(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】伸縮性の糸を作製するための方法および同糸から製造された布地
(51)【国際特許分類】
D02G 3/32 20060101AFI20240722BHJP
D03D 15/56 20210101ALI20240722BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20240722BHJP
D03D 15/40 20210101ALI20240722BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20240722BHJP
【FI】
D02G3/32
D03D15/56
D03D15/47
D03D15/40
A41D31/00 503C
(21)【出願番号】P 2021523182
(86)(22)【出願日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 IB2019057703
(87)【国際公開番号】W WO2020084359
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】102018000009805
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521173052
【氏名又は名称】カンディアーニ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カンディアーニ,アルベルト プリモ
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-065446(JP,A)
【文献】特開2012-087429(JP,A)
【文献】特開2000-064138(JP,A)
【文献】特開2004-011052(JP,A)
【文献】特開平06-248501(JP,A)
【文献】特開昭56-096916(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02236654(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0085473(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02G、D02J、D01H、D03D、A41D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性の糸(9)
の製造方法であって、前記
製造方法が、
(a)第1の供給源(10)を事前配置するステップaであって、前記第1の供給源(10)は100%天然繊維のロービング(1)が巻かれた第1のボビン(11)であり、前記ロービング(1)は0.1Nm~50Nmに設定された線密度を有する、ステップaと、
(b1)天然ゴムの平糸を提供するステップb1であって、前記平糸は以下の:
1,4-シス含有量が80%以上のポリイソプレン;
前記天然ゴム中の重量濃度が0.5%~3.0%に設定された硫黄である、加硫剤;
加硫促進剤及び加硫活性剤;
粘着防止剤;
酸化防止剤;及び
安定剤
を含む、ステップb1と、
(b2)前記平糸を縦方向に切断して弾性繊維(2)を形成するステップb2であって、前記弾性繊維(2)は50dtex~1000dtexに設定された線密度を有する、ステップb2と、
(b3)第2の供給源(20)を事前配置するステップb3であって、前記第2の供給源(20)は前記平糸を縦方向に切断して形成された前記弾性繊維(2)が巻かれた第2のボビン(21)である、ステップb3と、
(c)前記第1の供給源(10)から前記ロービング(1)を、第1の速度v
1
で延伸ユニット(30)に供給するステップcと、
(d)前記ステップcの前記ロービング(1)を、第2の速度v
3
>v
1
で、前記延伸ユニット(30)から延伸されたロービング(3)として取り出すステップdと、
(e)前記ステップb3の前記弾性繊維(2)を、前記第2の供給源(20)から巻出すステップeと、
(f)前記ステップeの前記弾性繊維(2)を、第3の速度v
2
で、重ね合わせユニット(40)に搬送するステップfと、
(g)前記ステップeの前記弾性繊維(2)及び前記ステップdの前記延伸されたロービング(3)を一緒に引っ張り、前記重ね合わせユニット(40)の下流側で、リング精紡ユニット(50)を用いて前記伸縮性の糸(9)のスプール(59)を作製するステップgと
を包含する製造方法。
【請求項2】
前記ステップaの前記天然繊維が、少なくとも50%の重量パーセントの綿を含む、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項3】
前記ステップaの前記ロービング(1)が、0.3~25Nmに設定された線密度を有する、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項4】
前記ステップb3の前記弾性
繊維(2)が、弾性フィラメントであって、100dtex~800dtexに設定された線密度を有する
弾性フィラメントを含む、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項5】
前記ステップb3の前記弾性
繊維(2)が、弾性フィラメント
であって、150dtex~500dtexに設定された線密度を有する
弾性フィラメントを含む、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項6】
前記ステップb1の前記ポリイソプレ
ンが、
-ヘベアブラジリエンシス、
-ヘベアギアネンシス
-ヘベアベンタミアナからなる群から選択される植物から得られる、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項7】
前記ステップb1の前記加硫剤が、1%~2.5%に設定された、前記天然ゴム中の重量濃度の硫黄である、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項8】
前記ステップb1の前記天然ゴムが、
-乾燥ゴムの重量に対して0.1~2%のチアゾール加硫促進剤、
-乾燥ゴムの重量に対して1~10%の脂肪酸を含む加硫活性剤、
-乾燥ゴムの重量に対して1~5%のタルクを含む粘着防止剤
からなる群から選択される重量比に従って、前記さらなる成分のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項9】
前記ステップb1の前記脂肪酸がステアリン酸である、請求項8に記載の
製造方法。
【請求項10】
前記ステップb1の前記硫黄が、硫黄原子ブリッジの形態で
前記ステップb3の前記弾性繊維(2)中に存在し、前記硫黄原子ブリッジの少なくとも95%が少なくとも4つの硫黄原子を含む、請求項1に記載の
製造方法。
【請求項11】
-緯糸配置、
-経糸配置、
-これらの組み合わせからなる群から選択される配置において、請求項1~10のいずれかに記載の
製造方法によって
作製された伸縮性の糸を含む
、伸縮性のデニム布
地の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細書
本発明は、コアスパン技術によって綿系の伸縮性の糸を作製するための方法に関し、またこのような伸縮性の糸から製造された伸縮性の布地にも関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、伸縮性の布地は幅広い用途に使用されている。具体的には、ユーザーの手足の動きを妨げず、または衣服自体を手足の動きに適合させ、これにより、快適な着心地を生み出す衣服が作製されている。この特徴は、下着、ならびにスポーツウェアおよびジムウェアで特に高く評価されているが、車に座ったり、歩いたり、いつであろうと関節を曲げたりするような日常生活の場面で評価されている。
【0003】
伸縮性の布地の特徴は、それらの製造に使用される伸縮性の糸の高い弾性に依存する。例えば、文献US2992150、US3380244、EP2145034、およびEP2638192は、リング精紡機などの紡績技術によって得られた弾性糸について説明しており、ここで、弾性糸は、合成または天然のステープル繊維(場合によっては綿で作製された)の塊を含む繊維シースによって囲まれている。
【0004】
例えば、EP2145034およびEP2638192で言及されている伸縮性のデニムタイプの布地は、長年にわたって高く評価されており、上記の利点および快適さをジーンズの衣服にまで拡張することができる。
【0005】
しかしながら、上述の伸縮性の糸を作製するために従来使用されている弾性糸は合成糸であり、特に上記の文献では、ポリウレタンまたはポリオレフィン材料に関するものである。このため、綿およびそのような弾性糸から作製された布地を使用して得られた物品は、自然な方法、例えば、堆肥を作ることによって、有利に処分することができない。さらに、合成糸は、そのような衣服を身に着けている一部の人々にアレルギーを引き起こす可能性がある。
【0006】
これらの欠点を軽減するために、合成糸に代わる解決策として、天然ゴムの使用があり得る。ただし、天然ゴム糸は、合成弾性糸よりもはるかに高い線密度で最も簡単に入手できるため、リング精紡またはオープンエンド紡績などの、現在好まれている紡績技術による伸縮性の糸の作製には使用できない。
【0007】
より低い線密度の弾性天然ゴム糸が最近提案されたが、それらは上記の紡績技術で使用されると破断する可能性が高いので、天然ゴムを含む伸縮性の糸は、非常に製造しにくく、および/または不経済である。いずれにせよ、天然ゴム弾性糸の破断を防ぐために伸縮性の糸の生産率を下げても、伸縮性の糸を使用して伸縮性の布地、特にデニムタイプの伸縮性の布地を製造する場合、弾性糸は破断してしまう可能性が高く、したがって、同様に作製するのが非常に困難および/または不経済になる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明は、弾性糸および綿系糸から伸縮性の糸を作製するための方法を提供することを目的とし、これにより、弾性糸として天然ゴムを使用し、したがって、上で要約したような周知の伸縮性の糸および布地の生産プロセスが抱える問題を克服することができる。
【0009】
別の特定の目的は、デニムタイプの布地を作製するのに適したそのような伸縮性の糸を提供することである。
【0010】
これらおよび他の目的は、添付の請求項1によって定義される方法によって達成される。本発明の例示的な特定の実施形態は、従属請求項によって定義される。このような目的はまた、請求項12によって定義されるような布地によって達成される。
【0011】
伸縮性の糸を作製するための方法は、
-100%天然繊維のロービングの供給源を事前配置するステップであって、ロービングが、0.1Nm~50Nm、好ましくは0.3Nm~25Nmに設定された線密度を有する、事前配置するステップと、
-弾性繊維の供給源を事前配置するステップと、
-ロービングを、第1の速度v1で延伸ユニットに供給するステップと、
-ロービングを、第2の速度v3>v1で延伸ユニットによって延伸されたロービングとして取り出すステップと、
-弾性繊維を巻出すステップと、
-弾性繊維を、第3の速度v2で重ね合わせユニットに搬送するステップと、
-重ね合わせユニットの下流側で、リング精紡ユニットによって、伸縮性の糸のスプールを作製することによって、弾性繊維および延伸されたロービングを一緒に引っ張るステップと、を含む。
本発明によれば、弾性繊維は、
-80%を超えるポリイソプレン1,4-シス含有量を有する天然ゴムと、
-以下のさらなる成分、つまり
-加硫剤であって、天然ゴム中の重量濃度が0.5%~3.0%に設定された硫黄である、加硫剤、
-加硫促進剤および加硫活性剤、
-粘着防止剤、
-酸化防止剤、
-安定剤、とを含み、
さらに、弾性繊維は、50dtex~1000dtex、好ましくは100dtex~800dtex、特に150dtex~500dtexに設定された線密度を有する弾性糸の形態の弾性繊維を得るように、天然ゴムの縦方向に切断された平糸から得られる。
【0012】
このように、上述の天然ゴム組成物によって、紡績時、または布地、特にデニム布地の作製に使用される場合のいずれかに、弾性繊維が破断しにくい綿系の伸縮性の糸が得られ得る。このようにして得られた伸縮性の糸は、天然ゴムと綿からなるので、従来技術の欠点を克服し、軽くて快適な伸縮性の布地を作製するのに適した線密度に達することを可能にし、しかも糸と布地の両方の製造中に弾性コアが頻繁に破断することを防止する。
【0013】
ポリイソプレン1,4-シスは、
-ヘベアブラジリエンシス、
-ヘベアギアネンシス
-ヘベアベンタミアナからなる群から選択される植物から得ることができる。
【0014】
有利なことに、加硫剤は、天然ゴム中で1%~2.5%に設定された重量濃度の硫黄である。
【0015】
天然ゴムが含むさらなる成分のうちの1つ以上は、以下に示される重量パーセントで存在することができる:
-乾燥ゴムの重量に対して0.1~2%のチアゾール加硫促進剤、
-乾燥ゴムの重量に対して1~10%の脂肪酸、特にステアリン酸を含む加硫活性剤、
-乾燥ゴムの重量に対して1~5%の粘着防止剤(タルクを含む)。
【0016】
特に、加硫剤は、硫黄原子ブリッジの形態で弾性繊維中に存在し、硫黄ブリッジの少なくとも95%は、少なくとも4つの硫黄原子を含む。
【0017】
上述のように製造された伸縮性の糸もまた本特許出願の範囲内にある。
【0018】
-緯糸配置、
-経糸配置、
-これらの組み合わせからなる群から選択される配置において、上述の伸縮性の糸を含む伸縮性のデニム布地もまた本特許出願の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、次に、本発明による伸縮性の糸を作製するための装置を概略的に示す添付の
図1を参照して、例示的であるが限定的ではない、その例示的な実施形態の以下の説明とともに示される。
【0020】
好ましい例示的な実施形態の説明
図1を参照すると、伸縮性の糸を作製するための方法は、ロービング1および弾性繊維2の供給源10、20をそれぞれ事前配置するステップを含む。ロービング1は、100%のその独自の組成による天然繊維から作製されている。例示的な実施形態では、ロービング1は、特に少なくとも50%の重量パーセントの綿を含み、0.1Nm~50Nm、好ましくは0.3Nm~25Nmに設定された線密度を有する。
【0021】
ロービング1および弾性繊維2の供給源10、20は、織物材料が中空または完全なコア12、22の周りに巻かれている、スプールまたはボビン11、21を含むことができる。特に、ロービングの供給源10のコア12は、回転軸13’を規定するシャフト13の周りに回転可能に配置されている。
【0022】
特に、
図1は、伸縮性の糸9を作製するための生産ユニット100を示しており、生産ユニットは、通常、複数の好ましくは同一のユニットとともに生産機械の一部であり、バー14を備え、バー14の上に、ロービング1のそれぞれのスプール11などが、シャフト13を介して取り付けられている。生産ユニット100はまた、それぞれの長手方向軸の周りに回転可能に配置され、かつスプールの回転および弾性繊維の巻出しを可能にするために、弾性繊維2の対応するスプールなどのためのクレードルを形成する、平行ロッド28、29も備える。この配置によって、伸縮性の糸9の複数のスプール51を同時に製造することができる。
【0023】
この方法はまた、弾性繊維2およびロービング1をそれぞれの延伸ユニット25、30に供給するステップを含む。
【0024】
特に、弾性繊維2の延伸ユニット25は、摩擦によって弾性繊維2を受け入れて引っ張るように、互いに対して逆回転し、互いに接触するように配置された一対のローラー26、27を備えることができる。このようにして、延伸ユニット25の動作により、弾性繊維2が繊維巻出し速度u1でスプール21から巻出され、スプール21がシャフト23および軸23’の周りを回転するようになる。ローラー26、27の回転速度は、延伸ユニット25を離れるときに弾性繊維2が延伸繊維速度u2で放出されるように調整することができる。
【0025】
ロービング1の延伸ユニット30は、ロービング1を巻出し速度v1で受け入れるように、かつロービング3を放出速度v3>v1で放出するように構成されており、この速度は、所定のロービング延伸率をもたらす。
【0026】
一実施形態では、
図1に示すように、延伸ユニット30は、摩擦によってロービング1を受け入れて引っ張るように、互いに対して逆回転し、互いに接触するように配置された一対の事前延伸ローラー31、32を備えることができる。このようにして、事前延伸ローラー31、32の動作により、ロービング1が、ロービング巻出し速度v1でスプール11から巻出され、スプール11がシャフト13および軸13’の周りを回転するようになる。事前延伸ローラー31、32の回転速度は、ロービング1が事前延伸速度v
2で事前延伸されたロービング1’として放出されるように調整することができる。
【0027】
さらに、延伸ユニット30は、ロービング1の繊維を開くように、すなわち、事前延伸ローラー31、32を離れてからもなお、事前延伸されたロービング1’の実質的に平坦な敷設構成にこれらの繊維を配置するように構成されている。
【0028】
ロービング1の延伸ユニット30は、2つのエンドレスウェブまたはベルト37、38を順に備える延伸装置39を含み、この場合、これらのエンドレスウェブは、互いに平行な回転駆動円筒33、34および35、36のそれぞれの対によってスライド可能に移動するように配置され、互いから所定の距離を置いて配置されている。エンドレスウェブ37、38は、
図1のように、ロービング1または場合によっては事前に延伸されたロービング1’を受け取り、平らにするために、互いにそのような最小距離をおいて互いに向き合うそれぞれの部分67、68を有し、その結果、延伸ユニット30を離れるときの延伸されたロービング3の繊維は、略平坦な配置を有する。対の円筒33、34および35、36の回転速度は、ロービングをさらに延伸するように選択され、これにより、延伸されたロービング3が得られる。
【0029】
より詳細には、円筒35、36は、円筒33、34に対して逆回転するように配置され、その結果、それぞれのウェブ37、38の相互に面する部分67、68は、互いに平行に、同じ方向に移動することができる。
【0030】
この方法はまた、延伸されたロービング3をロービング放出速度v3で取り出すステップと、弾性繊維2および延伸されたロービング3を重ね合わせユニット40に搬送するステップと、も含み、ここで弾性繊維2が、延伸されたロービング3の繊維の間に挿入される。この目的のために、好ましくは、重ね合わせユニット40は、一対のローラー41、42を備え、これらのローラーは、弾性繊維2および延伸されたロービング3を受け入れ、それらを製品8のより緊密な構造体に結合させるように、互いに対して逆回転して、互いに接触するように配置されている。
【0031】
上述の取り出しおよび搬送のステップは、伸縮性の糸9を受け入れるようにスプール59が配置された支持体58を備える、従来のリング精紡ユニット50によって、重ね合わせユニット40の下流側に形成される製品8を共に引っ張るステップによって駆動される。より詳細には、スプール59は、矢印56および57によって示されるように、長手方向軸55’の周り/長手方向軸55’に沿って回転可能およびスライド可能に配置され、モーター55によって駆動される。リング精紡ユニット50はまた、スプール59から所定の距離をおいて、好ましくはその軸55’に沿って配置され、かつ糸形成速度wで形成される製品8を受け入れるように構成された搬送オリフィス52を含み、製品8は、弾性繊維2と、延伸されたロービング3の繊維と、を備える。リング精紡ユニット50はまた、ガイド54に沿って所定の速度でその軸55’の周りを回転するように配置され、かつ形成される製品8を受け入れるようにも構成されたリング53を備え、その端部がスプールコア59に予備的に固定される。このように、リング53の回転により、形成される製品8は、スプールコア59に巻き付けられながら、同時に延伸され、撚られ、したがって、伸縮性の糸9のスプール51に集められ、ロービングの繊維が、形成される製品8の略平行な配置から伸縮性の糸9の最終的な相互に撚られた構成に変わる。
【0032】
同等の生産ユニットもまた、当業者によく知られているように提供することができる。
【0033】
本発明によれば、弾性繊維2は、80%を超えるポリイソプレン1,4-シス含有量を有する天然ゴムを含む。弾性繊維2はまた、さらなる成分も含んでおり、正確には、加硫剤と、加硫促進剤および加硫活性化剤と、粘着防止剤と、酸化防止剤と、安定化剤と、を含む。さらに、弾性繊維2は、50dtex~1000dtex、好ましくは100dtex~800dtex、特に150dtex~500dtexに設定された線密度を有する弾性フィラメントを得るように、天然ゴムの縦方向に切断された平糸から得られる。
【0034】
好ましくは、弾性繊維2のポリイソプレン1,4-シスは、ヘベアブラジリエンシス、ヘベアギアネンシス、ヘベアベンタミアナから選択された植物から得られる。
【0035】
有利には、加硫剤は、1%~2.5%に設定された重量濃度の硫黄である。
【0036】
好ましくは、天然ゴムは、
-乾燥ゴムの重量に対して0.1~2%のチアゾール加硫促進剤、
-乾燥ゴムの重量に対して1~10%の脂肪酸、特にステアリン酸を含む加硫活性剤、
-1~5%の粘着防止剤(タルクを含む)からなる群から選択される重量比に従って、さらなる成分のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
好ましくは、加硫剤は、弾性繊維2に硫黄原子ブリッジの形態で存在し、硫黄ブリッジの少なくとも85%は、少なくとも4つの硫黄原子を含む。
【0038】
また、緯糸配置と、経糸配置と、緯糸および経糸配置と、から選択される配置で上述の伸縮性の糸を含む伸縮性のデニム布地も本発明の範囲内にある。
【0039】
本発明の前述の説明の例示的な実施形態は、概念的な観点に従って本発明を完全に明らかにするであろうし、その結果、他の人が、現在の知識を適用することによって、さらなる研究なしに、かつ本発明から離れることなく、そのような実施形態を様々な用途のために修正および/または適合させることができ、したがって、そのような適合および修正は、特定の実施形態と同等であると見なされなければならないことを理解されたい。本明細書に記載の異なる機能を実現するための手段および材料は、この理由のために、本発明の分野から逸脱することなく、異なる性質を有することができる。本明細書で採用される表現または用語は、説明を目的とするものであり、限定するものではないことを理解されたい。