(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240722BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240722BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20240722BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240722BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240722BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G09F9/00 366A
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/30 330
H10K59/40
H10K50/844
H10K77/10
H10K59/131
G06F3/041 430
(21)【出願番号】P 2021568085
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2020083962
(87)【国際公開番号】W WO2021203360
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 波
(72)【発明者】
【氏名】董 向丹
(72)【発明者】
【氏名】王 蓉
(72)【発明者】
【氏名】苟 ▲結▼
(72)【発明者】
【氏名】程 博
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0105840(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0331160(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0091252(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0033831(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131375(US,A1)
【文献】国際公開第2019/030887(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/038884(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
G06F 3/00-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む少なくとも1つのバリアと、
前記基板に配置された有機絶縁構造であって、積層配置された複数のサブ絶縁構造を含み、前記複数のサブ絶縁構造における各サブ絶縁構造の一部が前記表示領域に位置し、前記複数のサブ絶縁構造における各サブ絶縁構造が、前記表示領域と前記片側バリア構造との間に位置する第1境界を有し、そのうち、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造に対して、前記基板から離れた側の前記サブ絶縁構造の第1境界は、前記基板に近い側の前記サブ絶縁構造の第1境界よりも前記表示領域に近く、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造の第1境界間の間隔は20μm以上である有機絶縁構造と、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置されたタッチ電極パターンと、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置され、一端が前記タッチ電極パターンに電気的に接続され、他端が前記パッド領域に接続されたタッチ信号線であって、前記周辺領域における部分の前記基板上での正射影が各前記サブ絶縁構造の第1境界と交差するタッチ信号線と、を含む、
表示パネル。
【請求項2】
任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造の第1境界間の間隔は25μm~60μmである、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記有機絶縁構造の複数の前記サブ絶縁構造は、
前記基板上に配置された第1平坦化層と、
前記基板から離れた前記第1平坦化層の一側に位置する第2平坦化層と、
前記基板から離れた前記第2平坦化層の一側に位置するピクセル定義層と、を含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記サブ絶縁構造の第1境界と前記片側バリア構造との間に間隔を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に位置する封止層をさらに含み、
前記タッチ電極パターン及び前記タッチ信号線は、いずれも前記基板から離れた前記封止層の一側に位置する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記封止層は、
第1無機封止層と、
前記基板から離れた前記第1無機封止層の一側に位置する第2無機封止層と、
前記第1無機封止層と前記第2無機封止層との間に位置する有機封止層と、を含む、
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記有機絶縁構造と前記片側バリア構造との間に溝が形成され、前記封止層の前記基板上での正射影は、前記有機絶縁構造の前記基板上での正射影、前記溝の前記基板上での正射影、及び前記片側バリア構造の前記基板上での正射影を同時に覆い、前記片側バリア構造は前記基板と前記封止層との間に位置する、
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記基板から離れた前記封止層の一側に配置されたタッチ絶縁層をさらに含み、
前記タッチ電極パターンは、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチ感知電極を含み、前記タッチ駆動電極とタッチ感知電極とが交差して配置され、前記タッチ駆動電極と前記タッチ感知電極とが交差する箇所は前記タッチ絶縁層によって絶縁分離され、各前記タッチ駆動電極と各前記タッチ感知電極はそれぞれ1本の前記タッチ信号線に対応して接続される、
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記タッチ駆動電極は、第1方向に沿って配列された複数の駆動電極ユニットと、各隣り合う2つの前記駆動電極ユニット間に接続された接続部と、を有し、
前記タッチ感知電極は、第2方向に沿って配列された複数の感知電極ユニットと、各隣り合う2つの前記感知電極ユニット間に接続されたブリッジと、を有し、
前記第1方向と前記第2方向が交差し、前記駆動電極ユニット、前記接続部及び前記感知電極ユニットは、いずれも前記基板から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置し、且つ同一層に位置し、前記ブリッジは前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する、
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記タッチ信号線は、前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する第1伝送部と、前記封止層から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置する第2伝送部と、を含み、前記第2伝送部は、前記タッチ絶縁層を貫通するビアホールを介して前記第1伝送部と電気的に接続される、
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示領域が、各画素ユニットに発光素子が配置された複数の画素ユニットを有し、前記発光素子と電気的に接続される電源線をさらに含む前記表示パネルであって、前記電源線は、前記有機絶縁構造と前記基板との間に位置し、前記電源線の前記基板上での正射影と、前記第1境界の前記基板上での正射影とが重なる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記バリアは、
前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲む第1バリアと、
前記周辺領域に位置し、且つ前記第1バリアを囲む第2バリアと、
前記第1バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所と、前記第2バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所とが、前記片側バリア構造を構成する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記基板はフレキシブル基板であり、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する屈曲領域をさらに含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記基板上に配置された第1バッファ層と、
前記第1バッファ層と前記第1平坦化層との間に配置された半導体層と、
前記半導体層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート絶縁層と、
前記第1ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート電極層と、
前記第1ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート絶縁層と、
前記第2ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート電極層と、
前記第2ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された層間絶縁層と、
前記層間絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ソース/ドレイン導電層と、
前記第1ソース/ドレイン導電層と前記第1平坦化層との間に配置されたパッシベーション層と、
前記第1平坦化層と前記第2平坦化層との間に配置された第2ソース/ドレイン導電層と、
前記第2平坦化層と前記ピクセル定義層との間に配置され、複数の第1電極を含み、前記ピクセル定義層が前記第1電極に一対一で対応する画素開口を含む第1電極層と、
前記画素開口の中に配置された発光層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された第2電極層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された封止層と、
前記基板から離れた前記封止層の一側に配置された第2バッファ層と、をさらに含む、
請求項3に記載の表示パネル。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術分野に関し、具体的に表示パネル及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
OLED表示装置は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Display,OLED)表示技術の発展に伴い広く用いられている。製品の厚さ及びタッチ体験に関するユーザのニーズを満たすために、生産工程において、タッチ機能層をOLED表示パネルの封止層上に製作している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例は表示パネル及び表示装置を提供する。
【0004】
本開示の第一態様によれば、表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む少なくとも1つのバリアと、
前記基板に配置された有機絶縁構造であって、積層配置された複数のサブ絶縁構造を含み、前記複数のサブ絶縁構造における各サブ絶縁構造の一部が前記表示領域に位置し、前記複数のサブ絶縁構造における各サブ絶縁構造が、前記表示領域と前記片側バリア構造との間に位置する第1境界を有し、そのうち、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造に対して、前記基板から離れた側の前記サブ絶縁構造の第1境界は、前記基板に近い側の前記サブ絶縁構造の第1境界よりも前記表示領域に近く、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造の第1境界間の間隔は20μm以上である有機絶縁構造と、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置されたタッチ電極パターンと、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置され、一端が前記タッチ電極パターンに電気的に接続され、他端が前記パッド領域に接続されたタッチ信号線であって、前記周辺領域における部分の前記基板上での正射影が各前記サブ絶縁構造の第1境界と交差するタッチ信号線と、を含む表示パネルを提供する。
【0005】
いくつかの実施例において、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造の第1境界間の間隔は25μm~60μmである。
【0006】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造の複数の前記サブ絶縁構造は、
前記基板上に配置された第1平坦化層と、
前記基板から離れた前記第1平坦化層の一側に位置する第2平坦化層と、
前記基板から離れた前記第2平坦化層の一側に位置するピクセル定義層と、を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記サブ絶縁構造の第1境界と前記片側バリア構造との間に間隔を有する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に位置する封止層をさらに含み、前記タッチ電極パターン及び前記タッチ信号線は、いずれも前記基板から離れた前記封止層の一側に位置する。
【0009】
いくつかの実施例において、前記封止層は、
第1無機封止層と、
前記基板から離れた前記第1無機封止層の一側に位置する第2無機封止層と、
前記第1無機封止層と前記第2無機封止層との間に位置する有機封止層と、を含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造と前記片側バリア構造との間に溝が形成され、前記封止層の前記基板上での正射影は、前記有機絶縁構造の前記基板上での正射影、前記溝の前記基板上での正射影、及び前記片側バリア構造の前記基板上での正射影を同時に覆い、前記片側バリア構造は前記基板と前記封止層との間に位置する。
【0011】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、前記基板から離れた前記封止層の一側に配置されたタッチ絶縁層をさらに含み、
前記タッチ電極パターンは、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチ感知電極を含み、前記タッチ駆動電極とタッチ感知電極とが交差して配置され、前記タッチ駆動電極と前記タッチ感知電極とが交差する箇所は前記タッチ絶縁層によって絶縁分離され、各前記タッチ駆動電極と各前記タッチ感知電極はそれぞれ1本の前記タッチ信号線に対応して接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記タッチ駆動電極は、第1方向に沿って配列された複数の駆動電極ユニットと、各隣り合う2つの前記駆動電極ユニット間に接続された接続部と、を有し、
前記タッチ感知電極は、第2方向に沿って配列された複数の感知電極ユニットと、各隣り合う2つの前記感知電極ユニット間を接続するブリッジと、を有し、
前記第1方向と前記第2方向が交差し、前記駆動電極ユニット、前記接続部及び前記感知電極ユニットは、いずれも前記基板から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置し、且つ同一層に位置し、前記ブリッジは前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記タッチ信号線は、前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する第1伝送部と、前記封止層から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置する第2伝送部と、を含み、前記第2伝送部は、前記タッチ絶縁層を貫通するビアホールを介して前記第1伝送部と電気的に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記表示領域が、各画素ユニットに発光素子が配置された複数の画素ユニットを有し、前記発光素子と電気的に接続される電源線をさらに含む前記表示パネルであって、前記電源線は、前記有機絶縁構造と前記基板との間に位置し、前記電源線の前記基板上での正射影と、前記第1境界の前記基板上での正射影とが重なる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記バリアは、
前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲む第1バリアと、
前記周辺領域に位置し、且つ前記第1バリアを囲む第2バリアと、
前記第1バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所と、前記第2バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所とが、前記片側バリア構造を構成する。
【0016】
いくつかの実施例において、前記基板はフレキシブル基板であり、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する屈曲領域をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、
前記基板上に配置された第1バッファ層と、
前記第1バッファ層と前記第1平坦化層との間に配置された半導体層と、
前記半導体層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート絶縁層と、
前記第1ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート電極層と、
前記第1ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート絶縁層と、
前記第2ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート電極層と、
前記第2ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された層間絶縁層と、
前記層間絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ソース/ドレイン導電層と、
前記第1ソース/ドレイン導電層と前記第1平坦化層との間に配置されたパッシベーション層と、
前記第1平坦化層と前記第2平坦化層との間に配置された第2ソース/ドレイン導電層と、
前記第2平坦化層と前記ピクセル定義層との間に配置され、複数の第1電極を含み、前記ピクセル定義層が前記第1電極に一対一で対応する画素開口を含む第1電極層と、
前記画素開口の中に配置された発光層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された第2電極層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された封止層と、
前記基板から離れた前記封止層の一側に配置された第2バッファ層と、を含む。
【0018】
本開示の第二態様によれば、
表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む少なくとも1つのバリアと、
前記基板上に配置され、一部が前記表示領域に位置し、他の部分が前記周辺領域に位置する有機絶縁構造であって、前記基板に向かう底面と、前記底面に対向する頂面と、前記底面と頂面との間を接続し且つ前記片側バリア構造に向かう第1側面と、を有し、前記第1側面が傾斜角を0~40℃とする傾斜面である有機絶縁構造と、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置されたタッチ電極パターンと、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置され、一端が前記タッチ電極パターンに電気的に接続され、他端が前記パッド領域に接続されたタッチ信号線であって、前記周辺領域における部分の前記基板上での正射影が前記傾斜面の前記基板上での正射影を通過するタッチ信号線と、を含む表示パネルを提供する。
【0019】
いくつかの実施例において、前記傾斜面の傾斜角は25~35℃である。
【0020】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造の複数の前記サブ絶縁構造は、
前記基板上に配置された第1平坦化層と、
前記基板から離れた前記第1平坦化層の一側に位置する第2平坦化層と、
前記基板から離れた前記第2平坦化層の一側に位置するピクセル定義層と、を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記第1側面と前記片側バリア構造との間に間隔を有する。
【0022】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に位置する封止層をさらに含み、
前記タッチ電極パターン及び前記タッチ信号線は、いずれも前記基板から離れた前記封止層の一側に位置する。
【0023】
いくつかの実施例において、前記封止層は、
第1無機封止層と、
前記基板から離れた前記第1無機封止層の一側に位置する第2無機封止層と、
前記第1無機封止層と前記第2無機封止層との間に位置する有機封止層と、を含む。
【0024】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造と前記片側バリア構造との間に溝が形成され、前記封止層の前記基板上での正射影は、前記有機絶縁構造の前記基板上での正射影、前記溝の前記基板上での正射影、及び前記片側バリア構造の前記基板上での正射影を同時に覆い、前記片側バリア構造は前記基板と前記封止層との間に位置する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、前記基板から離れた前記封止層の一側に位置するタッチ絶縁層をさらに含み、
前記タッチ電極パターンは、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチ感知電極を含み、前記タッチ駆動電極とタッチ感知電極とが交差して配置され、前記タッチ駆動電極と前記タッチ感知電極とが交差する箇所は前記タッチ絶縁層によって絶縁分離され、各前記タッチ駆動電極と各前記タッチ感知電極はそれぞれ1本の前記タッチ信号線に対応して接続される。
【0026】
いくつかの実施例において、前記タッチ駆動電極は、第1方向に沿って配列された複数の駆動電極ユニットと、各隣り合う2つの前記駆動電極ユニット間に接続された接続部と、を有し、
前記タッチ感知電極は、第2方向に沿って配列された複数の感知電極ユニットと、各隣り合う2つの前記感知電極ユニット間を接続するブリッジと、を有し、
前記第1方向と前記第2方向が交差し、前記駆動電極ユニット、前記接続部及び前記感知電極ユニットは、いずれも前記基板から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置し、且つ同一層に位置し、前記ブリッジは前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する。
【0027】
いくつかの実施例において、前記タッチ信号線は、前記タッチ絶縁層と前記封止層との間に位置する第1伝送部と、前記封止層から離れた前記タッチ絶縁層の一側に位置する第2伝送部と、を含み、前記第2伝送部は、前記タッチ絶縁層を貫通するビアホールを介して前記第1伝送部と電気的に接続される。
【0028】
いくつかの実施例において、前記表示領域が、各画素ユニットに発光素子が配置された複数の画素ユニットを有し、前記発光素子と電気的に接続される電源線をさらに含む前記表示パネルであって、前記電源線は、前記有機絶縁構造と前記基板との間に位置し、前記電源線の前記基板上での正射影と、前記第1境界の前記基板上での正射影とが重なる。
【0029】
いくつかの実施例において、前記バリアは、
前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲む第1バリアと、
前記周辺領域に位置し、且つ前記第1バリアを囲む第2バリアと、を有し、
前記第1バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所と、前記第2バリアにおいて、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する箇所とが、前記片側バリア構造を構成する。
【0030】
いくつかの実施例において、前記基板はフレキシブル基板であり、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する屈曲領域をさらに含む。
【0031】
いくつかの実施例において、前記表示パネルは、
前記基板上に配置された第1バッファ層と、
前記第1バッファ層と前記第1平坦化層との間に配置された半導体層と、
前記半導体層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート絶縁層と、
前記第1ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ゲート電極層と、
前記第1ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート絶縁層と、
前記第2ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第2ゲート電極層と、
前記第2ゲート電極層と前記第1平坦化層との間に配置された層間絶縁層と、
前記層間絶縁層と前記第1平坦化層との間に配置された第1ソース/ドレイン導電層と、
前記第1ソース/ドレイン導電層と前記第1平坦化層との間に配置されたパッシベーション層と、
前記第1平坦化層と前記第2平坦化層との間に配置された第2ソース/ドレイン導電層と、
前記第2平坦化層と前記ピクセル定義層との間に配置され、複数の第1電極を含み、前記ピクセル定義層が前記第1電極に一対一で対応する画素開口を含む第1電極層と、
前記画素開口の中に配置された発光層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された第2電極層と、
前記基板から離れた前記発光層の一側に配置された封止層と、
前記基板から離れた前記封止層の一側に配置された第2バッファ層と、をさらに含む。
【0032】
本開示の第三態様によれば、表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む少なくとも1つのバリアと、
前記基板に配置された有機絶縁構造であって、積層配置された複数のサブ絶縁構造を含み、前記複数のサブ絶縁構造における各前記サブ絶縁構造の一部が前記表示領域に位置し、各前記サブ絶縁構造が、前記表示領域と前記片側バリア構造との間に位置する第1境界を有し、前記基板から最も離れた前記サブ絶縁構造を除いて、残りの各前記サブ絶縁構造はいずれも延伸部を含み、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造に関して、前記基板に近い前記サブ絶縁構造の延伸部は、前記基板から離れた前記サブ絶縁構造の第1境界と前記片側バリア構造との間に位置する有機絶縁構造と、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置されたタッチ電極パターンと、
前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置され、一端が前記タッチ電極パターンに電気的に接続され、他端が前記パッド領域に接続されたタッチ信号線であって、前記周辺領域における部分の前記基板上での正射影が各前記サブ絶縁構造の延伸部における前記基板上での正射影と重なるタッチ信号線と、を含み、
前記延伸部を有する前記サブ絶縁構造は、有機材料層に対して二重色調マスク板を用いることによりパターニング工程を行い形成され、前記パターニング工程を行う場合、前記延伸部が形成される領域は、前記二重色調マスク板の半透光領域に対応する表示パネルを提供する。
【0033】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造の複数の前記サブ絶縁構造は、
前記基板上に配置された第1平坦化層と、
前記基板から離れた前記第1平坦化層の一側に位置する第2平坦化層と、
前記基板から離れた前記第2平坦化層の一側に位置するピクセル定義層と、を含む。
【0034】
本開示の第四態様によれば、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図面は、本開示の更なる理解を提供するためのものであり、説明書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態と共に本開示を説明するためのものであるが、本開示を限定するものではない。
【0036】
【
図1】本開示のいくつかの実施例によって提供される表示パネルの基板の領域分割概念図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例によって提供される表示パネルの平面概念図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例における有機絶縁構造と片側バリア構造間の溝の概念図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例における画素回路の等価概念図である。
【
図7】
図2におけるB-B’線に沿った断面図である。
【
図8】
図2におけるD-D’線に沿った断面図である。
【
図9】本開示の他のいくつかの実施例の、
図3におけるA-A’線に沿った断面図である。
【
図10】
図9における有機絶縁構造の1つ目の構造図である。
【
図11】
図9における有機絶縁構造の2つ目の構造図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施例によって提供される、延伸部を有するサブ絶縁構造の製造過程の概略図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施例によって提供される、延伸部を有するサブ絶縁構造の製造過程の概略図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施例によって提供される、延伸部を有するサブ絶縁構造の製造過程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下では、本開示の実施例の図面を組み合わせて、本開示の実施例の技術案について明確且つ完全に説明する。明らかに、記載する実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。記載する本開示の実施例に基づいて、当業者は創造力を働かせることなく他の全ての実施例を取得でき、これらはいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0038】
ここで本開示の実施例の説明に用いられる技術用語は、本開示の範囲を制限及び/又は限定することを意図していない。例えば、別途定義しない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は、任意の順序、数又は重要性を意味するものではなく、異なる構成要素を区別するために使用されるだけであると理解されたい。単数形の「1つ」、「1」又は「当該」などの類似用語も、文脈上明らかに示さない限り、数の限定を意味するのではなく、少なくとも1つ存在することを意味する。「含む」又は「含有」などの類似の用語は、「含む」又は「含有」の前にある要素又は物体が、「含む」又は「含有」の後に列挙された要素又は物体及びその同等物を包含することを意味し、他の要素又は物体を除外しない。「接続」又は「連結」などの類似の用語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的又は間接的を問わず、電気的接続を含んでよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すものに過ぎず、記述対象の絶対的な位置が変化すると、それに応じて相対的な位置関係も変化することがありえる。
【0039】
以下の説明において、要素又は層が他の要素又は層の「上」に「ある」か、又は他の要素又は層に「接続される」とされる場合、当該要素又は層は、前記他の要素又は層の上に直接あるか、前記他の要素又は層に直接接続されるか、或いは中間要素又は中間層が存在してよい。しかし、要素又は層が他の要素又は層の「上」に「直接ある」か、他の要素又は層に「直接接続される」とされる場合、中間要素又は中間層は存在しない。「及び/又は」という技術用語は、1つ又は複数の、関連して列挙された項目の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。
【0040】
本開示の実施例は、基板を含む表示パネルを提供し、
図1は本開示のいくつかの実施例によって提供される表示パネルの基板の領域分割概念図であり、
図1に示すように、基板SUBは、表示領域DA、周辺領域PA及びパッド領域WAを含み、周辺領域PAは表示領域DAを囲み、パッド領域WAは、表示領域DAから離れた周辺領域PAの一側に位置する。そのうち、表示領域DAには、画像を表示するための素子、例えば、画素回路、走査線GL、データ線DL、発光素子などが設けられてよい。また、表示領域DAには、タッチ機能を実現するためのタッチ電極パターンがさらに設けられてもよい。パッド領域WAは、表示領域DAから離れた周辺領域PAの一側に位置し、パッド領域WAは複数のコンタクトパッドPAD(或いはパッドという)を含み、各コンタクトパッドPADは、表示領域DA又は周辺領域PAから伸びる信号線を電気的に接続するように配置されている。例えば、データ線DLは、データ接続線を介してコンタクトパッドに接続することができる。コンタクトパッドPADは、パッド領域WAの表面に露出してよく、即ち、いかなる層にも覆われず、こうすることでフレキシブルプリント回路基板FPCB(Flexible Print Circuit Board)への電気的に便利である。フレキシブルプリント回路基板FPCBは、外部制御器と電気的に接続され、外部制御器からの信号を伝送するように配置されている。コンタクトパッドPADと各信号線が電気的に接続されることで、信号線とフレキシブルプリント回路基板FPCBとの間の相互通信が実現される。なお、
図1におけるコンタクトパッドPADの数及び配置方法は概略的な説明に過ぎず、コンタクトパッドPADに対する限定を構成するものではないと理解されたい。
【0041】
図2は本開示のいくつかの実施例によって提供される表示パネルの平面概念図であり、
図3は
図2におけるQ1領域の拡大図であり、
図4は
図3のA-A’線に沿った断面図であり、
図1~
図4を参照すると、当該表示パネル100は、少なくとも1つのバリア10、有機絶縁構造20、タッチ電極パターン及びタッチ信号線TLをさらに含む。
【0042】
そのうち、バリア10は、基板SUB上に配置され、周辺領域PAの中に位置し、且つ表示領域DAを囲む。バリア10は、外部の水分や酸素が表示領域DAに侵入するのを遮断して、表示効果に影響が及ぶのを防止する。バリア10は、表示領域DAと周辺領域PAとの間に位置する片側バリア構造を含む。具体的な例として、
図2に示すように、バリア10は、第1バリア11と、第1バリア11を囲む第2バリア12と、を含み、第1バリア11は、表示領域DAと周辺領域PAとの間に位置する第1バリア部111を含み、第2バリア12は、表示領域DAと周辺領域PAとの間に位置する第4バリア部121を含み、この時、第1バリア部111及び第3バリア部121が前記片側バリア構造を構成する。
【0043】
有機絶縁構造20は、基板SUB上に配置され、積層配置された複数のサブ絶縁構造21を含み、各サブ絶縁構造21の一部が表示領域DAに位置し、他の部分が周辺領域PAに位置し、例えば、サブ絶縁構造21の基板SUB上での正射影が、表示領域DAから表示領域DAとバリア10との間まで伸びる。各サブ絶縁構造21は第1境界E1を有し、任意の隣接する2つのサブ絶縁構造21については、基板SUBから離れた側のサブ絶縁構造21の第1境界E1が、基板SUBに近い側のサブ絶縁構造21の第1境界E1よりも表示領域DAにより近いことにより、階段状を形成する(
図4を参照)。隣接する2つのサブ絶縁構造21の第1境界E1間の距離dは、20μm以上である。なお、各サブ絶縁構造21の第1境界E1間の位置関係を分かりやすくするため、
図3では
図2におけるQ1領域のみを拡大しているが、各第1境界E1は、
図2におけるQ1領域にのみ位置しているのではなく、
図2での表示領域DAの下縁全体に対応し、即ち、第1境界E1は、
図2におけるQ領域の左端から右端まで伸びている。相応に、有機絶縁構造20は、
図4における階段状の形態をQ1領域に形成するだけでなく、Q領域全体においても階段状の形態を形成する。
【0044】
タッチ電極パターンは、基板SUBから離れた有機絶縁構造20の一側に配置される。タッチ電極パターンは、表示領域DAにおけるタッチの発生を検出するように構成されている。例えば、タッチ電極パターンは、
図2に示すタッチ駆動電極TXとタッチ感知電極TXを含む。
【0045】
タッチ信号線TLは、基板SUBから離れた有機絶縁構造20の一側に配置され、一端がタッチ電極パターンと電気的に接続され、他端がパッド領域WAに接続されて、パッド領域WAにおけるコンタクトパッドPADと電気的に接続される。そのうち、タッチ信号線TLの周辺領域PAにおける部分は、基板SUB上での正射影が、各サブ絶縁構造21の第1境界E1と交差する。
【0046】
隣接する2つのサブ絶縁構造21の第1境界E1間の距離dが比較的小さい(例えば、dが5μm以下)場合、タッチ信号線TLは比較的急な傾斜面に位置することになり、このような状況では、エッチング工程を用いてタッチ信号線TLを形成する時、タッチ信号線TLの間に導電物の残留が生じやすく、タッチ信号線TLの間にショートが発生することになる。本開示の実施例では、有機絶縁構造20の各サブ絶縁構造21において、隣接する2つのサブ絶縁構造21の第1境界E1間の距離dが大きいため、タッチ信号線TLが比較的緩やかな傾斜上に位置することになり、導電物の残留を減少させ、タッチ信号線TLの間にショートが発生することを減少又は防止するのに有利である。
【0047】
いくつかの実施例において、隣接する2つのサブ絶縁構造21の第1境界E1間の距離dは25μm~60μmであり、これにより、できるだけ導電物の残留を減少させると同時に、表示パネル100の外枠を小さくする。例えば、dは30μm、又は35μm、又は40μm、又は45μm、又は50μmである。
【0048】
以下では
図1~
図8を参照して、本開示の実施例に係る表示パネルについて具体的に説明する。
【0049】
図2に示すように、バリア10は、第1バリア11と第2バリア12を含む。第1バリア11は、周辺領域PAに位置し、且つ表示領域DAを囲む。第2バリア12は、周辺領域PAに位置し、且つ第1バリア11を囲むことによって、外部の水分又は酸素が表示領域DAに進入することをさらに防止し、表示領域DAに二重の保護を提供する。いくつかの実施例において、基板SUBから離れた第1バリア11の一端から基板SUBまでの垂直距離は、基板SUBから離れた第2バリア12の一端から基板SUBまでの垂直距離よりも小さく、これによって、外部の水蒸気及び酸素が表示領域DAに入る経路を長くして、バリア10のバリア性を向上させる。第1バリア11は、屈曲領域に近い表示領域DAの一側(即ち、
図2において、表示領域DAの下側に位置し、横方向に伸びる第1バリア11の部分)に位置する第1バリア部111と、第1バリア部111を除いた第1バリア11の残りの部分である第2バリア部112と、を含み、第2バリア12は、屈曲領域に近い表示領域DAの一側に位置する(即ち、
図2において、表示領域DAの下側に位置し、横方向に伸びる第2バリア12の部分)第3バリア部121と、第3バリア部121を除いた第2バリア12の残りの部分である第4バリア部122と、を含む。第1バリア部111と第3バリア部113が上記片側バリア構造を構成する。
【0050】
いくつかの実施例において、基板SUBは、可撓性の有機材料で製作されたフレキシブル基板である。例えば、当該有機材料は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等の樹脂系材料である。基板SUBは、周辺領域PAとパッド領域WAの間に位置する屈曲領域BAをさらに含む。屈曲領域BAは、屈曲軸BXに沿って屈曲するように構成される。屈曲領域BAの屈曲により、パッド領域WAを表示パネル100の裏側に配置させることができ(そのうち、表示パネル100の表示側は前側であり、表示側と反対の一側が後側又は裏側である)、空間活用率を向上させ、表示製品の外枠幅を小さくすることができる。
【0051】
いくつかの実施例において、表示領域DAは複数の画素ユニットPを含み、画素ユニットPは、走査線GLとデータ線DLとが交差して定義される。走査線GLは、周辺領域PAにおけるゲート駆動回路に接続され、データ線DLは、データ接続線によってパッド領域WAのコンタクトパッドPADと接続される。各画素ユニットPには、発光素子50と画素回路が配置される。発光素子50は、有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)であってよく、有機発光ダイオードOLEDは、例えば、赤色光、緑色光、青色光又は白色光を放出できる。
図6は本開示のいくつかの実施例における画素回路の等価概念図であり、
図6に示すように、画素回路は、駆動トランジスタTd、スイッチングトランジスタTs及び蓄電容量Csを含み、スイッチングトランジスタTsのゲートが走査線GLに接続され、第1極がデータ線DLに接続され、第2極が駆動トランジスタTdのゲートに接続される。蓄電容量Csの両端がそれぞれ第1電源線VDD及び駆動トランジスタTdのゲートに接続される。駆動トランジスタTdの第1極が第1電源線VDDに接続され、第2極が発光素子50の第1極に接続され、発光素子50の第2極が第2電源線VSSに接続される。そのうち、各トランジスタはいずれも、薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又は他の特性が同じデバイスであってよい。用いるトランジスタのソースとドレインが対称であるため、そのソース、ドレインの区別はない。トランジスタのソースとドレインを区別するため、ここではそのうちの1極を第1極といい、他極を第2極という。
【0052】
第1電源線VDDは、パッド領域WAから表示領域DAに接続されて、電圧信号を各画素ユニットに伝送する。第2電源線VSSは、周辺領域PAに位置し、オープンループの方式で表示領域DAを囲む第1部分と、第2部分と、を含む。第2電源線VSSの第2部分は、第1部分とパッド領域WAのコンタクトパッドPADとの間に接続される。
図2と
図4に示すように、各サブ絶縁構造21の第1境界E1の基板SUB上での正射影と、第2電源線VSSの基板SUB上での正射影とは、重なりを有している。
【0053】
いくつかの実施例において、タッチ電極パターンは、相互容量型構造を用いてよく、自己容量型構造を用いてもよい。本開示の実施例は、相互容量型構造を例として説明する。
図2に示すように、タッチ電極パターンは、複数のタッチ駆動電極TXと複数のタッチ感知電極RXを含み、タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXとが交差して配置され、タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXとの交差箇所は、タッチ絶縁層TLDによって絶縁分離されている。
図7は
図2におけるB-B’線に沿った断面図であり、
図2と
図7の内容を組み合わせると、タッチ駆動電極TXは、第1方向に沿って配列された複数の駆動電極ユニットTX1と、駆動電極ユニットTX1の間に接続された接続部TX2と、を含み、タッチ感知電極RXは、複数の感知電極ユニットRX1と、感知電極ユニットの間に接続されたブリッジRX2を含み、そのうち、第1方向と第2方向が交差し、例えば、第1方向は、
図2における上下方向であり、第2方向は、
図2における左右方向である。駆動電極ユニットTX1、接続部TX2及び感知電極ユニットRX1はそれぞれ、基板SUBから離れたタッチ絶縁層TLDの一側に位置し、且つ、駆動電極ユニットTX1、接続部TX2及び感知電極ユニットRX1は同一層に配置することができ、ブリッジRX2は、基板SUBから離れたタッチ絶縁層TLDの一側に位置する。ブリッジRX2は、接続部TX2と交差配置され、タッチ絶縁層TLDによって分離されている。感知電極ユニットRX1は、タッチ絶縁層TLD上のビアホールを介してブリッジRX2に接続される。なお、
図2と
図7に示すタッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXは例示的なものであり、本発明を限定するものではない。例えば、ブリッジRX2を基板SUBから離れたタッチ絶縁層TLDの一側に位置させ、接続部を基板SUBに近いタッチ絶縁層TLDの一側に位置させることができる。さらに例えば、隣接する駆動電極ユニットTX1を、異層に配置されたブリッジにより接続し、隣接する感知電極ユニットRX1を同じ層の接続部により接続する。
【0054】
そのうち、各タッチ駆動電極TX及びタッチ感知電極RXは、いずれも一本のタッチ駆動線TLに対応接続してよい。タッチ信号線TLが周辺領域PAを経過する時、タッチ信号線TLの周辺領域PAにおける部分は、基板SUB上での正射影が各サブ絶縁構造21の第1境界E1と交差する。一例において、タッチ絶縁層TLDは少なくとも表示領域DAとパッド領域WAとの間の周辺領域PAをさらに覆い、表示領域DAとパッド領域WAとの間の周辺領域PAにおけるタッチ信号線TLがタッチ絶縁層TLD上に位置する。一例において、タッチ絶縁層TLDの厚さは0.2μm~0.5μmであり、例えば、0.3μm又は0.33μm又は0.35μmである。
【0055】
いくつかの実施例において、
図4に示すように、タッチ信号線TLは2層構造であり、基板SUBに近いタッチ絶縁層TLDの一側に位置する第1伝送部TL1と、基板SUBから離れたタッチ絶縁層TLDの一側に位置する第2伝送部TL2と、を含む。第2伝送部TL2は、タッチ絶縁層TLDを貫通するビアホールを介して第1伝送部TL1と電気的に接続される。なお、第2伝送部TL2と第1伝送部TL1との接続形態を模式的に示すために、
図4では、1つのビアホールのみを示しているが、実際には、他の位置に複数のビアホールをさらに設置することができ、第2伝送部TL2が複数のビアホールを介して第1伝送部TL1と並列に接続される。そのうち、第1伝送部TL1は、ブリッジRX2と同じ層に配置してよく、第2伝送部TL2は、駆動電極ユニットTX1、接続部TX2及び感知電極ユニットRX1と同じ層に配置してよい。
【0056】
図7に示すように、第1バッファ層BFL1は基板SUB上に配置され、金属原子及び/又は不純物が基板SUBからトランジスタの活性層に拡散されるのを防止又は減少させる。本開示の実施例において、第1バッファ層BFL1は、屈曲領域BAに位置する基板SUBの一部上面を露出させて、基板SUBの屈曲を容易にする。例えば、第1バッファ層BFL1は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)及び/又は酸窒化シリコン(SiON)のような無機材料を含んでよく、多層又は単層として形成することができる。
【0057】
半導体層は、第1バッファ層BFL1上に配置される。半導体層の材料としては、例えば、無機半導体材料(例えば、多結晶シリコン、非晶質シリコン等)、有機半導体材料、酸化物半導体材料を含んでよい。半導体層は、各トランジスタ30の活性層31を含み、活性層31は、チャネル部と、当該チャネル部の両側に位置するソース接続部と、ドレイン接続部と、を含み、ソース接続部はトランジスタ30のソース33に接続され、ドレイン接続部はトランジスタ30のドレイン34に接続される。ソース接続部及びドレイン接続部にはいずれも、チャネル部よりも高濃度の不純物(例えば、N型不純物又はP型不純物)がドープされてよい。チャネル部はトランジスタ30のゲート32と正対し、ゲート32に印加される電圧信号が一定値に達した際、チャネル部にキャリアパスが形成され、トランジスタ30のソース33とドレイン34とが導通するように形成される。
【0058】
第1ゲート絶縁層GI1は半導体層上に配置され、そのうち、第1ゲート絶縁層GI1は、屈曲領域BAに位置する基板SUBの一部上面を露出させて、基板SUBの屈曲を容易にする。第1ゲート絶縁層GI1の材料として、シリコン化合物、金属酸化物を含んでもよい。例えば、第1ゲート絶縁層GI1の材料には、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸炭化シリコン(SiOxCy)、酸炭化シリコン(SiCxNy)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)等が挙げられる。また、第1ゲート絶縁層GI1は単層又は多層であってもよい。
【0059】
第1ゲート電極層G1は、第1ゲート絶縁層GI1上に配置される。そのうち、第1ゲート電極層G1は、各トランジスタ30のゲート32と、キャパシタ40の第1電極板41と、を含む。第1ゲート電極層G1の材料としては、例えば、金属、金属合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などを含んでよい。例えば、第1ゲート電極層G1は、金(Au)、金の合金、銀(Ag)、銀の合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムの合金、窒化アルミニウム(AlNx)、タングステン(W)、窒化タングステン(WNx)、銅(Cu)、銅の合金、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、窒化クロム(CrNx)、モリブデン(Mo)、モリブデンの合金、チタン(Ti)、窒化チタン(TiNx)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaNx)、ネオジウム(Nd)、スカンジウム(Sc)、酸化ストロンチウムルテニウム(SRO)、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化スズ(SnOx)、酸化インジウム(InOx)、酸化ガリウム(GaOx)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを含んでもよい。第1ゲート電極層G1は単層又は多層を有してよい。
【0060】
図7に示すように、第2ゲート絶縁層GI2は、第1ゲート電極層G1上に配置され、第2ゲート絶縁層GI2は、屈曲領域BAに位置する基板SUBの一部上面を露出できる。第2ゲート絶縁層GI2の材料として、シリコン化合物、金属酸化物などを含んでよい。例えば、第2ゲート絶縁層GI2の材料として、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸炭化シリコン(SiOxCy)、酸炭化シリコン(SiCxNy)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)などが含まれる。第2ゲート絶縁層GI2は、単層又は多層で形成されてもよい。
【0061】
図7に示すように、第2ゲート電極層G2は、第2ゲート絶縁層GI2上に配置される。第2ゲート電極層G2は、キャパシタ40の第2電極板42を含んでよい。第2ゲート電極層G2の材料として、例えば、金属、金属合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などを含んでよい。例えば、ゲート電極は、金(Au)、金の合金、銀(Ag)、銀の合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムの合金、窒化アルミニウム(AlNx)、タングステン(W)、窒化タングステン(WNx)、銅(Cu)、銅の合金、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、窒化クロム(CrNx)、モリブデン(Mo)、モリブデンの合金、チタン(Ti)、窒化チタン(TiNx)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaNx)、ネオジウム(Nd)、スカンジウム(Sc)、酸化ストロンチウムルテニウム(SRO)、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化スズ(SnOx)、酸化インジウム(InOx)、酸化ガリウム(GaOx)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを含んでもよい。第2ゲート電極層G2は単層又は多層を有してよい。
【0062】
図7に示すように、層間絶縁層ILDは、第2ゲート電極層G2上に配置され、層間絶縁層ILDは、屈曲領域BAに位置する基板SUBの一部上面を露出できる。層間絶縁層ILDの材料として、シリコン化合物、金属酸化物などを含んでよい。具体的には、上文で挙げたシリコン化合物及び金属酸化物であり、ここではその説明を省略する。
【0063】
第1ソース/ドレイン導電層SD1は、層間絶縁層ILD上に配置される。第1ソース/ドレイン導電層SD1は、表示領域DAに含まれる各トランジスタのソース33とドレイン34を含み、ソース33がソース接続部に電気的に接続され、ドレイン34がドレイン接続部に電気的に接続される。第1ソース/ドレイン導電層SD1は、金属、合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などを含んでよく、第1ソース/ドレイン導電層SD1は、例えば、Mo/Al/Mo又はTi/Al/Tiなどの金属からなる単層又は多層であってもよい。
図7に示すトランジスタ30は、ゲート32、ソース33、ドレイン34、活性層31を含み、
図7に示すトランジスタ30は、
図6に示す画素回路の駆動トランジスタTdであってよいが、画素回路が他の回路構造を用いる場合、発光素子50と直接接続されるのは必ずしも駆動トランジスタTdでなくてもよく、この際、
図7に示すトランジスタに対応するのは必ずしも駆動トランジスタTdでなくてもよい。また、第1ソース/ドレイン導電層SD1は、第1電源線VDD及び第2電源線VSSをさらに含んでよい。
【0064】
パッシベーション層PVXは、第1ソース/ドレイン導電層SD1上に配置され、パッシベーション層PVXは、屈曲部BAに位置する基板SUBの一部上面を露出できる。パッシベーション層PVXの材料は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコン等のシリコンの化合物を含んでよい。
【0065】
いくつかの実施例において、
図4に示すように、有機絶縁構造20の複数のサブ絶縁構造21は、第1平坦化層PLN1、第2平坦化層PLN2、ピクセル定義層PDLを含む。第1平坦化層PLN1、第2平坦化層PLN2、ピクセル定義層PDLはそれぞれ、表示領域DAに位置する部分と、表示領域DAとバリア10との間に位置する部分と、を含む。そのうち、第2平坦化層PLN2は、基板SUBから離れた第1平坦化層PLN1の一側に位置する。ピクセル定義層PDLは、基板SUBから離れた第2平坦化層PLN2の一側に位置する。上記第1バッファ層BFL1、半導体層、第1ゲート絶縁層GI1、第1ゲート電極層G1、第2ゲート絶縁層GI2、第2ゲート電極層G2、層間絶縁層ILD、第1ソース/ドレイン導電層SD1、パッシベーション層PVXはいずれも、第1平坦化層PLN1と基板SUBとの間に位置する。基板SUBから離れた第1平坦化層PLN1の表面は基本的に平坦である。第1平坦化層PLN1は有機絶縁材料からなり、例えば、当該有機絶縁材料は、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル、ポリエステル、フォトレジスト、ポリアクリレート、ポリアミド、シロキサン等の樹脂系材料等を含む。また、例えば、当該有機絶縁材料は、弾性材料、例えば、ウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等を含む。
【0066】
一例として、第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2の厚さはいずれも1μm~2μmであり、例えば、第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2の厚さはいずれも1.6μmである。ピクセル定義層PDLの厚さは1.5μm~3μmであり、例えば、2μmである。
【0067】
図7に示すように、第2ソース/ドレイン導電層SD2は、第1平坦化層PLN1上に配置される。第2ソース/ドレイン導電層SD2は、表示領域DA内の中継電極60に位置してよい。そのうち、中継電極60は、第1平坦化層PLN1及びパッシベーション層PVXを貫通するビアホールによってドレイン34と電気的に接続されると同時に、中継電極60はさらに、第2平坦化層PLN2を貫通するビアホールによって発光素子50の第1電極51と電気的に接続されている。中継電極60は、第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2内に比較的大きい孔径のビアホールが直接形成されることを避けることで、ビアホールによる電気的接続の質を向上させることができる。第2ソース/ドレイン導電層SD2の材料として、金属、合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などを含んでよく、第2ソース/ドレイン導電層SD2は、例えば、Mo/Al/Mo又はTi/Al/Tiなどの金属からなる単層又は多層であってもよい。第2ソース/ドレイン導電層SD2の材料は、第1ソース/ドレイン導電層SD1の材料と同じ、あるいは異なってもよい。
【0068】
図7に示すように、第2平坦化層PLN2は、第2ソース/ドレイン導電層SD2上に配置され、第2平坦化層PLN2は中継電極を覆い、第2平坦化層PLN2の表面は基本的に平坦である。基本的に平坦な上面を有してよい。第2平坦化層PLN2は有機絶縁材料からなり、例えば、当該有機絶縁材料はポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル、ポリエステル、フォトレジスト、ポリアクリレート、ポリアミド、シロキサン等の樹脂系材料等の有機絶縁材料等を含む。また、例えば、当該有機絶縁材料は、弾性材料、例えば、ウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等を含む。第2平坦化層PLN2の材料は、第1平坦化層PLN1の材料と同じ、あるいは異なってもよい。
【0069】
第1電極層は、第2平坦化層PLN2上に配置され、そのうち、第1電極層は複数の第1電極を含み、第1電極は発光素子50のアノードであってよい。
図7に示すように、発光素子50は、第1電極51、発光層53及び第2電極52を含み、第1電極51は、第2平坦化層PLN2上に配置される。第1電極51は、第2平坦化層PLN2を貫通するビアホールを介して中継電極60に電気的に接続され、さらにトランジスタ30のドレイン34に電気的に接続されている。第1電極51は、金属、合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などにより構成されている。第1電極51は、単層又は多層で形成されてよい。
【0070】
ピクセル定義層PDLは、第2平坦化層PLN2上に配置される。ピクセル定義層PDLは、画素ユニットと一対一で対応する画素開口を含み、画素開口は、対応する第1電極51の一部を露出する。発光層54は、画素開口内に一対一に配置され、小分子有機材料又は高分子有機材料を含み、蛍光発光材料又は燐光発光材料であってよく、赤色、緑色、青色又は白色に発光してよい。ピクセル定義層PDLの材料として、ポリイミド、ポリフタルイミド、ポリフタルアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、又はフェノール樹脂などの有機絶縁物質を含んでよい。また、ピクセル定義層PDL上には、仕切り物(
図7には示さず)がさらに配置されてもよく、仕切り物の材料は、ピクセル定義層PDLの材料と同じでもよい。
【0071】
第2電極52は、基板SUBから離れた発光層53の一側に位置し、第2電極52は、金属、金属合金、金属窒化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料などにより構成されてよい。本開示の実施例において、発光素子50は、上部発光構造又は下部発光構造を採用してよい。上部発光構造を用いる際、第1電極51は、光反射機能を有する導電材料を含むか、又は光反射膜を含み、第2電極52は、透明又は半透明の導電材料を含む。下部発光構造を用いる際、第2電極52は、光反射機能を有する導電材料で製作されるか、又は光反射膜を含み、第1電極51は、透明又は半透明の導電材料を含む。各画素ユニットの発光素子50の第2電極52は一体に接続され、第2電極層を形成する。
【0072】
なお、発光素子50はさらに他の膜層を含むことができ、例えば、第1電極51と発光層53との間に位置する正孔注入層と正孔輸送層と、発光層53と第2電極52との間に位置する電子輸送層及び電子注入層と、をさらに含んでもよい。
【0073】
図4と
図7に示すように、表示パネル100は、封止層EPLをさらに含み、封止層EPLは、ピクセル定義層PDL上に配置され、封止層EPLは、ピクセル定義層PDL及び発光素子50を覆い、発光素子50の封止に用いられ、外部環境における水蒸気及び/又は酸素が発光素子50を侵食することを防止する。いくつかの実施例において、封止層EPLは、第1無機封止層CVD1、第2無機封止層CVD2及び有機封止層IJPを含み、第2無機封止層CVD2は、基板SUBから離れた第1無機封止層CVD1の一側に位置し、有機封止層IJPは、第1無機封止層CVD1と第2無機封止層CVD2との間に位置する。任意で、第1無機封止層CVD1と第2無機封止層CVD2は、周辺領域PAまで伸びてバリア10を覆う。有機封止層IJPは、周辺領域PAまで伸びて、バリア10に囲まれた範囲内に位置する。第1無機封止層CVD1と第2無機封止層CVD2はそれぞれ、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)などの緻密性の高い無機材料を用いて製作できる。有機封止層IJPは、乾燥剤を含有する高分子材料を用いて製作してよく、又は水蒸気を遮断する高分子材料を用いて製作してもよい。例えば、高分子樹脂を用いることで、第1無機封止層CVD1及び第2無機封止層CVD2の応力を緩和することができ、乾燥剤等の吸水性材料を含んで、内部に侵入した水、酸素等の物質を吸収することができる。
【0074】
一例において、第1無機封止層CVD1及び第2無機封止層CVD2の厚さは、それぞれ0.5μm~1.5μmである。例えば、第1無機封止層CVD1の厚さは1.0μmであり、第2無機封止層CVD2の厚さは0.6μmである。表示領域DAにおける有機封止層IJPの厚さは5μm~10μmであり、例えば、8μm、又は、7μm又は、9μmである。
【0075】
第2バッファ層BFL2は、封止層EPL上に配置され、表示領域DAに位置し、周辺領域PAまで伸びて封止層EPL覆う。第2バッファ層BFL2は、前記第1バッファ層BFL1と同じ材料を用いることができ、ここではその説明を省略する。タッチ電極パターンは、基板SUBから離れた封止層EPLの一側に位置し、タッチ電極パターンのブリッジRX2は、封止層EPL上に配置され、タッチ絶縁層TLDは、基板SUBから離れた封止層EPLの一側に位置するとともに、ブリッジRX2を覆い、タッチ駆動電極TX及びタッチ感知電極RXの感知電極ユニットRX1は、タッチ絶縁層TLD上に位置する。そのうち、表示に影響を与えないように、駆動電極ユニットTX1及び感知電極ユニットRX1は、いずれも透光性の良い構成を採用している。例えば、透明導電材料(例えば、酸化インジウムスズ)を用いて製作されるか、又は、金属メッシュ構造を用いる。
【0076】
タッチ電極パターンとタッチ絶縁層TLDは、いずれも基板SUBから離れた封止層EPLの一側に位置し、タッチ電極パターンにおけるブリッジRX2は、タッチ絶縁層TLDと封止層EPLとの間に位置する。そのうち、ブリッジRX2及び第1伝送部TL1は、タッチ絶縁層TLDと第2バッファ層BFL2との間に位置する。
【0077】
図4に示すように、各サブ絶縁構造21の第1境界と片側バリア構造との間には間隔があり、即ち、各サブ絶縁構造21と片側バリア構造とはいずれも接触しない。この時、有機絶縁構造20と片側バリア構造との間に溝を形成し、
図5は本開示のいくつかの実施例における有機絶縁構造と片側バリア構造間の溝の概念図であり、
図5は、有機絶縁構造20及びバリア10を形成した後であって、且つ封止層EPLを形成する前の、
図3におけるA-A’線に沿った断面図である。
図4と
図5の内容を組み合わせると、封止層EPLの基板SUB上での正射影は、有機絶縁構造20の基板SUB上での正射影と、溝V1の基板SUB上での正射影と、片側バリア構造の基板SUB上での正射影と、を同時に覆う。
【0078】
オーバーコート層OCは、基板SUBから離れたタッチ電極パターンの一側に配置される。オーバーコート層OCは、表示領域DAから周辺領域PAまで伸びており、周辺領域PAにおけるタッチ信号線TLを保護できる。オーバーコート層OCの材料は、無機絶縁材料又は有機絶縁材料を含んでよい。
【0079】
本開示の実施例のフレキシブル基板SUB上には、第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、第1バッファ層BFL1、第2バッファ層BFL2が配置されているが、いくつかの例において、これらの層は必要に応じて削除又は追加してよく、本発明はこれについて具体的に限定しない。
【0080】
図8は
図2におけるD-D’線に沿った断面図であり、そのうち、バリア10の構造を簡潔且つ明確に示すために、
図8ではバリア10の断面構造及びバリア10上の第1無機封止層及び第2無機封止層のみを示している。
図2、
図4及び
図8の内容を組み合わせると、第1バリア部111、第2バリア部112、第3バリア部113、第4バリア部114は、それぞれ第1バリア層11aと当該第1バリア層11a上に位置する第2バリア層11bとを含み、そのうち、第1バリア層11aは第2平坦化層PLN2と同じ層に配置され、且つ材料が同じであり、第2バリア層11bはピクセル定義層PDLと同じ層に配置され、且つ材料が同じである。また、
図4に示すように、第3バリア部121は、第1平坦化層PLN1と同じ層に配置され且つ材料が同じである第3バリア層11Cをさらに含む。
図8に示すように、第2バリア部112は、第1バリア層11a、第2バリア層11bを含むほか、ピクセル定義層PDL上の仕切り物と同じ層に配置され且つ材料が同じである第4バリア層11dをさらに含む。第4バリア部122は、第1バリア層11a、第2バリア層11b、第3バリア層11C、第4バリア層11dを含む。
【0081】
なお、本開示の実施例における「同じ層に配置される」ということは、2つの構造が、同一の材料層からパターニング工程を経て形成されているため、両者が積層関係において同一の層にあることを指している。しかし、両者と基板SUBとの距離が必ず同じであることを示すものではない。また、
図5及び
図8に示すように、封止層EPLにおける第1無機封止層CVD1及び第2無機封止層CVD2は、第1バリア11及び第2バリア12上にそれぞれ伸びる。
【0082】
いくつかの実施例において、基板SUBの周辺領域PAは、表示領域DAと屈曲領域BAとの間に位置する第1ファンアウト領域FA1を含み、データ接続線がデータ線DLに接続された後、第1ファンアウト領域FA1及び屈曲領域BAを介してパッド領域WAまで伸びる。基板SUBは、屈曲領域BAとパッド領域WAとの間に位置するとともに、屈曲領域BAに隣接する第2ファンアウト領域FA2をさらに含み、即ち、第2ファンアウト領域FA2は、屈曲領域BAに隣接し、且つ互いに直接接続され、2つの領域間には他の領域がない。基板SUBの第2ファンアウト領域とパッド領域WAとの間には、テスト領域DTA、制御回路領域CCA、第3ファンアウト領域FA3、集積回路領域ICがさらに配置されている。少なくとも一例において、テスト領域DTAは、外部テスト装置に接続されて、画面、屈曲領域BAの断線などを検出するように構成されている。少なくとも一例において、制御回路領域CCAは、入力回路と出力回路との間を切り替えるためのセレクタMUXを含む。
【0083】
本開示のもう1つの実施例では、基板、バリア、有機絶縁構造、タッチ電極パターン、タッチ信号線を含む表示パネルをさらに提供する。そのうち、基板は、表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む。バリアは、前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む。有機絶縁構造は、前記基板上に配置され、一部が前記表示領域に位置し、他の部分が前記周辺領域に位置する。
【0084】
図9は本開示の他のいくつかの実施例の、
図3におけるA-A’線に沿った断面図であり、
図10は
図9における有機絶縁構造の1つ目の構造図であり、
図11は
図9における有機絶縁構造の2つ目の構造図である。
図2、
図9~
図11の内容を組み合わせると、有機絶縁構造20は、基板SUBに向かう底面BSと、底面BSに対向する頂面TSと、底面BSと頂面TSとの間に接続され且つ前記片側バリア構造に向かう第1側面LSと、を有し、第1側面LSは、傾斜角を0~40℃とする傾斜面である。
【0085】
なお、ここでの「傾斜面」とは、基板SUBから離れる方向に沿って、表示領域DAの表面に徐々に近づくことを指している。そのうち、傾斜面は、傾斜した平面であってよく(例えば、
図10に示す)、傾斜した弧面であってもよい(例えば、
図11に示す)。傾斜面が平面である時、その傾斜角とは、傾斜面と有機絶縁構造20の底面BSとの間の角度θ1を指し、傾斜面が弧面である時、その傾斜角とは、弧面の接線と有機絶縁構造20の底面BSとの間の角度の最大値θ2を指す。なお、傾斜面は、Q1領域に位置するだけでなく、Q領域の左端から右端まで伸びている。
【0086】
図2と
図9の内容を組み合わせると、タッチ電極パターン(即ち、
図2には、タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXのパターンが含まれる)は、基板から離れた有機絶縁構造20の一側に配置される。タッチ信号線TLは基板から離れた有機絶縁構造20の一側に配置され、一端がタッチ電極パターンに電気的に接続され、他端がパッド領域WAに接続される。タッチ信号線TLの、周辺領域PAにおける部分は、基板SUB上での正射影が前記傾斜面の基板SUB上の正射影を通過する。
【0087】
いくつかの実施例において、傾斜面の傾斜角は25~35℃であり、これにより、導電物の残留を低減しつつ、表示製品の外枠が広すぎることを防止する。例えば、当該傾斜角は、28℃又は29℃又は30℃又は31℃又は32℃である。
【0088】
図9に示すように、有機絶縁構造20は、積層配置された複数のサブ絶縁構造21を含み、複数のサブ絶縁構造21は、第1平坦化層PLN1、第2平坦化層PLN2、ピクセル定義層PDLを含む。そのうち、第1平坦化層PLN1は、基板SUB上に配置されている。第2平坦化層PLN2は、基板SUBから離れた第1平坦化層PLN1の一側に位置する。ピクセル定義層PDLは、基板SUBから離れた第2平坦化層PLN2の一側に位置する。
【0089】
有機絶縁構造20上には、封止層EPL、第2バッファ層BFL2、タッチ絶縁層TLDがさらに配置されている。そのうち、封止層EPLは、第1無機封止層CVD1、第2無機封止層CVD2、有機封止層IJPを含む。第2無機封止層CVD2は、基板SUBから離れた第1無機封止層CVD1の一側に位置し、有機封止層IJPは、第1無機封止層CVD1と第2無機封止層CVD2との間に位置する。
【0090】
本実施例において、タッチ絶縁層TLD、タッチ信号線TLの配置方法は、上記実施例での説明を参照でき、
図2と
図7に示すように、前記タッチ電極パターンは、タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXを含み、前記タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXとが交差して配置され、タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXとが交差する箇所は前記タッチ絶縁層TLDによって絶縁分離される。タッチ駆動電極TXとタッチ感知電極RXとは、いずれも1本のタッチ信号線TLに電気的に接続される。タッチ信号線TLは、タッチ絶縁層TLDと封止層EPLとの間に位置する第1伝送部TL1と、基板SUBから離れたタッチ絶縁層TLDの一側に位置する第2伝送部TL2と、を含み、第2伝送部TL2は、タッチ絶縁層TLDを貫通するビアホールを介して第1伝送部TL1と電気的に接続される。タッチ電極パターン及びタッチ信号線TLは、基板SUBから離れた封止層EPLの一側に位置する。
【0091】
第1側面LSと前記片側バリア構造との間に間隔を有し、例えば、第1側面LSの基板SUBに近い一端及び基板SUBから離れた一端と、片側バリア構造との間にいずれも間隔を有する。有機絶縁構造20と片側バリア構造との間に溝が形成され、封止層EPLの基板SUB上での正射影は、有機絶縁構造20の基板SUB上での正射影と、前記溝の基板SUB上での正射影と、前記片側バリア構造の基板SUB上での正射影と、を同時に覆い、前記片側バリア構造は、基板SUBと封止層EPLとの間に位置する。
【0092】
表示領域DAは複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットには発光素子50が配置され、表示パネル100は、発光素子50に電気的に接続された第2電源線VSSをさらに含み、そのうち、第2電源線VSSは、有機絶縁構造20と基板SUBとの間に位置し、第1側面LSの前記基板SUB上での正射影と、第2電源線VSSの基板SUB上での正射影と、が重なる。
【0093】
バリア10は、周辺領域PAに位置し、且つ表示領域DAを囲む第1バリア11と、周辺領域PAに位置し、且つ第1バリア11を囲む第2バリア12と、を含む。第1バリア11と第2バリア12の具体構造は、上記実施形態における説明を参照でき、ここではその説明を省略する。基板SUB上には、第1バッファ層BFL1、半導体層、第1ゲート絶縁層GI1、第1ゲート電極層G1、第2ゲート絶縁層GI2、層間絶縁層ILD、第1ソース/ドレイン導電層SD1、パッシベーション層PVX、第2ソース/ドレイン導電層SD2等の構造が配置され、各膜層の構造と位置は、いずれも上記実施例における説明を参照でき、ここではその説明を省略する。本実施例における基板SUBはフレキシブル基板であり、周辺領域PAとパッド領域WAとの間にある屈曲領域BAをさらに含み、また、テスト領域DTA、制御回路領域CCA等の他の領域をさらに含み、各領域間の位置関係は、上記実施例における説明を参照でき、ここではその説明を省略する。
【0094】
本実施例における表示パネルは、有機絶縁構造20の第1側面が傾斜面であり、その傾斜が小さいため、後続においてエッチング工程によってタッチ信号線を製造する時に、導電物の残留を減少でき、タッチ信号線TL間のショートの発生を減少又は防止することができる。
【0095】
本開示の実施例は、基板、バリア、有機絶縁構造、タッチ電極パターン、タッチ信号線を含む表示パネルを提供する。そのうち、前記基板は、表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記表示領域から離れた前記周辺領域の一側に位置するパッド領域と、を含む。前記バリアは、前記基板上に配置され、前記周辺領域に位置し、且つ前記表示領域を囲むバリアであって、前記表示領域と前記パッド領域との間に位置する片側バリア構造を含む。有機絶縁構造は、前記基板に配置された有機絶縁構造であって、積層配置された複数のサブ絶縁構造を含み、各前記サブ絶縁構造の一部が前記表示領域に位置し、別の部分が周辺領域に位置する。各前記サブ絶縁構造は、前記表示領域と前記片側バリア構造との間に位置する第1境界を有し、基板SUBから最も離れた前記サブ絶縁構造を除いて、残りの各前記サブ絶縁構造はいずれも延伸部を含み、任意の隣接する2つの前記サブ絶縁構造に関して、基板SUBに近い前記サブ絶縁構造の延伸部は、基板SUBから離れた前記サブ絶縁構造の第1境界と前記片側バリア構造との間に位置する。タッチ電極パターンは、前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置されるとともに、前記表示領域に位置する。タッチ信号線は、前記基板から離れた前記有機絶縁構造の一側に配置され、一端が前記タッチ電極パターンに電気的に接続され、他端が前記パッド領域に接続され、前記タッチ信号線の、前記周辺領域における部分の前記基板上での正射影は、各前記サブ絶縁構造の延伸部における前記基板上での正射影と重なる。
【0096】
そのうち、前記延伸部を有する前記サブ絶縁構造は、有機材料層に対して二重色調マスク板を用いることによりパターニング工程を実行して形成され、前記パターニング工程を行う場合、前記延伸部が形成される領域は、前記二重色調マスク板の半透光領域に対応する。
【0097】
いくつかの実施例において、前記有機絶縁構造の複数の前記サブ絶縁構造は、第1平坦化層と、第2平坦化層と、ピクセル定義層と、を含む。前記第1平坦化層は前記基板上に配置され、前記第2平坦化層は、前記基板から離れた前記第1平坦化層の一側に位置し、前記ピクセル定義層は、前記基板から離れた前記第2平坦化層の一側に位置する。
【0098】
図12~
図14は本開示のいくつかの実施例が提供する、延伸部を有するサブ絶縁構造の製造過程の概略図であり、以下では、延伸部を有するサブ絶縁構造を一例として、その製作過程について説明する。当該サブ絶縁構造は、第1平坦化層又は第2平坦化層であってもよい。
【0099】
図12に示すように、有機絶縁材料層210を形成し、ここで、有機絶縁材料層210は光に敏感な有機材料層であって、例えば、ポジ型フォトレジストである。
【0100】
図13に示すように、二重色調マスク板Mを用いてフォトレジスト層を露光する。そのうち、二重色調マスク板Mは、グレイトーンマスク又はハーフトーンマスクである。二重色調マスク板Mは、光透過領域M1、光不透過領域M3、半透光領域M2を含み、半透光領域M2の光透過率が光透過領域M1の光透過率よりも小さい。有機絶縁材料層210がポジ型フォトレジストであることを例とすると、露光を行う際、二重色調マスク板Mの半透光領域M2を、延伸部が形成される領域に対応させ、二重色調マスク板Mの光透過領域M1を、有機絶縁材料層210が完全に除去されるべき領域に対応させ、二重色調マスク板Mの光不透過領域M3を、その他の領域に対応させる。露光を経た後、有機絶縁材料層210における光不透過領域に対応する部分は露光されておらず、有機絶縁材料層210における光透過領域に対応する部分は完全に露光され、有機絶縁材料層210における半透光領域に対応する部分は部分的に露光される。
【0101】
その後、有機絶縁材料層210を現像することにより、
図14に示すように、有機絶縁材料層210において光透過領域M1に対応する部分が全て除去され、部分透光領域M2に対応する部分が一部除去され、光不透過領域M3に対応する部分が完全に残され、形成されるパターンはつまりサブ絶縁構造21である。そのうち、サブ絶縁構造21において部分透光領域M2に対応する部分は延伸部21aであり、延伸部21aの表面は緩やかな傾斜面である。
【0102】
なお、上記パターニング工程では、ネガ型フォトレジストを用いることもでき、この際、用いるマスク板のパターンは、上記二重色調マスク板Mと相補的である。
【0103】
本開示の実施例において、延伸部21aを有するサブ絶縁構造21は、有機材料層210に二重色調マスク板を用いてパターニング工程を行うことによって製作され、露光を行う際、延伸部21aが形成される領域が、二重色調マスク板Mの半透光領域M2に対応し、これにより、形成される延伸部21aが傾斜面を有することができるため、有機絶縁構造20の側面全体が緩やかになり、後続のエッチング工程によりタッチ信号線を作製する際に、導電物の残留を減少させ、タッチ信号線間のショートの発生を減少又は防止することができる。
【0104】
本実施例において、バリア20の構造、ピクセル定義層PDLの構造及び材料、第1平坦化層PLN1の構造及び材料、第2平坦化層PLN2の構造及び材料は、いずれも上記実施形態における説明を参照でき、ここでは説明を省略する。
【0105】
また、本実施例において、有機絶縁構造上には、封止層、タッチ絶縁層がさらに配置されている。基板の表示領域には発光素子をさらに配置してよく、発光素子は第2電源線に接続される。封止層の具体的な構造及び材料、タッチ絶縁層の配置方法及び材料、発光素子の構造及び材料、第2電源線及びタッチ信号線の配置方法は、いずれも上記実施形態における説明を参照でき、これらについても説明は省略する。
【0106】
本開示の実施例は、上記のいずれか1つの実施例に記載の表示パネルを含む表示装置を提供する。当該表示装置は、OLEDパネル、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ラップトップコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーション等の表示機能を有する任意の製品又は部品であってもよい。
【0107】
以上の実施例は本開示の原理を説明するために用いた例示的な実施方法に過ぎず、本開示はこれに限定されない。当業者にとって、本開示の精神と実質的な状況を逸脱しない範囲で種々の変形と改良が可能であり、本開示の請求範囲には、それらの変形と改良も含まれる。
【符号の説明】
【0108】
10 バリア
11 第1バリア
11a 第1バリア層
11b 第2バリア層
11c 第3バリア層
11d 第4バリア層
12 第2バリア
20 有機絶縁構造
21 サブ絶縁構造
21a 延伸部
30 トランジスタ
31 活性層
32 ゲート
33 ソース
34 ドレイン
40 キャパシタ
41 第1電極板
42 第2電極板
50 発光素子
51 第1電極
52 第2電極
53 発光層
100 表示パネル
111 第1バリア部
112 第2バリア部
121 第3バリア部
122 第4バリア部
210 有機絶縁材料層