(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-19
(45)【発行日】2024-07-29
(54)【発明の名称】コンタクト要素、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/187 20060101AFI20240722BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01R13/187 B
H01R13/64
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023020490
(22)【出願日】2023-02-14
【審査請求日】2023-03-30
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518105024
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクス フランス エスアーエス
(73)【特許権者】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ラケシュ アールエス
(72)【発明者】
【氏名】サンダレシャン エムディー
(72)【発明者】
【氏名】グザヴィエ ルイヤール
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-011841(JP,A)
【文献】中国実用新案第203932406(CN,U)
【文献】特表2017-513206(JP,A)
【文献】特開2002-367697(JP,A)
【文献】特開2017-054808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/187
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(11)および少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)を備えるコンタクト要素(1)であって、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記フレーム(11)の第1の領域(15)に固定されている固定端部(19)と、前記固定端部(19)の反対側の自由端部(21)とを有し、
前記フレーム(11)は、前記第1の領域(15)の反対側に配置され、間隙(23)を空けて前記第1の領域(15)から離隔している第2の領域(17)をさらに備え、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記第1の領域(15)から前記間隙(23)をまたいで前記第2の領域(17)まで延び、
前記自由端部(21)は、前記第2の領域(17)と重な
るように構成されており、
前記フレーム(11)は、平面(9)に配置され、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記平面(9)に実質的に垂直に弾性的に撓むように構成されており、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、頂点(49)を有する少なくとも1つの曲がり部(46)を有し、前記頂点(49)は、前記フレーム(11)の前記平面(9)よりも上方の高さに配置され、
前記頂点(49)は、前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)の前記固定端部(19)よりも前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)の前記自由端部(41)の近くに配置されている、
コンタクト要素(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記間隙(23)に向かう方向において静置位置(48)から弾性的に撓むように構成され、
弾性的に撓んだ位置(62)において、前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記フレーム(11)の前記第2の領域(17)に当接する、
請求項1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項3】
前記コンタクトスプリング(13)の数は、複数である、
請求項1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項4】
前記フレーム(11)は、金属薄板(5)から形成されている、
請求項1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項5】
前記フレーム(11)は、前記第1の領域(15)および前記第2の領域(17)を接続する第3の領域(29)を備え、
前記第3の領域(29)は、湾曲部(43)を備える、
請求項1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項6】
前記湾曲部(43)は、前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)が弾性的に撓むことが可能なように構成される方向に延びる、
請求項5に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項7】
前記湾曲部(43)は、前記第3の領域(29)の一部にわたって延び、前記第1の領域(15)よりも前記第2の領域(17)の近くに配置されている、
請求項5に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項8】
複数の前記コンタクトスプリング(13)は、各々、同じ形状を有する、
請求項3に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項9】
前記フレーム(11)の湾曲部(43)は、さらなる頂点(49a)を有する少なくとも1つのさらなる曲がり部(46a)を備え、
前記第1の領域(15)から前記第2の領域(17)に延びる長さ方向(33)において、前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)の前記頂点(49)および前記湾曲部(43)の前記さらなる頂点(49a)は、実質的に同じ位置に配置されている、
請求項
1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記フレーム(11)の、前記湾曲部(43)と同じ側に配置されている、
請求項5に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)および前記湾曲部(43)は、前記フレーム(11)から実質的に同じ高さまで延びる、
請求項5に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、圧縮状態(61)を有し、
前記圧縮状態(61)において、前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)は、前記間隙(23)に向かって撓んでおり、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)の前記自由端部(21)は、少なくとも前記圧縮状態(61)において前記第2の領域(17)に当接するように構成され、
前記少なくとも1つのコンタクトスプリング(13)の前記自由端部(21)はさらに、前記フレーム(11)の前記第2の領域(17)に沿って移動するように構成されている、
請求項1から11のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項13】
相手側コネクタ(69)との電気的接続を提供するための電気コネクタ(67)であって、
前記電気コネクタ(67)は、コネクタハウジング(71)と、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)とを備え、
前記コンタクト要素(1)は、前記コネクタハウジング(71)に受け入れられて保持され、前記コネクタハウジング(71)における接続用凹部(73)を介してアクセス可能であり、
前記少なくとも1つのコンタクト要素(1)は、前記接続用凹部(73)に向かって延びる、
電気コネクタ(67)。
【請求項14】
請求項13に記載の電気コネクタ(67)と、電気的接続を提供するために前記電気コネクタ(67)に挿入されるように適合されている相手側コネクタ(69)とを含む電気コネクタアセンブリ(65)であって、
前記相手側コネクタ(69)は、前記接続用凹部(73)と実質的に相補的な断面を備え、
前記相手側コネクタ(69)は、前記相手側コネクタ(69)が前記少なくとも1つのコンタクト要素(1)の前記フレーム(11)に向かって移動することを防止するように構成されている少なくとも1つの湾曲部(43)により支持されている、
電気コネクタアセンブリ(65)。
【請求項15】
前記コンタクト要素(1)は、2つの反対位置の湾曲部(43)を備え、前記湾曲部(43)は、前記湾曲部(43)の間に前記相手側コネクタ(69)の一部分(77)を受け入れるように構成され、前記電気コネクタ(67)への前記相手側コネクタ(69)の挿入中に前記相手側コネクタの前記一部分(77)を案内するように構成されている、
請求項14に記載の電気コネクタアセンブリ(65)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト要素、相手側コネクタとの電気的接続を提供するための電気コネクタ、および電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクト要素、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリは一般に、大量生産される。これらの要素の汎用性を維持またはさらに向上させつつ、これらの要素を簡略化する必要がある。また、生産コストを低減するために、それらの生産を簡略化する必要もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
これらの必要性は、コンタクト要素が、フレームおよび少なくとも1つのコンタクトスプリングを備える点において、本発明により対処される。少なくとも1つのコンタクトスプリングは、フレームの第1の領域に固定されている固定端部と、固定端部の反対側の自由端部とを有し、フレームは、第1の領域の反対側に配置され、間隙を空けて第1の領域から離隔している第2の領域をさらに備え、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、第1の領域から間隙をまたいで第2の領域まで延び、自由端部は、第2の領域と重なる。
【0004】
上記の目的はさらに、電気コネクタが、コネクタハウジングまたはコネクタ本体と、上述のコンタクト要素とを備える点において、本発明により対処される。コンタクト要素は、コネクタハウジングに受け入れられて保持され、コネクタハウジングにおける接続用凹部(connection recess)を介してアクセス可能であり、少なくとも1つのコンタクト要素は、接続用凹部に向かって延びる。
【0005】
本発明はさらに、電気コネクタアセンブリが、上述の電気コネクタと、電気的接続を提供するために電気コネクタに挿入されるように適合されている相手側コネクタとを含む点において、これらの目的を解決する。相手側コネクタは、接続用凹部と実質的に相補的な断面を備え、相手側コネクタは、相手側コネクタが少なくとも1つのコンタクト要素のフレームに向かって移動することを防止するように構成されている少なくとも1つの湾曲部(bight)により支持されている。
【0006】
上記のコンタクト要素、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリは、幾何学的形態(geometry)および/または形状および/または構造が簡略であるという利点を有し、結果として、生産コストの利点に加え、1つのコンタクト要素を生産するのに必要な材料の量を低減するという利点を有する。さらに、自由端部と第2の領域との間に重なりを設けることにより、コンタクト要素は、少なくとも1つのコンタクトスプリングの過屈曲を防止し、少なくとも1つのコンタクトスプリングにより生成され得るばね力を維持する、またはさらに増大させるように構成される。
【0007】
コンタクト要素、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリは、以下で説明するさらなる特徴により改善され得る。以下で説明する特徴は、互いに任意に組み合わされてもよく、省略される特徴により得られる技術的効果に関連性がない場合には、個々の特徴が省略されてもよい。以下で説明する可能な実施形態の各々は、技術的特徴の特定の組み合わせを表し、それ自体が単独で有利であり得る。コンタクト要素により説明される特徴は、電気コネクタまたは電気コネクタアセンブリにおいて提供されてもよく、逆の場合も同じである。
【0008】
コンタクト要素は、任意の数のコンタクトスプリング、すなわち2つ、3つ、4つまたは複数のコンタクトスプリングを備えてよい。複数のコンタクトスプリング、すなわち2つの以上のコンタクトスプリングは、互いに平行に向いていてよく、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、間隙の材料から形成されてよく、それにより、切断屑の量が低減し、よって生産コストが低減する。
【0009】
コンタクトスプリングは、同じ形状および/または幾何学的形態を有していてよい。ただし、コンタクトスプリングの各々が、他のコンタクトスプリングとは異なる形状および/または幾何学的形態を有していてもよい。
【0010】
コンタクト要素は、矩形の形状または占有領域(footprint)を有していてよい。コンタクト要素の角部は、傾斜面を形成してよい。コンタクト要素は、正方形の形状を有していてもよく、またはさらに湾曲領域を備えていてもよい。例示として、コンタクト要素は、円形もしくは楕円形の占有領域、または円もしくは楕円に類似する占有領域を有していてよく、第1の領域および第2の領域は、半円形または半楕円形であり、コンタクトスプリングの各々が異なる長さおよび/または形状を有していてよい。
【0011】
自由端部および第2の領域の重なりを生じさせるための非限定的な例示的方法としては、少なくとも1つのコンタクトスプリングが長くなるように構成されるような、少なくとも1つのコンタクトスプリングの圧延、据え込みまたはプレス成形などのプロセスがある。これらの生産工程は、打ち抜きプロセス中に少なくとも1つのコンタクトスプリングに適用されてよい。
【0012】
コンタクト要素は、少なくとも1つのコンタクトスプリングが、間隙に向かう方向において静置位置から弾性的に撓むように構成されることにより、改善され得る。好ましくは、少なくとも弾性的に撓んだ位置において、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、フレームの第2の領域に当接する。
【0013】
これは、撓んだ少なくとも1つのコンタクトスプリングを第2の領域が支持し、それにより、コンタクト要素により提供され得る接触力が増大するという利点を有する。接触力は、撓んだコンタクトスプリングにより相手側コンタクト要素に及ぼされ得る力として理解されてよい。上記接触力は、相手側コンタクト要素に垂直に向いていてよく、よって接触垂直力と称される場合がある。
【0014】
コンタクト要素のフレームは、平面に配置されてよく、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、上記平面に実質的に垂直に弾性的に撓むように構成されてよい。
【0015】
コンタクト要素のそのような幾何学的形態および/または形状は、生産、保管または輸送が容易である。そのような実質的に平坦なコンタクト要素は、輸送、保管またはさらなる処理工程への供給を容易にするべく、キャリアストリップおよびコンタクト要素を巻き取るために複数のコンタクト要素の各々をキャリアストリップと接続するタブを備えてよい。
【0016】
好ましくは、コンタクト要素のフレームは、金属薄板(シートメタル)から形成されてよい。
【0017】
これは、単一の生産工程のみを必要とし得る曲げ加工および打ち抜き加工によりコンタクト要素が製造され得るという利点、および、コンタクト要素の幾何学的形態および/または形状が改善されることにより薄板材料の切断屑の量が低減するという利点を有する。
【0018】
第1の領域および第2の領域ならびに間隙は、共通の平面に配置されてよい。
【0019】
コンタクト要素は、フレームが、第1の領域および第2の領域を接続する第3の領域を備えることにより改善され得る。第3の領域は、湾曲部を備える。
【0020】
湾曲部が第3の領域に設けられるので、湾曲部を設けることにより、コンタクトスプリングの自由端部とフレームの第2の領域との間の重なりが設けられるという利点を有する。よって、上記の例に示すように、少なくとも1つのコンタクトスプリングを長くする必要がない。コンタクトスプリングを長くすることに代えて、第3の領域が湾曲部により短くなり、それにより、少なくとも1つのコンタクトスプリングの全体強度を低下させることなく、重なりを設けるという同じ効果が得られる。一例として、少なくとも1つのコンタクトスプリングを長くすることが回避されるので、少なくとも1つのコンタクトスプリングの材料厚さを一定のままとすることができる。
【0021】
コンタクト要素は、湾曲部が、少なくとも1つのコンタクトスプリングが弾性的に撓むことが可能なように構成される方向に延び得る点において、さらに改善され得る。
【0022】
これは、湾曲部が少なくとも1つのコンタクトスプリングを機械的影響による損傷から保護し得るという利点を有する。よって、湾曲部は、フレームの平面から出るように延びていてよい。湾曲部は、1つ、2つ、3つまたは4つの側から、少なくとも部分的に少なくとも1つのコンタクトスプリングを保護してよい。
【0023】
コンタクト要素のさらなる実施形態において、湾曲部は、第3の領域の一部にわたって延びてよく、第1の領域よりも第2の領域の近くに配置されてよい。
【0024】
湾曲部のこの位置は、湾曲部が少なくとも1つのコンタクトスプリングの撓みの幾何学的形態に適合するという利点を有する。上記少なくとも1つのコンタクトスプリングは、固定端部ではなく自由端部において撓むことが好ましい。湾曲部は、フレームの屈曲領域に相当してよい。そのため、接触力が少なくとも1つのコンタクトスプリングにより生成される位置は、湾曲部の位置の近くに配置されることが好ましい。接触力が及ぼされる位置が湾曲部の位置から離れて配置される場合、第3の領域の一部が、第3の領域に印加される力を増大させるてことして働いてよい。
【0025】
第3の領域は、少なくとも、部分的にまたは全体的に、第3の領域が第1の領域および第2の領域に接続される2つの端点を接続する直線から外れていてよい。この外れを含む第3の領域の部分を、以下で湾曲部と呼称する。
【0026】
湾曲部は、膨出部、窪み、突出部または凸部などの形態を備えるまたはそれからなるものであってよい。湾曲部は、曲がった部分、例えばU字形状を備えるまたはそれからなるものであってもよく、または、1つよりも多くのU字形状を備えるまたはそれからなるものであってもよい。異なる実施形態において、湾曲部は、折りたたみ部分を備えるまたはそれからなる、例えば1つまたは複数のV字形部分を備えるものであってもよい。
【0027】
湾曲部は、フレームが配置される平面に実質的に平行に向く平坦部を備えてよい。
【0028】
フレームにおける間隙は、少なくとも3つの側においてフレームにより囲まれていてよい。
【0029】
フレームは、第1の領域および第2の領域を接続する第4の領域を備えてよく、間隙は、第3の領域と第4の領域との間、および第1の領域と第2の領域との間に延びる。よって、4つの領域が間隙を取り囲んでいてよい。
【0030】
第4の領域は、別の湾曲部を備えてよい。第4の領域は、第3の領域と対称に形成されてよい。また、他方の、すなわち第2の湾曲部は、この実施形態における第1の湾曲部である湾曲部と対称に形成されてよい。これらの湾曲部は、互いに反対位置にある一対の湾曲部と称される場合がある。
【0031】
湾曲部は、長さ縮小構造(length-reducing formation)であってよく、隆起部、折り目、段差または折り縮め部(shortening fold)と称される場合もある。湾曲部は、長さ方向におけるフレームの長さを短縮するように構成されてよい。長さ方向は、第1の部分から第2の部分に延びる。湾曲部は、フレームの塑性変形部分、特に第3の領域または第4の領域の一部分により形成されてよい。
【0032】
少なくとも1つのコンタクトスプリングは、フレームの平面から出るように延びていてよい。少なくとも1つのコンタクトスプリングが延びる方向が、上方向とみなされてよい。少なくとも1つのコンタクトスプリングは、平面から鋭角をなすように、すなわち部分的に上方向にかつ部分的に長さ方向に延びていてよい。
【0033】
少なくとも1つのコンタクトスプリングは、間隙に向かって弾性的に撓むように構成されてよい。
【0034】
コンタクト要素の別の有利な実施形態において、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、頂点(apex)を有する少なくとも1つの曲がり部(curved portion)を有していてよい。頂点は、フレームの平面よりも上方の高さと称される距離を空けて配置されてよく、頂点は、コンタクトスプリングの固定端部よりも少なくとも1つのコンタクトスプリングの自由端部の近くに配置される。
【0035】
少なくとも1つのコンタクトスプリングのこの幾何学的形態および/または形状および/または位置は、十分な撓み距離を提供するという利点を有する。反対に少なくとも1つのコンタクトスプリングの固定端部に近い場合、撓み距離が制限され、コンタクト要素に対する要求事項を満たさない場合がある。
【0036】
さらに、少なくとも1つのコンタクトスプリングの自由端部に近づくにつれて、撓み距離は、より固定端部に近い位置と比較して大きくなる。頂点を有する曲がり部は、少なくとも1つのコンタクトスプリングの画定された接触領域を提供し得る。少なくとも1つのコンタクトスプリングが撓む、すなわち固定端部および曲がり部を中心として回動する場合、特に頂点が、この回動によりわずかに傾斜する。しかしながら、接触位置は、長さ方向に大きく変位しないので、依然として上記頂点により画定される。
【0037】
コンタクトスプリングは、様々な可能な形状、例えばU字形状またはV字形状の少なくとも1つの凸状部を有していてよい。コンタクトスプリングは、1つまたは複数のU字形またはV字形の部分またはそれらの組み合わせを備えてよい。コンタクトスプリングは、特に凸状であってよい。
【0038】
コンタクト要素は、湾曲部によりさらに改善され得る。例示として、湾曲部は、さらなる頂点を有する少なくとも1つのさらなる曲がり部を備える、長さ縮小構造であってよい。代替的には、頂点に代えて平坦部が設けられ、長さ方向において、少なくとも1つのコンタクトスプリングの頂点および長さ縮小構造のさらなる頂点は、実質的に同じ位置に配置される。
【0039】
コンタクト要素の少なくとも1つのコンタクトスプリングは、特に高さ方向において、フレームの、湾曲部と同じ側に配置されてよい。
【0040】
これは、湾曲部または一対の湾曲部が少なくとも1つのコンタクトスプリングを保護し得るという利点を有する。コンタクト要素のこの実施形態は、受け入れ構造体、例えば電気コネクタにまたはその内部に平坦に配置され得ることが、さらに有利である。さらなる利点について、以下で電気コネクタに関して論じる。
【0041】
湾曲部による少なくとも1つのコンタクトスプリングの保護は、少なくとも1つのコンタクトスプリングおよび湾曲部がフレームから実質的に同じ高さまで延びることにより、さらに改善され得る。複数のコンタクト要素が巻き取られる場合、各コンタクト要素の少なくとも1つのコンタクトスプリングが、場合により巻き枠における隣接層のコンタクト要素によって引き起こされ得る機械的影響から保護される。
【0042】
個別の、すなわち単一のコンタクト要素であっても、湾曲部による少なくとも1つのコンタクトスプリングの保護を提供する。湾曲部は、少なくとも1つのコンタクトスプリングに対する機械的接触を防止し得る。上記保護は、1つ、2つまたは3つの側により提供されてよい。
【0043】
コンタクト要素の少なくとも1つのコンタクトスプリングは、圧縮状態を有してよく、付勢状態において、少なくとも1つのコンタクトスプリングは、間隙に向かって撓んでいてよく、少なくとも1つのコンタクトスプリングの自由端部は、少なくとも圧縮状態において第2の部分に当接するように構成されてよく、少なくとも1つのコンタクトスプリングの自由端部はさらに、フレームの第2の部分に沿って移動するように構成されてよい。
【0044】
この実施形態は、少なくとも1つのコンタクトスプリングの自由端部が第2の部分に当接することで、少なくとも1つのコンタクトスプリングにより相手側コンタクト部材に向かって及ぼされ得る接触力が増大するという利点を有する。よって、接触力は、固定端部を中心として少なくとも1つのコンタクトスプリングを傾斜させるのに必要な力に対応するのではなく、湾曲したコンタクトスプリングを屈曲させる、特に圧縮するのに必要な力に対応する。
【0045】
例示として、頂点を有するコンタクトスプリングの曲がり部は、実際には、間隙に向かう撓み方向に沿ってまたはその反対方向に変位せず、すなわち、上記曲がり部の基線は不変のままでフレームの平面に留まるが、曲がり部は、間隙に向かって圧縮され、曲がり部の高さは低くなり、頂点はフレームの平面に向かって変位し、同時に曲がり部の幅が大きくなる。よって、少なくとも1つのスプリング部材は、回動によっては撓まず、圧縮により撓む。曲がった部分の幾何学的形態および/または形状によっては、スプリング部材の変形により得ることが可能な接触力は、スプリング部材の回動の撓みにより得ることが可能な接触力よりも数倍大きいものであり得る。上記接触力は、コンタクトスプリングが変形する場合の方が2~20倍大きいものであり得る。さらに、コンタクトスプリングの過屈曲が防止され得る。
【0046】
電気コネクタには、上記のコンタクト要素のいずれかが設けられてよい。
【0047】
上記で論じたように、コンタクト要素は、電気コネクタのコネクタハウジングに受け入れられて保持され、電気コネクタのコネクタ面を形成し得る接続用凹部を介してアクセス可能である。
【0048】
コネクタハウジングに受け入れられると、コンタクト要素のフレーム全体が、ハウジング本体により支持されてよい。
【0049】
電気コネクタは、上述の電気コネクタおよび相手側コネクタを備える。相手側コネクタが電気コネクタに挿入されると、相手側コネクタの相手側コンタクトが、コンタクト部材と、特に電気コネクタに受け入れられているコンタクト部材の少なくとも1つのコンタクトスプリングと、電気的接続を確立する。
【0050】
好ましくは、相手側コネクタと、電気コネクタの接続用凹部とは、断面が互いに相補的である。これらの断面は、相手側コネクタが誤った向きで電気コネクタに接続されることを防止する方向決め機構を有していてよい。
【0051】
コンタクトスプリングに及ぼされる最大の許容可能な力(この閾値の力を超えると、コンタクトスプリングの過屈曲、恒久的変形または損傷が生じ得る)を超える力の印加からコンタクト部材の少なくとも1つのコンタクトスプリングを保護するために、相手側コネクタの一部分、すなわち相手側コネクタハウジングの一部または相手側コンタクトの一部が、電気コネクタに設けられるコンタクト要素の湾曲部、または好ましくは一対の湾曲部に当接してよい。
【0052】
湾曲部は、特にコンタクト部材のフレームに向かう方向において、相手側コネクタを支持してよい。これは、相手側コネクタの相手側コンタクトがフレームに向かって意図せず移動することを防止し得る。したがって、間隙に向かう少なくとも1つのコンタクトスプリングの撓みは、相手側コンタクトの幾何学的形態によってのみ決定され得る。特に、相手側コンタクトの高さが、間隙に向かう少なくとも1つのコンタクトスプリングの撓みの量を決定し得る。
【0053】
電気コネクタアセンブリは、コンタクト要素が、2つの反対位置の湾曲部を備えることにより、さらに改善され得る。それらの湾曲部は、湾曲部の間に相手側コネクタの一部分を受け入れるように構成され、電気コネクタへの相手側コネクタの挿入中に相手側コネクタの一部分を案内するように構成される。
【0054】
相手側コンタクトは、金属製のまたは金属被覆されたタブであってよく、幅方向が、長さ方向に垂直に向き、高さ方向は、コンタクト要素の2つの湾曲部の間の距離に等しいまたはそれよりも小さくてよい。よって、湾曲部は、相手側コンタクトのための受け入れスロットまたは案内スロットを形成し得る。
【0055】
以下、コンタクト要素、電気コネクタおよび電気コネクタアセンブリについて、添付の図面により詳細に説明する。図面には、特定の実施形態が例示的に示されている。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。詳細な説明において、同じ特徴、および同じ技術的効果を有する特徴は、同じ参照符号で記載されている。繰り返しの説明は避けるが、図面に示す実施形態間の差異については明示的に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】打ち抜きプロセスのコンタクト要素の図である。
【
図2】組み立て状態におけるコンタクト要素の図である。
【
図3】相手側コンタクトと接触している、切断側面図におけるコンタクト要素の図である。
【
図4】電気コネクタおよび相手側コネクタを含む電気コネクタアセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、組み立て前状態3におけるコンタクト要素1を示す。コンタクト要素1は、金属薄板5から作製される金属薄板部品7である。
【0058】
コンタクト要素1は、上面図で示されており、平面9に配置されている。平面9は、図面の平面に対応する。コンタクト要素1は、フレーム11およびコンタクトスプリング13を備える。
【0059】
平面9は、長さ方向33および幅方向35により張られる。組み立て前状態3において、コンタクト要素1は、全体が平面9に配置されている。高さ方向37が、図面の平面から出るように延び、平面9に垂直に向いている。
【0060】
図1に示す特定の実施形態においては、総数8つのコンタクトスプリング13が設けられる。コンタクト要素1の異なる実施形態においては、任意の数のコンタクトスプリング13、例えば1つ、2つ、3つまたは複数のコンタクトスプリング13が設けられてよい。コンタクトスプリング13の各々、または少なくとも1つのコンタクトスプリング13は、ラメラ13a、または、2つの以上のコンタクトスプリング13が設けられる場合には複数のラメラ13aと称される場合がある。
【0061】
図示の実施形態において、複数のコンタクトスプリング13は各々、同じ形状および幾何学的形態、例えば長さを有する。他の実施形態において、コンタクトスプリング13は、形状および/または幾何学的形態が互いに異なっていてもよい。
【0062】
図示の特定の実施形態において、フレーム11は、第1の領域15、および第1の領域15の反対側に配置される第2の領域17を備える。第1の領域15は、間隙23を空けて第2の領域17から離隔している。フレーム11は、第3の領域29および第4の領域31をさらに備える。第1の領域15、第2の領域17、第3の領域29および第4の領域31の各々が、間隙23の1つの側に配置される。全ての4つの領域15、17、29、31が、間隙23を取り囲む。コンタクト要素1は、矩形の形状または占有領域を有する。他の実施形態においては、形状または占有領域が異なっていてもよく、例えば正方形、湾曲形、円形等であってもよい。
したがって、特にフレーム11の湾曲形または円形の領域を有する実施形態において、コンタクトスプリング13は、形状および/または幾何学的形態、特に長さが異なっていてもよい。
【0063】
異なる実施形態(不図示)においては、第3の領域29のみが設けられてもよい。この場合、間隙23は、第3の領域29の反対側のフレーム11の外側に向かって開口する。
【0064】
打ち抜き加工された金属薄板部品7の場合、間隙23は、金属薄板5に孔25を打ち抜くことにより形成される。図示の実施形態において、孔25は、第2の領域17の内側部27、第3の領域29の内側部27および第4の領域31の内側部27ならびにコンタクトスプリング13の外形により形成される。
【0065】
少なくとも1つのコンタクトスプリング13は、フレーム11の第1の領域17に固定された固定端部19を有する。固定端部19の反対側において、少なくとも1つのコンタクトスプリング13は、自由端部21を有する。
【0066】
コンタクトスプリング13は、間隙23をまたいで第1の領域15から第2の領域17まで延びる。組み立て前状態3において、自由端部21は、間隙23内に配置される。
【0067】
図示の実施形態において、第3の領域29および第4の領域31は、以下の図に示すように、屈曲するように適合される屈曲部39を備える。
【0068】
コンタクトスプリング13もまた、屈曲部39を備えることに留意されたい。
【0069】
図2において、コンタクト要素1が屈曲状態または組み立て状態41で示されている。組み立て状態41において、コンタクトスプリング13の各々は、上方すなわち高さ方向37に屈曲しており、平面9から出て鋭角をなすように延びる。
【0070】
第1の領域15および第2の領域17は、依然として平面9に配置されているが、第3の領域29および第4の領域31は、部分的にのみ平面9に配置されている。
【0071】
図1の屈曲部39は、平面9から出て上方に、すなわち高さ方向37に屈曲し、その後下方に屈曲し、再び平面9へと屈曲する。よって、屈曲部39は、湾曲部43を形成する。湾曲部43は、図示の実施形態においてU字形部分45を備え、折り縮め部47である。U字形部分45は、曲がり部46である。
【0072】
互いに反対側に配置される2つの湾曲部43が設けられ、間隙23が湾曲部43の間に配置される。
【0073】
湾曲部43は、第3の領域29および第4の領域31を長さ方向33に沿って短くする効果を有する。湾曲部43は、コンタクトスプリング13の各々が対応する自由端部21で第2の領域17と重なる効果を有する。
【0074】
コンタクトスプリング13は、互いに実質的に平行に向いている。各コンタクトスプリング13は、間隙23に向かう方向、すなわち高さ方向37の反対方向において静置位置48から弾性的に撓んでいてよい。コンタクトスプリング13はまた、少なくとも1つの曲がり部46および頂点49を備える。要素を区別するために、湾曲部43の曲がり部46および頂点49を、さらなる曲がり部46aおよびさらなる頂点49aと称する場合がある。
【0075】
コンタクトスプリング13が静置位置48から間隙23に向かって撓んでいる場合、コンタクトスプリング13は、対応する自由端部21がフレーム11の第2の領域17に当接する。
【0076】
各コンタクトスプリング13は、頂点49が形成されるように複数のU字形部分45(
図3も参照)を備える。頂点49は、各コンタクトスプリング13の最高点に相当し、対応するコンタクトスプリング13の接触点51に対応する。
【0077】
各コンタクトスプリング13は個別に撓んでいてよいが、相手側コンタクト(
図3および
図4参照)との電気的接触は、複数のコンタクトスプリング13により確立される。コンタクト要素1は、相手側コンタクトが均一なコンタクト面を有しない場合であっても、高信頼な電気的接続を可能とする。
【0078】
そのような不均一なコンタクト面の場合、コンタクトスプリング13の各々は、コンタクトスプリング13ごとに異なり得る撓み距離53(
図3参照)だけ撓んでいてよい。電気的接続の劣化なく不均一な相手側コンタクトと接触することが可能であることは、複数のコンタクトスプリング13を有する上記コンタクト要素1の利点の1つである。
【0079】
湾曲部43はさらに、コンタクトスプリング13を保護するように構成される。コンタクトスプリング13は、例えば、側部、特に第3の領域29または第4の領域31からアクセス不可能である。加えて、湾曲部43は、高さ方向37の反対方向に働く機械的影響から一定程度コンタクトスプリング13を保護する。図示の実施形態において、湾曲部43は、コンタクトスプリング13の頂点49よりも平面9から離れて配置される湾曲部高さ44を有する。他の実施形態(不図示)においては、湾曲部高さ44が頂点49の高さと等しくてもよい。
【0080】
図3は、相手側コンタクト55と接触しているコンタクト要素1の部分切断側面図を示す。相手側コンタクト55は、コンタクトパッド56を備えてよく、または全体が導電材料(不図示)から作製されていてよい。
【0081】
図3は、どのように電気的接続が確立されるかを単に模式的に示す。相手側コンタクト55は、長さ方向33の反対方向に移動され、それによりコンタクトスプリング13に撓み力57を及ぼす。コンタクトスプリング13は、撓む、特に、固定端部19に対応する回動点59を中心として回動する。
【0082】
まず、コンタクトスプリング13は、コンタクトスプリング13の自由端部21が支持点58においてフレーム11の第2の領域17に当接するまで、間隙23に向かって撓む。
【0083】
用いられる相手側コンタクト55によっては、スプリングコンタクト13は、高さ方向37の反対方向にさらに圧縮される場合があり、その結果、頂点49が間隙23に向かって押されて自由端部21が長さ方向33にわずかにずれるように、コンタクトスプリング13の湾曲形状が圧縮される。
【0084】
この圧縮の前に、コンタクトスプリング13全体が回動点または回動線59を中心として傾斜してもよい。
【0085】
図3は、上記の撓み距離53とともに、点線で描いた静置位置48におけるコンタクトスプリング13を模式的に示す。撓み距離53は、コンタクトスプリング13の静置位置48における頂点49の高さ方向37に沿った高さ位置と、コンタクトスプリング13の圧縮状態61における頂点49の高さ位置との間の距離に対応する。コンタクトスプリング13の圧縮状態61は、コンタクトスプリング13の撓み位置62に対応する。この撓み位置62において、コンタクトスプリング13は、フレーム11の第2の領域17と機械的に接触している。
【0086】
少なくとも圧縮状態61(
図3に示す)において、自由端部21は第2の領域17と機械的に接触し、コンタクトスプリング13により接触力63が高さ方向37に及ぼされる。接触力63は、相手側コンタクト55に実質的に垂直に向いており、よって垂直接触力と称される場合がある。
【0087】
図4において、電気コネクタアセンブリ65が模式的に示されている。電気コネクタアセンブリ65は、電気コネクタ67および相手側コネクタ69を含む。単に図示の実施形態においては、電気コネクタはメス型コネクタに相当し、相手側コネクタはオス型コネクタに相当する。これは、他の実施形態(不図示)においては異なっていてもよい。
【0088】
電気コネクタ67(
図5において正面図でも示す)は、コネクタハウジング71を備え、接続用凹部73がコネクタハウジング71に設けられる。接続用凹部73は、電気コネクタ67のコネクタ面75に相当する。
【0089】
コンタクト要素1が、接続用凹部73に受け入れられる。コンタクト要素1は、上記接続用凹部73を介してコネクタハウジング71に挿入されてよいが、他の実施形態においては、コネクタハウジング71の材料によりオーバーモールドされてもよい。いずれの場合においても、コンタクト要素1は、接続用凹部73を介してアクセス可能である。
【0090】
湾曲部43およびコンタクトスプリング13もまた、接続用凹部73を介して視認可能かつアクセス可能である。コンタクト要素1の第2の領域17がコネクタハウジング71により支持され、それにより、第2の領域17が撓んでコンタクトスプリング13から離れることなく、コンタクトスプリング13が第2の領域17により支持され得る。
【0091】
相手側コネクタ69もまた、接続用凹部73と実質的に相補的なコネクタ面75を有する。図示の実施形態において、相手側コネクタ69は、長手方向キー手段(longitudinal key means)79である2つの反対位置の案内手段77を備える。
【0092】
プレート部材81が、反対位置の案内手段77どうしを接続し、相手側コネクタ69の下側から配置されるまたはアクセス可能であるコンタクト部83を提供する。コンタクト部83は、点線で描かれている。コンタクト部83は、
図3に示すコンタクトパッド56であってよい。
【0093】
相手側コネクタのコンタクト部83と電気コネクタ67のコンタクトスプリング13との間に確立された電気的接続は、
図3に示されている。
【0094】
図5は、電気コネクタ67の正面図を示す。湾曲部43とコネクタハウジング71との間の自由距離(free distance)85により、案内手段77(
図4参照)が高さ方向37においてプレート部材81から延出し得る距離が決定する。プレート部材81の下面が、湾曲部43の頂点49に当接していてよい。
【0095】
コンタクトスプリング13の静置位置48において、対応する頂点49は、コネクタハウジング71からさらなる自由距離87を空けて配置される。確実な電気的接続を得る目的で、コンタクトスプリング13は、必要な接触力63(
図3参照)を生成するために間隙23に向かって、すなわち高さ方向37の反対方向に撓む。
【0096】
相手側コネクタ69のプレート部材81は、撓み距離53を決定するプレート厚さ89を有する。撓み距離53は、プレート厚さ89とさらなる自由距離87との差である。
【符号の説明】
【0097】
1 コンタクト要素
3 組み立て前状態
5 金属薄板
7 金属薄板部品
9 平面
11 フレーム
13 コンタクトスプリング
13a ラメラ
15 第1の領域
17 第2の領域
19 固定端部
21 自由端部
23 間隙
25 孔
27 内側部
29 第3の領域
31 第4の領域
33 長さ方向
35 幅方向
37 高さ方向
39 屈曲部
41 組み立て状態
43 湾曲部
44 湾曲部高さ
45 U字形部分
46 曲がり部
46a さらなる曲がり部
47 折り縮め部
48 静置位置
49 頂点
49a さらなる頂点
51 接触点
53 撓み距離
55 相手側コンタクト
56コンタクトパッド
57 撓み力
58 支持点
59 回動点
61 圧縮状態
62 撓み位置
63 接触力
65 電気コネクタアセンブリ
67 電気コネクタ
69 相手側コネクタ
71 コネクタハウジング
73 接続用凹部
75 コネクタ面
77 案内手段
79 長手方向キー手段
81 プレート部材
83 コンタクト部
85 自由距離
87 さらなる自由距離
89 プレート厚さ