(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】商品検出方法および商品検出装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2021530218
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2019099052
(87)【国際公開番号】W WO2020107928
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】201811420721.2
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】林 金表
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2018/174080(JP,A1)
【文献】特開2022-43070(JP,A)
【文献】特開2018-206159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0357986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品検出方法であって、
ユーザによって新たに商品が取られる前にユーザによって最初に取られた商品および前記ユーザによって最初に取られた前記商品のうちの各商品の重量データを決定するステップと、
前記ユーザが
前記商品を新たに取った時刻から重力秤
の読み取り値が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データを取得するステップであって、前記重力秤が商品重量を検出するために使用される、ステップと、
前記重量増加時間間隔内の前記重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データを決定するステップと、
前記最大戻し重量データおよび各商品の前記重量データに従って前記ユーザによって最初に取られた各商品が戻されたかどうかを推定するステップと
を含
み、
前記ユーザによって最初に取られた特定の種類の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データよりも大きい場合、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品が戻されなかったと推定され、
前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データ以下である場合、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品が戻されたと推定される、
商品検出方法。
【請求項2】
前記ユーザによって最初に取られた特定の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データ以下であり、かつ前記ユーザが商品を新たに取った後に前記重力秤によって検出された前記重量データと前記重力秤が安定した後に前記重力秤によって検出された前記重量データとの差が前記ユーザによって最初に取られた前記商品の前記重量データと等しくない場合、前記ユーザによって最初に取られた前記商品が戻され、別の商品が前記ユーザによって新たに取られたと推定される、
請求項
1に記載の商品検出方法。
【請求項3】
前記最大重量データが、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、
前記最小重量データが、前記前の時点の前記重量データよりも小さく、前記次の時点の前記重量データよりも小さい、
請求項1に記載の商品検出方法。
【請求項4】
複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の前記最大重量データと前記最小重量データとの差が取得され、最大差が前記最大戻し重量データとみなされる、
請求項1に記載の商品検出方法。
【請求項5】
前記重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データが取得され、前記第2の時点が前記第1の時点よりも遅く、前記第1の時点に隣接しており、前記第1の時点の初期値が開始時点であり、前記開始時点の重量データが前記最小重量データであり、
前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも大きいかどうかが判断され、
前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも大きい場合、前記第1の時点の前記重量データおよび前記第2の時点の前記重量データが前記重量増加時間間隔内の重量データであり、
前記第2の時点が終了時点であるかどうかが判断され、前記終了時点である場合、前記第2の時点の前記重量データが前記最大重量データとみなされ、前記終了時点でない場合、前記第2の時点が次の期間における前記第1の時点とみなされ、前記第2の時点の次の時点が前記次の期間における前記第2の時点とみなされる、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の商品検出方法。
【請求項6】
前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも小さい場合、重量データドロップ数が、前記開始時点から前記第2の時点までのノイズ数閾値以上であるかどうかが判断され、前記ノイズ数閾値以上である場合、前記第2の時点が前記開始時点とみなされ、前記ノイズ数閾値以上でない場合、前記第2の時点が前記次の期間における前記第1の時点とみなされ、前記第2の時点の前記次の時点が前記次の期間における前記第2の時点とみなされる、
請求項
5に記載の商品検出方法。
【請求項7】
前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データと等しく、かつ前記第1の時点の前の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データより大きい場合、前記重量データドロップ数が、前記開始時点から前記第2の時点までの前記ノイズ数閾値よりも大きいかどうかが判断され、前記ノイズ数閾値よりも大きい場合、前記第2の時点が前記開始時点とみなされ、前記ノイズ数閾値よりも大きくない場合、前記第2の時点が前記次の期間における前記第1の時点とみなされ、前記第2の時点の前記次の時点が前記次の期間における前記第2の時点とみなされる、
請求項
6に記載の商品検出方法。
【請求項8】
商品検出装置であって、
ユーザによって新たに商品が取られる前に、ユーザによって最初に取られた商品および前記ユーザによって最初に取られた前記商品のうちの各商品の重量データを決定するように構成された、取られた商品データ決定部と、
前記ユーザが
前記商品を新たに取った時刻から重力秤
の読み取り値が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データを取得するように構成された重量データ取得部であって、前記重力秤が商品重量を検出するために使用される、重量データ取得部と、
前記重量増加時間間隔内の前記重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データを決定するように構成された、最大戻しデータ決定部と、
前記最大戻し重量データおよび各商品の前記重量データに従って前記ユーザによって最初に取られた各商品が戻されたかどうかを推定するように構成された、商品戻し推定部と
を含
み、
前記商品戻し推定部が、前記ユーザによって最初に取られた特定の種類の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データよりも大きい場合、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品が戻されなかったと推定し、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データ以下である場合、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の前記商品が戻されたと推定するように構成された、
商品検出装置。
【請求項9】
前記商品戻し推定部が、前記ユーザによって最初に取られた前記特定の種類の商品の前記重量データが前記最大戻し重量データ以下であり、かつ前記ユーザが商品を新たに取った後に前記重力秤によって検出された前記重量データと前記重力秤が安定した後に前記重力秤によって検出された前記重量データとの差が前記ユーザによって最初に取られた前記商品の前記重量データと等しくない場合、前記ユーザによって最初に取られた前記商品が戻され、別の商品が前記ユーザによって新たに取られたと推定するようにさらに構成された、
請求項
8に記載の商品検出装置。
【請求項10】
前記最大重量データが、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、前記最小重量データが、前記前の時点の前記重量データよりも小さく、前記次の時点の前記重量データよりも小さい、
請求項
8に記載の商品検出装置。
【請求項11】
前記最大戻しデータ決定部が、複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の前記最大重量データと前記最小重量データとの差を取得し、最大差を前記最大戻し重量データとみなすように構成された、
請求項
8に記載の商品検出装置。
【請求項12】
前記重量データ取得部が、前記重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データを取得し、前記第2の時点が前記第1の時点よりも遅く、前記第1の時点に隣接しており、前記第1の時点の初期値が開始時点であり、前記開始時点の重量データが前記最小重量データであり、前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも大きいかどうかを判断し、前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも大きい場合、前記第1の時点の前記重量データおよび前記第2の時点の前記重量データが前記重量増加時間間隔内の重量データであり、前記第2の時点が終了時点であるかどうかを判断し、前記終了時点である場合、前記第2の時点の前記重量データを前記最大重量データとみなし、前記終了時点でない場合、前記第2の時点を次の期間における前記第1の時点とみなし、前記第2の時点の次の時点を前記次の期間における前記第2の時点とみなすように構成された、
請求項
8から
11のいずれか一項に記載の商品検出装置。
【請求項13】
前記重量データ取得部が、前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも小さい場合、重量データドロップ数が、前記開始時点から前記第2の時点までのノイズ数閾値以上であるかどうかを判断し、前記ノイズ数閾値以上である場合、前記第2の時点を前記開始時点とみなし、前記ノイズ数閾値以上でない場合、前記第2の時点を前記次の期間における前記第1の時点とみなし、前記第2の時点の前記次の時点を前記次の期間における前記第2の時点とみなすように構成された、
請求項
12に記載の商品検出装置。
【請求項14】
前記重量データ取得部が、前記第2の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データと等しく、かつ前記第1の時点の前の時点の前記重量データが前記第1の時点の前記重量データよりも大きい場合、前記重量データドロップ数が、前記開始時点から前記第2の時点までの前記ノイズ数閾値よりも大きいかどうかを判断し、前記ノイズ数閾値よりも大きい場合、前記第2の時点を前記開始時点とみなし、前記ノイズ数閾値よりも大きくない場合、前記第2の時点を前記次の期間における前記第1の時点とみなし、前記第2の時点の前記次の時点を前記次の期間における前記第2の時点とみなすように構成された、
請求項
13に記載の商品検出装置。
【請求項15】
商品検出装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサとを含み、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された命令に基づいて請求項1から
7のいずれか一項に記載の商品検出方法を実行するように構成された、商品検出装置。
【請求項16】
プロセッサによって実行されるとき、請求項1から
7のいずれか一項に記載の商品検出方法を実行するコンピュータプログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月27日に出願された、中国特許出願第201811420721.2号に基づき、その優先権を主張するものであり、その開示は全体として本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、データ処理の分野に関し、特に、商品検出方法および商品検出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、市場では自動販売機が広く使用されており、支払手段に多少の進歩はあるものの、避けられない欠点を有する。例えば、顧客が商品を購入した後、自動販売機は、機械的機構によってそれ自体から商品を移送する必要があり、機械的機構は誤動作しやすく、その結果、自動販売機システム全体に悪影響を及ぼすことになる。加えて、既存の自動販売機を使用する顧客は、商品を購入する前に、のぞき窓を通して商品のサンプルまたは写真を見ることができるだけで、商品を目で見て選択することはできず、いったん商品を受け取ると、その選択を変更することはできず、その結果、顧客の買い物体験が不満足なものになる。
【0004】
今や、市場には、多数の新しい無人販売カウンタが出現しており、それらは顧客がカウンタドアを開けた後、あたかもスーパーマーケットにいるかのように商品を自ら選択することを可能にし、これらの無人販売カウンタは、RFID(Radio Frequency Identification、無線周波数識別)タグ、重力計算、画像認識などの技術的手段により、顧客によって購入された商品を計算し、顧客がドアを閉めた後でインテリジェントな決済を行うことができる。間違いなく、より良いユーザ体験、より小さいフロアスペース、およびより多くの科学技術の感覚を備えたこのような買い物方法が、将来の小売業界の主流になるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、商品検出方法が提供され、この方法は、ユーザによって取られた商品およびそれらの商品のうちの各商品の重量データを決定するステップと、ユーザが商品を取った時刻から重力秤が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データを取得するステップであって、重力秤が商品重量を検出するために使用される、ステップと、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データを決定するステップと、最大戻し重量データおよび各商品の重量データに従って各商品が戻されたかどうかを推定するステップと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、特定の商品の重量データが最大戻し重量データよりも大きい場合、その商品は戻されなかったと推定され、特定の商品の重量データが最大戻し重量データ以下である場合、その商品は戻されたと推定される。
【0007】
いくつかの実施形態では、特定の商品の重量データが最大戻し重量データ以下であり、かつユーザが商品を取った後に重力秤によって検出された重量データと重力秤が安定した後に重力秤によって検出された重量データとの差が商品の重量データと等しくない場合、その商品は戻され、別の商品がユーザによって取られたと推定される。
【0008】
いくつかの実施形態では、最大重量データは、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、最小重量データは、前の時点の重量データよりも小さく、次の時点の重量データよりも小さい。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の最大重量データと最小重量データとの差が取得され、最大差が最大戻し重量データとみなされる。
【0010】
いくつかの実施形態では、重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データが取得され、第2の時点は第1の時点よりも遅く、第1の時点に隣接しており、第1の時点の初期値は開始時点であり、その重量データは最小重量データであり、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きいかどうかが判断され、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データは重量増加時間間隔内の重量データであり、第2の時点が終了時点であるかどうかが判断され、終了時点である場合、第2の時点の重量データが最大重量データとみなされ、終了時点でない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも小さい場合、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値以上であるかどうかが判断され、ノイズ数閾値以上である場合、第2の時点が開始時点とみなされ、ノイズ数閾値以上でない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データと等しく、かつ第1の時点の前の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値よりも大きいかどうかが判断され、ノイズ数閾値よりも大きい場合、第2の時点が開始時点とみなされ、ノイズ数閾値よりも大きくない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0013】
本開示の別の態様によれば、商品検出装置がさらに提供され、この装置は、ユーザによって取られた商品およびそれらの商品のうちの各商品の重量データを決定するように構成された、取られた商品データ決定部と、ユーザが商品を取った時刻から重力秤が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データを取得するように構成された重量データ取得部であって、重力秤が商品重量を検出するために使用される、重量データ取得部と、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データを決定するように構成された、最大戻しデータ決定部と、最大戻し重量データおよび各商品の重量データに従って各商品が戻されたかどうかを推定するように構成された、商品戻し推定部と、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、商品戻し推定部は、特定の商品の重量データが最大戻し重量データよりも大きい場合、その商品は戻されなかったと推定し、特定の商品の重量データが最大戻し重量データ以下である場合、その商品は戻されたと推定する、ように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、商品戻し推定部は、特定の商品の重量データが最大戻し重量データ以下であり、かつユーザが商品を取った後に重力秤によって検出された重量データと重力秤が安定した後に重力秤によって検出された重量データとの差が商品の重量データと等しくない場合、その商品は戻され、別の商品がユーザによって取られたと推定する、ようにさらに構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、最大重量データは、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、最小重量データは、前の時点の重量データよりも小さく、次の時点の重量データよりも小さい。
【0017】
いくつかの実施形態では、最大戻しデータ決定部は、複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の最大重量データと最小重量データとの差を取得し、最大差を最大戻し重量データとみなす、ように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、重量データ取得部は、重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データを取得し、第2の時点が第1の時点よりも遅く、第1の時点に隣接しており、第1の時点の初期値が開始時点であり、その重量データが最小重量データであり、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きいかどうかを判断し、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データが重量増加時間間隔内の重量データであり、第2の時点が終了時点であるかどうかを判断し、終了時点である場合、第2の時点の重量データを最大重量データとみなし、終了時点でない場合、第2の時点を第1の時点とみなし、第2の時点の次の時点を第2の時点とみなす、ように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、重量データ取得部は、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも小さい場合、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値以上であるかどうかを判断し、ノイズ数閾値以上である場合、第2の時点を開始時点とみなし、ノイズ数閾値以上でない場合、第2の時点を第1の時点とみなし、第2の時点の次の時点を第2の時点とみなす、ように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、重量データ取得部は、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データと等しく、かつ第1の時点の前の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値よりも大きいかどうかを判断し、ノイズ数閾値よりも大きい場合、第2の時点を開始時点とみなし、ノイズ数閾値よりも大きくない場合、第2の時点を第1の時点とみなし、第2の時点の次の時点を第2の時点とみなす、ように構成される。
【0021】
本開示の別の態様によれば、商品検出装置がさらに提供され、この装置は、メモリと、メモリに結合されたプロセッサとを含み、プロセッサが、メモリに記憶された命令に基づいて上記のような商品検出方法を実行するように構成される。
【0022】
本開示の別の態様によれば、プロセッサによって実行されるとき、上記の商品検出方法を実行する、コンピュータプログラム命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体がさらに提供される。
【0023】
本開示の他の特徴およびそれらの利点は、添付の図面を参照して進められる、それらの例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0024】
添付の図面は、本明細書の一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、明細書の記述と相まって、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0025】
添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、本開示をより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】いくつかの実施形態による、ユーザが特定の商品を戻し、別の商品を取る間の重力変化のグラフである。
【
図2】別の実施形態による、ユーザが特定の商品を戻し、別の商品を取る間の重力変化のグラフである。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による商品検出方法の概略フロー図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による商品検出方法における最大戻し重量データの決定の概略フロー図である。
【
図5】本開示の一具体的実施形態による商品検出方法における最大戻し重量データの決定の概略フロー図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による商品検出装置の概略構造図である。
【
図7】本開示の別の実施形態による商品検出装置の概略構造図である。
【
図8】本開示のさらに別の実施形態による商品検出装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に本開示の様々な例示的な実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。これらの実施形態に記載される構成要素およびステップの相対的配置、数式および数値は、特に明記されない限り本開示の範囲を限定するものではない、ことに留意されたい。
【0028】
それと同時に、図面に示される様々な部分のサイズは、説明の便宜上、実際の縮尺で描かれていないことを理解されたい。
【0029】
少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、本質的に例示にすぎず、いかなる点においても本開示、その用途、または利用を限定することを意図されていない。
【0030】
当業者に公知の技術、方法、および装置は、詳細に論じられない場合もあるが、適切な場合には本明細書の一部であることが意図されている。
【0031】
本明細書で示され論じられるすべての例において、任意の特定の値は、限定ではなく例示にすぎないと解釈されるべきである。よって、例示的な実施形態の別の例は異なる値を有することができる。
【0032】
同様の参照番号および参照符号は以下の図面において同様の項目を指し示し、よって、項目がある図面で定義されると、その項目は以下の図面でさらに説明される必要がないことに留意されたい。
【0033】
本開示の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、本開示は、添付の図面を参照し、具体的実施形態に基づいて以下でさらに説明される。
【0034】
本出願人らは、ユーザが商品を取る/戻す過程において重力秤に圧力を加えること、および重力秤の安定性にも多少の時間を要するため、ユーザが商品を取る/戻す過程において重力秤の読み取り値が連続的に変化すること、を見出した。重力情報を使用する既存の無人販売カウンタは、重力秤が安定した後に重力秤によって検出された重力値のみを考慮し、ユーザによって取られた、または戻された商品の重量は、重力秤によって最初に検出された重力値と重力秤が安定した後に重力秤によって検出された重力値との差を使用して決定される。例えば、無人販売カウンタがすでに、ユーザが現在、商品Aおよび商品Bを取っていると計算しており、この時点で、重力秤の読み取り値が再度変化し、重力秤が安定した後、カウンタの増加重量が商品Aの重量と等しくなり、次いで、ユーザは商品Aを戻したとみなされる。しかしながら、関連する解決策は、重力秤によって最初に検出された重力情報および重力秤が安定した後に重力秤によって検出された重力情報のみを使用し、取る/戻す過程における重力情報を効果的に使用しない。
【0035】
いくつかの実施形態では、商品を戻した後に、ユーザがすぐに新しい商品を取る可能性がある。例えば、ユーザが商品Aおよび商品Bを取っており、商品Bの重量が商品Aの重量よりもずっと大きく、ユーザが商品Aを戻し、
重力秤が安定する前に商品Aよりも重い商品Cを取った場合、この時点の重力変化曲線が
図1に示されており、
重力秤によって最初に検出された重量値と
重力秤が安定した後に
重力秤によって検出された重量値との差は、商品Cと商品Aとの重量差に等しく、よって既存の解決策によれば、ユーザが商品Aを戻したかどうかは判断されることができない。新しい商品を取った後に、ユーザが前に取った商品を戻す可能性がある。例えば、ユーザがすでに商品Aおよび商品Bを取っており、商品Bの重量が商品Aの重量よりもずっと大きい場合に、ユーザがより軽い商品Dも取り、
重力秤が安定する前に商品Aを戻した場合、この時点の重力変化曲線が
図2に示されている。
重力秤によって最初に検出された重量値と
重力秤が安定した後に
重力秤によって検出された重量値との差は、商品Aと商品Dとの重量差に等しく、よって商品Aがユーザによって戻されたかどうかは判断されることができない。
【0036】
本開示によれば、重量増加時間間隔内の重量データを使用して、おそらくはユーザによって戻された商品の最大重量を決定することによって、取られた商品が戻されたかどうかが推定されることができ、よって、ユーザの購入品リストを計算するために無人販売カウンタは支援されることができる。本出願の解決策が、具体的実施形態を例として以下で説明される。
【0037】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による商品検出方法の概略フロー図である。
【0038】
ステップ310で、ユーザによって取られた商品および各商品の重量データが決定される。例えば、ユーザによって保管装置から取り出された商品および各商品の重量データが決定され、保管装置は、例えば、商品または物品を保管することができる、カウンタや棚などの装置である。いくつかの実施形態では、無人販売カウンタ内に商品A、商品B、商品C、商品D、商品Eがあり、各商品の重量データが知られており、ユーザがカウンタから商品Aおよび商品Bを取っている。
【0039】
ステップ320で、ユーザが商品を取った時刻から
重力秤が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データが取得され、
重力秤が、カウンタ内の残りの商品の重量を検出するために使用される。
図1の
重力秤によって検出されたデータに示されるように、商品Aおよび商品Bを取った後、ユーザは、
重力秤が安定する前に商品Aよりも重い商品Cも取った。あるいは、
図2の
重力秤によって検出されたデータに示されるように、より軽い商品Dを取った後、ユーザは、
重力秤が安定する前に商品Aを戻した。
図1から分かるように、重量増加時間間隔はt0からt1までの間隔であり、
図2から分かるように、重量増加時間間隔は、t6からt7までの間隔であり、重量増加時間間隔内の重量データは、t0からt1までの間隔またはt6からt7までの間隔に対応する重量データである。時間と重量との対応関係が、グラフまたはデータテーブル内の特定のデータとして提示されることができることが当業者には理解されるであろう。
【0040】
ステップ330で、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データが決定される。
図1に示されるように、最大重量データはG2であり、最小重量データはG1であり、最大戻し重量データはG2-G1である。
図2に示されるように、最大重量データはG5であり、最小重量データはG4であり、最大戻し重量データはG5-G4である。
【0041】
いくつかの実施形態では、最大重量データは、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、最小重量データは、前の時点の重量データよりも小さく、次の時点の重量データよりも小さい。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の最大重量データと最小重量データとの差が取得され、最大差が最大戻し重量データとみなされる。例えば、ユーザが何度も商品を取って戻しており、複数の重量増加時間間隔があり得る場合、各重量増加時間間隔内の最大重量データと最小重量データとの差が取得されるべきであり、最大差が最大戻し重量データとして取られるべきである。
【0043】
ステップ340で、最大戻し重量データおよび各商品の重量データに従って各商品が戻されたかどうかが推定される。例えば、取られた商品は1つずつ分析され、ユーザによって取られた商品Aについて、商品Aの重量が最大戻し重量よりも大きい場合、ユーザは商品Aを戻さなかったとみなされ、
図1に示されるように、商品Aの重量がG2-G1の値よりも大きい場合、ユーザが商品Aを戻さなかったことが示される。商品Aの重量が最大戻し重量以下である場合、ユーザは商品Aを戻した可能性があるとみなされる。
重力秤によって最初に検出された重量データと
重力秤が安定した後に
重力秤によって検出された重量データとの差が商品Aの重量データと等しくない場合、例えば、G1-G3の値が商品Aの重量データと等しくない場合、ユーザは商品Aを戻しながら別の商品を取った可能性があるとみなされる。
【0044】
いくつかの実施形態では、重量データだけに依拠すると、ユーザによって購入された商品を正確に推測することができない可能性があり、したがって、各商品が戻されたかどうかが推定された後に、他のデータが参照されて、商品が実際に戻されたかどうかを総合的に判断することができる。例えば、視覚データなどが参照されて、総合的判断を行うことができる。
【0045】
上記の実施形態では、最大戻し重量データが、ユーザが商品を取った時刻から重力秤が安定する時刻までの、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って決定され、次いで、各商品が戻されたかどうかを推定するために、最大戻し重量データが各商品の重量データと比較され、これにより、商品が戻されたかどうかの推定の精度を改善し、よって、ユーザによって購入された商品の計算の精度を改善する。
【0046】
本開示の一具体的実施形態では、重量データ変化の波形が、ユーザが商品を取る過程における重量データから構築されることができ、これが
図1および
図2に示されており、次いで、重量変化の波形に従って戻しパルスが見つけられ、戻しパルスは、重量変化の過程において単調に増加する波形の区間であり、これに対応する重量差が最大戻し重量である。
【0047】
いくつかの実施形態では、重力秤の検出に不一致の可能性があるため、単調増加規則に従わない所定数のノイズ点が許容され、例えば、単調増加規則に従わない1つまたは2つのノイズ点が許容される。
【0048】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による商品検出方法における最大戻し重量データの決定の概略フロー図である。
【0049】
ステップ410で、重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データが取得され、第2の時点が第1の時点よりも遅く、第1の時点に隣接しており、第1の時点の初期値が開始時点であり、その重量データが最小重量データである。ここで、第2の時点と第1の時点との差は、重力秤の検出精度を反映し、特定の実際の条件に従って設定することができる。
【0050】
ステップ420で、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きいかどうかが判断され、そうである場合、ステップ430が行われ、そうでない場合、ステップ440が行われる。
【0051】
ステップ430で、第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データは、重量増加時間間隔内の重量データである。
【0052】
ステップ431で、第2の時点が終了時点であるかどうかが判断され、そうである場合、ステップ432が行われ、そうでない場合、ステップ433が行われる。
【0053】
ステップ432で、第2の時点の重量データが最大重量データとみなされ、ステップ460が続いて行われる。
【0054】
ステップ433で、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされ、ステップ420が続いて行われる。
【0055】
ステップ440で、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも小さいかどうかが判断され、そうである場合、ステップ441が行われ、そうでない場合、ステップ450が行われる。
【0056】
ステップ441で、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値以上であるかどうかが判断され、そうである場合、ステップ442が行われ、そうでない場合、ステップ443が行われる。
【0057】
ステップ442で、第2の時点が開始時点とみなされ、ステップ420が再度行われる。
【0058】
ステップ443で、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされ、ステップ420が再度行われる。
【0059】
ステップ450で、第1の時点の前の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、重量データドロップ数が、開始時点から第2の時点までのノイズ数閾値よりも大きいかどうかが判断され、そうである場合、ステップ451が行われ、そうでない場合、ステップ452が行われる。ここで、ノイズ数閾値は、例えば、1または2である。
【0060】
ステップ451で、第2の時点が開始時点とみなされ、ステップ420が再度行われる。
【0061】
ステップ452で、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされ、ステップ420が再度行われる。
【0062】
ステップ460で、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差が、最大戻し重量データとみなされる。
【0063】
この実施形態では、隣接する時点の重量データを比較し、開始時点から第2の時点までの重量データドロップ数がノイズ数閾値よりも大きいかどうかを判断することによって、重量増加時間間隔内の重量データが決定されることができ、次いで最大戻し重量データが決定されることができ、これは、続いて、最大戻し重量データを各商品の重量データと比較することによって各商品がカウンタに戻されたかどうかを推定するのに好都合である。
【0064】
図5は、本開示の一具体的実施形態による商品検出方法における最大戻し重量データの決定の概略フロー図である。
【0065】
ステップ510で、重量変化の波形の各時点の重量データw0,w1,…,wnが取得される。
【0066】
ステップ520で、パルス開始点がis=0として記録され、初期最大戻し重量がout=0として記録され、初期ドロップ数がdt=0として記録され、最大ドロップ数がmdt=2として記録され、変化方向がws=0として記録され、カウンタがi=1として記録される。ここで、パルス開始点は重量増加時間間隔の開始点であり、変化方向ws=0は、波形方向が変更されないことを表し、ws=1は、波形方向が正であることを表し、ws=-1は、波形方向が負であることを表す。
【0067】
ステップ530で、wiがwi-1よりも大きいかどうかが判断され、そうである場合、波形は立ち上がり帯域にあり、ステップ540が行われ、そうでない場合、ステップ550が行われる。
【0068】
ステップ540で、dt>0の場合、ドロップ数がdt=dt-1に修正され、最大戻し重量がout=max(out,wi-wis)に更新され、波形変化方向がws=1として記録される。ステップ580が続いて行われる。
【0069】
ステップ550で、wiがwi-1よりも小さいかどうかが判断され、そうである場合、波形は立ち下がり帯域にあり、ステップ560が行われ、そうでない場合、ステップ570が行われる。
【0070】
ステップ560で、dt≧mdtの場合、ドロップ数がdt=dt+1として記録され、パルス開始点がis=iに再初期設定され、dt=0であり、波形変化方向がws=-1として記録される。ステップ580が続いて行われる。
【0071】
ステップ570で、ws=-1であり、波形は、この時点でまだ立ち下がり帯域にあるとみなされ、ステップ571が行われる。wi-wi-1の時点で、変化方向wsに従って処理が行われなければならない。
【0072】
ステップ571で、dt≧mdtの場合、ドロップ数がdt=dt+1として記録され、パルス開始がis=iに再初期設定され、dt=0であり、波形変化方向がws=-1として記録される。ステップ580が続いて行われる。
【0073】
ステップ580で、カウンタがi=i+1に更新される。
【0074】
ステップ590で、iがγi以下であるかどうかが判断され、そうである場合、ステップ530が行われ、そうでない場合、ステップ5100が行われる。
【0075】
ステップ5100で、outが最大戻し重量として出力される。
【0076】
上記の実施形態では、重量変化の波形の各時点の重量データに基づいて単調に増加する連続波形の区間が見つけられ、この波形では部分的に単調増加規則に従わないノイズ点が許容され、次いで、最大重量戻し値が出力され、これは、続いて、最大戻し重量値に基づいて商品がカウンタに戻されたかどうかを推定するのに好都合である。
【0077】
一具体的実施形態では、商品Aの重量が50gであり、商品Bの重量が100gであり、商品Cの重量が150gであると仮定すると、重力秤によって検出された重量値が50g増加される場合、1.ユーザが商品Aを戻した、2.ユーザが商品Bを戻し、商品Aを取った、3.ユーザが商品Cを戻し、商品Bを取った、4.ユーザが商品Cを戻し、2つの商品Aを取った、の4つの可能性がある。本開示に従って計算された最大戻し重量データが100g未満である場合、2番目、3番目、および4番目の可能性は除外されることができる。計算された最大戻し重量データが150g未満である場合、3番目および4番目の可能性は除外されることができる。
【0078】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による商品検出装置の概略構造図である。この商品検出装置は、取られた商品データ決定部610と、重量データ取得部620と、最大戻しデータ決定部630と、商品戻し推定部640とを含む。
【0079】
取られた商品データ決定部610は、ユーザによって取られた商品および各商品の重量データを決定するように構成される。例えば、ユーザによって保管装置から取り出された商品および各商品の重量データが決定され、保管装置は、例えば、商品または物品が保管されることができる、カウンタや棚などの装置である。いくつかの実施形態では、無人販売カウンタ内に商品A、商品B、商品C、商品D、商品Eがあり、各商品の重量データが知られており、ユーザがカウンタから商品Aおよび商品Bを取っている。
【0080】
重量データ取得部620は、ユーザが商品を取った時刻から
重力秤が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データを取得し、
重力秤がカウンタ内の商品重量を検出するために使用される、ように構成される。
図1の
重力秤によって検出されたデータに示されるように、ユーザは商品Aおよび商品Bを取り、次いで、
重力秤が安定する前に商品Aよりも重い商品Cを取ったか、または
図2の
重力秤によって検出されたデータに示されるように、ユーザはより軽い商品Dを取り、
重力秤が安定する前に商品Aを戻した。
図1から分かるように、重量増加時間間隔はt0からt1までの間隔であり、
図2から分かるように、重量増加時間間隔は、t6からt7までの間隔であり、重量増加時間間隔内の重量データは、t0からt1までの間隔またはt6からt7までの間隔に対応する重量データである。時間と重量との対応関係を、グラフまたはデータテーブル内の特定のデータとすることができることが当業者には理解されるであろう。
【0081】
いくつかの実施形態では、重力秤によって検出された第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データが取得され、第2の時点は第1の時点よりも遅く、第1の時点に隣接しており、第1の時点の初期値は開始時点であり、その重量データは最小重量データであり、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きいかどうかが判断され、第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、第1の時点の重量データおよび第2の時点の重量データは重量増加時間間隔内の重量データであり、第2の時点が終了時点であるかどうかが判断され、そうである場合、第2の時点の重量データが最大重量データとみなされ、そうでない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0082】
第2の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも小さい場合、開始時点から第2の時点までの重量データドロップ数がノイズ数閾値以上であるかどうかが判断され、そうである場合、第2の時点が開始時点とみなされ、そうでない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0083】
第2の時点の重量データが第1の時点の重量データと等しく、第1の時点の前の時点の重量データが第1の時点の重量データよりも大きい場合、開始時点から第2の時点までの重量データドロップ数がノイズ数閾値よりも大きいかどうかが判断され、そうである場合、第2の時点が開始時点とみなされ、そうでない場合、第2の時点が第1の時点とみなされ、第2の時点の次の時点が第2の時点とみなされる。
【0084】
最大戻しデータ決定部630は、重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って最大戻し重量データを決定するように構成される。
図1に示されるように、最大重量データはG2であり、最小重量データはG1であり、最大戻し重量データはG2-G1である。
図2に示されるように、最大重量データはG5であり、最小重量データはG4であり、最大戻し重量データはG5-G4である。
【0085】
いくつかの実施形態では、最大重量データは、前の時点の重量データよりも大きく、次の時点の重量データよりも大きく、最小重量データは、前の時点の重量データよりも小さく、次の時点の重量データよりも小さい。
【0086】
いくつかの実施形態では、複数の重量増加時間間隔がある場合、各重量増加時間間隔内の最大重量データと最小重量データとの差が取得され、最大差が最大戻し重量データとみなされる。
【0087】
商品戻し推定部640は、最大戻し重量データおよび各商品の重量データに従って各商品が戻されたかどうかを推定するように構成される。
【0088】
例えば、取られた商品は1つずつ分析され、ユーザによって取られた商品Aについて、商品Aの重量が最大戻し重量よりも大きい場合、商品Aはユーザによって戻されなかったとみなされ、
図1に示されるように、商品Aの重量がG2-G1の値よりも大きい場合、商品Aがユーザによって戻されなかったことが示され、そうでない場合、商品Aがユーザによって戻された可能性があるとみなされる。この時点で、ユーザが商品を取った後に
重力秤によって検出された重量データと
重力秤が安定した後に
重力秤によって検出された重量データとの差が商品Aの重量データと等しくない場合、例えば、G1-G3の値が商品Aの重量データと等しくない場合、ユーザは商品Aを戻しながら別の商品を取った可能性があるとみなされる。
【0089】
いくつかの実施形態では、重量データだけに依拠すると、ユーザによって購入された商品を正確に推測することができない可能性があり、したがって、各商品が戻されたかどうかが推定された後に、他のデータが参照されて、商品が実際に戻されたかどうかを総合的に判断することができる。例えば、視覚データなどが参照されて、総合的判断を行うことができる。
【0090】
この実施形態では、ユーザが商品を取った時刻から重力秤が安定する時刻までの重量増加時間間隔内の重量データの中の最大重量データと最小重量データとの差に従って、最大戻し重量データが決定され、次いで、各商品が戻されたかどうかを推定するために、最大戻し重量データが各商品の重量データと比較され、これにより、商品が戻されたかどうかの検出の精度を改善し、よって、ユーザによって購入された商品の計算を支援することができる。
【0091】
図7は、本開示の別の実施形態による商品検出装置の概略構造図である。この装置は、メモリ710と、プロセッサ720とを含み、メモリ710は、磁気ディスク、フラッシュメモリ、または任意の他の不揮発性記憶媒体とすることができる。メモリは、
図3から
図5に対応する実施形態の命令を記憶するように構成される。プロセッサ720は、メモリ710に結合され、マイクロプロセッサやマイクロコントローラなどの、1つまたは複数の集積回路として実装されることができる。プロセッサ720は、メモリに記憶された命令を実行するように構成される。
【0092】
いくつかの実施形態では、
図8に示されるように、装置800は、メモリ810と、プロセッサ820とを含む。プロセッサ820は、BUS830を介してメモリ810に結合される。装置800は、外部データを呼び出すために、記憶インターフェース840を介して外部記憶装置850に結合されることもでき、ネットワークインターフェース860を介してネットワークまたは別のコンピュータシステム(図示されていない)に結合されることもでき、これについては本明細書では詳述されない。
【0093】
この実施形態では、データ命令をメモリに記憶し、次いでプロセッサによって上記命令を処理することによって、商品が戻されたかどうかの検出の精度が改善されることができる。
【0094】
他の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体が、プロセッサによって実行されると、
図3から
図5に対応する実施形態の方法のステップを実施するコンピュータプログラム命令を記憶している。当業者には理解されるように、本開示の実施形態は、方法、装置、またはコンピュータプログラム製品として提供され得る。したがって、本開示は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態またはソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形を取り得る。さらに、本開示は、コンピュータ使用可能プログラムコードが具体化されている(ディスク記憶、CD-ROM、光記憶などを含むがこれに限定されない)1つまたは複数のコンピュータ使用可能非一時的記憶媒体上に実装されたコンピュータプログラム製品の形を取り得る。
【0095】
本開示は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図を参照して説明されている。フロー図および/またはブロック図の各フローおよび/またはブロック、ならびにフロー図および/またはブロック図内のフローおよび/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施されることができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、またはその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて機械を生成することができ、これにより、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行された命令は、フロー図の1つもしくは複数のフローおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能を実施する手段を作り出す。
【0096】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方法で動作するように誘導することができるコンピュータ可読メモリに記憶されることもでき、これにより、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フロー図の1つもしくは複数のフローおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能を実施する命令手段を含む製造品を生成する。
【0097】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置上にロードされて、コンピュータまたはその他のプログラム装置上で一連の動作ステップを行ってコンピュータ実装プロセスを生成するようにすることもでき、これにより、コンピュータまたはその他のプログラマブル装置上で実行された命令は、フロー図の1つもしくは複数のフローおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックに指定された機能を実施するためのステップを提供する。
【0098】
以上で、本開示が詳細に説明された。当分野で周知の一部の詳細は、本開示の概念を不明瞭にしないように記載されていない。当業者は、上記の説明を考慮して、本明細書に開示された技術的解決策をどのように実施するかをここで完全に理解することができる。
【0099】
本開示のいくつかの具体的実施形態が例として詳細に説明されたが、上記の例は例示のためのものにすぎず、本開示の範囲を限定するためのものではないことが当業者には理解されるはずである。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく上記の実施形態に改変が加えられることができることが当業者には理解されよう。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0100】
610 取られた商品データ決定部
620 重量データ取得部
630 最大戻しデータ決定部
640 商品戻し推定部
710 メモリ
720 プロセッサ
800 装置
810 メモリ
820 プロセッサ
830 BUS
840 記憶インターフェース
850 外部記憶装置
860 ネットワークインターフェース