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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240722BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240722BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/44 Y
H01L21/28 301B
H01L29/50 M
H01L29/58 G
H01L29/78 301V
H01L29/78 301B
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021121245
(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公開番号】P2023017178
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】梶原 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】蔵口 雅彦
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-056137(JP,A)
【文献】特開2012-109366(JP,A)
【文献】特開2016-171260(JP,A)
【文献】特開2008-084942(JP,A)
【文献】特開2013-098556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0052015(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0268219(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0105863(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103094334(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 29/41
H01L 21/28
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極であって、前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接した、前記第2半導体領域と、
Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む窒化物領域であって、前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含み、前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接し、前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う、前記窒化物領域と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1絶縁部材と、
を備え
前記第2半導体部分の前記第2方向に沿う第1厚さは、前記第1窒化物部分の前記第2方向に沿う第2厚さよりも厚い、半導体装置。
【請求項2】
前記第1厚さは、20nm以上40nm以下である、請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2厚さは、1nm以上10nm以下である、請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1電極及び前記第3電極の一方と電気的に接続された第1導電部材をさらに備え、
前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1半導体領域の前記第2方向における位置と、前記第1導電部材の前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記第1導電部材は、前記第1方向における第1導電部材端部を含み、
前記第1導電部材端部の前記第1方向における位置は、前記第3電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における前記位置と、の間にあり、
前記第2半導体部分は、前記第1窒化物部分の側の第2半導体端部を含み、
前記第2半導体端部の前記第1方向における位置は、前記第1導電部材端部の前記第1方向における前記位置と、前記第2電極の前記第1方向における前記位置と、の間にある、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2電極は、前記第2部分領域と接する、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記窒化物領域は、第2窒化物部分をさらに含み、
前記第2半導体部分は、前記第5部分領域と前記第2窒化物部分との間にある、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極であって、前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接した、前記第2半導体領域と、
Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む窒化物領域であって、前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含み、前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接し、前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う、前記窒化物領域と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1絶縁部材と、
を備え
前記窒化物領域は、第2窒化物部分をさらに含み、
前記第2半導体部分は、前記第5部分領域と前記第2窒化物部分との間にある、半導体装置。
【請求項8】
前記窒化物領域は、第3窒化物部分をさらに含み、
前記第3窒化物部分は、前記第3部分領域と前記第1絶縁領域との間にある、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極であって、前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接した、前記第2半導体領域と、
Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む窒化物領域であって、前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含み、前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接し、前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う、前記窒化物領域と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1絶縁部材と、
を備え
前記窒化物領域は、第3窒化物部分をさらに含み、
前記第3窒化物部分は、前記第3部分領域と前記第1絶縁領域との間にある、の半導体装置。
【請求項10】
前記第1絶縁領域の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第4部分領域と前記第5部分領域との間にある、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1電極部分の少なくとも一部は、前記第1方向において前記第4部分領域と前記第5部分領域との間にある、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1電極部分の一部は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第2半導体部分との間にある、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1絶縁部材は、第2絶縁領域及び第3絶縁領域をさらに含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第1電極部分の前記一部との間にあり、
前記第3絶縁領域は、前記第1方向において前記第1電極部分の前記一部と前記第2半導体部分との間にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記窒化物領域は、第4窒化物部分及び第5窒化物部分をさらに含み、
前記第4窒化物部分は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第2絶縁領域との間にあり、
前記第5窒化物部分は、前記第1方向において前記第3絶縁領域と前記第2半導体部分との間にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項15】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極であって、前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接した、前記第2半導体領域と、
Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む窒化物領域であって、前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含み、前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接し、前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う、前記窒化物領域と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1絶縁部材と、
を備え
前記第1電極部分の一部は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第2半導体部分との間にあり、
前記第1絶縁部材は、第2絶縁領域及び第3絶縁領域をさらに含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第1電極部分の前記一部との間にあり、
前記第3絶縁領域は、前記第1方向において前記第1電極部分の前記一部と前記第2半導体部分との間にあり、
前記窒化物領域は、第4窒化物部分及び第5窒化物部分をさらに含み、
前記第4窒化物部分は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第2絶縁領域との間にあり、
前記第5窒化物部分は、前記第1方向において前記第3絶縁領域と前記第2半導体部分との間にある、半導体装置。
【請求項16】
前記窒化物領域は、第3窒化物部分をさらに含み、
前記第3窒化物部分は、前記第3部分領域と前記第1絶縁領域との間にある、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項17】
第1電極と、
第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極であって、前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿い、前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にあり、前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接した、前記第2半導体領域と、
Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む窒化物領域であって、前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含み、前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿い、前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接し、前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う、前記窒化物領域と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある、前記第1絶縁部材と、
を備え
前記第1電極部分の一部は、前記第1方向において前記第1半導体部分と前記第2半導体部分との間にあり、
前記窒化物領域は、第3窒化物部分をさらに含み、
前記第3窒化物部分は、前記第3部分領域と前記第1絶縁領域との間にある、半導体装置。
【請求項18】
前記窒化物領域は、第2窒化物部分をさらに含み、
前記第2半導体部分は、前記第5部分領域と前記第2窒化物部分との間にある、請求項8~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第2窒化物部分の結晶性は、前記第1窒化物部分の結晶性よりも低い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1絶縁部材は、第5絶縁領域をさらに含み、
前記第2窒化物部分は、前記第2方向において前記第2半導体部分と前記第5絶縁領域との間にある、請求項1または1に記載の半導体装置。
【請求項21】
第2絶縁部材をさらに含み、
前記第2絶縁部材の少なくとも一部は、前記第2半導体部分と前記第2窒化物部分との間にある、請求項120のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項22】
前記第2絶縁部材の前記少なくとも一部の結晶性は、前記第2半導体部分の結晶性よりも低い、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記第1電極と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う距離は、前記第3電極と前記第2電極との間の前記第1方向に沿う距離よりも短い、請求項1~22のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランジスタなどの半導体装置において、安定した特性が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-53585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性を安定化できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1電極、第2電極、第3電極、第1半導体領域、第2半導体領域、窒化物領域、及び、第1絶縁部材を含む。前記第1電極から前記第2電極への方向は、第1方向に沿う。前記第3電極は、第1電極部分を含む。前記第1電極部分の前記第1方向における位置は、前記第1電極の前記第1方向における位置と、前記第2電極の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第1半導体領域は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、第5部分領域及び第6部分領域を含む。前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う。前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第2方向に沿う。前記第3部分領域から前記第1電極部分への方向は、前記第2方向に沿う。前記第4部分領域の前記第1方向における位置は、前記第1部分領域の前記第1方向における位置と、前記第3部分領域の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第5部分領域の前記第1方向における位置は、前記第3部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第6部分領域の前記第1方向における位置は、前記第5部分領域の前記第1方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第1方向における前記位置と、の間にある。前記第2半導体領域は、Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む。前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含む。前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は、前記第2方向に沿う。前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は、前記第2方向に沿う。前記第2半導体部分は前記第5部分領域と接する。前記窒化物領域は、Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む。前記窒化物領域は、第1窒化物部分を含む。前記第6部分領域から前記第1窒化物部分への方向は、前記第2方向に沿う。前記第1窒化物部分は前記第6部分領域と接する。前記第2半導体部分から前記第1窒化物部分への方向は、前記第1方向に沿う。前記第1絶縁部材は、第1絶縁領域を含む。前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第3部分領域と前記第1電極部分との間にある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図4図4は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図5図5は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6図6(a)~図6(d)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図7図7(a)~図7(d)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51、第2電極52、第3電極53、第1半導体領域10、第2半導体領域20、窒化物領域30、及び、第1絶縁部材41を含む。
【0009】
第1電極51から第2電極52への方向は、第1方向D1に沿う。第1方向D1をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直な1つの方向をZ軸方向とする。X軸方向及びZ軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0010】
第3電極53は、第1電極部分53aを含む。第1電極部分53aの第1方向D1における位置は、第1電極51の第1方向D1における位置と、第2電極52の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0011】
第1半導体領域10は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。組成比x1は、例えば、0以上0.1未満である。第1半導体領域10は、例えばGaNを含む。
【0012】
第1半導体領域10は、第1部分領域11、第2部分領域12、第3部分領域13、第4部分領域14、第5部分領域15及び第6部分領域16を含む。第1部分領域11から第1電極51への方向は、第2方向D2に沿う。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、例えば、Z軸方向である。
【0013】
第2部分領域12から第2電極52への方向は、第2方向D2に沿う。第3部分領域13から第1電極部分53aへの方向は、第2方向D2に沿う。第2方向D2において、第1電極51と重なる領域が、第1部分領域11に対応する。第2方向D2において、第2電極52と重なる領域が、第2部分領域12に対応する。第2方向D2において、第1電極部分53aと重なる領域が、第3部分領域13に対応する。
【0014】
第4部分領域14の第1方向D1における位置は、第1部分領域11の第1方向D1における位置と、第3部分領域13の第1方向D1における位置と、の間にある。第5部分領域15の第1方向D1における位置は、第3部分領域13の第1方向D1における位置と、第2部分領域12の第1方向D1における位置と、の間にある。第6部分領域16の第1方向D1における位置は、第5部分領域15の第1方向D1における位置と、第2部分領域12の第1方向D1における位置と、の間にある。第1~第6部分領域11~16の互いの境界は、明確でも不明確でも良い。
【0015】
第2半導体領域20は、Alx2Ga1-x2N(x1<x2<1)を含む。組成比x2は、例えば、0.1以上0.35以下である。第2半導体領域20は、例えばAlGaNを含む。
【0016】
第2半導体領域20は、第1半導体部分21及び第2半導体部分22を含む。第4部分領域14から第1半導体部分21への方向は、第2方向D2に沿う。第5部分領域15から第2半導体部分22への方向は、第2方向D2に沿う。第2半導体部分22は、第5部分領域15と接する。この例では、第2半導体領域20の一部は、第3部分領域13と第1電極部分53aとの間にある。第1半導体部分21及び第2半導体部分22の互いの境界は、明確でも不明確でも良い。
【0017】
第1半導体領域10及び第2半導体領域20は、半導体部材10Mに含まれる。
【0018】
窒化物領域30は、Aly1Ga1-y1N(x2<y1≦1)を含む。組成比y1は、例えば、0.8以上1以下である。窒化物領域30は、例えばAlGaNまたはAlNを含む。窒化物領域30は、半導体部材10Mに含まれても良い。
【0019】
窒化物領域30は、第1窒化物部分31を含む。第6部分領域16から第1窒化物部分31への方向は、第2方向D2に沿う。第1窒化物部分31は、第6部分領域16と接する。第2半導体部分22から第1窒化物部分31への方向は、第1方向D1に沿う。
【0020】
第1絶縁部材41は、第1絶縁領域41aを含む。第1絶縁領域41aは、第2方向D2において第3部分領域13と第1電極部分53aとの間にある。この例では、第1絶縁領域41aは、第2方向D2において、第2半導体領域20の一部と第1電極部分53aとの間にある。
【0021】
図1に示すように、半導体装置110は、基体18s及び窒化物層18bを含んでも良い。窒化物層18bは、基体18sと第1半導体領域10との間にある。基体18sは、例えば、シリコン基板などで良い。窒化物層18bは、AlGaNなどを含む。窒化物層18bは、例えばバッファ層である。基体18sの上に窒化物層18bが設けられる。窒化物層18bの上に半導体部材10Mが設けられる。半導体部材10Mの上に、第1~第3電極51~53が設けられる。
【0022】
第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、例えば、第1電極51の電位を基準にした電位で良い。第1電極51は、例えば、ソース電極として機能する。第2電極52は、例えば、ドレイン電極として機能する。第3電極53は、例えば、ゲート電極として機能する。第1絶縁領域41aは、例えば、ゲート絶縁膜として機能する。半導体装置110は、例えばトランジスタである。
【0023】
第1電極51と第3電極53との間の第1方向D1に沿う距離d1は、第3電極53と第2電極52との間の第1方向D1に沿う距離d2よりも短い。距離d2が長いことで、高い耐圧が得やすい。
【0024】
第1半導体領域10の第2半導体領域20と対向する部分にキャリア領域10cが形成される。キャリア領域10cは、例えば2次元電子ガスである。半導体装置110は、例えばHEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0025】
上記のように、実施形態においては、Alの組成比が高い第1窒化物部分31が設けられる。これにより、第1窒化物部分31と重なる領域において、キャリア領域10cにおけるキャリア濃度が局所的に高くできる。
【0026】
半導体装置において、電流コラプスが生じ、例えば、半導体装置のオン抵抗が変動し大きくなる場合がある。本願発明者の検討によると、電流コラプスはキャリア領域10cにおけるキャリア濃度が高いと抑制できることが分かった。実施形態においては、第1窒化物部分31が設けられることで、電流コラプスが抑制できる。例えば、安定したオン抵抗が得やすい。
【0027】
一方、本願発明者の検討によると、第3電極53(例えばゲート電極)の近傍において、キャリア領域10cのキャリア濃度が高いと、第3電極53において、リーク電流が増大することが分かった。実施形態においては、第3電極53の近傍に第2半導体部分22が設けられる。第2半導体部分22におけるAl組成比は、第1窒化物部分31におけるAl組成比よりも低い。このため第2半導体部分22と第1窒化物部分31と重なる領域において、キャリア領域10cにおけるキャリア濃度が相対的に低くできる。ゲート電極(第3電極53)の近傍においてキャリア濃度が低くなる。これにより、リーク電流が抑制できる。安定したゲート信頼性が得られる。
【0028】
実施形態においては、電流コラプスが抑制でき、安定した特性が得られる。リーク電流が抑制できる。実施形態によれば、特性を安定化できる半導体装置が提供できる。
【0029】
図1に示すように、この例では、半導体装置110は、第1導電部材61を含む。第1導電部材61は、第1電極51及び第3電極53の一方と電気的に接続される。この例では、第1導電部材61は、第1電極51と電気的に接続される。
【0030】
第3電極53の第2方向D2における位置は、第1半導体領域10の第2方向D2における位置と、第1導電部材61の第2方向D2における位置と、の間にある。例えば、第3電極53の上に、第1導電部材61の少なくとも一部がある。
【0031】
第1導電部材61は、第1方向D1における第1導電部材端部61eを含む。第1導電部材端部61eの第1方向D1における位置は、第3電極53の第1方向D1における位置と、第2電極52の第1方向D1における位置と、の間にある。第1導電部材61は、第3電極53を基準にして、第2電極52に向けて突出している。第1導電部材61は、例えばフィールドプレートとして機能する。
【0032】
第2半導体部分22は、第1窒化物部分31の側の第2半導体端部22eを含む。第2半導体端部22eは、第1方向D1において、第1窒化物部分31と対向する。例えば、第2半導体端部22eは、第1窒化物部分31と接する。第2半導体端部22eの第1方向D1における位置は、第1導電部材端部61eの第1方向D1における位置と、第2電極52の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0033】
例えば、第1導電部材端部61eは、第2方向D2において、第2半導体部分22と重なる。第1導電部材端部61eが、Al組成比が低い第2半導体部分22と重なることで、例えば、第1導電部材端部61eに対応する位置での電界の集中による特性の不安定化が抑制できる。例えば、高い耐圧が得やすい。リーク電流を小さくできる。
【0034】
例えば、第1導電部材61は、第2方向D2において、第1窒化物部分31と重ならない。これにより、電流コラプスがより効果的に抑制できる。安定したオン抵抗が得やすい。
【0035】
半導体装置110は、第2導電部材62をさらに含んでも良い。第2導電部材62は、第1電極51及び第3電極53の他方と電気的に接続される。この例では、第2導電部材62は、第3電極53と電気的に接続される。第2導電部材62は、第3電極53と電気的に接続されずに第1電極51と電気的に接続されていてもよい。第2導電部材62は、第2方向D2において第3電極53と第1導電部材61との間にある。第3電極53の少なくとも一部と第2導電部材62との間に絶縁層55aが設けられて良い。第2導電部材62と第1導電部材61との間に絶縁層55bが設けられて良い。第2導電部材62は、例えば、フィールドプレートとして機能する。
【0036】
第2導電部材62は、例えば、第2導電部材端部62eを含む。第2導電部材端部62eは、第1方向D1における端部である。第2導電部材端部62eの第1方向D1における位置は、第1電極部分53aの第1方向D1における位置と、第1導電部材端部61eの第1方向D1における位置と、の間にある。
【0037】
半導体装置110は、第3導電部材63を含んでも良い。第3導電部材63は、第2電極52と電気的に接続される。
【0038】
図1に示すように、第2半導体部分22の第2方向D2に沿う厚さを第1厚さt1とする。第1窒化物部分31の第2方向D2に沿う厚さを第2厚さt2とする。第1厚さt1は、第2厚さt2よりも厚いことが好ましい。第2厚さt2は、第1厚さt1よりも薄いことが好ましい。
【0039】
第1半導体領域10(例えばGaN)と、第1窒化物部分31(例えばAlN)と、の間において、格子定数の差が大きい。第2厚さt2が過度に厚いと、格子定数の差により結晶性が悪化する場合がある。これにより、リーク電流が大きくなることがある。第2厚さt2が薄いことで、良好な結晶性が得やすい。
【0040】
第2厚さt2は、例えば、1nm以上10nm以下であることが好ましい。第2厚さt2が1nm以上であることで、例えば、均質な第1窒化物部分31が得やすい。第2厚さt2が10nm以下であることで、例えば、第1窒化物部分31において良好な結晶性が得やすい。リーク電流を小さくできる。
【0041】
第1厚さt1は、例えば、20nm以上40nm以下であることが好ましい。第1厚さt1が20nm以上であることで、例えば、良好な特性のキャリア領域10cが得やすい。安定したオン抵抗が得やすい。第1厚さt1が40nm以下であることで、例えば、良好な結晶性が得やすい。リーク電流を小さくできる。
【0042】
半導体装置110において、第1電極51は、第1半導体部分21と電気的に接続される。例えば、第1電極51は、第1半導体部分21と接して良い。例えば、第1電極51は、第1部分領域11と電気的に接続されて良い。半導体装置110において、第2電極52は、第1窒化物部分31と電気的に接続されて良い。第2電極52は、第2部分領域12と電気的に接続されて良い。
【0043】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2に示すように、実施形態に係る半導体装置111において、第2電極52の構成が、半導体装置110における第2電極52の構成と異なる。これを除いて、半導体装置111の構成は、半導体装置110の構成と同様で良い。
【0044】
半導体装置111において、第2電極52は、第2部分領域12と接する。Alの組成比が高い第1窒化物部分31と、第2電極52と、の間の接触抵抗が高くなる傾向がある。第2電極52が第2部分領域12と接することで、例えば、接触抵抗を低くできる。例えば、安定した接触抵抗が得やすい。例えば、オン抵抗を低くできる。
【0045】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図3に示すように、実施形態に係る半導体装置112において、窒化物領域30及び第1絶縁部材41の構成が、半導体装置110におけるそれらの構成と異なる。これを除いて、半導体装置112の構成は、半導体装置110または半導体装置111の構成と同様で良い。
【0046】
図3に示すように、半導体装置112において、窒化物領域30は、第2窒化物部分32をさらに含む。第2半導体部分22は、第5部分領域15と第2窒化物部分32との間にある。このように、第2半導体部分22の上に、窒化物領域30の一部が設けられても良い。
【0047】
図3に示すように、窒化物領域30は、第3窒化物部分33をさらに含んでも良い。第3窒化物部分33は、第3部分領域13と第1絶縁領域41aとの間にある。
【0048】
図3に示すように、窒化物領域30は、別の部分(第6窒化物部分36)をさらに含んでも良い。第1半導体部分21は、第4部分領域14と第6窒化物部分36との間にある。第1窒化物部分31、第2窒化物部分32、第3窒化物部分33及び第6窒化物部分36は互いに連続して良い。これらの窒化物部分の間の境界は、明確でも不明確でも良い。
【0049】
第1絶縁部材41は、例えば、SiO、AlSiO、Al、AlSiON、AlON、SiN、及び、SiONよりなる群から選択された少なくとも1つを含んで良い。第1絶縁部材41は、例えば、酸化シリコン膜を含む。高い絶縁性が得やすい。例えば、安定したしきい値電圧が得やすい。
【0050】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図4に示すように、実施形態に係る半導体装置120において、第3電極53の構成が、半導体装置110における第3電極53の構成と異なる。これを除いて、半導体装置120の構成は、半導体装置110(または半導体装置111及び112)の構成と同様で良い。
【0051】
半導体装置120において、例えば、第3電極53の第1電極部分53aの少なくとも一部は、第1方向D1において、第4部分領域14と第5部分領域15との間にある。例えば、第1電極部分53aの一部は、第1方向D1において、第1半導体部分21と第2半導体部分22との間にある。
【0052】
第1絶縁部材41は、第2絶縁領域41b及び第3絶縁領域41cをさらに含む。第2絶縁領域41bは、第1方向D1において、第1半導体部分21と第1電極部分53aの一部との間にある。第3絶縁領域41cは、第1方向D1において、第1電極部分53aの一部と第2半導体部分22との間にある。
【0053】
例えば、第1絶縁領域41aの少なくとも一部は、第1方向D1において、第4部分領域14と第5部分領域15との間にある。
【0054】
半導体装置120において、第3電極53は、リセス型のゲート電極である。このような構成により、例えば、高いしきい値電圧が得られる。例えば、ノーマリオフ特性が得られる。
【0055】
半導体装置120においても、電流コラプスが抑制でき、安定した特性が得られる。リーク電流が抑制できる。実施形態によれば、特性を安定化できる半導体装置が提供できる。
【0056】
図4に示すように、半導体装置120は、第2絶縁部材42をさらに含んでも良い。例えば、第2絶縁部材42は、第1絶縁部分42a及び第2絶縁部分42bを含んでも良い。第1半導体部分21は、第4部分領域14と第1絶縁部分42aとの間にある。第2半導体部分22は、第5部分領域15と第2絶縁部分42bとの間にある。
【0057】
第2絶縁部材42は、例えば、保護膜として機能する。第2絶縁部材42が設けられることで、例えば、電流コラプスを小さくできる。例えば、安定したオン抵抗が得やすい。
【0058】
第2絶縁部材42は、例えば、SiN及びSiONよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2絶縁部材42が窒素を含むことで、例えば、安定した第2半導体領域20が得やすい。
【0059】
例えば、第1絶縁部分42aは、第1半導体部分21と、第1絶縁部材41の一部との間に設けられて良い。例えば、第2絶縁部分42bは、第2半導体部分22と、第1絶縁部材41の別の一部との間に設けられて良い。
【0060】
第2絶縁部材42の少なくとも一部(例えば第1絶縁部分42a)の結晶性は、第1半導体部分21の結晶性よりも低くても良い。第2絶縁部材42の少なくとも一部(例えば第2絶縁部分42b)の結晶性は、第2半導体部分22の結晶性よりも低くても良い。例えば、第2絶縁部材42の少なくとも一部は、アモルファスでも良い。第2半導体領域20は、結晶を含む。
【0061】
図5は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図5に示すように、実施形態に係る半導体装置121において、窒化物領域30の構成が、半導体装置120におけるそれとは異なる。これを除いて、半導体装置121の構成は、半導体装置120の構成と同様で良い。
【0062】
半導体装置121において、窒化物領域30は、第2窒化物部分32をさらに含む。第2半導体部分22は、第2方向D2において、第5部分領域15と第2窒化物部分32との間にある。
【0063】
窒化物領域30は、第3窒化物部分33をさらに含んでも良い。第3窒化物部分33は、第3部分領域13と第1絶縁領域41aとの間にある。
【0064】
窒化物領域30は、第4窒化物部分34及び第5窒化物部分35をさらに含んでも良い。第4窒化物部分34は、第1方向D1において、第1半導体部分21と第2絶縁領域41bとの間にある。第5窒化物部分35は、第1方向D1において第3絶縁領域41cと第2半導体部分22との間にある。
【0065】
窒化物領域30は、第6窒化物部分36をさらに含んでも良い。第1半導体部分21は、第2方向D2において、第4部分領域14と第6窒化物部分36との間にある。第1~第6窒化物部分31~36は、連続して良い。第1~第6窒化物部分31~36の互いの境界は、明確でも不明確でも良い。
【0066】
この例では、第1絶縁部分42aは、第1半導体部分21と第6窒化物部分36との間にある。第2絶縁部分42bは、第2半導体部分22と第2窒化物部分32との間にある。
【0067】
例えば、第1半導体部分21及び第2半導体部分22の上に、第2窒化物部分32及び第6窒化物部分36が設けられる。第3電極53が設けられる凹部(例えばトレンチ)の中に、第3~第5窒化物部分33~35が設けられる。第1窒化物部分31、第2窒化物部分32、第3窒化物部分33、及び、第6窒化物部分36のそれぞれの厚さ(第2方向D2に沿う長さ)は、互いに実質的に同じで良い。第4窒化物部分34及び第5窒化物部分35のそれぞれの厚さ(第1方向D1に沿う長さ)は、第1窒化物部分31の厚さ(第2厚さt2)と実質的に同じで良い。
【0068】
第1絶縁部材41は、第4絶縁領域41d及び第5絶縁領域41eを含んで良い。第6窒化物部分36は、第1絶縁部分42aと第4絶縁領域41dとの間にある。第2窒化物部分32は、第2絶縁部分42bと、第5絶縁領域41eの一部と、の間にある。第2窒化物部分32は、第2方向D2において、第2半導体部分22と、第5絶縁領域41eの一部と、の間にある。第1窒化物部分31は、第6部分領域16と、第5絶縁領域41eの別の一部と、の間にある。
【0069】
半導体装置121においても、第2絶縁部材42の少なくとも一部の結晶性は、第2半導体部分22の結晶性よりも低い。第2絶縁部材42は、例えばアモルファスである。
【0070】
例えば、結晶性が低い(例えばアモルファス)第2絶縁部材42(第2絶縁部分42b)の上に、第2窒化物部分32が設けられる。このような第2窒化物部分32の少なくとも一部は、例えば、アモルファスで良い。第2窒化物部分32の少なくとも一部がアモルファスであることで、安定した特性が得られる。例えば、リーク電流を小さくできる。第2窒化物部分32の結晶性は、第1窒化物部分31の結晶性よりも低くて良い。第1窒化物部分31は、例えば結晶を含む。適切なキャリア領域10cが得られる。
【0071】
図6(a)~図6(d)、及び、図7(a)~図7(d)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図6(a)に示すように、基体18sの上に設けられた窒化物層18bの上に第1半導体領域10となる半導体膜10fが形成される。半導体膜10fの上に、第2半導体領域20となる半導体膜20fが形成される。これらの半導体膜は、例えばエピタキシャル成長により形成される。
【0072】
図6(b)に示すように、第2絶縁部材42となる絶縁膜42fが形成される。絶縁膜42fは例えば、SiN膜である。
【0073】
図6(c)に示すように、絶縁膜42fの一部、及び、半導体膜20fの一部を除去する。半導体膜10fの一部が露出する。この際、半導体膜10fの一部が除去されても良い。除去は、例えば、フッ素系ガスおよび塩素系ガスによるエッチングにより行われる。エッチング後に薬液処理が行われても良い。例えば、ダメージが除去される。薬液処理には、例えば、アルカリ系の溶液(例えば水酸化テトラメチルアンモニウムを含む溶液)が用いられて良い。エッチングの後に、高温処理が行われても良い。高温処理は、例えば、窒素、アンモニア及び水素の少なくともいずれかを含むガスの雰囲気中で行われる。
【0074】
図6(d)に示すように、絶縁膜42fの別の一部、半導体膜20fの別の一部、及び、半導体膜10fの一部を除去する。これにより凹部10Hが形成される。凹部10Hは、例えば、穴、または、トレンチに対応する。絶縁膜42fから、第1絶縁部分42a及び第2絶縁部分42bを含む第2絶縁部材42が形成される。半導体膜20fから、第1半導体部分21及び第2半導体部分22を含む第2半導体領域20が形成される。
【0075】
図7(a)に示すように、窒化物領域30となる窒化物膜30fを形成する。窒化物膜30fは、第1~第6窒化物部分31~36となる部分を含む。例えば、第1窒化物部分31、第3窒化物部分33、第4窒化物部分34及び第5窒化物部分35は、結晶を含む。例えば、第2窒化物部分32及び第6窒化物部分36は、アモルファス部分を含む。
【0076】
図7(b)に示すように、窒化物膜30fの上に、第1絶縁部材41となる絶縁膜41fを形成する。絶縁膜41fは、例えば、SiO膜でよい。絶縁膜41fは、例えば、第1~第5絶縁領域41a~41eとなる部分を含む。
【0077】
図7(c)に示すように、凹部10Hのなかの残余の空間に導電材料を埋め込むことで、第3電極53が形成される。
【0078】
図7(d)に示すように、窒化物膜30fの一部、絶縁膜41fの一部、及び、絶縁膜42fの一部を除去する。除去により、第1半導体部分21の一部が露出する。窒化物膜30fの別の一部、及び、絶縁膜41fの別の一部を除去する。除去により、第1半導体領域10の一部(第2部分領域12)が露出する。露出した2つの領域に導電部材を形成することで、第1電極51及び第2電極52が形成される。
【0079】
この後、必要に応じて、第1~第3導電部材61~63が形成される。これにより、実施形態に係る半導体装置が形成できる。
【0080】
実施形態に係る製造方法によれば、特性を向上可能な半導体装置が得られる。
【0081】
第1電極51は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2電極52は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53は、例えば、TiN、WN、Ni、Au、Pt及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1~第3導電部材61~63は、例えば、金属を含む。第1導電部材61に含まれる金属は、例えば、アルミニウム、銅及び金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53、及び、第1~第3導電部材61~63は、例えば、導電性のシリコン、または、ポリシリコンなど含んでも良い。
【0082】
厚さに関する情報は電子顕微鏡観察などにより得られる。組成に関する情報は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)またはEDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)などにより得られる。
【0083】
実施形態によれば、特性を安定化できる半導体装置を提供できる。
【0084】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる、半導体部材、半導体領域、導電部材、電極及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0085】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0086】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0087】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10…第1半導体領域、 10H…凹部、 10M…半導体部材、 10c…キャリア領域、 10f…半導体膜、 11~16…第1~第6部分領域、 18b…窒化物層、 18s…基体、 20…第2半導体領域、 20f…半導体膜、 21、22…第1、第2半導体部分、 22e…第2半導体端部、 30…窒化物領域、 30f…窒化物膜、 31~36…第1~第6窒化物部分、 41…第1絶縁部材、 41a~41e…第1~第5絶縁領域、 41f…絶縁膜、 42…第2絶縁部材、 42a、42b…第1、第2絶縁部分、 42f…絶縁膜、 51~53…第1~第3電極、 53a…第1電極部分、 55a、55b…絶縁層、 61~63…第1~第3導電部材、 61e、62e…第1、第2導電部材端部、 110~112、120、121…半導体装置、 D1、D2…第1、第2方向、 d1、d2…距離、 t1、t2…第1、第2厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7