(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】傷病状態推定装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20240722BHJP
G16H 50/80 20180101ALI20240722BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H50/80
(21)【出願番号】P 2021060529
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 継泰
(72)【発明者】
【氏名】檜山 聡
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尊士
(72)【発明者】
【氏名】山下 毅
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135473(JP,A)
【文献】特開2012-090946(JP,A)
【文献】特開2016-195639(JP,A)
【文献】特開2012-194808(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111164707(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0100330(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傷病時において変化する
ユーザの行動を示すユーザ情報
、および感染リスクを示すフラグ情報を取得するユーザ情報取得部と、
診断時における前記
ユーザの行動に対して、健康時における前記
ユーザの行動との差分情報を導出する導出部と、
前記差分情報
および前記フラグ情報に基づいて
前記ユーザの傷病状態を示す情報を出力する予測部と、
を備え、
前記ユーザの行動は、前記ユーザの購買行動および前記ユーザの移動を含み、
前記フラグ情報は、購買履歴DBに記憶されている前記ユーザの購入履歴に基づいて所定の購入品が購入されていた場合に取得され、感染地域DBに記憶されている所定の感染地域に、前記ユーザがいた場合に取得され、
前記予測部は、
診断時における学習用の複数のユーザの行動に対して、健康時における前記学習用の複数のユーザの行動との学習用の差分情報および前記学習用のユーザの行動に基づいた学習用のフラグ情報を説明変数とし、前記学習用の複数のユーザの傷病状態を目的変数として学習された予測モデルで構成され、
前記予測モデルは、前記ユーザの行動に基づいた前記差分情報および前記フラグ情報を入力すると、前記ユーザの傷病状態を出力する、
傷病状態推定装置。
【請求項2】
前記導出部は、健康時の所定期間における前記ユーザの行動または前記ユーザの状態の平均値との差分値を差分情報として導出する、
請求項1に記載の傷病状態推定装置。
【請求項3】
前記ユーザの行動は、ユーザが操作している通信情報に基づく、
請求項1または2に記載の傷病状態推定装置。
【請求項4】
店舗情報は、感染度合い、または感染対策度を示した情報であり、
前記予測モデルは、さらに、ユーザが滞在した店舗情報をフラグ情報とした説明変数をつかって学習されており、
前記予測部は、さらに前記ユーザが滞在した店舗情報を含んだフラグ情報に基づいて、前記ユーザの傷病状態を示す情報を出力する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の傷病状態推定装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の傷病状態推定装置における前記予測モデルを学習する予測モデル学習装置であって、
学習用のユーザの行動を含むユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部からユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報を説明変数とし、
前記学習用のユーザの傷病状態を目的変数として予測モデルを学習する学習部と、を備える予測モデル学習装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザ情報に加えて、さらに
学習用のユーザの滞在履歴を示す情報を取得し、
前記学習部は、前記滞在履歴を考慮して前記予測モデルを学習する、
請求項5に記載の予測モデル学習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傷病状態を推定する傷病状態推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザなどの感染症の予防対策のため、その感染症疾患を予測することが有効である。疾患を予測する技術として、生活行動に基づいて精神疾患を診断することが特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、感染症等の傷病を対象としたものではないことから、これをそのまま利用して生活行動に基づいた感染症疾患の推定を行うことができない。
【0005】
そこで、上述の課題を解決するために、ユーザに対する傷病状態を推定することができる傷病状態推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の傷病状態推定装置は、傷病時において変化するユーザの行動またはユーザの状態の少なくとも一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザの傷病状態を出力する傷病状態出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、傷病時において変化するユーザの行動またはユーザの状態の少なくとも一方を示すユーザ情報を利用してユーザの傷病状態を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の感染症推定システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】ユーザ情報DB300の具体例を示す図である。
【
図3】購買履歴DB400が記憶する情報の具体例を示す図である。
【
図4】飲食店舗DB500の具体例を示す図である。
【
図5】感染地域DB600の具体例を示す図である。
【
図6】感染症推定装置100の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】本開示における携帯端末200の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】感染症推定装置100の動作を示すフローチャートである。
【
図9】予測モデル学習装置700を含んだ機械学習システムのシステム構成を示す図である。
【
図10】感染者DB800の具体例を示す図である。
【
図11】予測モデル学習装置700の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】機械学習のための説明変数および目的変数を示す図である。
【
図13】予測モデル703(または予測モデル102)の模式図である。
【
図14】本開示の一実施の形態に係る感染症推定装置100および予測モデル学習装置700のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、本開示の感染症推定システムのシステム構成を示す図である。図に示されるとおり、感染症推定システムは、感染症推定装置100、携帯端末200、ユーザ情報DB300、購買履歴DB400、飲食店舗DB500、および感染地域DB600を含んで構成されている。
【0011】
感染症推定装置100は、ユーザ情報DB300、購買履歴DB400、飲食店舗DB500、感染地域DB600と通信接続して、各DBに記憶されている情報に基づいて、携帯端末200のユーザが、所定の感染症に罹患したか否かを判断する。
【0012】
ユーザ情報DB300は、ユーザ情報を記憶するデータベースである。このユーザ情報は、携帯端末200において検出された位置情報、バイタル情報、web通信情報、通話情報、およびセンサ値を含む。
【0013】
図2は、その具体例を示す図である。図に示されるとおり、ユーザ情報DB300は、ユーザIDごとに、測定日時、位置情報、バイタル情報、web通信情報、通話情報、およびセンサ値を対応付けて記憶している。測定日時は、位置情報、バイタル情報、web通信情報、通話情報、およびセンサ値を取得した日時を示す。
【0014】
位置情報は、例えばGPSにより測位された情報である。なお、GPS測位に限るものではなく、携帯電話の基地局を利用した概略位置情報でもよい。
【0015】
バイタル情報は、体温、血圧、脈拍、生体ガス(皮膚から出るアルデヒド等)、および脳波を示す情報である。携帯端末200は、これらバイタル情報を測定する機能を備える。なお、携帯端末200がウェアラブル端末である場合には自動的にこれら情報は取得可能である。バイタル情報のうち脳波については、測定日時を基準にした所定幅における周波数を示す。その他のバイタル情報については、その測定した日時における値を示す。
【0016】
web通信情報は、ユーザが携帯端末200を用いてweb検索を行う際において入力された検索キーワードを示す。また、SNSに入力されたワードを含む。SNSにおいては、携帯端末200において入力された文章から形態素解析など行って得られたワードを示す。本開示においては、測定日時で示される時間間隔ごとに、入力されたワードを記憶している。
図2では、時間t1~t2の間に携帯端末200に入力されたワードを示す。
【0017】
通話情報は、通話中におけるユーザが発する体調異変を示す情報であり、例えば、ユーザが通話中に発した咳またはくしゃみなどを発したか否か、およびその頻度を示す情報である。なお、これに限らず、通話先等をも含む。例えば、薬局、病院などに電話した場合、その通話先を示す。本開示においては、測定日時で示される時間間隔ごとに、検出された咳の回数等を記憶している。
図2では、時間t1~t2の間に携帯端末200で検出された咳の回数およびくしゃみの回数を示す。
【0018】
センサ値は、携帯端末200に備えられている加速度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサなどにおいて検出された各種センサ値を示す。このセンサ値はユーザの動きを示しており、例えば、寝返りなどをした場合、その動きはセンサ値で表される。また体調に異変があった場合には、その動きに微小な変化が現れているはずであり、その変化を示すための情報である。
【0019】
これらユーザ情報は、携帯端末200から定期的に送信される情報である。
【0020】
購買履歴DB400は、ユーザが携帯端末200または他の通信端末においてwebを介した購買処理をした場合のその購買履歴情報を記憶する部分である。この購買履歴DB400は、携帯端末200から送信された情報またはショッピングサイトから登録された情報に基づいて構築されている。ユーザが、購入処理をする度にこの購買履歴DB400は更新される。
【0021】
図3は、購買履歴DB400が記憶する情報の具体例を示す。図に示されるとおり、ユーザIDごとに、購入した店舗を示す店舗ID、購入日、購入物品を記憶している。本開示において、感染症の判断対象日から所定期間内における購入物品が所定の物品(例えば、医薬)である場合、その購入物品は、感染症の判断に影響を与える。
【0022】
飲食店舗DB500は、飲食店舗などの店舗情報を記憶するデータベースである。
図4に示されるとおり、飲食店舗DB500は、店舗ID、感染発生日、店舗位置、感染度合い、感染対策度を対応付けて記憶している。店舗IDは、店舗を識別するためのIDである。店舗位置は、その所在地を示す。感染発生日は、その店舗において感染者が発生した場合には、その発生日を示す。感染度合いは、その感染者の人数に基づいた感染の程度を示す。感染対策度は、行政府等が定めた対策をしていたかを示す。飲食店舗DB500のうち、感染発生日、感染度合い、感染対策度は、行政府等により登録された情報であり、定期的に更新される。ユーザが感染発生日以降所定期間内に感染者が発生した店舗に訪れた場合、この感染度合い等の情報は、感染の有無の判断に影響を及ぼす。
【0023】
感染地域DB600は、感染地域情報を記憶するデータベースである。この感染地域情報は、市町村または都道府県などの地域を示しているが、これに限るものではなく、例えば、所定単位でメッシュ状に区分した範囲を地域としてもよい。
【0024】
図5に示されるとおり、感染地域DB600は、感染地域情報として、感染地域ID、感染度合い、感染位置、感染発生日を対応付けて記憶している。感染地域IDは、地域を識別するためのIDである。感染度合いは、感染の程度を示し、例えば、感染者の人数、感染者の人口密度(感染者人数/その地域の人口または地域の面積)を示す。感染位置は、その感染地域の位置を示す。感染発生日は、感染が発生した日時を示す。これら情報は、行政府等により登録された情報である。
【0025】
このように構成された感染症推定システムにおける感染症推定装置100について説明する。
図6は、感染症推定装置100の機能構成を示すブロック図である。図に示されるとおり、感染症推定装置100は、ユーザ情報取得部101、予測モデル102、および出力部103を含んで構成されている。
【0026】
ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報DB300および購買履歴DB400からユーザの行動およびユーザの状態に関するユーザ情報を取得する部分である。本開示においては、購買履歴DB400に記憶されているユーザが所定の物品を購入したことも、ユーザ情報に含むものとする。
【0027】
ここで、ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報のうち、過去(現在を含んでもよい)の所定期間におけるユーザの行動およびユーザの状態に関するユーザ情報の平均値を算出する。例えば、ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報として取得した位置情報の平均値を算出する。位置情報の平均値を算出する場合は、ある一定の時間帯ごとの平均値を求めるのがよい。時間帯によって、自宅近辺にいるのか、仕事に出かけているのかが変わるためである。
【0028】
ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報として取得したバイタル情報の平均値を算出する。例えば、体温の平均値、血圧の平均値等を算出する。これらバイタル情報についても、時間帯ごとの平均値を求めることがよい。時間帯によってバイタル情報は変わるものである。
【0029】
また、ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報として取得したセンサ値の平均値を算出する。例えば、加速度センサ、ジャイロセンサなどのセンサ値の平均値を算出する。これらセンサ値についても、時間帯ごとの平均値を求めることがよい。時間帯によってセンサ値は変わるものである。
【0030】
そして、ユーザ情報取得部101は、これら平均値と、診断時のユーザ情報との差分値を算出する。診断時のユーザ情報とは、例えば、現在のユーザ情報である。なお、診断時のユーザ情報は、平均値との差分を求めるものであることから、平均値と同じ項目の情報を取得する。また、差分値を算出する場合には、時間帯を合わせた数値同士に基づいて算出するのがよい。
【0031】
一方で、ユーザ情報取得部101は、ユーザ情報DB300からweb通信情報を取り出し、所定期間内におけるユーザによる検索キーワードを取得する。そして、ユーザ情報取得部101は、感染リスクキーワードDB(図示せず)を有しており、感染リスクキーワードに合致した検索キーワードを取得した場合、感染リスクがあることを示すフラグ情報を取得する。例えば、検索キーワードが、体調に異変を訴えるキーワード(発熱、倦怠感など)を含んでいる場合、ユーザ情報取得部101は、感染リスクがあることを示すフラグ情報を生成して、取得する。感染リスクキーワードに合致した検索キーワードの頻度に応じて段階的にフラグ情報を表現するようにしてもよい。
【0032】
また、ユーザ情報取得部101は、購買履歴DB400から所定期間内における購入品を取得する。ユーザが所定の購入品(所定の薬等)を購入していた場合には、感染リスクがあることを示すフラグ情報を取得する。当該所定の購入品の個数・頻度に応じて段階的にフラグ情報を表現するようにしてもよい。
【0033】
なお、普段から購入していた物品である場合には、そのフラグ情報に修正を加える。例えば、感染リスクがないことを示すフラグ情報とするなどである。購買履歴DB400から、所定期間継続してある物品を購入していたと判断できる場合に、通常の行動に基づいた購買行動と判断でき、感染リスクの判断には影響を与えない。
【0034】
また、ユーザ情報取得部101は、飲食店舗DB500および感染地域DB600を参照して、所定期間におけるユーザの位置情報に基づいて、どの感染地域にいたか、どの感染店舗にいたかを取得する。ユーザ情報取得部101は、感染地域または感染店舗にいた場合、感染リスクがあることを示すフラグ情報を取得する。感染度合いおよび感染対策度に応じて、段階的に表現したフラグ情報としてもよい。
【0035】
ユーザ情報取得部101は、上記差分情報および感染リスクがあることを示すフラグ情報を、予測モデル102に入力する。
【0036】
予測モデル102は、所定の情報を入力し、それに応じた判断結果を出力する部分である。本開示においては、予測モデル102は、ユーザの状態および行動の差分値および感染リスクがあることを示すフラグ情報を入力して、ユーザが感染症による感染状態にあるか否か、またはどのような感染症に罹患しているかを示す情報を出力する。この予測モデル102は、後述する予測モデル学習装置700において学習されている。
【0037】
出力部103は、予測モデル102により出力された感染状態の感染結果を出力する部分である。出力部103は、例えば、ネットワークを介して、携帯端末200に、その感染結果を送信する。なお、出力先は携帯端末200に限るものではなく、他の装置としてもよい。
【0038】
つぎに、携帯端末200について説明する。本開示の携帯端末200は、ユーザの状態およびユーザの行動を検出するための各種測定手段を備えている。
図7は、本開示における携帯端末200の機能構成を示すブロック図である。この携帯端末200は、通信制御部201、位置測定部202、バイタル測定部203、通信情報解析部204、音声解析部205、およびセンサ206を含んで構成されている。
【0039】
通信制御部201は、感染症推定装置100にユーザの行動または状態を示す各種測定手段により測定された情報を、その測定日時とともにユーザ情報DB300に送信する部分である。
【0040】
位置測定部202は、携帯端末200の位置を測定する部分である。例えばGPSを利用して、自己の位置を測定する。
【0041】
バイタル測定部203は、ユーザの体温、血圧、脈拍、生体ガスおよび脳波などのユーザの状態を示す情報を測定する部分である。
【0042】
通信情報解析部204は、ユーザが検索したキーワードおよびSNS(Social NetworkService)に入力した文章を解析してキーワードを取得する部分である。
【0043】
音声解析部205は、通話中におけるユーザの咳またはくしゃみ等を解析する部分である。音声解析部205は、解析した咳等の頻度を解析する。なお、単位時間あたりの頻度を求めるのがよい。
【0044】
センサ206は、加速度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサなど、少なくも一つからなるセンサである。このセンサ206は、ユーザの行動を検出する。
【0045】
携帯端末200は、上記取得した情報を、検出した日時とともにユーザ情報DB300に登録することができる。
【0046】
つぎに、本開示の感染症推定装置100の動作について説明する。
図8は、感染症推定装置100の動作を示すフローチャートである。感染症推定装置100は、診断対象者であるユーザの直接的な感染症診断情報がない場合に(S101:NO)、ユーザ情報取得部101は、所定期間における診断対象者のユーザ情報を、ユーザ情報DB300から取得する。また、ユーザ情報取得部101は、所定期間における購買履歴DB400、飲食店舗DB500、および感染地域DB600を参照して、ユーザが滞在した地域または店舗、および購入した商品情報を取得する(S102)。上記所定期間は、例えば、診断推定処理を基準に1週間程度とするが、当然にこれに限るものではない。
【0047】
ユーザ情報取得部101は、所定期間におけるユーザ情報のそれぞれの項目における平均値を算出する(S103)。そして、ユーザ情報取得部101は、診断推定処理時におけるユーザ情報(例えば直近のユーザ情報)と、平均値とから差分値を算出する(S104)。
【0048】
ユーザ情報取得部101は、通信情報において所定の検索キーワード等がある場合および所定の商品を購入した場合に、感染リスクがある旨のフラグ情報をそれぞれ取得する。また、ユーザ情報取得部101は、飲食店舗DB500および感染地域DB600を参照して、ユーザが移動した地域または店舗の感染リスクを取得し、それに応じたフラグ情報を取得する(S105)。本開示において、これらフラグ情報を複数取得しているが、いずれか一つでもよい。また、フラグ情報は必ずしも必要ではない。
【0049】
ユーザ情報取得部101は、差分値およびフラグ情報を予測モデル102に入力する(S106)。予測モデル102は、差分値およびフラグ情報に応じた感染スコアを出力する(S107)。出力部103は、感染スコアを携帯端末200に送信する。携帯端末200のユーザは、その感染スコアを見ることで、自分の感染状態を判断することができる。
【0050】
つぎに、予測モデル学習装置700による機械学習処理について説明する。
図9は、予測モデル学習装置700を含んだ機械学習システムのシステム構成を示す図である。図に示されるとおり、この機械学習システムは、ユーザ情報DB300、購買履歴DB400、飲食店舗DB500、感染地域DB600、予測モデル学習装置700、および感染者DB800を含んで構成されている。ユーザ情報DB300、購買履歴DB400、飲食店舗DB500、および感染地域DB600は上記説明した通りである。
【0051】
感染者DB800は、感染者を示すユーザIDごとに感染の有無を対応付けた感染者情報を記憶するデータベースである。
図10は、その具体例を示す図である。ユーザIDは、ユーザ情報DB300のユーザIDと共通したIDであり、ユーザIDを介した紐付け処理を可能にしている。
【0052】
予測モデル学習装置700は、ユーザ情報等を用いて予測モデルを学習する装置である。
図11は、予測モデル学習装置700の機能構成を示すブロック図である。図に示されるとおり、ユーザ情報取得部701、学習部702、および予測モデル703を含んで構成されている。
【0053】
ユーザ情報取得部701は、ユーザ情報DB300、購買履歴DB400、飲食店舗DB500、および感染地域DB600から、機械学習用のデータとして、それぞれユーザ情報、購買履歴情報、店舗情報、感染地域情報を取得する部分である。ユーザ情報取得部701は、上述したユーザ情報取得部101と同様の機能を有しており、ユーザ情報の所定期間における平均値を算出し、この平均値と、診断処理時におけるユーザ情報との差分値を算出する。
【0054】
図12は、その取得した情報並びにその情報に基づいた説明変数および目的変数を示す図である。
図12(a)に示されるとおり、ユーザ情報、感染地域情報、店舗情報、購買履歴情報および感染者情報がそれぞれのDBから取得される。
【0055】
ユーザ情報取得部701は、ユーザ情報(web欄を除く)については、ユーザ情報取得部101と同様の処理を行って、それぞれの平均値との差分値を算出して、それを説明変数とする。ほかの項目については、それぞれ所定の条件を満たすと、その条件の程度に応じたフラグ情報を生成して取得し、これを説明変数とする。一方で、ユーザ情報取得部701は、感染者DB800から感染者情報を取得して、その感染の有無に応じたフラグ情報を生成して取得する。これら処理は、同じユーザIDに対して行われる。
【0056】
学習部702は、ユーザ情報、感染地域情報、店舗情報、購買履歴情報が説明変数とし、感染者情報が目的変数として、公知の機械学習を行う部分である。
【0057】
予測モデル703は、学習部702により学習されて構築された予測モデルである。上述した感染症推定装置100が備える予測モデル102は、予測モデル703に基づく。
【0058】
このような予測モデル学習装置700は、予測モデルを学習することができる。なお、上記説明では、一の感染症の感染の有無を目的変数としたが、これに限るものではない。例えば、感染症にはいくつか種類があることから、その種類に応じた情報を目的変数としてもよい。例えば、COVID-19による感染症、インフルエンザウィルスによる感染症など区別して、予測モデル703を学習してもよい。また、感染症に限るものではなく、通常の病気または怪我を区別してもよい。
【0059】
図13は、予測モデル703(または予測モデル102)の模式図である。図に示される通り、予測モデル703は、入力A~X(ユーザ情報の差分値等)を入力すると、感染症A、B、または感染なしの感染確率を出力するよう、学習されてもよい。
【0060】
つぎに、本開示の感染症推定装置100の作用効果について説明する。この感染症推定装置100は、感染時(傷病時の一例)において変化するユーザの行動またはユーザの状態の少なくとも一方を示すユーザ情報を取得するユーザ情報取得部101と、ユーザ情報に基づいて、ユーザの感染状態を出力する予測モデル102とを備える。
【0061】
ユーザ情報取得部101は、診断時におけるユーザの行動またはユーザの状態に対して、健康時におけるユーザの行動またはユーザの状態との差分情報を導出する導出部として機能する。予測モデル102は、差分情報に基づいてユーザの感染状態を示す情報(感染スコア)を出力する。
【0062】
ユーザ情報取得部101は、健康時の所定期間におけるユーザの行動またはユーザの状態の平均値との差分値を導出する。なお、平均値の差分値に限るものではなく、過去の予め定めた時点におけるユーザの行動または状態との差分値を導出してもよい。
【0063】
本開示において、ユーザの行動とは、当該ユーザの移動範囲または当該ユーザの身体の動きに基づいて定義される。また、ユーザの状態は、当該ユーザのバイタルデータに基づいて定義される。ユーザの行動は、ユーザが操作している通信情報に基づいて定義される。
【0064】
このような構成により、本開示の感染症推定装置100は、ユーザの感染時おいて変化するユーザの行動および状態の少なくとも一方に基づいて、ユーザの感染状態を判断して、その情報を出力できる。ユーザが所定の感染症に罹患した場合、ユーザの行動および状態の少なくとも一方において、変化が生ずることが多く、それに基づいて、専門的な診断を受けることなく、感染状態を判断することができる。
【0065】
例えば、ユーザの行動とは、その移動範囲、身体の微妙な動きを示し、感染時においては、健康時における移動範囲、身体の微妙な動きから変化が生ずる。これを利用することで、的確な感染状態を判断することができる。
【0066】
本開示において、さらに加えて、予測モデル102は、ユーザの行動または状態に加えて、ユーザの滞在履歴に基づいて、ユーザの感染状態を出力する。
【0067】
ユーザが感染地域または感染リスクの高い店舗(例えば密室の店舗、感染対策が取られていない店舗)に滞在したことがある場合、その滞在履歴は、ユーザが感染したかどうかに大きな影響を与える。
【0068】
予測モデル102は、複数のユーザの行動またはユーザの状態を説明変数とし、複数のユーザの感染状態を目的変数として学習された予測モデルで構成されている。そして、予測モデル102は、一のユーザの行動またはユーザの状態を入力すると、一のユーザの感染状態を出力する。
【0069】
本開示において、予測モデル102は、上記の通りに構成されているが、予測モデル学習装置700は、その予測モデル102の学習処理を行う。
【0070】
この予測モデル学習装置700は、ユーザの行動またはユーザの状態を含むユーザ情報を記憶するユーザ情報DB300からユーザ報を取得するユーザ情報取得部701と、ユーザ情報を説明変数とし、ユーザの感染状態を目的変数として予測モデルを学習する学習部702と、を備える。そして、学習部702は、機械学習により予測モデル703を構築する。この予測モデル703は、本開示の感染症推定装置100の予測モデル102として機能する。
【0071】
予測モデル703の学習時において、ユーザ情報取得部701は、ユーザ情報に加えて、さらにユーザの滞在履歴を示す情報を取得し、学習部702は、滞在履歴を考慮して予測モデル703を学習してもよい。
【0072】
このように、ユーザ情報に加えて、滞在履歴に基づいて予測モデルを学習することによって、ユーザ情報におけるユーザの行動または状態、さらにユーザの滞在履歴に基づいた予測処理を可能とする。
【0073】
上記説明において、この感染症推定装置100は、一例として感染状態を推定する装置として説明したが、これに限るものではなく、身体に対するあらゆる傷病状態の推定する傷病状態推定装置にも適用することができる。例えば、感染症以外の病気、そのほか怪我などの傷病状態を推定することにも適用できる。
【0074】
また、本開示において、予測部の機能として予測モデル102を例に挙げたが、機械学習による予測モデル102を利用することに限定しない。例えば、各項目の差分値に、スコアを対応付けたスコアテーブルを備え、そのスコアテーブルに従って感染症のスコアを求めるようにしてもよい。
【0075】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0076】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0077】
例えば、本開示の一実施の形態における感染症推定装置100および予測モデル学習装置700は、本開示の感染症推定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図14は、本開示の一実施の形態に係る感染症推定装置100および予測モデル学習装置700のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の感染症推定装置100および予測モデル学習装置700は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0078】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。感染症推定装置100および予測モデル学習装置700のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0079】
感染症推定装置100および予測モデル学習装置700における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0080】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のユーザ情報取得部101および予測モデル102は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0081】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ情報取得部101は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0082】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る感染症推定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0083】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0084】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述のユーザ情報取得部101の一機能、出力部103などは、通信装置1004によって実現されてもよい。これら送受信の機能は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0085】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0086】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0087】
また、感染症推定装置100および予測モデル学習装置700は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0088】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0089】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0090】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0091】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0092】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0093】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0094】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0095】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0096】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0097】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0098】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0099】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0100】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0101】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0102】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0103】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0104】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0105】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0106】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0107】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0108】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0109】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0110】
100…感染症推定装置、101…ユーザ情報取得部、102…予測モデル、103…出力部、200…携帯端末、201…通信制御部、202…位置測定部、203…バイタル測定部、204…通信情報解析部、205…音声解析部、206…センサ、300…ユーザ情報DB、400…購買履歴DB、500…飲食店舗DB、600…感染地域DB、700…予測モデル学習装置、701…ユーザ情報取得部、702…学習部、703…予測モデル、800…感染者DB。