(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】内視鏡屈曲セクション
(51)【国際特許分類】
A61B 1/008 20060101AFI20240722BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240722BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
A61B1/008 511
A61B1/008 512
A61B1/00 715
A61B1/06 531
(21)【出願番号】P 2022566397
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 US2021036340
(87)【国際公開番号】W WO2021262429
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-10-31
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】サイモン, ジョン クラウダー, ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ジタール, ショーン ディー.
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/146852(WO,A1)
【文献】特表2019-508148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0097293(US,A1)
【文献】特開2004-008342(JP,A)
【文献】特表2010-527653(JP,A)
【文献】国際公開第2017/195328(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコープシステムであって、
近位部、遠位部、及び前記近位部から前記遠位部にまで長手方向に延びる少なくとも1つの内腔を含み、
前記遠位部が複数の円周方向非連続リブを有し、前記複数の円周方向非連続リブのそれぞれが、円周方向の連続性を遮断するリブ開口、及び相互に反対側の近位面と遠位面とからなる長手方向面であって、前記近位面が前記遠位面に対して非対称となるように相互に非対称とされた長手方向面を有する、細長い管と、
前記細長い管の前記遠位部に回転可能に取り付けられ、前方視構成と側視構成との間で可動とされたピボットアームと、
前記複数の円周方向非連続リブのそれぞれに囲まれるように配置された少なくとも1つの付属チャネルであって、
前記付属チャネルを長手方向に貫通
して延びる少なくとも1つの付属内腔を含
み、少なくとも部分的に前記内腔内に可動に配置され
て、
遠位端が前記ピボットアームに取り付けられた、少なくとも1つの
付属チャネルと、
前記細長い管の前記遠位部に接続され、且つ前記細長い管に沿って
前記複数の円周方向非連続リブを通って近位に延在する
少なくとも1つの制御線と、
を含み、
前記少なくとも1つの制御線を近位方向に移動させることにより、前記細長い管の前記遠位部が屈曲するようにされ、
前記少なくとも1つの付属チャネルを遠位方向に移動させることにより、前記少なくとも1つの付属チャネルが前記複数の円周方向非連続リブのそれぞれの内部空洞から前記リブ開口を通って前記複数の円周方向非連続リブの外に移動し、前記ピボットアームが前記前方視構成から前記側視構成に回転するようにされた、スコープシステム。
【請求項2】
前記遠位部は
、複数のリング状リブ
をさらに有し、前記複数のリング状リブのそれぞれは、リング状リブ近位面及びリング状リブ遠位面を含み、前記リング状リブ近位面は、複数のリング状リブ平坦面を含み、及び前記リング状リブ遠位面は、複数のリング状リブ平坦面を含み、前記複数のリング状リブ平坦面のそれぞれは、
前記細長い管の断面に対して90度未満の角度であり、前記断面は、近位-遠位長手軸と交差する
ようにされ、
前記複数の円周方向非連続リブのそれぞれは、近位面及び遠位面を含み、前記近位面は、複数の平坦面を含み、及び前記遠位面は、複数の平坦面を含み、前記複数の平坦面のそれぞれは、前記断面に対して90度未満の角度
とされた、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項3】
前記複数の円周方向非連続リブは、前記複数のリング状リブ
に対して遠位にあ
る、請求項2に記載のスコープシステム。
【請求項4】
前記複数の円周方向非連続リブの第1の円周方向非連続リブの平坦面と、
前記第1の円周方向非連続リブに隣接する第2の円周方向非連続リブの平坦面と
が対向し、その間の角度は、5度~90度である、請求項2に記載のスコープシステム。
【請求項5】
前記複数の円周方向非連続リブの第1の円周方向非連続リブの平坦面と、
前記第1の円周方向非連続リブに隣接する前記複数のリング状リブの第1のリング状リブの平坦面と
が対向し、その間の角度は、5度~90度である、請求項2に記載のスコープシステム。
【請求項6】
前記複数のリング状リブの第1のリング状リブ
の平坦面と、
前記第1のリング状リブに隣接する前記複数のリング状リブの第2のリング状リブの平坦面と
が対向し、その間の角度は、5度~90度である、請求項2に記載のスコープシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御線が、複数の制御線を含む、請求項1
に記載のスコープシステム。
【請求項8】
前記ピボットアームは、前記前方視構成では、
前記細長い管の前記遠位部に対して実質的に平行
であり、前記側視構成では、
前記細長い管の前記遠位部に対して屈曲角度で配置される、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項9】
前記側視構成では、
前記ピボットアームの前記屈曲角度は、
前記細長い管の前記遠位部
の屈曲角度より大きい、請求項8に記載のスコープシステム。
【請求項10】
前記ピボットアームは、前記前方視構成では
、実質的に
前記細長い管の前記遠位部の前記内腔内に配置される、請求項8に記載のスコープシステム。
【請求項11】
前記細長い管の前記遠位部と
前記近位部との間に配置され
た軸方向回転可能軸受であって、前記近位部に対する近位-遠位長手軸を中心とする前記遠位部の回転を許容する軸方向回転可能軸受をさらに含む、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項12】
前記細長い管の前記遠位部に接続されたライト
と、前記ライトと電源との間
を電気的に接続する電気配線
とをさらに含む、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの付属内腔内に少なくとも部分的に且つ着脱可能に配置され
たカメラシステムをさらに備える、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの付属内腔は、ツールを受けるように構成される、請求項1に記載のスコープシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの制御線が、それぞれ別個に前記細長い管の前記遠位部に接続されて前記細長い管に沿って近位に延在する第1の制御線及び第2の制御線を含み、
前記第1の制御線を近位方向に移動させることにより、前記遠位部が第1の方向に屈曲し、
前記第2の制御線を近位方向に移動させることにより、前記遠位部が前記第1の方向とは異なる第2の方向に屈曲するようにされた、請求項1に記載のスコープシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2020年6月26日申請の米国仮特許出願第63/044,506号明細書からの優先権を主張する。
【0002】
本開示は、医療デバイスに関する。より具体的には、本開示は、内視鏡システムのための屈曲セクションに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションにおける記述は、本開示に関連する背景情報を提供するのみであり、したがって従来技術を構成しないことがある。
【0004】
十二指腸内視鏡は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(「ERCP」)を含む様々な内視鏡手順で使用される医療デバイスである。ERCPでは、医師は、十二指腸内視鏡を、その遠位端がファータ乳頭(総胆管及び膵管から十二指腸内への入口としての役割を果たす小さいマウンド状構造)の近くに位置するまで、患者の口内に入れ、患者の胃腸(「GI」)管を通して十二指腸内に挿入する。次に、医師は、ファータ乳頭を通して総胆管又は膵管にアクセスするために、十二指腸内視鏡内の内腔を通される多様なツール及び付属品を使用する。
【0005】
しかし、十二指腸内視鏡は、いくつかの設計問題に直面する。例えば、ファータ乳頭の場所及び十二指腸内視鏡の形状に起因して、内視鏡ツール又は付属品は、十二指腸内視鏡の遠位端において90度(又はときに90度超)の角度で鋭く曲げられなければならず、この結果、これらのツールと十二指腸内視鏡との間の著しい摩擦を生じ、且つ力伝達損失を伴う。したがって、付属品は、この鋭い曲げに耐えるために十分に耐久性がなければならず、医師は、ツールを前進させ続けるために所望より大きい力を印加しなければならない。さらに、十二指腸内視鏡の内蔵カメラシステムは、横向きであり、初心者及びさらに経験のある医師がGI管を介して十二指腸内視鏡をナビゲートすることを困難にする。また、従来の十二指腸内視鏡は、1つの付属チャネルを有するのみであり、複数の付属品の使用を時間集約的且つ厄介にする。加えて、十二指腸内視鏡は、洗浄することが難しく、これは、使用後の医療デバイスの不適切な洗浄及び十二指腸内視鏡のその後の使用中の患者の潜在的な細菌汚染を生じ得る。
【0006】
十二指腸内視鏡の力伝達損失をなくすか又は少なくする内視鏡システムを有することが望ましい。GI管を通した及びGI管内における内視鏡システムの向上した且つより簡単な操縦性が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すべての内視鏡は、医師がGI内腔を走査してGI生体構造をナビゲートするために内視鏡を操舵し得るように、遠位端を曲げるための機構を含むべきである。屈曲セクションのリンクは、屈曲セクションの遠位-近位長手軸の全外周を中心にそのままである。しかし、このような屈曲セクションは、屈曲セクションが前方視野と側方視野とを有利に切り替え得るように付属チャネルが外方に曲がることを許容しない。さらに、このような屈曲セクションは、十二指腸にカニューレを挿入する適切な自由度で屈折する際、経験的に非効率であり得る。したがって、いくつかの実際の用途のために、U字状プロファイルを有するリンクの4方向屈折が好ましいことがあり得る。したがって、この技術領域におけるさらなる貢献のための必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの形態では、スコープシステムが提供される。スコープシステムは、それを貫通する細長い管と、遠位部とを含む。スコープシステムは、管状構造であって、それを貫通する付属内腔を含む管状構造を含む少なくとも1つの付属チャネルをさらに含み、少なくとも1つの付属チャネルは、少なくとも部分的に内腔内に可動に配置され、少なくとも1つの付属チャネルは、遠位端セクションを含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ細長い管に沿って近位に延在する第1の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第2の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線及び第2の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第3の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線、第2の制御線及び第3の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第4の制御線をさらに含む。第1の制御線の近位移動は、遠位部を第1の方向に曲げる。第2の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向の反対である第2の方向に曲げる。第3の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向に垂直である第3の方向に曲げる。第4の制御線の近位移動は、遠位部を、第3の方向の反対である第4の方向に曲げる。
【0009】
本開示の別の態様によると、スコープシステムが提供される。スコープシステムは、細長い管であって、それを貫通する内腔を含む細長い管と、遠位部とを含み、遠位部は、円周方向非連続リブを含み、円周方向非連続リブのそれぞれは、リブ開口を含み、円周方向非連続リブのリブ開口は、同軸である。スコープシステムは、管状構造であって、それを貫通する付属内腔を含む管状構造を含む管状構造をさらに含み、円周方向非連続リブのそれぞれは、少なくとも1つの付属チャネルを囲み、少なくとも1つの付属チャネルは、少なくとも部分的に内腔内に可動に配置され、少なくとも1つの付属チャネルは、遠位端セクションを含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ細長い管に沿って近位に延在する第1の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第2の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線及び第2の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第3の制御線をさらに含む。スコープシステムは、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線、第2の制御線及び第3の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第4の制御線をさらに含む。第1の制御線の近位移動は、遠位部を第1の方向に曲げる。第2の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向の反対である第2の方向に曲げる。第3の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向の垂直である第3の方向に曲げる。第4の制御線の近位移動は、遠位部を、第3の方向の反対である第4の方向に曲げる。少なくとも1つの付属チャネルは、リブ開口を通して、複数の円周方向非連続リブのそれぞれの内部空洞から可逆的に着脱可能である。
【0010】
本開示のさらに別の態様によると、スコープシステムを使用する方法が提供される。本方法は、内視鏡システムを患者の体内に挿入する工程を含み、内視鏡システムは、細長い管であって、それを貫通する内腔を含む細長い管を含み、遠位部をさらに含む細長い管と、管状構造であって、それを貫通する付属内腔を含む管状構造を含む少なくとも1つの付属チャネルであって、少なくとも部分的に内腔内に可動に配置され、遠位端セクションを含む少なくとも1つの付属チャネルと、平行な制御線であって、平行な制御線のそれぞれは、細長い管の遠位部に接続され、且つ細長い管に沿って近位に延在し、平行な制御線の1つ又は複数の個々の近位移動は、遠位部を第1の方向、第2の方向、第3の方向及び第4の方向の1つに曲げ、第2の方向は、第1の方向の反対であり、第3の方向は、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向に垂直であり、及び第4の方向は、第3の方向の反対である、平行な制御線とを含む。本方法は、遠位部を第1の方向、第2の方向、第3の方向及び第4の方向の1つに曲げるように平行な制御線の1つ又は複数を移動させる工程をさらに含む。本方法は、内視鏡システムを前方視構成で配置する工程をさらに含み、前方視構成では、遠位端セクションは、遠位部に対して実質的に平行である。本方法は、内視鏡システムを側視構成に移動させる工程をさらに含み、側視構成では、遠位端セクションは、遠位部の屈曲角度より大きい屈曲角度で配置される。
【0011】
さらなる適用領域は、本明細書に記載される説明から明らかになる。説明及び具体例は、例示の目的のみのものであり、したがって本開示の範囲を限定するように意図されないことを理解すべきである。
【0012】
本開示が十分に理解され得るために、ここで、一例として本開示の様々な形態が添付図面を参照して説明される。添付図面内の部品は、必ずしも原寸に比例しない。さらに、添付図面において、同様の参照符号は、様々な図面を通して対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の原理による屈曲セクションを有する内視鏡システムの一例の側面図を示す。
【
図2】前向き構成における内視鏡システムの一例の遠位部の詳細図を示す。
【
図3-5】本開示の原理に従って構築された内視鏡システムの一例の円周方向連続リング状リブの一例の図を示す。
【
図6-8】本開示の原理に従って構築された内視鏡システムの一例の円周方向連続C字状(又は開いた)リブの一例の図を示す。
【
図9A-B】本開示の原理に従って構築された内視鏡システムの一例の円周方向連続C字状(又は開いた)リブの例に関連する対称性の図を示す。
【
図10-11】本開示の原理に従って構築された内視鏡システムの遠位部の一例の詳細図を示す。
【
図12】一連の制御線に沿って配置された本開示の内視鏡システムの一例のリブの別の例を示す。
【
図13】前向き構成における内視鏡システムの一例のピボットアームの一例の詳細図を示す。
【
図14】横向き構成における内視鏡システムの一例のピボットアームの一例の詳細図を示す。
【
図15】横向き構成における内視鏡システムの一例の遠位部の詳細図を示す。
【
図16】屈曲構成における内視鏡システムの一例の遠位部の詳細図を示す。
【
図17】内視鏡システムの一例の軸方向回転可能軸受の一例の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で説明される図面は、図解目的のみのものであり、したがって決して本開示の範囲を限定するように意図されない。
【0015】
以下の説明は、本来、例示的なものに過ぎず、本開示、用途又は使用を限定するように意図されない。添付図面を通して、対応する参照符号は、同様の又は対応する部品及び特徴を示すことを理解すべきである。添付図面において使用される様々なクロスハッチングパターンは、本開示で採用され得る特定の材料を限定するように意図されないことも理解すべきである。クロスハッチングパターンは、好ましい材料の例示に過ぎないか、又は明暸性のために添付図面に示される隣接若しくは嵌合部品を区別するために使用される。
【0016】
参照表記を各図の要素に加える際、同じ要素が異なる図面上に表示されるが、同じ要素は、同じ表記を有することに留意されたい。加えて、本開示の一態様を説明する際、関連する周知の構成又は機能の詳細な説明が本開示の一態様の要点を曖昧にすると判断される場合、それは、省略される。
【0017】
以下の論述では、用語「近位」及び「遠位」は、様々な部品特徴の軸方向端だけでなく、デバイスの対向する軸方向端を説明するために使用される。用語「近位」は、そのアセンブリの使用中に医療専門家に最も近いデバイス(又は部品)の端を指すように従来の意味で使用される。用語「遠位」は、患者内に当初挿入されたか又は使用中に患者に最も近いデバイス(又は部品)の端を指すように従来の意味で使用される。用語「長手方向」は、例えば、デバイスが曲げられていないときにデバイス(又は部品)の近位-遠位軸71と一致する軸を指すために使用される。用語「半径方向に」及び「半径」は、長手軸から垂直方向に延在し得る互いに対する要素、表面又はアセンブリを指すために使用される。用語「円周」、「円周方向に」及び「円周方向」は、半径において長手軸を取り囲むか又は実質的に取り囲む互いに対する要素、表面又はアセンブリに対して使用される。
【0018】
本開示の説明に関連して(特に以下の特許請求の範囲に関連して)、用語「1つの(a)」、及び「1つの(an)」、及び「その」並びに同様の参照の使用は、本明細書で指示されない限り又は文脈により明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「複数」の使用は、2つ以上の量を意味するために、本出願人により逆の意味で明示的に主張されない限り、これ以前又はこれ以降のいかなる他の暗示される定義又は制限にも取って代わる最も広い意味で本出願人により定義される。本明細書における値の範囲の反復的な言及は、本明細書で別途指示されない限り、その範囲に入るそれぞれの別個の値を個々に参照する省略法として役立つことのみを意図され、それぞれの別個の値は、あたかも本明細書で個々に言及されるかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で説明されるすべての方法は、本明細書で別途指示されない限り又は文脈により別途明確に矛盾しない限り、任意の好適な順番で行われ得る。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「含む」、「包含する」、「有している」、「有する」、「し得る」、「含有する」及びその変形形態は、追加の行為又は構造の可能性を排除しない開放型移行句、用語又は語であるように意図される。本明細書は、明示的に記載されるか否かに関わらず、本明細書に提示される要素「を含む」、「からなる」及び「から本質的になる」他の例も企図する。
【0020】
本開示の要素を説明する際、第1(1st)、第2(2nd)、第1(first)、第2(second)、A、B、(a)、(b)など用語が本明細書で使用され得る。これらの用語は、1つの要素と別の要素とを区別するためにのみ使用されるが、対応要素の性質又は順序に関係なく、対応する要素を限定しない。
【0021】
特記しない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的又は科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるこのような用語は、当技術分野における文脈的な意味に等しい意味を有するものと解釈されるべきである。
【0022】
本開示に関連して、第1の部片は、第1及び第2の部片が単一の部片として形成される場合、第2の部片に一体化されていると言われる。例えば、第1及び第2の部片が単一のプラスチック部片とし成形される場合、第1の部片は、第2の部片に一体化されている。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「約」は、記載された数値又は範囲に関連して使用されるとき、これらの数値の±15%以下の変動を意味する。例えば、とりわけ、±15%、±14%、±10%又は±5%だけ異なる値は、特別な実例においてより狭く定義されない限り、「約」の定義を満たすであろう。
【0024】
図1を参照すると、内視鏡システム10の一例が示されている。内視鏡システム10は、遠位部12、中央部14及び近位部又はハンドル部13を含む細長い管として概して整形され得る。中央部14は、中央部14の長さ全体に延びる少なくとも1つの内腔15を有する柔軟且つ細長い管であり得る。中央部14は、遠位部12及び近位部13を接続し得る。中央部14の少なくとも1つの内腔15は、内視鏡システム10の遠位部12及びハンドル部13も貫通し得る。中央部14は、十分なトルク性及び押し出し性を提供するために、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)ライナーを有するポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAXを含む)などの編んだ材料で作られ得る。中央部14の他の可能な材料は、限定しないが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンを含む。
【0025】
内視鏡システム10は、それを貫通する内腔をそれぞれ有する2つの付属チャネル16、18をさらに含み得る。付属チャネル16、18は、内視鏡システム10の少なくとも1つの内腔15内で移動可能であり得、したがって中央部14に対する付属チャネル16、18の縦移動を可能にする個々の細長い管として設計され得る。この例は、2つの付属チャネル16、18を含むが、1つの付属チャネル又はさらに3つ以上の付属チャネルが含まれ得る。例えば、単一のより大きい付属チャネルは、より大きい内視鏡ツールを受けるために使用され得る。さらに、個々の付属チャネル16、18の代わりに、それを通過する2つ以上の内腔を有する単一の細長い管が使用され得る。付属チャネル16、18は、1~10ミリメートルの直径の範囲であり得る。一例では、付属チャネル16は、直径4.2ミリメートルであり得るが、付属チャネル18は、直径3.7ミリメートルであり得る。付属チャネル16、18は、ハンドル部13から近位に又はそれを越えて、少なくとも1つの内腔15を通して遠位部12内に延在し得る。様々なツール、デバイス及びカメラが付属チャネル16、18内に少なくとも部分的に挿入され、付属チャネル16、18内に着脱可能に配置され得る。
【0026】
図2を参照すると、内視鏡システム10の一例の遠位部12の詳細図が示されている。内視鏡システム10は、中央部14と遠位部12との間に配置される軸方向回転可能軸受80であって、遠位部12が中央部14と独立に回転することを可能にするか又は許容し得る軸受80を含み得る。遠位部12は、少なくとも1つの内腔15を有する細長い管を生成するために互いに接続された複数の個々のリブ22を有する柔軟なリブ状構造を有し得る。リブ22は、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリオキシメチレンなどの多様な材料で作られ得る。付属チャネル16、18は、リブ22を介して遠位部12の遠位端セクション24まで延び得る。遠位端セクション24は、第1及び第2の付属内腔28、30を有するピボットアーム26を含み得る(
図13及び14に示される)。付属チャネル16、18の遠位端は、それぞれの第1及び第2の付属内腔28、30内に固定的又は可動的に配置され得る。遠位端セクション24は、少なくとも1つの内腔15から内視鏡システム10の外側の点へのアクセスを提供する側面ポート32も含み得る。
【0027】
遠位部12の遠位端セクション24の一例が
図13及び14においてより詳細に示されている。明確化のために、付属チャネル16及び18は、
図13、14から省略される。ピボットアーム26は、ピン34を介して遠位端セクション24に接続又は結合され得る。ピン34は、ピボットアーム26が、
図14に示す位置まで遠位端セクション24に対して回転し得るか又は回転可能に旋回し得る旋回点を生成し得る。ピボットアーム26は、
図13に示す前方視位置と、
図14に示す側視位置との間で移動され得る。発光ダイオード(「LED」)ライト35は、患者のGI管内のナビゲーションを支援するために遠位端セクション24上に置かれ得る。代替的に、LEDライト35は、遠位端セクション24上の他の場所(例えば、側面ポート32の近く)に置かれ得る。また、複数のLEDライト35が内視鏡システム10上の様々な場所で使用され得る。
【0028】
図2及び
図15に示すように、付属チャネル16、18の遠位端は、ピボットアーム26に固定され得る。したがって、付属チャネル16、18は、側視構成と前方視構成との間でピボットアーム26を移動させる際にピボットアーム26と共に回転し得る。
図2は、前方視構成における付属チャネル16、18を示すが、
図15は、側視構成における付属チャネル16、18を示す。
図15から分かるように、側視構成において且つピボットアーム26の回転に起因して、付属チャネル16、18の遠位部は、リブ22の境界の外側で曲げられ、次にピボットアーム26の方向に且つピボットアーム内に曲げ戻される。したがって、前方視構成では、遠位部12の屈曲角度、又は曲げ半径、又は遠位部屈曲角度は、内視鏡システム10の付属チャネル16、18と遠位部12とが実質的に平行であるように付属チャネル16、18の屈曲角度と同じであるが、側視構成では、付属チャネル16、18の屈曲角度又は曲げ半径は、付属チャネル16、18の遠位部が遠位部12の少なくとも1つの内腔15の外側に延在するように遠位部12の屈曲角度より大きい。
【0029】
ピボットアーム26を前方視構成から側視構成に移動させるために、付属チャネル16、18は、近位部13及び中央部14に対して遠位方向に押され得、付属チャネル16、18を介して力をピボットアーム26に印加する。結果的な力は、ピン34の旋回点を中心にピボットアーム26を回転させ、これにより付属チャネル16、18及びピボットアーム26を側視構成に移動させる。前方視構成に戻すために、近位部13及び中央部14に対する近位力が付属チャネル16、18に印加され得、これにより近位力をピボットアーム26に転送する。次に、近位力は、ピボットアーム26を、ピン34の旋回点を中心に再び反対方向に回転させ、これにより付属チャネル16、18及びピボットアーム26を前方視構成に戻す。付属チャネル16、18がこれらの移動中に一斉に移動することを保証するために、付属チャネル16、18は、内視鏡システム10の長さに沿った又はさらに全長に沿った任意の点で一緒に固定され得る。一例では、付属チャネル16、18は、中央部の長さ全体にわたってプラスチック管を使用することにより一緒に固定され得る。別の例では、付属チャネル16、18は、内視鏡システム10が側視構成にある場合、遠位部12の制約外に延在する付属チャネル16、18のいくつかの部分において一緒に固定され得る。
【0030】
ピボットアーム26は、付属チャネル16、18を前方視構成と側視構成との間で転送することを支援するために使用され得るが、多様な他の方法及び構造が使用され得る。さらに、ピボットアーム26を使用することよりむしろ、複数のピボットアームが使用され得るか、又は1つのピボットアームが付属チャネル16、18毎に使用され得る。したがって、付属チャネル16、18は、前方視構成と側視構成との間で互いに独立に移動され得る。さらに、前方視構成と側視構成との間のピボットアーム26の回転度は、おそらく45度~135度超の範囲で変化し得る。
【0031】
図3~5は、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の一例のリブ22(特にリング状リブ40)の一例の図を示す。各リング状リブ40は、個々のリング状リブ40間の最小接触を許容するように整形され得る。内視鏡システム10は、遠位部12の近位端において1つ又は複数のリング状リブ40を含み得る。
【0032】
図3は、円周方向連続(又は「リング状」)リブ40の一例の透視図を示す。リング状リブ40は、内視鏡システム10の長手軸71及び垂直軸72の両方を含む垂直面70を中心に対称であり得る。垂直軸72は、長手軸71に垂直である。リング状リブ40は、内部空洞46を含み得、付属チャネル16、18は、リング状リブ40が付属チャネル16、18を取り囲むように配置され得る。リング状リブ40は、リング状リブ40の内部空洞46の方向に突出するリング状リブ40に一体化された1つ又は複数のタブマウントを含み得る。1つ又は複数のタブマウントは、リング状リブ40の近位-遠位幅を拡張し得る。1つ又は複数のタブマウントは、頂部タブマウント47を含み得る。1つ又は複数のタブマウントは、それを貫通する近位-遠位頂部タブマウント内腔48を含み得る。頂部タブマウント47は、頂部タブマウント47の近位端から頂部タブマウント47の遠位端まで貫通する頂部タブマウント内腔48を含み得る。1つ又は複数のタブマウントは、リング状リブ40の各側面からリング状リブ40の内部空洞46の方向に突出する1つ又は複数の側面タブマウント44をさらに含み得る。リング状リブ40のいくつかの例では、1つ又は複数の側面タブマウント44は、垂直面70を中心に対称的に配置される。1つ又は複数の側面タブマウント44のそれぞれは、それを貫通する近位-遠位側面タブマウント内腔42を含む。リング状リブ40の別の例では、リング状リブ40の各辺は、1つの側面タブマウント44を有し得る。リング状リブ40は、リブ頂面及びリブ底面よりさらに長手方向に突出するリブ側面点49を含み得る。
【0033】
図4は、長手軸71、頂部タブマウント47及び頂部タブマウント内腔48を含む垂直面70を中心とするリング状リブ40の側面の対称性を強調する、リング状リブ40の一例の長手方向近位-遠位断面図を示す。
【0034】
図5は、長手軸71、頂部タブマウント47及び頂部タブマウント内腔48(
図5には示さず)を含む垂直面70を中心とするリング状リブ40の側面の対称性を強調する、リング状リブ40の一例の底面図を示す。
図5は、リング状リブ40の長手方向面(その1つの長手方向面は、近位面になり、その1つの長手方向面は、遠位面になる)の非対称性を示す。リング状リブ40は、内視鏡システム10の遠位部12に沿って長手方向に配向が交番するため、リング状リブ40の遠位面は、次のリング状リブ40の近位面に対応することになる。次のリング状リブ40のこのような近位面は、後続のリング状リブ40の遠位面に対応することになる等である。特定のリング状リブ40では、リブ側面点49は、このような長手方向面が内視鏡システム10の近位端又は遠位端に面するかどうかに関わらず、1つの長手方向面上にあり得、平坦側長手方向面61、62は、対向する長手方向面上にあり得る。平坦側長手方向面61、62は、交差面63において交差し得る。平坦側長手方向面61は、垂直面70に垂直な近位-遠位長手軸71に垂直に交差する面に対して鋭角(すなわち90度未満)である面と同一平面にあり得る。平坦側長手方向面62は、近位-遠位長手軸71に垂直に交差する面に対して鋭角である第2の面と同一平面にあり得る。リング状リブ40は、通常、長手軸71に対して平行な軸又は長手軸71と同じ軸(この軸は、代替的に、当業者により不適切な回転軸(より具体的にはS
4対称軸)と呼ばれる)を中心として90度回転鏡映対称性を有し得る。換言すれば、各リング状リブ40は、リブ側面点49も2つの平坦長手方向面(それぞれは、近位-遠位長手軸71に垂直に交差する面に対して鋭角である面と同一平面にあり得る)の交差面であり得るように、長手軸を中心に90度回転され、且つ長手軸71全体にわたって反映されると、概して対称であり得る。このような回転鏡映対称性は、回転鏡映対称性に含まれないことがある、任意のタブマウント又はタブマウント穴の位置に無関係であり得る。
【0035】
図6~8は、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の一例の(いくつかの例では概して「C字状」であり得る)リブ22(具体的には円周方向非連続リブ50)の別の例の図を示す。各円周方向非連続リブ50は、個々の円周方向非連続リブ50間の最小接触を許容するように整形され得る。内視鏡システム10は、最遠位リング状リブ40と遠位端セクション24との間の遠位部12内に1つ又は複数の円周方向非連続リブ50を含み得る。
【0036】
図6は、円周方向非連続リブ50の一例の透視図を示す。円周方向非連続リブ50は、内視鏡システム10の長手軸71を含む垂直面70を中心に対称であり得る。円周方向非連続リブ50は、内部空洞56を含み得、付属チャネル16、18は、円周方向非連続リブ50が付属チャネル16、18を概して囲むように配置され得、付属チャネル16、18は、付属チャネル16、18に底部リブ開口51を通過させることにより、内部空洞56から可逆的に除去され得る。底部リブ開口51は、円周方向非連続リブ50の円周方向連続性を遮断する。円周方向非連続リブ50は、円周方向非連続リブ50の内部空洞56の方向に突出する円周方向非連続リブ50に一体化される1つ又は複数のタブマウントを含み得る。1つ又は複数のタブマウントは、円周方向非連続リブ50の近位-遠位幅を拡張し得る。1つ又は複数のタブマウントは、頂部タブマウント57を含み得る。頂部タブマウント57は、それを貫通する近位-遠位頂部タブマウント内腔58を含み得る。頂部タブマウント内腔58は、頂部タブマウント57の近位端から頂部タブマウント57の遠位端まで貫通する。1つ又は複数のタブマウントは、底部リブ開口51を画定する円周方向非連続リブ50の面と同一平面であり得るリブ開口隣接タブマウント53をさらに含み得る。円周方向非連続リブ50のいくつかの例では、リブ開口隣接タブマウント53は、垂直面70を中心に対称的に配置される。リブ開口隣接タブマウント53のそれぞれは、それを貫通する近位-遠位側面タブマウント内腔52を含む。円周方向非連続リブ50のいくつかの例では、円周方向非連続リブ50は、各リブ開口隣接タブマウント53と頂部タブマウント57との間に配置された1つ又は複数の側面タブマウント54をさらに含み得る。1つ又は複数の側面タブマウント54のそれぞれは、それを貫通する近位-遠位側面タブマウント内腔52を含む。円周方向非連続リブ50は、リブ頂部面よりさらに長手方向に突出するリブ側面点59を含み得る。
【0037】
図7は、長手軸71、頂部タブマウント57及び頂部タブマウント内腔58を含む垂直面70を中心とする円周方向非連続リブ50の側面の対称性を強調する、円周方向非連続リブ50の一例の長手方向近位-遠位断面図を示す。
【0038】
図8は、長手軸71、頂部タブマウント57及び頂部タブマウント内腔58(
図8には示さず)を含む垂直面70を中心とする円周方向非連続リブ50の側面の対称性を強調する、円周方向非連続リブ50の一例の底面図を示す。
図8は、円周方向非連続リブ50の長手方向面(その1つの長手方向面は、近位面になり、その1つの長手方向面は、遠位面になる)の非対称性を示す。円周方向非連続リブ50は、内視鏡システム10の遠位部12に沿って長手方向に配向が交番するため、1つの円周方向非連続リブ50の遠位面は、次の円周方向非連続リブ50の近位面に対応することになる。次の円周方向非連続リブ50のこのような近位面は、後続の円周方向非連続リブ50の遠位面に対応することになる等である。特定の円周方向非連続リブ50では、リブ側面点59は、このような長手方向面が内視鏡システム10の近位端又は遠位端に面するかに関わらず、1つの長手方向面上にあり得、平坦側長手方向面64、65は、対向する長手方向面上にあり得る。平坦側長手方向面64、65は、交差面66において交差し得る。平坦側長手方向面64は、近位-遠位長手軸71に垂直に交差する断面に対して鋭角である面と同一平面にあり得る。平坦側長手方向面65は、近位-遠位長手軸71に垂直に交差する面に対して鋭角である第2の面と同一平面にあり得る。円周方向非連続リブ50は、通常、長手軸71に対して平行な軸又は長手軸71と同じ軸(この軸は、代替的に、不適切な回転軸(より具体的にはS
4対称軸)と呼ばれる)を中心として90度回転鏡映対称性を有し得る。換言すれば、各円周方向非連続リブ50は、リブ側面点59も2つの平坦長手方向面(それぞれは、近位-遠位長手軸71に垂直に交差する面に対して鋭角である面と同一平面にあり得る)の交差面であり得るように、長手軸71を中心に90度回転され、且つ長手軸71全体にわたって反映されると、概して対称であり得る。このような回転鏡映対称性は、回転鏡映対称性に含まれないことがある、任意のタブマウント又は底部リブ開口51の位置に無関係であり得る。
【0039】
図9A、9Bは、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の一例の円周方向非連続リブ50の例に関連付けられた回転鏡映対称性の図を示す。
図9Aは、円周方向非連続リブ50の側面図を示す。
図9Aが実証するように、リブ側面点59は、2つの平坦長手方向面の交差面であり得る。
図9Bは、
図9Aに示す円周方向非連続リブ50の長手軸71を中心とする90度の回転鏡映に対応する円周方向非連続リブ50の上面図を示す。
図9Bが実証するように、平坦側長手方向面64、65は、
図9Aのリブ側面点59において交差する2つの平坦長手方向面と同様に交差面66において交差し得る。リング状リブ40及び円周方向非連続リブ50の90度回転鏡映対称性は、内視鏡システム10の遠位部12の屈曲部セクションの4方向屈折を提供するために有利である。屈曲セクションは、有利には、斜めではなく、むしろ正確に横方向に移動し得る。さらに、このような90度回転鏡映の対称性は、長手軸71を含む水平面内の左(すなわち「第1の方向」)及び右(すなわち第1の方向の反対の「第2の方向」)並びに垂直面70内の上(すなわち第1の方向に垂直であり、第2の方向に垂直である「第3の方向」)及び下(すなわち第3の方向の反対の「第4の方向」)に均等に屈曲セクションの屈曲を提供するために有利である。
【0040】
図10及び11は、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の遠位部12の一例の詳細図を示す。
図10は、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の遠位部12の一例の上面図を示す。内視鏡システム10の遠位部12は、遠位部12の近位端に1つ又は複数のリング状リブ40を含み得る。1つ又は複数のリング状リブ40は、反対配向で連続的に配置され、最近位リング状リブ40は、交差面63が遠位方向に向けられ得るように配置される。最近位リング状リブ40に対する隣接するリング状リブ40は、交差面63が最近位リング状リブ40の交差面63に直面するように近位方向に向けられ得るように配置される。一系列内の次の遠位リング状リブ40は、交差面63が遠位方向に向けられ得るように配置される。屈曲セクションは、対の遠位リング状リブ40をさらに含み得、このような対は、最遠位リング状リブ40の交差面63が遠位方向に向けられ得るように配置され得る。最近位リング状リブ40の平坦側長手方向面61と、最近位リング状リブ40に対する隣接するリング状リブ40の平坦側長手方向面62とは、角度をなし得る。動作中の屈曲セクションの左及び右移動に依存して、近位方向に向けられた平坦側長手方向面61と、遠位方向に向けられた隣接するリング状リブ40の平坦側長手方向面62との角度は、約5度~約90度の角度(好適には約40度~約60度)であり得る。
【0041】
屈曲セクションは、最遠位リング状リブ40に対して遠位にある1つ又は複数の円周方向非連続リブ50を含むことになる。最近位円周方向非連続リブ50は、交差面66が最遠位リング状リブ40の交差面63に直面するように近位方向に向けられ得るように配置され得る。最遠位リング状リブ40の平坦側長手方向面61と、最近位円周方向非連続リブ50の平坦側長手方向面64とは、
図10においてαにより表わされる角度をなし得る。動作中の屈曲セクションの左及び右移動に依存して、角度αは、約5度~約90度(好適には約40度~約60度)の角度であり得る。屈曲セクションは、対の円周方向非連続リブ50をさらに含み得、このような対は、最遠位円周方向非連続リブ50の交差面66が近位方向に向けられ得るように配置され得る。遠位方向に向けられた円周方向非連続リブ50の平坦側長手方向面64と、近位方向に向けられた隣接する円周方向非連続リブ50の平坦側長手方向面65とは、角度をなし得る。動作中の屈曲セクションの左及び右移動に依存して、平坦側長手方向面64と、隣接する平坦側長手方向面65との角度は、約5度~約90度(好適には約40度~約60度)の角度であり得る。
【0042】
図11は、本開示の原理に従って構築された内視鏡システム10の遠位部12の一例の側面図を示す。最近位リング状リブ40は、交差面63が遠位方向に向けられ得るように構成されるが、リング状リブ40の有利な90度回転鏡映対称性に起因して、リブ側面点49は、
図11に示すように近位方向に向けられ得る。最近位リング状リブ40に隣接する2つのリング状リブ40は、
図11に示すように、1つのリング状リブ40のリブ側面点49が、隣接するリング状リブ40のリブ側面点49に直面するように配置される。リング状リブ40の平坦側長手方向面は、それらのリブ側面点49において互いに面する隣接するリング状リブ40が、隣接するリング状リブ40の平坦側長手方向面間で角度をなし得るようにリブ側面点49において交差する。動作中の屈曲セクションの上下移動に依存して、平坦側長手方向面間の角度は、約5度~約90度(好適には約40度~約60度)の角度であり得る。円周方向非連続リブ50の平坦側長手方向面は、それらのリブ側面点59において面する隣接する円周方向非連続リブ50が、隣接する円周方向非連続リブ50の平坦側長手方向面間で角度をなし得るようにリブ側面点59において交差する。動作中の屈曲セクションの上下移動に依存して、平坦側長手方向面間の角度は、約5度~約90度(好適には約40度~約60度)の角度であり得る。
【0043】
図12は、一連の1つ又は複数の制御線60上のリブ22の一例のアセンブリの別の例を示す。制御線60は、遠位端セクション24に固定的に取り付けられ、且つ少なくとも1つの内腔15を並列に貫通するか又は内腔15の外を並列に延在し、ハンドル部13に到り得る。代替的に、制御線60は、内視鏡システム10の長さに沿って専用低摩擦内腔又はカテーテルを貫通し、ハンドル部13に到り得る。第1の制御線60は、制御線60が1つ又は複数の円周方向非連続リブ50の頂部タブマウント内腔58及び1つ又は複数のリング状リブ40の頂部タブマウント内腔48を貫通するように、遠位端セクション24の壁上で固定され得る。追加の制御線60は、
図12に示すように、制御線60が1つ又は複数の円周方向非連続リブ50の側面タブマウント内腔52及び1つ又は複数のリング状リブ40の対応側面タブマウント内腔42を貫通するように、遠位端セクション24の壁上の有利な位置に固定され得る。内視鏡システム10は、3つ、4つ、5つ又はより多くの制御線60を含み得る。前方視構成と側視構成とを切り替える能力に加えて、内視鏡システム10の遠位部12は、必要に応じて、有利に曲折又は回転させることもできる。
図15は、制御線60が直線且つ平行であるような直線構成における遠位部12を示し、
図16は、制御線60が平行であるが、直線でないような屈曲構成における遠位部12を示す。遠位部12を、
図15に示す直線構成から、
図16に示す屈曲構成に移動させるために、制御線60は、近位方向に引っ張られ得る。制御線60の近位移動は、力が制御線60を介して遠位端セクション24に印加される結果となり得る。この力は、遠位部12の柔軟な且つリブ付きの本体を、
図15に示すように曲げさせ得る。遠位部12を直線構成に戻すために、当初引っ張られた制御線60に対向する第2及び第3の制御線60が近位方向に引っ張られ得る。第2及び第3の制御線60は、遠位端セクション24の反対側に接続されるため、遠位部12を直線構成の方向に戻す力は、第2及び第3の制御線60を介して遠位端セクション24に印加される。リング状リブ40及び円周方向非連続リブ50の側面タブマウント内腔42、52は、力が制御線60を介して遠位端セクション24に印加され、且つ遠位端セクション24を上、下、左又は右に可逆的に移動させることを制御線60が可能にするようにそれぞれ配置され得ると有利である。側面タブマウント内腔42、52は、屈曲セクションが面外に引っ張られないように、1つ又は複数のリング状リブ40及び1つ又は複数の円周方向非連続リブ50上に置かれ得ると有利であり、これは、屈曲セクションが、有利には、斜めではなく、よりむしろ正確に横方向に移動することを可能にし、力伝達は、リング状リブ40又は円周方向非連続リブ50を即座に引っ張ることにより増加されない。円周方向非連続リブ50は、底部リブ開口51が長手方向に対して開いているか又は共軸であるように長手方向にアライメントされ得るように制御線60上に配置され得る。
【0044】
図17は、内視鏡システム10及びその機能性の一例の軸方向回転可能軸受80の例の詳細図を示す。軸方向回転可能軸受80は、第1のリング81及び第2のリング82を含み得る。軸方向回転可能軸受80は、第1の管83及び第2の管84をさらに含み得る。第1の管83は、中央部14及び第1のリング81に固定的に取り付けられ得る。第2の管84は、遠位部12及び第2のリング82に固定的に取り付けられ得る。第1の管83及び第1のリング81は、第2の管84及び第2のリング82に対して自由回転可能であり得、これにより遠位部12を中央部14に対して自由回転可能にする。第1のリング81は、中央部14に間接的に固定されるが、遠位部12に間接的に固定される第2のリング82に対して遠位に位置するため、遠位部12及び中央部14は、互いに対して依然として自由回転可能なままである一方、互いに固定されたままである。遠位部12は、内視鏡システム10が上述の構成(前方視構成、側視構成、直線構成及び屈曲構成を含む)の任意の1つである場合に自由に回転され得る。付属チャネル16、18及び制御線60は、軸方向回転可能軸受80に干渉を引き起こさないか又は最小限の干渉を引き起こす一方、軸方向回転可能軸受80の内腔15を自由に貫通し得る。これは、軸方向回転可能軸受80の1つの可能な設計に過ぎず、したがって中央部14に対する遠位部12の自由回転を可能にする様々な他の設計が使用され得る。
【0045】
制御線60は、有利には、1つ又は複数のリング状リブ40と、遠位部12の1つ又は複数の円周方向非連続リブ50とを一緒に固定することもできる。十分な張力が制御線60に印加され得、これにより、1つ又は複数のリング状リブ40と、1つ又は複数の円周方向非連続リブ50とを制御線60に沿って一緒に固定するために有利である。この設計に起因して、1つ又は複数のリング状リブ40及び1つ又は複数の円周方向非連続リブ50は、個々の1つ若しくは複数のリング状リブ40及び/又は1つ若しくは複数の円周方向非連続リブ50間の最小接触を許容するように整形され得るために有利である。任意選択的に、1つ又は複数の制御線60は、1つ又は複数の制御線60がLEDライト35の回路としても機能することを可能にする、電力源からの内蔵電気配線を含み得る。1つ又は複数の制御線60の代わりに又はそれに加えて、1つ若しくは複数のリング状リブ40及び/又は1つ若しくは複数の円周方向非連続リブ50は、様々な他の方法を使用することにより(機械的ヒンジ、接着剤及び他の周知のデバイスなどにより)互いに接続され得る。さらに、追加の細長い部材は、追加の支持を遠位部12に提供するために、1つ又は複数の制御線60と同様に頂部タブマウント内腔48、58及び/又は側面タブマウント内腔42、52を貫通し得る。
【0046】
加えて、1つ又は複数のリング状リブ40及び1つ又は複数の円周方向非連続リブ50は、エラストマー材料などの様々な生体適合材料で構成され得る保護スリープにより覆われ得る。保護スリープは、遠位部12が屈曲構成と直線構成との間で移動される場合、人体組織が個々の1つ又は複数のリング状リブ40と1つ又は複数の円周方向非連続リブ50との間に偶然挟まれることを防止する一方、1つ又は複数のリング状リブ40及び1つ又は複数の円周方向非連続リブ50を保護し得る。保護スリープは、付属チャネル16、18が保護スリープの外側において且つ前方視構成と側視構成との間で移動することを可能にする、円周方向非連続リブ50内の底部リブ開口51に対応するスロットも含み得る。保護スリープは、有利には、遠位部12を屈曲構成と直線構成との間で移動させる際のトルク伝達も支援し得る。ある程度の自然遅延は、遠位部12の一部を当初移動させ得る1つ又は複数の制御線60を操作する際に発生し得るが、遠位部12の残りは、遅れるが、最終的に同様に移動する。保護スリープは、遠位部12全体が一緒に且つ最小遅延で移動することを保証し得るために有利である。
【0047】
屈曲構成と直線構成との間で移動し得る一方、内視鏡システム10は、前方視構成又は側視構成のいずれかでもあり得る。例えば、
図15は、直線且つ側視構成の内視鏡システム10を示す。内視鏡システム10は、上述の構成の任意の組み合わせで操作及び使用され得、すべての構成間で繰り返し移動可能であり得る。
【0048】
付属チャネル16、18は、内視鏡システム10を介して且つ患者の体内への多様な医療ツール及び付属品のためのアクセスを提供するために使用され得る。例えば、カメラシステムが付属チャネル16の1つに挿入され得る一方、限定しないが、鉗子、括約筋切開刀、ワイヤ、膨張バルーン、抽出バルーン、ステント、針尖刀、止血クリップ及び任意の他のカテーテルベースツールを含む多様なツールが他の付属チャネル18内に挿入され得る。これらのツールは、患者に対して手術を行うために使用され得る付属チャネル16、18の遠位端を越えて前進され得る。
【0049】
内視鏡システム10又はその任意の一部は、使い捨て可能であるように設計され得、したがって使用間の不完全な洗浄に起因する細菌感染のリスクを低減する。
【0050】
本開示は、内視鏡システム10を使用する方法をさらに企図する。本方法は、内視鏡システム10を患者の体内に挿入する工程であって、内視鏡システム10は、少なくとも1つの内腔15を含む細長い管と、細長い管の少なくとも1つの内腔15内に少なくとも部分的に可動的に配置された1つ又は複数の付属チャネル16、18とを含み、1つ又は複数の付属チャネル16、18は、それを貫通する第1及び第2の付属内腔28、30を含む管状構造を含む、工程と、細長い管の遠位部12を第1の方向に曲げるように制御線60を移動させる工程とを含む。
【0051】
内視鏡システム10を使用する方法は、内視鏡システム10を前方視構成で配置する工程をさらに含み得、前方視構成では、1つ又は複数の付属チャネル16、18の遠位端セクション24は、細長い管の遠位部12に対して実質的に平行である。
【0052】
内視鏡システム10を使用する方法は、内視鏡システム10を側視構成に移動させる工程をさらに含み得、側視構成では、1つ又は複数の付属チャネル16、18の遠位端セクション24は、細長い管の遠位部12の半径より大きい半径で弧を描かれる。内視鏡システム10を側視構成に移動させる工程は、長い管の遠位部12の旋回点を中心に1つ又は複数の付属チャネル16、18の遠位端セクション24を回転する工程をさらに含み得る。
【0053】
内視鏡システム10を使用する方法は、細長い管の遠位部12を、第1の方向の反対である第2の方向に曲げるように第2の制御線60を移動させる工程をさらに含み得る。
【0054】
内視鏡システム10を使用する方法は、細長い管の遠位部12を、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向の垂直である第3の方向に曲げるように第3の制御線60を移動させる工程をさらに含み得る。
【0055】
内視鏡システム10を使用する方法は、細長い管の遠位部12を、第3の方向の反対である第4の方向に曲げるように第4の制御線60を移動させる工程をさらに含み得る。
【0056】
内視鏡システム10を使用する方法は、内視鏡システム10を側視構成から前方視構成に戻して移動させる工程をさらに含み得る。
【0057】
内視鏡システム10を使用する方法は、1つ又は複数の付属チャネル16、18を1つ又は複数の円周方向非連続リブ50の内部空洞56から除去する工程をさらに含み得る。
【0058】
本開示は、例及び添付図面を参照して説明されたが、本開示は、それに限定されず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、関連する技術分野の当業者によって様々に修正及び変更され得る。
【0059】
本開示の主題は、とりわけ、以下の態様にも関連し得る。
【0060】
第1の態様は、スコープシステムに関し、スコープシステムは、細長い管であって、それを貫通する内腔を含み、遠位部をさらに含む細長い管と、管状構造であって、それを貫通する付属内腔を含む管状構造を含む少なくとも1つの付属チャネルであって、少なくとも部分的に内腔内に可動に配置され、遠位端セクションを含む少なくとも1つの付属チャネルと、細長い管の遠位部に接続され、且つ細長い管に沿って近位に延在する第1の制御線と、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第2の制御線と、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線及び第2の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第3の制御線と、細長い管の遠位部に接続され、且つ第1の制御線、第2の制御線及び第3の制御線に平行に細長い管に沿って近位に延在する第4の制御線とを含み、第1の制御線の近位移動は、遠位部を第1の方向に曲げ、第2の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向の反対である第2の方向に曲げ、第3の制御線の近位移動は、遠位部を、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向に垂直である第3の方向に曲げ、第4の制御線の近位移動は、遠位部を、第3の方向の反対である第4の方向に曲げる。
【0061】
第2の態様は、態様1のスコープシステムに関し、遠位部は、複数の円周方向非連続リブを含み、複数の円周方向非連続リブのそれぞれは、リブ開口を含み、複数の円周方向非連続リブのリブ開口は、同軸であり、複数の円周方向非連続リブのそれぞれは、少なくとも1つの付属チャネルを囲み、少なくとも1つの付属チャネルは、リブ開口を通して、複数の円周方向非連続リブのそれぞれの内部空洞から可逆的に着脱可能である。
【0062】
第3の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、遠位部は、複数のリング状リブをさらに含み、複数のリング状リブのそれぞれは、近位-遠位長手軸を中心に概して90度回転鏡映対称であり、複数のリング状リブのそれぞれは、少なくとも1つの付属チャネルを取り囲み、複数のリング状リブのそれぞれは、リング状リブ近位面及びリング状リブ遠位面を含み、リング状リブ近位面は、複数のリング状リブ平坦面を含み、及びリング状リブ遠位面は、複数のリング状リブ平坦面を含み、複数のリング状リブ平坦面のそれぞれは、断面に対して90度未満の角度であり、断面は、近位-遠位長手軸と交差し、複数の円周方向非連続リブのそれぞれは、近位-遠位長手軸を中心に概して90度回転鏡映対称であり、複数の円周方向非連続リブのそれぞれは、近位面及び遠位面をさらに含み、近位面は、複数の平坦面を含み、及び遠位面は、複数の平坦面を含み、複数の平坦面のそれぞれは、断面に対して90度未満の角度であり、第1の制御線、第2の制御線、第3の制御線及び第4の制御線は、複数のリング状リブ及び複数の円周方向非連続リブを接続する。
【0063】
第4の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、少なくとも1つの付属チャネルは、前方視構成と側視構成との間で可動であり、前方視構成では、遠位端セクションは、遠位部に対して実質的に平行であり、側視構成では、遠位端セクションは、遠位部に対して屈曲角度で配置される。
【0064】
第5の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、遠位端セクションは、遠位部に回転可能に結合される。
【0065】
第6の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、本スコープシステムは、細長い管の遠位部と近位部との間に配置される軸方向回転可能軸受であって、近位部に対する近位-遠位長手軸を中心とする遠位部の回転を許容する軸方向回転可能軸受をさらに含む。
【0066】
第7の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、本スコープシステムは、遠位部に接続されたライトをさらに含み、第1の制御線、第2の制御線、第3の制御線及び第4の制御線の1つは、ライトと電源との間の電気配線をさらに含む。
【0067】
第8の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、カメラシステムは、少なくとも1つの付属内腔内に少なくとも部分的に且つ着脱可能に配置される。
【0068】
第9の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、少なくとも1つの付属内腔は、ツールを受けるように構成される。
【0069】
第10の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、複数の円周方向非連続リブは、複数のリング状リブ対して遠位にある。
【0070】
第11の態様は、任意の前述の態様のスコープシステムに関し、円周方向非連続リブの平坦面と、平坦面に面する隣接する円周方向非連続リブの第2の平坦面との間の角度は、約5度~約90度である。
【0071】
第12の態様は、態様2~11の任意のスコープシステムに関し、円周方向非連続リブの平坦面と、平坦面に面する隣接するリング状リブの第3の平坦面との間の角度は、約5度~約90度である。
【0072】
第13の態様は、態様2~11の任意のスコープシステムに関し、リング状リブの第4の平坦面と、第4の平坦面に面する隣接するリング状リブの第5の平坦面との間の角度は、約5度~約90度である。
【0073】
第14の態様は、態様2~13の任意のスコープシステムであって、第5の制御線をさらに含むスコープシステムに関し、第4の制御線及び第5の制御線の近位移動は、遠位部を第4の方向に曲げ、第5の制御線は、複数のリング状リブ及び複数の円周方向非連続リブを接続する。
【0074】
第15の態様は、態様4~14の任意のスコープシステムに関し、側視構成では、屈曲角度は、遠位部屈曲角度より大きい。
【0075】
第16の態様は、態様4~14の任意のスコープシステムに関し、前方視構成では、遠位端セクションは、実質的に遠位部の内腔内に配置される。
【0076】
第17の態様は、態様4~14の任意のスコープシステムに関し、細長い管に対して遠位方向への少なくとも1つの付属チャネルの近位部の移動は、少なくとも1つの付属チャネルを前方視構成から側視構成に移動させる。
【0077】
第18の態様は、態様4~14の任意のスコープシステムに関し、細長い管に対して近位方向への少なくとも1つの付属チャネルの近位部の移動は、少なくとも1つの付属チャネルを側視構成から前方視構成に移動させる。
【0078】
第19の態様は、スコープシステムを使用する方法に関し、本方法は、内視鏡システムを患者の体内に挿入することであって、内視鏡システムは、細長い管であって、それを貫通する内腔を含み、遠位部をさらに含む細長い管と、管状構造であって、それを貫通する付属内腔を含む管状構造を含む少なくとも1つの付属チャネルであって、少なくとも部分的に内腔内に可動に配置され、遠位端セクションを含む少なくとも1つの付属チャネルと、複数の平行な制御線であって、複数の平行な制御線のそれぞれは、細長い管の遠位部に接続され、且つ細長い管に沿って近位に延在し、複数の平行な制御線の1つ又は複数の個々の近位移動は、遠位部を第1の方向、第2の方向、第3の方向及び第4の方向の1つに曲げ、第2の方向は、第1の方向の反対であり、第3の方向は、第1の方向に垂直であり、且つ第2の方向に垂直であり、及び第4の方向は、第3の方向の反対である、複数の平行な制御線を含む、挿入することと、遠位部を第1の方向、第2の方向、第3の方向及び第4の方向の1つに曲げるように複数の平行な制御線の1つ又は複数を移動させることと、内視鏡システムを前方視構成で配置することであって、前方視構成では、遠位端セクションは、遠位部に対して実質的に平行である、配置することと、内視鏡システムを側視構成に移動させることであって、側視構成では、遠位端セクションは、遠位部屈曲角度より大きい屈曲角度で配置される、移動させることとをさらに含む。
【0079】
上記の列挙された独立態様のそれぞれにおいて言及された特徴に加えて、いくつかの例は、従属の態様で言及され、且つ/又は上記の本明細書において開示され、図面に示された任意選択的な特徴を単独で又は組み合わせて示し得る。