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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】温水暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20220101AFI20240722BHJP
   F24D 3/18 20060101ALI20240722BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20240722BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20240722BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20240722BHJP
   F24H 15/136 20220101ALI20240722BHJP
   F24H 15/335 20220101ALI20240722BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20240722BHJP
   F24H 15/31 20220101ALI20240722BHJP
【FI】
F24D3/00 X
F24D3/00 Q
F24D3/18
F24F5/00 101Z
F24F11/32
F24F11/84
F24H15/136
F24H15/335
F24H15/212
F24H15/31
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021034718
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022135112
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 義人
(72)【発明者】
【氏名】増村 克之
(72)【発明者】
【氏名】広野 徳純
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-192444(JP,A)
【文献】特開2017-146075(JP,A)
【文献】特開平10-009594(JP,A)
【文献】特開2014-047927(JP,A)
【文献】米国特許第05284204(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24D 3/18
F24F 5/00
F24F 11/32
F24F 11/84
F24H 15/10 ー 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象空間の室内空気と循環液との熱交換を行う室内熱交換器、前記室内熱交換器での前記熱交換を行わせるための送風ファン、前記室内熱交換器を流れる前記循環液の温度を検出するセンサ、前記循環液の流通路を開閉可能な開閉弁、及び、前記開閉弁及び前記送風ファンの駆動を制御する端末制御部、を備えたファンコイルユニットと、
循環液通路を備え前記循環液通路内の前記循環液を熱源により加熱する加熱熱交換器、前記循環液を流通させる循環ポンプ、及び、前記熱源及び前記循環ポンプを制御する熱源制御部、を備えた室外機と、
前記端末制御部から前記熱源制御部への一方向通信を実行する第1端末制御線と、
を有し、
前記加熱熱交換器の前記循環液通路と前記室内熱交換器とを循環液配管によって環状に接続して液循環回路を形成して、前記ファンコイルユニットにより室内空気を加熱する暖房運転を実行可能な温水暖房システムにおいて、
前記熱源制御部から前記端末制御部への一方向通信を実行する第2端末制御線をさらに有し、
前記熱源制御部は、
前記暖房運転の非実行時において、前記熱源を起動した状態で前記循環ポンプを起動して前記循環液配管内に前記循環液を流通させる凍結防止運転を行う凍結防止制御手段を有し、
前記端末制御部は、
前記ファンコイルユニットを操作するためのリモコンからの若しくは前記第2端末制御線を介した前記熱源制御部からの弁制御信号に基づき、前記開閉弁を開き制御する第1開閉制御手段と、
前記熱源制御部の前記凍結防止制御手段による前記凍結防止運転の実行に対応して前記弁制御信号に基づき前記第1開閉制御手段により前記開閉弁が開き状態とされた後、所定の第1温度条件が満たされたか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされなかった場合に、前記弁制御信号に基づく前記第1開閉制御手段による前記開き制御に代えて実行する前記開閉弁の強制制御により、前記開閉弁を強制的に閉じ制御する処理を少なくとも行う第2開閉制御手段と、
を有することを特徴とする温水暖房システム。
【請求項2】
前記第1温度条件は、
前記弁制御信号に基づき前記第1開閉制御手段により前記開閉弁が開き状態とされた後に第1所定時間が経過したときに、前記センサにより検出される循環液温度が第1しきい値以上となっていること、
であることを特徴とする請求項1記載の温水暖房システム。
【請求項3】
前記端末制御部は、
前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされずに前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁を閉じ制御した後、所定の第2温度条件が満たされたか否かを判定する第2判定手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の温水暖房システム。
【請求項4】
前記第2温度条件は、
前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされずに前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁閉じ制御した後、第2所定時間が経過して前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁開き制御し、さらにその後第3所定時間が経過したときに、前記センサにより検出される循環液温度が第2しきい値以上となっていること、
であることを特徴とする請求項3記載の温水暖房システム。
【請求項5】
前記第2判定手段における前記第2温度条件が満たされた場合、前記第2開閉制御手段は、
前記リモコンからの前記弁制御信号、若しくは、前記凍結防止制御手段による前記凍結防止運転の終了に対応し前記第2端末制御線を介して前記熱源制御部から入力された前記弁制御信号に応じて、前記強制制御を終了する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の温水暖房システム。
【請求項6】
前記第2判定手段における前記第2温度条件が満たされなかった場合、前記第2開閉制御手段は、
前記リモコンからの前記弁制御信号に応じて、前記強制制御を終了する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項記載の温水暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内空気と循環液との熱交換により空調対象空間を暖房する温水暖房システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の温水暖房システムにおいては、特許文献1記載のように、室外機の室外熱交換器で外気と熱交換した冷媒を液冷媒熱交換器に導き、液冷媒熱交換器にて冷媒から受熱した循環液を、循環液配管を介してファンコイルユニット(室内空調機)の室内熱交換器に供給し、室内空気を加熱する暖房運転を行うものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-159663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では、リモコンが操作されることで対応する制御信号がファンコイルユニットへ送信され、これに応じてファンコイルユニットから室外機へ所定の通信が行われることで、暖房運転が開始される。すなわち、室外機において圧縮機が駆動され、これによって前記のように室外熱交換器で外気と熱交換した冷媒が液冷媒熱交換器に導かれ、液冷媒熱交換器にて冷媒から受熱した循環液が循環液配管を介してファンコイルユニットへ導かれる。このとき、リモコン操作に基づく制御信号によりファンコイルユニット内の開閉弁が開き状態にされ、これによって前記のように受熱した循環液はファンコイルユニット内の室内熱交換器に供給される。これにより、加熱された循環液と室内空気との熱交換が室内熱交換器において行われ、ファンコイルユニットに設けられる送風ファンにより誘起される温風によって室内空気が加温される。
【0005】
このようなファンコイルユニットが例えば厳寒地で使用される場合には、一般的に、冬季の非運転時における循環液の凍結防止のために、室外機において所定の凍結防止運転が行われる。この凍結防止運転が行われる際には、室外機において、循環ポンプが起動されかつ圧縮機が起動され、液冷媒熱交換器において冷媒から循環液への放熱が行われる。
【0006】
ここで、前記のような凍結防止運転の際、室外機内部の故障発生等、何らかの理由により循環液が前記のように加温されないまま、循環ポンプにより循環液配管内を流通する場合があり得る。この場合、低温のままの循環液がファンコイルユニット内を流れ続けることになるため、ファンコイルユニットの開閉弁の内部で結露が生じてしまい、このような開閉弁内の結露によって故障が生じる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、空調対象空間の室内空気と循環液との熱交換を行う室内熱交換器、前記室内熱交換器での前記熱交換を行わせるための送風ファン、前記室内熱交換器を流れる前記循環液の温度を検出するセンサ、前記循環液の流通路を開閉可能な開閉弁、及び、前記開閉弁及び前記送風ファンの駆動を制御する端末制御部、を備えたファンコイルユニットと、循環液通路を備え前記循環液通路内の前記循環液を熱源により加熱する加熱熱交換器、前記循環液を流通させる循環ポンプ、及び、前記熱源及び前記循環ポンプを制御する熱源制御部、を備えた室外機と、前記端末制御部から前記熱源制御部への一方向通信を実行する第1端末制御線と、を有し、前記加熱熱交換器の前記循環液通路と前記室内熱交換器とを循環液配管によって環状に接続して液循環回路を形成して、前記ファンコイルユニットにより室内空気を加熱する暖房運転を実行可能な温水暖房システムにおいて、前記熱源制御部から前記端末制御部への一方向通信を実行する第2端末制御線をさらに有し、前記熱源制御部は、前記暖房運転の非実行時において、前記熱源を起動した状態で前記循環ポンプを起動して前記循環液配管内に前記循環液を流通させる凍結防止運転を行う凍結防止制御手段を有し、前記端末制御部は、前記ファンコイルユニットを操作するためのリモコンからの若しくは前記第2端末制御線を介した前記熱源制御部からの弁制御信号に基づき、前記開閉弁を開き制御する第1開閉制御手段と、前記熱源制御部の前記凍結防止制御手段による前記凍結防止運転の実行に対応して前記弁制御信号に基づき前記第1開閉制御手段により前記開閉弁が開き状態とされた後、所定の第1温度条件が満たされたか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされなかった場合に、前記弁制御信号に基づく前記第1開閉制御手段による前記開き制御に代えて実行する前記開閉弁の強制制御により、前記開閉弁を強制的に閉じ制御する処理を少なくとも行う第2開閉制御手段と、を有するものである。
【0008】
また、請求項2では、前記第1温度条件は、前記弁制御信号に基づき前記第1開閉制御手段により前記開閉弁が開き状態とされた後に第1所定時間が経過したときに、前記センサにより検出される循環液温度が第1しきい値以上となっていること、であるものである。
【0009】
また、請求項3では、前記端末制御部は、前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされずに前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁を閉じ制御した後、所定の第2温度条件が満たされたか否かを判定する第2判定手段をさらに有するものである。
【0010】
また、請求項4では、前記第2温度条件は、前記第1判定手段における前記第1温度条件が満たされずに前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁閉じ制御した後、第2所定時間が経過して前記第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁開き制御し、さらにその後第3所定時間が経過したときに、前記センサにより検出される循環液温度が第2しきい値以上となっていること、であるものである。
【0011】
また、請求項5では、前記第2判定手段における前記第2温度条件が満たされた場合、前記第2開閉制御手段は、前記リモコンからの前記弁制御信号、若しくは、前記凍結防止制御手段による前記凍結防止運転の終了に対応し前記第2端末制御線を介して前記熱源制御部から入力された前記弁制御信号に応じて、前記強制制御を終了するものである。
【0012】
また、請求項6では、前記第2判定手段における前記第2温度条件が満たされなかった場合、前記第2開閉制御手段は、前記リモコンからの前記弁制御信号に応じて、前記強制制御を終了するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の請求項1によれば、室外機が熱源と加熱熱交換器とを備え、また加熱熱交換器には循環液配管が接続され、この循環液配管には循環ポンプとファンコイルユニットの室内熱交換器とが接続されている。暖房運転時には、リモコンが操作されることで弁制御信号がファンコイルユニットの端末制御部へ送信され、これに応じて端末制御部から熱源制御部への所定の通信(一方向通信)が行われることで、暖房運転が開始される。すなわち、室外機においては、熱源制御部の制御により熱源が起動されることにより熱源から受熱した循環液が循環液配管を介してファンコイルユニットへ導かれる。このとき、前記リモコン操作に基づく弁制御信号に基づき、端末制御部の第1開閉制御手段によりファンコイルユニット内の開閉弁が開き状態にされ、これによって前記のように受熱した循環液はファンコイルユニット内の室内熱交換器に供給される。これにより、加熱された循環液と室内空気との熱交換が室内熱交換器において行われ、端末制御部の制御に基づき送風ファンにより誘起される温風によって室内空気が加温される。
【0014】
一方、本願発明においては、冬季の非運転時における循環液の凍結防止のために、室外機において所定の凍結防止運転が行われる。そのために、熱源制御部に凍結防止制御手段が設けられており、この凍結防止制御手段の制御により、前記循環ポンプが起動されかつ熱源が起動され、加熱熱交換器において熱源から循環液への放熱が行われる。但し非運転時ではリモコンが操作されておらずそのままではファンコイルユニットの開閉弁が開かれないことから、本願発明においては、熱源制御部から端末制御部への一方向通信を実行する第2端末制御線が新たに設けられる。これにより、前記凍結防止運転時には熱源制御部から第2端末制御線を介し端末制御部へ弁制御信号が送信され、これによって前記第1開閉制御手段により開閉弁が開き状態へ駆動される。この結果、前述のようにして加熱熱交換器にて熱源から受熱し加温された循環液を前記循環液配管内に流通させることができる。
【0015】
ここで、前記のような凍結防止運転の際、室外機内部の故障発生等、何らかの理由により循環液が前記のように加温されないまま、循環ポンプにより循環液配管内を流通する場合があり得る。この場合、低温のままの循環液がファンコイルユニット内を流れ続けることになり、前記開閉弁の内部の結露によって開閉弁が故障する恐れがある。もし開閉弁が故障した場合、ファンコイルユニット内の各部や器具の分解が必要となったり漏電発生により電気設備に支障が生じたりする(例えばブレーカが落ちる等)可能性がある。
【0016】
そこで本願発明によれば、端末制御部において、第1判定手段と第2開閉制御手段とが設けられる。第1判定手段は、前記凍結防止運転の実行時において前記のように前記弁制御信号に基づく第1開閉制御手段の制御により開閉弁が開き状態となった後、所定の第1温度条件が満たされたか否かを判定する。第1温度条件の例としては、例えば、開閉弁が開き状態とされた後に所定時間(第1所定時間)が経過したとき、ファンコイルユニットに設けられたセンサにより検出される循環液温度が所定のしきい値(第1しきい値)以上となっていること、とすることができる。
【0017】
第1判定手段での判定の結果、この第1温度条件が満たされなかった場合には、室外機において故障発生等の何らかの理由により循環液の加温が満足に行われていないとみなされ、第2開閉制御手段により開閉弁の強制制御が行われる。この強制制御は、前記したような弁制御信号に基づく第1開閉制御手段による制御に代えて強制的に実行されて開閉弁を制御するものである。すなわち、第1開閉制御手段への弁制御信号が開閉弁を開き状態とする信号であっても閉じ状態とする信号であっても、それにかかわらず、第2開閉制御手段が強制的に前記開閉弁を開き状態又は閉じ状態とすることができる。このような強制制御で開閉弁を強制的に閉じ状態とすることにより、低温のままの循環液がファンコイルユニット内に供給されるのを阻止することができる。この結果、前記の内部結露による開閉弁の故障を防止することができる。
【0018】
また、請求項2によれば、第1判定手段は、前記第1温度条件として、弁制御信号に基づき第1開閉制御手段により開閉弁が開き状態とされた後に第1所定時間が経過し、かつ、センサが検出する循環液温度が第1しきい値以上となっているか否かを判定する。これにより、前記凍結防止運転の際に室外機側の何らかの理由により循環液が加温されないままの状態であることを確実に識別することができる。
【0019】
また、請求項3によれば、前記のように第1温度条件が満たされずに第2開閉制御手段が前記強制制御により前記開閉弁を閉じ状態とした後においても、第2判定手段によって、所定の第2温度条件が満たされたか否かが判定される。これにより、前記凍結防止運転の際に、当初は外気温度が低すぎた等の理由で室外機側による循環液の加温が進まず第1温度条件が満たされなかった場合であっても、その後室外機側による循環液の加温が十分行われるようになった場合には、第2温度条件が満たされることでそのことを明確に識別することができる。
【0020】
また、請求項4によれば、第2判定手段は、前記第2温度条件として、第2開閉制御手段が前記強制制御により開閉弁閉じ状態とした後に第2所定時間が経過して開閉弁が再び開き状態とされた後、さらに第3所定時間が経過したときにセンサが検出する循環液温度が第2しきい値以上となっているか否かを判定する。これにより、前記凍結防止運転の際に、当初は室外機側による循環液の加温が進まなかったがその後時間が経つにつれて室外機側による循環液の加温が十分行われるようになったことを確実に識別することができる。
【0021】
また、請求項5によれば、第2判定手段により前記第2温度条件が満たされたと判定された場合、前記のように時間経過により循環液の加温が十分行われるようになったとみなされる。すなわち、前記第2開閉制御手段は、強制制御を継続するものの、凍結防止運転の終了に対応して第2端末制御線を介し熱源制御部から弁制御信号が入力された場合又はリモコンから弁制御信号が送信された場合には、前記強制制御を終了する。これにより、室外機側の凍結防止運転が終了した場合あるいはユーザがリモコンを適宜に操作した場合には、前記強制制御を終了させて第1開閉制御手段による通常の開閉弁の開閉制御に復帰させ、開閉弁を開き状態とすることができる。
【0022】
また、請求項6の発明によれば、第2判定手段により前記第2温度条件が満たされなかったと判定された場合、前記のように時間経過により循環液の加温が十分行われるようになったわけでもないため、室外機において故障発生等の何らかの異常が生じているとみなされる。これにより、前記第2開閉制御手段によって強制制御が継続され、開閉弁を閉じ状態に維持することができる。但し、リモコンから弁制御信号が送信された場合に限り、第2開閉制御手段は前記強制制御を終了する。これにより、ユーザは、室外機における前記何らかの異常を承知の上でリモコンを適宜に操作すれば、前記強制制御を終了させて第1開閉制御手段による通常の開閉弁の開閉制御に復帰させ、開閉弁を開き状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の温水暖房システムが適用された温水暖房システム全体の回路構成図
図2】ヒートポンプ単独暖房運転時の作動を説明する図
図3】ガス単独暖房運転時の作動を説明する図
図4】ヒートポンプ・ガス暖房運転時の作動を説明する図
図5】ヒートポンプ制御装置の機能的構成図
図6】熱交換ユニット制御装置の機能的構成図
図7】ボイラー制御装置の機能的構成図
図8】凍結防止運転(その1)での作動を説明する図
図9】凍結防止運転(その2)での作動を説明する図
図10】ヒートポンプ制御装置により実行される凍結防止運転の制御手順を表すフローチャート図
図11】端末制御部とヒートポンプ制御装置との間における動作情報の送受信に係わる要部構成を表す回路図
図12】端末制御部により実行される強制制御の制御手順を表すフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図1図12に基づいて説明する。
【0025】
本実施形態は、本発明を複合熱源型の温水暖房システムに適用した場合の実施形態である。
【0026】
<全体回路構成>
本実施形態の温水暖房システム1全体の回路構成を図1に示す。図1に示すように、前記温水暖房システム1は、建造物の屋内にそれぞれ設けられた熱交換ユニット4A及びガス暖房給湯器ユニット4Bと、前記建造物の屋外に室外機として設けられたヒートポンプユニット5と、を備えている。この温水暖房システム1には、室内機としてのファンコイルユニット36に循環液L(例えば、水や不凍液)を循環させる液循環回路としての端末循環回路30と、前記熱交換ユニット4A及び前記ガス暖房給湯器ユニット4Bに備えられ、ガス加熱による熱源を利用して前記ファンコイルユニット36側の循環液Lを加熱可能な温水循環回路40と、前記ヒートポンプユニット5に備えられ、空気熱源を利用して前記ファンコイルユニット36側の循環液Lを加熱又は冷却可能な熱源としての冷媒循環回路50と、が設けられている。このように、本実施形態の温水暖房システム1は、室内機としての前記ファンコイルユニット36と、室外機としての前記ヒートポンプユニット5と、を有しており、室内空気と循環液Lとの熱交換により空調対象空間を暖房する温水暖房システムを構成している。
【0027】
<温水循環回路>
前記温水循環回路40は、出力可変のガス加熱器(いわゆるバーナー)43と、第1熱交換器41と、暖房熱交換器45と、温水循環ポンプ44と、が、温水配管42によって環状に接続されている。
【0028】
前記第1熱交換器41は、例えばプレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、温水C1(例えば、水や不凍液。後述の図3図4等参照)を流通させる冷媒通路41aと前記循環液Lを流通させる循環液通路41bとが各伝熱プレートを境にして交互に形成されているものである。
【0029】
前記暖房熱交換器45は、ガス加熱器43から受熱することで、温水配管42内の温水を加熱する。なお、このとき、暖房熱交換器45と同様に、ガス加熱器43から受熱可能に給湯熱交換器46が設けられている。給湯熱交換器46に備えられた水配管47には外部からの市水が供給されており、ガス加熱器43からの受熱により加熱された温水は、水配管47に接続された給湯栓48へと供給される。すなわち、ガス加熱器43、暖房熱交換器45、及び給湯熱交換器46は、いわゆるボイラーを構成している。
【0030】
また、ガス加熱器43から導出された温水C1の温度は、ボイラー往き温度センサ42aによって検出され、その検出結果は、ボイラー制御装置63へ入力される。また、前記ボイラー制御装置63にはメインリモコン60が接続されており、前記メインリモコン60での手動操作により前記ガス加熱器43の加熱能力を調節することもできる。
【0031】
<冷媒循環回路>
冷媒循環回路50は、能力可変の圧縮機53と、加熱熱交換器としての第2熱交換器51と、膨張弁54と、外気と熱交換可能に構成された空気熱交換器55とが、冷媒配管52によって環状に接続されている。この冷媒配管52には、前記冷媒循環回路50における冷媒C2(後述の図2図4等参照)の流れ方向を切り換える切換弁としての四方弁58が設けられている。また前記空気熱交換器55には、送風ファン56が設けられている。
【0032】
前記第2熱交換器51は、前述と同様、例えばプレート式熱交換器で構成されており、前記冷媒C2を流通させる冷媒通路51aと前記循環液Lを流通させる循環液通路51bとが各伝熱プレートを境にして交互に形成されているものである。
【0033】
また、圧縮機53から吐出された前記冷媒C2の温度は、冷媒吐出温度センサ52aによって検出される。同様に、膨張弁54から空気熱交換器55までの冷媒配管52に設けられた冷媒温度センサ52bによって、低圧側(暖房時)又は高圧側(冷房時)の前記冷媒C2の温度が検出される。さらに、外気の温度が、例えば空気熱交換器55又はその近傍に設置された外気温センサ57によって検出される。前記冷媒吐出温度センサ52a、冷媒温度センサ52b、及び前記外気温センサ57の検出結果は、ヒートポンプ制御装置62(熱源制御部に相当)へ入力される。また、ヒートポンプ制御装置62には、例えば屋内側に配置されたメインリモコン60が通信可能に接続されている。ヒートポンプ制御装置62は、メインリモコン60での手動操作に基づき冷媒循環回路50を制御してその能力を調節することができる(詳細は後述)。
【0034】
なお、前記冷媒循環回路50の前記冷媒C2としては、例えばR410AやR32等のHFC冷媒や二酸化炭素冷媒等の任意の冷媒を用いることができる。
【0035】
<端末循環回路>
前記端末循環回路30は、前記第1熱交換器41と、前記第2熱交換器51と、前記ファンコイルユニット36とが、循環液配管としての負荷配管31によって上流側から順に環状に接続されている。この負荷配管31には、前記端末循環回路30に前記循環液Lを循環させる循環ポンプとしての循環液循環ポンプ32と、循環液Lを貯留し端末循環回路30の圧力を調整する圧力調整タンク(図示省略)とが設けられている。なお、前記第2熱交換器51、前記循環液循環ポンプ32、及び前記圧力調整タンクは、ヒートポンプユニット5に設けられており、第1熱交換器41は熱交換ユニット4Aに設けられている。
【0036】
このとき、前記端末循環回路30においては、前記第1熱交換器41と前記第2熱交換器51とが直列に接続されており、かつ、前記したように、前記端末循環回路30を循環する前記循環液Lの流れに対して、前記第2熱交換器51が前記第1熱交換器41よりも上流側に配設されている。すなわち、前記温水暖房システム1は、ガス加熱による熱源を利用して前記ファンコイルユニット36側の循環液Lを加熱可能な前記温水循環回路40の前記第1熱交換器41と、空気熱源を利用して前記ファンコイルユニット36側の前記循環液Lを加熱又は冷却する前記冷媒循環回路50の前記第2熱交換器51とが、前記端末循環回路30に対して直列に接続された、複合熱源ヒートポンプ装置となっているものである。
【0037】
なお、前記負荷配管31には、前記ファンコイルユニット36から前記第2熱交換器51に流入する前記循環液Lの温度を検出する戻り温度センサ34と、前記第2熱交換器51から前記第1熱交換器41側へ流出する前記循環液Lの温度を検出する第2往き温度センサ35と、前記第1熱交換器41から前記ファンコイルユニット36側へ流出する前記循環液Lの温度を検出する第1往き温度センサ33と、が設けられている。前記第1往き温度センサ33の検出結果は、前記熱交換ユニット制御装置61へ入力される。前記戻り温度センサ34及び前記第2往き温度センサ35の検出結果は、前記ヒートポンプ制御装置62へ入力される。
【0038】
また、前記ヒートポンプ制御装置62、前記熱交換ユニット制御装置61、及び、前記ボイラー制御装置63は、互いに情報送受信可能に接続されており、前述のように入力された各センサの検出結果を互いに共有することができる。
【0039】
<ファンコイルユニット>
前記ファンコイルユニット36は、端末リモコン71によって操作可能である。すなわち、前記ファンコイルユニット36は、その内部に、空調対象空間の室内空気と前記循環液Lとの熱交換を行う熱交換器36a(室内熱交換器に相当)と、前記熱交換器36aでの前記熱交換を行わせるための送風ファン36dと、前記ファンコイルユニット36内において前記負荷配管31を開閉する熱動弁V(開閉弁に相当)と、室内温度を検出する室内温度センサ(図示せず)と、前記ファンコイルユニット36内を流通する前記循環液Lの温度を検出する水温センサ36c(センサに相当)と、前記端末制御部36bと、等を備えている。前記端末制御部36bは、前記ファンコイルユニット36内部の前記室内温度センサや前記水温センサ36cの信号や前記端末リモコン71からの信号を受け、前記送風ファン36dや前記熱動弁Vの駆動を制御する。これにより、前記ファンコイルユニット36は、前記第2熱交換器51又は第1熱交換器41で加熱又は冷却された前記循環液Lを、内部の前記熱交換器36aに供給すると共に、前記送風ファン36dを駆動させて室内空気と熱交換させ、室内の暖房又は冷房を行うことができる。なお、前記ファンコイルユニット36は、図1では1つ設けられているが、2つ以上であってもよく、数量や仕様が特に限定されるものではない。
【0040】
前記端末リモコン71は、前記ファンコイルユニット36に室内を暖房する温風暖房運転を行わせるための暖房スイッチ74と、前記ファンコイルユニット36に室内を冷房する冷風冷房運転を行わせるための冷房スイッチ75と、前記ファンコイルユニット36の運転を停止させる停止スイッチ76と、室内温度を設定する室内温度設定スイッチ77と、室内の設定温度や運転状態を表示する表示部78とを備え、前記端末制御部36bに対し通信可能に接続されている。
【0041】
<温風暖房運転>
前記温水暖房システム1は、前記の四方弁58の切替によって前記温風暖房運転を行う暖房装置、若しくは、前記冷風冷房運転を行う冷房装置として選択的に機能させることができる。特に温風暖房運転の場合は、前記冷媒循環回路50を介した空気熱源の利用のみにより前記循環液Lの加熱を行う暖房運転(以下適宜、「HP単独暖房運転」という)と、前記温水循環回路40を介したガス加熱による熱源の利用のみにより前記循環液Lの加熱を行う暖房運転(以下適宜、「ガス単独暖房運転」という)と、前記冷媒循環回路50を介した空気熱源の利用と前記温水循環回路40を介したガス加熱による熱源の利用との両方により前記循環液Lの加熱を行う暖房運転(以下適宜、「HP・ガス暖房運転」という)と、の3つを選択的に実行することができる。
【0042】
<HP単独暖房運転>
図2に、HP単独暖房運転時の状態を示す。なお、図示の煩雑を防止するために、図1に示していた各種の信号線は省略している。この図2に示すHP単独暖房運転時においては、前記冷媒循環回路50では、図示のように前記四方弁58が切り替えられることで、前記圧縮機53から吐出された前記冷媒C2を、前記第2熱交換器51、前記膨張弁54、前記空気熱交換器55の順に流通させた後、前記圧縮機53に戻す流路を形成する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の前記冷媒C2が前記圧縮機53で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、凝縮器として機能する前記第2熱交換器51において前記端末循環回路30を流れる前記循環液Lと熱交換を行って前記循環液Lを加熱しながら高圧の液体に変化する。こうして液体となった前記冷媒C2は前記膨張弁54(一例として全開よりも小さい開度にて図示)において減圧されて低圧の液体となって蒸発しやすい状態となり、蒸発器として機能する前記空気熱交換器55において、前記送風ファン56の作動により送られる空気との熱交換を行って蒸発してガスに変化することで吸熱した後、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機53へと戻る。
【0043】
このとき、前記端末循環回路30では、前記循環液循環ポンプ32により前記第2熱交換器51に流入した前記循環液Lが、蒸発器として機能する前記第2熱交換器51において、前記空気熱交換器55で外気と熱交換し前記のように加熱された前記冷媒C2との熱交換を行って受熱する。こうして加温された前記循環液Lは、その後前記ファンコイルユニット36に供給され、前記熱交換器36aにおいて前記送風ファン36dの作動により送られる室内空気と熱交換する。これにより、加温された空気の温風によって暖房が行われる。
【0044】
なお、以上においては暖房運転を例にとって説明したが、前記ファンコイルユニット36として冷房可能な端末が用いられる場合には、前記四方弁58が切り替えられることで、前記圧縮機53から吐出された前記冷媒C2を、前記空気熱交換器55、前記膨張弁54、前記第2熱交換器51の順に流通させた後、前記圧縮機53に戻す流路を形成し、冷房運転を行うこともできる(詳細な説明は省略)。
【0045】
<ガス単独暖房運転>
図3に、ガス単独暖房運転時の状態を示す。前述と同様、図1に示していた各種の信号線は省略している。この図3に示すガス単独暖房運転時においては、前記温水循環ポンプ44により前記暖房熱交換器45に流入した前記温水C1が、前記暖房熱交換器45において前記ガス加熱器43の火力により加熱され、高温となる。その後、高温となっている前記温水C1は、前記第1熱交換器41において前記端末循環回路30を流れる前記循環液Lと熱交換を行って前記循環液Lを加熱して温度降下した後、再び前記暖房熱交換器45へと戻る。
【0046】
このとき、前記端末循環回路30では、前記循環液循環ポンプ32により前記第1熱交換器41に流入した前記循環液Lが、前記第1熱交換器41において、前記ガス加熱器43で前記のように加熱された前記温水C1との熱交換を行って受熱する。こうして加温された前記循環液Lは、その後、前記ファンコイルユニット36に供給され、前記熱交換器36aにおいて前記送風ファン36dの作動により送られる室内空気と熱交換する。これにより、加温された空気の温風によって暖房が行われる。
【0047】
<HP・ガス暖房運転>
図4に、HP・ガス暖房運転時の状態を示す。前述と同様、図1に示していた各種の信号線は省略している。この図4に示すHP・ガス暖房運転時においては、図2を用いて前述した前記冷媒循環回路50における前記空気熱交換器55による前記冷媒C2の加熱と、図3を用いて前述した前記温水循環回路40における前記ガス加熱器43による前記温水C1の加熱と、の両方が行われる。
【0048】
そして、前記端末循環回路30では、前記循環液循環ポンプ32により前記第2熱交換器51に流入した前記循環液Lが、前記第2熱交換器51において、前述のように加熱された前記冷媒C2との熱交換を行って受熱した後、前記第1熱交換器41に流入する。前記第1熱交換器41に流入した前記循環液Lは、前述のように加熱された前記温水C1との熱交換を行ってさらに受熱する。これらのようにして空気熱源とガス加熱による熱源とにより加温された前記循環液Lは、その後前記ファンコイルユニット36に供給され、前述と同様、前記熱交換器36aにおいて室内空気と熱交換して暖房が行われる。
【0049】
<制御装置の機能的構成>
次に、本実施形態における前記熱交換ユニット制御装置61、前記ボイラー制御装置63、及び前記ヒートポンプ制御装置62について説明する。前記熱交換ユニット制御装置61、前記ボイラー制御装置63、及び前記ヒートポンプ制御装置62は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部とを備えている。これら前記熱交換ユニット制御装置61、前記ボイラー制御装置63、及び前記ヒートポンプ制御装置62の機能的構成を図5図6、及び図7により説明する。なお、以下の図5図6図7においては、前述のように互いに送受信可能である前記熱交換ユニット制御装置61、前記ボイラー制御装置63、前記ヒートポンプ制御装置62同士の信号送受信、及び、各制御装置を介した信号送受信については、適宜図示を省略し、実質的に後述の各制御部に入出力される信号を示している。
【0050】
<ヒートポンプ制御装置>
図5に示すように、前記ヒートポンプ制御装置62は、前記圧縮機制御部62Aと、前記膨張弁制御部62Bと、前記ポンプ制御部62Cと、前記ファン制御部62Dと、前記四方弁制御部62Eと、前記ファンコイル制御部62Fと、を機能的に備えている。
【0051】
前記圧縮機制御部62Aは、例えば前記戻り温度センサ34及び前記第2往き温度センサ35により検出された前記循環液Lの温度に応じて、前記圧縮機53の回転数を制御する。特にこの例では、前記圧縮機制御部62Aは、前記第2往き温度センサ35により検出される前記循環液Lの温度が、例えば前記メインリモコン60の操作に対応した所望の目標温度となるように、前記圧縮機53の回転数を制御する。
【0052】
前記膨張弁制御部62Bは、前記冷媒吐出温度センサ52aにより検出される前記冷媒C2の温度に応じて、前記膨張弁54の弁開度を制御する。特にこの例では、前記膨張弁制御部62Bは、前記冷媒吐出温度センサ52aにより検出される前記冷媒C2の温度が、例えば前記メインリモコン60の操作に対応した制御上の目標温度となるように、前記膨張弁54の弁開度を制御する。
【0053】
前記ポンプ制御部62Cは、例えば前記循環液Lの所望の目標温度や運転の種類に応じて、前記循環液循環ポンプ32の回転数を制御する。
【0054】
前記ファン制御部62Dは、前記外気温センサ57により検出された外気の温度に応じて、前記送風ファン56の回転数を制御する。
【0055】
前記四方弁制御部62Eには、前記メインリモコン60からの運転指示(暖房運転、冷風運転等のうちいずれの運転開始及び運転停止を指示する制御信号)、及び、前記熱交換ユニット制御装置61からの運転ON・OFF信号、が入力される。前記四方弁制御部62Eは、上記運転指示に応じて、実際に前記冷媒循環回路50をどのような運転態様で運転するかを決定し、対応する運転情報を、前記圧縮機制御部62A、前記膨張弁制御部62B、前記ポンプ制御部62C、前記ファン制御部62D、及び前記熱交換ユニット制御装置61へと出力する。また前記四方弁制御部62Eは、上記決定された運転態様に対応する制御信号を前記四方弁58へ出力し、前記四方弁58を切り替える。
【0056】
前記ファンコイル制御部62Fには、前記ファンコイルユニット36の前記端末制御部36bから一方向通信(詳細は後述)により送信される前記ファンコイルユニット36の動作情報(温水要求信号や冷水要求信号の有無)が入力される。また、前記外気温センサ57により検出された外気の温度も前記ファンコイル制御部62Fに入力される。
【0057】
ファンコイル制御部62Fは、前記ファンコイルユニット36の動作情報と前記外気温とに応じて、凍結防止運転(詳細は後述)を行う凍結防止運転指示を前記圧縮機制御部62A、前記膨張弁制御部62B、前記ポンプ制御部62C、前記ファン制御部62D、前記四方弁制御部62E、及び前記熱交換ユニット制御装置61へと出力するとともに、前記ファンコイルユニット36の前記端末制御部36bに対し一方向通信(詳細は後述)により前記熱動弁Vの弁制御信号(ON信号)を送信する。
【0058】
<熱交換ユニット制御装置>
図6に示すように、前記熱交換ユニット制御装置61は、運転制御部61Aと、加熱制御部61Bと、ポンプ制御部61Cと、を機能的に備えている。
【0059】
前記運転制御部61Aは、例えば前記外気温センサ57により検出された外気の温度、前記第1往き温度センサ33により検出された前記第1熱交換器41からの前記循環液Lの往き温度、及び、前記ヒートポンプ制御装置62から入力された前述の運転情報等に基づき、前記温水循環回路40の前記ガス加熱器43等の運転・非運転、詳細には、前記冷媒循環回路50の前記圧縮機53等とともに前記温水循環回路40の前記ガス加熱器43等を運転する(=HP・ガス暖房運転)か、あるいは(前記冷媒循環回路50の前記圧縮機53等が運転されていない状態で)前記温水循環回路40の前記ガス加熱器43等を運転する(=ガス単独暖房運転)か、を判定する。そして、その判定結果に基づき、前記ヒートポンプ制御装置62及び前記ボイラー制御装置63に対し、運転を行う場合に対応する運転ON又は運転を行わない場合に対応する運転OFF信号を出力する。
【0060】
前記加熱制御部61Bは、前記第1往き温度センサ33により検出された前記第1熱交換器41からの前記循環液Lの往き温度に基づき、前記ガス加熱器43の出力の大小を制御するための加熱制御信号を前記ボイラー制御装置63へと出力する。
【0061】
前記ポンプ制御部61Cは、例えば循環液Lの所望の目標温度や運転の種類に応じて、前記温水循環ポンプ44の回転数を制御するための回転制御信号を前記ボイラー制御装置63へと出力する。
【0062】
<ボイラー制御装置>
図7に示すように、前記ボイラー制御装置63は、例えば前記加熱制御部61Bからの加熱制御信号、前記ポンプ制御部61Cからの回転制御信号、及び、前記ボイラー往き温度センサ42aによって検出された前記温水C1の往き温度、等に基づき、前記温水循環ポンプ44の回転数及び前記ガス加熱器43の出力を制御する。
【0063】
<凍結防止運転の必要性>
以上の基本構成及び作動である前記温水暖房システム1において、前記負荷配管31のうち一部が屋外に配置される場合がある。例えば、図1に示した例では、前記負荷配管31のうち前記ヒートポンプユニット5近傍の部分は屋外に配置されることとなる。したがって、このような前記温水暖房システム1が例えば厳寒地で使用される場合には、冬季の非運転時における前記循環液Lの凍結防止を図る必要がある。特に、室内空気と熱交換を行う前記ファンコイルユニット36が用いられる場合、室内美観等の観点から前記負荷配管31のうち前記ファンコイルユニット36寄りの一部(図1に示す例では前記熱交換器41,51と前記熱交換器36aとの間の部位31X,31Y)が屋外に配置される場合がある。この場合、この屋外の部位での凍結防止にも配慮する必要がある。
【0064】
<凍結防止運転(その1)>
凍結防止策としては、通常、前記循環液Lが凍結温度以下となる前に、図8に「凍結防止運転(1)」として示すように前記循環液循環ポンプ32を起動し、前記循環液Lを循環させることが行われる。前記循環液循環ポンプ32が起動されることにより、前記循環液Lは、前記負荷配管31内を、前記第2熱交換器51→前記第1熱交換器41→前記ファンコイルユニット36→前記循環液循環ポンプ32→前記第2熱交換器51→・・のように循環する。この負荷配管31内の前記循環液Lの流通により、一次的な凍結防止が図られる。
【0065】
<凍結防止運転(その2)>
例えば外気温がさらに下がり、上記凍結防止運転(その1)における前記循環液Lの流通のみでは凍結防止が困難となる可能性がある場合は、図9に「凍結防止運転(2)」として示すように、前記圧縮機53が起動され、外気と熱交換した前記冷媒C2から前記循環液Lに放熱することが行われる。すなわち、前述の図2に示したHP単独暖房運転時と同様、前記冷媒循環回路50では、前記圧縮機53で圧縮された前記冷媒C2が前記第2熱交換器51にて前記循環液Lへ放熱し、前記膨張弁54において減圧された後に前記空気熱交換器55において吸熱した後、前記圧縮機53へと戻る。なお、この場合、図2のHP単独暖房運転と異なり前記ファンコイルユニット36による温風暖房時ほどの放熱量は必要ない(凍結を防止すれば足りる程度)ため、例えば前記膨張弁54の開度は図2の場合よりも大きい(一例として全開)。前記循環液Lは、前記第2熱交換器51において前記冷媒C2から受熱して加温された後、前述と同様、前記第1熱交換器41→前記ファンコイルユニット36→前記循環液循環ポンプ32→前記第2熱交換器51→・・のように循環する。このように前記負荷配管31内の前記循環液Lの加温により、二次的な凍結防止が図られる。
【0066】
<凍結防止運転の制御手順>
次に、上記凍結防止運転(その1)から凍結防止運転(その2)への移行を含めた凍結防止運転の制御手順について、図10を用いて説明する。なお、この図10は、本実施形態の温水暖房システム1において、熱交換ユニット制御装置61、ヒートポンプ制御装置62、ボイラー制御装置63が協働して実行する制御手順を表している。
【0067】
図10において、まずS5で、前記外気温センサ57により検出された外気温度が所定温度(この例では-10℃)未満であるか否かが判定される。外気温度が-10℃よりも低い値に下がるとYes判定され、S15へ移行する。
【0068】
S15では、ヒートポンプ制御装置62からファンコイルユニット36の端末制御部36bに対し、前記熱動弁Vを開き状態とする弁制御信号(ON信号)が送信される。これにより、前記ファンコイルユニット36の前記熱動弁Vが開き状態になる。このときの弁制御信号は、前記端末制御部36bと前記ヒートポンプ制御装置62との間を有線接続する2つの制御線(E-con通信線)すなわち第1端末制御線144及び第2端末制御線145のうち、第2端末制御線145を介して送受信される。以下、これら第1端末制御線144及び第2端末制御線145をかいした信号の送受信等に係わる詳細を図11を用いて説明する。
【0069】
<第1端末制御線>
まず、第1端末制御線144を介した信号送受信に係わる要部構成について、図11を用いて説明する。図11において、前記端末制御部36bは、マイクロコンピュータ130と、信号送信回路131とを備えている。マイクロコンピュータ130は出力ポートOUT1を備えており、前記信号送信回路131は接点132を備えている。前記端末リモコン71の前記暖房スイッチ74がユーザにより操作されて運転開始の指示がなされると、前記端末制御部36bはその指示信号を受信する。そして、前記端末制御部36bでは、受信した指示信号に応じて、前記熱動弁Vを開き状態にし、かつ、前記送風ファン36dを駆動させるとともに、前記マイクロコンピュータ130の出力ポートOUT1から信号を出力して前記信号送信回路131の前記接点132を閉止させる。これにより、前記ヒートポンプ制御装置62に対し、温水要求信号を出力する。
【0070】
具体的には、前記ヒートポンプ制御装置62は、マイクロコンピュータ141と、信号受信回路142とを備えている。前記マイクロコンピュータ141は入力ポートIN1を備えている。そして、前述したように、前記ヒートポンプ制御装置62と前記端末制御部36bとの間には、前記端末制御部36bからの信号を一方向に前記ヒートポンプ制御装置62へと伝える第1端末制御線144(E-con通信線)が備えられている。第1端末制御線144は、この例では、第1芯線144A、第2芯線144Bの2つにより構成されている。なお、上記E-con通信とは、大手ガス会社や暖房機器メーカ等の共通仕様で、端末機から出力される一方向の信号により、熱源機の動作を開始・停止させる通信を意味している。すなわち、E-con通信線は安価に利用でき、汎用性が高いものである。
【0071】
上記構成における、前記端末制御部36bから前記ヒートポンプ制御装置62への前記温水要求信号の出力が行われるまでの流れを以下に説明する。ここで、前記メインリモコン60に備えられた所定の電源スイッチがオンされており、前記ヒートポンプユニット5は待機状態となっているものとする。
【0072】
ユーザの前記暖房スイッチ74の操作に基づき前記端末リモコン71から対応する暖房開始指示信号が前記端末制御部36bにおいて受信されると、前記マイクロコンピュータ130は前記出力ポートOUT1から信号を出力し、前記信号送信回路131の前記接点132を閉止させる。前記接点132が閉止されると、前記ヒートポンプ制御装置62の電圧信号Vccが、前記第1端末制御線144の前記第1芯線144Aを介して前記信号送信回路131へ出力され、さらに前記第1端末制御線144の前記第2芯線144Bを介して前記信号受信回路142に印加される。この結果、前記マイクロコンピュータ141の入力ポートIN1の電圧レベルがHIGHからLOWに変化し、前記マイクロコンピュータ141は、前記ファンコイルユニット36を暖房運転するための温水要求信号が出力されたことを検知する(すなわち温水要求信号を受信している状態)。
【0073】
なお、その後、ユーザの前記端末リモコン71の前記停止スイッチ76の操作に基づき前記端末リモコン71から対応する暖房停止指示信号が受信されると、前記マイクロコンピュータ130は、前記熱動弁Vを閉じ状態にし、かつ、前記送風ファン36dを停止させるとともに、前記出力ポートOUT1から信号を出力し前記信号送信回路131の前記接点132を開放させる。前記接点132が開放されると、前記ヒートポンプ制御装置62の前記マイクロコンピュータ141の前記入力ポートIN1の電圧レベルがLOWからHIGHに変化する。この結果、前記マイクロコンピュータ141は、前記温水要求信号の出力が停止したことを検知する(すなわち温水要求信号を受信しなくなった状態)。
【0074】
なお、前記ファンコイルユニット36に冷房運転を行わせるために前記端末リモコン71の前記冷房スイッチ75が操作され、前記端末制御部36bから前記ヒートポンプ制御装置62へ冷水要求信号が出力される流れも別途設けたE-con通信回路(図示せず)によって上記同様に行われるものであり、詳細な説明は省略する。
【0075】
<第2端末制御線>
一方、前記したように、S15における弁制御信号の送受信は、前記ヒートポンプ制御装置62からの信号を一方向に前記端末制御部36bへと伝える第2端末制御線145により行われる。この第2端末制御線145は、前記第1芯線144Aと同様の第1芯線145Aと、前記第2芯線144Bと同様の第2芯線145Bとの2つにより構成されており、例えば前述の温水要求信号や冷水要求信号の送受信に係わる構成(図11の第1端末制御線144を介して前記マイクロコンピュータ130,141間を接続した構成)の送信側と受信側とを逆にした同様の構成である。そのため、図11では、第2端末制御線145のみを簡易的に図示し、第2端末制御線145に接続される信号受信回路や信号送信回路の図示を省略している。
【0076】
S15では、この第2端末制御線145を介し、前記ヒートポンプ制御装置62の前記ファンコイル制御部62Fから前記ファンコイルユニット36の前記端末制御部36bへ、前記熱動弁Vを開き状態とする弁制御信号(ON信号)が送信される。また前記ファンコイル制御部62Fから他の制御部62A~62Eに対して、前述の凍結防止運転指示が出力される。
【0077】
このように、前記端末制御部36bは、前記端末リモコン71からの運転・停止信号や前記第2端末制御線145を介した前記ヒートポンプ制御装置62からの弁制御信号によって前記熱動弁Vを開閉駆動する機能(第1開閉制御手段としての機能)を有している。
【0078】
その後、S20で、前記ヒートポンプ制御装置62の前記ポンプ制御部62Cにより、前記循環液循環ポンプ32の駆動が開始される。これにより、図8を用いて前述した凍結防止運転(その1)が実行される。その後、S25へ移行する。
【0079】
S25では、前記第2往き温度センサ35により検出される温度、すなわち前記第2熱交換器51から前記第1熱交換器41側へ流出する前記循環液Lの往き温度が、予め定められた所定温度(この例では12℃)未満であるか否か、が判定される。この所定温度は、前記のように凍結防止運転(その1)から凍結防止運転(その2)へ移行するとき、当該所定温度において移行すれば、前記負荷配管31において前記の凍結が生じない温度かつ前記ファンコイルユニット36にて結露が容易に生じない温度である。すなわち、この所定温度は、事前に行った適宜の実験、若しくは、適宜の手法による解析・シミュレーションにより、前記往き温度が少なくとも当該所定温度以上である状態で凍結防止運転(その1)から凍結防止運転(その2)へ移行すれば、前記負荷配管31に前記凍結が生じないかつ前記ファンコイルユニット36にて結露が容易に生じないことがわかっている温度である。
【0080】
このときの前記循環液Lの往き温度が、循環液の温度の一例である。なお、前記第2往き温度センサ35により検出される前記第2熱交換器51からの前記循環液Lの往き温度に代えて、前記第1往き温度センサ33により検出される前記第1熱交換器41からの前記循環液Lの往き温度を用いてもよい。さらには、それら前記循環液Lの往き温度に代えて、前記戻り温度センサ34により検出される前記第2熱交換器51への前記循環液Lの戻り温度を用いてもよい。
【0081】
前記循環液Lの往き温度が12℃以上である間はS25がNo判定されてS15,S20が引き続き行われ、例えば気温の冷え込み等により前記循環液Lの往き温度が12℃未満となったらS25がYes判定され、S30へ移行する。
【0082】
S30では、前記ヒートポンプ制御装置62の前記圧縮機制御部62Aにより、前記圧縮機53の駆動が開始されるとともに、図5に示した各制御部62B~62Eにより、前記ヒートポンプユニット5のうち対応する各部の制御が行われる。なお、以下適宜、この状態を単に「ヒートポンプユニット起動」と称する(図示も同様)。これにより、図8の凍結防止運転(その1)から図9の凍結防止運転(その2)に移行する。なお、S15,S20,S30を実行する前記ヒートポンプ制御装置62が凍結防止制御手段に相当している。その後、S35へ移行する。
【0083】
S35では、前記第2往き温度センサ35により検出される温度、すなわち前記第2熱交換器51から前記第1熱交換器41側へ流出する前記循環液Lの往き温度が、予め定められた所定温度(この例では25℃)を超えたか否か、が判定される。なお、前述と同様、判定対象として、前記第1往き温度センサ33により検出される前記第1熱交換器41からの前記循環液Lの往き温度を用いてもよいし、前記戻り温度センサ34により検出される前記第2熱交換器51への前記循環液Lの戻り温度を用いてもよい。
【0084】
前記循環液Lの往き温度が25℃以下である間はS35がNo判定されてS30が引き続き行われ、前記S30で起動したヒートポンプユニット5からの受熱により前記循環液Lの往き温度が25℃を超えたらS35がYes判定され、S40へ移行する。
【0085】
S40では、前記ヒートポンプ制御装置62の前記圧縮機制御部62A等により、前記S30で駆動開始した前記圧縮機53等がそれぞれ停止される。なお、以下適宜、この状態を単に「ヒートポンプユニット停止」と称する(図示も同様)。
【0086】
その後、S42で、前記S5と同様、前記外気温センサ57により検出された外気温度が前記所定温度(この例では-10℃)未満であるか否かが判定される。外気温度が引き続き-10℃よりも低い値であればYes判定され、S15へ戻って上記同様の手順が繰り返される。-10℃以上となっていたらNo判定され、S45へ移行する。
【0087】
S45では、前記ヒートポンプ制御装置62の前記ポンプ制御部62Cにより、前記S20で駆動開始した前記循環液循環ポンプ32が停止される。また、前記ファンコイル制御部62Fから前記第2端末制御線145を介し前記ファンコイルユニット36の前記端末制御部36bへ、前記熱動弁Vを閉じ状態とする弁制御信号(OFF信号)が送信され、前記S15で開き状態とされた前記熱動弁Vが閉じられる。このS45の後、このフローを終了する。
【0088】
<凍結防止運転時の熱動弁内部の結露発生>
ここで、前記のような凍結防止運転時の際、ヒートポンプユニット5内部の故障発生等の何らかの理由により、前記循環液Lが加温されないままで前記循環液循環ポンプ32により前記負荷配管31内を流通する場合があり得る。すなわち、図10の凍結防止運転のフローにおいて、S30の凍結防止運転(その2)を実行しても、ヒートポンプユニット5内部の故障発生等の理由により、前記循環液Lの往き温度が上昇せずにS35の温度条件を満たすことができない場合である。この場合、低温のままの前記循環液Lがファンコイルユニット36内を流れ続けることになり、前記熱動弁Vの内部の結露によって熱動弁Vが故障する恐れがある。もし熱動弁Vが故障した場合、前記ファンコイルユニット36内の各部や器具の分解が必要となったり漏電発生により電気設備に支障が生じたりする(例えばブレーカが落ちる等)可能性がある。
【0089】
<実施形態の特徴;強制制御
そこで、上記結露を回避するために、本実施形態では、前記凍結防止運転の実行時において前記のように前記ヒートポンプ制御装置62からの前記弁制御信号(ON信号)に基づいて前記熱動弁Vが開き状態となった後に、所定の第1温度条件(詳細は後述)が満たされたか否かが判定される。そして、この第1温度条件が満たされなかった場合には、ヒートポンプユニット5において故障発生等の何らかの理由により前記循環液Lの加温が満足に行われていないとみなして、強制的に前記熱動弁Vを閉じ状態とする強制制御が行われる。これにより、低温のままの前記循環液Lが前記ファンコイルユニット36内に供給されるのを阻止し、その結果、内部結露による前記熱動弁Vの故障防止が図られる。
【0090】
強制制御の制御手順>
上記強制制御を行うために端末制御部36bが実行する制御手順を図12に示す。
【0091】
図12において、まずS105で、前記ファンコイルユニット36が運転停止中で、かつ、前記第2端末制御線145を介してヒートポンプ制御装置62から熱動弁Vへの弁制御信号(前記ON信号)を受信したかどうかが判定される。すなわち、前記凍結防止運転が開始されたかどうかが判定される。運転停止中の前記ファンコイルユニット36における前記熱動弁Vに対する前記弁制御信号(ON信号)を受信すると、Yes判定されてS115に移行し、端末制御部36bにより熱動弁Vが開き状態にされる。
【0092】
次にS116で、前記端末リモコン71の操作による前記熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、若しくは、前記凍結防止運転の終了に伴って第2端末制御線145を介し前記ヒートポンプ制御装置62から前記熱動弁Vへの前記弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、否かが判定される。すなわち、前記ファンコイルユニット36側で前記熱動弁Vを閉止する指令がなされたか、又は、前記凍結防止運転が終了されたかどうかが判定される。
【0093】
前記2つのいずれも受信されていない場合はNo判定されてS120へ移行し、S115で前記熱動弁Vが開き状態とされてから第1所定時間(この例では20分。以下同様)が経過したか否かが判定される。20分が経過するまではNo判定され、S116へ戻って同様の手順が繰り返される。このS116→S117→S116→・・の繰り返しの間に、端末リモコン71の操作による熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)、若しくは、凍結防止運転の終了に伴うヒートポンプ制御装置62から熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたらS117がYes判定され、このフローを終了する。
【0094】
一方、前記S116→S117→S116→・・が繰り返されている間に20分が経過したらS117がYes判定され、S120へ移行する。
【0095】
S120では、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度が第1しきい値(この例では-20℃。以下同様)以上となっているか否かが判定される。このS120を実行する端末制御部36bが第1判定手段に相当している。またこのS120で判定する温度条件、すなわち、前記弁制御信号(ON信号)に基づき熱動弁Vが開き状態とされた後に前記第1所定時間が経過したときに前記水温センサ36cにより検出される前記循環液Lの温度が前記第1しきい値以上となっていることが、第1温度条件に相当している。
【0096】
循環液Lの温度が第1しきい値以上になっていればYes判定され、このフローを終了する。その理由は、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度がこの第1しきい値以上となっていれば、前記凍結防止運転によって前記ヒートポンプユニット5側で循環液Lが加温されているものと認識できるからである。
【0097】
一方、S120において、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度が第1しきい値以上となっていない場合(この例では-20℃未満である場合)はNo判定され、S130へ移行し、前記熱動弁Vが開き状態から強制的に閉じ状態とされる強制制御が開始される。すなわち、S120の温度条件を満たさない場合には、S105,S115における前記熱動弁Vへの前記弁制御信号(ON信号)に基づいて前記熱動弁Vが開き状態とされる制御よりも優先して、前記熱動弁Vが閉じ状態とされる。なぜなら、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度が前記第1しきい値以上となっていなければ、前記凍結防止運転の際に前記ヒートポンプユニット5側の何らかの理由により循環液Lが加温されないままの状態であると認識できるからである。
【0098】
また、S130では、前記強制制御の開始とともに、ユーザに強制制御が行われたことを知らせるために、前記ファンコイルユニット36に設けたお知らせランプ36e(図1等参照)が点灯される。お知らせランプ36eは、前記ファンコイルユニット36の外面や前記端末リモコン71などに点灯される。このような強制制御によって前記熱動弁Vを強制的に閉じ状態とすることにより、前述したように低温のままの前記循環液Lが前記ファンコイルユニット36内に供給されるのを阻止することができる。
【0099】
その後、S131で、前記S116と同様、前記端末リモコン71の操作による前記熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、若しくは、前記凍結防止運転の終了に伴って第2端末制御線145を介し前記ヒートポンプ制御装置62から前記熱動弁Vへの前記弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、否かが判定される。前記2つのいずれも受信されていない場合はNo判定されてS132へ移行し、S130で前記熱動弁Vが閉じ状態とされてから第2所定時間(この例では60分。以下同様)が経過したか否かが判定される。60分が経過するまではNo判定され、S131へ戻って同様の手順が繰り返される。このS131→S132→S131→・・の繰り返しの間に、端末リモコン71の操作による熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)、若しくは、凍結防止運転の終了に伴うヒートポンプ制御装置62から熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたらS131がYes判定され、このフローを終了する。
【0100】
一方、前記S131→S132→S131→・・が繰り返されている間に60分が経過したらS132がYes判定され、S133へ移行する。S133では、前記S130で閉じ状態とされていた前記熱動弁Vが強制的に開き状態とされる。これにより、再び、前記循環液Lが前記ファンコイルユニット36内に供給される状態となる。
【0101】
その後、S134で、前記S116,S131と同様、前記端末リモコン71の操作による前記熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、若しくは、前記凍結防止運転の終了に伴って第2端末制御線145を介し前記ヒートポンプ制御装置62から前記熱動弁Vへの前記弁制御信号(OFF信号)が受信されたか、否かが判定される。前記2つのいずれも受信されていない場合はNo判定されてS135へ移行し、S133で前記熱動弁Vが開き状態とされてから第3所定時間(この例では5分。以下同様)が経過したか否かが判定される。5分が経過するまではNo判定され、S134へ戻って同様の手順が繰り返される。このS134→S135→S134→・・の繰り返しの間に、端末リモコン71の操作による熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)、若しくは、凍結防止運転の終了に伴うヒートポンプ制御装置62から熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)が受信されたらS134がYes判定され、このフローを終了する。
【0102】
一方、前記S134→S135→S134→・・が繰り返されている間に5分が経過したらS135がYes判定され、S136へ移行する。
【0103】
S136では、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度が第2しきい値(この例では-20℃)以上となっているか否かが判定される。このS136を実行する前記端末制御部36bが、第2判定手段に相当している。またこのS136で判定する温度条件、すなわち、前記第1温度条件が満たされずにS130において前記熱動弁Vが閉じ状態とされた後、S133において前記第2所定時間が経過して前記熱動弁Vが開き状態とされ、S135においてさらにその後前記第3所定時間が経過したときに、前記水温センサ36cにより検出される前記循環液Lの温度が前記第2しきい値以上となっていることが、第2温度条件に相当している。
【0104】
循環液Lの温度が第2しきい値以上となっていればS136がYes判定され、S155において、前記熱動弁Vが再び閉じ状態とされる。
【0105】
その後、S160において、前記端末リモコン71の操作による前記熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)、又は、前記凍結防止運転の終了に伴って第2端末制御線145を介して前記ヒートポンプ制御装置62から前記熱動弁Vへの前記弁制御信号(OFF信号)を受信したか否かが判定される。それらのいずれかが受信されたらS160がYes判定されてS165へ移行し、S165において、前記S130で開始された前記熱動弁Vの強制制御が終了されるとともに、S130で点灯されていたお知らせランプ36eが消灯される。
【0106】
S155以降において上述の制御とする理由は、前記凍結防止運転の際に、当初は外気温度が低すぎた等の理由で前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が進まず前記第1温度条件が満たされなかった場合であっても、前記水温センサ36cにより検出される前記循環液Lの温度が前記第2しきい値以上となっていれば、その後の前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が十分行われるようになったものと認識できるからである。S165が完了したら、このフローを終了する。
【0107】
一方、S136において、前記水温センサ36cにより検出される循環液Lの温度が第2しきい値未満であった場合(この例では-20℃未満である場合)には、S140へ移行する。S140では、前記熱動弁Vが再び閉じ状態とされるとともに、お知らせランプ36eが消灯され、代わりにエラーランプ36fが点灯される。なお、エラーランプ36f及びお知らせランプ36eをファンコイルユニット36において点灯するのに代え、前記端末リモコン71において同様のランプを点灯又は同等の内容を表示するようにしてもよい。
【0108】
その後、S145において、前記端末リモコン71の操作による前記熱動弁Vへの弁制御信号(OFF信号)を受信したか否かが判定される。受信されていればYes判定されてS150へ移行し、S150において、前記S130で開始された前記熱動弁Vの強制制御が終了されるとともに、S140で点灯したエラーランプ36fが消灯される。
【0109】
S140以降において上述の制御とする理由は、S136において前記第2しきい値以上となっていない場合、前記のように時間経過により前記循環液Lの加温が十分行われるようになったわけでもないため、前記ヒートポンプユニット5において故障発生等の何らかの異常が生じているとみなされるからである。S150が完了したら、このフローを終了する。
【0110】
なお、以上説明した各手順のうち前記S130~S145,S155,S160を実行する前記端末制御部36bが第2開閉制御手段に相当している。
【0111】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の温水暖房システム1においては、冬季の非運転時における前記循環液Lの凍結防止のために、前記ヒートポンプユニット5において所定の凍結防止運転が行われる(図8図10参照)。そのために、前記ヒートポンプ制御装置62の制御により、前記循環液循環ポンプ32が起動されかつ冷媒循環回路50に備えられた前記圧縮機53が起動され、前記第2熱交換器51において前記冷媒C2から前記循環液Lへの放熱が行われる。但し非運転時では前記端末リモコン71が操作されておらずそのままでは前記ファンコイルユニット36の前記熱動弁Vが開かれないことから、本実施形態においては、前記ヒートポンプ制御装置62から前記端末制御部36bへの一方向通信を実行する第2端末制御線145が新たに設けられている。
【0112】
これにより、前記凍結防止運転時には前記ヒートポンプ制御装置62から前記第2端末制御線145を介し前記端末制御部36bへ弁制御信号(ON信号)が送信され、これによって前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vが開き状態へ駆動される。この結果、前述のようにして前記第2熱交換器51にて冷媒から受熱し加温された前記循環液Lを前記負荷配管31内に流通させることができる。
【0113】
ここで、前記のような凍結防止運転の際、前記ヒートポンプユニット5内部の故障発生等、何らかの理由により前記循環液Lが前記のように加温されないまま、前記循環液循環ポンプ32により前記負荷配管31内を流通する場合があり得る。この場合、低温のままの前記循環液Lが前記ファンコイルユニット36内を流れ続けることになり、前記熱動弁Vの内部の結露によって前記熱動弁Vが故障する恐れがある。もし前記熱動弁Vが故障した場合、前記ファンコイルユニット36内の各部や器具の分解が必要となったり漏電発生により電気設備に支障が生じたりする(例えばブレーカが落ちる等)可能性がある。
【0114】
そこで本実施形態によれば、前記端末制御部36bにおいて、前記凍結防止運転の実行時において前記のように前記弁制御信号(ON信号)に基づいて前記熱動弁Vが開き状態となった後(図12のS105,S115参照)、所定の第1温度条件が満たされたか否かを判定する(図12のS117,S120参照)。この判定の結果、この第1温度条件が満たされなかった場合には、前記ヒートポンプユニット5において故障発生等の何らかの理由により前記循環液Lの加温が満足に行われていないとみなされ、前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vの強制制御が行われる(図12のS130参照)。この強制制御は、前記したような弁制御信号(ON信号)に基づく制御よりも優先して前記熱動弁Vを制御するものである。すなわち、前記端末制御部36bへの弁制御信号が前記熱動弁Vを開き状態とする信号であっても閉じ状態とする信号であっても、それにかかわらず、前記端末制御部36bが強制的に前記熱動弁Vを開き状態又は閉じ状態とすることができる。このような強制制御で前記熱動弁Vを強制的に閉じ状態とすることにより、低温のままの前記循環液Lがファンコイルユニット36内に供給されるのを阻止することができる。この結果、前記の内部結露による前記熱動弁Vの故障を防止することができる。
【0115】
また、本実施形態では特に、上記のように、前記第1温度条件を、前記弁制御信号(ON信号)に基づき前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vが開き状態とされた後に前記第1所定時間(前述の例では20分)が経過したときに、前記水温センサ36cにより検出される前記循環液Lの温度が前記第1しきい値(前述の例では-20℃)以上となっていること、としている。
【0116】
このため、本実施形態では特に、前記端末制御部36bが、前記第1温度条件として、弁制御信号(ON信号)に基づき前記熱動弁Vが開き状態とされた後に前記第1所定時間が経過し、かつ、前記水温センサ36cが検出する前記循環液Lの温度が前記第1しきい値以上となっているか否かを判定する(図12のS117,S120参照)。これにより、前記凍結防止運転の際に前記ヒートポンプユニット5側の何らかの理由により前記循環液Lが加温されないままの状態であることを確実に識別することができる。
【0117】
また、本実施形態では特に、上記のように、前記端末制御部36bが、前記第1温度条件が満たされずに前記熱動弁Vが閉じ状態とされた後(図12のS130参照)、所定の第2温度条件が満たされたか否かを判定する(図12のS131~S136参照)。
【0118】
すなわち、本実施形態では特に、前記のように第1温度条件が満たされずに前記端末制御部36bが前記熱動弁Vを閉じ状態とした後においても、前記端末制御部36bによって、前記第2温度条件が満たされたか否かが判定される。これにより、前記凍結防止運転の際に、当初は外気温度が低すぎた等の理由で前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が進まず前記第1温度条件が満たされなかった(S120:No)場合であっても、その後前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が十分行われるようになった場合には、前記第2温度条件が満たされる(S136:Yes)ことでそのことを明確に識別することができる。
【0119】
また、本実施形態では特に、上記のように、前記第2温度条件を、前記第1温度条件が満たされずに前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vが閉じ状態とされた後(図12のS130参照)、前記第2所定時間(前述の例では60分)が経過して前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vが開き状態とされ(図12のS132,S133参照)、さらにその後前記第3所定時間(前述の例では5分)が経過したときに(図12のS135参照)、前記水温センサ36cにより検出される前記循環液Lの温度が前記第2しきい値(前述の例では-20℃)以上となっていること、としている。
【0120】
このため、本実施形態では特に、前記端末制御部36bが、前記第2温度条件として、前記端末制御部36bにより前記熱動弁Vが閉じ状態とされた後に前記第2所定時間が経過して前記熱動弁Vが再び開き状態とされた後、さらに前記第3所定時間が経過したときに前記水温センサ36cが検出する前記循環液Lの温度が前記第2しきい値以上となっているか否かを判定する(図12のS130,S132,S133,S135参照)。これにより、前記凍結防止運転の際に、当初は前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が進まなかったがその後時間が経つにつれて前記ヒートポンプユニット5側による前記循環液Lの加温が十分行われるようになったことを確実に識別することができる。
【0121】
また、本実施形態では特に、上記のように、前記第2温度条件が満たされた場合(図12のS136参照)、前記端末制御部36bが、前記端末リモコン71からの前記弁制御信号(OFF信号)、若しくは、前記凍結防止運転の終了に対応し前記第2端末制御線145を介して前記ヒートポンプ制御装置62から入力された前記弁制御信号(OFF信号)に応じて(図12のS160参照)、前記強制制御を終了する(図12のS165参照)。
【0122】
すなわち、本実施形態では特に、前記第2温度条件が満たされたと判定された場合、前記のように時間経過により前記循環液Lの加温が十分行われるようになったとみなされる。この場合、前記端末制御部36bは、前記強制制御を継続するものの、前記凍結防止運転の終了に対応して前記第2端末制御線145を介し前記ヒートポンプ制御装置62から前記弁制御信号(OFF信号)が入力された場合又は前記端末リモコン71から前記弁制御信号(OFF信号)が送信された場合には、前記強制制御を終了する。これにより、ヒートポンプユニット5側の前記凍結防止運転が終了した場合あるいはユーザが前記端末リモコン71を適宜に操作した場合には、前記強制制御を終了させて前記ヒートポンプ制御装置62による通常の前記熱動弁Vの開閉制御に復帰させ、前記熱動弁Vを開き状態とすることができる。
【0123】
また、本実施形態では特に、前記第2温度条件が満たされなかった場合(図12のS136参照)、前記端末制御部36bが、前記端末リモコン71からの前記弁制御信号に応じて(図12のS145参照)、前記強制制御を終了する(図12のS150参照)。すなわち、前記第2温度条件が満たされなかったと判定された場合、前記のように時間経過により前記循環液Lの加温が十分行われるようになったわけでもないため、ヒートポンプユニット5において故障発生等の何らかの異常が生じているとみなされる。これにより、前記端末制御部36bによって前記強制制御が継続され、前記熱動弁Vを閉じ状態に維持することができる。
【0124】
但し、前記端末リモコン71から前記弁制御信号が送信された場合に限り、前記端末制御部36bは前記強制制御を終了することとなる。このため、ユーザは、前記ヒートポンプユニット5における前記何らかの異常を承知の上で前記端末リモコン71を適宜に操作すれば、前記強制制御を終了させて前記ヒートポンプ制御装置62による通常の前記熱動弁Vの開閉制御に復帰させ、前記熱動弁Vを開き状態とすることができる。
【0125】
<変形例>
なお、以上においては、凍結防止運転(1)を行った後に凍結防止運転(2)を行うようにしているが、凍結防止運転(1)を行わずに凍結防止運転(2)を行うようにしてもよい。
【0126】
また、以上においては、端末循環回路30において、循環する循環液Lの流れに対して前記第2熱交換器51が前記第1熱交換器41よりも上流側に配設されている場合を例にとって説明したが、これに限られず、反対に前記第1熱交換器41が前記第2熱交換器51よりも上流側に配設されてもよい。さらには、端末循環回路30において前記第1熱交換器41と前記第2熱交換器51とが並列に接続されてもよい。
【0127】
また、以上においては、前記第2熱交換器51の出口側(流出側)の前記第2往き温度センサ35により検出された循環液Lの往き温度に応じて、前記圧縮機53の回転数を制御する、いわゆる往き温度制御を行ったが、これに限られない。第2熱交換器51の入口側(流入側)の前記戻り温度センサ34により検出された循環液Lの戻り温度に応じて、前記圧縮機53の回転数を制御する、いわゆる戻り温度制御を行ってもよい。
【0128】
また、上記実施形態においては、加熱熱交換器である第2熱交換器51に対し熱源である冷媒循環回路50が接続されており、冷媒循環回路50で加熱され第2熱交換器51に供給された冷媒C2と循環液Lとの熱交換により循環液Lが加温されたが、これに限られない。すなわち、ヒートポンプではない適宜の別の熱源からの熱を用いて加熱熱交換器において循環液Lが加温される構成でもよい。別の熱源の例としては、例えば、前記したガス加熱器43からの受熱により加熱された温水を加熱熱交換器(この場合は第1熱交換器41となる)に供給可能な温水循環回路40等がある。さらに、上記実施形態では、1台の熱交換端末が接続される場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち2台以上の熱交換端末が接続される構成でも良い。これらの場合も、前記実施形態と同様の効果を得る。
【0129】
また、図10及び図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0130】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0131】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0132】
1 温水暖房システム
5 ヒートポンプユニット(室外機)
30 端末循環回路(液循環回路)
31 負荷配管(循環液配管)
32 循環液循環ポンプ(循環ポンプ)
36 ファンコイルユニット(室内機)
36a 熱交換器(室内熱交換器)
36b 端末制御部
36d 送風ファン
36c 水温センサ(センサ)
50 冷媒循環回路(熱源)
51 第2熱交換器(加熱熱交換器)
51b 循環液通路
62 ヒートポンプ制御装置(熱源制御部)
71 端末リモコン(リモコン)
144 第1端末制御線
145 第2端末制御線
L 循環液
V 熱動弁(開閉弁)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12