(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/65 20230101AFI20240722BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240722BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20240722BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/173 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20240722BHJP
H10K 71/10 20230101ALI20240722BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240722BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H10K59/65
H10K50/10
H10K50/84
H10K50/86
H10K59/122
H10K59/173
H10K59/35
H10K59/35 351
H10K59/40
H10K71/10
G09F9/30 365
G09F9/00 366A
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2021531207
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(86)【国際出願番号】 IB2020055891
(87)【国際公開番号】W WO2021005434
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2019126333
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 太介
(72)【発明者】
【氏名】初見 亮
(72)【発明者】
【氏名】久保田 大介
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104409475(CN,A)
【文献】特開2013-073965(JP,A)
【文献】特開2007-081203(JP,A)
【文献】特表2019-514200(JP,A)
【文献】国際公開第2018/167835(WO,A1)
【文献】特開2009-224595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 59/65
H10K 59/122
H10K 59/173
H10K 59/35
H10K 59/40
H10K 50/10
H10K 50/84
H10K 50/86
H10K 71/10
G09F 9/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一画素に発光デバイスと、受光デバイスとを有する表示装置であって、
前記発光デバイスと、前記受光デバイスとは、第1の基板と第2の基板との間に挟まれて配置され、
前記第1の基板上の絶縁層と、
前記絶縁層上に接する領域を有し、且つ前記受光デバイスの画素電極としての機能を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層上に位置し、第1の有機化合物を有する活性層と、
前記絶縁層上に接する領域を有し、且つ前記発光デバイスの画素電極としての機能を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層上に位置し、且つ前記第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有する発光層と、
前記活性層を介して前記第1の導電層と重なる領域と、前記発光層を介して前記第2の導電層と重なる領域と、を有する第3の導電層と、
前記第2の基板と接する領域を有する樹脂層と、
前記第2の基板と接する領域と、前記樹脂層と接する領域と、を有する遮光層と、を有し、
前記第3の導電層は、前記受光デバイスの共通電極としての機能と、前記発光デバイスの共通電極としての機能とを有し、
前記表示装置の断面視において、前記遮光層は、前記第3の導電層と、前記樹脂層との間に位置する領域を有し、
前記樹脂層は、前記受光デバイスと重なる開口部を有し、且つ前記発光デバイスと重なる領域を有し、
前記遮光層は、前記受光デバイスと重なる開口部と、前記発光デバイスと重なる開口部を、を有する、表示装置。
【請求項2】
一画素に発光デバイスと、受光デバイスとを有する表示装置であって、
前記発光デバイスと、前記受光デバイスとは、第1の基板と第2の基板との間に挟まれて配置され、
前記第1の基板上の絶縁層と、
前記絶縁層上に接する領域を有し、且つ前記受光デバイスの画素電極としての機能を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層上に位置し、第1の有機化合物を有する活性層と、
前記絶縁層上に接する領域を有し、且つ前記発光デバイスの画素電極としての機能を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層上に位置し、且つ前記第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有する発光層と、
前記第1の導電層の上面の一部と接する領域と、前記第2の導電層の上面の一部と接する領域と、を有する隔壁と、
前記活性層を介して前記第1の導電層と重なる領域と、前記発光層を介して前記第2の導電層と重なる領域と、を有する第3の導電層と、
前記第2の基板と接する領域を有する樹脂層と、
前記第2の基板と接する領域と、前記樹脂層と接する領域と、を有する第1の遮光層と、を有し、
前記第3の導電層は、前記受光デバイスの共通電極としての機能と、前記発光デバイスの共通電極としての機能とを有し、
前記表示装置の断面視において、前記第1の遮光層は、前記第3の導電層と、前記樹脂層との間に位置する領域を有し、
前記樹脂層は、前記受光デバイスと重なる開口部を有し、且つ前記発光デバイスと重なる領域を有し、
前記第1の遮光層は、前記受光デバイスと重なる開口部と、前記発光デバイスと重なる開口部を、を有し、
前記隔壁は、平面視において、前記受光デバイスと前記発光デバイスとの間に位置する領域に開口部を有し、
前記隔壁の開口部に配置された第2の遮光層を有する、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2の遮光層は、前記隔壁の上面の少なくとも一部と接する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、表示モジュール、及び電子機器に関する。本発明の一態様は、受光デバイス(受光素子ともいう)と発光デバイス(発光素子ともいう)とを有する表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、表示装置は様々な用途への応用が期待されている。例えば、大型の表示装置の用途としては、家庭用のテレビジョン装置(テレビまたはテレビジョン受信機ともいう)、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、PID(Public Information Display)等が挙げられる。また、携帯情報端末として、タッチパネルを備えるスマートフォンやタブレット端末の開発が進められている。
【0004】
表示装置としては、例えば、発光デバイスを有する発光装置が開発されている。エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence、以下ELと記す)現象を利用した発光デバイス(ELデバイス、EL素子ともいう)は、薄型軽量化が容易である、入力信号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特徴を有し、表示装置に応用されている。例えば、特許文献1に、有機ELデバイス(有機EL素子ともいう)が適用された、可撓性を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一態様は、光検出機能を有する表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、利便性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、多機能の表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、表示品位の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、光検出の感度の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、表示装置に外付けする回路(外部回路ともいう)を簡略化することを課題の一とする。本発明の一態様は、新規な表示装置を提供することを課題の一とする。
【0007】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1の画素回路及び第2の画素回路を有し、第1の画素回路は、受光デバイス、第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタを有し、第2の画素回路は、発光デバイスを有し、受光デバイスは、第1の画素電極、活性層、及び共通電極を有し、発光デバイスは、第2の画素電極、発光層、及び共通電極を有し、活性層は、第1の画素電極上に位置し、かつ、第1の有機化合物を有し、発光層は、第2の画素電極上に位置し、かつ、第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有し、共通電極は、活性層を介して第1の画素電極と重なる部分と、発光層を介して第2の画素電極と重なる部分と、を有し、第1のトランジスタは、半導体層に低温ポリシリコンを有し、第2のトランジスタは、半導体層に金属酸化物を有する、表示装置である。
【0009】
本発明の一態様は、第1の画素回路及び第2の画素回路を有し、第1の画素回路は、受光デバイス、第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタを有し、第2の画素回路は、発光デバイスを有し、受光デバイスは、第1の画素電極、共通層、活性層、及び共通電極を有し、発光デバイスは、第2の画素電極、共通層、発光層、及び共通電極を有し、活性層は、第1の画素電極上に位置し、かつ、第1の有機化合物を有し、発光層は、第2の画素電極上に位置し、かつ、第1の有機化合物とは異なる第2の有機化合物を有し、共通電極は、活性層を介して第1の画素電極と重なる部分と、発光層を介して第2の画素電極と重なる部分と、を有し、共通層は、第1の画素電極上及び第2の画素電極上に位置し、かつ、共通層は、活性層と重なる部分と、発光層と重なる部分と、を有し、第1のトランジスタは、半導体層に低温ポリシリコンを有し、第2のトランジスタは、半導体層に金属酸化物を有する、表示装置である。
【0010】
共通層は、発光デバイスの正孔注入層として機能する層を有することが好ましい。
【0011】
共通層は、発光デバイスの正孔輸送層として機能する層を有することが好ましい。
【0012】
共通層は、発光デバイスの電子輸送層として機能する層を有することが好ましい。
【0013】
共通層は、発光デバイスの電子注入層として機能する層を有することが好ましい。
【0014】
第2の画素回路は、さらに、半導体層に低温ポリシリコンを有する第3のトランジスタを有することが好ましい。または、第2の画素回路は、さらに、半導体層に金属酸化物を有する第3のトランジスタを有することが好ましい。
【0015】
本発明の一態様の表示装置は、さらに、樹脂層、遮光層、及び基板を有することが好ましい。樹脂層及び遮光層は、それぞれ、共通電極と基板との間に位置することが好ましい。
【0016】
樹脂層は、受光デバイスと重なる開口を有することが好ましい。樹脂層は、発光デバイスと重なる部分を有することが好ましい。遮光層は、共通電極と樹脂層との間に位置する部分を有することが好ましい。遮光層は、開口の少なくとも一部、及び、開口にて露出している樹脂層の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0017】
または、樹脂層は、島状に設けられ、かつ、発光デバイスと重なる部分を有することが好ましい。遮光層は、共通電極と樹脂層との間に位置する部分を有することが好ましい。基板を通過した光の少なくとも一部は、樹脂層を介さずに、受光デバイスに入射することが好ましい。遮光層は、樹脂層の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0018】
本発明の一態様の表示装置は、さらに、接着層を有することが好ましい。接着層は、共通電極と基板との間に位置することが好ましい。樹脂層及び遮光層は、それぞれ、接着層と基板との間に位置することが好ましい。接着層は、受光デバイスと重なる第1の部分と、発光デバイスと重なる第2の部分と、を有することが好ましい。第1の部分は、第2の部分に比べて厚いことが好ましい。
【0019】
本発明の一態様の表示装置は、可撓性を有することが好ましい。
【0020】
本発明の一態様は、上記いずれかの構成の表示装置を有し、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit、以下、FPCと記す)もしくはTCP(Tape Carrier Package)等のコネクタが取り付けられたモジュール、またはCOG(Chip On Glass)方式もしくはCOF(Chip On Film)方式等により集積回路(IC)が実装されたモジュール等のモジュールである。
【0021】
本発明の一態様は、上記のモジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、カメラ、スピーカ、マイク、及び操作ボタンのうち少なくとも一つと、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様により、光検出機能を有する表示装置を提供できる。本発明の一態様により、利便性の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、多機能の表示装置を提供できる。本発明の一態様により、表示品位の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、光検出の感度の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、表示装置の外部回路を簡略化できる。本発明の一態様により、新規な表示装置を提供できる。
【0023】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0026】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0027】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0028】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について
図1~
図17を用いて説明する。
【0030】
本実施の形態の表示装置は、表示部に、受光デバイスと発光デバイスとを有する。本実施の形態の表示装置は、表示部に、発光デバイスがマトリクス状に配置されており、当該表示部で画像を表示することができる。また、当該表示部には、受光デバイスがマトリクス状に配置されており、表示部は、受光部としての機能も有する。受光部は、イメージセンサやタッチセンサに用いることができる。つまり、受光部で光を検出することで、画像を撮像することや、対象物(指やペンなど)の近接もしくは接触を検出することができる。さらに、本実施の形態の表示装置は、発光デバイスをセンサの光源として利用することができる。したがって、表示装置と別に受光部及び光源を設けなくてよく、電子機器の部品点数を削減することができる。
【0031】
本実施の形態の表示装置では、表示部が有する発光デバイスの発光を対象物が反射した際、受光デバイスがその反射光を検出できるため、暗い場所でも、撮像やタッチ(ニアタッチを含む)検出が可能である。
【0032】
本実施の形態の表示装置は、発光デバイスを用いて、画像を表示する機能を有する。つまり、発光デバイスは、表示デバイスとして機能する。
【0033】
発光デバイスとしては、OLED(Organic Light Emitting Diode)やQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)などのELデバイスを用いることが好ましい。ELデバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料など)、熱活性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence:TADF)材料)などが挙げられる。また、発光デバイスとして、マイクロLED(Light Emitting Diode)などのLEDを用いることもできる。
【0034】
本実施の形態の表示装置は、受光デバイスを用いて、光を検出する機能を有する。
【0035】
受光デバイスをイメージセンサに用いる場合、本実施の形態の表示装置は、受光デバイスを用いて、画像を撮像することができる。例えば、本実施の形態の表示装置は、スキャナとして用いることができる。
【0036】
例えば、イメージセンサを用いて、指紋、掌紋、または虹彩などのデータを取得することができる。つまり、本実施の形態の表示装置に、生体認証用センサを内蔵させることができる。表示装置が生体認証用センサを内蔵することで、表示装置とは別に生体認証用センサを設ける場合に比べて、電子機器の部品点数を少なくでき、電子機器の小型化及び軽量化が可能である。
【0037】
また、イメージセンサを用いて、ユーザーの表情、目の動き、または瞳孔径の変化などのデータを取得することができる。当該データを解析することで、ユーザーの心身の情報を取得することができる。当該情報をもとに表示及び音声の一方又は双方の出力内容を変化させることで、例えば、VR(Virtual Reality)向け機器、AR(Augmented Reality)向け機器、またはMR(Mixed Reality)向け機器において、ユーザーが機器を安全に使用できるよう図ることができる。
【0038】
また、受光デバイスをタッチセンサに用いる場合、本実施の形態の表示装置は、受光デバイスを用いて、対象物の近接または接触を検出することができる。
【0039】
受光デバイスとしては、例えば、pn型またはpin型のフォトダイオードを用いることができる。受光デバイスは、受光デバイスに入射する光を検出し電荷を発生させる光電変換デバイスとして機能する。入射する光量に基づき、発生する電荷量が決まる。
【0040】
特に、受光デバイスとして、有機化合物を含む層を有する有機フォトダイオードを用いることが好ましい。有機フォトダイオードは、薄型化、軽量化、及び大面積化が容易であり、また、形状及びデザインの自由度が高いため、様々な表示装置に適用できる。
【0041】
本発明の一態様では、発光デバイスとして有機ELデバイスを用い、受光デバイスとして有機フォトダイオードを用いる。有機ELデバイス及び有機フォトダイオードは、同一基板上に形成することができる。したがって、有機ELデバイスを用いた表示装置に有機フォトダイオードを内蔵することができる。
【0042】
有機ELデバイス及び有機フォトダイオードを構成する全ての層を作り分けようとすると、成膜工程が非常に多くなる。有機フォトダイオードは、有機ELデバイスと共通の構成にできる層が多いため、共通の構成にできる層は一括で成膜することで、成膜工程の増加を抑制することができる。また、成膜回数が同じであっても、一部のデバイスにのみ成膜される層を減らすことで、成膜パターンのズレの影響を低減すること、成膜マスク(メタルマスクなど)に付着したゴミ(パーティクルと呼ばれる小さな異物を含む)の影響を低減すること、などが可能となる。これにより、表示装置の作製の歩留まりを高めることができる。
【0043】
例えば、一対の電極のうち一方(共通電極)を、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることができる。また、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層の少なくとも一つを、受光デバイス及び発光デバイスで共通の層とすることが好ましい。また、例えば、受光デバイスの活性層と発光デバイスの発光層とを作り分け、それ以外の層は、発光デバイスと受光デバイスとで同一の構成にすることもできる。このように、受光デバイス及び発光デバイスが共通の層を有することで、成膜回数及びマスクの数を減らすことができ、表示装置の作製工程及び作製コストを削減することができる。
【0044】
なお、受光デバイス及び発光デバイスが共通で有する層は、受光デバイスにおける機能と発光デバイスにおける機能とが異なる場合がある。本明細書中では、発光デバイスにおける機能に基づいて構成要素を呼称する。例えば、正孔注入層は、発光デバイスにおいて正孔注入層として機能し、受光デバイスにおいて正孔輸送層として機能する。同様に、電子注入層は、発光デバイスにおいて電子注入層として機能し、受光デバイスにおいて電子輸送層として機能する。
【0045】
本発明の一態様の表示装置では、受光デバイスを有する画素回路及び発光デバイスを有する画素回路に含まれるトランジスタの全てに、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて小さく、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。また、OSトランジスタを用いることで、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0046】
または、本発明の一態様の表示装置では、受光デバイスを有する画素回路及び発光デバイスを有する画素回路に含まれるトランジスタ全てに、チャネルが形成される半導体層にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)を用いることが好ましい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン等が挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly-Silicon))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう)を用いることが好ましい。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が高く高速動作が可能である。
【0047】
さらに、LTPSトランジスタなどのSiトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0048】
または、本発明の一態様の表示装置では、受光デバイスを有する画素回路に、2種類のトランジスタを用いることが好ましい。具体的には、当該画素回路は、OSトランジスタと、LTPSトランジスタと、を有することが好ましい。トランジスタに求められる機能に応じて、半導体層の材料を変えることで、受光デバイスを有する画素回路の品質を高め、センシングや撮像の精度を高めることができる。このとき、発光デバイスを有する画素回路には、OSトランジスタ及びLTPSトランジスタのうち一方を用いてもよく、双方を用いてもよい。
【0049】
さらに、2種類のトランジスタを用いた場合でも、LTPSトランジスタを用いることで、CMOS回路で構成される各種回路を、表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0050】
本発明の一態様の表示装置の表示面では、発光デバイスからの発光が取り出され、かつ、受光デバイスに照射される光が通過する。表示装置は、発光デバイス及び受光デバイスよりも表示面側に、遮光層を有することが好ましい。発光デバイスからの発光は、遮光層の開口(または遮光層が設けられていない領域)を介して、表示装置の外部に取り出されることが好ましく、受光デバイスには、遮光層の開口(または遮光層が設けられていない領域)を介して、光が照射されることが好ましい。
【0051】
受光デバイスは、発光デバイスの発光が対象物によって反射された光を検出する。しかし、発光デバイスの発光が、表示装置内で反射され、対象物を介さずに、受光デバイスに入射されてしまう場合がある。このような迷光は光検出時にノイズとなり、S/N比(Signal-to-noise ratio)を低下させる要因となる。発光デバイス及び受光デバイスよりも表示面側に遮光層を設けることで、迷光の影響を抑制することができる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイスを用いたセンサの感度を高めることができる。
【0052】
遮光層が発光デバイスから近い位置にあるほど、表示装置内の発光デバイスの迷光を抑制し、センサの感度を高めることができる。また、遮光層が発光デバイスから近い位置にあるほど、斜め方向から表示装置を観察した際のコントラストの低下及び色度の変化を抑制でき、表示の視野角特性を良好にすることができる。一方で、遮光層が受光デバイスから遠い位置にあるほど、受光デバイスの撮像範囲の面積を狭くすることができ、撮像の解像度を高めることができる。
【0053】
そこで、本発明の一態様では、遮光層から受光デバイスまでの距離と、遮光層から発光デバイスまでの距離と、に差が生じるよう、遮光層を形成する面に構造物(例えば樹脂層)を設ける。構造物のレイアウト及び厚さを調整することで、遮光層から受光デバイスまでの距離を長くし、かつ、遮光層から発光デバイスまでの距離を短くすることができる。これにより、センサのノイズを低減しつつ、撮像の解像度を高め、かつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示装置における表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0054】
具体的には、本発明の一態様の表示装置は、さらに、樹脂層、遮光層、及び基板を有することが好ましい。樹脂層及び遮光層は、それぞれ、共通電極と基板との間に位置することが好ましい。
【0055】
発光デバイスが発する光の少なくとも一部は、樹脂層を介して、基板の外部に取り出される。基板を通過した光の少なくとも一部は、樹脂層を介さずに、受光デバイスに入射する。例えば、樹脂層は、受光デバイスと重なる開口を有する。または、樹脂層は、発光デバイスと重なる位置に島状に設けられる。
【0056】
樹脂層は、発光デバイスと重なる位置に設けられ、受光デバイスと重なる位置には設けられない。したがって、遮光層から発光デバイスまでの距離は、遮光層から受光デバイスまでの距離に比べて短くなる。これにより、表示装置における表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0057】
【0058】
図1Aに示す表示装置50Aは、基板51と基板59との間に、受光デバイスを有する層53と、発光デバイスを有する層57と、を有する。
【0059】
図1Bに示す表示装置50Bは、基板51と基板59との間に、受光デバイスを有する層53、トランジスタを有する層55、及び、発光デバイスを有する層57を有する。
【0060】
表示装置50A及び表示装置50Bは、発光デバイスを有する層57から、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の光が射出される構成である。
【0061】
本発明の一態様の表示装置は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。1つの画素は、1つ以上の副画素を有する。1つの副画素は、1つの発光デバイスを有する。例えば、画素には、副画素を3つ有する構成(R、G、Bの3色、または、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色など)、または、副画素を4つ有する構成(R、G、B、白色(W)の4色、または、R、G、B、Yの4色など)を適用できる。さらに、画素は、受光デバイスを有する。受光デバイスは、全ての画素に設けられていてもよく、一部の画素に設けられていてもよい。また、1つの画素が複数の受光デバイスを有していてもよい。
【0062】
トランジスタを有する層55は、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを有することが好ましい。第1のトランジスタは、受光デバイスと電気的に接続される。第2のトランジスタは、発光デバイスと電気的に接続される。
【0063】
本発明の一態様の表示装置は、表示装置に接触している指などの対象物を検出する機能を有していてもよい。例えば、
図1Cに示すように、発光デバイスを有する層57において発光デバイスが発した光を、表示装置50Bに接触した指52が反射することで、受光デバイスを有する層53における受光デバイスがその反射光を検出する。これにより、表示装置50Bに指52が接触したことを検出することができる。
【0064】
本発明の一態様の表示装置は、
図1Dに示すように、表示装置50Bに近接している(接触していない)対象物を検出または撮像する機能を有していてもよい。
【0065】
【0066】
図1E~
図1Gに示す画素は、R、G、Bの3つの副画素(3つの発光デバイス)と、受光デバイスPDと、を有する。
図1Eは、2×2のマトリクス状に、3つの副画素と受光デバイスPDとが配置されている例であり、
図1Fは、横1列に、3つの副画素と受光デバイスPDとが配置されている例である。
図1Gは、横1列に3つの副画素が配置され、その下に受光デバイスPDが配置されている例である。なお、
図1E~
図1Gに示す画素は、それぞれ、表示に用いる3つの副画素と、光検出に用いる1つの副画素と、の4つの副画素で構成されているということもできる。
【0067】
図1Hに示す画素は、R、G、B、Wの4つの副画素(4つの発光デバイス)と、受光デバイスPDと、を有する。
【0068】
図1Iに示す画素は、R、G、Bの3つの副画素と、赤外光を発する発光デバイスIRと、受光デバイスPDとを有する。このとき、受光デバイスPDは、赤外光を検出する機能を有することが好ましい。受光デバイスPDは、可視光及び赤外光の双方を検出する機能を有していてもよい。センサの用途に応じて、受光デバイスPDが検出する光の波長を決定することができる。
【0069】
以下では、
図2~
図12を用いて、本発明の一態様の表示装置が有する発光デバイス及び受光デバイスの、詳細な構成について説明する。
【0070】
本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されている基板とは反対方向に光を射出するトップエミッション型、発光デバイスが形成されている基板側に光を射出するボトムエミッション型、両面に光を射出するデュアルエミッション型のいずれであってもよい。
【0071】
図2~
図12では、トップエミッション型の表示装置を例に挙げて説明する。
【0072】
なお、本実施の形態では、主に、可視光を発する発光デバイスと、可視光を検出する受光デバイスと、を有する表示装置について説明するが、表示装置は、さらに、赤外光を発する発光デバイスを有していてもよい。また、受光デバイスは、赤外光を検出する構成、または、可視光及び赤外光の双方を検出する構成であってもよい。
【0073】
[表示装置10]
図2に表示装置10の断面図を示す。
【0074】
表示装置10は、受光デバイス110及び発光デバイス190を有する。
【0075】
発光デバイス190は、画素電極191、バッファ層192、発光層193、バッファ層194、及び共通電極115を有する。発光層193は、有機化合物を有する。発光デバイス190は、可視光を発する機能を有する。なお、表示装置10は、さらに、赤外光を発する機能を有する発光デバイスを有していてもよい。本実施の形態では、画素電極191が陽極として機能し、共通電極115が陰極として機能する場合を例に挙げて説明する。
【0076】
受光デバイス110は、画素電極181、バッファ層182、活性層183、バッファ層184、及び共通電極115を有する。活性層183は、有機化合物を有する。受光デバイス110は、可視光を検出する機能を有する。なお、受光デバイス110は、さらに、赤外光を検出する機能を有していてもよい。本実施の形態では、発光デバイス190と揃えて、画素電極181が陽極として機能し、共通電極115が陰極として機能するものとして説明する。つまり、受光デバイス110を、画素電極181と共通電極115との間に逆バイアスをかけて駆動することで、表示装置10は、受光デバイス110に入射する光を検出し、電荷を発生させ、電流として取り出すことができる。
【0077】
画素電極181、画素電極191、バッファ層182、バッファ層192、活性層183、発光層193、バッファ層184、バッファ層194、及び共通電極115は、それぞれ、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0078】
画素電極181及び画素電極191は、絶縁層214上に位置する。画素電極181と画素電極191は、同一の材料及び同一の工程で形成することができる。画素電極181の端部及び画素電極191の端部は、それぞれ、隔壁216によって覆われている。画素電極181と画素電極191とは隔壁216によって互いに電気的に絶縁されている(電気的に分離されている、ともいう)。
【0079】
隔壁216としては、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。隔壁216は、可視光を透過する層である。詳細は後述するが、隔壁216のかわりに、可視光を遮る隔壁217を設けてもよい。
【0080】
バッファ層182は、画素電極181上に位置する。活性層183は、バッファ層182を介して、画素電極181と重なる。バッファ層184は、活性層183上に位置する。活性層183は、バッファ層184を介して、共通電極115と重なる。バッファ層182は、正孔輸送層を有することができる。バッファ層184は、電子輸送層を有することができる。
【0081】
バッファ層192は、画素電極191上に位置する。発光層193は、バッファ層192を介して、画素電極191と重なる。バッファ層194は、発光層193上に位置する。発光層193は、バッファ層194を介して、共通電極115と重なる。バッファ層192は、正孔注入層及び正孔輸送層の一方または双方を有することができる。バッファ層194は、電子注入層及び電子輸送層の一方または双方を有することができる。
【0082】
共通電極115は、受光デバイス110と発光デバイス190に共通で用いられる層である。
【0083】
受光デバイス110及び発光デバイス190が有する一対の電極の材料及び膜厚等は等しくすることができる。これにより、表示装置の作製コストの削減及び作製工程の簡略化ができる。
【0084】
表示装置10は、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受光デバイス110、発光デバイス190、トランジスタ41、及びトランジスタ42等を有する。
【0085】
受光デバイス110において、それぞれ画素電極181及び共通電極115の間に位置するバッファ層182、活性層183、及びバッファ層184は、有機層(有機化合物を含む層)ということもできる。画素電極181は可視光を反射する機能を有することが好ましい。共通電極115は可視光を透過する機能を有する。なお、受光デバイス110が赤外光を検出する構成である場合、共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。さらに、画素電極181は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。
【0086】
受光デバイス110は、光を検出する機能を有する。具体的には、受光デバイス110は、表示装置10の外部から入射される光22を受光し、電気信号に変換する、光電変換デバイスである。光22は、発光デバイス190の発光を対象物が反射した光ということもできる。また、光22は、後述するレンズを介して受光デバイス110に入射してもよい。
【0087】
発光デバイス190において、それぞれ画素電極191及び共通電極115の間に位置するバッファ層192、発光層193、及びバッファ層194は、EL層ということもできる。画素電極191は可視光を反射する機能を有することが好ましい。共通電極115は可視光を透過する機能を有する。なお、表示装置10が、赤外光を発する発光デバイスを有する構成である場合、共通電極115は赤外光を透過する機能を有する。さらに、画素電極191は赤外光を反射する機能を有することが好ましい。
【0088】
本実施の形態の表示装置が有する発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスがマイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
【0089】
なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。本明細書等では、それぞれ、半透過・半反射電極の一部として機能する、反射電極を画素電極または共通電極と記し、透明電極を光学調整層と記すことがあるが、透明電極(光学調整層)も、画素電極または共通電極としての機能を有するといえることがある。
【0090】
透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過率が40%以上である電極を用いることが好ましい。また、半透過・半反射電極の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。なお、表示装置に、近赤外光を発する発光デバイスを用いる場合、これらの電極の近赤外光(波長750nm以上1300nm以下の光)の透過率、反射率も上記数値範囲であることが好ましい。
【0091】
バッファ層192またはバッファ層194は、光学調整層としての機能を有していてもよい。バッファ層192またはバッファ層194の膜厚を異ならせることで、各発光デバイスにおいて、特定の色の光を強めて取り出すことができる。なお、半透過・半反射電極が、反射電極と透明電極との積層構造の場合、一対の電極間の光学距離とは、一対の反射電極間の光学距離を示す。
【0092】
発光デバイス190は、可視光を発する機能を有する。具体的には、発光デバイス190は、画素電極191と共通電極115との間に電圧を印加することで、基板152側に光を射出する電界発光デバイスである(発光21参照)。
【0093】
発光層193は、受光デバイス110と重ならないように形成されることが好ましい。これにより、発光層193が光22を吸収することを抑制でき、受光デバイス110に照射される光量を多くすることができる。
【0094】
画素電極181は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ41が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0095】
画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ42が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。トランジスタ42は、発光デバイス190の駆動を制御する機能を有する。
【0096】
トランジスタ41とトランジスタ42とは、同一の層(
図2では基板151)上に接している。
【0097】
受光デバイス110と電気的に接続される回路の少なくとも一部は、発光デバイス190と電気的に接続される回路と同一の材料及び同一の工程で形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができ、また、作製工程を簡略化できる。
【0098】
受光デバイス110及び発光デバイス190は、それぞれ、保護層116に覆われていることが好ましい。
図2では、保護層116が、共通電極115上に接して設けられている。保護層116を設けることで、受光デバイス110及び発光デバイス190に水などの不純物が入り込むことを抑制し、受光デバイス110及び発光デバイス190の信頼性を高めることができる。また、接着層142によって、保護層116と基板152とが貼り合わされている。
【0099】
基板152の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190と重なる位置、及び、受光デバイス110と重なる位置に開口を有する。なお、本明細書等において、発光デバイス190と重なる位置とは、具体的には、発光デバイス190の発光領域と重なる位置を指す。同様に、受光デバイス110と重なる位置とは、具体的には、受光デバイス110の受光領域と重なる位置を指す。
【0100】
ここで、発光デバイス190の発光が対象物によって反射された光を受光デバイス110は検出する。しかし、発光デバイス190の発光が、表示装置10内で反射され、対象物を介さずに、受光デバイス110に入射されてしまう場合がある。遮光層158は、このような迷光の影響を抑制することができる。例えば、遮光層158が設けられていない場合、発光デバイス190が発した光23は、基板152で反射され、反射光24が受光デバイス110に入射することがある。遮光層158を設けることで、反射光24が受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0101】
遮光層158としては、発光デバイスからの発光を遮る材料を用いることができる。遮光層158は、可視光を吸収することが好ましい。遮光層158として、例えば、金属材料、又は、顔料(カーボンブラックなど)もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。遮光層158は、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、及び青色のカラーフィルタの積層構造であってもよい。
【0102】
[表示装置10A]
図3Aに表示装置10Aの断面図を示す。なお、以降の表示装置の説明において、先に説明した表示装置と同様の構成については、説明を省略することがある。
【0103】
表示装置10Aは、樹脂層159を有する点で、表示装置10と異なる。
【0104】
樹脂層159は、基板152の基板151側の面に設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190と重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。
【0105】
樹脂層159は、例えば、
図3Bに示すように、発光デバイス190と重なる位置に設けられ、かつ、受光デバイス110と重なる位置に開口159pを有する構成とすることができる。または、樹脂層159は、例えば、
図3Cに示すように、発光デバイス190と重なる位置に島状に設けられ、かつ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない構成とすることができる。
【0106】
基板152の基板151側の面及び樹脂層159の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190と重なる位置、及び、受光デバイス110と重なる位置に開口を有する。
【0107】
例えば、遮光層158は、樹脂層159を通過し基板152の基板151側の面で反射した迷光23aを吸収することができる。また、遮光層158は、樹脂層159に届く前に迷光23bを吸収することができる。これにより、受光デバイス110に入射する迷光を低減することができる。したがって、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。特に、遮光層158が発光デバイス190から近い位置にあると、迷光をより低減できるため好ましい。また、遮光層158が発光デバイス190から近い位置にあると、表示の視野角依存性を抑制できるため、表示品位の向上の観点からも好ましい。
【0108】
また、遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。遮光層158が受光デバイス110から離れた位置にあると、撮像範囲が狭くなり、撮像の解像度を高めることができる。
【0109】
樹脂層159が開口を有する場合、遮光層158は、当該開口の少なくとも一部、及び当該開口にて露出している樹脂層159の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0110】
樹脂層159が島状に設けられている場合、遮光層158は、樹脂層159の側面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0111】
このように、樹脂層159の形状に沿って遮光層158が設けられるため、遮光層158から発光デバイス190(具体的には、発光デバイス190の発光領域)までの距離は、遮光層158から受光デバイス110(具体的には、受光デバイス110の受光領域)までの距離に比べて短くなる。これにより、センサのノイズを低減しつつ、撮像の解像度を高め、かつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示装置における表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0112】
樹脂層159は、発光デバイス190の発光を透過する層である。樹脂層159の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。なお、基板152と遮光層158との間に設ける構造物は、樹脂層に限定されず、無機絶縁膜などを用いてもよい。当該構造物の厚さが厚いほど、遮光層から受光デバイスまでの距離と、遮光層から発光デバイスまでの距離と、に差が生じる。樹脂などの有機絶縁膜は厚く形成することが容易であるため、当該構造物として好適である。
【0113】
遮光層158から受光デバイス110までの距離と、遮光層158から発光デバイス190までの距離と、を比較するために、例えば、遮光層158の受光デバイス110側の端部から共通電極115までの最短距離L1と、遮光層158の発光デバイス190側の端部から共通電極115までの最短距離L2と、を用いることができる。最短距離L1に比べて、最短距離L2が短いことで、発光デバイス190からの迷光を抑制し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。また、表示の視野角依存性を抑制することができる。最短距離L2に比べて、最短距離L1が長いことで、受光デバイス110の撮像範囲を狭くすることができ、撮像の解像度を高めることができる。
【0114】
また、接着層142における、発光デバイス190と重なる部分に比べて、受光デバイス110と重なる部分が厚い構成とすることでも、遮光層158から受光デバイス110までの距離と、遮光層158から発光デバイス190までの距離と、に差を生じさせることができる。
【0115】
[表示装置10B]
図4Aに表示装置10Bの断面図を示す。
【0116】
表示装置10Bは、バッファ層182及びバッファ層192を有さず、共通層112を有する点で、表示装置10Aと異なる。
【0117】
共通層112は、隔壁216上、画素電極181上、及び画素電極191上に位置する。共通層112は、受光デバイス110及び発光デバイス190に共通で用いられる層である。共通層112は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0118】
共通層112としては、例えば、正孔注入層及び正孔輸送層の一方または双方を形成することができる。共通層112は、発光デバイス190における機能と受光デバイス110における機能とが異なる場合がある。例えば、共通層112が正孔注入層を有するとき、当該正孔注入層は、発光デバイス190において正孔注入層として機能し、受光デバイス110において正孔輸送層として機能する。
【0119】
活性層及び発光層以外の層のうち少なくとも一部を、受光デバイスと発光デバイスとで互いに共通の構成とすることで、表示装置の作製工程を削減でき、好ましい。
【0120】
[表示装置10C]
図4Bに表示装置10Cの断面図を示す。
【0121】
表示装置10Cは、バッファ層184及びバッファ層194を有さず、共通層114を有する点で、表示装置10Aと異なる。
【0122】
共通層114は、隔壁216上、活性層183上、及び発光層193上に位置する。共通層114は、受光デバイス110及び発光デバイス190に共通で用いられる層である。共通層114は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0123】
共通層114としては、例えば、電子注入層及び電子輸送層の一方または双方を形成することができる。共通層114は、発光デバイス190における機能と受光デバイス110における機能とが異なる場合がある。例えば、共通層114が電子注入層を有するとき、当該電子注入層は、発光デバイス190において電子注入層として機能し、受光デバイス110において電子輸送層として機能する。
【0124】
活性層及び発光層以外の層のうち少なくとも一部を、受光デバイスと発光デバイスとで互いに共通の構成とすることで、表示装置の作製工程を削減でき、好ましい。
【0125】
[表示装置10D]
図5Aに表示装置10Dの断面図を示す。
【0126】
表示装置10Dは、バッファ層182、バッファ層192、バッファ層184、及びバッファ層194を有さず、共通層112及び共通層114を有する点で、表示装置10Aと異なる。
【0127】
本実施の形態の表示装置では、受光デバイス110の活性層183に有機化合物を用いる。受光デバイス110は、活性層183以外の層を、発光デバイス190(ELデバイス)と共通の構成にすることができる。そのため、発光デバイス190の作製工程に、活性層183を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイス190の形成と並行して受光デバイス110を形成することができる。また、発光デバイス190と受光デバイス110とを同一基板上に形成することができる。したがって、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス110を内蔵することができる。
【0128】
表示装置10Dでは、受光デバイス110の活性層183と、発光デバイス190の発光層193と、を作り分ける以外は、受光デバイス110と発光デバイス190が共通の構成である例を示す。ただし、受光デバイス110と発光デバイス190の構成はこれに限定されない。受光デバイス110と発光デバイス190は、活性層183と発光層193のほかにも、互いに作り分ける層を有していてもよい(前述の表示装置10A、10B、10C参照)。受光デバイス110と発光デバイス190は、共通で用いられる層(共通層)を1層以上有することが好ましい。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置に受光デバイス110を内蔵することができる。
【0129】
[表示装置10E]
図5Bに表示装置10Eの断面図を示す。
【0130】
表示装置10Eは、基板151及び基板152を有さず、基板153、基板154、接着層155、及び絶縁層212を有する点で、表示装置10Dと異なる。
【0131】
基板153と絶縁層212とは接着層155によって貼り合わされている。基板154と保護層116とは接着層142によって貼り合わされている。
【0132】
表示装置10Eは、作製基板上に形成された絶縁層212、トランジスタ41、トランジスタ42、受光デバイス110、及び発光デバイス190等を、基板153上に転置することで作製される構成である。基板153及び基板154は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置10Eの可撓性を高めることができる。例えば、基板153及び基板154には、それぞれ、樹脂を用いることが好ましい。
【0133】
基板153及び基板154としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板153及び基板154の一方または双方に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0134】
本実施の形態の表示装置が有する基板には、光学等方性が高いフィルムを用いてもよい。光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(COC)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0135】
[表示装置10F、10G、10H]
図5Cに表示装置10Fの断面図を示す。
図6Aに表示装置10Gの断面図を示す。
図6Bに表示装置10Hの断面図を示す。
【0136】
表示装置10Fは、表示装置10Dの構成に加え、レンズ149を有する。
【0137】
本実施の形態の表示装置は、レンズ149を有していてもよい。レンズ149は、受光デバイス110と重なる位置に設けられている。表示装置10Fでは、レンズ149が基板152に接して設けられている。表示装置10Fが有するレンズ149は、基板151側に凸面を有している。
【0138】
基板152の同一面上に遮光層158とレンズ149との双方を形成する場合、形成順は問わない。
図5Cでは、レンズ149を先に形成する例を示すが、遮光層158を先に形成してもよい。
図5Cでは、レンズ149の端部が遮光層158によって覆われている。
【0139】
表示装置10Fは、光22がレンズ149を介して受光デバイス110に入射する構成である。レンズ149を有すると、レンズ149を有さない場合に比べて、受光デバイス110の撮像範囲を狭くすることができ、隣接する受光デバイス110と撮像範囲が重なることを抑制できる。これにより、ぼやけの少ない、鮮明な画像を撮像できる。また、受光デバイス110の撮像範囲が同じ場合、レンズ149を有すると、レンズ149を有さない場合に比べて、ピンホールの大きさ(
図5Cでは受光デバイス110と重なる遮光層158の開口の大きさに相当する)を大きくすることができる。したがって、レンズ149を有することで、受光デバイス110に入射する光量を増やすことができる。
【0140】
図6Aに示す表示装置10Gも、表示装置10Fと同様に、光22がレンズ149を介して受光デバイス110に入射する構成の一つである。
【0141】
表示装置10Gでは、レンズ149が保護層116の上面に接して設けられている。表示装置10Gが有するレンズ149は、基板152側に凸面を有している。
【0142】
図6Bに示す表示装置10Hは、基板152の表示面側に、レンズアレイ146が設けられている。レンズアレイ146が有するレンズは、受光デバイス110と重なる位置に設けられている。基板152の基板151側の面には、遮光層158が設けられていることが好ましい。
【0143】
本実施の形態の表示装置に用いるレンズの形成方法としては、基板上または受光デバイス上にマイクロレンズなどのレンズを直接形成してもよいし、別途作製されたマイクロレンズアレイなどのレンズアレイを基板に貼り合わせてもよい。
【0144】
レンズは、1.3以上2.5以下の屈折率を有することが好ましい。レンズは、無機材料及び有機材料の少なくとも一方を用いて形成することができる。例えば、樹脂を含む材料をレンズに用いることができる。また、酸化物及び硫化物の少なくとも一方を含む材料をレンズに用いることができる。
【0145】
具体的には、塩素、臭素、またはヨウ素を含む樹脂、重金属原子を含む樹脂、芳香環を含む樹脂、硫黄を含む樹脂などをレンズに用いることができる。または、樹脂と当該樹脂より屈折率の高い材料のナノ粒子を含む材料をレンズに用いることができる。酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどをナノ粒子に用いることができる。
【0146】
また、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、インジウムとスズを含む酸化物、またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物などを、レンズに用いることができる。または、硫化亜鉛などを、レンズに用いることができる。
【0147】
[表示装置10J]
図6Cに表示装置10Jの断面図を示す。
【0148】
表示装置10Jは、可視光を透過する隔壁216を有さず、可視光を遮る隔壁217を有する点で、表示装置10Dと異なる。
【0149】
隔壁217は、発光デバイス190が発した光を吸収することが好ましい。隔壁217として、例えば、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。また、茶色レジスト材料を用いることで、着色された絶縁層で隔壁217を構成することができる。
【0150】
表示装置10D(
図5A)において、発光デバイス190が発した光は、基板152及び隔壁216で反射され、反射光が受光デバイス110に入射することがある。また、発光デバイス190が発した光が隔壁216を透過し、トランジスタまたは配線等で反射されることで、反射光が受光デバイス110に入射することがある。表示装置10Jでは、隔壁217によって光が吸収されることで、このような反射光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0151】
隔壁217は、少なくとも、受光デバイス110が検出する光の波長を吸収することが好ましい。例えば、発光デバイス190が発する緑色の光を受光デバイス110が検出する場合、隔壁217は、少なくとも緑色の光を吸収することが好ましい。例えば、隔壁217が、赤色のカラーフィルタを有すると、緑色の光を吸収することができ、反射光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。
【0152】
遮光層158は、樹脂層159に届く前に迷光23bの多くを吸収することができるが、迷光23bの一部は反射し、隔壁217に入射することがある。隔壁217が迷光23bを吸収する構成であると、迷光23bがトランジスタ又は配線等に入射することを抑制できる。したがって、受光デバイス110に迷光23cが到達することを抑制することができる。迷光23bが遮光層158と隔壁217に当たる回数が多いほど、吸収される光量を増やすことができ、受光デバイス110に到達する迷光23cの量を極めて少なくすることができる。樹脂層159の厚さが厚いと、迷光23bが遮光層158と隔壁217に当たる回数を増やすことができるため、好ましい。
【0153】
また、隔壁217が光を吸収することで、発光デバイス190から直接、隔壁217に入射された迷光23dを、隔壁217によって吸収することができる。このことからも、隔壁217を設けることで、受光デバイス110に入射する迷光を低減することができる。
【0154】
[表示装置10K]
図7Aに、表示装置10Kの上面図を示す。
図7Bに、
図7Aにおける一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。
図8Aに、
図7Aにおける一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0155】
図7Aにおいて点線の枠で囲った部分が1つの画素に相当する。1つの画素は、受光デバイス110、赤色の発光デバイス190R、緑色の発光デバイス190G、及び、青色の発光デバイス190Bを有する。
【0156】
受光デバイス110及び発光デバイス190R、190G、190Bの上面形状は特に限定されない。
図7Aに示す画素のレイアウトには、六方最密充填型が適用されている。六方最密充填型のレイアウトとすることで、受光デバイス110及び発光デバイス190R、190G、190の開口率を高めることができ、好ましい。上面視において、受光デバイス110の受光領域は四角形であり、発光デバイス190R、190G、190Bの発光領域は、それぞれ六角形である。
【0157】
上面視(平面視ともいえる)において、受光デバイス110は、枠状の遮光層219aの内側に設けられている。受光デバイス110の四辺を遮光層219aで完全に囲うことで、迷光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。なお、枠状の遮光層219aは、間隙(切れ目、途切れている部分、欠けている部分ともいえる)を有していてもよい。
【0158】
上面視において、緑色の発光デバイス190Gと青色の発光デバイス190Bとの間には、スペーサ219bが設けられている。
【0159】
図7B及び
図8Aに示すように、表示装置10Kは、受光デバイス110、赤色の発光デバイス190R、緑色の発光デバイス190G、及び、青色の発光デバイス190Bを有する。
【0160】
発光デバイス190Rは、画素電極191R、共通層112、発光層193R、共通層114、及び共通電極115を有する。発光層193Rは、赤色の光21Rを発する有機化合物を有する。発光デバイス190Rは、赤色の光を発する機能を有する。
【0161】
発光デバイス190Gは、画素電極191G、共通層112、発光層193G、共通層114、及び共通電極115を有する。発光層193Gは、緑色の光21Gを発する有機化合物を有する。発光デバイス190Gは、緑色の光を発する機能を有する。
【0162】
発光デバイス190Bは、画素電極191B、共通層112、発光層193B、共通層114、及び共通電極115を有する。発光層193Bは、青色の光21Bを発する有機化合物を有する。発光デバイス190Bは、青色の光を発する機能を有する。
【0163】
受光デバイス110は、画素電極181、共通層112、活性層183、共通層114、及び共通電極115を有する。活性層183は、有機化合物を有する。受光デバイス110は、可視光を検出する機能を有する。
【0164】
表示装置10Kは、一対の基板(基板151及び基板152)間に、受光デバイス110、発光デバイス190R、発光デバイス190G、発光デバイス190B、トランジスタ41、トランジスタ42R、トランジスタ42G、及びトランジスタ42B等を有する。
【0165】
画素電極181、191R、191G、191Bの端部は、それぞれ、隔壁216によって覆われている。
【0166】
画素電極181は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ41が有するソースまたはドレインと電気的に接続される。画素電極191Rは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ42Rが有するソースまたはドレインと電気的に接続される。同様に、画素電極191Gは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ42Gが有するソースまたはドレインと電気的に接続される。そして、画素電極191Bは、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ42Bが有するソースまたはドレインと電気的に接続される。
【0167】
受光デバイス110及び発光デバイス190R、190G、190Bは、それぞれ、保護層116に覆われている。
【0168】
基板152の基板151側の面には、樹脂層159が設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190R、190G、190Bと重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。
【0169】
基板152の基板151側の面及び樹脂層159の基板151側の面には、遮光層158が設けられている。遮光層158は、発光デバイス190R、190G、190Bのそれぞれと重なる位置、及び、受光デバイス110と重なる位置に開口を有する。
【0170】
上面視において、隔壁216には、枠状に開口が設けられている。
図7Bでは、隔壁216は、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に、開口を有する。そして、開口を覆うように、遮光層219aが設けられている。遮光層219aは、隔壁216の開口、及び、開口にて露出した隔壁216の側面を覆うことが好ましい。遮光層219aは、さらに、隔壁216の上面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0171】
隔壁216に開口を設けず、隔壁216上に遮光層219aを設ける構成とすることもできるが、迷光が隔壁216を透過して受光デバイス110に入射する可能性がある。隔壁216に開口を設け、当該開口を埋めるように遮光層219aを設ける構成とすることで、隔壁216を透過した迷光が、隔壁216の開口にて遮光層219aで吸収される。これにより、迷光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。
【0172】
遮光層219aは、順テーパ形状であることが好ましい。これにより、遮光層219a上に設けられる膜(共通層112、共通層114、共通電極115、及び保護層116など)の被覆性を高めることができる。
【0173】
遮光層219aは、少なくとも、受光デバイス110が検出する光の波長を吸収することが好ましい。例えば、発光デバイス190Gが発する緑色の光を受光デバイス110が検出する場合、遮光層219aは、少なくとも緑色の光を吸収することが好ましい。例えば、遮光層219aが、赤色のカラーフィルタを有すると、緑色の光を吸収することができ、反射光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。遮光層219aは、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いて形成されたブラックマトリクスであってもよい。遮光層219aは、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、及び青色のカラーフィルタの積層構造であってもよい。または、遮光層219aとして、茶色レジスト材料を用いて、着色された絶縁層を形成してもよい。
【0174】
例えば、発光デバイス190Gが発する緑色の光を受光デバイス110が検出する場合、発光デバイス190Gが発した光は、基板152及び隔壁216で反射され、反射光が受光デバイス110に入射することがある。また、発光デバイス190Gが発した光が隔壁216を透過し、トランジスタまたは配線等で反射されることで、反射光が受光デバイス110に入射することがある。表示装置10Kでは、遮光層158及び遮光層219aによって光が吸収されることで、このような反射光が受光デバイス110に入射することを抑制できる。これにより、ノイズを低減し、受光デバイス110を用いたセンサの感度を高めることができる。
【0175】
例えば、遮光層158は、樹脂層159に届く前に迷光23bの多くを吸収することができる。さらに、迷光23bの一部が遮光層158で反射しても、遮光層219aが迷光23bを吸収することで、迷光23bがトランジスタ又は配線等に入射することを抑制できる。したがって、受光デバイス110に迷光が到達することを抑制できる。迷光23bが遮光層158と遮光層219aに当たる回数が多いほど、吸収される光量を増やすことができ、受光デバイス110に到達する迷光の量を極めて少なくすることができる。樹脂層159の厚さが厚いと、迷光23bが遮光層158と遮光層219aに当たる回数を増やすことができるため、好ましい。樹脂層159の厚さが厚いと、遮光層158から各色の発光デバイスまでの距離が短くなり、表示の視野角依存性を抑制できるため、表示品位の向上の観点からも好ましい。
【0176】
また、遮光層219aが光を吸収することで、発光デバイスから直接、遮光層219aに入射された迷光23dを、遮光層219aによって吸収することができる。このことからも、遮光層219aを設けることで、受光デバイス110に入射する迷光を低減することができる。
【0177】
また、遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。遮光層158から受光デバイス110までの距離が長いと、撮像範囲が狭くなり、撮像の解像度を高めることができる。
【0178】
スペーサ219bは、隔壁216上に位置し、かつ、上面視において、発光デバイス190Gと発光デバイス190Bとの間に位置する。スペーサ219bの上面は、遮光層219aの上面よりも遮光層158に近いことが好ましい。遮光層219aの厚さL3が、隔壁216の厚さとスペーサ219bの厚さの和L4以上の値であると、枠状の遮光層219aの内側に接着層142が十分に充填されず、受光デバイス110、さらには、表示装置10Kの信頼性が低下する恐れがある。したがって、隔壁216の厚さとスペーサ219bの厚さの和L4は、遮光層219aの厚さL3よりも大きいことが好ましい。これにより、接着層142を充填することが容易となる。
図8Aに示すように、スペーサ219bと遮光層158とが重なる部分において、遮光層158は保護層116(または共通電極115)と接していてもよい。
【0179】
[表示装置10L]
図8Bに、表示装置10Lの断面図を示す。
【0180】
表示装置10Lは、発光デバイス190R、190G、190Bが、同一の発光層を有する構成である。
図8Bは、
図7Aにおける一点鎖線A3-A4間の断面図に相当する。
【0181】
図8Bに示す発光デバイス190Gは、画素電極191G、光学調整層197G、共通層112、発光層113、共通層114、及び共通電極115を有する。
図8Bに示す発光デバイス190Bは、画素電極191B、光学調整層197B、共通層112、発光層113、共通層114、及び共通電極115を有する。共通層112、発光層113、及び共通層114は、発光デバイス190R、190G、190Bにおいて共通の構成である。例えば、発光層113は、赤色の光を発する発光層193R、緑色の光を発する発光層193G、及び青色の光を発する発光層193Bを有する。
【0182】
なお、
図8Bでは、EL層を共通層112、発光層113、及び共通層114で示すが、これに限定されない。発光デバイスは、画素電極191と共通電極115との間に1つの発光ユニットを有するシングル構造であってもよく、複数の発光ユニットを有するタンデム構造であってもよい。
【0183】
発光層113は、各色の光を発する発光デバイスに共通して設けられる。発光デバイス190Gが発する光は、着色層CFGを介して、緑色の光21Gとして取り出される。発光デバイス190Bが発する光は、着色層CFBを介して、青色の光21Bとして取り出される。
【0184】
発光デバイス190G及び発光デバイス190Bは、厚さが互いに異なる光学調整層を有する点以外は同一の構成である。画素電極191G及び画素電極191Bとして反射電極を用いる。光学調整層として、反射電極上の透明電極を用いることができる。各色の発光デバイスは、それぞれ異なる厚さの光学調整層197を有することが好ましい。
図8Bに示す発光デバイス190Gは、画素電極191Gと共通電極115の間の光学距離が緑色の光を強める光学距離となるように、光学調整層197Gを用いて光学調整されている。同様に、発光デバイス190Bは、画素電極191Bと共通電極115の間の光学距離が青色の光を強める光学距離となるように、光学調整層197Bを用いて光学調整されている。
【0185】
[表示装置10M]
図9Aに、表示装置10Mの上面図を示す。
図9Bに、
図9Aにおける一点鎖線A5-A6間の断面図を示す。
【0186】
図9A及び
図9Bに示す表示装置10Mは、緑色の発光デバイス190Gと青色の発光デバイス190Bとの間に、遮光層219aが設けられている点、及び、空間143が不活性ガスで充填された、中空封止構造が適用されている点で、
図7A、
図7B、及び
図8Aに示す表示装置10Kと異なる。
【0187】
表示装置10Mのように、遮光層219aは、発光デバイス190Rと受光デバイス110との間、及び、発光デバイス190Gと発光デバイス190Bとの間の双方に設けてもよい。
【0188】
【0189】
表示装置10N(
図10A)における一点鎖線A3-A4間の断面構造は、表示装置10K(
図8A)と同様の構成を適用できる。または、表示装置10M(
図9B)と同様の構成を適用してもよい。
【0190】
表示装置10Nは、遮光層219aの上面形状及び断面形状が、表示装置10K(
図7A及び
図7B)と異なる。
【0191】
上面視(平面視ともいえる)において、遮光層219aは、受光デバイス110の四辺を囲み、かつ、一端と他端が互いに離れている構成である。遮光層219aの間隙220(切れ目、途切れている部分、欠けている部分ともいえる)は、赤色の発光デバイス190R側に位置する。ここで、センシングに用いる光源が、特定の色の発光デバイスのみである場合、当該センシングに用いる発光デバイスとは異なる発光デバイス側に、遮光層219aの間隙220が位置することが好ましい。例えば、表示装置10Nであれば、緑色の発光デバイス190Gまたは青色の発光デバイス190Bを用いて、センシングを行う構成が好ましい。これにより、センシング時のノイズの影響を抑制することができる。また、緑色の発光デバイス190Gを用いてセンシングを行う場合、領域230に示すように、遮光層219aの一端は、緑色の発光デバイス190Gに比べて、赤色の発光デバイス190R側に突出していることが好ましい。これにより、緑色の発光デバイス190Gからの迷光が、間隙220を介して、受光デバイス110に入射することを抑制できる。
【0192】
隔壁216は、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に、開口を有する。そして、開口を覆うように、遮光層219aが設けられている。遮光層219aは、隔壁216の開口、及び、開口にて露出した隔壁216の側面を覆うことが好ましい。遮光層219aは、さらに、隔壁216の上面の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
【0193】
遮光層219aは、逆テーパ形状であってもよい。逆テーパ形状の遮光層219a上に設けられる有機膜及び共通電極115の厚さは、遮光層219aの側面付近で薄くなることがある。また、遮光層219aの側面付近に、空隙160が生じることがある。
【0194】
ここで、上面視において、遮光層219aが、受光デバイス110の四辺を全て囲ってしまうと、共通電極115が遮光層219aによって段切れし、遮光層219aの内側と外側とで、共通電極115が分離してしまう恐れがある。そこで、遮光層219aの上面形状を、受光デバイス110の四辺を囲み、かつ、一端と他端が離れている構成とし、間隙220を設けることで、共通電極115が分離することを抑制できる。これにより、表示装置10Nにおける表示不良を抑制できる。
【0195】
図11Aは、遮光層219aの間隙220を含む断面図である。上面視において、隔壁216には、遮光層219aの上面形状と同様に、受光デバイス110の四辺を囲み、かつ、一端と他端が互いに離れている構成の開口が設けられている。遮光層219aの間隙220では、隔壁216上に、共通層112、共通層114、共通電極115、及び保護層116が順に設けられている。
【0196】
[表示装置10P]
図11Bに、表示装置10Pの断面図を示す。
【0197】
表示装置10Pは、遮光層219aの側面に接する側壁219cを有する点で、表示装置10Nと異なる。
【0198】
表示装置10Pにおいて、遮光層219aの上面形状は、
図7Aのように、枠状であってもよく、
図10Aのように、間隙220を有していてもよい。
【0199】
逆テーパ形状の遮光層219aの側面に接する側壁219cを設けることで、有機膜及び共通電極115等の被覆性を向上させることができ、表示装置の表示品位を高めることができる。共通電極115の被覆性を高めることで、共通電極115の段切れ、さらには薄膜化を抑制できるため、共通電極115の電圧降下に起因する表示の輝度ムラを抑制することができる。
【0200】
側壁219cは、隔壁216に用いることができる材料を用いて形成することができる。
【0201】
[表示装置10Q]
図12A及び
図12Bに、表示装置10Qの断面図を示す。表示装置10Qは、表示装置10K(
図7A)と同様の上面構造を適用することができる。
図12Aに、
図7Aにおける一点鎖線A1-A2間の断面図を示す。
図12Bに、
図7Aにおける一点鎖線A3-A4間の断面図を示す。
【0202】
表示装置10Qは、隔壁216を有さず、隔壁217を有する点で、表示装置10Kと主に異なる。
【0203】
遮光層219aは、隔壁217上に位置する。隔壁217は、隔壁216とは異なり、発光デバイスが発した光を吸収することができるため、隔壁217に開口を設けなくてよい。発光デバイスから隔壁217に入射された迷光23dは、隔壁217で吸収される。発光デバイスから遮光層219aに入射された迷光23dは、遮光層219aで吸収される。
【0204】
スペーサ219bは、発光デバイス190Gと発光デバイス190Bとの間に位置する。スペーサ219bの上面は、遮光層219aの上面よりも遮光層158に近いことが好ましい。スペーサ219bの厚さが遮光層219aの厚さよりも薄いと、枠状の遮光層219aの内側に接着層142が十分に充填されず、受光デバイス110、さらには、表示装置10Qの信頼性が低下する恐れがある。したがって、スペーサ219bは、遮光層219aよりも厚いことが好ましい。これにより、接着層142を充填することが容易となる。
図12Bに示すように、スペーサ219bと遮光層158とが重なる部分において、遮光層158は保護層116(または共通電極115)と接していてもよい。
【0205】
以下では、
図13~
図17を用いて、本発明の一態様の表示装置の、より詳細な構成について説明する。
【0206】
[表示装置100A]
図13に、表示装置100Aの斜視図を示し、
図14に、表示装置100Aの断面図を示す。
【0207】
表示装置100Aは、基板152と基板151とが貼り合わされた構成を有する。
図13では、基板152を破線で明示している。
【0208】
表示装置100Aは、表示部162、回路164、配線165等を有する。
図13では表示装置100AにIC(集積回路)173及びFPC172が実装されている例を示している。そのため、
図13に示す構成は、表示装置100A、IC、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
【0209】
回路164としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
【0210】
配線165は、表示部162及び回路164に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC172を介して外部から、またはIC173から配線165に入力される。
【0211】
図13では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip On Film)方式等により、基板151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置100A及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
【0212】
図14に、表示装置100Aの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、表示部162の一部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
【0213】
図14に示す表示装置100Aは、基板151と基板152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、発光デバイス190、受光デバイス110等を有する。
【0214】
樹脂層159と絶縁層214は接着層142を介して接着されている。発光デバイス190及び受光デバイス110の封止には、固体封止構造または中空封止構造などが適用できる。
図14では、基板152、接着層142、及び基板151に囲まれた空間143が、不活性ガス(窒素やアルゴンなど)で充填されており、中空封止構造が適用されている。接着層142は、発光デバイス190及び受光デバイス110と重ねて設けられていてもよい。また、基板152、接着層142、及び基板151に囲まれた空間143を、接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
【0215】
発光デバイス190は、絶縁層214側から画素電極191、共通層112、発光層193、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ206が有する導電層222bと接続されている。
【0216】
画素電極191の端部は、隔壁217によって覆われている。画素電極191は可視光を反射する材料を含み、共通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0217】
受光デバイス110は、絶縁層214側から画素電極181、共通層112、活性層183、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極181は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと電気的に接続されている。画素電極181の端部は、隔壁217によって覆われている。画素電極181は可視光を反射する材料を含み、共通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0218】
発光デバイス190が発する光は、基板152側に射出される。また、受光デバイス110には、基板152及び空間143を介して、光が入射する。基板152には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0219】
画素電極181及び画素電極191は同一の材料及び同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114、及び共通電極115は、受光デバイス110と発光デバイス190との双方に用いられる。受光デバイス110と発光デバイス190とは、活性層183と発光層193の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置100Aに受光デバイス110を内蔵することができる。
【0220】
基板152の基板151側の面には、樹脂層159及び遮光層158が設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190と重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。遮光層158は、基板152の基板151側の面、樹脂層159の側面、及び樹脂層159の基板151側の面を覆って設けられる。遮光層158は、受光デバイス110と重なる位置及び発光デバイス190と重なる位置に開口を有する。遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。また、遮光層158を有することで、対象物を介さずに、発光デバイス190から受光デバイス110に光が直接入射することを抑制できる。したがって、ノイズが少なく感度の高いセンサを実現できる。樹脂層159が設けられていることで、遮光層158から発光デバイス190までの距離を、遮光層158から受光デバイス110までの距離に比べて短くすることができる。これにより、センサのノイズを低減しつつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0221】
表示装置100Aにおける隔壁217及び遮光層219aの構成は、表示装置10Q(
図12A)と同様である。
【0222】
隔壁217は、画素電極181の端部及び画素電極191の端部を覆っている。隔壁217上には、遮光層219aが設けられている。遮光層219aは、受光デバイス110と発光デバイス190との間に位置する。隔壁217及び遮光層219aは、受光デバイス110が検出する光の波長を吸収することが好ましい。これにより、受光デバイス110に入射する迷光を抑制することができる。
【0223】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、いずれも基板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び同一の工程により作製することができる。
【0224】
基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トランジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲート絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ単層であっても2層以上であってもよい。
【0225】
トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0226】
絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215としては、それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
【0227】
ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低いことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置100Aの端部近傍に開口を有することが好ましい。これにより、表示装置100Aの端部から有機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。または、有機絶縁膜の端部が表示装置100Aの端部よりも内側にくるように有機絶縁膜を形成し、表示装置100Aの端部に有機絶縁膜が露出しないようにしてもよい。
【0228】
平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。
【0229】
図14に示す領域228では、絶縁層214に開口が形成されている。これにより、絶縁層214に有機絶縁膜を用いる場合であっても、絶縁層214を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制できる。したがって、表示装置100Aの信頼性を高めることができる。
【0230】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、並びに、ゲートとして機能する導電層223を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0231】
本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0232】
トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
【0233】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0234】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げられる。
【0235】
半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0236】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0237】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、当該In-M-Zn酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。このようなIn-M-Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0238】
例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0239】
回路164が有するトランジスタと、表示部162が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0240】
基板151の、基板152が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層166及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。接続部204の上面は、画素電極181と同一の導電膜を加工して得られた導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0241】
基板152の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板152の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
【0242】
基板151及び基板152には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイア、樹脂などを用いることができる。基板151及び基板152に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。
【0243】
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0244】
接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0245】
発光デバイス190は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0246】
発光デバイス190は少なくとも発光層193を有する。発光デバイス190は、発光層193以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。例えば、共通層112は、正孔注入層及び正孔輸送層の一方又は双方を有することが好ましい。例えば、共通層114は、電子輸送層及び電子注入層の一方または双方を有することが好ましい。
【0247】
正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料としては、芳香族アミン化合物や、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む複合材料を用いることができる。
【0248】
発光デバイスにおいて、正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正孔を発光層に輸送する層である。受光デバイスにおいて、正孔輸送層は、活性層において入射した光に基づき発生した正孔を陽極に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料としては、10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体など)や芳香族アミン(芳香族アミン骨格を有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
【0249】
発光デバイスにおいて、電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電子を発光層に輸送する層である。受光デバイスにおいて、電子輸送層は、活性層において入射した光に基づき発生した電子を陰極に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料としては、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることができる。
【0250】
電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であり、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
【0251】
共通層112、発光層193、及び共通層114には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。共通層112、発光層193、及び共通層114を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0252】
発光層193は、発光物質を含む層である。発光層193は、1種または複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもできる。
【0253】
受光デバイス110の活性層183は、半導体を含む。当該半導体としては、シリコンなどの無機半導体、及び、有機化合物を含む有機半導体が挙げられる。本実施の形態では、活性層が有する半導体として、有機半導体を用いる例を示す。有機半導体を用いることで、発光デバイス190の発光層193と、受光デバイス110の活性層183と、を同じ方法(例えば、真空蒸着法)で形成することができ、製造装置を共通化できるため好ましい。
【0254】
活性層183が有するn型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)またはその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料が挙げられる。また、活性層183が有するp型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)やテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)、亜鉛フタロシアニン(Zinc Phthalocyanine;ZnPc)等の電子供与性の有機半導体材料が挙げられる。また、p型半導体の材料として、スズフタロシアニン(SnPc)を用いてもよい。
【0255】
例えば、活性層183は、n型半導体とp型半導体と共蒸着して形成することが好ましい。
【0256】
トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステンなどの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。これらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
【0257】
また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、表示デバイスが有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
【0258】
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
【0259】
[表示装置100B]
図15Aに、表示装置100Bの断面図を示す。
【0260】
表示装置100Bは、保護層116を有する点及び固体封止構造が適用されている点で、主に表示装置100Aと異なる。
【0261】
受光デバイス110及び発光デバイス190を覆う保護層116を設けることで、受光デバイス110及び発光デバイス190に水などの不純物が入り込むことを抑制し、受光デバイス110及び発光デバイス190の信頼性を高めることができる。
【0262】
表示装置100Bの端部近傍の領域228において、絶縁層214の開口を介して、絶縁層215と保護層116とが互いに接することが好ましい。特に、絶縁層215が有する無機絶縁膜と保護層116が有する無機絶縁膜とが互いに接することが好ましい。これにより、有機絶縁膜を介して外部から表示部162に不純物が入り込むことを抑制することができる。したがって、表示装置100Bの信頼性を高めることができる。
【0263】
図15Bに、保護層116が3層構造である例を示す。
図15Bにおいて、保護層116は、共通電極115上の無機絶縁層116aと、無機絶縁層116a上の有機絶縁層116bと、有機絶縁層116b上の無機絶縁層116cと、を有する。
【0264】
無機絶縁層116aの端部と無機絶縁層116cの端部は、有機絶縁層116bの端部よりも外側に延在し、互いに接している。そして、無機絶縁層116aは、絶縁層214(有機絶縁層)の開口を介して、絶縁層215(無機絶縁層)と接する。これにより、絶縁層215と保護層116とで、受光デバイス110及び発光デバイス190を囲うことができるため、受光デバイス110及び発光デバイス190の信頼性を高めることができる。
【0265】
このように、保護層116は、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造であってもよい。このとき、有機絶縁膜の端部よりも無機絶縁膜の端部を外側に延在させることが好ましい。
【0266】
また、表示装置100Bでは、保護層116と基板152とが接着層142によって貼り合わされている。接着層142は、受光デバイス110及び発光デバイス190とそれぞれ重ねて設けられており、表示装置100Bには、固体封止構造が適用されている。
【0267】
[表示装置100C]
図16及び
図17Aに、表示装置100Cの断面図を示す。表示装置100Cの斜視図は表示装置100A(
図13)と同様である。
図16には、表示装置100Cの、FPC172を含む領域の一部、回路164の一部、及び、表示部162の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図17Aには、表示装置100Cの、表示部162の一部を切断したときの断面の一例を示す。
図16では、表示部162のうち、特に、受光デバイス110と赤色の光を発する発光デバイス190Rを含む領域を切断したときの断面の一例を示す。
図17Aでは、表示部162のうち、特に、緑色の光を発する発光デバイス190Gと青色の光を発する発光デバイス190Bを含む領域を切断したときの断面の一例を示す。
【0268】
図16及び
図17Aに示す表示装置100Cは、基板153と基板154の間に、トランジスタ203、トランジスタ207、トランジスタ208、トランジスタ209、トランジスタ210、発光デバイス190R、発光デバイス190G、発光デバイス190B、及び受光デバイス110等を有する。
【0269】
樹脂層159と共通電極115とは接着層142を介して接着されており、表示装置100Cには、固体封止構造が適用されている。
【0270】
基板153と絶縁層212とは接着層155によって貼り合わされている。基板154と絶縁層157とは接着層156によって貼り合わされている。
【0271】
表示装置100Cの作製方法としては、まず、絶縁層212、各トランジスタ、受光デバイス110、各発光デバイス等が設けられた第1の作製基板と、絶縁層157、樹脂層159、及び遮光層158等が設けられた第2の作製基板と、を接着層142によって貼り合わせる。そして、第1の作製基板を剥離し露出した面に基板153を貼り、第2の作製基板を剥離し露出した面に基板154を貼ることで、第1の作製基板上及び第2の作製基板上に形成した各構成要素を、基板153及び基板154に転置する。基板153及び基板154は、それぞれ、可撓性を有することが好ましい。これにより、表示装置100Cの可撓性を高めることができる。
【0272】
絶縁層212及び絶縁層157には、それぞれ、絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215に用いることができる無機絶縁膜を用いることができる。
【0273】
発光デバイス190Rは、絶縁層214b側から画素電極191R、共通層112、発光層193R、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191Rは、絶縁層214bに設けられた開口を介して、導電層169Rと接続されている。導電層169Rは、絶縁層214aに設けられた開口を介して、トランジスタ208が有する導電層222bと接続されている。導電層222bは、絶縁層215に設けられた開口を介して、低抵抗領域231nと接続される。つまり、画素電極191Rは、トランジスタ208と電気的に接続されている。トランジスタ208は、発光デバイス190Rの駆動を制御する機能を有する。
【0274】
同様に、発光デバイス190Gは、絶縁層214b側から画素電極191G、共通層112、発光層193G、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191Gは、導電層169G及びトランジスタ209の導電層222bを介して、トランジスタ209の低抵抗領域231nと電気的に接続される。つまり、画素電極191Gは、トランジスタ209と電気的に接続されている。トランジスタ209は、発光デバイス190Gの駆動を制御する機能を有する。
【0275】
そして、発光デバイス190Bは、絶縁層214b側から画素電極191B、共通層112、発光層193B、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極191Bは、導電層169B及びトランジスタ210の導電層222bを介して、トランジスタ210の低抵抗領域231nと電気的に接続される。つまり、画素電極191Bは、トランジスタ210と電気的に接続されている。トランジスタ210は、発光デバイス190Bの駆動を制御する機能を有する。
【0276】
受光デバイス110は、絶縁層214b側から画素電極181、共通層112、活性層183、共通層114、及び共通電極115の順に積層された積層構造を有する。画素電極181は、導電層168及びトランジスタ207の導電層222bを介して、トランジスタ207の低抵抗領域231nと電気的に接続される。つまり、画素電極181は、トランジスタ207と電気的に接続されている。
【0277】
画素電極181、191R、191G、191Bの端部は、隔壁216によって覆われている。画素電極181、191R、191G、191Bは可視光を反射する材料を含み、共通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0278】
発光デバイス190R、190G、190Bが発する光は、基板154側に射出される。また、受光デバイス110には、基板154及び接着層142を介して、光が入射する。基板154には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0279】
画素電極181及び画素電極191は同一の材料及び同一の工程で作製することができる。共通層112、共通層114、及び共通電極115は、受光デバイス110及び発光デバイス190R、190G、190Bに共通して用いられる。受光デバイス110と各色の発光デバイスとは、活性層183と発光層の構成が異なる以外は全て共通の構成とすることができる。これにより、作製工程を大幅に増やすことなく、表示装置100Cに受光デバイス110を内蔵することができる。
【0280】
絶縁層157の基板153側の面には、樹脂層159及び遮光層158が設けられている。樹脂層159は、発光デバイス190R、190G、190Bと重なる位置に設けられ、受光デバイス110と重なる位置には設けられない。遮光層158は、絶縁層157の基板153側の面、樹脂層159の側面、及び樹脂層159の基板153側の面を覆って設けられる。遮光層158は、受光デバイス110と重なる位置及び発光デバイス190R、190G、190Bのそれぞれと重なる位置に開口を有する。遮光層158を設けることで、受光デバイス110が光を検出する範囲を制御することができる。また、遮光層158を有することで、対象物を介さずに、発光デバイス190R、190G、190Bから受光デバイス110に光が直接入射することを抑制できる。したがって、ノイズが少なく感度の高いセンサを実現できる。樹脂層159が設けられていることで、遮光層158から各色の発光デバイスまでの距離は、遮光層158から受光デバイス110までの距離に比べて短い。これにより、センサのノイズを低減しつつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0281】
表示装置100Cにおける隔壁216、遮光層219a、及びスペーサ219bの構成は、表示装置10K(
図7B及び
図8A)と同様である。
【0282】
図16では、隔壁216は、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に開口を有する。当該開口を埋めるように、遮光層219aが設けられている。遮光層219aは、受光デバイス110と発光デバイス190Rとの間に位置する。遮光層219aは、発光デバイス190Rが発した光を吸収する。これにより、受光デバイス110に入射する迷光を抑制することができる。
【0283】
スペーサ219bは、発光デバイス190Gと発光デバイス190Bとの間に位置する。スペーサ219bの上面は、遮光層219aの上面よりも遮光層158に近いことが好ましい。例えば、隔壁216の高さ(厚さ)とスペーサ219bの高さ(厚さ)の和は、遮光層219aの高さ(厚さ)よりも大きいことが好ましい。これにより、接着層142を充填することが容易となる。
図17Aに示すように、スペーサ219bと遮光層158とが重なる部分において、遮光層158は共通電極115(または保護層)と接していてもよい。
【0284】
基板153の、基板154が重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線165が導電層167、導電層166、及び接続層242を介してFPC172と電気的に接続されている。導電層167は、導電層168と同一の導電膜を加工して得ることができる。接続部204の上面は、画素電極181と同一の導電膜を加工して得られた導電層166が露出している。これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
【0285】
トランジスタ207、トランジスタ208、トランジスタ209、及びトランジスタ210は、ゲートとして機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体層、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層225、ゲートとして機能する導電層223、並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225は、導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置する。
【0286】
導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電層222bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。
【0287】
図16では、絶縁層225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクに用いて絶縁層225を加工することで、
図16に示す構造を作製できる。
図16では、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222bがそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。さらに、導電層222a及び導電層222b上に、トランジスタを覆う絶縁層を設けてもよい。
【0288】
一方、
図17Bでは、絶縁層225が半導体層の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた開口を介して低抵抗領域231nと接続される。
【0289】
以上のように、本実施の形態の表示装置は、表示部に受光デバイスと発光デバイスとを有し、表示部は画像を表示する機能と光を検出する機能との双方を有する。これにより、表示部の外部または表示装置の外部にセンサを設ける場合に比べて、電子機器の小型化及び軽量化を図ることができる。また、表示部の外部または表示装置の外部に設けるセンサと組み合わせて、より多機能の電子機器を実現することもできる。
【0290】
受光デバイスは、一対の電極間に設けられる層のうち少なくとも一層を、発光デバイス(ELデバイス)と共通の構成にすることができる。例えば、受光デバイスは、活性層以外の全ての層を、発光デバイス(ELデバイス)と共通の構成にすることもできる。つまり、発光デバイスの作製工程に、活性層を成膜する工程を追加するのみで、発光デバイスと受光デバイスとを同一基板上に形成することができる。また、受光デバイスと発光デバイスは、画素電極と共通電極とを、それぞれ、同一の材料及び同一の工程で形成することができる。また、受光デバイスと電気的に接続される回路と、発光デバイスと電気的に接続される回路と、を、同一の材料及び同一の工程で作製することで、表示装置の作製工程を簡略化できる。このように、複雑な工程を有さなくとも、受光デバイスを内蔵し、利便性の高い表示装置を作製することができる。
【0291】
本実施の形態の表示装置は、遮光層から受光デバイスまでの距離が長く、かつ、遮光層から発光デバイスまでの距離が短くなるように、遮光層を形成する面に構造物を設ける。これにより、センサのノイズを低減しつつ、撮像の解像度を高め、かつ、表示の視野角依存性を抑制することができる。したがって、表示装置における表示品位と撮像品位との双方を高めることができる。
【0292】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0293】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について
図18及び
図19を用いて説明する。
【0294】
[画素回路の構成例]
まず、表示装置が有する画素回路の構成例について
図18を用いて説明する。
【0295】
本発明の一態様の表示装置は、表示部に、受光デバイスを有する第1の画素回路と、発光デバイスを有する第2の画素回路と、を有する。第1の画素回路と第2の画素回路は、それぞれ、マトリクス状に配置される。
【0296】
図18Aに、受光デバイスを有する第1の画素回路の一例を示し、
図18Bに、発光デバイスを有する第2の画素回路の一例を示す。
【0297】
図18Aに示す第1の画素回路PIX1は、受光デバイスPD、トランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、トランジスタM4、及び容量C1を有する。ここでは、受光デバイスPDとして、フォトダイオードを用いた例を示している。
【0298】
受光デバイスPDは、カソードが配線V1と電気的に接続し、アノードがトランジスタM1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM1は、ゲートが配線TXと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が容量C1の一方の電極、トランジスタM2のソースまたはドレインの一方、及びトランジスタM3のゲートと電気的に接続する。トランジスタM2は、ゲートが配線RESと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線V2と電気的に接続する。トランジスタM3は、ソースまたはドレインの一方が配線V3と電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方がトランジスタM4のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM4は、ゲートが配線SEと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線OUT1と電気的に接続する。
【0299】
配線V1、配線V2、及び配線V3には、それぞれ定電位が供給される。受光デバイスPDを逆バイアスで駆動させる場合には、配線V2に、配線V1の電位よりも低い電位を供給する。トランジスタM2は、配線RESに供給される信号により制御され、トランジスタM3のゲートに接続するノードの電位を、配線V2に供給される電位にリセットする機能を有する。トランジスタM1は、配線TXに供給される信号により制御され、受光デバイスPDに発生した電荷に応じて上記ノードの電位を変化させるタイミングを制御する機能を有する。トランジスタM3は、上記ノードの電位に応じた出力を行う増幅トランジスタとして機能する。トランジスタM4は、配線SEに供給される信号により制御され、上記ノードの電位に応じた出力を配線OUT1に接続する外部回路で読み出すための選択トランジスタとして機能する。
【0300】
図18Bに示す第2の画素回路PIX2は、発光デバイスEL、トランジスタM5、トランジスタM6、トランジスタM7、及び容量C2を有する。ここでは、発光デバイスELとして、発光ダイオードを用いた例を示している。特に、発光デバイスELとして、有機ELデバイスを用いることが好ましい。
【0301】
トランジスタM5は、ゲートが配線VGと電気的に接続し、ソースまたはドレインの一方が配線VSと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が、容量C2の一方の電極、及びトランジスタM6のゲートと電気的に接続する。トランジスタM6のソースまたはドレインの一方は配線V4と電気的に接続し、他方は、発光デバイスELのアノード、及びトランジスタM7のソースまたはドレインの一方と電気的に接続する。トランジスタM7は、ゲートが配線MSと電気的に接続し、ソースまたはドレインの他方が配線OUT2と電気的に接続する。発光デバイスELのカソードは、配線V5と電気的に接続する。
【0302】
配線V4及び配線V5には、それぞれ定電位が供給される。発光デバイスELのアノード側を高電位に、カソード側をアノード側よりも低電位にすることができる。トランジスタM5は、配線VGに供給される信号により制御され、第2の画素回路PIX2の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。また、トランジスタM6は、ゲートに供給される電位に応じて発光デバイスELに流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。トランジスタM5が導通状態のとき、配線VSに供給される電位がトランジスタM6のゲートに供給され、その電位に応じて発光デバイスELの発光輝度を制御することができる。トランジスタM7は配線MSに供給される信号により制御され、トランジスタM6と発光デバイスELとの間の電位を、配線OUT2を介して外部に出力する機能を有する。
【0303】
受光デバイスPDのカソードが電気的に接続される配線V1と、発光デバイスELのカソードが電気的に接続される配線V5は、同一の層、同一の電位とすることができる。
【0304】
ここで、第1の画素回路PIX1が有するトランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、及びトランジスタM4、並びに、第2の画素回路PIX2が有するトランジスタM5、トランジスタM6、及びトランジスタM7のすべてに、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体)を用いたトランジスタを適用することが好ましい。これにより、表示装置の消費電力を削減することができる。
【0305】
または、トランジスタM1~トランジスタM7のすべてに、チャネルが形成される半導体層にシリコンを用いたトランジスタを適用することが好ましい。これにより、回路の高速駆動が可能となる。
【0306】
表示装置に用いるトランジスタの種類を1種類とすることで、表示装置の作製工程を削減し、歩留まりを高めることができる。
【0307】
または、トランジスタM1~トランジスタM7のうち、1つ以上6つ以下のトランジスタに、酸化物半導体を用いたトランジスタを適用し、残りのトランジスタに、シリコンを用いたトランジスタを適用してもよい。以下では、酸化物半導体を用いたトランジスタと、低温ポリシリコンを用いたトランジスタの双方を用いる場合について説明する。
【0308】
第1の画素回路PIX1が有するトランジスタM1及びトランジスタM2には、それぞれチャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタを適用することが好ましい。
【0309】
トランジスタM1及びトランジスタM2の半導体層は、それぞれ、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0310】
特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0311】
半導体層に用いることができる金属酸化物については、実施の形態1の記載を参照できる。
【0312】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい酸化物半導体を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量C1に直列に接続されるトランジスタM1及びトランジスタM2には、それぞれ、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタM1及びトランジスタM2として酸化物半導体を有するトランジスタを適用することで、受光デバイスPDに発生する電荷に基づき、トランジスタM3のゲートに保持される電位が、トランジスタM1またはトランジスタM2を介してリークされるのを防ぐことができる。
【0313】
例えば、グローバルシャッタ方式を用いた撮像を行う場合、画素によって電荷の蓄積動作が終了してから読み出し動作が開始されるまでの期間(電荷保持期間)が異なる。階調数が画一的な画像を撮像すると、理想的には全ての画素において同じ高さの電位を有する出力信号が得られる。しかし、電荷保持期間の長さが行毎に異なる場合、各行の画素のノードに蓄積されている電荷が時間の経過と共にリークしてしまうと、画素の出力信号の電位が行毎に異なってしまい、行毎にその階調数が変化した画像データが得られてしまう。そこで、トランジスタM1及びトランジスタM2として酸化物半導体を有するトランジスタを適用することで、ノードの電位変化を小さくすることができる。すなわち、グローバルシャッタ方式を用いて撮像を行っても、電荷保持期間が異なることに起因する画像データの階調の変化を小さく抑え、撮像された画像の品質を向上させることができる。
【0314】
一方で、第1の画素回路PIX1が有するトランジスタM3には、半導体層に低温ポリシリコンを用いたトランジスタを適用することが好ましい。低温ポリシリコンを半導体層に用いたトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジスタよりも、高い電界効果移動度を実現することができ、駆動能力及び電流能力に優れる。そのため、トランジスタM3では、トランジスタM1及びM2に比較して、より高速な動作が可能となる。トランジスタM3の半導体層に低温ポリシリコンを用いることで、受光デバイスPDの受光量に基づく微小の電位に応じた出力を、トランジスタM4に対して素早く行うことができる。
【0315】
つまり、第1の画素回路PIX1において、トランジスタM1及びM2はリーク電流が少なく、かつ、トランジスタM3は駆動能力が高いことで、受光デバイスPDから読みだされる微小の電位をリークすることなく、かつ、高速で読み出しを行うことができる。
【0316】
第1の画素回路PIX1が有するトランジスタM4は、トランジスタM3からの出力を配線OUT1に流すスイッチとして機能するため、トランジスタM1乃至M3のように、小さいオフ電流及び高速動作等の求められる機能はない。そのため、トランジスタM4の半導体層は、低温ポリシリコンでもよいし、酸化物半導体でもよい。
【0317】
また、
図18Bの第2の画素回路PIX2においては、トランジスタM5乃至トランジスタM7に、チャネルが形成される半導体に低温ポリシリコンを適用したトランジスタを用いることもできるし、酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることもできる。また、第1の画素回路PIX1のように、低温ポリシリコンを半導体層として用いたトランジスタと、酸化物半導体を半導体層として用いたトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
【0318】
特に、容量C2に直列に接続されるトランジスタM5には、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。
【0319】
なお、
図18A、
図18Bにおいて、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。また、トランジスタは、シングルゲートに限定されず、さらに、バックゲートを有していてもよい。
【0320】
第1の画素回路PIX1が有するトランジスタと第2の画素回路PIX2が有するトランジスタは、同一基板上に並べて形成されることが好ましい。特に、第1の画素回路PIX1が有するトランジスタと第2の画素回路PIX2が有するトランジスタとを1つの領域内に混在させて周期的に配列する構成とすることが好ましい。
【0321】
また、受光デバイスPDまたは発光デバイスELと重なる位置に、トランジスタ及び容量の一方又は双方を有する層を1つまたは複数設けることが好ましい。これにより、各画素回路の実効的な占有面積を小さくでき、高精細な受光部または表示部を実現できる。
【0322】
[表示装置の構成例]
次に、表示装置の構成例について
図19を用いて説明する。
【0323】
図19Aの表示部PIXは、実施の形態1で説明した表示部を適用することができる。表示部PIXには、画素がマトリクス状に配置されており、
図18Aの第1の画素回路PIX1及び
図18Bの第2の画素回路PIX2がマトリクス状に配列される。ゲートドライバGD及びソースドライバSDは、
図18Bの第2の画素回路PIX2に電気的に接続され、第2の画素回路PIX2に信号を供給する。行選択ドライバRD及び読み出し回路ROCは、
図18Aの第1の画素回路PIX1に電気的に接続され、第1の画素回路PIX1に信号を供給する。行選択ドライバRDは
図18Aの第1の画素回路PIX1の配線SE及び配線RESと電気的に接続される。読み出し回路ROCは、配線OUT1と電気的に接続される。
【0324】
行選択ドライバRDと読み出し回路ROCは、コントローラ(Controller)によって制御される。また後述するアナログ‐デジタル変換回路ADCも、同一のコントローラによって制御される。
【0325】
図19Aに示す表示部PIXは、低温ポリシリコンを半導体層として用いたトランジスタと、金属酸化物を半導体層として用いたトランジスタとを有する。
【0326】
一方で、
図19Aの表示部PIXの周囲に設けられた回路については、小さいオフ電流特性よりも、高速駆動が求められる。そのため、低温ポリシリコンを用いたトランジスタで構成するのが好ましい。また、低温ポリシリコンを用いたトランジスタであれば、p型トランジスタ及びn型トランジスタの双方を一連の作製プロセスによって作製できるため、CMOSを作製できる。したがって、特に、読み出し回路ROCに電気的に接続する増幅回路AMP、増幅回路AMPに電気的に接続するアナログ‐デジタル変換回路ADC、及びコントローラのそれぞれは、CMOSで構成することが好ましいため、低温ポリシリコンを用いたトランジスタで形成するのが好ましい。
【0327】
すなわち、表示部PIX、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、行選択ドライバRD、読み出し回路ROCに加えて、増幅回路AMP、アナログ‐デジタル変換回路ADC及びコントローラも、全て同一基板上に一連の作製プロセスにより形成することができる。アナログ‐デジタル変換回路ADCからはデジタル信号(Digital Signal)が出力される。
【0328】
図19Bには、表示部PIX、ゲートドライバGD、ソースドライバSD、行選択ドライバRD、読み出し回路ROCをすべて、金属酸化物をチャネルに用いたトランジスタで形成した場合のパネルの例を示す。読み出し回路ROCからは、アナログ信号(Analog Signal)が出力される。金属酸化物をチャネルに用いたトランジスタの場合、n型トランジスタとp型トランジスタの双方を同じ半導体材料で形成するのは、シリコンに比べて難しい。つまり、シリコンに比べてCMOSを作りづらい。そのため、CMOSで構成するのが好ましい増幅回路AMP、アナログ‐デジタル変換回路ADC、及びコントローラは、表示部PIXとは同一基板上に設けず、別途作製したICチップ等を接続することで、増幅回路AMP及びアナログ‐デジタル変換回路ADCを設けることが好ましい。
【0329】
図19Aのように表示部PIXの周辺回路全てを、低温ポリシリコンを用いたトランジスタで構成することで、
図19Bの構成と比べて、低価格でパネルを提供することができる。
図19Bのように外部のICチップにより、増幅回路AMP、アナログ‐デジタル変換回路ADC、及びコントローラを用意する場合に比べて、部品コスト及び実装コストを削減することができる。
【0330】
以上のように、本発明の一態様の表示装置は、半導体層に低温ポリシリコンを用いたトランジスタを有する。したがって、CMOS回路で構成される各種回路を表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。または、本発明の一態様の表示装置は、半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタを有する。これにより、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0331】
または、本発明の一態様の表示装置は、半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタと、半導体層に低温ポリシリコンを用いたトランジスタの、2種類のトランジスタを有する。したがって、トランジスタに求められる機能に応じて、半導体層の材料を変えることができる。また、LTPSを半導体層に用いるトランジスタを有するため、CMOS回路で構成される各種回路を表示部と同一基板に作りこむことが容易となる。これにより、表示装置に実装される外部回路を簡略化することができ、部品コスト、実装コストを削減することができる。
【0332】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0333】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、
図20~
図22を用いて説明する。
【0334】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示装置を有する。例えば、電子機器の表示部に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の表示装置は、光を検出する機能を有するため、表示部で生体認証を行うこと、または、タッチもしくはニアタッチを検出することができる。これにより、電子機器の機能性や利便性などを高めることができる。
【0335】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0336】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0337】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0338】
図20Aに示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0339】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0340】
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0341】
図20Bは、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0342】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0343】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
【0344】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0345】
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0346】
図21Aにテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0347】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0348】
図21Aに示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0349】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0350】
図21Bに、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0351】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0352】
【0353】
図21Cに示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0354】
図21Dは円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0355】
図21C、
図21Dにおいて、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0356】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0357】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、ユーザーが直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0358】
また、
図21C、
図21Dに示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0359】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0360】
図22A乃至
図22Fに示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0361】
図22A乃至
図22Fに示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0362】
【0363】
図22Aは、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。
図22Aでは3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0364】
図22Bは、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えばユーザーは、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。ユーザーは、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0365】
図22Cは、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0366】
図22D乃至
図22Fは、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、
図22Dは携帯情報端末9201を展開した状態、
図22Fは折り畳んだ状態、
図22Eは
図22Dと
図22Fの一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0367】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0368】
C1:容量、C2:容量、L1:最短距離、L2:最短距離、L3:厚さ、L4:和、M1:トランジスタ、M2:トランジスタ、M3:トランジスタ、M4:トランジスタ、M5:トランジスタ、M6:トランジスタ、M7:トランジスタ、OUT1:配線、OUT2:配線、PIX1:画素回路、PIX2:画素回路、V1:配線、V2:配線、V3:配線、V4:配線、V5:配線、10:表示装置、10A:表示装置、10B:表示装置、10C:表示装置、10D:表示装置、10E:表示装置、10F:表示装置、10G:表示装置、10H:表示装置、10J:表示装置、10K:表示装置、10L:表示装置、10M:表示装置、10N:表示装置、10P:表示装置、10Q:表示装置、21:発光、21B:光、21G:光、21R:光、22:光、23:光、23a:迷光、23b:迷光、23c:迷光、23d:迷光、24:反射光、41:トランジスタ、42:トランジスタ、42B:トランジスタ、42G:トランジスタ、42R:トランジスタ、50A:表示装置、50B:表示装置、51:基板、52:指、53:受光デバイスを有する層、55:トランジスタを有する層、57:発光デバイスを有する層、59:基板、100A:表示装置、100B:表示装置、100C:表示装置、110:受光デバイス、112:共通層、113:発光層、114:共通層、115:共通電極、116:保護層、116a:無機絶縁層、116b:有機絶縁層、116c:無機絶縁層、142:接着層、143:空間、146:レンズアレイ、149:レンズ、151:基板、152:基板、153:基板、154:基板、155:接着層、156:接着層、157:絶縁層、158:遮光層、159:樹脂層、159p:開口、160:空隙、162:表示部、164:回路、165:配線、166:導電層、167:導電層、168:導電層、169B:導電層、169G:導電層、169R:導電層、172:FPC、173:IC、181:画素電極、182:バッファ層、183:活性層、184:バッファ層、190:発光デバイス、190B:発光デバイス、190G:発光デバイス、190R:発光デバイス、191:画素電極、191B:画素電極、191G:画素電極、191R:画素電極、192:バッファ層、193:発光層、193B:発光層、193G:発光層、193R:発光層、194:バッファ層、197:光学調整層、197B:光学調整層、197G:光学調整層、201:トランジスタ、203:トランジスタ、204:接続部、205:トランジスタ、206:トランジスタ、207:トランジスタ、208:トランジスタ、209:トランジスタ、210:トランジスタ、211:絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、214:絶縁層、214a:絶縁層、214b:絶縁層、215:絶縁層、216:隔壁、217:隔壁、219a:遮光層、219b:スペーサ、219c:側壁、220:間隙、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、228:領域、230:領域、231:半導体層、231i:チャネル形成領域、231n:低抵抗領域、242:接続層、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末