(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240722BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240722BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240722BHJP
H10K 59/90 20230101ALI20240722BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240722BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20240722BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 302
G09F9/30 308A
G09F9/00 338
H10K50/10
H10K59/90
H10K77/10
H10K71/00
(21)【出願番号】P 2021571723
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(86)【国際出願番号】 CN2020080320
(87)【国際公開番号】W WO2021184331
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 新▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲瀟▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】梁 恒▲鎮▼
(72)【発明者】
【氏名】李 凡
(72)【発明者】
【氏名】牛 文▲驍▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 浩
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0343010(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110065220(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0088631(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0034020(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0197380(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0134022(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 53/00-53/84
B29C 57/00-59/18
G02F 1/133-1/1334
G02F 1/1339-1/1341
G02F 1/1347
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
G09F 9/00-9/46
H05K 5/00-5/06
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーパネルと表示パネルとを備える表示装置であって、
前記
カバーパネルは、
前記表示パネル上に設置され、前記表示パネルの形状は、カバーパネルに適合し、
前記カバーパネルは、中央平面部、エッジ曲面部、およびコーナー曲面部を含み、
前記中央平面部は、2つの対向する第1側辺、2つの対向する第2側辺、および第1側辺と第2側辺との間の4つの
コーナーを有し、
前記エッジ曲面部は、2つの第1エッジ曲面部と2つの第2エッジ曲面部とを含み、2つの前記第1エッジ曲面部は2つの第1側辺にそれぞれ隣接し、2つの前記第2エッジ曲面部は2つの第2側辺にそれぞれ隣接し、
2つの前記第1エッジ曲面部の形状が異なり、2つの前記第2エッジ曲面部の形状は同一であり、
基準面は、前記中央平面部の表面に平行な面であり、前記エッジ曲面部の各々は、中央平面部に隣接するエッジと、中央平面部から離れたエッジの基準面での正射影との間の距離が前記エッジ曲面部の幅であり、
2つの前記第1エッジ曲面部の幅は異なり、かつ、より大きい幅に対するより小さい幅の比は0.65~0.85であり、
前記コーナー曲面部は、中央平面部のコーナーに隣接し、前記第1エッジ曲面部と第2エッジ曲面部の間に位置し、
前記表示パネルは、中央部、エッジ部、及びコーナー部を含み、前記中央部は、中央平面部に対応して設けられ、前記エッジ部は、第1エッジ部と第2エッジ部とを含み、前記第1エッジ部は第1エッジ曲面部に対応して設けられ、前記第2エッジ部は第2エッジ曲面部に対応して設けられ、前記コーナー部はコーナー曲面部に対応して設けられ、
前記表示パネルは、表示領域を含み、前記中央部は、いずれも表示領域であり、前記エッジ部及びコーナー部のうち、少なくとも前記中央部に隣接する部分が表示領域である
り、
前記カバーパネルの基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記中央平面部の基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記表示パネルの基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記表示領域の基準面での正射影は弧角矩形であり、
前記第1側辺に垂直な断面は第1断面であり、前記第2側辺に垂直な断面は第2断面であり、
前記第1エッジ部とコーナー部との境界を通る第1断面から、前記第1エッジ部から漸次離れる方向の各第1断面において、前記コーナー部の中央部から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第1角度から漸次小さくなり、
前記第2エッジ部とコーナー部との境界を通る第2断面から、前記第2エッジ部から漸次離れる方向の各第2断面において、前記コーナー部の中央部から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第2角度から漸次小さくなる、
表示装置。
【請求項2】
2つの前記第1エッジ曲面部の中央平面部から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は150mm~170mmの間であり、
2つの前記第2エッジ曲面部の中央平面部から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は、65mm~80mmの間である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
2つの前記第1側辺間の距離は140mm~160mmの間であり、
2つの前記第2側辺間の距離は、60mm~70mmの間である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
2つの前記第1エッジ曲面部の幅は、それぞれ2mm~4mmの間、及び3mm~6mmの間であり、
前記第2エッジ曲面部の幅は、3mm~4mmである、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
各前記エッジ部における表示領域のエッジと、前記エッジ部の中央部に隣接するエッジの基準面での正射影との間の距離が、前記エッジ部の表示幅であり、
2つの前記第1エッジ部の表示幅は異なり、それぞれ0.5mm~1mmの間、および0.3mm~0.8mmの間であり、
2つの前記第2エッジ部の表示幅は同一であり、1.5mm~2.5mmの間である、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記エッジ部及び前記コーナー部において、いずれも表示領域の中央部から遠い側に位置する非表示領域を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルの中央部、エッジ部、およびコーナー部の各々にタッチ構造が設けられている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1側辺に垂直な断面は第1断面であり、前記第2側辺に垂直な断面は第2断面であり、
前記第1側辺の長さ方向に沿ったそれぞれ異なる位置の第1断面において、第1エッジ曲面部の図形は同一であり、
前記第2側辺の長さ方向に沿ったそれぞれ異なる位置の第2断面において、第2エッジ曲面部の図形は同一である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1角度は、30度~60度の間であり、
前記第2角度は、50度~75度であり、
前記第1角度は、前記第2角度よりも小さい、
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項10】
基準面において、各コーナー部の中央部から離れたエッジの正射影は、2つの端点を有する凸円弧であり、第1エッジ部の正射影に接続される端点は第1端点であり、第2エッジ部の正射影に接続される端点は第2端点であり、
第1端点を通り、且つ、第2側辺の正射影に平行な線と、第2端点を通り、且つ、第1側辺の正射影に平行な線が前記コーナー部の位置決め点である交点を有し、前記コーナー部の位置決
め角である夾角を形成し、
前記凸
円弧上の任意の一点に対して、前記点と位置決め点を通り、かつ基準面に垂直な断面が前記点における第3断面であり、第3断面において、前記コーナー部の中部から最も離れた位置にある表面と基準面との間の夾角が前記点における総合夾角であり、
第1端点から第2端点に向かう方向において、前記凸
円弧上の各点に対応する総合夾角は、第1角度から第3角度まで徐々に減少し、第2角度まで徐々に増加する、
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記凸円弧上の総合夾角が第3角度である点と位置決め点とを結ぶ線は、前記
位置決め角の二等分線である、
請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第3角度は、1度~5度の間である、
請求項
10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示パネルのカバーパネルから離れる側に設けられるバインド部と、
前記バインド部と、表示パネルの幅が大きい第1エッジ曲面部に対応するエッジである表示パネルの一エッジとの間を連結する湾曲部、
前記表示パネルとバインド部との間に設けられ、前記表示パネルに接着される第1面と、前記バインド部に接着される第2面とを有する支持体と、
前記第2面は、互いに接続された凸
円弧面領域と、平面領域とをさらに有し、
前記基準面での前記平面領域の正射影は、基準面での中央平面部の正射影内にあり、
前記凸
円弧面領域の基準面での正射影は、一部が前記中央平面部の基準面での正射影内に位置し、他の一部が、幅が大きい前記第1エッジ曲面部の基準面での正射影内に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記湾曲部の曲率半径は、湾曲によって湾曲部が破損しないようにして到達できる最小の曲率半径である限界曲率半径に等しく、
前記凸
円弧面領域は、平面領域のエッジの基準面での正射影と、幅が大きい前記第1エッジ曲面部に隣接する第1側辺の基準面での正射影との間の距離が1.5mm~2.5mm間である、
請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示装置は、請求項1~
14のいずれか一項に記載の表示装置であり、
平面的でフレキシブルな表示パネルを金型と前記カバーパネルとの間に設置する工程と、
前記金型とカバーパネルとを相対的に接近させて表示パネルを押圧し、前記表示パネルをカバーパネルに沿う形状に形成する、
表示装置の製造方法。
【請求項16】
平面的でフレキシブルな表示パネルを金型と前記カバーパネルとの間に設置する前に、
平面的でフレキシブルな表示パネルをフレキシブルな支持フィルムに貼り付け、前記支持フィルムおよびその上の表示パネルをプレ変形させる工程と、
前記金型とカバーパネルとを相対的に接近させて、前記表示パネルを押圧した後に、
前記支持フィルムと表示パネルとを分離させる工程をさらに含む、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
カバーパネルと表示パネルとを備える表示装置であって、
前記カバーパネルは、前記表示パネル上に設置され、前記表示パネルの形状は、カバーパネルに適合し、
前記カバーパネルは、中央平面部、エッジ曲面部、およびコーナー曲面部を含み、
前記中央平面部は、2つの対向する第1側辺、2つの対向する第2側辺、および第1側辺と第2側辺との間の4つのコーナーを有し、
前記エッジ曲面部は、2つの第1エッジ曲面部と2つの第2エッジ曲面部とを含み、2つの前記第1エッジ曲面部は2つの第1側辺にそれぞれ隣接し、2つの前記第2エッジ曲面部は2つの第2側辺にそれぞれ隣接し、
2つの前記第1エッジ曲面部の形状が異なり、2つの前記第2エッジ曲面部の形状は同一であり、
基準面は、前記中央平面部の表面に平行な面であり、前記エッジ曲面部の各々は、中央平面部に隣接するエッジと、中央平面部から離れたエッジの基準面での正射影との間の距離が前記エッジ曲面部の幅であり、
2つの前記第1エッジ曲面部の幅は異なり、かつ、より大きい幅に対するより小さい幅の比は0.65~0.85であり、
前記コーナー曲面部は、中央平面部のコーナーに隣接し、前記第1エッジ曲面部と第2エッジ曲面部の間に位置し、
前記表示パネルは、中央部、エッジ部、及びコーナー部を含み、前記中央部は、中央平面部に対応して設けられ、前記エッジ部は、第1エッジ部と第2エッジ部とを含み、前記第1エッジ部は第1エッジ曲面部に対応して設けられ、前記第2エッジ部は第2エッジ曲面部に対応して設けられ、前記コーナー部はコーナー曲面部に対応して設けられ、
前記表示パネルは、表示領域を含み、前記中央部は、いずれも表示領域であり、前記エッジ部及びコーナー部のうち、少なくとも前記中央部に隣接する部分が表示領域であり、
前記表示装置は、
前記表示パネルのカバーパネルから離れる側に設けられるバインド部と、
前記バインド部と、表示パネルの幅が大きい第1エッジ曲面部に対応するエッジである表示パネルの一エッジとの間を連結する湾曲部と、
前記表示パネルとバインド部との間に設けられ、前記表示パネルに接着される第1面と、前記バインド部に接着される第2面とを有する支持体と、をさらに備え、
前記第2面は、互いに接続された凸円弧面領域と、平面領域とを有し、
前記基準面での前記平面領域の正射影は、基準面での中央平面部の正射影内にあり、
前記凸円弧面領域の基準面での正射影は、一部が前記中央平面部の基準面での正射影内に位置し、他の一部が、幅が大きい前記第1エッジ曲面部の基準面での正射影内に位置する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は表示技術の分野に関し、特に表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)表示デバイス、特にフレキシブルOLED表示デバイスは、LCD表示(液晶表示)と比較して、より軽量、高輝度、低消費電力、高速応答、高精細、良好な可撓性、高発光効率を有し、消費者の新たな表示技術に対する新しいニーズを満たすことができ、ますます多くの消費者に人気が高まっている。
【0003】
OLEDフレキシブル表示装置は、湾曲、折り畳み、及びエッジ湾曲を実現し、表示装置に望ましい設計である。現在、材料、プロセス等の制限に基づき、湾曲、折り畳み、及びエッジ湾曲の高い歩留まり及び高い信頼性を実現することには、依然として一定の技術的困難性がある。
【0004】
この背景技術部分において公開された上記情報は、本発明の背景技術に対する理解を容易にするためのものであり、従来技術のいかなる部分も構成せず、また従来技術が当業者に示唆を示さない情報を含む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、表示装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明の実施形態は、
カバーパネルと表示パネルとを備える表示装置であって、
前記表示パネルは、カバーパネル上に設置され、前記表示パネルの形状は、カバーパネルに適合し、
前記カバーパネルは、中央平面部、エッジ曲面部、およびコーナー曲面部を含み、
前記中央平面部は、2つの対向する第1側辺、2つの対向する第2側辺、および第1側辺と第2側辺との間の4つの角部を有し、
前記エッジ曲面部は、2つの第1エッジ曲面部と2つの第2エッジ曲面部とを含み、2つの前記第1エッジ曲面部は2つの第1側辺にそれぞれ隣接し、2つの前記第2エッジ曲面部は2つの第2側辺にそれぞれ隣接し、
2つの前記第1エッジ曲面部の形状が異なり、2つの前記第2エッジ曲面部の形状は同一であり、
基準面は、前記中央平面部の表面に平行な面であり、前記エッジ曲面部の各々は、中央平面部に隣接するエッジと、中央平面部から離れたエッジの基準面での正射影との間の距離が前記エッジ曲面部の幅であり、
2つの前記第1エッジ曲面部の幅は異なり、かつ、より大きい幅に対するより小さい幅の比は0.65~0.85であり、
前記コーナー曲面部は、中央平面部のコーナーに隣接し、前記第1エッジ曲面部と第2エッジ曲面部の間に位置し、
前記表示パネルは、中央部、エッジ部、及びコーナー部を含み、前記中央部は、中央平面部に対応して設けられ、前記エッジ部は、第1エッジ部と第2エッジ部とを含み、前記第1エッジ部は第1エッジ曲面部に対応して設けられ、前記第2エッジ部は第2エッジ曲面部に対応して設けられ、前記コーナー部はコーナー曲面部に対応して設けられ、
前記表示パネルは、表示領域を含み、前記中央部は、いずれも表示領域であり、前記エッジ部及びコーナー部のうち、少なくとも前記中央部に隣接する部分が表示領域である、
表示装置を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、
2つの前記第1エッジ曲面部の中央平面部から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は150mm~170mmの間であり、
2つの前記第2エッジ曲面部の中央平面部から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は、65mm~80mmの間である。
【0008】
いくつかの実施形態では、
2つの前記第1側辺間の距離は140mm~160mmの間であり、
2つの前記第2側辺間の距離は、60mm~70mmの間である。
【0009】
いくつかの実施形態では、
2つの前記第1エッジ曲面部の幅は、それぞれ2mm~4mmの間、及び3mm~6mmの間であり、
前記第2エッジ曲面部の幅は、3mm~4mmである。
【0010】
いくつかの実施形態では、
各前記エッジ部における表示領域のエッジと、前記エッジ部の中央部に隣接するエッジの基準面での正射影との間の距離が、前記エッジ部の表示幅であり、
2つの前記第1エッジ部の表示幅は異なり、それぞれ0.5mm~1mmの間、および0.3mm~0.8mmの間であり、
2つの前記第2エッジ部の表示幅は同一であり、1.5mm~2.5mmの間である。
いくつかの実施形態では、
前記エッジ部及び前記コーナー部において、いずれも表示領域の中央部から遠い側に位置する非表示領域を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、
前記表示パネルの中央部、エッジ部、コーナー部の各々にタッチ構造が設けられている。
【0012】
いくつかの実施形態では、
前記第1側辺に垂直な断面は第1断面であり、前記第2側辺に垂直な断面は第2断面であり、
前記第1側辺の長さ方向に沿ったそれぞれ異なる位置の第1断面において、第1エッジ曲面部の図形は同一であり、
前記第2側辺の長さ方向に沿ったそれぞれ異なる位置の第2断面において、第2エッジ曲面部の図形は同一である。
【0013】
いくつかの実施形態では、
前記カバーパネルの基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記中央平面部の基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記表示パネルの基準面での正投影は弧角矩形であり、
前記表示領域の基準面での正射影は弧角矩形である。
【0014】
いくつかの実施形態では、
前記第1側辺に垂直な断面は第1断面であり、前記第2側辺に垂直な断面は第2断面であり、
前記第1エッジ部とコーナー部との境界を通る第1断面から、前記第1エッジ部から漸次離れる方向の各第1断面において、前記コーナー部の中央部から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第1角度から漸次小さくなり、
前記第2エッジ部とコーナー部との境界を通る第2断面から、前記第2エッジ部から漸次離れる方向の各第2断面において、前記コーナー部の中央部から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第2角度から漸次小さくなる。
【0015】
いくつかの実施形態では、
前記第1角度は、30度~60度の間であり、
前記第2角度は、50度~75度であり、
前記第1角度は、前記第2角度よりも小さい。
【0016】
いくつかの実施形態では、
基準面において、各コーナー部の中央部から離れたエッジの正射影は、2つの端点を有する凸円弧であり、第1エッジ部の正射影に接続される端点は第1端点であり、第2エッジ部の正射影に接続される端点は第2端点であり、
第1端点を通り、且つ、第2側辺の正射影に平行な線と、第2端点を通り、且つ、第1側辺の正射影に平行な線が前記コーナー部の位置決め点である交点を有し、前記コーナー部の位置決めコーナーである夾角を形成し、
前記凸弧上の任意の一点に対して、前記点と位置決め点を通り、かつ基準面に垂直な断面が前記点における第3断面であり、第3断面において、前記コーナー部の中部から最も離れた位置にある表面と基準面との間の夾角が前記点における総合夾角であり、
第1端点から第2端点に向かう方向において、前記凸弧状上の各点に対応する総合夾角は、第1角度から第3角度まで徐々に減少し、第2角度まで徐々に増加する。
【0017】
いくつかの実施形態では、
前記凸円弧上の総合夾角が第3角度である点と位置決め点とを結ぶ線は、前記定位角の二等分線である。
【0018】
いくつかの実施形態では、
前記第3角度は、1度~5度の間である。
【0019】
いくつかの実施形態では、
前記表示パネルのカバーパネルから離れる側に設けられるバインド部と、
前記バインド部と、表示パネルの幅が大きい第1エッジ曲面部に対応するエッジである表示パネルの一エッジとの間を連結する湾曲部、
前記表示パネルとバインド部との間に設けられ、前記表示パネルに接着される第1面と、前記バインド部に接着される第2面とを有する支持体と、
前記第2面は、互いに接続された凸弧面領域と、平面領域とをさらに有し、
前記基準面での前記平面領域の正射影は、基準面での中央平面部の正射影内にあり、
前記凸弧面領域の基準面での正射影は、一部が前記中央平面部の基準面での正射影内に位置し、他の一部が、幅が大きい前記第1エッジ曲面部の基準面での正射影内に位置する。
【0020】
いくつかの実施形態では、
前記湾曲部の曲率半径は、湾曲によって湾曲部が破損しないようにして到達できる最小の曲率半径である限界曲率半径に等しく、
前記凸弧面領域は、平面領域のエッジの基準面での正射影と、幅が大きい前記第1エッジ曲面部に隣接する第1側辺の基準面での正射影との間の距離が1.5mm~2.5mm間である。
【0021】
第2の態様において、本発明の実施形態は、
平面的でフレキシブルな表示パネルを金型と前記カバーパネルとの間に設置する工程と、
前記金型とカバーパネルとを相対的に接近させて表示パネルを押圧し、前記表示パネルをカバーパネルに沿う形状に形成する、
表示装置の製造方法を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、
平面的でフレキシブルな表示パネルを金型と前記カバーパネルとの間に設置する前に、
平面的でフレキシブルな表示パネルをフレキシブルな支持フィルムに貼り付け、前記支持フィルムおよびその上の表示パネルをプレ変形させる工程と、
前記金型とカバーパネルとを相対的に接近させて、前記表示パネルを押圧した後に、
前記支持フィルムと表示パネルとを分離させる工程をさらに含む。
【0023】
エッジ領域の絶対的なサイズが同じである場合、エッジ領域に対して平面である場合、曲面式のエッジ曲面部(エッジ領域)を採用すると、ユーザが「見る」ことができるエッジ領域のサイズ(または基準面にエッジ領域を投影したサイズ)が小さくなる、すなわち、曲面のエッジ領域が額縁を小さくするのに有利である。
【0024】
本発明の実施形態に係る表示装置の各側縁領域はいずれも曲面であるため、各側の額縁を小さくすることができ、狭額縁設計を実現し、スクリーン比を向上させるのに有利である。
【0025】
また、本発明の実施形態に係る表示装置の異なる側の辺曲面部の幅は異なり、且つ幅は特定の比例関係に適合し、これにより最良のデザインを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面は、本発明の実施形態のさらなる理解を提供するために使用され、且つ明細書の一部を構成し、本発明の実施形態と共に本発明を説明するのに使用され、本発明を限定するものではない。上記の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、以下の図面を参照して詳細な例示的な実施形態を説明することにより、当業者にさらに明らかとなるであろう。
【0027】
【
図1】本発明の実施形態によって提供される表示装置の正面構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によって提供される表示装置の表示パネルの構造を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態によって提供される表示装置における表示パネルとカバーパネルとの位置を示す比較図である。
【
図4】
図1のM1N1の位置と関連技術の表示装置の断面を示す比較図である。
【
図5】
図1のM2N2の位置と関連技術の表示装置の断面を示す比較図である。
【
図6】本発明の実施形態によって提供される表示装置のコーナー部の部分拡大構造を示す図である。
【
図7】
図6におけるC1D1、C2D2、C3D3、C4D4の位置の第1断面における断面構造対比図である。
【
図8】
図6におけるA1B1、A2B2、A3B3、A4B4の位置の第2断面における断面構造対比図である。
【
図9】本発明の実施形態によって提供される表示装置のコーナー部分の概略的な構成図である。
【
図10】
図9のOE1に対応する位置における第3断面の断面構造を示す図である。
【
図11】
図9のOE3に対応する位置における第3断面の断面構造図を示す図である。
【
図12】
図9のOE2に対応する位置における第3断面の断面構造図を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態によって提供される表示装置の製造方法において、表示パネルと支持フィルムとを貼り合わせた後の構造を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態によって提供される表示装置の製造方法において、表示パネル及び支持フィルムを予め変形した後の構造を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態によって提供される表示装置の製造方法において、押出を行う前の構造を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態によって提供される表示装置の製造方法において、押圧を行う際の構造を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態によって提供される表示装置の製造方法において、支持フィルムを分離した後の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態の技術案を当業者がより良く理解するために、以下において図面と組み合わせて本発明の実施形態によって提供される表示装置を詳しく説明する。
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形されてもよい。むしろ、これらの実施形態は、本発明を徹底して完全なものにし、当業者に本発明の範囲を十分に理解させるために提供される。
【0030】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な概略図を参照して、平面図および/または断面図を参照して説明され得る。したがって、図示は、製造技術及び/又は許容範囲に応じて修正され得る。
【0031】
本発明の様々な実施形態および実施形態の様々な特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0032】
本発明で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図していない。本発明で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の、関連して列挙された項目の任意の及び全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される単数形は、文脈上明らかに他の意味を示さない限り、複数形態も含む。本発明で使用される場合、用語「含む」、「……からなる」は、述べられた特徴、全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示しているが、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除するものではない。
【0033】
特に断らない限り、本発明で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈及び本発明の文脈でのそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本発明が明示的にそのように定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有すると解釈されるべきではないことが更に理解されるであろう。
【0034】
本発明の実施形態は、図示の実施形態に限定されるものではなく、製造プロセスに基づいて形成される構成の変形例を含む。したがって、図に示される領域は、例示的な属性を有し、図に示される領域の形状は、要素の領域の特定の形状を示すが、限定的であることを意図していない。
【0035】
第1の態様において、本発明の実施形態は、カバーパネル1と、カバーパネル1上に設けられ、カバーパネル1に適合する形状を有する表示パネル2とを備える表示装置を提供する。
【0036】
ここで、表示装置は光射出側(
図4、
図5における左側)を有しており、使用時にユーザは光射出側で表示画面を見ることができる。
【0037】
このうち、カバーガラス1(CG,Cover Glass)は、ガラス板などの所定形状を有する剛性の透明板であり、表示装置の使用時に光出射側に位置する「筐体」に相当する。
【0038】
表示パネル2は、表示を行うものであり、フレキシブル性を有し、カバーパネル1の光出射側とは反対側に貼り付けられ、カバーパネル1の表面に沿う形状に形成されている。
【0039】
具体的には、表示パネル2は、有機発光ダイオード(OLED)表示パネルなどの形態を有することができる。
【0040】
ここで、表示パネル2は、異なる複数の層構造を積層して構成されていてもよい。例えば、
図4及び
図5を参照すると、表示パネル22は、カバーパネル11から遠くなる方向に順に、偏光層292、第一粘着層293(MOCA)、タッチ層294(TP Sensor)、第二粘着層295(BOCA)、ディスプレイ層291、バッキングフィルム層296(Back film)、放熱層297(SCF)などの層構造を含むことができる。
【0041】
表示層291は表示を行うためのものであり、偏光層292は光の反射を除去するためのものであり、タッチ層294はタッチを行うためのものであり、バッキングフィルム層296は表示層291を支持する役割を果たし、放熱層297は放熱を強化するためのものであり、各接着層は隣接する層構造を接着するためのものである。
【0042】
このうち、各層の構成はいずれもフレキシブルであり、それらの全体が表示パネル2を構成し、表示パネル2は、第3の接着層299(TOCA)を介してカバープレート11に接着されている。
【0043】
もちろん、表示パネル2における各層構造が一列に配置されていてもよく、表示パネル2の全ての位置において同じ層構造を有していてもよい。
【0044】
あるいは、表示パネル2が一部の位置において層構造の一部のみを有する、すなわち、表示パネル2の一部の領域のみに層構造の一部が位置していてもよい。
【0045】
本発明の実施形態に係る表示装置において、カバーパネル1は、中央平面部11、エッジ曲面部12、およびコーナー曲面部13を含み、
中央平面部11は、2つの対向する第1側辺111、2つの対向する第2側辺112、および第1側辺111と第2側辺112との間の4つの角部を有し、
エッジ曲面部12は、2つの第1エッジ曲面部121と2つの第2エッジ曲面部122とを含み、2つの第1エッジ曲面部121は2つの第1側辺111にそれぞれ隣接し、2つの第2エッジ曲面部122は2つの第2側辺112にそれぞれ隣接し、
2つの第1エッジ曲面部121の形状が異なり、2つの第2エッジ曲面部122の形状は同一であり、
基準面は、中央平面部11の表面に平行な面であり、エッジ曲面部12の各々は、中央平面部11に隣接するエッジと、中央平面部11から離れたエッジの基準面での正射影との間の距離が前記エッジ曲面部12の幅であり、
2つの第1第1エッジ曲面部121の幅は異なり、かつ、より大きい幅に対するより小さい幅の比は0.65~0.85であり、
コーナー曲面部13は、中央平面部11のコーナーに隣接し、第1エッジ曲面部121と第2エッジ曲面部122の間に位置し、
表示パネル2は、中央部21、エッジ部22、及びコーナー部23を含み、中央部21は、中央平面部11に対応して設けられ、エッジ部22は、第1エッジ部221と第2エッジ部222とを含み、第1エッジ部221は第1エッジ曲面部121に対応して設けられ、第2エッジ部222は第2エッジ曲面部122に対応して設けられ、コーナー部23はコーナー曲面部13に対応して設けられ、
表示パネル2は、表示領域を含み、中央部21は、いずれも表示領域であり、エッジ部22及びコーナー部23のうち、少なくとも中央部21に隣接する部分が表示領域である。
【0046】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るカバーパネル1は、中央領域に位置し、平板状で、両側面が互いに平行な平面である中央平面部11を含み、そして、中央平面部11は、互いに対向して配置された2組の側辺(第1側辺111、第2側辺112)を有し、側辺間はコーナーで接続され、中央平面部11の側縁外にはエッジ曲面部12(第1エッジ曲面部121、第2エッジ曲面部122)があり、コーナー外はコーナー曲面部13であり、エッジ曲面部12とコーナー曲面部13は共に曲面形態、より具体的には表示装置の出光側から遠ざかる方向に折れ曲がった曲面(弧面)である。
【0047】
従って、カバーパネル1全体は、中央部21が平面で、エッジ領域が表示装置の光出射側から遠ざかる方向に屈曲した曲面となっている。
【0048】
カバーパネル1に対応して、
図2を参照して、表示パネル2も、中央部21と、エッジ部22と、コーナー部23とを有している。
【0049】
このうち、中央部21は中央平面部11に対応するため平面でもあり、
図3を参照して、中央部21の形状(額縁寸法)や位置も中央平面部11と同様である。
【0050】
エッジ部22、コーナー部23はそれぞれエッジ曲面部12、コーナー曲面部13に対応するので、これらも曲面(アール面)に形成されている。しかし、
図3を参照して、表示パネル2のエッジ部22、コーナー部23は、カバーパネル1のエッジ曲面部12、コーナー曲面部13における一部の領域のみに位置してもよく、すなわち、エッジ部22、コーナー部23がエッジ曲面部12、コーナー曲面部13よりも狭くてもよい。
【0051】
図2、
図3を参照して、表示パネル2の少なくとも一部の領域が表示可能な表示領域となっている。具体的には、上記中央部21は、完全に表示領域であり、また、エッジ部22、コーナー部23のうち、少なくとも中央部21に近い領域も表示領域となっている。
【0052】
すなわち、表示装置の中央領域は平面表示を必然的に実現し、中央領域の外側を囲むエッジ領域は、少なくとも一部が曲面表示を実現することで、表示効果を向上させることができる。
【0053】
なお、表示パネル2が存在しない領域は当然表示できないので、表示領域が表示パネル2からはみ出すことはなく、一方、表示パネル2には、表示領域に対応する位置に、必ず上記表示層291が設けられ、表示効果が実現される。
【0054】
ただし、表示パネル2は、必ずしも表示領域である必要はなく、また、表示パネル2において表示層291が設けられている位置は、必ずしも表示領域であるではない。例えば、表示層291は、表示パネル2の全ての位置に存在するが、表示パネル2のエッジの表示層291は表示できず、これらの位置の表示層291をエッジの引き回しなどの設定に用いることができる。
【0055】
なお、説明の便宜上、カバー1の中央面部11の表面(中央面部11を挟んで両側の表面が平行であるため、何れか一方の表面)に平行な平面を基準面とする。
【0056】
これにより、
図3を参照すると、カバーパネルの各エッジ曲面部12は、中央平面部11に近接しおよび離れる2つのエッジの基準面での正射影間に一定の距離(d11、d12、d13)を有し、この距離がエッジ曲面部12の「幅」となる。
【0057】
なお、上記で定義したエッジ曲面部12の幅は、基準面におけるエッジ曲面部投影図形の幅であるため、表示装置の使用時において、ユーザが出光側から「見る」エッジ曲面部12の幅となるがこの幅が曲面方向におけるエッジ曲面部12の絶対的な寸法よりも小さいことは明らかであり、表示装置の狭額縁化に有利である。
【0058】
本発明の実施形態では、2つの第2のエッジ曲面部122は、形状が同じであり(または対称分布である)、したがってそれらの幅d13も同じである。
【0059】
2つの第1エッジ曲面部121は、形状が異なり、それらの幅も異なる。ここで、大きい方の第1エッジ曲面部121の幅d12に対する小さい方の第1エッジ曲面部121の幅d11の比は、0.65~0.85、さらには0.7~0.8の間である。
【0060】
ここで、2つの第2エッジ曲面部122は、通常、表示装置の使用時における左右両側であり、2つの第1エッジ曲面部121は、上下両側であり、且つ、幅の大きい第1エッジ曲面部121は、通常、下側である。
【0061】
このように、本発明の実施形態の表示装置のエッジ領域の曲面は、左右対称で上下が異なる形態であり、通常、「上狭下広」の形態である。
【0062】
もちろん、辺縁領域の絶対的な大きさが同じ場合、辺縁領域が平面である場合に対して、曲面式のエッジ曲面部12(辺縁領域)を採用すると、ユーザが「見る」ことができる辺縁領域の大きさ(あるいは、辺縁領域の基準面での射影の大きさ)が小さくなる、すなわち曲面の辺縁領域が額縁を小さくすることに有利である。
【0063】
本発明の実施形態に係る表示装置の各側縁領域は曲面であるため、各側の額縁を小さくでき、狭額縁設計を実現し、スクリーン比を向上させるのに有利である。
【0064】
また、本発明の実施形態に係る表示装置の異なる側のエッジ曲面部12は、幅が異なり、且つ幅が特定の比例関係に適合することにより、最良のデザインを実現することができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、2つの第1エッジ曲面部121の中央平面部11から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は150mm~170mmの間であり、
2つの第2エッジ曲面部122の中央平面部11から遠いエッジの基準面での正射影間の距離は、65mm~80mmの間である。
【0066】
図3を参照して、2つの第1エッジ曲面部121のうち最も離れた縁の基準面での正射影間の距離d2は、表示装置の「全長」に相当し、この全長d2は、150mm~170mmの間、さらに155mm~160mm、さらに157.15mmである。これに対して、2つの第2エッジ曲面部122のうち最も離れたエッジの基準面での正射影間の距離d3は、表示装置の「全幅」に相当し、この全幅d3は、65mm~80mmの間、さらには70mm~75mm、さらには71.95mmである。
【0067】
いくつかの実施形態では、2つの第1の側縁111の間の距離は140mmから160mmの間であり、2つの第2の側縁112間の距離は、60mm~70mmの間である。
【0068】
図3を参照すると、中央平面部11の2つの第1側辺111の間の距離d4と2つの第2側辺112の間の距離d5は、それぞれ表示装置の中央の「平面表示領域」の長さと幅に相当する。具体的には、上記平面表示領域の長さd4は、140mm~160mm、更には145mm~155mm、更には150.72mmである。また、上記平面表示領域の幅d5は、60mm~70mm、さらには62mm~65mm、さらには64.6mmである。
【0069】
いくつかの実施形態において、2つの第1エッジ曲面部121の幅は、それぞれ2mm~4mmの間、及び3mm~6mmの間であり、第2エッジ曲面部122の幅は、3mm~4mmの間である。
【0070】
図3を参照すると、2つの第1エッジ曲面部121の幅の比は、上記の関係を満たすことが好ましい。具体的には、小さい方の第1エッジ曲面部121の幅d11は、2mm~4mmの間、さらには2.83mmであり、また、大きい方の第1エッジ曲面部121の幅d12は、3mm~6mmの間、さらには3.599mmである。2つの第2エッジ曲面部122の幅d13は、3mm~4mmの間、さらに3.677mmのはずである。
【0071】
いくつかの実施形態では、各エッジ部分22の表示領域の縁と、当該エッジ部分22の中央部分21に隣接する縁の基準面での正射影との間の距離が、当該エッジ部分22の表示幅であり、
2つの第1エッジ部221の表示幅は異なり、それぞれ0.5mm~1mmの間、および0.3mm~0.8mmの間であり、
2つの第2エッジ部222の表示幅は同じであり、1.5mm~2.5mmの間である。
【0072】
図3を参照して、表示領域は、表示パネルのエッジ部22とコーナー部23、すなわち、カバーパネル11のエッジ曲面部12とコーナー面部13に必ず入るため、表示領域の縁と、エッジ部22の中央部21寄りの縁(すなわち、中央平面部11の第1側辺111または第2側辺112)の基準面での正射影との距離、すなわち、光射出側でユーザが「見る」ことができるエッジ曲面部12における表示領域の幅、すなわち、エッジ部22の“表示幅(d61,d62,d63)”となる。
【0073】
具体的には、
図3を参照すると、2つの第1エッジ部221の表示幅は異なり、小さい方の第1エッジ曲面部121に対応する第1エッジ部221の表示幅d61は0.5mm~1mmの間(または小さい方の第1エッジ曲面部121における表示領域の幅は0.5mm~1mm)であってもよく、さらに0.7665mm、第1エッジ曲面部121の第1エッジ部221の表示幅d62は、0.3mm以上0.8mmの間(すなわち、大きい第1エッジ曲面部121の表示領域の幅が0.3mm以上0.8mm以下)、さらには0.5676mmであることが好ましい。
【0074】
また、2つの第2エッジ部222の表示幅d63は同じであってもよく、具体的には1.5mm~2.5mmの間(または第2エッジ曲面部122における表示領域の幅は1.5mm~2.5mm)、さらに2.0816mmである。
【0075】
このように、上記表示幅は、いずれも対応するエッジ曲面部12の幅よりも小さい、すなわち、エッジ曲面部12のうち中央平面部11に近い部分の位置では表示が可能であり、エッジ曲面部12のうち中央平面部11から遠い部分は曲面が大きく傾っているため表示が行われない(表示パネルが対応して設けられなくてもよいし、または表示パネル2に対応する非表示領域であってもよい)。
【0076】
実施形態によっては、エッジ部22及びコーナー部23の各々は、中央部分21から離れた表示領域の側に非表示領域を有する。
【0077】
図3を参照して、表示パネル2は、プロセス等の理由により、表示が可能な表示領域の外に、表示が不可能な非表示領域(たとえば、エッジトレース等を設けるための領域)を囲んでいてもよい。本発明の実施形態では、表示パネル2の中央部21が全て表示領域であり、エッジ部22及びコーナー部23の中央部21に近い領域も表示領域であるため、非表示領域は、必然的にエッジ部22及びコーナー部23のうちの表示領域の外側に位置する。
【0078】
ここで、上記非表示領域の中央部21から遠いエッジ、すなわち、表示パネル2全体のエッジは、一方ではカバー1のエッジを超えることができず、他方では、中央平面部11のエッジ、すなわち、表示パネル2全体のエッジの基準面上への正射影よりも小さくすることができず、必然的に、エッジ曲面部12とコーナー曲面部13の基準面上への正射影に位置し、最大でカバー1全体のエッジの基準面上への正射影内に重なる、すなわち、表示パネル2は最大でカバー1を「張り巡らす」ことができる。
【0079】
したがって、
図3を参照すると、表示装置の中心から外側方向に、中間の平面部11(すなわち、中央部21)のエッジ、表示領域のエッジ、表示パネル2のエッジ、カバーパネル1のエッジを通過し、なお、表示パネル2のエッジとカバーパネル1のエッジとが重なっていてもよい。
【0080】
なお、上記表示パネル2の非表示領域は表示を実現することができないため、そのサイズは現実的にはできるだけ小さい方がよい。例えば、小さい方の第1エッジ曲面部121において、表示パネル2の非表示領域の幅(すなわち、表示パネル2のエッジと、基準面での表示領域のエッジの正射影との距離)は0.8835mm、また、大きい方の第1エッジ曲面部121において、表示パネル2の非表示領域の幅は1.3726mmであってもよい。また、2つの第2エッジ曲面部122において、表示パネル2の非表示領域の幅は、いずれも0.5782mmであってもよい。
【0081】
ここで、表示装置全体の額縁とは、表示領域のエッジから表示装置(カバーパネル1)のエッジまでの間の領域を意味し、この領域は、表示パネル2における非表示領域を含み、カバーパネル1のエッジ曲面部12と、コーナー曲面部13のうち表示パネル2に覆われていない領域とを含んでもよい。もちろん、この額縁もできるだけ小さくすることが望ましい。例えば、小さい第1エッジ曲面部121では、ベゼル幅(即ち、表示領域のエッジと、カバーパネル1のエッジとの基準面での正射影間の距離)を2.0635mmとし、大きい第1エッジ曲面部121では、ベゼル幅を3.0314mmとすることができる。また、2つの第2エッジ曲面部122において、表示パネル2の非表示領域の幅は、同じ1.5954mmであってもよい。
【0082】
非表示領域の具体的なサイズ(例えば非表示領域の幅)については、これ以上の限定は省略する。
【0083】
なお、上記の非表示領域は表示できないが、
図4を参照すると、表示領域と表示領域の絶対的なサイズが同じである場合、縁領域が平面である場合に対して、本発明の実施形態では、中央部分21から離れた非表示領域の縁の基準面での正射影は、一定の距離S1だけ「狭くなる」、すなわち、光出側でユーザが「見る」ことができる非表示領域の幅は、S1だけ狭くなるので、ベゼル幅をさらに低減するのに有利であることが理解される。
【0084】
例えば、
図3を参照すると、小さい第1エッジ曲面部121では、上記の距離S1は0.11mmであってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、表示パネル2の中央部21、エッジ部22、およびコーナー部23の各々に、タッチ構造体が設けられている。
【0086】
すなわち、表示パネル2は、中央部21にタッチ構造を設けて、タッチを可能にし、また、表示パネル2は、エッジ部22、コーナー部23にもタッチ構造が設けられており、タッチも可能である。
【0087】
そのうち、表示装置の中央部21に対応する領域は平面であるため、中央部21のタッチは表示内容によるタッチ(例えば、表示されたアイコンをクリックする)、なお、エッジ部22、コーナー部23におけるタッチは、表示内容に応じたタッチ(例えば、表示されたアイコンをクリックする)でもよいし、所定の操作に直接対応するタッチでもよいし、異なるエッジ部22、コーナー部23をクリックすると、現在エッジ部22、コーナー部23にどのような内容が表示されているかに関わらず、音量調整やオンオフなどの異なる特定の操作をそれぞれ実現することができる。
【0088】
具体的には、上記タッチ構造体の形態は多様であり得る。
【0089】
例えば、タッチ構造体は、表示パネル2の中央部21、エッジ部22、及びコーナー部23のそれぞれに上記タッチ層294が配置されるように、上記タッチ層294に配置されてもよい。
【0090】
あるいは、タッチ構造は、表示層291に一体化されてもよく、すなわち、中央部21、エッジ部22、コーナー部23の表示層291に、いずれもタッチ構造を有するべきである。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1側辺111に垂直な断面は第1断面であり、第2側辺112に垂直な断面は第2断面であり、
第1側辺111の長さ方向に沿った互いに異なる位置の第1断面において、第1エッジ曲面部121の図形は同一であり、
第2側辺112の長手方向に沿った異なる位置のそれぞれにおける第2断面では、第2エッジ曲面部122の図形は同じである。
【0092】
図6を参照すると、第1側辺111は、中央平面部11側の縁であり、一本の直線(その延在方向が長手方向である)であるため、この直線(第1側辺111)に垂直な断面を第1断面と呼び、例えば、
図6においてC1D1、C2D2、C3D3、C4D4の線のいずれかを通り、紙面に垂直な断面を第1断面とする。
【0093】
同様に、第2側辺112は、中央平面部11側の縁であり、一本の直線(その延在方向が長手方向となる)であるため、この直線(第2の側辺112)に垂直な断面を第2断面と呼び、例えば、
図6のA1B1、A2B2、A3B3、AB4B4のいずれかの線を通り、紙面に垂直な断面を第2断面とする。
【0094】
図6を参照すると、第1側縁111の長さ方向に沿った第1エッジ曲面部121の複数の異なる位置(
図6において第1エッジ曲面部121と交差する複数の符号を付していない点線の位置)において、複数の異なる第1断面は、それぞれ第1エッジ曲面部121の図形を切り取ってよく、これらの第1断面における第1エッジ曲面部121の図形は同一である。
【0095】
同様に、第2側縁112の長さ方向に沿った第2エッジ曲面部122の複数の異なる位置(例えば、
図6において第2エッジ曲面部122と交差する複数の符号を付していない点線の位置)において、複数の異なる第2断面は、それぞれ第2エッジ曲面部122の図形を切り取ることができ、これらの第2断面における第2エッジ曲面部122の図形は同一である。
【0096】
すなわち、各エッジ曲面部12は、対応する側辺の長さ方向に沿った異なる位置での構造が同一となっている。
【0097】
いくつかの実施形態において、カバーパネル1の基準面での正投影は弧角矩形であり、
中央面部11の基準面での正投影は弧角矩形であり、
表示パネル2の基準面での正投影は弧角矩形であり、
表示領域の基準面での正射影は弧角矩形である。
【0098】
ここで、弧角矩形とは、矩形に近い図形である。特に、矩形と同様に、円弧角の矩形は、2つの対辺の組に分割された4つの辺を有し、同じ組の対辺は互いに平行であり、異なる組の辺は互いに垂直である。矩形とは異なり、弧角矩形の異なるグループの辺は、直角を形成するように直接接続されるのではなく、1つの凸曲線(弧角)によって接続されるので、「弧角矩形」と呼ばれる。
【0099】
なお、角丸角部の凸曲線は、円弧曲線であってもよいし、他の滑らかな曲線であってもよい。
【0100】
図3を参照すると、カバー1全体の基準面での正投影は、弧角矩形であり、カバー1の中央平面部11の基準面での正投影も円弧角矩形である。これにより、エッジ曲面部12とコーナー曲面部13の基準面での正射影は、以上の2つの円弧角矩形間の環状領域となる。
【0101】
図3を参照して、表示パネル2全体の基準面での正射影は、カバー1全体の正射影の弧角矩形と、中央平面部11の正射影の弧角矩形との間に位置する弧角矩形となる。
【0102】
図3を参照して、表示領域の基準面での正射影も、表示パネル2全体の正射影の弧角矩形と、中央平面部11の正射影の弧角矩形との間に位置する弧角矩形となる。
【0103】
いくつかの実施形態において、第1エッジ部221とコーナー部23との境界を通る第1断面から、当該第1エッジ部221から漸次離れる方向の各第1断面において、コーナー部23が中央部21から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第1角度から漸次小さくなり、
第2エッジ部222とコーナー部23との境界を通る第2断面から、当該第2エッジ部222から漸次離れる方向の各第2断面において、コーナー部23が中央部21から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度が、第2角度から漸次小さくなる。
【0104】
表示パネル2のコーナー部23及びエッジ部22は、いずれもカバーパネル1の曲面部分に対応するため、コーナー部23及びエッジ部22は、いずれも中央部21から離れるほど(あるいは「外側」ほど)「傾斜度合い」が大きく、この傾斜度合いがコーナー部23、エッジ部22(及び対応するコーナー曲面部13、エッジ曲面部12)の湾曲度合いを反映している。
【0105】
すなわち、第1断面および第2断面を含む、基準面に垂直な任意の断面において、表示パネル2の縁の面(任意の一側面、表示パネル2の両側面が平行であることに起因する)と基準面とのなす角度によって、当該断面におけるカバーパネル1及び表示パネル2の屈曲の度合いを表現することができる。
【0106】
図6、
図7を参照すると、コーナー部23と第1エッジ部221との境界(すなわち、C1D1線)を通る第1断面(すなわち、C1D1線を通る第1断面)において、コーナー部23が中央部21から最も離れた位置にある表面(いずれか一方の表面、表示パネル2の両側面が互いに平行であることに起因する)と基準面とのなす角度は、第1角度であり、そして、この第1エッジ部221から次第に離れる方向(すなわち、C1D1線からC4D4線に向かう方向)の各第1断面において、このコーナー部23が中央部21から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度は、第1の角度から次第に小さくなり始め、0度に近づくまで小さくなる。
【0107】
同様に、
図6、
図8を参照して、コーナー部23と第2エッジ部222との境界(すなわち、A1B1線)を通る第2断面(すなわち、A1B1線を通る第2断面)において、コーナー部23が中央部21から最も離れた位置にある面(いずれか一方の面、表示パネル2の両側面が互いに平行であることに起因する)と基準面とのなす角は、第2角度であり、また、この第2エッジ部222から遠ざかる方向(すなわち、A1B1線からA4B4線に向かう方向)の各第2断面において、この角部23が中央部21から最も離れた位置の表面と基準面とのなす角度は、第2角度から次第に小さくなり始め、0度に近づくまで小さくなる。
【0108】
すなわち、各エッジ部22は、一方向の曲げ成分のみを有しており、例えば、第1エッジ部221は、第1断面における曲げ成分のみを有し、第2エッジ部222は、第2断面における曲げ成分のみを有している。
【0109】
また、コーナー部23は、第1断面および第2断面における曲げ成分が同時にあるなど、2方向の「曲げ成分」を同時に有するので、「ハイブリッド折り曲げ」が行われたことに相当する。
【0110】
また、第1エッジ部221に隣接する箇所では、第1断面におけるコーナー部23の曲げ成分が最も大きく、第2断面における曲げ成分はほとんどない。また、コーナー部23が第1エッジ部221から離れた位置にあるほど、第1断面における折れ成分は小さくなる。
【0111】
同様に、コーナー部23は、第2エッジ部222に隣接する箇所において、第2断面における曲げ成分が最も大きく、第1断面における曲げ成分はほとんどなく、コーナー部23の第2エッジ部222から離れた位置ほど、第2断面における曲げ成分が小さくなっている。
【0112】
したがって、コーナー部23は、第1のエッジ部221および第2エッジ部222における曲げの「均一な移行」を実現できる。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1角度は、30度~60度の間であり、第2角度は、50度~75度の間であり、第1角度は、前記第2角度よりも小さい。
【0114】
具体的には、
図7及び
図8を参照すると、上記第1角度は、30度~60度の間、さらに40度~55度の間、さらに51度であり、第2角度は、50度~75度の間、さらには60度~72度の間、さらには70度であってもよい。
【0115】
すなわち、第1エッジ111(短辺)に垂直な第1断面における表示パネル2の最大屈曲量は、第2エッジ112(長辺)に垂直な第2断面における最大屈曲量よりも小さく、すなわち表示パネル2の長辺(第2エッジ112)における曲げはより大きい。
【0116】
いくつかの実施形態において、基準面において、各コーナー部23の中央部21から離れたエッジの正射影は、2つの端点を有する凸円弧であり、第1エッジ部221の正射影に接続される端点は第1端点であり、第2エッジ部222の正射影に接続される端点は第2端点であり、
第1端点を通り、且つ、第2側辺112の正射影に平行な線と、第2端点を通り、且つ、第1側辺111の正射影に平行な線が当該コーナー部の位置決め点である交点を有し、当該コーナー部23の位置決めコーナーである夾角を形成し、
凸弧上の任意の一点に対して、当該点と位置決め点を通り、かつ基準面に垂直な断面が当該点における第3断面であり、第3断面において、コーナー部23の中部21から最も離れた位置にある表面と基準面との間の夾角が当該点における総合夾角であり、
第1端点から第2端点に向かう方向において、当該凸弧状上の各点に対応する総合夾角は、第1角度から第3角度まで徐々に減少し、第2角度まで徐々に増加する。
【0117】
図9を参照すると、表示パネル2の基準面での正射影は弧角矩形であるため、円弧状のコーナー部23の中央部21から離れた縁の基準面での正射影は、必然的に、2つの端点、すなわち、第2エッジ部222に接続する第2端点E2と、第1エッジ部221に接続する第1端点E1とを有する凸弧状であり、第2端点E2および第1端点E1から、第1側辺111に平行な線E2Oと、第2側辺112に平行な線E1Oとをそれぞれ形成すると、2つの線は、必然的に、当該コーナー部23の位置決め点である点Oと交差し、当該コーナー部23の位置決め角である夾角aを形成する。
【0118】
なお、第1側辺111と第2側辺112とは互いに直交しているので、上記の位置決め角は直角である。
【0119】
図9を参照して、上記コーナー部23の縁の凸円弧状の任意の点(たとえばE1,E2,E3点)と位置決め点Oとの間に結ぶ線(たとえばE1O、EO、EO3)があり、当該結ぶ線を通りかつ基準面に垂直な断面が、の点における第3断面(たとえばE1O、EO、EO線をそれぞれ通り、紙面に垂直な断面)である。
【0120】
なお、コーナー部23の縁の円弧凸形状の各点における第3断面において、コーナー部23の中央部21から最も離れた位置の面(一方の面、表示パネル2の両面が平行であることに起因する)と基準面との間にも、この点の総合角度bと呼ばれる角度が存在し、コーナー部23の縁の円弧凸形状上の異なる点の総合角度bの角度が異なることがわかる。
【0121】
図10~
図12を参照すると、第1端点E1から第2端点E2に向かう方向(E1からE3を経てE2に向かう弧矢印方向)において、凸弧上の各点に対応する総合角度は、第1の角度(例えば、30~60度の間の角度)から第3の角度まで徐々に小さくなり、第3の角度から第2の角度(例えば、50~75度の間の角度)まで徐々に大きくなる。
【0122】
図10から
図12を参照すると、以上の「総合挟角」は、「ハイブリッド曲げ」におけるコーナー部23の各位置における「全体的な折り曲げ度合い」を表している。すなわち、コーナー部23の全体的な曲げの度合いは、エッジ部22に連なる両側で大きく、中間位置で相対的に小さい。
【0123】
表示装置は、通常、可撓性を有する平面状の表示パネル2をカバーパネル1に貼り付けることによって得られる(詳細は後述する)。貼り付け過程で、平面の表示パネル2のコーナー部23とエッジ部22は、コーナー曲面部13とエッジ曲面部12に合わせた曲面形状に変形する必要がある。前述したように、各エッジ部22において表示パネル2は一方向にのみ折り曲げられ、その変形は比較的容易である。一方、コーナー部23には実際には異なる2方向の「折れ曲がり成分」が存在し、「ハイブリッド曲げ」に該当するが、平面的な表示パネル2では異なる方向の折れ曲がりを同時に実現することが困難であり、クラック(Crack)や回路破壊(例えばGDS)等の不具合が発生しやすい。
【0124】
このため、以上の全体としての曲げの度合いが中間程度で小さく、両側で大きくなるようにコーナー部23を設計することで、コーナー部23において異なる方向の曲げ成分の均一な移行を実現し、不具合の発生を回避することができる。
【0125】
いくつかの実施例において、凸弧上の総合角度が第3角度である点と位置決め点との間の接続線は、定位角度の二等分角線である。
【0126】
図9、
図11を参照して、均一の観点から、以上の凸弧における最も小さい総合挟角に対応する点は、位置決め角の二等分線上に位置していればよく、たとえば、上にE3点である。
【0127】
いくつかの実施形態において、第3の角度は、1度から5度の間である。
【0128】
具体的には、上記総合的な挟角の最小値(第3角度)は、1度~5度の間、例えば3度であってもよい。すなわち第3角度を小さくでき、コーナー部23をその位置で平面に近く、曲げ度合いを小さくできる。
【0129】
いくつかの実施形態において、表示装置は、
表示パネル2のカバーパネル1から離れる側に設けられるバインド部41と、
バインド部41と、表示パネル2の幅が大きい第1エッジ曲面部121に対応するエッジである表示パネルの一エッジとの間を連結する湾曲部42、
表示パネル2とバインド部41との間に設けられ、表示パネル2に接着される第1面31と、バインド部41に接着される第2面32とを有する支持体3と、
第2面32は、互いに接続された凸弧面領域321と、平面領域322とをさらに有し、
基準面での平面領域322の正射影は、基準面での中央平面部11の正射影内にあり、
凸弧面領域321の基準面での正射影は、一部が中平面部11の基準面での正射影内に位置し、他の一部が、幅が大きい前記第1エッジ曲面部121の基準面での正射影内に位置する。
【0130】
図5を参照すると、表示駆動信号を取得するために、表示パネル2は、さらに、ドライバチップ(Driver IC)などをバインドするためのバインド部41を接続する必要がある。バインド部41と表示パネル2との間は、湾曲部42によって連結されており、湾曲部42の湾曲により、括れ部41を表示パネル2のカバーパネル1から離れる側(裏側)に「曲げ」て、額縁を極力小さくすることができる。
【0131】
本実施形態では、上記のバインド部41及び湾曲部42は、幅が大きい第1エッジ曲面部121に対応する位置に設けられている。
【0132】
ここで、湾曲部42とバインド部41は、表示パネル2と連結される独立した構造であり、例えば、湾曲部42と前記バインド部41は、表示パネル2と連結されるフレキシブル回路基板(FPC)であってもよい。
【0133】
あるいは、湾曲部42とバインド部41とが、表示パネル2における部分積層構造と一体的に形成されていてもよい。
【0134】
例えば、
図5を参照すると、湾曲部42及びバインド部41はいずれも表示パネル2の表示層291と一体に形成されてもよく、すなわち、表示層291が表示パネル2を越えて延び、湾曲部42を形成し、さらに伸びてバインド部41を形成し、そのうち、湾曲部42にさらに追加の保護接着層421を貼り付けることができ、バインド部41にもバッキングフィルム層296を設けて保護することができる。
【0135】
また、タッチ層294がある場合、タッチ層294は、対応するタッチフレキシブル回路基板に接続されてタッチ工程の駆動を実現してもよく、タッチフレキシブル回路基板の接続は、表示パネル2のカバープレート1から離れる側(裏側)に折り曲げられてもよい。
【0136】
図5を参照すると、表示領域と表示領域の絶対的な大きさが同じである場合、エッジ領域に対して平面である場合、本発明の実施形態では、中央部分21から遠い非表示領域のエッジの基準面での正射影が、一定の距離S2だけ「内側に」なることがあり、すなわち、光出側でユーザが「見る」ことができる非表示領域の幅が、距離S2だけ小さくなることがあり、これは、額縁幅をさらに低減するのに有利である。
【0137】
そして、ここでの第1エッジ曲面部121は、より幅広であるため、上記のように縮む距離S2もより大きく、例えば0.353mmとなり、より効果的に額縁を小さくすることができる。
【0138】
図5を参照すると、バインド部41と表示パネル2との間には、支持体3(Bending Spacer)がさらに設けられてもよく、この支持体3は、気泡綿などの比較的可撓性のある材料で構成され、その両側面(第1面31及び第2面32)がそれぞれ表示パネル2及びバインド部41に、例えば両面テープ39によって接着される。
【0139】
図5を参照すると、バインド部41は、最終的に平らに貼り付けられるが、本発明の実施形態では、第1エッジ曲面部121が曲面であるため、支持体3の第2面32が完全に平面であると、バインド部41が支持体3の第2面32と接着を開始する位置は、鋭い屈曲が発生することにより壊れ易い。従って、支持体3の第2面32は、互いに接続される凸曲面部321と平面部322を含み、凸曲面部321は、より大きな第1エッジ曲面部121に近づき(より下になり)、バインド部41は、まず、その自然に形成された形状に比較的マッチする凸曲面(凸曲面部321)に接着され、その後、徐々に平面構造(平面部322)に移行し、比較的均一な移行を実現し、損傷を回避する。
【0140】
ここで、
図5を参照して、支持体3の第1面31は表示パネル2に接着されているため、その表面は、表示パネル2の表面、すなわち、カバーパネル1の形状に自然に整合しており、すなわち、第1面31の一部が凸曲面となっている。これにより、基準面に垂直な断面における支持体3下部の図形は、「雫形」のような形状となる。
【0141】
いくつかの実施形態では、バインド部42の曲率半径は、曲折によって損傷を受けることなくバインド部42が到達し得る最小の曲率半径である限界曲率半径に等しく、
凸曲面領域321は、平面領域322の縁の基準面での正射影と、幅が大きい第1エッジ曲面部121に隣接する第1側辺111の基準面での正射影との間の距離が1.5mm~2.5mmである。
【0142】
図5を参照して、額縁をできるだけ小さくするために、バインド部42は、破損することなく、できるだけ最大に折り曲げるべき最小の曲率半径、すなわち、限界曲率半径に達しており、この限界曲率半径は、1mm以下、例えば、0.3mmとすることができる。
【0143】
同時に、可能な限り均一な移行を可能にし、危険を回避するために、上記凸面領域321は、より大きな寸法を有するべきである。
図5を参照すると、M3N3線は、中央平面部分11の第1の側111に対応し、M4N4線は、凸状湾曲表面領域321の縁に対応し、これら2つの線間の距離d7は、1.5mm~2.5mm、例えば2mmであるべきである。すなわち、基準面において、凸弧面領域321の正射影は中平面部11の正射影に「進入」すべきであり、進入距離d7は1.5mm~2.5mmである。
【0144】
また、凸曲面領域321の具体的な形状は、上記凸曲面領域321の境界の位置に応じて、バインド41が過大な曲げによって破損することがないように設定される。
【0145】
第2の態様において、本発明の実施形態は、上記の表示装置の製造方法を提供し、次のステップを含む。
【0146】
S101平面で可撓性の表示パネル2を金型6とカバーパネル1との間に設置する。
【0147】
所望の曲面形状を有する表示パネル2を直接製造することは困難であるため、
図15を参照すると、本発明の実施形態では、通常、まず平面の表示パネル2と所望の形状を有するカバーパネル1とを取得し、その後、表示パネル2をモールド6(Pad)とカバーパネル1との間に配置する。
【0148】
ここで、金型6は、シリコンゴム等のある程度の変形能力を有する材料で構成され、カバー1側に向かう形状がカバー1の形状にほぼ合致するように形成されている。
【0149】
このうち、表示パネル2は、フレキシブルであるため変形可能である。具体的には、表示パネル2は、大判のマザー基板をレーザーカット法などで切断することにより得られる。
【0150】
このうち、カバーパネル1は、ガラス等の材料からなる剛性のある板であり、既に所望の形状を有している。具体的には、カバーパネル1は、平面的な、等厚のガラス板を熱間曲げ型成形することにより得られる。
【0151】
図4及び
図5を参照すると、上記熱間曲げ成形プロセスにおいて、工程上の理由から、カバーパネル1のエッジ厚を若干減少させることも可能であるが、ここでは詳述しない。
【0152】
S102、表示パネル2がカバーパネル1に沿う形状となるように、金型6とカバーパネル1とを相対的に接近させて表示パネル2を押圧する。
【0153】
図16を参照すると、金型6をカバー1に押し付けることで、表示パネル2は、金型6によってカバー1に押し付けられ、カバー1に適合した形状に形成され、このとき、金型6を取り除くことで、
図17に示した本発明の実施形態に係る表示装置を得ることができる。
【0154】
いくつかの実施形態において、平面的でフレキシブルな表示パネル2を金型6とカバーパネル1との間(S101)に設置する前に、
平面的でフレキシブルな表示パネル2をフレキシブルな支持フィルム5に貼り付け、支持フィルム5およびその上の表示パネル2をプレ変形させるステップS100をさらに含む。
【0155】
金型6とカバーパネル1とを相対的に接近させて、表示パネル2(S102)を押圧した後に、
支持フィルム5と表示パネル2とを分離させるステップS103をさらに含む。
【0156】
表示パネル2の変形を容易にするために、
図13を参照すると、まず、表示パネル2とフレキシブルであるが一定の強度を有する支持フィルム5(Carrier Film)とを光学接着剤で貼り合わせる。その後、
図14を参照して、支持フィルム5をカバーパネル1に実質的にマッチする形状に湾曲させる(支持フィルム5は強度があるため、所望の形状を実質的に保持できる)ことにより、支持フィルム5上の表示パネル2も当然ながらこれに伴って所望の形状に湾曲し、支持フィルム5及び表示パネル2の予備変形が完了する。
【0157】
その後、
図15を参照すると、支持フィルム5を表示パネル2と共に金型6とカバーパネル1との間(支持フィルム5が表示パネル2よりもカバーパネル1側に位置する)に配置して押圧することができる。
【0158】
押圧が終了した後、
図16に示すように、紫外線照射により、支持フィルム5を表示パネル2から剥離することで、本発明の実施形態に係る表示装置が得られる。
【0159】
本発明は例示的な実施形態を開示しており、特定の用語が使用されているが、それらは、一般的な例示的な意味でのみ使用され、そのように解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの例では、特定の実施形態に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素は、特に明記しない限り、単独で使用されてもよく、又は他の実施形態に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素と組み合わせて使用されてもよいことは、当業者に明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲によって示される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な形態および詳細に対する変更が行われ得ることを当業者は理解するであろう。
【符号の説明】
【0160】
1 カバーパネル
11 中央平面部
111 第1側辺
112 第2側辺
12 エッジ曲面部
121 第1エッジ曲面部
122 第2エッジ曲面部
13 コーナー曲面部
2 表示パネル
21 中央部
22 エッジ
221 第1エッジ部
222 第2エッジ部
23 コーナー部
291 表示層
292 偏光層
293 第1粘着層
294 タッチ層
295 第2粘着層
296 バッキングフィルム層
297 放熱層
299 第3粘着層
3 支持体
31 第1面
32 第2面
321 凸弧面領域
322 平面領域
39 両面テープ
41 バインド部
421 保護接着層
42 湾曲部
5 支持フィルム
6 金型