(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】感染リスク推定装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240722BHJP
【FI】
G16H50/30
(21)【出願番号】P 2021050059
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山下 毅
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 継泰
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尊士
(72)【発明者】
【氏名】檜山 聡
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-198717(JP,A)
【文献】特開2015-161987(JP,A)
【文献】特開2020-181491(JP,A)
【文献】特開2020-027610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康の基準状態を取得する基準状態情報取得部と、
ユーザが行動を開始すると、当該行動に基づいた前記ユーザの感染危険度を取得する危険度情報取得部と、
前記基準状態および前記感染危険度に基づいて、前記ユーザの感染の可能性を示す感染情報を導出する導出部と、
前記ユーザの外出後の行動における行動情報を取得する行動情報取得部と、
を備え、
前記導出部は、前記行動情報をさらに考慮して、前記ユーザの感染危険度を導出する、
感染リスク推定装置。
【請求項2】
前記基準状態は、ユーザが行動を開始する前における感染に対する免疫力を示す、
請求項1に記載の感染リスク推定装置。
【請求項3】
前記免疫力は、前記ユーザの生活習慣および身体の状態に基づく、
請求項2に記載の感染リスク推定装置。
【請求項4】
前記危険度情報取得部は、
前記ユーザの行動に従って滞在した位置における感染危険度、または当該位置にいる他のユーザの感染危険度の少なくとも一方に基づいて、当該ユーザの感染危険度を取得する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の感染リスク推定装置。
【請求項5】
前記位置における感染危険度は、前記他のユーザの感染危険度および当該ユーザの感染危険度に基づいて更新される、請求項4に記載の感染リスク推定装置。
【請求項6】
前記危険度情報取得部は、
所定条件を満たすと、危険度情報を取得する、請求項1に記載の感染リスク推定装置。
【請求項7】
前記基準状態に基づいたレコメンド情報を出力する基準時レコメンド部を備える、
請求項1~
6のいずれか一項に記載の感染リスク推定装置。
【請求項8】
前記感染情報に基づいたレコメンド情報を出力する終了時レコメンド部をさらに備える、
請求項1~
7のいずれか一項に記載の感染リスク推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染リスクを推定する感染リスク推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、移動経路において累積された感染症の感染リスクの重みを基準として端末の利用者の感染症への感染リスクの有無を判定することの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術においては、移動経路に基づいた感染リスクを判定しており、そのほかの事象を考慮した感染リスクを判定することができない。感染は、人との関わり合い、そのときどきの健康状態に大きく左右される。
【0005】
本発明は、ユーザの行動に応じた感染リスクを推定する感染リスク推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の感染リスク推定装置は、ユーザの健康の基準状態を取得する基準状態情報取得部と、ユーザが行動を開始すると、当該行動に基づいた前記ユーザの感染危険度を取得する危険度情報取得部と、前記基準状態および前記感染危険度に基づいて、前記ユーザの感染の可能性を示す感染情報を導出する導出部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザの行動に基づいた感染危険度により、当該ユーザの感染の可能性を導出でき、より正確な感染リスクを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示における感染リスク推定システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本開示の感染リスク推定装置100の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】携帯端末200から取得する基準状態情報の具体例を示す図である。
【
図4】ユーザ管理情報DB300が記憶しているユーザ管理情報の具体例を示す図である。
【
図5】地域情報DB401が記憶する地域情報の具体例を示す図である。
【
図6】ユーザ危険度情報DB402が記憶するユーザ危険度情報の具体例を示す図である。
【
図7】免疫力スコアに対応付けられたレコメンドメッセージを示す図である。
【
図8】感染スコアに応じたレコメンドメッセージを示す図である。
【
図9】感染リスク推定装置100の動作を示すフローチャートである。
【
図10】外出中の感染スコアの算出処理を示すフローチャートである。
【
図11】地域(店舗)における感染危険度を示す模式図である。
【
図12】危険度更新処理装置110を用いた更新のためのシステム構成図である。
【
図14】地域ごとの感染危険度の求め方を示す説明図である。
【
図15】本開示の一実施の形態に係る感染リスク推定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本開示における感染リスク推定システムのシステム構成を示す図である。図に示されるとおり、感染リスク推定システムは、感染リスク推定装置100、携帯端末200、ユーザ管理情報DB300、位置情報DB400、地域情報DB401、およびユーザ危険度情報DB402を含んで構成されている。
【0011】
感染リスク推定装置100は、携帯端末200、ユーザ管理情報DB300、位置情報DB400、地域情報DB401、およびユーザ危険度情報DB402をネットワークを介して参照して、免疫力スコアおよび感染スコアを算出する。これら感染力スコアおよび感染スコアは、感染リスクを示す感染情報を示す。
【0012】
すなわち、感染リスク推定装置100は、ユーザの外出前に免疫力スコアを算出し、その後、外出中には免疫力スコアに基づいて感染スコアを算出する。外出後には、外出後の行動および外出中における感染スコアに基づいた総合的な感染スコアを算出する。また、感染リスク推定装置100は、それぞれのスコアに応じたレコメンドメッセージを出力する。
【0013】
つぎに、感染リスク推定装置100の機能構成について説明する。
図2は、本開示の感染リスク推定装置100の機能構成を示すブロック図である。本開示における感染リスク推定装置100は、基準状態情報取得部101、危険度情報取得部102、行動情報取得部103、感染スコア算出部104、レコメンド出力部105、およびレコメンドDB106を含んで構成されている。
【0014】
基準状態情報取得部101は、スマートフォン・ウェアラブルデバイスなどの携帯端末200およびユーザ管理情報DB300から基準状態情報を取得する部分である。基準状態情報は、外出前におけるユーザの健康の基準状態を示し、外出前におけるユーザの睡眠時間、ストレス値、普段の飲酒量、普段の喫煙量、普段の食事量およびその食事内容、普段の運動量、年齢、罹患歴の有無などである。なお、当然のことながらこれら情報以外を含んでもよい。
【0015】
携帯端末200は、基準状態情報のうち、睡眠時間、ストレス値、および運動量を、内蔵する加速度センサ等に基づいて取得することができる。
図3は、携帯端末200から取得する基準状態情報の具体例を示す図である。図に示されるとおり、感染リスク推定装置100は、携帯端末200のユーザIDに対応付けて、ストレス値、睡眠時間、および運動量等を取得する。なお、ストレス値および睡眠時間は、ユーザによる携帯端末200に対する操作履歴(例えば、過去1週間の操作履歴)に基づいて求められる。運動量は、加速度センサにより求められ、例えば過去1週間の平均運動量が求められる。なお、図に示される以外の情報を取得してもよい。
【0016】
また、ユーザ管理情報DB300は、ユーザごとの購買履歴、アンケート情報、処方箋等のデータを記憶している。ユーザ管理情報DB300に記憶される情報は、ユーザが登録してもよいし、ユーザが契約しているインターネットプロバイダそのほか、ショッピングサイトなどから集計して構築されてもよい。
【0017】
図4は、ユーザ管理情報DB300が記憶しているユーザ管理情報の具体例を示す図である。
図4に示されるとおり、ユーザIDに対応付けて、年齢(または年代でもよい)、性別、購買履歴、罹患履歴、およびアンケート結果を対応付けて記憶している。基準状態情報取得部101は、これら情報を取得する。ユーザ管理情報は、ユーザが登録してもよいし、ユーザが加入している携帯端末の通信事業者の加入者情報を利用してもよい。
【0018】
危険度情報取得部102は、携帯端末200、ユーザ管理情報DB300、位置情報DB400、地域情報DB401およびユーザ危険度情報DB402から危険度情報を取得する部分である。危険度情報は、ユーザの行動に起因する情報であり、感染リスクがあることを示す情報である。例えば、ユーザが、感染リスクの高い場所に所定時間滞在していた、感染リスクの高い人と濃厚接触状態でいた(所定時間、所定範囲内の位置関係にいた)等の行動をとっていた場合、危険度情報取得部102は、感染リスクが増加するよう危険度情報を算出する。
【0019】
例えば、ユーザがある地域(店舗)に滞在している場合を想定する。ユーザが滞在している同じ地域(店舗)に滞在する他の滞在者による感染危険度は、以下のように求めることができる。
図13は、店舗における滞在者の模式図を示す。図に示されるとおり、本開示におけるユーザは、滞在者A~Cと近接して滞在している。滞在者A~Cは、それぞれ免疫力スコア、感染スコアが登録されている。また、それら距離は、滞在者Aとは10m、滞在者Bとは0.5m、滞在者Cとは7mであり、位置情報から取得される。各滞在者から受ける感染危険度は、その距離の近さおよび一緒に滞在した時間の長さによる重み付け処理がなされる。この感染危険度は、所定時間ごとに求められる。
【0020】
なお、上記説明では、各種DBを利用して、ユーザ同士の距離および危険度(感染力スコア、感染スコア)を求めていたが、ユーザの携帯端末200が、各滞在者が所有する携帯端末と近距離無線通信を行うことにより、これら情報を取得し、携帯端末200が感染リスク推定装置100に通知してもよい。
【0021】
図5は、地域情報DB401が記憶する地域情報の具体例を示す図である。図に示されるとおり、地域情報DB401は、地域を示す地域IDごとに、その位置(または領域を含む)および危険度を対応付けて記憶する。この危険度情報は、感染リスク推定装置100のオペレータにより設定されてもよいし、また、適宜ユーザの移動に伴って更新されてもよい。また、後述する危険度更新処理装置110により更新されてもよい。
【0022】
図6は、ユーザ危険度情報DB402が記憶するユーザ危険度情報の具体例を示す図である。図に示されるとおり、ユーザ危険度情報DB402は、ユーザIDごとに、ユーザの現在位置、そのユーザの免疫力スコアおよび感染スコアを記憶している。このユーザ危険度情報DB402は、後述する危険度更新処理装置110により登録され、また更新される。
【0023】
また、危険度情報取得部102は、これら情報を危険度情報に加えて、携帯端末200から外出中のデータとして、自分または周囲の人のマスクの有無、周囲の人の咳の有無などの情報を取得する。これら情報は、携帯端末200のカメラおよびマイクにより取得される情報である。なお、ユーザが携帯端末200にアンケートなどとして、これら情報を入力してもよい。
【0024】
行動情報取得部103は、ユーザの外出後(すなわち帰宅後)の行動情報を取得する部分である。行動情報取得部103は、ユーザが帰宅すると、手洗いをしたか、うがいをしたかなどの行動情報を取得する。これら行動情報は、携帯端末200の加速度センサのセンサ値または携帯端末200の位置情報に基づいて判断される。行動情報取得部103は、位置情報に基づいて洗面所に所定時間いた場合には、これら行動をしたなどを判断することができる。
【0025】
感染スコア算出部104は、基準状態情報および危険度情報に基づいて免疫力スコアおよび感染スコアを算出する部分である。感染スコア算出部104は、外出前、外出中、および外出後のそれぞれのタイミングで免疫力スコアまたは感染スコアを算出する。感染スコア算出部104は、ユーザの位置情報に基づいて外出前であると判断すると、基準状態情報に基づいて外出前の免疫力スコアを算出する。基準状態情報は、外出前におけるユーザの睡眠時間、ストレス値、普段の飲酒量、普段の喫煙量、普段の食事量およびその食事内容、普段の運動量、年齢、罹患歴の有無などであり、これに基づいて感染スコア算出部104は免疫力スコアを算出する。睡眠時間が一般的な平均睡眠時間以下である場合には、-1、ストレス値が、所定値以上である場合には、-1など項目ごとにマイナス要素を示すスコアが定められており、感染スコア算出部104は、マイナス要素がいくつあるかを集計することにより免疫力スコアを算出する。
【0026】
また、感染スコア算出部104は、免疫力スコアと危険度情報とに基づいて、感染スコアを算出する。危険度情報は、感染リスクの高い場所に所定時間滞在していた、感染リスクの高い人と濃厚接触状態でいた(所定時間、所定範囲内の位置関係にいた)等の行動をとっていたことを示す情報である。感染スコア算出部104は、ユーザが滞在した場所とそこに一緒に滞在した人とに基づいて感染スコアを算出する。例えば、場所の危険度としてx点、一緒に滞在した人の危険度と人数とに応じてy点を累積加算し、先に算出した免疫力スコアを所定係数かけた数値に加算することで、その時点における感染スコアを算出する。なお、この計算例は一例であり、これに限るものではない。その詳細処理については後述する。
【0027】
レコメンド出力部105は、レコメンドDB106を参照して、感染スコア算出部104により算出された感染スコアにしたがったレコメンドメッセージを取り出し、ユーザ行動に対するレコメンドメッセージを出力する部分である。例えば、レコメンド出力部105は、免疫力スコアに基づいて、免疫力が落ちている(免疫力スコアが所定値以下)と判断する場合には、レコメンドDB106から外出をしないことを提案するレコメンドメッセージを取り出し、ユーザが所有する携帯端末200に出力する。なお、携帯端末200に限らず予め設定された宛先に出力してもよい。
【0028】
レコメンドDB106は、感染スコアおよび免疫力スコアに対応付けてレコメンドメッセージを記憶する部分である。
図7は、免疫力スコアに対応付けられたレコメンドメッセージを示す図である。図に示されるとおり、免疫力スコアは、基準状態情報のマイナス要素の数(またはそれに基づいた情報)とし、このマイナス要素の数に基づいてレコメンドメッセージが対応付けられている。
【0029】
図8は、感染スコアに応じたレコメンドメッセージを示す図である。本開示においては、感染スコアが高いほど感染リスクが高いことを示している。例えば、感染スコアが0~20の間の場合、感染リスクが低いため、感染対策は完璧である旨のメッセージが対応付けられている。一方で、感染スコアが81~100の間である場合、感染リスクが高く、感染対策を行うことを促すメッセージが対応付けられている。
【0030】
このように構成された感染リスク推定装置100の動作について説明する。
図9は、感染リスク推定装置100の動作を示すフローチャートである。感染リスク推定装置100は、外出前における免疫力スコア(基準状態情報のマイナス要素の数)の算出およびレコメンド処理を行う(S101)。すなわち、基準状態情報取得部101は、感染リスクの推定対象者であるユーザの携帯端末200から基準状態情報を取得する(S101a)。そして、感染スコア算出部104は、基準状態情報から免疫力スコアを算出し、レコメンド出力部105は、免疫力スコアに応じたレコメンドメッセージをレコメンドDB106から取得し、ユーザの携帯端末200に出力する(S101b)。
【0031】
感染リスク推定装置100は、外出中における感染スコアおよびレコメンド処理を行う(S102)。すなわち、危険度情報取得部102は、外出中の危険度情報を取得する(S102a)。危険度情報は、外出中の位置情報、滞在した場所の感染危険度、滞在した場所にいる人による感染危険度である。
【0032】
感染スコア算出部104は、S101bで算出した免疫力スコアと、外出中の危険度とに基づいて外出中の感染スコアを算出し、それに応じてレコメンド処理を行う(S102b)。
【0033】
そして、ユーザが、帰宅すると(すなわち外出後)、総合の感染スコアおよびレコメンド処理を行う(S103)。すなわち、行動情報取得部103は、携帯端末200の位置情報に基づいて帰宅したと判断すると、携帯端末200の加速度センサ等に基づいて外出後のユーザの行動情報等を取得し(S103a)、外出中の感染スコアに基づいて総合の感染スコアを算出し、それに応じてレコメンド処理を行う(S103b)。
【0034】
このようにして、感染リスク推定装置100は、外出前のユーザの免疫力を算出し、外出中および外出後のユーザの行動に基づいて感染スコアを算出することができる。
【0035】
つぎに、外出中の感染スコアの算出処理についてさらに詳細に説明する。
図10は、外出中の感染スコアの算出処理を示すフローチャートである。危険度情報取得部102は、常時ユーザの携帯端末200の位置情報を位置情報DB400から取得している。危険度情報取得部102は、ユーザ(携帯端末200)がある場所に一定時間以上滞在したか否かを判断する(S201)。
【0036】
ここで処理S201においてYESの場合、危険度情報取得部102は、地域情報DB401を参照して、ユーザが滞在した場所の感染危険度を取得する。さらに、危険度情報取得部102は、ユーザ危険度情報DB402を参照して、滞在した場所に存在する人による感染危険度を取得する(S202)。このとき外出中のデータを取得してもよい。取得した感染危険度の情報等は、バッファ等に記憶しておく。
【0037】
危険度情報取得部102は、取得したユーザの位置情報に基づいて、さらに前回と別の場所に一定時間以上滞在したか否かを判断する(S203)。
【0038】
ここで処理S203においてYESである場合、危険度情報取得部102は、地域情報DB401を参照して、ユーザが滞在した場所の感染危険度を取得する。さらに、危険度情報取得部102は、ユーザ危険度情報DB402を参照して、滞在した場所に存在する人による感染危険度を取得する(S204)。このとき外出中のデータを取得してもよい。取得した感染危険度の情報等は、バッファ等に記憶しておく。
【0039】
危険度情報取得部102は、外出を終了するか否か、ユーザの位置情報に基づいて判断する(S205)。
【0040】
ここで、処理S205においてYESである場合、危険度情報取得部102は、外出中のデータを取得し、感染スコア算出部104は、外出中のデータ、滞在した場所の感染危険度、滞在した場所に存在する人による感染危険度、外出前の免疫力スコアに基づいて感染スコアを算出する。(S206)。
【0041】
レコメンド出力部105は、感染スコアとレコメンドメッセージとを出力する(S209)。
【0042】
また、ユーザがどこにも一定時間滞在することなく、外出を終了すると(S207:YES)、感染スコア算出部104は、外出中のデータと、外出前の免疫力スコアとに基づいて感染スコアを算出する(S208)。レコメンド出力部105は、感染スコアとレコメンドメッセージとを出力する(S209)。
【0043】
このような処理により、感染リスク推定装置100は、ユーザの外出中の感染スコアを算出することができる。なお、上記処理においては、外出中において1回、感染スコアを算出しているが、これに限るものではない。感染リスク推定装置100(感染スコア算出部104、レコメンド出力部105)は、ある場所に所定時間滞在したタイミングで感染スコアを算出し、それに伴ったレコメンドメッセージを出力してもよい。
【0044】
また、当該ある場所が、特定の地域、店舗である場合に限り感染スコアおよびレコメンドメッセージの処理を行ってもよい。例えば、感染スコア算出部104およびレコメンド出力部105は、処理S202または処理S204を行うタイミングに合わせて感染スコアの算出およびレコメンドメッセージの取得を行ってもよい。また、レコメンド出力部105は、感染スコアが所定値以上である場合に、そのレコメンド処理を行ってもよい。これにより、感染の危険度が高いときにレコメンドメッセージを提供でき、その注意喚起を効果的にすることができる。
【0045】
地域情報DB401が記憶する地域IDごとの危険度を、そこに滞在する滞在者の危険度に基づいて更新してもよい。
図11を用いてその更新処理について説明する。なお、ここでは、地域として店舗を想定している。地域情報DB401は、ある店舗に、初期値として危険度を対応付けている。この危険度は、初期値は0としてもよいし、設備内容および感染対策等に基づいて定められた値としてもよい。
【0046】
図11に示されるとおり、店舗に、滞在者A、B、およびCがいる。滞在者Aは危険度70、滞在者Bは危険度60、滞在者Cは危険度50とする。各滞在者の危険度は、各滞在者の行動情報またはバイタルデータに基づいて算出される。この危険度は、0~100の間となるよう調整されている。行動情報は、スケジューラに登録されている予定、位置情報などから求められる。バイタルデータは、滞在者が所有する携帯端末から求められる。なお、本発開示における感染スコアを滞在者の危険度に適用してもよい。
【0047】
図12に上記処理を行うための危険度更新処理装置110を用いた更新のためのシステム構成図を示す。
図12に示されるとおり、危険度更新処理装置110は、携帯端末200,ユーザ管理情報DB300、位置情報DB400、地域情報DB401、ユーザ危険度情報DB402と通信して、各地域の危険度を求め、地域情報DB401を更新する。
【0048】
危険度更新処理装置110は、位置情報DB400から各滞在者(携帯端末200のユーザも含む)の位置情報を取得し、またそのほか図示しないスケジューラDBから当該滞在者(携帯端末200のユーザも含む)の予定(訪問先等の位置を含む)を取得する。そして、危険度更新処理装置110は、各地域ごとに、どの滞在者が滞在しているか取得し、滞在者の危険度を取得し、当該危険度に基づいて地域の危険度を算出し、地域情報DB401に記憶する。例えば、地域の危険度は、滞在者の危険度の平均値を算出して、それに初期値の危険度に合算することにより求められるが、当然にこれに限るものではない。
【0049】
また、所定時間、例えば1時間経過すると、滞在者も入れ替わるため、危険度更新処理装置110は、上記の処理を行うことにより、地域における危険度を算出し、地域情報DB401に記憶することにより更新する。
【0050】
また、危険度更新処理装置110は、同様の処理により、ユーザ危険度情報DB402を更新してもよい。
【0051】
本開示における携帯端末200のユーザは、更新された地域情報DB401に記憶されている情報を利用して、当該ユーザに対する感染スコアを得ることができる。
【0052】
つぎに、地域情報DB401の地域ごとの危険度の設定処理および地域ごとの危険度に基づいたユーザの危険度の設定処理について説明する。なお、本開示においては、以下の処理によって設定されてるものとするが、当然にこれに限定するものではない。
【0053】
まず、各地域の感染危険度は、
図14に示されるとおり、日ごとの感染者数/各地域ごとの面積で求められる。
【0054】
日ごとの感染者数は、実数値でもよいが、本開示では、公知の薬データサーバを利用する。この薬データサーバは、ユーザが病院にかかった場合にその薬データ、そのほかカルテデータを登録するためのサーバであり、リアルタイム性がある。したがって、これを利用することにより、日ごとの感染者数を求めることができる。この薬データサーバは、薬剤情報(そのほか診察情報を含む)および郵便番号を記憶している。よって、一の地域における感染危険度を求めようとする場合には、その地域の郵便番号をキーに薬データサーバから薬剤情報(診察情報)を取り出し、感染症のおそれのある感染者数を求めることができる。その際、ベースとなる感染者数を別手法により推定して、そのベースとなる感染者数をも考慮して、総合的な感染者数を求める。別手法とは、例えば前日または前週に発表された感染者数を考慮し、増加傾向であれば、発表された感染者数に対して所定値を加算し、減少傾向であれば、所定値を減算する処理を行う。
図14においては、例えば、T区、N区など、所定地域ごとに感染危険度マッピング処理の一例を示す。
【0055】
そして、ユーザが滞在した各地域の感染危険度に対して滞在時間を乗算することにより、ユーザに対する感染危険度を求めることができるが、その際は、ユーザの移動手段により重み付け処理を行ってもよい。例えば、電車であれば1.5倍などである。一方で、自動車での移動の場合は、0.2倍にするなどがある。
【0056】
例えば、ユーザが、
図14におけるSj区に自転車で1.5時間、T区に電車で1時間いたとすると、以下の式によりユーザの感染危険度を求めることができる。
【0057】
30(Sj区の感染危険度)×1.5時間(滞在時間)×0.8(自転車移動による重み付け)+8(T区の感染危険度) ×1.0時間(滞在時間)×1.5(電車移動による重み付け)=48
このように、ユーザの感染危険度は48として求めることができる。
【0058】
つぎに、本開示の感染リスク推定装置100の作用効果について説明する。本開示の感染リスク推定装置100は、ユーザの健康の基準状態を取得する基準状態情報取得部101と、ユーザの行動に基づいた当該ユーザの感染危険度を示す危険度情報を取得する危険度情報取得部102と、基準状態および危険度情報に基づいて、ユーザの感染の可能性を示す感染スコアを算出する感染スコア算出部104を含む。なお、スコアを算出することに限るものではなく、感染リスクを示す情報を導出する構成であればよい。
【0059】
この構成により、ユーザの外出前における免疫力(すなわち健康状態)と、外出中における行動に基づいた危険度情報とから、ユーザの感染リスクを導出することができる。したがって、ユーザの行動によっては、感染リスクが低減する場合もあり、感染地域など地理的条件のみからそのリスクを判断することと比較して、正確な感染リスクを導出することができる。
【0060】
ここで、基準状態とは、ユーザが行動を開始する前における感染に対する免疫力を示す。この免疫力は、ユーザの生活習慣および身体の状態に基づく。例えば、前日の睡眠時間、ストレス、食生活、喫煙の有無等に基づく。
【0061】
危険度情報取得部102は、ユーザの行動に従って滞在した位置における感染危険度、または当該位置にいる他のユーザの感染危険度の少なくとも一方に基づいて、当該ユーザの感染危険度を取得する。地域情報DB401は、地域ごとの危険度を記憶しており、危険度情報取得部102は、地域情報DB401に記憶されている危険度情報およびユーザ危険度情報DB402に記憶されている危険度情報を参照して、ユーザに対する危険度を導出することができる。
【0062】
感染リスクは、ユーザが滞在している地域またはその地域に滞在している他のユーザ(滞在者)に影響を多く及ぼす。本開示においては、その地域または滞在者を考慮した感染危険度を求めることができ、より正確な感染リスクを求めることができる。
【0063】
本開示において、地域情報DB401における各地域の感染危険度は、他のユーザの感染危険度および当該ユーザの感染危険度に基づいて更新される。
【0064】
本開示において、感染リスク推定装置100において、危険度情報取得部102は、ある地域に所定時間滞在すると、危険度情報を取得し、感染スコア算出部104は、ユーザの感染スコアを算出する。
【0065】
この構成により、滞在するごとに危険度情報を取得し、そして、それに応じた感染スコアを求めることができる。そして、それに伴ってレコメンドメッセージを出力することで、ユーザに感染リスクを通知することができる。
【0066】
また、本開示の感染リスク推定装置100において、危険度情報取得部102は、ユーザの行動の終了後における行動に基づいたユーザの感染危険度を取得する。
【0067】
この構成により、基準状態となる外出前の免疫力、および終了時の行動に基づいたユーザの感染危険度を取得でき、より正確な感染危険度を得ることができる。また、それに応じたレコメンドメッセージをユーザに提供することができる。
【0068】
また、本開示の感染リスク推定装置100は、基準状態に基づいたレコメンド情報を出力する基準時レコメンド部を備える。また、感染スコアに基づいたレコメンド情報を出力する終了時レコメンド部をさらに備える。
【0069】
これにより、ユーザに外出前における行動に対する注意点を喚起することができる。また、外出中または外出後において、ユーザに外出中における行動に対する評価または外出中における行動にたいする注意点を喚起することができる。
【0070】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0071】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0072】
例えば、本開示の一実施の形態における感染リスク推定装置100は、などは、本開示の感染リスク推定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図15は、本開示の一実施の形態に係る感染リスク推定装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の感染リスク推定装置100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0073】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。感染リスク推定装置100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0074】
感染リスク推定装置100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0075】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の感染スコア算出部104などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0076】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、感染リスク推定装置100の感染スコア算出部104は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0077】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る感染リスク推定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0078】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0079】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の基準状態情報取得部101などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と送信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0080】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0081】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0082】
また、感染リスク推定装置100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0083】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0084】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0085】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0086】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0087】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0088】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0089】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0090】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0091】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0092】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0093】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0094】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0095】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0096】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0097】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0098】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0099】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0100】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0101】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0102】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0103】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0104】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0105】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0106】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0107】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0108】
100…感染リスク推定装置、101…基準状態情報取得部、102…危険度情報取得部、103…行動情報取得部、104…感染スコア算出部、105…レコメンド出力部、106…レコメンドDB、200…携帯端末、300…ユーザ管理情報DB、400…位置情報DB、401…地域情報DB、402…ユーザ危険度情報DB。