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特許7524212少なくとも1種のアゾール化局所用抗真菌物質を含む局所使用のための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】少なくとも1種のアゾール化局所用抗真菌物質を含む局所使用のための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4174 20060101AFI20240722BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240722BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240722BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240722BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240722BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
A61K31/4174
A61K31/4178
A61K31/496
A61K9/107
A61K47/14
A61K47/32
A61K47/26
A61K47/34
A61K47/44
A61P31/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021557523
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2020059300
(87)【国際公開番号】W WO2020201378
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】1903677
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ブルコート、カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デニス、アリス
(72)【発明者】
【氏名】シグラニ、セヴェリーヌ
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518486(JP,A)
【文献】特表2009-522361(JP,A)
【文献】特開平04-321626(JP,A)
【文献】特開平07-291847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その重量の100%について、
-0.3重量%~5重量%の少なくとも1種の局所用アゾール抗真菌物質;
-60重量%~90重量%のゲル状の水相(A1);
カプリル酸/カプリン酸・ヤシ油脂肪酸と、
その重量の100%あたり、78重量%以上85重量%以下の、n-ヘキサデカノールとn-オクタデカノールとの混合物、及び15重量%以上22重量%以下の、1.05以上2.5以下の平均重合度を有するn-ヘキサデシルグルコシドと1.05以上2.5以下の平均重合度を有するn-オクタデシルグルコシドとの混合物を含む混合物である乳化性界面活性剤(S1)と、
ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコール、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセロール、及びアルコキシル化ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセロールからなる群の要素から選択される少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S2)との組み合わせを含む乳化系と
を含む、9.7重量%~35重量%の脂肪相(A2)を含み、
前記乳化性界面活性剤(S1)を1重量%を超え3重量%以下含有し、
前記カプリル酸/カプリン酸・ヤシ油脂肪酸を8重量%以上15重量%以下含有する、油中水型エマルションの形態である、局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項2】
前記ゲル状の水相が、その重量の100%について、
- 0.5重量%~10重量%の架橋アニオン性高分子電解質(AP)、
- 90重量%~99.5重量%の水
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項3】
前記架橋アニオン性高分子電解質(AP)が、遊離の酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸から得られる25モル%以上の割合のモノマー単位を含むことを特徴とする、請求項2に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項4】
前記局所用アゾール抗真菌物質が、
式(Ia)のR鏡像異性体(CAS番号=91487-85-3)又は式(Ia)のS鏡像異性体(CAS番号=91487-86-4)の形態の、(R,S)-1-[フェニル(4-フェニルフェニル)メチル]-1H-イミダゾール、すなわちビホナゾール:
【化1】

式(Ib)のR鏡像異性体又は式(Ib)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(4-クロロフェニル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール(CAS番号=27220-47-9)、すなわちエコナゾール:
【化2】

式(Ic)の(R,S)-1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{[4-(フェニルスルファニル)フェニル]メトキシ}エチル]-1H-イミダゾール、すなわちフェンチコナゾール(CAS番号=72479-26-6):
【化3】

式(Id)のR鏡像異性体の形態又は式(Id)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちイソコナゾール(CAS番号=2752
3-40-6):
【化4】

式(Ie)のR鏡像異性体の形態又は式(Ie)のS鏡像異性体の形態の、1-[4-(4-{[(2R,4S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}フェニル)ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン、すなわちケトコナゾール(CAS番号=65277-42-1)
【化5】

式(If)のR鏡像異性体の形態又は式(If)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2,4-ジクロロベンジル)オキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちミコナゾール(CAS番号=22916-47-8)
【化6】

式(Ig)の1-[(Z)-2-[2-(4-クロロフェノキシ)エトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メチルビニル]-1H-イミダゾール(CAS番号=74512-12-2)、すなわちオモコナゾール:
【化7】

式(Ih)の(1Z)-N-[(2,4-ジクロロベンジル)オキシ]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタンイミン、すなわちオキシコナゾール(CAS番号=64211-45-6):
【化8】

式(Ii)の(R,S)-1-{2-[(7-クロロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちセルタコナゾール(CAS番号=99592-32-2):
【化9】

式(Ij)のR鏡像異性体の形態又は式(Ij)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2-クロロチオフェン-3-イル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちチオコナゾール(CAS番号=65899-73-2):及び
【化10】

式(Ik)の1-[(2-クロロフェニル)(ジフェニル)メチル]-1H-イミダゾール、すなわちクロトリマゾール(CAS番号=23593-75-1)
【化11】

からなる群の、中性形態又は塩の形態である要素から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項5】
前記局所用アゾール抗真菌物質が、式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物の、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、及びクエン酸塩からなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項6】
前記乳化性界面活性剤(S2)が、式(XII):
【化12】

(式中、yは、2以上且つ50以下の整数を表し、R4は、水素原子、メチルラジカル、又はエチルラジカルを表し、Zは、式(XIII):
【化13】

のラジカルを表し、
式中、y’は、0以上且つ10以下の、より具体的には1以上且つ10以下の整数を表し、Z’は、上で定義した通りの式(XIII)のラジカル(ここでは、Z’は、Zと同一であっても異なっていてもよい)、又は水素原子を表す)
によって表される、少なくとも1種のポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコールからなることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項7】
前記乳化性界面活性剤(S1)と前記乳化性界面活性剤(S2)との重量比が、1/4以上且つ1以下であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の局所使用
のための医薬組成物(E1)。
【請求項8】
前記組成物が、ヒト又は哺乳動物における治療のために使用されることが意図されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項9】
ヒト又は哺乳動物における皮膚、頭皮、口腔、及び/又は婦人科系の真菌症を治療することにおける使用のための、請求項1~8のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【請求項10】
起泡性及び/又は洗剤性界面活性剤、増粘性及び/又はゲル化界面活性剤、増粘及び/又はゲル化剤、安定剤、皮膜形成化合物、溶媒及び共溶媒、屈水剤、可塑剤、乳白剤、真珠光沢剤、過脂肪剤、金属イオン封鎖剤、キレート剤、抗酸化剤、芳香剤、精油、保存剤、コンディショニング剤、脱臭剤、無機充填剤、又は色素から選択される、少なくとも1種以上の補助的化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の局所使用のための医薬組成物(E1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のアゾール抗真菌物質を含む油中水型のエマルションの形態であり、且つヒト又は動物の体の皮膚への、粘膜への、及び/又は頭皮への局所投与によって使用されることが意図される、局所使用のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚医薬及び医薬組成物は、水溶液、エマルション、及び粉末の形態であり得る。エマルションは、これらの用途にしばしば使用される水溶性物質と脂溶性物質の両方を運ぶことが可能になるので、特に好ましい形態である。連続相が親水性の相(一般に水相)で構成され、且つ分散相が親油性の脂肪相で構成される水中油(O/W)エマルションと、連続相が親油性の脂肪相で構成され、且つ分散相が親水性の相(一般に水相)で構成される油中水(W/O)エマルションとは、区別がなされる。
【0003】
水中油型エマルションは、油中水型エマルションよりも、本質的に安定である;しかし、油中水型エマルションは、いくつかの利点を有する。具体的には、水滴の間が離れていることによって、微生物の増殖の可能性が低下する。さらに、連続相が水性である場合に不可欠である保存剤の使用は、連続相が脂肪性である場合には回避又は低下させることができる。油中水型エマルションは、水中油型エマルションよりも、低温に対する感受性がはるかに低い。最後に、化粧品用途のための局所適用については、欧州特許出願公開第1961455A1号明細書という番号で公開された欧州特許出願は、油中水型エマルションの適用後に、油性の連続相が皮膚を覆うことができるようになり、これによって、持続性の油性の薄膜を形成することによって、皮膚が乾燥から、また外部物質に対して保護され、したがって乾燥した皮膚を治療することができるようになることを開示している。
【0004】
油中水形態である皮膚科用エマルションを調製するための従来の技術において提案される溶液は、満足のいくものではない。なぜなら、用いられるシリコーン誘導体が揮発性であり、環境及び使用者に関して有害な影響を与える可能性がある、又は、用いられるシリコーン誘導体があまり揮発性ではなく、局所適用後に不快な感覚特性、例えば皮膚上のべたつき感などを与えるからである。さらに、これらが特定の治療用物質、例えば、局所用アゾール抗真菌物質などの局所用抗真菌物質を含む場合、これらの油中水型のエマルションは、保管中の安定性の問題、さらには安定な油中水型のエマルションを実現できないことを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここから前進すること、すなわち一つの問題は、油中水型のエマルションの形態である、且つ上に明らかにした欠点を有しない、且つ周囲温度(20℃以上且つ25℃以下)及び45℃での最低3か月間の保管後に均質のままである、且つ局所用抗真菌物質を含む、局所使用のための新規組成物を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の溶液は、
-0.3重量%~5重量%の少なくとも1種の局所用抗真菌物質;
-60重量%~90重量%のゲル状の水相(A1)
-少なくとも1種の油と、アルキルポリグリコシドの組成物、及びアルキルポリグリコシドと脂肪アルコールの組成物からなる群の要素から選択される少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S1)と、ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコール、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセロール、及びアルコキシル化ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセロールからなる群の要素から選択される少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S2)との組み合わせを含む乳化系とを含む、9.7重量%~35重量%の脂肪相(A2)を含む、
油中水型のエマルションの形態である、局所使用のための医薬組成物(E1)である。
【0007】
本発明の目的では、用語「抗真菌物質」は、ヒト又は動物対象に投与されると、真菌症、すなわち、ヒト又は哺乳動物の体の特定の部分に局在している微細真菌の作用によって引き起こされる感染症を治療することを可能にする、物質又は化学組成物を意味する。
【0008】
抗真菌物質は、真菌壁を直接的に攻撃する、したがって細胞死を引き起こすこと(殺真菌作用)によって、又は、細胞分裂を阻止する、したがって真菌の生殖を停止させること(静真菌作用)によって働く。
【0009】
本発明の目的では、用語「局所用抗真菌物質」は、上で定義した通りの、且つ表在性真菌症(これは、それほど広範囲には及ばず、表面からそれほど下ではない、且つ体のすべての部分の皮膚、頭皮、及び粘膜の段階に局在している)を治療することを目的とする、「抗真菌物質」を表す。
【0010】
本発明の目的では、用語「粘膜」は、基底膜によって隔てられる、上皮及びその下にある結合組織(漿膜)からなるヒト又は哺乳動物の体の部分を表す。
【0011】
抗真菌物質の中では、5つの異なるクラスの物質:ポリエン、エキノキャンディン、アゾール化合物、フルオロピリミジン、アリルアミンは、区別することができる。
【0012】
本発明の目的では、用語「局所用アゾール抗真菌物質」は、その分子構造において、式(A)のイミダゾリル基又は式(B)のトリアゾリル基:
【化1】
(前記式(A)のイミダゾリル基又は式(B)のトリアゾリル基は、不斉炭素に連結されている)
を含む、上で定義した通りの「局所用抗真菌物質」を表す。
【0013】
上で定義した通りの油中水型のエマルションの形態である本発明による医薬組成物(E1)の定義において使用される表現「局所使用のための」は、前記医薬組成物(E1)が、皮膚、毛髪、頭皮、又は粘膜への適用(それが、皮膚医薬又は医薬組成物の場合の直接的適用であるか、又は例えば皮膚若しくは粘膜と接触することが意図されるふき取り布若しくは紙の形態の個人向け衛生用品、若しくは生理用品の場合の間接的適用であるかにかかわらず)によって使用されることを意味する。
【0014】
適宜、本発明による局所使用のための医薬組成物(E1)は、次の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
-ゲル状の水相は、その重量の100%について、0.5重量%~10重量%の架橋アニオン性高分子電解質(AP)、90重量%~99.5重量%の水を含む。好ましくは、前記組成物は、その重量の100%について:0.5重量%~8.5重量%、よりいっそう具体的には0.5重量%~7重量%の架橋アニオン性高分子電解質(AP)と、91.5重量%~99.5重量%、よりいっそう具体的には93重量%~99.5重量%の水とを含む、61.5重量%~90重量%、よりいっそう具体的には63重量%~90重量%のゲル状の水相を含むことに留意されたい;
-架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、遊離の酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸から得られる25モル%以上の割合のモノマー単位を含む、
-局所用アゾール抗真菌物質は、
式(Ia)のR鏡像異性体(CAS番号=91487-85-3)又は式(Ia)のS鏡像異性体(CAS番号=91487-86-4)の形態の、(R,S)-1-[フェニル(4-フェニルフェニル)メチル]-1H-イミダゾール、すなわちビホナゾール:
【化2】
式(Ib)のR鏡像異性体又は式(Ib)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(4-クロロフェニル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール(CAS番号=27220-47-9)、すなわちエコナゾール:
【化3】
式(Ic)の(R,S)-1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{[4-(フェニルスルファニル)フェニル]メトキシ}エチル]-1H-イミダゾール、すなわちフェンチコナゾール(CAS番号=72479-26-6):
【化4】
式(Id)のR鏡像異性体の形態又は式(Id)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2,6-ジクロロベンジル)オキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちイソコナゾール(CAS番号=27523-40-6):
【化5】
式(Ie)のR鏡像異性体の形態又は式(Ie)のS鏡像異性体の形態の、1-[4-(4-{[(2R,4S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}フェニル)ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン、すなわちケトコナゾール(CAS番号=65277-42-1):
【化6】
【化7】
式(If)のR鏡像異性体の形態又は式(If)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2,4-ジクロロベンジル)オキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちミコナゾール(CAS番号=22916-47-8):
【化8】
【化9】
式(Ig)の1-[(Z)-2-[2-(4-クロロフェノキシ)エトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メチルビニル]-1H-イミダゾール(CAS番号=74512-12-2)、すなわちオモコナゾール:
【化10】
式(Ih)の(1Z)-N-[(2,4-ジクロロベンジル)オキシ]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イル)エタンイミン、すなわちオキシコナゾール(CAS番号=64211-45-6):
【化11】
式(Ii)の(R,S)-1-{2-[(7-クロロ-1-ベンゾチオフェン-3-イル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちセルタコナゾール(CAS番号=99592-32-2):
【化12】
式(Ij)のR鏡像異性体の形態又は式(Ij)のS鏡像異性体の形態の、(R,S)-1-{2-[(2-クロロチオフェン-3-イル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール、すなわちチオコナゾール(CAS番号=65899-73-2):
【化13】
【化14】
式(Ik)の1-[(2-クロロフェニル)(ジフェニル)メチル]-1H-イミダゾール、すなわちクロトリマゾール(CAS番号=23593-75-1)
【化15】
からなる群の、中性形態又は塩の形態の要素から選択される;
-局所用アゾール抗真菌物質は、式(Ia)、(Ib)、(Ic1)、(Ic2)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物の、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、及びクエン酸塩からなる群の要素から選択される;好ましくは、局所用アゾール抗真菌物質は、式(Ib)のR鏡像異性体の形態又は式(Ib)のS鏡像異性体の形態の(R,S)-1-{2-[(4-クロロフェニル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル}-1H-イミダゾール(CAS番号=27220-47-9)、すなわちエコナゾール、式(Ie)のR鏡像異性体の形態又は式(Ie)のS鏡像異性体の形態の1-[4-(4-{[(2R,4S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}フェニル)ピペラジン-1-イル]エタン-1-オン、すなわちケトコナゾール(CAS番号=65277-42-1)、及び式(Ik)の1-[(2-クロロフェニル)(ジフェニル)メチル]-1H-イミダゾール、すなわちクロトリマゾール(CAS番号=23593-75-1)からなる群の要素の塩酸塩又は硝酸塩である;
-乳化性界面活性剤(S1)は、式(VIII):
R1-O-(G)x-H(VIII)
(式中、xは、1.05と2.5との間の十進数を表し、Gは、グルコシル又はα,β-D-グルコピラノシルラジカル(α,β-D-グルコピラノースからのヘミアセタールヒドロキシル基の除去から得られる)を表し、R1は、ラジカル:n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、及びn-ベヘニルからなる群の要素から選択されるラジカルを表す)によって表される少なくとも1種のアルキルポリグリコシド組成物(C1)(前記組成物(C1)は、式(VIII)、(VIII)、(VIII)、(VIII)、及び(VIII):
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
によって表される化合物の、
-合計a+a+a+a+aが1に等しく、且つ
-合計a+2a+3a+4a+5aがxに等しい
ようなa、a、a、a、及びaの各モル比の混合物からなる)からなる;
-乳化性界面活性剤(S1)は、式(VIII):
R1-O-(G)x-H(VIII)
(式中、xは、1.05と2.5との間の十進数を表し、Gは、グルコシル又はα,β-D-グルコピラノシルラジカル(α,β-D-グルコピラノースからのヘミアセタールヒドロキシル基の除去から得られる)を表し、R1は、ラジカル:n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、及びn-ベヘニルからなる群の要素から選択されるラジカルを表す)によって表される、
その重量の100%について、10重量%~50重量%の少なくとも1種のアルキルポリグリコシド組成物(C1)(前記組成物(C1)は、式(VIII)、(VIII)、(VIII)、(VIII)、及び(VIII):
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
R1-O-(G)-H(VIII
によって表される化合物の、
-合計a+a+a+a+aが1に等しく、且つ
-合計a+2a+3a+4a+5aがxに等しい
ようなa、a、a、a、及びaの各モル比の混合物からなる)と;
90重量%~50重量%の、式(IX):
R’’1-OH(IX)
(式中、R’’1は、ラジカル:n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、及びn-ベヘニルからなる群の要素から選択されるラジカルを表し、ここでは、R’1は、R1と同一であっても異なっていてもよい)の少なくとも1種の脂肪アルコールと
を含む、少なくとも1種の組成物(C2)からなる。
乳化性界面活性剤(S2)は、式(XII):
【化16】
(式中、y2は、2以上且つ50以下の整数を表し、R4は、水素原子、メチルラジカル、又はエチルラジカルを表し、
Z2は、式(XIII):
【化17】
のラジカルを表し、
式中、y’は、0以上且つ10以下の、より具体的には1以上且つ10以下の整数を表し、Z’は、上で定義した通りの式(XIII)のラジカル(Z’は、Zと同一である又は異なる)、又は水素原子を表す)
によって表される、少なくとも1種のポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコールからなる;
-乳化性界面活性剤(S1)と乳化性界面活性剤(S2)との重量比は、1/4以上且つ1以上、より優先的には1/3以上且つ1以下、よりいっそう優先的には1/3以上且つ1/2以下である。
-前記組成物は、ヒト又は哺乳動物における治療における使用を意図している。
-前記組成物は、ヒト又は哺乳動物における皮膚、頭皮、口腔、及び/又は婦人科系の真菌症を治療することにおける使用を意図している。
より具体的には、前記組成物は、例えば、皮膚カンジダ症、皮膚糸状菌症(白癬菌(Trichophyton)、表皮菌(Epidermophyton)、小胞子菌(Microsporum))、癜風、紅色陰癬、「足白癬」又は趾間の間擦疹;外陰膣真菌症(グラム+細菌による重感染の有無にかかわらず);カンジダ腟炎などの、皮膚の真菌症を治療することにおける使用のためのものである。
-前記組成物は、起泡性及び/又は洗剤性界面活性剤、増粘性及び/又はゲル化界面活性剤、増粘及び/又はゲル化剤、安定剤、皮膜形成化合物、溶媒及び共溶媒、屈水剤(hydrotropic agent)、可塑剤、乳白剤、真珠光沢剤(pearlescent agent)、過脂肪剤、金属イオン封鎖剤、キレート剤、抗酸化剤、芳香剤、精油、保存剤、コンディショニング剤、脱臭剤、無機充填剤、又は色素から選択される、少なくとも1種以上の補助的化合物をさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による組成物は、概して、局所的、特に医薬又は皮膚医薬的使用のための製剤の分野において一般に使用される、賦形剤及び/又は活性な成分を含むことができる。
【0016】
好ましくは、脂肪相(A2)は、その重量の100%について:
-1.25重量%~25重量%、より具体的には1.25重量%~20重量%の乳化系(S)であって、前記乳化系(S)の100重量%について以下を含む乳化系(S):
・12重量%~88重量%、より具体的には15重量%~85重量%、よりいっそう具体的には20重量%~85重量%の少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S1)、及び
・12重量%~88重量%、より具体的には15重量%~85重量%、よりいっそう具体的には20重量%~85重量%の少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S2);
-75重量%~98.75重量%、より具体的には80重量%~98.75重量%、よりいっそう具体的には82重量%~98.75重量%の少なくとも1種の油、及び任意選択で少なくとも1種のワックス
を含む。
【0017】
本発明の目的では、表現「式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物からなる群で構成される要素の塩」は、医薬用途について許容される酸を、式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の前記化合物に添加することによって得られる物質を意味する。
【0018】
医薬用途について許容される酸としては、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸及び臭化水素酸、より具体的には塩酸;硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸;脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式スルホン又はカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、フェニル酢酸、安息香酸、p-アミノ安息香酸、アントラニル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸若しくはp-アミノサリチル酸、メタンスルホン及びエタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、エチレンスルホン酸、ハロベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、又はスルファニル酸、メチオニン、トリプトファン、リジン、又はアルギニンを挙げることができる。
【0019】
ある特定の態様によれば、得られる塩をそこから得るために式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物に添加することができる、医薬用途について許容されるこれらの酸は、塩酸、リン酸、硝酸、プロピオン酸、クエン酸からなる群の要素から選択される。
【0020】
式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物への塩酸の添加は、前記化合物の塩酸塩として公知の塩を得ることを可能にする。
【0021】
式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物へのリン酸の添加は、前記化合物のリン酸塩として公知の塩を得ることを可能にする。
【0022】
式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物への硝酸の添加は、前記化合物の硝酸塩として公知の塩を得ることを可能にする。
【0023】
式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物へのプロピオン酸の添加は、前記化合物のプロピオン酸塩として公知の塩を得ることを可能にする。
【0024】
式(Ia)、(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Id)、(Ie)、(Ie)、(If)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ij)、及び(Ik)の化合物へのクエン酸の添加は、前記化合物のクエン酸塩として公知の塩を得ることを可能にする。
【0025】
用語「油」は、水に不溶性且つ25℃で液体の化合物及び/又は化合物の混合物、より具体的には以下のものを表す:
-11~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン;
-7~40個の炭素原子を含む分枝アルカン、例えばイソドデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン、若しくはイソエイコサン、又はこれらのいくつかの混合物、例えば下に挙げる及びそのINCI名:C7~8イソパラフィン、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C9~12イソパラフィン、C9~13イソパラフィン、C9~14イソパラフィン、C9~16イソパラフィン、C10~11イソパラフィン、C10~12イソパラフィン、C10~13イソパラフィン、C11~12イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、C11~14イソパラフィン、C12~14イソパラフィン、C12~20イソパラフィン、C13~14イソパラフィン、C13~16イソパラフィンによって特定されるものなど;
-1つ以上の直鎖又は分枝のアルキルラジカルで任意選択で置換されたシクロアルカン;
-白色鉱油、例えば、次の名前:Marcol(商標)52、Marcol(商標)82、Drakeol(商標)6VR、Eolane(商標)130、又はEolane(商標)150で販売されている製品;
-ヘミスクアラン(すなわち2,6,10-トリメチルドデカン;CAS番号:3891-98-3)、スクアラン(すなわち2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン)、水添ポリイソブテン、又は水添ポリデセン;
-15~19個の炭素原子を含むアルカンであって、直鎖アルカン、分枝アルカン、及びシクロアルカンである前記アルカンの混合物、より具体的には、その重量の100%について、90%以上且つ100%以下の重量比の分枝アルカン;0%以上且つ9%以下、より具体的には5%未満の重量比の直鎖アルカン、及び0%以上且つ1%以下の重量比のシクロアルカンを含む混合物(M)、例えば、Emogreen(商標)L15又はEmogreen(商標)L19という名称で販売されている混合物;
-式(II)の脂肪アルコールエーテル:
-O-Z(II)
(式中、同一であっても異なっていてもよいZ及びZは、5~18個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキルラジカル、例えば、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジデシルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)テトラデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)ヘキサデシルエーテル、ビス(1,3-ジメチルブチル)エーテル、又はジヘキシルエーテル)を表す);
-脂肪酸とアルコールの式(III)のモノエステル:
R’-(C=O)-O-R’(III)
(式中、R’-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のアシルラジカルを表し、R’2は、R’とは独立して、1~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の炭化水素ベースの鎖を表す)、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸2-ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ヤシ油脂肪酸メチル、ヤシ油脂肪酸エチル、ヤシ油脂肪酸プロピル、ヤシ油脂肪酸イソプロピル、ヤシ油脂肪酸ブチル、ヤシ油脂肪酸2-ブチル、ヤシ油脂肪酸ヘキシル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸2-ブチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸2-ブチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸2-ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸オクチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸プロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、2-イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル;
-脂肪酸とグリセロールの式(IV)及び式(V)のジエステル:
R’-(C=O)-O-CH-CH(OH)-CH-O-(C=O)-R’(IV)
R’-(C=O)-O-CH-CH[O-(C=O)-R’]-CH-OH(V)
(式中、同一であっても異なっていてもよい式(IV)及び(V)R’-(C=O)、R’-(C=O)、R’-(C=O)、及びR’-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のアシル基を表す);
-脂肪酸とグリセロールの式(VI)のトリエステル:
R’-(C=O)-O-CH-CH[O-(C=O)-R’’]-CH-O-(C=O)-R’’(VI)
(式中、同一であっても異なっていてもよいR’-(C=O)、R’-(C=O)、及びR’-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のアシル基を表す)。
-植物油、例えば、フィトスクアラン、スイートアーモンド油、ココナッツカーネル油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ナタネ油、ラッカセイ油、ヒマワリ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ胚芽油、ダイズ油、綿実油、アルファルファ油、ケシの実油、カボチャ種子油、月見草油、キビ油、オオムギ油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイ油、パッションフラワー油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、シアバター、杏仁油、ビューティーリーフ(beauty-leaf)油、シシンブリウム(sisymbrium)油、アボカド油、カレンデュラ油、及び花又は野菜から得られる油;
-エトキシ化された植物油。
【0026】
好ましくは、本発明による組成物は、ヒマシ油、流動パラフィン、カプリル酸/カプリン酸・ヤシ油脂肪酸(cocoyl)、ミリスチン酸イソプロピル、及びカプリン酸/カプリル酸トリグリセリドからなる群の要素から選択される、少なくとも1種の油を含む。
【0027】
脂肪相(A2)は、任意選択でワックスを含む。後者は、より具体的には、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクリーロウ(ouricury wax)、木蝋、コルクファイバーワックス(cork fiber wax)、サトウキビロウ、パラフィンワックス、褐炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンロウ;オゾケライト;ポリエチレンワックス;シリコーンワックス;植物蝋;周囲温度で固体である脂肪アルコール及び脂肪酸;周囲温度で固体であるグリセリドから選択される。
【0028】
本発明の対象である、局所使用のための組成物(E1)の定義では、用語「架橋アニオン性高分子電解質(AP)」は、水に不溶性であるが水中で膨潤性であり、化学ゲルの生成をもたらす、3次元網目構造の形態である非線状の架橋アニオン性高分子電解質を表す。
【0029】
好ましくは、架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、100モル%について、以下を含む:
(a1)-遊離の酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸から得られる、25モル%以上且つ100モル%以下の割合のモノマー単位;
(a2)-任意選択で、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド;メタクリルアミド、又はN-イソプロピルアクリルアミドからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーから得られる、0モル%を超える且つ75モル%以下の割合のモノマー単位;
(a3)-任意選択で、アクリル酸(2-ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2,3-ジヒドロキシプロピル)、メタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)、メタクリル酸(2,3-ジヒドロキシプロピル)、及びビニルピロリドンからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーから得られる、0モル%を超える且つ20モル%以下の、より具体的には0モル%を超える且つ15モル%以下の、よりいっそう具体的には0モル%以上且つ10モル%以下の割合のモノマー単位
(a4)-任意選択で、アクリル酸、メタクリル酸、2-カルボキシエチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及び3-メチル-3-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]ブタン酸からなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーから得られる、0モル%を超える且つ75モル%以下の割合のモノマー単位(前記モノマーのカルボキシ基は、遊離の酸、部分的に塩化された、又は完全に塩化された形態である)
(a5)任意選択で、0モル%を超える且つ5モル%以下の割合の、式(VII):
【化18】
の少なくとも1種のモノマー
(式中、Rは、8~20個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキルラジカルを表し、nは、0以上且つ20以下の整数を表す);
(a6)-少なくとも1種のジエチレン又はポリエチレン架橋モノマー(AR)から得られる、0モル%を超える且つ1モル%以下の割合のモノマー単位;a1)、a2)、a3)、a4)、a5)、及びa6)によるモノマー単位の前記モル比の合計は、100モル%と等しい。
【0030】
本発明の目的では、用語「塩化された」は、モノマー中に存在する酸官能基が、塩、特にアルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウムカチオン、又は例えば窒素性塩基性カチオン、例えばアンモニウム塩、リジン塩又はモノエタノールアミン塩(HOCH-CH-NH )の形態でカチオンと結合するアニオン形態であることを示す。これらは、好ましくは、ナトリウム又はアンモニウム塩である。
【0031】
用語「少なくとも1種のジエチレン又はポリエチレン架橋モノマー(AR)」は、特に前記架橋アニオン性高分子電解質(AP)の定義におけるものを表し、メチレンビス(アクリルアミド)、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジアリルオキシ酢酸若しくはその塩(ジアリルオキシ酢酸ナトリウムなど)からなる群の要素から選択されるモノマー、又はこれらの化合物の混合物;より具体的には、ジメタクリル酸エチレングリコール、トリアリルアミン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、若しくはメチレンビス(アクリルアミド)から選択されるモノマー、又はこれらの化合物の混合物を表す。
【0032】
本発明の別の具体的な態様によれば、局所使用のための組成物(E)は、先に定義した通りの前記架橋モノマー(AR)が、0.5%以下、より具体的には0.25%以下、最も具体的には0.1%以下のモル比で使用されることを特徴とする;これは、より具体的には0.005モル%以上である。
【0033】
本発明の対象である、局所使用のための組成物(E)に使用される架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、錯化剤、連鎖移動剤(transfer agent)、又は連鎖制限剤(chain-limiting agent)などの様々な添加剤も含むことができる。
【0034】
本発明の対象である、局所使用のための組成物(E)に使用される架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、当業者に公知のラジカル重合プロセス、例えば、溶液重合、懸濁液重合、逆(inverse)懸濁液重合、エマルション重合、逆エマルション重合、又は溶媒媒体中での重合のプロセス、それに続く、形成されたポリマーの沈殿のステップを実施することによって調製することができる。
【0035】
より具体的な態様によれば、本発明の対象である、局所使用のための組成物(E)に使用される架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、溶媒媒体中での重合のプロセス、それに続く、形成されたポリマーの沈殿のステップ、又は逆エマルション重合のプロセス、任意選択でそれに続く、濃縮及び/又は微粒化のステップを実施することによって調製することができる。
【0036】
より具体的な態様によれば、本発明の対象である、局所使用のための組成物(E)に使用される架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、上に記載したプロセスのうちの1つに従って調製することができ、また、連鎖移動剤又は連鎖制限剤の使用を含むことができる。連鎖移動剤又は連鎖制限剤は、より具体的には、次亜リン酸ナトリウム、低分子量のアルコール、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、又はブタノール、チオール、例えば2-メルカプトエタノール、硫酸官能基を含む連鎖移動剤、例えばメタリルスルホン酸ナトリウム、又は前記連鎖移動剤の混合物からなる群から選択される。連鎖移動剤又は連鎖制限剤は、より具体的には、0.001モル%~1モル%、より具体的には0.001モル%~0.5モル%、最も具体的には0.001モル%~0.1モル%のモル比(使用されるモノマーのモルの総数に関して表される)で使用される。
【0037】
本発明の別の具体的な態様によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(AP)は、トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のホモポリマー;トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸とのコポリマー;トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、ナトリウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸(δ)との、30/70以上且つ90/10以下のモル比(γ)/(δ)のコポリマー;トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、ナトリウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸(δ)との、40/60以上且つ90/10以下のモル比(γ)/(δ)のコポリマー;トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリルアミド(ε)との、30/70以上且つ90/10以下のモル比(γ)/(ε)のコポリマー;トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋された、ナトリウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリル酸ヒドロキシエチル(ζ)との、30/70以上且つ90/10以下のモル比(γ)/(ζ)のコポリマー;ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミドと、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された30%以上且つ45%以下のモル比の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、45%以上且つ68%以下のモル比のアクリルアミドと、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2%以上且つ10%以下のモル比のアクリル酸との、トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された30%以上且つ45%以下のモル比の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、47%以上且つ68%以下のモル比のアクリルアミドと、ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2%以上且つ8%以下のモル比のアクリル酸との、トリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された60%以上且つ80%以下のモル比の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、15%以上且つ39.5%以下のモル比のN,N-ジメチルアクリルアミドと、0.5%以上且つ5%以下のモル比のメタクリル酸テトラエトキシ化ラウリルとの、トリアクリル酸トリメチロールプロパン及び/又はトリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;ナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された60%以上且つ80%以下のモル比の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、15%以上且つ39%以下のモル比のN,N-ジメチルアクリルアミドと、0.5%以上且つ2.5%以下のモル比のメタクリル酸ラウロイルと、0.5%以上且つ2.5%以下のモル比のメタクリル酸ステアロイルとの、トリアクリル酸トリメチロールプロパン及び/又はトリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたテトラポリマーからなる群の要素である。
【0038】
乳化性界面活性剤に関しては、上で定義した通りの式(VIII)において、基R1-O-は、アセタール官能基を形成するように、糖残基のアノマー炭素を介してGに連結される。
【0039】
ある具体的な態様によれば、式(VIII)の定義において、x、すなわち平均重合度は、1.05以上且つ2.5以下、より具体的には1.05以上且つ2.0以下、よりいっそう具体的には1.25以上且つ2.0以下の十進数を表す。
【0040】
別の具体的な態様によれば、少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S1)と少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S2)との組み合わせは、その重量の100%について、以下を含む:
-式(VIII):
-O-(G)-H(VIII)
(式中、xは、1.05~2.5の間の十進数を表し、Gは、グルコシル又はα,β-D-グルコピラノシルラジカル(α,β-D-グルコピラノースからのヘミアセタールヒドロキシル基の除去から得られる)を表し、Rは、ラジカル:n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、及びn-ベヘニルからなる群の要素から選択されるラジカルを表す)によって表される、その重量の100%について、10重量%~50重量%の少なくとも1種のアルキルポリグリコシド組成物(C)(前記組成物は、式(VIII)、(VIII)、(VIII)、(VIII)、及び(VIII):
-O-(G)-H(VIII
-O-(G)-H(VIII
-O-(G)-H(VIII
-O-(G)-H(VIII
-O-(G)-H(VIII
によって表される化合物の、
-合計a+a+a+a+aが1に等しく、且つ
-合計a+2a+3a+4a+5aがxに等しい
ような、a、a、a、a、及びaの各モル比の混合物からなる)と;
90重量%~50重量%の、式(IX):
R’’-OH(IX)
(式中、R’’は、ラジカル:n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、及びn-ベヘニルからなる群の要素から選択されるラジカルを表し、ここでは、R’は、Rと同一であっても異なっていてもよい)の少なくとも1種の脂肪アルコールと
を含む、少なくとも1種の組成物(C)からなる、12重量%~88重量%の少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S);
-式(XII):
【化19】
(式中、yは、2以上且つ50以下の整数を表し、Rは、水素原子、メチルラジカル、又はエチルラジカルを表し、Zは、式(XIII):
【化20】
のラジカルを表し、
式中、y’は、0以上且つ10以下の、より具体的には1以上且つ10以下の整数を表し、Z’は、上で定義した通りの式(XIII)のラジカル(ここでは、Z’は、Zと同一であっても異なっていてもよい)、又は水素原子を表す)
によって表される、少なくとも1種のポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコールからなる、12重量%~88重量%の少なくとも1種の乳化性界面活性剤(S)。
【0041】
別の具体的な態様によれば、本発明による組成物は、6rpmの速度でBrookfield LVT粘度計を使用して20℃の温度で測定される動的粘度を有し、500mPa.s以上且つ40000mPa.s以下である。
【0042】
補助的化合物に関しては、本発明による組成物と組み合わせることができる起泡性及び/又は洗剤性のアニオン性界面活性剤の中では、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキル、硫酸アルキルアミドエーテル、硫酸アルキルアリールポリエーテル、硫酸モノグリセリド、スルホン酸α-オレフィン、スルホン酸パラフィン、リン酸アルキル、リン酸アルキルエーテル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアミド、スルホン酸アルキルアリール、カルボン酸アルキル、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸アルキルエーテル、スルホコハク酸アルキルアミド、スルホ酢酸アルキル、サルコシン酸アルキル、イセチオン酸アシル、タウリン酸N-アシル、ラクチル酸アシル、アミノ酸のN-アシル化誘導体、ペプチドのN-アシル化誘導体、タンパク質のN-アシル化誘導体、又は脂肪酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、又はアミノアルコール塩を挙げることができる。
【0043】
本発明による組成物中に任意選択で存在する起泡性及び/又は洗剤性の両性界面活性剤の中では、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、アンホポリアセテート(amphopolyacetate)、及びアンホプロピオネート(amphopropionate)を挙げることができる。
【0044】
本発明による組成物中に任意選択で存在する起泡性及び/又は洗剤性のカチオン性界面活性剤の中では、第四級アンモニウム誘導体を特に挙げることができる。
【0045】
本発明による組成物中に任意選択で存在する起泡性及び/又は洗剤性の非イオン性界面活性剤の中では、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和の脂肪族ラジカルを含有する、且つ8~12個の炭素原子を含むアルキルポリグリコシド;ヒマシ油誘導体、ポリソルベート、ココナッツカーネルアミド、及びN-アルキルアミンを、より具体的には挙げることができる。
【0046】
本発明による組成物中に任意選択で存在する増粘性及び/又はゲル化界面活性剤の例としては、以下を挙げることができる:
-任意選択で、アルキルポリグリコシドのアルコキシル化脂肪酸エステル、最も具体的には、メチルポリグルコシドのエトキシ化エステル、例えば、それぞれ、Glucamate(商標)LT又はGlumate(商標)DOE120という名称で販売されているトリオレイン酸PEG 120メチルグルコース、及びジオレイン酸PEG 120メチルグルコース;
-アルコキシル化脂肪酸エステル、例えば、Crothix(商標)DS53という名称で販売されているテトラステアリン酸PEG 150ペンタエリスリチル、又はAntil(商標)141という名称で販売されているオレイン酸PEG 55プロピレングリコール;
-脂肪鎖カルバミン酸ポリアルキレングリコール、例えば、Elfacos(商標)T211という名称で販売されているジカルバミン酸PPG 14ラウレスイソホリル(isophoryl)、又はElfacos(商標)GT2125という名称で販売されているジカルバミン酸PPG 14パルメス60ヘキシル。
【0047】
本発明による組成物中に任意選択で存在する乳化性界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0048】
本発明による組成物中に任意選択で存在する乳化性非イオン性界面活性剤の例としては、エトキシ化ヒマシ油及びエトキシ化水添ヒマシ油、例えばSimulsol(商標)989という名称で販売されている製品;5mol~150molの酸化エチレンと共にステアリン酸グリセロール及びステアリン酸ポリ(エトキシ化)を含む組成物、例えば、Simulsol(商標)165という名称で販売されている、135molの酸化エチレン及びステアリン酸グリセロールと共にステアリン酸(エトキシ化)を含む組成物;エトキシ化ソルビタンエステル、例えば、Montanox(商標)という名称で販売されている製品;エトキシ化マンニタンエステル;スクロースエステル;メチルグルコシドエステル。
【0049】
本発明による組成物中に任意選択で存在する乳化性アニオン性界面活性剤の例としては、リン酸デシル、リン酸セチル(Amphisol(商標)という名称で販売されている)、クエン酸ステアリン酸グリセリル;硫酸セテアリル;リン酸アラキジル/ベヘニル及びアラキジル/ベヘニルアルコール組成物(Sensanov(商標)WRという名称で販売されている);セッケン、例えばステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸トリエタノールアンモニウム、又はアミノ酸の塩化されたN-アシル化誘導体、例えばグルタミン酸ステアロイルを挙げることができる。
【0050】
本発明による組成物中に任意選択で存在する乳化性カチオン性界面活性剤の例としては、アミンオキシド、クオタニウム-82、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、及び文献国際公開第96/00719号パンフレットに記載されている界面活性剤、及び主として、脂肪鎖が少なくとも16個の炭素原子を含むものを挙げることができる。
【0051】
本発明による組成物中に任意選択で存在する乳白剤及び/又は真珠光沢剤の例として、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、及び12~22個の炭素原子を含む脂肪アルコールを挙げることができる。
【0052】
本発明による組成物中に任意選択で存在するテクスチャー付与(texturing)剤の例として、アミノ酸のN-アシル化誘導体、例えば、ラウロイルリジン(Aminohope(商標)LLという名称で販売されている)、オクテニルコハク酸デンプン(Dryflo(商標)という名称で販売されている)、ミリスチルポリグルコシド(Montanov 14という名称で販売されている)、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、絹雲母、及び雲母を挙げることができる。
【0053】
本発明による組成物中に任意選択で存在する溶媒及び共溶媒の例として、水、有機溶媒、例えばグリセロール、ジグリセロール、グリセロールオリゴマー、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、水溶性アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はブタノール、水と前記有機溶媒との混合物、炭酸プロピレン、酢酸エチル、ベンジルアルコール、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を挙げることができる。
【0054】
本発明による組成物中に任意選択で存在する皮膚浸透を向上させるための薬剤の例として、グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(又はTranscutol-P)、脂肪酸、例えばオレイン酸、グリセロールの脂肪酸エステル、例えばベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘノイルマクログリセリド、ポリオキシエチレン-2-ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-2-オレイルエーテル、テルペン、例えばD-リモネン、及び精油、例えばユーカリの精油を挙げることができる。
【0055】
本発明による組成物中に任意選択で存在する増粘及び/又はゲル化剤の例として、そのD-マンノース主鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が0~1の間、より具体的には1~0.25の間である、グルカン又はグルコースホモポリマー、グルコマンノグルカン(glucomannoglucan)、キシログリカン(xyloglycan)、ガラクトマンナンなどの、単糖のみからなる多糖、例えば、カシアガム(DS=1/5)、ローカストビーンガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)、又はフェヌグリークガム(DS=1)由来のガラクトマンナンを挙げることができる。
【0056】
本発明による組成物中に任意選択で存在する増粘及び/又はゲル化剤の例として、単糖誘導体からなる多糖、例えば硫酸化ガラクタン、より具体的にはカラギーナン及び寒天、ウロン酸(uronan)、より具体的にはアルギン、アルギン酸塩、及びペクチン、単糖とウロン酸とのヘテロポリマー、より具体的にはキサンタンガム、ゲランガム、アラビアゴム滲出液、及びカラヤガム滲出液、並びにグルコサミノグリカンを挙げることができる。
【0057】
本発明による組成物中に任意選択で存在する増粘及び/又はゲル化剤の例として、セルロース、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸塩、デンプン、親水性デンプン誘導体、及びポリウレタンを挙げることができる。
【0058】
本発明による組成物中に任意選択で存在する安定剤の例として、微結晶ワックス、より具体的にはオゾケライトのワックス、並びに無機塩、例えば塩化ナトリウム又は塩化マグネシウムを挙げることができる。
【0059】
本発明による組成物と組み合わせることができる温泉水又は鉱泉水の例としては、少なくとも300mg/Iの鉱物質(mineralization)を有する温泉水又は鉱泉水、特にAveneの水、Vittelの水、Vichy盆地の水、Uriageの水、La Roche-Posayの水、La Bourbouleの水、Enghien-les-Bainsの水、Saint-Gervais-les-Bainsの水、Neris-les-Bainsの水、Allevard-les-Bainsの水、Digneの水、Maizieresの水、Neyrac-les-Bainsの水、Lons-le-Saunierの水、Rochefortの水、Saint Christauの水、Les Fumadesの水、及びTercis-les-Bainsの水を挙げることができる。
【0060】
本発明による組成物と組み合わせることができる活性な薬剤の例としては、ヒト又は動物対象に有益な効果を提供する物質又は組成物を挙げることができる。
【0061】
これらの活性な薬剤は、例えば、抗体、鎮痛薬、抗炎症薬、サイトカイン、細胞毒、成長因子、ホルモン、脂質、オリゴヌクレオチド、ポリマー、多糖、ポリペプチド、プロテアーゼ阻害剤、ビタミン、昆虫忌避剤、抗生物質、又は抗炎症剤であり得る。
【0062】
本発明による組成物と組み合わせることができる鎮痛及び抗炎症剤の例としては、アセトアミノフェン、アスピリン、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸コリン、サリチル酸グリコール、1-メントール、カンファー、メフェナム酸、フルフェナム酸(fluphenamic acid)、インドメタシン、プロチジン酸(protizidic acid)、フェンチアザク、トルメチン、チアプロフェン酸、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ペンタゾシン、メピリゾール、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、トリアムシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、フルランドレノリド、プレドニゾン、ハルシノニド、メチルプレドニゾロン、フルドロコルチゾン、コルチコステロン、パラメタゾン、及びベタメタゾンを挙げることができる。
【0063】
本発明による組成物と組み合わせることができる非ステロイド性抗炎症薬(すなわちNSAID)の例としては、より具体的には、アリール酢酸(又はアリールアルカン酸)誘導体、及び2-アリールプロピオン酸(すなわちプロフェン)、よりいっそう具体的には、ジクロフェナク、チアプロフェン酸、アルミノプロフェン、エトドラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンを挙げることができる。
【0064】
本発明による組成物と組み合わせることができる防腐剤の例としては、セトリミド、ポビドンヨード、クロルヘキシジン、ヨウ素、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ニトロフラゾン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ヘキサクロロフェン、フェノール、レゾルシノール、及び塩化セチルピリジニウムを挙げることができる。
【0065】
本発明による組成物と組み合わせることができる殺虫剤の例としては、トリクロルホン、トリフルムロン、フェンチオン、ベンダイオカルブ、シロマジン、ジフルベンズロン、ジシクラニル、フルアズロン、アミトラズ、デルタメトリン、シペルメトリン、クロルフェンビンホス、フルメトリン、イベルメクチン、アバメクチン、アベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、ゼータ-シペルメトリン、ダイアジノン、スピノサド、イミダクロプリド、ニテンピラム、ピリプロキシフェン、フィプロニル、シチオアート、ルフェヌロン、セラメクチン、ミルベマイシンオキシム、クロルピリホス、クマホス、プロペタンホス、アルファ-シペルメトリン、シペルメトリン(高、シス体)、イベルメクチン、ジフルベンズロン、シクロジエン、カルバメート、及びベンゾイル尿素を挙げることができる。
【0066】
本発明による組成物と組み合わせることができる抗菌剤の例としては、スルホンアミド、アミノグリコシド、例えば、ネオマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、スペクチノマイシン、パロモマイシン、ネチルマイシン、ポリペプチド、セファロスポリン、オキサゾリジノン、例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、及びオフロキサシンを挙げることができる。
【0067】
本発明による組成物と組み合わせることができる活性な薬剤の例としては、ビタミンE、コエンザイムQ10、L-カルニチン、コリン、葉酸、マグネシウム及びその塩、カプリル酸、リノール酸、ラウリン酸、タウリン、ビタミンC、ビタミンA、及びビタミンB群を挙げることができる。
【0068】
本発明による上で定義した通りの組成物は、以下のステップを含む調製プロセスを実施することによって得られる:
ステップa) それを構成する要素のすべてを、所望される割合で混合することによって、脂肪相(A2)を調製するステップ。この混合ステップは、一般に、20℃以上且つ80℃以下、より具体的には25℃以上且つ80℃以下、よりいっそう具体的には30℃以上且つ80℃以下の温度で行われる;これは、50rpm以上且つ100rpm以下の適度な速度での機械的撹拌を行いながら実施される;
ステップb) それを構成する要素のすべてを、所望される割合で混合することによって、水相(A)を調製するステップ。この混合ステップは、一般に、20℃以上且つ80℃以下、より具体的には20℃以上且つ60℃以下、よりいっそう具体的には20℃以上且つ40℃以下の温度で行われる;これは、500rpm以上且つ3000rpm以下の適度な速度での機械的撹拌を行いながら実施される。特に、ステップb)の終了時に得られる水相(A)は、6rpmの速度でBrookfield LV粘度計を使用して20℃の温度で測定される、200mPa.s以上且つ40000mPa.s以下、より具体的には1000mPa.s以上且つ40000mPa.s以下、よりいっそう具体的には2000mPa.s以上且つ40000mPa.s以下の動的粘度を有する。
ステップc) このステップの間、50rpm以上且つ400rpm以下の適度な速度での機械的撹拌を行いながら、20℃以上且つ80℃以下、より具体的には20℃以上且つ60℃以下、よりいっそう具体的には20℃以上且つ40℃以下の温度で、脂肪相(A2)が水相(A)に添加されて、本発明による組成物を得る。
【実施例
【0069】
後続する実施例は、本発明を例示するが、本発明を限定しない。
【0070】
本発明による油中水型エマルション及び比較の油中水型エマルションの調製及び評価
1)油中水型エマルションの調製
本発明による3種の油中水型エマルション((F)~(F)で表される)及び従来の技術による3種の油中水型エマルション((F’)~(F’)で表される)(その成分の、重量による割合は、下の表1に記録され、高分子電解質の含有量(重量による)は、高分子固体のパーセンテージとして示される)は、次のプロセスを実施することによって調製される。
【0071】
脂肪相の成分を、連続的にビーカーに導入し、混合し、80℃の加熱ステップ後に20℃の温度にする;混合は、プロペラ型の撹拌軸を備え付けた機械式撹拌装置を使用して100rpmの速度で実施する。グリセロール及び水を、2000rpmの速度で機械式撹拌装置を使用して、ビーカー中で周囲温度で混合し、次いで、増粘剤を少しずつ添加する。均質なゲルの形態である水相が得られるようになるまでの期間、撹拌を維持する。この水性のゲルに、周囲温度で、脂肪相を一度に添加し、アンカー型の軸を備え付けた撹拌装置を使用して、適度な撹拌速度(75~300rpm)で撹拌する。その後、この撹拌を10分間維持し、冷却ステップは必要ではない。
【0072】
【表1】
【0073】
2 本発明による油中水型エマルション(F)~(F)、及び従来の技術による油中水型エマルション(F’)~(F’)の特性の実証。
2.1 本発明による油中水型エマルション(F)~(F)、及び従来の技術による油中水型エマルション(F’)~(F’)の外観及び粘度の特徴付け。
上に記載したプロセスに従って得られたエマルション(F)~(F)及び(F’)~(F’)を、次いで、25℃の温度に調節された遮蔽された気候チャンバー中で3か月間保管する。この3か月の期間が終了した後、調製された各エマルションの外観(APP)を観察し、各エマルションの動的粘度(μ)を、25℃で粘度計(Brookfield LVT、速度6)を用いて(mPasで)測定する。
【0074】
上に記載したプロセスに従って得られたこれらの同じエマルション(F)~(F)及び(F’)~(F’)の一定分量をまた、45℃の温度に調節された遮蔽された気候チャンバー中で3か月間保管する。この3か月の期間が終了した後、調製された各エマルションの外観(APP)を観察し、各エマルションの動的粘度(μ)を、25℃で粘度計(Brookfield LVT、速度6)を用いて(mPasで)測定する。
【0075】
2.2 本発明によるエマルション(F)~(F)、及び従来の技術によるエマルション(F’)~(F’)の方向性(direction)の特徴付け。
本発明によるエマルション(F)~(F)、及びエマルション(F’)~(F’)の導電率(σ)を、25℃の温度に調節された遮蔽された気候チャンバー中での1日の前記エマルションの保管の期間後に、TetraCon(商標)96電極を備え付けたWTW社のLF 196(商標)導電率計を用いて、25℃で測定する。
【0076】
所与のエマルションについて、(σ)≦0.5μS.cm-1ならば、そのエマルションは、非導電性であるとみなされ、したがって、外側相は、水相ではなく油性相であるとみなされる。
【0077】
所与のエマルションについて、(σ)>0.5μS.cm-1ならば、そのエマルションは、導電性であるとみなされ、したがって、外側相は、油性相ではなく水相であるとみなされる。
【0078】
本発明によるエマルション(F)~(F)、及びエマルション(F’)~(F’)の導電率の、この同じ測定を、25℃での3か月後に、また45℃での3か月後に、25℃で測定する。
【0079】
2.3 本発明による油中水型エマルション(F)~(F)、及び従来の技術による油中水型エマルション(F’)~(F’)について得られた結果
2.1及び2.2段落に記載した評価方法を、本発明による油中水型エマルション(F)~(F)、及び従来の技術による油中水型エマルション(F’)~(F’)に適用した。得られた結果を、下の表2に記録する。
【0080】
【表2】
【0081】
2.4 結果の分析
したがって、本発明による油中水型エマルション(F)~(F)は、以下を特徴とする:
-25℃の温度での3か月の保管後のその油中水形態の安定性;この保管期間後の観察された外観は、依然として均質である;
-45℃の温度での3か月の保管後のその油中水形態の安定性;この保管期間後の観察された外観は、依然として均質である;
-25℃での3か月の保管後に、25℃で且つ6rpmの速度でBrookfield LV粘度計を用いて測定された、27000mPa.s((F)について)~65000mPa.s((F)について)の動的粘度値。
【0082】
製剤(F’)は、その内部に硝酸エコナゾールが存在しないことが(F’)と異なる;(F’)は、油中水型エマルションの形態であるのに対し、製剤(F’)は、油中水型エマルションを得ることを可能にするのではなく、むしろ油中水型エマルションである。
【0083】
製剤中の油(Lanol(商標)2681)の重量含有量が、製剤の15%に増大される場合(F)、得られるエマルションは、油中水型のものであるのに対して、8%のLanol(商標)2681を含有する製剤(F’2)については、得られるエマルションは、水中油型のものである。
【0084】
製剤(F)と界面活性剤の性質が異なるだけである(すなわち、製剤(F’)についてのセテアリルポリグルコシド/セテアリルアルコールの代わりに製剤(F’)についてのオレイン酸ソルビタン(Montane(商標)80))製剤(F’)は、25℃及び45℃での3か月間の保管後には、油中水型エマルションを得ることを可能としない。
【0085】
製剤(F’4)は、1種のみの油中水型界面活性剤、すなわち油中水型界面活性剤であるジポリヒドロキシステアリン酸PEG 30(商品名Simaline(商標)WOで販売されている)を含有し、保管の最初の1か月の最後から相分離及び不均一な外観が認められるので、45℃での3か月間の保管後に安定である油中水型エマルションを得ることを可能としない。