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特許7524222表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法
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  • 特許-表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20240722BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240722BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/13 505
G02F1/1343
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021566268
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 CN2021112406
(87)【国際公開番号】W WO2023010610
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】202110900413.5
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 万春
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-316470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0310172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0294001(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106154644(CN,A)
【文献】特開2002-357804(JP,A)
【文献】特開2001-264768(JP,A)
【文献】特開平08-136909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/1335,1/13363
G02F 1/136-1/1368
G02F 1/1343-1/1345,1/135
G02F 1/13,1/137-1/141
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの光入射側に位置し、覗き見防止表示を実現するための覗き見防止フィルム片と、
前記液晶表示パネルの光出射側に位置し、覗き見防止状態と共有状態の表示効果の切り替えを実現するための覗き見防止状態切り替えフィルム片と、を含み、
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、
対向して設けられた第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置する液晶層と、前記液晶層の少なくとも一側に位置し、かつ前記液晶層の液晶の偏向を駆動して表示光の光出射角度を調整することができる駆動電極と、を含み、
前記駆動電極は、前記第1の基板又は前記第2の基板に位置する共通電極と、対向する他方の基板に位置する離間電極と、を含み、前記共通電極は、全面にわたって設けられ、前記離間電極は、アレイ状に分散して設けられ、かつ隣接する前記離間電極は、互いに絶縁されてタイミング信号を独立して導入し、前記共通電極及び前記離間電極に通電した後に電界を構成し、
前記液晶表示パネルが覗き見防止状態である場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、電圧を印加せず、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶は、プレチルト角偏向角度を示し、各離間電極対応領域内の液晶は、同じ偏向角度を示し、光出射範囲を縮小し、又は、前記液晶表示パネルが共有状態に切り替えられた後に、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の共通電極に定電圧電流を通電し、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の離間電極に前記共通電極と異なる電圧を印加して、液晶の偏向を駆動する電界を構成し、かつ基板に隣接して設けられた前記離間電極に異なる電圧を印加して液晶偏向角度を発散させる、表示装置。
【請求項2】
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、中心領域と、前記中心領域の水平、垂直及び対角の表示方向に位置する覗き見防止領域と、を含み、前記覗き見防止領域の面積は、前記中心領域の面積より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記中心領域と前記中心領域の周囲に位置する覗き見防止領域には、いずれも前記駆動電極が分布し、異なる前記駆動電極の前記中心領域と前記覗き見防止領域に対応する駆動電圧差が異なり、前記中心領域と前記覗き見防止領域の液晶偏向角度が異なる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記液晶表示パネルが覗き見防止状態である場合、前記中心領域と前記中心領域の周囲に位置する前記覗き見防止領域とに位置する駆動電圧差が同じであり、
前記液晶表示パネルが共有状態である場合、異なる電極対応領域の駆動電極は、異なる電圧差で液晶の偏向を駆動し、かつ前記覗き見防止領域の液晶偏向角度は、前記中心領域の液晶偏向角度より大きい、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記共通電極及び前記離間電極に通電した後に垂直電界を構成する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、前記液晶表示パネルの水平表示方向において、覗き見防止領域、中間領域、覗き見防止領域の順に分布する前記中間領域と前記覗き見防止領域とを含み、前記離間電極は、前記液晶表示パネルの水平表示方向に沿ってアレイ状に設けられた帯状電極を含み、隣接する前記帯状電極は、間隔を隔てて設けられ、かつ前記帯状電極は、前記中間領域と前記中間領域の両側に対向して位置する前記覗き見防止領域とに対応して分布する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記離間電極は、環状放射状に設けられ、前記離間電極は、中心電極パターンと、前記中心電極パターンから外方へ拡散する環状電極パターンと、を含み、前記中心電極パターンは、前記液晶表示パネルの中心領域に対応して位置し、前記環状電極パターンは、前記中心領域以外の表示領域に対応してカバーする、請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記中心電極及び前記環状電極は、いずれも中空円形電極であり、かつ前記環状電極の内径は、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の中心から縁部に向かって徐々に増大し、かつ外方へ拡散する前記環状電極は、形状が前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の縁部の輪郭に徐々に適合する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、前記離間電極の一側が設けられ、駆動ICと、前記駆動ICに接続されたタイミング制御回路と、前記タイミング制御回路に接続された駆動配線とがさらに設けられ、前記駆動配線は、第1の方向に沿って設けられたゲート線と、第2の方向に沿って設けられたデータ線と、を含み、前記離間電極は、薄膜トランジスタにより前記ゲート線及び前記データ線に電気的に接続される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示装置は、走査線と、前記走査線と交差し、かつ絶縁されて設けられたデータ線と、前記走査線と前記データ線とを接続する薄膜トランジスタと、を含み、前記薄膜トランジスタは、ゲートが前記走査線に接続され、ソースが前記データ線に接続され、ドレインが離間電極に接続され、前記離間電極と前記共通電極は、電圧差を形成し、かつ液晶容量及び蓄積容量を構成する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項11】
前記覗き見防止領域の面積は、前記中間領域の面積より大きく、かつ前記中間領域の両側に位置する覗き見防止領域の面積が同じである、請求項6に記載の表示装置。
【請求項12】
前記液晶表示パネルの光入射側には、バックライトモジュールがさらに設けられ、前記バックライトモジュールは、
導光板と、
前記導光板の光入射側に位置する光源と、
前記導光板の光出射側に位置する拡散片と、
前記拡散片の光出射側に位置するプリズムフィルムと、
前記プリズムフィルムの光出射側に位置する前記覗き見防止フィルム片と、を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記覗き見防止フィルム片は、マイクロルーバの形であり、前記ルーバの間隔は0.07mmである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記液晶層は、垂直偏向型液晶、ねじれネマティック型液晶又は水平偏向型液晶のうちの一種である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
表示装置の覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法であって、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、対向して設けられた第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置する液晶層と、前記液晶層の少なくとも一側に位置する駆動電極と、を含み、前記駆動電極は、共通電極と、前記共通電極に対向して設けられた離間電極と、を含み、前記共通電極は、全面にわたって設けられ、前記離間電極は、アレイ状に分散して設けられ、かつ隣接する前記離間電極は、互いに絶縁されてタイミング信号を独立して導入し、通電した後の前記離間電極と前記共通電極との間に電界を生成して液晶の偏向を駆動し、
前記駆動方法は、
前記表示装置が共有表示モードである場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の共通電極に定電圧電流を通電するステップと、
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の離間電極に前記共通電極と異なる電圧を印加して、液晶の偏向を駆動する電界を構成し、かつ基板に隣接して設けられた前記離間電極に異なる電圧を印加して液晶偏向角度を発散させるステップと、
前記表示装置が覗き見防止表示モードである場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、電圧を印加せず、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶は、プレチルト角偏向角度を示し、各離間電極対応領域内の液晶は、同じ偏向角度を示し、光出射範囲を縮小するステップと、を含む、方法。
【請求項16】
基板に分散された前記離間電極と、中心領域に相対的に近い電極と、中心領域方向から相対的に遠い電極とに、漸減する傾向を示す電圧を印加するステップと、
前記離間電極に印加された最小電圧値を、前記共通電極に印加された電圧値以上とするステップと、をさらに含む、請求項15に記載の表示装置の覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、特に覗き見防止機能を有する表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の発展に伴い、ますます多くの人は、ネットワークでショッピング又はアカウント取引等の操作を行い、特に銀行及び政府の秘密機関の需要について、上記操作を行う過程において、操作者は常に、コンピュータ、携帯電話、現金自動預払機、自動券売機等の表示装置に個人情報を入力する必要があるため、個人情報の漏洩を引き起こしやすい。したがって、表示装置の覗き見防止性能がますます広い注目を受ける。
【0003】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCDと略称する)の覗き見防止技術が徐々に成熟することに伴い、ますます多くの覗き見防止製品が現れている。即ち、バックライト内に光線制御フィルム(Advance Light Control Film、ALCFと略称する)を添加することによりバックライトの光出射視野角を制御し、覗き見防止表示について、一定の小さい視野角では見ることができるが、広い視野角で表示画面を見ることができず、覗き見防止効果を果たす。
【0004】
従来技術における覗き見防止表示は、使用者に優れたプライバシーをもたらし、覗き見防止表示は、パブリックスペースの個人情報表示装置に集中的に使用されているが、覗き見防止機能は、共有状態に切り替えることができず、使用シーン及び使用機能が比較的に制限され、その市場価値を発揮することが困難である。例えば、会議室で使用された表示装置は、使用シーンに応じて覗き見防止状態を切り替えることができ、機密性の高い会話を行う場合、表示装置は、覗き見防止状態をオンにして表示視野角を減少させることができ、幅広い視聴者に対してトレーニングを行う必要がある場合、異なる位置での視聴者が表示内容を明確に見ることができるためにより大きな表示視野角を必要とする。
【0005】
以上より、従来技術における覗き見防止表示装置は、機能が単一であり、覗き見防止状態を切り替えることができないため、使用シーンに応じて覗き見防止状態又は共有状態の表示効果を切り替えることができる表示装置を提供して、市場の空白を埋める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法を提供し、従来の覗き見防止表示装置が一般的に覗き見防止状態のみを備え、応用シーンに応じて覗き見防止状態又は共有状態を選択することができないという技術的問題を解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明に係る覗き見防止状態を切り替えることができる表示装置は、
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの光入射側に位置し、覗き見防止表示を実現するための覗き見防止フィルム片と、
前記液晶表示パネルの光出射側に位置し、覗き見防止状態と共有状態の表示効果の切り替えを実現するための覗き見防止状態切り替えフィルム片と、を含み、
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、
対向して設けられた第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置する液晶層と、前記液晶層の少なくとも一側に位置し、かつ前記液晶層の液晶の偏向を駆動して表示光の光出射角度を調整することができる駆動電極と、を含み、
前記液晶表示パネルが覗き見防止状態である場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動電極は、各電極対応領域内の液晶を基板に対して同じ角度で偏向するように駆動し、表示光の光出射角度を縮小し、又は、前記液晶表示パネルが共有状態に切り替えられた後に、前記駆動電極は、各電極対応領域内の液晶を基板に対して異なる角度で偏向するように駆動し、表示光の出光角度を発散させる。
【0008】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、中心領域と、前記中心領域の水平、垂直及び対角の表示方向に位置する覗き見防止領域と、を含み、前記覗き見防止領域の面積は、前記中心領域の面積より大きい。
【0009】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記中心領域と前記中心領域の周囲に位置する覗き見防止領域には、いずれも前記駆動電極が分布し、異なる前記駆動電極の前記中心領域と前記覗き見防止領域に対応する駆動電圧差が異なり、前記中心領域と前記覗き見防止領域の液晶偏向角度が異なる。
【0010】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記液晶表示パネルが覗き見防止状態である場合、前記中心領域と前記中心領域の周囲に位置する前記覗き見防止領域とに位置する駆動電圧差が同じであり、
前記液晶表示パネルが共有状態である場合、異なる電極対応領域の駆動電極は、異なる電圧差で液晶の偏向を駆動し、かつ前記覗き見防止領域の液晶偏向角度は、中心領域の液晶偏向角度より大きい。
【0011】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記駆動電極は、前記第1の基板又は前記第2の基板に位置する共通電極と、対向する他方の基板に位置する離間電極と、を含み、前記共通電極は、全面にわたって設けられ、前記離間電極は、アレイ状に分散して設けられ、かつ隣接する前記離間電極は、互いに絶縁されてタイミング信号を独立して導入し、前記共通電極及び前記離間電極に通電した後に垂直電界を構成する。
【0012】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記離間電極は、前記液晶表示パネルの水平表示方向に沿ってアレイ状に設けられた帯状電極を含み、隣接する前記帯状電極は、間隔を隔てて設けられ、かつ前記帯状電極は、中間表示領域と前記中間表示領域の両側に対向して位置する表示領域とに対応して分布する。
【0013】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記離間電極は、環状放射状に設けられ、前記離間電極は、中心電極パターンと、前記中心電極パターンから外方へ拡散する環状電極パターンと、を含み、前記中心電極パターンは、前記液晶表示パネルの中心表示領域に対応して位置し、前記環状電極パターンは、前記中心表示領域以外の表示領域に対応してカバーする。
【0014】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記中心電極及び前記環状電極は、いずれも中空円形電極であり、かつ前記環状電極の内径は、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の中心から縁部に向かって徐々に増大し、かつ外方へ拡散する前記環状電極は、形状が前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の縁部の輪郭に徐々に適合する。
【0015】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、前記離間電極の一側が設けられ、駆動ICと、前記駆動ICに接続されたタイミング制御回路と、前記タイミング制御回路に接続された駆動配線とがさらに設けられ、前記駆動配線は、第1の方向に沿って設けられたゲート線と、第2の方向に沿って設けられたデータ線と、を含み、前記離間電極は、薄膜トランジスタにより前記ゲート線及び前記データ線に電気的に接続される。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記表示装置は、走査線と、前記走査線と交差し、かつ絶縁されて設けられたデータ線と、前記走査線と前記データ線とに接続される薄膜トランジスタと、を含み、前記薄膜トランジスタは、ゲートが前記走査線に接続され、ソースが前記データ線に接続され、ドレインが離間電極に接続され、前記離間電極及び前記共通電極は、電圧差を形成し、かつ液晶容量及び蓄積容量を構成する。
【0017】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、中間領域と、前記中間領域の両側に位置する覗き見防止領域と、を含み、かつ前記液晶表示パネルの水平表示方向において、覗き見防止領域、中間領域、覗き見防止領域の順に分布し、
前記覗き見防止領域の面積は、前記中間領域の面積より大きく、かつ前記中間領域の両側に位置する覗き見防止領域の面積が同じである。
【0018】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記駆動電極は、前記第1の基板又は前記第2の基板に位置する共通電極と、前記共通電極と同一の基板に位置する離間電極と、を含み、前記共通電極は、櫛形に設けられ、前記離間電極は、互いに絶縁されて設けられ、かつアレイ状に分散してタイミング信号を独立して導入し、前記離間電極は、前記共通電極の間隙内に対応して設けられ、前記共通電極及び前記離間電極に通電した後に水平電界を構成する。
【0019】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記離間電極は、前記液晶表示パネルの水平表示方向に沿ってアレイ状に設けられた帯状電極を含み、前記共通電極は、櫛形電極と、前記櫛形電極に接続された共通線と、を含み、前記帯状電極は、前記櫛形電極と前記共通線とで形成された歯状電極に交互に嵌設される。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記帯状電極は、中間領域及び覗き見防止領域に対応して異なる駆動電圧を有し、前記櫛形電極は、固定電圧が印加され、隣接する前記帯状電極と水平電界を形成して液晶の偏向を駆動する。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記液晶表示パネルの光入射側には、バックライトモジュールがさらに設けられ、前記バックライトモジュールは、
導光板と、
前記導光板の光入射側に位置する光源と、
前記導光板の光出射側に位置する拡散片と、
前記拡散片の光出射側に位置するプリズムフィルムと、
前記プリズムフィルムの光出射側に位置する前記覗き見防止フィルム片と、を含む。
【0022】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記覗き見防止フィルム片は、マイクロルーバの形であり、前記ルーバの間隔は0.07mmである。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記液晶層は、垂直偏向型液晶、ねじれネマティック型液晶又は水平偏向型液晶のうちの一種である。
【0024】
本発明に係る表示装置によれば、表示装置の覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法をさらに提供し、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、対向して設けられた第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置する液晶層と、前記液晶層の少なくとも一側に位置する駆動電極と、を含み、前記駆動電極は、共通電極と、前記共通電極に対向して設けられた離間電極と、を含み、前記離間電極は、絶縁分散して設けられ、通電した後の前記離間電極と前記共通電極との間に電界を生成して液晶の偏向を駆動し、
前記駆動方法は、
前記表示装置が共有表示モードである場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の共通電極に定電圧電流を通電するステップと、
前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の離間電極に前記共通電極と異なる電圧を印加して、液晶の偏向を駆動する電界を構成し、基板に隣接して設けられた前記離間電極に異なる電圧を印加して液晶偏向角度を発散させるステップと、を含む。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記方法は、
基板に分散された前記離間電極と、中心表示領域に相対的に近い電極と、中心表示領域方向から相対的に遠い電極とに、漸減する傾向を示す電圧を印加するステップと、
前記離間電極に印加された最小電圧値を、前記共通電極に印加された電圧値以上とするステップと、をさらに含む。
【0026】
本発明の1つの好ましい実施例によれば、前記表示装置が覗き見防止表示モードである場合、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、電圧を印加せず、前記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶は、プレチルト角偏向角度を示し、各離間電極対応領域内の液晶は、同じ偏向角度を示し、光出射範囲を縮小する。
【発明の効果】
【0027】
本願の実施例の有益な効果について、従来技術と比較し、本願に係る表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法において、該表示装置は、覗き見防止表示機能を有し、かつ、表示装置には覗き見防止状態切り替えフィルム片がさらに設けられ、覗き見防止状態切り替えフィルム片に通電するか又は通電しないことにより表示装置の表示視野角を変更することができる。具体的には、タイミング制御と連携して各離間電極に駆動信号を独立して導入することにより、覗き見防止状態と共有状態との任意の切り替えを実現して、覗き見防止表示の応用シーンをより広くする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る表示装置の概略構成図である。
図2a】本発明に係る表示装置の覗き見防止状態切り替え原理の概略図である。
図2b】本発明に係る表示装置の覗き見防止状態切り替え原理の概略図である。
図2c】本発明に係る表示装置の覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動回路図である。
図3a】本発明に係る表示装置の実施例1の概略構成図である。
図3b】本発明に係る表示装置の実施例1の概略構成図である。
図3c】本発明に係る表示装置の実施例1の概略構成図である。
図3d】本発明に係る表示装置の実施例1の概略構成図である。
図4】本発明に係る表示装置の実施例2の概略構成図である。
図5】本発明に係る表示装置の覗き見防止状態切り替えの駆動原理のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願は、覗き見防止機能を有する表示装置及びその覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法を提供する。本願の目的、技術手段及び効果をより明瞭かつ明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しつつ本願をさらに詳細に説明する。理解すべきものとして、本明細書に記載された具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0030】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しつつ本願をさらに説明する。
【0031】
本願の実施例は、覗き見防止機能を有する表示装置を提供し、以下、図1図4を参照しつつ詳細な説明を行う。
【0032】
図1に参照されるように、本発明に係る表示装置は、液晶表示パネル101と、上記液晶表示パネル101の光入射側に位置するバックライトモジュール及び覗き見防止フィルム片102と、上記液晶表示パネル101の光出射側に位置する覗き見防止状態切り替えフィルム片103と、を含み、上記バックライトモジュールは、導光板104と、上記導光板104の光入射側に位置する光源と、上記導光板104の光出射側に位置する拡散片105と、上記拡散片105の光出射側に位置するプリズムフィルム106と、を含み、上記覗き見防止フィルム片102は、上記プリズムフィルム106の光出射側に位置する。
【0033】
上記覗き見防止フィルム片102は、上記バックライトモジュールと上記液晶表示パネル101との間に位置し、上記液晶表示パネル101に入射したバックライト光の一部を特定の角度の光線に濾過し、上記覗き見防止フィルム片102は、マイクロルーバの形で存在し、ルーバの間隔は0.07mmであり、かつルーバのフェンスは、一定の高さを有し、透過した光線に対して視野角で吸収制限を行うことができ、一般的には、垂直視野角を法線とし、上記覗き見防止フィルム片102の光線の視認角度は60±4度である。
【0034】
上記液晶表示パネル101の光出射側には、覗き見防止状態切り替えフィルム片103が設けられ、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片103は同様に、光線濾過層として、上記液晶表示パネル101の出射光に対して角度調整を行うことができ、広い視野角での共有状態を実現することができるだけでなく、小さい視野角での覗き見防止を実現することができる。
【0035】
図2a及び図2bは、参照されるように、覗き見防止状態切り替えフィルム片の概略構成図であり、第1の基板201と、上記第1の基板201に対向して設けられた第2の基板202と、上記第1の基板201と上記第2の基板202との間に位置する液晶層203と、上記液晶層203の少なくとも一側に位置する駆動電極と、を含む。上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶層203の駆動原理は、液晶表示パネルの駆動原理と類似し、いずれも駆動電極により垂直電界又は水平電界を生成し、液晶の偏向を駆動して、透過した光線の角度を調整し、さらに上記液晶表示パネルの視認角度を調整することである。異なる点として、液晶表示パネルについて、液晶層203に対する制御は、画素レベルまで具現化することができ、金属配線及び駆動電極の配列密度が大きく、精度要求が高いが、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片については、制御精度を表示区画まで具現化すればよく、製造精度の要求が相対的に低く、プロセスコストが低い。具体的には、VA型液晶モードを例として説明すると、図2aは、覗き見防止状態切り替えフィルム片の覗き見防止状態を示し、液晶分子は、整列し、かつ偏向せず、光線は、液晶層203を透過して垂直方向に出射し、視認角度が低い。対して、図2bは、覗き見防止状態切り替えフィルム片の共有状態を示し、液晶分子は、規則的に偏向し、光線は、フィルム層を透過して発散方向に出射し、視認角度が大きくなる。
【0036】
図2cに参照されるように、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の等価駆動回路図であり、走査線204と、上記走査線204と交差し、かつ絶縁されて設けられたデータ線205と、上記走査線204と上記データ線205とに接続された薄膜トランジスタT1と、を含み、上記薄膜トランジスタT1は、ゲートが上記走査線204に接続され、ソースが上記データ線205に接続され、ドレインが離間電極206に接続され、上記離間電極206及び共通電極Vcomは、電圧差を形成し、かつ液晶容量CLC及び蓄積容量Cstを構成し、上記共通電極Vcomは、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片のいずれか一側に位置する。
【0037】
具体的には、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶層203は非PN液晶であり、PN液晶は、ポリマーネットワーク液晶(Polymer Network LC、PNLCと略称される)であり、PNLC内の液晶は、球形又は楕円球形のマイクロ液滴ではなく、3次元ポリマーネットワーク内に分布して、連続的なチャネルネットワークを形成し、PN液晶は、2種類の特徴を有するため、コントラストが低いことを引き起こす。
【0038】
1)PNLCは、セル厚が大きく(10um/16um)、透過率Tr=2であり、セルギャップが大きく暗状態が明るく、コントラストに影響を与え、コントラストが明状態と暗状態の比である。
【0039】
2)PNLC液晶配向条件については、限界低温プロセス、高エネルギー照射条件が要求され、基板の局所的な温度差のため、配向効果が低く、暗状態効果に影響を与える。以上より、PN液晶は、液晶表示パネルのコントラストが低いことを引き起こすことができ、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、好ましくは、VA液晶(Vertical Alignment、中国語で垂直偏向型液晶と略称する)、TN(Twisted Nematic、中国語でねじれネマティック型液晶と略称する)又はIPS液晶(In-Plane Switching、中国語で水平偏向型液晶と略称する)フィルムを採用して液晶表示パネルの表示コントラストを保証する。
【0040】
[実施例1]
図3aに参照されるように、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、上記液晶表示パネルの視野角の需要に応じて、中間領域302と、上記中間領域302の両側に位置する覗き見防止領域303とに分割することができ、かつ上記液晶表示パネルの水平表示方向において、覗き見防止領域303、中間領域302、覗き見防止領域303の順に分布する。ここで、上記覗き見防止領域303の面積は、上記中間領域302の面積より大きく、かつ上記中間領域302の両側に位置する覗き見防止領域303の面積が同じである。単一の上記覗き見防止領域303の面積は、上記中間領域302より大きく、かつ単一の上記覗き見防止領域303の面積が大きいほど、上記中間領域302の面積が小さくなる。上記中間領域302は、ユーザの視野角に正対し、視野角に正対しなければ、覗き見することができず、天然の覗き見防止効果を有し、両側に対向して位置する上記覗き見防止領域303は、非ユーザに覗き見されやすく、覗き見防止処理を重点的に行う必要があり、上記覗き見防止領域303の面積が大きいほど、覗き見防止視野角が広くなり、覗き見防止効果が高くなる。
【0041】
上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の作用は、上記液晶表示パネルを透過した表示光に対して、実際の使用シーンに合わせて方向調整を行うことであり、覗き見防止状態とは、液晶表示パネルに垂直又は略垂直な視野角で、高い光透過性を必要として、正常な情報表示及び取得を満たすことである。逆に、垂直視野角からずれると、光線を遮断する必要があり、表示範囲を縮小し、覗き見防止効果を達成する。上記液晶表示パネルの覗き見防止状態での視野角属性の需要に応じて、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動電極を分離して設ける必要がある。即ち、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の任意の側の基板に離間電極(互いに離間して設けられた電極)をアレイ状に設け、隣接する離間電極の間は、絶縁されて設けられ、各上記離間電極は、その対応する領域の液晶の偏向を駆動し、かつ上記覗き見防止状態切り替えフィルム片全体に分散する離間電極には、タイミング制御により異なる値の駆動信号を導入し、さらに異なる領域の液晶分子に対して区別的な偏向制御を行うことにより、上記液晶表示パネルの異なる視野角の表示需要を満たす。
【0042】
図3a及び図3bに参照されるように、本発明に係る覗き見防止状態切り替えフィルム片について、VA液晶を例として説明する。具体的には、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、第1の基板304と、上記第1の基板304に対向して設けられた第2の基板305と、上記第1の基板304と上記第2の基板305との間に設けられた液晶層306と、を含み、上記液晶層306の上下両側には、いずれも駆動電極が設けられる。ここで、上記駆動電極は、上記第1の基板304の上記第2の基板305に向かう一側に位置する離間電極308と、上記第2の基板305の上記第1の基板304に向かう一側に位置する共通電極307と、を含み、上記共通電極307及び上記離間電極308は、対向して設けられ、かつ電圧差を形成して液晶の偏向を駆動し、さらに上記液晶表示パネルの表示視野角を変更する。
【0043】
上記離間電極は、上記第1の基板304及び/又は上記第2の基板305に分離して設けられる。具体的には、上記離間電極は、上記中間領域302と上記中間領域302の両側に位置する覗き見防止領域303とに対応してアレイ状に分散して設けられ、異なる上記離間電極対応領域の駆動電圧差(液晶偏向は、液晶の上下側又は左右側の電極間に形成された電圧差により駆動され、電圧差の値が大きいほど、液晶偏向角度が大きくなる)が異なり、異なる上記離間電極対応領域の液晶偏向角度が異なる。例えば、覗き見防止状態で、上記中間領域302と覗き見防止領域303とに位置する駆動電圧差が同じであるため、該対応領域の液晶偏向方向及び角度は一致し、光線を上記表示パネルに垂直に出射するようにガイドすることにより、視認角度を低下させ、液晶配向時に液晶に対して同方向配列を行うこともでき、通電せずに覗き見防止状態を実現することができる。また、例えば、共有状態では、異なる上記離間電極対応領域の駆動電極は、異なる電圧差で液晶の偏向を駆動し、かつ覗き見防止領域303の液晶偏向角度は、中間領域302の液晶偏向角度より大きく、光線を発散的に出射するようにガイドし、可視角度を増大させる。
【0044】
本実施例において、共有状態では、水平方向での表示視野角が大きく、垂直方向において上記駆動電極をさらに細分化して、垂直表示視野角を改善することができる。
【0045】
上記駆動電極は、上記第1の基板304に位置する共通電極307と、上記第2の基板305に位置する離間電極308と、を含む。ここで、上記共通電極307は、全面にわたって設けられ、上記離間電極308は、分散して設けられる。さらに、上記離間電極308は、上記液晶表示パネルの水平表示方向に沿ってアレイ状に設けられた帯状電極D1~D15を含み、隣接する上記帯状電極は、互いに平行で、かつ間隔を隔てて設けられ、上記帯状電極は、上記中間領域302と両側に位置する覗き見防止領域303とに対応して分布する。
【0046】
具体的には、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶層306は、液晶配向時に既に通常配列を行い、チルト角を予め設定する。通常状態とは、中間領域302及び覗き見防止領域303の覗き見防止状態での液晶の長軸の向きが同じであり、通電しないと覗き見防止状態を維持し、光線が上記表示パネルに垂直に出射することにより、視認角度を低下させることである。共有状態では、上記共通電極307は、固定電圧が印加され、上記中間領域302及び上記覗き見防止領域303に位置する上記帯状電極は、上記共通電極307と異なる電圧が印加されて駆動電圧差を形成し、液晶を予め設定されたチルト角に応じて偏向するようにガイドする。同時に、上記中間領域302に位置する上記帯状電極と上記共通電極307との間の電圧差は、上記覗き見防止領域303に位置する上記帯状電極と上記共通電極307との間の電圧差より小さく、さらに上記覗き見防止領域303の液晶の大きな角度の偏向を実現するようにガイドし、出射光を発散させ、表示視野角を拡大する。
【0047】
図3cに参照されるように、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、上記液晶表示パネルの視野角の需要に応じて、中心領域309と、上記中心領域309の水平、垂直及び対角の表示方向に位置する覗き見防止領域310とに分割することができ、上記覗き見防止領域310の面積は、上記中心領域309の面積より大きい。上記中心領域309と上記中心領域309の周囲に位置する覗き見防止領域310とに、いずれも上記駆動電極が分布する。具体的には、異なる電極対応領域の駆動電圧差が異なり、異なる領域の液晶偏向角度が異なる。例えば、覗き見防止状態で、上記中心領域309と上記中心領域309の周囲に位置する覗き見防止領域310とに位置する駆動電圧差が同じであるため、該電極対応領域の液晶偏向方向及び角度は一致し、光線を上記表示パネルに垂直に出射するようにガイドすることにより、視認角度を低下させる。また、例えば、共有状態では、異なる電極対応領域の駆動電極は、異なる電圧差で液晶の偏向を駆動し、かつ覗き見防止領域310の液晶偏向角度は、中心領域309の液晶偏向角度より大きく、ガイド光線を発散的に出射するようにガイドし、可視角度を増大させる。
【0048】
図3dに参照されるように、上記駆動電極は、上記第1の基板304に位置する共通電極307と、上記第2の基板に位置する離間電極308と、を含む。ここで、上記共通電極307は、全面にわたって設けられ、上記離間電極308は、分散して設けられる。さらに、上記離間電極308は、環状放射状に設けられ、上記離間電極308は、中心電極と、上記中心電極から外方へ拡散する環状電極と、を含み、上記中心電極は、上記液晶表示パネルの中心表示領域に対応して位置し、上記環状電極は、上記中心表示領域以外の表示領域に対応してカバーする。
【0049】
上記離間電極308は、環状放射状に設けられる。例えば、上記中心電極及び上記環状電極は、いずれも中空円形電極であり、かつ上記環状電極の内径は、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の中心から縁部に向かって徐々に増大し、かつ外方へ拡散する上記環状電極は、形状が上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の縁部の輪郭に徐々に適合し、単一方向でアレイ状に設けられた上記帯状電極に比べて、上記帯状電極は、単一方向のみに覗き見防止効果を有する。即ち、表示画面の水平方向又は垂直方向に覗き見を防止するが、上記環状電極は、水平及び垂直方向にいずれも電極が設けられ、異なる電極は、環状の形で上記覗き見防止状態切り替えフィルム片全体に分布し、かつ異なる電極には、同様にタイミング制御により異なる駆動信号を導入し、表示パネルの周囲方向には、いずれも覗き見防止及び共有を実現することができる。
【0050】
具体的には、図3b~3dに参照されるように、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶層306は、液晶配向時に既に通常配列を行い、チルト角を予め設定する。通常状態とは、中心領域309と上記中心領域309の周囲に位置する覗き見防止領域310の覗き見防止状態での液晶の長軸の向きが同じであり、通電しないと覗き見防止状態を維持し、光線が上記表示パネルに垂直に出射することにより、視認角度を低下させることである。共有状態では、上記共通電極307は、固定電圧が印加され、上記中心領域309及び上記覗き見防止領域310に位置する上記環状電極は、上記共通電極307と異なる電圧が印加接続されて駆動電圧差を形成し、液晶を予め設定されたチルト角に応じて偏向するようにガイドする。同時に、上記中心領域309に位置する上記環状電極と上記共通電極307との間の電圧差は、上記覗き見防止領域310に位置する上記環状電極と上記共通電極307との間の電圧差より小さく、さらに上記覗き見防止領域310の液晶の大きな角度の偏向を実現するようにガイドし、出射光を発散させ、表示視野角を拡大する。
【0051】
[実施例2]
図4に参照されるように、本発明に係る覗き見防止状態切り替えフィルム片について、IPS液晶を例として説明する。具体的には、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、第1の基板404と、上記第1の基板404に対向して設けられた第2の基板と、上記第1の基板404と上記第2の基板との間に設けられた液晶層と、を含み、上記液晶層の単一側に駆動電極が設けられる。ここで、上記駆動電極は、上記第1の基板404に位置する共通電極と、上記共通電極と同一の基板に位置する離間電極と、を含み、上記共通電極及び上記離間電極は、櫛形で交互に設けられ、上記共通電極及び上記離間電極は、水平電界を構成して液晶の偏向を駆動し、同様に、上記共通電極及び上記離間電極はさらに、上記第2の基板に設けられてもよく、その液晶駆動原理は、上記第1の基板404に設けられる場合と同じである。
【0052】
具体的には、上記共通電極及び上記離間電極は、同じ側の基板に位置し、かつ上記離間電極は、帯状電極402がアレイ状に水平に設けられるように上記第1の基板404に設けられ、上記共通電極は、櫛形電極403と、上記櫛形電極403に接続された共通線405と、を含み、上記帯状電極402は、上記歯状電極内に交互に嵌設される。
【0053】
同様に、上記帯状電極402は、中間領域及び覗き見防止領域に対応して異なる駆動電圧を有し、上記櫛形電極403は、固定電圧が印加され、隣接する上記帯状電極402と水平電界を形成して液晶の偏向を駆動する。具体的な領域の電圧設定及び実施原理は、VAモードと同じであり、ここでは説明を省略する。
【0054】
実施例1及び実施例2に参照されるように、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、上記駆動電極の基板が設けられ、駆動ICと、上記駆動ICに接続されたタイミング制御回路と、上記タイミング制御回路に接続された駆動配線とがさらに設けられ、上記駆動配線は、第1の方向に沿って設けられたゲート線と、第2の方向に沿って設けられたデータ線と、を含み、上記離間電極は、薄膜トランジスタにより上記ゲート線及び上記データ線に電気的に接続される。
【0055】
[実施例3]
実施例1及び実施例2に係る上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、上記液晶表示パネルが覗き見防止状態又は共有状態で表示することを実現することができるが、これを基に、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片はさらに、総合状態で表示することができる。例えば、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片に対して、ユーザが必要に応じて選択して使用するように複数の視野角モードを設定することができる。即ち、開放型覗き見防止状態と共有状態であり、液晶表示パネルに対して局所的な覗き見防止又は共有を行う。例えば、特定の視野角のみに対して表示画面を共有し、残りの表示領域は、覗き見防止状態であり、該特定の視野角は、垂直視野角に限定されず、それに対応して、各領域の上記帯状電極の駆動電圧は、独立して制御して、異なる視野角の需要に応じて液晶の偏向を駆動する角度を設定する需要を満たすことができる。
【0056】
[実施例4]
本発明に係る表示装置によれば、表示装置の覗き見防止状態切り替えフィルム片の駆動方法をさらに提供し、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片は、対向して設けられた第1の基板及び第2の基板と、上記第1の基板と上記第2の基板との間に位置する液晶層と、上記液晶層の少なくとも一側に位置する駆動電極と、を含み、上記駆動電極は、共通電極と、上記共通電極に対向して設けられた離間電極と、を含み、上記離間電極は、絶縁分散して設けられ、通電した後の上記離間電極と上記共通電極との間に電界を生成して液晶の偏向を駆動する。ここで、上記駆動方法は、上記表示装置が共有表示モードである場合、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の共通電極に定電圧電流を通電するステップと、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の離間電極に上記共通電極と異なる電圧を印加して、液晶の偏向を駆動する電界を構成し、基板に隣接して設けられた上記離間電極に異なる電圧を印加して液晶偏向角度を発散させるステップと、を含む。
【0057】
さらに、基板に分散された上記離間電極と、中心表示領域に相対的に近い電極と、中心表示領域方向から相対的に遠い電極とに、漸減する傾向を示す電圧を印加するステップと、上記離間電極に印加された最小電圧値を、上記共通電極に印加された電圧値以上とするステップと、を含む。
【0058】
さらに、上記表示装置が覗き見防止表示モードである場合、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片には、電圧を印加せず、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶は、プレチルト角偏向角度を示し、各液晶は、同じ偏向角度を示し、光出射範囲を縮小する。
【0059】
図5に参照されるように、共有状態での上記覗き見防止状態切り替えフィルム片のタイミング制御図であり、アレイ状に設けられた上記帯状電極D1-D15の場合、隣接する上記帯状電極に印加された電圧がいずれも異なる。即ち、隣接する上記帯状電極と上記共通電極307との間の電圧差が異なり、かつ縁部に位置する上記帯状電極と上記共通電極307との間の電圧差は、中間に位置する上記帯状電極と上記共通電極307との間の電圧差より小さく、かつ縁部電圧差から中間電圧差へ徐々に増大する傾向を示す。したがって、隣接する上記帯状電極対応領域の電圧差の値が相対的に均一であるため、異なる領域の液晶偏向角度の差が小さく、明暗境界線が現れるという表示不良を低減することができる。
【0060】
上記解決手段の説明として、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の通常の表示は、覗き見防止状態であり、通電した後に共有状態に切り替えられ、同様に、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片はさらに、通常の表示が共有状態で、通電した後に覗き見防止状態に切り替えられるように設定することができ、上記覗き見防止状態切り替えフィルム片の液晶を、チルト角状態を有するように配向することにより、共有状態になる。逆に、通電した後に液晶が同じ向きを有するように偏向することにより、覗き見防止状態になる。2種類の駆動方式及び設定原理は同じであり、ここでは説明を省略する。
【0061】
従来技術に比べて、本発明に係る表示装置は、覗き見防止表示機能を有し、かつ、表示装置に覗き見防止状態切り替えフィルム片がさらに設けられ、覗き見防止状態切り替えフィルム片に通電するか又は通電しないことにより表示装置の表示視野角を変更することができ、覗き見防止バックライトと連携して覗き見防止状態と共有状態との任意の切り替えを実現して、覗き見防止表示の応用シーンをより広くする。
【0062】
以上より、本願では好ましい実施例を前述のとおり開示したが、上記好ましい実施例は、本願を限定するためのものではなく、当業者であれば、本願の精神及び領域から逸脱しない範囲内で様々な変形や修飾を行うことができるため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲で限定された内容を基準とする。
【符号の説明】
【0063】
101 液晶表示パネル
102 見防止フィルム片
103 フィルム片
104 導光板
105 拡散片
106 プリズムフィルム
201 第1の基板
202 第2の基板
203 液晶層
204 走査線
205 データ線
206 離間電極
302 中間領域
303 見防止領域
304 第1の基板
305 第2の基板
306 液晶層
307 共通電極
308 離間電極
309 中心領域
310 見防止領域
402 帯状電極
403 櫛形電極
404 第1の基板
405 共通線
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5