(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信システムのための制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240722BHJP
H04B 10/114 20130101ALI20240722BHJP
H04B 10/112 20130101ALI20240722BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
H04B10/114
H04B10/112
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022046499
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2019547768の分割
【原出願日】2017-11-13
【審査請求日】2022-04-14
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・シャープ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ザミット
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-529181(JP,A)
【文献】特開平08-138756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0195042(US,A1)
【文献】特開2016-183050(JP,A)
【文献】特開平11-252018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット倉庫システムであって、
制御装置と、
ロボット積み荷取り扱いデバイス内で下げられるように構成されている持ち上げデバイスと、前記持ち上げデバイスは、積み荷を把持し、持ち上げるように構成されている把持手段を含む、
を含む少なくとも1つのロボット積み荷取り扱いデバイスと、
前記制御装置から前記把持手段へ信号を送信するように構成されているワイヤレス通信システム
であって、
前記ワイヤレス通信システムは、第1のワイヤレス通信システムであり、前記ロボット倉庫システムは、第2のワイヤレス通信システムを備え、ここにおいて、前記第1のワイヤレス通信システムと前記第2のワイヤレス通信システムは独立して動作し、前記第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている、
を備える、ロボット倉庫システム。
【請求項2】
格子フレームワークを備える、請求項1に記載のロボット倉庫システム。
【請求項3】
前記格子フレームワークは、格子パターンで構成されている複数のレールを含む、請求項2に記載のロボット倉庫システム。
【請求項4】
前記複数のレールは、X方向への車両の移動を可能にするように構成されているレールの第1のセットと、Y方向への前記車両の移動を可能にするように構成されているレールの第2のセットとを含む、請求項3に記載のロボット倉庫システム。
【請求項5】
車両を備え、
前記車両は、レールの前記第1のセットのうち1つのレールを選択的に係合するように構成されている第1のホイールと、レールの前記第2のセットのうち1つのレールを選択的に係合するように構成されている第2のホイールとを含む、請求項4に記載のロボット倉庫システム。
【請求項6】
前記把持手段は、ケーブルによって吊り下げられている把持板を含む、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のロボット倉庫システム。
【請求項7】
前記ワイヤレス通信システムは、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
少なくとも1つの受信機と、
を備える、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のロボット倉庫システム。
【請求項8】
前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置は、放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上に投射するように、前記複数の放射器の少なくとも1つによって放射される前記放射の強度を決定するように構成されている、または、
前記ワイヤレス通信システムは、前記放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上に投射するように、前記複数の放射器の少なくとも1つによって放射される放射の強度を決定するように構成されているワイヤレス通信システム制御装置を含む、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項9】
前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置は、少なくとも2つの前記放射器からの放射が前記少なくとも1つの受信機の同じ受信機に到達するように、前記複数の放射器のうち少なくとも1つを制御するように構成されている、または、
前記ワイヤレス通信システムは、前記複数の放射器のうち少なくとも2つからの放射が前記少なくとも1つの受信機の同じ受信機に到達するように、前記複数の放射器のうち前記少なくとも1つを制御するように構成されているワイヤレス通信システム制御装置を含む、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項10】
前記複数の放射器のうち少なくとも1つからの放射が通る第1のレンズと、
前記第1のレンズを通過した前記放射を前記少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成されている第2のレンズと、
を備える、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項11】
前記持ち上げデバイスの前記把持手段は、前記把持手段と前記制御装置との間のワイヤレス通信が、前記把持手段と前記制御装置との間の相対運動の間に維持可能であるように、前記ワイヤレス通信システムを経由して、前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置と通信可能である、請求項1~10のうちのいずれか1項に記載のロボット倉庫システム。
【請求項12】
前記複数の放射器のうち少なくとも1つの放射は、光送信、赤外送信、可視光送信、紫外送信、または、無線周波数送信のうち少なくとも1つである、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項13】
前記複数の放射器のうち少なくとも1つの放射は、1GHzよりも大きい周波数の無線周波数送信を放射する、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項14】
前記ワイヤレス通信システムは、前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの放射器の少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサを備え、
前記ロボット倉庫システムは、傾斜の前記角度に基づいて、放射の強度を決定するように構成されている倉庫システム制御装置を含む、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項15】
前記ワイヤレス通信システムは、前記少なくとも1つの受信機に投射する放射の投射強度を測定するように構成されている測定手段を備え、
前記制御装置は、少なくとも1つの放射の投射強度に基づいて前記複数の放射器のうち1つの放射器の放射の強度を決定するように構成されており、
前記ロボット倉庫システムは、少なくとも1つの放射の投射強度に基づいて前記複数の放射器のうち1つの放射器の放射の強度を決定するように構成されているもう1つの制御装置を含む、請求項7に記載のロボット倉庫システム。
【請求項16】
格子フレームワーク構造を備える保管およびフルフィルメントシステムにおけるコンテナを輸送するためのロボット積み荷取り扱いデバイスであって、前記ロボット積み荷取り扱いデバイスは、
前記格子フレームワーク構造のレール上で移動するように構成されている車両と、
制御装置と、
前記ロボット積み荷取り扱いデバイス内で下げられるように構成されている持ち上げデバイスと、前記持ち上げデバイスは、積み荷を把持し、持ち上げるように構成されている把持手段を含む、
前記制御装置から前記把持手段に信号を送信するように構成されているワイヤレス通信システム
であって、
前記ワイヤレス通信システムは、第1のワイヤレス通信システムであり、前記格子フレームワーク構造を備える保管およびフルフィルメントシステムは、第2のワイヤレス通信システムを備え、ここにおいて、前記第1のワイヤレス通信システムと前記第2のワイヤレス通信システムは独立して動作し、前記第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている、を備えるロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項17】
前記格子フレームワーク構造は、格子パターンで構成されている複数のレールを含む、請求項
16に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項18】
前記複数のレールは、X方向への前記車両の移動を可能にするように構成されているレールの第1のセットと、Y方向への前記車両の移動を可能にするように構成されているレールの第2のセットとを含む、請求項
17に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項19】
前記車両は、レールの前記第1のセットのうち1つのレールを選択的に係合するように構成されている第1のホイールと、レールの前記第2のセットのうち1つのレールを選択的に係合するように構成されている第2のホイールとを含む、請求項
18に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項20】
前記把持手段は、ケーブルによって吊り下げられている把持板を含む、請求項
16~
19のうちのいずれか1項に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項21】
前記持ち上げデバイスの前記把持手段は、前記把持手段と前記制御装置との間のワイヤレス通信が、前記把持手段と前記制御装置との間の相対運動の間に維持可能であるように、前記ワイヤレス通信システムを経由して、前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置と通信可能である、請求項
16~
20のうちのいずれか1項に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項22】
前記ワイヤレス通信システムは、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
少なくとも1つの受信機と、
を備える、請求項
16~
21のうちのいずれか1項に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項23】
前記複数の放射器のうち少なくとも1つの放射は、光送信、赤外送信、可視光送信、紫外送信、または、無線周波数送信のうち少なくとも1つを備える、請求項
22に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項24】
前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置は、前記少なくとも1つの受信機のうちの特定の受信機に放射するために前記複数の放射器のうちの少なくとも1つを制御するように構成される、または、
前記ワイヤレス通信システムは、前記少なくとも1つの受信機のうちの特定の受信機に放射するために前記複数の放射器のうちの少なくとも1つを制御するように構成されているワイヤレス通信システム制御装置を含む、請求項
22に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項25】
前記ロボット積み荷取り扱いデバイスの前記制御装置は、前記少なくとも1つの受信機がどの1つの時間においても1つの放射器からの放射のみを受信するように、前記複数の放射器のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、または、
前記ワイヤレス通信システムは、前記少なくとも1つの受信機がどの1つの時間においても1つの放射器からの放射のみを受信するように、前記複数の放射器のうちの少なくとも1つを制御するように構成されているワイヤレス通信システム制御装置を含む、請求項
22に記載のロボット積み荷取り扱いデバイス。
【請求項26】
格子フレームワーク構造のレール上を移動するように構成されている車両、制御装置、持ち上げデバイス、およびワイヤレス通信システムを有するロボット積み荷取り扱いデバイスを制御する方法であって、前記持ち上げデバイスは、前記ロボット積み荷取り扱いデバイス内で下げられるように構成され、積み荷を把持し、持ち上げるように構成されている把持手段を含
み、
ここにおいて、前記ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、少なくとも1つの受信機と、前記少なくとも1つの受信機と共同設置され、前記少なくとも1つの受信機の、少なくとも1つの次元における、傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサと、を含み、前記方法は、前記少なくとも1つの受信機の測定された傾斜の角度に基づいて、前記少なくとも1つの受信機の利得を調節することを備え、
前記方法は、前記ワイヤレス通信システムを経由して前記制御装置で前記持ち上げデバイスと把持手段とを制御することを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2016年11月22日に出願された英国特許出願番号GB1619748.5号からの優先権を主張し、本出願のすべての内容は、参照によってここに組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概してワイヤレス通信の分野に関し、より具体的には、ワイヤレス通信システムのための制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
あるシステムでは、ワイヤレス通信パスは、システム内の2つの別個のオブジェクト間で、または、移動可能に接合されている2つのオブジェクト間で通信するために使用される。1つの例示的なシステムでは、光ベースの通信が使用される。光放射器が1つのオブジェクト上に位置付けられ、光検出器が他のオブジェクト上に位置付けられる。光は、光放射器から光検出器の方向に送信される。
【0004】
光放射器と光検出器との間の相対運動が、放射された光を所望の光検出器上に投射しないような方向に放射させることは、このようなシステムにおいて問題である。これは、光通信システムにおける誤った通信につながることがある。
【0005】
垂直方向のシステムのケースでは、基礎となる支持構造が回転する場合でさえ、光放射器と光受信機が互いに対して実質的に垂直のままであることを確実にするために、機械的ジンバルとジャイロスコープ構成を使用することが可能であってもよいが、より小さく、より効率的で、より単純な解決法に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
既知のワイヤレス通信システムにおける問題を考慮して、本発明は、放射器と受信機が1つ以上の軸において互いに対して傾斜するときでさえワイヤレス通信が維持されるように、このようなワイヤレス通信システムのための制御装置と方法を提供することを目的としている。
【0007】
一般的な用語で、本発明は、放射器における傾斜または回転の量に基づいて、放射の方向を変更するための制御を導入する。このような方法で、放射器の放射は、放射器と受信機が回転または傾斜するにもかかわらず、受信機にステアリングされる。
【0008】
本発明にしたがうと、ワイヤレス通信システムのための制御装置が設けられ、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、第1のレンズを通過した放射が通る第2のレンズと、少なくとも1つの受信機と、複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサとを備えている。第2のレンズは、第1のレンズを通過した放射を少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成されている。制御装置は、放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上の投射であるように、複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における測定された傾斜の角度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成されている。
【0009】
本発明は、ワイヤレス通信システムも提供し、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、第1のレンズを通過した放射が通る第2のレンズと、少なくとも1つの受信機と、複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサと、前述したような制御装置とを備えている。第2のレンズは、第1のレンズを通過した放射を少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成されている。
【0010】
本発明は、ワイヤレス通信システムも提供し、ワイヤレス通信システムは、前述したような第1のワイヤレス通信システムと、前述したような第2のワイヤレス通信システムとを備えている。第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている。
【0011】
本発明は、ワイヤレス通信システムのための制御装置も提供し、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、第1のレンズシステムを通過した放射が通る第2のレンズシステムと、複数の受信機と、複数の受信機のぞれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、複数の受信機と共同設置されている送信手段と、複数の放射器と共同設置されている受信手段とを備えている。第2のレンズシステムは、複数の受信機と共同設置され、第1のレンズシステムを通過した放射を複数の受信機に焦点を合わせるように構成されている。送信手段は、測定された強度を受信手段に送信するように構成されている。制御装置は、放射が複数の受信機のうちの少なくとも1つの選択された受信機に投射するように、測定された強度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成されている。
【0012】
本発明は、ワイヤレス通信システムも提供し、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、第1のレンズシステムを通過した放射が通る第2のレンズシステムと、複数の受信機と、複数の受信機のぞれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、複数の受信機と共同設置されている送信手段と、複数の放射器と共同設置されている受信手段と、前述したような制御装置とを備えている。第2のレンズシステムは、複数の受信機と共同設置され、第1のレンズシステムを通過した放射を複数の受信機に焦点を合わせるように構成されている。送信手段は、測定された強度を受信手段に送信するように構成されている。
【0013】
本発明は、ワイヤレス通信システムも提供し、ワイヤレス通信システムは、前述したような第1のワイヤレス通信システムと、前述したような第2のワイヤレス通信システムとを備えている。第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている。
【0014】
本発明は、ロボット倉庫システムも提供し、ロボット倉庫システムは、制御手段およびロボット積み荷取り扱い手段内で下げられるように構成されている持ち上げ手段を備える少なくとも1つのロボット積み荷取り扱い手段を備えている。持ち上げ手段は、積み荷を把持し、持ち上げるように構成されている把持手段を備え、積み荷はコンテナを備えている。ロボット積み荷取り扱い手段は、持ち上げ手段がワイヤレス通信システムを経由して制御手段と通信するように、前述したようなワイヤレス通信システムを備えている。
【0015】
本発明は、ワイヤレス通信システムを制御する方法も提供し、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、第1のレンズを通過した放射が通る第2のレンズと、少なくとも1つの受信機と、複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサとを備えている。第2のレンズは、第1のレンズを通過した放射を少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成されている。方法は、放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機に投射するように、複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップを備えている。
【0016】
本発明は、ワイヤレス通信システムを制御する方法も提供し、ワイヤレス通信システムは、互いに物理的に離れている複数の放射器と、複数の放射器からの放射が通る複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、第1のレンズシステムを通過した放射が通る第2のレンズシステムと、複数の受信機と、複数の受信機のぞれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、複数の受信機と共同設置されている送信手段と、複数の放射器と共同設置されている受信手段とを備えている。第2のレンズシステムは、複数の受信機と共同設置され、第1のレンズシステムを通過した放射を複数の受信機に焦点を合わせるように構成されている。送信手段は、測定された強度を受信手段に送信するように構成されている。方法は、放射が複数の受信機のうちの少なくとも1つの選択された受信機上の投射であるように、測定された強度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップを備えている。
【0017】
このような方法で、ワイヤレス通信パスは、互いに対して移動可能な2つのオブジェクト間で維持されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
単なる例として、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、同様の参照番号は、同じまたは対応する部分を示している。
【
図1】
図1は、既知のワイヤレス通信システムにしたがった、2つの放射器と2つの受信機との間のワイヤレス通信パスを示す概略ダイヤグラムであり、ワイヤレス通信パスは、レンズシステムを含んでいる。
【
図2】
図2は、既知のワイヤレス通信システムにおける、放射器から受信機への相対運動の効果を示す、
図1のシステムの概略ダイヤグラムであり、第1の放射器の放射は、第2の受信機に正しく当たっていない投射である。
【
図3】
図3は、複数の放射器を含むワイヤレス通信システムの他の特徴とともに、本発明の第1の実施形態にしたがったワイヤレス通信システムの制御装置を示す概略ダイヤグラムである。
【
図4】
図4は、放射器アレイ内で形成された個々の放射器を示す、
図3の複数の放射器の概略ダイヤグラムである。
【
図5】
図5は、ワイヤレス通信システムの他の特徴とともに、本発明の第2の実施形態にしたがったワイヤレス通信システムの制御装置の概略ダイヤグラムである。
【
図6】
図6は、放射器と受信機との間の相対運動の効果を示す
図5のシステムの概略ダイヤグラムである。
【
図7】
図7は、放射器と受信機との間の相対運動を補正するシステムを示す、
図5および
図6のシステムの概略ダイヤグラムである。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施形態にしたがった、制御装置によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施形態にしたがった、制御装置によって実行されるプロセスを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、既知の保管システムにおける、複数の容器のスタックを収納するためのフレーム構造の概略斜視図である。
【
図12(a)】
図12(a)は、
図10および
図11のフレーム構造で使用するための積み荷ハンドラデバイスの1つの形態の、背面および正面それぞれからの概略斜視図である。
【
図12(b)】
図12(b)は、
図10および
図11のフレーム構造で使用するための積み荷ハンドラデバイスの1つの形態の、背面および正面それぞれからの概略斜視図である。
【
図12(c)】
図12(c)は、容器を持ち上げる際の、既知の積み荷ハンドラデバイスの概略斜視図である。
【
図13】
図13は、
図10および
図11のフレーム構造上に取り付けられている、
図12(a)、
図12(b)および
図12(c)において示されているタイプの複数の積み荷ハンドラデバイスを備えている既知の保管システムの概略斜視図であり、保管システムは、複数の降ろすポイントまたは出力ポートを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1の実施形態
図1は、既知のワイヤレス通信システムを描いている。既知のシステムでは、放射装置は、受信装置と通信する。受信装置は、放射装置から空間を空けており、したがって、装置間の通信は、例えば、ワイヤに沿って信号を送信することによるような通常の方法で、容易に達成できない。代わりに、放射装置と受信装置との間でワイヤレス通信が使用される。
【0020】
放射装置は、放射器106と放射器106の放射の焦点を合わせる第1のレンズ104とを備えている。放射器106は、(示していない)通信デバイスから送信される信号を受信する。通信デバイスは、データを受信デバイスに送るために必要とされる任意のデバイスであってもよい。放射器106は、放射器106の放射強度を示す入力も含んでいてもよい。放射強度入力は、放射器106によって出力される放射の強度を示す。
【0021】
放射器106の放射は、一般的に発散形態で放射され、言い換えると、放射は、点光源から到来し、180度までの円形パターンで放射する。したがって、放射を受信装置に向けた1つの方向に向けるために、第1のレンズ104は、放射を平行なまたはほぼ平行なビームに焦点を合わせ、それにより、単一の方向に移動するように提供され、放射装置と受信装置との間の自由空間を横切る。
【0022】
受信装置は、受信機100と第2のレンズ102とを備えており、第2のレンズは、放射装置からの放射を受信機100に焦点を合わせる。特に、受信機100は、放射器106によって放射された放射を受信し、放射器106の入力を示す信号を(示していない)受信デバイスに出力する。第2のレンズ102は、並行放射を受信機100に焦点合わせするように提供される。
【0023】
図1は、第2のワイヤレス通信システムも表している。これは、上述のワイヤレス通信システムと同一の動作をする。参照を容易にするために、別個の参照番号が第2のワイヤレス通信システムの部分に対して提供される。特に、第2の放射装置は、放射器107と第1のレンズ105とともに示されている。第2の受信装置は、第2の放射装置からの放射を受信するための、受信機101と第2のレンズ103を備えている。
【0024】
通常の動作では、第1および第2のワイヤレス通信システムは、完全に独立して動作し、各システムがそれぞれの放射器と受信機との間の通信の別個のチャネルを提供する。認識されるように、第1および第2の放射装置のそれぞれが、それぞれの第1および第2の受信装置に対して実質的に水平のままである場合、
図1中に示すように、互いに干渉しないように、放射を空間的に構成することができる。
【0025】
しかしながら、
図2は、第1の放射装置が第1の受信装置に対して回転または傾斜するとともに、第2の放射および受信装置に対しても回転するときの結果を示している。したがって、第1の放射装置の放射は、第2の受信機101に投射することにより、第2の受信装置に干渉するかもしれない。このケースでは、レンズシステム103と受信機101は、レンズ104を通して移動する放射器106のの放射からの干渉を受信するかもしれない。
【0026】
同様に、第1の受信装置は、回転または傾斜の結果、放射器106からの任意の放射を受信することに失敗するかもしれない。
【0027】
本発明の第1および第2の実施形態は、放射器106と受信機100が互いに対して移動(例えば、回転または傾斜)するときでさえ、放射が継続して受信機に当たるように、放射器106からの放射をステアリングすることに関連し、このような状況は、例えば、放射装置が受信装置に対して傾斜するときに生じるかもしれない。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態にしたがった、ワイヤレス通信システムの概略図であり、本発明の第1の実施形態にしたがった、制御装置を含んでいる。
【0029】
第1の実施形態において、上述したワイヤレス通信システムは、第1の放射装置中の第2の放射器によって補足される。したがって、第1の放射装置は、複数の放射器309と310を備えている。少なくとも2つの放射器が必要とされているが、後に説明するように、放射器の数が増えると、ある利点が明らかになる。
【0030】
ここで説明する複数の放射器309と310は、
図1を参照して上述したものと基本的に同じである。特に、放射器のそれぞれは、受信装置に送信されるデータ信号とともに入力される。このように、複数の放射器309と310のそれぞれからの放射は同期されてもよい。各放射器はまた、それぞれが放射する必要とされる強度で入力されてもよい。この点に関して、例えば、放射器309が最大強度で放射する一方、放射器310は、(無放射につながるゼロであってもよい)最小強度で放射してもよいように、各放射器は別々に制御される。同様に、最大および最小強度間の任意の強度は、複数の放射器309と310の同期した放射のステアリングを可能にするように想定される。例えば、放射を1つの方向、あるいは、特定の受信機に向けたまたはそれから離れた別の方向にステアリングするために、放射器309は、最大強度の75%で放射してもよい一方で、放射器310は、最大強度の25%で放射する。
【0031】
複数の放射器309と310は、互いから物理的に離れて描かれている。複数の放射器は、多くの形態のうちの1つをとってもよく、例えば、複数の放射器309と310は、放射器アレイに形成されてもよい。このように、複数の放射器は、互いに垂直である第1および第2の両方の方向に伸張する。これは、少なくとも2本の異なる軸における放射装置の回転または傾斜の補正を可能にする利点を有している。しかしながら、2つの放射器の使用は、以下で説明するように、最小のセットアップを可能にし、放射装置の回転または傾斜の補正も可能にする。
【0032】
複数の放射器309と310は、多数の異なるタイプの放射を放射するように選択されてもよい。例えば、複数の放射器309と310は、赤外スペクトル内の放射を発してもよい。同様に、放射は、1GHzより大きい周波数を有する無線周波数放射であってもよい。代替的に、放射は、可視光または紫外放射であってもよい。
【0033】
説明するように、複数の放射器309と310の制御は、レンズ307と305を通して焦点が合わせられるとき、結果として、放射が受信機303に当たり、受信機304を干渉しない放射を生成するために使用されてもよい。
【0034】
複数の放射器309と310は、第1のレンズ307を通して焦点が合わせられる。第1のレンズ307は、複数の放射器309と310からの放射からビームを形成する効果を有している。ビームにおいて、放射装置と受信装置が垂直面に配置されていることから、放射は、単一の方向に、このケースでは垂直に移動するように、実質的に平行である。認識されるように、放射の任意の方向は、任意の単一の方向に移動するビーム中の放射を形成する第1のレンズ307で調節されることができる。
【0035】
放射のビームは、放射装置と受信装置との間の自由空間を横切る。第2のレンズ305は、放射のビームを少なくとも1つの受信機303上に再度焦点を合わせる。
【0036】
第1および第2のレンズ307と305は、複数の放射器309と310によって放射される放射のタイプに依存して選択される。例えば、ガラスレンズは、可視スペクトル中の放射のために使用されてもよい。1GHzより大きい周波数を有する無線放射に関して、適切な放射器アンテナのアレイと誘導体またはメタ物質無線周波数レンズが使用されてもよい。同様に、赤外スペクトルまたは紫外スペクトルにおける放射に関して、適切なレンズが選択される。
【0037】
第2のレンズ305と受信機303は、基本的に
図1と
図2を参照して説明したものと類似している。特に、受信機303は、信号を受信デバイスに出力する。理想的には、受信が十分に実行される場合、受信した信号は、複数の放射器309と310に入力される信号と同一である。1つの受信機だけが
図3の第1のワイヤレス通信システム中に描かれているが、大きな回転または傾斜が放射装置に適用されるときでさえ、放射の受信のより大きな可能性の利点につながる複数の受信機が提供されてもよい。さらに、複数の放射器309と310の放射は、1つより多くの受信機が使用されるとき、放射を1つより大きい数の受信機上に焦点を合わせるように、例えば、放射を互いに隣接して位置付けられている2つの受信機上に焦点合わせするように、第1および第2のレンズ307と305によって焦点が合わせられてもよい。
【0038】
第1の実施形態のワイヤレス通信システムは、放射装置中に、制御装置301と共同設置された傾斜センサ302、複数の放射器309、および、第1のレンズ307をさらに備えている。傾斜センサ302は、放射装置の回転または傾斜の角度を測定し、その後、傾斜または回転の表示を制御装置301に出力するように構成されている。傾斜センサ302は、複数の放射器309と310の傾斜または回転の角度を測定するように特に構成されてもよい。この点に関して、傾斜センサ302は、3本の主軸(各軸は他の2本の軸に垂直である)のうちの少なくとも1本における傾斜または回転を測定してもよい。したがって、3つの傾斜センサを用いてもよく、それぞれは、単一の軸における傾斜または回転を測定し、それぞれは、他の2つの傾斜センサに対して垂直に位置付けられている。
【0039】
傾斜センサ302は多くの形態のうちの1つであってもよく、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、または、他の傾斜の角度測定器を用いてもよい。
【0040】
本発明の第1の実施形態にしたがった制御装置301は、ワイヤレス通信システム内に設けられ、傾斜センサ302に接続可能であり、それによって、複数の放射器309と310のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の表示を受信する。いくつかの使用ケースでは、複数の放射器309と310のうちの少なくとも2次元における傾斜の角度を測定するように構成された傾斜センサ302を用いることが好ましいかもしれない。制御装置301はまた、複数の放射器309と310に接続可能であり、それによって、複数の放射器309と310のそれぞれに特定の強度で放射する信号を放射するように複数の放射器309と310のそれぞれに命令することによって、これらの放射の強度を制御する。
【0041】
説明するように、複数の放射器309と310を備える放射装置がある角度で傾斜または回転するとき、制御装置は、複数の放射器309と310の測定された傾斜または回転角度に基づいて、複数の放射器のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成される。
【0042】
より具体的には、
図3に示すように、放射装置が時計回り方向に回転するとき、放射器309からの放射の強度は減少する一方で、放射器310からの放射の強度は増加する。このように、第1のレンズ307と共に、ビームは、受信機303上に当たるようにステアリングされる。したがって、
図2に提示されている、受信機101に当たる(および望ましくない干渉を生成する)放射器からの放射の問題が緩和される。
【0043】
認識されるように、回転が反時計回り方向に生じる場合、制御装置301は、この変化を補正するために放射の強度を変化させる。例えば、制御装置301は、放射器310からの放射の強度を減少させ、放射器309からの放射の強度を増加させる。
【0044】
図4は、
図3に示される放射装置のさらなる展開を示している。特に、放射装置は、2つの別個の放射器の代わりに、放射器の2次元アレイとして実現されてもよい。特に、例えば、9つの放射器のグループは、少なくとも1つの受信機に向かって放射する1つの単一ビームを形成する。
【0045】
放射器のアレイの使用は、少なくとも2つの方向における放射装置の傾斜または回転の補正を可能にする。例えば、放射装置が水平であるとき、放射器309は、少なくとも1つの受信器への放射のための一次放射器となることができる。しかしながら、放射装置が傾斜して回転すると、制御装置301は、少なくとも1つの受信機へのビームのステアリングを確実にするために、放射器のアレイ中の9つの放射器のそれぞれの強度を変化させるように構成されている。
【0046】
図4中に描いているように、放射器のアレイのうちの9つは、1の大きなアレイにグループ化されている。このようにして、9つの別個のワイヤレス通信システムが結合される。制御装置301は、9つのアレイのそれぞれを、これらの放射が正しい少なくとも1つの受信機に向けられるようにステアリングする。
【0047】
また、309と310のような2つの隣接する放射器は、放射器309と310との間に物理的に配置された放射器から到来したかのように挙動するビームを生成するために、所望の強度の割合で設定されたこれらの強度をそれぞれ有していてもよく、例えば、放射器309と310のそれぞれが最大強度の50%で放射する場合、これは100%の強度を有するビームを効果的に生成するが、放射器309と310との間の中間に位置付けられていることも認識されるだろう。このように、別の方法で複数の放射器のそれぞれの間のポジションに対応する位置にビームがステアリングされることにより、ビームの方向に対するより小さな補正を達成することができ、それにより、ビームステアリングの分解能が向上する。
【0048】
第2の実施形態
図5は、第1の実施形態で説明したような制御装置とワイヤレス通信システムの代替インプリメンテーションを有する本発明の第2の実施形態を示している。
【0049】
第2の実施形態では、放射装置は、第1の実施形態で説明したものと類似している。特に、放射装置が複数の放射器510、511、512を備え、放射器のそれぞれは、放射される共通の入力信号と、各放射器からの放射の強度を制御するための放射信号の強度を受信する。放射は、複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステム509によって焦点を合わせられる。第1のレンズシステム509は、放射が平行であるビームを形成するように、複数の放射器510、511、および512の放射の焦点を合わせる。
【0050】
複数の放射器510、511、512からの出射のビームは、受信装置に放射される。この実施形態では、受信装置は、第2のレンズシステム508と、複数の受信機505、506、および、507とを備えている。第2のレンズシステム508は、放射のビームを複数の受信機上に、具体的には複数の受信機のうちの特定の1つの受信機、例えば、複数の受信機の中心に位置付けられている受信機506上に焦点を当てるように構成されている。
【0051】
有利な実施形態では、放射を受信機のうちの1つよりも多くに焦点を合わせるように、例えば、放射を互いに隣接して位置づけられている2つの受信機上に焦点を合わせるように、複数の放射器510、511、および512の放射は、第1および第2のレンズシステム509および508によって焦点を合わせられてもよい。したがって、この実施形態では、放射を特定の1つの受信機に焦点を合わせない。
【0052】
複数の放射器は、多数の異なるタイプの放射を放射するように選択されてもよい。例えば、複数の放射器は、赤外スペクトル内の放射を放射してもよい。同様に、放射は、1GHzよりも大きい周波数を有する無線周波数放射であってもよい。代替的に、放射は、可視光または紫外放射であってもよい。
【0053】
第1および第2のレンズシステムは、複数の放射器によって放射される放射のタイプに依存して選択される。例えば、ガラスレンズは、可視スペクトルにおける放射のために使用されてもよい。1GHzより大きい周波数を有する無線周波数放射について、適切な放射器アンテナのアレイと誘導体またはメタ物質無線周波数レンズが使用されてもよい。同様に、赤外スペクトルまたは紫外スペクトルにおける放射について、適切なレンズが選択される。
【0054】
第1の実施形態で説明した受信機と同様に、受信機のそれぞれは、受信した信号を出力する。
【0055】
受信装置は、複数の受信機のそれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成された測定手段 503をさらに備えている。特に、測定手段503は、受信機のそれぞれによって出力された信号を受信し、受信機のそれぞれからの信号の強度を測定するように構成されている。このように、測定手段503は、複数の受信機505、506、507のそれぞれに投射した放射の強度を取得する。
【0056】
受信装置は送信手段504をさらに備える一方で、放射装置は、送信手段504から信号を受信するように構成された受信手段502も備えている。
【0057】
送信手段504は、測定手段503から複数の受信機505、506、および507のそれぞれについて測定された放射強度を受信するように構成されている。送信手段504は、複数の受信機505、506、および507のそれぞれについて測定された放射の強度を放射装置の受信手段502に送信するように構成されている。このように、放射装置は、複数の受信機505、506、および、507のそれぞれに投射する放射の強度の表示を受信する。
【0058】
放射装置の受信手段502は、放射の強度の表示を含む送信された信号を受信するように構成されている。放射装置は、本発明の第2の実施形態にしたがった、制御装置501をさらに備えている。制御装置501は、受信手段502によって受信された放射の強度の表示を受信するように構成されている。
【0059】
送信手段504および受信手段502は、それぞれ、多数の通信方法のうちのいずれか1つを使用して、信号を送信および受信するように構成されている。例えば、送信手段504は、無線周波数送信、例えば、無線スペクトルの2.4GHz帯でWi-Fi信号を送信するように構成されてもよい。代替的に、送信手段504は、ワイヤレス通信システムが動作している環境に適した他の何らかの好都合な無線周波帯域を使用するように構成されてもよい。代替的に、送信手段504は、信号を送信するために、光送信、例えば、Li-Fiを使用するように構成されてもよい。光送信は、赤外スペクトル、可視スペクトル、または、紫外スペクトルであってもよい。認識されるように、受信手段502は必然的に、対応する方法で送信手段504の送信を受信するように構成され、したがって、例えば、送信手段504が光送信を送信するように構成される場合、受信手段502は、光送信を受信するように構成される。同様に、送信手段504が無線周波数送信を送信するように構成される場合、受信手段502は、無線周波数送信を受信するように構成される。
【0060】
上述した無線周波数および光送信の解決策への代替は、本発明の第1または第2の実施形態のいずれかにしたがった上述したような第2のワイヤレス通信システムを利用することである。より具体的には、複数の放射器を含む第2のワイヤレス通信システムの放射装置が送信手段504の代わりに使用され、第2のワイヤレス通信システムの受信装置が受信手段502の代わりに使用される。これは、放射装置の回転および傾斜に影響されないワイヤレス通信システムを提供するという利点を有している。
【0061】
第2の実施形態にしたがった制御装置501は、複数の放射器510、511、512のそれぞれとともに、受信手段502と接続可能である。
【0062】
放射の強度の表示を受信した制御装置501は、測定された強度に基づいて、複数の放射器のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成されている。より具体的には、制御装置501は、測定された強度に基づいて、複数の放射器510、511、および、512のそれぞれについて個々の放射強度を決定する。このように、複数の放射器の放射は、測定された強度に基づいてうまくステアリングされる。
【0063】
例えば、放射装置が受信装置に対して実質的に水平であるとき、ビームは制御装置501によってステアリングされ、放射器511から移動し、受信器506に到達する。この例では、複数の放射器510、511、および、512に対して垂直になるようにビームがステアリングされ、それによって、複数の受信機に直接移動する。制御装置501は、放射器511の放射の強度を最大に設定し、放射器510と512のそれぞれの放射の強度をゼロに設定するように決定してもよい。このように、ビームは放射器511によってのみ放射され、結果として、放射器506に垂直に移動するビームとなる。
【0064】
認識されるように、複数の放射器510、511、および、512のそれぞれの放射強度を非ゼロ値に設定することは、結果として、任意の所望の方向へのビームのステアリングに成功する。例えば、放射器510と511の放射強度が等しく、非ゼロである場合、ビームは、放射器510に向けてステアリングされ、放射器510と511との間に「仮想放射器」を効果的に生成する。
【0065】
図6は、放射装置の回転または傾斜の結果を示している。
示すように、放射装置の傾斜の回転により、放射器511からの放射は、もはや
図5に示すように受信器506に投射しない。したがって、複数の受信器のそれぞれに投射し、測定手段503によって測定されるような放射の強度は変化する。
図5に示したように、以前は、測定手段503は、受信機506上にある最大投射強度を測定した。しかしながら、放射装置の回動または傾斜は、測定手段503に、受信機507上にある最大投射強度を検出させる。測定された強度におけるこの変化は、送信手段504に送られ、測定された強度の表示を含む信号を受信手段502に送信する。
【0066】
次に、制御装置501は、受信手段502から、複数の受信機505、506、507のそれぞれに投射する測定された強度の更新された値を受信する。これにより、制御装置501は、複数の放射器510、511、および、512のそれぞれによって放射される新たな放射の強度を決定するように構成される。
【0067】
制御装置501は、新たに決定された放射の強度のそれぞれを複数の放射器のそれぞれの放射器に適用するように構成される。このように、ビームは
図7に示すように、中央受信機506上に再度集中される。特に、
図7に示すように、放射器512は、最大放射強度に設定される一方で、放射器510および511からの放射強度は低減される。したがって、ビームは、レンズ509を通して焦点を合わせられるとき、中央受信機506に向かってうまくステアリングして戻される。
【0068】
認識されるように、制御装置501は複数の放射器のそれぞれの強度を個々に制御する必要はないが、代わりに、放射器のそれぞれの放射の強度を、放射の最小強度と最大強度との間の中間値に設定する。このように、ビームは、複数の受信機のうちのいずれか1つに効果的にステアリングされることができる。
【0069】
図8は、第1の実施形態にしたがった、ワイヤレス通信システムを制御する方法を示している。方法は、互いに物理的に離れている複数の放射器を備えている、
図3中に描かれているようなワイヤレス通信システムに関係している。第1のレンズは、複数の放射器からの放射が通るレンズである。第1のレンズによって形成される放射のビームは、その後、ワイヤレス通信システムの受信側からワイヤレスシステムの放射側を分離した自由空間を通過する。この点に関して、放射が並行であり、それにより、ビームを形成するように、第1のレンズは、複数の放射器に関してビームが垂直に提供されることを確実にするように構成されている。第2のレンズは、複数の放射器の放射をキャプチャするように受信側に形成され、第1のレンズによって焦点を合わせられる。受信側は、第2のレンズが放射の焦点を合わせるように構成されている少なくとも1つの受信機を備えている。
【0070】
放射側は、放射側の拡張による、複数の放射器の少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するための傾斜センサをさらに備えている。好ましい実施形態において、傾斜センサは、少なくとも2つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている。制御装置は、傾斜センサによって測定されたような複数の放射器の傾斜の角度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップS801を実行するように構成されている。このように、放射は、少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上の投射である。
【0071】
図9は、第2の実施形態にしたがった、ワイヤレス通信システムを制御する方法を示している。方法は、互いに物理的に離れている複数の放射器を備えている、
図5中に描かれているようなワイヤレス通信システムに関係している。第1のレンズは、複数の放射器からの放射が通るレンズである。第1のレンズによって形成される放射のビームは、その後、ワイヤレス通信システムの受信側からワイヤレスシステムの放射側を分離した自由空間を通過する。この点に関して、第1のレンズは、放射が並行であり、それにより、ビームを形成するように、複数の放射器に関してビームが垂直に提供されることを確実にするように構成されている。第2のレンズは、複数の放射器の放射をキャプチャするように受信側に形成され、第1のレンズによって焦点を合わせられる。受信側は、第2のレンズが放射の焦点を合わせるように構成されている複数の受信機を備えている。
【0072】
放射側は、複数の受信機のそれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段をさらに備えている。測定された複数の受信機のそれぞれに対する放射の強度を示す信号は、送信手段によって、受信側から放射側に送信される。
【0073】
放射側は、複数の受信機のそれぞれに投射する放射を示す信号を受信するように構成されている受信手段をさらに備えている。制御装置は、測定された強度に基づいて、複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップS901を実行するように構成されている。このように、放射が複数の受信機のうちの少なくとも1つの選択された受信機上の投射であるように、ビームは制御される。
【0074】
修正およびバリエーション
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多くの修正およびバリエーションを行うことができる。
【0075】
第1の実施形態に関して、ワイヤレス通信システムは、1つより多くの受信機を含むことができることが認識される。受信装置が傾斜または回転するときでさえ、受信を提供することから、これは有利である。
【0076】
第1および第2の実施形態の両方に適用可能である、複数の受信機のうちの受信機(またはいくつかの受信機のそれぞれで使用される利得)の選択は、受信信号の強度を最大化し、不必要な干渉の受信を最小化するために、少なくとも1つの次元の、好ましくは2つの次元の受信プラットフォームの傾斜にしたがって調整されてもよい。この修正において、複数の受信機のそれぞれに接続可能な制御装置と、受信装置と共同設置されている傾斜センサは、複数の受信機のうちの少なくとも1つの次元、好ましくは2つの次元における測定された傾斜に基づいて、各受信機の利得を調節するように構成されるだろう。したがって、受信装置が傾斜または回転するにもかかわらず、他の方向からの他の迷投射光(すなわち、放射器からの垂直ビームではない放射)よりもむしろ正確に放射器からのビームをデコードするように、複数の受信機からの信号は、選択的に増幅されることができる。
【0077】
レンズシステムは、任意の数のレンズを備えていてもよく、図で示したまたは上述のレンズタイプまたは数に限定されないことが認識されるだろう。
任意のレンズシステムは、受信機上の、放射器によって放射される輻射に焦点を当てることが可能であることが想定される。
【0078】
さらに、放射器は、2つ以上の個々の放射器、例えば、別個の放射ダイオードを備えていてもよく、または、放射器は、放射器のアレイを備えていてもよい。類似した方法で、受信機は、別個のコンポーネントまたは適切に構成された受信機のアレイを備えていてもよい。放射器または受信機アレイにおける別個のコンポーネントの数は、図中に示した数に限定される必要はなく、任意の適切な数の別個のコンポーネントがアレイを作り上げるために使用されてもよい。
【0079】
上述したように、第1および第2の実施形態の制御装置は、放射が複数の放射器に対して垂直であるように、放射のビームを制御するように構成されている。しかしながら、これは、理解を容易にするために説明されているに過ぎず、他の可能性が考慮される。
【0080】
例えば、第1および第2の実施形態の制御装置は、放射が垂直ではなく、代わりに、放射が受信手段の特定の部分に、例えば、受信手段の特定の受信機に向けられるように、ビームを制御するように構成されてもよい。これは、受信手段の傾斜または回転に関係なく、向けられる通信を可能にする利点を提供する。言い換えると、制御装置は、ビームが放射装置と受信装置との間の自由空間を90度の角度でなく、言い換えると、垂直でなく横切るように、ビームを制御するように構成されてもよい。代わりに、ビームは、90度より小さいまたは90より大きい角度に、例えば、実質的にゼロ度または実質的に180度の角度に対応する、実質的に水平な方向にステアリングされてもよい。認識されるように、垂直と水平との間の任意の角度は、複数の放射器のそれぞれの放射強度を制御する制御装置によって調節され、所望の角度に調節してもよい。
【0081】
同様に、特定のシグナリング効果を達成するためにビームが同じ受信機に到達するように、複数の放射器のより多くの制御を提供することが想定される。このように、複数の放射器のうちの異なる放射器からの放射は、有利な効果を提供するように1つの特定の受信機と相互作用してもよい。例えば、第1の放射器からの放射は、同じ複数の放射器のうちの第2の放射器からの放射を干渉し、少なくとも1つの選択した受信機に到達する光/無線周波数放射の建設的または破壊的干渉をもたらすかもしれない。
【0082】
同様に、放射は、特定の時間ウィンドウ中の特定の受信機だけに到達するように制御されてもよい。例えば、第1の放射器は、t0、t2、t4等のような、偶数時間期間の間に放射してもよい。一方、第2の放射器からの放射は、t1、t3、t5等のような、奇数時間期間に特定の受信機に到達するように構成されてもよい。このように、1つより多くの通信が、ワイヤレス通信システムにおいて同時に可能である。ポイントツーポイント光/無線周波数ネットワークがこのような手段によって形成されてもよいことが想定される。
【0083】
オンラインの食料雑貨店やスーパーマーケットのような、複数の製品ラインを販売しているオンライン小売ビジネスは、数万の、または、数十万もの異なる製品ラインを保管することができるシステムを必要とする。必要とされるスタックのすべてを収容するために非常に広いフロアエリアが必要とされることから、このようなケースにおける単一製品スタックの使用は、非実用的である。
【0084】
さらに、傷みやすいもの、または、あまり頻繁に注文されない品物のような、いくつかのアイテムの少量を保管することのみに望ましいことがあり、単一製品スタックを非効率的な解決策としている。
【0085】
国際特許出願WO98/049075A(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナの複数製品スタックがフレーム構造体内で構成されているシステムを説明している。
【0086】
PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、さらなる既知の保管およびフルフィルメントシステムを説明しており、容器またはコンテナのスタックは、フレームワーク構造内に構成されている。容器またはコンテナは、フレーム構造の最上部に位置付けられている軌道上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスによってアクセスされる。積み荷取り扱いデバイスは、スタックから容器またはコンテナを持ち上げ、複数の積み荷取り扱いデバイスは、スタックの一番下のポジションに位置付けられている容器またはコンテナにアクセスするために協同する。このタイプのシステムは、添付の図面の
図10から
図13において概略的に図示されている。
【0087】
図10および
図11において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの最上部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫または製造環境において格子フレームワーク構造14中に構成されている。
図10は、フレームワーク構造14の概略的な斜視図であり、
図11は、フレームワーク構造14内に構成されている容器10のスタック12を示している上面から見下ろした図である。各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、または、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0088】
フレームワーク構造14は、水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。直立部材16によって支持されている複数の水平格子構造を形成するために、平行な水平部材18の第1のセットは、平行な水平部材20の第2のセットに直角に構成されている。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。フレームワーク構造14は、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導するように、容器10は、フレームワーク構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0089】
フレーム構造14の最上レベルは、スタック12の最上部に渡る格子パターンで構成されているレール22を含んでいる。さらに
図12および
図13を参照すると、レール22は、複数のロボット積み荷取り扱いデバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aが、フレーム構造14の最上部に渡って第1の方向(X)への積み荷取り扱いデバイス30の移動を誘導し、第1のセット22aに垂直に構成されている平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に垂直な第2の方向(Y)への積み荷取り扱いデバイス30の移動を誘導する。このように、積み荷取り扱いデバイス30がスタック12のうちのいずれかの上のポジションに移動できるように、レール22は、水平X-Y平面における、2次元での横方向の積み荷取り扱いデバイス30の移動を可能にする。
【0090】
ロボットの積み荷取り扱いデバイス30の1つの形態は、ノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容は、参照によってここに組み込まれている。
図12(a)および
図12(b)は、それぞれ、背面および正面からの積み荷取り扱いデバイス30の概略的な斜視図であり、
図12(c)は、容器10を持ち上げる積み荷取り扱いデバイス30の概略的な正面斜視図である。しかしながら、ここで説明するシステムと組み合わせて使用されてもよい、積み荷取り扱いデバイスの他の形態がある。例えば、ロボット積み荷取り扱いデバイスのさらなる形態が、PCT特許公報第WO2015/019055(Ocado)で説明されており、参照によってここに組み込まれており、ここでは、各ロボット積み荷ハンドラがフレームワーク構造の1つの格子空間のみをカバーし、したがって、積み荷ハンドラのより高い密度が、および、したがって所定サイズのシステムに対してより高いスループットが可能となる。
【0091】
各積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12の上で、フレーム構造14のレール22上で、X方向およびY方向に移動するように構成されている車両32を備えている。車両32の正面のホイール34の対と、車両32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように構成されている。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイール36の第2のセットは、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように構成されている。ホイール34の第1のセット、または、ホイール36の第2のセットのいずれかが、どの1つの時間においても、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合されるように、ホイール34、36の各セットを持ち上げて、下げることができる。
【0092】
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイール36の第2のセットがレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、積み荷取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。積み荷取り扱いデバイス30をY方向に移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用してホイール36の第2のセットを駆動し、Y方向への移動を達成することができる。
【0093】
積み荷取り扱いデバイス30は、持ち上げデバイスを装備している。持ち上げデバイス40は、4本のケーブル38によって積み荷取り扱いデバイス32の本体から吊り下げられている把持板39を備えている。ケーブル38は、車両32内に収納されている(示していない)巻き線メカニズムに接続されている。車両32に関する把持板39のポジションをZ方向に調節できるように、ケーブル38は、積み荷取り扱いデバイス32に、または、積み荷取り扱いデバイス32から巻き取られることができる。
【0094】
把持板39は、容器10の最上部と係合するように適合されている。例えば、把持板39は、容器10の最上面を形成するリム中の(示していない)対応する穴と結合する(示していない)ピンと、容器10を把持するためにリムと係合可能な(示していない)スライドクリップを含んでいてもよい。本発明の第1または第2の実施形態のワイヤレス通信システムにより伝えられる信号によって制御される、把持板39内に収容される適切な駆動メカニズムによって、クリップは、容器10と係合するように駆動される。
【0095】
積み荷取り扱いデバイス30は、制御装置をさらに備えていてもよい。制御装置は、持ち上げデバイス40の把持板39と通信する手段を備えている。把持板39は、容器10と係合するとき、積み荷取り扱いデバイス30と通信して、容器10を持ち上げる命令をする。
【0096】
上記の例では、把持板39と積み荷取り扱いデバイス30の制御装置との間の相対運動は、当然のものであり、通信が失われるかもしれないことは、結果として、持ち上げを引き止めるまたは容器10を係合することに失敗する。
したがって、上記の第1および第2の実施形態のそれぞれにおいて想定されるようなワイヤレス通信システムと制御装置の適用は、ワイヤレス通信がこのような相対運動の場合に維持されることを可能にする利点を提供する。
【0097】
スタック12の最上部から容器10を取り除くために、把持板39がスタック12の上に位置付けられるように、積み荷取り扱いデバイス30を必要に応じてX及びY方向に移動させる。把持板39は、その後、
図3(c)中に示すように、スタック12の最上部の容器10と係合するように、Z方向に垂直に下げられる。把持板39は、容器10を把持し、その後、取り付けられた容器10とともに、ケーブル38上に引っ張り上げられる。その垂直移動の最上部において、容器10は、車両本体32の下に収容され、レール22のレベル上に保持される。このような方法で、容器10を別のロケーションに輸送するために、X-Y平面において異なるポジションに積み荷取り扱いデバイス30を移動させることができ、積み荷取り扱いデバイス30とともに容器10を運ぶ。ケーブル38は、積み荷取り扱いデバイス30が、フロアレベルを含むスタック12の任意のレベルから容器を取り出し、置くことができるように十分長い。車両32は、容器10の重量のつり合いをとるために、および、持ち上げプロセスの間安定させるために、十分重い。車両32の重量は、ホイール34、36の駆動メカニズムに電力供給するために使用されるバッテリーの一部を備えてもよい。
【0098】
図13中に示すように、各積み荷取り扱いデバイス30がシステムのスループットを増加させるために、同時に動作できるように、複数の同じ積み荷取り扱いデバイス30が設けられている。
図13中に図示したシステムは、容器10がシステム中にまたはシステムから輸送されることができる、ポート24として知られている2つの特定のロケーションを含んでいる。積み荷取り扱いデバイス30によってポート24に輸送される容器10は、コンベヤシステムによって別のロケーション、例えば、(示していない)ピッキングステーションに輸送されることができるように、(示していない)さらなるコンベヤシステムは、各ポート24に関係付けられている。同様に、コンベヤシステムによって、容器10を外部ロケーションからポート24に、例えば、(示していない)容器詰めステーションに移動でき、システム中のストックを補充するために、積み荷取り扱いデバイス30によりスタック12に輸送できる。
【0099】
各積み荷取り扱いデバイス30は、同時に1つの容器10を持ち上げ、移動することができる。スタック12の最上部に位置付けられていない容器10(「ターゲット容器」)を取り出す必要がある場合、ターゲット容器10へのアクセスを可能にするために、上に横たわる容器10(「非ターゲット容器」)を最初に移動しなければならない。これは、以下で「掘り出し」として呼ばれる動作で達成される。
【0100】
図13を参照すると、掘り出し動作の間、積み荷取り扱いデバイス30のうちの1つは、ターゲット容器10bを含むスタック12から各非ターゲット容器10aをシーケンシャルに持ち上げ、別のスタック12内の空のポジションに配置する。その後、ターゲット容器10bは、積み荷取り扱いデバイス30によってアクセスされ、さらなる輸送のためにポート25に移動されることができる。
【0101】
積み荷取り扱いデバイス30のそれぞれは、中央コンピュータの制御下にある。適切な容器10を取り出し、輸送し、必要に応じて置き換えることができるように、システム中の各個々の容器10は追跡される。例えば、掘り出し動作の間、非ターゲット容器10aを追跡できるように、非ターゲット容器10aのそれぞれのロケーションは、ログ記録される。
【0102】
図10から13を参照して説明するシステムは、多くの利点を有しており、広範囲の保管と取り出し動作に適している。特に、これは、製品の非常に密な保管を可能にし、容器10中に大規模な範囲の異なるアイテムを保管する非常に経済的な方法を提供する一方で、ピッキングのために必用とされるとき、容器10のすべてへの合理的で経済的なアクセスを可能にする。
【0103】
しかしながら、このようなシステムにいくつかの欠点があり、それらはすべて、ターゲット容器10bがスタック12の最上部にないときに実行されなければならない上述した掘り出し動作から結果として生じる。
【0104】
これは、上述したシステムの使用の1つの例に過ぎず、本発明はこのような使用に限定されないことが認識されるだろう。さらに、オブジェクト間の移動が予期される2つのオブジェクト間の通信を必要とする他の何らかのシステムが有益であるかもしれない。
【0105】
本発明の実施形態の前述の説明は、実例および説明の目的で提示されている。本開示を開示したまさにその形態に網羅するまたは限定することを意図してはいない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、修正およびバリエーションを行うことができる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ワイヤレス通信システムのための制御装置であって、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、
前記第1のレンズを通過した前記放射が通る第2のレンズと、
少なくとも1つの受信機と、
前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサとを備え、
前記第2のレンズは、前記第1のレンズを通過した前記放射を前記少なくとも1つの受信機に焦点合わせするように構成され、
前記制御装置は、前記放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上に投射するように、前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における測定された傾斜の角度に基づいて、前記複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成されている、制御装置。
[C2]
前記放射が前記複数の放射器に対して垂直であるように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C1に記載の制御装置。
[C3]
前記放射が垂直ではなく、少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機への直接放射であるように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C1に記載の制御装置。
[C4]
特定のシグナリング効果を達成するために前記複数の放射器からの放射が同じ受信機に到達するように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C1~3のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
[C5]
ワイヤレス通信システムにおいて、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、
前記第1のレンズを通過した前記放射が通る第2のレンズと、
少なくとも1つの受信機と、
前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサと、
C1~4のうちのいずれか1項に記載の制御装置とを備え、
前記第2のレンズは、前記第1のレンズを通過した前記放射を前記少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成されている、ワイヤレス通信システム。
[C6]
前記複数の放射器の前記放射は、赤外スペクトル内である、C5に記載のワイヤレス通信システム。
[C7]
前記複数の放射器の前記放射は、1GHzよりも大きい周波数の無線周波数送信である、C5に記載のワイヤレス通信システム。
[C8]
複数の受信機と、
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている第2の傾斜センサと、
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機の測定された傾斜の角度に基づいて、前記複数の受信機のそれぞれの利得を調節するように構成されている第2の制御装置とをさらに備える、C5~7のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システム。
[C9]
C5~8のうちのいずれか1項に記載の第1のワイヤレス通信システムと、
C5~8のうちのいずれか1項に記載の第2のワイヤレス通信システムとを備え、 前記第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている、ワイヤレス通信システム。
[C10]
ワイヤレス通信システムのための制御装置であって、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る前記複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、
前記第1のレンズシステムを通過した前記放射が通る第2のレンズシステムと、
複数の受信機と、
前記複数の受信機のぞれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、
前記複数の受信機と共同設置されている送信手段と、
前記複数の放射器と共同設置されている受信手段とを備え、
前記第2のレンズシステムは、前記複数の受信機と共同設置され、前記第1のレンズシステムを通過した前記放射を前記複数の受信機に焦点を合わせるように構成され、
前記送信手段は、前記測定された強度を前記受信手段に送信するように構成され、
前記制御装置は、前記放射が前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの選択された受信機上の投射であるように、前記測定された強度に基づいて、前記複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するように構成されている、制御装置。
[C11]
前記放射が前記複数の放射器に対して垂直であるように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C10に記載の制御装置。
[C12]
前記放射が垂直ではなく、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの選ばれた受信機への直接放射であるように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C10に記載の制御装置。
[C13]
特定のシグナリング効果を達成するために前記複数の放射器からの放射が前記複数の受信機のうちの同じ受信機に到達するように、前記制御装置は、前記複数の放射器を制御するように構成されている、C10~12のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
[C14]
前記制御装置は、前記複数の受信機のうちの特定の受信機に放射するために前記複数の放射器のそれぞれを制御するように構成され、各受信機がどの1つの時間においても1つの放射器からの放射のみを受信するように、前記複数の放射器のそれぞれを制御するように構成されている、C10~13のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
[C15]
ワイヤレス通信システムにおいて、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る前記複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、
前記第1のレンズシステムを通過した前記放射が通る第2のレンズシステムと、
複数の受信機と、
前記複数の受信機のぞれぞれに投射する放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、
前記複数の受信機と共同設置されている送信手段と、
前記複数の放射器と共同設置されている受信手段と、
C10~14のうちのいずれか1項に記載の制御装置とを備え、
前記第2のレンズシステムは、前記複数の受信機と共同設置され、前記第1のレンズシステムを通過した放射を前記複数の受信機に焦点を合わせるように構成され、
前記送信手段は、前記測定された強度を前記受信手段に送信するように構成されている、ワイヤレス通信システム。
[C16]
前記複数の放射器の前記放射は、赤外スペクトル内である、C15に記載のワイヤレス通信システム。
[C17]
前記複数の放射器の前記放射は、1GHzよりも大きい周波数の無線周波数送信である、C15に記載のワイヤレス通信システム。
[C18]
前記送信手段と前記受信手段は、無線周波数通信および光通信のうちの少なくとも1つを介して、送信および受信するように構成されている、C15~17のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システム。
[C19]
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサと、
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機の測定された傾斜の角度に基づいて、前記複数の受信機のそれぞれの利得を調節するように構成されている第2の制御装置とをさらに備える、C15~18のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システム。
[C20]
C15~19のうちのいずれか1項に記載の第1のワイヤレス通信システムと、 C15~19のうちのいずれか1項に記載の第2のワイヤレス通信システムとを備え、
前記第1および第2のワイヤレス通信システムは、双方向通信を実行するように構成されている、ワイヤレス通信システム。
[C21]
ロボット倉庫システムにおいて、
制御手段およびロボット積み荷取り扱い手段内で下げられるように構成されている持ち上げ手段を備える少なくとも1つのロボット積み荷取り扱い手段を備え、
前記持ち上げ手段は、積み荷を把持し、持ち上げるように構成されている把持手段を備え、前記積み荷はコンテナを備え、
前記持ち上げ手段が前記ワイヤレス通信システムを経由して前記制御手段と通信するように、前記ロボット積み荷取り扱い手段は、C5~9、15~20のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システムを備える、ロボット倉庫システム。
[C22]
ワイヤレス通信システムを制御する方法であって、
前記ワイヤレス通信システムは、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る第1のレンズと、
前記第1のレンズを通過した前記放射が通る第2のレンズと、
少なくとも1つの受信機と、
前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサとを備え、
前記第2のレンズは、前記第1のレンズを通過した放射を前記少なくとも1つの受信機に焦点を合わせるように構成され、
前記方法は、
前記放射が少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機上の投射であるように、前記複数の放射器のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度に基づいて、前記複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップを備える、方法。
[C23]
前記放射が前記複数の放射器に対して垂直であるように、前記決定するステップは、前記複数の放射器を制御することを備える、C22に記載の方法。
[C24]
前記放射が垂直ではなく、少なくとも1つの選択された少なくとも1つの受信機への直接放射であるように、前記決定するステップは、前記複数の放射器を制御することを備える、C22に記載の方法。
[C25]
特定のシグナリング効果を達成するために前記複数の放射器からの放射が同じ受信機に到達するように、前記決定するステップは、前記複数の放射器を制御することを備える、C22~24のうちのいずれか1項に記載の方法。
[C26]
前記ワイヤレス通信システムは、
複数の受信器と、
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている第2の傾斜センサとをさらに備え、 前記方法は、
前記複数の受信機の測定された傾斜の角度に基づいて、前記複数の受信機のそれぞれの利得を調節するステップをさらに備える、C22~25のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システム。
[C27]
ワイヤレス通信システムを制御する方法であって、
前記ワイヤレス通信システムは、
互いに物理的に離れている複数の放射器と、
前記複数の放射器からの放射が通る前記複数の放射器と共同設置されている第1のレンズシステムと、
前記第1のレンズシステムを通過した前記放射が通る第2のレンズシステムと、
複数の受信機と、
前記複数の受信機のぞれぞれに投射する前記放射の強度を測定するように構成されている測定手段と、
前記複数の受信機と共同設置されている送信手段と、
前記複数の放射器と共同設置されている受信手段とを備え、
前記第2のレンズシステムは、前記複数の受信機と共同設置され、前記第1のレンズシステムを通過した前記放射を前記複数の受信機に焦点を合わせるように構成され、
前記送信手段は、前記測定された強度を前記受信手段に送信するように構成され、
前記方法は、
前記放射が前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの選択された受信機に投射するように、前記測定された強度に基づいて、前記複数の放射機のそれぞれによって放射される放射の強度を決定するステップを備える、方法。
[C28]
前記決定するステップは、前記放射が前記複数の放射器に対して垂直であるように、前記複数の放射器を制御することを備える、C27に記載の方法。
[C29]
前記決定するステップは、前記放射が垂直ではなく、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの選ばれた受信機への直接放射であるように、前記複数の放射器を制御することを備える、C27に記載の方法。
[C30]
前記決定するステップは、特定のシグナリング効果を達成するために前記複数の放射器からの送信が前記複数の受信機のうちの同じ受信機に到達するように、前記複数の放射器を制御することを備える、C27~29のうちのいずれか1項に記載の方法。
[C31]
前記決定するステップは、前記複数の受信機のうちの特定の受信機に放射するために前記複数の放射器のそれぞれを制御することを備え、各受信機がどの1つの時間においても1つの放射器からの放射のみを受信するように、前記複数の放射器のそれぞれを制御するように構成されている、C27~30のうちのいずれか1項に記載の方法。
[C32]
前記ワイヤレス通信システムは、
前記複数の受信機と共同設置され、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの次元における傾斜の角度を測定するように構成されている傾斜センサをさらに備え、
前記方法は、
前記複数の受信機の測定された傾斜の角度に基づいて、前記複数の受信機のそれぞれの利得を調節するステップをさらに備える、C27~31のうちのいずれか1項に記載のワイヤレス通信システム。