(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】受信装置、録画方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/761 20060101AFI20240722BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20240722BHJP
G11B 27/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H04N5/761
G11B20/10 311
G11B27/00 D
(21)【出願番号】P 2021172375
(22)【出願日】2021-10-21
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜田 知
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220696(JP,A)
【文献】特開2016-038922(JP,A)
【文献】特開2011-109168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
G11B 20/10 - 20/16
G11B 27/00 - 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送の
複数のチャンネルごとに番組データを受信する複数のチューナと、
前記複数のチューナで受信するチャンネルごとの番組データを同時に録画する全番組録画を設定する制御部と、
記憶媒体と通信するインターフェース部と、
前記複数のチューナで受信するチャンネルごとに、記憶部に
前記全番組録画によって録画可能な容量の最大値であるストリーム領域サイズを決定
し、前記制御部へ前記ストリーム領域サイズを送信する録画管理部と、を備え、
前記制御部は、前記全番組録画が設定されているときは、前記複数のチューナで受信するチャンネルごとに、前記ストリーム領域サイズに基づいて前記
全番組録画の実行時に受信した前記番組データを
前記インターフェース部に出力することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記
複数のチューナで受信するチャンネルの中から指定した指定チューナごとに設定する設定係数に基づいて、前記
指定チューナが受信するチャンネルのデータに対するストリーム領域サイズを決定する請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記設定係数は、ユーザが設定する請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記設定係数は、ユーザが設定する設定パラメータに基づいて算出される請求項2に記載の受信装置。
【請求項5】
前記設定パラメータは、前記番組データの録画画質で決定されるビットレートの値である請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記
チャンネルごとに、前記記憶部へ格納する番組データ
に対し実行する符号化方法を決定する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の受信装置。
【請求項7】
複数のチューナ
で受信する複数のチャンネルごとの番組データ
を同時に録画する全番組録画による録画方法であって、
前記複数のチューナで受信するチャンネルごとに、記憶部に
前記全番組録画によって録画可能な容量の最大値であるストリーム領域サイズを決定し、
前記
複数のチューナで受信するチャンネルごとに、前記ストリーム領域サイズに基づいて前記
全番組録画の実行時に受信した前記番組データを
前記記憶部に格納する録画方法。
【請求項8】
デジタル放送の番組データ
を受信する複数のチューナを備えた受信装置に具備するコンピュータに実行させる処理手順を含むプログラムであって、
複数のチューナで受信するチャンネルごとに、記憶部に録画可能な容量の最大値であるストリーム領域サイズを決定する手順と、
前記ストリーム領域サイズに基づいて前記記憶部に前記番組データを
格納する手順と、を
備えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、受信装置、録画方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送のテレビ受信装置は、搭載するチューナ数や、ハードディスクドライブなどの記憶媒体の記憶容量の増加が進んでおり、複数のチューナで同時に放送番組を受信して、長時間同時に記憶媒体に録画する全番組録画といった録画もできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-136476号公報
【文献】特開2010-226493号公報
【文献】特開2017-147497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数チューナで受信した番組を録画する場合に、録画しようとする番組の表示画質によって、番組ごとに録画データ量、録画時間が異なる場合がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、録画時間を制御するための受信装置、録画方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る受信装置は、デジタル放送の複数のチャンネルごとに番組データを受信する複数のチューナと、前記複数のチューナで受信するチャンネルごとの番組データを同時に録画する全番組録画を設定する制御部と、前記複数のチューナで受信するチャンネルごとに、記憶部に前記全番組録画によって録画可能な容量の最大値であるストリーム領域サイズを決定し、前記制御部へ前記ストリーム領域サイズを送信する録画管理部と、を備え、前記制御部は、前記全番組録画が設定されているときは、前記複数のチューナで受信するチャンネルごとに、前記ストリーム領域サイズに基づいて前記全番組録画の実行時に受信した前記番組データを前記記憶部に格納することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る受信装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る受信装置の制御部による録画設定時の処理例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施形態に係る受信装置の設定画面の例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る受信装置における録画モード及び係数の設定例である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る受信装置において各チャンネルに設定された領域の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る受信装置による録画時の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、変形例に係る受信装置の設定画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る受信装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【0010】
受信装置1は、デジタルコンテンツを受信し、ユーザが視聴する機器であり、例えば、2Kまたは4K/8Kといった地上波放送、衛星放送などのデジタル放送の放送信号を受信し、放送信号から放送番組(単に番組と称することもある)を取得し、視聴可能なテレビ受信装置(テレビ装置、テレビジョン受信機、放送信号受信装置とも称される)であってもよい。受信装置1は、CPUやメモリなどを有したコンピュータを備えていてもよい。
【0011】
また、受信装置1は、録画再生機能を有していてもよく、録画再生機能によりハードディスクドライブ(HDDまたはハードディスクと称する場合もある)などに放送番組を録画したり、録画した放送番組を視聴可能に出力したりできる。また、受信装置1に図示せぬ録画再生装置を接続し、図示せぬ録画再生装置に放送番組を録画し、視聴可能としてもよい。ハードディスクは、受信装置1に内蔵されていてもよく、また外部装置として、受信装置1に外部接続されることでもよい。
【0012】
また、受信装置1は、デジタルコンテンツを受信可能な機器であれば、視聴可能なモニタのない録画のみができるレコーダや放送信号を受信可能なSet Top Box(STB)などでもよい。また、受信装置1は、同様の受信機能を持つ受信装置として、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどモバイル機器でもよい。
【0013】
受信装置1は、付属のリモコン10を用いることでユーザによって遠隔制御されてもよい。また、受信装置1は、遠隔制御を可能とするスマートスピーカなど図示せぬ音声認識手段を備えていてもよい。
【0014】
また、本実施形態における受信装置1は、複数のチューナを備えていてもよく、複数のチャンネルの番組を同時に録画することでもよい。例えば、複数の指定チューナ数分のチャンネルの番組を同時に長時間にわたって録画することでもよく、このような録画の仕方を全番組録画と称する。本実施形態は、全番組録画の機能を備えたタイムシフトマシン(登録商標)に適用することでもよい。
【0015】
全番組録画の場合、録画できる時間量は、録画データを保存可能なハードディスクの容量などに依存する。例えば、異なるチャンネルごとに録画可能な容量の最大値(ストリーム領域サイズと称する)を決めておき、チャンネルごとにハードディスクの使用量がストリーム領域サイズに到達したら、一番古い録画データを消去して、消去した部分に新しく受信した番組データを書き込みことでもよい。また、ハードディスクの使用量がストリーム領域サイズに到達したら、一番古い録画データを消去することなく、一番古い録画データの部分から新しく受信した番組データを上書きすることでもよい。
【0016】
リモコン10は、受信装置1を制御するためのリモートコントローラーである。
【0017】
以下、受信装置1の構成の詳細を説明する。
【0018】
チューナ部11は、図示せぬアンテナやケーブルテレビ(CATV)のケーブルなどから放送波を受信し、デジタル放送の規格に応じて復調などの処理をして放送信号(デジタルデータ)を取得する。チューナ部11は、複数のチューナを備えていてもよく、図では2つのチューナ11-1、11-2を備える例を示している。チューナ11-1、11-2は、それぞれ異なるチャンネルを受信可能であり、チューナの数だけ複数のチャンネルの番組を同時に受信できる。
【0019】
基本処理部12は、デジタル放送の規格などに従って放送信号を処理するための基本機能であり、放送信号を分離するなどして符号化データや制御信号など各種デジタルデータを抽出するデマルチプレクシング処理機能や、誤り訂正符号復号処理、ACAS(登録商標)、B-CAS(登録商標)など暗号化されたデータを復号する暗号復号化処理などの機能を備えていてもよい。基本処理部12は、放送信号から抽出した符号化されたデータ(映像符号化データ、音声符号化データ、文字符号化データなどであり、符号化番組データと総称する場合もある)に対して復号化処理などを実施し、映像、音声、文字などの番組データ(デジタルコンテンツデータ)を出力する。また番組データには、番組データをコンテンツとしてモニタなどから出力するために必要な制御データなどのデータを含めてもよい。基本処理部12が取得した番組データは、出力部13のモニタに出力されユーザに提示されたり、記憶部16などに格納されたりすることでもよい。
【0020】
出力部13は、基本処理部12などが出力する番組データなどに基づいて番組などコンテンツやデータの出力タイミング、表示方法などを調整する制御機能や、コンテンツやデータなどを出力するモニタやスピーカなどの機能を備えることでもよい。
【0021】
制御部14は、受信装置1の各機能を制御する機能を備え、機能の全てもしくは一部がプログラムなどのソフトウェアとしてCPU上で動作することでもよい。また制御部14は、ソフトウェアの他、ハードウェアまたはそれらの組み合わせで動作することでもよい。具体的には、制御部14は、リモコン10などからインターフェース部15を介して各種制御信号を受信し、受信装置1の各機能を制御する。例えば、制御部14は、受信装置1の電源の入り切り(ON/OFF)や、チャンネル切替などの制御をすることでもよい。なお、
図1において、制御部14との間で特に結線をしていない機能ブロックとの間においてもデータのやり取りを行うことにしてもよい。また本実施形態の制御部14は、番組の録画再生に関する制御機能を備えている。
【0022】
録画処理部141は、ユーザなどからの再生要求に従って、記憶部16に格納された番組データや符号化番組データなどを再生することでもよい。本実施形態における録画処理部141は、トランスコーダなどが出力した符号化番組データの復号をする機能を備えることでもよく、復号した番組データ(映像、文字、音声など)を出力部13などに出力することでもよい。録画処理部141が出力した番組データは、出力部13に直接または基本処理部12などを介して入力されて、モニタやスピーカなどからコンテンツとして出力されることでもよい。
【0023】
設定記憶部142は、受信装置1に対する各種設定を記憶保存するメモリなどでもよい。
【0024】
録画管理部143は、記憶部16に格納されたデータの管理をすることでもよい。例えば、録画管理部143は、記憶部16に格納された記憶済みの番組データや符号化番組データなどのデータ量をカウントなどする番組データ量カウンタを備えてもよい。番組データ量カウンタはチューナ部11、チューナ部21の各チューナそれぞれに対応させて設置することでもよい。また録画管理部143は、受信装置1に対する各種設定に基づいて、各チャンネルそれぞれに対し、記憶部16におけるストリーム領域サイズなどを決定することでもよい。
【0025】
HDD制御部144は、記憶部16を制御するドライバーの機能を備えていてもよく、録画管理部143が決定したストリーム領域サイズに基づいて、論理領域(パーティション)などを作成し、記憶部16のシステム管理領域に格納することでもよい。
【0026】
チューナ制御部145は、受信装置1に対する各種設定に基づいて、チューナ部21などを制御する。
【0027】
インターフェース部15は、受信装置1が備える各種インターフェースを示し、外部装置、インターネット、リモコン10などとの各種インターフェースでもよい。具体的には、インターフェース部15は、High Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))、USB(USB HUB、USB―SATA Bridgeなども含めてもよい)、赤外線通信、イーサーネット(TCP/IP、UDP/IP)等、各種無線規格など任意のインターフェースを含むことでもよい。またインターフェース部15は、受信装置1内部の機能間の通信のインターフェースを含めてもよく、例えば、受信装置1に内蔵される内部記憶部161と制御部14のインターフェースとして、インターフェース部15に含まれるUSBインターフェースを用いることでもよい。インターフェース部15は、リモコン10のかわりとして図示せぬスマートフォンなどの端末からの制御信号を受信するインターフェースを有してもよい。
【0028】
記憶部16は、例えばHDDなどのメモリであってよい。特に、内部記憶部161は受信装置1に内蔵された記憶部を示し、外部記憶部162は受信装置1に接続された外部装置としての記憶部を示す。記憶部16は、例えばインターフェース部15のUSBを介して制御部14と通信することでもよい。
【0029】
チューナ部21は、チューナ部11と同様に複数のチューナ21-1、21-2、21-N1(N1は自然数)、21-N2(N2は自然数かつN2>N1)を備えていてもよく、各チューナの機能もチューナ部11と同様であってよい。ただし、チューナ部21においては、制御部14から指定されたチューナ(例えばチューナ21-1)が、指定されたチャンネルのデータを、指定された出力先(例えばトランスコーダ22-1)に出力する。特にチューナ部21は、全部録画する際に用いられるチューナとしてもよい。
【0030】
トランスコーダ部22は、チューナ部21から放送信号(デジタルデータ)を受信し、放送信号を処理して符号化番組データを取得し、番組データの符号化方法を変更するトランスコーダの機能を備えることでもよい。トランスコーダ部22は、放送信号を分離するなどして符号化番組データや制御信号など各種デジタルデータを抽出するデマルチプレクシング処理機能や、誤り訂正符号復号処理を備えていてもよい。またトランスコーダ部22は、ACAS、B-CASなど暗号化されたデータを復号する暗号復号化処理などの機能を備えていてもよい。トランスコーダ部22は、取得した放送信号の符号化番組データを一旦復号し、取得した復号データ(番組データに相当)に対して、制御部14などから指定された符号化方法で再度符号化を実施することでもよい。トランスコーダについては、一般的な技術であり、ここでは詳細の説明は省略する。トランスコーダ部22は、複数のトランスコーダ用のハードウェア(ICチップ、FPGAなども含んでもよい)、ソフトウェアもしくはそれらの組み合わせなど任意の構成でよく、
図1においては、2つのトランスコーダ(トランスコーダ22-1、22-2)による構成例を示している。またトランスコーダ22-1、22-2はそれぞれN1チャネル、N2-N1チャンネル分のトランスコーダ機能を備える例であり、最大で同時にN2チャンネル分のチューナからのデータを同時にトランスコードができることでもよい。N2チャンネル分のトランスコーダが対応できる符号化方法は、N2チャンネルでそれぞれ異なっていてもよいし、任意の組み合わせでもよい。また、チューナ部21の各チューナとそれらに接続されるトランスコーダ部22の各トランスコーダの組み合わせは1対1で固定させてもよいし、状況に応じて組み合わせを変更させることでもよい。
【0031】
なお上記したデジタル放送の規格は、例えば、2Kデジタル放送にて採用されているMPEG2 TS方式や、4K/8Kデジタル放送にて採用されているMPEG Media Tranport方式(MMT方式)などであってもよいが、特に限定されることはない。なお、チューナが複数ある場合、チューナにより異なる規格に対応していてもよい。
【0032】
以下、実施形態に係る受信装置の動作例を示す。
【0033】
(実施形態)
本実施形態においては、受信装置1にチャンネルごとにストリーム領域サイズを指定して全番組録画させる例について示す。
【0034】
図2は、実施形態に係る受信装置の制御部による録画設定時の処理例を示すフローチャートである。
【0035】
ユーザがリモコン10などを操作し、リモコン10が録画設定画面を表示させるための制御信号を送信すると、受信装置1の制御部14は制御信号を受信し、出力部13のモニタに録画設定画面を表示させる(ステップS101)。
【0036】
図3は、実施形態に係る受信装置の設定画面の例を示す図である。
【0037】
図3(a)の設定画面430は、出力部13に表示される全番組録画のための設定画面を示す。設定枠431は、全番組録画を実行するチャンネルを設定する設定枠を示し、ユーザがリモコン10などを用いて設定することでもよい。全番組録画を実行するユーザがリモコン10などを用いてチャンネル数は、例えば、
図1のチューナ部11及びチューナ部21が備えるチューナ数による。設定画面430においては、全番組録画専用チューナが5つ、全番組録画及び通常録画が可能なチューナが1つ、通常録画専用の可能なチューナが2つ備えられている場合の例である。
【0038】
設定枠432においては、全番組録画を実行するチャンネルに対する録画モードを設定することができる。録画モードとは、録画する番組データを表示する画面の画質のモードなどを示し、録画モードを選択することで番組データの符号化の方法すなわちトランスコードの方法などが決まる。各チャンネルの番組データに対するトランスコードの方法が決まるとビットレートすなわち録画データのデータ量などが決まる。
【0039】
表示枠433は、全番組録画を実行するチャンネルごとの視聴可能日数を表示する。視聴可能日数は、例えば、録画データのビットレートと、チャンネルに割り当てられたストリーム領域サイズから計算されることでもよい。
【0040】
設定枠434においては、全番組録画による録画データを内蔵ハードディスクへ格納可能な割合を設定することができる。この場合、例えば全番組録画による録画データを格納可能な内部記憶部161(内蔵ハードディスク)の容量と外部記憶部162(外付けハードディスク)の容量、すなわち内部記憶部161、外部記憶部162に割り当てられたストリーム領域の論理的な容量をそれぞれA、Bとすると、ユーザは、設定枠434にて設定する割合を、A+Bに対するAの割合としてA/(A+B)のように決定してもよい。例えば、A=0とすることで全番組録画による録画データを外部記憶部162に録画することができる。またA、Bの値を別途設定できることでもよい。
【0041】
設定枠435においては、全番組録画を実行する時間を設定することができる。設定枠436は「設定完了」を示すボタンを示し、ユーザがリモコン10などから「設定完了」ボタンを押下することで設定が反映され、例えば設定記憶部142に設定画面430の設定内容が格納されることでもよい。「設定完了」をリモコン10などから押下すると、設定画面430を閉じて、設定画面430の設定内容で全番組録画が開始されることでもよい。
【0042】
表示枠437は、放送信号に適用されているACAS、B-CAS、RMPなどの暗号復号化処理を示す。RMPは、Rights Management and Protectionの略であり、コンテンツ保護の方式を示す。
【0043】
表示枠438は、チューナのIDを示す。
【0044】
設定例4311は、ID1のチューナに対して、設定枠431において、チャンネル「地デジ001ch」、放送事業者名「Aテレビ放送」が設定され、設定枠432において、録画モードに「DRモード固定」が設定されている例である。設定例4312は、ID6のチューナに対して設定枠431において、チャンネル「地デジ006ch」、放送事業者名「Fテレビ放送」が設定され、設定枠432において、録画モードに「AVC中画質」が設定されている例である。設定例4313は、ID7のチューナに対して設定枠431が未設定の場合の例を示し、ID7のチューナが「通常録画用」であることを示す例である。
【0045】
図3(b)は、録画モードの選択画面の例を示す。例えば、
図3(a)の設定例4312における録画モード「AVC中画質」の部分がボタンになっていてもよく、ユーザがリモコン10などからボタンを押下すると、
図3(b)の選択画面が表示されることでもよい。
図3(b)の選択画面においては、コンテンツを録画する画質が画質の順に上から下に表示され、「DRモード」、「AVC最高画質」、「AVC高画質」、「AVC中画質」、「AVC低画質」などをユーザが選択できる例を示している。なお、上記DRモードは、最も高画質なモードを示し、基本処理部12が出力する放送信号で送信される番組データの符号化データを示す。また、AVCは、Advanced Video Codingの略であり、DRモードよりも高い圧縮率で符号化する方法である。
【0046】
図2に戻り、ユーザがリモコン10などを操作し、例えば
図3(a)のように録画設定画面に各種設定内容を入力すると、制御部14は、各種設定内容をワークメモリなどに格納する(ステップS102)。ユーザがリモコン10などを操作し「設定完了」ボタンを押下すると、制御部14が「設定完了」の制御信号を受信する(ステップS103)。制御部14は、「設定完了」の制御信号を受信すると、録画管理部143は、ステップS102で設定した各種設定に基づいて、記憶部16の割り当てをする(ステップS104)。ステップS104において録画管理部143は、例えば以下の式のように各チャンネルの番組データのストリーム(録画データや符号化された録画データなどに相当する)に割り当てるハードディスクのストリーム領域サイズ(書き込み可能データサイズ)を決定する。
チャンネルのストリーム領域サイズ
=ハードディスクのストリーム書き込み領域サイズ×(チャンネルの係数/総チャンネルの係数の合計値)
【0047】
図4は、実施形態に係る受信装置における録画モード及び係数の設定例であり、6つのチャンネルに録画モード及び係数を設定した場合の例である。なお
図4に示す数値は、
図3に示した設定内容とは異なる。録画モードは、DR(地デジ)、AVC(AF)、AVC(AN)、AVC(AS)、AVC(AL)、AVC(AE)の順に画質すなわち録画データ量(ビットレート)が高い。
図4の設定例において、例えば、記憶部16に割り当てられた全画面録画用の領域であるストリーム領域サイズを900GBとした場合に、各チャンネルのストリーム領域サイズは、各チャンネルに割り当てられた係数を用いて以下のように計算される。本実施形態における係数は、ユーザが選択した録画モードのビットレートの値がそのまま係数として設定される例である。
チャンネル001に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(17/(17+12+8+6+4+2))≒312GB
チャンネル002に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(12/(17+12+8+6+4+2))≒220GB
チャンネル003に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(8/(17+12+8+6+4+2))≒146GB
チャンネル004に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(6/(17+12+8+6+4+2))≒110GB
チャンネル005に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(4/(17+12+8+6+4+2))≒73GB
チャンネル006に対するストリーム領域サイズ
=900GB×(2/(17+12+8+6+4+2))≒36GB
【0048】
HDD制御部144は、例えばステップS104で算出したストリーム領域サイズで、チャンネルごとの論理領域(パーティション)を作成する(ステップS105)。またHDD制御部144は、論理領域などの情報を記憶部16上に格納することでもよい。以上の手順により、記憶部16にチャンネルごとのストリーム領域が設定される。
【0049】
図5は、実施形態に係る受信装置において各チャンネルに設定された領域の例を示す図であり、上記の手順により各チャンネルに対して決定したストリーム領域サイズに基づいて設定されたストリーム領域を示す。ストリーム領域1602から1607は、チャンネルごとに割り当てられたストリーム領域であり、録画モード「DR」、「AVC(AF)」、「AVC(AN)」、「AVC(AS)」、「AVC(AL)」、「AVC(AE)」の順にストリーム領域のサイズが小さくなることを示す。記憶部16においては、論理領域などの情報がシステム管理構成としてシステム管理領域1601に格納される。
【0050】
録画管理部143は、設定枠432の録画モードに基づいて、トランスコーダの割り当てを実施する(ステップS106)。ステップS106において録画管理部143は、設定された録画モード、DR(地デジ)、AVC(AF)、AVC(AN)、AVC(AS)、AVC(AL)、AVC(AE)などによって、トランスコーダによる変更後の符号化方法すなわちビットレートを決定し、トランスコーダ部22のN
2個のトランスコーダから対応するビットレートを実現するトランスコーダを割り当てる。割り当てられたトランスコーダは、
図3(a)のデータに紐づけて設定記憶部142に格納されることでもよい。
【0051】
図6は、実施形態に係る受信装置による録画時の制御部の処理例を示すフローチャートである。
【0052】
図2のフローにより、各チャンネルに対してストリーム領域が設定され、ユーザがリモコン10から設定枠436の「設定完了」ボタンを押下するなどすると、制御部14は、全番組録画が開始することでもよい(ステップS151)。全番組録画が開始されたときに、録画管理部143は、番組データ量カウンタのクリアが必要か否かを判断し、クリアの必要な場合は(ステップS152のYes)、番組データ量カウンタをクリア例えばカウンタを0にした後(ステップS153)、録画を開始するとともに録画したデータ量(録画データ量と称する)のカウントを開始する(ステップS154、S155)。ステップS152においては、例えば、番組データ量カウンタを初期化したり、番組データ量カウンタのカウンタ値が、対応するチャンネルに割り当てられた記憶部16のストリーム領域サイズに到達したりしている場合はクリアを必要と判断することでもよい。番組データ量カウンタのクリアが必要ない場合は(ステップS152のNo)、録画を開始するとともに前回までの番組データ量カウンタの値からカウントを開始する(ステップS154、S155)。ステップS154における受信装置1の録画データ格納の動作を以下に示す。
【0053】
チューナ部21の各チューナは、設定記憶部142などに保存された設定内容(
図3(a)に相当)に基づいて、それぞれ指定されたチャンネルの放送波の受信を開始する。各チューナの指定出力先であるトランスコーダ部22の各トランスコーダは、それぞれ各チューナから入力される放送信号を処理し符号化番組データを取得する。トランスコーダ部22の各トランスコーダは、符号化番組データを復号し、番組データを取得し、各トランスコーダに搭載された符号化方法により符号化することで、番組データの符号化方法を変更する。トランスコーダ部22が出力するトランスコーダ後の符号化番組データを、記憶部16に格納(録画)する。
【0054】
録画を継続し、番組データ量カウンタのカウント値が、割り当てられた記憶部16のストリーム領域サイズに到達した場合は(ステップS156のNo、S157のYes)、番組データ量カウンタのカウンタ値をクリアし(ステップS158)、録画を継続する。以降、ステップS155に戻り、割り当てられた記憶部16の領域にデータを上書きするなどして書き込んでいく。全番組録画が終了した場合(ステップS156のYes)、その時の番組データ量カウンタのカウンタ値をメモリなど記憶しておき、次に全番組録画する場合などに利用することでもよい(例えばステップS152のNo)。ステップS152からS160までの手順を、全ての番組データ量カウンタについて実施することで、各チューナまたはチャンネルごとに録画するデータの量を調整することができる。ステップS159のように記憶部16における同じストリーム領域を巡回的に利用することで、常に各チューナまたはチャンネルごとの番組の最新のデータが格納される。
【0055】
以上の手順により、受信装置1は、全番組録画において、録画するチャンネル全てに対する録画データ量を制御することができる。これにより、例えば
図4のように係数を割り振ることで、各チャンネルに対する録画データの表示画質が異なる場合においても、全チャンネルに対する録画時間を均等にすることができる。なお、本実施形態における係数は、録画モードのビットレートの値をそのまま設定値としたが、ユーザが例えばリモコン10などから係数として任意の値を設定することでもよい。例えば、特定のチャンネルの番組データは画質に関わらず、録画時間を長くしたい場合は、他のチャンネルの係数よりも大きな値に設定したり、録画時間を短くしたい場合は、他のチャンネルの係数よりも大きな値に設定したりすることでもよい。
【0056】
(変形例)
本変形例においては、受信装置1における全番組録画の変形例について示す。
【0057】
図7は、変形例に係る受信装置の設定画面の例を示す図である。
【0058】
設定枠451は、対象チャンネルに対して、実施形態に示した記憶部16のストリーム領域サイズを設定する方法を適用するか否かを設定するチェックボックスである。具体的にはユーザがリモコン10などから設定枠451のチェックボックスにチェックを入れて、「設定完了」ボタンを押下すると、実施形態で示したように、全番組録画の対象チャンネルに対して、記憶部16のストリーム領域サイズを設定することができる。一方、設定枠451のチェックボックスにチェックを入れずにユーザが「設定完了」ボタンを押下すると、記憶部16のストリーム領域サイズを設定せずに、全番組録画が実施される。
【0059】
設定枠452は、実施形態においてストリーム領域サイズを算出する際に用いた係数を、ユーザが例えばリモコン10などから設定するための設定枠である。各チューナ1から6に対して、係数として8、3、2、6、4、2を設定した例を示しており、例えば、設定例4511においては、チューナ1に対する設定枠452に「8」が設定された例を示している。録画モード、係数を設定した後に、「設定完了」ボタンを押下すると、実施形態で示したように、全番組録画の対象チャンネルに対して、記憶部16におけるストリーム領域サイズを設定することができる。
図3に示したように実施形態は、各チャンネルに対する視聴可能日数は、同じ日数として算出される例であったが、本変形例においては、表示設定枠453に示すように、設定した係数に対して算出され、異なった日数になる例である。
【0060】
表示設定枠453は、設定枠452に設定された係数に基づいて算出された視聴可能日数を表示することができ、各チューナ1から6に対して、1.0、0.4、0.4、2.3、1.5、0.8(それぞれ単位は日)が表示された例である。表示設定枠453の「視聴可能日数」と書かれた枠がボタンになっていてもよく、ユーザが押下すると、設定枠452に設定した係数に基づいて算出された視聴可能日数が表示されることでもよい。また表示設定枠453は、各チャンネルに対する「視聴可能日数」を設定できることでもよい。例えば、設定例4512においては、チューナ6に対する表示設定枠453に「0.8」が設定された例を示している。表示設定枠453において、視聴可能日数を設定し、例えば、設定枠451にチェックをいれ、「設定完了」を押下すると、録画管理部143が全番組録画の対象チャンネルに対して、視聴可能日数に応じたストリーム領域サイズを設定することでもよい。
【0061】
また実施形態は、各チャンネルに対して設定した録画モードで決定されるビットレートがそのまま係数に反映される例であったが、例えば録画モードと係数との関係を表す対応表を図示せぬメモリなどに記憶しておき、各チャンネルに対する録画モードを設定すると、制御部14が、対応表を用いて係数を取得し、また取得した係数に対応する視聴可能日数を算出し、設定枠452の係数、表示設定枠453の視聴可能日数に表示させることでもよい。また、制御部14が、録画モードと係数との関係について定義した任意の関数を用いて、対応表に相当するデータを作成することでもよい。
【0062】
また実施形態においては、全番組録画を実施する各チャンネルに対して、記憶部16におけるストリーム領域サイズを決定する方法を示したが、全番組録画に使用するチューナに対して記憶部16におけるストリーム領域サイズを決定することでもよい。この場合、例えば、異なるチューナで、同じチャンネルの番組を異なる録画モードで全番組録画する場合などに適用できる。
【0063】
以上に述べた少なくとも1つの実施形態によれば、録画時間を制御するための受信装置、録画方法およびプログラムを提供することができる。
【0064】
なお、図面に示した解析画面などに表示される条件パラメータやそれらに対する選択肢、値、評価指標などの名称や定義、種類などは、本実施形態において一例として示したものであり、本実施形態に示されるものに限定されるものではない。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
【0066】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。ブロック図においては、結線されていないブロック間もしくは、結線されていても矢印が示されていない方向に対してもデータや信号のやり取りを行う場合もある。フローチャートに示す処理は、ハードウェア(ICチップなど)もしくはソフトウェア(プログラムなど)もしくはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
1…受信装置、10…リモコン、11…チューナ部、12…基本処理部、13…出力部、14…制御部、15…インターフェース部、16…記憶部、21…チューナ部、22…トランスコーダ部、141…録画処理部、142…設定記憶部、143…録画管理部、144…HDD制御部、145…チューナ制御部、161…内部記憶部、162…外部記憶部。