(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】3Dメモリデバイス及びシール構造を形成する方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/40 20230101AFI20240722BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240722BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240722BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240722BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240722BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240722BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H10B43/40
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L27/04 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023004956
(22)【出願日】2023-01-17
【審査請求日】2023-01-17
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】李 承宥
(72)【発明者】
【氏名】葉 騰豪
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-114693(JP,A)
【文献】特開2022-136608(JP,A)
【文献】特開2022-054427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221919(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/40
H10B 43/27
H01L 27/04
H01L 29/788
H01L 29/792
H01L 21/336
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ領域と、前記チップ領域を取り囲むシール領域とを備える三次元(3D)メモリデバイスであって、前記チップ領域はチップアレイを含み、前記シール領域はシール構造を含み、当該シール構造は、
基板上に配置されており、前記チップアレイを取り囲んでいる環状スタック構造、並びに
前記環状スタック構造を貫通しているダミー・チャネル・ピラー・アレイであって、
前記チップアレイを取り囲むように第1の方向と、当該第1の方向と交差する第2の方向とに配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーを含む第1のダミー・チャネル・ピラー群、及び
当該第1のダミー・チャネル・ピラー群を取り囲んでおり、前記チップアレイを取り囲むように前記第1の方向及び前記第2の方向に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーを含む第2のダミー・チャネル・ピラー群を備え、
前記第1のダミー・チャネル・ピラーと前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは、前記第1の方向に互い違いにずらして配置されており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーと前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは、前記第2の方向に互い違いにずらして配置されている、ダミー・チャネル・ピラー・アレイ、を含む、3Dメモリデバイス。
【請求項2】
前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向及び前記第2の方向から見て、隣接する2つの前記第2のダミー・チャネル・ピラー同士の間に配置されている、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向に第1の距離だけ互いから離隔しており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向に前記第1の距離だけ前記第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされ、
前記隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーが、前記第2の方向に第2の距離だけ互いから離隔しており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第2の方向に前記第2の距離だけ前記第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている、請求項2に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向及び前記第2の方向から見て、前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは重なっていない、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記環状スタック構造が、
互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層を含むダミー・ゲート・スタック構造と、交互に積層し合って配置された第1の絶縁層及び第2の絶縁層をそれぞれ含む、第1のスタック構造及び第2のスタック構造と、を含み、
前記ダミー・ゲート・スタック構造が、前記第1のスタック構造と前記第2のスタック構造との間にある、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
前記ダミー・ゲート・スタック構造が、前記基板上に配置され、前記ダミー・ゲート・スタック構造を貫通している絶縁構造を含む、請求項5に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項7】
前記第1のダミー・チャネル・ピラー及び前記第2のダミー・チャネル・ピラーの各々が、環状チャネルピラー、及び当該環状チャネルピラー内の導電性ピラーを含み、当該導電性ピラーが前記基板内まで延在して、前記基板の導電層に電気的に接続されている、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項8】
前記環状スタック構造上に配置された上部導電層と、
前記上部導電層と前記環状スタック構造との間に配置され、前記導電性ピラーを対応する前記上部導電層にそれぞれ電気的に接続しているビアと、をさらに備える、請求項7に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項9】
基板上にチップアレイを取り囲む環状スタック構造を形成すること、及び、
前記環状スタック構造を貫通するダミー・チャネル・ピラー・アレイを形成することを含み、当該ダミー・チャネル・ピラー・アレイは、
前記チップアレイを取り囲むように第1の方向と、当該第1の方向と交差する第2の方向とに配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーを含む第1のダミー・チャネル・ピラー群、及び
当該第1のダミー・チャネル・ピラー群を取り囲んでおり、前記チップアレイを取り囲むように前記第1の方向及び前記第2の方向に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーを含む第2のダミー・チャネル・ピラー群を含み、
前記第1のダミー・チャネル・ピラーと前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは、前記第1の方向に互い違いにずらして配置されており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーと前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは、前記第2の方向に互い違いにずらして配置されている、
シール構造を形成する方法。
【請求項10】
前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向及び前記第2の方向から見て、隣接する2つの前記第2のダミー・チャネル・ピラー同士の間に形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向に第1の距離だけ互いから離隔しており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向に前記第1の距離だけ前記第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされ、
前記隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーが、前記第2の方向に第2の距離だけ互いから離隔しており、前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第2の方向に前記第2の距離だけ前記第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のダミー・チャネル・ピラーが、前記第1の方向及び前記第2の方向から見て、前記第2のダミー・チャネル・ピラーとは重なっていない、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記環状スタック構造が、
互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層を含むダミー・ゲート・スタック構造、及び、
交互に積層し合って配置された第1の絶縁層及び第2の絶縁層をそれぞれ含む、第1のスタック構造及び第2のスタック構造と、を含み、
前記ダミー・ゲート・スタック構造が、前記第1のスタック構造と前記第2のスタック構造との間にある、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ダミー・ゲート・スタック構造、前記第1のスタック構造、及び前記第2のスタック構造を形成するステップが、
前記環状スタック構造にパターニングプロセスを実行して、前記環状スタック構造を貫通するトレンチを形成することであって、当該トレンチによって、前記環状スタック構造内で交互に積層し合って配置された前記第1の絶縁層及び犠牲層の側壁が露出する、トレンチを形成することと、
前記トレンチを通して前記犠牲層の一部を除去することにより、前記隣接する2つの第1の絶縁層同士の層間に水平開口部を形成することと、及び、
前記水平開口部内に前記ダミーゲート層を形成して、前記ダミー・ゲート・スタック構造、前記第1のスタック構造、及び前記第2のスタック構造を形成することと、を含み、
前記犠牲層のうちで除去されていない他の部分が、前記第2の絶縁層を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トレンチ内に絶縁材料を充填して、絶縁構造を形成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のダミー・チャネル・ピラー及び前記第2のダミー・チャネル・ピラーの各々が、環状チャネルピラー、及び当該環状チャネルピラー内の導電性ピラーを含み、当該導電性ピラーが前記基板内まで延在して、前記基板の導電層に電気的に接続されている、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記環状スタック構造上に上部導電層を形成することと、及び、
前記上部導電層と前記環状スタック構造との間にビアを形成することと、をさらに含み、
前記ビアがそれぞれ、前記導電性ピラーを対応する前記上部導電層に電気的に接続するように構成されている、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、とりわけ三次元(3D)メモリデバイス及びシール構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリは、記憶されたデータが電源オフ後に消失しないという利点を有するため、パーソナルコンピュータや他の電子機器に広く使用されている。一般に、当業界で現在使用されている3Dメモリは、NOR型メモリ及びNAND型メモリを含む。さらに、別の型の3DメモリにはAND型メモリがあり、このAND型メモリは、高集積化され、かつ面積利用効率が高い多次元メモリアレイに適用され得、また動作速度が高速であるという利点を有する。このため、現在では3Dメモリの開発が徐々に時代の趨勢になりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、環状スタック構造を貫通しているダミー・チャネル・ピラー・アレイをシール構造が備える形態の、3Dメモリデバイスを提供する。ダミー・チャネル・ピラー・アレイは、第1の方向と第2の方向とに互い違いにずらして配置された、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを含むように設計されており、その結果、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを形成するプロセスを、チップ領域内にチャネルピラーを形成するプロセスに統合することができ、その結果、プロセスステップが簡略化され得るため、製造コストが削減され得る、シール構造を形成する方法を提供する。
【0005】
本発明の一実施形態は、チップ領域と、チップ領域を取り囲むシール領域とを備える3Dメモリデバイスを提供する。チップ領域はチップアレイを含み、シール領域はシール構造を含む。シール構造は、環状スタック構造及びダミー・チャネル・ピラー・アレイを備える。環状スタック構造は基板上に配置されており、チップアレイを取り囲んでいる。ダミー・チャネル・ピラー・アレイは環状スタック構造を貫通しており、第1のダミー・チャネル・ピラー群及び第2のダミー・チャネル・ピラー群を含む。第1のダミー・チャネル・ピラー群は、チップアレイを取り囲むように第1の方向と、第1の方向と交差する第2の方向とに配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーを含む。第2のダミー・チャネル・ピラー群は第1のダミー・チャネル・ピラー群を取り囲んでおり、チップアレイを取り囲むように第1の方向及び第2の方向に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーを含む。第1のダミー・チャネル・ピラーと第2のダミー・チャネル・ピラーとは、第1の方向と第2の方向とに互い違いにずらして配置されている。
【0006】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向及び第2の方向から見て、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラー同士の間に配置されている。
【0007】
本発明の一実施形態では、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向に第1の距離だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向に第1の距離だけ第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている一方、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーは、第2の方向に第2の距離だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第2の方向に第2の距離だけ第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている。
【0008】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向及び第2の方向から見て、第2のダミー・チャネル・ピラーとは重なっていない。
【0009】
本発明の一実施形態では、環状スタック構造は、ダミー・ゲート・スタック構造、第1のスタック構造、及び第2のスタック構造を含む。ダミー・ゲート・スタック構造は、互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層を含む。第1のスタック構造及び第2のスタック構造の各々は、交互に積層し合って配置された第1の絶縁層及び第2の絶縁層を含む。ダミー・ゲート・スタック構造は、第1のスタック構造と第2のスタック構造との間にある。
【0010】
本発明の一実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造は、基板上に配置され、ダミー・ゲート・スタック構造を貫通している絶縁構造を含む。
【0011】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーの各々は、環状チャネルピラー、及び環状チャネルピラー内の導電性ピラーを含む。導電性ピラーは基板内まで延在して、基板の導電層に電気的に接続されている。
【0012】
本発明の一実施形態では、3Dメモリデバイスは、環状スタック構造上に配置された上部導電層と、上部導電層と環状スタック構造との間に配置されたビアとをさらに備える。各ビアは、導電性ピラーを対応する上部導電層に電気的に接続している。
【0013】
本発明の一実施形態は、基板上にチップアレイを取り囲む環状スタック構造を形成するステップと、環状スタック構造を貫通するダミー・チャネル・ピラー・アレイを形成するステップとを含む、シール構造を形成する方法を提供する。ダミー・チャネル・ピラー・アレイは、第1のダミー・チャネル・ピラー群と第2のダミー・チャネル・ピラー群とを含むように形成される。第1のダミー・チャネル・ピラー群は、チップアレイを取り囲むように第1の方向と、第1の方向と交差する第2の方向とに配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーを含む。第2のダミー・チャネル・ピラー群は第1のダミー・チャネル・ピラー群を取り囲んでおり、チップアレイを取り囲むように第1の方向及び第2の方向に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーを含む。第1のダミー・チャネル・ピラーと第2のダミー・チャネル・ピラーとは、第1の方向と第2の方向とに互い違いにずらして配置されている。
【0014】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向及び第2の方向から見て、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラー同士の間に形成される。
【0015】
本発明の一実施形態では、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向に第1の距離だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向に第1の距離だけ第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている一方、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーは、第2の方向に第2の距離だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第2の方向に第2の距離だけ第2のダミー・チャネル・ピラーからオフセットされている。
【0016】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーは、第1の方向及び第2の方向から見て、第2のダミー・チャネル・ピラーとは重なっていない。
【0017】
本発明の一実施形態では、環状スタック構造は、ダミー・ゲート・スタック構造、第1のスタック構造、及び第2のスタック構造を含む。ダミー・ゲート・スタック構造は、互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層を含む。第1のスタック構造及び第2のスタック構造の各々は、交互に積層し合って配置された第1の絶縁層及び第2の絶縁層を含む。ダミー・ゲート・スタック構造は、第1のスタック構造と第2のスタック構造との間にある。
【0018】
本発明の一実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造、第1のスタック構造、及び第2のスタック構造を形成するステップは、環状スタック構造にパターニングプロセスを実行して、環状スタック構造を貫通するトレンチを形成するステップであって、環状スタック構造内で交互に積層し合って配置された第1の絶縁層及び犠牲層の側壁が、トレンチによって露出する、ステップと、トレンチを通して犠牲層の一部を除去することにより、隣接する2つの第1の絶縁層同士の層間に水平開口部を形成するステップと、水平開口部内にダミーゲート層を形成して、ダミー・ゲート・スタック構造、第1のスタック構造、及び第2のスタック構造を形成するステップと、を含む。犠牲層のうちで除去されていない他の部分が、第2の絶縁層を形成する。
【0019】
本発明の一実施形態では、本方法は、トレンチ内に絶縁材料を充填して、絶縁構造を形成するステップをさらに含む。
【0020】
本発明の一実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーの各々は、環状チャネルピラー、及び環状チャネルピラー内の導電性ピラーを含み、導電性ピラーは基板内まで延在して、基板の導電層に電気的に接続されている。
【0021】
本発明の一実施形態では、本方法は、環状スタック構造上に上部導電層を形成するステップと、上部導電層と環状スタック構造との間にビアを形成するステップと、をさらに含み、当該ビアはそれぞれ、導電性ピラーを対応する上部導電層に電気的に接続するように構成されている。
【発明の効果】
【0022】
以上を踏まえて、3Dメモリデバイスのシール構造は、環状スタック構造を貫通しているダミー・チャネル・ピラー・アレイを備え、ダミー・チャネル・ピラー・アレイは、第1の方向と第2の方向とに互い違いにずらして配置された、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを含むように設計されており、その結果、外部水分及び外部応力が、チップ領域内のチップアレイに影響を及ぼすのが防止され得る。一方、シール構造を形成する方法では、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを形成するプロセスを、チップ領域内にチャネルピラーを形成するプロセスに統合することができ、その結果、プロセスステップが簡略化され得るため、製造コストが削減され得る。
【0023】
本開示における上述の特徴及び利点をより理解しやすくするために、図面を伴ういくつかの実施形態について、以下に詳細に説明する。
【0024】
添付の図面は、本開示の更なる理解をもたらすために含まれ、かつ本明細書に組み込まれるとともに、これの一部を構成している。これらの図面は本開示の実施形態を示し、かつその記載と共に、本開示の原理を説明する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態による3Dメモリデバイスを示す概略斜視図である。
【0026】
【
図2】本発明の第2の実施形態による、
図1の領域Aに対応する3Dメモリデバイスの一部を示す概略上面図である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【
図6】本発明の第3の実施形態による3Dメモリデバイスの一部を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明では、説明する目的で、開示している実施形態を十分に理解してもらうために、具体的な詳細を数多く記載している。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに、1つ又は複数の実施形態を実践できることは明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造及び装置が概略的に示されている。
【0032】
以下、これらの実施形態の図面を参照しながら、本発明をより包括的に説明する。しかしながら、本発明は、本発明に記載している実施形態によって限定されるのではなく、異なる形態で実施されてもよい。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために拡大されている。図面及び説明において同一の参照符号を使用して同一又は同様の部分を示しており、これらを以下の実施形態で繰り返さない。
【0033】
ある要素が別の要素の「上にある(on)」か、又はこれに「接続される(connected)」と言及される場合、それが別の要素上に直接あってもよいし、又はこれに接続されてもよいし、或いは介在要素が存在してもよいことが理解されるであろう。ある要素が別の要素の「直接上にある(directly on)」又はこれに「直接接続される(directly connected)」と言及される場合、介在要素は存在しない。本明細書で使用される場合、「接続(connection)」は物理的接続及び/又は電気的接続の両方を指してもよく、「電気的接続(electrical connection)」又は「電気的結合(electrical coupling)」は、2つの要素同士の間に他の要素が存在することを指してもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「約(about)」、「およそ(approximately)」又は「実質的に(substantially)」は、先に述べた値、及び当業者によって決定され得る許容可能な偏差範囲内の平均値を含む。測定値に関連して一定量の誤差が生じること(即ち、測定装置の限界である)を考慮すると、「約(about)」の意味は、例えば、当該値の1つ又は複数の標準偏差内にある値、又は±30%、±20%、±10%、±5%内にある値を指してもよい。さらに、本明細書で使用される「約(about)」、「およそ(approximate)」又は「実質的に(substantially)」は光学特性、エッチング特性又は他の特性に基づいているため、より許容可能な偏差範囲又は標準偏差を選択することができるが、すべての特性に1つの標準偏差を適用するわけではない。
【0035】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施形態を説明するために使用されるものであって、本開示を限定するために使用されるものではない。この場合、文脈において明記されている場合を除き、単数形は複数形を包含する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施形態による3Dメモリデバイスを示す概略斜視図である。説明の便宜上、
図1は、基板100、エッチング停止層110、シール構造120、ダミー・チャネル・ピラー・アレイ124、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2、導電層BM、導電性ビアBV、及び導電層TMなどの3Dメモリデバイス10の構成要素の一部のみを示す。
図2は、本発明の第2の実施形態による、
図1の領域Aに対応する3Dメモリデバイスの一部を示す概略上面図である。シール構造220のダミー・チャネル・ピラー・アレイ224の配置を明確に表すために、説明の便宜上、
図2の導電層TMを省略している。
図3は、
図2を画角(例えば、第1の方向D1又は第2の方向D2に沿って得られる視野角である)から見た概略斜視図である。シール構造220のダミー・チャネル・ピラー・アレイ224の配置を明確に表すために、説明の便宜上、導電層TM及び基板100などの構成要素の一部を省略している。
図4は、
図2の領域Bの概略断面図である。
図5は、
図2の領域Cの概略断面図である。
【0037】
図1を参照すると、3Dメモリデバイス10は、チップ領域R1と、チップ領域R1を取り囲むシール領域R2とを備える。チップ領域R1はチップアレイCAを含み、シール領域R2はシール構造120を含む。いくつかの実施形態では、シール構造120はダイシール構造であってもよい。3Dメモリデバイス10は、3D ANDフラッシュ・メモリ・デバイスであってもよい。3Dメモリデバイス10は、CMOSがメモリアレイ周辺に配置されたメモリ構造(CMOSとアレイ、即ちCNAである)、又はCMOSがメモリアレイの下に配置されたメモリ構造(アレイ下のCMOS、即ちCUAである)などのメモリ構造を備えていてもよい。
【0038】
シール構造120は、環状スタック構造122(
図2に示すように)及びダミー・チャネル・ピラー・アレイ124を備える。環状スタック構造122は基板100上に配置されており、チップアレイCAを取り囲んでいる。ダミー・チャネル・ピラー・アレイ124は、環状スタック構造122を貫通している。
【0039】
基板100は、半導体基板又はセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)基板上に形成される構成要素を含んでいてもよい。これらの構成要素は、例えば、層間誘電体(ILD)層及び/又は接点、金属間誘電体(IMD)層及び/又はビア(例えば、バック・エンド・オブ・ライン(BEoL)プロセスで形成される相互接続構造)、又は能動素子(例えば、PMOS、NMOS、CMOS、JFET、又はBJT)を含んでいてもよい。
図1に示すように、基板100は、BEoLプロセスで形成される導電層BM及び導電性ビアBVを含んでいてもよい。半導体基板又はSOI基板の半導体材料は、元素半導体(例えば、Si又はGe)、合金半導体(例えば、SiG)、又は化合物半導体(例えば、III-V族半導体)を含んでいてもよい。半導体材料はp型ドーパント又はn型ドーパントでドープされてもよく、その結果、基板100の導電型がp型又はn型となってもよい。導電層BMと導電性ビアBVとはそれぞれ、単独でタングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、又はコバルトシリサイド(CoSix)を含んでいてもよい。
【0040】
エッチング停止層110は、基板100上に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層110は、基板100と環状スタック構造122との間に配置されていてもよい。エッチング停止層110の材料は、ポリシリコンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー・アレイ124はエッチング停止層110を貫通していてもよく、また基板100内まで延在して導電層BMに接触していてもよい。いくつかの実施形態では、導電層BMは、導電性ビアBVに電気的に接続されてもよい。
図1は、1つの導電層BMと2つの導電性ビアBVとを示す例示的な一実施形態であるが、導電層BMの数と導電性ビアBVの数とはこれに限定されない。
【0041】
図1に示すように、ダミー・チャネル・ピラー・アレイ124は、第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1、及び第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1を取り囲む第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2を含む。第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1は、チップアレイCAを取り囲むように第1の方向D1と、第1の方向D1と交差する第2の方向D2とに配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1を含む。第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2は、チップアレイCAを取り囲むように第1の方向D1及び第2の方向D2に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2を含む。第1のダミー・チャネル・ピラーVA1と第2のダミー・チャネル・ピラーVA2とは、第1の方向D1と第2の方向D2とに互い違いにずらして配置されており、その結果、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、第1の方向D1及び第2の方向D2から見て、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーVA2同士の間に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーVA2は、第1の方向D1に第1の距離d1だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、第1の方向D1に第1の距離d1だけ第2のダミー・チャネル・ピラーVA2からオフセットされている一方、隣接する2つの第2のダミー・チャネル・ピラーVA2は、第2の方向D2に第2の距離d2だけ互いから離隔しており、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、第2の方向D2に第2の距離d2だけ第2のダミー・チャネル・ピラーVA2からオフセットされている。第1のダミー・チャネル・ピラーVA1及び第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の寸法が第1の方向D1において同一であり、第1の距離d1に等しく、また第1のダミー・チャネル・ピラーVA1及び第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の寸法が第2の方向D2において同一であり、第2の距離d2に等しい場合、上述の配置(即ち、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1が、第1の方向D1に第1の距離d1だけ第2のダミー・チャネル・ピラーVA2からオフセットされており、また第1のダミー・チャネル・ピラーVA1が、第2の方向D2に第2の距離d2だけ第2のダミー・チャネル・ピラーVA2からオフセットされている配置である)により、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。いくつかの実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、第1の方向D1及び第2の方向D2から見て、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2とは重なっていない。
【0043】
図1は、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1が1つの矩形内に配置されており、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2が1つの矩形内に配置されている例示的な一実施形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。第1のダミー・チャネル・ピラーVA1及び第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の配置と数とは、設計に応じて調整され得る。
【0044】
図2及び
図3を参照すると、シール構造220のダミー・チャネル・ピラー・アレイ224は、第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1、第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2、及び第3のダミー・チャネル・ピラー群GR3を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2は第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1を取り囲んでいてもよく、また第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1は、第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2と第3のダミー・チャネル・ピラー群GR3との間に配置されていてもよい。第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1、第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2、及び第3のダミー・チャネル・ピラー群GR3は、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2、及び第3のダミー・チャネル・ピラーVA3をそれぞれ含んでいてもよい。第1のダミー・チャネル・ピラーVA1、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2、及び第3のダミー・チャネル・ピラーVA3はそれぞれ、チップアレイCAを取り囲むように第1の方向D1及び第2の方向D2に配置されていてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1は、4列4行に配置され、チップアレイCAを取り囲む第1のダミー・チャネル・ピラーVA1を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、第1の方向D1及び第2の方向D2に互いに位置合わせされていてもよい(
図2に示すように)。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2は、2列2行に配置され、チップアレイCAを取り囲む第2のダミー・チャネル・ピラーVA2を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの1行が、第1の方向D1に距離変位1だけオフセットされ、その結果、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの当該1行が第1の方向D1に第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の別の行と互い違いになり、また、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの当該1行が、第1の方向D1に第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1の第1のダミー・チャネル・ピラーVA1とさらに互い違いになるように設計されている。これにより、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0047】
いくつかの他の実施形態では、
図2に示すように、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの1列が、第2の方向D2に距離変位2だけオフセットされ、その結果、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの当該1列が第2の方向D2に第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の別の列と互い違いになり、また、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2のうちの当該1列が、第2の方向D2に第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1の第1のダミー・チャネル・ピラーVA1とさらに互い違いになるように設計されている。これにより、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、第3のダミー・チャネル・ピラー群GR3は、2列2行に配置され、チップアレイCAを取り囲む第3のダミー・チャネル・ピラーVA3を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの1行が、第1の方向D1に距離変位3だけオフセットされ、その結果、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの当該1行が第1の方向D1に第3のダミー・チャネル・ピラーVA3の別の行と互い違いになり、また、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの当該1行が、第1の方向D1に第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1の第1のダミー・チャネル・ピラーVA1とさらに互い違いになるように設計されている。これにより、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0049】
いくつかの他の実施形態では、
図2に示すように、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの1列が、第2の方向D2に距離変位4だけオフセットされ、その結果、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの当該1列が第2の方向D2に第3のダミー・チャネル・ピラーVA3の別の列と互い違いになり、また、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3のうちの当該1列が、第2の方向D2に第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1の第1のダミー・チャネル・ピラーVA1とさらに互い違いになるように設計されている。これにより、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2、及び第3のダミー・チャネル・ピラーVA3)を形成するプロセスを、チップ領域R1内にチャネルピラー(図示せず)を形成するプロセスに統合することができ、その結果、プロセスステップが簡略化され得るため、製造コストが削減され得る。
【0051】
図2~
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1~第3のダミー・チャネル・ピラーVA1~VA3)は、環状チャネルピラー(例えば、
図4及び
図5に示す環状チャネルピラーVC)、及び環状チャネルピラー内の導電性ピラー(例えば、
図4及び
図5に示す導電性ピラーCP)を含んでいてもよい。
【0052】
環状チャネルピラーVCは基板100上に配置されていてもよく、また環状スタック構造122を貫通していてもよい。いくつかの実施形態では、環状チャネルピラーVCは環状スタック構造122及びエッチング停止層110を貫通していてもよく、また基板100内まで延在していてもよい。いくつかの実施形態では、環状チャネルピラーVCは、その延在方向(例えば、基板100に垂直な方向)に切れ目なく延在していてもよい。即ち、環状チャネルピラーVCはその延在方向において一体であり、分離された複数の部分に分割されていない。いくつかの実施形態では、環状チャネルピラーVCは、上部から見たときに円形プロファイルを有し得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、環状チャネルピラーVCは、上部から見たときに他のプロファイル(例えば、多角形形状)を有していてもよい。チャネルピラー130の材料は、非ドープポリシリコンなどの半導体材料であってもよい。
【0053】
導電性ピラーCPは基板100内まで延在して、基板100の導電層BMに電気的に接続されている。導電性ピラーCPの材料は、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、又はコバルトシリサイド(CoSix)を含んでいてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1~第3のダミー・チャネル・ピラーVA1~VA3)は、環状チャネルピラーVCと環状スタック構造122との間に配置された誘電体層DL1を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層DL1は、エッチング停止層110内まで延在していてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体層DL1はエッチング停止層110を貫通していてもよく、また基板100内まで配置されていてもよい。誘電体層DL1の材料は、酸化シリコンを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1~第3のダミー・チャネル・ピラーVA1~VA3)は、誘電体層DL2を含んでいてもよい。誘電体層DL2は、環状チャネルピラーVCと導電性ピラーCPとの間に配置されていてもよい。誘電体層DL2の材料は、酸化シリコンを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、環状スタック構造122は、ダミー・ゲート・スタック構造122a、第1のスタック構造122b、及び第2のスタック構造122cを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、ダミー・ゲート・スタック構造122aが、第1のスタック構造122bと第2のスタック構造122cとの間に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1は、環状スタック構造122内のダミー・ゲート・スタック構造122aを貫通していてもよい。いくつかの実施形態では、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2は、環状スタック構造122内の第1のスタック構造122bを貫通していてもよい。いくつかの実施形態では、第3のダミー・チャネル・ピラーVA3は、環状スタック構造122内の第2のスタック構造122cを貫通していてもよい。
【0057】
図4を参照すると、ダミー・ゲート・スタック構造122aは、互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層GLを含んでいてもよい。ダミーゲート層GLの材料は、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、又はコバルトシリサイド(CoSix)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造122aは絶縁層IL1を含んでいてもよく、またダミーゲート層GLは、隣接する2つの絶縁層IL1同士の層間に配置されている。絶縁層IL1の材料は、酸化シリコンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造122aは、ダミーゲート層GLの各々と対応する環状チャネルピラーVCとの間に配置された、ダミー電荷蓄積構造ETLを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ダミー電荷蓄積構造ETLは、酸化物-窒化物-酸化物(ONO)複合層であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造122aは、基板100上に配置され、ダミー・ゲート・スタック構造122aを貫通している絶縁構造130(
図2及び
図3に示すように)を含んでいてもよい。絶縁構造130の材料は、有機絶縁材料、無機絶縁材料、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。
【0059】
図5を参照すると、第1のスタック構造122b及び第2のスタック構造122cはそれぞれ、交互に積層し合って配置された第1の絶縁層IL1及び第2の絶縁層IL2を含んでいてもよい。第1の絶縁層IL1の材料は、第2の絶縁層IL2の材料とは異なっていてもよい。例えば、第1の絶縁層IL1の材料は酸化シリコンであってもよく、また第2の絶縁層IL2の材料は窒化シリコンであってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス10は、シール構造120上に配置された導電層TMをさらに備えていてもよい。導電層TMは、シール構造120内のダミー・チャネル・ピラー・アレイ124に電気的に接続されていてもよい。導電層TMは、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、又はコバルトシリサイド(CoSix)を含んでいてもよい。
【0061】
図6は、本発明の第3の実施形態による3Dメモリデバイスの一部を示す概略斜視図である。なお、
図6では説明の便宜上、導電性ビアBV、導電層BM、ダミー・チャネル・ピラーVA1及びVA2、シール構造320、導電層TM、並びにビアVAAのみを図示している。
図1に示す3Dメモリデバイス10と
図6に示す3Dメモリデバイス20との差異は、3Dメモリデバイス20のシール構造320がビアVAAをさらに備えることである。
【0062】
本実施形態では、シール構造320は、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1/第2のダミー・チャネル・ピラーVA2)の上面と導電層TMの底面との間に形成されたビアVAAを備える。ビアVAAは、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1/第2のダミー・チャネル・ピラーVA2)の導電性ピラーCPを、対応する上部導電層TMに電気的に接続していてもよい。いくつかの実施形態では、ビアVAAの寸法は、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1/第2のダミー・チャネル・ピラーVA2の寸法よりも小さくてもよい。ビアの材料は、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、又はコバルトシリサイド(CoSix)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ビアVAAと導電層TMとは、デュアル・ダマシン・プロセスによって形成されてもよい。
【0063】
シール構造を形成する方法について、例えば
図1~
図5を用いて以下に説明する。しかしながら、シール構造を形成する方法はこれに限定されない。また、同一又は同様の構成要素については、同一又は同様の参照符号によって表しており、ここでの説明は省略する。
【0064】
初めに
図1及び
図2を参照すると、基板100上に、チップアレイCAを取り囲む環状スタック構造122が形成される。次いで、環状スタック構造122を貫通するようにダミー・チャネル・ピラー・アレイ124が形成される。ダミー・チャネル・ピラー・アレイ124は、第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1、及び第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1を取り囲む第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2を含む。第1のダミー・チャネル・ピラー群GR1は、チップアレイCAを取り囲むように第1の方向D1及び第2の方向D2に配置された、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1を含む。第2のダミー・チャネル・ピラー群GR2は、チップアレイCAを取り囲むように第1の方向D1及び第2の方向D2に配置された、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2を含む。第1のダミー・チャネル・ピラーVA1と第2のダミー・チャネル・ピラーVA2とは、第1の方向D1と第2の方向D2とに互い違いにずらして配置されており、その結果、外部水分及び外部応力が、チップ領域R1内のチップアレイCAに影響を及ぼすのが防止され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、環状スタック構造122は、ダミー・ゲート・スタック構造122a、第1のスタック構造122b、及び第2のスタック構造122cを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、ダミー・ゲート・スタック構造122aが、第1のスタック構造122bと第2のスタック構造122cとの間に配置されていてもよい。ダミー・ゲート・スタック構造122aは、互いから電気的に絶縁されたダミーゲート層GLを含んでいてもよい。第1のスタック構造122b及び第2のスタック構造122cはそれぞれ、交互に積層し合って配置された第1の絶縁層IL1及び第2の絶縁層IL2を含んでいてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート・スタック構造122a、第1のスタック構造122b、及び第2のスタック構造122cは、以下のステップによって形成されてもよい。初めに、環状スタック構造122にパターニングプロセスが実行されて、環状スタック構造122及びエッチング停止層110を貫通するトレンチTが形成される(
図3に示すように)。環状スタック構造122内で交互に積層し合って配置された第1の絶縁層IL1及び犠牲層の側壁が、トレンチTによって露出する(水平開口部を形成する後続のプロセスの後、残りの犠牲層は第2の絶縁層IL2と称される)。次いで、トレンチTを通して犠牲層の一部を除去することにより、隣接する2つの第1の絶縁層IL1同士の層間に水平開口部(図示せず)が形成される。その後、水平開口部内にダミーゲート層GLを形成して、ダミー・ゲート・スタック構造122a、第1のスタック構造122b、及び第2のスタック構造122cが形成され、犠牲層のうちで除去されていない他の部分が、第2の絶縁層IL2を形成してもよい。
【0067】
以上を踏まえて、シール構造(例えば、シール構造120、220、又は320)を形成するプロセスを、チップ領域R1にゲート層を形成するプロセス(例えば、ゲート置換プロセスに適合している)に対応させることができる。いくつかの実施形態では、ダミーゲート層GLが形成された後に、絶縁材料によってトレンチTを充填して、絶縁構造130を形成してもよい(
図3に示すように)。
【0068】
図2~
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1~第3のダミー・チャネル・ピラーVA1~VA3)は、環状チャネルピラー(例えば、
図4及び
図5に示す環状チャネルピラーVC)、及び環状チャネルピラー内の導電性ピラー(例えば、
図4及び
図5に示す導電性ピラーCP)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ダミー・チャネル・ピラー(例えば、第1のダミー・チャネル・ピラーVA1、第2のダミー・チャネル・ピラーVA2、及び第3のダミー・チャネル・ピラーVA3)を形成するプロセスを、チップ領域R1内にチャネルピラー(図示せず)を形成するプロセスに統合することができ、その結果、プロセスステップが簡略化され得るため、製造コストが削減され得る。
【0069】
以上を踏まえて、上述した実施形態の3Dメモリデバイスの各々におけるシール構造は、環状スタック構造を貫通しているダミー・チャネル・ピラー・アレイを備え、ダミー・チャネル・ピラー・アレイは、第1の方向と第2の方向とに互い違いにずらして配置された、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを含むように設計されており、その結果、外部水分及び外部応力が、チップ領域内のチップアレイに影響を及ぼすのが防止され得る。一方、シール構造を形成する方法では、第1のダミー・チャネル・ピラー及び第2のダミー・チャネル・ピラーを形成するプロセスを、チップ領域内にチャネルピラーを形成するプロセスに統合することができ、その結果、プロセスステップが簡略化され得るため、製造コストが削減され得る。例えば、上述の実施形態におけるシール構造は、トレンチ型ダイシール構造とは対照的に、チップ領域内にチャネルピラーを形成するプロセスに統合されてもよく、その結果、トレンチ型ダイシール構造を形成する追加のプロセスが省略され得る。
【0070】
開示している実施形態に対して様々な修正及び変更が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図されており、本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって示される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の3Dメモリデバイス及びシール構造を形成する方法は、メモリデバイス及びその製造方法に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10,20:3Dメモリデバイス
100:基板
110:エッチング停止層
120、220、320:シール構造
122:環状スタック構造
124、224:ダミー・チャネル・ピラー・アレイ
122a:ダミー・ゲート・スタック構造
122b:第1のスタック構造
122c:第2のスタック構造
130:絶縁構造
A、B、C:領域
BM、TM:導電層
BV:導電性ビア
CA:チップアレイ
D1:第1の方向
D2:第2の方向
d1:第1の距離
d2:第2の距離
DL1、DL2:誘電体層
ETL:ダミー電荷蓄積構造
GR1:第1のダミー・チャネル・ピラー群
GR2:第2のダミー・チャネル・ピラー群
GR3:第3のダミー・チャネル・ピラー群
GL:ダミーゲート層
IL1:絶縁層/第1の絶縁層
IL2:第2の絶縁層
R1:チップ領域
R2:シール領域
変位1、変位2、変位3、変位4:距離
T:トレンチ
VA1:第1のダミー・チャネル・ピラー/ダミー・チャネル・ピラー
VA2:第2のダミー・チャネル・ピラー/ダミー・チャネル・ピラー
VA3:第3のダミー・チャネル・ピラー
VC:環状チャネルピラー
VAA:ビア
CP:導電性ピラー