されている隣り合う2つの第1突状体25の間に第3突起部31eが嵌め込まれることで、カバー部材20のX軸プラス方向側を固定することができる。このため、カバー部材20が取付枠30に取付けられた際に、隣り合う2つの第1突状体25の間に第3突起部31eが嵌め込まれることで、少なくとも取付枠30に対するカバー部材20のY軸方向の移動が抑制される。
【0039】
被係止部22と係止部40との関係について、
図5を用いて説明する。
図5は、
図1のV-V線における配線器具1を示す断面図である。
【0040】
図2及び
図5に示すように、取付枠30は、長手方向(Y軸方向)に沿って延び、第1側部31に固定されている係止部40を有している。具体的には、係止部40は、取付枠30において長手方向に沿って延びる第1側部31に固定された金属バネである。第1板部31aには、係止部40が締結部材36に締結されることで係止部40が固定されている。締結部材36は、ネジ、リベット等である。
【0041】
また、第1側部31には、係止部40を挿入するためのバネ挿入孔31cが複数形成されている。バネ挿入孔31cは、第2板部31bから第1板部31aと第2板部31bとの境界部分に跨って形成されている。係止部40は、締結部材36によって第1側部31に固定されている板バネである。これにより、係止部40は、締結部材36で固定された第1側部31側の固定部41を支点として、バネ挿入孔31cに配置された揺動部42が揺動することで、カバー部材20の被係止部22を係止したり、被係止部22の係止を解除したりする。つまり、係止部40は、揺動部42がバネ挿入孔31cに挿入された姿勢で、付勢されている。
【0042】
また、係止部40は、取付枠30と互いに噛み合うような凹凸状に形成されている。具体的には、係止部40は、取付枠30のバネ挿入孔31cと互いに噛み合うように凹凸状に形成された複数の揺動部42を有している。つまり、係止部40の凹凸状は、複数の揺動部42で形成されている。
【0043】
また、揺動部42は、爪状凸部42aと、凹部42bとを有している。爪状凸部42aは、Z軸プラス方向に延び、被係止部の係止を解除でき、かつユーザが指で摘まめるように反っている。本実施の形態では、係止部40の固定部41には3つの揺動部42が形成され、それぞれの揺動部42は、隣り合う2つの爪状凸部42aと、隣り合う2つの爪状凸部42aの間の凹部42bとが形成された凹凸状をなしている。凹部42bには、バネ挿入孔31cに形成された凸部31dが配置される。このように、揺動部42がバネ挿入孔31cと互いに噛み合うことで、係止部40のガタつきが抑制されている。なお、揺動部42、爪状凸部42a及び凹部42bの数は一例であり、これらに限定されない。
【0044】
このような、係止部40は、取付枠30に嵌合された嵌合部として機能する。
【0045】
係止部40は、Y軸方向に沿って長尺であり、Z軸プラス方向に沿って見た場合に、第1側部31の一部を覆うように配置されている。
【0046】
係止部40は、X-Y平面と略平行な板状であり、第1側部31の第1板部31aに締結部材36によって固定される固定部41と、固定部41に対してZ軸プラス方向に向かって屈曲し、Y-Z平面と略平行な凹凸状の揺動部42とを有している。本実施の形態では、揺動部42は、3つの凸状部分と2つの凹状部分との3又状に構成されている。凸状部分及び凹状部分の数は、一例であり限定されない。
【0047】
揺動部42は、Y軸マイナス方向に沿って見た場合に、略S字状をなしている。具体的には、揺動部42には、被係止部22を係止する湾曲部分42cが形成されている。カバー部材20が取付枠30に取付けられたとき、湾曲部分42cは、被係止部22のZ軸プラス方向側の端面からZ軸マイナス方向に押し付けるように被係止部22を付勢する。これにより、揺動部42は、湾曲部分42cが被係止部22と係合することで、被係止部22を係止することが可能である。つまり、係止部40は、被係止部22を係止する嵌合部として機能している。
【0048】
第2側部32は、Z軸方向に沿って見た場合に、カバー部材20の他方側の端縁部20bを覆うように、他方側の端縁部20bと係合する板状をなしている。第2側部32が他方側の端縁部20bのZ軸マイナス方向側の面と当接している。第2側部32には、第2開口部30a側に設けられ、第1側部31側に向かって突出し、カバー部材20の他方側の端縁部20bと係合する複数の第1突起部32aと、第2開口部30a側に設けられ、第1側部31側に向かって突出する第2突起部32bとが形成されている。第2突起部32bは、隣り合う2つの第1突起部32aの間に形成されている。本実施の形態では、第2側部32は、3つの第1突起部32aと、隣り合う2つの第1突起部32aの間に配置された2つの第2突起部32bとを有している。第1突起部32a及び第2突起部32bは、突起部の一例である。
【0049】
複数の第1突起部32aは、複数の第2突状体26の係合凹部26aと一対一で対応して、それぞれの第2突状体26の係合凹部26aに挿入されることで、カバー部材20に係止される。また、複数の第2突起部32bは、隣り合う2つの第2突状体26の間に配置されることで、カバー部材20に取付けられる。このように、第2側部32の第2開口部30a側において、カバー部材20の他方側の端縁部20bに形成されている複数の第2突状体26のそれぞれに形成された係合凹部26aに複数の第1突起部32aが一対一で嵌め込まれ、複数の第2突起部32bが隣り合う2つの第2突状体26の間に嵌め込まれることで、カバー部材20のX軸マイナス方向側を固定することができる。
【0050】
ハンドル50は、Y軸方向に沿って長尺な矩形状をなしている。ハンドル50は、取付枠30を介して外部に露出している。ハンドル50は、取付枠30の第2開口部30aに対応する矩形状に形成され、スイッチ本体10のZ軸マイナス方向側の面(前面)に対して、着脱自在に取付けられている。
【0051】
ハンドル50は、押操作に応じて、スイッチ本体10の操作部12を押操作することが可能である。Z軸方向に沿ってハンドル50とスイッチ本体10とを見た場合、ハンドル50は、スイッチ本体10よりも面積が大きく形成されたロングハンドルである。
【0052】
ハンドル50は、カバー部材20と連結することでカバー部材20に対して回動可能に固定されている。具体的には、ハンドル50は、Y軸プラス方向の側面部と、Y軸マイナス方向の側面部とのそれぞれに形成された回動軸部を有している。それぞれの回動軸部は、ハンドル50のX軸方向における中間部分であり、Y軸方向に沿って並ぶように配置されている。それぞれの回動軸部11は、カバー部材20に形成された軸孔部24aに挿入されることで、軸孔部24aに対して回動する。これにより、ハンドル50は、ユーザの操作によって、それぞれの回動軸部及び軸孔部24aを支点として回動することで、カバー部材20に対して回動し、スイッチ本体10の操作部12を操作してスイッチ本体10の接点のオン状態及びオフ状態を切り替える。
【0053】
<取付け>
スイッチ本体10をカバー部材20に取付ける場合、スイッチ本体10に形成された一対の爪部と、カバー部材20に形成された一対の取付部21とが係合するように、スイッチ本体10をカバー部材20の第1開口部23に、挿入方向(Z軸マイナス方向)にスライドさせる。これにより、一対の爪部と一対の取付部21とが一対一で係合されることで、スイッチ本体10が一対の取付部21に挟まれるようにカバー部材20に取付けられる。
【0054】
ハンドル50をカバー部材20に取付ける場合、ハンドル50に形成された一対の回動軸部と、カバー部材20に形成された一対の軸支部24の軸孔部24aとを係合させる。具体的には、一対の軸支部24の軸孔部24aに一対の回動軸部を一対一で対応するように挿入する。これにより、ハンドル50は、カバー部材20に回動可能に支持される。
【0055】
また、カバー部材20を取付枠30に取付ける場合、まず、他方側の端縁部20bに形成されている複数の第2突状体26に、被係合部を取付枠30の第2側部32に形成されている複数の第1突起部32a及び複数の第2突起部32bを係合させる。具体的には、複数の第2突状体26のそれぞれに形成されている係合凹部26aに、それぞれの第1突起部32aを一対一で対応するように嵌め合わせるとともに、複数の第2突状体26において隣り合う2つの第2突状体26の間に、それぞれの第2突起部32bを一対一で対応するように嵌め合わせる。これにより、カバー部材20の他方側の端縁部20bが取付枠30の第2側部32に嵌め合わされることで、少なくともY軸方向への移動が抑制される。
【0056】
次に、一方側の端縁部20aに形成されている被係止部22を係止部40に係止させる。具体的には、カバー部材20を係止部40側(Z軸マイナス方向側)に向けて押し付けることで、一方側の端縁部20aに形成されている被係止部22が係止部40における揺動部42の裏面(カバー部材20側)を摺動して、揺動部42の湾曲部分42cに嵌め合わされる。これにより、被係止部22が揺動部42の湾曲部分42cに付勢されることで、カバー部材20の一方側の端縁部20aが取付枠30の第1側部31に嵌め合わされ、X軸方向及びZ軸方向への移動が抑制される。
【0057】
このようにして、カバー部材20は、取付枠30に対して強固に固定される。
【0058】
<作用効果>
次に、本実施の形態における配線器具1の作用効果について説明する。
【0059】
上述したように、本実施の形態の配線器具1は、長尺な矩形状のハンドル50と、ハンドル50が直接的又は間接的に連結されるカバー部材20と、ハンドル50の長手方向において、ハンドル50及びカバー部材20よりも短いスイッチ本体10と、造営材に取付けられる取付枠30とを備えている。また、長手方向に沿って延びるカバー部材20の一方側の端縁部20aには、取付枠30に係止される被係止部22が形成されている。そして、被係止部22は、スイッチ本体10とカバー部材20とを重ねて見た場合に、ハンドル50の長手方向と直交する方向において、スイッチ本体10の端部を超えた外側の領域に配置されている。
【0060】
例えば、被係止部がスイッチ本体の端部の内側の領域に存在する場合、被係止部が狭い領域内に存在していることになるため、取付枠に被係止部が係止されていても、取付枠に対してカバー部材がガタつく恐れがある。特に、被係止が複数存在していても、それぞれの被係止部が互いに近く存在していれば、取付枠に対してカバー部材のガタツキを抑制し難くなる恐れがある。
【0061】
しかしながら、本実施の形態では、被係止部22がスイッチ本体10の端部を超えた外側の領域に配置された状態であるため、被係止部22が取付枠30に係止されれば、カバー部材20を取付枠30に強固に固定することができる。つまり、取付枠30との係止する被係止部22をできるだけ広い領域に配置することができるため、取付枠30に対してカバー部材20のガタつきを抑制し易くなる。
【0062】
したがって、この配線器具1では、カバー部材20のガタツキを抑制することができる。その結果、配線器具1では、カバー部材20を操作しても異音が生じ難くなるため、静音性を確保することができる。
【0063】
また、本実施の形態の配線器具1において、取付枠30は、被係止部22を係止する係止部40を有している。そして、係止部40は、長手方向に沿って延びている。
【0064】
これによれば、長尺な取付枠30の係止部40が被係止部22を係止することができるため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0065】
また、本実施の形態の配線器具1において、取付枠30は、一方側に配置され、長手方向に沿って延びる第1側部31を有している。そして、係止部40は、第1側部31に固定された金属バネである。
【0066】
これによれば、一方側の第1側部31はカバー部材20の一方側の端縁部20aと対応しているため、取付枠30は、長手方向に沿ってカバー部材20を係止することができる。このため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0067】
また、本実施の形態の配線器具1において、被係止部22は、カバー部材20の一方側の端縁部20aにおいて、長手方向に沿って複数配置されている。
【0068】
これによれば、カバー部材20は、長手方向に沿って取付枠30に係止される。このため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0069】
また、本実施の形態の配線器具1において、取付枠30は、他方側に配置され、長手方向に沿って延びる第2側部32を有している。そして、第2側部32には、第1側部31側に向かって突出し、カバー部材20の他方側の端縁部20bと係合する突起部(第1突起部32a又は第2突起部32b)が形成されている。
【0070】
これによれば、第2側部32の突起部をカバー部材20の他方側の端縁部20bに挿し込むことで、カバー部材20の他方側の端縁部20bと第2側部32の突起部とを係合させることができる。このため、取付枠30に対するカバー部材20の位置合わせが容易になるため、組付けが容易になる。
【0071】
また、取付枠30の他方側に配置された突起部がカバー部材20の他方側の端縁部20bと係合することで、取付枠30に対するカバー部材20の移動を抑制することができる。このため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0072】
また、本実施の形態の配線器具1において、取付枠30は、カバー部材20を取付けるための開口部(第2開口部30a)を有している。そして、突起部は、開口部に設けられている。
【0073】
これによれば、突起部をカバー部材20に引っ掛ける(係合する)ことができるため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0074】
また、本実施の形態の配線器具1において、カバー部材20には、突起部と係合する係合凹部26aが形成されている。
【0075】
これによれば、突起部を係合凹部26aに挿し込むだけで嵌め合わせることができるため、取付枠30に対するカバー部材20の組付けが容易になる。
【0076】
また、突起部が係合凹部26aと係合するため、カバー部材20を取付枠30により強固に固定することができる。
【0077】
また、本実施の形態の配線器具1において、係止部40は、取付枠30と互いに噛み合うような凹凸状に形成されている。
【0078】
これによれば、係止部40が取付枠30に固定された状態となるため、ユーザがハンドル50を操作しても、その振動によって係止部40がガタつき難い。また、係止部40を強固に取付枠30に固定することができる。
【0079】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る配線器具について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0080】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 配線器具
10 スイッチ本体
20 カバー部材
20a 一方側の端縁部
20b 他方側の端縁部
22 被係止部
26a 係合凹部
30 取付枠
30a 第2開口部(開口部)
31 第1側部
32 第2側部
32a 第1突起部(突起部)
32b 第2突起部(突起部)
40 係止部
50 ハンドル